説明

フェナジニウム化合物オリゴマーの混合物並びに銅析出物を電解析出するための酸性浴

とりわけ均一で光沢があり、即ち、平滑で延性もある著しく光沢のある銅皮膜を再現可能に製造するため、添加物としてフェナジニウム化合物オリゴマーの混合物を含有する銅めっき浴が用いられる。当該混合物は、請求の範囲及び明細書に述べられた一般化学式[化1]及び[化2]を有する2つの単量体ユニットを含有する化合物と3つの単量体ユニットを含有する化合物並びに別のフェナジニウム化合物オリゴマーから成る群から選択された少なくとも一種のフェナジニウム化合物を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フェナジニウム化合物オリゴマーの混合物、及びこの種の混合物の製造方法に関する。本発明はさらにフェナジニウム化合物オリゴマーを含む銅析出物を電解析出するための酸性浴並びに当該浴を用いて銅析出物を電解析出する方法に関する。本発明の混合物は、装飾的な表面を作るために、銅めっき浴の構成要素として、より具体的には非常に輝き平滑な銅析出物を形成するために使われ得る。上記混合物はさらに、銅でプリント配線基板にあるブラインドマイクロビアの選択的且つ完全な充填のため、銅めっき浴における構成要素として使われ得る。上記混合物はさらにまた、集積回路の製造中における凹所(深い溝及びビア)を備えた半導体基板表面に銅を析出し、半導体基板表面全体に均一な銅の皮膜を施すような、銅めっき浴における構成要素としても使用され得る。
【0002】
結晶質のつやのない析出物の代わりに光沢のある銅の皮膜を析出するため、有機系の添加物がほとんどの酸性銅電解液に通常少量加えられる。このアプローチでは、一種の添加化合物、又はポリエチレングリコール、チオ尿素やその誘導体、チオヒダントイン、チオカルバミン酸エステル並びにチオリン酸エステルのような数種の添加物の組み合わせが、しばしば加えられる。しかしながら現今、上述の添加物は、このように得られた銅の皮膜の品質が今日の要求に全く見合っていないと言う事実から、もはや重要でなくなっている。このように得られた被覆はもろすぎるか、光沢が乏しく平滑化も不十分である。
【背景技術】
【0003】
【特許文献1】DE-PS 947 656
【特許文献2】DE-AS 1 004 880
【特許文献3】JP 60-056086 A
【特許文献4】DE-AS 1 152 863
【特許文献5】DE-AS 1 165 962
【特許文献6】DE-AS 1 218 247
【特許文献7】DE-AS 1 246 347
【特許文献8】DE-AS 1 521 062
【特許文献9】USP 4551212
【特許文献10】DE-AS 2 028 803
【特許文献11】DE-AS 2 039 831
【0004】
光沢ある銅の皮膜をつくるために、或る種のサフラニン及びその誘導体を使用することが、長く知られていて、上記サフラニンは、特許文献1によれば、唯一の添加剤として、例えばジメチルサフラニンアゾジメチルアニリン、ジエチルサフラニンアゾジメチルアニリン、ヤヌスグレイ(Janus grey)及びサフラニンアゾナフトールとして用いられる。さらに前記化合物を他の添加剤と組み合わせて使用することも知られている。
【0005】
特許文献2では、光沢のある平滑な銅被覆を析出するために、ジエチルトルサフラニンアゾジメチルアニリン、ジエチルトルサフラニンアゾフェノール、トルサフラニンアゾナフトールあるいはジメチルトルサフラニンアゾジメチルアニリンの、又はフェノサフラニン、トルサフラニン、フクシア、紫水晶バイオレット(amethyst violet)、モーベイン、ジエチルトルサフラニンあるいはジメチルトルサフラニンのチオ尿素及びチオ尿素の誘導体との組み合わせが提案されている。特許文献3に対応するPatent Abstract of Japanでは、非常に光沢があり、平滑で、しなやかな銅皮膜を析出するため、フェナジン染料を、例えば二硫化(3-ナトリウム-スルフォプロピル)及び二硫化ビス-(3-ナトリウム-スルフォエチル)及びポリエーテルのような硫化物や二硫化物と組み合わせることが述べられている。しかしながら、特許文献1、特許文献2及び特許文献3でなされた提案では、銅被覆において満足のいく性質が得られなかった。
【0006】
さらに酸性の銅めっき浴への添加剤として、チオ尿素-ホルムアルデヒド濃縮物の使用が記載されている。特許文献4では、めっき浴で使用される唯一のレベラーとして、チオ尿素-ホルムアルデヒドのプレ濃縮物が用いられることが記載されている。上述のめっき浴に含まれた塩基性の光沢剤は、ジチオカルバミン酸タイプの誘導体の化合物である。特許文献5では、銅被覆を平滑化するため、酸性浴中にチオ尿素、ホルムアルデヒドからなるプレ濃縮物並びに少なくとも二つのNH基を有する化合物の使用が記載されている。さらにこの浴には塩基性の光沢剤が含まれている。
【0007】
特許文献6では、非常に光沢のある平滑な銅被覆を生じるための酸性の電解銅浴が開示され、それに含まれる化合物は、ほとんど水に溶けず、チオカルボニル基とアリール残基又はアラルキル残基が1対1の比率からなる分子からなり、上記二つの基は、互いに結合するか、環状系の構成要素を形成するヘテロ原子により分けられている。これらは例えばチオセミカルバジドの芳香性N-単一置換製品、さらに芳香性アルデヒドのチオセミカルバゾン、チオカルボヒドラジドの誘導体、チオカルボニル基を有する複素環式化合物、チウラムモノ硫化物及びチウラムポリ硫化物、ジキサントゲンモノ硫化物及びジキサントゲンポリ硫化物、並びにヒドラジンジチオカルボナミドである。これらの化合物は、構造式RR’N-CS-S-(CH)-SO-R”のスルホン及びスルホキシドの誘導体とともに使われ得る。
【0008】
特許文献4、特許文献5及び特許文献6に開示された添加剤が、光沢のある銅表面を達成し得ていても、それらは平滑性に乏しいために今日の要求には達していない。
さらに有機チオ化合物を有するポリアルキレンイミンが知られようになってきており、特許文献7では、1つないし複数の直鎖又は分枝のポリアルキレンイミン又はその機能性誘導体が光沢があって、平滑で装飾的に見事な銅被覆を生じるのに優れ、光沢が幅広い電流密度の範囲に渡っても達成されることが明らかにされている。より具体的に述べられた機能性誘導体は、ポリアルキレンイミンの塩類、並びに二酸化炭素、炭酸エステル、アルキルハロゲン化物又は脂肪酸との上記塩類の反応生成物である。これらの物質は、現在の他の光沢剤及び/又は湿潤剤とともにめっき浴内で使用可能である。
【0009】
さらに特許文献8では、少なくとも1つのスルホン酸群を、それに混合して又は化学的に結合して含有する有機硫化物、少なくとも三つの、好適には六つの酸素原子を含有し炭素原子を六つ以上有する脂肪族炭化水素鎖を含まないポリエーテルを含むめっき浴の組成が提案されている。これら浴は、滑らかで、光沢があり柔軟性のある銅皮膜の析出を可能とする。記載されている好適なポリエーテルは、少なくとも分子量296、好適には約5000の1,3-ダイオキソレン重合物(1,3-dioxolane polymerisates)である。フェナジン染料も記載の浴添加剤、例えばジエチルフェノサフラニンアゾジメチルアニリン、ジメチルフェノサフラニンアゾジメチルアニリン、ジエチルフェノサフラニンアゾフェノール、ジメチルアゾ-(2-ヒドロキシ-4-エチルアミノ-5-メチル)-ベンゼンと組み合わせて使用され得る。フェナジン染料により、優れた平滑さと広範囲に光沢のある析出が可能である。
【0010】
けれども、特許文献7及び特許文献8に記載された銅電解液では、十分に高い陰極電流密度を使用することができない。さらに析出した銅表面は中間処理が施された後にニッケルめっきだけが可能である。
【0011】
さらに特許文献9では、ヤヌスグリーンB又はヤヌスブラックRをサフラニンTと組み合わせて使用し、マイクロメーターの範囲で機械加工処理できる銅皮膜を析出することが開示されている。この皮膜の特性は、粒子サイズや硬度に関して最適化される。記述のフェナジン染料に加え、浴にはさらにビス-(3-スルホプロピルジスルフィド)二ナトリウム塩のような応力除去剤並びに湿潤剤が含まれている。
【0012】
さらにヒドロキシル化サフラニン染料及びハロゲン化サフラニン染料の使用が、特許文献3に対応するPatent Abstract of Japanに記載されている。
上述された他の論文と同様に、特許文献9及び特許文献3に開示された添加剤では、光沢と平滑作用に乏しい結果を生じるだけである。
【0013】
特許文献10及び特許文献11では初めて、一般化学式[化A]を有するフェナジニウム化合物ポリマーの使用が記載され、
【化A】

ここでR,R,R,R,R,R,R,R及びRは、同種か又は異種で、並びに水素、低級アルキル又はことによるとメチル-、エチル-、メトキシ-又はエトキシ-置換化アリルで、R及びRはさらにモノフェナジニウイムカチオン又はフェナジニウムカチオンポリマーを示し、Aは酸性の残基で、nは2から100までの整数である。特許文献11によると、これら化合物を作る開始物質は、硫酸2-メチル-3-アミノ-6-ジメチル-アミノ-9-フェニル-フェナゾニウムのような硫酸アミンである。前記アミンは、−5℃でニトロシル硫酸及び亜硝酸を用いて硫酸とジアゾ反応させる。この反応溶液は、亜硝酸が分解された後20℃に加熱される。その後に反応混合物は塩基で中和される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
原理的に、酸性の銅めっき電解液中において光沢のある平滑な銅被覆を、これら化合物を用いて析出することは、可能である。しかしながらこれらは、銅のめっき作業においてあまり安定した結果をもたらさない。
【0015】
そのため本発明の基本的な課題は、従来の銅めっき浴の上記問題点を回避することにある。
より具体的には、本発明の課題は、極めて均一で光沢があり、つまり著しく明るく、また平滑化され柔軟性のある銅被覆を再現可能に製造し得る添加物を見出すことにある。
【0016】
さらに本発明の課題は、著しく光沢があり、また平滑化された柔軟性のある銅皮膜を比較的高い電流密度を用いて製造することを可能にすることである。
本発明のもう一つ課題は、長時間に及ぶめっき浴の稼動中でも、変ることなく、要求された品質を具備する銅皮膜を得ることができるような銅めっき浴の組成を見出すことである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
ここで挙げられた課題は、請求項1に係るフェナジニウム化合物オリゴマーの混合物を提供すること、請求項15に係る化合物の混合物を調製する方法、請求項22に係る本発明のフェナジニウム化合物オリゴマーの混合物を含む銅析出物を電解析出するための酸性浴、並びに請求項26に係る上記混合物を含む浴を用いて銅析出物を電解析出する方法により解決される。本発明の好ましい実施形態は従属請求項に記載されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明にしたがうフェナジニウム化合物オリゴマーの混合物は、装飾的な表面を形成する目的のため、非常に光沢があり平滑化された銅析出物を電解製造するためのめっき浴で好都合に使用され得る。さらに当該混合物はまた、プリント配線基板に銅析出物を電解析出するため、銅めっき浴で好適に使用され得、上記銅析出物でプリント配線基板のブラインドマイクロビアを選択的及び完璧に充填する。さらに当該混合物はまた、集積回路の製造中に凹所(深い溝及びビア)を備えた半導体基板(ウェハー)表面への、より具体的に言うとアスペクト比の高い凹所を有する表面に、銅析出物を電解析出するための銅めっき浴で、好適に使用され得る。それにより銅が半導体の基板表面全体に均一に析出される。
【0019】
本発明の一般化学式[化1]及び[化2]の一つを有するフェナジニウム化合物オリゴマーの混合物は、ここで及び請求の範囲において、低重合度2又は3を特徴とする少なくとも1つの上記フェナジニウム化合物オリゴマーを含有するのみのフェナジニウム化合物オリゴマー混合物、又は当該混合物に加え、少なくとも低重合度4を有する高めのフェナジニウム化合物オリゴマーを少量含む混合物からなる混合物として解釈されるべきである。本発明にしたがって、後者の混合物中に少なくとも低重合度4を特徴とする高めのフェナジニウム化合物オリゴマーの含有量は、20mol-%以下である。いずれにせよ本発明の混合物は、本発明にしたがう方法で調製されることができる。対照的に、本発明の混合物はDE-AS 20 28 803(特許文献10)及びDE-AS 2 039 831(特許文献11)に記述された方法を用いて得ることはできない、その理由は後者の両方法は、より具体的には低重合度3より高いことを特徴とするフェナジニウム化合物オリゴマー(含有量が20mol-%を超過する)を生じるからである。
【0020】
ここで及び請求の範囲で述べられている用語「低級アルキル」は、好適にはC-アルキルからC-アルキルまでを意味し、さらに好適にはC-アルキルからC-アルキルで、つまりメチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、iso-ブチル及びtert-ブチルである。ここで及び請求の範囲で述べられている置換アルキルでは、スルホ-置換アルキル又はカルボキシル-置換アルキルが好適には意味する。
【0021】
ここで及び請求の範囲で述べられているアリールは、好適にはフェニル又はナフチル-1及びナフチル-2のような多環式芳香族を意味し、そこではこれらの残基はそれぞれ置換されなくても置換されてもよい。これらの残基が置換される場合、より具体的にはアルキルで、好適には低級アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノで置換され、ここでアミノはNH、NHR又はNR’R”で、R,R’及びR”は順に低級アルキル、ニトリル、チオシアン酸塩及びチオールである。フェニルは、より具体的には2位、4位及び6位で置換されてもよい。
【0022】
ここで及び請求の範囲で述べられているヘテロアリールは、好適にはピリジニル、キノリニル及びイソキノリニルを意味する。
ここで及び請求の範囲で述べられているCOOエステル及びSOエステルは、好適にはCOOCH、COOCHなどのような低級アルコールのカルボン酸エステル又はSOCH、SOCHなどのような低級アルコールのスルフォン酸エステルを意味する。C-アルコールからC-アルコールまでの低級アルコールで、好適にはC-アルコールからC4-アルコールで、つまりメタノール、エタノール、n-プロパノール、iso-プロパノール、n-ブタノール、iso-ブタノール並びにtert-ブタノールを意味する。ここで及び請求の範囲で述べられているCOO塩及びSO塩は、それぞれカルボン酸塩及びスルホン酸塩を意味し、より具体的にはNaCOO又はCu2+(SO)のようなアルカリ塩、アルカリ土類塩、アルミニウム塩及び銅塩である。
【0023】
ここで及び請求の範囲で述べられているハロゲンは、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素、好適には塩素である。
フェナジニウム単量体における骨格となる炭素原子に位置番号をつけるには、IUPACの命名法がここで及び請求の範囲において基本として採用されるが、疑わしい場合には化学構造の通俗名で表される構造が優先される。
【0024】
本発明の基本的な課題に対する解決策は、酸性の銅めっき電解質で好適に使用され得るフェナジニウム化合物オリゴマーの新規混合物である。
本発明のフェナジニウム化合物オリゴマーの混合物は、ワンポット反応(one-pot reaction)において、フェナジニウム化合物単量体又は数種のフェナジニウム化合物単量体の混合物をジアゾ化し、得られたジアゾニウム化合物を反応させてフェナジニウム化合物オリゴマーの混合物を形成するという方法を用いて得られる。
【0025】
対照的に、本発明のフェナジニウム化合物オリゴマーの混合物は、DE-AS 20 28 803(特許文献10)及びDE-AS 2 039 831(特許文献11)に記述された方法を用いて得ることができない。本発明の混合物は、本発明にしたがう方法を用いることでのみ調製されることができる。
【0026】
本発明の混合物におけるフェナジニウム化合物オリゴマーは、二量体や三量体であることによって特徴づけられ、並びに
1.より具体的には一つ又は数種の水酸基、あるいはより適切にはハロゲン原子を含有してもよいこと、
2.及び/又は全てのフェナジン単量体が必ずしも荷電している必要がないことが好ましいこと、
3.及び/又は分子中の化合物が好適には異なるフェナジン単量体を含有することができること
によって特徴づけられる。
【0027】
したがって本発明は、より具体的には、フェナジニウム化合物オリゴマーの混合物が、次の一般化学式[化1]に係る二つの単量体ユニットを含有する化合物:
【化1】

及び次の一般化学式[化2]に係る三つの単量体ユニットを含有する化合物:
【化2】

並びに別のフェナジニウム化合物オリゴマーを有する群から選択された少なくとも一つのフェナジニウム化合物を含有することによって特徴づけられる。実際、本発明の混合物は、一般化学式[化1]及び[化2]を有する化合物の他に、二つ及び/又は三つの単量体を有する化合物を専ら含有し、混合物中に含まれる他のフェナジニウム化合物オリゴマーも二つ及び/又は三つの単量体を有する。この場合、他のフェナジニウム化合物オリゴマーも一般化学式[化1]及び[化2]を有することができる。実際、本発明の混合物は、二つ及び/又は三つの単量体を有する化合物を専ら含有するのではなく、他のフェナジニウム化合物オリゴマーも含み、当該他のフェナジニウム化合物オリゴマーは、オリゴマー度(重合度)が4又はそれ以上を特徴とするオリゴマーである。これら他の化合物は、より具体的には、それぞれの単量体ユニットにおいて、上述された一般化学式[化1]及び[化2]で示された置換パターンを有し得る。
【0028】
ここで構造ユニットN(R5/5’/5”)CC(R4/4’/4”)C(R3/3’/3”)は、次の一般化学式[化3a]又は[化3b]の一つにより示される:
【化3a】

又は
【化3b】

【0029】
一般化学式[化1]及び[化2]において、R,R,R,R,R,R,R,R,R1’,R2’,R3’,R4’,R6’,R7’,R8’,R9’,R1”,R2”,R3”,R4”,R6”,R7”,R8”及びR9”は、それぞれ個別に次に述べるもの:水素、ハロゲン、アミノを示し、そこでアミノはより具体的には、低級アルキル、さらにOH、CN、SCN、SH、COOH、COO塩、COOエステル、SOH、SOエステル、低級アルキルによって置換され、あるいは置換されていなくともよく、この際、アルキルは置換されている可能性もあるが、さらにアリール及びヘテロアリールによって置換され、あるいは置換されていなくともよい。さらにこれら残基はまた個別の単量体を一緒につなぐ単結合であり得る。それぞれの単量体ユニットの橋かけ結合ポイントが、銅めっき浴中の本発明の混合物の効果にとって重要でないため、既述の残基それぞれR,R,R,R,R,R,R,R,R1’,R2’,R3’,R4’,R6’,R7’,R8’,R9’,R1”,R2”,R3”,R4”,R6”,R7”,R8”及びR9”は、同等に単結合を表す。三量体の化合物の外側の二つの単量体は、中央の単量体ユニットと同じか異なるC-環に結合することができる。
【0030】
R,R5’及びR5”は、それぞれ別個にR,R,R,R,R,R,R,R,R1’,R2’,R3’,R4’,R6’,R7’,R8’,R9’,R1”,R2”,R3”,R4”,R6”,R7”,R8”及びR9”と同じであることを表すが、それらが単結合を示さないという条件付きである。これは、フェナジニウム化合物オリゴマーにおける二つ又は三つの単量体のそれぞれが、各々の骨組みの炭素原子を介して別の単量体ユニットに結合されることができることを意味している。しかしながら窒素原子を介した結合は問題外である。
【0031】
さらにR,R2’,R2”,R,R3’及びR3”も、オキソ、イミノ及びメチレンにより置換された単量体ユニットが一般化学式[化3b]の構造ユニットN(R5/5’/5”)CC(R4/4’/4”)C(R3/3’/3”)を有することを条件として、オキソ、イミノ及びメチレンから成る群から選択され得る。これは、この場合キノイド構造が、オキソ、イミノ又はメチレンがそれに結合している環内で形成されることを意味している。このような関係において、いろいろな単量体ユニットが鏡像対称を示すことがさらに考慮されなければならず、その結果R,R2’,R2”,R,R3’及びR3”の代わりに、残基R,R7’,R7”,R,R8’及びR8”もこれら後者の残基が前のもので置き換えられ得るので、オキソ、イミノ又はメチレンであり得る。三つの単量体ユニットから成るフェナジニウム化合物オリゴマーでは、オキソ、イミノ及びメチレンは外側の二つの単量体に結合されると好適である。
【0032】
R,R2’,R2”,R,R3’及びR3”がオキソ、イミノ又はメチレンでないとすると、構造ユニットNCC(R1/1’/1”)C(R2/2’/2”)はさらに次の一般化学式[化4a]又は[化4b]の一つを有する:
【化4a】

【化4b】

【0033】
一般化学式[化1]又は[化2]において、Aは酸性アニオンである。Aは、一価の負電荷を持つ又は一価以上の負電荷を持つアニオンであり得ることは留意されるべきである。フェナジニウムカチオンのAアニオンに対するモル比は、もちろん相対的な電荷に左右される。
【0034】
本発明にしたがって、一般化学式[化1]及び[化2]を有するフェナジニウム化合物オリゴマーすべての含有量は混合物において少なくとも80mol-%である。
DE-AS 20 39 831(特許文献11)に係る従来の2段階生産工程(ジアゾ化と引き続いてのフェナジニウム化合物オリゴマー形成)で公知の化合物ポリマーを生成すると、得られる組成はしばしば著しく異なり、重合度が異なるのが特徴で、これらの物質はその結果として電解質中で異なる効果を有する。さらにオリゴマー度5以上を特徴とする高分子量の重合体フェナジニウムカチオンは、極めて限られた方法でのみ作用することのできる銅電解液中において溶解性が低いことを示す。
【0035】
本発明の混合物は、DE-AS 20 39 831(特許文献11)から公知の方法を用いて調製することはできない。そのためサフラニン添加剤の分野における新規な合成方法は、従来の方法と違いの明白な改良を構成する。
【0036】
したがって、一つのサフラニン又は数種のサフラニンの混合物のジアゾ化の後、得られたジアゾニウム化合物を、フェナジニウム化合物オリゴマーを形成すべくワンポット反応にて反応させることによって得られる、これらフェナジニウム化合物オリゴマーは、より具体的には本発明のサブジェクトマターである。
【0037】
新規なワンポット反応法によって、主に二量体及び三量体のフェナジニウムカチオンを含み、ポリマー構造を概ね含んでいない混合物を得ることが可能である。さらにこのようなフェナジニウム化合物オリゴマーは、正電荷の欠損している二量体や三量体を含んでいるため、それら二量体及び三量体はそれぞれところどころ単に一価又は二価に帯電しているという利点があることが判明している。
【0038】
さらにそれら二量体及び三量体は、ハロゲン化フェナジニウムオリゴマーカチオンを含有する本発明の混合液において有利であることが判明している。それらはハロゲン化モノマー又はより高い重合度を特徴とするハロゲン化ポリマーよりはるかに高い活性を示す。例えば純粋なハロゲン化サフラニンポリマー染料は、電気めっき活性が乏しいことをしばしば示すことが示され得る。
【0039】
さらに三量体や二量体を含む添加剤は、増大した電気めっき活性を示すが、共二量化(codimerization)又は共三量化(cotrimerixation)のどちらかに由来するか、フェナジニウム化合物オリゴマーがジアゾニウム化合物から形成される反応工程の際の上記化合物の部分的な劣化に由来する異なった単量体ユニットを有する。
【0040】
酸性の電解銅めっき浴で本発明の混合物を使用する際、上記浴を高い電流密度で作動することが可能である。さらに他の従来の添加剤と組み合わせて、均一で光沢のある銅析出物の形成を可能とする。さらにフェナジニウムオリゴマー染料の効率は、本発明によればその合成により極めて増大する。銅電解液に本発明のフェナジニウム化合物オリゴマーの特定混合物を加えると、それにより目立った光沢が得られ、それは従来のフェナジニウム化合物モノマー又はフェナジニウム化合物ポリマーを使うより、添加剤の濃度がかなり低い。これによりかなり高い効率並びにその結果として利益性が見込まれる。
【0041】
そのうえ二量化添加剤及び三量化添加剤の可溶性は、フェナジニウム化合物ポリマーのそれよりも驚くほど優れている。さらに合成は、触媒の存在下で一段階方法により相当に簡略化される。
【0042】
本発明の混合物に含まれた特に好適な化合物において、R,R2’,R2”,R,R3’,R3”,R,R7’,R7”,R,R8’及びR8”から成る群から選択された残基の少なくとも一つは、ハロゲン及び水酸基から成る群から選択された基(meanings)の一つを有する。特に本発明にしたがう好適な実施形態では、フェナジニウム化合物三量体の水酸基及びハロゲンは、指定された置換位置で二つの外側単量体ユニットに結合され、その結果、一般化学式[化2]に係るフェナジニウム化合物オリゴマーのR,R,R7”及びR8”から成る群から選択された少なくとも一つの残基が、ハロゲン及び水酸基から成る群から選択された基(meanings)の一つを有する。これら化合物は、電流密度が最低の範囲にも銅析出において優れた光沢を形成する点において特徴的である。
【0043】
R,R2’及びR2”から成る群から選択された残基の少なくとも一つが、低級アルキル、より具体的にはメチルやエチルを表す混合物はさらに好適である。この種の化合物は合成により容易に得られる。
【0044】
さらに、R,R7’及びR7”から成る群から選択された残基の少なくとも一つが、アルキル化アミン、より具体的には低級アルキルで一置換又は二基置換されたアミン、最も好適にはN-メチルアミン、N-エチルアミン、N,N-ジメチルアミン及びN,N-ジエチルアミンであるような混合物が好ましい。電気めっきの効率が著しく高いという長所は、本発明の混合物にこの種のフェナジニウム化合物を用いて達成される。
【0045】
R,R5’及びR5”から成る群から選択された残基の少なくとも一つがメチル又はアリールを表し、アリールがより具体的にはフェニル又はトリルである混合物を利用することが、さらに有利である。これら混合物は、銅電解液で最小の適用量においても最適な結果をもたらすという長所があり、その結果、析出方法は、極めて有益である。ここでのアリール基は、アルキル基より明らかに卓越した電気めっき効果を示している。
【0046】
酸性アニオンAが、硫酸塩、硫酸水素塩、ハロゲン化物、テトラフルオロホウ酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩及びメタンスルホン酸(methanesulfonate)から成る群から選択されている混合物を使用することが優れていることも明らかになっている。ハロゲン化物として、フッ化物、塩化物、臭化物及びヨウ化物をさす。これら酸性アニオンを含む混合物は、とりわけ電解酸性銅めっき浴での使用によく適し、それは析出の状態に悪影響を与えないからである。その上、これら酸性アニオンを有するフェナジニウム化合物二量体やフェナジニウム化合物三量体は、銅めっき浴での優れた溶解性を呈する。
【0047】
本発明の特に効率のよい混合物では、フェナジニウム化合物二量体及び/又はフェナジニウム化合物三量体は、次の一般化学式[化5]、[化6]、[化7]及び[化8]を有する:
【化5】

【化6】

【化7】

【化8】

ここでR,R,R,R,R,R,R1’,R2’,R3’,R4’,R6’,R8’,R9’,R1”,R2”,R3”,R4”,R6”,R8”及びR9”は、上記基(meanings)を有し、さらにここでR10,R11,R10’,R11’,R10”及びR11”は、ハロゲン又は低級アルキルを表す。
【0048】
この場合、二価のオキソ基、イミノ基又はメチレン基が存在し、そのためそれぞれのキノイド構造が形成される結果として、電荷欠損がフェナジニウム化合物オリゴマー内で生じる。これら構造はまた効率が高い。
【0049】
これらの化合物において、すべての残基はR,R,R,R,R,R,R10,R11,R1’,R2’,R3’,R4’,R6’,R8’,R9’,R10’,R11’,R1”,R2”,R3”,R4”,R6”,R8”,R9”R10”及びR11”は、それぞれ別個にハロゲン又は、メチルやエチルのような低級アルキルから成る基から選択された基(meanings)の一つを有し得る。Aは、上記された対アニオン(counter anion)を表し、好適には塩化物、硫酸水素塩又はテトラフルオロホウ酸塩である。
【0050】
本発明の混合物におけるこれら混合物は、良好な光沢性に加え良好な平滑化を与えるという利点がある。
本発明にしたがい混合物中の次の単量体ユニットは、銅電解液中で明らかに僅かな濃度で、電流密度が高くても低くても顕著な光沢を示し、特に効率的であることが証明された。
a) 7-N,N-ジメチルアミノ-3-ヒドロキシ-2-メチル-5-フェニル-フェナジニウム:
【化a】

b) 3-クロリン-7-N,N-ジメチルアミノ-5-フェニル-フェナジニウム:
【化b】

c) 8-ジメチルアミノ-10-フェニル-10H-フェナジン-ケトン化合物:
【化c】

d) 2-N,N-ジメチルアミノ-10-フェニル-5,10-ジヒドロフェナジン:
【化d】

e) 3-N-エチルアミノ-7-ヒドロキシ-5-フェニル-フェナジニウム:
【化e】

f) 3-クロリン-7-N-エチルアミノ-5-フェニル-フェナジニウム:
【化f】

g) 3-メチル-8-メチルアミノ-10-フェニル-10H-フェナジン-2-ケトン化合物:
【化g】

h) 7-N-メチルアミノ-2-メチル-5-フェニル-5,10-ジヒドロフェナジン:
【化h】

【0051】
次のフェナジニウム化合物オリゴマーは、本発明の混合物において検出され、焼けを形成する傾向の少ない高電流密度で完璧に電解銅析出に適している。
i. 塩化3’-N,N-ジメチルアミノ-3,8’-ジメチル-8-(N-メチルアミノ)-7’-オキソ-10,5’-ジフェニル-5’,7’-ジヒドロ-[2,2’]ビフェナジニル-10-イウム:
【化i】

ii. 塩化3,8’,8”-トリメチル-8,3’,3”-トリス-(N-メチルアミノ)-7”-オキソ-10,5’,5”-トリフェニル-5’,10’,5”,7”-テトラヒドロ-[2,2’;7’,2”]テルフェナジン-10-イウム:
【化ii】

iii. 硫酸水素8,3’-ビス(N,N-ジメチルアミノ)-8’-メチル-7’-オキソ-10,5’-ジフェニル-5’,7’-ジヒドロ-[2,2’]ビフェナジニル-10-イウム:
【化iii】

【0052】
とても良好な効果を有する本発明のさらなる物質:
iv. テトラフルオロホウ酸8,8’-ビス-(N,N-ジメチルアミノ)-3,3’-ジメチル-10,10’-ジフェニル-[2,2’]ビフェナジニル-10,10’-イウム:
【化iv】

v. テトラフルオロホウ酸8,8’-ビス-(N,N-ジメチルアミノ)-10,10’-ジフェニル-3-メチル- [2,2’]ビフェナジニル-10,10’-イウム:
【化v】

vi. テトラフルオロホウ酸3,8’-ビス-(N,N-ジメチルアミノ)-8,3’-ジメチル-5,10’-ジフェニル-7-ヒドロキシ-[2,2’]ビフェナジニル-5,10’-イウム:
【化vi】

vii. 塩化3,8’-ビス-(N,N-ジメチルアミノ)-8,3’-ジメチル-5,10’-ジフェニル-7-ヒドロキシ-[2,2’]ビフェナジニル-5,10’-イウム:
【化vii】

viii. テトラフルオロホウ酸3,8’,8”-トリス-(N,N-ジメチルアミノ)-8-メチル-5,10’,10”-トリフェニル-[2,2’;7’,2”]テルフェナジン-5,10’,10”-イウム:
【化viii】

ix. 硫酸8’,N,N-ジエチルアミノ-8,N,N-ジメチルアミノ-3-メチル-10,10’-ジフェニル-[2,2’]ビフェナジニル-10,10’-イウム:
【化ix】

x. 硫酸8’,N,N-ジエチルアミノ-3,N,N-ジメチルアミノ-7-ヒドロキシ-8-メチル-5,10’-ジフェニル-[2,2’]ビフェナジニル-6,10’-イウム:
【化x】

xi. 硫酸水素8,3’,3”-トリス-(N,N-ジメチルアミノ)-7"-オキソ-10,5’,5”-トリフェニル-5’,10’,5”,7”-テトラヒドロ-[2,2’;7’,2”]テルフェナジニン-10-イウム:
【化xi】

xii. 硫酸3,8’-ビス-(N,N-ジエチルアミノ)-7-ヒドロキシ-5,10’-ジフェニル-[2,2’]ビフェナジニル-6,10’-イウム:
【化xii】

xiii. 塩化7-クロリン-3,8’-ビス-(N,N-ジメチルアミノ)-5,10-ジフェニル-8-メチル-[2,2’]-ビフェナジニル-5,10’-イウム:
【化xiii】

xiv. 塩化7-クロリン-3,8’-ビス-(N,N-ジメチルアミノ)-8,3’-ジメチル-5,10’-ジフェニル-[2,2’]-ビフェナジニル-5,10’-イウム:
【化xiv】

xv. 塩化7-クロリン-3,8’-ビス-(N,N-ジメチルアミノ)-5,10'-ジフェニル-[2,2’]-ビフェナジニル-5,10’-イウム:
【化xv】

xvi. 塩化7-クロリン-3,8’,8”-トリス-(N,N-ジメチルアミノ)-8,3’-ジメチルル-5,10’,10”-トリフェニル-[2,2’;7’,2”]テルフェナジニル-5,10’,10”-イウム:
【化xvi】

xvii. 塩化7-クロリン-8,1’-ジメチル-8’-N,N-ジメチルアミノ-5,10’-ジフェニル-[2,2’]-ビフェナジニル-5,10’-イウム:
【化xvii】

xviii. 硫酸水素8,8’-ビス(N,N-ジメチルアミノ)-10,10’-ジメチル-[2,2’]ビフェナジニル-10,10’-イウム:
【化xviii】

xix. 硫酸水素8,3,3’-トリス-(N,N-ジメチルアミノ)-7”-オキソ-10,5’,5”-トリフェニル-5”,7”-ジヒドロ-[2,2’;7’,2”]-テルフェナジン-10,5’-イウム:
【化xix】

xx. テトラフルオロホウ酸8,3’,3”-トリス-(N,N-ジメチルアミノ)-8-メチル-5-10’,10”-トリフェニル-[2,2’;7’,2”]-テルフェナジン-5,10’,10”-イウム:
【化xx】

xxi. テトラフルオロホウ酸8,8’-ビス-(N,N-ジメチルアミノ)-10,10’-ジフェニル-[2,2’]-ビフェナジニル-10,10’-イウム:
【化xxi】

xxii. 塩化8,8’-ビス-(N-メチルアミノ)-3-クロリン-10,10’-ジフェニル-[2,2’]-ビフェナジニル-10’,10”-イウム:
【化xxii】

xxiii. 塩化3,3’,3”-トリス-(N-メチルアミノ)-8”-クロリン-5-5’,5”-トリフェニル-[8,2’;8’,7”]-テルフェナジン-5,5’,5”-イウム:
【化xxiii】

【0053】
本発明の混合物におけるフェナジニウム化合物二量体及びフェナジニウム化合物三量体は、次の方法を用いて、定性及び定量分析がなされる。
本発明にしたがう混合物に含まれる化合物を同定し定量化するため、より具体的には質量分析が本件において用いられ、好適にはスペクトルが次の条件下で記録される。すなわち四極子質量スベクトル計(ESI/MS)に若しくは四極子イオントラップ(ESI/QIT-MS)に結び付いた電子スプレー電離を用いて、又は四極子イオントラップ(AP-MALDI/QIT-MS)に結び付いた大気圧マトリックス補助のレーザー脱着電離(Atmospheric Pressure Matrix Assisted Laser Desorption Ionization)を用いて、又は飛行時間形質量分析計(MALDI-TOF)に結び付いたマトリックス補助のレーザー脱着電離(Matrix Assisted Laser Desorption Ionization)を用いて記録される。MALDI法がより好適である。化合物を量的に定めるために、質量スペクトルにおけるのすべての信号の総数が100モル%に設定される。検知されたそれぞれの信号の高さがそれに関連づけられる。それにより割り当て得る分子のピークに対する電離性や感度が等しく高いと推定される。
【0054】
代わりに、質量スペクトルによりHPLC-クロマトグラムにおけるそれぞれのピークを割り当てる目的で、ハイパーフォーマンス液体クロマトグラフィユニット(LC-MS-カップリング)に質量分析計を結び付ける別の方法を用いて、フェナジニウム化合物オリゴマーはまた量的に定められ得る。LC-MS-カップリングを用いて基準混合物における第1同定後、定量法は同定のためピークの維持を考慮してLC-MS-カップリングなしで行われてもよい。
【0055】
代わりに、HPLC-方法もまた、混合物におけるフェナジニウム化合物オリゴマーの定量分析のために用いられてもよく、より具体的にはゲル浸透クロマトグラフィが用いられる。プラスに帯電した化合物をうまく分離するため、この場合アニオン湿潤剤が、イオン対を形成する(イオン-対クロマトグラフィ)ために溶媒(溶離剤)に加えられてもよい。
【0056】
上述の構造を有し且つ本発明の混合物に含有するフェナジニウム化合物オリゴマーは、一連のジアゾ化並びにジアゾニウム化合物の反応で、次の一般化学式[化9]で表されるフェナジニウム化合物モノマーを変換することにより、ワンポット反応でフェナジニウム化合物オリゴマーを形成することにより得られ得る。
【化9】

ここでR,R,R,R,R,R,R及びRは、一般化学式[化1]及び[化2]のフェナジニウム化合物オリゴマーに対して先に挙げられたのと同じ基(meanings)を有している。
【0057】
用語「ワンポット反応」は、フェナジニウム化合物オリゴマーの合成が、上述のジアゾニウム化合物のようないかなる中間生成物も除去することなくただ一つの反応容器内においてなされ得ることを意味する。さらなる基本的加工なしに、すなわち乾燥せずに、中間生成物を別の反応容器に移すことは本発明の目的を損なわないであろう。上記反応が十分な大きさを有する単一反応容器で行われ得る場合、たとえ一つ以上の反応容器が実際使われるとしても、この合成はなおワンポット反応とみなされるべきである。
【0058】
この反応は、好適には亜硝酸塩、より具体的には亜硝酸ナトリウム、又はニトロシル硫酸を用いて、酸性中で、好適にはヘキサフルオロリン酸、リン酸、臭化水素酸のような鉱酸、もっとも好適には塩化水素酸(塩酸)、硫酸、テトラフルオロホウ酸及びそれらの混合物中で進行する。
【0059】
合成に際し、好適にはR,R,R及びRがそれぞれ水素を表し、Rがフェニル基を、RがNR10R11を表し、その際R10及びR11がそれぞれ個別に一般化学式[化5],[化6],[化7]及び[化8]におけると同じ残基に対して与えられた前述の基(meanings)の一つを、より具体的には水素及び低級アルキルを有するような、サフラニン染料が好適に利用され得る。
【0060】
本発明の混合物におけるフェナジニウム化合物オリゴマーは、ワンポット反応で、前述の一般化学式[化9]の別のフェナジニウム化合物モノマーを用いても製造され得る。
ジアゾニウム塩は、それにより現場でフェナジニウム化合物オリゴマーに反応され、その反応は、アルカリキサントゲン酸塩、アルカリチオシアン酸塩、アルカリセレノシアン酸塩のような適当な触媒の存在下において、とりわけ銅元素とその化合物のような遷移金属及びそれらの化合物、例えばハロゲン化銅(I)及びハロゲン化銅(II)、酸化銅並びに対応する擬似ハロゲン化銅、ニッケル、パラジウム及び鉄の存在下において進められ得る。触媒は好適には粉末状である。
【0061】
本発明の現場法は、亜硝酸ナトリウムやニトロシル硫酸がゆっくりと鉱酸中に懸濁している染料に加えられるワンポット方法で、上述に記述された触媒の有無にかかわらず、温度を上げて、好適には少なくとも15℃で、特に30℃〜65℃の温度で加えられ、その結果フェナジニウム化合物オリゴマーを形成するための反応が後続する独立した事前のジアゾ化は起こらない。
【0062】
反応が終了した後、反応生成物は、好適には苛性ソーダの灰汁に又はカリウム灰汁に入れられ、又はそれは1重量%未満の硫酸に調整され、残った固形物はろ過されて取り除かれる。
本発明にしたがう調製法は、以下の例により説明される。
【0063】
調製例1:
1gの塩化3-アミノ-7-N,N-ジメチルアミノ-2-メチル-5-フェニル-フェナジニウム及び174mgの銅粉末を、15mlの50%重量パーセントのテトラフルオロホウ酸中に懸濁し、65℃に加熱した。その後、亜硝酸ナトリウムの飽和水溶液(10mlの水に570mg)をゆっくりと滴状で加え、この温度でさらに30分以上撹拌した。反応生成物を室温に冷却し、反応混合物を50%重量パーセントの苛性ソーダ灰汁に入れた。生じた黒い固体をろ過し、乾燥した。
収量:520mgのフェナジニウム化合物オリゴマー1は、
− 約30モル%のテトラフルオロホウ酸8,8’-ビス-(N,N-ジメチルアミノ)-3,3’-ジメチル-10,10’-ジフェニル-[2,2’]ビフェナジニル-10,10’-イウム(化合物[化iv])、
− 約30モル%のテトラフルオロホウ酸3,8’,8”-トリス-(N,N-ジメチルアミノ)-8-メチル-5,10’,10”-トリフェニル-[2,2’;7’,2”]テルフェナジン-5,10’,10”-イウム(化合物[化viii])、
− 約15モル%の塩化3’-N,N-ジメチルアミノ-3,8’-ジメチル-8-(N-メチルアミノ)-7'-オキソ-10,5’-ジフェニル-5’,7’-ジヒドロ-[2,2’]ビフェナジニル-10-イウム(化合物[化i])、
− 約15モル%のテトラフルオロホウ酸3,8’-ビス-(N,N-ジメチルアミノ)-8,3’-ジメチル-5,10’-ジフェニル-7-ヒドロキシ-[2,2’]ビフェナジニル-5,10’-イウム(化合物[化vi])
で構成されている。
【0064】
製造例2:
10gの塩化3-アミノ-7-N,N-ジメチルアミノ-2-メチル-5-フェニル-フェナジニウム及び2.351gの銅粉末を、100mlの50%重量パーセントのテトラフルオロホウ酸中に懸濁し、50℃に加熱した。その後、亜硝酸ナトリウムの飽和水溶液(15mlの水に4.164g)をゆっくりと滴状で加え、この温度でさらに1時間以上撹拌した。反応生成物を室温に冷却し、反応混合物を50%重量パーセントの苛性ソーダ灰汁に入れた。生じた黒い固体をろ過し、乾燥した。
収量:9.8gのフェナジニウム化合物オリゴマー2は、
− 30モル%のテトラフルオロホウ酸8,8’-ビス-(N,N-ジメチルアミノ)-3,3’-ジメチル-10,10’-ジフェニル-[2,2’]ビフェナジニル-10,10’-イウム(化合物[化iv])、
− 30モル%の塩化3,8’,8”-トリメチル-8,3’,3”-トリス-(N-メチルアミノ)-7"-オキソ-10,5’,5”-トリフェニル-5',10’,5”,7”-テトラヒドロ-[2,2’;7’,2”]テルフェナジン-10-イウム(化合物[化ii])、
− 15モル%の塩化3’-N,N-ジメチルアミノ-3,8’-ジメチル-8-(N-メチルアミノ)-7'-オキソ-10,5’-ジフェニル-5’,7’-ジヒドロ-[2,2’]ビフェナジニル-10-イウム(化合物[化i])、
− 15モル%のテトラフルオロホウ酸8,8’-ビス-(N,N-ジメチルアミノ)-10,10’-ジフェニル-3-メチル-[2,2’]ビフェナジニル-10,10’-イウム(化合物[化v])
で構成されている。
【0065】
製造例3:
1.5gの塩化3-アミノ-7-N,N-ジメチルアミノ-2-メチル-5-フェニル-フェナジニウム、1.5gの塩化3-アミノ-7-N,N-ヂエチルアミノ-5-フェニル-フェナジニウム及び590mgの銅粉末を、100mlの50%重量パーセントの硫酸中に懸濁し、50℃に加熱した。その後、亜硝酸ナトリウムの飽和水溶液(10mlの水に1.226g)をゆっくりと滴状で加え、この温度でさらに1時間以上撹拌した。反応生成物を室温に冷却し、反応混合物を50%重量パーセントの苛性ソーダ灰汁に入れた。生じた黒い固体をろ過し、乾燥した。
収量:0.8gのフェナジニウム化合物オリゴマー3は、
− 45モル%の硫酸8’-N,N-ジエチルアミノ-8-N,N-ジメチルアミノ-3-メチル-10,10’-ジフェニル-[2,2’]ビフェナジニル-10,10’-イウム(化合物[化ix])、
− 15モル%の硫酸水素8,3’-ビス-(N,N-ジメチルアミノ)-8’-メチル-7'-オキソ-10,5’-ジフェニル-5',7’-ジヒドロ-[2,2’]ビフェナジニル-10-イウム(化合物[化iii])、
− 15モル%の硫酸水素8,3’,3”-トリス-(N,N-ジメチルアミノ)-7"-オキソ-10,5’,5”-トリフェニル-5’,10’,5”,7”-テトラヒドロ-[2,2’;7’,2”]テルフェナジン-10-イウム(化合物[化xi])、
− 15モル%の硫酸3,8’-ビス-(N,N-ジエチルアミノ)-7-ヒドロキシ-5,10’-ジフェニル-[2,2’]ビフェナジニル-6,10’-イウム(化合物[化xii])
で構成されている。
【0066】
このように得られた本発明のフェナジニウム化合物オリゴマーは、銅電解液に、より具体的には酸性浴に、好適には硫酸浴に、単独であるいは光沢剤や湿潤剤とともに加えられる。
銅皮膜を加工品上に電解析出することを可能にするため、加工品はアノードとともに浴に接触している。上記浴内には、銅イオン及び本発明のフェナジニウム化合物オリゴマーの混合物が含まれている。金属析出に際し、電流は加工品とアノード間で流れを生じるようになっている。
【0067】
銅電解液の基本的な組成は、広い範囲内で変更可能である。一般的に次の組成を有する銅イオン含有酸性水溶液が用いられる:
硫酸銅(CuSO・5HO) 20〜300g/l
好適には 180〜220g/l
濃縮硫酸 50〜350g/l
好適には 50〜90g/l
塩化物イオン 0.01〜0.25g/l
好適には 0.05〜0.14g/l
【0068】
硫酸銅の代わりに、他の銅塩も同様に、少なくとも部分的に用いられ得る。硫酸も部分的又は全体的にフルオロホウ酸、メタンスルホン酸又は他の酸で置き換えることも可能である。塩化物イオンは、アルカリ塩化物(例えば塩化ナトリウム)で又は分析的に純粋な塩酸の状態で加えられる。塩化ナトリウムの添加は、予め添加物にハロゲンイオンが含まれているならば、部分的又は全体的に省略されてもよい。
【0069】
本発明のフェナジニウム化合物オリゴマーは、好ましくは0.00005〜0.1g/lの濃度で浴に加えられる。
さらに浴には、一般に用いられている光沢剤、平滑剤又は湿潤剤が含まれていてもよい。所定の物理学的特性を備えた光沢のある銅析出を得るために、少なくとも一種の水溶性イオウ化合物と酸素含有高分子量化合物が本発明の酸性浴に加えられてもよい。さらに窒素含有イオウ化合物及び/又は窒素化合物ポリマーのような添加物も用いられ得る。
【0070】
使用準備のできている浴では、これらのそれぞれの成分が次の濃度範囲で含まれている。
通常の酸素含有高分子量化合物 0.005〜20g/l
好適には 0.01〜5g/l
通常の水溶性有機有機イオウ化合物 0.0005〜0.4g/l
好適には 0.001〜0.15g/l
【0071】
利用可能な幾つかの酸素含有高分子量化合物は、以下に述べられる:カルボキシメチルセルロース、ノニルフェノール-ポリグリコールエーテル、オクタンジオール-ビス-(ポリアルキレングリコールエーテル)、オクタノールポリアルキレングリコールエーテル、オレイン酸ポリグリコールエステル、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール(ブロック又は共重合体)、ポリエチレングリコール、ポリエチレンプリコール-ジメチルエーテル、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、β-ナフトール-ポリグリコールエーテル、ステアリン酸ポリグリコールエステル、ステアリン酸アルコールポリグリコールエーテル。
【0072】
幾つかのイオウ化合物は、以下に述べられる:3-(ベンズチアゾイル-2-チオ)-プロピルスルホン酸のナトリウム塩、3-メルカプトプロパン-1-スルホン酸のナトリウム塩、エチレンジチオジプロピルスルホン酸のナトリウム塩、ビス-(ρ-スルホフェニル)-二硫化物の二ナトリウム塩、ビス-(ω-スルホブチル)-二硫化物の二ナトリウム塩、ビス-(ω-スルホヒドロキシプロピル)-二硫化物の二ナトリウム塩、ビス-(ω-スルホプロピル)-二硫化物の二ナトリウム塩、メチル-(ω-スルホプロピル)-二硫化物の二ナトリウム塩、メチル-(ω-スルホプロピル)-三硫化物の二ナトリウム塩、O-エチル-ジチオ-カルボン酸-S-(ω-スルホプロピル)-エステルのカリウム塩、チオグルコール酸、チオリン酸- O-エチル-ビス-(ω-スルホプロピル)-エステルの二ナトリウム塩、チオリン酸-トリス-(ω-スルホプロピル)-エステルの三ナトリウム塩。対応する官能基は、水溶性に組み込まれている。
【0073】
イオウ含有窒素化合物、より具体的には窒素含有チオ化合物、好適にはチオ尿素の誘導体、及び/又は窒素化合物ポリマー、例えばポリアミンやポリアミドが、次の濃度で使われ得る。
0.0001〜0.50g/l
好適には 0.0005〜0.04g/l
【0074】
好適には窒素含有チオ化合物が以下に述べられる:N-アセチルチオ尿素、N-トリフルオロアセチル尿素、N-エチルチオ尿素、N-シアノアセチルチオ尿素、N-アリルチオ尿素、o-トリルチオ尿素、N,N'-ブチレンチオ尿素、チアゾリジンチオール(2)、4-チアゾリンチオール(2)、イミダゾリジンチオール(2)(N,N’-エチレンチオ尿素)、4-メチル-2-ピリミジンチオール、2-チオウラシル、サッカリンのナトリウム塩。
【0075】
好適な窒素化合物ポリマーは以下に挙げられる:ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミド、ポリアクリル酸アミド、ポリプロピレンイミン、ポリブチレンイミン、N-メチルポリエチレンイミン、N-アセチルポリエチレンイミン、N-ブチルポリエチレンイミン。
【0076】
浴を調製するため、個々の成分が基礎組成に加えられる。浴の動作条件はより具体的には次のように設定され得る:
pH値 <1
温度 15℃〜50℃、好適には20℃〜40℃
カソード電流密度 0.5〜12A/dm、好適には3〜7A/dm
【0077】
電解液は、強い流体の流れを介して、そして場合によっては清浄空気を注入することにより攪拌され得、その結果、電解液の表面は著しく揺り動かされる。このことにより電極の近傍において物質移動が最大限となり、電流密度がより高くなる。さらにまたカソードの動きが、表面の各々で物質移動を促進する。対流が強まり、電極が移動することにより、一定の、拡散を制御した析出が達成される。上記の動きは水平、垂直及び/又は振動により引き起こされ得る。空気注入と組み合わせて、それらは極めて効率的である。
【0078】
銅は、銅含有量を一定に維持するために、銅アノードを溶解することにより電気化学的に補充される。アノードに利用される銅は、リンを0.02〜0.07重量%含有する銅材料であり得る。銅アノードはフィルターバッグに取り囲まれよう。さらに白金めっきされたチタニウム又は他のコーティングからなる不活性アノードも使用可能である。現在の従来技術のラインは、加工品が鉛直位置又は水平位置で被覆されるラインである。
【0079】
いざという場合に、機械的及び/又は化学的残留物を保持するためのフィルターが電解回路内に挿入されてもよい。
本発明の銅電解液は、装飾性の析出物を形成するのに理想的に適している。さらにプリント配線基板におけるブラインドマイクロビアを電解的に充填するのに利用され得る。これは、薄い回路トレースにおいて、銅スリーブを用いた技術に関して信頼性が高まるため、特にチップ担体製造のための未来指向の技術である。同様に、本発明の銅電解液は、集積回路の製造に際して凹所を備えた半導体基板表面(ウェハー)に回路構造を生成する明快な溶液を提供する。本発明の銅めっき方法を用いて、ほとんど一定の皮膜厚(平坦さplanarity)が、高いアスペクト比(1:10)を有する凹所とかかわりなく、ウェハーの表面全体にわたって達成され、その結果、そのような凹所(ブラインドマイクロビア)は銅で充填される。
【実施例】
【0080】
本発明は、図面に伴う次の方法例を読むことでよりよく理解されよう。
方法例1(比較テスト):
可溶性のリン含有銅アノードを備えた電解槽において、次の組成を有する銅浴が用いられた:
200g/lの硫酸銅(CuSO・5HO)
60g/lの濃硫酸
0.12g/lの塩化ナトリウム。
【0081】
次の光沢剤が加えられた:
1.5g/lのポリプロピレングリコール(800Da(dalton))、
0.006g/lの3-メルカプトン-プロパン-1-スルホン酸、ナトリウム塩。
【0082】
電解温度25℃、電流密度4A/dmで、均一で、光沢があり、僅かにくすんだ析出物が、ブラッシングされた黄銅シート上に得られた。
【0083】
方法例2(比較テスト):
5gの塩化7-ジメチルアミノ-3-クロリン-5-フェニル-フェナジニウム(特許文献3に与えられた指示にしたがい調製された)は、さらに方法例1に係る電解液に加えられた。銅が方法例1で指示された条件の下で析出された後、得られた銅皮膜は外見が僅かに向上した。この場合、黄銅シートには光沢があるが、そこで生じた高い電流密度のため縁に焼け(銅粉末の析出)がみられた。
【0084】
方法例3(比較テスト):
平均分子量約8000Daを有する5mg/lのポリ-(硫酸7-ジメチルアミノ-5-フェニル-フェナジニウム)は、方法例1に係る電解液にさらに加えられた。化合物は、特許文献11、第7欄第2行以降に与えられた指示に似て製造された。銅が方法例1で指示された条件の下で析出された後、黄銅シート上に得られた銅析出物は良好な品質であった。析出物は均一な光沢があって焼けは見られなかった。ブラシ線はもはやほとんど見られなかった。このことにより銅電解液に或る平滑効果のあることが示された。
【0085】
方法例4:
4mg/lの本発明の二量化化合物及び三量化化合物[化iii]、[化vi]、[化xi]及び[化xii]の混合物は、平均分子量約800Da(627〜913Da)を備え、方法例1に係る電解液にさらに加えられた。銅が方法例1で指示された条件の下で析出された後、黄銅シート上に得られた銅皮膜は非常に良好な外見を備えていた。析出物はみごとな光沢があり焼けは見られなかった。ブラシ線はまったく見られなかった。このことにより銅電解液に優れた平滑効果のあることが示された。
【0086】
方法例5:
僅か3mg/lの塩素化合物二量体及び塩素化合物三量体[化xiii]、[化xiv]、[化xv]、[化xvi]及び[化xvii]の混合物は、平均分子量約800Da(618〜959Da)を備え、方法例1に係る電解液にさらに加えられた。銅が方法例1で指示された条件の下で析出された後、黄銅シートは著しく優れた外見を備えていた。析出物はみごとな光沢があり鏡のようであった。シートに焼けは見られなかった。ブラシ線は完全に見られなかった。このことにより、混合物の量は減少したけれども、銅電解液に優れた平滑効果のあることが示された。
【0087】
方法例1〜5までの結果:塩素含有フェナジニウム化合物モノマーのみの混合物は平滑効果が低いことが示された。フェナジニウム化合物ポリマーは良好な効果を有した。しかしながら方法例4及び5で示されたように、この効果は本発明のフェナジニウム化合物二量体とフェナジニウム化合物三量体の混合物を使うことにより、かなり高められ得、その効果は溶液中に塩素原子を組み入れることにより実際にかなり向上される。この場合、優れた効果を維持しながら、濃度をかなり低下することが可能である。
【0088】
方法例6(比較テスト):
ブラインドマイクロビアを備えたプリント配線基板を被覆するために、次の組成からなる銅浴が、可溶性のリン含有銅アノードを備えた電解槽で使用された:
150g/lの硫酸銅(CuSO・5HO)
200g/lの濃硫酸
0.05g/lの塩化ナトリウム。
【0089】
次の光沢剤が加えられた:
0.5g/lのポリプロピレングリコール(820Da(dalton))、
0.005g/lの二硫化ビス-(ω-スルフォプロピル)、二ナトリウム塩。
【0090】
電解温度25℃、電流密度1A/dmで、僅かにくすんだ析出物が、露出時間114分後に、小さいブラインドホール(ブラインドマイクロビア)を有する前もって8μmの厚さに補強されたプリント配線基板上に得られることができ、幅110μm及び深さ60μmのブラインドホールは銅でほとんど充填されていなかった。図1はブラインドバイアの横断面を示す。
【0091】
方法例7:
4mg/lの二量化化合物及び三量化化合物[化iii]、[化vi]、[化xi]及び[化xii]の混合物は、平均分子量約800Da(627〜913Da)を備え、方法例6に係る電解液にさらに加えられた。銅が方法例6で指示された条件の下で析出された後、プリント配線基板の外見は改善した。幅110μm及び深さ60μmのブラインドビアは、銅で完全に且つ選択的に充填された。銅めっきが行われた後、凹所はもはや見られなかった。析出銅の全量は低かった。図2は、そのような銅めっきされたブラインドビアの磨き上げられた横断面を示す。
【0092】
この結果は、はるかに優れたやり方で充填され得るので、ブラインドビアを電解銅めっきするために使用される従来の技術に関する大いなる改善である。その理由は、本発明のフェナジミウム化合物オリゴマーの混合物により得られた銅めっき浴の平滑効果を根本的に改善するからである。さらにブラインドビア壁上に析出された銅とホールにより中断された銅皮膜との間のボンド(結合)に関する信頼性が、従来の銅めっき技術を用いるよりもはるかに高い。本発明にしたがう混合物を使用すると、熱蝋付け衝撃試験の際に二つの金属被膜の間で薄片はがれが検出されないのに対して、従来の混合物を用いると同じ条件下でそのような薄片はがれを誘引する危険性が存在する。
【0093】
ここに記載された例と実施形態は説明的な目的だけのためであり、その観点での様々な修正や変更並びに本願に記載された特徴構成の組み合わせは、当業者に示唆され、また記載された発明の精神と認識範囲に含まれるものであり、請求の範囲内に含まれるものである。ここで引用されたすべての出版物、特許及び特許出願はこれによって特に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】方法例6(本発明の混合物を使用せず)に係る銅めっき後のプリント配線基板におけるブラインドビアの横断面図である。
【図2】方法例7(本発明の混合物を使用する)に係る銅めっき後のプリント配線基板におけるブラインドビアの横断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フェナジニウム化合物オリゴマーの混合物にして、
a)次の一般化学式[化1]を有する二つの単量体ユニットを含む化合物:
【化1】

及び
b)次の一般化学式[化2]を有する三つの単量体ユニットを含む化合物:
【化2】

並びに別のフェナジニウム化合物オリゴマーからなる群から選択された少なくとも一種のフェナジニウム化合物を含み、その際、上記の一般化学式[化1]及び[化2]において、構造ユニットN(R5/5’/5”)CC(R4/4’/4”)C(R3/3’/3”)が、一般化学式[化3a]又は[化3b]の一つを有し、
【化3a】

【化3b】

その際、さらに
R,R,R,R,R,R,R,R,R1’,R2’,R3’,R4’,R6’,R7’,R8’,R9’,R1”,R2”,R3”,R4”,R6”,R7”,R8”及びR9”は、それぞれ別個に水素、ハロゲン、アミノ、OH、CN、SCN、SH、COOH、COO塩、COOエステル、SOH、SOエステル、低級アルキル、アリール及びヘテロアリールから成る群から選択された基(meanings)の一つを有し並びに別々の単量体ユニットを一緒につなぐ単結合をもち、
R,R5’及びR5”は、それらが単結合を示さないという条件のもとで、それぞれ別個にR,R,R,R,R,R,R,R,R1’,R2’,R3’,R4’,R6’,R7’,R8’,R9’,R1”,R2”,R3”,R4”,R6”,R7”,R8”及びR9”と同じものであることを示し、
R,R2’,R2”,R,R3’及びR3”は、オキソ、イミノ及びメチレンにより置換された単量体ユニットが一般化学式[化3b]の構造ユニットN(R5/5’/5”)CC(R4/4’/4”)C(R3/3’/3”)を有するという条件のもとで、オキソ、イミノ及びメチレンから成る群から付加的に選択され得、
その際さらにR,R2’,R2”,R,R3’及びR3”がオキソ、イミノ又はメチレンでないとすると、構造ユニットNCC(R1/1’/1”)C(R2/2’/2”)が次の一般化学式[化4a]又は[化4b]の一つを有し、
【化4a】

【化4b】

その際さらにAは酸性アニオンで、
その際さらに、一般化学式[化1]及び[化2]を有するすべてのフェナジニウム化合物オリゴマーが混合物中、少なくとも約80モル%の量で含まれる
ようなフェナジニウム化合物オリゴマーの混合物。
【請求項2】
R,R2’,R2”,R,R3’,R3”,R,R7’,R7”,R,R8’及びR8”から成る群から選択された残基の少なくとも一つは、ハロゲン及び水酸基から成る群から選択された基(meanings)の一つを有することを特徴とする請求項1に記載のフェナジニウム化合物オリゴマーの混合物。
【請求項3】
一般化学式[化2]によるフェナジニウム化合物オリゴマーにおけるR,R,R7”及びR8”から成る群から選択された少なくとも一つの残基が、ハロゲン及び水酸基から成る群から選択された基(meanings)の一つを有することを特徴とする請求項1又は2に記載のフェナジニウム化合物オリゴマーの混合物。
【請求項4】
R,R2’及びR2”から成る群から選択された残基の少なくとも一つが、低級アルキルを示すことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のフェナジニウム化合物オリゴマーの混合物。
【請求項5】
低級アルキルが、メチル又はエチルであることを特徴とする請求項4に記載のフェナジニウム化合物オリゴマーの混合物。
【請求項6】
R,R7’及びR7”から成る群から選択された残基の少なくとも一つが、アルキル化アミンを表すことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のフェナジニウム化合物オリゴマーの混合物。
【請求項7】
アルキル化アミンが、N-メチルアミン、N-エチルアミン、N,N-ジメチルアミン及びN,N-ジエチルアミンからなる群から選択されていることを特徴とする請求項6に記載のフェナジニウム化合物オリゴマーの混合物。
【請求項8】
R,R5’及びR5”から成る群から選択された残基の少なくとも一つが、メチル又はアリール基を表すことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のフェナジニウム化合物オリゴマーの混合物。
【請求項9】
アリール基が、フェニル又はトリルであることを特徴とする請求項8に記載のフェナジニウム化合物オリゴマーの混合物。
【請求項10】
酸性アニオンAが、硫酸塩、硫酸水素塩、ハロゲン化物、テトラフルオロホウ酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩及びメタンスルホン酸から成る群から選択されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のフェナジニウム化合物オリゴマーの混合物。
【請求項11】
上記化合物内の単量体ユニットが、
a)7-N,N-ジメチルアミノ-3-ヒドロキシ-2-メチル-5-フェニル-フェナジニウム
b)3-クロリン-7-N,N-ジメチルアミノ-5-フェニル-フェナジニウム
c)8-ジメチルアミノ-10-フェニル-10H-フェナジン-ケトン化合物
d)2-N,N-ジメチルアミノ-10-フェニル-5,10-ジヒドロフェナジン
e)3-,N-エチルアミノ-7-ヒドロキシ-5-フェニル-フェナジニウム
f)3-クロリン-7-N-エチルアミノ-5-フェニル-フェナジニウム
g)3-メチル-8-メチルアミノ-10-フェニル-10H-フェナジン-2-ケトン化合物
h)7-N-メチルアミノ-2-メチル-5-フェニル-5,10-ジヒドロフェナジン
から成る群から選択されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のフェナジニウム化合物オリゴマーの混合物。
【請求項12】
上記混合物が、次の一般化学式[化9]の少なくとも一つのフェナジニウム化合物モノマーをジアゾ化することにより製造され、
【化9】

その際、R,R,R,R,R,R,R及びRは、先に上げられたのと同じ基(meanings)を有し、ワンポット反応において得られるジアゾニウム化合物を反応することでフェナジニウム化合物オリゴマーを形成することを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載のフェナジニウム化合物オリゴマーの混合物。
【請求項13】
上記化合物が、
【化5】

【化6】

【化7】

【化8】

から成る選択された化学式を有し、その際、R,R,R,R,R,R,R1’,R2’,R3’,R4’,R6’,R8’,R9’,R1”,R2”,R3”,R4”,R6”,R8”及びR9”は上述の基(meanings)を有し、R10,R11,R10’,R11’,R10”及びR11”は、水素又は低級アルキルを表すことを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載のフェナジニウム化合物オリゴマーの混合物。
【請求項14】
フェナジニウム化合物オリゴマーが、
i. 塩化3’-N,N-ジメチルアミノ-3,8’-ジメチル-8-(N-メチルアミノ)-7’-オキソ-10,5’-ジフェニル-5’,7’-ジヒドロ-[2,2’]ビフェナジニル-10-イウム
ii. 塩化3,8’,8”-トリメチル-8,3’,3”-トリス-(N-メチルアミノ)-7”-オキソ-10,5’,5”-トリフェニル-5’,10’,5”,7”-テトラヒドロ-[2,2’;7’,2”]テルフェナジン-10-イウム
iii. 硫酸水素8,3’-ビス(N,N-ジメチルアミノ)-8’-メチル-7’-オキソ-10,5’-ジフェニル-5’,7’-ジヒドロ-[2,2’]ビフェナジニル-10-イウム
iv. テトラフルオロホウ酸8,8’-ビス-(N,N-ジメチルアミノ)-3,3’-ジメチル-10,10’-ジフェニル-[2,2’]ビフェナジニル-10,10’-イウム
v. テトラフルオロホウ酸8,8’-ビス-(N,N-ジメチルアミノ)-10,10’-ジフェニル-3-メチル- [2,2’]ビフェナジニル-10,10’-イウム
vi. テトラフルオロホウ酸3,8’-ビス-(N,N-ジメチルアミノ)-8,3’-ジメチル-5,10’-ジフェニル-7-ヒドロキシ-[2,2’]ビフェナジニル-5,10’-イウム
vii. 塩化3,8’-ビス-(N,N-ジメチルアミノ)-8,3’-ジメチル-5,10’-ジフェニル-7-ヒドロキシ-[2,2’]ビフェナジニル-5,10’-イウム
viii. テトラフルオロホウ酸3,8’,8”-トリス-(N,N-ジメチルアミノ)-8-メチル-5,10’,10”-トリフェニル-[2,2’;7’,2”]テルフェナジン-5,10’,10”-イウム
ix. 硫酸8’,N,N-ジエチルアミノ-8,N,N-ジメチルアミノ-3-メチル-10,10’-ジフェニル-[2,2’]ビフェナジニル-10,10’-イウム
x. 硫酸8’,N,N-ジエチルアミノ-3,N,N-ジメチルアミノ-7-ヒドロキシ-8-メチル-5,10’-ジフェニル-[2,2’]ビフェナジニル-6,10’-イウム
xi. 硫酸水素8,3’,3”-トリス-(N,N-ジメチルアミノ)-7"-オキソ-10,5’,5”-トリフェニル-5’,10’,5”,7”-テトラヒドロ-[2,2’;7’,2”]テルフェナジニン-10-イウム
xii. 硫酸3,8’-ビス-(N,N-ジエチルアミノ)-7-ヒドロキシ-5,10’-ジフェニル-[2,2’]ビフェナジニル-6,10’-イウム
xiii. 塩化7-クロリン-3,8’-ビス-(N,N-ジメチルアミノ)-5,10-ジフェニル-8-メチル-[2,2’]-ビフェナジニル-5,10’-イウム
xiv. 塩化7-クロリン-3,8’-ビス-(N,N-ジメチルアミノ)-8,3’-ジメチル-5,10’-ジフェニル-[2,2’]-ビフェナジニル-5,10’-イウム
xv. 塩化7-クロリン-3,8’-ビス-(N,N-ジメチルアミノ)-5,10'-ジフェニル-[2,2’]-ビフェナジニル-5,10’-イウム
xvi. 塩化7-クロリン-3,8’,8”-トリス-(N,N-ジメチルアミノ)-8,3’-ジメチルル-5,10’,10”-トリフェニル-[2,2’;7’,2”]テルフェナジニル-5,10’,10”-イウム
xvii. 塩化7-クロリン-8,1’-ジメチル-8’-N,N-ジメチルアミノ-5,10’-ジフェニル-[2,2’]-ビフェナジニル-5,10’-イウム
xviii. 硫酸水素8,8’-ビス(N,N-ジメチルアミノ)-10,10’-ジメチル-[2,2’]ビフェナジニル-10,10’-イウム
xix. 硫酸水素8,3,3’-トリス-(N,N-ジメチルアミノ)-7”-オキソ-10,5’,5”-トリフェニル-5”,7”-ジヒドロ-[2,2’;7’,2”]-テルフェナジン-10,5’-イウム
xx. テトラフルオロホウ酸8,3’,3”-トリス-(N,N-ジメチルアミノ)-8-メチル-5-10’,10”-トリフェニル-[2,2’;7’,2”]-テルフェナジン-5,10’,10”-イウム
xxi. テトラフルオロホウ酸8,8’-ビス-(N,N-ジメチルアミノ)-10,10’-ジフェニル-[2,2’]-ビフェナジニル-10,10’-イウム
xxii. 塩化8,8’-ビス-(N-メチルアミノ)-3-クロリン-10,10’-ジフェニル-[2,2’]-ビフェナジニル-10’,10”-イウム
xxiii. 塩化3,3’,3”-トリス-(N-メチルアミノ)-8”-クロリン-5-5’,5”-トリフェニル-[8,2’;8’,7”]-テルフェナジン-5,5’,5”-イウム
から成る群から選択されていることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載のフェナジニウム化合物オリゴマーの混合物。
【請求項15】
次の一般化学式[化9]で表される少なくとも一つのフェナジニウム化合物モノマーは、
【化9】

ジアゾ化され、その際、R,R,R,R,R,R,R及びRは、先に上げたのと同じ基(meanings)を有し、ジアゾ化反応において形成されたジアゾニウム化合物が、ワンポット反応でフェナジニウム化合物オリゴマーの混合物に反応することを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載のフェナジニウム化合物オリゴマーの混合物の製造方法。
【請求項16】
一般化学式[化9]のフェナジニウム化合物モノマーは、R1,R,R及びRがそれぞれ水素を表し、Rがフェニル基を、及びRはNR10R11を表し、その際R10及びR11がそれぞれ別々に前述の基(meanings)の一つを有するようなサフラニン染料から成る群から選択されることを特徴とする請求項15に記載の製造方法。
【請求項17】
a)サフラニン又はサフラニン混合物が、鉱酸中で懸濁し,及び
b)亜硝酸塩又はニトロシル硫酸が、少なくとも15℃の温度にて、鉱酸中のサフラニン又はサフラニン混合物の懸濁液に加えられることを特徴とする請求項15又は16に記載の製造方法。
【請求項18】
鉱酸が、塩化水素酸、硫酸、テトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロリン酸、リン酸、臭化水素酸及びそれらの混合物から成る群から選択されていることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
結果として得られたジアゾニウム化合物は、フェナジニウム化合物オリゴマーを形成するために反応し、その反応は、銅、ニッケル、パラジウム及び鉄から成る群から選択された金属、又はこれらの金属化合物、又はアルカリキサントゲン酸塩、アルカリチオシアン酸塩、アルカリセレノシアン酸塩からなる群から選択された化合物からなる触媒の存在下において行われることを特徴とする請求項15〜18に記載のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項20】
金属化合物が、金属の酸化物、ハロゲン化物及び擬似ハロゲン化物から成る群から選択されることを特徴とする請求項19に記載の記載の製造方法。
【請求項21】
触媒が粉末の形態であることを特徴とする請求項19又は20に記載の方法。
【請求項22】
請求項1〜14のいずれか一項に記載の混合物の形態で含まれるフェナジニウム化合物オリゴマーを含有する、銅析出物を電解析出するための酸性浴。
【請求項23】
フェナジニウム化合物オリゴマーの混合物が、0.00005〜0.1g/lの濃度で含有されていることを特徴とする請求項22に記載の酸性浴。
【請求項24】
付加的に、窒素含有イオウ化合物及び窒素化合物ポリマーから成る群から選択された化合物を含むことを特徴とする請求項22又は23に記載の酸性浴。
【請求項25】
当該浴に共に含まれた窒素含有イオウ化合物及び窒素化合物ポリマーの濃度が、0.0001〜0.50g/lであることを特徴とする請求項24に記載の酸性浴。
【請求項26】
加工品及びアノードが、銅イオン及び請求項1〜14のいずれか一項に記載の混合物を含有する浴と接触し、並びに電流の流れが、加工品とアノードの間で生じることを特徴とする銅析出物を電解析出する方法。
【請求項27】
装飾的表面を作る目的のために、非常に輝き平滑化された銅析出物を析出すべく請求項26に記載の方法を使用する方法。
【請求項28】
ブラインドマイクロビアを備えたプリント配線基板に銅析出物を形成するための請求項26に記載の方法を使用する方法。
【請求項29】
凹所のアスペクト比が高い半導体基板に銅析出物を形成するための請求項26に記載の方法を使用する方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2006−512480(P2006−512480A)
【公表日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−561264(P2004−561264)
【出願日】平成15年12月9日(2003.12.9)
【国際出願番号】PCT/EP2003/013994
【国際公開番号】WO2004/057061
【国際公開日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願人】(597075328)アトーテヒ ドイッチュラント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (33)
【Fターム(参考)】