フィトステロール/フィトスタノールリン脂質エステルの生産方法
本発明は、a)少なくとも約10%〜約70%の植物リン脂質及び少なくとも約5%の水を包含するリン脂質組成物と、脂質アシルトランスフェラーゼと、フィトステロール及び/又はフィトスタノールとを混合する工程、並びにb)前記混合物から少なくとも1つのフィトステロールエステル及び/又はフィトスタノールエステルを分離又は単離又は精製する工程を包含する、フィトステロールエステル及び/又はフィトスタノールエステルを生産する方法に関する。本発明はまた、食料品及びパーソナルケア製品(化粧品)組成物を含む、この方法によって生産されたフィトステロールエステル及び/又はフィトスタノールエステルを包含する組成物にも関するものである。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)少なくとも約10%〜約70%の植物リン脂質を含むリン脂質組成物と、脂質アシルトランスフェラーゼと、フィトステロール及び/又はフィトスタノールと、任意で水とを混合することによって、少なくとも2%w/wの水を含む反応組成物を調製する工程、並びに
b)少なくとも1つのフィトステロールエステル及び/又はフィトスタノールエステルを単離又は精製する工程
を含む、フィトステロールエステル及び/又はフィトスタノールエステルを生産する方法。
【請求項2】
フィトステロール及び/又はフィトスタノールが、反応混合物全体の少なくとも5%の量で添加される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
フィトステロールエステル及び/又はフィトスタノールエステルが、食料品又は食物成分と混合される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
フィトステロールエステル及び/又はフィトスタノールエステルが、薬学的な希釈剤、担体、若しくは賦形剤、又は化粧品用の希釈剤、担体、若しくは賦形剤と混合される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
a)少なくとも約10%〜約70%の植物リン脂質を含むリン脂質組成物、b)少なくとも約2%の水、並びにc)添加されたフィトステロール及び/又はフィトスタノールを含む反応組成物中でフィトステロールエステル及び/又はフィトスタノールエステルを生産するための、脂質アシルトランスフェラーゼの使用。
【請求項6】
フィトステロール及び/又はフィトスタノールが、反応組成物の少なくとも5%の量で添加される、請求項5に記載の使用。
【請求項7】
フィトステロール及び/又はフィトスタノールが、
i)3−β−ヒドロキシ基若しくは3−α−ヒドロキシ基、及び/又は
ii)cis位のA:B環、若しくはtrans位のA:B環、若しくはC5−C6が飽和していない
という構造的特徴の1又は2以上を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の方法、又は請求項5若しくは6に記載の使用。
【請求項8】
フィトステロールが、α−シトステロール、β−シトステロール、スチグマステロール、エルゴステロール、カンペステロール、5,6−ジヒドロステロール、ブラシカステロール、α−スピナステロール、β−スピナステロール、γ−スピナステロール、δ−スピナステロール、フコステロール、ディモステロール、アスコステロール、セレビステロール、エピステロール、アナステロール、ハイポステロール、コンドリラステロール、デスモステロール、カリノステロール、ポリフェラステロール、クリオナステロール、ステロール配糖体、並びに他の天然又は合成の異性体及び誘導体からなる群から選択される1又は2以上である、請求項1〜4若しくは7のいずれかに記載の方法、又は請求項5〜6若しくは7に記載の使用。
【請求項9】
リゾリン脂質もまた生産される、請求項1〜4若しくは7〜8に記載の方法、又は請求項5〜6又は7〜8に記載の使用。
【請求項10】
リゾリン脂質が精製又は単離される、請求項9に記載の方法又は使用。
【請求項11】
脂質アシルトランスフェラーゼが、GDSXモチーフ及び/又はGANDYモチーフを含む、請求項1〜4若しくは7〜10のいずれかに記載の方法、或いは請求項4若しくは5又は6〜9のいずれかに記載の使用。
【請求項12】
脂質アシルトランスフェラーゼが、アシルトランスフェラーゼ活性を保有しアミノ酸配列モチーフGDSXを含む酵素として特徴付けされ、前記モチーフにおいて、Xが、以下のアミノ酸残基L、A、V、I、F、Y、H、Q、T、N、M、又はSの1又は2以上である、請求項1〜4若しくは7〜11のいずれかに記載の方法、又は請求項5〜6又は7〜11のいずれかに記載の使用。
【請求項13】
脂質アシルトランスフェラーゼが、「アシルトランスフェラーゼ活性%を決定するためのプロトコル」を用いて試験された場合に少なくとも15%のトランスフェラーゼ活性を有する、請求項1〜4若しくは7〜12のいずれかに記載の方法、又は請求項5〜6若しくは7〜12のいずれかに記載の使用。
【請求項14】
脂質アシルトランスフェラーゼが、バチルス・リケニフォルミスにおけるヌクレオチド配列の発現によって得られ得るポリペプチドである、請求項1〜4若しくは7〜13のいずれかに記載の方法、又は請求項5〜6若しくは7〜13のいずれかに記載の使用。
【請求項15】
リン脂質組成物が、食用油又は食用原油の脱ガム(化学的脱ガム、酵素的脱ガム、全脱ガム、超脱ガム、水による脱ガム、又はその2以上の組合せなど)によって得られるガム相である、請求項1〜4若しくは7〜14のいずれかに記載の方法、又は請求項5〜6若しくは7〜14のいずれかに記載の使用。
【請求項16】
リン脂質組成物が、酸及び/又はアルカリ(水酸化ナトリウムなど)で食用原油又は食用油を処理する工程、並びにソーダ油さい画分を単離する工程によって得られるソーダ油さいである、請求項1〜4若しくは7〜15のいずれかに記載の方法、或いは請求項5〜6若しくは7〜15のいずれかに記載の使用。
【請求項17】
ガム相又はソーダ油さいが、それを脂質アシルトランスフェラーゼ並びにフィトステロール及び/又はフィトスタノール、並びに任意で水と混合する前に、精製、乾燥、又は溶媒分画されるか、又はその2以上の組合せである、請求項15又は16に記載の方法又は使用。
【請求項18】
請求項1〜4若しくは7〜17のいずれかに記載の方法、又は請求項5〜6若しくは7〜17のいずれかに記載の使用によって得られるフィトステロールエステル及び/又はフィトスタノールエステルを含む組成物。
【請求項19】
請求項1〜4若しくは7〜17のいずれかに記載の方法、又は請求項5〜6若しくは7〜17のいずれかに記載の使用によって得られるフィトステロールエステル及び/又はフィトスタノールエステルを含む食料品。
【請求項20】
請求項1〜4若しくは7〜17のいずれかに記載の方法、又は請求項5〜6若しくは7〜17のいずれかに記載の使用によって得られるフィトステロールエステル及び/又はフィトスタノールエステル、並びに任意で化粧品用の希釈剤、賦形剤、又は担体を含む、パーソナルケア(例えば、化粧品)組成物。
【請求項21】
フィトステロールエステル及び/又はフィトスタノールエステルを含む食料品を生産する方法であって、請求項18に記載の組成物を食料品及び/又は食材に添加するステップを含む方法。
【請求項22】
フィトステロールエステル及び/又はフィトスタノールエステルを含むパーソナルケア製品(例えば、化粧品)を生産する方法であって、請求項18に記載の組成物をさらなるパーソナルケア製品(化粧品)の成分に添加するステップを含む方法。
【請求項23】
実施例及び図面を参照して、上記に実質的に記載された方法。
【請求項24】
実施例及び図面を参照して、上記に実質的に記載された使用。
【請求項25】
実施例及び図面を参照して、上記に実質的に記載された組成物。
【請求項1】
a)少なくとも約10%〜約70%の植物リン脂質を含むリン脂質組成物と、脂質アシルトランスフェラーゼと、フィトステロール及び/又はフィトスタノールと、任意で水とを混合することによって、少なくとも2%w/wの水を含む反応組成物を調製する工程、並びに
b)少なくとも1つのフィトステロールエステル及び/又はフィトスタノールエステルを単離又は精製する工程
を含む、フィトステロールエステル及び/又はフィトスタノールエステルを生産する方法。
【請求項2】
フィトステロール及び/又はフィトスタノールが、反応混合物全体の少なくとも5%の量で添加される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
フィトステロールエステル及び/又はフィトスタノールエステルが、食料品又は食物成分と混合される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
フィトステロールエステル及び/又はフィトスタノールエステルが、薬学的な希釈剤、担体、若しくは賦形剤、又は化粧品用の希釈剤、担体、若しくは賦形剤と混合される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
a)少なくとも約10%〜約70%の植物リン脂質を含むリン脂質組成物、b)少なくとも約2%の水、並びにc)添加されたフィトステロール及び/又はフィトスタノールを含む反応組成物中でフィトステロールエステル及び/又はフィトスタノールエステルを生産するための、脂質アシルトランスフェラーゼの使用。
【請求項6】
フィトステロール及び/又はフィトスタノールが、反応組成物の少なくとも5%の量で添加される、請求項5に記載の使用。
【請求項7】
フィトステロール及び/又はフィトスタノールが、
i)3−β−ヒドロキシ基若しくは3−α−ヒドロキシ基、及び/又は
ii)cis位のA:B環、若しくはtrans位のA:B環、若しくはC5−C6が飽和していない
という構造的特徴の1又は2以上を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の方法、又は請求項5若しくは6に記載の使用。
【請求項8】
フィトステロールが、α−シトステロール、β−シトステロール、スチグマステロール、エルゴステロール、カンペステロール、5,6−ジヒドロステロール、ブラシカステロール、α−スピナステロール、β−スピナステロール、γ−スピナステロール、δ−スピナステロール、フコステロール、ディモステロール、アスコステロール、セレビステロール、エピステロール、アナステロール、ハイポステロール、コンドリラステロール、デスモステロール、カリノステロール、ポリフェラステロール、クリオナステロール、ステロール配糖体、並びに他の天然又は合成の異性体及び誘導体からなる群から選択される1又は2以上である、請求項1〜4若しくは7のいずれかに記載の方法、又は請求項5〜6若しくは7に記載の使用。
【請求項9】
リゾリン脂質もまた生産される、請求項1〜4若しくは7〜8に記載の方法、又は請求項5〜6又は7〜8に記載の使用。
【請求項10】
リゾリン脂質が精製又は単離される、請求項9に記載の方法又は使用。
【請求項11】
脂質アシルトランスフェラーゼが、GDSXモチーフ及び/又はGANDYモチーフを含む、請求項1〜4若しくは7〜10のいずれかに記載の方法、或いは請求項4若しくは5又は6〜9のいずれかに記載の使用。
【請求項12】
脂質アシルトランスフェラーゼが、アシルトランスフェラーゼ活性を保有しアミノ酸配列モチーフGDSXを含む酵素として特徴付けされ、前記モチーフにおいて、Xが、以下のアミノ酸残基L、A、V、I、F、Y、H、Q、T、N、M、又はSの1又は2以上である、請求項1〜4若しくは7〜11のいずれかに記載の方法、又は請求項5〜6又は7〜11のいずれかに記載の使用。
【請求項13】
脂質アシルトランスフェラーゼが、「アシルトランスフェラーゼ活性%を決定するためのプロトコル」を用いて試験された場合に少なくとも15%のトランスフェラーゼ活性を有する、請求項1〜4若しくは7〜12のいずれかに記載の方法、又は請求項5〜6若しくは7〜12のいずれかに記載の使用。
【請求項14】
脂質アシルトランスフェラーゼが、バチルス・リケニフォルミスにおけるヌクレオチド配列の発現によって得られ得るポリペプチドである、請求項1〜4若しくは7〜13のいずれかに記載の方法、又は請求項5〜6若しくは7〜13のいずれかに記載の使用。
【請求項15】
リン脂質組成物が、食用油又は食用原油の脱ガム(化学的脱ガム、酵素的脱ガム、全脱ガム、超脱ガム、水による脱ガム、又はその2以上の組合せなど)によって得られるガム相である、請求項1〜4若しくは7〜14のいずれかに記載の方法、又は請求項5〜6若しくは7〜14のいずれかに記載の使用。
【請求項16】
リン脂質組成物が、酸及び/又はアルカリ(水酸化ナトリウムなど)で食用原油又は食用油を処理する工程、並びにソーダ油さい画分を単離する工程によって得られるソーダ油さいである、請求項1〜4若しくは7〜15のいずれかに記載の方法、或いは請求項5〜6若しくは7〜15のいずれかに記載の使用。
【請求項17】
ガム相又はソーダ油さいが、それを脂質アシルトランスフェラーゼ並びにフィトステロール及び/又はフィトスタノール、並びに任意で水と混合する前に、精製、乾燥、又は溶媒分画されるか、又はその2以上の組合せである、請求項15又は16に記載の方法又は使用。
【請求項18】
請求項1〜4若しくは7〜17のいずれかに記載の方法、又は請求項5〜6若しくは7〜17のいずれかに記載の使用によって得られるフィトステロールエステル及び/又はフィトスタノールエステルを含む組成物。
【請求項19】
請求項1〜4若しくは7〜17のいずれかに記載の方法、又は請求項5〜6若しくは7〜17のいずれかに記載の使用によって得られるフィトステロールエステル及び/又はフィトスタノールエステルを含む食料品。
【請求項20】
請求項1〜4若しくは7〜17のいずれかに記載の方法、又は請求項5〜6若しくは7〜17のいずれかに記載の使用によって得られるフィトステロールエステル及び/又はフィトスタノールエステル、並びに任意で化粧品用の希釈剤、賦形剤、又は担体を含む、パーソナルケア(例えば、化粧品)組成物。
【請求項21】
フィトステロールエステル及び/又はフィトスタノールエステルを含む食料品を生産する方法であって、請求項18に記載の組成物を食料品及び/又は食材に添加するステップを含む方法。
【請求項22】
フィトステロールエステル及び/又はフィトスタノールエステルを含むパーソナルケア製品(例えば、化粧品)を生産する方法であって、請求項18に記載の組成物をさらなるパーソナルケア製品(化粧品)の成分に添加するステップを含む方法。
【請求項23】
実施例及び図面を参照して、上記に実質的に記載された方法。
【請求項24】
実施例及び図面を参照して、上記に実質的に記載された使用。
【請求項25】
実施例及び図面を参照して、上記に実質的に記載された組成物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図60】
【図61】
【図62】
【図63】
【図64】
【図65】
【図66】
【図67】
【図68】
【図69】
【図70】
【図71】
【図72−1】
【図72−2】
【図73】
【図74】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図60】
【図61】
【図62】
【図63】
【図64】
【図65】
【図66】
【図67】
【図68】
【図69】
【図70】
【図71】
【図72−1】
【図72−2】
【図73】
【図74】
【公表番号】特表2012−521753(P2012−521753A)
【公表日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−501471(P2012−501471)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【国際出願番号】PCT/IB2010/051339
【国際公開番号】WO2010/109441
【国際公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(397060588)デュポン ニュートリション バイオサイエンシーズ エーピーエス (67)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【国際出願番号】PCT/IB2010/051339
【国際公開番号】WO2010/109441
【国際公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(397060588)デュポン ニュートリション バイオサイエンシーズ エーピーエス (67)
【Fターム(参考)】
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