説明

フィラメントワインディング装置

【課題】回転部材表面における繊維の滑りを抑制することができるフィラメントワインディング装置を提供すること。
【解決手段】ワーク(回転部材)16を回転させながらワーク16の表面に樹脂含浸繊維を巻き付けるフィラメントワインディング装置11において、ワーク16の表面に巻き付けられた前記繊維をワーク16に押圧するホールド冶具(押圧具)51を備える。このホールド冶具51は、ワーク16の表面に沿って移動可能に構成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィラメントワインディング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
FRP(繊維強化プラスチック)製のパイプや容器を効率よく形成する方法としてフィラメントワインディング法がある。フィラメントワインディング法では一般に、樹脂含浸バス(樹脂含浸槽)で繊維束に樹脂を含浸し、樹脂含浸繊維束を回転するマンドレルの周囲に所定の角度で巻き付ける(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−102985号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このようなフィラメントワインディングを行うフィラメントワインディング装置では、マンドレルに繊維を巻付ける際に滑りが発生する場合がある。滑りとは、繊維がマンドレルの表面に適切に巻き付けられず、所定位置から滑り落ちることを言い、特に、ライナー胴部及び鏡部に繊維を螺旋状に巻き付けるヘリカル巻において多く見られる。
【0004】
滑りが発生する原因としては、繊維と樹脂とのまとまりが悪い場合に、繊維束の中で他の繊維とのなじみが悪い繊維が部分的にほどける、あるいは、既に巻き付けられている繊維から滲み出した樹脂の上に新たに巻かれた繊維が滑る、ということが考えられている。
【0005】
滑りが発生した場合、人手により巻き直し作業を行う必要があり、巻き直し及びマシンの再起動が必要であることから大幅な時間ロスが発生する。さらに、CFRP製のタンク強度改善やプリプレグ繊維に対応するためには、巻き付け時における繊維の張力向上が必要であるが、張力を上げるとその背反として滑りやすさが増すため、滑りを抑制する技術の開発が望まれている。
【0006】
上記事情に鑑み、本発明は、回転部材表面における繊維の滑りを抑制することができるフィラメントワインディング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明のフィラメントワインディング装置は、回転部材を回転させながら該回転部材の表面に樹脂含浸繊維を巻き付けるフィラメントワインディング装置において前記回転部材の表面に巻き付けられた繊維を該回転部材に押圧する押圧手段を備えると共に、この押圧手段は前記回転部材の表面に沿って移動可能とされている。
【0008】
本構成によれば、回転部材の表面の任意の位置に押圧手段を対向させて配置することが可能となるので、繊維の巻き付け後に滑りの発生する虞のある部位を押圧手段によって押圧することにより、繊維の滑りを抑制することが可能となる。また、従来は作業者が手で押さえていた繊維の巻始めおよび巻終わりを押圧手段によって自動で押さえることもできる。
【0009】
本発明のフィラメントワインディング装置においては、前記押圧手段の移動範囲が前記回転部材の表面の一部に限定されていてもよい。
【0010】
例えば、巻き付けられた繊維が前記回転部材の表面のうち他の部位よりも滑りやすい特定部位を記憶する記憶手段と、前記特定部位への前記繊維の巻き付けを検出する検出手段と、をさらに備えると共に、前記押圧手段は、前記特定部位への前記繊維の巻き付けが検出された直後に前記特定部位に巻き付けられた繊維を押圧してもよい。
本構成によれば、回転部材の表面(外面)形状に基づいてその表面のうち他の部位よりも相対的に滑りが発生しやすい特定部位を予め記憶手段に記憶しておき、この特定部位に繊維が巻き付けられたことを検出したら、その直後に速やかに繊維を押圧手段により押圧することにより、滑りを抑制することが可能となる。
なお、押圧手段の移動可能範囲は、「他の部位よりも滑りやすい」というパラメータ以外のパラメータで特定してもよいし、その特定部位を記憶するための記憶手段を備えていなくてもよい。
【0011】
滑りが発生しやすい特定部位の例としては、回転部材の回転軸に対して所定角度以上の傾斜を有する部位や、回転部材の回転軸方向における端部等が挙げられる。なお、回転部材の表面の一部が曲面である場合において、「回転軸に対して所定角度以上の傾斜を有する部位」とは、当該曲面に対する接平面と回転軸とがなす角度が所定角度以上の部位であることを意味する。
【0012】
本発明のフィラメントワインディング装置においては、前記押圧手段の先端に、前記回転部材の表面に密着可能な軟質部を備えていてもよい。
【0013】
本構成によれば、軟質部が回転部材の表面形状に応じて(倣って)変形して密着することで、より確実に繊維を押圧することができる。
【0014】
本発明のフィラメントワインディング装置においては、前記押圧手段の先端に、加熱部を備えていてもよい。
【0015】
本構成によれば、押圧手段により回転部材表面の繊維を押圧する際に繊維に含浸された樹脂を部分硬化させ得て、繊維の滑りを効果的に抑制することができる。
【0016】
本発明のフィラメントワインディング装置においては、前記押圧手段の先端に、前記回転部材に接着剤を吐出する吐出部を備えていてもよい。
【0017】
本構成では、吐出された接着剤が押圧手段からの押圧力によって繊維の内部に浸透し、繊維に拘束力を与えることができるので、繊維の滑りをより効果的に抑制することができる。
【0018】
本発明のフィラメントワインディング装置においては、前記回転部材表面に巻き付けられた前記繊維の滑りの有無を監視する監視手段を備えていてもよい。
【0019】
本構成によれば、押圧手段による押圧前後において監視手段により回転部材の表面状態を監視することにより、滑りが発生しているか否かをリアルタイムあるいは事後的に確認することが可能となる。また、回転部材の表面状態に応じて押圧手段による押圧力を制御する等の処理を行うことが可能となる。なお、監視手段の例としては、監視カメラ等が挙げられる。
【0020】
なお、本発明における「繊維」とは、繊維1本を意味するだけでなく、複数の繊維を撚ってなる繊維束や、さらに複数の繊維束を撚ってなる繊維束をも含む。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、回転部材表面の繊維を必要に応じて適宜押圧することが可能となるため、巻き付け時における繊維の滑りを効果的に抑制することができる
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
次に、本発明の一実施形態に係る押圧手段を備えたフィラメントワインディング装置について説明する。
【0023】
図1及び図2に示すように、フィラメントワインディング装置(以下、「FW装置」という。)11は、繊維束供給部12、樹脂含浸装置13、繊維束ガイド14及び給糸ユニット15を備えている。給糸ユニット15は、チャック9に支持されたワーク(回転部材)16の長手方向(回転軸方向、図1における左右方向)に沿って往復移動可能に構成されている。
【0024】
給糸ユニット15を往復移動させる第1のアクチュエータ17には、ボールネジを使用するとともに、ナットと一体移動可能な移動体17aを1軸方向に移動させる構成の公知のものが使用されている。移動体17a上には、給糸ユニット15を昇降させる第2のアクチュエータ18が固定され、給糸ユニット15は第2のアクチュエータ18に取り付けられている。
【0025】
繊維束供給部12は、繊維束(繊維)Fが巻かれた複数(この実施形態では3つ)のボビンBが、張力調整装置(図示せず)に連結された支軸12aに支持される構成になっている。張力調整装置には例えばパウダーブレーキや、渦電流により支軸12aに負荷を加える構成の所謂パーマトルクが使用されている。繊維束Fは、例えば、炭素繊維の無撚りのマルチフィラメントからなり、マルチフィラメントはフィラメント数が3000〜96000本程度である。
【0026】
樹脂含浸装置13は、樹脂槽19及び含浸ローラ20を備え、さらに樹脂槽19の上方にはボビンBから引き出された繊維束Fを樹脂槽19の所定位置に案内するローラ21aと、樹脂槽19で樹脂が含浸された後の繊維束Fを案内するローラ21bとが設けられている。なお、図1では、ローラ21a,21bの図示を省略している。また、繊維束供給部12とローラ21aとの間には、図示しないテンションローラが各繊維束Fに対応して設けられている。
【0027】
繊維束ガイド14は複数のボビンBから引き出された繊維束Fを給糸ユニット15に案内する装置である。
【0028】
チャック9はワーク16をその軸心(回転軸)を中心に回転可能に支持し、可変速モータにより回転駆動される。そして、後述の制御部30により可変速モータが制御されて、チャック9が給糸ユニット15の移動速度と同期した状態で回転駆動されることにより、繊維束Fのワーク16に対する巻付け角度を任意の角度に設定して巻き付けることができるようになっている。ワーク16は、例えばマンドレルあるいはタンクを製造する場合のライナ等である。
【0029】
ワーク16の周囲には、ワーク16を取り囲むようにしてレール50が設けられている。レール50にはホールド冶具(押圧手段)51が移動自在に支持されており、ホールド冶具51はレール50に案内されることにより、ワーク16の表面に沿って移動可能とされている。
【0030】
レール50は、ワーク16を挟んで一対設けられており、それらは対向状態つまりワーク16の回転方向に沿って180度間隔で配置されていると共に、ワーク16の回転軸を含む平面内にて各レール50に設けられたホールド治具51が約180度の範囲をそれぞれ移動できるようにワーク16の外側を取り囲んでいる。なお、レール50は、ワーク16の回転方向に沿って等間隔あるいは不等間隔に3つ以上設けられていてもよい。
【0031】
図3は、ホールド冶具51の拡大図である。ホールド冶具51は、レール50を構成する一対のレール構成要素50a、50b間に挟持された車輪52と、車輪52に支持されたボディ53と、ボディ53から伸びる伸縮性アーム54により支持されたパッド(軟質部)55と、を備える。
【0032】
伸縮性アーム54は、ボディ53の内部に設けられたエア駆動装置(アクチュエータ)56により、パッド55がワーク16に離接自在となるように構成されている。パッド55は、ワーク16の表面に押圧されると自身が弾性変形することにより当該表面に密着することが可能なゴム、樹脂等の軟質部材により形成されている。
【0033】
なお、ホールド冶具51は不図示のモータ等を駆動源としてレール50を移動するように構成されている。
【0034】
制御部30は、ホールド冶具51を含むFW装置11の全体を制御するものであり、ワーク16に巻き付けられた繊維がワーク16の表面のうち他の部位よりも相対的に滑りやすい特定部位に関する情報が不図示の記憶部に予め記憶されている。また、制御部30は、給糸ユニット15を駆動する際の当該給糸ユニット15の位置情報に基づいて、特定部位への繊維束Fへの巻き付けを検出する。
【0035】
このように、本実施形態の制御部30は、特定部位を記憶する記憶手段と、特定部位への繊維の巻き付けを検出する検出手段としての機能を兼備している。なお、特定部位は、ワーク16の表面形状によって異なり、例えばワーク16の回転軸に対して所定角度以上の傾斜を有する傾斜部、特に、ワーク16が高圧タンクである場合における当該高圧タンクの回転軸方向両端部に形成された凸曲面部(肩部)が該当する。
【0036】
次に、前記のように構成された給糸ユニット15を備えたFW装置11の作用を図4に示したフローを用いて説明する。
【0037】
給糸ユニット15は取付け部22において第2のアクチュエータ18に固定されて、FW装置11に取り付けられる。そして、例えば、高圧タンクを製造する場合は、先ずワーク16としてのライナをFW装置11のチャック9に支持させる。次に、第1のアクチュエータ17及び第2のアクチュエータ18を作動させて、給糸ユニット15を原位置(巻付け開始位置)に配置する。
【0038】
次に、繊維束供給部12から繰り出された繊維束Fを、樹脂含浸装置13及び繊維束ガイド14を経て給糸ユニット15に導き、繊維束Fの端部をワーク16の所定位置に固定する。このとき、ホールド冶具51を用いて巻始めの繊維先端部をワーク16に固定する。制御部30はエア駆動装置56を制御して伸縮性アーム54を伸ばし、パッド55とワーク16との間に繊維束Fの先端を挟持させることにより、繊維束Fを固定する(ステップS1)。
【0039】
また、ワーク16の長さ、径、回転速度、繊維束Fのワーク16への巻付け時における幅等の巻付け条件を制御部30に入力する。なお、このときに上記特定部位に関する情報を入力することが可能な構成としてもよい。
【0040】
次に、FW装置11による繊維束Fの巻付け運転が開始される(ステップS2)。FW装置11の運転が開始されると、ワーク16が一定方向に回転されるとともに、第1のアクチュエータ17の駆動により、給糸ユニット15が移動体17aと共に巻付け開始位置からワーク16の軸方向と平行に移動される。
【0041】
そして、繊維束供給部12から繊維束Fが順次引き出されてワーク16上に巻き付けられる。移動体17aの移動速度及びワーク16の回転速度の調整により、ヘリカル巻層、フープ巻層及びレーベル巻層の巻付けが行われる。
【0042】
制御部30は、ワーク16の表面のうち前記滑りやすい特定部位に繊維束Fが巻き付けられると、ホールド冶具51を当該特定部位に移動させ(または予め移動させておき)、伸縮性アーム54を伸ばしてパッド55により繊維束Fをワーク16表面に押圧する(ステップS3)。このときの押圧時間を適切に制御し、繊維束Fが適切にワーク16に固定されるようにする。押圧が不要な間は、伸縮性アーム54を縮小させパッド55をワーク16から退避させておく。
【0043】
ヘリカル巻層、フープ巻層及びレーベル巻層が所定層数巻き付けられた時点で繊維束Fの巻付けが完了する(ステップS4)。そして、ワーク16に巻き付けられた繊維束Fの端部をホールド冶具51によりワーク16に固定する(ステップS5)。その後、この固定部から出口ガイドに連なる繊維束Fが切断される(ステップS6)。
【0044】
次に、ワーク16がチャック9から取り外されて加熱炉に入れられ、所定温度で樹脂が硬化されて、外郭が繊維強化樹脂により回転体形状に形成された構造体としての回転対称形状の高圧タンクが形成される。
【0045】
このように、本実施形態に係るホールド冶具51を備えたフィラメントワインディング装置11によれば、ワーク16の表面のうち繊維束Fが滑りやすい部位で繊維束Fを適宜押圧するため、巻き付け時における繊維束Fの滑りを効果的に抑制することができる。また、押圧が不要な間はパッド55を退避させておくことで、巻き付け速度を遅延させることなく巻き付けを実施することができる。
【0046】
さらに、繊維束Fの巻付け開始端と終了端をホールド冶具51で押圧するので、従来作業者により手で行われていた場合と比較して作業時間の短縮化、および人的工数低減を実現することができる。
【0047】
また、従来は滑りが発生した場合には作業者による手作業での巻き直しが必要であったが、本実施形態では滑りを抑制することができるため、滑り発生の監視および滑りが発生した場合の手動による巻き直しが不要となり、作業の自動化を行うことができる。さらに、滑りの発生する虞が少なくなるため、繊維束Fの巻き付けスピードの上昇と、張力の向上を実現することができる。
【0048】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態においては、パッド55に不図示のヒータ(加熱部)が内蔵されている。他の構成については上記第1実施形態と同様であり、説明を省略する。
【0049】
図5に示したように、ワーク16に既に巻き付けられている繊維束F1と、新たに巻き付けられた繊維束Fとの間には、繊維束F1から浸み出した樹脂Rが介在しており、この樹脂Rが新たに巻き付けられた繊維束Fを滑らす要因となっていた。
【0050】
本実施形態では、パッド55の内部にヒータが設けられており、制御部30はホールド冶具51をワーク16に押圧させた際にヒータにより樹脂Rを加熱する。これにより、図5の破線で囲まれた範囲の樹脂が部分硬化するため、繊維束Fの滑りをさらに効果的に抑制することができる。
【0051】
本発明は上記実施形態に限定されることなく、例えば以下に挙げる構成を追加してもよい。例えば、滑りを監視する装置として、図6に示すように、ボディ53にカメラ(監視手段)60を設け、制御部30がカメラ60を介してワーク16の表面状態を撮影するようにしてもよい。例えばホールド治具51による押圧前にカメラ60によりワーク16の表面状態を撮影し、滑りが発生しているか否かを制御部30が判定する。
【0052】
滑りが発生している場合は、上述のようにホールド冶具51により繊維束Fを押圧する。また、撮影により得られたワーク16の表面状態に応じて、ホールド治具51による押圧時間、押圧力等を制御することができる。また、ホールド治具51による押圧後にワーク16の表面状態を撮影し、押圧の結果を確認するようにしてもよい。
【0053】
また、パッド55に温度センサを設けてもよい。この場合には、ホールド冶具51により繊維束Fを押圧した際の温度を測定し、ヒータによる樹脂粘度低下を温度に基づき算出する。これにより、制御部30は押圧時間を適切に管理することができる。
【0054】
さらにまた、パッド55に吐出ノズル(吐出部)を設け、接着剤(例えば、繊維束Fに含浸させる樹脂よりも高粘度の樹脂)を該吐出ノズルから吐出させる構成としてもよい。
【0055】
この場合には、ホールド冶具51により繊維束Fを押圧する際に、接着剤をワーク16の表面に吐出する。すると、接着剤がパッド55の押圧力により繊維束Fの内部に浸透し、繊維束Fに拘束力を与えることができるので、繊維束Fの滑りをより効果的に解消することができる。
【0056】
なお、上記のホールド冶具51は、レール50に移動自在に支持された構成ではなく、特定の場所に固定された構成としてもよい。この場合、車輪52およびレール50は省略することができる。特定の場所としては、ワーク16の表面形状に基づいて予め特定されている滑りが発生しやすい場所、すなわち上述のようにワーク16の回転軸に対して所定角度以上の傾斜を有する傾斜部、例えばワーク16の両端肩部に設けることができる。
【0057】
なお、上記各実施形態において、ホールド冶具51の伸縮性アーム54を伸縮させるアクチュエータとしてエア駆動装置56を採用したが、油圧シリンダ等、他の手段により伸縮性アーム54を伸縮させるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】フィラメントワインディング装置の模式平面図である。
【図2】フィラメントワインディング装置の模式側面図である。
【図3】ホールド冶具の構成を示した模式側面図である。
【図4】フィラメントワインディング装置を用いてFW成形工程を行う際のフローである。
【図5】ヒータを用いて樹脂を部分硬化させる際の状態について示した模式断面図である。
【図6】カメラを備えたホールド冶具の変形例について示した模式側面図である。
【符号の説明】
【0059】
F…繊維束(繊維)、11…フィラメントワインディング装置(FW装置)、16…ワーク(回転部材)、30…制御部(記憶手段、検出手段)、50…レール、51…ホールド冶具(押圧手段)、55…パッド(軟質部)、56…エア駆動装置、60…カメラ(監視手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転部材を回転させながら該回転部材の表面に樹脂含浸繊維を巻き付けるフィラメントワインディング装置において、
前記回転部材の表面に巻き付けられた繊維を該回転部材に押圧する押圧手段を備えると共に、この押圧手段は前記回転部材の表面に沿って移動可能とされているフィラメントワインディング装置。
【請求項2】
前記押圧手段の移動範囲が前記回転部材の表面の一部に限定されている請求項1に記載のフィラメントワインディング装置。
【請求項3】
前記特定部位は、前記回転部材の回転軸に対して所定角度以上の傾斜を有する部位である請求項2に記載のフィラメントワインディング装置。
【請求項4】
前記特定部位は、前記回転部材の回転軸方向における端部である請求項2に記載のフィラメントワインディング装置。
【請求項5】
前記押圧手段の先端に、前記回転部材の表面に密着可能な軟質部を備えた請求項1から4のいずれかに記載のフィラメントワインディング装置。
【請求項6】
前記押圧手段の先端に、加熱部を備えた請求項1から5のいずれかに記載のフィラメントワインディング装置。
【請求項7】
前記押圧手段の先端に、前記回転部材に接着剤を吐出する吐出部を備えた請求項1から6のいずれかに記載のフィラメントワインディング装置。
【請求項8】
前記回転部材に巻き付けられた前記繊維の滑りの有無を監視する監視手段を備えた請求項1から7のいずれかに記載のフィラメントワインディング装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−260976(P2007−260976A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−86309(P2006−86309)
【出願日】平成18年3月27日(2006.3.27)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】