説明

ピリミジン化合物及びその使用

【課題】IL−12、IL−23、及びIL−27の産生を阻害し、自己免疫疾患及び炎症性疾患の治療に有用な化合物を提供すること。
【解決手段】被検者の自己免疫疾患又は炎症性疾患を治療又は予防する方法は、それを必要とする被検者に有効量の式(I)の化合物若しくはその薬理学的に許容できる塩、溶媒和物、クラスレート、水和物、多形体又はプロドラッグを投与することを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2004年11月19日に出願した米国仮出願第60/629,505号の利点を請求し、その開示内容は援用によって本願明細書の一部をなす。
【背景技術】
【0002】
インターロイキン−12(IL−12)は、生得的な抵抗と抗原特異的適応免疫とをつなぐ免疫応答において重要な役割を果たすヘテロ二量体サイトカイン(p70)である。Trinchieri (1993) Immunol Today 14:335例えば、1型Tヘルパー細胞(Th1)応答を促進して細胞性免疫を促進する(Chanら(1991) J Exp Med 173:869;Sederら(1993) Proc Natl Acad Sci USA 90:10188;Manettiら(1993) J Exp Med 177:1199;and Hsiehら(1993) Science 260:547,その教示内容は援用によって本願明細書の一部をなす)。IL−12は、ジスルフィド結合し、独立して調節される2種類のサブユニットp35及びp40からなる。IL−12は、細菌、細菌生成物、例えばリポ多糖(LPS)、及び細胞内寄生生物によって刺激される際に、食細胞及び抗体提示細胞、特にマクロファージ及び樹状細胞によって産生される。IL−12の十分に立証された生物学的機能は、T細胞及びNK細胞からのインターフェロン−γ(INF−γ)発現の誘発、及びTh1Tリンパ球型へのナイーブT細胞の分化である。IL−12によって発現が誘発されるIFN−γは、単球及びマクロファージからのIL−12産生の強力かつ選択的なエンハンサーである。
【0003】
サイトカインIL−23は、p19サブユニット及びIL−12と同一のp40サブユニットからなるヘテロ二量体である。活性CD4T細胞をIL−23に曝して、IL−17の生成を特徴とするT細胞サブセット(ThIL−17細胞)を発現させる(Langrishら, Immunological Reviews (2004), 202:96−105,その教示内容は援用によって本願明細書の一部をなす)。IL−17は、多くの自己免疫疾患に関連している。例えば、IL−23ノックアウトマウスは、重症障害性のIL−17の免疫応答を示し、実験的な自己免疫性の脳炎(EAE)(多発性硬化症のモデル)及びコラーゲン誘導関節炎に抵抗力がある。更に、IL−17によって、急性喘息及び慢性喘息に罹患した患者や慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の肺の好中球活性が増加することが示されている。
【0004】
IL−27は、EBI3、IL−12のp40サブユニットに関連するポリペプチド及びIL−12のp35サブユニットに関連する蛋白質p28の結合によって形成される。IL−27はT細胞の成長を促進し、IL−12のようにTh1細胞のナイーブTh1細胞の分化に役割を果たすと考えられる。Pflanzら, Immunity (2002),16:779−790
【0005】
IFN−γ産生が行われている特に慢性疾患において、IL−12産生がIFN−γによって増加することが示唆されている。IL−12産生を引き起こす感染性又は炎症性の刺激後、強力なフィードバックループが、更なるIL−12産生の増加をIL−12誘発IFN−γに対して促進し、炎症誘発性サイトカインに起因する過剰産生が引き起こされると推定される。特に、IL−23に曝されると、このプロセスによって産生される活性CD4T細胞が、炎症誘発性サイトカイン(IL−17)を産生するT細胞のサブセットに分化する。更に、IL−27は、IFN−γとは無関係に主なTh1特異的転写因子、T−bet、及びその下流標的IL−12R β2の発現を誘発することが示唆されている。また、IL−27はGATA−3の発現を抑制する。GATA−3は、IL−12R β2及びStat4発現の抑制を介してTh1の発現を阻害し、IL−12シグナル伝達の損失を引き起こす。Lucasら, PNAS (2003), 700:15047−15052
【0006】
IL−17のみならずIL−12、IL−23及びIL−27は、限定されないが、多発性硬化症、敗血症、重症筋無力症、自己免疫神経疾患、ギラン−バレ症候群、自己免疫ブドウ膜炎、自己免疫溶血性貧血、悪性貧血、自己免疫血小板減少、側頭動脈炎、抗リン脂質症候群、血管炎、ヴェゲナー肉芽腫症、ベーチェット病、乾癬、乾癬性関節炎、疱疹性皮膚炎、尋常性天疱瘡、白斑、クローン病、潰瘍性大腸炎、間質性肺線維症、骨髄線維症、肝線維症、心筋炎、甲状腺炎、原発性胆汁性肝硬変、自己免疫肝炎、1型又は免疫媒介真性糖尿病、グレーブス病、橋本甲状腺病、自己免疫卵巣炎及び睾丸炎、副腎の自己免疫疾患;リウマチ関節炎、若年性リウマチ関節炎、全身性紅斑性狼瘡、強皮症、多発性筋炎、皮膚筋炎、脊椎関節症、強直性脊椎炎、シェーグレン症候群、及び移植片対宿主病を含む多くの自己免疫疾患において決定的な役割を果たす。(例えば、Gatelyら(1998) Annu Rev Immunol.16:495;及びAbbasら(1996) Nature 383:787参照し、その教示内容は援用によって本願明細書の一部をなす。)
【0007】
IL−12、IL−23及びIL−27の阻害は、Th1細胞及びThIL−17細胞の産生を阻害してIL−17等の炎症誘発性サイトカインを下方制御することによる自己免疫疾患及び炎症性疾患の治療へのアプローチである。(Trembleauら(1995) Immmunol.Today 16:383;及びAdoriniら(1997) Chem.Immunol.68:175;及びLangrishら, Immunological Reviews (2004), 202:96−105, その教示内容は援用によって本願明細書の一部をなす。)従って、IL−12、IL−23及びIL−27の産生を阻害する化合物は、自己免疫疾患及び炎症性疾患を治療するために有用である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、IL−12、IL−23、及びIL−27の産生を阻害し、自己免疫疾患及び炎症性疾患の治療に有用な化合物に関する。一態様では、本発明は式(I)のピリミジン化合物であることを特徴とする。
【化1】

式中、Rは、
【化2】

(以下、NC(R)と称する)、アリール又はヘテロアリールであり、R及びRの各々は、独立して、R、ハロゲン、ニトロ、シアノ、イソチオニトロ、SR又はORであり、或いは、R及びRは、共にカルボニルであり、Rは、R、アルケニル、アルキニル、OR、OC(O)R、SO、S(O)R、S(O)NR、SR、NR、NRCOR、NRC(O)OR、NRC(O)NR、NRSO、COR、C(O)OR又はC(O)NRであり、Rは、H又はアルキルであり、nは、0、1、2、3、4、5又は6であり、Xは、O、S、S(O)、S(O)又はNRであり、Yは、共有結合、CH、CH、C(O)、C=N−R、C=N−OR、C=N−SR、O、S、S(O)、S(O)又はNRであり、Zは、N又はCHであり、U及びVの一方はNであり、他方はCRであり、Wは、O、S、S(O)、S(O)、NR又はNC(O)Rであり、R及びRの各々は、独立して、H、アルキル、アリール、ヘテロアリールであり、R及びRの各々は、独立して、H、アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクリル、ヘテロシクリル又はアルキルカルボニルである。また、nが2以上である場合、前述のヘテロアリール化合物には、2個以上の異なるC(R)基があってもよいことに留意する。同じ規則が、他の類似の状況に適用される。
【0009】
構造式(I)に記載の本発明のピリミジン化合物のサブセットは、RがNC(R)であることを特徴とする。これらの化合物において、UはNでもく、VはCHでもよく、ZはNでもよく、WはOでもよい。更に、XはNRでもよく、Rは、H、メチル、エチル又はアセチルであり、YはO又はCHでもよく、nは0、1、2、3、又は4でもよい。
【0010】
いくつかの実施形態において、Rは、アリール、ヘテロアリール(例えばピリジニル)、OR、SR、C(O)OR又はC(O)NRである。他の実施形態では、Rは、
【化3】

であり、式中、A及びA’の各々は、独立して、O、S又はNHであり、R及びRの各々は、独立して、H、アルキル、アリール、ヘテロアリールであり、mは、1又は2である。
【0011】
このピリミジン化合物のサブセットにおいて、R又はRは好ましくは
【化4】

Bは、NR、O又はSであり、B’は、N又はCRであり、Rは、H、アルキル又はアルコキシルであり、Rは、ハロゲン、NO、CN、アルキル、アリール、ヘテロアリール、OR、OC(O)R、SO、S(O)R、S(O)NR SR、NR、NRCOR、NRC(O)OR、NRC(O)NR、NRSO、COR、C(O)OR又はC(O)NRであり、Rは、H、アルキル又はアルキルカルボニルであり、pは、0、1又は2であり、qは、0、1、2、3又は4である。好ましくは、BはNRであり、B’はCHであり、Rは、H、メチル、エチル、プロピル、シクロプロピル、メトキシ又はエトキシであり、Rは、F、Cl、CN、メチル、メトキシ、エトキシ、OC(O)CH、OC(O)C、C(O)OH、C(O)OC、C(O)NH、NHC(O)CH又はS(O)NHであり、Rは、H、メチル、エチル又はアセチルであり、qは、0、1又は2である。本発明の別のピリミジン化合物のサブセットは、Rがアリール又はヘテロアリールであることを特徴とする。これらの化合物において、UはNでもよく、VはCHでもよく、ZはNでもよく、WはOでもよい。更に、XはNRでもよく、Rは、H、メチル、エチル又はアセチルであり、YはO又はCHでもよく、nは0、1、2、3、又は4でもよい。
【0012】
いくつかの実施形態において、Rは、アリール、ヘテロアリール(例えばピリジニル)、OR、SR、C(O)OR又はC(O)NRである。他の実施形態では、Rは、
【化5】

であり、式中、A及びA’の各々は、独立して、O、S又はNHであり、R及びRの各々は、独立して、H、アルキル、アリール、ヘテロアリールであり、mは、1又は2である。
【0013】
このピリミジン化合物の第2のサブセットにおいて、Rは、好ましくは、
【化6】

であり、式中、Dは、O、S又はNRであり、Rは、ベンゾ、ハロゲン、CN、ヒドロキシル、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシル、アリールオキシル又はヘテロアリールオキシルであり、Rは、H、アルキル又はアルキルカルボニルであり、rは、0、1又は2である。好ましくは、Rは、
【化7】

であり、Rは、メチル、エチル、プロピル又はベンゾであり、rは、1又は2でもよい。
【0014】
本発明の例示的な化合物は、以下に記載される。
化合物1:
【化8】

化合物2:
【化9】

化合物3:
【化10】

化合物4:
【化11】

化合物5:
【化12】

化合物6:
【化13】

化合物7:
【化14】

化合物8:
【化15】

化合物9:
【化16】

化合物10:
【化17】

化合物11:
【化18】

化合物12:
【化19】

化合物13:
【化20】

化合物14:
【化21】

化合物15:
【化22】

化合物16:
【化23】

化合物17:
【化24】

化合物18:
【化25】

化合物19:
【化26】

化合物20:
【化27】

化合物21:
【化28】

化合物22:
【化29】

化合物23:
【化30】

化合物24:
【化31】

化合物25:
【化32】

化合物26:
【化33】

化合物27:
【化34】

別の態様においては、本発明は、薬理学的に許容できる担体及び有効量の本発明のピロリジン化合物の少なくとも1種類を含有する医薬組成物、若しくはその薬理学的に許容できる塩、溶媒和物、クラスレート、水和物、多形体又はプロドラッグを特徴とする。
【0015】
別の態様においては、本発明は、被検者の自己免疫疾患又は炎症性疾患を治療又は予防する方法であって、前記自己免疫疾患又は炎症性疾患が、強直性脊椎炎、胃潰瘍、潰瘍性大腸炎、血清陰性関節炎、全身性紅斑性狼瘡、抗リン脂質症候群、虹彩毛様体炎/ブドウ膜炎/視神経炎、特発性肺線維症、炎症性肺症候群、全身性血管炎/ヴェゲナー肉芽腫症、サルコイドーシス、睾丸炎/精管切除反転法、アレルギー/アトピー性疾患、喘息、アレルギー鼻炎、湿疹、アレルギー接触性皮膚炎、アレルギー結膜炎、過敏性肺臓炎、移植体、臓器移植拒絶、移植片対宿主病、全身炎症反応症候群、好中球減少性発熱、尿路性敗血症、髄膜炎菌血症、外傷/出血、熱傷、電離放射線の曝露、急性膵炎、成人呼吸促迫症候群、アルコール誘導肝炎、慢性炎症性病変、サルコイドーシス、鎌状赤血球貧血、II型糖尿病、ネフローゼ、アトピー性疾患、過敏性反応、アレルギー性鼻炎、枯草熱、通年性鼻炎、結膜炎、子宮内膜症、喘息、じんま疹、全身アナフィラキシー、皮膚炎、悪性貧血、溶血性疾患、血小板減少、いずれかの臓器又は組織の移植片拒絶、腎臓移植拒絶、心臓移植拒絶、肝臓移植拒絶、膵臓移植拒絶、肺移植拒絶、骨髄移植(BMT)拒絶、皮膚同種移植片拒絶、軟骨移植拒絶、骨移植片拒絶、小腸移植拒絶、胎児胸腺インプラント拒絶、上皮小体移植拒絶、いずれかの臓器又は組織の異種移植片拒絶、同種移植片拒絶、抗レセプター過敏症反応、グレーブス病、レイノー病、喘息、重症筋無力症、抗体媒介性細胞障害反応、III型過敏性反応、POEMS症候群(多発性神経症、巨臓器症、内分泌疾患、単一クローン性高ガンマグロブリン血症、及び皮膚変化症候群)、多発性神経症、巨臓器症、内分泌疾患、単一クローン性高ガンマグロブリン血症、皮膚変化症候群、抗リン脂質症候群、天疱瘡、強皮症、混合結合組織病、特発性アディソン病、慢性活動性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、白斑、血管炎、心筋梗塞後心臓切開症候群、IV型過敏症、接触皮膚炎、過敏症肺臓炎、同種移植片拒絶、細胞内生物に起因する肉芽腫、薬剤感受性、代謝性/特発性、ウィルソン病、ヘマクロマトーシス、α−1−抗トリプシン欠乏、糖尿病網膜症、橋本甲状腺病、視床下部−下垂体−副腎軸評価、原発性胆汁性肝硬変、甲状腺炎、脳脊髄炎、悪液質、嚢性線維症、新生児慢性肺疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、家族性食血細胞リンパ組織球増多症、皮膚病変、乾癬、脱毛、ネフローゼ症候群、腎炎、糸球体腎炎、急性腎不全、血液透析、尿毒、毒性、子癇前症、尋常性天疱瘡、慢性サリチル酸中毒、特発性血小板減少性紫斑病、自己免疫性の髄膜炎、重症筋無力症、自己免疫性甲状線炎、シェーグレン症候群、円形脱毛症、節足動物の噛み傷の反応によるアレルギー性応答、アフタ性潰瘍、虹彩炎、結膜炎、角結膜炎、皮膚エリテマトーデス、強皮症、膣炎、直腸炎、薬疹、ハンセン病逆転反応、らい性結節性紅斑、自己免疫性のブドウ膜炎、アレルギー性脳脊髄炎、再生不良性貧血、真正赤血球性貧血、特発性血小板減少症、多発性軟骨炎、ウェゲナー肉芽腫症、慢性活動性肝炎、グラーブ眼症、原発性胆汁性肝硬変症、後部ブドウ膜炎及び間質性肺繊維症からなる群から選択される方法に関する。前記方法は、式I又は本願明細書において開示される式の化合物、若しくはその薬理学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、又はプロドラッグを必要とする患者に投与することを含む。
【0016】
別の態様においては、本発明は、被検者の自己免疫疾患又は炎症性疾患を治療又は予防する方法であって、前記自己免疫疾患又は炎症性疾患が、若年性関節リウマチ、浸透移行性の開始若年性関節リウマチ、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、変形性関節症及びライム関節炎からなる群から選択される方法に関する。前記方法は、式I又は本願明細書において開示される式の化合物、若しくはその薬理学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、又はプロドラッグを必要とする患者に投与することを含む。別の態様においては、本発明は、被検者の自己免疫疾患又は炎症性疾患を治療又は予防する方法であって、前記自己免疫疾患又は炎症性疾患が、喘息、新生児慢性肺疾患又は慢性閉塞性肺疾患からなる群から選択される方法である。前記方法は、式I又は本願明細書において開示される式の化合物、若しくはその薬理学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、又はプロドラッグを必要とする患者に投与することを含む。上記で開示されるように、IL−23は、IL−17産生を特徴とする新規なT細胞サブセットに発現する活性CD4T細胞を刺激する。IL−17によって、重症喘息患者及び慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の肺の好中球活性が増加することが示されている。
【0017】
一実施形態において、本発明は、L−23、IL−27及び/又はIL−12産生を阻害する方法であって、有効量の式I又は本願明細書で開示される式のの化合物、若しくはその薬理学的に許容できる塩、溶媒和化合物、クラスレート、水和物、多形体又はプロドラッグを被検者に投与することを含む方法を特徴とする。
【0018】
別の実施形態において、前記方法は、ThIL−17細胞の発現又は増殖を阻害する方法であって、式I又は本願明細書において開示される式の化合物、若しくはその薬理学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、又はプロドラッグを必要とする患者に投与することを含む。一実施形態において、前記方法は、IL−17産生を阻害することを更に含む。
【0019】
別の実施形態において、前記方法は、Th1細胞の発現又は増殖を阻害する方法であって、式I又は本願明細書において開示される式の化合物、若しくはその薬理学的に許容できる塩、溶媒和物、水和物、多形体、又はプロドラッグを必要とする患者に投与することを含む。一実施形態において、前記方法は、IL−17産生を阻害することを更に含む。
【0020】
更に、本発明のいくつかのピリミジン化合物は、1個以上の二重結合又は1個以上の不斉中心を有する。かかる化合物は、ラセミ化合物、ラセミ混合物、単一鏡像異性体、個別のジアステレオマー、ジアステレオマー混合物、及びシス−又はトランス−又はE−又はZ−二重異性体形状として発生できる。すべてのかかる形状は、本発明に含まれる。
【0021】
本発明の1以上の実施形態の詳細は、添付の図面及び下記の説明に記載される。本発明のその他の特徴、目的及び利点は、説明及び請求項から明白である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
上記のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール(例えばピリジニル)シクリル、ヘテロシクリルは、置換基及び非置換基の両方を含む。「置換される」という用語は、各々が水素原子を置換する1個以上の置換基(同一又は異なってもよい)を指す。置換基の例には、限定されないが、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ジアルキルアミノ、ジアリールアミノ、シアノ、ニトロ、メルカプト、アルキルカルボニル、カルバミド、カルバミル、カルボキシル、チオウレイド、チオシアネート、スルホアミド、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルコキシ、アリール、ヘテロアリール、シクリル、ヘテロシクリルが含まれ、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、シクリル及びヘテロシクリルは、C−Cアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、メルカプト、シアノ又はニトロによって任意に置換される。
【0023】
本願明細書で使用される「アルキル」という用語は、1から12個の炭素原子を含む直鎖又は分鎖状の炭化水素基を指す。「低級アルキル」という用語は、C−Cアルキル鎖を指す。アルキル基の例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、及びn−ペンチルを含む。アルキル基は、1個以上の置換基によって任意に置換されてもよい。
【0024】
「アルケニル」という用語は、2〜12個の炭素原子及び少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を含む、直鎖状又は分鎖状でありうる不飽和炭化水素鎖を指す。アルケニル基は、1個以上の置換基によって任意に置換されてもよい。
【0025】
「アルキニル」という用語は、2から12個の炭素原子及び少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を含む、直鎖状又は分鎖状でありうる不飽和炭化水素鎖を指す。アルキニル基は、1個以上の置換基によって任意に置換されてもよい。
【0026】
アルケニル基及びアルキニル基のsp又はsp炭素は、各々が任意にアルケニル基又はアルキル基の結合点であってもよい。
【0027】
「シクリル」という用語は、少なくとも1個の非芳香族の完全飽和環を有する炭化水素3〜8員単環式又は7〜14員二環式環構造を指し、但し、非芳香族環はある程度の不飽和度を任意に有する。シクリル基は、1個以上の置換基によって任意に置換されてもよい。
【0028】
一実施形態において、シクリル基の各環の0、1、2、3又は4個の原子が、置換基によって置換されてもよい。シクリル基の例としては、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロブチル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロヘキセニエル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル、ジヒドロナフタレニル、ベンゾシクロペンチル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニエル、シクロヘキサジエニル,シクロヘプテニエル、シクロヘプタジエニル、シクロヘプタトリエニル、シクロオクテニル、シクロオクタジエニル、シクロオクタトリエニル、シクロオクタテトラエニル、シクロノネニル、シクロノナジエニル、シクロデセニル、シクロデカジエニル等が挙げられる。
【0029】
「アリール」という用語は、少なくとも1個の芳香環を有する炭化水素環系をいう。概して、単環式アリールは、5〜8員炭素環の有し、二環式アリールは7〜14員炭素環を有し、三環式アリールは11〜14員炭素環を有する。アリール基の例には、制限されるないが、フェニル、ナフチル、アントラセニル、フルオレニル、インデニル、アズレニル、ピレニル等が含まれる。
【0030】
「ヘテロシクリル」という用語は、単環式ならば1〜3個のヘテロ原子、二環式ならば1〜6個のヘテロ原子又は三環式ならば1〜9個のヘテロ原子を含む、非芳香族3〜8員単環式、7〜12員二環式又は10〜14員三環式環構造を指し、前記ヘテロ原子は、O、N、S、B、P又はSiから選択され、但し、非芳香族環構造はある程度の飽和度を有してもよい。ヘテロシクリル基は、1個以上の置換基によって任意に置換されてもよい。
【0031】
一実施形態において、ヘテロシクリル基の各環の0、1、2、3又は4個の原子が、置換基によって置換されてもよい。これらの基の例としては、ピペリジニル、ピペラジニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジンイル、2−オキソピロリジンイル、4−ピペリドンイル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロチオピラニルスルホン、モルホリニル、チオモルホリニル、チオモルホリニルスルフォキシド、チオモルホリニルスルホン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、チイレニル、チアジアジリル、ジオキサゾリル、1,3−オキサチオーリイル、1,3−ジオキソリル、1,3−ジチオールイル、オキサチアジニル、ジオキサジンイル、ジチアジンイル、オキサジアジニル、チアジアジニル、オキサジニル、チアジニル、1,4−オキサジン(オキサチン),1,4−ダイオキシン、1,4−ジチイン、1H−ピラニル、オキサチエピニル、5H−1,4−ジオキシピニル、5H−1,4−ジチエピニル、6H−イソキサゾロ[2,3−d]1,2,4−オキサジアゾリル、7aH−オキサゾール[3,2−d]1,2,4−オキサジアゾリル等が挙げられる。「ヘテロアリール」という用語は、O、N又はS等の少なくとも1個の異原子を含む少なくとも1個の芳香環を有する炭化水素環系を意味する。概して、単環式ならば1〜4個の環ヘテロ原子、二環式ならば1〜6個のヘテロ原子又は三環式ならば1〜9個のヘテロ原子を有する、芳香族5〜8員単環式、7〜12員二環式又は11〜14員三環式環構造を指し、前記ヘテロ原子は、O、N又はSから選択され、他の環原子は炭素である(明記されない限り、適切な水素原子と共に)。ヘテロアリール基は、1個以上の置換基によって任意に置換されてもよい。
【0032】
一実施形態において、ヘテロアリール基の各環の0、1、2、3又は4個の原子が、置換基によって置換されてもよい。ヘテロアリール基の例としては、ピリジル、1−オキソ−ピリジル、フラニル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、ベンゾ[1,4]ジオキシンイル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イミダゾリルチアゾリル、イソキサゾリル、キノリニル、ピラゾリル、イソチアゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、トリアゾリル、チアジアゾリル、イソキノリニル、インダゾリル、ベンゾオキサゾールイル、ベンゾフリル、インドリジンイル、イミダゾピリジル、テトラゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾールイル、ベンゾオキジアゾールイル、インドリル、テトラハイドロインドリル、アザインドリル、イミダゾピリジル、キナゾリニル、プリニル、ピロロ[2,3]ピリミジニル、ピラゾロ[3,4]ピリミジニル、ベンゾ(b)チエニル、3H−チアゾロ[2,3−c][1,2,4]チアジアゾリル、イミダゾ[1,2−d]−1,2,4−チアジアゾリル、イミダゾ[2,1−b]−1,3,4−チアジアゾリル、1H,2H−フロ[3,4−d]−1,2,3−チアジアゾリル、1H−ピラゾロ[5,1−c]−1,2,4−トリアゾリル、ピロロ[3,4−d]−1,2,3−トリアゾリル、シクロペンタトリアゾールイル、3H−ピロロ[3,4−c]イソキサゾリル、1H,3H−ピロロ[1,2−c]オキサゾリル、ピロロ[2,1b]オキサゾリル等が挙げられる。ヘテロアリール基の例には、制限されるないが、フリル、フルオレニル、ピロリル、チエニル、オキサゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、キナゾリニル及びインドリルが含まれる。
【0033】
本発明の化合物には、化合物自体、及び該当する場合、その塩、溶媒和化合物、クラスレート、水和物、多形体又はプロドラッグが含まれる。本願明細書で使用される「薬理学的に許容できる塩」という用語は、例えば、本願明細書中に開示された式のいずれかの化合物の酸性及び塩基性基から形成された塩である。例示的な塩には、限定されないが、硫酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、イソニコチン酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、酸性クエン酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、タンニン酸塩、パントテン酸塩、酒石酸水素塩、アスコルビン酸塩、琥珀酸塩、マレイン酸塩、ベシレート、ゲンチシン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルカロン酸塩、サッカリン酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、及びパモエート(すなわち、1,1’−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトエート))塩が含まれる。「薬理学的に許容できる塩」という用語は、酸性官能基、例えばカルボン酸官能基及び薬理学的に許容できる無機又は有機塩基を有する、本願明細書中に開示された式のいずれかの化合物から調製された塩も指す。好適な塩基としては、限定されないが、アルカリ金属、例えばナトリウム、カリウム及びリチウムの水酸化物、アルカリ土類金属、例えばカルシウム及びマグネシウムの水酸化物、他の金属、例えばアルミニウム及び亜鉛の水酸化物、アンモニア及び有機アミン、例えば非置換又はヒドロキシ置換モノ−、ジ−又はトリアルキルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、N−メチル、N−エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノ−、ビス−又はトリス−(2−ヒドロキシ−低級アルキルアミン)、例えばモノ−、ビス−又はトリス−(2−ヒドロキシエチル)アミン、2−ヒドロキシ−tert−ブチルアミン又はトリス−(ヒドロキシメチル)メチルアミン、N、N,−ジ−低級アルキル−N−(ヒドロキシ低級アルキル)−アミン、例えばN,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アミン又はトリ−(2−ヒドロキシエチル)アミン、N−メチル−D−グルカミン、及びアミノ酸、例えばアルギニン、リシン等が挙げられる。「薬理学的に許容できる塩」という用語は塩基性官能基、例えばアミノ官能基、及び薬理学的に許容できる無機酸又は有機酸を有する本願明細書中に開示された式のいずれかの化合物から調製された塩も指す。適切な酸には、硫酸水素、クエン酸、酢酸、シュウ酸、塩酸(HCl)、臭化水素(HBr)、ヨウ化水素(HI)、硝酸、二硫化水素、リン酸、乳酸、サリチル酸、酒石酸、酒石酸水素酸、アスコルビン酸、コハク酸、マレイン酸、ベシル酸、フマル酸、グルコン酸、グルカロン酸、ギ酸、安息香酸、グルタミン酸、メタスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸が含まれる。
【0034】
本願明細書で使用される「多形体」という用語は、本発明の化合物又はその複合体の固晶形状を意味する。同一の化合物の異なる多形体は、異なる物理特性、化学特性及び/又は分光学特性を示すことができる。異なる物理特性には、限定されないが、(例えば熱又は光への)安定性、(製剤及び製品製造に重要な)圧縮性及び密度、(生物学的利用能に作用できる)溶解性が含まれる。安定性の差は、化学反応性(例えば、剤形が、1種類の多形体からなる場合、別の種類の多形体からなる場合より速く変色するような酸化差異)、機械特性(例えば、キネティクス的に優れた多形体が、熱力学的に安定した多形体に変化する場合、錠剤は貯蔵時に崩壊する)又はその両方(例えば、1種類の多形体の錠剤が、高湿度で崩壊しやすい)の変化に起因すると考えられる。多形体の異なる物理特性は、その加工処理に影響を与えることがある。例えば、1種類の多形体は、例えばその粒子の形状又は寸法分布によって別の種類の多形体より、溶媒和化合物を形成しやすいか、或いは不純物を取り除くための濾過又は洗浄することが困難である。
【0035】
本願明細書で使用される「水和物」という用語は、非共有分子間力によって結合される理論量又は非理論量の水を更に含む本発明の化合物又はその塩を意味する。
【0036】
本願明細書で使用される「クラスレート」という用語は、内部に捕捉されたゲスト分子(例えば溶媒又は水)を有する空間(例えばチャネル)を含む結晶格子の形状の本発明の化合物又はその塩を意味する。
【0037】
特に明記しない限り、本願明細書で使用される「プロドラッグ」という用語は、本発明の化合物を提供するために、(インビトロ又はインビボでの)生物学的条件で、加水分解、酸化又はその他の方法で反応できる化合物の誘導体を意味する。プロドラッグは、生物学的条件で、かかる反応後にのみ活性になってもよく、或いは未反応形状で活性を有してもよい。本発明で検討されるプロドラッグの例には、限定されないが、生物学的な加水分解性アミド、生物学的加水分解性エステル、生物学的加水分解性カルバミン酸塩、生物学的加水分解性炭酸塩、生物学的加水分解性ウレイド、及び生物学的加水分解性リン酸塩類似体のような生物学的加水分解性部分を含む、本願明細書に開示された式のいずれかの化合物の類似体又は誘導体が含まれる。プロドラッグの他の例には、−NO、−NO、−ONO又は−ONO部分を含む本願明細書に開示される式のいずれかの化合物の誘導体が含まれる。一般的に、プロドラッグは、1 BURGER’S MEDICINAL CHEMISTRY AND DRUG DISCOVERY (1995)172−178、949−982(Manfred E.Wolff ed.、5th ed)に記載の周知の方法を用いて調製できる。
【0038】
特に明記しない限り、本願明細書で使用される「生物学的加水分解性アミド」という用語は、「生物学的加水分解性エステル」、「生物学的加水分解性カルバミン酸塩」、「生物学的加水分解性炭酸塩」、「生物学的加水分解性ウレイド」、及び「生物学的加水分解性リン酸塩類似体」は、各々、アミド、エステル、カルバミン酸塩、炭酸塩、ウレイド及びリン酸塩類似体を意味し、1)化合物の生物活性を無効化せず、インビボの化合物の有利な特性、例えば摂取、作用持続時間又は作用の発現を付与し、或いは、2)それ自体が生物学的に不活性であるが、生物学的に活性である化合物にインビボで変換される。生物学的加水分解性アミドの例には、限定されないが、低級アルキルアミド、α−アミノ酸アミド、アルコキシアシルアミド、及びアルキルアミノアルキルカルボニルアミドが含まれる。生物学的加水分解性エステルの例には、限定されないが、低級アルキルエステル、アルコキシアシルオキシエステル、アルキルアシルアミノアルキルエステル及びコリンエステルが含まれる。生物学的加水分解性カルバミン酸塩の例には、限定されないが、低級アルキルアミン、置換エンチレンジアミン、アミノ酸、ヒドロキシアルキルアミン、複素環式及び複素環式芳香族アミン、並びにポリエーテルアミンが含まれる。
【0039】
本願明細書で使用される「動物」、「被検者」及び「患者」という用語は、限定されないが、ウシ、サル、ウマ、ヒツジ、ブタ、ニワトリ、シチメンチョウ、ウズラ、ネコ、イヌ、マウス、ラット、ウサギ、モルモット及びヒト(好ましくは、ヒト)が含まれる。本願明細書で使用される「それを必要とする被験者」という用語は、自己免疫疾患又は炎症性疾患に罹患する被検者又は自己免疫疾患又は炎症性疾患を発症する素因(例えば遺伝子素因)のある被検者を意味する。更に、寛解期の自己免疫疾患又は炎症性疾患に罹患する被検者にとって、自己免疫疾患又は炎症性疾患の再発を予防するために、本発明の1種類以上の化合物、若しくはその薬理学的に許容できる塩、溶媒和物、クラスレート、水和物、多形体又はプロドラッグによる治療を必要である場合がある。
【0040】
上記の化合物は、本願明細書において開示される合成方法のみならず、米国特許第6,693,097号明細書、米国特許第6,660,733明細書、米国特許第6,858,606明細書及び米国仮出願第60/626,609号明細書に記載の従来技術の方法で調製でき、その教示内容は援用によって本願明細書の一部をなす。例えば、ピリミジン化合物(例えば化合物1−27)は、出発原料として2,4,6−トリクロロ−ピリミジンを用いて調製することができる。3個のクロロ基は、種々の置換基と置換される。詳しくは、例えば、第1のクロルグループ(例えば6位)は、モルホリニルピリミジンを形成するために、例えばモルホリンと反応することができる。2−アリール及び2−アルキルピリミジン(alkylpyrimidinde)ジクロロ化合物は、アミジンをマロン酸エステルと反応させ、次いでオキシ塩化リンで処理して調製することができる。第2のクロロ基は、塩基、例えば水素化ナトリウムの存在下で、アルコールのような求核試薬と反応させることによって置換することができる。他の実施形態において、式(I)(式中、Yは、CHである(例えば化合物1))の化合物は、触媒として有機パラジウム化合物の存在下で、塩化ピリミジンをグリニャール試薬、有機スズ試薬、有機銅試薬、有機ホウ酸又は有機亜鉛試薬と反応させることによって調製することができる。異性体形状は生成されてよい。所望の異性体生成物が、例えば、高速液体クロマトグラフィーによって分離することができる。例えば、第3のクロロ基は、例えばヒドラジンと置換反応し、更に結合したヒドラジン基の1級アミンは、アルデヒド、例えばインドール−3−カルボキシアルデヒドと反応してヒドラゾン結合を形成する。従って、本発明のピリジン化合物が得られる。好ましい場合、他の型の結合が、同じような反応によって調製できる。ピリミジニル中間体及び求核試薬の高感度部分は結合前に保護できる。適切な保護基については、Greene (1981) Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley & Sons, Inc., New Yorkを参照し、その教示内容は援用によって本願明細書の一部をなす。このように得られたピリミジン化合物は、フラッシュカラムクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー又は結晶化によって更に精製することができる。
【0041】
本願明細書に記載の化合物及び組成物は、炎症性及び免疫性のいかなる疾患を治療及び予防するのに有用である。特に、本発明の化合物は、IL−12、IL−23及び/又はIL−27産生を阻害するのに有用である。IL−12及びIL−27は、更にIL−12産生を増大させ、多くの自己免疫疾患及び炎症性疾患の病原体の発症過程に関連しているTh1リンパ球にナイーブT細胞への分化を引き起こすINF−γを産生する。IL−23は、IL−17(多くの自己免疫疾患及び炎症性疾患の発症過程に関連する他のサイトカイン)を産生するThIL−17細胞への活性CD4T細胞の分化を刺激することを示している。従って、一態様において、本発明は、有効量の本願明細書に記載の式の化合物、若しくはその薬理学的に許容できる塩、溶媒和化合物、クラスレート、水和物、多形体又はプロドラッグを被検者に投与することによって、被検者中のTh1細胞産生及び/又は発現を阻害して自己免疫疾患及び炎症性疾患を治療又は予防する方法を提供する。
【0042】
いかなる理論に束縛されることなく、IL−12及びIL−27の作用のいずれかによって、Th1Tリンパ球型の発現を促進するT及びNK細胞からINF−γの発現が誘発されるため、本発明の化合物を使用してTh1細胞産生を阻害することができる。従って、別の態様において、本発明は、有効量の本願明細書に記載の式の化合物、若しくはその薬理学的に許容できる塩、溶媒和化合物、クラスレート、水和物、多形体又はプロドラッグを被検者に投与することによって、被検者中のTh1細胞の増殖及び/又は発現を阻害する方法を特徴とする。
【0043】
いかなる理論に束縛されることなく、IL−23の作用のいずれかによって、炎症誘発性サイトカインIL−17を産生するThIL−I7リンパ球型に活性CD4T細胞の分化が促進されるため、本発明の化合物を使用して、ThIL−I7リンパ球への活性CD4T細胞の分化及び/又はThIL−17リンパ球の増殖を阻害することができる。従って、別の態様において、本発明は、有効量の本願明細書中の式のいずれかの化合物、若しくはその薬理学的に許容できる塩、溶媒和化合物、クラスレート、水和物、多形体又はプロドラッグを、被検者に投与することによって、被検者においてTh1細胞産生及び/又は発達を阻害する方法を特徴とする。
【0044】
「炎症性障害」という用語は、IL−12、IL−23、IL−27 and/or IL−17産生によって引き起こされる、悪化する又は媒介されるいかなる炎症性疾患、障害又は状態も含む。かかる炎症性障害には、限定されないが、喘息、成人呼吸促迫症候群、全身性紅斑性狼瘡、炎症性腸疾患(クローン病及び潰瘍性大腸炎を含む)、多発性硬化症、インスリン依存性真性糖尿病、自己免疫関節炎(リウマチ関節炎、若年性リウマチ関節炎、乾癬性関節炎を含む)、炎症性肺症候群、尋常性天疱瘡、突発性血小板減少性紫斑点病、自己免疫髄膜炎、重症筋無力症、自己免疫甲状腺炎、皮膚炎(アトピー性皮膚炎及び湿疹性皮膚炎を含む)、乾癬、シェーグレン症候群(シェーグレン症候群に続発する乾性角結膜炎を含む)、円形脱毛症、節足動物刺傷反応に起因するアレルギー応答、アフタ性潰瘍、虹彩炎、結膜炎、角結膜炎、皮膚エリテマトーデス、強皮症、膣炎、直腸炎、(スティーヴェンズ−ジョンソン症候群のような)薬疹、らい病反転反応、らい性結節性紅斑、自己免疫ブドウ膜炎、アレルギー性脊髄炎、無形成貧血、赤芽球ろう、突発性血小板減少、多発性軟骨炎、ヴェゲナー肉芽腫症、慢性活動性肝炎、グレーブス眼症、原発性胆汁性肝硬変、後部ブドウ膜炎、及び間質性肺線維症が含まれてもよい。
【0045】
「炎症性障害」には、急性炎症性障害が明白に含まれる。急性炎症性障害には、移植片対宿主病、移植拒絶、敗血症性ショック、内毒血症、ライム関節炎、感染性髄膜炎(例えば、ウイルス、細菌、ライム病関連)、喘息の急性発症及び免疫疾患の急性発症が含まれる。「炎症性障害」には、慢性炎症性障害が明白に含む。慢性炎症性障害の非限定例には、喘息、風疹関節炎、及び全身性紅斑性狼瘡、乾癬、クローン病及び潰瘍性大腸炎を含む炎症性腸疾患、多発性硬化症及びリウマチ関節炎のような慢性自己免疫疾患が含まれる。
【0046】
「免疫不全」又は「自己免疫不全」という用語には、IL−12、IL−23及び/又はIL−27産生によって引き起こされ、悪化し又は媒介される免疫性の疾患、障害又は状態が包含される。かかる免疫疾患には、限定されないが、リウマチ関節炎、若年性リウマチ関節炎、全身性発症若年性リウマチ関節炎、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、胃潰瘍、血清陰性関節炎、骨関節炎、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、全身性紅斑性狼瘡、抗リン脂質症候群、虹彩毛様体炎/ブドウ膜炎/視神経炎、特発性肺線維症、全身性血管炎/ヴェゲナー肉芽腫症、サルコイドーシス、睾丸炎/精管切除反転法、アレルギー/アトピー性疾患、喘息、アレルギー鼻炎、湿疹、アレルギー接触性皮膚炎、アレルギー結膜炎、過敏性肺臓炎、移植体、臓器移植拒絶、移植片対宿主病、全身炎症反応症候群、敗血症候群、グラム陽性敗血症、グラム陰性敗血症、培養陰性敗血症、真菌性敗血症、好中球減少性発熱、尿路性敗血症、髄膜炎菌血症、外傷/出血、熱傷、電離放射線の曝露、急性膵炎、成人呼吸促迫症候群、リウマチ関節炎、アルコール誘導肝炎、慢性炎症性病変、サルコイドーシス、クローン病変、鎌状赤血球貧血、糖尿病、ネフローゼ、アトピー性疾患、過敏性反応、アレルギー性鼻炎、枯草熱、通年性鼻炎、結膜炎、子宮内膜症、喘息、じんま疹、全身アナフィラキシー、皮膚炎、悪性貧血、溶血性疾患、血小板減少、いずれかの臓器又は組織の移植片拒絶、腎臓移植拒絶、心臓移植拒絶、肝臓移植拒絶、膵臓移植拒絶、肺移植拒絶、骨髄移植(BMT)拒絶、皮膚同種移植片拒絶、軟骨移植拒絶、骨移植片拒絶、小腸移植拒絶、胎児胸腺インプラント拒絶、上皮小体移植拒絶、いずれかの臓器又は組織の異種移植片拒絶、同種移植片拒絶、抗レセプター過敏症反応、グレーブス病、レイノー病、B型インスリン抵抗性糖尿病、喘息、重症筋無力症、抗体媒介性細胞障害反応、III型過敏性反応、全身性紅斑性狼瘡、POEMS症候群(多発性神経症、巨臓器症、内分泌疾患、単一クローン性高ガンマグロブリン血症、及び皮膚変化症候群)、多発性神経症、巨臓器症、内分泌疾患、単一クローン性高ガンマグロブリン血症、皮膚変化症候群、抗リン脂質症候群、天疱瘡、強皮症、混合結合組織病、特発性アディソン病、真性糖尿病、慢性活動性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、白斑、血管炎、心筋梗塞後心臓切開症候群、IV型過敏症、接触皮膚炎、過敏症肺臓炎、同種移植片拒絶、細胞内生物に起因する肉芽腫、薬剤感受性、代謝性/特発性、ウィルソン病、ヘマクロマトーシス、α−1−抗トリプシン欠乏、糖尿病網膜症、橋本甲状腺病、骨粗鬆症、視床下部−下垂体−副腎軸評価、原発性粟粒肝硬変、甲状腺炎、脳脊髄炎、悪液質、嚢性線維症、新生児慢性肺疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、家族性食血細胞リンパ組織球増多症、皮膚病変、乾癬、脱毛、ネフローゼ症候群、腎炎、糸球体腎炎、急性腎不全、血液透析、尿毒、毒性、子癇前症、okt3療法、抗cd3療法、サイトカイン療法、化学療法、放射線療法(例えば、無力症、貧血、悪液質等を含むが、それらに限定されない)、慢性サリチル酸中毒等が含まれることができる。the Merck Manual, 12th−17th Editions, Merck & Company, Rahway, N.J.(1972, 1977, 1982, 1987, 1992, 1999), Pharmacotherapy Handbook, Wells et al, eds., Second Edition, Appleton及びLange, Stamford, Conn.(1998, 2000)を参照し、各々は援用によって本願明細書の一部をなす。
【0047】
本願明細書に記載の化合物及び組成物は、炎症性疾患及び免疫疾患を治療及び予防するのに有用である。前記方法は、炎症性疾患及び免疫疾患の治療が必要な被検者に、有効量の本発明の化合物、若しくはその薬理学的に許容できる塩、溶媒和化合物、クラスレート、水和物、多形体又はプロドラッグを投与することを含む。
【0048】
好ましい実施形態において、本発明による治療は、少なくとも約10%、好ましくは20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%又は99%のインビボ又はインビトロで判定されるIL−12−、IL−23−、IL−27又はIL−17関連障害(例えば、炎症性疾患又は免疫疾患)の少なくとも1種の症候又は徴候の軽減又は予防を提供する。
【0049】
本願明細書で用いられる「有効量」という用語は、炎症性疾患又は免疫疾患の重症度、期間、進行又は発現を軽減又は改善し、炎症性疾患又は免疫疾患の発症を予防し、炎症性疾患又は免疫疾患を退行させ、炎症性疾患又は免疫疾患に関連する症候の再発、進行、発現又は進行を予防し、或いは他の療法の予防又は治療効果を増大又は改善するのに十分な本発明の化合物の量を指す。本発明のピリミジン化合物の有効量は、約0.001〜約1000mg/Kgである。当業者に理解されるように、有効投与量は、治療する疾患、投与経路、賦形剤の使用、及び他の薬剤の使用等の他の治療法を併用する可能性よって変動する。
【0050】
また、本発明の範囲内で、医薬組成物は、1種類以上のピリミジン化合物及び薬理学的に許容できる担体を含有する。
【0051】
本発明の方法を実施するために、ピリミジン化合物を、医薬組成物の成分として、経口、非経口、吸入スプレー、局所、直腸内、鼻腔内、口腔内、腟内又は埋込み型のリゼルバにより投与できる。本願明細書中で使用される「非経口」という用語には、皮下、皮内、静脈内、筋肉内、関節内、動脈内、滑液包内、胸腔内、くも膜下腔内、病変内、及び頭蓋内注射又は注入技術が含まれる。
【0052】
滅菌注射用組成物、例えば、滅菌注射用水性又は油性懸濁液は、当該技術分野の公知の技術に従い、適当な分散剤又は加湿剤(例えば、ツイーン80等)及び懸濁化剤を使用して製剤化できる。滅菌注射できる製剤は、非毒性の非経口的に許容できる希釈剤又は溶媒中の滅菌注射できる溶液又は懸濁液、例えば1,3−ブタンジオール中の溶液であってもよい。許容できるビヒクル及び溶媒には、マンニトール、水、リンガー溶液及び等張塩化ナトリウム溶液がある。更に、滅菌した不揮発油は、溶媒又は懸濁培地(例えば、合成モノグリセリド又はジグリセリド)として従来的に使用される。オレイン酸及びそのグリセリド誘導体のような脂肪酸は、オリーブ油又はヒマシ油のような天然の薬理学的に許容できる油、特にそのポリオキシエチル化体等の注射剤の調製において有用である。これらの油溶液又は懸濁液には、長鎖アルコール希釈剤又は分散剤又はカルボキシメチルセルロース、若しくは類似の分散剤も含めることができる。Tween若しくはSpanのような他の一般に使用される界面活性剤又は薬理学的に許容できる固体、液体、若しくは他の剤形の製造において広範に使用される他の類似の乳化剤若しくは生物学的利用能増強剤も、製剤目的で使用できる。
【0053】
経口投与用組成物には、任意の経口的に許容できる剤形であってよく、限定されないが、カプセル剤、錠剤、乳剤及び水性懸濁剤、分散剤及び液剤が含まれる。経口使用の錠剤の場合、広範に用いられる担体には乳糖及びコーンスターチが含まれる。ステアリン酸マグネシウム等の潤滑剤も通常添加される。カプセル形状での経口投与のために、有用な希釈剤には乳糖及び乾燥コーンスターチが含まれる。水性懸濁剤又は乳剤を経口投与する場合、活性成分は、乳化剤又は懸濁化剤と共に油相に懸濁又は溶解してもよい。所望の場合に、ある種の甘味料、着香料又は着色料を添加することもできる。鼻腔内エアロゾル又は吸入組成物は、医薬製剤の技術分野で周知の技術に従い調製することができ、ベンジルアルコール又は他の適当な保存剤、生物学的利用能を増大させるための吸収促進剤、炭化フッ素及び/又は当技術分野で周知の他の可溶化剤又は分散剤を用い、食塩水中の溶液として調製できる。また、本発明のアピリミジン性化合物は、直腸内投与用の坐剤形状によって投与することができる。
【0054】
医薬組成物中の担体は、製剤の活性成分に適合性があり(及び好ましくはそれを安定化でき)、処置される被験者に対して有害ではないという意味で「許容できる」ものでなければならない。例えば、本発明の化合物と特異的に高い溶解性の複合体を形成するシクロデキストリン等の可溶化剤又は1種類以上の可溶化剤は、ピリミジン化合物を送達するための医薬賦形剤として利用できる。他の担体の例には、コロイド状二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム、セルロース、ラウリル硫酸ナトリウム、及びD&C Yellow #10を含む。
【0055】
ピリミジン化合物の生物活性は、様々な細胞アッセイによって評価できる。かかるアッセイの1つは、ヒト末梢血単核細胞(PBMC)又はヒト単球細胞系統(THP−1)からの細胞を使用して行うことができる。細胞は、試験化合物の存在下で、ヒトインターフェロン−γ(INFγ)とリポ多糖又はIFNγと黄色ブドウ球菌Cowan Iの組み合わせによって刺激される。IL−12産生の阻害レベルは、抗ヒトIL−12抗体によるサンドイッチELISAアッセイを使用することにより、p70の量を判定することによって測定できる。次に、試験化合物のIC50が測定される。具体的に、PBMC又はTHP−1細胞は、試験化合物でインキュベートされる。細胞生存度は、MTS[3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−5−(3−カルボキシメトキシフェニル)−2−(4−スルホフェニル)−2H−テトラゾリウム](Promega, Madison, WI)の生物還元を用いて評価される。
【0056】
本発明の化合物によるIL−23阻害の阻害率は、ヒト末梢血単核球(PBMC)又はヒト単核球細胞株(THP−1)が、試験化合物の存在下で、ヒトインターフェロン−γ(IFNγ)及びリポ多糖体(LPS)又はIFNγ及び黄色ブドウ球菌Cowan I(SAC)の組合せによって刺激される類似のアッセイで測定してもよい。IL−23産生の阻害率は、IL−23抗体のp19サブユニットを認識する抗体と共にサンドイッチELISAアッセイを使用し、p19の量を測定して判定できる。次に、試験化合物のIC50が求められる。かかる分析は、本願明細書の実施例30で開示される。
【0057】
以下の特定の実施形態は専ら例示的であり、他の開示箇所を限定しないと決して解釈するべきではない。本願明細書に記載の全ての参考文献及び出版物は、援用によって本願明細書の一部をなす。
【0058】
<実施例1:化合物1の調製>
N−{2−[3−(3,4−ジメトキシ−フェニル−プロピル]−6−モルホリン−4−イル−ピリミジン−4−イル}−N’−(1H−インドール−3−イルメチレン)ヒドラジン3−(3,4−ジメトキシフェネチル)−プロピルイオジド(1.224g,4.0mmol)の20mL乾燥THF溶液に、高活性亜鉛(THFに懸濁、Aldrich社のRieke金属、5.2mL 0.05g/mL,4.0mmol)を添加し、混合物を得た。混合物を、室温で一晩撹拌した。2,4−ジクロロ−6−モルホルモピリミジン(0.932g,4.0mmol)及びトランス−ベンジル−(クロロ)−ビス−(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(0.03g,0.04mmol)を混合物に添加し、600℃で2日間撹拌した。ルーチンワークアップ後、フラッシュクロマトグラフィーで精製して、4−クロロ−2−[3−(3,4−ジメトキシフェネチル)プロピル]−6−モルホリノピリミジン(0.34g,0.90mmol,22.4%)を2−クロロ−4−[3−(3,4−ジメトキシフェネチル)プロピル]−6−モルホリノピリミジン(0.45g,1.19mmol,30%)から分離した。
【0059】
H NMR (300 MHz, CDCl), δ (ppm):6.70−6.80 (m, 3H); 6.32 (s, IH); 3.87 (s, 3H); 3.85 (s, 3H); 3.73−3.78 (m, 4H); 3.60−3.64 (m, 4H); 2.76 (d, J= 7.8 Hz, 2H); 2.63 (d, J= 7.5 Hz, 2H);及び2.01−2.12 (m, 2H)
【0060】
MS (ESI):m/z 380.2 (M+H)更に、4−クロロ−2−[3−(3,4−ジメトキシフェニル)プロピル]−6−モルホリノピリミジン(0.34g,0.90mmol)をヒドラジン(0.29g,9mmol)と反応させ、白色固体の2−[3−(3,4−ジメトキシフェニル)プロピル]−4−ヒドラジノ−6−モルホリノピリミジン(0.30g,0.80mmol,89%)を得た。
【0061】
H NMR (300 MHz, CDCl), δ (ppm):6.73−6.80 (m, 3H); 5.88 (s, IH); 5.74 (s, IH); 3.87 (s, 3H); 3.85 (s, 3H); 3.76−3.79 (m, 4H); 3.69 (d, J= 0.6 Hz, 2H); 3.56−3.60 (m, 4H); 2.64 (d, J= 7.5 Hz, 4H);及び2.00−2.15 (m, 2H)
MS (ESI):m/z 374.2 (M−H)
【0062】
2−[3−(3,4−ジメトキシフェネチル)−プロピル]−4−ヒドラズモ−6−モルホリノピリミジン(0.177g,0.50mmol)、インドール−3−カルボキシアルデヒド(0.073g,0.50mmol)、及びAcOH(20mg,触媒(cat.))を含む5mLメタノール溶液を、700℃で4時間撹拌した。溶媒を除去し、粗残渣をフラッシュクロマトグラフィーを用いて精製し、薄茶色の固体の化合物I(0.21 g, 0.42 mmol, 84 %)を得た。
【0063】
H NMR (300 MHz, CDCl), δ (ppm):8.57 (br s, 1H); 8.45 (br s, 1H); 8.29−8.32 (m, 1H); 8.00 (s, 1H); 7.39−7.43 (m, 2H); 7.23−7.34 (m, 2H); 6.74−6.80 (m, 3H); 6.30 (s, 1H); 3.86 (s, 3H); 3.85 (s, 3H); 3.78−3.84 (m, 4H); 3.67−3.70 (m, 4H); 2.63−2.71 (m, 4H),及び2.03−2.13 (m, 2H)
MS (ESI):m/z 501.2 (M+H)
【0064】
<実施例2:化合物2の調製>
N−(2−n−ブトキシ−6−モルホリン−4−イル−ピリミジン−4−イル)−N’−(1H−インドール−3−イルメチレン)−ヒドラジン−78℃の2,4,6−トリクロロピリミジン(25g,136mmol)のCHCl(500mL)溶液に、モルホリン(11.89mL,136mmol)、次いでDIPEA(25mL,143mmol)をゆっくり添加した。得られた反応混合物を78℃で5時間撹拌した後室温に戻した。反応液を水洗した。得られた有機相をNaSOで乾燥した。溶剤を減圧除去した。粗残渣(2,4−ジクロロ−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン)をEtOAcから再結晶し、白色結晶(24.7g,77%)15gを得た。
【0065】
H NMR (300 MHz, CDCl), δ (ppm):6.40 (s, IH);及び4.0 − 3.5 (m, 8H). MS (ESI):m/z 234.0 (M+H)
【0066】
下の0℃の無水DMF(50mL)のn−ブタノール(0.633g,8.54mmol)の溶液に、NaH(0.307g,12.8mmol)をすばやく添加した。得られた懸濁液を、0℃で0.5時間のために撹拌された。2,4−ジクロロ−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン(2g,8.54mmol)を懸濁液に添加した。懸濁液を室温に戻して12時間攪拌後、反応混合物を氷/ブラインで脱活し、EtOAc(200ml)で抽出した。抽出物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させた。溶剤を減圧除去した。粗残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ;EtOAc/ヘキサン:1/6)を用いて精製し、1.4gの2−n−ブトキシ−4−クロロ−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン(白色固体、60%)を得た。
【0067】
H NMR (300 MHz, CDCl), δ (ppm):6.20 (s, IH); 4.26 (t, J= 6.6 Hz, 2H); 3.78 − 3.70 (m, 4H); 3.66 −3.56 (m, 4H); 1.80 − 1.68 (m, 2H); 1.54 − 1.40 (m, 2H);及び0.96 (t, J= 6.9, 3H)
MS (ESI):m/z 272.1 (M+H)
【0068】
ジオキサン(50ml)の2−n−ブトキシ−4−クロロ−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン(1.38g,5.1mmol)の溶液に、無水ヒドラジン(1.6mL,50mmol)を添加した。得られた反応液を95°Cまで加熱し、N下で12h撹拌された。室温に放冷後、反応混合物を水で希釈し、EtOAc(300ml)で抽出した。抽出物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させた。溶剤を減圧除去した。粗残渣をメタノールから再結晶し、白色結晶の2−n−ブトキシ−4−ヒドラジノ−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン(1.10g,81%)を得た。
【0069】
H NMR (300 MHz, CDCl), δ (ppm):5.89 (br s, IH), 5.49 (s, 1H), 4.26 (t, J= 6.6, 2H), 3.84 − 3.78 (m, 6H), 3.62 −3.47 (m, 4H), 1.82 − 1.67 (m, 2H), 1.55 − 1.42 (m, 2H),及び0.96 (t, J= 6.9, 3H);MS (ESI):m/z 268.2 (M+H)
【0070】
2−n−ブトキシ−4−ヒドラジノ−6−(モルホリン−4−イル)ピリミジン(200mg,0.748mmol)のMeOH(20mL)溶液に、インドール−3−カルボキシアルデヒド(108.6mg,0.748mmol)と酢酸(1滴)を順次添加した。混合反応物を室温で12時間攪拌して白色の固体を沈殿させた。白色沈殿物を生成して収集し、2mLのメタノールで洗浄して200gの化合物2(68%)を得た。
【0071】
H NMR (300 MHz, CDCl), δ (ppm):8.36 (br s, IH), 8.30 (dd, J= 6.6, 1.8, 1H), 8.05 (s, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.44 − 7.40 (m, 2H), 7.33 − 7.24 (m, 2H), 6.13 (s, 1H), 4.26 (t, 2H, J=6.6), 3.84 − 3.78 (m, 4H), 3.70 −3.64 (m, 4H), 1.80 − 1.70 (m, 2H), 1.54 − 1.42 (m, 2H),及び0.96 (t, J= 6.9, 3H);MS (ESI):m/z 395.2 (M+H)
【0072】
<実施例3:化合物3の調製>
N−(2−(4−ヒドラキシブチル)−6−モルホリン−4−イル−ピリミジン−4−イル)−N’−(1H−インドール−3−イルメチレン)−ヒドラジンTHF(全容量80mL)中の4−エトキシ−4−オキソ−臭化ブチル亜鉛(THF(25mmol)の50mL0.5M)の2,4−ジクロロ−6−モルホリノピリミジン(4.68g,20.0mmol)及びトランス−ベンジル(クロロ)ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(0.15g,0.2mmol)の混合物を、60°Cで2日間撹拌した。ルーチンワークアップ後、フラッシュクロマトグラフィーを用いて精製し、白色固体の4−クロロ−2−(4−エトキシ−4−オキソ−ブチル)−6−モルホリノピリミジン(2.073g,6.60mmol,33.0%)を得た。
【0073】
−78℃の4−クロロ−2−(4−エトキシ−4−オキソ−ブチル)−6−モルホリノピリミジン(1.108g,3.54mmol)の50mL THF溶液に、ヒドリドアルミン酸ジイソブチル(DIBAL)(4.72mL,トルエン中l.5M, 7.08mmol)をゆっくり添加した。添加後、得られた反応混合物を0℃にゆっくり暖め、0℃で10分間維持した。ルーチンワークアップ後、フラッシュクロマトグラフィーを用いて、淡黄色固体の4−クロロ−2−(4−ヒドロキシブチル)−6−モルホリノピリミジン(0.76g,2.80mmol,79%)を得た。
【0074】
1R NMR (300 MHz, CDCl), δ (ppm):6.33 (s,1H), 3.76−3.79 (m, 4H); 3.61−3.68 (m, 6H); 2.76 (t, J= 7.8 Hz, 2H); 1.81−1.91 (m, 2H);及び1.60−1.74 (m, 3H)
MS (ESI):m/z 370.2 (M+H)
【0075】
代表的な方法に従って、4−クロロ−2−(4−ヒドロキシブチル)−6−モルホリノピリミジン(0.542g、2.00mmol、1.00当量)を、ヒドラジン及びインドール−3−カルボキシアルデヒドと反応させ、オフホワイト色固体化合物3(0.75g、1.90 mmol、95%)を得た。
【0076】
H NMR (300 MHz, DMSO−d), δ (ppm):11.47 (s, IH); 10.64 (s, 1H); 8.25 (s, 1H); 8.18 (d, J= 6.6 Hz, 1H); 7.71 (s, 1H); 7.43 (d, J= 8.4 Hz, 1H); 7.17−7.20 (m, 2H); 6.16 (s, 1H), 4.37 (t, J= 4.8 Hz, 1H); 3.72 (br s, 4H); 3.55 (br s, 4H); 3.41−3.45 (m, 2H); 2.49−2.54 (m, 2H), 1.66−1.76 (m 2H);及び1.42−1.53 (m 2H)
MS (ESI):m/z 395.1 (M+H)
【0077】
<実施例4:化合物4の調製>
N−[2−(2−[1.3]ジオキサン−2−イル−エチル)−6−モルホリン−4−イル−ピリミジン−4−イル]−N’−(1H−インドール−3−イルメチレン)−ヒドラジン化合物4を、実施例1に記載される同様の方法で調製した。
【0078】
H NMR (300 MHz, DMSO−d), δ (ppm):11.46 (s, 1IH); 10.64 (s, 1H); 8.25 (s, 1H); 8.18 (d, J= 6.6 Hz, 1H); 7.71 (s, 1H); 7.43 (d, J= 6.0 Hz, 7.5 Hz, 1H); 7.16−7.19 (m, 2H); 6.15 (s, 1H), 4.58 (t, J= 5.1 Hz, 1H); 4.00 (dd, J= 11.4 Hz, 4.5 Hz, 2H); 3.64− 3.72 (m, 6H); 3.54 (br s, 4H); 2.50−2.59 (m, 2H); 1.80−1.94 (m, 3H),及び1.33 (d, J= 9.6 Hz, IH)
MS (ESI):m/z 437.2 (M+H)
【0079】
<実施例5:化合物5の調製>
N−(1H−インドール−3−イルメチレン)−N’−[2−(3−メトキシ−プロピル)−6−モルホリン−4−イル−ピリミジン−4−イル]−ヒドラジン方法に従ってN−(2−(4−ヒドロキシブチル)−6−モルホリン−4−イル−ピリミジン−4−イル)−N’−(1H−インドール−3−イルメチレン)−ヒドラジン(化合物3)、4−クロロ−2−(3−ヒドロキシプロピル)−6−モルホリノピリミジン(0.81g,3.15mmol)を合成し、水素化ナトリウム(0.48g,6.30mmol)で10分間、0℃の30mLTHF中のMeI(0.895g,6.30mmol)で5時間メチル化し、無色ビスカスオイルの4−クロロ−2−(3−メトキシプロピル)−6−モルホリノピリミジン(0.792g,3.03mmol,96%)を得た。
【0080】
H NMR (300 MHz, CDCl), δ (ppm):6.32 (s, IH), 3.75−3.79 (m, 4H); 3.61−3.64 (m, 4H); 3.44 (t, J= 6.6 Hz, 2H); 3.34 (s, 3H); 2.78 (t, J= 7.8 Hz, 2H);及び2.00−2.09 (m, 2H)
MS (ESI):m/z 262.1 (M+H)
【0081】
代表的な方法に従って、4−クロロ−2−(3−メトキシプロピル)−6−モルホリノピリミジン(0.783g,3.00mmol)を、ヒドラジン及びインドール−3−カルボキシアルデヒドを順次処理し、0.89gの化合物5(2.26mmol,75%)を得る。H NMR (300 MHz, DMSO−d), δ (ppm):11.46 (s, 1H); 10.64 (s, 1H); 8.26 (s, IH); 8.17−8.20 (m, IH); 7.72 (d, J= 2.4 Hz, IH); 7.43 (dd, J= 6.0 Hz, 2.4 Hz, IH); 7.15− 7.21 (m, 2H); 6.16 (s, IH), 3.70−3.73 (m, 4H); 3.52−3.56 (m, 4H); 3.37 (t, J= 6.9 Hz, 2H); 3.23 (s, 3H); 2.50−2.57 (m, 2H),及び1.88−1.97 (m, 2H)
MS (ESI):m/z 395.2 (M+H)
【0082】
<実施例6:化合物6の調製>
3−(4−[N’−(1H−インドール−3−イルメチレン)−ヒドラジノ]−6−モルホリン−4−イル−ピリミジン−2−イルスルファニル}−プロパン−1−オール化合物6を、実施例2に記載される同様の方法で調製した。
【0083】
H NMR (300 MHz, DMSO−d), δ (ppm):11.48 (s, IH); 10.68 (s, 1H); 8.26 (s,1H); 8.15−8.18 (m, 1H); 7.73 (d, J= 2.1 Hz, 1H); 7.42−7.44 (m, 1H); 7.16−7.20 (m, 2H); 6.04 (s, 1H), 4.53 (t, J= 5.1 Hz, 1H); 3.65−3.71 (m, 4H); 3.48−3.56 (m, 6H); 3.06 (t, J= 7.2 Hz, 2H),及び1.76−1.85 (m, 2H)
MS (ESI):m/z 413.1 (M+H)
【0084】
<実施例7:化合物7の調製>
3−{2−[N’−(1H−インドール−3−イルメチレン)−ヒドラジノ]−6−モルホリン−4−イル−ピリミジン−4−イルスルファニル}−プロパン−1−オール化合物7を、実施例2に記載される同様の方法で調製した。
【0085】
H NMR (300 MHz, DMSO−d), δ (ppm):11.34 (s, 1H); 10.48 (s, 1H); 8.45 (d, J= 7.8 Hz, 1H); 8.25 (s, 1H); 7.64 (d, J= 2.7 Hz, 1H); 7.40 (d, J= 8.1 Hz, 1H); 7.05−7.19 (m, 2H); 6.08 (s, 1H), 4.60 (t, J= 5.1 Hz, 1H); 3.50−3.68 (m, 10H); 3.20−3.30 (m, 2H);及び1.78−1.86 (m, 2H)
MS (ESI):m/z 413.1 (M+H)
【0086】
<実施例8:化合物8の調製>
N−[2−(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメトキシ)−6−モルホリン−4−イル−]−N’−(1H−インドール−3−イルメチレン)−ヒドラジン化合物8を、実施例2に記載される同様の方法で調製した。
【0087】
1HNMR (300 MHz, CDCl ), δ (ppm):8.38 (br s, 1H); 8.30 (dd, J= 7.2, 1.8, 1H), 8.02 (br s, 1H); 8.00 (s, 1H); 7.44 − 7.41 (m, 2H); 7.32 − 7.26 (m, 2H); 6.14 (s, 1H); 4.51−4.42 (m, 2H);, 4.22 − 4.12 (m, 2H); 3.96 − 3.91 (m, 1H); 3.84 − 3.79 (m, 4H); 3.70 − 3.64 (m, 4H); 1.47 (s, 3H);及び1.38(s, 3H)
MS (ESI):m/z 453.2 (M+H)
【0088】
<実施例9:化合物9の調製>
N−{2−[2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−エトキシ]−6−モルホリン−4−イル−ピリミジン−4−イル}−N’−(1H−インドール−3−イルメチレン)−ヒドラジン化合物9を、実施例2に記載される同様の方法で調製した。
【0089】
1HNMR (300 MHz, CDCl), δ (ppm):8.43 (bs, 1H); 8.30 (d, J= 7.5Hz 1H); 8.2 (bs, 1H); 8.02 (d, J= 2.7Hz, 1H); 7.46−7.40 (m, 2H); 7.30−7.26 (m, 2H); 6.82 (d, J= 1 Hz, 3H); 4.45 (d, J= 3.6Hz, 1H); 4.45 (t, J= 5.2 Hz, 2H); 3.87 (d, J= 3.9Hz, 3H); 3.86 (d, J= 3.9Hz, 3H); 3.81 (s, 4H); 3.67(s, 4H);及び3.04 (t, J=5.0 Hz, 2H)
MS (ESI):m/z 503.2 (M+H)
【0090】
<実施例10:化合物10の調製>
N−(1H−インドール−3−イルメチレン)−N’−[6−モルホリン−4−イル−2−(2−ピリジン−2−イル−エトキシ)−ピリミジン−4−イル]−ヒドラジン化合物10を、実施例2に記載される同様の方法で調製した。
【0091】
1HNMR (300 MHz, CDCl ), δ (ppm):9.3 (bs , 1H); 8.66 (s, 1H); 8.55−8.53 (m, 1H); 8.28−8.26 (m, 1H); 8.04 (s, 1H); 7.62−7.57 (m, 1H); 7.41−7.10 (m, 6H); 6.08 (s, 1H); 4.64 (t, J= 6.6Hz, 2H); 3.76 (s, 4H); 3.62 (s, 4H);及び3.26 (t, J= 6.6Hz, 2H)
MS (ESI):m/z 444.2 (M+H)
【0092】
<実施例11:化合物11の調製>
N−(1H−インドール−3−イルメチレン)−N’−[6−モルホリン−4−イル−2−(3−ピリジン−2−イル−プロピル)−ピリミジン−4−イル]−ヒドラジン化合物11を、実施例1に記載される同様の方法で調製した。
【0093】
H NMR (300 MHz, DMSO−d), δ (ppm):11.47 (s, 1H); 10.65 (s, 1H); 8.50(d, J =4.5 Hz, IH); 8.26 (s, IH); 8.20−8.18 (m, IH); 7.72−7.68 (m, 2H); 7.45−7.42 (m, IH); 7.29− 7.18 (m, 4H); 6.17(s, IH); 3.73 (s, 4H); 3.5 (s, 4H); 2.79 (t, J= 7.5 Hz, 2H); 2−58−2.51 (m, 2H);及び2.18−2.06 (m, 2H)
MS (ESI):m/z 442.2 (M+H)
【0094】
<実施例12:化合物12の調製>
N−(3−メチル−ベンジリデン)−N’−[6−モルホリン−4−イル−2−(2−ピリジン−2−イル−エトキシ)−ピリミジン−4−イル]−ヒドラジン化合物12を、実施例2に記載される同様の方法で調製した。
【0095】
H NMR (300 MHz, CDCl ),δ (ppm):8.55−8.48 (m, 2H); 7.71 (s, 1H); 7.65−7.55 (m, 1H); 7.49−7.42 (m, 2H); 7.30−7.15 (m, 4H); 6.08 (s, 1H); 4.64 (t, J= 6.6 Hz, 2H); 3.81−3.75 (m, 4H); 3.64−3.61 (m, 4H); 3.25 (t, J= 7.0 Hz, 2H);及び2.38 (s, 3H)
MS (ESI):m/z 419.2 (M+H)
【0096】
<実施例13:化合物13の調製>
N−(3−エチル−ベンジリデン)−N’−[6−モルホリン−4−イル−2−(2−ピリジン−2−イル−エトキシ)−ピリミジン−4−イル]−ヒドラジン化合物13を、実施例2に記載される同様の方法で調製した。
【0097】
H NMR (300 MHz, CDCl), δ (ppm):8.58−8.50 (m, 1H); 8.43 (s, 1H); 7.95 (s, 1H); 7.64−7.58 (m, 2H); 7.30−7.25 (m, 1H); 7.18−7.05 (m, 3H); 6.07(s, 1H); 4.65 (t, J= 6.9 Hz, 2H); 3.80−3.76 (m, 4H); 3.64−3.61(m, 4H); 3.26(t, J= 6.9 Hz, 2H); 2.40 (q, J=7.6 Hz, 2H);及び1.45 (t, J= 7.6 Hz, 3H)
MS (ESI):m/z 433.3 (M+H)
【0098】
<実施例14:化合物14の調製>
N−(3−メチル−ベンジリデン)−N’−[6−モルホリン−4−イル−2−(3−ピリジン−2−イル−プロピル)−ピリミジン−4−イル−ヒドラジン化合物14を、実施例1に記載される同様の方法で調製した。
【0099】
H NMR (300 MHz, CDCl), δ (ppm):9.6 (bs, 1H); 8.53 (d, J= 4.5 Hz, 1H); 7.76 (s, IH); 7.56 (t, J= 6 Hz, 1H); 7.49−7.47 (m, 2H); 7.28 (m, 1H); 7.18−7.06 (m, 3H); 6.26 (s, 1H); 3.81−3.79 (m, 4H); 3.69−3.67 (m, 4H); 2.89 (t, J= 7.8Hz, 2H); 2.71 (t, J= 7.5 Hz, 2H); 2.39 (s, 3H);及び2.22 (t, J= 7.5Hz, 2H)MS(ESI):実測値:328.2(M+H)。
【0100】
<実施例15:化合物15の調製>
N−[6−モルホリン−4−イル−2−(2−ピリジン−2−イル−エトキシ)−ピリミジン−4−イル]−N’−(1−m−トリル−エチリデン)−ヒドラジン化合物15を、実施例2に記載される同様の方法で調製した。
【0101】
H NMR (300 MHz, CDCl), δ (ppm):8.56 (bs, 1H), 7.66−7.46 (m, 4H), 7.32−7.26 (m, 2H), 7.16−7.14 (m, 2H), 6.44(s, 1H), 4.69 (t, J=6.9Hz, 2H), 3.80−3.77 (m, 4H), 3.63− 3.60 (m, 4H), 3.31 (t, J=6.9Hz, 2H), 2.39 (s, 3H)MS(ESI):m/z 433.2(M+H)
【0102】
<実施例16:化合物16の調製>
N−[1−(1H−インドール−3−イル)−エチリデン]−N’−[6−モルホリン−4−イル−2−(2−ピリジン−2−イル−エトキシ)−ピリミジン−4−イル]−ヒドラジン化合物16を、実施例2に記載される同様の方法で調製した。
【0103】
H NMR (300 MHz, CDCl), δ (ppm):9.35 (bs, 1H); 8.54 (dd, J= 0.9, 4.2 Hz, IH); 8.33 (d, J= 7.5 Hz, 1H); 7.93 (s, 1H); 7.58 (t, J= 7.2 Hz, 1H); 7.36−7.33 (m, 2H); 7.27−7.120 (m, 4H); 6.49 (s, 1H); 4.6 8(t, J= 7.2 Hz, 2H); 3.76−3.73 (m, 4H); 3.60−3−57 (m, 4H); 3.50 (s, 3H);及び3.33−3.28 (t, J= 7.0 Hz, 2H)
MS (ESI):m/z 458.2 (M+H)
【0104】
<実施例17:化合物17の調製>
3−メチル−ベンズアルデヒドO−[6−モルホリン−4−イル−2−(2−ピリジン−2−イル−エトキシ)ピリミジン−4−イル]−オキシム化合物17を、実施例2に記載される同様の方法で調製した。
【0105】
H NMR (300 MHz, CDCl), δ (ppm):8.56−8.53 (m, 1H); 8.45 (s, 1H); 7.62−7.50 (m, 3H); 7.38−7.26 (m, 3H); 7.18−7.10 (m, 1H); 6.17 (s, 1H); 4.68 (t, J= 6.9 Hz, 2H); 3.80−3.76 (m, 4H); 3.67−3.64 (m, 4H); 3.29 (t, J= 6.9Hz, 2H);及び2.41 (s, 3H)
MS (ESI):m/z 420.1 (M+H)
【0106】
<実施例18:化合物18の調製>
1H−インドール−3−カルバルデヒドO−[6−モルホリン−4−イル−2−(2−ピリジン−2−イル−エトキシ)−ピリミジン−4−イル]−オキシム化合物18を、実施例2に記載される同様の方法で調製した。
【0107】
H NMR (300 MHz, DMSO−d), δ (ppm):11.82 (bs, 1H); 8.81 (s, 1H); 8.50 (d, J = 4.5 Hz, 1H); 8.04 (d, J=6.9Hz, 1H); 7.93(s, 1H); 7.72 (t, J = 6.9 Hz, 1H); 7.49 (d, J= 6.9 Hz, 1H); 7.33 (d, J= 7.8Hz, 1H); 7.30−7.18 (m, 3H); 6.22 (s, 1H); 4.57 (t, J= 6.3Hz, 2H); 3.67 (s, 4H); 3.56 (s, 4H);及び3.15 (t, J=6.3 Hz, 2H)
MS (ESI):m/z 445.2 (M+H)
【0108】
<実施例19:化合物19の調製>
N−(1H−インドール−3−イルメチレン)−N’−{6−モルホリン−4−イル−2−[2−(ピリジン−3−イルオキシ)−エトキシ]−ピリミジン−4−イル}−ヒドラジン化合物19を、実施例2に記載される同様の方法で調製した。
【0109】
H NMR:(300 MHz, CDCl), δ (ppm):9.20 (br s, 1H); 8.30 (br s, 1H); 8.29 (t, J = 3.3 Hz, 1H); 8.18−8.12 (m, 2H); 7.44 −7.41 (m, 2H); 7.26−7.18 (m, 5H); 6.08 (s, 1H); 4.66 (t, J= 4.8 Hz, 2H); 4.29 (t, J= 5.0 Hz, 2H); 3.80−3.76 (m, 4H);及び3.67−3.62 (m, 4H)
MS (ESI):m/z 460.2 (M+H)
【0110】
<実施例20:化合物20の調製>
N−(3−メチル−ベンジリデン)−N’−{6−モルホリン−4−イル−2−[2−(ピリジン−3−イルオキシ)−エトキシル−ピリミジン−4−イル}−ヒドラジン化合物20を、実施例2に記載される同様の方法で調製した。
【0111】
H NMR (300 MHz, CDCl), δ (ppm):8.55 (s, 1H); 8.34 (br s, 1H); 8.30−8.23 (m, IH); 7.78 (s, 1H); 7.50−7.47 (m, 2H); 7.32−7.24 (m, 1H); 7.20−7.17 (m, 3H); 6.14 (s, 1H); 4.66 (t, J= 5.0 Hz, 2H); 4.35 (t, J= 4.8 Hz, 2H); 3.83−3.80 (m, 4H); 3.68−3.65 (m, 4H);及び2.40(s, 3H)
MS (ESI):m/z 435.2 (M+H)
【0112】
<実施例21:化合物21の調製>
ブチル−{4−[N−(1H−インドール−3−イルメチレン)−ヒドラジン]−6−モルホリン−4−イル−ピリミジン−2−イル}−アミン化合物21を、実施例2に記載される同様の方法で調製した。
【0113】
H NMR (300 MHz, CDCl), δ ppm:8.41 (bs, 1H), 8.33−8.30 (m, 1H), 8.19 ( bs, 1H), 7.95 (s, 1H), 7.41−7.37 (m, 2H), 7.29−7.25 (m, 2H), 5.96 (s,1H), 4.65 (t, J=4 Hz, 1H), 3.83−3.80 (m, 4H), 3.65−3.62 (m, 4H), 3.36 (dd, J=6.3, 13.5 Hz, 2H), 1.60−1.55 (m, 2H), 1.35−1.33 (m, 4H), 0.92−0.87 (m, 3H)
MS (ESI):m/z 408.2 (M+H)
【0114】
<実施例22:化合物22の調製>
ブチル−{4−[N−(1H−インドール−3−イルメチレン)−ヒドラジン]−6−モルホリン−4−イル−ピリミジン−2−イル}−アミン3−ヒドロキシピリジン(950mg,10mmol)の無水THF(50mL)溶液に、0℃の窒素保護下で、NaH(油中60%)(480mg,12mmol)を添加した。懸濁液を0℃で0.5時間撹拌し、2,4,6−トリクロロピリミジン(1.84g,10mmol)を添加した。混合物を室温に戻し、2時間攪拌後、反応物を氷ブラインで脱活し、EtOAc(300ml)で抽出した。有機相をブラインで洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、真空蒸発させた。硬化生成物を、シリカゲル(EtOAc−ヘキサン、1:7)のカラム上のフラッシュクロマトグラフィーで精製した。0℃のCHCl(150mL)中の生成物(1.80g,7.4mmol)を、モルホリン(2.5g,28mmol)にゆっくり添加した。反応混合物を、0℃で1時間、更に室温で1時間撹拌した。混合物を水洗した。有機相を、ブラインで洗浄し、乾燥(NaSO)し、濾過し、真空蒸発させた。異性体をシリカゲル(EtOAc−ヘキサン、1:7及び1:3)のカラム上のフラッシュクロマトグラフィーによって分離し、4−[6−クロロ−2−(ピリジン−3−イルオキシ)−ピリミジン−4−イル]−モルホリン(320mg,14.7%)を得た。
【0115】
H NMR (300 MHz, CDCl), δ (ppm):8.51(d, 1H, J=2.7 Hz), 8.44(dd, 1H, j=1.5, J=3.3 Hz), 7.53−7.49( m,1H ), 7.34−7.3 (m, 1H), 6.25 (s, 1H), 3.71−3.67(m, 4H), 3.51− 0 3.48(m, 4H)
MS (ESI):m/z 293.1
【0116】
4−[6−クロロ−2−(ピリジン−3−イルオキシ)−ピリミジン−4−イル]−モルホリン(295mg,1mmol)のTHF(10mL)溶液に、窒素保護下で無水ヒドラジン(0320mL,10mmol)を添加した。混合物を、70℃で15分間加熱した。室温に放冷後、反応混合物を水で希釈し、EtOAc(100ml)で抽出した。有機相をブライン(10mL)及び水(10ml×2)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、蒸発させ、シリカゲル(CHCl及びCHCl−MeOH(95:5))のカラム上のフラッシュクロマトグラフィーによって生成し、収率62%の[6−モルホリン−4−イル−2−(ピリジン−3−イルオキシ)−ピリミジン−4−イル]−ヒドラジン(180mg)を得た。M/Z(M+1)289.2[6−モルホリン−4−イル−2−(ピリジン−3−イルオキシ)−ピリミジン−4−イル]−ヒドラジン(180mg)(145mg,0.5mmol)及びm−トリルアルデヒド(72mg,0.6mmol)のMeOH(10mL)溶液に、酢酸(1滴)を添加した。反応混合物を室温で12時間攪拌し、白色固体を沈殿させた。得られた沈殿物をろ過で収集し、少量のメタノールで洗浄し、収率64%で125mgの化合物22を得た。
【0117】
H NMR (300 MHz, CDCl), δ (ppm):8.71 (s, 1H), 8.57(d, 1H, J=2.4 Hz), 8.44(dd, 1H, J=I.5, 3.2 Hz), 7.78(s,1H), 7.56−7.52(m,1H), 7.46−7.43(m, 2H), 7.34− 7.26(m, 2H), 7.17(d, 1H, J=8.1 Hz), 6.17 (s, 1H), 3.76−3.73(m, 4H), 3.57−3.54(m, 4H), 2.38(s, 3H)
MS (ESI):m/z 391.2
【0118】
<実施例23:化合物23の調製>
N−(3−メチルベンジリデン)−N’−(5−メチル−6−モルホリン−4−イル−2−フェニルピリミジン−4−イル)ヒドラジンベンズアミジン塩酸塩(7.06g、0.045mol)及びジメチルメチルマロン酸(6.0g、0.041mol)を、メタノール(100mL)に溶解した。ナトリウムメトキシド(21.5mL,0.099mol,メタノール中25重量%溶液)を添加し、溶液を室温で18時間撹拌した。溶媒の容量を減圧下でほぼ50mLまで濃縮し、氷水に注いだ。この溶液をHOAcで中和し、白色沈殿物を生成した。この沈殿物を収集し、乾燥させて白色固体(6.1g,74%)を生成した。
【0119】
H NMR (DMSO−d) δ (ppm)1.68 (s, 3H), 7.70−7.87 (m, 3H), 8.21 (d, j=8.4 Hz)
MS (ESI):m/z 203.1 (M+H)
【0120】
5−メチル−2−フェニル−ピリミジン−4,6−ジオール(3.3g,0.016mol)及びPOClを、60℃で3時間加熱した。溶液を室温まで放冷し、次いで氷上に注いだ。得られた白色沈殿物を濾過し、乾燥させ、白色固体の所望の化合物(810mg,21%)を生成した。
【0121】
H NMR (DMSO−d5) δ (ppm) 2.40 (s, 3H), 7.51−7.56 (m, 3H), 8.23 (d, 8.4 Hz)
MS (ESI):m/z 239.1 (M+H)
【0122】
4,6−ジクロロ−5−メチル−2−フェニルピリミジン(2.5g,0.010mol)及びモルホリン(2.93g,0.031mol)をTHF(50mL)に溶解そ、3時間加熱還流した。溶液を放冷し、次いでEtOAc(100mL)及び水(100mL)は添加した。EtOAc層を水(3×100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧除去した。得られた固体(2.66g,92%)を更には精製しないで用いた。MS (ESI):m/z 298.1 (M+H)
【0123】
4−(6−クロロ−5−メチル−2−フェニルピリミジン−4−イル)モルホリン(439mg,1.51mmol)をTHF(50mL)に溶解した。ヒドラジン(0.25mL,7.96mmol)を添加し、溶液を18時間加熱還流した。反応物を放冷し、溶媒を減圧除去した。EtOAc(100mL)及び水(100mL)を添加した。EtOAc層を水(3×100mL)で洗浄し、(MgSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧除去して白色固体(374mg)を生成した。この固体をTHF(50mL)に再溶解し、m−トルアルデヒド(157mg,1.31mmol)を添加した。溶液を4時間加熱還流後、放冷した。溶媒を減圧除去し、次いでEtOAc(100mL)及び水(100mL)を添加した。EtOAc層を水(3×100mL)で洗浄し、(MgSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧除去した。粗生成物を25%のEtOAc/ヘキサンで溶離しながらシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、黄色固体の純粋な所望の生成物(313mg,53%)を生成した。
【0124】
H NMR (DMSO−d) δ (ppm) 2.26 (s, 3H), 2.36 (s, 3H), 3.35 (m, 4H), 3.75−3.78 (m, 4H), 7.20 (d, J=6.9 Hz), 7.33 (t, J=6.9 Hz), 7.47−7.52 (m, 5H), 8.19 (s, 1H), 8.35−8.38 (m, 2H), 10.60 (s, 1H)
MS (ESI):m/z 388.3 (M+H)
【0125】
<実施例24:化合物24の調製>
N−(3−メチル−ベンジリデン)−N’−(2−フェニル−6−チオモルホリン−4−イル−ピリミジン−4−イル)−ヒドラジン化合物24を、実施例23に記載される同様の方法で調製した。
【0126】
1H−NMR (DMSO−d) δ 2.36 (s, 3H), 2.76 (s, 4H), 4.07 (s, 4H), 6.36 (s, 1H), 7.19 (d, J=8.1 Hz), 7.32 (t, J=8.1 Hz), 7.47−7.57 (m, 5H), 8.09 (s, 1H), 8.30−8.31 (m, IH), 11.02 (s, IH)
MS (ESI):m/z 389.1
【0127】
<実施例25:化合物25の調製>
(2.3−ジメチル−1H−インドール−5−イル)−{6−モルホリン−4−イル−2−[2−(ピリジン−3−イルオキシ)−エトキシ]−ピリミジン−4−イル}−アミン2−(ピリジン−3−イルオキシ)−エタノール(3.48g,25mmol)の40mL無水THF溶液に、室温でN,2,4,6−トリクロロピリミジン(4.56g,25mmol)の存在下で、NaH(油中60%懸濁液、1.1g,27.5mmol)を分割して添加した。30分撹拌後、反応物を水でクエンチし、水層をEtOAcで抽出し、有機混合溶液をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させた。
【0128】
フラッシュクロマトグラフィー(シリカ;ジクロロメタン/アセトン/メタノール:3/1/0.1)を使用して精製し、油状の4,6−ジクロロ−2−及び2,6−ジクロロである4−[2−(ピリジン−3−イルオキシ)−エトキシ]−ピリミジン(3.72g,52%)(NMR率1:1.2)の混合物を得た。
【0129】
上記の混合物(3.72g,13mmol)の20mLの1,4−ジオキサン溶液に、DIPEA(2.49mL,14.3mmol)、次いで2,3−ジメチル−5−アミノ−インドール(2.08g,13mmol)を添加し、混合物を1時間還流させた。溶媒を減圧除去し、反応混合物をカラムクロマトグラフィー(シリカ;ジクロロメタン/アセトン/メタノール:3/1/0.1)を用いて分離し、{6−クロロ−2−[2−(ピリジン−3−イルオキシ)−エトキシ]−ピリミジン−4−イル}−アミン(2.07g,39%)を得た。{4−クロロ−6−[2−(ピリジン−3−イルオキシ)−エトキシ]−ピリミジン−4−イル}−アミン及び{2−クロロ−6−[2−(ピリジン−3−イルオキシ)−エトキシ]−ピリミジン−4−イル}−アミン(2.5g,47%)の混合物も得られ、別の反応で使用した。
【0130】
{6−クロロ−2−[2−(ピリジン−3−イルオキシ)−エトキシ]−ピリミジン−4−イル}−アミン(2.07g,5.05mmol)及びモルホリン(1.32mL,15.15mmol)の1,4−ジオキサン溶液を、110℃で24時間加熱した。溶媒を減圧除去し、反応混合物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ;ジクロロメタン/アセトン/メタノール:3/1/0.1)を用いて精製し、無色固体の化合物25(2g,86%)を得た。
【0131】
H NMR (300 MHz, CDCl), δ (ppm):8.34 (br s, 1H), 8.23 (dd, 1H, J= 3.6, 2.1), 7.96 (brs, 1H), 7.34−7.21 (m, 4H), 6.98(dd, 1H, J= 8.4, 1.8 Hz), 6.60 (brs, 1H), 5.36 (s, 1H), 4.65 (t, 2H, J=5.1 Hz), 4.34 (t, 2H, J=5.1 Hz), 3.66 (m, 4H), 3.42 (m, 4H), 2.37(s, 3H),及び2.20 (s, 3H)
MS (ESI):m/z 461.5 (M+H)
【0132】
<実施例26:化合物26の調製>
(2.3−ジメチル−1H−インドール−5−イル)−{4−モルホリン−4−イル−6−[2−(ピリジン−3−イルオキシ)−エトキシ]−ピリミジン−2−イル}−アミン実施例24に記載されるように、{4−クロロ−6−[2−(ピリジン−3−イルオキシ)−エトキシ]−ピリミジン−4−イル}−アミン(2.5g,47%)及び{2−クロロ−6−[2−(ピリジン−3−イルオキシ)−エトキシ]−ピリミジン−4−イル}−アミン(2.5g,6.1mmol)の混合物を、モルホリンと反応させた。
【0133】
フラッシュクロマトグラフィーで精製し、エーテル−ペンタンから再結晶させて0.3gの化合物26を得た。
【0134】
H NMR (300 MHz, CDCl), δ (ppm)::8.36 (br s, 1H), 8.24 (m, 1H), 7.85 (m, 1H), 7.70 (brs, 1H), 7.26−7.14 (m, 4H), 6.78 (bra, 1H), 5.42 (s, 1H), 4.68 (t, 2H, J=5.1), 4.31 (t, 2H, J=5.1), 3.70 (m, 4H), 3.54 (m, 4H), 2.35(s, 3H), and 2.18 (s, 3H)MS(ESI):m/z 461.5 (M+H)
【0135】
<実施例27:化合物27の調製>
シクロヘキサンカルボン酸 3−{6−[N’−(3−メチル−ベンジリデン)−ヒドラジノ]−4−モルホリン−4−イル−ピリジン−2−イル}−プロピルエステル化合物27を、実施例1と同様の方法で調製した。
【0136】
H NMR (300 MHz, CDCl), δ (ppm):8.22 (s, 1H);7.69(s, 1H);8.07 (s, 1H);7.47 (m, 2H);7.28 (t, J= 7.5 Hz, 1H);7.17 (d, J= 7.5 Hz, 1H);6.23(s, IH);4.13 (q, J= 7.2 Hz, 2H);3.78−3.81 (m, 4H);3.62−3.65 (m, 4H);2.98 (t, J= 7.2 Hz, 2H);2.77 (t, J= 7.2 Hz, 2H);2.39 (s, 3H);1.24 (t, J= 7.2 Hz, 3H)
MS (ESI):m/z 398.2 (M+H)
【0137】
<実施例28:インビトロアッセイ>
(試薬)
黄色ブドウ球菌Cowan I(SAC)をCalbiochem(La Jolla、CA)から得て、リポ多糖(LPS、Serratia marscencens)をSigma(St.Louis、MO)から得た。ヒト及びマウス組み換えIFNγを、Boehringer Mannheim(Mannheim、Germany)及びPharmingen(San Diego、CA)から各々購入した。
【0138】
ヒトインビトロアッセイ
ヒトPBMCを、Ficoll−Paque(Pharmacia Biotech、Uppsala、Sweden)を使用した遠心分離で分離し、10%ウシ胎児血清(FCS)、100U/mLペニシリン及び100μgストレプトマイシンが添加されたRPMI培地中で調製した。PMBCを、96−ウェルプレートのウェル中で5×10細胞/ウェルの濃度で平板培養され、22時間IFNγ(30U/mL)或いはLPS(1μg/mL)又はIFNγ(100U/mL)を添加して初回刺激し、次にSAC(0.01%)を添加して刺激した。ピリミジン試験化合物をDMSOに溶解し、96−ウェルプレートのウェルに添加した。化合物フリー対照を含め、全ての培養において最終DMSO濃度を0.25%に調節した。ヒトTHP−1細胞をウェル中で平板培養し、IFNγ(100U/mL)を22時間添加して初回刺激し、異なる濃度のピリミジン化合物の存在下でSAC(0.025%)を添加して刺激した。細胞フリーの上澄液を18時間後に取り出し、サイトカインを測定した。細胞生存度を、MTSの生物還元を用いて評価した。細胞生存を、化合物処置群と化合物フリー対照群との吸収率を求めて評価した。
【0139】
抗ヒト抗体を有するサンドイッチELISA、すなわちR&D Systems(Berkeley、CA)のヒトIL−12p40ELISAキット、及びEndogen(Cambridge、MA)のヒトIL−12p70又はIL−10ELISAキットを使用して、上澄液のIL−12p40、IL−12p70又はIL−10の量を分析した。アッセイは、製造業者の指示に基づいた。
【0140】
マウスインビボアッセイ
Balb/cマウス(Taconic、Germantown、NY)を、結核菌H37Ra(Difco、Detroit、MI)で免疫化した。脾細胞が、5日間採取され、かつ平底の96−ウェルプレートのウェル内で、1×10細胞/ウェルで10%FCS及び抗生物質を加えられた、RPMI培地中で調製された。次に、脾細胞を、試験化合物の存在下、IFNγ(60ng/mL)及びSAC(0.025%)[又はLPS(20μg/mL)]の組み合わせで刺激した。細胞フリー上澄液を24時間後に取り出し、サイトカインの測定をした。化合物の調製及び細胞生存度の評価を上記のように行なった。マウスIL−12p70、IL−10、IL−1β及びTNFαを、製造業者の指示に基づいてEndogenのELISAキットを使用使用して測定した。
【0141】
ヒトPMBC又はTHP−1細胞中のピリミジン化合物の生物活性を試験した。多くの化合物のIC50値は、5μM以下である。予想外に、いくつかの試験化合物のIC50値は1nM程度である。
【0142】
<実施例29:インビボアッセイ>
ラットにおけるアジュバント関節炎の治療:加熱殺菌した結核菌H37Raを粉砕して不完全フロイントアジュバント中に懸濁することによって作製される10mg/mLの細菌懸濁液0.1mLを雌ルイスラットに皮内注射(尻尾の底部)し、アジュバント関節炎(AA)を誘発した。誘発日後、ラットに試験化合物を1日に1回、12日間経口投与した。多発性関節炎の進行を、肉眼検査及び臨界期間(免疫化後10〜25日)の各動物に関節炎指標を当てはめて観察した。多発性関節炎の強度を、以下のスキーム従って採点した。
(a)関節の紅斑、腫れ、及び変形に基づいて0から3に各肢を採点する。
0:紅斑又は腫れはない
0.5:少なくとも1箇所の関節で腫れが検出できる
1:軽度の紅斑及び腫れがある
2:足根及び手根の両方に紅斑及び腫れがある
3:強直及び骨変形がある
従って、四肢全ての最大得点は12となる。
(b)体の他の部分に対して採点する。各耳に対して、
0.5:赤みがある又は隆起がある
1:結合組織の腫れ(鞍鼻)がある
1:尻尾に隆起又は屈曲がある
関節炎指標は、最高で16であった。
【0143】
AAモデルによる実験を4回繰り返した。本発明のピリミジン化合物(例えば化合物12)の経口投与によって、関節炎の得点を再現的に減少させ、用量依存的な方法によって多発性関節炎の進行を遅延させた。本モデルで使用された関節炎の得点は、観察された構造の炎症状態を反映しており、結果は、本態様の病変の軽減させる試験化合物の能力を示している。
【0144】
ジニトロベンゼンスルホン酸で誘発した炎症性腸症候群モデルラットのクローン病の治療
体重200±20gかつ24時間絶食させたウィスター由来の雄及び雌ラットを使用した。2,4−ジニトロベンゼンスルホン酸(0.5mLエタノール30%中にDNBS、25mg)の大腸内点滴によって遠位大腸炎を誘発し、その後、溶液が大腸内に確実に残るように、カニューレを通して空気(2mL)をゆっくり注射した。試験化合物及び/又は媒体を、DNBS点滴の24時間及び2時間前と、点滴後毎日5日間経口投与した。ある対照群を媒体単独で処置し、他の群を媒体及びDNBSで処置した。最終用量の試験化合物を投与した24時間後に動物を犠牲にし、各大腸を除去して重量を測定した。各動物の大腸対身体の重量比を次式から計算した。
大腸(g)/体重×100
媒体−対照+DNBS群対媒体−対照群の比の「純」増を、試験物質処理群との比較ベースで用い、「減少率」で表記した。本発明のピリミジン化合物(例えば化合物12)の減少率は、再現的に約30%であった。大腸対身体の重量比の減少率は、媒体処理対照群に比較して30%以上であり、有意であると思われた。
【0145】
試験物質を経口的に処置したラットにおいて、顕著な炎症反応の減少を示した。これらの実験を3回繰り返し、効果は再現的であった。
【0146】
CD4CD45RbhighT細胞再構築SCID大腸炎モデルマウスにおけるクローン病の治療
脾臓細胞を、正常な雌BALB/cマウスから調製した。細胞精製のために、抗マウス抗体(B220 (RA3−6B2)、CD11b(M1/70)及びCD8α(53−6.72))を使用して非CD4T細胞に標識した。全ての抗体をBioSource(Camarillo、CA)から得た。M450抗ラットIgG被覆された磁気ビード(Dynal、Oslo、Norway)を使用して抗体を結合し、MPC−1磁気濃縮器を使用してネガティブ選択した。次に、濃縮CD4細胞を、FITC−複合CD45RB (16A、Pharmingen、San Diego、CA)及びPE−複合CD4(CT−CD4、Caltag,Burlingame、CA)で細胞選別するために標識した。CD4CD45RBhigh細胞を、上位40%のCD45Rb染色CD4細胞と操作的に定義し、フローサイトメトリーによって滅菌条件下で選別した。採取された細胞をPBS中で4×10/mLで再懸濁し、雌C.B−17SCIDマウスの腹腔内に100μL注射した。本発明のピリジン化合物及び/又は媒体を、移植日後1日1回、週に5日経口投与した。毎週、移植したSCIDマウスについて体重測定し、臨床状態を観察した。
【0147】
大腸組織サンプルを10%緩衝ホルマリン中で固定し、パラフィン中に埋め込んだ。上行結腸、横行結腸及び下行結腸から収集された切片(4μm)を切断し、ヘマトキシリン及びエオシンによって染色した。大腸炎の重症度を遠位大腸切片の組織検査に基づいて判定し、大腸炎症の範囲が、4基準(陰窩伸長、細胞浸入、杯細胞の減耗及び陰窩膿瘍の数)の各々を0−3段階で等級付けした。
【0148】
LPリンパ球を、新たに得られた大腸標本から単離した。パイエル板を除去した後、大腸をCa/MgフリーのHBSS中で洗浄し、0.5cmの部片に切断し、15分間37℃でEDTA(0.75mM)、DTT(1mM)及び抗生物質(Sigmaのアンホテリシン2.5μg/mL、ゲンタマイシン50μg/mL)を含むHBSS中で2回インキュベートした。次に、組織を0.5mg/mLコラゲナーゼD、0.01mg/mL DNアーゼ I(Boehringer Manheim)及び抗生物質を含むRPMI中で更に37℃で消化させた。次いで、LP細胞を40〜100%パーコル勾配(Pharmacia、Uppsala、Sweden)で積層し、リンパ球濃縮集団を40〜100%の界面で細胞から単離する。
【0149】
サイトカイン産生を測定するために、48−ウェルプレートを、炭酸緩衝液(PH9.6)中で10μg/mLマウス抗DC3ε抗体(145−2C11)で4℃において一晩被覆した。次に、5×10LP細胞を、1μg/mLの可溶性抗CD28抗体(37.51)の存在下でプレコートウェルの0.5mlのコンプリート培地中で培養された。精製した抗体をPharmigenから得た。培養上澄液を48時間後に除去し、サイトカイン産生について分析した。マウスIFNγを、Endogen(Cambridge、MA)のELISAキットを使用して製造業者の指示に従って測定した。
【0150】
組織分析により、媒体対照と比較して本発明のピリミジン化合物(例えば化合物12)の経口投与が、結腸の炎症を減少させることを示した。抑制作用は、10mg/kgの服用において実質的な減少に用量依存的であった。求めた大腸対身体の重量比は組織の得点に一致し、試験化合物による処置によって減少することを示す。更に、抗CD3抗体及び抗CD28抗体に応答するLP細胞からのサイトカインの分析によって、媒体対照からのLP細胞がIFNγレベルを増大させ、試験物質による処置によってその産生を極めて減少させるということを実証した。これらの結果は、明らかに、クローン病に代表される炎症性腸疾患の治療において試験物質の可能性を明白に実証した。
【0151】
<実施例30:IL−23の阻害>
本発明の化合物は、両方のIL−12及びIL−23のサブユニットであるp40の発現を阻害する。従って、IL−12に加えてIL−23の阻害が期待される。仮定を確認するため、アッセイを特にp19(研究開発Systems、MN)(IL−23に特有のサブユニット)を認識するIL−23を用いてポリクローナル抗体を検出するために確立した。96−ウェルプレートに、ト末梢血単核球(PBMC)の上澄液でインキュベートして洗浄した後に抗体を1μg/mlで塗布した。培養組織を、IFN−γ初回抗原刺激後、試験化合物の存在下で1μg/mlのリポ多糖体(リポ多糖類(図2)又は0.025%のS.aureus CowanI(SAC)(図1)で刺激した。次に、得られたIL−23を、モノマーとしてのヒトIL−12及びIL−23のp40サブユニットに結合するビオチン化ヤギ抗ヒトp40抗体、又は各々のヘテロ二量体(R&D Systemsからの製品DY1240の第840099部)の存在下で検出した。プレートを、ストレプトアビジン−HRP、次いで基質溶液(R&D Systems カタログ番号DY999)でインキュベーションして発現させた。組換えIL−23(R&D Systems)をアッセイ標準として添加した。推定された検出範囲は、0.1〜10ng/mlであり、1ng/mlの組換えIL−12ヘテロ二量体(Cell Sciences, MA)及びp40モノマー(R&D Systems)については、検出限界下であった。IL−23の阻害と比較するため、上澄液を、各々IL−12に特異的なLISA kit(Cell Sciences)及びp40ELISA kit (R&D Systems)を用いてIL−12ヘテロ二量体及び全p40タンパク質について分析した。IL−23は、IFN−γ/SAC及びIFN−γ/LPS−刺激したヒトPBMCにおいて著しく誘発され、化合物12によって用量依存的に阻害された。IL−23に対する化合物12の阻害活性は、p40に対する阻害活性と同程度であり、IL−12に対するよりもわずかに低かった。
【0152】
<実施例31:本発明の化合物による処置後の末梢血単核細胞の遺伝子発現>
末梢血単核細胞(PBMC)の遺伝子発現パターンの変化を、遺伝子チップマイクロアレイ(Affymetrix, Inc.)を用いて分析する。PBMCをIFNγ及びSACによって刺激し、次に0.1、1.0、10、100又は1000nMの本発明の化合物を3時間投与する。対照PBMCを、INFγ単独並びにIFNγ及びSACで刺激する。対照サンプルと本発明の化合物が投与されるサンプルとの間の遺伝子発現パターンの変化を比較するその発現においてキネティクス求めるため、IFNγ/SACを含むPBMCを、刺激後の様々な時点(20分、1.5時間、3時間、6時間及び16時間)で更に分析した。更に、IFNγ/SAC刺激後、これらの細胞集団における本発明の化合物の作用を識別するため、PBMCを調製することによって、濃縮したT細胞濃縮集団及び単球マクロファージ濃縮集団に分けることができる。
【0153】
単球/マクロファージ細胞中で優先的に発現した遺伝子は、IL−12のp35サブユニットのみならずIL−12及びIL−23のp40サブユニットをコードする遺伝子を第一に含む。EBI3の発現は、IFNγ/SACによる刺激後誘発され、IL−27はサブユニットEBI3及びp2δから形成されるヘテロ二量体であるために本発明の化合物に用量依存的に阻害される期待される。また、EBI3はIL−12 p40とのアミノ酸配列相同性は27%であり、p28はIL−12のp35サブユニットに関連するタンパク質である。
【0154】
(他の実施形態)
本願明細書において開示される特徴の全ては、いかなる組合せにおいても合わせることができる。本願明細書中に開示された各特徴は、同一の目的、同等の目的又は類似した目的を与える別の特徴によって置き換えることができる。従って、明記しない限り、開示された各特徴は、包括的な一連の同等の特徴又は類似する特徴の例に過ぎない。
【0155】
上記の記載から、当業者は、本発明の実質的な特徴を容易に確認でき、また、その精神及び範囲から逸脱せずに、本発明を様々な用法及び条件に適合させるために様々な変更及び修正することができる。例えば、明細書にも記載したピリミジン化合物の構造的に類似した化合物もまた生成し、そのIL−12活性の阻害性を試験し、その化合物を用いて本発明を実施してもよい。従って、他の実施形態も、請求項の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0156】
【図1】IFN−γ存在下でのS.aureus Cowan I(SAC)による刺激後のヒト末梢血単核細胞中の化合物12によるIL−12、IL−23とIL−12及びIL−23のp40サブユニットの阻害率を示すグラフである。
【図2】IFN−γ存在下でのリポ多糖体(LPS)による刺激後のヒト末梢血単核細胞中の化合物12によるIL−12、IL−23とIL−12及びIL−23のp40サブユニットの阻害率を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検者の自己免疫疾患又は炎症性疾患を治療又は予防する方法であって、前記自己免疫疾患又は炎症性疾患が、強直性脊椎炎、胃潰瘍、潰瘍性大腸炎、血清陰性関節炎、全身性紅斑性狼瘡、抗リン脂質症候群、虹彩毛様体炎/ブドウ膜炎/視神経炎、特発性肺線維症、炎症性肺症候群、全身性血管炎/ヴェゲナー肉芽腫症、サルコイドーシス、睾丸炎/精管切除反転法、アレルギー/アトピー性疾患、喘息、アレルギー鼻炎、湿疹、アレルギー接触性皮膚炎、アレルギー結膜炎、過敏性肺臓炎、移植体、臓器移植拒絶、移植片対宿主病、全身炎症反応症候群、好中球減少性発熱、尿路性敗血症、髄膜炎菌血症、外傷/出血、熱傷、電離放射線の曝露、急性膵炎、成人呼吸促迫症候群、アルコール誘導肝炎、慢性炎症性病変、サルコイドーシス、鎌状赤血球貧血、II型糖尿病、ネフローゼ、アトピー性疾患、過敏性反応、アレルギー性鼻炎、枯草熱、通年性鼻炎、結膜炎、子宮内膜症、喘息、じんま疹、全身アナフィラキシー、皮膚炎、悪性貧血、溶血性疾患、血小板減少、いずれかの臓器又は組織の移植片拒絶、腎臓移植拒絶、心臓移植拒絶、肝臓移植拒絶、膵臓移植拒絶、肺移植拒絶、骨髄移植(BMT)拒絶、皮膚同種移植片拒絶、軟骨移植拒絶、骨移植片拒絶、小腸移植拒絶、胎児胸腺インプラント拒絶、上皮小体移植拒絶、いずれかの臓器又は組織の異種移植片拒絶、同種移植片拒絶、抗レセプター過敏症反応、グレーブス病、レイノー病、喘息、重症筋無力症、抗体媒介性細胞障害反応、III型過敏性反応、POEMS症候群(多発性神経症、巨臓器症、内分泌疾患、単一クローン性高ガンマグロブリン血症、及び皮膚変化症候群)、多発性神経症、巨臓器症、内分泌疾患、単一クローン性高ガンマグロブリン血症、皮膚変化症候群、抗リン脂質症候群、天疱瘡、強皮症、混合結合組織病、特発性アディソン病、慢性活動性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、白斑、血管炎、心筋梗塞後心臓切開症候群、IV型過敏症、接触皮膚炎、過敏症肺臓炎、同種移植片拒絶、細胞内生物に起因する肉芽腫、薬剤感受性、代謝性/特発性、ウィルソン病、ヘマクロマトーシス、α−1−抗トリプシン欠乏、糖尿病網膜症、橋本甲状腺病、視床下部−下垂体−副腎軸評価、原発性胆汁性肝硬変、甲状腺炎、脳脊髄炎、悪液質、嚢性線維症、新生児慢性肺疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、家族性食血細胞リンパ組織球増多症、皮膚病変、乾癬、脱毛、ネフローゼ症候群、腎炎、糸球体腎炎、急性腎不全、血液透析、尿毒、毒性、子癇前症、尋常性天疱瘡、慢性サリチル酸中毒、特発性血小板減少性紫斑病、自己免疫性の髄膜炎、重症筋無力症、自己免疫性甲状線炎、シェーグレン症候群、円形脱毛症、節足動物の噛み傷の反応によるアレルギー性応答、アフタ性潰瘍、虹彩炎、結膜炎、角結膜炎、皮膚エリテマトーデス、強皮症、膣炎、直腸炎、薬疹、ハンセン病逆転反応、らい性結節性紅斑、自己免疫性のブドウ膜炎、アレルギー性脳脊髄炎、再生不良性貧血、真正赤血球性貧血、特発性血小板減少症、多発性軟骨炎、ウェゲナー肉芽腫症、慢性活動性肝炎、グラーブ眼症、原発性胆汁性肝硬変症、後部ブドウ膜炎及び間質性肺繊維症からなる群から選択され、前記方法が、それを必要とする被検者に有効量の式(I)の化合物若しくはその薬理学的に許容できる塩、溶媒和物、クラスレート、水和物、多形体又はプロドラッグを投与することを含む方法。
【化1】

[式中、Rは、
【化2】

、アリール又はヘテロアリールであり、R及びRの各々は、独立して、R、ハロゲン、ニトロ、シアノ、イソチオニトロ、SR又はORであり、或いは、R及びRは、共にカルボニルであり、Rは、R、アルケニル、アルキニル、OR、OC(O)R、SO、S(O)R、S(O)NR SR、NR、NRCOR、NRC(O)OR、NRC(O)NR、NRSO、COR、C(O)OR又はC(O)NRであり、Rは、H又はアルキルであり、nは、0、1、2、3、4、5又は6であり、Xは、O、S、S(O)、S(O)又はNRであり、Yは、共有結合、CH、CH、C(O)、C=N−R、C=N−OR、C=N−SR、O、S、S(O)、S(O)又はNRであり、Zは、N又はCHであり、U及びVの一方はNであり、他方はCRであり、Wは、O、S、S(O)、S(O)、NR又はNC(O)Rであり、R及びRの各々は、独立して、H、アルキル、アリール、ヘテロアリールであり、R及びRの各々は、独立して、H、アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクリル、ヘテロシクリル又はアルキルカルボニルである。]
【請求項2】
被検者の自己免疫疾患又は炎症性疾患を治療又は予防する方法であって、前記自己免疫疾患又は炎症性疾患が、若年性関節リウマチ、浸透移行性の開始若年性関節リウマチ、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、変形性関節症及びライム関節炎からなる群から選択され、前記方法が、それを必要とする被検者に有効量の式(I)の化合物若しくはその薬理学的に許容できる塩、溶媒和物、クラスレート、水和物、多形体又はプロドラッグを投与することを含む方法。
【化3】

[式中、Rは、
【化4】

、アリール又はヘテロアリールであり、R及びRの各々は、独立して、R、ハロゲン、ニトロ、シアノ、イソチオニトロ、SR又はORであり、或いは、R及びRは、共にカルボニルであり、Rは、R、アルケニル、アルキニル、OR、OC(O)R、SO、S(O)R、S(O)NR SR、NR、NRCOR、NRC(O)OR、NRC(O)NR、NRSO、COR、C(O)OR又はC(O)NRであり、Rは、H又はアルキルであり、nは、0、1、2、3、4、5又は6であり、Xは、O、S、S(O)、S(O)又はNRであり、Yは、共有結合、CH、CH、C(O)、C=N−R、C=N−OR、C=N−SR、O、S、S(O)、S(O)又はNRであり、Zは、N又はCHであり、U及びVの一方はNであり、他方はCRであり、Wは、O、S、S(O)、S(O)、NR又はNC(O)Rであり、R及びRの各々は、独立して、H、アルキル、アリール、ヘテロアリールであり、R及びRの各々は、独立して、H、アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクリル、ヘテロシクリル又はアルキルカルボニルである。]
【請求項3】
IL−23産生を阻害することを更に含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
ThIL−17細胞の増殖を阻害することを更に含む、請求項3記載の方法。
【請求項5】
IL−17産生を阻害することを更に含む、請求項3記載の方法。
【請求項6】
IL−12、IL−27又はIL−12及びL−27の双方の産生を阻害することを更に含む、請求項3記載の方法。
【請求項7】
前記疾患が、喘息、新生児慢性肺疾患又は慢性閉塞性肺疾患である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
が、
【化5】

である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項9】
UがNであり、VがCHである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
ZがNであり、WがOである、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
XがNRである、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
が、H、メチル、エチル又はアセチルである、請求項11記載の方法。
【請求項13】
YがO又はCHであり、nが0、1、2、3又は4である、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
がアリール又はヘテロアリールである、請求項13記載の方法。
【請求項15】
がピリジニルである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
が、OR、SR、C(O)OR又はC(O)NRである、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
が、
【化6】

である、請求項13に記載の方法。
[式中、A及びA’の各々は、独立して、O、S又はNHであり、R及びRの各々は、独立して、H、アルキル、アリール又はヘテロアリールであり、mは、1又は2である。]
【請求項18】
及びRのいずれかが、
【化7】

である、請求項8に記載の方法。
[式中、Bは、NR、O又はSであり、B’は、N又はCRであり、Rは、H、アルキル又はアルコキシルであり、Rは、ハロゲン、NO、CN、アルキル、アリール、ヘテロアリール、OR、OC(O)R、SO、S(O)R、S(O)NR、SR、NR、NRCOR、NRC(O)OR、NRC(O)NR、NRSO、COR、C(O)OR又はC(O)NRであり、Rは、H、アルキル又はアルキルカルボニルであり、pは、0、1又は2であり、qは、0、1、2、3又は4である。]
【請求項19】
及びRの一方が、
【化8】

であり、R及びRの他方が、H又はアルキルである、請求項18記載の方法。
【請求項20】
が、H、メチル、エチル、プロピル、シクロプロピル、メトキシ又はエトキシであり、Rが、F、Cl、CN、メチル、メトキシ、エトキシ、OC(O)CH、OC(O)C、C(O)OH、C(O)OC、C(O)NH、NHC(O)CH又はS(O)NHであり、Rが、H、メチル、エチル又はアセチルであり、qが、0、1又は2である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
がメチル又はメトキシであり、R’がHであり、qが0である、請求項20記載の方法。
【請求項22】
UがNであり、VがCHである、請求項20記載の方法。
【請求項23】
ZがNであり、WがOである、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
XがNRであり、Rが、H、メチル、エチル又はアセチルである、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
YがO又はCHであり、nが0、1、2、3又は4である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
がアリール又はヘテロアリールである、請求項25記載の方法。
【請求項27】
がピリジニルである、請求項26記載の方法。
【請求項28】
YがO又はCHであり、nが0、1、2、3又は4である、請求項20記載の方法。
【請求項29】
がアリール又はヘテロアリールである、請求項28記載の方法。
【請求項30】
がピリジニルである、請求項28記載の方法。
【請求項31】
がアリール又はヘテロアリールである、請求項1又は2記載の方法。
【請求項32】
が、
【化9】

である、請求項31記載の方法。
[式中、Dは、O、S又はNRであり、Rは、ベンゾ、ハロゲン、CN、ヒドロキシル、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシル、アリールオキシル又はヘテロアリールオキシルであり、Rは、H、アルキル又はアルキルカルボニルであり、rは、0、1又は2である。]
【請求項33】
XがNRであり、Rが、H、メチル、エチル又はアセチルである、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
UがNであり、VがCHである、請求項33記載の方法。
【請求項35】
ZはNであり、WはOである、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
YがO又はCHであり、nが、0、1、2、3又は4である、請求項35記載の方法。
【請求項37】
YがO又はCHであり、nが、0、1、2、3又は4である、請求項35記載の方法。
【請求項38】
がアリール又はヘテロアリールである、請求項37記載の方法。
【請求項39】
がピリジニルである、請求項38記載の方法。
【請求項40】
が、OR、SR、C(O)OR又はC(O)NRである、請求項37に記載の方法。
【請求項41】
が、
【化10】

である、請求項37に記載の方法。
[式中、A及びA’の各々は、独立して、O、S又はNHであり、R及びRの各々は、独立して、H、アルキル、アリール、ヘテロアリールであり、mは、1又は2である。]
【請求項42】
は、
【化11】

である、請求項37に記載の化合物。
【請求項43】
がメチル、エチル、プロピル又はベンゾであり、rは1又は2である、請求項42記載の方法。
【請求項44】
前記化合物が、
化合物1:
【化12】

化合物2:
【化13】

化合物3:
【化14】

化合物4:
【化15】

化合物5:
【化16】

化合物6:
【化17】

化合物7:
【化18】

化合物8:
【化19】

化合物9:
【化20】

化合物10:
【化21】

化合物11:
【化22】

化合物12:
【化23】

化合物13:
【化24】

化合物14:
【化25】

化合物15:
【化26】

化合物16:
【化27】

化合物17:
【化28】

化合物18:
【化29】

化合物19:
【化30】

化合物20:
【化31】

化合物21:
【化32】

化合物22:
【化33】

化合物23:
【化34】

化合物24:
【化35】

化合物25:
【化36】

化合物26:
【化37】

化合物27:
【化38】

から選択される化合物及びその薬理学的に許容できる塩、溶媒和物、クラスレート、水和物、多形体又はそのプロドラッグである、請求項1又は2記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−520712(P2008−520712A)
【公表日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−543302(P2007−543302)
【出願日】平成17年11月18日(2005.11.18)
【国際出願番号】PCT/US2005/041928
【国際公開番号】WO2006/060194
【国際公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【出願人】(504151848)シンタ ファーマシューティカルズ コーポレーション (72)
【Fターム(参考)】