説明

ピン留め構造および油圧制御装置

【課題】ソレノイドバルブがバルブボディにピン留めされるピン留め構造において、簡易且つコンパクトな構成でピン留め用のピンを支持する。
【解決手段】ピン孔24に挿入されるピン29によりソレノイドバルブ25がピン留めされるバルブボディ22に、ソレノイドバルブ25が組み込まれる面側にユニット台30を固定することによりピン留め用のピン29を受けるピン受けとして機能させるから、ユニット台30を固定するだけでピン29を支持することができる。したがって、ピン29を支持するために専用の部品を用いたりする必要がなく、部品数の増加や重量の増加を抑えて簡易且つコンパクトな構成でピン29を支持することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピン留め構造および油圧制御装置に関し、詳しくは、ソレノイドバルブが組み込まれるバルブボディと、該バルブボディに固定されるユニット台に取り付けられ前記ソレノイドバルブを駆動制御する電子制御ユニットと、を備える自動変速機における前記バルブボディに組み込まれるソレノイドバルブをピン留めするピン留め構造および所定の変速段を達成させる自動変速機の油圧制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動変速機におけるバルブボディに組み込まれる略円筒状のソレノイドバルブをピン留めするピン留め構造に関する技術としては、ソレノイドバルブに軸方向と直交する方向に溝を形成すると共にその溝と連通するピン孔をバルブボディに形成しておき、ピン孔と溝とを貫通するピンを挿入してソレノイドバルブをピン留めするものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この技術では、ピンの両端が外径の大きな大径部となり中央が両端よりも外径の小さな小径部とからなるよう段付き状にピンを形成し、ソレノイドバルブの断面の円弧を横切る第1の溝部とその円弧に隣接する同一断面上の円弧を横切って第1の溝部と連通する第2の溝部とからなる溝をソレノイドバルブに形成する。このとき、第1の溝部は、ピンの両端の大径部が通過できるような大きさに形成し、第2の溝部は、ピンの両端の大径部が通過できずピンの中央の小径部を嵌め込み可能な大きさに形成しておく。そして、第1の溝部とピン孔とが連通する位置にソレノイドバルブを軸心回りに回転させてからピンを挿入し、ピンを挿入した後に第2の溝部とピン孔とが連通しピンの中央の小径部が第2の溝部に嵌まり込む位置までソレノイドバルブを回転させてからソレノイドバルブを回転不能に固定する。これにより、ピンは両端の大径部が第2の溝部を通過できないために移動することができなくなるため、ピンを支持することができるとしている。
【特許文献1】特開2003−49802号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述したピン留め構造においては、ピンや溝を複雑な形状に形成する必要があるため加工負担が増えることになる。また、第1の溝部とピン孔とが連通するようソレノイドバルブを回転させてピンを第1の溝部に挿入してから、第2の溝部とピン孔とが連通するよう再びソレノイドバルブを回転させる必要があるため組み付け工程にも負担をかけることになる。このため、より簡易な構成でピンを支持できるものが望まれていた。ストレート形状のピンを挿入してからピン受け用のプレートをピン孔の上方に取り付けるものも考えられるが、ピンや溝がストレート形状に形成され簡易な構成とはなるもののプレートやプレート取付用ボルトなど専用の部品が必要となり部品数や重量の増加に繋がってしまう。このようなピン留め構造が用いられる自動変速機においては、特に車両に搭載されるものにおいて、コンパクト化や軽量化が必須の課題とされているため、より適した構成でピンを支持できるものが求められていた。
【0004】
本発明のピン留め構造および油圧制御装置は、簡易且つコンパクトな構成でピンを支持することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のピン留め構造および油圧制御装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0006】
本発明のピン留め構造は、
ソレノイドバルブが組み込まれるバルブボディと、該バルブボディに固定されるユニット台に取り付けられ前記ソレノイドバルブを駆動制御する電子制御ユニットと、を備える自動変速機における前記バルブボディに組み込まれるソレノイドバルブをピン留めするピン留め構造であって、
前記バルブボディは、ピン留め用のピンが挿入されるピン孔が前記ソレノイドバルブが組み込まれる面に開口するよう形成されてなり、
前記ソレノイドバルブは、前記バルブボディに組み込まれたときに前記ピン孔と連通して前記ピンが挿入される溝が形成されてなり、
前記ユニット台を、前記ソレノイドバルブが組み込まれる面側に固定することにより前記ピンを受けるピン受けとして機能させる
ことを特徴とする。
【0007】
この本発明のピン留め構造では、ソレノイドバルブがピン留めされるバルブボディのソレノイドバルブが組み込まれる面側にユニット台を固定することにより、ピン留め用のピンを受けるピン受けとして機能させる。これにより、ユニット台を固定するだけでピンを支持することができるから、ピンを支持するために専用の部品を用いるものに比して軽量化やコンパクト化を図ることができると共にピンを支持するためにピンやソレノイドバルブの溝を複雑な形状に形成するものに比して簡易な構成とすることができる。この結果、簡易且つコンパクトな構成でピンを支持することができる。ここで、「自動変速機」は、車載用の自動変速機であるものとすることができる。車載用の自動変速機は、特にコンパクト化や軽量化の要求が厳しいため、本発明を適用する意義が高い。
【0008】
こうした本発明のピン留め構造において、前記ユニット台は、電子制御ユニットが取り付けられた部分とは異なる部分を前記ピン受けとして機能させるよう形成されてなるものとすることもできる。この態様の本発明のピン留め構造において、前記ユニット台は、前記ピン受けとして機能させる部分にプレートが取り付けられてなるものとすることもできる。こうすれば、ユニット台のピンを受ける部分がピンとの接触により摩耗して損傷するのを防止することができる。
【0009】
また、本発明のピン留め構造において、前記ピンは、前記ピン孔と前記溝とにクリアランスをもって挿入されるものとすることもできる。ピンの挿入を容易とするためにこのようなピンを用いることがあるが、挿入後にピンがピン孔から抜けやすくなり支持構造が必須となることから、本発明を適用する意義が高い。
【0010】
本発明の油圧制御装置は、上述した態様のいずれかのピン留め構造、即ち、基本的には、ソレノイドバルブが組み込まれるバルブボディと、該バルブボディに固定されるユニット台に取り付けられ前記ソレノイドバルブを駆動制御する電子制御ユニットと、を備える自動変速機における前記バルブボディに組み込まれるソレノイドバルブをピン留めするピン留め構造であって、前記バルブボディは、ピン留め用のピンが挿入されるピン孔が前記ソレノイドバルブが組み込まれる面に開口するよう形成されてなり、前記ソレノイドバルブは、前記バルブボディに組み込まれたときに前記ピン孔と連通して前記ピンが挿入される溝が形成されてなり、前記ユニット台を、前記ソレノイドバルブが組み込まれる面側に固定することにより前記ピンを受けるピン受けとして機能させることを特徴とするピン留め構造を用いてソレノイドバルブがバルブボディに組み付けられてなることを要旨とする。
【0011】
この本発明の油圧制御装置では、上述のいずれかの態様の本発明のピン留め構造を用いてソレノイドバルブがバルブボディに組み付けられるから、本発明のピン留め構造が有する効果、例えば、簡易且つコンパクトな構成でピンを支持することができる効果などと同等の効果を奏することができる。
【0012】
本発明の第2の油圧制御装置は、
所定の変速段を達成させる自動変速機の油圧制御装置であって、
バルブボディと、
該バルブボディに組み込まれ、前記所定の変速段を達成させるための油圧の給排を制御するソレノイドバルブと、
前記バルブボディに装着され、該バルブボディに形成された油路内の油圧を検出する油圧センサと、
前記ソレノイドバルブを制御する電子制御ユニットと、
を備え、
前記電子制御ユニットは、高さ方向に前記バルブボディから前記ソレノイドバルブ,前記電子制御ユニットの順に重なるよう配置されてなり、
前記バルブボディには、前記ソレノイドバルブが組み込まれた状態で前記バルブボディにピン留めするためのピン孔が高さ方向に形成され、
前記ピン孔へのピンの挿入を伴って前記バルブボディに前記ソレノイドバルブが取り付けられると共に前記電子制御ユニットが前記バルブボディに取り付けられたときに該電子制御ユニットの固定台がピン受けとして機能するよう該固定台が形成されてなる
ことを特徴とする。
【0013】
この本発明の第2の油圧制御装置では、電子制御ユニットは、高さ方向にバルブボディからソレノイドバルブ,電子制御ユニットの順に重なるよう配置されてなり、バルブボディには、ソレノイドバルブが組み込まれた状態でバルブボディにピン留めするためのピン孔が高さ方向に形成され、ピン孔へのピンの挿入を伴ってバルブボディにソレノイドバルブが取り付けられると共に電子制御ユニットがバルブボディに取り付けられたときに電子制御ユニットの固定台がピン受けとして機能するよう固定台が形成される。これにより、電子制御ユニットの固定台がピン受けを兼ねることができるので、ピンを受けるために専用の部品を用いるものに比して、軽量化やコンパクト化を図ることができる。この結果、簡易且つコンパクトな構成でピンを支持することができる。
【0014】
こうした本発明の第2の油圧制御装置において、前記油圧センサは、高さ方向に前記バルブボディから前記ソレノイドバルブ,前記油圧センサの順に重なるよう配置されてなり、前記ピン孔へのピンの挿入を伴って前記バルブボディに前記ソレノイドバルブが取り付けられると共に前記油圧センサが前記バルブボディに取り付けられたときに該油圧センサの固定台がピン受けとして機能するよう該固定台が形成されてなることを特徴とするものとすることもできる。ここで、油圧センサの固定台は、油圧を受けるために剛性の高いものを使用されることが多く変形などのおそれが少ないため、ピン受けとしてより確実に機能させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
【実施例1】
【0016】
図1は、本発明のピン留め構造を用いてソレノイドバルブがピン留めされたバルブボディが組み付けられるオートマチックトランスミッション10の分解斜視図であり、図2は、バルブボディ20を下面側から見た外観の一部を示す外観斜視図であり、図3は、バルブボディ20に形成されるバルブ挿入部23にソレノイドバルブ25を挿入する様子を示す説明図であり、図4は、ユニット台30を下面側から見た外観を示す外観斜視図であり、図5は、ユニット台30を上面側から見た外観を示す外観斜視図である。
【0017】
オートマチックトランスミッション10は、自動車が備えるエンジンからの動力を車軸側に伝達する車載用の自動変速機として構成されており、遊星歯車機構やクラッチなどからなる動力伝達機構(図示せず)と、マニュアルバルブ(図示せず)を介してライン圧を入力し調圧してクラッチに供給するソレノイドバルブ25と共に油圧によりクラッチをオンオフする油圧回路を構成するバルブボディ20と、ソレノイドバルブ25を駆動制御して変速段を切り替えるオートマチックトランスミッション用電子制御ユニット(以下、ATECUという)42とシフト操作を電気的に検知してシフト操作に応じた位置にマニュアルバルブを駆動制御するシフトバイワイヤ用電子制御ユニット(以下、SBWECUという)44とが取り付けられバルブボディ20に組み付けられるユニット台30と、AT用オイルを貯留するオイルパン60と、図示しないオイルポンプの駆動によりオイルパン60内のオイルを吸引すると共にこれを濾過して図示しない吐出口からバルブボディ20に供給したり遊星歯車機構や回転軸を支持するベアリングなどの潤滑部分に供給したりするストレーナ50と、を備え、これらは、底部にオイルパン60が取り付けられた状態でトランスミッションケース12に収容されている。
【0018】
バルブボディ20は、図2および図3に示すように、ボルト穴21a〜21gが形成された複数の固定台座21と、ソレノイドバルブ25の電磁部25aを外部に露出させると共に弁部25bと内部に形成された図示しない油路とを連通させて油圧回路が構成されるようソレノイドバルブ25が挿入される複数のバルブ挿入部23と、バルブ挿入部23に挿入された略円筒状の複数のソレノイドバルブ25とにより構成される。バルブ挿入部23は、上面にピン孔24が形成されている。ソレノイドバルブ25は、弁部25bに図中上下方向にピン溝26が形成されている。ソレノイドバルブ25のバルブボディ20への組み込みは、バルブ挿入部23にソレノイドバルブ25を挿入し(図3(1))、ピン溝26がピン孔24と連通する回転位置となるようソレノイドバルブ25の姿勢を調整し、ピン孔24にピン29を挿入することにより行われる(図3(2))。このピン29の挿入によりバルブ挿入部23からのソレノイドバルブ25の抜けが防止される。ここで、ピン孔24は内径がピン29の外径よりも大きくなるように形成され、また、ピン溝26は溝深さがピン29の外径よりも深くなるように形成されている。このため、ピン29はピン孔24とピン溝26とにクリアランスをもって挿入されることになり、製造公差や組み込み位置の誤差などによりピン孔24とピン溝26との連通に多少のずれがあっても容易にピン29を挿入することができる。ただし、挿入後のピン29が抜けやすいものとなるため、これを支持する必要がある。
【0019】
ユニット台30は、図4および図5に示すように、樹脂製の枠31と、ユニット台30の底部をなす金属プレート32とにより構成されており、枠31に形成されている二つの開口部31a,31bにそれぞれATECU42とSBWECU44とが収容された状態でねじ46,48により金属プレート32に固定されている。ユニット台30は、図示しないが、枠31内にはATECU42やSBECU44と電気的に接続する配線としてのバスバーが収容されている。また、ユニット台30は、図1中の上面(図5における下面)には、ATECU42とSBECU44とが配置される開口部31a,31bをそれぞれシール材39a,39bで挟んで金属プレート34が取り付けられるようになっており、この金属プレート34によって開口部31a,31bが閉塞される。ユニット台30の底部をなす金属プレート32は、ストレーナ50の図1中の上面に形成された開口部56にシール材38を挟んで取り付けられるようになっており、これにより、ストレーナ50の開口部56が閉塞される。即ち、ユニット台30の金属プレート32は、ストレーナ50のケースの一部として構成される。また、金属プレート32は、図4に示すように、開口部31a,31bに対応する部位にフィン32a,32bが形成されている。したがって、金属プレート32はストレーナ50内のAT用オイルに浸積された状態となり、ストレーナ50内に吸入されたAT用オイルはフィン32a,32bを介してユニット室に導入され、ATECU42やSBECU44で生じた熱をAT用オイルとの熱交換により放熱することができるようになっている。
【0020】
ユニット台30に配置されるATECU42およびSBWECU44は、詳細には図示しないが、それぞれCPUを中心としたマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMと、データを一時的に記憶するRAMと、入出力ポートと、通信ポートとを備え、これらを構成する電子部品が実装された回路基板が樹脂によりパッケージ化されている。ATECU42には、シフトレバーの操作位置を検出するシフトポジションセンサからのシフトポジション信号や車速を検出する車速センサからの車速信号などが入力ポートを介して入力されており、油圧回路のソレノイドバルブへの駆動信号などが出力ポートを介して出力されている。SBWECU44には、シフトレバーの操作位置を検出するシフトポジションセンサからのシフトポジション信号などが入力ポートを介して入力されており、ライン圧の供給路を選択するマニュアルバルブへの駆動信号などが出力ポートを介して出力されている。ATECU42とSBWECU44とは、互いに通信ポートを介して接続されており、各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
【0021】
バルブボディ20とユニット台30とストレーナ50との組み付けは、ストレーナ50とユニット台30とを開口部56にシール材36を挟んでボルト穴50a〜50gとボルト穴30a〜30gとが互いに連通するよう重ねると共にユニット台30の上に金属プレート34を開口部31a,31bにシール材38,39を挟んでボルト穴30a〜30gとボルト穴34a〜34gとが互いに連通するよう重ね、ボルト62a〜62iを対応するボルト穴50a〜50i,30a〜30g,34a〜34g,21a〜21gに通してバルブボディ20の下面に締め付けることにより行なうことができる。なお、バルブボディ20は、図示しないが、同様にボルトの締め付けによりトランスミッションケース12に固定することができる。
【0022】
ここで、バルブボディ20とユニット台30とストレーナ50とを組み付ける際のバルブボディ20へのユニット台30の取り付けについて説明する。図6は、バルブボディ20にユニット台30を取り付ける前の外観を示す外観斜視図であり、図7は、バルブボディ20にユニット台30を取り付けた後の外観を示す外観斜視図である。なお、図6,7ではストレーナ50はユニット台30に取り付けられていないものとしたが、取り付けられているものとしてもよい。また、上述したように、図6におけるユニット台30の下面側には、金属プレート34がボルト穴30a〜30gとボルト穴34a〜34gとが互いに連通するよう重ねられているものとする(図5参照)。そして、図6に示すように、ピン孔24にそれぞれピン29を挿入してから、ユニット台30をボルト穴30a〜30g(34a〜34g)がボルト穴21a〜21gと互いに連通するようにバルブボディ20に重ねる。これにより、ユニット台30のバルブボディ20への取り付けが完了する。このとき、図7に示すように、ピン孔24の図中上方にはユニット台30が位置することになり、ユニット台30の図中下面側に重ねられた金属プレート34でピン29を受けることができる。この結果、バルブボディ20とユニット台30とストレーナ50とを組み付けると、ユニット台30の金属プレート34によってピン29を支持することができる。
【0023】
以上説明した実施例のピン留め構造によれば、バルブボディ20のソレノイドバルブ25が組み込まれる面側にユニット台30を固定することによりピン29を受けるピン受けとして機能させるから、ユニット台30を固定するだけでピン29を支持することができる。したがって、ピン29を支持するために専用の部品を用いたりすることなく、簡易且つコンパクトな構成でピン29を支持することができる。また、ユニット台30に取り付けられる金属プレート34がピン29を受けるので、ユニット台30の枠31がピン29との接触により摩耗して損傷するのを防止することができる。さらに、金属プレート34は、ユニット台30の開口部31a,31bを閉塞するために必要なものでありピン受けのために新たに取り付けられるものではないので、部品数の増加や重量の増加を防止しユニット台30のコンパクト性を維持しつつピン受けとして機能させることができる。
【0024】
実施例のピン留め構造では、ユニット台30に取り付けられた金属プレート34がピン29を受けるものとしたが、金属製のものに限られず、樹脂製など他の素材のプレートを用いるものとしてもよい。なお、このようなプレートが取り付けられた部分でピン受けをするものに限られず、直接ユニット台30の枠31でピン受けするものとしてもよい。
【0025】
実施例のピン留め構造では、ユニット台30の底部をなす金属プレート32がストレーナ50の上部に形成された開口部56をシール材36を挟んで閉塞してストレーナ50のケースの一部として構成するものとしたが、ユニット台をストレーナ50と完全に別体として構成するものとしてもよい。
【実施例2】
【0026】
次に、本発明の第2実施例としての油圧制御装置が組み込まれたオートマチックトランスミッション100について説明する。図8は、第2実施例としての油圧制御装置が組み込まれたオートマチックトランスミッション100の分解斜視図であり、図9は、バルブボディ200を下面側から見た外観の一部を示す外観斜視図であり、図10は、バルブボディ200にユニット台400とスイッチ台500とが組み付けられる様子を示す説明図であり、図11は、バルブボディ200に形成されるバルブ挿入部230にリニアソレノイド250を挿入する様子を示す説明図であり、図12は、ユニット台400を上面側から見た外観を示す外観斜視図であり、図13は、スイッチ台500を上面側から見た外観を示す外観斜視図であり、図14は、スイッチ台500を下面側から見た外観を示す外観斜視図である。
【0027】
オートマチックトランスミッション100は、自動車が備えるエンジンからの動力を車軸側に伝達する車載用の自動変速機として構成されており、遊星歯車機構やクラッチ、ブレーキなどからなる図示しない動力伝達機構と、ライン圧を入力し調圧してクラッチに供給するリニアソレノイド250とクラッチやブレーキへの出力を選択的に切り換える図示しないリレーバルブに駆動用の信号を出力するオンオフソレノイド350とによりクラッチやブレーキの油圧を制御する油圧回路を構成するバルブボディ200と、リニアソレノイド250やオンオフソレノイド350などに対して変速段を切り替えるための指令を出力するオートマチックトランスミッション用電子制御ユニット(以下、ATECUという)420とシフト操作を電気的に検知してシフト操作に応じた指令を出力するためのシフトバイワイヤ用電子制御ユニット(以下、SBWECUという)440とが取り付けられバルブボディ200に組み付けられるユニット台400と、油圧スイッチ520が取り付けられバルブボディ200に組み付けられるスイッチ台500と、ATECU420やSBWECU440とリニアソレノイド250やオンオフソレノイド350,油圧スイッチ520とを電気的に接続するプリント配線基板600と、AT用オイルを貯留するオイルパン800と、図示しないオイルポンプの駆動によりオイルパン800内のオイルを吸引すると共にこれを濾過して吐出口720からバルブボディ200に供給したり遊星歯車機構や回転軸を支持するベアリングなどの潤滑部分に供給したりするストレーナ700と、を備え、これらは、底部にオイルパン800が取り付けられた状態でトランスミッションケース120に収容されている。
【0028】
バルブボディ200には、図9および図10,図11に示すように、略円筒状の複数のリニアソレノイド250と、略円筒状の複数のオンオフソレノイド350と、略円筒状のパーキング用シリンダ390とが組み付けられており、ユニット台400やスイッチ台500が載置される複数の固定台座に形成されたボルト穴210a〜210f,220a〜220gと、リニアソレノイド250の電磁部250aを外部に露出させると共に弁部250bとバルブボディ200内に形成された油路と連通させて油圧回路が構成されるようリニアソレノイド250が挿入される複数のバルブ挿入部230と、油圧スイッチ520がシールされた状態で取り付けられる複数の油圧導入孔280と、オンオフソレノイド350の電磁部を外部に露出させると共に弁部と油路とを連通させるようオンオフソレノイド350が挿入される複数のバルブ挿入部330と、パーキング用シリンダ390の油室と油路とを連通させるようパーキング用シリンダ390が挿入されるシリンダ挿入部380とが形成されている。なお、パーキング用シリンダ390は、図示しないパーキング機構のパーキングロッドおよびスプリングとに接続されシフト操作がパーキングレンジ以外のレンジに切り換えられたときには油室に作動油が入力され油圧の作用によりスプリングの付勢力に抗してパーキングロッドを移動させてパーキング解除状態とし、パーキングレンジに切り換えられたときには油室の作動油が排出されスプリングの付勢力によりパーキングロッドを移動させてパーキング状態とするものである。また、油圧導入孔280は、バルブ挿入部230に形成される他、油路の監視が必要な位置に形成されている。ここで、リニアソレノイド250とオンオフソレノイド350とパーキング用シリンダ390の配置について説明する。バルブボディ200には、図9中の手前から奥にかけて略中央部分を境にして、主に手前側の領域にバルブ挿入部230が手前側に開口して左右方向に並列に形成されると共に奥側の領域ににバルブ挿入部330が奥側に開口して左右方向に並列に形成されている。このため、リニアソレノイド250が主にバルブボディ200の手前側の領域に軸方向が手前から奥に向かう方向に沿って並列に配置され、オンオフソレノイド350がバルブボディ200の奥側の領域に軸方向がリニアソレノイド250の軸方向と同方向に並列に配置される。ここで、オンオフソレノイド350は、リニアソレノイド250よりも全長が短く構成されている。このため、バルブボディ200の奥側の領域のうちオンオフソレノイド350が配置される領域よりもさらに奥側に、左右方向に長い空きスペースが生じることになる。この空きスペースに、パーキング用シリンダ390をその軸方向が左右方向、即ちリニアソレノイド250およびオンオフソレノイド350の軸方向と直交するよう配置される。これにより、バルブボディ200上のスペースを効率よく利用して、リニアソレノイド250とオンオフソレノイド350とパーキング用シリンダ390とを配置することができる。
【0029】
リニアソレノイド250には、図11に示すように、電磁部250aに高さ方向(図11中上下方向)に突出したコネクタ270が形成されており、オンオフソレノイド350にも同様にコネクタ370が形成されている。なお、このコネクタ270,370は、リニアソレノイド250とオンオフソレノイド350とがバルブボディ200に組み付けられた状態で略同じ高さとなるよう形成されている。バルブ挿入部230には、図11中上方に開口したピン孔240a〜240gが形成され、リニアソレノイド250は、弁部250bに図11中上下方向に沿ってピン溝260が形成されている。ここで、リニアソレノイド250のバルブボディ200への組み込みは、バルブ挿入部230にリニアソレノイド250を挿入し(図11(1))、ピン溝260がピン孔240a〜240gと連通する回転位置となるようリニアソレノイド250の姿勢を調整し、ピン孔240a〜240gにピン290a〜290gをそれぞれ挿入することにより行われる(図11(2))。このピン290a〜290gの挿入により、バルブ挿入部230からのリニアソレノイド250の抜けが防止される。なお、ピン孔240a〜240gは、内径がピン290a〜290gの外径よりも大きくなるよう形成され、ピン溝260は、溝深さがピン290a〜290gの外径よりも深くなるように形成されている。このため、ピン290a〜290gはピン孔240a〜240gとピン溝260とにクリアランスをもって挿入され、製造公差や組み込み位置の誤差などによりピン孔240a〜240gとピン溝260との連通に多少のずれがあっても容易にピン290a〜290gを挿入することができる。ただし、挿入後のピン290a〜290gが抜けやすいものとなるため、これを支持する必要がある。
【0030】
ユニット台400は、図8および図12に示すように、金属プレート410にATECU420とSBWECU440とが固定されると共にボルト640a〜640fを通す複数のボルト穴400a〜400fが形成されている。金属プレート410は、略長方形状として形成されると共にその一部が延伸したピン受け部410aが形成されているが、この理由については後述する。この金属プレート410は、熱伝導性に優れた材料(例えば、銅や銅合金など)により形成されており、ATECU420やSBWECU440で生じた熱を放熱するヒートシンクとしての機能を有している。ユニット台400に配置されるATECU420およびSBWECU440は、詳細には図示しないが、それぞれCPUを中心としたマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMと、データを一時的に記憶するRAMと、入出力ポートと、通信ポートとを備え、これらを構成する電子部品が実装された回路基板が樹脂によりパッケージ化されている。また、プリント配線基板600と電気的に接続するための図示しない端子が露出している。
【0031】
スイッチ台500は、図8および図13,図14に示すように、金属プレート510の図8中の上面側に複数の油圧スイッチ520が固定されると共にボルト650a〜650gを通す複数のボルト穴500a〜500gが形成され、また、図8中の下面側に油圧スイッチ520の端子540が各油圧スイッチ520につき2つずつ形成されている。油圧スイッチ520は、スイッチ台500がバルブボディ200に組み付けられたときに、バルブボディ200に形成された複数の油圧導入孔280とそれぞれ対応する位置となるよう金属プレート510に固定されており、油圧導入孔280から導入される油圧が所定の閾値を超えたことを検出したときにオン信号を出力するものである。ここで、バルブボディ200のバルブ挿入部230に形成された油圧導入孔280は(図9参照)、詳細については省略するがリニアソレノイド250の弁部250bの出力ポートと連通するよう形成されており、このため、油圧スイッチ520にリニアソレノイド250から吐出された直後の油圧を導入して精度よく且つ応答性よく油圧を検出することができるようになっている。また、金属プレート510は、剛性に優れた材料(例えば、鉄板など)により形成されており、油圧導入孔280からの油圧が油圧スイッチ520内に導入されたときに確実にシールすることができる。
【0032】
プリント配線基板600は、例えば、厚みが0.05mm程度のフィルム状の絶縁体(例えば、ポリイミドフィルム)の層と厚みが0.05mm程度の導体(例えば、銅箔)の層とを接着剤を用いて幾層にも重ねた多層板のフレキシブルプリント基板(FPC(Flexible Printed Circuits))として構成されており、銅箔によって図示しない配線パターンが形成されている。この配線パターンに、リニアソレノイド250のコネクタ270やオンオフソレノイド350のコネクタ370、ATECU420およびSBWECU440の端子、油圧スイッチ520の端子540がそれぞれハンダ付けされる。これにより、リニアソレノイド250のコネクタ270とオンオフソレノイド350のコネクタ370と油圧スイッチ520の端子540とをATECU420およびSBWECU440の端子に電気的に接続する。また、このプリント配線基板600の厚みは、0.4〜1.2mm程度となっており、配線基板自体を薄くすることができる。
【0033】
ここで、バルブボディ200とユニット台400とスイッチ台500の組み付けについて図10に基づいて説明する。図示するように、まず、バルブボディ200のピン孔240a〜240gにピン290a〜290gを挿入してから、ATECU420とSBWECU440とが固定されたユニット台400と複数の油圧スイッチ520が固定されたスイッチ台500とをバルブボディ200に組み付ける。ユニット台400の組み付けは、図10に示すように、ボルト穴400a〜400fとボルト穴210a〜210fとが互いに連通するよう重ね、ボルト640a〜640fを対応するボルト穴400a〜400f,210a〜210fに通してバルブボディ200に締め付けることにより行うことができる。また、スイッチ台500の組み付けは、ボルト穴500a〜500gとボルト穴220a〜220gとが互いに連通するよう重ね、ボルト650a〜650gを対応するボルト穴500a〜500g,220a〜220gに通してバルブボディ200に締め付けることにより行うことができる。なお、バルブボディ200は、同様にボルト670などの締め付けによりストレーナ700と共にトランスミッションケース120に固定される(図8参照)。これにより、バルブボディ200とユニット台400とスイッチ台500の組み付けが完了する。図15は、バルブボディ200にユニット台400とスイッチ台500とが組み付けられた外観を示す外観斜視図である。ここで、ユニット台400は、上述したように、金属プレート410の一部にピン受け部410aが形成されているため、金属プレート410のピン受け部410aの図15中下面側でピン孔240gに挿入されたピン290gを受けることができる。また、スイッチ台500の金属プレート510の図15中下面側でピン孔240a〜240fに挿入されたピン290a〜290fを受けることができる。このように、バルブボディ200に組み付けられるユニット台400とスイッチ台500とによってピン孔240a〜240gに挿入されたピン290a〜290gを受けることができるから、ピン290a〜290gを支持するために専用の部品を用いる必要がない。このため、ピン290a〜290gを支持するために専用の部品を用いる場合に比して、軽量化を図ることができると共に高さ方向に厚みが増すのを防止することができ、簡易かつコンパクトな構成でピン290a〜290gを支持することができる。
【0034】
以上説明した第2実施例の油圧制御装置によれば、バルブボディ200に組み付けられるユニット台400とスイッチ台500とによってピン孔240a〜240gに挿入されたピン290a〜290gを受けるから、ピン290a〜290gを支持するために専用の部品を用いる必要がないため、ピン290a〜290gを支持するために専用の部品を用いる場合に比して、軽量化を図ると共に高さ方向に厚みが増すのを防止することができる。この結果、簡易かつコンパクトな構成でピン290a〜290gを支持することができる。
【0035】
第2実施例の油圧制御装置では、電気的な接続にフレキシブルプリント基板として構成されたプリント配線基板600を用いるものとしたが、これに限られず、リジッド基板として構成されたプリント配線基板を用いるものとしてもよい。また、プリント配線基板600は、絶縁体の層と導体の層とを幾層にも重ねた多層板としたが、これに限られず、絶縁体の層と導体の層とを一層ずつ重ねた片面板や絶縁体の層の両面に導体の層を重ねた両面板などとしてもよい。なお、上述した各層の厚みや全体の厚みは一例を示したものであり、これに限られるものではない。さらに、プリント配線基板に限られず、バスバーユニットを用いて電気的に接続するものとしてもよい。
【0036】
第2実施例の油圧制御装置では、パーキング用シリンダ390を備えるものとしたが、これを備えないものとしてもよく、この場合、パーキング用シリンダ390の替わりに他のバルブ、例えば、マニュアルバルブやソレノイドバルブなどをバルブボディ200に組み込むものとしてもよい。
【0037】
第2実施例の油圧制御装置では、ユニット台400とスイッチ台500とを別個のものとして構成しそれぞれにATECU420やSBWECU440、油圧スイッチ520を固定するものとしたが、1つの台にATECU420やSBWECU440、油圧スイッチ520を固定するものとしてもよい。また、ユニット台400とスイッチ台500とがそれぞれピン290a〜290gを受けるピン受けとして機能するものとしたが、いずれか一方のみがピン受けとして機能してすべてのピン290a〜290gを受けるものとしてもよい。
【0038】
第1実施例および第2実施例では、ピン29やピン290a〜290gがピン孔24およびピン溝26またはピン孔240a〜240gおよびピン溝260にそれぞれクリアランスをもって挿入されるものとしたが、クリアランスなく挿入されるものとしてもよい。
【0039】
第1実施例および第2実施例では、自動車に搭載されるオートマチックトランスミッション10,100に適用して説明したが、自動車以外の車両に搭載されるオートマチックトランスミッションに適用するものとしてもよいし、車両以外の機器に搭載されるオートマチックトランスミッションに適用するものとしてもよい。
【0040】
ここで、各実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。第1実施例では、バルブボディ20が「バルブボディ」に相当し、ユニット台30が「ユニット台」に相当し、ATECU42やSBWECU44が「電子制御ユニット」に相当する。第2実施例では、バルブボディ200が「バルブボディ」に相当し、ATECU420やSBWECU440が「電子制御ユニット」に相当し、油圧スイッチ520が「油圧センサ」に相当し、ユニット台400やスイッチ台500が「固定台」に相当する。ここで、「電子制御ユニット」としては、ATECU42とSBWECU44またはATECU420とSBWECU440の2つの電子制御ユニットに限定されるものではなく、ATECU42とSBWECU44またはATECU420とSBWECU440以外の2つの電子制御ユニットをユニット台に配置するものや、オートマチックトランスミッション10,100の制御を単一の電子制御ユニットにより行うものとして一つの電子制御ユニットをユニット台に配置するものとしても構わない。なお、各実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
【0041】
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、自動変速機の製造産業に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明のピン留め構造を用いてソレノイドバルブがピン留めされたバルブボディが組み付けられるオートマチックトランスミッション10の分解斜視図である。
【図2】バルブボディ20を下面側から見た外観の一部を示す外観斜視図である。
【図3】バルブボディ20に形成されるバルブ挿入部23にソレノイドバルブ25を挿入する様子を示す外観斜視図である。
【図4】ユニット台30を下面側から見た外観を示す外観斜視図である。
【図5】ユニット台30を上面側から見た外観を示す外観斜視図である。
【図6】バルブボディ20にユニット台30を取り付ける前の外観を示す外観斜視図である。
【図7】バルブボディ20にユニット台30を取り付けた後の外観を示す外観斜視図である。
【図8】第2実施例としての油圧制御装置が組み込まれたオートマチックトランスミッション100の分解斜視図である。
【図9】バルブボディ200を下面側から見た外観の一部を示す外観斜視図である。
【図10】バルブボディ200にユニット台400とスイッチ台500とが組み付けられる様子を示す説明図である。
【図11】バルブボディ200に形成されるバルブ挿入部230にリニアソレノイド250を挿入する様子を示す外観斜視図である。
【図12】ユニット台400を上面側から見た外観を示す外観斜視図である。
【図13】スイッチ台500を上面側から見た外観を示す外観斜視図である。
【図14】スイッチ台500を下面側から見た外観を示す外観斜視図である。
【図15】バルブボディ200にユニット台400とスイッチ台500とが組み付けられた外観を示す外観斜視図である。
【符号の説明】
【0044】
10 オートマチックトランスミッション、12 トランスミッションケース、20 バルブボディ、21 固定台座、21a〜21g ボルト穴、23 バルブ挿入部、24 ピン孔、25 ソレノイドバルブ、25a 電磁部、25b 弁部、26 ピン溝、29 ピン、30 ユニット台、30a〜30g ボルト穴、31 枠、32 金属プレート、32a,32b フィン、34 金属プレート、34a〜34g ボルト穴、38,39a,39b シール材、42 オートマチックトランスミッション用電子制御ユニット(ATECU)、44 シフトバイワイヤ用電子制御ユニット(SBWECU)、46,48 ねじ、50 ストレーナ、50a〜50i ボルト穴、52 吸入口、56 開口部、60 オイルパン、62a〜62i ボルト、100 オートマチックトランスミッション、120 トランスミッションケース、200 バルブボディ、210a〜210f,220a〜220g ボルト穴、230,330 バルブ挿入部、240a〜240g ピン孔、250 ソレノイドバルブ、250a 電磁部、250b 弁部、260 ピン溝、270,370 コネクタ、280 油圧導入孔、290a〜290g ピン、350 オンオフソレノイド、380 シリンダ挿入部、390 パーキング用シリンダ、400 ユニット台、400a〜400f ボルト穴、410 金属プレート、410a ピン受け部、420 オートマチックトランスミッション用電子制御ユニット(ATECU)、440 シフトバイワイヤ用電子制御ユニット(SBWECU)、500 スイッチ台、500a〜500g ボルト穴、510 金属プレート、520 油圧スイッチ、540 端子、600 プリント配線基板、640a〜640f,650a〜650g,670 ボルト、700 ストレーナ、720 吐出口、800 オイルパン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソレノイドバルブが組み込まれるバルブボディと、該バルブボディに固定されるユニット台に取り付けられ前記ソレノイドバルブを駆動制御する電子制御ユニットと、を備える自動変速機における前記バルブボディに組み込まれるソレノイドバルブをピン留めするピン留め構造であって、
前記バルブボディは、ピン留め用のピンが挿入されるピン孔が前記ソレノイドバルブが組み込まれる面に開口するよう形成されてなり、
前記ソレノイドバルブは、前記バルブボディに組み込まれたときに前記ピン孔と連通して前記ピンが挿入される溝が形成されてなり、
前記ユニット台を、前記ソレノイドバルブが組み込まれる面側に固定することにより前記ピンを受けるピン受けとして機能させる
ことを特徴とするピン留め構造。
【請求項2】
前記ユニット台は、前記電子制御ユニットが取り付けられた部分とは異なる部分を前記ピン受けとして機能させるよう形成されてなる請求項1記載のピン留め構造。
【請求項3】
前記ユニット台は、前記ピン受けとして機能させる部分にプレートが取り付けられてなる請求項2記載のピン留め構造。
【請求項4】
前記ピンは、前記ピン孔と前記溝とにクリアランスをもって挿入される請求項1ないし3いずれか1項に記載のピン留め構造。
【請求項5】
前記自動変速機は、車載用の自動変速機である請求項1ないし4いずれか1項に記載のピン留め構造。
【請求項6】
請求項1ないし5いずれか1項に記載のピン留め構造を用いてソレノイドバルブがバルブボディに組み付けられてなる油圧制御装置。
【請求項7】
所定の変速段を達成させる自動変速機の油圧制御装置であって、
バルブボディと、
該バルブボディに組み込まれ、前記所定の変速段を達成させるための油圧の給排を制御するソレノイドバルブと、
前記バルブボディに装着され、該バルブボディに形成された油路内の油圧を検出する油圧センサと、
前記ソレノイドバルブを制御する電子制御ユニットと、
を備え、
前記電子制御ユニットは、高さ方向に前記バルブボディから前記ソレノイドバルブ,前記電子制御ユニットの順に重なるよう配置されてなり、
前記バルブボディには、前記ソレノイドバルブが組み込まれた状態で前記バルブボディにピン留めするためのピン孔が高さ方向に形成され、
前記ピン孔へのピンの挿入を伴って前記バルブボディに前記ソレノイドバルブが取り付けられると共に前記電子制御ユニットが前記バルブボディに取り付けられたときに該電子制御ユニットの固定台がピン受けとして機能するよう該固定台が形成されてなる
ことを特徴とする油圧制御装置。
【請求項8】
請求項7記載の油圧制御装置であって、
前記油圧センサは、高さ方向に前記バルブボディから前記ソレノイドバルブ,前記油圧センサの順に重なるよう配置されてなり、
前記ピン孔へのピンの挿入を伴って前記バルブボディに前記ソレノイドバルブが取り付けられると共に前記油圧センサが前記バルブボディに取り付けられたときに該油圧センサの固定台がピン受けとして機能するよう該固定台が形成されてなる
ことを特徴とする油圧制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図11】
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【図12】
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【図9】
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【図10】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−78133(P2010−78133A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−276957(P2008−276957)
【出願日】平成20年10月28日(2008.10.28)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】