説明

ピレスロイドを含有する、高濃度多重作用性局所投与用殺虫剤

局所投与用殺虫製剤を提供するが、これは安全に使用することができ、また従来の局所投与用殺虫剤の示す、多くの共通の有害な副作用を回避する。この局所投与用殺虫剤が、ノミを殺すのに有効な、第一のピレスロイド殺虫剤と、マダニを殺すのに有効な、第二のピレスロイド殺虫剤と、昆虫成長調節剤(IGR)とを含む。該局所投与用殺虫製剤は、一緒に包装することができ、あるいは動物に該殺虫製剤を投与する前に、該第一および第二のピレスロイド殺虫剤が、別々に保存されるように包装することができる。該第一および第二のピレスロイド殺虫剤と、昆虫成長調節剤との上記組合せは、該第一および第二のピレスロイド殺虫剤を、夫々単独で使用した場合の効果と比較して、ノミおよびマダニに対してより高い殺虫活性を持つように処方された、殺虫製剤を与える。更に、該第一および第二のピレスロイド殺虫剤と、昆虫成長調節剤との上記組合せは、ノミおよびマダニに対して高い殺虫活性を持ち、しかもその有効性を発揮するに要する殺虫剤の全量を、有利に最小化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に殺虫剤に係り、またより詳しくは局所投与用殺虫剤、例えばイヌ等の室内ペットに対して使用するのに適した、該局所投与用殺虫剤に関する。
【0002】
[関連出願との相互引照]
本件特許出願は、2004年8月3日付で出願された、米国特許出願第10/910,542号の、一部継続出願であり、後者は、また2003年8月8日付で出願された、米国仮特許出願第60/493,976号および2004年3月19日付で出願された、米国仮特許出願第60/554,563号に基く優先権の利益を要求しており、更に本件特許出願は、現在米国特許第6,867,223号として許諾された、2002年9月12日付で出願された、米国特許出願第10/242,551号の一部継続出願である。これらの内容全体を、参考としてここに組入れる。
【背景技術】
【0003】
ノミ、マダニおよびハエ等による、動物の外寄生(発生)は、全く望ましからぬことである。従って、家畜およびペットに、局所投与用および内服用殺虫剤両者を投与することが、一般的になっている。多くの殺虫剤が、局所的に投与した場合に、許容できる安全性を持つが、内服投与した場合には安全でないことから、局所的投与が望ましい可能性がある。また、多くのペット所有者は、そのペットに内服用殺虫剤を投与することに関して、危惧を抱いている。
様々な局所投与用殺虫剤は、欠点を持つ。あるものは、該動物に適用するためのより大容量のものを必要としている。これは、かなりの混乱を引起す可能性があり、また不快な臭いをもたらす恐れがある。更に、局所投与用殺虫剤の投与量が、大容量を持つ場合には、該動物によって容易に拒否されてしまい、結果として該殺虫製剤の有効性を減じてしまう。また、該動物が、屋内用ペットである場合、該殺虫剤が、ヒトとの接触に対して安全でなければならないという点において、更に複雑になる。該殺虫剤は、また家具、カーペット等の汚損をもたらすべきではない。最後に、安全であったとしても、屋内ペット用の局所投与殺虫剤は、刺激を与えず、または発疹の発生、抜毛をもたらさず、あるいは他の不快な副作用を示すものであってはならない。
従って、該従来技術の諸欠点を解消する、改善された局所投与用殺虫剤に対する要求がある。
【発明の開示】
【0004】
一般的に言えば、本発明によれば、局所投与用殺虫剤、特にペット、とりわけイヌに対して使用するための、局所投与用殺虫剤が提供される。本発明による製剤は、使用上安全であり、また従来の局所投与用殺虫剤の持つ、多くの一般的で有害な副作用の回避を可能とする。
本発明は、局所投与用殺虫剤を提供するものであり、これは、ノミ、ノミの卵、ノミの幼虫、マダニ、マダニの卵、マダニの幼虫、およびマダニの若虫を殺傷するのに有効であり得る、殺虫剤と昆虫成長調節剤との組合せを含む。該殺虫剤と昆虫成長調節剤との組合せの選択は、高い殺虫活性を有し、しかも同一の殺傷率を達成する目的で、単独で使用した場合に、個々の殺虫剤に要求される有効性および量と比較して、該動物に適用すべき殺虫剤の全量を下げることを可能とする、殺虫剤を与える。本発明において導かれる該組合せは、また他の製剤に比して、結果の迅速性および再発生率の低下をも改良する上で、有用であり得る。
【0005】
本発明は、殺虫性組成物を提供するものであり、これは、ノミに対して、例えば少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%の殺傷率を達成する殺虫効果のある量の第一の殺虫成分と、マダニに対して、例えば少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%の殺傷率を達成する殺虫効果のある量の、第二の殺虫成分と、昆虫の成長を調節するのに有効な量の、昆虫成長調節剤(IGR)を含んでいる。本発明の幾つかの態様において、該第二の殺虫剤は、ノミに対してのみ有効であると考えられる、ネオ-ニコチノイド(neo-nicotinoid)の一種ではない。これら2種の殺虫成分と該昆虫成長調節剤との組合せは、該第一および第二殺虫剤を単独で使用した場合と比較して、これらの有効性を高め、かつ該第一および第二殺虫剤を単独で使用した場合における、これら殺虫剤の有効量と比較して、これらの有効量を減じる。
【0006】
本発明の一態様において、該組合せにおける該2種の殺虫剤の少なくとも一つは、ピレスロイドであり、また他の態様においては、該組合せにおける該第一および第二殺虫剤成分両者は、ピレスロイドである。本発明の好ましい態様において、該組合せにおける該第一の殺虫剤成分は、ペルメトリンを含む。本発明の他の態様では、シフェノトリン(cyphenothrin)またはフェンプロパトリンを含むことができる。該第二の殺虫剤成分は、以下に示す一般式(1)の(テトラヒドロ-3-フラニル)メチルアミン誘導体を含む。勿論、これら2種の物質の何れが第一で、また何れが第二であるかは、任意的なものであり、互換性のあるものであると理解すべきである。また、活性成分、例えばペルメトリンの同定は、該活性成分の他の薬理的に活性な形状、例えばエステル、塩、塩酸塩、酸または塩基形状、異性体等をも意味するものとする。
【0007】
本発明のもう一つの態様において、該第一の殺虫剤成分は、ペルメトリンまたはフェノトリンを含む。該第二の殺虫剤成分は、クロロニコチニル殺虫剤、好ましくはアセタミプリド(acetamiprid)を含む。本発明の殺虫剤製剤において使用できる、他のクロロニコチニル殺虫剤は、ニテンピラム(nitenpyram)、およびイミダクロプリド(imidacloprid)、チアメトキサム(thiamethoxam)、およびクロチアニジン(clothianidin)を含むが、これらに限定されない。
本発明の好ましいもう一つの態様では、該第一の殺虫剤成分は、ペルメトリンまたはフェノトリンを含み、また該第二の殺虫剤成分は、ジノテフラン、アセタミプリド、ニテンピラム、イミダクロプリド、またはビフェントリン(bifenthrin)を含む。該第二の成分は、有利にはイソパラフィン系溶媒、例えばエクソン(EXXON)社から市販品として入手できるアイソパー(IsoparTM)、および/またはトリプロピレングリコールメチルエーテル(TPM)、ジプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、乳酸エチル、プロピレンカーボネートおよび/またはサフラワーオイルと組合わされる。該第二の殺虫剤がジノテフランであるような態様においては、アイソパーおよびサフラワーオイルは、該溶媒溶液中に含まれないことが好ましい。
【0008】
高濃度のジノテフランおよびペルメトリンまたはフェノトリンを得ることは困難であることが分かっており、また室温にて、道理にかなった期間保存した際に、不安定である可能性のある溶液を与える傾向がある。従って、該第一の殺虫剤および第二の殺虫剤が、本発明の殺虫組成物を該動物に適用する前に、相互作用しないように、しかもこれらの製剤を適用まで分離状態におくように、該殺虫組成物を包装することが好ましいことが明らかになった。該第一および第二殺虫剤は、2つの結合した、好ましくは接着されているが、個々のチャンバーを有する包装体または容器内で、相互に分離された状態で保存して、該製剤の投与前に、該殺虫剤が混合するのを防止することができる。投与前に、各分離されたチャンバー内に、これら2つの殺虫剤を含む該包装体を開放し、該2種の殺虫剤を、同時に、または少なくともほぼ同時に、該動物に分配する。
【0009】
これら2成分を提供する一つの方法は、各々が平坦な底部および上部部分に、バルブ形状の貯槽を持つ、2つの容器を設けることである。各バルブ型部分は、該貯槽から第一の方向に伸びている、チャンネル部分と流体接続関係にある。これら2つの容器は、相互に鏡像関係にあり、中央の接続部において終端しているが、これらは該中央接続部において相互に折畳むことができ、従って2つの平坦な底部同士が合さって、馴染みの滴下バルブ形状の生成へと導く。この包装体の端部を破壊して、該チャンネルの端部を開放することができる。従って、該バルブの端部を絞ることによって、該チャンネル両者を介して、これら両バルブの内容物を、該ペットに同時に分配する。
本発明の更に別の好ましい態様では、本発明の組成物中の昆虫成長調節剤は、ピリプロキシフェンまたはメトプレンである。好ましくは、該昆虫成長調節剤は、該第一殺虫剤または第二殺虫剤の何れかと同一のチャンバー内、あるいは別の容器内に包装される。ピリプロキシフェンまたはメトプレンは、ノミの卵の孵化を阻害することによって、昆虫の成長阻害剤(IGR)として機能する殺虫剤である。
【0010】
本発明の他の好ましい一態様では、トリフェニルホスフェート(TPP)を、好ましくは該組成物中の該第一および第二殺虫剤の殺虫効果のある量よりも少量で、該殺虫剤組成物に添加する。トリフェニルホスフェートは、該第一殺虫剤または第二殺虫剤の何れかと同一の容器内に包装することができる。
従って、本発明の目的の一つは、ノミ、ノミの幼虫、ノミの卵、およびマダニに対して著しく効果的な、改善された局所投与用殺虫剤組成物を提供することにある。
本発明のもう一つの目的は、昆虫の発生を抑制する方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、他の殺虫剤よりも一層迅速に、および/またはより永続的に作用する、局所投与用殺虫剤を提供することにある。
その他の目的並びに特徴は、以下において、部分的に明らかとなり、また部分的に指摘されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明によれば、ノミの卵、ノミの幼虫、およびノミおよびマダニの成虫、マダニの卵、マダニの幼虫、およびマダニの若虫を含む、ノミおよびマダニを殺傷するのに有効な、殺虫剤と昆虫成長調節剤との組合せを含む、殺虫組成物が提供される。ノミに対して著しく効果的な殺虫剤の組合せを選択し、かつこれを、マダニに対して著しく効果的な殺虫剤と組み合わせることによって、殺虫剤の全量が、最適化される。殺虫剤と昆虫成長調節剤との該組合せは、ノミおよびマダニに対して高い殺虫活性を持つ、殺虫組成物を与え、一方で該個々の殺虫剤を単独で含む組成物と比較して、適用に必要とされる全容積値を減じることを可能とする。本発明によるペルメトリンを含有する組成物は、ネコに対して使用する場合と比較して、イヌに対して使用した場合に、特に有利である。
【0012】
本発明による殺虫組成物は、好ましくは少なくとも80%なるノミに対する殺傷率を達成する殺虫効果のある量の第一の殺虫剤成分、好ましくは少なくとも80%なるマダニに対する殺傷率を達成する殺虫効果のある量の第二の殺虫剤成分、および殺虫効果のある量の昆虫成長調節剤(IGR)の組合せを含む。該第一および第二殺虫剤成分と、昆虫成長調節剤との該組合せは、有利にはノミ、ノミの幼虫、ノミの卵、およびマダニに対して、該第一または第二殺虫剤成分または該昆虫成長調節剤を単独で含有する組成物と比較して、より高い殺虫活性を持つ、殺虫組成物を与える。
本発明の好ましい態様において、該組成物中で、該第一の殺虫剤成分は、ノミに対して少なくとも80%なる殺傷率、より好ましくはノミに対して少なくとも90%なる殺傷率、より一層好ましくはノミに対して少なくとも95%なる殺傷率、および最も好ましくはノミに対して少なくとも99%なる殺傷率を達成する殺虫効果のある量で存在する。本発明のもう一つの好ましい態様において、該第二の殺虫剤成分は、該組成物中で、マダニに対して少なくとも80%なる殺傷率、より好ましくはマダニに対して少なくとも90%なる殺傷率、より一層好ましくはマダニに対して少なくとも95%なる殺傷率、および最も好ましくはマダニに対して少なくとも99%なる殺傷率を達成する殺虫効果のある量で存在する。
【0013】
本発明の一態様において、該組成物中の、該第一および第二殺虫剤成分は、同一の殺虫剤ではなく、また該組成物における該2種の殺虫剤の少なくとも一方は、ピレトリンまたは合成ピレスロイドである。本発明の他の好ましい態様において、両者共にピレスロイドである。勿論、付随的なピレスロイドまたは非-ピレスロイド殺虫剤をも含むことができるものと、理解すべきである。
本発明のもう一つの態様において、該第一の殺虫剤成分はピレスロイドであり、また該第二の殺虫剤成分は、ネオ-ピレスロイドである。
本発明の好ましい一態様において、該組成物中の、該第一の殺虫剤成分はピレスロイド、好ましくはペルメトリンを含む。本発明の他の態様は、シフェノトリンおよび/またはフェンプロパトリンを、該第一の殺虫剤成分として含む。該第二の殺虫剤成分は、好ましくは以下の一般式(1)で表される、(テトラヒドロ-3-フラニル)メチルアミン誘導体を含む、ネオ-ニコチノイドを含有する。以下の一般式(1)で表される、該(テトラヒドロ-3-フラニル)メチルアミン誘導体は、その構造において、ピリジルメチル基またはチアゾリルメチル基が存在しない状態においてさえ、優れた殺虫活性を持つ。
【0014】
【化1】

【0015】
ここでX1、X2、X3、X4、X5、X6およびX7各々は、水素原子または1〜4個の炭素原子を持つアルキル基を表し、R1は、水素原子、1〜5個の炭素原子を持つアルキル基、3個の炭素原子を持つアルケニル基、ベンジル基、2〜4個(基全体において)の炭素原子を持つアルコキシアルキル基、1〜3個の炭素原子を持つアルキルオキシカルボニル基、フェノキシ基、1〜6個の炭素原子を持つアルキルカルボニル基、2〜3個の炭素原子を持つアルケニルカルボニル基、3〜6個の炭素原子を持つシクロアルキルカルボニル基、ベンゾイル基、1〜4個の炭素原子を持つアルキル基(1または複数)で置換されたベンゾイル基、ハロゲン原子(1または複数)で置換されたベンゾイル基、2-フラニルカルボニル基、またはN,N-ジメチルカルバモイル基を表し;R2は、水素原子、アミノ基、メチル基、1〜5個の炭素原子を持つアルキルアミノ基、2〜5個(基全体において)の炭素原子を持つジ-置換アルキルアミノ基、1-ピロリジニル基、3個の炭素原子を持つアルケニルアミノ基、3個の炭素原子を持つアルキニルアミノ基、メトキシアミノ基、2〜4個(基全体において)の炭素原子を持つアルコキシアルキルアミノ基、メチルチオ基または-N(Y1)Y1(ここで、Y1は1〜3個の炭素原子を持つアルキルオキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、1〜6個の炭素原子を持つアルキルカルボニル基、2〜3個の炭素原子を持つアルケニルカルボニル基、3〜6個の炭素原子を持つシクロアルキルカルボニル基、ベンゾイル基、1〜4個の炭素原子を持つアルキル基(1または複数)で置換されたベンゾイル基、ハロゲン原子(1または複数)で置換されたベンゾイル基、2-フラニルカルボニル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、(テトラヒドロ-3-フラニル)メチル基またはベンジル基を表し、およびY2は水素原子または1〜4個の炭素原子を持つアルキル基を表す);およびZは=N-NO2、=CH-NO2、または=N-CNを表す。
該式(1)の化合物を製造するための中間体は、以下の一般式(2)で表される:
【0016】
【化2】

【0017】
ここでX1、X2、X3、X4、X5、X6およびX7各々は、水素原子または1〜4個の炭素原子を持つアルキル基を表し、R10は1〜5個の炭素原子を持つアルキル基またはベンジル基を表し;またR11は1〜5個の炭素原子を持つアルキル基またはベンジル基を表す。
本発明による、該式(1)および式(2)で表される(テトラヒドロ-3-フラニル)メチルアミン誘導体は、高い殺虫活性および広い殺虫スペクトルを持つ優れた化合物である。更に、本発明による、該式(1)および式(2)で表される(テトラヒドロ-3-フラニル)メチルアミン誘導体を含有する農薬は、殺虫剤として顕著な諸特性を有し、そのため有用である。
上記式(1)および式(2)におけるX1、X2、X3、X4、X5、X6およびX7に対するアルキル基の具体的な例は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、t-ブチル基等を包含し、好ましくはメチル基である。
R1に対するアルキル基の具体的な例は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基等を包含する。
【0018】
R1に対するアルケニル基の具体的な例は、1-プロペニル基、2-プロペニル基等を包含する。
R1に対するアルコキシアルキル基の具体的な例は、メトキシメチル基、エトキシメチル基、n-プロポキシメチル基、イソ-プロポキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基等を含む。
R1に対するアルキルオキシカルボニル基の具体的な例は、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、n-プロピルオキシカルボニル基、イソ-プロピルオキシカルボニル基等を包含する。
R1に対するアルキルカルボニル基の具体的な例は、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、n-プロピルカルボニル基、イソ-プロピルカルボニル基、n-ブチルカルボニル基、イソ-ブチルカルボニル基、sec-ブチルカルボニル基、t-ブチルカルボニル基、n-ペンチルカルボニル基、n-ヘキシルカルボニル基等を包含する。
R1に対するアルケニルカルボニル基の具体的な例は、ビニルカルボニル基、1-メチルビニルカルボニル基等を包含する。
【0019】
R1に対するシクロアルキルカルボニル基の具体的な例は、シクロプロピルカルボニル基、シクロブチルカルボニル基、シクロペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基等を包含する。
R1に対する、アルキル基によって置換されたベンゾイル基の具体的な例は、2-メチルベンゾイル基、3-メチルベンゾイル基、4-メチルベンゾイル基、4-t-ブチルベンゾイル基等を包含する。
R1に対する、ハロゲン原子によって置換されたベンゾイル基の具体的な例は、2-クロロベンゾイル基、3-クロロベンゾイル基、4-クロロベンゾイル基、3,4-ジクロロベンゾイル基、4-フルオロベンゾイル基等を含む。
R1は、上記の如く様々な置換基をとることができるが、これは、好ましくは水素原子、炭素原子数1〜4のアルキルカルボニル基またはシクロプロピルカルボニル基である。
【0020】
R2に対する、アルキルアミノ基の具体例は、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n-プロピルアミノ基、イソ-プロピルアミノ基、n-ブチルアミノ基、イソ-ブチルアミノ基、sec-ブチルアミノ基、t-ブチルアミノ基、n-ペンチルアミノ基等を含み、好ましくはメチルアミノ基である。
R2に対する、ジ-置換アルキルアミノ基の具体例は、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N-メチル-N-エチルアミノ基、N-メチル-N-n-プロピルアミノ基、N-メチル-N-n-ブチルアミノ基等を含み、好ましくはジメチルアミノ基である。
R2に対する、アルケニルアミノ基の具体例は、1-プロペニルアミノ基、2-プロペニルアミノ基等を含む。
R2に対する、アルキニルアミノ基の具体例は、プロパルギルアミノ基等を含む。
R2に対する、アルコキシアルキルアミノ基の具体例は、メトキシメチルアミノ基、エトキシメチルアミノ基、n-プロポキシメチルアミノ基、イソ-プロポキシメチルアミノ基、メトキシエチルアミノ基、エトキシエチルアミノ基等を含む。
R2に対する、Y1によって表されるアルキルオキシカルボニル基の具体例は、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、n-プロピルオキシカルボニル基、イソ-プロピルオキシカルボニル基等を含む。
【0021】
R2に対する、Y1によって表されるアルキルカルボニル基の具体例は、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、n-プロピルカルボニル基、イソ-プロピルカルボニル基、n-ブチルカルボニル基、イソ-ブチルカルボニル基、sec-ブチルカルボニル基、t-ブチルカルボニル基、n-ペンチルカルボニル基、n-ヘキシルカルボニル基等を含み、好ましくはメチルカルボニル基、エチルカルボニル基、n-プロピルカルボニル基、イソ-プロピルカルボニル基、n-ブチルカルボニル基、イソ-ブチルカルボニル基、sec-ブチルカルボニル基およびt-ブチルカルボニル基である。
R2に対する、Y1によって表されるアルケニルカルボニル基の具体例は、ビニルカルボニル基、1-メチルビニルカルボニル基等を含む。
R2に対する、Y1で表されるシクロアルキルカルボニル基の具体例は、シクロプロピルカルボニル基、シクロブチルカルボニル基、シクロペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基等を含み、好ましいのはシクロプロピルカルボニル基である。
【0022】
R2に対する、Y1で表されるアルキル基で置換されたベンゾイル基の具体例は、2-メチルベンゾイル基、3-メチルベンゾイル基、4-メチルベンゾイル基、4-t-ブチルベンゾイル基等を含む。
R2に対する、Y1で表されるハロゲン原子で置換されたベンゾイル基の具体例は、2-クロロベンゾイル基、3-クロロベンゾイル基、4-クロロベンゾイル基、3,4-ジクロロベンゾイル基、4-フルオロベンゾイル基等を含む。
R2に対する、Y1で表されるアルキル基の具体例は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソ-プロピル基、n-ブチル基、イソ-ブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基等を含み、好ましいものはメチル基である。
上記式(1)において、R1およびY1が、同時に1〜4個の炭素原子を含むアルキルカルボニル基またはシクロプロピルカルボニル基を表す化合物が、殺虫活性および製法両者の観点から好ましい。
【0023】
2種の異なる殺虫剤と昆虫成長調節剤との上記組合せが、該第一または第二殺虫剤を単独で含有する組成物と比較した場合に、高い殺虫活性を持つ組成物を与えることが明らかとなった。動物に投与される全殺虫剤の量を最小化することは、動物に対する該殺虫剤の毒性に係る懸念を減じ、結果としてより安全な利用を保証する上で有利である。同様に、該殺虫剤のヒト、衣類および家具への移動を減じる上でも、有利である。従って、本発明は、単一の殺虫剤を単独で使用する場合に必要な量と比較して、より良好に昆虫発生を防除するための、投与すべき殺虫剤量をより少なくすることを可能とする。
本発明の好ましい一態様において、該組成物中の該第一の殺虫剤成分は、ピレスロイドを含み、かつ該第二の殺虫剤成分は、ネオ-ニコチノイドを含む。本発明の好ましい一態様において、該第一の殺虫剤成分は、シクロプロパンカルボン酸、3-(2,2-ジクロルエテニル)-2,2-ジメチル-、(3-フェノキシフェニル)メチルエステル(ペルメトリン)を含み、また該第二の殺虫剤成分は、1-[(テトラヒドロ-3-フラニル)メチル]-2-ニトロ-3-メチルグアニジン(ジノテフラン)またはN-((6-クロロ-3-ピリジニル)メチル)-N'-シアノ-N-メチルエタンイミダニド(アセタミプリド)を含む。ペルメトリンは、マダニを殺傷する、ダニ駆除薬であり、またジノテフランおよびアセタミプリドは、ノミの成虫を殺傷する、殺虫剤である。本発明の好ましい態様において、該組成物は、更に昆虫成長調節剤を含み、これは好ましくはピリプロキシフェンまたはメトプレンである。
【0024】
ジノテフランは、特に有効な溶媒系、例えば米国特許第6,814,030号(これを参考としてここに組入れる)に記載されているように、水とエタノールまたはイソプロパノールとの組合せ、または米国特許第6,588,374号(これを参考としてここに組入れる)に記載されているように、フェニルメタノールまたはエタノール、あるいは乳酸エチルと水との組合せ中に溶解することができる。本発明の好ましい態様において、該組成物は、更に昆虫成長調節剤を含むことができ、これは好ましくはピリプロキシフェンまたはメトプレンである。
本発明の殺虫剤組成物は、ノミ、ノミの卵、ノミの幼虫、マダニ、マダニの卵、マダニの幼虫、およびマダニの若虫を殺傷するのに有効な、殺虫剤と昆虫成長調節剤との組合せを含む。該第一の殺虫剤成分、該第二の殺虫剤成分および昆虫成長調節剤の選択は、高い殺虫活性を持つ殺虫剤を生成する。本発明の好ましい態様において、該第一の殺虫剤成分または該第二の殺虫剤成分は、ダニ駆除薬であり、またより好ましくは該第一の殺虫剤成分または該第二の殺虫剤成分は、ペルメトリンである。
【0025】
勿論、本発明の殺虫剤組成物は、1またはそれ以上のダニ駆除薬、または他の生理的に許容される活性成分を含むことができる。本発明の殺虫剤組成物において使用できるダニ駆除薬は、以下の群の化合物を含むが、これらに限定されない:抗生物質ダニ駆除薬(ニッコマイシン、スリンジエンシン)、マクロサイクリックラクトンダニ駆除薬(テトラナクチン)、アベルメクチンダニ駆除薬(アバメクチン、ドラメクチン(doramectin)、エプリノメクチン(eprinomectin)、イベルメクチン、セラメクチン(selamectin))、ミルベマイシンダニ駆除薬(ミルベメクチン(milbemectin)、ミルベマイシンオキシム、モキシデクチン(moxidectin))、橋架けされたジフェニルダニ駆除薬(アゾベンゼン、ベンゾキシメート、ベンジルベンゾエート、ブロモプロピレート、クロルベンシド、クロルフェネトール、クロルフェンソン、クロルフェンスルフィド、クロルベンジレート(chlorobenzilate)、クロルプロピレート(chloropropylate)、DDT、ジコフォール、ジフェニルスルホン、ドフェナピン(dofenapyn)、フェンソン、フェントリファニル(fentrifanil)、フルオルベンシド(fluorbenside)、プロクロノール、テトラジホン、テトラスル)、カルバメートダニ駆除薬(ベノミルカルバノレート、カルバリル、カルボフラン、メチオカルブ、メトールカルブ(metolcarb)、プロマシル(promacyl)、プロポクスル)、オキシムカルバメートダニ駆除薬(アルジカルブ、ブトカルボキシム、オキサミル、チオカルボキシム、チオファノックス)、ジニトロフェノールダニ駆除薬(ビナパクリル、ジネックス、ジノブトン、ジノキャップ、ジノキャップ-4、ジノキャップ-6、ジノクトン、ジノペントン(dinopenton)、ジノスルホン、ジノテルボン、DNCO)、ホルムアミジン(formamidine)ダニ駆除薬(アミトラズクロルジメホルム、クロロメブフォルム、フォルメタネート、フォルムパラネート(formparanate))、ダニ成長調節剤(クロフェンテジン(clofentezine)、ドフェナピン(dofenapyn)、フルアズロン(fluazuron)、フルベンジミン、フルシクロクスロン(flucycloxuron)、フルフェノクスロン、ヘキシチアゾックス)、有機塩素系ダニ駆除薬(ブロモシクレン、カンフェクロール(camphechlor)、DDT、ジエノクロール、エンドスルファン、リンダン)、有機リン系ダニ駆除薬(クロフェンビンフォス、クロトキシフォス、ジクロルボス、ヘプテノフォス、メビンフォス、モノクロトフォス、ナレッド、スクラダン、TEPP、テトラクロルビンフォス)、有機チオホスフェート系ダニ駆除薬(アミジチオン、アミトン、アジンフォス-エチル、アジンフォス-メチル、アゾトエート、ベノキサフォス、ブロモフォス、ブロモフォス-エチル、カルボフェノチオン、クロルピリフォス、クロルチオフォス、クマフォス、シアントエート、デメトン、デメトン-O、デメトン-S、デメトン-メチル、デメトン-O-メチル、デメトン-S-メチル、デメトン-S-メチルスルホン、ジアリフォス、ジアジノン、ジメトエート、ジオキサチン、ジスルフォトン、エンドチオン、エチオン、エトエート-メチル、フォルモチオン、マラチオン、メカルバン、メタクリフォス、オメトエート、オキシデプロフォス、オキシジスルフォトン、パラチオン、フェンカプトン、フォレート、フォサロン、ホスメット、フォキシム、ピリミフォス-メチル、プロチダチオン、プロトエート、ピリミテート、キナルフォス、キンチオフォス、ソファミド(sophamide)、スルフォテップ、チオメトン、チアゾフォス、トリフェノフォス(trifenofos)、バミドチオン)、ホスホネートダニ駆除薬(トリクロルフォン)、ホスホラミドチオエートダニ駆除薬(イソカルボフォス、メタミドフォス、プロペタンフォス)、ホスホロジアミドダニ駆除薬(ジメフォックス、ミパフォックス)、有機錫ダニ駆除薬(アゾシクロチン、シヘキサチン、酸化フェンブタチン)、フェニルスルファミドダニ駆除薬(ジクロフルアニド)、フタルイミドダニ駆除薬(ジアリフォス、ホスメット)、ピラゾールダニ駆除薬(アセトプロール、フィプロニル、テブフェンピラド、バニリプロール)、ピレスロイドダニ駆除薬、例えばピレスロイドエステルダニ駆除薬(アクリナスリン(acrinathrin)、ビフェンスリン、シハロスリン(cyhalothrin)、シペルメトリン、α-シペルメトリン、フェンプロパトリン、フェンバレレート、フルシトリネート、フメスリン、フルバリネート、τ-フルバリネート、ペルメトリン)、およびピレスロイドエーテルダニ駆除薬(ハルフェンプロックス(halfenprox))、ピリミジンアミンダニ駆除薬(ピリミジフェン(pyrimidifen)、ピロールダニ駆除薬(クロルフェナピル(chlorfenapyr))、キノキサリンダニ駆除薬(キノメチオナート(chinomethionat)、チオキノックス)、スルフィットエステルダニ駆除薬(プロパルジット)、テトロン酸ダニ駆除薬(スピロジクロフェン(spirodiclofen))、チオカルバメートダニ駆除薬(フェノチオカルブ)、チオウレアダニ駆除薬(クロロメチウロン(chloromethiuron)、ジアフェンチウロン(diafenthiuron))、およびその他の分類されていないダニ駆除薬(アセキノシル(acequinocyl)、アミドフルメット(amidoflumet)、酸化第一ヒ素、ビフェナゼート(bifenazate)、クロサンテル、クロタミトン、ジスルフィラム、エトキサゾール(etoxazole)、フェナザフロール、フェナザキン(fenazaquin)、フェンプロキシメート(fenpyroximate)、フルアクリピリム(fluacrypyrim)、フルエネチル、メスルフェン、MNAF、ニフルリジド、ピリダベン(pyridaben)、スルフィラム、スルフルラミド(sulfluramid)、硫黄、トリアラテン(triarathene)。
【0026】
本発明の殺虫剤組成物において使用できる、他のダニ駆除薬または他の生理的に活性な物質は、アセフェート、バチルススリンジエンシスアイザワイ(Bacillus thuringiensis aizawai)、バチルススリンジエンシスクルスタキ(kurstaki)、ボーベリアバッシアナ(Beuaveria bassiana)、ベンジオカルブ(Bendiocarb)、ビフェンスリン(Bifenthrin)、カルバリル(Carbaryl)、クロピリフォス(Chlopyrifos) + DDVP、クロルピリフォス(Chlorpyrifos) + ピレトリン、シフルトリン、エトプロプ(Ethoprop)、フェナミフォス(Fenamifos)、フェノキシ駆る部(Fenoxycarb)、フィプロニル(Fipronil)、フォノフォス(Fonofos)、ハロフェノジド(Halofenozide)、ヘテロールハブディティスバクテリオフォラ(Heterorhabditis bacteriophora)、ヒドラメチルノン(Hydramethylnon)、イミダクロプリド(Imidacloprid)、イソフェンフォス(Isofenphos)、λ-シハロトリン(Lambda-cyhalothrin)、リンダン(Lindane)、マラチオン(Malathion)、ミロテシウムベルカリア(Myrothecium verrucaria)、ペルメトリン、スピニサッド(Spinosad)、およびトリクロルフォン(Trichlorfon)、アセキノシル(Acetamiprid)、アシベンゾラー-S-メチル(Acibenzolar-S-Methyl)、アゾキシストロビン(Azoxystrobin)、ボスカリド(Boscalid)、ブロムコナゾール(Bromuconazole)、カルフェントラゾン-エチル(Carfentrazone-ethyl)、クロジナフォップ-プロパルギル(Clodinafop-Propargyl)、クロフェンセット(Clofencet)、クロランスルラム-メチル(Cloransulam-methyl)、クロチアニジン(Clothianidin)、銅オクタノエート、塩化第一銅、シクラニリド(Cyclanilide)、シハロフォップ-ブチル(Cyhalofop-butyl)、シモキサニル(Cymoxanil)、シプロジニル(Cyprodinil)、ジクロスラム(Diclosulam)、ジフルフェンゾフル(Diflufenzopyr)、ジメトモルフ(Dimethomorph)、エコリスト(Ecolyst)、エトキサゾール(Etoxazole)、フェンヘキサミド(Fenhexamid)、フルアジナム(Fluazinam)、フルフェナセット(Flufenacet)、フルミオキサジン(Flumioxazin)、フルロキシピル(Fluroxypyr)、フルチアセット-メチル(Fluthiacet-Methyl)、ファモキサドン(Famoxadone)、フォラムサルフロン(Foramsulfuron)、イマザモクス(Imazamox)、イミプロトリン(Imiprothrin)、インドキサカルブ(Indoxacarb)、イソキサフルトール(Isoxaflutole)、クレソキシム-メチル(Kresoxim-methyl)、リチウムパーフルオロオクタンスルホネート(LPOS)、メソトリオン(Mesotrione)、N-メチルネオデカンアミド、ノバルロン(Novaluron)、ホスフィン、ピリミカルブ(Pirimicarb)、プロヘキサジオンカルシウム(Prohexadione Calcium)、プロパジン(Propazine)、ピメトロジン(Pymetrozine)、スピノサッド(Spinosad)、スルフェントラゾン(Sulfentrazone)、テブフェンピラド(Tebufenpyrad)、チアクロプリド(Thiacloprid)、チアゾピル(Thiazopyr)、トリルフルアニド(Tolylfluanid)、トラルコキシディム(Tralkoxydim)、トリフロキシストロビン(Trifloxystrobin)、ゾキサミド(Zoxamide)、アミトラズ(Amitraz)、クロルピリフォス、クロルピリフォス+シペルメトリン、クロルピリフォス+ジジノン(dizinon)、クロルピリフォス+ペルメトリン、クマフォス、クロトジフォス+ジクロルボス、シフルトリン、シペルメトリン、ジアジノン、ジクロルボス、ジクロルボス+ピレトリン、ジクロルボス+テトラクロルビンフォス、ジメトエート、ドラメクチン、エプリノメクチン、エチオン、ファムフール、フェンチオン、フェンバレレート、イベルメクチン、λ-シハロトリン、λ-シハロトリン+ピリミフォスメチル、リンダン、マラチオン、マラチオン+メトキシクロール、マラチオン+硫黄、メトミル、メトキシクロール、メトキシクロール+ピレトリン、モキシデクチン、ナレッド、ニチアジン、ペルメトリン+ピレトリン、ホスメット、ピリミフォスメチル、およびピレトリン類。
【0027】
高濃度にてジノテフランおよびペルメトリンまたはフェノトリンを生成することは困難であることが分かっており、またこれらの製造時点における、およびこれらを妥当な期間に渡り使用する際に、殺虫剤が一般的に遭遇する温度において保存した場合に、不安定となる可能性のある溶液を与え易い。従って、これら二種の殺虫剤を、2つの結合された、好ましくは接着されているが、夫々独立のチャンバーを持つ容器に包装して、該製剤の投与前の該殺虫剤同士の混合を防止することが好ましい。投与前に、該容器を開放し、該2種の殺虫剤を、同時にまたはほぼ同時に、愛玩動物に分配することができる。本発明の一態様において、該包装体は、該チャンバーの内容物両者を、同時に分配し得るように構成される。
本発明のもう一つの態様において、該活性成分の一方、例えばジノテフランまたはペルメトリンを、該製剤内のミセルまたは脂質中に封入または含有させることが可能である。本発明のこの態様において、局所投与用製剤は、該動物に投与する前に、単一の容器内に包装または保存することができる。
【0028】
本発明の好ましい態様において、本発明の殺虫組成物は、単位投与用の包装体内に収容される。単位投与用の包装体は、動物の所有者が、保存しまた棄却することをより一層容易にする。好ましくは、該殺虫組成物は、2つの結合された、好ましくは接着されているが、夫々独立のチャンバーを含む、単一の容器に包装されており、該チャンバーはバリア、好ましくはプラスチック、プラスチックで被覆した紙または金属、例えばアルミ箔等によって分離されている。本発明の一態様において、該第一のチャンバー、および該第二のチャンバーは、分離されているが、互いに溶着されているプラスチックチューブである。包装中に、該第一の殺虫剤、好ましくはペルメトリンまたはフェノトリンは、該第一のチャンバーに入れられ、また該第二の殺虫剤、好ましくはジノテフランまたはアセタミプリドは、該第二のチャンバーに収容される。好ましくは、該第一および第二のチャンバーは、該第一および第二殺虫剤の相互作用を防止する、バリアによって分離されている。本発明のもう一つの好ましい態様において、昆虫成長調節剤、好ましくはメトプレンまたはピリプロキシフェンが、本発明の殺虫組成物に添加され、またこれは、該第一または第二殺虫剤の何れかと同一の容器、または更に別の容器内に別々に収容される。
【0029】
これら2種の殺虫剤を別々のチャンバー内に含む、該容器全体は、好ましくは、投与前に該容器を開放する際に使用する、タブまたは蓋によって封止される。該容器を封止した後、該殺虫剤製剤を、その動物への投与に至るまで、該容器内に安全に保存することができる。
該殺虫剤製剤を動物に投与する前に、該タブまたは蓋を外すことによって、該容器を開放する。本発明の一態様においては、該タブを捩じり、結果として該2つのチャンバーを分離している該バリアを破壊または引裂くことによって、該容器を開放し、結果的にこれら2つの殺虫剤、好ましくはペルメトリンおよびジノテフランを、該殺虫剤製剤の該動物への投与前に、混合することが可能となる。これら2種の殺虫剤を混合した後、該個々の容器本体を絞るか圧潰することによって、該2種の殺虫剤を同時に分配する。本発明のもう一つの態様において、これら2種は、該動物に分配されるまで、併合されない。二重のプランジャー装置を使用して、該製剤を該動物に投与することも可能である。
【0030】
本発明の好ましい態様における、二成分殺虫剤分配装置は、二重殺虫剤容器100として、図1〜3に一般的に図示されている。容器100は、一対の鏡像関係にあるプレート100aおよび100bで構成されている。容器100の底部側120は、平坦である。これは、剛性プラスチック可撓性シートまたはこれら両者の組合せから製造できる。上側130には、該殺虫剤を収容する、貯蔵チャンバー102および104が含まれている。一対のチャンネル142および144が、夫々該タンク102および104から伸び、かつこれらと流体接続関係にある。チャンネル142および144は、上側130にある。側部100aおよび100bは、ブリッジ106を介して結合しており、該ブリッジは、その中央部に活動性のヒンジ112を持つように形成されている。一対のノッチ付き切れ目108および110が形成され、結果的に一対の分配端部150aおよび150bが、夫々側部100aおよび100bを破壊して、チャンネル142および144を開放し、かつタンク102および104内の流体を分配することを可能とする。
【0031】
この装置100を使用するために、矢印AおよびBの方向に、左脚部側103aおよび右脚部側130bを押すことにより、活動性のヒンジ112に沿って装置100を折畳むことによって、左側側部120aを、右側側部120bに向けて回転させ、結果的に左底部側120aと、右底部側120bとを合せ、装置100を、図3に規定した状態におく。従って、端部150aおよび150bは破壊され、タンク102および104が、一対の矢印Cの方向に絞られて、チャンネル142および144を介して、流体が同時に分配される。チャンバー102および104は、任意数の可撓性のおよび/または弾性の材料で作ることができる。
勿論、該2種の殺虫剤は、該動物に、該殺虫製剤を投与する前に、混合する必要はない。従って、本発明の他の態様では、該二重チャンバー付き容器の開放は、該2種の殺虫剤の混合を伴うことはない。該容器を開放した後、該2種の殺虫剤を、同時にまたは別々に、該容器(1または両者)を絞るか、あるいは圧潰することによって、該動物に分配される。
【0032】
本発明の一態様において、該組成物は、該殺虫剤を混合するための指示、アドバイスと共に包装される。本発明のもう一つの態様において、適用の際に該殺虫剤を混合するように、使用者にたいして、該指示が与えられる。本発明の一態様において、容器は、その中に、多数の単位投与用の包装を備えている。
本発明の好ましい態様による組成物は、高濃度の殺虫剤を持つので、該動物上の比較的少ない適用点またはラインにより、投与後4週間に及ぶ期間、該動物上でのノミおよびマダニの発生を阻止し、また防除することができる。好ましくは、該殺虫製剤は、無毒であり、また該動物の皮膚を刺激しない。適用量は、典型的には0.5〜10mLなる範囲にある。本発明の幾つかの態様において、該組成物は、動物の体重1kg当たり、約0.05〜0.5mLなる範囲の量で適用される。
本発明の好ましい一態様において、該殺虫組成物は、約40〜65%なる範囲の濃度のペルメトリン、約5〜15%なる範囲の濃度のジノテフラン、および約1〜3%なる範囲の濃度のピリプロキシフェンまたはメトプレンを含む。本発明の他の好ましい態様において、該殺虫組成物は、約40〜65%なる範囲の濃度のペルメトリン、約5〜20%なる範囲の濃度のジノテフラン、および約1〜3%なる範囲の濃度のピリプロキシフェンまたはメトプレンを含む。全ての%は、特に述べない限り、質量基準の値である。
【0033】
該殺虫組成物有効用量を、ノミ、ノミの卵、ノミの幼虫、およびマダニに対して最高の効果を得るために、該動物に適用する必要があるが、該第一殺虫剤および該第二殺虫剤の活性な用量は、該動物のサイズに依存する。ペルメトリンを含有する組成物は、ネコに使用した場合と比較して、イヌに対して使用することが特に有利である。
好ましくは、4mLまでの殺虫剤を、体重約40.4〜約63.6kg(89-140lb)のイヌに、投与することができる。このような組成物は、好ましくは少なくとも約1300〜2600mgのペルメトリン、少なくとも約300mgのジノテフラン、および少なくとも約20mgのピリプロキシフェンを含むであろう。
好ましくは、3mLまでの殺虫剤を、体重約20.4〜約40.0kg(45〜88lb)を持つイヌに、投与することができる。このような組成物は、好ましくは少なくとも約910〜1800mgのペルメトリン、少なくとも約240mgのジノテフラン、および少なくとも約16mgのピリプロキシフェンを含むであろう。
好ましくは、2.1mLまでの殺虫剤を、体重約10.4〜約20.0kg(23〜44lb)を持つイヌに、投与することができる。このような組成物は、好ましくは少なくとも約455〜1300mgのペルメトリン、少なくとも約210mgのジノテフラン、および少なくとも約14mgのピリプロキシフェンを含むであろう。
【0034】
好ましくは、1.5mLまでの殺虫剤を、体重約10.0kg(22lb)以下のイヌに、投与することができる。このような組成物は、好ましくは少なくとも約175〜650mgのペルメトリン、少なくとも約150mgのジノテフラン、および少なくとも約10mgのピリプロキシフェンを含むであろう。
本発明の他の好ましい態様において、該殺虫組成物は、フェノトリン、ジノテフランおよびピリプロキシフェンを含む。本発明によるフェノトリンを含有する殺虫組成物は、イヌおよびネコ両者において使用するのに、特に適している。好ましくは、この殺虫組成物は、80〜87%なる範囲、より好ましくは約85.7%なる濃度のフェノトリン、5〜15%なる範囲の濃度のジノテフランおよび1〜2%なる範囲の濃度のピリプロキシフェンまたはメトプレンを含有する。本発明の別の好ましい態様において、該殺虫組成物は、約80〜87%なる範囲、より好ましくは約85.7%なる濃度のフェノトリン、約5〜20%なる範囲の濃度のジノテフランおよび約1〜3%なる範囲の濃度のピリプロキシフェンまたはメトプレンを含有する。全ての%は、特に述べない限り、質量基準の値である。
該活性成分の活性用量の実際の量は、該イヌまたはネコのサイズに依存して変動するであろう。有効な用量は、mg単位で表して、動物の体重1kgを基準として、以下の活性成分を含む。以下の表1を参照のこと。
【0035】
【表1】

【0036】
本発明のもう一つの態様は、イヌにおける昆虫の発生を抑制する方法を提供するものであり、該方法は、イヌの体重1kg当たり約15〜130mgなる範囲のペルメトリン、イヌの体重1kg当たり1.5〜20mgなる範囲のジノテフランおよびイヌの体重1kg当たり0.15〜2mgなる範囲のピリプロキシフェンを投与することを含む。本発明の更に別の態様において、該方法は、イヌの体重1kg当たり約80〜500mgなる範囲のフェノトリン、イヌの体重1kg当たり1.5〜20mgなる範囲のジノテフランおよびイヌの体重1kg当たり0.15〜2mgなる範囲のピリプロキシフェンを投与することを含む。本発明の別の態様では、該方法は、イヌの体重1kg当たり約15〜130mgなる範囲のペルメトリン、イヌの体重1kg当たり0.5〜20mgなる範囲のアセタミプリドおよびイヌの体重1kg当たり0.15〜2mgなる範囲のピリプロキシフェンを投与することを含む。本発明の更に別の態様において、該方法は、イヌの体重1kg当たり約80〜500mgなる範囲のフェノトリン、イヌの体重1kg当たり0.5〜20mgなる範囲のアセタミプリドおよびイヌの体重1kg当たり0.15〜2mgなる範囲のピリプロキシフェンを投与することを含む。
【0037】
本発明のもう一つの態様は、ネコにおける昆虫の発生を抑制する方法を提供するものであり、該方法は、ネコの体重1kg当たり約100〜1000mgなる範囲のフェノトリン、ネコイヌの体重1kg当たり15〜180mgなる範囲のジノテフランおよびネコの体重1kg当たり2〜18mgなる範囲のピリプロキシフェンを投与することを含む。本発明の更に別の態様において、該方法は、ネコの体重1kg当たり約100〜1000mgなる範囲のフェノトリン、ネコの体重1kg当たり3〜200mgなる範囲のアセタミプリドおよびネコの体重1kg当たり2〜18mgなる範囲のピリプロキシフェンを投与することを含む。
該製剤を、別々のチャンバーまたは容器を用いて包装するような態様において、与えられる活性成分の割合(%)は、単一溶液中の活性成分の割合である。例えば、1〜2%なる範囲のピリプロキシフェンは、結合したこれらチャンバー内の全製剤中のピリプロキシフェンの濃度ではなく、寧ろ単一のチャンバー内の該製剤中に含まれるピリプロキシフェンの濃度である。
【0038】
ネコに対して使用するためには、1.1mLまでの全殺虫剤を、好ましくは体重約4.54kg(10lb)未満までのネコに投与することができ、また1.5mLまでの全殺虫剤を、好ましくは体重約4.54kg(10lb)またはそれ以上までのネコに投与することができる。好ましくは、ネコに投与されるフェノトリンの体積は、体重約4.54kg(10lb)未満までのネコに対して、約0.25〜0.85mLなる範囲、また体重約4.54kg(10lb)またはそれ以上のネコに対して、約0.35〜1.25mLなる範囲内にある。フェノトリン含有製品に関しては、夫々1.0mLおよび1.3mLなる体積が好ましい。
フェノトリンを含有する殺虫組成物は、またイヌに対して使用することが特に有効である。約1.5mLまでの全殺虫剤を、体重約13.6kg(30lb)以下のイヌに投与することができ、また約3.0mLまでの全殺虫剤を、体重約20.4kg(45lb)未満のイヌに投与することができ、約4.1mLまでの全殺虫剤を、約18.6〜約27.2kg(41-60lb)なる範囲の体重を持つイヌに投与することができ、約4.6mLまでの全殺虫剤を、約28.0〜約41.0kg(61-90lb)なる範囲の体重を持つイヌに投与することができ、また約6.0mLまでの全殺虫剤を、体重約41.0kg(90lb)を超えるイヌに投与することができる。好ましくは、該殺虫組成物中のフェノトリンの量は、約1.82〜約6.81kg(4-15lb)なる範囲の体重を持つイヌに対して、0.3〜0.9mLなる範囲、約7.26〜約13.6kg(16-30lb)なる範囲の体重を持つイヌに対して、0.25〜0.85mLなる範囲、約14.1〜約20.4kg(31-45lb)なる範囲の体重を持つイヌに対して、0.65〜1.95mLなる範囲、約20.9〜約27.2kg(46-60lb)なる範囲の体重を持つイヌに対して、1.0〜3.0mLなる範囲、約27.7〜約40.9kg(61-90lb)なる範囲の体重を持つイヌに対して、1.15〜3.45mLなる範囲、および体重約41.0kg(90lb)を超えるイヌに対して、約1.5〜4.5mLなる範囲にある。
【0039】
本発明の他の好ましい態様において、該殺虫組成物は、45〜65%なる範囲の濃度のペルメトリン、5〜50%なる範囲の濃度のアセタミプリド、および0.5〜5%なる範囲の濃度のピリプロキシフェンを含有する。本発明の更に別の好ましい態様において、該殺虫組成物は、約40〜65%なる範囲の濃度のペルメトリン、約5〜50%なる範囲の濃度のアセタミプリド、および約0.5〜5%なる範囲の濃度のピリプロキシフェンを含む。
別の本発明の好ましい態様において、該殺虫組成物は、フェノトリン、アセタミプリド、およびピリプロキシフェンを含有する。好ましくは、該殺虫組成物は、5〜90%なる範囲の濃度のフェノトリン、5〜50%なる範囲の濃度のアセタミプリド、および0.5〜5%なる範囲の濃度のピリプロキシフェンを含有する。
【0040】
好ましくは、本発明の該殺虫組成物は、更に好ましくは本発明の組成物の効能を高める、酵素阻害剤または佐剤、例えばピペロニルブトキシド、N-オクチルビシクロヘプテンジカルボキシイミドトリフェニルリン酸をも含む。好ましくは、該殺虫組成物は、また該効能を高め、かつ動物の皮膚に対する、ピレスロイド殺虫剤による刺激を緩和する、1またはそれ以上の化合物をも含む。
好ましい態様において、該殺虫組成物は、更に効能を高めるのに有効な量の、典型的には活性成分の量未満の、トリフェニルリン酸(TPP)を含む。該組成物の該第一および第二殺虫剤成分の濃度に対する、該組成物に含めるべきTPPの量は、最適の相乗効果を決定する日常的な実験を利用して容易に決定することができる。
動物に対して使用するための製剤の製造において、幾つかの考慮すべきパラメータがある。それは以下に列挙する通りである:
【0041】
(a) 該動物に局所的に適用される該製剤の体積を、最小化するのに十分に高い濃度であること(ヒトは、例えば小さなイヌに、20mLもの量を投与したいとは思わない)。
(b) 該動物の皮膚全体に、該局所的に投与される殺虫剤の効果的な移動を達成するのに十分に低い濃度であること。
(c) 該製剤は、約54℃(130°F)、約43℃(110°F)、約4.44℃(40°F)、室温および約-17.8℃(0°F)において、1ヶ月間安定でなければならない。これは、商取引において遭遇する可能性のある条件下において、該製剤が、安定性を維持することを保証するのを補助する。
(d) 該製品は動物の皮膚に適用されるので、目的とする動物に対して使用するのに安全であること。特に、少なくとも意図した動物に対して非-刺激性であること。また、動物によって摂取された際にも、安全であること。摂取は、ペット自身がグルーミングする際に起り得る。
【0042】
(e) 消費者による使用に対して安全であること。
(f) 使用に対して効果的であること。即ち、28日間に渡り、ノミおよびマダニの90%以上を殺傷すべきである。
(g) 効能は、該包装体内で結晶化が起った場合には、低下するであろう。
(h) 審美的に快適でなければならない。適用した際に、該動物上に「如何なる油状の液滴」も存在しないこと。
(i) 該液体を該動物が振い落し、結果的にその効能を低下する機会を減じるように、迅速に乾燥すること。
(j) 微生物学的に安定であること。
【0043】
本発明の殺虫組成物に対する他の添加剤は、性能を高めるための、香味料、界面活性剤、および展着剤、例えばポリソルベート20、およびポリソルベート80およびイソプロピルミリステートを含むが、これらに限定されない。ポリマー、例えば寒天、ゼラチン、アルギネート、およびカチオン性ポリマー、例えばカチオン性寒天、カチオン性セルロース、カチオン性アクリレートおよびポリオキシメチレンウレアを添加して、安全性および皮膚並びに体毛に対する接着性を改善する目的で、該殺虫剤に被覆を施すこともできる。
当業者には、ここに記載した製剤が、同様に香料、毛髪コンディショナー、溶媒和助剤、展着剤、可溶化剤およびUV保護剤を包含するが、これらに限定されない添加剤をも含むことができることを、容易に理解するであろう。
【0044】
該製剤は、ほぼ1ヶ月に一回、好ましくは肩甲骨から頭蓋底までの領域に、一ヶ月以上の期間に渡って、ノミ、およびノミの卵を殺傷するために、局所的な滴下薬として使用できる。ここに記載する本発明の態様において、該製剤20mLまでを、該動物に適用することができ、約1.0mLが、一ヶ月以上の期間に渡って、ノミ、およびノミの卵を殺傷するために、より典型的に適用される。本発明の幾つかの態様において、約0.4mLの適用が、一ヶ月以上の期間に渡って、ノミ、およびノミの卵を殺傷するのに十分である。
実際に、ここに記載した該殺虫組成物の有効量を、愛玩動物、好ましくはイヌに、泡立ちシャンプー、薬浴用殺虫液、エーロゾルスプレイ、ポンプスプレイ、粉剤、ローション、乳化性濃縮液、水性または液状フローワブル(flowable)、懸濁液濃縮物の形状で、および局所投与用組成物を該動物投与するのに適したあらゆる他の方法によって、適用することができる。
【0045】
該調剤は、増殖、繁殖、動物園、実験室における動物育種および動物繁殖、実験動物およびペットにおいて起る、昆虫の発生を撲滅するのに適しており、また温血動物に対して有利な毒性を持つ。増殖および繁殖動物は、哺乳動物、例えば畜牛、ウマ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ラクダ、水牛、ロバ、ウサギ、ダマジカ、およびトナカイ、および毛皮用動物、例えばミンク、チンチラおよびアライグマを包含する。
実験室および実験動物は、マウス、ラット、モルモット、ハムスター、イヌおよびネコを含む。
ペットは、イヌおよびネコ、および多くの実験室および実験動物を含む。
本発明の製剤は、イヌおよびネコ等の愛玩動物に投与することが特に好ましいが、他の哺乳動物に対しても適したものであり得る。
【実施例】
【0046】
以下の実施例は、単なる例示の目的で与えられるものであり、本発明を限定するものと解釈すべきではない。
実施例1:1-{(テトラヒドロ-3-フラニル)メチル}-2-ニトロ-3-メチルグアニジン(ジノテフラン)の調製
10.0gの(テトラヒドロ-3-フラニル)メタノール、29.5gのトリフルオロメタンスルホン酸無水物、10.0gのピリジンおよび200mLのジクロロメタンを含む混合物を、室温にて1時間攪拌した。該反応溶液に水を注込み、有機相を分離し、該有機相を1N塩酸、水、および飽和塩溶液で洗浄し、乾燥し、濃縮して、20gの3-テトラヒドロ-フラニルメチルトリフラートを得た。3.25gの60%水素化ナトリウムを、12.5gの1,5-ジメチル-2-ニトロイミノヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジンおよび60mLのDMFに、室温にて添加し、次いで1時間攪拌した。これに、20.0gの該3-テトラヒドロ-フラニルメチルトリフラートを添加し、得られた混合物を、50℃にて2時間攪拌した。該混合物を室温まで冷却した後、50mLの2N塩酸をこれに添加し、次いで50℃にて2時間攪拌した。得られた混合物を、重炭酸ナトリウムで中和し、ジクロロメタンで抽出し、得られた抽出液を、乾燥し、濃縮した。このようにして得た残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:酢酸エチル/ヘキサン(1:1))で精製して、7.8gの1-{(テトラヒドロ-3-フラニル)メチル}-2-ニトロ-3-メチルグアニジン(ジノテフラン)を得た。
【0047】
実施例2:ジノテフランおよびピリプロキシフェンを含有する殺虫製剤の製造
25gのジノテフランを、100mLのフェニルメタノールに、溶解するまで攪拌しつつ添加した。1gのピリプロキシフェンを、攪拌しつつこの溶液に添加し、高濃度で殺虫剤を含む透明かつ均一な溶液を製造した。
得られた溶液は、イヌ等の愛玩動物に、スポットとして適用することができ、またノミ、マダニおよびその他の昆虫を殺傷するであろう。
実施例3:ペルメトリン、ジノテフランおよびピリプロキシフェンを含有する殺虫製剤の製造
ペルメトリン(65g)を、清浄な容器に添加した。サフラワーオイル(35g)を、生成する溶液が均一になるまで、攪拌しつつ添加した。ペルメトリンおよびサフラワーオイルを含有するこの溶液を、必要とされる用量に基いた適当な体積の包装体内の、チャンバーの一方に添加した。
【0048】
ピリプロキシフェン(1g)およびマッカーニウム(Mackernium) KP(1g)を、透明な容器に添加し、該ピリプロキシフェンが液化されるまで、穏やかに加熱した。水(27.6g)を攪拌しつつ添加し、次いで乳酸エチル(55.4g)を添加した。ジノテフラン(15g)を添加し、得られる溶液を、混合し、該ジノテフランが溶解するまで50℃にて加熱した。この溶液を室温まで冷却し、そのpHを、炭酸ナトリウム溶液(0.15gの25%水性溶液)の添加により、5.5に調節した。この溶液を、必要とされる用量に基いた適当な体積の包装体内の、チャンバーの他方に添加した。
実施例4:ペルメトリン/ジノテフラン/ピリプロキシフェン製剤の安定性
実施例3記載の方法に従って製造した、ジノテフランおよびピリプロキシフェンを含む組成物は、約54℃(130°F)にて少なくとも1ヶ月間、約43℃(110°F)にて3ヶ月間、約4.44℃(40°F)にて1ヶ月間、室温(約21.1℃(約70°F))にて1ヶ月間安定である。この製剤の安定性は、1ヶ月という期間内に、結晶を生成しないという基準に基くものである。
【0049】
実施例5:ペルメトリン、アセタミプリドおよびピリプロキシフェンを含む殺虫製剤の製造
10gのアセタミプリドを、89gのエタノールに添加し、該アセタミプリドが溶解するまで攪拌した。1gのピリプロキシフェンを、この溶液に添加し、これが溶解するまで攪拌した。この溶液を、二重チャンバー包装体の、適当なチャンバーに添加した。
実施例6:ペルメトリン、ジノテフランおよびピリプロキシフェンを含む殺虫製剤の製造
処方1
55%の乳酸エチル(CAS#97-64-3)および45%のペルメトリン(CAS#52645-53-1)を含有する溶液を調製した。±10%までの変動は許容できる。該ペルメトリンは、固体状態にて、室温よりも僅かに低い温度にて保存することができる。固体である場合には、次に該ペルメトリン/乳酸エチル溶液を、穏やかに攪拌しつつ、僅かに加熱する。ペルメトリンの融点は、20-23℃である。
処方2
以下の材料を、指定した質量%で表した最終濃度まで、この混合物に添加した。
【0050】
【表2】

【0051】
別の容器に、0.2Mクエン酸および0.2Mクエン酸ナトリウム緩衝溶液を調製し、取って置いた。
清浄なビーカーに、ピリプロキシフェン(15g)および塩化オレアルコニウム(olealkonium)(10g)を、添加した。この溶液を50℃に加熱し、均一になるまで、穏やかに混合した。ピリプロキシフェンが液体状態にある場合には、加熱の必要がないことに注意すべきである。グリセロール-ポリエチレングリコールオキシステアレート(水添)ヒマシ油(75g)、ビタミンEアセテート(25g)、PVP/VA W-735コポリマー(15g)、ナトリウムジオクチルスルホサクシネート(10g)を、連続的に攪拌しつつ添加した。混合速度は、液の粘度の上昇に応じて増大させた。
【0052】
該溶液が均一になった時点で、乳酸エチル(478g)を添加し、適宜に攪拌速度を調節した。220gの上で取って置いた緩衝溶液を、次に添加し、更に該ジノテフラン(150g)を添加した。この溶液を、該ジノテフランが、完全に溶解するまで40℃にて加熱した。次いで、該n-オクチルピロリドン(2g)を添加した。この溶液を冷却し、またそのpHを測定した(pH範囲:5.5-7.0)。
動物に適用するために、これら製剤は、その両者を、該動物の皮膚に同時に送達することを可能とする、二重チャンバー型包装体(送達系)中に保存することができる。該動物の大きさ(体重)に応じて、該処方1の体積は、0.5〜6mLなる範囲にあり、また該処方2の体積は、0.5〜3mLなる範囲内であり得る。
【0053】
従って、以上の説明から明らかとなった目的の中で、上記本発明の目的は、効果的に達成されることを理解するであろう。また、上記方法の実施に際して、および上記組成物において、本発明の精神並びに範囲を逸脱することなしに、幾つかの変更を行うことが可能であるから、上記説明に含まれるあらゆる事項が、例示のためであって、限定的なものではないことを理解すべきである。
同様に、以下の態様は、ここに記載した本発明の一般的なおよび特定の特徴の全てをカバーするものであり、また本発明の範囲内の全ての主張は、事実上該範囲内に入るものとする。
特に、が痛いようにおいて、単独で引用された成分または化合物は、意味の上で許される全ての場合において、これら成分の相溶性に混合物をも包含するものと理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の一態様による、二重包装系の上面図である。
【図2】図2Aおよび2Bは、夫々図1の二重包装系の端面図である。
【図3】図1に示す二重包装系の側面図であって、該包装系の2つの片割れが相互に折畳まれた後の状態を示す図である。
【符号の説明】
【0055】
100・・二重殺虫剤容器;102、104・・タンクチャンバー;106・・ブリッジ;108、110・・ノッチ付き切れ目;112・・ヒンジ;120・・底部側;130・・上部側;142、144・・チャンネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
殺虫製剤であって、ノミを殺す殺虫効果のある量の、第一の殺虫組成物と、マダニを殺す殺虫効果のある量の、第二の殺虫組成物とを含み、ここで該第一の殺虫組成物を、このものが該第二の殺虫組成物から分離されるように包装して、該殺虫製剤の投与前の第二の殺虫組成物との相互作用を防止し、および該第一または第二の殺虫組成物の何れかと共に包装される、昆虫の成長を阻害するのに有効な量の、昆虫成長調節剤(IGR)成分を含むことを特徴とする、上記殺虫製剤。
【請求項2】
該第一の殺虫組成物が、第一のチャンバーに包装され、かつ該第二の殺虫組成物が、第二のチャンバーに包装され、該第一のチャンバーおよび第二のチャンバーが、一緒に包装されるが、該殺虫製剤の投与前の該第一および第二の殺虫組成物間の相互作用を防止する、少なくとも一つのバリアによって分離されている、請求項1記載の殺虫製剤。
【請求項3】
該第一のチャンバーおよび第二のチャンバーが、結合され、あるいは容器によって包囲されている、請求項2記載の殺虫製剤。
【請求項4】
該第一の殺虫成分が、ペルメトリンまたはフェノトリンを含む、請求項1記載の殺虫製剤。
【請求項5】
該第二の殺虫成分が、殺虫性(テトラヒドロ-3-フラニル)メチルアミン誘導体またはクロロニコチニル殺虫剤を含む、請求項4記載の殺虫製剤。
【請求項6】
該第二の殺虫成分が、ジノテフランを含む、請求項5記載の殺虫製剤。
【請求項7】
該第一の殺虫剤が、ペルメトリンである、請求項6記載の殺虫製剤。
【請求項8】
該第一の殺虫剤が、フェノトリンである、請求項6記載の殺虫製剤。
【請求項9】
該IGR成分が、ピリプロキシフェンを含む、請求項7記載の殺虫製剤。
【請求項10】
該IGR成分が、メトプレンを含む、請求項7記載の殺虫製剤。
【請求項11】
該IGR成分が、ピリプロキシフェンを含む、請求項8記載の殺虫製剤。
【請求項12】
該IGR成分が、メトプレンを含む、請求項8記載の殺虫製剤。
【請求項13】
該第二の殺虫成分が、アセタミプリドを含む、請求項4記載の殺虫製剤。
【請求項14】
該第一の殺虫剤が、ペルメトリンである、請求項13記載の殺虫製剤。
【請求項15】
該第一の殺虫剤が、フェノトリンである、請求項13記載の殺虫製剤。
【請求項16】
該IGR成分が、ピリプロキシフェンを含む、請求項14記載の殺虫製剤。
【請求項17】
該IGR成分が、メトプレンを含む、請求項14記載の殺虫製剤。
【請求項18】
該IGR成分が、ピリプロキシフェンを含む、請求項15記載の殺虫製剤。
【請求項19】
該IGR成分が、メトプレンを含む、請求項15記載の殺虫製剤。
【請求項20】
該製剤が、更に有効量のトリフェニルホスフェート(TPP)を含み、該第一または第二の殺虫組成物の効能を増強する、請求項1記載の殺虫製剤。
【請求項21】
該製剤が、約40〜65%なる範囲のペルメトリン、約5〜20%なる範囲のジノテフラン、および約1〜2.5%なる範囲のピリプロキシフェンを含む、請求項9記載の殺虫製剤。
【請求項22】
該製剤が、約45〜65%なる範囲のフェノトリン、約〜20%なる範囲のジノテフラン、および約1〜2.5%なる範囲のピリプロキシフェンを含む、請求項11記載の殺虫製剤。
【請求項23】
該製剤が、約40〜65%なる範囲のペルメトリン、約5〜50%なる範囲のアセタミプリド、および約0.5〜5%なる範囲のピリプロキシフェンを含む、請求項16記載の殺虫製剤。
【請求項24】
該製剤が、約50〜90%なる範囲のフェノトリン、約5〜50%なる範囲のアセタミプリド、および約0.5〜5%なる範囲のピリプロキシフェンを含む、請求項18記載の殺虫製剤。
【請求項25】
該製剤が、少なくとも80%のノミ殺傷率および少なくとも80%のマダニ殺傷率を達成するのに有効である、請求項1記載の殺虫製剤。
【請求項26】
該製剤が、少なくとも90%のノミ殺傷率および少なくとも90%のマダニ殺傷率を達成するのに有効である、請求項25記載の殺虫製剤。
【請求項27】
該製剤が、イヌに刺激を与えることがなく、またイヌへの10ml未満での適用によって、マダニおよびノミを殺傷するのに有効である、請求項1記載の殺虫製剤。
【請求項28】
該製剤の一回の適用が、一ヶ月間に渡り、ノミおよびマダニを殺傷するのに有効である、請求項1記載の殺虫製剤。
【請求項29】
動物内における昆虫の外寄生を抑制する方法であって、該方法が、請求項1記載の殺虫製剤を、該動物に適用することを含む、上記方法。
【請求項30】
該製剤が、2つの別々の容器に包装されている、請求項29記載の方法。
【請求項31】
該製剤が、該第一および第二チャンバーを包囲している一つの容器内に包装されている、請求項29記載の方法。
【請求項32】
該第一および第二チャンバーが、一つの容器によって包囲されており、ここで該容器は、単一用量の包装体である、請求項29記載の方法。
【請求項33】
該動物が、イヌである、請求項29記載の方法。
【請求項34】
該昆虫の外寄生が、ノミおよびマダニの外寄生を含む、請求項29記載の方法。
【請求項35】
該方法が、イヌの体重1kg当たり約15〜130mgのペルメトリン、イヌの体重1kg当たり約1.5〜20mgのジノテフラン、およびイヌの体重1kg当たり約0.15〜2.0mgのピリプロキシフェンを投与することを含む、請求項33記載の方法。
【請求項36】
該方法が、イヌの体重1kg当たり約80〜500mgのフェノトリン、イヌの体重1kg当たり約1.5〜20mgのジノテフラン、およびイヌの体重1kg当たり約0.15〜2mgのピリプロキシフェンを投与することを含む、請求項33記載の方法。
【請求項37】
該方法が、イヌの体重1kg当たり約15〜130mgのペルメトリン、イヌの体重1kg当たり約0.5〜20mgのアセタミプリド、およびイヌの体重1kg当たり約0.15〜2.0mgのピリプロキシフェンを投与することを含む、請求項33記載の方法。
【請求項38】
該方法が、イヌの体重1kg当たり約80〜500mgのフェノトリン、イヌの体重1kg当たり約0.5〜20mgのアセタミプリド、およびイヌの体重1kg当たり約0.15〜2mgのピリプロキシフェンを投与することを含む、請求項33記載の方法。
【請求項39】
該動物が、ネコである、請求項29記載の方法。
【請求項40】
該方法が、ネコの体重1kg当たり約100〜1,000mgのフェノトリン、ネコの体重1kg当たり約15〜180mgのジノテフラン、およびネコの体重1kg当たり約2〜18mgのピリプロキシフェンを投与することを含む、請求項39記載の方法。
【請求項41】
該方法が、ネコの体重1kg当たり約80〜500mgのフェノトリン、ネコの体重1kg当たり約3〜200mgのアセタミプリド、およびネコの体重1kg当たり約0.15〜2mgのピリプロキシフェンを投与することを含む、請求項39記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−501231(P2009−501231A)
【公表日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−521558(P2008−521558)
【出願日】平成18年7月11日(2006.7.11)
【国際出願番号】PCT/US2006/027023
【国際公開番号】WO2007/011602
【国際公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【出願人】(507076698)サミット ヴェトファーム リミテッド ライアビリティ カンパニー (4)
【Fターム(参考)】