説明

フィルム供給装置

【課題】フィルムの位置ずれやフィルム受渡部材によるフィルムの受取タイミングのずれがあっても、フィルム受渡部材が適正な状態でフィルムを受け取ることができるフィルム供給装置を提供する。
【解決手段】ラベル形成基材Mを切断することにより形成されたラベルLをラベル受渡位置αに順次搬送する上流側ベルト搬送ユニット30及び下流側ベルト搬送ユニット40と、下流側ベルト搬送ユニット40の上部位置においてラベルLを検出するラベル検出センサ61と、ラベル受渡装置5のテイクアップ主軸に取り付けられたエンコーダと、ラベル検出センサ61からのラベル検出信号及びエンコーダからのパルス信号に基づいて、ラベルLのずれ量を算出し、このずれ量を修正しながらラベルLを搬送してラベル受渡位置αに停止させるように、下流側ベルト搬送ユニット40によるラベルLの搬送動作を制御する制御ユニットとを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、瓶、ボトル等の被被嵌体にストレッチラベルやシュリンクラベル等の筒状のフィルムを被嵌するためのフィルム被嵌システム等に搭載されるフィルム供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、瓶やボトル等の胴部外周面にストレッチラベルやシュリンクラベル等の筒状ラベルを被嵌するラベル被嵌システムには、シート状に折り畳まれた筒状のラベルが連続的に繋がった長尺帯状のラベル形成基材を順次切断することによって所定長のラベルを形成しながら順次供給するラベル供給装置が搭載されており、このラベル供給装置によって供給される所定長のラベルが、ラベル受渡装置を介して、ラベル被嵌装置に引き渡されるようになっている。
【0003】
前記ラベル供給装置は、図9(a)、(b)に示すように、シート状に折り畳まれた長尺帯状のラベル形成基材Mを送出する送出ローラ101と、この送出ローラ101によって送出されたラベル形成基材Mを所定長に切断することで個別のラベルLを形成する切断ユニット102と、所定長に切断されたラベルLを第1のラベル受渡位置αまで搬送するベルト搬送ユニット103とを備えており、ベルト搬送ユニット103は、所定長に切断されたラベルLを、所定間隔を開けて平行に配設された一対のフィードベルト103a、103aに吸引保持した状態で、第1のラベル受渡位置αまで搬送するようになっている。
【0004】
一方、ラベル受渡装置は、図9(a)、(b)に示すように、第1のラベル受渡位置αと第2のラベル受渡位置βとを通るように一定の回転速度で回転する複数本のテイクアップ部材111を備えており、シート状に折り畳まれた状態で第1のラベル受渡位置αに供給されるラベルLを、図10に示すように、一対のフィードベルト103a、103a間を通過するテイクアップ部材111の保持部112が引っかけて吸引保持することによって受け取った後、その状態で第2のラベル受渡位置βまで搬送し、第2のラベル受渡位置βにおいて、ラベル被嵌装置のラベルオープナー121の揺動アーム122がラベルLを把持することによって受け取るようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−176527号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述したようなラベル供給装置では、ラベル受渡装置のテイクアップ部材111がラベル受渡位置αを通過するタイミングにあわせて、ラベルLがラベル受渡位置αに供給されるように、ラベル受渡装置と同期を取りながらベルト搬送ユニット103がラベルLの搬送を行っているだけなので、例えば、切断ユニット102がラベル形成基材Mを切断することによって形成された個別のラベルLが、ベルト搬送ユニット103のフィードベルト103aにスムーズに乗り移ることができず、フィードベルト103aへの乗り移りのタイミングが多少遅れたような場合や、何らかの原因でラベルLが所定位置よりも下流側でフィードベルト103aに吸引保持された場合は、テイクアップ部材111がラベル受渡位置αを通過する際に、ラベルLが上下方向に位置ずれすることになり、テイクアップ部材111が適正な状態でラベルLを受け取ることができず、ラベルLが位置ずれした状態でラベル被嵌装置のラベルオープナー121に引き渡されることになるので、ラベル被嵌装置におけるラベルLの取り扱いに支障がでるおそれがある。
【0007】
また、ラベル受渡装置のテイクアップ部材111は全てが同じ姿勢になるように回転ベースに取り付けていくことが望ましいが、テイクアップ部材111の取付精度が悪く、各テイクアップ部材111が回転方向に位置ずれした状態で回転ベースに取り付けられているような場合は、各テイクアップ部材111毎にラベル受渡位置αを通過するタイミングがずれることになるので、適正なタイミングでラベルLがラベル受渡位置αに供給されていても、テイクアップ部材111が適正な状態でラベルLを受け取ることができず、上述したように、ベルト搬送ユニット103によるラベルLの供給タイミングがずれた場合と同様の問題が発生することになる。
【0008】
そこで、この発明の課題は、所定のフィルム受渡位置を通過する際にフィルムを受け取ってフィルム処理装置に引き渡すフィルム受渡部材によるフィルムの受取タイミングにあわせてフィルムをフィルム受渡位置に供給するフィルム供給装置を改良することにより、搬送段階でフィルムが位置ずれした場合や、フィルム受渡部材の取付精度が多少悪い場合であっても、フィルム受渡部材が適正な状態でフィルムを受け取れるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、請求項1にかかる発明は、所定のフィルム受渡位置を通過する際にフィルムを受け取ってフィルム処理装置に引き渡すフィルム受渡部材によるフィルムの受取タイミングにあわせてフィルムをフィルム受渡位置に供給するフィルム供給装置であって、フィルムをフィードベルトに吸引保持した状態で搬送する、サーボモータによって駆動される上流側ベルト搬送ユニットと、前記上流側ベルト搬送ユニットによって搬送されてくるフィルムをフィードベルトに吸引保持した状態でフィルム受渡位置に搬送する、サーボモータによって駆動される下流側ベルト搬送ユニットと、搬送中のフィルムを所定の基準位置において検出するフィルム検出手段と、前記上流側ベルト搬送ユニット及び前記下流側ベルト搬送ユニットの動作を制御する制御ユニットとを備え、前記フィルム受渡部材がフィルム受渡位置を通過する際に、フィルムがフィルム受渡位置に停止、または、低速で進入するように、前記フィルム受渡部材の位置に応じて、前記上流側ベルト搬送ユニットの前記フィードベルトの目標移動量及び前記下流側ベルト搬送ユニットの前記フィードベルトの目標移動量が予め設定されており、前記制御ユニットは、予め定められた前記上流側ベルト搬送ユニットの前記フィードベルトの目標移動量になるように、前記サーボモータの位置決め制御を行うと共に、予め定められた前記下流側ベルト搬送ユニットの前記フィードベルトの目標移動量になるように、前記サーボモータの位置決め制御を行うようになっており、前記フィルム検出手段がフィルムを検出した時点における前記フィードベルトの実際の移動量が前記目標移動量と異なる場合は、前記フィードベルトにおけるフィルムの吸引保持位置にずれが発生していると判断し、前記フィードベルトの実際の移動量の目標移動量からのずれ量に基づいて、フィルムが前記下流側ベルト搬送ユニットの前記フィードベルトに完全に乗り移った後の前記下流側ベルト搬送ユニットの前記フィードベルトの目標移動量を補正することで、フィルムのずれに伴うフィルムの供給タイミングのずれを修正しながら搬送するようにしたことを特徴とするフィルム供給装置を提供するものであります。
【0010】
また、上記の課題を解決するため、請求項2に係る発明は、所定のフィルム受渡位置を通過する際にフィルムを受け取ってフィルム処理装置に引き渡すフィルム受渡部材によるフィルムの受取タイミングにあわせてフィルムをフィルム受渡位置に供給するフィルム供給装置であって、フィルムをフィードベルトに吸引保持した状態で搬送する、サーボモータによって駆動される上流側ベルト搬送ユニットと、前記上流側ベルト搬送ユニットによって搬送されてくるフィルムをフィードベルトに吸引保持した状態でフィルム受渡位置に搬送する、サーボモータによって駆動される下流側ベルト搬送ユニットと、搬送中のフィルムを所定の基準位置において検出するフィルム検出手段と、前記フィルム受渡部材を所定の基準位置において検出する受渡部材検出手段と、前記上流側ベルト搬送ユニット及び前記下流側ベルト搬送ユニットの動作を制御する制御ユニットとを備え、前記フィルム受渡部材がフィルム受渡位置を通過する際に、フィルムがフィルム受渡位置に位置しているように、前記フィルム受渡部材の位置に応じて、前記上流側ベルト搬送ユニットの前記フィードベルトの目標移動量及び前記下流側ベルト搬送ユニットの前記フィードベルトの目標移動量が予め設定されており、前記制御ユニットは、予め定められた前記上流側ベルト搬送ユニットの前記フィードベルトの目標移動量になるように、前記サーボモータの位置決め制御を行うと共に、予め定められた前記下流側ベルト搬送ユニットの前記フィードベルトの目標移動量になるように、前記サーボモータの位置決め制御を行うようになっており、前記フィルム検出手段がフィルムを検出した時点における前記フィードベルトの実際の移動量が前記目標移動量と異なる場合は、前記フィードベルトにおけるフィルムの吸引保持位置にずれが発生していると判断すると共に、前記受渡部材検出手段による前記フィルム受渡部材の検出タイミングが、本来の適正タイミングからずれている場合は、前記フィルム受渡部材によるフィルムの受取タイミングにずれが発生すると判断し、前記フィードベルトの実際の移動量の目標移動量からのずれ量と、前記フィルム受渡部材の検出タイミングの適正タイミングからのずれ量とに基づいて、フィルムが前記下流側ベルト搬送ユニットの前記フィードベルトに完全に乗り移った後の前記下流側ベルト搬送ユニットの前記フィードベルトの目標移動量を補正することで、前記フィルム受渡部材によるフィルムの受取タイミングのずれを考慮して、フィルムのずれに伴うフィルムの供給タイミングのずれを修正しながら搬送するようにしたことを特徴とするフィルム供給装置を提供するものであります。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、請求項1にかかる発明のフィルム供給装置は、フィルム検出手段がフィルムを検出した時点におけるフィードベルトの実際の移動量が目標移動量と異なる場合は、フィードベルトにおけるフィルムの吸引保持位置にずれが発生していると判断し、フィードベルトの実際の移動量の目標移動量からのずれ量に基づいて、フィルムが下流側ベルト搬送ユニットのフィードベルトに完全に乗り移った後の下流側ベルト搬送ユニットのフィードベルトの目標移動量を補正することで、フィルムのずれに伴うフィルムの供給タイミングのずれを修正しながら搬送するようにしたので、フィードベルトにおけるフィルムの吸引保持位置にずれが発生した場合であっても、フィルム受渡部材によるフィルムの受取タイミングにあわせてフィルムをフィルム受渡位置に供給することができ、しかも、フィルムをフィルム受渡位置に停止させるか、或いは、フィルムを低速でフィルム受渡位置に侵入させるようにしたので、フィルム受渡部材の取付精度が悪いために、フィルム受渡部材によるフィルムの受取タイミングが多少ずれたような場合であっても、そのずれの影響を無視することができ、フィルム受渡部材が適正な状態でフィルムを受け取ることができる。
【0012】
また、請求項2にかかる発明のフィルム供給装置は、フィルム検出手段がフィルムを検出した時点におけるフィードベルトの実際の移動量が目標移動量と異なる場合は、フィードベルトにおけるフィルムの吸引保持位置にずれが発生していると判断すると共に、受渡部材検出手段によるフィルム受渡部材の検出タイミングが、本来の適正タイミングからずれている場合は、フィルム受渡部材によるフィルムの受取タイミングにずれが発生すると判断し、フィードベルトの実際の移動量の目標移動量からのずれ量と、フィルム受渡部材の検出タイミングの適正タイミングからのずれ量とに基づいて、フィルムが下流側ベルト搬送ユニットの前記フィードベルトに完全に乗り移った後の下流側ベルト搬送ユニットのフィードベルトの目標移動量を補正することで、フィルム受渡部材によるフィルムの受取タイミングのずれを考慮して、フィルムのずれに伴うフィルムの供給タイミングのずれを修正しながら搬送するようにしたので、フィードベルトにおけるフィルムの吸引保持位置にずれが発生した場合やフィルム受渡部材の取付精度が悪いために、フィルム受渡部材によるフィルムの受取タイミングが多少ずれたような場合であっても、フィルム受渡部材によるフィルムの実際の受取タイミングにあわせてフィルムをフィルム受渡位置に供給することができ、フィルム受渡部材が適正な状態でフィルムを受け取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明にかかるフィルム供給装置の一実施形態であるラベル供給装置が搭載されたラベル被嵌システムを示す概略平面図である。
【図2】同上のラベル被嵌システムに搭載されているラベル被嵌装置(ラベル被嵌ヘッド)を示す概略図である。
【図3】同上のラベル被嵌システムに搭載されているラベル受渡装置を示す概略図である。
【図4】同上のラベル供給装置を示す概略正面図である。
【図5】同上のラベル供給装置を示す部分概略側面図である。
【図6】同上のラベル供給装置の制御ユニットを示す機能ブロック図である。
【図7】同上のラベル供給装置に搭載されている上流側ベルト搬送ユニット及び下流側ベルト搬送ユニットのフィードベルトの目標移動量とテイクアップ主軸のエンコーダの出力パルスとの関係を示すグラフである。
【図8】同上の制御ユニットによる下流側ベルト搬送ユニットの制御方法を示すフローチャートである。
【図9】(a)はラベル被嵌システムに搭載されている従来のラベル供給装置を示す正面図、(b)は同上のラベル供給装置を示す部分側面図である。
【図10】ラベル被嵌システムに搭載されているラベル受渡装置を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明のフィルム供給装置に相当するラベル供給装置が搭載されたラベル被嵌システム1を示している。このラベル被嵌システム1は、同図に示すように、PETボトル(以下、ボトルという。)Bにポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂等からなる熱収縮性フィルムによって形成された筒状のシュリンクラベル(以下、ラベルという。)Lを被嵌するものであり、同図に示すように、ベルトコンベア8、スターホイール2a、スクリューコンベア2b及びスターホイール2cからなるボトル供給装置2と、基材繰出装置3によって基材ロールから繰り出された長尺のラベル形成基材Mを順次切断しながらラベルLを形成し、そのラベルLを第1のラベル受渡位置αに順次供給するラベル供給装置4と、このラベル供給装置4によって第1のラベル受渡位置αに供給されたラベルLを受け取って第2のラベル受渡位置βに搬送するラベル受渡装置5と、ボトル供給位置γにおいて前記ボトル供給装置2から供給されたボトルBを受け取り、ボトル送出位置δまで搬送すると共に、前記ラベル受渡装置5によって搬送されてきたラベルLを第2のラベル受渡位置βにおいて受け取り、ボトルBをボトル供給位置γからボトル送出位置δまで搬送する間に、ラベルLをボトルBに被嵌するロータリ型のラベル被嵌装置6と、このラベル被嵌装置6によってラベルLが被嵌されたボトルBを搬出する、スターホイール7a及びベルトコンベア8からなるボトル搬送装置7とから構成されている。
【0015】
前記ラベル受渡装置5は、図1〜図3に示すように、第1のラベル受渡位置αと第2のラベル受渡位置βとを通るように、回転する複数本のテイクアップ部材70を備えており、シート状に折り畳まれた状態で第1のラベル受渡位置αに供給されるラベルLを、テイクアップ部材70が受け取って、ラベル被嵌装置6に送出するようになっている。
【0016】
前記テイクアップ部材70は、図3に示すように、ラベル受渡位置αにおいて、後述するラベル供給装置4の一対のフィードベルト43、43間を通過する、ラベル支持面に吸引孔72が形成された櫛歯状の保持部71と、一方(テイクアップ部材10の回転の中心側)のフィードベルト22の外側を通過する櫛歯状の補助部73とを備えており、保持部71及び補助部73は、逆L字状の共通のベースアーム70aに連設されている。
【0017】
従って、一定の回転速度で回転しているテイクアップ部材70が、第1のラベル受渡位置αを通過する際、一対のフィードベルト43、43に吸引保持された状態で供給されたラベルLを引っかけるようにして、ラベルLを受け取ることになるが、テイクアップ部材70がラベルLを受け取った状態では、図3に示すように、保持部71の上端部にラベルLの上端縁が位置するように、ラベルLの片面の中央部が支持されると共に、少なくとも、ラベルLの上端部付近が保持部71のラベル支持面に吸引保持されており、幅広のラベルLの場合は、保持部71から張り出した一方(テイクアップ部材10の回転の中心側)の側部が補助部73によって支持されることになる。
【0018】
前記ラベル被嵌装置6は、図1及び図2に示すように、回転軸(図示せず)に取り付けられた複数の支持円盤80a、80b、80cを介して、回転軸を中心とした同心円上に一定間隔で取り付けられた多数のラベル被嵌ヘッド80を備えており、各ラベル被嵌ヘッド80によって、第2のラベル受渡位置βにおいて受け取ったシート状に折り畳まれた筒状のラベルLがボトルBの外径より大きく拡開され、この拡開されたラベルLが、ボトル供給位置γにおいて受け取ったボトルBがボトル送出位置δまで搬送される途中で、ボトルBの胴部に被嵌されるようになっている。
【0019】
前記ラベル被嵌ヘッド80は、図2に示すように、ボトル供給位置γにおいて受け取ったボトルBをボトル保持台81aに載置した状態に保持するボトル保持手段81と、第2のラベル受渡位置βにおいて受け取ったシート状に折り畳まれたラベルLを筒状に開口する、テイクアップ部材70の櫛歯状の保持部71と噛み合う櫛歯状の把持部が先端に取り付けられた開閉可能な一対の吸引把持アーム82aを有するラベルオープナー82と、このラベルオープナー82によって開口された筒状のラベルLを、ボトルBの外径より大きく拡開するラベル拡開手段83と、このラベル拡開手段83によって拡開されたラベルLをボトル保持台81aに載置されたボトルBに被嵌するラベル被嵌手段84とから構成されており、ラベル受渡装置5のテイクアップ部材70に片面が吸引保持された状態で搬送されてきたシート状に折り畳まれたラベルLを、第2のラベル受渡位置βにおいて、図3に示すように、一対の吸引把持アーム82aの把持部が把持することによって受け取った後、ラベルLの両面を把持部にそれぞれ吸引保持した状態で、その吸引把持アーム82aを開いてラベルLの両面を相互に離間させることにより、ラベルLが筒状に開口された後、ラベル拡開手段83によってさらに拡開され、ボトル供給位置γにおいて受け取ったボトルBがボトル保持台81aに保持された状態でボトル送出位置δまで搬送される途中で、ボトルBの外径より大きく拡開されたラベルLが、ラベル被嵌手段84によって、ボトルBの胴部に被嵌されるようになっている。
【0020】
前記ラベル供給装置4は、図1、図3〜図6に示すように、基材繰出装置3によって基材ロールから繰り出された長尺のラベル形成基材Mを連続的に送り出すラベル基材送出ユニット10と、このラベル基材送出ユニット10によって送出されるラベル形成基材Mを所定のカットピッチで順次切断するラベル基材切断ユニット20と、このラベル基材切断ユニット20によって切断されることにより形成されたラベルLをラベル受渡位置αに順次搬送する上流側ベルト搬送ユニット30及び下流側ベルト搬送ユニット40と、この下流側ベルト搬送ユニット40の上部位置において、上流側ベルト搬送ユニット13から引き渡されたラベルLの上端を検出するラベル検出センサ61と、ラベル供給装置5のテイクアップ主軸に取り付けられたエンコーダ62(図6参照)と、ラベル検出センサ61から出力されるラベル検出信号及びエンコーダ62(図6参照)から出力されるパルス信号に基づいて、ラベル基材送出ユニット10、ラベル切断ユニット20、上流側ベルト搬送ユニット30及び下流側ベルト搬送ユニット40の動作を制御する制御ユニット50とを備えている。
【0021】
前記ラベル基材送出ユニット10は、図4に示すように、独立した基材送り用サーボモータ10M(図6参照)によって駆動される駆動ローラ11と、この駆動ローラ11との間にシート状に折り畳まれたラベル形成基材Mを挟み込む従動ローラ12とから構成されており、両ローラ11、12に挟み込まれたラベル形成基材Mは駆動ローラ11の回転によって、ラベル基材切断ユニット20が設けられた下方側の基材切断位置に送出される。
【0022】
前記ラベル基材切断ユニット20は、図4に示すように、基材切断位置に固定設置された固定刃21と、独立した基材切断用サーボモータ20M(図6参照)によって回転駆動される回転刃22とによって構成されており、この回転刃22が1回転する毎に、ラベル基材送出ユニット10により連続的に送り出されるラベル形成基材Mを順次切断することで、所定長のラベルLが順次形成されるようになっている。
【0023】
前記上流側ベルト搬送ユニット30は、図4及び図5に示すように、基材切断位置近傍とラベル受渡位置αの近傍位置とに配設されたガイドローラ31及び駆動プーリ32に掛け渡され、基材切断位置近傍とラベル受渡位置αの近傍位置との間を、ラベル形成基材Mの供給速度より速い速度で循環移動するフィードベルト33と、このフィードベルト33にラベルLを吸引保持させる吸引機構34と、ラベルLをその下端から上端にわたってフィードベルト33に順次密着させることで吸引機構34によるフィードベルト33へのラベルLの吸引保持動作を補助する吸引補助手段36とから構成されており、駆動プーリ32は、独立した上流側ベルト駆動用サーボモータ30M(図6参照)によって回転駆動されるようになっている。
【0024】
前記フィードベルト33は、図5に示すように、搬送しようとするラベルLよりも幅狭で、その幅方向の中央部に長手方向に沿って多数の吸引孔33aが一定間隔で形成されており、ラベルLの幅方向の中央部を吸引保持するようになっている。
【0025】
前記吸引機構34は、図4及び図5に示すように、ガイドローラ31間にフィードベルト33に沿って配置された吸引チャンバ35と、この吸引チャンバ35に図示しないチューブ等を介して接続される真空ポンプ等の図示しない吸引装置とから構成されており、吸引チャンバ35のフィードベルト33との接触面には吸引口が開放されている。
【0026】
前記吸引補助手段36は、図4に示すように、ラベルLの搬送ラインを挟んで、フィードベルト33に対向するように設けられており、3個のガイドローラ37及び駆動プーリ38と、これらに掛け渡されるベルト39とから構成されている。駆動プーリ38は、上述したフィードベルト33を循環移動させているサーボモータによって駆動されるようになっており、ベルト39がフィードベルト33の移動速度と同一速度で循環移動するように、駆動プーリ38の回転速度が設定されている。
【0027】
前記下流側ベルト搬送ユニット40は、ラベル受渡位置αを挟んで上下に配設された2個のガイドローラ41及び駆動プーリ42に掛け渡され、ラベル受渡位置αの上下間を循環移動する2本のフィードベルト43、43と、このフィードベルト43、43にラベルLを吸引保持させる吸引機構44とから構成されており、駆動プーリ42は、独立した下流側ベルト駆動用サーボモータ40Mによって回転駆動されるようになっている。
【0028】
前記フィードベルト43、43は、図5に示すように、搬送しようとするラベルLの幅よりも狭い間隔で平行に配置されており、各フィードベルト43、43にはその幅方向の中央部に長手方向に沿って多数の吸引孔43a、43aが一定間隔で形成されている。
【0029】
前記吸引機構44は、図4及び図5に示すように、ガイドローラ41間に各フィードベルト43、43に沿ってそれぞれ配置された左右一対の吸引チャンバ45、45と、各吸引チャンバ45、45に図示しないチューブ等を介して接続される真空ポンプ等の図示しない吸引装置とから構成されており、各吸引チャンバ45、45のフィードベルト43、43との接触面には吸引口が開放されている。
【0030】
前記制御ユニット50は、図6に示すように、テイクアップ主軸に取り付けたエンコーダ62の出力パルスに基づいて、基材送りサーボモータ10M、基材切断用サーボモータ20M、上流側ベルト駆動用サーボモータ30M及び下流側ベルト駆動用サーボモータ40Mをそれぞれ制御する基材送り制御部51、基材切断制御部52、上流側ベルト制御部53及び下流側ベルト制御部54を備えており、エンコーダ62からは、取付誤差が発生しないように、全てのテイクアップ部材70が精度良く取り付けられていると想定した場合における、あるテイクアップ部材70がラベル受渡位置αを通過するときの出力パルス数が0、次のテイクアップ部材70がラベル受渡位置αを通過するときの出力パルス数が5000になるように、各テイクアップ部材70がラベル受渡位置αに近づくに従って出力パルス数が比例的に増加していき、各テイクアップ部材70がラベル受渡位置αを通過する時点で再び出力パルス数が0にリセットされるように、一定周期でパルス信号が繰り返し出力されるようになっている。
【0031】
前記上流側ベルト制御部53は、図7のグラフに短一点鎖線で示すように、エンコーダ62からの出力パルス数、即ち、テイクアップ部材70の位置に応じて予め設定された目標移動量を記憶している目標移動量記憶部53aと、フィードベルト33の移動量が目標移動量となるように、上流側ベルト駆動用サーボモータ30Mの位置決め制御を行うベルト送り制御部53bとを備えており、フィードベルト33の目標移動量は、テイクアップ部材70の移動量に対する変化量が常に一定になるように設定されている。
【0032】
前記下流側ベルト制御部54は、図7のグラフに実線で示すように、エンコーダ62からの出力パルス数、即ち、テイクアップ部材70の位置に応じて予め設定されたフィードベルト43の目標移動量を記憶している目標移動量記憶部54aと、ラベル基材切断ユニット20がラベル形成基材Mを切断することによって形成されたラベルLが、例えば、ラベル基材切断ユニット20による切断の際に位置ずれしたような場合でも、適正なタイミングで、ラベル受渡位置αに供給されるように、フィードベルト43の目標移動量を補正する補正量を生成する補正量生成部54bと、この補正量生成部54bが生成した補正量を記憶する補正量記憶部54cと、目標移動量記憶部54aに記憶された目標移動量と補正量記憶部54cに記憶された補正量とに基づいて、下流側ベルト駆動用サーボモータ40Mを位置決め制御するベルト送り制御部54dとを備えており、補正量生成部54bは、図7に示すように、ラベル検出センサ61がラベルLの上端を検出した時点(例えば、図7のグラフに示す検出タイミング1、検出タイミング2)におけるフィードベルト43の実際の移動量と、ラベルLにずれが発生していないときのラベル検出時点(図7のグラフに示す適正タイミング)におけるフィードベルト43の目標移動量との差(以下、ずれ量という。)(図7のグラフに示すA、B)に基づいて、フィードベルト43の目標移動量の補正量を生成するようになっている。
【0033】
フィードベルト43の目標移動量は、図7に示すように、テイクアップ部材70の移動量と比例関係にあるフィードベルト33の目標移動量とは異なっており、ラベル受渡位置αの手前で、テイクアップ部材70がラベル受渡位置αに接近するに従って目標移動量の変化量が徐々に小さくなって、テイクアップ部材70がラベル受渡位置αで4msec程度停止した後、テイクアップ部材70がラベル受渡位置αから離反して行くに従って目標移動量の変化量が徐々に大きくなり、フィードベルト33の目標移動量の変化量と同一の変化量に固定されるようになっている。
【0034】
従って、上流側ベルト搬送ユニット30のフィードベルト33によって搬送されてくるラベルLは、図7に示すように、フィードベルト43の目標移動量の変化量が、フィードベルト33の目標移動量の変化量と同一の変化量に固定されている区間、即ち、同速で移動している乗移区間において、下流側ベルト搬送ユニット40のフィードベルト43に乗り移るように設定されている。
【0035】
前記補正量生成部54bは、上述した乗移区間の終了後、ラベル受渡位置αに至るまでの間に設定された補正区間において、テイクアップ部材70の位置に応じて補正量を生成するようになっており、上述したずれ量A、Bを、図7のグラフに濃い網掛け領域、薄い網掛け領域で示すように、補正区間内で徐々に補正するようになっている。なお、実際のラベル検出タイミングが、ラベルLにずれが発生していないときの適正な検出タイミングより早い場合は、補正量が負の値となり、逆に、実際のラベル検出タイミングが適正な検出タイミングより遅い場合は、補正量が正の値となる。
【0036】
前記ベルト送り制御部54dは、基本的にフィードベルト43の移動量が目標移動量となるように、下流側ベルト駆動用サーボモータ40Mの位置決め制御を行うが、補正区間内では、図7のグラフに長二点鎖線、長一点鎖線で示すように、フィードベルト43の移動量が、目標移動量に補正量を加算した修正目標移動量になるように、下流側ベルト駆動用サーボモータ40Mの位置決め制御を行うようになっている。
【0037】
以上のように構成された下流側ベルト搬送ユニット40によるラベル搬送処理について、図8に示すフローチャートを参照しながら説明する。まず、テイクアップ主軸が回転しているか否かが判断され(ステップS1)、テイクアップ主軸が回転していない場合は、ラベル搬送処理を終了する。
【0038】
一方、ステップS1において、テイクアップ主軸が回転している場合は、ステップS2に移行して、エンコーダ62からの出力パルス数が「0」か否か、即ち、テイクアップ部材70がラベル受渡位置αに位置しているか否かが判断され、出力パルス数が「0」でない場合、即ち、テイクアップ部材70がラベル受渡位置αに位置していない場合は、ステップS4に移行して、ベルト送り制御部54dが目標移動量記憶部54aに記憶された目標移動量と補正量記憶部54cに記憶された補正量とに基づいて、下流側ベルト駆動用サーボモータ40Mの位置決め制御を行うベルト送り制御を実行するが(ステップS4)、出力パルス数が「0」の場合、即ち、テイクアップ部材70がラベル受渡位置αに位置している場合は、補正量記憶部54cに記憶されている補正量を0にリセットした後(ステップS3)、ベルト送り制御部54dによるベルト送り制御を実行する(ステップS4)。
【0039】
続いて、ラベル検出センサ61がラベルLの上端を検出したか否かが判断され(ステップS5)、ラベル検出センサ61がラベルLの上端を検出しなかった場合は、そのままステップS1に戻るが、ラベル検出センサ61がラベルLの上端を検出した場合は、補正量生成部54bが、この時点におけるフィードベルト43の実際の移動量と、ラベルLにずれが発生していないときのラベル検出時点におけるフィードベルト43の目標移動量との差をずれ量として算出する(ステップS6)。
【0040】
続いて、算出されたずれ量が0か否かが判断され(ステップS7)、ずれ量が0の場合は、ラベルLに位置ずれが発生していないので、そのままステップS1に戻るが、ずれ量が0でない場合は、ラベルLに位置ずれが発生しているので、補正が可能か否か、即ち、ずれ量が5mmを上回っているか否かが判断される(ステップS8)。
【0041】
ステップS8において、ずれ量が5mmを上回っている場合は、補正を行うことができないので、その旨をアラームによって報知した後(ステップS10)、ステップS1に戻るが、ずれ量が5mm以下の場合は、補正を行うことができるので、補正量生成部54bがフィードベルト43の目標移動量を補正する補正量を生成し、生成した補正量を補正量記憶部54cに記憶した後(ステップS9)、ステップS1に戻り、テイクアップ主軸が停止するまで同一の処理を繰り返し実行することになる。
【0042】
以上のように、このラベル供給装置4は、ラベル基材切断ユニット20がラベル形成基材Mを切断することによって形成したラベルLを、上流側ベルト搬送ユニット30と下流側ベルト搬送ユニット40とによって搬送し、下流側ベルト搬送ユニット40のフィードベルト43におけるラベルLの吸引保持位置にずれが発生していることが検出された場合は、ラベルLが上流側ベルト搬送ユニット30のフィードベルト33から下流側ベルト搬送ユニット40のフィードベルト43に完全に乗り移った後のフィードベルト43の目標移動量を補正することで、下流側ベルト搬送ユニット40がラベルLのずれに伴うラベルLの供給タイミングのずれを修正しながら、ラベルLを搬送するようにしたので、フィードベルト43におけるラベルLの吸引保持位置にずれが発生した場合であっても、テイクアップ部材70によるラベルLの受取タイミングにあわせてラベルLをラベル受渡位置αに供給することができる。
【0043】
しかも、このラベル供給装置4では、下流側ベルト搬送ユニット40が、ラベルLをラベル受渡位置αに停止させるようにしたので、テイクアップ部材70の取付精度が悪いために、テイクアップ部材70によるラベルLの受取タイミングが多少ずれたような場合であっても、そのずれの影響を無視することができ、テイクアップ部材70が適正な状態でラベルLを受け取ることができる。
【0044】
なお、上述した実施形態では、下流側ベルト搬送ユニット40が、ラベルLをラベル受渡位置αに停止させることで、テイクアップ部材70の取付精度の低下に伴うテイクアップ部材70によるラベルLの受取タイミングのずれを吸収するようにしているが、これに限定されるものではなく、例えば、ラベルLをラベル受渡位置αに低速で進入させることによっても、同様の効果を得ることができる。
【0045】
また、上述した各実施形態では、テイクアップ部材70の取付精度の低下に伴うテイクアップ部材70によるラベルLの受取タイミングのずれを吸収するために、下流側ベルト搬送ユニット40が、ラベルLをラベル受渡位置αに停止させたり、ラベルLをラベル受渡位置αに低速で進入させたりしているが、これに限定されるものではなく、例えば、テイクアップ部材70におけるラベルLを実際に吸引保持する保持部71を、所定の基準位置において検出するテイクアップ部材検出センサを設け、このテイクアップ部材検出センサがテイクアップ部材70の保持部71を検出した時点に実際にエンコーダ62から出力されるパルス信号と、取付誤差が発生しないように、全てのテイクアップ部材70が精度良く取り付けられていると想定した場合に、テイクアップ部材70が基準位置を通過するときにエンコーダ62から出力される適正パルス信号との差を、ラベル受渡位置αにおけるテイクアップ部材70によるラベルLの受取タイミングのずれ量として算出し、補正量生成部54bが、テイクアップ部材70によるラベルLの受取タイミングのずれ量を考慮して、ラベルLの位置ずれを修正するための補正量を生成することも可能であり、この場合は、テイクアップ部材70によるラベルLの受取タイミングのずれを吸収するために、下流側ベルト搬送ユニット40が、ラベルLをラベル受渡位置αに停止させたり、ラベルLをラベル受渡位置αに低速で進入させたりする必要はなく、上流側ベルト搬送ユニット30によるラベルLの搬送速度に近い搬送速度でラベルLをラベル受渡位置αに進入させることができるので、高速運転に適しているといえる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
上述した実施形態では、筒状のラベルLをボトルBの胴部に被嵌するためのラベル被嵌システム1に搭載されたラベル供給装置4について説明したが、これに限定されるものではなく、本発明は、シート状のフィルムを所定位置に所定のタイミングで供給する必要がある種々のフィルム処理システムに適用することができる。
【符号の説明】
【0047】
1 ラベル被嵌システム
2 ボトル供給装置
3 基材繰出装置
4 ラベル供給装置(フィルム供給装置)
5 ラベル受渡装置
6 ラベル被嵌装置(フィルム処理装置)
7 ボトル搬出装置
8 ベルトコンベア
10 ラベル基材送出ユニット
10M 基材送り用サーボモータ
11 駆動ローラ
12 従動ローラ
20 ラベル基材切断ユニット
20M 基材切断用サーボモータ
21 固定刃
22 回転刃
30 上流側ベルト搬送ユニット
30M 上流側ベルト駆動用サーボモータ
31 ガイドローラ
32 駆動プーリ
33 フィードベルト
33a 吸引孔
34 吸引機構
35 吸引チャンバ
36 吸引補助手段
37 ガイドローラ
38 駆動プーリ
39 ベルト
40 下流側ベルト搬送ユニット
40M 下流側ベルト駆動用サーボモータ
41 ガイドローラ
42 駆動プーリ
43 フィードベルト
43a 吸引孔
44 吸引機構
45 吸引チャンバ
50 制御ユニット
51 基材送り制御部
52 基材切断制御部
53 上流側ベルト制御部
53a 目標移動量記憶部
53b ベルト送り制御部
54 下流側ベルト制御部
54a 目標移動量記憶部
54b 補正量生成部
54c 補正量記憶部
54d ベルト送り制御部
61 ラベル検出センサ(フィルム検出手段)
62 エンコーダ
70 テイクアップ部材(フィルム受渡部材)
71 保持部
72 吸引孔
73 補助部
80 ラベル被嵌ヘッド
81 ボトル保持手段
82 ラベルオープナー
82a 吸引把持アーム
83 ラベル拡開手段
84 ラベル被嵌手段
B PETボトル
L シュリンクラベル(フィルム)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のフィルム受渡位置を通過する際にフィルムを受け取ってフィルム処理装置に引き渡すフィルム受渡部材によるフィルムの受取タイミングにあわせてフィルムをフィルム受渡位置に供給するフィルム供給装置であって、
フィルムをフィードベルトに吸引保持した状態で搬送する、サーボモータによって駆動される上流側ベルト搬送ユニットと、
前記上流側ベルト搬送ユニットによって搬送されてくるフィルムをフィードベルトに吸引保持した状態でフィルム受渡位置に搬送する、サーボモータによって駆動される下流側ベルト搬送ユニットと、
搬送中のフィルムを所定の基準位置において検出するフィルム検出手段と、
前記上流側ベルト搬送ユニット及び前記下流側ベルト搬送ユニットの動作を制御する制御ユニットとを備え、
前記フィルム受渡部材がフィルム受渡位置を通過する際に、フィルムがフィルム受渡位置に停止、または、低速で進入するように、前記フィルム受渡部材の位置に応じて、前記上流側ベルト搬送ユニットの前記フィードベルトの目標移動量及び前記下流側ベルト搬送ユニットの前記フィードベルトの目標移動量が予め設定されており、
前記制御ユニットは、予め定められた前記上流側ベルト搬送ユニットの前記フィードベルトの目標移動量になるように、前記サーボモータの位置決め制御を行うと共に、予め定められた前記下流側ベルト搬送ユニットの前記フィードベルトの目標移動量になるように、前記サーボモータの位置決め制御を行うようになっており、
前記フィルム検出手段がフィルムを検出した時点における前記フィードベルトの実際の移動量が前記目標移動量と異なる場合は、前記フィードベルトにおけるフィルムの吸引保持位置にずれが発生していると判断し、前記フィードベルトの実際の移動量の目標移動量からのずれ量に基づいて、フィルムが前記下流側ベルト搬送ユニットの前記フィードベルトに完全に乗り移った後の前記下流側ベルト搬送ユニットの前記フィードベルトの目標移動量を補正することで、フィルムのずれに伴うフィルムの供給タイミングのずれを修正しながら搬送するようにしたことを特徴とするフィルム供給装置。
【請求項2】
所定のフィルム受渡位置を通過する際にフィルムを受け取ってフィルム処理装置に引き渡すフィルム受渡部材によるフィルムの受取タイミングにあわせてフィルムをフィルム受渡位置に供給するフィルム供給装置であって、
フィルムをフィードベルトに吸引保持した状態で搬送する、サーボモータによって駆動される上流側ベルト搬送ユニットと、
前記上流側ベルト搬送ユニットによって搬送されてくるフィルムをフィードベルトに吸引保持した状態でフィルム受渡位置に搬送する、サーボモータによって駆動される下流側ベルト搬送ユニットと、
搬送中のフィルムを所定の基準位置において検出するフィルム検出手段と、
前記フィルム受渡部材を所定の基準位置において検出する受渡部材検出手段と、
前記上流側ベルト搬送ユニット及び前記下流側ベルト搬送ユニットの動作を制御する制御ユニットとを備え、
前記フィルム受渡部材がフィルム受渡位置を通過する際に、フィルムがフィルム受渡位置に位置しているように、前記フィルム受渡部材の位置に応じて、前記上流側ベルト搬送ユニットの前記フィードベルトの目標移動量及び前記下流側ベルト搬送ユニットの前記フィードベルトの目標移動量が予め設定されており、
前記制御ユニットは、予め定められた前記上流側ベルト搬送ユニットの前記フィードベルトの目標移動量になるように、前記サーボモータの位置決め制御を行うと共に、予め定められた前記下流側ベルト搬送ユニットの前記フィードベルトの目標移動量になるように、前記サーボモータの位置決め制御を行うようになっており、
前記フィルム検出手段がフィルムを検出した時点における前記フィードベルトの実際の移動量が前記目標移動量と異なる場合は、前記フィードベルトにおけるフィルムの吸引保持位置にずれが発生していると判断すると共に、前記受渡部材検出手段による前記フィルム受渡部材の検出タイミングが、本来の適正タイミングからずれている場合は、前記フィルム受渡部材によるフィルムの受取タイミングにずれが発生すると判断し、
前記フィードベルトの実際の移動量の目標移動量からのずれ量と、前記フィルム受渡部材の検出タイミングの適正タイミングからのずれ量とに基づいて、フィルムが前記下流側ベルト搬送ユニットの前記フィードベルトに完全に乗り移った後の前記下流側ベルト搬送ユニットの前記フィードベルトの目標移動量を補正することで、前記フィルム受渡部材によるフィルムの受取タイミングのずれを考慮して、フィルムのずれに伴うフィルムの供給タイミングのずれを修正しながら搬送するようにしたことを特徴とするフィルム供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−228869(P2010−228869A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−78332(P2009−78332)
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】