説明

ピロロピリミジン誘導体

本発明により、うつ症、不安症、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、摂食障害、高血圧、消化器疾患、薬物依存症、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患、脱毛症、過敏性腸症候群、睡眠障害、てんかん、皮膚炎、統合失調症、疼痛など、CRFが関連していると考えられる疾患に対する治療又は予防薬として有効である、CRF受容体拮抗薬が提供される。次式[I]で表される、


ピロロピリミジン誘導体は、CRF受容体に対して高い親和性を有し、CRFが関連していると考えられる疾患に対して有効である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、うつ症、不安症、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、摂食障害、高血圧、消化器疾患、薬物依存症、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患、脱毛症、過敏性腸症候群、睡眠障害、てんかん、皮膚炎、統合失調症、疼痛など、コルチコトロピン放出因子(CRF)が関連していると考えられる疾患に対する治療薬に関する。
【背景技術】
【0002】
CRFは、41個のアミノ酸からなるホルモンであって(Science、213巻、1394〜1397頁、1981年、及びJ.Neurosci.、7巻、88〜100頁、1987年)、ストレスに対する生体反応の中核的役割を果たしていることが示唆されている(Cell.Mol.Neurobiol.、14巻、579〜588頁、1994年、Endocrinol.、132巻、723〜728頁、1994年、及びNeuroendocrinol.、61巻、445〜452頁、1995年)。CRFは視床下部−下垂体−副腎系を介して末梢の免疫系、交感神経系に作用する経路と中枢神経系において神経伝達物質として機能する2つの経路がある(コルチコトロピン放出因子−神経ペプチドの基礎的及び臨床的研究(Corticotropin Releasing Factor:Basic and Clinical Studies of a Neuropeptide、29〜52頁、1990年、Corticotropin Releasing Factor)。下垂体除去ラット及び正常ラットにCRFを脳室内投与すると両ラットで不安様症状(Pharmacol.Rev.、43巻、425〜473頁、1991年、及びBrain Res.Rev.、15巻、71〜100頁、1990年)が惹起される。すなわち、CRFは視床下部−下垂体−副腎系に対する関与と中枢神経系において神経伝達物質として機能する経路が考えられる。
【0003】
CRFが関与した疾患は1991年Owens及びNemeroffの総説(Pharmacol.Rev.、43巻、425〜474頁、1991年) にまとめられている。すなわち、うつ症、不安症、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、摂食障害、高血圧、消化器疾患、薬物依存症、炎症、免疫関連疾患などにCRFが関与している。最近はてんかん、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷にもCRFが関与していることが報告されている(Brain Res.、545巻、339〜342頁、1991年、Ann.Neurol.、31巻、48〜498頁、1992年、Dev.Brain Res.、91巻、245〜251頁、1996年、及びBrain Res.、744巻、166〜170頁、1997年)。従って、CRF受容体拮抗薬はこれら疾患の治療剤として有用である。
【0004】
US2004224964は、CRF受容体拮抗薬としての6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン誘導体を開示している。しかし、本発明で提供される化合物はいずれも開示されていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、うつ症、不安症、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、摂食障害、高血圧、消化器疾患、薬物依存症、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患、脱毛症、過敏性腸症候群、睡眠障害、てんかん、皮膚炎、統合失調症、疼痛など、CRFが関連していると考えられる疾患に対する治療又は予防薬として有効である、CRF受容体拮抗薬を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、CRF受容体に対して高い親和性を有する、ピロロピリミジンを鋭意検討した結果、本発明を完成したのである。
【0007】
本発明は、以下で説明するピロロピリミジン誘導体である。
【0008】
次式[I]で表されるピロロピリミジン誘導体、その個々の異性体又はその異性体のラセミ若しくは非ラセミ混合物、或いは薬学上許容されるその塩及び水和物、
【化1】


(式中、
は、C1〜9アルキル、C2〜9アルケニル、C3〜7シクロアルキル、C3〜7シクロアルキル−C1〜9アルキル、ジ(C3〜7シクロアルキル)−C1〜9アルキル、C1〜6アルコキシ−C1〜9アルキル、ジ(C1〜6アルコキシ)−C1〜9アルキル、ヒドロキシ−C1〜9アルキル、シアノ−C1〜9アルキル、カルバモイル−C1〜9アルキル、ジ(C1〜6アルキル)アミノ−C1〜9アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール−C1〜9アルキル又はヘテロアリール−C1〜9アルキルであり、ここで、該アリール及びヘテロアリールは、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキルチオ、C1〜6アルキルスルホニル、アミノスルホニル、モノ(C1〜6アルキル)アミノスルホニル、ジ(C1〜6アルキル)アミノスルホニル、ハロゲン、C1〜6ハロアルキル、シアノ、ニトロ、−NR1a1bからなる群から独立に選択される1〜3個の置換基で任意選択的に置換され、ここでR1a及びR1bは、水素、C1〜6アルキル及びC1〜6アルキルカルボニルからなる群からそれぞれ独立に選択され、
は、C1〜6アルキル又はC1〜6ハロアルキルであり、
は、水素、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜7シクロアルキル、C3〜7シクロアルキル−C1〜6アルキル、ベンジルであり、
XとYの間の結合は単結合又は二重結合であり、
ここで、(1)XとYの間の結合が単結合である場合には、XはCR又はC=Oであり、YはCR、C=O、C=N−OR又はC=CH−Rであり、(2)XとYの間の結合が二重結合の場合には、XはCR10であり、YはCR11であり、
及びRは、同一又は異なって、独立に、水素又はC1〜6アルキルであり、
及びRは、同一又は異なって、独立に、水素、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、ヒドロキシ、C1〜6アルキルアミノ、ジ(C1〜6アルキル)アミノ、ジ(C1〜6アルキル)アミノ−C1〜6アルキル、C1〜6アルキルカルボニルアミノ、C3〜6シクロアルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニルアミノ、C1〜6アルキルアミノカルボニル又はC1〜6アルキルアミノカルボニルアミノであるか、或いはRとRは一緒になってC3〜6シクロアルキルを形成し、但し、CRとCRが共にCHであることはなく、
は、水素又はC1〜6アルキルであり、
は、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、アリール又はヘテロアリールであり、ここで、該アリール及びヘテロアリールは、ハロゲン又はC1〜6アルキルからなる群から独立に選択される1〜3個の置換基で任意選択的に置換され、
10は、水素又はC1〜6アルキルであり、
11は、水素、C1〜6アルキル又はジ(C1〜6アルキル)アミノ−C1〜6アルキルであり、
Arは、非置換の又は1個若しくは複数の置換基で置換されたアリール又はヘテロアリールであり、該置換基は、同一又は異なって、ハロゲン、C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキルチオ、C1〜6アルキルスルホニル、アミノスルホニル、モノ(C1〜6アルキル)アミノスルホニル、ジ(C1〜6アルキル)アミノスルホニル、シアノ、C1〜6ハロアルキル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、フルオロメトキシ及び−N(R12)R13からなる群から選択され、ここで、R12及びR13は、同一又は異なって、独立に水素又はC1〜6アルキルである)。
【0009】
本明細書中で使用される用語は、以下の意味を有する。
【0010】
用語「C1〜9アルキル」は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、sec−ブチル、ペンチル、イソペンチル、1−メチルブチル、ヘキシル、イソヘキシル、1−エチルプロピル、1−エチルブチル、1,3−ジメチルブチル、1−プロピルブチル、1−プロピルペンチル、1−ブチルペンチルなど、炭素原子が1〜9個の直鎖又は分枝鎖アルキル基を意味する。
【0011】
用語「C2〜9アルケニル」は、ビニル、イソプロペニル、アリルなど、炭素原子が2〜9個の直鎖又は分枝鎖アルケニル基を意味する。
【0012】
用語「C3〜7シクロアルキル」は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなど、炭素原子が3〜7個の環状アルキル基を意味する。
【0013】
用語「C3〜7シクロアルキル−C1〜9アルキル」は、シクロプロピルメチル、1−シクロプロピルエチル、1−シクロブチルエチル、1−シクロペンチルエチル、2−シクロプロピルエチル、2−シクロブチルエチル、2−シクロペンチルエチル、1−シクロプロピルプロピル、1−シクロブチルプロピル、1−シクロペンチルプロピル、1−シクロプロピルメチルプロピル、1−シクロプロピルメチルブチルなど、置換基として上述のC3〜7シクロアルキルを有する置換C1〜9アルキル基を意味する。
【0014】
用語「ジ(C3〜7シクロアルキル)−C1〜9アルキル」は、ジ(シクロプロピル)メチル、ジ(シクロブチル)メチル、ジ(シクロペンチル)メチルなど、置換基として上述のC3〜7シクロアルキル基を2個有する置換C1〜9アルキル基を意味する。
【0015】
用語「C1〜6アルコキシ」は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロピルオキシ、ブトキシ、イソブチルオキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシなど、炭素原子が1〜6個の直鎖又は分枝鎖アルコキシ基を意味する。
【0016】
用語「C1〜6アルコキシ−C1〜9アルキル」は、メトキシメチル、2−メトキシエチル、2−エトキシエチル、1−メトキシメチル−プロピル、1−メトキシメチル−ブチルなど、置換基として上述のC1〜6アルコキシ基を有する置換C1〜9アルキル基を意味する。
【0017】
用語「ジ(C1〜6アルコキシ)−C1〜9アルキル」は、2,3−ジ(メトキシ)プロピル、2−メトキシ−1−メトキシメチル−エチル、2,4−(ジエトキシ)ペンチルなど、置換基として上述のC1〜6アルコキシ基を2個有する置換C1〜9アルキル基を意味する。
【0018】
用語「ヒドロキシ−C1〜9アルキル」は、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、5−ヒドロキシペンチル、1−ヒドロキシメチル−プロピル、1−ヒロドキシメチル−ブチル、1−ヒロドキシメチル−3−メチル−ブチルなどのヒドロキシ基を有する置換C1〜9アルキル基を意味する。
【0019】
用語「シアノ−C1〜9アルキル」は、シアノメチル、1−シアノエチル、2−シアノエチル、1−シアノプロピル、1−シアノブチル、5−シアノペンチル、2−シアノ−1−エチル−エチル、1−シアノメチル−ブチル、1−シアノ−3−メチル−ブチル、1−シアノメチル−3−メチル−ブチルなどのシアノ基を有する置換C1〜9アルキル基を意味する。
【0020】
用語「カルバモイル−C1〜9アルキル」は、カルバモイルメチル、1−カルバモイルエチル、2−カルバモイルエチル、1−カルバモイルプロピル、1−カルバモイルブチル、5−カルバモイルペンチル、1−カルバモイル−3−メチル−ブチル、1−カルバモイルメチル−ブチル、1−カルバモイルメチル−プロピル、1−カルバモイルメチル−3−メチル−ブチルなど、カルバモイル基を有する置換C1〜9アルキル基を意味する。
【0021】
用語「ジ(C1〜6アルキル)アミノ」は、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノなど、上述のC1〜6アルキル基を2個有するアミノ基を意味する。
【0022】
用語「ジ(C1〜6アルキル)アミノ−C1〜9アルキル」は、2−ジメチルアミノエチル、3−ジメチルアミノプロピルなど、上述のジ(C1〜6アルキル)アミノ基を有する置換C1〜9アルキル基を意味する。
【0023】
用語「アリール」は、フェニル、ナフチルなど、少なくとも1個の芳香環を有する、環炭素原子が6〜12個の単環式又は二環式基を意味する。
【0024】
用語「ヘテロアリール」は、ピリジル、ピリミジニル、イミダゾリル、フリル、チエニル、キノリル、インドリル、ベンゾフラニル、キノキサリニル、ベンゾ[1,2,5]チアジアゾリル、ベンゾ[1,2,5]オキサジアゾリルなど、その環中に、窒素、酸素及び硫黄から選択される同一又は異なってもよい1〜4個の原子を有する少なくとも1個の芳香環を有する、環原子が5〜12個の単環式又は二環式基を意味する。
【0025】
用語「アリール−C1〜9アルキル」は、ベンジル、フェネチル、3−フェニルプロピルなど、上述のアリール基を有する置換C1〜9アルキル基を意味する。
【0026】
用語「ヘテロアリール−C1〜9アルキル」は、ピリジン−2−イルメチル、ピリジン−3−イルメチル、ピリジン−4−イルメチルなど、上述のヘテロアリール基を有する置換C1〜9アルキル基を意味する。
【0027】
用語「C1〜6アルキルチオ」は、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオなど、炭素原子が1〜6個の直鎖又は分枝鎖アルキルチオ基を意味する。
【0028】
用語「C1〜6アルキルスルホニル」は、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニルなど、炭素原子が1〜6個の直鎖又は分枝鎖アルキルスルホニル基を意味する。
【0029】
用語「モノ(C1〜6アルキル)アミノスルホニル」は、メチルアミノスルホニル、エチルアミノスルホニルなど、上述のC1〜6アルキルを有する置換アミノスルホニル基を意味する。
【0030】
用語「ジ(C1〜6アルキル)アミノスルホニル」は、ジメチルアミノスルホニル、ジエチルアミノスルホニルなど、上述のC1〜6アルキルを2個有する置換アミノスルホニル基を意味する。
【0031】
用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素原子を意味する。
【0032】
用語「C1〜6ハロアルキル」は、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、トリクロロメチルなど、1〜3個のハロゲン原子を有する置換C1〜6アルキルを意味する。
【0033】
用語「C1〜6アルキルカルボニル」は、アセチル、プロピオニル、ブチリルなど、炭素原子が1〜7個のアシル基を意味する。
【0034】
用語「C2〜6アルキニル」は、エチニル、プロプ−1−イニル、プロプ−2−イニルなど、炭素原子が2〜6個の直鎖又は分枝鎖アルキニル基を意味する。
【0035】
用語「C1〜6アルキルアミノ」は、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノなど、上述のC1〜6アルキル基を有する置換アミノ基を意味する。
【0036】
用語「C1〜6アルキルカルボニルアミノ」は、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、3−メチルブチリルアミノ、イソブチリルアミノ、n−ブチリルアミノなど、C1〜6アルキルカルボニル基を有する置換アミノ基を意味する。
【0037】
用語「C3〜6シクロアルキルカルボニルアミノ」は、シクロプロパンカルボニルアミノ、シクロブタンカルボニルアミノ、シクロペンタンカルボニルアミノなど、C3〜6シクロアルキルカルボニル基を有する置換アミノ基を意味する。
【0038】
用語「アリールカルボニルアミノ」は、フェニルカルボニルアミノなど、上述のアリール基を有する置換アミノ基を意味する。
【0039】
用語「ヘテロアリールカルボニルアミノ」は、(フラン−2−カルボニル)アミノ、(ピリジン−2−カルボニル)アミノ、(ピリジン−3−カルボニル)アミノ、(ピリジン−4−カルボニル)アミノなど、上述のヘテロアリール基を有する置換アミノ基を意味する。
【0040】
用語「C1〜6アルキルアミノカルボニル」は、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、イソプロピルカルバモイルなど、上述のC1〜6アルキル基を有する置換アミノカルボニル基を意味する。
【0041】
用語「C1〜6アルキルアミノカルボニルアミノ」は、3−メチルウレイド、3−エチルウレイド、3−プロピルウレイド、3−イソプロピルウレイドなど、上述のC1〜6アルキル基を有する置換アミノカルボニルアミノ基を意味する。
【0042】
句「非置換であるか或いは1個又は複数の置換基で置換され、該置換基が、同一又は異なって、ハロゲン、C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキルチオ、C1〜6アルキルスルホニル、アミノスルホニル、モノ(C1〜6アルキル)アミノスルホニル、ジ(C1〜6アルキル)アミノスルホニル、シアノ、C1〜6ハロアルキル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、フルオロメトキシ及び−N(R12)R13(式中R12及びR13は同一又は異なって、独立に、水素又はC1〜6アルキルである)からなる群から選択されるアリール又はヘテロアリール」には、例えば、2,4−ジメチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、2,4−ジブロモフェニル、2−ブロモ−4−イソプロピルフェニル、2,4−ジクロロフェニル、2,6−ジクロロフェニル、2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェニル、4−メトキシ−2−メチルフェニル、2−クロロ−4−トリフルオロメトキシフェニル、4−イソプロピル−2−メチルチオフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、4−ブロモ−2,6−ジメチルフェニル、4−ブロモ−2,6−ジエチルフェニル、4−クロロ−2,6−ジメチルフェニル、2,4,6−トリブロモフェニル、2,4,5−トリブロモフェニル、2,4,6−トリクロロフェニル、2,4,5−トリクロロフェニル、4−ブロモ−2,6−ジクロロフェニル、6−クロロ−2,4−ジブロモフェニル、2,4−ジブロモ−6−フルオロフェニル、2,4−ジブロモ−6−メチルフェニル、2,4−ジブロモ−6−メトキシフェニル、2,4−ジブロモ−6−メチルチオフェニル、2,6−ジブロモ−4−イソプロピルフェニル、2,6−ジブロモ−4−トリフルオロメチルフェニル、2−ブロモ−4−トリフルオロメチルフェニル、4−ブロモ−2−クロロフェニル、2−ブロモ−4−クロロフェニル、4−ブロモ−2−メチルフェニル、4−クロロ−2−メチルフェニル、2,4−ジメトキシフェニル、2,6−ジメチル−4−メトキシフェニル、4−クロロ−2,6−ジブロモフェニル、4−ブロモ−2,6−ジフルオロフェニル、2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル、2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメトキシフェニル、2,6−ジブロモ−4−トリフルオロメトキシフェニル、2−クロロ−4,6−ジメチルフェニル、2−ブロモ−4,6−ジメトキシフェニル、2−ブロモ−4−イソプロピル−6−メトキシフェニル、2,4−ジメトキシ−6−メチルフェニル、6−ジメチルアミノ−4−メチルピリジン−3−イル、2−クロロ−6−トリフルオロメチルピリジン−3−イル、2−クロロ−6−トリフルオロメトキシピリジン−3−イル、2−クロロ−6−メトキシピリジン−3−イル、6−メトキシ−2−トリフルオロメトキシピリジン−3−イル、2−クロロ−6−ジフルオロメチルピリジン−3−イル、6−メトキシ−2−メチルピリジン−3−イル、2,6−ジメトキシピリジン−3−イル、4,6−ジメチル−2−トリフルオロメチルピリミジン−5−イル、2−ジメチルアミノ−6−メチルピリジン−3−イルが含まれる。
【0043】
本発明の「薬学上許容される塩」には、例えば、硫酸、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸などの無機酸との塩、酢酸、シュウ酸、乳酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、クエン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、エタンスルホン酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、ガラクタル酸、ナフタレン−2−スルホン酸などの有機酸との塩、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、亜鉛イオン、アルミニウムイオンなどの1種又は複数の金属イオンとの塩、アンモニア、アルギニン、リシン、ピペラジン、コリン、ジエチルアミン、4−フェニルシクロヘキシルアミン、2−アミノエタノール、ベンザチンなどのアミンとの塩が含まれる。
【0044】
本発明の化合物には、ジアステレオマー、エナンチオマー、幾何異性体及び互変異性形など、異性体の存在する可能性がある。本発明の化合物には、個々の異性体、並びに異性体のラセミ及び非ラセミ混合物が含まれる。
【0045】
本発明化合物の好ましい例は、次の通りである。
【0046】
次式[II]で表されるピロロピリミジン誘導体、
【化2】


(式中、
は、C1〜9アルキル、C2〜9アルケニル、C3〜7シクロアルキル、C3〜7シクロアルキル−C1〜9アルキル、ジ(C3〜7シクロアルキル)−C1〜9アルキル、C1〜6アルコキシ−C1〜9アルキル、ジ(C1〜6アルコキシ)−C1〜9アルキル、ヒドロキシ−C1〜9アルキル、シアノ−C1〜9アルキル、カルバモイル−C1〜9アルキル、ジ(C1〜6アルキル)アミノ−C1〜9アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール−C1〜9アルキル又はヘテロアリール−C1〜9アルキルであり、ここで、該アリール及びヘテロアリールは、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキルチオ、C1〜6アルキルスルホニル、アミノスルホニル、モノ(C1〜6アルキル)アミノスルホニル、ジ(C1〜6アルキル)アミノスルホニル、ハロゲン、C1〜6ハロアルキル、シアノ、ニトロ、−NR1a1bからなる群から独立に選択される1〜3個の置換基で任意選択的に置換され、ここでR1a及びR1bは、水素、C1〜6アルキル及びC1〜6アルキルカルボニルからなる群からそれぞれ独立に選択され、
は、C1〜6アルキル又はC1〜6ハロアルキルであり、
は、水素、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜7シクロアルキル、C3〜7シクロアルキル−C1〜6アルキル、ベンジルであり、
10は、水素又はC1〜6アルキルであり、
11は、水素、C1〜6アルキル又はジ(C1〜6アルキル)アミノ−C1〜6アルキルであり、
Arは、非置換の又は1個若しくは複数の置換基で置換されたアリール又はヘテロアリールであり、該置換基は、同一又は異なって、ハロゲン、C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキルチオ、C1〜6アルキルスルホニル、アミノスルホニル、モノ(C1〜6アルキル)アミノスルホニル、ジ(C1〜6アルキル)アミノスルホニル、シアノ、ハロC1〜6アルキル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、フルオロメトキシ及び−N(R12)R13からなる群から選択され、ここで、R12及びR13は、同一又は異なって、独立に、水素又はC1〜6アルキルである)。
【0047】
より好ましいのは、式中、Rが、C1〜9アルキル、C3〜7シクロアルキル、C3〜7シクロアルキル−C1〜6アルキル、ジ(C3〜7シクロアルキル)−C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ−C1〜6アルキル、ジ(C1〜6アルコキシ)−C1〜6アルキル、ヒドロキシ−C1〜6アルキル、シアノ−C1〜6アルキル、カルバモイル−C1〜6アルキル、ジ(C1〜6アルキル)アミノ−C1〜6アルキル、アリール−C1〜6アルキル又はヘテロアリール−C1〜6アルキルであり、RがC1〜6アルキルであり、Rが水素又はC1〜6アルキルであり、R10が水素又はC1〜6アルキルであり、R11が、水素、C1〜6アルキル又はジ(C1〜6アルキル)アミノC1〜6アルキルであり、Arが、非置換の又は1〜3個の置換基で置換されたアリール又はヘテロアリールであり、該置換基は、同一又は異なって、ハロゲン、C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキルチオ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、フルオロメトキシ及び−N(R12)R13からなる群から選択され、ここで、R12及びR13は、同一又は異なって、独立に、水素又はC1〜6アルキルである、式[II]で表される化合物である。より好ましいのは、式中、Rが、C1〜9アルキル、C3〜7シクロアルキル、C3〜7シクロアルキル−C1〜6アルキル、ジ(C3〜7シクロアルキル)−C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ−C1〜6アルキル、ジ(C1〜6アルコキシ)−C1〜6アルキル又はアリール−C1〜6アルキルであり、RがC1〜6アルキルであり、Rが、水素又はC1〜6アルキルであり、R10が水素又はC1〜6アルキルであり、R11が、水素又はC1〜6アルキルであり、Arが、非置換の又は1〜3個の置換基で置換されたフェニルであり、該置換基は、同一又は異なって、ハロゲン、C1〜3アルキル、C1〜3アルコキシ、C1〜3アルキルチオ、トリフルオロメチル及び−N(R12)R13からなる群から選択され、ここで、R12及びR13は、同一又は異なって、独立に、水素又はC1〜3アルキルである、式[II]で表される化合物である。より好ましいのは、式中、Rが、C1〜9アルキル、C3〜7シクロアルキル、C3〜7シクロアルキル−C1〜6アルキル、ジ(C3〜7シクロアルキル)−C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ−C1〜6アルキル、ジ(C1〜6アルコキシ)−C1〜6アルキル又はアリール−C1〜6アルキルであり、RがC1〜3アルキルであり、RがC1〜3アルキルであり、R10が水素であり、R11が水素であり、Arが、2又は3個の置換基で置換されたフェニルであり、該置換基は、同一又は異なって、ハロゲン又はC1〜3アルキルからなる群から選択される、式[II]で表される化合物である。
【0048】
XとYとの間の好ましい結合は二重結合である。
【0049】
好ましいRはC1〜6アルキルである。より好ましいRはメチルである。
【0050】
好ましいRはC1〜6アルキルである。より好ましいRはエチルである。
【0051】
好ましいR10は水素である。
【0052】
好ましいR11は水素である。
【0053】
好ましいArは、1〜3個の置換基[該置換基は、同一又は異なって、ハロゲン、C1〜3アルキル、C1〜3アルコキシ、C1〜3アルキルチオ、トリフルオロメチル及び−N(R12)R13(ここで、R12及びR13は、同一又は異なって、独立に、水素又はC1〜3アルキルである)からなる群から選択される]で置換されたフェニルである。より好ましいArは、2又は3個の置換基(該置換基は、同一又は異なって、ハロゲン又はC1〜3アルキルからなる群から選択される)で置換されたフェニルである。
【0054】
式[I]の化合物は、例えば、次の反応スキーム1〜3に示す工程によって製造できる(次の反応スキームで、R、R、R、R11及びArは前に定義した通りであり、L及びLは、同一又は異なって、クロロ、ブロモ、ヨード、メタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ、トルエンスルホニルオキシ又はトリフルオロメタンスルホニルオキシ基からなる群から選択され、Lは、クロロ、ブロモ又はヨードであり、RはC1〜6アルキルであり、RはC1〜6アルキルであり、Rは、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、アリール又はヘテロアリールであり、Rは、水素又はC1〜5アルキルである)。
【0055】
【化3】

【0056】
本発明の化合物である化合物(7)及び(8)は、反応スキーム1に示した方法によって調製できる。化合物(1)を、不活性溶媒中、塩基の存在下又は不存在下で、アミンをグアニジンへ変換するための試薬を使用することによって(2)へ転換できる。化合物(2)を、不活性溶媒中、塩基の存在下又は不存在下で化合物(3)で処理すると、化合物(4)を得ることができる。化合物(4)を、不活性溶媒中、又は溶媒を使用しないで、塩基の存在下又は不存在下で、ハロゲン化試薬又はスルホン化試薬を使用して、化合物(5)へ変換できる。化合物(5)を、不活性溶媒中、塩基の存在下又は不存在下で化合物(6)で処理して化合物(7)を形成できる。化合物(7)を、不活性溶媒中、酸化剤で処理すると、化合物(8)が得られる。化合物(7)[又は(8)]中のRが水素の場合、化合物(7)[又は(8)]を、不活性溶媒中、塩基の存在下又は不存在下でアルキル化試薬で処理すると、N−アルキル化化合物(R=C1〜6アルキル)を得ることができる。
【0057】
この場合、アミンをグアニジンに変換するための試薬には、例えば、シアナミド、S−アルキルチオウロニウム塩及びその誘導体、アミノイミノスルホン酸、3,5−ジメチルピラゾール−1−カルボキサミジン硝酸塩、ピラゾール−1−カルボキサミジン塩酸塩などが含まれる。塩基には、例えば、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリンなどのアミン類、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水素化ナトリウムなどの無機塩基類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシドなどの金属アルコラート類、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミドなどの金属アミド類、及びメチルマグネシウムブロミドなどのグリニャール試薬が含まれる。ハロゲン化試薬には、例えば、塩化ホスホリル、臭化ホスホリル、五塩化リン、三塩化リン、五臭化リン、三臭化リン、塩化チオニル、臭化チオニル、オキサリルクロリド、オキサリルブロミドなどが含まれる。スルホン化試薬には、例えば、p−トルエンスルホニルクロリド、メタンスルホニルクロリド、p−トルエンスルホン酸無水物、メタンスルホン酸無水物、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、N−フェニルビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)などが含まれる。酸化剤には、例えば、二酸化マンガン、過マンガン酸カリウム、パラジウムなどが含まれる。不活性溶媒には、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなどのアルコール類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類、ベンゼン、トルエンなどの炭化水素類、酢酸エチル、ギ酸エチルなどのエステル類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類、アセトニトリル、ジクロロメタン、クロロホルム、ジメチルスルホキシド、ピリジン、水、及びこれらの不活性溶媒から選択される溶媒の混合物が含まれる。
【0058】
【化4】

【0059】
本発明の化合物である化合物(15)は、反応スキーム2に示した方法によって調製できる。反応スキーム1に示したのと同様の方法で合成した化合物(2)を、不活性溶媒中、塩基の存在下又は不存在下で化合物(9)と反応させることによって、化合物(10)へ変換できる。化合物(10)を、不活性溶媒中、又は溶媒を使用しないで、塩基の存在下又は不存在下で、ハロゲン化試薬又はスルホン化試薬と処理すると、化合物(11)を得ることができる。化合物(11)を、不活性溶媒中、塩基の存在下又は不存在下で化合物(12)と反応させて化合物(13)を形成できる。化合物(13)のピリミジン環へのヨウ素原子の導入は、不活性溶媒中、ヨウ素、一塩化ヨウ素など、ヨウ素原子を導入するための通常の試薬を使用することによって行うことができる。化合物(14)を、不活性溶媒中、塩基及び配位子の存在下又は不存在下で、一酸化炭素雰囲気下で、酢酸パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)などのパラジウム触媒を使用して化合物(15)へ変換できる。この場合、その塩基には、例えば、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリンなどのアミン類、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水素化ナトリウムなどの無機塩基類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシドなどの金属アルコラート類、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミドなどの金属アミド類、及びメチルマグネシウムブロミドなどのグリニャール試薬が含まれる。ハロゲン化試薬には、例えば、塩化ホスホリル、臭化ホスホリル、五塩化リン、三塩化リン、五臭化リン、三臭化リン、塩化チオニル、臭化チオニル、オキサリルクロリド、オキサリルブロミドなどが含まれる。スルホン化試薬には、例えば、p−トルエンスルホニルクロリド、メタンスルホニルクロリド、p−トルエンスルホン酸無水物、メタンスルホン酸無水物、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、N−フェニルビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)などが含まれる。配位子には、例えば、トリフェニルホスフィン、1,3−ビス(ジフェニルホスホノ)プロパンなどが含まれる。不活性溶媒には、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなどのアルコール類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類、ベンゼン、トルエンなどの炭化水素類、酢酸エチル、ギ酸エチルなどのエステル類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類、アセトニトリル、ジクロロメタン、クロロホルム、ジメチルスルホキシド、ピリジン、水、及びこれらの不活性溶媒から選択される溶媒の混合物が含まれる。
【0060】
【化5】

【0061】
本発明の化合物である、化合物(19)、(21)、(23)、(25)、(26)、(28)、(29)、(30)、(32)、(34)、(35)、(36)、(37)、(38)及び(39)は、反応スキーム3に示した方法によって調製できる。化合物(2)は、反応スキーム1に示したのと同様の方法で調製できる。化合物(17)は、化合物(2)を、不活性溶媒中、塩基の存在下又は不存在下で化合物(16)と反応させることによって得られる。化合物(1)からの化合物(17)の調製はワンポットで連続的に実施できる。化合物(17)から化合物(18)への変換は、反応スキーム1の化合物(4)から化合物(5)への変換の場合と同様の方法で実施できる。化合物(18)を、不活性溶媒中、塩基の存在下又は不存在下でアミン(6)で処理すると、化合物(19)を得ることができる。化合物(19)を、不活性溶媒中、塩基及びアルキル化剤(20)で処理することによって化合物(21)へ転換できる。化合物(19)を、不活性溶媒中、塩基の存在下でアルデヒド(22)と反応させると、アルキリデン化合物(23)が得られた。化合物(25)は、不活性溶媒中、塩基の存在下で化合物(19)をイソシアナート(24)でアシル化することによって得ることができる。化合物(19)中のカルボニル基を、不活性溶媒中、還元剤で還元すると化合物(26)を得ることができる。化合物(28)は、アミン(27)及びホルムアルデヒドを使用する化合物(26)のマンニッヒ(Mannich)反応によって製造できる。化合物(19)からオキシム(29)への変換は、化合物(19)を、不活性溶媒中、酸の存在下又は不存在下で亜硝酸誘導体と反応させることによって実施できる。続いて、化合物(29)中のオキシム基を不活性溶媒中、還元剤で還元すると化合物(30)を得ることができる。化合物(30)中のアミノ基を、不活性溶媒中、アシル化剤(31)を使用してアシル化すると、化合物(32)を得ることができる。尿素誘導体(34)は、化合物(30)を、不活性溶媒中、イソシアナート(33)と反応させることによって製造できる。化合物(30)及びアルデヒド(22)の混合物を、不活性溶媒中、水素雰囲気下で水素化触媒の存在下で、又は還元剤の存在下で反応させると、化合物(35)を得ることができる。化合物(36)は、化合物(19)を、不活性溶媒中、酸化剤で酸化することによって得ることができる。化合物(36)を、不活性溶媒中、グリニャール試薬又はアルキルリチウムで処理すると、化合物(37)を得ることができる。化合物(37)を、不活性溶媒中、還元剤で還元すると、化合物(38)及び/又は化合物(39)を得ることができる。
【0062】
この場合、その塩基には、例えば、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エンなどのアミン類、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水素化ナトリウムなどの無機塩基類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシドなどの金属アルコラート類、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラザニド、ナトリウムヘキサメチルジシラザニド、カリウムヘキサメチルジシラザニドなどの金属アミド類が含まれる。酸には、例えば、硫酸、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸などの無機酸、酢酸、シュウ酸、乳酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、クエン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、エタンスルホン酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、ガラクタル酸、ナフタレン−2−スルホン酸などの有機酸が含まれる。還元剤には、例えば、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カルシウム、水素化トリエチルホウ素リチウム、水素化トリ−sec−ブチルホウ素リチウム、水素化トリ−sec−ブチルホウ素カリウム、水素化ホウ素亜鉛、ボラン、水素化トリメトキシホウ素リチウム、水素化トリアセトキシホウ素リチウム、水素化ホウ素テトラメチルアンモニウム、水素化アルミニウムリチウム、水素化アルミニウムナトリウム、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、トリクロロシランなどが含まれる。酸化剤には、例えば、二酸化マンガン、過マンガン酸カリウム、パラジウムなどが含まれる。水素化触媒には、例えば、パラジウム、ニッケルなどが含まれる。グリニャール試薬には、例えば、メチルマグネシウムアイオダイド、メチルマグネシウムブロミド、メチルマグネシウムクロリド、エチルマグネシウムブロミド、エチルマグネシウムクロリドが含まれる。アルキルリチウムには、例えば、メチルリチウム、エチルリチウム、ブチルリチウムなどが含まれる。亜硝酸誘導体には、例えば、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウムなどの亜硝酸塩、亜硝酸ブチル、亜硝酸イソブチル、亜硝酸イソアミルなどの有機亜硝酸誘導体が含まれる。不活性溶媒には、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなどのアルコール類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類、ベンゼン、トルエンなどの炭化水素類、酢酸エチル、ギ酸エチルなどのエステル類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類、アセトニトリル、ジクロロメタン、クロロホルム、ジメチルスルホキシド、ピリジン、水、及びこれらの不活性溶媒から選択される溶媒の混合物が含まれる。
【0063】
本発明の化合物は、不活性溶媒中で酸との塩に変換できる。その酸には、例えば、硫酸、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸などの無機酸、酢酸、シュウ酸、乳酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、クエン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、エタンスルホン酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、ガラクタル酸、ナフタレン−2−スルホン酸などの有機酸が含まれる。不活性溶媒には、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなどのアルコール類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類、ベンゼン、トルエンなどの炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類、酢酸エチル、ギ酸エチルなどのエステル類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、アセトニトリル、ジクロロメタン、クロロホルム、ジメチルスルホキシド、ピリジン、水、及びこれらの不活性溶媒から選択される溶媒の混合物が含まれる。
【0064】
本発明の化合物は、CRFが関連していると考えられる疾患のための治療又は予防薬として有用である。この目的のために、本発明の化合物は、慣用の増量剤、結合剤、崩壊剤、pH調整剤、溶媒などを添加することによる慣用の調合技術によって、錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、粉剤、液剤、乳剤、懸濁剤、注射剤などに製剤化できる。
【0065】
本発明の化合物は、成人患者に対して、1日当たり0.1〜500mgの投与量で、1回又は数回に分けて、経口又は非経口で投与できる。投与量は、疾患の種類、並びに患者の年齢、体重及び症状に応じて適宜増減できる。
【実施例】
【0066】
(発明の好ましい態様)
以下の例及び試験例を参照して本発明を具体的に説明するが、本発明はそれに限定されるものではない。
【0067】
参考例1
【化6】


(2−ブロモ−4−イソプロピル−フェニル)−[7−(2−メトキシ−エチル)−4−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2−イル]−アミンの合成
【0068】
(ステップ1)ディーンスターク装置を取り付けたフラスコ中で、2−ブロモ−4−イソプロピルアニリン(50g)及びシアナミド(39g)の混合物を、酢酸エチル(850ml)及びエタノール(110ml)中、室温で撹拌した。1M HClのエーテル中溶液を添加し、反応混合物を1時間撹拌した。エーテルを蒸留し、反応混合物を一夜、撹拌、還流した。反応混合物を室温まで冷却し、エーテル(1000ml)で希釈して固体を得た。固体を濾別し、アセトニトリルで洗浄し、乾燥して40gのN−(2−ブロモ−4−イソプロピル−フェニル)−グアニジン塩酸塩を得た。濾液を減圧下で濃縮し、残留物をアセトニトリルから結晶化し、生成物の第二画分(8g)を得た。
【0069】
(ステップ2)N−(2−ブロモ−4−イソプロピル−フェニル)−グアニジン塩酸塩(48g)、2−アセチルブチロラクトン(30g)及びトリエチルアミン(33g)の混合物を、エタノール(170ml)中、一夜、撹拌、還流した。溶媒を蒸発させ、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/7Mアンモニアメタノール溶液=95:5)で精製し、固体として2−(2−ブロモ−4−イソプロピル−フェニルアミノ)−5−(2−ヒドロキシ−エチル)−6−メチル−3H−ピリミジン−4−オン(25g)を得た。
【0070】
(ステップ3)2−(2−ブロモ−4−イソプロピル−フェニルアミノ)−5−(2−ヒドロキシ−エチル)−6−メチル−3H−ピリミジン−4−オン(23.5g)及びオキシ塩化リン(300ml)の混合物を60℃で一夜撹拌した。反応混合物を、減圧下で濃縮し、水で洗浄し、ジクロロメタンで抽出した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、溶媒を蒸発させた。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン=100)で精製し、固体として(2−ブロモ−4−イソプロピル−フェニル)−[4−クロロ−5−(2−クロロ−エチル)−6−メチル−ピリミジン−2−イル]−アミン(22g)を得た。
【0071】
(ステップ4)(2−ブロモ−4−イソプロピル−フェニル)−[4−クロロ−5−(2−クロロ−エチル)−6−メチル−ピリミジン−2−イル]−アミン(6g)及び2−メトキシエチルアミン(1.5g)の混合物を、ジオキサン(50ml)中、120℃で一夜撹拌した。溶媒を蒸発させ、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/メタノール=97:3)で精製し、(2−ブロモ−4−イソプロピル−フェニル)−[7−(2−メトキシ−エチル)−4−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2−イル]−アミン(3.6g)を得た。
【0072】
参考例2
【化7】


(2−ブロモ−4−イソプロピル−フェニル)−エチル−[7−(2−メトキシ−エチル)−4−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2−イル]−アミンの合成
【0073】
(2−ブロモ−4−イソプロピル−フェニル)−[7−(2−メトキシ−エチル)−4−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2−イル]−アミン(0.6g)、ヨードエタン(0.3g)及び水素化ナトリウム(0.3g)の混合物を、テトラヒドロフラン(20ml)中、60℃で4時間撹拌した。酢酸エチル(40ml)及び0.5M水酸化ナトリウム溶液(40ml)を添加した。有機層を分液し、水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を、水で洗浄し、分液し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、溶媒を蒸発させた。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/メタノール=97:3)で精製し、(2−ブロモ−4−イソプロピル−フェニル)−エチル−[7−(2−メトキシ−エチル)−4−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2−イル]−アミン(0.46g)を得た。
【0074】
(例1)
【化8】


(2−ブロモ−4−イソプロピル−フェニル)−[7−(2−メトキシ−エチル)−4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2−イル]−アミン(1−010)の合成
【0075】
(2−ブロモ−4−イソプロピル−フェニル)−[7−(2−メトキシ−エチル)−4−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2−イル]−アミン(1.7g)及び酸化マンガン(IV)(1.5g)の混合物を、ジオキサン(25ml)中で4時間、撹拌、還流した。反応混合物を冷却し、デカライト(decalite)を通して濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/メタノール=99:1)で精製し、(2−ブロモ−4−イソプロピル−フェニル)−[7−(2−メトキシ−エチル)−4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2−イル]−アミン(0.31g)を得た。
【0076】
(例2)
【化9】


(2−ブロモ−4−イソプロピル−フェニル)−エチル−[7−(1−エチル−プロピル)−4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2−イル]−アミン(1−003)の合成
【0077】
(2−ブロモ−4−イソプロピル−フェニル)−エチル−[7−(1−エチル−プロピル)−4−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2−イル]−アミン(0.4g)及び酸化マンガン(IV)(0.4g)の混合物を、ジオキサン(10ml)中で3時間、撹拌、還流した。反応混合物を冷却し、デカライトを通して濾過した。濾液を、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/メタノール=99:1)で精製し、(2−ブロモ−4−イソプロピル−フェニル)−エチル−[7−(1−エチル−プロピル)−4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2−イル]−アミン(0.37g)を得た。
【0078】
(例3)
【化10】


(2−ブロモ−4−イソプロピル−フェニル)−エチル−[7−(2−メトキシ−エチル)−4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2−イル]−アミン(1−002)の合成
【0079】
(2−ブロモ−4−イソプロピル−フェニル)−[7−(2−メトキシ−エチル)−4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2−イル]−アミン(0.9g)、ヨードエタン(0.4g)及び水素化ナトリウム(0.4g)の混合物を、テトラヒドロフラン(20ml)中、60℃で4時間撹拌した。酢酸エチル(50ml)及び0.5M水酸化ナトリウム溶液(50ml)を添加した。有機層を分液し、水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を、水で洗浄し、分液し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、溶媒を蒸発させた。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/メタノール=98:2)で精製し、(2−ブロモ−4−イソプロピル−フェニル)−エチル−[7−(2−メトキシ−エチル)−4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2−イル]−アミン(0.32g)を得た。
【0080】
(例4)
【化11】


7−(1−エチル−プロピル)−4−メチル−2−(2,4,6−トリメチル−フェニルアミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5,6−ジオン(4−002)の合成
【0081】
(ステップ1)は(参考例1、ステップ1)と同様である。
【0082】
(ステップ2)N−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−グアニジン塩酸塩(14.8g)、アセト酢酸エチル(39g)及び炭酸カリウム(14g)の混合物を、エタノール(300ml)中で16時間、撹拌、還流した。溶媒を蒸発させ、残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/メタノール=98:2)で精製した。生成物をヘキサンから結晶化し、濾過、乾燥して、6−メチル−2−(2,4,6−トリメチル−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−オール(15g)を得た。
【0083】
(ステップ3)6−メチル−2−(2,4,6−トリメチル−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−オール(15g)及びオキシ塩化リン(200ml)の混合物を16時間、撹拌、還流した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残留物をジクロロメタンに溶解した。水を添加し、混合物を炭酸カリウムでアルカリ性とした。有機層を、水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、蒸発させた。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン=100)で精製し、(4−クロロ−6−メチル−ピリミジン−2−イル)−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミン(11g)を得た。
【0084】
(ステップ4)(4−クロロ−6−メチル−ピリミジン−2−イル)−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミン(7.5g)、3−エチル−プロピルアミン(3.5g)及び炭酸カリウム(3.5g)の混合物を、アセトニトリル中、125℃で2日間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残留物を水に溶解し、ジクロロメタンで抽出した。有機層を、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過した。濾液を、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/7Mアンモニアメタノール溶液=98:2)で精製した。生成物をイソプロピルエーテルから結晶化し、濾過、乾燥して、N−(1−エチル−プロピル)−6−メチル−N−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−ピリミジン−2,4−ジアミン(3.1g)を得た。
【0085】
(ステップ5)N−(1−エチル−プロピル)−6−メチル−N−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−ピリミジン−2,4−ジアミン(3.1g)のメタノール(30ml)溶液に、室温で、1M一塩化ヨウ素ジクロロメタン溶液(10ml)を滴加した。反応混合物を1時間撹拌し、減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/メタノール=98:2)で精製し、イソプロピルエーテルから結晶化し、濾過、乾燥して、N−(1−エチル−プロピル)−5−ヨード−6−メチル−N−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−ピリミジン−2,4−ジアミン(2.6g)を得た。
【0086】
(ステップ6)N−(1−エチル−プロピル)−5−ヨード−6−メチル−N−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−ピリミジン−2,4−ジアミン(0.5g)、酢酸パラジウム(II)(0.02g)、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(0.08g)及びトリエチルアミン(1g)の混合物を、テトラヒドロフラン(50ml)中、60気圧のCO下、75℃で16時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/メタノール=95:5)で精製し、7−(1−エチル−プロピル)−4−メチル−2−(2,4,6−トリメチル−フェニルアミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5,6−ジオン(0.12g)を得た。
【0087】
(例5)
【化12】


7−(1−エチル−プロピル)−2−[エチル−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミノ]−4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5,6−ジオン(4−001)の合成
【0088】
(ステップ1及びステップ2)エチル−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミン(50g)及びシアナミド(21g)の混合物を、N−メチルピロリドン(50ml)中、150℃で1時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却した。エタノール(500ml)、アセト酢酸エチル(65g)及び炭酸カリウム(37g)を添加し、混合物を16時間、撹拌、還流した。溶媒を蒸発させ、残留物を、水に溶解し、酢酸エチルで抽出(2×)した。合わせた有機層を、水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で濃縮した。残留物をイソプロピルエーテルから結晶化し、濾過、乾燥して、2−[エチル−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミノ]−6−メチル−ピリミジン−4−オール(29g)を得た。濾液を減圧下で濃縮し、逆相カラムクロクロマトグラフィー(溶離液:酢酸アンモニウム/アセトニトリル)で精製して、生成物の第二画分(7.7g)を得た。
【0089】
(ステップ3)2−[エチル−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミノ]−6−メチル−ピリミジン−4−オール(2.7g)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.6g)の混合物を、ジクロロメタン(100ml)中、窒素下で0℃で撹拌した。トリフルオロメタンスルホン酸無水物(3.4g)を滴加した。反応混合物を室温に戻し、1時間撹拌した。水を添加し、有機層を、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、蒸発させて、トリフルオロメタンスルホン酸2−[エチル−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミノ]−6−メチル−ピリミジン−4−イルエステル(4.1g)を得た。
【0090】
(ステップ4)は(例4のステップ4)と同様である。
【0091】
(ステップ5)は(例4のステップ5)と同様である。
【0092】
(ステップ6)N−エチル−N−(1−エチル−プロピル)−5−ヨード−6−メチル−N−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−ピリミジン−2,4−ジアミン(0.5g)、酢酸パラジウム(II)(0.02g)、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(0.08g)及びジエチルアミン(25ml)の混合物を、テトラヒドロフラン(50ml)中、60気圧のCO下、75℃で16時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/メタノール=95:5)で精製し、N,N−ジエチル−2−{4−(1−エチル−プロピルアミノ)−2−[エチル−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミノ]−6−メチル−ピリミジン−5−イル}−2−オキソ−アセトアミド(0.2g)を得た。
【0093】
(ステップ7)N,N−ジエチル−2−{4−(1−エチル−プロピルアミノ)−2−[エチル−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミノ]−6−メチル−ピリミジン−5−イル}−2−オキソ−アセトアミド(0.05g)及び6M塩酸2−プロパノール溶液(1ml)を150℃で30分間撹拌した。生成物を逆相カラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸アンモニウム/アセトニトリル)で精製し、7−(1−エチル−プロピル)−2−[エチル−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミノ]−4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5,6−ジオン(0.006g)を得た。
【0094】
(例6)
【化13】


7−(1−エチル−プロピル)−2−[エチル−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミノ]−4−メチル−5,7−ジヒドロ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−オン(3−001)の合成
【0095】
(ステップ1及びステップ2)エチル−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミン(50g)及びシアナミド(21g)の混合物を、N−メチルピロリドン(50ml)中、150℃で1時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却した。エタノール(1000ml)、アセチルコハク酸ジエチル(65g)及び炭酸カリウム(74g)を添加し、混合物を16時間、撹拌、還流した。アセチルコハク酸ジエチル(65g)を再び追加し、反応混合物を24時間、撹拌、還流した。6M塩酸2−プロパノール溶液を添加し、混合物を60℃で24時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、水を添加した。混合物を炭酸カリウム溶液でアルカリ性とし、酢酸エチルで抽出した。有機層を、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/メタノール=95:5)で精製し、{2−[エチル−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミノ]−4−ヒドロキシ−6−メチル−ピリミジン−5−イル}−酢酸エチルエステル(78g)を得た。
【0096】
(ステップ3)は(例5のステップ3)と同様である。
【0097】
(ステップ4){2−[エチル−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミノ]−4−メチル−6−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−ピリミジン−5−イル}−酢酸エチルエステル(10g)、1−エチル−プロピルアミン(4g)及び炭酸カリウム(4g)の混合物を、アセトニトリル(100ml)中、125℃で72時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残留物を水に溶解し、ジクロロメタンで抽出した。有機層を、硫酸マグネシウム上で乾燥し、蒸発させて、7−(1−エチル−プロピル)−2−[エチル−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミノ]−4−メチル−5,7−ジヒドロ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−オン(8g)を得た。
【0098】
(例7)
【化14】


5−エチル−7−(1−エチル−プロピル)−2−[エチル−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミノ]−5−ヒドロキシ−4−メチル−5,7−ジヒドロ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−オン(3−020)の合成
【0099】
(ステップ1)7−(1−エチル−プロピル)−2−[エチル−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミノ]−4−メチル−5,7ジヒドロ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−オン(0.6g)及び酸化マンガン(IV)(0.5g)の混合物を、ジクロロメタン(2ml)中、室温で16時間撹拌した。反応混合物を、デカライトを通して濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、7−(1−エチル−プロピル)−2−[エチル−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミノ]−4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5,6−ジオン(0.1g)を得た。
【0100】
(ステップ2)7−(1−エチル−プロピル)−2−[エチル−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミノ]−4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5,6−ジオン(0.15g)のテトラヒドロフラン(1.5ml)溶液を、窒素下で−20℃で撹拌した。1Mエチルマグネシウムブロミドテトラヒドロフラン溶液(0.5ml)を添加した。反応混合物を室温に戻し、1時間撹拌した。塩化アンモニウム溶液(1ml)を添加し、生成物をジクロロメタンで抽出した。有機層を、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を逆相カラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸アンモニウム/アセトニトリル)で精製し、5−エチル−7−(1−エチル−プロピル)−2−[エチル−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミノ]−5−ヒドロキシ−4−メチル−5,7−ジヒドロ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−オン(0.034g)を得た。
【0101】
(例8)
【化15】


エチル−[7−(1−エチル−プロピル)−4,5−ジメチル−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2−イル]−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミン(2−001)及びエチル−[7−(1−エチル−プロピル)−4,5−ジメチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2−イル]−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミン(1−015)の合成
【0102】
例7と同様の方法で調製した7−(1−エチル−プロピル)−2−[エチル−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミノ]−5−ヒドロキシ−4,5−ジメチル−5,7−ジヒドロ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−オン(0.8g)を、テトラヒドロフラン(20ml)中、窒素下で0℃で撹拌した。ボラン−テトラヒドロフラン錯体の1Mテトラヒドロフラン溶液(14ml)を添加し、反応混合物を16時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、水及び炭酸カリウムを添加し、生成物をジクロロメタンで抽出した。有機層を、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を逆相カラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸アンモニウム/アセトニトリル)で精製し、エチル−[7−(1−エチル−プロピル)−4,5−ジメチル−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2−イル]−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミン(0.035g)及びエチル−[7−(1−エチル−プロピル)−4,5−ジメチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2−イル]−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミン(0.011g)を得た。
【0103】
(例9)
【化16】


7−(1−エチル−プロピル)−2−[エチル−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミノ]−4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5,6−ジオン−5−オキシム(6−001)の合成
【0104】
7−(1−エチル−プロピル)−2−[エチル−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミノ]−4−メチル−5,7−ジヒドロ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−オン(1.3g)の酢酸(20ml)溶液を室温で撹拌した。亜硝酸ナトリウム(0.5g)を添加し、3滴の水を添加した。反応混合物を1時間撹拌し、水に注入し、ジクロロメタンで抽出した。有機層を、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、蒸発させて、幾何異性体の混合物として7−(1−エチル−プロピル)−2−[エチル−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミノ]−4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5,6−ジオン−5−オキシム(1.4g)を得た。
【0105】
(例10)
【化17】


N−{7−(1−エチル−プロピル)−2−[エチル−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミノ]−4−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル}−プロピオンアミド(3−005)の合成
【0106】
(ステップ1)7−(1−エチル−プロピル)−2−[エチル−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミノ]−4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5,6−ジオン5−オキシム(0.5g)を、テトラヒドロフラン(50ml)中、ラネーニッケルで水素化した。反応混合物をデカライトを通して濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、5−アミノ−7−(1−エチル−プロピル)−2−[エチル−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミノ]−4−メチル−5,7−ジヒドロ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−オン(0.5g)を得た。
【0107】
(ステップ2)5−アミノ−7−(1−エチル−プロピル)−2−[エチル−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミノ]−4−メチル−5,7−ジヒドロ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−オン(0.15g)、塩化プロピオニル(0.055g)及びトリエチルアミン(0.1g)の混合物を、ジクロロメタン(2ml)中、室温で16時間撹拌した。水を添加し、生成物をジクロロメタンで抽出した。有機層を、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を逆相カラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸アンモニウム/アセトニトリル)で精製し、N−{7−(1−エチル−プロピル)−2−[エチル−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミノ]−4−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル}−プロピオンアミド(0.034g)を得た。
【0108】
(例11)
【化18】


1−{7−(1−エチル−プロピル)−2−[エチル−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミノ]−4−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル}−3−イソプロピル−ウレア(3−007)の合成
【0109】
5−アミノ−7−(1−エチル−プロピル)−2−[エチル−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミノ]−4−メチル−5,7−ジヒドロ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−オン(0.15g)、2−イソシアナト−プロパン(0.042g)、ジメチルアミノプロピルアミン(触媒量)の混合物を、ジオキサン(3ml)中、室温で16時間撹拌した。水を添加し、生成物をジクロロメタンで抽出した、有機層を、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を逆相カラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸アンモニウム/アセトニトリル)で精製し、1−{7−(1−エチル−プロピル)−2−[エチル−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミノ]−4−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イル}−3−イソプロピル−ウレア(0.015g)を得た。
【0110】
(例12)
【化19】


5−ジメチルアミノ−7−(1−エチル−プロピル)−2−[エチル−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミノ]−4−メチル−5,7−ジヒドロ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−オン(3−010)の合成
【0111】
5−アミノ−7−(1−エチル−プロピル)−2−[エチル−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミノ]−4−メチル−5,7−ジヒドロ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−オン(0.1g)、パラホルムアルデヒド(0.1g)、10%パラジウム担持活性炭(0.1g)及び4%チオフェン−ジイソプロピルエーテル溶液(0.1ml)の混合物を、メタノール(40ml)中、50℃で水素化した。反応混合物を、デカライトを通して濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。水を添加し、生成物をジクロロメタンで抽出した。有機層を、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を逆相カラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸アンモニウム/アセトニトリル)で精製し、5−ジメチルアミノ−7−(1−エチル−プロピル)−2−[エチル−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミノ]−4−メチル−5,7−ジヒドロ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−オン(0.013g)を得た。
【0112】
(例13)
【化20】


7−(1−エチル−プロピル)−2−[エチル−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミノ]−4,5,5−トリメチル−5,7−ジヒドロ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−オン(3−009)の合成
【0113】
7−(1−エチル−プロピル)−2−[エチル−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミノ]−4−メチル−5,7−ジヒドロ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−オン(0.15g)及び50%水素化ナトリウム(0.04g)の混合物を、テトラヒドロフラン中、室温で15分間撹拌した。ヨードメタン(0.12g)を添加し、反応混合物を1時間撹拌した。水を添加し、生成物をジクロロメタンで抽出した。有機層を、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を逆相カラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸アンモニウム/アセトニトリル)で精製し、7−(1−エチル−プロピル)−2−[エチル−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミノ]−4,5,5−トリメチル−5,7ジヒドロ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−オン(0.004g)を得た。
【0114】
(例14)
【化21】


5,5−ジエチル−7−(1−エチル−プロピル)−2−[エチル−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミノ]−4−メチル−5,7−ジヒドロ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−オン(3−018)の合成
【0115】
7−(1−エチル−プロピル)−2−[エチル−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミノ]−4−メチル−5,7−ジヒドロ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−オン(0.015g)及びナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドの混合物を、ジオキサン(2ml)中、窒素下で室温で15分間撹拌した。ブロモエタン(0.087g)を添加し、反応混合物を60℃で1時間撹拌した。水を添加し、生成物をジクロロメタンで抽出した。有機層を、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を逆相カラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸アンモニウム/アセトニトリル)で精製し、5,5−ジエチル−7−(1−エチル−プロピル)−2−[エチル−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミノ]−4−メチル−5,7−ジヒドロ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−オン(0.018g)を得た。
【0116】
(例15)
【化22】


7−(1−エチル−プロピル)−2−[エチル−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミノ]−5−イソブチリデン−4−メチル−5,7−ジヒドロ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−オン(5−001)の合成
【0117】
7−(1−エチル−プロピル)−2−[エチル−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミノ]−4−メチル−5,7−ジヒドロ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−オン(0.15g)、イソブチルアルデヒド(0.057g)及びピペリジンの混合物を、ジオキサン(1.5ml)中、65℃で16時間撹拌した。水を添加し、生成物をジクロロメタンで抽出した。有機層を、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を逆相カラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸アンモニウム/アセトニトリル)で精製し、幾何異性体の混合物として7−(1−エチル−プロピル)−2−[エチル−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミノ]−5−イソブチリデン−4−メチル−5,7−ジヒドロ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−オン(0.071g)を得た。
【0118】
(例16)
【化23】


7−(1−エチル−プロピル)−2−[エチル−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミノ]−4−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−カルボン酸イソプロピルアミド(3−022)の合成
【0119】
7−(1−エチル−プロピル)−2−[エチル−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミノ]−4−メチル−5,7−ジヒドロ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−オン(0.15g)、2−イソシアナトプロパン(0.042g)及びナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドの混合物を、ジオキサン(2ml)中、85℃で16時間撹拌した。水を添加し、生成物をジクロロメタンで抽出した。有機層を、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を逆相カラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸アンモニウム/アセトニトリル)で精製し、7−(1−エチル−プロピル)−2−[エチル−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミノ]−4−メチル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−カルボン酸イソプロピルアミド(0.114g)を得た。
【0120】
(例17)
【化24】


エチル−[7−(1−エチル−プロピル)−4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2−イル]−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミン(1−008)の合成
【0121】
(ステップ1)7−(1−エチル−プロピル)−2−[エチル−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミノ]−4−メチル−5,7−ジヒドロ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−オン(1g)のテトラヒドロフラン(20ml)溶液を窒素下で0℃で撹拌した。1Mボラン−テトラヒドロフラン錯体テトラヒドロフラン溶液(12.5ml)を滴下し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。メタノール/酢酸(1:1)を添加し、溶媒を蒸発させた。残留物を、水に溶解し、炭酸カリウムでアルカリ性とし、ジクロロメタンで抽出した。有機層を、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、エチル−[7−(1−エチル−プロピル)−4−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2−イル]−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミン(60%)及びエチル−[7−(1−エチル−プロピル)−4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2−イル]−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミン(32%)の混合物(1g)を得た。残留物は、さらなる精製なしで使用した。
【0122】
(ステップ2)エチル−[7−(1−エチル−プロピル)−4−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2−イル]−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミン(60%)とエチル−[7−(1−エチル−プロピル)−4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2−イル]−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミン(32%)(1g)と酸化マンガン(IV)(5g)との混合物を、ジクロロメタン中、室温で76時間撹拌した。反応混合物をデカライトを通して濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/メタノール=98:2)で精製し、エチル−[7−(1−エチル−プロピル)−4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2−イル]−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミン(0.119g)及び7−(1−エチル−プロピル)−2−[エチル−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミノ]−4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5,6−ジオンを得た。
【0123】
(例18)
【化25】


[5−ジメチルアミノメチル−7−(1−エチル−プロピル)−4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2−イル]−エチル−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミン(1−014)の合成
【0124】
37重量%ホルムアルデヒド溶液(0.5ml)を室温で撹拌した。ジメチルアミン水を添加し、反応混合物を15分間撹拌した。エチル−[7−(1−エチル−プロピル)−4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2−イル]−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミン(0.05g)のメタノール(0.5ml)中溶液を添加し、反応混合物を60℃で3時間撹拌した。水を添加し、生成物をジクロロメタンで抽出した。有機層を、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を逆相カラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸アンモニウム/アセトニトリル)で精製し、[5−ジメチルアミノメチル−7−(1−エチル−プロピル)−4−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2−イル]−エチル−(2,4,6−トリメチル−フェニル)−アミン(0.015g)を得た。
【0125】
表1〜6に、例1〜20で得られた化合物、及び例1〜20と同様の手順で得られた化合物を列挙する。
【0126】
【表1−1】


【表1−2】


*1:Com.No.=化合物番号、Ex.No.=例番号、MS=質量スペクトル、ESI=エレクトロスプレーイオン化、EI=電子イオン化、Me=メチル、Et=エチル、R.T.=HPLC保持時間、HPLC条件:Capcell Pak UG120、4.6mm×150mm(資生堂)、流速:1.0ml/分、移動相:アセトニトリル/0.05M酢酸アンモニウム水溶液(80:20)、溶媒のpHはアンモニア水又は酢酸で7.4に調整した。
【0127】
【表2】


*1:Com.No.=化合物番号、Ex.No.=例番号、Me=メチル、Et=エチル、MS=質量スペクトル、ESI=エレクトロスプレーイオン化、EI=電子イオン化、R.T.=HPLC保持時間、HPLC条件:Capcell Pak UG120、4.6mm×150mm(資生堂)、流速:1.0ml/分、移動相:アセトニトリル/0.05M酢酸アンモニウム水溶液(80:20)、溶媒のpHはアンモニア水又は酢酸で7.4に調整した。
【0128】
【表3−1】


【表3−2】


【表3−3】


*1:Com.No.=化合物番号、Ex.No.=例番号、Me=メチル、Et=エチル、MS=質量スペクトル、ESI=エレクトロスプレーイオン化、EI=電子イオン化、R.T.=HPLC保持時間、HPLC条件:Capcell Pak UG120、4.6mm×150mm(資生堂)、流速:1.0ml/分、移動相:アセトニトリル/0.05M酢酸アンモニウム水溶液(80:20)、溶媒のpHはアンモニア水又は酢酸で7.4に調整した。
*2:HPLC条件:X Terra MS C18 2.5μm、4.6mm×50mm(Waters)、流速:1.2ml/分、移動相:A=0.5%酢酸アンモニウム−HO/CHCN(90/10)溶液;B=メタノール;C=アセトニトリル;グラジエント:開始:90%A+10%B;終わり:10%A+90%C。
【0129】
【表4】


*1:Com.No.=化合物番号、Ex.No.=例番号、Me=メチル、Et=エチル、MS=質量スペクトル、ESI=エレクトロスプレーイオン化、R.T.=HPLC保持時間、HPLC条件:Capcell Pak UG120、4.6mm×150mm(資生堂)、流速:1.0ml/分、移動相:アセトニトリル/0.05M酢酸アンモニウム水溶液(80:20)、溶媒のpHはアンモニア水又は酢酸で7.4に調整した。
【0130】
【表5】


*1:Com.No.=化合物番号、Ex.No.=例番号、Me=メチル、Et=エチル、MS=質量スペクトル、ESI=エレクトロスプレーイオン化、R.T.=HPLC保持時間、HPLC条件:Capcell Pak UG120、4.6mm×150mm(資生堂)、流速:1.0ml/分、移動相:アセトニトリル/0.05M酢酸アンモニウム水溶液(80:20)、溶媒のpHはアンモニア水又は酢酸で7.4に調整した。
【0131】
【表6】


*1:Com.No.=化合物番号、Ex.No.=例番号、Me=メチル、Et=エチル、MS=質量スペクトル、ESI=エレクトロスプレーイオン化、R.T.=HPLC保持時間、HPLC条件:Capcell Pak UG120、4.6mm×150mm(資生堂)、流速:1.0ml/分、移動相:アセトニトリル/0.05M酢酸アンモニウム水溶液(80:20)、溶媒のpHはアンモニア水又は酢酸で7.4に調整した。
【0132】
試験例[CRF受容体結合試験]
受容体標本としてサル小脳扁桃膜を使用した。
【0133】
125I−標識化リガンドとして125I−CRFを使用した。
【0134】
125I−標識化リガンドを使用する結合反応は、Journal of Neuroscience、7巻、88頁(1987年)に記載されている次の方法によって実施した。
【0135】
受容体膜の調製
サル小脳扁桃を、10mMのMgCl、2mMのEDTAを含有する50mMのTris−HCl緩衝液(pH7.0)中でホモジナイズし、48,000×gで20分間遠心し、沈殿物をTris−HCl緩衝液で1回洗浄した。洗浄した沈殿を、10mMのMgCl、2mMのEDTA、0.1%のウシ血清アルブミン及び100カリクレイン単位/mlのアプロチニンを含有する50mMのTris−HCl緩衝液(pH7.0)中に懸濁し、膜標本を得た。
【0136】
CRF受容体結合試験
膜標本(0.3mgタンパク質/ml)、125I−CRF(0.2nM)及び供試薬剤を25℃で2時間反応させた。反応完結後、反応混合物を、0.3%ポリエチレンイミンで処理したガラスフィルター(GF/C)を通して吸引で濾過し、次いで、ガラスフィルターを、0.01%Triton X−100を含むリン酸塩緩衝化食塩水で3回洗浄した。洗浄後、フィルターペーパーの放射能をガンマ計数管で測定した。
【0137】
1μMのCRFの存在下で反応を実施した場合、拘束された125I−CRFの量は、125I−CRFの非特異的結合度と解釈され、125I−CRFの総結合度と125I−CRFの非特異的結合度との差は、125I−CRFの特異的結合度と解釈された。上記の条件下で一定濃度(0.2nM)の125I−CRFを様々な濃度の各供試薬剤と反応させることによって、阻害曲線を得た。阻害曲線から、125I−CRFの結合を50%阻害する供試薬剤の濃度(IC50)を判定した。
【0138】
その結果、200nM以下のIC50値を有する典型的な化合物として、化合物1−003、1−004、1−008及び1−011を例示できることがわかった。
【0139】
本発明により、CRF受容体に対して高い親和性を有する化合物が提供された。これらの化合物は、うつ症、不安症、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、摂食障害、高血圧、消化器疾患、薬物依存症、脳梗塞、脳虚血、脳浮腫、頭部外傷、炎症、免疫関連疾患、脱毛症、過敏性腸症候群、睡眠障害、てんかん、皮膚炎、統合失調症、疼痛など、CRFが関連していると考えられる疾患に対して有効である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次式[I]で表されるピロロピリミジン誘導体、その個々の異性体又はその異性体のラセミ若しくは非ラセミ混合物、或いは薬学上許容されるその塩及び水和物、
【化1】


(式中、
は、C1〜9アルキル、C2〜9アルケニル、C3〜7シクロアルキル、C3〜7シクロアルキル−C1〜9アルキル、ジ(C3〜7シクロアルキル)−C1〜9アルキル、C1〜6アルコキシ−C1〜9アルキル、ジ(C1〜6アルコキシ)−C1〜9アルキル、ヒドロキシ−C1〜9アルキル、シアノ−C1〜9アルキル、カルバモイル−C1〜9アルキル、ジ(C1〜6アルキル)アミノ−C1〜9アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール−C1〜9アルキル又はヘテロアリール−C1〜9アルキルであり、ここで、該アリール及びヘテロアリールは、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキルチオ、C1〜6アルキルスルホニル、アミノスルホニル、モノ(C1〜6アルキル)アミノスルホニル、ジ(C1〜6アルキル)アミノスルホニル、ハロゲン、C1〜6ハロアルキル、シアノ、ニトロ、−NR1a1bからなる群から独立に選択される1〜3個の置換基で任意選択的に置換され、ここでR1a及びR1bは、水素、C1〜6アルキル及びC1〜6アルキルカルボニルからなる群からそれぞれ独立に選択され、
は、C1〜6アルキル又はC1〜6ハロアルキルであり、
は、水素、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜7シクロアルキル、C3〜7シクロアルキル−C1〜6アルキル、ベンジルであり、
XとYの間の結合は単結合又は二重結合であり、
ここで、(1)XとYの間の結合が単結合である場合には、XはCR又はC=Oであり、YはCR、C=O、C=N−OR又はC=CH−Rであり、(2)XとYの間の結合が二重結合である場合には、XはCR10であり、YはCR11であり、
及びRは、同一又は異なって、独立に、水素又はC1〜6アルキルであり、
及びRは、同一又は異なって、独立に、水素、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、ヒドロキシ、C1〜6アルキルアミノ、ジ(C1〜6アルキル)アミノ、ジ(C1〜6アルキル)アミノ−C1〜6アルキル、C1〜6アルキルカルボニルアミノ、C3〜6シクロアルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニルアミノ、C1〜6アルキルアミノカルボニル又はC1〜6アルキルアミノカルボニルアミノであるか、或いはRとRは一緒になってC3〜6シクロアルキルを形成し、但し、CRとCRが共にCHであることはなく、
は、水素又はC1〜6アルキルであり、
は、C1〜6アルキル、C3〜6シクロアルキル、アリール又はヘテロアリールであり、ここで、該アリール及びヘテロアリールは、ハロゲン又はC1〜6アルキルからなる群から独立に選択される1〜3個の置換基で任意選択的に置換され、
10は、水素又はC1〜6アルキルであり、
11は、水素、C1〜6アルキル又はジ(C1〜6アルキル)アミノ−C1〜6アルキルであり、
Arは、非置換の又は1個若しくは複数の置換基で置換されたアリール又はヘテロアリールであり、該置換基は、同一又は異なって、ハロゲン、C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキルチオ、C1〜6アルキルスルホニル、アミノスルホニル、モノ(C1〜6アルキル)アミノスルホニル、ジ(C1〜6アルキル)アミノスルホニル、シアノ、C1〜6ハロアルキル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、フルオロメトキシ及び−N(R12)R13からなる群から選択され、ここで、R12及びR13は、同一又は異なって、独立に、水素又はC1〜6アルキルである)。
【請求項2】
次式[II]で表される請求項1に記載のピロロピリミジン誘導体、その個々の異性体又はその異性体のラセミ若しくは非ラセミ混合物、或いは薬学上許容されるその塩及び水和物、
【化2】


(式中、
は、C1〜9アルキル、C2〜9アルケニル、C3〜7シクロアルキル、C3〜7シクロアルキル−C1〜9アルキル、ジ(C3〜7シクロアルキル)−C1〜9アルキル、C1〜6アルコキシ−C1〜9アルキル、ジ(C1〜6アルコキシ)−C1〜9アルキル、ヒドロキシ−C1〜9アルキル、シアノ−C1〜9アルキル、カルバモイル−C1〜9アルキル、ジ(C1〜6アルキル)アミノ−C1〜9アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール−C1〜9アルキル又はヘテロアリール−C1〜9アルキルであり、ここで、該アリール及びヘテロアリールは、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキルチオ、C1〜6アルキルスルホニル、アミノスルホニル、モノ(C1〜6アルキル)アミノスルホニル、ジ(C1〜6アルキル)アミノスルホニル、ハロゲン、C1〜6ハロアルキル、シアノ、ニトロ、−NR1a1bからなる群から独立に選択される1〜3個の置換基で任意選択的に置換され、ここでR1a及びR1bは、水素、C1〜6アルキル及びC1〜6アルキルカルボニルからなる群からそれぞれ独立に選択され、
は、C1〜6アルキル又はC1〜6ハロアルキルであり、
は、水素、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜7シクロアルキル、C3〜7シクロアルキル−C1〜6アルキル、ベンジルであり、
10は、水素又はC1〜6アルキルであり、
11は、水素、C1〜6アルキル又はジ(C1〜6アルキル)アミノ−C1〜6アルキルであり、
Arは、非置換の又は1個若しくは複数の置換基で置換されたアリール又はヘテロアリールであり、該置換基は、同一又は異なって、ハロゲン、C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキルチオ、C1〜6アルキルスルホニル、アミノスルホニル、モノ(C1〜6アルキル)アミノスルホニル、ジ(C1〜6アルキル)アミノスルホニル、シアノ、ハロC1〜6アルキル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、フルオロメトキシ及び−N(R12)R13からなる群から選択され、ここで、R12及びR13は、同一又は異なって、独立に、水素又はC1〜6アルキルである)。
【請求項3】
式[II]において、Rは、C1〜9アルキル、C3〜7シクロアルキル、C3〜7シクロアルキル−C1〜6アルキル、ジ(C3〜7シクロアルキル)−C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ−C1〜6アルキル、ジ(C1〜6アルコキシ)−C1〜6アルキル、ヒドロキシ−C1〜6アルキル、シアノ−C1〜6アルキル、カルバモイル−C1〜6アルキル、ジ(C1〜6アルキル)アミノ−C1〜6アルキル、アリール−C1〜6アルキル又はヘテロアリール−C1〜6アルキルであり、RはC1〜6アルキルであり、Rは、水素又はC1〜6アルキルであり、R10は、水素又はC1〜6アルキルであり、R11は、水素、C1〜6アルキル又はジ(C1〜6アルキル)アミノC1〜6アルキルであり、Arは、非置換の又は1〜3個の置換基で置換されたアリール又はヘテロアリールであり、該置換基は、同一又は異なって、ハロゲン、C1〜6アルキル、C3〜7シクロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキルチオ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、フルオロメトキシ及び−N(R12)R13からなる群から選択され、ここで、R12及びR13は、同一又は異なって、独立に、水素又はC1〜6アルキルである、請求項2に記載のピロロピリミジン誘導体、その個々の異性体又はその異性体のラセミ若しくは非ラセミ混合物、或いは薬学上許容されるその塩及び水和物。
【請求項4】
式[II]において、Rは、C1〜9アルキル、C3〜7シクロアルキル、C3〜7シクロアルキル−C1〜6アルキル、ジ(C3〜7シクロアルキル)−C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ−C1〜6アルキル、ジ(C1〜6アルコキシ)−C1〜6アルキル又はアリール−C1〜6アルキルであり、RはC1〜6アルキルであり、Rは、水素又はC1〜6アルキルであり、R10は、水素又はC1〜6アルキルであり、R11は、水素又はC1〜6アルキルであり、Arは、非置換の又は1〜3個の置換基で置換されたフェニルであり、該置換基は、同一又は異なって、ハロゲン、C1〜3アルキル、C1〜3アルコキシ、C1〜3アルキルチオ、トリフルオロメチル及び−N(R12)R13からなる群から選択され、ここで、R12及びR13は、同一又は異なって、独立に、水素又はC1〜3アルキルである、請求項2に記載のピロロピリミジン誘導体、その個々の異性体又はその異性体のラセミ若しくは非ラセミ混合物、或いは薬学上許容されるその塩及び水和物。
【請求項5】
式[II]において、Rは、C1〜9アルキル、C3〜7シクロアルキル、C3〜7シクロアルキル−C1〜6アルキル、ジ(C3〜7シクロアルキル)−C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ−C1〜6アルキル、ジ(C1〜6アルコキシ)−C1〜6アルキル又はアリール−C1〜6アルキルであり、RはC1〜3アルキルであり、RはC1〜3アルキルであり、R10は水素であり、R11は水素であり、Arは、2〜3個の置換基で置換されたフェニルであり、該置換基は、同一又は異なって、ハロゲン又はC1〜3アルキルからなる群から選択される、請求項2に記載のピロロピリミジン誘導体、その個々の異性体又はその異性体のラセミ若しくは非ラセミ混合物、或いは薬学上許容されるその塩及び水和物。
【請求項6】
有効成分として、請求項1から5までのいずれか一項に記載のピロロピリミジン誘導体、薬学上許容されるその塩又は水和物を含む、CRF受容体拮抗薬。
【請求項7】
CRF受容体拮抗薬を製造するための、請求項1から5までのいずれか一項に記載のピロロピリミジン誘導体、薬学上許容されるその塩又は水和物の使用。

【公表番号】特表2007−526906(P2007−526906A)
【公表日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−527200(P2006−527200)
【出願日】平成17年3月4日(2005.3.4)
【国際出願番号】PCT/JP2005/004266
【国際公開番号】WO2005/085253
【国際公開日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願人】(000002819)大正製薬株式会社 (437)
【復代理人】
【識別番号】100066692
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 皓
【復代理人】
【識別番号】100072040
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 肇
【復代理人】
【識別番号】100107504
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 克則
【復代理人】
【識別番号】100102897
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 幸弘
【Fターム(参考)】