フィルタ及びそれを利用したプラズマディスプレイ装置
【課題】本発明は、外部から入射される光が最大限吸収及び遮断される外光遮断シートがパネルの前面に取り付けられるプラズマディスプレイ装置を提供する。
【解決手段】プラズマディスプレイ装置は、プラズマディスプレイパネルと、前記パネルの前面に形成されるフィルタとを備え、前記フィルタは、ベース部110及び前記ベース部110上に形成される複数のパターン部(120a、120b)が備えられる外光遮断シート100を備え、前記外光遮断シート100の第1領域に形成された互いに隣接した前記パターン部間の第1間隔は、前記外光遮断シート100の第2領域に形成された互いに隣接した前記パターン部間の第2間隔と互いに異なることを特徴とする。
【解決手段】プラズマディスプレイ装置は、プラズマディスプレイパネルと、前記パネルの前面に形成されるフィルタとを備え、前記フィルタは、ベース部110及び前記ベース部110上に形成される複数のパターン部(120a、120b)が備えられる外光遮断シート100を備え、前記外光遮断シート100の第1領域に形成された互いに隣接した前記パターン部間の第1間隔は、前記外光遮断シート100の第2領域に形成された互いに隣接した前記パターン部間の第2間隔と互いに異なることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマディスプレイ装置に関し、特に、パネルの外部から入射される光をパネルで反射することを防止するために、外光を遮断及び吸収する外光遮断シートを備えるフィルタをパネルの前面に設置することによって、パネルの明室コントラストを向上させると共に、輝度が維持されるプラズマディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel、以下、「PDP」と記す)とは、放電空間に設置された電極に所定の電圧を印加して放電を起こし、ガス放電時に発生するプラズマが蛍光体を励起させることによって、文字又はグラフィックを含む画像を表示する装置であって、大型化、軽量化及び平面薄型化が容易であり、上下左右に広い視野角を提供し、フルカラー及び高輝度を具現することができるという長所がある。
【0003】
このようなPDPは、ブラック(black)映像が具現されるとき、パネルの下板に露出している白色系統の蛍光体によって、外部光がPDPのパネル前面で反射されることにより、ブラック映像が明るい系統の暗い色として認知されて、PDPの明室コントラストが低下するという問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、プラズマディスプレイパネルに入射される外部光を効果的に遮断して、光の反射を防止し、プラズマディスプレイパネルの明室コントラストを画期的に向上させると共に、パネルの輝度を改善する外光遮断シートを含んで備えられるプラズマディスプレイ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成すべく、本発明によるプラズマディスプレイ装置は、プラズマディスプレイパネルと、前記パネルの前面に形成されるフィルタとを備え、前記フィルタは、ベース部及び前記ベース部上に形成される複数のパターン部が備えられる外光遮断シートを備え、前記外光遮断シートの第1領域に形成された互いに隣接した前記パターン部間の第1間隔は、前記外光遮断シートの第2領域に形成された互いに隣接した前記パターン部間の第2間隔と互いに異なることを特徴とする。
【0006】
前記第1間隔又は第2間隔は、前記パターン部の終端から隣接したパターン部の終端までの間隔である、又は、前記パターン部の中心から隣接したパターン部の中心までの間隔であることが好ましい。
【0007】
前記第1領域に形成されたパターン部の幅は、前記第2領域に形成されたパターン部の幅と異なる、又は、前記第2領域に形成されたパターン部の幅より大きいことが好ましい。
【0008】
前記第1領域に形成されたパターン部の幅は、前記第2領域に形成されたパターン部の幅より1.5倍〜4倍大きいことが好ましく、さらに、前記第1間隔が、前記第2間隔より小さい、又は、前記第1間隔が、前記第2間隔の0.70倍〜0.99倍であることが好ましい。
【0009】
前記第1領域は、前記外光遮断シートの全面を3等分したとき、中央に位置する領域であり、前記第2領域は、前記外光遮断シートの全面を3等分したとき、エッジに位置する領域であることが好ましい。
【0010】
外部光の反射を防止するAR層と、前記パネルから放射される近赤外線を遮断するNIR遮蔽層と、電磁波を遮断するEMI遮蔽層のうち、少なくとも1つがさらに備えられることが好ましい。
【0011】
前記パターン部は、上段より下段の幅がより大きい断面形状を有し、前記パターン部の下段はパネル側に配置され、上段は外光が入射される側に配置されることが好ましい。
【0012】
前記外光遮断シートの厚さは、前記パターン部の高さの1.01倍〜2.25倍、または、1.01倍〜1.5倍であることが好ましい。
【0013】
前記パターン部の屈折率は、前記ベース部の屈折率より小さいことが好ましい。
【0014】
本発明によるさらに他のプラズマディスプレイ装置は、プラズマディスプレイパネルと、前記パネルの前面に形成されるフィルタとを備え、前記フィルタは、ベース部及び前記ベース部上に形成される複数のパターン部が備えられる外光遮断シートを備え、前記外光遮断シートの第1領域に形成されたパターン部の幅は、前記外光遮断シートの第2領域に形成されたパターン部の幅と互いに異なることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明のプラズマディスプレイ装置によれば、外光遮断シートを備えることにより、プラズマディスプレイパネルに入射される外部光を効果的に遮断して、光の反射を防止し、プラズマディスプレイパネルの明室コントラストを画期的に向上させると共に、パネルの輝度を改善するという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、添付した図1〜図11を参照して詳細に説明する。但し、本発明に係るプラズマディスプレイ装置は、本明細書に記載された実施の形態に限定されず、多数の実施の形態が存在する。
【0017】
図1は、本発明に係るプラズマディスプレイパネルに対する一実施の形態を斜視図で示すものである。
【0018】
図1に示すように、プラズマディスプレイパネルは、上部基板10上に形成される維持電極対であるスキャン電極11及びサステイン電極12と、下部基板20上に形成されるアドレス電極22とを備える。
【0019】
維持電極対11、12それぞれは、通常、インジウムスズ酸化物(Indium−Tin−Oxide;ITO)で形成された透明電極11a、12aと、銀(Ag)、クロム(Cr)などの金属又はクロム/銅/クロム(Cr/Cu/Cr)の積層型又はクロム/アルミニウム/クロム(Cr/Al/Cr)の積層型で形成することができるバス電極11b、12bを備えて構成される。このとき、バス電極11b、12bは、透明電極11a、12a上に形成され、抵抗の高い透明電極11a、12aにより電圧降下を低減する機能を果たす。
【0020】
一方、本発明の一実施の形態によれば、維持電極対11、12は、透明電極11a、12aとバス電極11b、12bとが積層された構造だけでなく、透明電極11a、12aなしにバス電極11b、12bのみでも構成することができる。このような構造は、透明電極11a、12aを使用しないため、パネルの製造単価を下げることができるという長所がある。このような構造に用いられるバス電極11b、12bは、上に列挙した材料の他に、感光性材料など、多様な材料を利用することができる。
【0021】
また、PDPには、上部基板10の外部で発生する外部光を吸収して、外部光の反射を低減する光遮断の機能、及び上部基板10の純度(ピュリティ、purity)とPDPのコントラストを向上させる機能を果たすブラックマトリックス(Black Matrix、BM)が形成される。
【0022】
本発明の一実施の形態に係るブラックマトリックスは、上部基板10に形成されるが、隔壁21と重なる位置に形成される第1ブラックマトリックス15と、透明電極11a、12aとバス電極11b、12bとの間に形成される第2ブラックマトリックス11c、12cで構成することができる。ここで、第1ブラックマトリックス15とブラック層又はブラック電極層とも呼ばれる第2ブラックマトリックス11c、12cは、形成過程で同時に形成されて、物理的に接続されても良く、同時に形成されずに、物理的に接続されなくても良い。
【0023】
また、物理的に接続されて形成される場合、第1ブラックマトリックス15と第2ブラックマトリックス11c、12cを同じ材質で形成するが、物理的に分離されて形成される場合には、他の材質で形成することができる。
【0024】
スキャン電極11とサステイン電極12がそれぞれ形成された上部基板10には、上部誘電体層13と保護層14が積層される。上部誘電体層13には、放電により発生した荷電粒子が蓄積され、維持電極対11、12を保護する機能を果たすことができる。保護層14は、ガス放電時に発生する荷電粒子のスパッタリングから上部誘電体層13を保護し、2次電子の放出効率を高めるようにする。
【0025】
一方、アドレス電極22は、スキャン電極11及びサステイン電極12と交差する方向に形成される。アドレス電極22が形成された下部基板20上には、下部誘電体層24と隔壁21が形成される。
【0026】
下部誘電体層24と隔壁21の表面には、ガス放電時に発生した紫外線により発光して、可視光を発生させる蛍光体23が塗布される。
【0027】
隔壁21は、アドレス電極22と並んだ方向に形成された縦隔壁21aと、アドレス電極22と交差する方向に形成された横隔壁21bとで構成され、放電セルを物理的に区分し、放電により生成された紫外線と可視光が、隣接した放電セルに漏れるのを防止する。
【0028】
本発明の一実施の形態では、図1に示す隔壁21の構造だけでなく、多様な形状の隔壁21の構造も可能である。例えば、縦隔壁21aと横隔壁21bの高さが異なる不均一な隔壁構造(差等隔壁構造)、縦隔壁21a又は横隔壁21bのうち、少なくとも1つ以上に排気通路として使用可能なチャネルが形成されたチャネル型隔壁構造、縦隔壁21a又は横隔壁21bのうち、何れか1つ以上に溝(Hollow)が形成された溝型隔壁構造などが可能である。
【0029】
ここで、不均一な隔壁構造である場合には、横隔壁21bの高さが高いことがさらに好ましく、チャネル型隔壁構造や溝型隔壁構造である場合には、横隔壁21bにチャネルが形成されるか、又は溝が形成されることが好ましい。
【0030】
一方、本発明の一実施の形態では、R、G及びB放電セルそれぞれが同じ線上に配列されるものと図示及び説明されているが、他の形状に配列することもできる。例えば、R、G及びB放電セルが三角状に配列されるデルタタイプの配列も可能であり、放電セルの形状も、四角状だけでなく、五角形、六角形などの多様な多角形状も可能である。
【0031】
図2は、プラズマディスプレイパネルの電極配置に関する一実施の形態を示すものである。
【0032】
図2に示すように、プラズマディスプレイパネルを構成する複数の放電セルは、マトリックス状に配置されることが好ましい。複数の放電セル15は、各々スキャン電極Y1〜Yn、サステイン電極Z1〜Zn及びアドレス電極X1〜Xnの交差部に位置する。
【0033】
また、複数のスキャン電極Y1〜Ynそれぞれは、スキャン駆動部40により順次駆動され、複数のサステイン電極Z1〜Znは、サステイン駆動部60から供給されるサステイン信号を受けて、共通的に駆動される。さらに、複数のアドレス電極X1〜Xnは、アドレス駆動部50からスキャン信号と同期化されたデータ信号が供給される。
【0034】
一方、図2に示す電極配置及び駆動方法は、本発明に係るプラズマディスプレイパネルの一実施の形態に過ぎないので、本発明は、図2に示すプラズマディスプレイパネルの電極配置及び駆動方法に限定されない。例えば、スキャン電極Y1〜Ynを第1スキャン電極群、第2スキャン電極群に分けてそれぞれ順次に駆動信号を印加するデュアルスキャン方式も可能である。また、アドレス電極X1〜Xn、をパネルの中央部分で上下に分割して駆動することもできる。
【0035】
図3は、プラズマディスプレイ装置において、画像の1フレームが複数のサブフィールドに時分割駆動される方法に関する一実施の形態を示す図である。
【0036】
図3に示すように、単位フレームは、画像の階調を表現するために、所定個数、例えば8個のサブフィールドSF1,...,SF8に時分割駆動することができる。また、各サブフィールドSF1,...,SF8は、リセット期間(図示せず)、アドレス期間A1,...,A8及びサステイン期間S1,...,S8に分割される。
【0037】
各アドレス期間A1,...,A8では、アドレス電極(X)にデータ信号が印加され、各スキャン電極(Y)には、これに相応するスキャンパルスが順次印加される。それぞれのサステイン期間S1,...,S8では、スキャン電極(Y)とサステイン電極(Z)にサステインパルスが交互に印加されて、アドレス期間A1,...,A8から選択された放電セルでサステイン放電を起こす。
【0038】
プラズマディスプレイパネルの輝度は、単位フレームに占めるサステイン期間S1,...,S8内のサステイン放電の回数に比例する。1画像を形成する1つのフレームが8個のサブフィールドと256階調で表現される場合に、各サブフィールドには、順に1、2、4、8、16、32、64、128の割合で互いに異なるサステインパルスの数を割り当てることができる。又は、133階調の輝度を得るためには、サブフィールド1区間、サブフィールド3区間、及びサブフィールド8区間において、セルをアドレッシングしてサステイン放電を発生させる。
【0039】
一方、各サブフィールドに割り当てられるサステイン放電回数は、サブフィールドの加重値に応じて可変的に決定することができる。すなわち、図3では、1フレームを8個のサブフィールドに分割する場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されず、1フレームを形成するサブフィールドの数を設計仕様により多様に変形することができる。例えば、1フレームを12又は16サブフィールドのように、8サブフィールド以上又は以下に分割して、プラズマディスプレイパネルを駆動させることができる。
【0040】
また、各サブフィールドに割り当てられるサステイン放電回数は、ガンマ特性やパネル特性を考慮して、多様に変形できる。例えば、サブフィールド4に割り当てられた階調度を8から6に下げ、サブフィールド6に割り当てられた階調度を32から34に上げることができる。
【0041】
図4は、本発明に係る外光遮断シートの構造に対する第1の実施の形態を示す図である。
【0042】
図4に示すように、本発明の外光遮断シート100は、ベース部110とベース部110上に一列に形成された複数のパターン部120a、120bを含んで構成される。このような外光遮断シート100の厚さは、パターン部120a、120bの高さと光の透過率を考慮して、20μm〜250μmの範囲に形成されることが好ましい。
【0043】
ベース部110は、所定の屈折率を有する透明なプラスチック材質で形成される。例えば、紫外線(UV)硬化方式で形成される樹脂を使用することが最も好ましいが、ガラスなどのように、透明かつ薄型化が可能な材質であれば、何でも使用できる。
【0044】
パターン部120a、120bは、ベース部110の間に所定の間隔に形成される。このとき、パターン部120a、120bは、隣接した他のパターン部120a、102bと所定の間隔を有する。すなわち、製造工程での容易性を考慮して、互いに隣接したパターン部120a、120bを一定の間隔を有して形成することができるが、画面全体の輝度を均一するためには、画面で輝度が落ちる領域には、互いに隣接したパターン部の間隔を比較的広く形成することが好ましい。
【0045】
これにより、パネルの前面に取り付けられる外光遮断シート100を上下に3等方し、上側及び下側のエッジである外郭領域100bと画面の中央に位置する中心領域100aとに区分する。このとき、外光遮断シート100の中心領域100aに形成されるパターン部120aの幅P1と外郭領域100bに形成されるパターン部120bの幅P2は、互いに異なるように形成することが好ましい。このとき、互いに隣接したパターン部120a、120b間の間隔は、実質的に同一に形成する。この場合、比較的輝度の高い画面の中心領域は、幅の小さなパターン部120aが形成され、比較的輝度の低い画面の外郭領域には、幅の大きいパターン部120bが形成されて、画面全体の輝度性が均一になり、これにより、画質が改善されると共に、明室コントラストが改善される。このとき、パターン部120a、120の幅P1、P2は、パターン部の上段より大きい下段と実質的に同じである。
【0046】
図5A〜図5Bは、本発明に係る外光遮断シートの第1の実施の形態に関する断面構造を示す図である。
【0047】
図5A〜図5Bに示すように、外光遮断シート100の中心領域100aには、パターン部120aが第1幅P1で形成され、外光遮断シート100の外郭領域100bには、パターン部120bが第2幅P2で形成される。
【0048】
このとき、パターン部120a、120bの第1幅P1は、第2幅P2の1.5倍〜4倍であることが好ましい。この場合、画面全体で比較的輝度率の低い外郭領域100bと中心領域100aの輝度率が均一になる。
【0049】
一方、本発明の第1の実施の形態では、外光遮断シート100の中心領域100aと外郭領域100bそれぞれに形成されたパターン部120a、120bの幅が同様に示されているが、中心領域100a内から外郭領域100b側に行くほど、パターン部120aの幅をますます減少するように形成することができ、互いに異なるパターン部の幅を有する中心領域100aと外郭領域100bそれぞれにおいて複数のパターン部のうち、少なくとも1つの幅が異なるように形成することができる。
【0050】
このような外光遮断シート100を含むフィルタは、外光が入射される方向又は使用者側Aにパターン部の上段が位置するようにし、パネル側Bにパターン部の下段bが位置するようにすることが好ましい。
【0051】
また、外光遮断シートの構造についてさらに詳細に説明すると、外光遮断シートの厚さ(T)が20μm〜250μmであるとき、製造工程が容易であり、適切な光透過率を有することができる。パネルから放出される光が円滑に透過されるようにし、外部から入射される光が屈折して、パターン部120に効果的に吸収及び遮断されるようにし、シートの堅固性を確保するために、外光遮断シートの厚さ(T)を100μm〜180μmに形成することができる。
【0052】
また、外光遮断シートに備えられるパターン部の高さhが80μm〜170μmであるとき、パターン部の製造が最も容易であり、外光遮断シートの適切な開口率を確保することができ、外光遮断効果及びパネルから放出される光の反射効果を最大化することができる。
【0053】
このようなパターン部の高さhは、外光遮断シートの厚さ(T)に応じて可変できる。一般に、パネルに入射されて明室コントラストの低下に影響を及ぼす外光は、主にパネルの位置より上側に位置するようになるので、パネルに入射される外光を効果的に遮断するために、パターン部の高さhは、外光遮断シートの厚さ(T)に対して一定比率の範囲内の値を有することが好ましい。
【0054】
図5Aに示すように、パターン部の高さ(h)が増加するほど、パターン部の上段部分のベース部の厚さが薄くなって、絶縁破壊が発生することになり、パターン部の高さhが減少するほど、一定範囲内の角度を有する外光がパネルに入射されて、正しく外光が遮断されない。
【0055】
次の表1は、外光遮断シートの厚さ(T)とパターン部の高さ(h)に応じて外光遮断シートの絶縁破壊及び外光遮断効果を実験した結果である。
【0056】
【表1】
【0057】
表1を参照すると、外光遮断シートの厚さ(T)が120μmである場合、パターン部の高さ(h)が120μm以上に形成されると、パターン部が絶縁破壊される恐れがあるため、製品の不良率が増加し得る。パターン部の高さ(h)が115μm以下に形成されると、パターン部が絶縁破壊される恐れがないため、外光遮断シートの不良率を減少させることができる。しかしながら、パターン部の高さ(h)を75μm以下で形成するときには、パターン部により外部光が遮断される効率が減少し、50μm以下に形成される場合には、外光がパネルに入射する。
【0058】
外光遮断シートの厚さ(T)がパターン部高さ(h)の1.01倍〜2.25倍であるとき、パターン部の上段部分の絶縁破壊を防止することができ、外光がパネルに入射されることを防止できる。また、絶縁破壊及び外光のパネル入射を防止すると共に、パネルから放出される光の反射率を増加させ、視野角を十分に確保するためには、外光遮断シートの厚さ(T)がパターン部の高さ(h)の1.01倍〜1.5倍であればよい。
【0059】
図6は、本発明に係る外光遮断シートの構造に対する第2の実施の形態を示す図であり、図7A〜図7Bは、本発明に係る外光遮断シートの第2の実施の形態に関する断面構造を示す図である。図6〜図7Bに示す外光遮断シートの構造のうち、図4〜図5Bに示した図と共に記述された内容と同一内容に関する説明は省略する。
【0060】
図6に示すように、本発明の第2の実施の形態に係る外光遮断シート200は、ベース部210とパターン部220を含んで構成される。本発明の第2の実施の形態に係る外光遮断シート200は、外光遮断シート200の前面中心領域200aと外郭領域200bそれぞれに形成される互いに隣接したパターン部220間の間隔が互いに異なるように形成される。これに関する説明を、図7A〜図7Bを参照して説明する。
【0061】
外光遮断シート200の中心領域200aには、互いに隣接したパターン部220間の第1間隔P3を有し、外光遮断シート200の外郭領域200bには、互いに隣接したパターン部220が第2間隔P4を有する。このとき、中心領域200a及び外郭領域200bに形成されるパターン部220の幅は、実質的に互いに同じである。また、互いに隣接したパターン部220の第1間隔P3は、第2間隔P4の0.70倍〜0.99倍の範囲に形成されることが好ましい。その場合、外光遮断シート200の中心領域200aに形成されるパターン部220間の間隔P3より外郭領域200bに形成されるパターン部220間の間隔P4を大きくすることにより、画面の輝度が均一になり、明室コントラストを向上させることができる。
【0062】
一方、本発明の第2の実施の形態では、外光遮断シートを中心領域と外郭領域に3等分して、外光遮断シートの構造を説明したが、外光遮断シートの中心から上、下に行くほど、互いに隣接したパターン部間の間隔が増加及び互いに異なるように形成することができる。また、図6〜図7Bでは、パターン部の線幅が全て同一に形成されているが、複数のパターン部のうち、少なくとも何れか1つは、その線幅が異なるように形成することもできる。
【0063】
図8は、本発明に係る外光遮断シート構造に関する一実施の形態を示す図である。
【0064】
図8に示すように、本発明に係る外光遮断シート300は、ベース部310とパターン部320を備え、外光遮断シート300の中心領域に形成されるパターン部320間の間隔が外郭領域に形成されるパターン部間の間隔より狭く、パターン部320の幅は、実質的に同一である。また、パネル内部に形成されるブラックマトリックス又はブラック層、バス電極、隔壁などと、パターン部320の干渉により発生するモアレ(Moire)現象を防止するために、外光遮断シート300の横方向に水平線を基準として、0.5度〜15度傾いた形状にパターン部320を形成する。
【0065】
一方、図8において、パターン部の幅は同一であり、パターン部間の間隔が異なるように形成されたが、これに限定されず、パターン部の幅が異なるように形成することもでき、パターン部の幅と互いに隣接したパターン部間の間隔が同時に異なるように形成することもできる。
【0066】
また、モアレ現象とは、似た格子形状のパターンが重なりながら発生する低周波のパターンを意味し、例えば、蚊帳を重ねて置いたときに見える波紋パターンのようなものである。このようなモアレ現象は、外光遮断シートの上段又は下段とパターン部のなす角度のみでなく、パターン部の幅と実質的に同じパターン部の下段幅とパネルの内部に形成されるバス電極の幅及び縦隔壁の幅と関連性がある。
【0067】
次の表2は、外光遮断シートのパターン部の下段幅とパネルの上部基板に形成されるバス電極幅の比率に応じて、モアレ現象の発生の有無及び外光の遮断効果を実験した結果であって、バス電極の幅が90μmである場合である。
【0068】
【表2】
【0069】
表2を参照すれば、パターン部の下段の幅がバス電極幅の0.2倍〜0.5倍であるとき、モアレ現象の発生を減少させ、パネルに入射される外光を減少させることができる。また、モアレ現象の発生を防止し外光を効果的に遮断すると同時に、パネル光の放出のための開口率を確保するためには、パターン部の下段の幅がバス電極幅の0.25倍〜0.4倍であることが好ましい。
【0070】
次の表3は、外光遮断シートのパターン部の下段幅とパネルの下部基板に形成される縦隔壁の幅の比率に応じて、モアレ現象の発生の有無及び外光の遮断効果を実験した結果であって、縦隔壁の幅が50μmである場合である。
【0071】
【表3】
【0072】
表3を参照すれば、パターン部の下段の幅が縦隔壁幅の0.3倍〜0.8倍であるとき、モアレ現象の発生を減少させ、パネルに入射される外光を減少させることができる。また、モアレ現象の発生を防止し、外光を効果的に遮断すると同時に、パネル光の放出のための開口率を確保するためには、パターン部の下段の幅が縦隔壁幅の0.4倍〜0.65倍であることが好ましい。
【0073】
図9A〜図9Cは、本発明に係る外光遮断シートのパターン部形状に応じた実施の形態を示す図である。
【0074】
本発明に係る外光遮断シートに含まれたパターン部の断面形状は、上記のように、二等辺三角形をなすことが最も好ましいが、その他の可能な形状を図9A〜図9Cを参照して説明する。パターン部410a、410b、410cは、ベース部420a、420b、420cより暗い物質で形成されて、光吸収の機能を有する。この場合、外部から入射される光を効果的に遮断し、パターン部に吸収されるようにする。また、パターン部の光吸収機能を上昇させるために、光吸収物質を添加して形成することもできる。また、パターン部410a、410b、410cをなす物質として、ベース部420a、420b、420cより屈折率が小さな物質が用いられ、パネルから放出される光がベース部420a、420b、420cと、パターン部410a、410b、410cの界面で全反射されて、ユーザA側に効率的に放出し、外部から入射される光は、パネル内部に入射されないように遮断する。
【0075】
このように、外部Aから入射される光は屈折されて、パターン部410a、410b、410cにより遮断されるようにし、パネル側Bから放出される光は、効果的に透過させるために、パターン部410a、410b、410cの下段bは、上段aより広く形成されることが最も好ましい。これにより、パターン部410a、410b、410cの上段幅aは、5μm以下に形成されることが好ましく、パターン部410a、410b、410cの下段幅bは、10μm〜50μmの範囲に形成されることができる。外光遮断機能を極大化してPDPの明室コントラストを画期的に改善するために、パターン部の上段幅aは、0.1μmに、パターン部の下段幅bは、18μm〜35μmに形成されることが最も好ましい。
【0076】
また、パターン部は、上段幅a、下段幅b及び傾斜面の形態に応じて異なる形状に形成することができる。まず、図9A及び図9Cに示すように、パターン部410a、410cの傾斜面を曲線で形成することができ、図9B及び図9Cに示すように、パターン部410b、410cの上段幅aを広くして形成することもできる。
【0077】
図10A〜図10Dは、本発明に係る外光遮断シートの積層構造に関する実施の形態を示す断面図である。
【0078】
まず、図10Aを参照すると、本発明の外光遮断シート500は、AR/NIRシート510、EMI遮蔽シート520、外光遮断層530を含んで備えられる。
【0079】
AR/NIRシート510は、透明なプラスチック材質からなるベースシート513の前面に、外部から入射される光が反射することを防止してグレア現象を減少させる機能のある反射防止(AR;Anti−Reflection)層511が取り付けられ、後面には、パネルから放射される近赤外線を遮蔽して、リモコンなどのように赤外線を利用して伝達される信号が正常に伝達され得るようにする近赤外(NIR;Near−Infrared)遮蔽層512が取り付けられる。
【0080】
EMI遮蔽シート520は、透明なプラスチック材質からなるベースシート522の前面に、電磁妨害(EMI;Electro magnetic Interference)を遮蔽して、パネルから放射されるEMIが外部に放出されるのを防止するEMI遮蔽層521が取り付けられる。このとき、通常、EMI遮蔽層521は、導電性を有する物質を利用してメッシュ(Mesh)構造で形成され、接地が円滑になるように、画像が表示されない非有効領域には、導電性物質が全体的に塗布される。
【0081】
通常、外部光源は、室内や外部においてユーザの頭上に存在する場合が最も多い。このような外部光を効果的に遮断してPDPのブラック映像をさらに暗く表現され得るようにする外光遮断層530が取り付けられる。
【0082】
このようなAR/NIRシート510、EMI遮蔽シート520、外光遮断層530間には、粘着剤540が層をなしており、それぞれのシート及びPDPの前面に堅固に取り付けられるようにする。また、それぞれのシートに含まれるベースシートの材質は、外光遮断シートの製作の容易性を考慮して、実質的に同じ材質を使用することが好ましい。
【0083】
一方、図10Aでは、AR/NIRシート510、EMI遮蔽シート520、外光遮断層530の順に積層されているが、図10Bに示すように、AR/NIRシート510、外光遮断層530、EMI遮蔽シート520の順に積層することができる。すなわち、各シート/層の積層順序は、当業者によって変更可能である。また、それぞれのシートのうちの少なくともいずれかの層を省略することもできる。
【0084】
また、外光遮断シート600は、図10C〜図10Dに示すように、パネルから入射される光の色温度及び輝度特性を改善させる光特性シート620を含んで形成することもできる。このとき、光特性シート620は、透明なプラスチック材質からなるベースシート622と、当該ベースシート622の前面又は後面に積層された所定の染料と粘着剤からなる光特性層621で構成される。
【0085】
一方、図10A〜図10Dに示すそれぞれのシートに含まれているベースシートのうち、少なくとも1つのベースシートを省略することもでき、プラスチック材質ではない堅固なガラスが用いられて、パネルを保護する機能を向上させることもできる。
【0086】
図11は、本発明に係るプラズマディスプレイ装置の構造に対する一実施の形態を示す図である。
【0087】
図11に示すように、本発明に係るプラズマディスプレイパネルの前面には、フィルタ100が形成されることが好ましく、フィルタ100には、外光遮断シート、反射防止(AR;Anti−Reflection)シート、近赤外(NIR;Near−Infrared)遮蔽シート、電磁妨害(EMI;Electro Magmetic Interference)遮蔽シート、光特性シートなどを含むことができる。
【0088】
フィルタ100とパネルとの間に10μm〜30μmの厚さを有する粘着剤が層をなしてパネルとフィルタ100との取り付けを容易にすると共に、接着性を高めることができる。また、外部圧力などから前記パネルを保護するために、フィルタ100と前記パネルとの間に粘着層を30μm〜120μmの厚さで形成することができる。
【0089】
上述した本発明の好ましい実施の形態は、例示の目的のために開示されたものであり、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で、様々な置換、変形、及び変更が可能であり、このような置換、変更などは、特許請求の範囲に属するものである。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】プラズマディスプレイパネル構造に関する一実施の形態を示す斜視図である。
【図2】プラズマディスプレイパネルの電極配置に関する一実施の形態を示す図である。
【図3】プラズマディスプレイ装置において、画像の1フレームが複数のサブフィールドに時分割駆動される方法に関する一実施の形態を示す図である。
【図4】本発明に係る外光遮断シートの構造に関する第1の実施の形態を示す図である。
【図5A】本発明に係る外光遮断シートの第1の実施の形態に関する断面構造を示す図である。
【図5B】本発明に係る外光遮断シートの第1の実施の形態に関する断面構造を示す図である。
【図6】本発明に係る外光遮断シートの構造に関する第2の実施の形態を示す図である。
【図7A】本発明に係る外光遮断シートの第2の実施の形態に関する断面構造を示す図である。
【図7B】本発明に係る外光遮断シートの第2の実施の形態に関する断面構造を示す図である。
【図8】本発明に係る外光遮断シートの前面構造に関する一実施の形態を示す図である。
【図9A】本発明に係る外光遮断シートのパターン部に関する実施の形態を示す図である。
【図9B】本発明に係る外光遮断シートのパターン部に関する実施の形態を示す図である。
【図9C】本発明に係る外光遮断シートのパターン部に対する実施の形態を示す図である。
【図10A】本発明に係るフィルタの積層構造に関する実施の形態を示す断面図である。
【図10B】本発明に係るフィルタの積層構造に関する実施の形態を示す断面図である。
【図10C】本発明に係るフィルタの積層構造に関する実施の形態を示す断面図である。
【図10D】本発明に係るフィルタの積層構造に関する実施の形態を示す断面図である。
【図11】本発明に係るプラズマディスプレイ装置の構造に関する一実施の形態を示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマディスプレイ装置に関し、特に、パネルの外部から入射される光をパネルで反射することを防止するために、外光を遮断及び吸収する外光遮断シートを備えるフィルタをパネルの前面に設置することによって、パネルの明室コントラストを向上させると共に、輝度が維持されるプラズマディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel、以下、「PDP」と記す)とは、放電空間に設置された電極に所定の電圧を印加して放電を起こし、ガス放電時に発生するプラズマが蛍光体を励起させることによって、文字又はグラフィックを含む画像を表示する装置であって、大型化、軽量化及び平面薄型化が容易であり、上下左右に広い視野角を提供し、フルカラー及び高輝度を具現することができるという長所がある。
【0003】
このようなPDPは、ブラック(black)映像が具現されるとき、パネルの下板に露出している白色系統の蛍光体によって、外部光がPDPのパネル前面で反射されることにより、ブラック映像が明るい系統の暗い色として認知されて、PDPの明室コントラストが低下するという問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、プラズマディスプレイパネルに入射される外部光を効果的に遮断して、光の反射を防止し、プラズマディスプレイパネルの明室コントラストを画期的に向上させると共に、パネルの輝度を改善する外光遮断シートを含んで備えられるプラズマディスプレイ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成すべく、本発明によるプラズマディスプレイ装置は、プラズマディスプレイパネルと、前記パネルの前面に形成されるフィルタとを備え、前記フィルタは、ベース部及び前記ベース部上に形成される複数のパターン部が備えられる外光遮断シートを備え、前記外光遮断シートの第1領域に形成された互いに隣接した前記パターン部間の第1間隔は、前記外光遮断シートの第2領域に形成された互いに隣接した前記パターン部間の第2間隔と互いに異なることを特徴とする。
【0006】
前記第1間隔又は第2間隔は、前記パターン部の終端から隣接したパターン部の終端までの間隔である、又は、前記パターン部の中心から隣接したパターン部の中心までの間隔であることが好ましい。
【0007】
前記第1領域に形成されたパターン部の幅は、前記第2領域に形成されたパターン部の幅と異なる、又は、前記第2領域に形成されたパターン部の幅より大きいことが好ましい。
【0008】
前記第1領域に形成されたパターン部の幅は、前記第2領域に形成されたパターン部の幅より1.5倍〜4倍大きいことが好ましく、さらに、前記第1間隔が、前記第2間隔より小さい、又は、前記第1間隔が、前記第2間隔の0.70倍〜0.99倍であることが好ましい。
【0009】
前記第1領域は、前記外光遮断シートの全面を3等分したとき、中央に位置する領域であり、前記第2領域は、前記外光遮断シートの全面を3等分したとき、エッジに位置する領域であることが好ましい。
【0010】
外部光の反射を防止するAR層と、前記パネルから放射される近赤外線を遮断するNIR遮蔽層と、電磁波を遮断するEMI遮蔽層のうち、少なくとも1つがさらに備えられることが好ましい。
【0011】
前記パターン部は、上段より下段の幅がより大きい断面形状を有し、前記パターン部の下段はパネル側に配置され、上段は外光が入射される側に配置されることが好ましい。
【0012】
前記外光遮断シートの厚さは、前記パターン部の高さの1.01倍〜2.25倍、または、1.01倍〜1.5倍であることが好ましい。
【0013】
前記パターン部の屈折率は、前記ベース部の屈折率より小さいことが好ましい。
【0014】
本発明によるさらに他のプラズマディスプレイ装置は、プラズマディスプレイパネルと、前記パネルの前面に形成されるフィルタとを備え、前記フィルタは、ベース部及び前記ベース部上に形成される複数のパターン部が備えられる外光遮断シートを備え、前記外光遮断シートの第1領域に形成されたパターン部の幅は、前記外光遮断シートの第2領域に形成されたパターン部の幅と互いに異なることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明のプラズマディスプレイ装置によれば、外光遮断シートを備えることにより、プラズマディスプレイパネルに入射される外部光を効果的に遮断して、光の反射を防止し、プラズマディスプレイパネルの明室コントラストを画期的に向上させると共に、パネルの輝度を改善するという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、添付した図1〜図11を参照して詳細に説明する。但し、本発明に係るプラズマディスプレイ装置は、本明細書に記載された実施の形態に限定されず、多数の実施の形態が存在する。
【0017】
図1は、本発明に係るプラズマディスプレイパネルに対する一実施の形態を斜視図で示すものである。
【0018】
図1に示すように、プラズマディスプレイパネルは、上部基板10上に形成される維持電極対であるスキャン電極11及びサステイン電極12と、下部基板20上に形成されるアドレス電極22とを備える。
【0019】
維持電極対11、12それぞれは、通常、インジウムスズ酸化物(Indium−Tin−Oxide;ITO)で形成された透明電極11a、12aと、銀(Ag)、クロム(Cr)などの金属又はクロム/銅/クロム(Cr/Cu/Cr)の積層型又はクロム/アルミニウム/クロム(Cr/Al/Cr)の積層型で形成することができるバス電極11b、12bを備えて構成される。このとき、バス電極11b、12bは、透明電極11a、12a上に形成され、抵抗の高い透明電極11a、12aにより電圧降下を低減する機能を果たす。
【0020】
一方、本発明の一実施の形態によれば、維持電極対11、12は、透明電極11a、12aとバス電極11b、12bとが積層された構造だけでなく、透明電極11a、12aなしにバス電極11b、12bのみでも構成することができる。このような構造は、透明電極11a、12aを使用しないため、パネルの製造単価を下げることができるという長所がある。このような構造に用いられるバス電極11b、12bは、上に列挙した材料の他に、感光性材料など、多様な材料を利用することができる。
【0021】
また、PDPには、上部基板10の外部で発生する外部光を吸収して、外部光の反射を低減する光遮断の機能、及び上部基板10の純度(ピュリティ、purity)とPDPのコントラストを向上させる機能を果たすブラックマトリックス(Black Matrix、BM)が形成される。
【0022】
本発明の一実施の形態に係るブラックマトリックスは、上部基板10に形成されるが、隔壁21と重なる位置に形成される第1ブラックマトリックス15と、透明電極11a、12aとバス電極11b、12bとの間に形成される第2ブラックマトリックス11c、12cで構成することができる。ここで、第1ブラックマトリックス15とブラック層又はブラック電極層とも呼ばれる第2ブラックマトリックス11c、12cは、形成過程で同時に形成されて、物理的に接続されても良く、同時に形成されずに、物理的に接続されなくても良い。
【0023】
また、物理的に接続されて形成される場合、第1ブラックマトリックス15と第2ブラックマトリックス11c、12cを同じ材質で形成するが、物理的に分離されて形成される場合には、他の材質で形成することができる。
【0024】
スキャン電極11とサステイン電極12がそれぞれ形成された上部基板10には、上部誘電体層13と保護層14が積層される。上部誘電体層13には、放電により発生した荷電粒子が蓄積され、維持電極対11、12を保護する機能を果たすことができる。保護層14は、ガス放電時に発生する荷電粒子のスパッタリングから上部誘電体層13を保護し、2次電子の放出効率を高めるようにする。
【0025】
一方、アドレス電極22は、スキャン電極11及びサステイン電極12と交差する方向に形成される。アドレス電極22が形成された下部基板20上には、下部誘電体層24と隔壁21が形成される。
【0026】
下部誘電体層24と隔壁21の表面には、ガス放電時に発生した紫外線により発光して、可視光を発生させる蛍光体23が塗布される。
【0027】
隔壁21は、アドレス電極22と並んだ方向に形成された縦隔壁21aと、アドレス電極22と交差する方向に形成された横隔壁21bとで構成され、放電セルを物理的に区分し、放電により生成された紫外線と可視光が、隣接した放電セルに漏れるのを防止する。
【0028】
本発明の一実施の形態では、図1に示す隔壁21の構造だけでなく、多様な形状の隔壁21の構造も可能である。例えば、縦隔壁21aと横隔壁21bの高さが異なる不均一な隔壁構造(差等隔壁構造)、縦隔壁21a又は横隔壁21bのうち、少なくとも1つ以上に排気通路として使用可能なチャネルが形成されたチャネル型隔壁構造、縦隔壁21a又は横隔壁21bのうち、何れか1つ以上に溝(Hollow)が形成された溝型隔壁構造などが可能である。
【0029】
ここで、不均一な隔壁構造である場合には、横隔壁21bの高さが高いことがさらに好ましく、チャネル型隔壁構造や溝型隔壁構造である場合には、横隔壁21bにチャネルが形成されるか、又は溝が形成されることが好ましい。
【0030】
一方、本発明の一実施の形態では、R、G及びB放電セルそれぞれが同じ線上に配列されるものと図示及び説明されているが、他の形状に配列することもできる。例えば、R、G及びB放電セルが三角状に配列されるデルタタイプの配列も可能であり、放電セルの形状も、四角状だけでなく、五角形、六角形などの多様な多角形状も可能である。
【0031】
図2は、プラズマディスプレイパネルの電極配置に関する一実施の形態を示すものである。
【0032】
図2に示すように、プラズマディスプレイパネルを構成する複数の放電セルは、マトリックス状に配置されることが好ましい。複数の放電セル15は、各々スキャン電極Y1〜Yn、サステイン電極Z1〜Zn及びアドレス電極X1〜Xnの交差部に位置する。
【0033】
また、複数のスキャン電極Y1〜Ynそれぞれは、スキャン駆動部40により順次駆動され、複数のサステイン電極Z1〜Znは、サステイン駆動部60から供給されるサステイン信号を受けて、共通的に駆動される。さらに、複数のアドレス電極X1〜Xnは、アドレス駆動部50からスキャン信号と同期化されたデータ信号が供給される。
【0034】
一方、図2に示す電極配置及び駆動方法は、本発明に係るプラズマディスプレイパネルの一実施の形態に過ぎないので、本発明は、図2に示すプラズマディスプレイパネルの電極配置及び駆動方法に限定されない。例えば、スキャン電極Y1〜Ynを第1スキャン電極群、第2スキャン電極群に分けてそれぞれ順次に駆動信号を印加するデュアルスキャン方式も可能である。また、アドレス電極X1〜Xn、をパネルの中央部分で上下に分割して駆動することもできる。
【0035】
図3は、プラズマディスプレイ装置において、画像の1フレームが複数のサブフィールドに時分割駆動される方法に関する一実施の形態を示す図である。
【0036】
図3に示すように、単位フレームは、画像の階調を表現するために、所定個数、例えば8個のサブフィールドSF1,...,SF8に時分割駆動することができる。また、各サブフィールドSF1,...,SF8は、リセット期間(図示せず)、アドレス期間A1,...,A8及びサステイン期間S1,...,S8に分割される。
【0037】
各アドレス期間A1,...,A8では、アドレス電極(X)にデータ信号が印加され、各スキャン電極(Y)には、これに相応するスキャンパルスが順次印加される。それぞれのサステイン期間S1,...,S8では、スキャン電極(Y)とサステイン電極(Z)にサステインパルスが交互に印加されて、アドレス期間A1,...,A8から選択された放電セルでサステイン放電を起こす。
【0038】
プラズマディスプレイパネルの輝度は、単位フレームに占めるサステイン期間S1,...,S8内のサステイン放電の回数に比例する。1画像を形成する1つのフレームが8個のサブフィールドと256階調で表現される場合に、各サブフィールドには、順に1、2、4、8、16、32、64、128の割合で互いに異なるサステインパルスの数を割り当てることができる。又は、133階調の輝度を得るためには、サブフィールド1区間、サブフィールド3区間、及びサブフィールド8区間において、セルをアドレッシングしてサステイン放電を発生させる。
【0039】
一方、各サブフィールドに割り当てられるサステイン放電回数は、サブフィールドの加重値に応じて可変的に決定することができる。すなわち、図3では、1フレームを8個のサブフィールドに分割する場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されず、1フレームを形成するサブフィールドの数を設計仕様により多様に変形することができる。例えば、1フレームを12又は16サブフィールドのように、8サブフィールド以上又は以下に分割して、プラズマディスプレイパネルを駆動させることができる。
【0040】
また、各サブフィールドに割り当てられるサステイン放電回数は、ガンマ特性やパネル特性を考慮して、多様に変形できる。例えば、サブフィールド4に割り当てられた階調度を8から6に下げ、サブフィールド6に割り当てられた階調度を32から34に上げることができる。
【0041】
図4は、本発明に係る外光遮断シートの構造に対する第1の実施の形態を示す図である。
【0042】
図4に示すように、本発明の外光遮断シート100は、ベース部110とベース部110上に一列に形成された複数のパターン部120a、120bを含んで構成される。このような外光遮断シート100の厚さは、パターン部120a、120bの高さと光の透過率を考慮して、20μm〜250μmの範囲に形成されることが好ましい。
【0043】
ベース部110は、所定の屈折率を有する透明なプラスチック材質で形成される。例えば、紫外線(UV)硬化方式で形成される樹脂を使用することが最も好ましいが、ガラスなどのように、透明かつ薄型化が可能な材質であれば、何でも使用できる。
【0044】
パターン部120a、120bは、ベース部110の間に所定の間隔に形成される。このとき、パターン部120a、120bは、隣接した他のパターン部120a、102bと所定の間隔を有する。すなわち、製造工程での容易性を考慮して、互いに隣接したパターン部120a、120bを一定の間隔を有して形成することができるが、画面全体の輝度を均一するためには、画面で輝度が落ちる領域には、互いに隣接したパターン部の間隔を比較的広く形成することが好ましい。
【0045】
これにより、パネルの前面に取り付けられる外光遮断シート100を上下に3等方し、上側及び下側のエッジである外郭領域100bと画面の中央に位置する中心領域100aとに区分する。このとき、外光遮断シート100の中心領域100aに形成されるパターン部120aの幅P1と外郭領域100bに形成されるパターン部120bの幅P2は、互いに異なるように形成することが好ましい。このとき、互いに隣接したパターン部120a、120b間の間隔は、実質的に同一に形成する。この場合、比較的輝度の高い画面の中心領域は、幅の小さなパターン部120aが形成され、比較的輝度の低い画面の外郭領域には、幅の大きいパターン部120bが形成されて、画面全体の輝度性が均一になり、これにより、画質が改善されると共に、明室コントラストが改善される。このとき、パターン部120a、120の幅P1、P2は、パターン部の上段より大きい下段と実質的に同じである。
【0046】
図5A〜図5Bは、本発明に係る外光遮断シートの第1の実施の形態に関する断面構造を示す図である。
【0047】
図5A〜図5Bに示すように、外光遮断シート100の中心領域100aには、パターン部120aが第1幅P1で形成され、外光遮断シート100の外郭領域100bには、パターン部120bが第2幅P2で形成される。
【0048】
このとき、パターン部120a、120bの第1幅P1は、第2幅P2の1.5倍〜4倍であることが好ましい。この場合、画面全体で比較的輝度率の低い外郭領域100bと中心領域100aの輝度率が均一になる。
【0049】
一方、本発明の第1の実施の形態では、外光遮断シート100の中心領域100aと外郭領域100bそれぞれに形成されたパターン部120a、120bの幅が同様に示されているが、中心領域100a内から外郭領域100b側に行くほど、パターン部120aの幅をますます減少するように形成することができ、互いに異なるパターン部の幅を有する中心領域100aと外郭領域100bそれぞれにおいて複数のパターン部のうち、少なくとも1つの幅が異なるように形成することができる。
【0050】
このような外光遮断シート100を含むフィルタは、外光が入射される方向又は使用者側Aにパターン部の上段が位置するようにし、パネル側Bにパターン部の下段bが位置するようにすることが好ましい。
【0051】
また、外光遮断シートの構造についてさらに詳細に説明すると、外光遮断シートの厚さ(T)が20μm〜250μmであるとき、製造工程が容易であり、適切な光透過率を有することができる。パネルから放出される光が円滑に透過されるようにし、外部から入射される光が屈折して、パターン部120に効果的に吸収及び遮断されるようにし、シートの堅固性を確保するために、外光遮断シートの厚さ(T)を100μm〜180μmに形成することができる。
【0052】
また、外光遮断シートに備えられるパターン部の高さhが80μm〜170μmであるとき、パターン部の製造が最も容易であり、外光遮断シートの適切な開口率を確保することができ、外光遮断効果及びパネルから放出される光の反射効果を最大化することができる。
【0053】
このようなパターン部の高さhは、外光遮断シートの厚さ(T)に応じて可変できる。一般に、パネルに入射されて明室コントラストの低下に影響を及ぼす外光は、主にパネルの位置より上側に位置するようになるので、パネルに入射される外光を効果的に遮断するために、パターン部の高さhは、外光遮断シートの厚さ(T)に対して一定比率の範囲内の値を有することが好ましい。
【0054】
図5Aに示すように、パターン部の高さ(h)が増加するほど、パターン部の上段部分のベース部の厚さが薄くなって、絶縁破壊が発生することになり、パターン部の高さhが減少するほど、一定範囲内の角度を有する外光がパネルに入射されて、正しく外光が遮断されない。
【0055】
次の表1は、外光遮断シートの厚さ(T)とパターン部の高さ(h)に応じて外光遮断シートの絶縁破壊及び外光遮断効果を実験した結果である。
【0056】
【表1】
【0057】
表1を参照すると、外光遮断シートの厚さ(T)が120μmである場合、パターン部の高さ(h)が120μm以上に形成されると、パターン部が絶縁破壊される恐れがあるため、製品の不良率が増加し得る。パターン部の高さ(h)が115μm以下に形成されると、パターン部が絶縁破壊される恐れがないため、外光遮断シートの不良率を減少させることができる。しかしながら、パターン部の高さ(h)を75μm以下で形成するときには、パターン部により外部光が遮断される効率が減少し、50μm以下に形成される場合には、外光がパネルに入射する。
【0058】
外光遮断シートの厚さ(T)がパターン部高さ(h)の1.01倍〜2.25倍であるとき、パターン部の上段部分の絶縁破壊を防止することができ、外光がパネルに入射されることを防止できる。また、絶縁破壊及び外光のパネル入射を防止すると共に、パネルから放出される光の反射率を増加させ、視野角を十分に確保するためには、外光遮断シートの厚さ(T)がパターン部の高さ(h)の1.01倍〜1.5倍であればよい。
【0059】
図6は、本発明に係る外光遮断シートの構造に対する第2の実施の形態を示す図であり、図7A〜図7Bは、本発明に係る外光遮断シートの第2の実施の形態に関する断面構造を示す図である。図6〜図7Bに示す外光遮断シートの構造のうち、図4〜図5Bに示した図と共に記述された内容と同一内容に関する説明は省略する。
【0060】
図6に示すように、本発明の第2の実施の形態に係る外光遮断シート200は、ベース部210とパターン部220を含んで構成される。本発明の第2の実施の形態に係る外光遮断シート200は、外光遮断シート200の前面中心領域200aと外郭領域200bそれぞれに形成される互いに隣接したパターン部220間の間隔が互いに異なるように形成される。これに関する説明を、図7A〜図7Bを参照して説明する。
【0061】
外光遮断シート200の中心領域200aには、互いに隣接したパターン部220間の第1間隔P3を有し、外光遮断シート200の外郭領域200bには、互いに隣接したパターン部220が第2間隔P4を有する。このとき、中心領域200a及び外郭領域200bに形成されるパターン部220の幅は、実質的に互いに同じである。また、互いに隣接したパターン部220の第1間隔P3は、第2間隔P4の0.70倍〜0.99倍の範囲に形成されることが好ましい。その場合、外光遮断シート200の中心領域200aに形成されるパターン部220間の間隔P3より外郭領域200bに形成されるパターン部220間の間隔P4を大きくすることにより、画面の輝度が均一になり、明室コントラストを向上させることができる。
【0062】
一方、本発明の第2の実施の形態では、外光遮断シートを中心領域と外郭領域に3等分して、外光遮断シートの構造を説明したが、外光遮断シートの中心から上、下に行くほど、互いに隣接したパターン部間の間隔が増加及び互いに異なるように形成することができる。また、図6〜図7Bでは、パターン部の線幅が全て同一に形成されているが、複数のパターン部のうち、少なくとも何れか1つは、その線幅が異なるように形成することもできる。
【0063】
図8は、本発明に係る外光遮断シート構造に関する一実施の形態を示す図である。
【0064】
図8に示すように、本発明に係る外光遮断シート300は、ベース部310とパターン部320を備え、外光遮断シート300の中心領域に形成されるパターン部320間の間隔が外郭領域に形成されるパターン部間の間隔より狭く、パターン部320の幅は、実質的に同一である。また、パネル内部に形成されるブラックマトリックス又はブラック層、バス電極、隔壁などと、パターン部320の干渉により発生するモアレ(Moire)現象を防止するために、外光遮断シート300の横方向に水平線を基準として、0.5度〜15度傾いた形状にパターン部320を形成する。
【0065】
一方、図8において、パターン部の幅は同一であり、パターン部間の間隔が異なるように形成されたが、これに限定されず、パターン部の幅が異なるように形成することもでき、パターン部の幅と互いに隣接したパターン部間の間隔が同時に異なるように形成することもできる。
【0066】
また、モアレ現象とは、似た格子形状のパターンが重なりながら発生する低周波のパターンを意味し、例えば、蚊帳を重ねて置いたときに見える波紋パターンのようなものである。このようなモアレ現象は、外光遮断シートの上段又は下段とパターン部のなす角度のみでなく、パターン部の幅と実質的に同じパターン部の下段幅とパネルの内部に形成されるバス電極の幅及び縦隔壁の幅と関連性がある。
【0067】
次の表2は、外光遮断シートのパターン部の下段幅とパネルの上部基板に形成されるバス電極幅の比率に応じて、モアレ現象の発生の有無及び外光の遮断効果を実験した結果であって、バス電極の幅が90μmである場合である。
【0068】
【表2】
【0069】
表2を参照すれば、パターン部の下段の幅がバス電極幅の0.2倍〜0.5倍であるとき、モアレ現象の発生を減少させ、パネルに入射される外光を減少させることができる。また、モアレ現象の発生を防止し外光を効果的に遮断すると同時に、パネル光の放出のための開口率を確保するためには、パターン部の下段の幅がバス電極幅の0.25倍〜0.4倍であることが好ましい。
【0070】
次の表3は、外光遮断シートのパターン部の下段幅とパネルの下部基板に形成される縦隔壁の幅の比率に応じて、モアレ現象の発生の有無及び外光の遮断効果を実験した結果であって、縦隔壁の幅が50μmである場合である。
【0071】
【表3】
【0072】
表3を参照すれば、パターン部の下段の幅が縦隔壁幅の0.3倍〜0.8倍であるとき、モアレ現象の発生を減少させ、パネルに入射される外光を減少させることができる。また、モアレ現象の発生を防止し、外光を効果的に遮断すると同時に、パネル光の放出のための開口率を確保するためには、パターン部の下段の幅が縦隔壁幅の0.4倍〜0.65倍であることが好ましい。
【0073】
図9A〜図9Cは、本発明に係る外光遮断シートのパターン部形状に応じた実施の形態を示す図である。
【0074】
本発明に係る外光遮断シートに含まれたパターン部の断面形状は、上記のように、二等辺三角形をなすことが最も好ましいが、その他の可能な形状を図9A〜図9Cを参照して説明する。パターン部410a、410b、410cは、ベース部420a、420b、420cより暗い物質で形成されて、光吸収の機能を有する。この場合、外部から入射される光を効果的に遮断し、パターン部に吸収されるようにする。また、パターン部の光吸収機能を上昇させるために、光吸収物質を添加して形成することもできる。また、パターン部410a、410b、410cをなす物質として、ベース部420a、420b、420cより屈折率が小さな物質が用いられ、パネルから放出される光がベース部420a、420b、420cと、パターン部410a、410b、410cの界面で全反射されて、ユーザA側に効率的に放出し、外部から入射される光は、パネル内部に入射されないように遮断する。
【0075】
このように、外部Aから入射される光は屈折されて、パターン部410a、410b、410cにより遮断されるようにし、パネル側Bから放出される光は、効果的に透過させるために、パターン部410a、410b、410cの下段bは、上段aより広く形成されることが最も好ましい。これにより、パターン部410a、410b、410cの上段幅aは、5μm以下に形成されることが好ましく、パターン部410a、410b、410cの下段幅bは、10μm〜50μmの範囲に形成されることができる。外光遮断機能を極大化してPDPの明室コントラストを画期的に改善するために、パターン部の上段幅aは、0.1μmに、パターン部の下段幅bは、18μm〜35μmに形成されることが最も好ましい。
【0076】
また、パターン部は、上段幅a、下段幅b及び傾斜面の形態に応じて異なる形状に形成することができる。まず、図9A及び図9Cに示すように、パターン部410a、410cの傾斜面を曲線で形成することができ、図9B及び図9Cに示すように、パターン部410b、410cの上段幅aを広くして形成することもできる。
【0077】
図10A〜図10Dは、本発明に係る外光遮断シートの積層構造に関する実施の形態を示す断面図である。
【0078】
まず、図10Aを参照すると、本発明の外光遮断シート500は、AR/NIRシート510、EMI遮蔽シート520、外光遮断層530を含んで備えられる。
【0079】
AR/NIRシート510は、透明なプラスチック材質からなるベースシート513の前面に、外部から入射される光が反射することを防止してグレア現象を減少させる機能のある反射防止(AR;Anti−Reflection)層511が取り付けられ、後面には、パネルから放射される近赤外線を遮蔽して、リモコンなどのように赤外線を利用して伝達される信号が正常に伝達され得るようにする近赤外(NIR;Near−Infrared)遮蔽層512が取り付けられる。
【0080】
EMI遮蔽シート520は、透明なプラスチック材質からなるベースシート522の前面に、電磁妨害(EMI;Electro magnetic Interference)を遮蔽して、パネルから放射されるEMIが外部に放出されるのを防止するEMI遮蔽層521が取り付けられる。このとき、通常、EMI遮蔽層521は、導電性を有する物質を利用してメッシュ(Mesh)構造で形成され、接地が円滑になるように、画像が表示されない非有効領域には、導電性物質が全体的に塗布される。
【0081】
通常、外部光源は、室内や外部においてユーザの頭上に存在する場合が最も多い。このような外部光を効果的に遮断してPDPのブラック映像をさらに暗く表現され得るようにする外光遮断層530が取り付けられる。
【0082】
このようなAR/NIRシート510、EMI遮蔽シート520、外光遮断層530間には、粘着剤540が層をなしており、それぞれのシート及びPDPの前面に堅固に取り付けられるようにする。また、それぞれのシートに含まれるベースシートの材質は、外光遮断シートの製作の容易性を考慮して、実質的に同じ材質を使用することが好ましい。
【0083】
一方、図10Aでは、AR/NIRシート510、EMI遮蔽シート520、外光遮断層530の順に積層されているが、図10Bに示すように、AR/NIRシート510、外光遮断層530、EMI遮蔽シート520の順に積層することができる。すなわち、各シート/層の積層順序は、当業者によって変更可能である。また、それぞれのシートのうちの少なくともいずれかの層を省略することもできる。
【0084】
また、外光遮断シート600は、図10C〜図10Dに示すように、パネルから入射される光の色温度及び輝度特性を改善させる光特性シート620を含んで形成することもできる。このとき、光特性シート620は、透明なプラスチック材質からなるベースシート622と、当該ベースシート622の前面又は後面に積層された所定の染料と粘着剤からなる光特性層621で構成される。
【0085】
一方、図10A〜図10Dに示すそれぞれのシートに含まれているベースシートのうち、少なくとも1つのベースシートを省略することもでき、プラスチック材質ではない堅固なガラスが用いられて、パネルを保護する機能を向上させることもできる。
【0086】
図11は、本発明に係るプラズマディスプレイ装置の構造に対する一実施の形態を示す図である。
【0087】
図11に示すように、本発明に係るプラズマディスプレイパネルの前面には、フィルタ100が形成されることが好ましく、フィルタ100には、外光遮断シート、反射防止(AR;Anti−Reflection)シート、近赤外(NIR;Near−Infrared)遮蔽シート、電磁妨害(EMI;Electro Magmetic Interference)遮蔽シート、光特性シートなどを含むことができる。
【0088】
フィルタ100とパネルとの間に10μm〜30μmの厚さを有する粘着剤が層をなしてパネルとフィルタ100との取り付けを容易にすると共に、接着性を高めることができる。また、外部圧力などから前記パネルを保護するために、フィルタ100と前記パネルとの間に粘着層を30μm〜120μmの厚さで形成することができる。
【0089】
上述した本発明の好ましい実施の形態は、例示の目的のために開示されたものであり、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で、様々な置換、変形、及び変更が可能であり、このような置換、変更などは、特許請求の範囲に属するものである。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】プラズマディスプレイパネル構造に関する一実施の形態を示す斜視図である。
【図2】プラズマディスプレイパネルの電極配置に関する一実施の形態を示す図である。
【図3】プラズマディスプレイ装置において、画像の1フレームが複数のサブフィールドに時分割駆動される方法に関する一実施の形態を示す図である。
【図4】本発明に係る外光遮断シートの構造に関する第1の実施の形態を示す図である。
【図5A】本発明に係る外光遮断シートの第1の実施の形態に関する断面構造を示す図である。
【図5B】本発明に係る外光遮断シートの第1の実施の形態に関する断面構造を示す図である。
【図6】本発明に係る外光遮断シートの構造に関する第2の実施の形態を示す図である。
【図7A】本発明に係る外光遮断シートの第2の実施の形態に関する断面構造を示す図である。
【図7B】本発明に係る外光遮断シートの第2の実施の形態に関する断面構造を示す図である。
【図8】本発明に係る外光遮断シートの前面構造に関する一実施の形態を示す図である。
【図9A】本発明に係る外光遮断シートのパターン部に関する実施の形態を示す図である。
【図9B】本発明に係る外光遮断シートのパターン部に関する実施の形態を示す図である。
【図9C】本発明に係る外光遮断シートのパターン部に対する実施の形態を示す図である。
【図10A】本発明に係るフィルタの積層構造に関する実施の形態を示す断面図である。
【図10B】本発明に係るフィルタの積層構造に関する実施の形態を示す断面図である。
【図10C】本発明に係るフィルタの積層構造に関する実施の形態を示す断面図である。
【図10D】本発明に係るフィルタの積層構造に関する実施の形態を示す断面図である。
【図11】本発明に係るプラズマディスプレイ装置の構造に関する一実施の形態を示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマディスプレイパネルと、
前記パネルの前面に形成されるフィルタとを備え、
前記フィルタは、ベース部及び前記ベース部上に形成される複数のパターン部が備えられる外光遮断シートを備え、
前記外光遮断シートの第1領域に形成された互いに隣接した前記パターン部間の第1間隔は、前記外光遮断シートの第2領域に形成された互いに隣接した前記パターン部間の第2間隔と互いに異なることを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
【請求項2】
前記第1間隔又は第2間隔は、前記パターン部の終端から隣接したパターン部の終端までの間隔であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項3】
前記第1間隔又は第2間隔は、前記パターン部の中心から隣接したパターン部の中心までの間隔であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項4】
前記第1領域に形成されたパターン部の幅は、前記第2領域に形成されたパターン部の幅と異なることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項5】
前記第1領域に形成されたパターン部の幅は、前記第2領域に形成されたパターン部の幅より大きいことを特徴とする請求項4に記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項6】
前記第1領域に形成されたパターン部の幅は、前記第2領域に形成されたパターン部の幅より1.5倍〜4倍大きいことを特徴とする請求項4に記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項7】
前記第1間隔は、前記第2間隔より小さいことを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項8】
前記第1間隔は、前記第2間隔の0.70倍〜0.99倍であることを特徴とする請求項7に記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項9】
前記第1領域は、前記外光遮断シートの全面を3等分したとき、中央に位置する領域であり、前記第2領域は、前記外光遮断シートの全面を3等分したとき、エッジに位置する領域であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項10】
外部光の反射を防止するAR層と、
前記パネルから放射される近赤外線を遮断するNIR遮蔽層と、
電磁波を遮断するEMI遮蔽層のうち、少なくとも1つがさらに備えられることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項11】
前記パターン部は、上段より下段の幅がより大きい断面形状を有し、前記パターン部の下段はパネル側に配置され、上段は外光が入射される側に配置されることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項12】
前記外光遮断シートの厚さは、前記パターン部の高さの1.01倍〜2.25倍であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項13】
前記外光遮断シートの厚さは、前記パターン部の高さの1.01倍〜1.5倍であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項14】
前記パターン部の屈折率は、前記ベース部の屈折率より小さいことを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項1】
プラズマディスプレイパネルと、
前記パネルの前面に形成されるフィルタとを備え、
前記フィルタは、ベース部及び前記ベース部上に形成される複数のパターン部が備えられる外光遮断シートを備え、
前記外光遮断シートの第1領域に形成された互いに隣接した前記パターン部間の第1間隔は、前記外光遮断シートの第2領域に形成された互いに隣接した前記パターン部間の第2間隔と互いに異なることを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
【請求項2】
前記第1間隔又は第2間隔は、前記パターン部の終端から隣接したパターン部の終端までの間隔であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項3】
前記第1間隔又は第2間隔は、前記パターン部の中心から隣接したパターン部の中心までの間隔であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項4】
前記第1領域に形成されたパターン部の幅は、前記第2領域に形成されたパターン部の幅と異なることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項5】
前記第1領域に形成されたパターン部の幅は、前記第2領域に形成されたパターン部の幅より大きいことを特徴とする請求項4に記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項6】
前記第1領域に形成されたパターン部の幅は、前記第2領域に形成されたパターン部の幅より1.5倍〜4倍大きいことを特徴とする請求項4に記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項7】
前記第1間隔は、前記第2間隔より小さいことを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項8】
前記第1間隔は、前記第2間隔の0.70倍〜0.99倍であることを特徴とする請求項7に記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項9】
前記第1領域は、前記外光遮断シートの全面を3等分したとき、中央に位置する領域であり、前記第2領域は、前記外光遮断シートの全面を3等分したとき、エッジに位置する領域であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項10】
外部光の反射を防止するAR層と、
前記パネルから放射される近赤外線を遮断するNIR遮蔽層と、
電磁波を遮断するEMI遮蔽層のうち、少なくとも1つがさらに備えられることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項11】
前記パターン部は、上段より下段の幅がより大きい断面形状を有し、前記パターン部の下段はパネル側に配置され、上段は外光が入射される側に配置されることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項12】
前記外光遮断シートの厚さは、前記パターン部の高さの1.01倍〜2.25倍であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項13】
前記外光遮断シートの厚さは、前記パターン部の高さの1.01倍〜1.5倍であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項14】
前記パターン部の屈折率は、前記ベース部の屈折率より小さいことを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図11】
【公開番号】特開2008−20882(P2008−20882A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−44159(P2007−44159)
【出願日】平成19年2月23日(2007.2.23)
【出願人】(502032105)エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド (2,269)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月23日(2007.2.23)
【出願人】(502032105)エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド (2,269)
【Fターム(参考)】
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