説明

ファンモジュール

【課題】異なる方向から気流を導入することにより放熱の効果を高め、異なる方向からくる二つの気流を有効に止めることにより、乱流が生じるのを避け、全体的な構造の複雑性と軸方向の高さを低く抑えることができる。
【解決手段】一個のフレーム1および一個のファンホイール2を有する。フレーム1にはフレーム1の内部と連通する軸方向風入口13、径方向風入口14と少なくとも一個の径方向風出口15が設けられる。ファンホイール2は回動自在にフレーム1の内部に設けられ、ファンホイール2には第一導流羽根21、第二導流羽根22と阻流部材23が設けられ、阻流部材23はフレーム1の内部を第一流路11と第二流路12に区隔するのに用いられることにより、第一導流羽根21は第一流路11に位置し、第二導流羽根22は第二流路12に位置するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファンモジュールに関するもので、特に異なる風の進入方向から気流を導入し、さらに気流を有効に隔てることができるファンモジュールに係わるものである。
【背景技術】
【0002】
従来のファンモジュールとしては、凡そ軸流式ファンモジュールと遠心式または輻流式ファンモジュールの二種類が含まれる。その中で軸流式ファンモジュールは軸方向においてそれぞれ相対する一個の軸方向風入口と一個の軸方向風出口を有し、上記軸方向風入口を経由して気流を導入し、それから上記軸方向風出口を経由して気流を導出することにより、放熱の効果を提供することができる。また、遠心式ファンモジュールでは軸方向において一個の軸方向風入口を有し、さらに半径方向において一個の径方向風出口を有し、上記軸方向風入口を経由して気流を導入し、それから上記径方向風出口を経由して側面方向に気流を導出することにより、同様に放熱の効果を提供することができる。
【0003】
一般的に、上記従来の軸流式放熱ファンと遠心式放熱ファンを各種の電子製品に応用し、必要な放熱の効果を提供することによって電子製品の使用上の寿命を延ばすことができる。しかし、現在市場によく見られる小型の電子製品(例えば、ノートパソコン、携帯電話またはパーソナルディジタルアシスタントなど)は普遍的に研究開発が超小型化の方向に進められ、さらに各種の電子製品のそれぞれの電子チップの演算処理速度も相対的に高められ、そのために上記従来の軸流式放熱ファンと遠心式放熱ファンでは電子製品の放熱の需要に完全に満足できなくなっている。
【0004】
また、従来のファンモジュールとしては、例えば、中華民国公告第515939号の「ノートパソコンの放熱モジュール」(特許文献1を参照)と図11に掲示されているノートパソコンの放熱モジュールを参照すると、従来のファンモジュール8には一個のファン81と一個の放熱器82が含まれる。ファン81は一個のノートパソコン83の内に配置され、ファン81は空気を送るのに用いられる。放熱器82はファン81の風の排出口に配置され、ノートパソコン83の電子チップ831と結合するのに用いられ、そしてファン81と合わせて電子チップ831に予定される放熱の功能を提供することができるようにしたものがある。
【0005】
また、従来の放熱ファンとして、例えば中華民国公告第I264500号の「空気進入量増加可能な遠心式放熱ファン」(特許文献2を参照)と図12に掲示されている放熱ファンを参照すると、従来の放熱ファン9には一個の枠座91、一個のメインファンホイール92と一個のサブファンホイール93が含まれる。枠座91には一個の風入口911と一個の風出口912が含まれる。メインファンホイール92は枠座91の内部に設けられる一個の鼓風式ファンホイールからなり、サブファンホイール93は風入口911に設けられる一個の軸流式ファンホイールからなる。これにより、サブファンホイール93が運転時において、サブファンホイール93によって風入口911の軸方向の風進入量を増やすことにより、メインファンホイール92は側方向を経て気流を送出することができるため、全体の放熱効果を高めることができるようにとしたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】中華民国公告第515939号公報
【特許文献2】中華民国公告第I264500号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の図11に掲示されるような従来のファンモジュールにおいては、一般的に次のような問題点を有している。従来のファンモジュール8を実際に使用すると、ファン81は外気を導入する目的にしか利用することができず、そしてノートパソコン83の特定な部位(例えば電子チップ831など)に対して放熱を提供することができず、それからノートパソコン83のその他の予め設置された補助的な風出口を経由して気流を再び外部空間へ導出する。しかし、ファンモジュール8ではファン81によって予定される一定の方向から気流を導入して放熱作用を提供することができず、要するに異なる方向から気流を導入してノートパソコンの内部でその他に関係する電子部品が作動時に生じる熱気を排出することができず、そのために、ファンモジュール8がノートパソコン83に対して提供できる放熱効果は相当に限られているという問題点があった。
【0008】
また、上記の図12に掲示されるような従来の放熱ファンにおいては、一般的に次のような問題点を有している。従来の放熱ファン9ではサブファンホイール93によって空気の進入量を増やすことができる。しかし、従来の放熱ファン9ではハブファンホイール93を利用して軸方向からの気流しか導入することができないため、放熱ファン9を上述したノートパソコン83などの関係する電子製品に応用する時、依然として二つの異なる方向から同時に気流を導入して放熱を行うことができないという問題点があった。このように、上記のような従来のファンモジュールをさらに改良する必要がある。
【0009】
本発明はこのような問題点に鑑みて発明されたものであって、その主な目的とするところは、二つの異なる方向から空気を導入して各種の電子製品の応用に提供する場合、外部の空気を導入して放熱を行うとともに、電子製品の内部から生じる熱気流を外部空間へ排出することにより、全体の放熱効果を高めることができるファンモジュールを提供することにある。
【0010】
本発明の第二の目的は、ファンホイールそのものを利用して二つの異なる方向から導入される気流を隔てることにより、乱流が生じるのを避けることができるファンモジュールを提供することである。
【0011】
本発明の第三の目的は、阻流作用を回避する方向から気流を導入できる効果を同時に有するファンホイールを設計することにより、ファンモジュールの軸方向の高さを有効に低く抑えることができるファンモジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明によるファンモジュールは、一個のフレームおよび一個のファンホイールを有する。フレームにはフレームの内部と連通する一個の軸方向風入口、一個の径方向風入口と少なくとも一個の径方向風出口が設けられる。ファンホイールは回動自在にフレームの内部に設けられる。ファンホイールには一個の第一導流羽根、一個の第二導流羽根と一個の阻流部材が設けられる。阻流部材はフレームの内部を一個の第一流路と一個の第二流路に区隔するのに用いられることにより、第一導流羽根は第一流路に位置し、第二導流羽根は第二流路に位置するように形成される。
【0013】
また、軸方向風入口は第一流路と連通し、径方向風入口は第二流路と連通し、少なくとも一個の径方向風出口は第一流路および第二流路と連通するように形成されることもできる。また、径方向風出口は一個からなり、径方向風出口は同時に第一流路および第二流路と連通するように形成されることもできる。また、径方向風出口は二個からなり、径方向風出口はそれぞれ第一流路および第二流路と連通するように形成されることもできる。また、二個の径方向風出口は径方向に位置ズレするようにフレームの側辺に設置されることもできる。また、ファンホイールには一個のハブが含まれ、阻流部材は一個の阻隔片からなり、阻隔片は一体成形または取外し自在になるようにハブの上部の端縁に結合されることもできる。また、第一導流羽根はハブの側周面にかつ阻流部材に結合するように設置され、第二導流羽根は阻流部材の上部に設置されることもできる。また、第一導流羽根は阻流部材の底部に設置され、第二導流羽根は阻流部材の上部に設置されることもできる。また、第一導流羽根がハブに向いている一端とハブの側周面の間には隙間を有するように形成されることもできる。また、フレームの内部には一個のモーター駆動ユニットが設置され、ファンホイールはモーター駆動ユニットと枢接するように形成されることもできる。また、フレームの内部には一個の基座が設置され、基座は一個のモーター駆動ユニットと結合し、モーター駆動ユニットは第一流路に位置し、ファンホイールには一個のハブが含まれ、ハブには一個の回転軸が設けられ、回転軸はモーター駆動ユニットに枢接され、かつ第二流路まで突出して阻流部材と連接するように形成されることもできる。
【発明の効果】
【0014】
本発明のファンモジュールによれば、二つの異なる方向から気流を導入して各種の電子製品に応用する場合、外部の空気を導入して放熱を行うとともに、電子製品の内部から生じる熱を外部空間へ排出することにより、全体の放熱効果を高めることができるという利点がある。
【0015】
本発明のファンモジュールによれば、ファンホイールそのものを利用して二つの異なる方向から導入される気流を隔てることにより、乱流が生じるのを避けることができるという利点がある。
【0016】
本発明のファンモジュールによれば、阻流を生じる方向と異なる方向から気流を導入できる機能を同時に有するファンホイールを設計することにより、ファンモジュールの軸方向の高さを有効に低く抑えることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、本発明のファンモジュールの構造の説明図である。
【図2】図2は、本発明のファンモジュールが電子製品に応用される状態の説明図である。
【図3】図3は、本発明の実施例1のファンモジュールの分解斜視図である。
【図4】図4は、本発明の実施例1のファンモジュールの組み立てられた状態の断面図である。
【図5】図5は、本発明の実施例2のファンモジュールの分解斜視図である。
【図6】図6は、本発明の実施例2のファンモジュールの組み立てられた状態の断面図である。
【図7】図7は、本発明の実施例3のファンモジュールの分解斜視図である。
【図8】図8は、本発明の実施例3のファンモジュールの組み立てられた状態の断面図である。
【図9】図9は、本発明の実施例4のファンモジュールの分解斜視図である。
【図10】図10は、本発明の実施例4のファンモジュールの組み立てられた状態の断面図である。
【図11】図11は、従来の第一例のファンモジュールの構造の説明図である。
【図12】図12は、従来の第二例の放熱ファンの組み立てられた状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の好適な実施の形態について、以下、図面を参照して説明する。
【0019】
図1は本発明のファンモジュールの構造の説明図で、図2は本発明のファンモジュールが電子製品に応用される状態の説明図である。図1を参照すると、本発明のファンモジュールには一個のフレーム1および一個のファンホイール2が含まれる。フレーム1はファンホイール2が組み立てることができる各種のフレームの構造からなる。ファンホイール2はフレーム1の内部に設けられ、ファンホイール2によって異なる方向から気流を導入して予定される放熱の効果を提供することができ、さらにファンホイール2によって二つの異なる方向から導入される気流を隔てることができる。
【0020】
フレーム1の内部には一個の第一流路11と一個の第二流路12が形成される。フレーム1には一個の軸方向風入口13、一個の径方向風入口14と少なくとも一個の径方向風出口15が設けられる(径方向風出口15は一個または数個からなることができ、例えば図2に示される径方向風出口15は二個からなる)。その中、軸方向風入口13は第一流路11と連通し、径方向風入口14は第二流路12と連通し、さらに少なくとも一個の径方向風出口15は第一流路11および第二流路12と連通する。
【0021】
ファンホイール2は駆動されて回動して気流を導引することができる各種の部材からなることができ、さらにファンホイール2はフレーム1の内部に設置される。その中、ファンホイール2には一個の第一導流羽根21、一個の第二導流羽根22と一個の阻流部材23が設けられる。第一導流羽根21は第一流路11に位置し、軸方向風入口13から空気を第一流路11まで導引した後、少なくとも一個の径方向風出口15を経由して再び外気中に導出する。第二導流羽根22は第二流路12に位置し、径方向風入口14から気流を第二流路12まで導引した後、少なくとも一個の径方向風出口15を経由して再び外気中に導出する。阻流部材23は主にフレーム1の内部を第一流路11と第二流路12に区隔するのに用いられ、それにより、第一流路11と第二流路12はそれぞれ独立した空間に区隔される。
【0022】
再び図1、2を参照すると、本発明のファンモジュールを実際に使用する時、ファンモジュール1を一個の電子製品3(例えばノートパソコン、携帯電話またはパーソナルデジタルアシスタントなど)に応用することにより、予定される放熱機能を提供することができる。本実施例において、電子製品3には一個の風進入部31と一個の風排出部32が含まれ、そして本発明のファンモジュール1は電子製品3の内部に設けられる。その中、フレーム1の径方向風入口14は風進入部31と相対するように形成され、軸方向風入口13は電子製品3の内部に位置するように形成され、そしてその内の一個の径方向風出口15は電子製品3の内部の各種の電子部品33に向くように形成され、さらにもう一個の径方向風出口15は風排出部32と相対するように形成される。
【0023】
これにより、ファンホイール2の第二導流羽根22は径方向風入口14から外部の空気を導入し、その内の一個の径方向風出口15を経由して電子部品33まで導引し、そして電子部品33を通過した後、その他の輔助風排出孔34から再び外部空間へ導出することにより、放熱作用を提供することができる。その他に、ファンホイール2の第一導流羽根21は同時に電子部品33の作動で生じられる熱気流を軸方向風入口13からフレーム1の内部に導入し、それからもう一個の径方向風出口15と風排出部32を経由して再び外部空間まで導出することができる。
【0024】
上述した構造設計により、本発明のファンモジュールの主な技術的特徴は、ファンホイール2の第一導流羽根21を利用して軸方向風入口13から気流を第一流路11まで導引した後、少なくとも一個の径方向風出口15を経由して再び外部へ導出することにより、放熱の作用を行うことができる。さらに、ファンホイール2の第二導流羽根22は同時に径方向風入口14から空気を第二流路12まで導引した後、少なくとも一個の径方向風出口15を経由して導出することができる構造の設計である。本発明のファンモジュールによれば、二つの異なる方向(すなわち軸方向と径方向)から空気を同時に導入することで、各種の電子製品に応用される時、外部の空気を導入して放熱を行うことができるとともに、電子製品3の内部から生じられる熱気流を導引して外部の空間まで排出することができるため、放熱効果を高めることができる。
【0025】
さらに重要なことは、ファンホイール2そのものに含まれる阻流部材23によって第一流路11と第二流路12をそれぞれ独立した空間に区隔することができるため、ファンホイール2の第一導流羽根21と第二導流羽根22はそれぞれ二つの異なる方向(すなわち軸方向と径方向)から気流を導入し、それから再び少なくとも一個の径方向風出口15を経由して導出する過程において、阻流部材23によって二つの異なる方向からくる気流を有効に隔てることにより、二つの気流が少なくとも一個の径方向風出口15からスムースに導出することができるため、乱流が生じるのを避けることができ、さらに噪音が生じるのを減らし、気流の流動がスムースになるなどの効果を有する。また、ファンホイール2によって同時に阻流の効果と二つの異なる方向から気流を導入するとの効果を有するため、本発明のファンモジュールによれば、その他の部材を利用することなく、上述した効果を達成することができるため、全体的な構造の複雑性を低く抑え、さらに本発明のファンモジュールの全体の軸方向の高さを有効に低く抑えることができる。
【0026】
また、図2に示される使用方法によれば、フレーム1の径方向風入口14と風進入部31は相対するように形成され、さらに軸方向風入口13は電子製品3の内部に位置するように形成されていても、実際に使用する時には、各種の電子製品3の要求性に応じてフレーム1の軸方向風入口13と径方向風入口14を電子製品3のその他の特定の部位に取り付けることにより、同様に二つの異なる方向から気流を導引して放熱の作用を行うことができる。
【0027】
上述したフレーム1とファンホイール21の構造的特徴によれば、本発明のファンモジュールでは大体として下記の多種類の異なる実施形態(多種類の好ましい実施形態が掲示されているが、その他の同じ結合の作用を達成できる構造の設計であれば、依然として本発明の実施範囲に含まれるべきである)を区分することができる。
【実施例1】
【0028】
図3は本発明の実施例1のファンモジュールの分解斜視図で、図4は本発明の実施例1のファンモジュールの組み立てられた状態の断面図である。図3及び4を参照すると、ファンモジュールのフレーム1aは一個の框体101および一個の封止蓋102により構成される。その中、図3に示す配置の方向から見て、軸方向風入口13はフレーム1aの底部(すなわち框体101の底面)に設置され、径方向風入口14はフレーム1aの側辺(すなわち框体101と封止蓋102の間)に設置される。また、実施例1において、フレーム1aには一個の径方向風出口15が設けられ、径方向風出口15はフレーム1aの側辺(すなわち框体101と封止蓋102の間)に設置され、そして径方向風出口15は同時に第一流路11および第二流路12と連通する。
【0029】
ファンモジュールのファンホイール2aには一個のハブ20が設けられる。その中に、図3、4に示す配置の方向から見て、阻流部材23は一個の阻隔片からなる。阻隔片は図示のようにハブ20の上部の端縁にかつフレーム1aの外部方向に向いて径方向に延伸するように一体に成形したり、またはハブ20上部の端縁に取外し自在にしたりすることができる。第一導流羽根21はハブ20の側周面にかつ阻流部材23に結合するように設置され、第二導流羽根22は阻流部材23の上部(すなわち封止蓋102に向いている片方の側)に設置されることにより、阻流部材23によって第一流路11と第二流路12を区隔した後、第一導流羽根21と第二導流羽根22は同時にそれぞれ第一流路11と第二流路12に位置するように形成される。これにより、フレーム1aの内部に一個のモーター駆動ユニットMを設置することができ、モーター駆動ユニットMはファンホイール2aと枢接するのに用いられることにより、モーター駆動ユニットMによってファンホイール2aが回動するよう駆動することができる。
【0030】
本発明の実施例1のファンモジュールを実際に使用する時、ファンホイール2aの第一導流羽根21は軸方向風入口13から気流を導入し、それから径方向で第一流路11と連通する径方向風出口15を経由して気流を一個の熱源まで導出することができる。また、ファンホイール2aの第二導流羽根22は同時に径方向風入口14から気流を導入し、それから径方向で第二流路12と連通する径方向風出口15を経由して気流をもう一個の熱源まで導出することができる。これにより、本発明の実施例1のファンモジュールを各種の電子製品(その応用の方式は図2に掲示される実施形態とは大体同じであるため、ここでは説明を省略する)に応用することができ、そして確実に二つの異なる方向から気流を導入することができるため、放熱の効果を高めることができる。また、ファンホイール2aそのものに設けられる阻流部材23によって同様に第一流路11と第二流路12をそれぞれ独立した空間に区隔することにより、乱流が生じるのを避けることができるとともに、全体的な構造の複雑性と軸方向の高さを低く抑えることができる。
【実施例2】
【0031】
図5は本発明の実施例2のファンモジュールの分解斜視図で、図6は本発明の実施例2のファンモジュールの組み立てられた状態の断面図である。図5及び6を参照すると、ファンモジュールは同様に一個のフレーム1bおよび一個のファンホイール2bにより構成される。実施例2のファンモジュールと実施例1のファンモジュールの差異は、第一導流羽根21は阻流部材23の底部(図5に示す配置の方向から見て)に設置され、そして第一導流羽根21はハブ20の側周面に連接されていない。全体的に言えば、第一導流羽根21がハブ20に向いている一端とハブ20の側周面の間には隙間を有するように形成されるため、実施例2のファンモジュールと実施例1のファンモジュールを比較すると、第一ファンホイール2bの第一導流羽根21によって軸方向風入口13から気流を導入する過程において、乱流が生じるのをさらに有効に防ぐことができるため、全体的な放熱の効果を高めることができる。
【実施例3】
【0032】
図7は本発明の実施例3のファンモジュールの分解斜視図で、図8は本発明の実施例3のファンモジュールの組み立てられた状態の断面図である。図7及び8を参照すると、ファンモジュールは同様に一個のフレーム1cおよび一個のファンホイール2cにより構成される。実施例3のファンモジュールと実施例1のファンモジュールの差異は、フレーム1cには二個の径方向風出口15が設けられ、二個の径方向風出口15はフレーム1cの側辺(図式の方式を主とする)に設置され、その中に二個の径方向風出口15の風の排出方向は径方向において角度を有するように形成される。すなわち二個の径方向風出口15は径方向で位置ずれるようにフレーム1cの側辺に設置される。また、阻流部材23は一個の阻隔片からなり、阻隔片とハブ20は互いに取外し自在な構造の設計からなることができる。全体的に言えば、実施例3のファンモジュールと実施例2のファンモジュールを比較すると、実施例3のファンモジュールは取外しが簡単であるため、補修が簡単になるという利点を有する。
【実施例4】
【0033】
図9は本発明の実施例4のファンモジュールの分解斜視図で、図10は本発明の実施例4のファンモジュールの組み立てられた状態の断面図である。図9及び10を参照すると、ファンモジュールは同様に一個のフレーム1dおよび一個のファンホイール2dにより構成される。実施例4のファンモジュールと実施例1のファンモジュールの差異は、フレーム1dの第一流路11と第二流路12の位置が異なり、さらにフレーム1dは一個の框体101、一個の封止蓋102と一個の底板103により構成される。框体101の内部には一個の基座104が設置され、基座104はモーター駆動ユニットMが結合するのに用いられる。モーター駆動ユニットMは第二流路12に位置するように形成される。その中に、図9に示す配置の方向から見て、軸方向風入口13はフレーム1dの上部(すなわち封止蓋102)に設置され、径方向風入口14と径方向風出口15は同様に框体101の側辺に設置される。また、ファンホイール2dのハブ20には一個の回転軸201が設けられ、回転軸201はモーター駆動ユニットMに枢接され、かつ第二流路12まで突出するように形成される。実施例4において、阻流部材23は一個の阻隔片からなり、阻隔片は回転軸201と結合するのに用いられることにより、モーター駆動ユニットMによって回転軸201を経由してハブ20が回動するように駆動される時、阻流部材23は合わせて回動するように連動される。これにより、上述した各種の実施形態と異なる実施形態のファンモジュールの設計を提供することにより、同じ効果を獲得することができる。
【0034】
上述のように、本発明のファンモジュールによれば、確実に第一導流羽根21と第二導流羽根22を利用してそれぞれ軸方向風入口13と径方向風入口14などの二つの異なる方向から気流を導入し、それから少なくとも一個の径方向風出口15を経由して予定される部位まで導出することにより、本発明のファンホイールが各種の電子製品3に応用される時、外部の空気を導入して放熱を行うことができるとともに、電子製品3の内部で生じられる熱気流を導引して外部空間へ排出することができるため、放熱の効果をさらに高めることができる。
【0035】
また、阻流部材23の構造の設計によって、さらに第一流路11と第二流路12を区隔することにより、阻流部材23を利用して二つの異なる方向からくる気流を有効に分けることができるため、乱流が生じるのを避けることができ、さらに噪音が生じるのを減らし、気流の流動がスムースになるなどの効果を有する。また、全体的な構造の複雑性と軸方向の高さを低く抑えることができる。
【0036】
本発明は、その精神及び必須の特徴事項から逸脱することなく他のやり方で実施することができる。従って、本明細書に記載した好ましい実施例は例示的なものであり、限定を意図するものではない。
【符号の説明】
【0037】
1、1a、1b、1c、1d フレーム
101 框体
102 封止蓋
103 底板
104 基座
11 第一流路
12 第二流路
13 軸方向風入口
14 径方向風入口
15 径方向風出口
2、2a、2b、2c、2d ファンホイール
20 ハブ
201 回転軸
21 第一導流羽根
22 第二導流羽根
23 阻流部材
3 電子製品
31 風進入部
32 風排出部
33 電子部品
34 輔助風排出孔
8 ファンモジュール
81 ファン
82 放熱器
83 ノートパソコン
831 電子チップ
9 放熱ファン
91 枠座
911 風入口
912 風出口
92 メインファンホイール
93 サブファンホイール
M モーター駆動ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一個のフレーム(1)および一個のファンホイール(2)を有するファンモジュールにおいて、フレーム(1)にはフレーム(1)の内部と連通する一個の軸方向風入口(13)、一個の径方向風入口(14)と少なくとも一個の径方向風出口(15)が設けられ、ファンホイール(2)は回動自在にフレーム(1)の内部に設けられ、ファンホイール(2)には一個の第一導流羽根(21)、一個の第二導流羽根(22)と一個の阻流部材(23)が設けられ、阻流部材(23)はフレーム(1)の内部を一個の第一流路(11)と一個の第二流路(12)に区隔するのに用いられることにより、第一導流羽根(21)は第一流路(11)に位置し、第二導流羽根(22)は第二流路(12)に位置するように形成されることを特徴とするファンモジュール。
【請求項2】
軸方向風入口(13)は第一流路(11)と連通し、径方向風入口(14)は第二流路(12)と連通し、少なくとも一個の径方向風出口(15)は第一流路(11)および第二流路(12)と連通するように形成されることを特徴とする請求項1に記載のファンモジュール。
【請求項3】
径方向風出口(15)は一個からなり、径方向風出口(15)は同時に第一流路(11)および第二流路(12)と連通するように形成されることを特徴とする請求項1に記載のファンモジュール。
【請求項4】
径方向風出口(15)を二個有し、径方向風出口(15)はそれぞれ第一流路(11)および第二流路(12)と連通するように形成されることを特徴とする請求項1に記載のファンモジュール。
【請求項5】
二個の径方向風出口(15)は径方向で位置ずれるようにフレーム(1)の側辺に設置されることを特徴とする請求項4に記載のファンモジュール。
【請求項6】
ファンホイール(2)には一個のハブ(20)が含まれ、阻流部材(23)は一個の阻隔片からなり、上記阻隔片は一体成形または取外し自在になるようにハブ(20)の上部の端縁に結合されることを特徴とする請求項1、2、3、4または5に記載のファンモジュール。
【請求項7】
第一導流羽根(21)はハブ(20)の側周面にかつ阻流部材(23)に結合するように設置され、第二導流羽根(22)は阻流部材(23)の上部に設置されることを特徴とする請求項6に記載のファンモジュール。
【請求項8】
第一導流羽根(21)は阻流部材(23)の底部に設置され、第二導流羽根(22)は阻流部材(23)の上部に設置されることを特徴とする請求項6に記載のファンモジュール。
【請求項9】
第一導流羽根(21)がハブ(20)に向いている一端とハブ(20)の側周面の間には隙間を有するように形成されることを特徴とする請求項8に記載のファンモジュール。
【請求項10】
フレーム(1)の内部には一個のモーター駆動ユニット(M)が設置され、ファンホイール(2)はモーター駆動ユニット(M)と枢接するように形成されることを特徴とする請求項1、2、3、4または5に記載のファンモジュール。
【請求項11】
フレーム(1)の内部には一個の基座(104)が設置され、基座(104)は一個のモーター駆動ユニット(M)と結合し、モーター駆動ユニット(M)は第一流路(11)に位置し、ファンホイール(2)には一個のハブ(20)が含まれ、ハブ(20)には一個の回転軸(201)が設けられ、回転軸(201)はモーター駆動ユニット(M)に枢接され、かつ第二流路(12)まで突出して阻流部材(23)と連接するように形成されることを特徴とする請求項1、2、3、4または5に記載のファンモジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−132428(P2012−132428A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−148855(P2011−148855)
【出願日】平成23年7月5日(2011.7.5)
【出願人】(597149629)建準電機工業股▲分▼有限公司 (53)
【Fターム(参考)】