説明

フェーズドアレイアンテナ装置

【課題】フェーズドアレイアンテナ装置の回路における複雑化の解消を図ることができるフェーズドアレイアンテナ装置を提供する。
【解決手段】フェーズドアレイアンテナ装置1は、一次放射機60と、複数のパッシブ移相器パネル70と、で構成されている。一次放射機60は、制御部62と、変調器63と、送信部61と、合成器64と、レーダ処理部68と、を有している。パッシブ移相器パネル70は、アレイ状に配列された受信アンテナ素子19及び送信アンテナ素子18と、移相器ユニット10と、を有している。このフェーズドアレイアンテナ装置1は、ビームステアリングして送信される高周波信号を空間給電するだけでなく、ビームステアリングに必要な各移相ユニット毎の位相情報と、各移相器を駆動する電源電力までも空間給電によりパッシブ移相器パネル70に供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フェーズドアレイアンテナ装置に関し、特に送信アンテナからの電波を受信するアレイ状に配列された複数のアンテナ素子と、各アンテナ素子にそれぞれ接続される移相器と、複数のアンテナ素子を追尾してアンテナ素子に電波を送信する一次放射器と、を有し、各アンテナ素子で受信された電波の位相を各移相器によって制御し、位相が制御された電波を各アンテナ素子から送信するフェーズドアレイアンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、レーダ装置や携帯電話の基地局等には、多くのアンテナ素子を平面上又は直線上に配列し、これらのアンテナ素子で送受信するフェーズドアレイアンテナ装置が用いられている。このフェーズドアレイアンテナ装置は、各アンテナ素子で送受信する高周波信号の位相をそれぞれ調整することによりフェーズドアレイアンテナ装置の指向性を可変(ビームステアリング)させるだけでなく、関心のある電波の到来方向の利得を増大させ、それ以外の方向から到来する電波の利得を低下させる処理(トラッキング)を電気的に実行することができることから、アダプティブアレイアンテナとも呼ばれる。
【0003】
フェーズドアレイアンテナ装置では、多くのアンテナ素子と、アンテナ素子それぞれに接続される移相器と、を平面上に配置し、それぞれに、電源と、制御信号線と、送受信のための高周波信号を給電する給電線と、を配線している。しかし、送受信する高周波信号が高い周波数になればなるほど、波長が短くなり、アンテナ素子が小さくなることから、回路の集積化と配線の複雑化が問題となる。
【0004】
このようなフェーズドアレイアンテナ装置において、回路の複雑化の解消を図るために、高周波信号を空間給電により供給することでアンテナ素子の給電線を省いたフェーズドアレイアンテナ装置の技術が特許文献1に開示されている。
【0005】
図6は、従来の空間給電によるフェーズドアレイアンテナ装置100の構成を示している。図6のフェーズドアレイアンテナ装置100は、移相器ユニット(110,120,130,140)と、その移相器ユニットに接続された送受信アンテナ素子(111,121,131,141)と、高周波信号を送信する送信機154と、送信機154に接続された送信アンテナ155と、を有している。
【0006】
また、図6の移相器ユニット(#1)110には、デジタル移相器112と、電波を反射する完全反射素子113と、電源153から供給される電源電圧を安定させる電圧安定器115と、制御部152からシリアル通信によって送信される制御信号をデジタル移相器112用のパラレル信号に変換するシリアルパラレル変換器114と、が設けられている。このため、各移相器ユニット(120,130,140)も同様にして電源153と制御部152とに結線されている。
【0007】
図6のフェーズドアレイアンテナ装置100に用いられているデジタル移相器112やシリアルパラレル変換器114等には、制御信号と、電源ラインとが各々必要である。そこで、電源ラインを空間給電とするために、特許文献2には、電気を動力源とする機器に、電波により非接触で給電を行う給電装置に関する技術が開示されている。
【0008】
図8は、従来の電波給電装置200の構成図であり、図8を用いて電波給電装置200の構成と動作を示す。電波給電装置200は、電力を受け取る受電局201と、給電局202と、を有している。給電局202の電力送信手段227は、所定周波数の電波を増幅し、送受信切替え手段222を介してアンテナ221より空間に放射する。この時、アンテナ221は、アンテナビーム制御手段228により受電局201の方向を指向しているものとする。
【0009】
一方、受電局201のアンテナ211で受信された所定周波数の電波は、送受信切替え手段212を介して電力検出手段214に送られ、受信した所定周波数の電波が電力検出手段214の検出閾値を超える場合は、給電局202からの電波と判断し、自己情報送信手段213から受電局201の位置情報を含む自己情報を送信切替え手段212に出力し、出力された自己情報がアンテナ211から給電局202へ送られる。
【0010】
給電局202は、所定周波数の電波を送信後、送受信切替え手段222により受電局201から送信された自己情報を含む電波を受信手段233により受信する。次に、目標検出手段224は、受信した電波の中から目標とする受電局201の信号を検出し、その信号を目標情報解読手段225に出力する。目標情報解読手段225は、目標とする受電局201の自己情報を解読し、その位置情報から目標の距離と指向角度を求め、距離に合わせた出力を電力制御手段に指示し、指向角度をアンテナビーム制御手段228に指示する。この後も、受電局201が自己情報を送信している限り、一定間隔で同様の動作を繰り返すことになる。
【0011】
【特許文献1】特開平11−17434号公報(図5)
【特許文献2】特開平8−130840号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上述した技術を用いることにより、アンテナ素子の回路から高周波信号の給電線と、電源線と、を省略することが可能となるが、回路への電源供給や位相を制御するための制御信号線はアンテナ素子の数だけ必要であり、配線及び装置の更なる小型化は難しい。
【0013】
そこで、本発明は、フェーズドアレイアンテナ装置の回路における複雑化の解消を図ることができるフェーズドアレイアンテナ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
以上のような目的を達成するために、本発明に係るフェーズドアレイアンテナ装置は、送信アンテナからの電波を受信するアレイ状に配列された複数のアンテナ素子と、各アンテナ素子にそれぞれ接続される移相器と、複数のアンテナ素子に電波を送信する一次放射器と、を有し、各アンテナ素子で受信された電波の位相を各移相器によって制御し、位相が制御された電波を各アンテナ素子から送信するフェーズドアレイアンテナ装置において、一次放射器は、各アンテナ素子の相対位相を制御する移相制御信号が変調された電波を送信し、アンテナ素子と移相器とを一体化したアンテナモジュールは、アンテナ素子で受信した電波を分配する分配器と、分配された電波から移相制御信号を復調する復調器と、分配された電波から電源電力を取得する電源取得器と、を有し、電源取得器からの電源で駆動されることを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係るフェーズドアレイアンテナ装置において、各移相器は、復調器で復調された移相制御信号により、それぞれ制御されることを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係るフェーズドアレイアンテナ装置において、さらに、移相器は、消費電力の少ないMEMSスイッチを用いたMEMS移相器であることを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係るフェーズドアレイアンテナ装置において、さらに、移相器は、反射型移相器又は透過型移相器であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明を用いることにより、フェーズドアレイアンテナ装置の回路及び配線における複雑化の解消を図り、小型化及び低コスト化を実現できるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下実施形態という)を、図面に従って説明する。
【0020】
図1は、本実施形態におけるフェーズドアレイアンテナ装置1の構成を示している。本実施形態で特徴的な第1の事項は、ビームステアリングして送信される高周波信号を空間給電するだけでなく、ビームステアリングに必要な各移相ユニット毎の位相情報と、各移相器を駆動する電源電力までも空間給電によりパッシブ移相器パネル70に供給することである。また、電源電力を空間給電とするために、電力消費の小さいデジタル移相器(MEMS移相器12)を用いた。
【0021】
図1のフェーズドアレイアンテナ装置1は、大きく分けて一次放射機60と、複数のパッシブ移相器パネル70と、の2つで構成されている。ここで一次放射機60は、制御部62と、変調器63と、送信部61と、合成器64と、ビーム制御器66と、受信機67と、レーダ処理部68と、を有している。
【0022】
一次放射機60は、送信部61で発生させた送信信号を合成器64に出力すると共に、制御部62が出力したビームステアリングするための位相情報(相対位相)を変調器63で変調した後に合成器64に出力する。合成器64で合成された送信信号は、送信アンテナ65から送信され、送受信アンテナ素子(19,29,39,49)で受信される。なお、説明の都合上、複数の移相器ユニットのうち移相器ユニット(#1)10を例にして示す。
【0023】
パッシブ移相器パネル70は、アレイ状に配列された送受信アンテナ素子19及び送信アンテナ素子18と、移相器ユニット10と、を有している。送受信アンテナ素子19と送信アンテナ素子18とに接続されている移相器ユニット10は、送受信アンテナ素子19で受信した高周波信号を分配する分配器17と、電源電力を取り出す回路と、高周波信号に含められている位相情報を取り出して移相器の位相を制御する回路と、で構成されている。ここで、電源電力を取り出す回路は、分配器17に接続されている順に、検波器51と、コンデンサ52と、電圧安定器53と、を有している。
【0024】
移相器の相対位相を制御する回路は、分配器17に接続されている順に、受信機16と、復調器15と、デコーダ14と、レジスタ13と、を有し、成膜技術によって形成されるMEMS(Micro Electro Mecanical System)スイッチを用いたMEMS移相器12を制御する。
【0025】
受信機16は、一次放射機60で変調された変調周波数帯域の信号を取り出し、復調器により移相制御信号へ復調する。復調された移相制御信号は、移相器ユニットを特定するID情報と、相対位相と、を含んでおり、このデータがビームステアリングにおける移相器ユニット10の移相特性データを予め記憶するデコーダ14に入力される。デコーダ14は、ID情報と予め設定された自己のID情報と一致する場合、相対位相をレジスタ13に出力してその値を保持させる。レジスタ13は保持した相対位相に基づいてMEMS移相器12の移相特性を設定する。
【0026】
また、デコーダ14に予め記憶されている移相特性データは、一次放射機60から更新することが可能であり、一次放射機60から送信される移相変更トリガ信号に続く移相特性データにより更新が行われる。
【0027】
また、図1のフェーズドアレイアンテナ装置1は、完全反射素子25と、送信アンテナ素子と、を適時接続するスイッチ26とを設けることにより、一次放射機60への自己情報送信により一次放射機60がパッシブ移相器パネル70のトラッキングを容易にすると共に、透過型と反射型との両方の機能を有するフェーズドアレイアンテナ装置1として機能する。
【0028】
なお、本実施形態で特徴的な第2の事項は、パッシブ移相器パネル70用電源電力の空中給電を実現するために、空中給電効率を考慮して消費電力の少ないMEMS移相器12を用いたことである。一般的に、図6のデジタル移相器112は、消費電力が大きいため電圧安定器115により電圧を安定させる必要があるが、本実施形態ではこのような問題は発生せず、MEMS移相器による省電力化により空中給電が可能となった。なお、MEMS移相器の消費電力の更なるマージンを確保するために、一次放射機60の出力を大電力化してもよい。
【0029】
図2には透過型のフェーズドアレイアンテナ装置の概要を示し、図3には図2のパッシブ移相器パネルの断面図を示している。なお、本実施形態で特徴的な第3の事項は、従来必要であったパッシブ移相器パネル70への配線が無くなったことである。
【0030】
図2のパッシブ移相器パネル70は、金属製のパネルフレーム72に三角配列され、配線を必要としない複数のパッシブ移相器パネル70が固定されている。このような構成により、送信アンテナ65から送信された送信波と、移相制御信号と、を含む電波をビームステアリング可能な透過型のフェーズドアレイアンテナ装置となる。
【0031】
図3には、パッシブ移相器パネル70を送信アンテナ素子18側から見たものと、パッシブ移相器パネル70の断面A−A’が示されている。パッシブ移相器パネル70は6角形状であり、パッシブ移相器パネル70の3辺に取り付けアーム75が設けられ、取り付けアーム75には各1個のネジ穴が設けられている。また、断面A−A’に示すように、パッシブ移相器パネル70の表面には受信アンテナ素子19と送信アンテナ素子18とを有し、その内部には移相器ユニット10が内蔵されている。
【0032】
図4は、他の実施形態である反射型のフェーズドアレイアンテナ装置2の構成を示している。図4のフェーズドアレイアンテナ装置2では、パッシブ移相器パネル70に支持された一次放射機60を備えているため、図1に示した、スイッチ26、受信機67及びビーム制御器66等は省略されている。また、図1の送信アンテナ素子(18,28,38,48)の代わりに図1の送受信アンテナ素子(19,29,39,49)と同様な送受信アンテナ素子(11,21,31,41)を有し、MEMS移相器12の出力側に完全反射素子25が接続されている。その他の構成は図1と同様であることから、重複する説明は割愛する。
【0033】
図4のフェーズドアレイアンテナ装置2の動作は、図1に示したフェーズドアレイアンテナ装置1と異なり、MEMS移相器12によって相対位相が調整された送信信号を完全反射素子25により反射させることで、図4の送受信アンテナ素子11から移相調整後の送信波として送信される。これにより、反射型のフェーズドアレイアンテナ装置として機能する。
【0034】
図5は、本実施形態における図1のフェーズドアレイアンテナ装置1を搭載した通信システム3を示している。図に示す通信システム3は、一次放射機60と送信アンテナ65とをトラック等に搭載した移動無線局92と、パッシブ移相器パネル70を搭載した飛行船94と、を有し、山などの障害物を避けて見通し外のレーダ観測及び無線通信が可能となる。
【0035】
また、パッシブ移相器パネル70は反射型としても機能することから、図5に示すような飛行船94の背後から電波を送信して飛行船94前方に送信する形態にとどまらず、飛行船94の背後から電波を送信して飛行船の背後に電波を送信することも可能となるという効果もある。
【0036】
以上、上述したように、本実施形態に係るフェーズドアレイアンテナ装置を用いることにより、フェーズドアレイアンテナ装置の回路及び配線における複雑化の解消を図り、小型化及び低コスト化を実現できる。また、透過型及び反射型のフェーズドアレイアンテナとすることにより、全周にわたるビームステアリングが可能となる。
【0037】
図7には、図1の一次放射機60で制御されるフェーズドアレイアンテナ装置1へのビーム指向性制御の流れが示されている。この処理は、任意の空間を飛行する飛行船94に搭載されたフェーズドアレイアンテナ装置1への電源給電と、フェーズドアレイアンテナ装置1にビームステアリングをさせるため、フェーズドアレイアンテナ装置1に対する一次放射機60のビーム指向性制御及びフェーズドアレイアンテナ装置1の移相制御と、に関するものである。
【0038】
最初に、一次放射機60は、飛行船94の位置を特定するために、レーダ処理部68により任意空間のスキャンを開始する。複雑な形状をした飛行船94やフェーズドアレイアンテナ装置1は、レーダ波に対する一定の反射波を出す。レーダ処理部68は、ビーム制御器66により、任意空間のスキャンを行い、フェーズドアレイアンテナ装置1の存在する方向を探る(ステップS10)。フェーズドアレイアンテナ装置1に一次放射機60からのビームが当たらず、電源給電が開始されない場合であっても、レーダ処理部68は、飛行船94などからの反射波を測定(ステップS20)し、初期補足を実行する(ステップS30)。
【0039】
フェーズドアレイアンテナ装置1にビームが当たり、電源給電が開始(ステップS60)されると、フェーズドアレイアンテナ装置1の移相制御が開始(ステップS70)される。また、一次放射機60は、フェーズドアレイアンテナ装置1のパネル姿勢を調べる為にフェーズドアレイアンテナ装置1からの反射波を大きくする目的で、完全反射素子25を用いて一次放射器60からの送信波を反射させる反射モード信号を送信する(ステップS40)。フェーズドアレイアンテナ装置1は、反射モード信号を受信する(ステップS80)と、スイッチ26を切替えて反射モードかつ広角ビームとする。フェーズドアレイアンテナ装置1からの反射波が安定することにより、より精度の高いビーム制御をフェーズドアレイアンテナ装置1に対して行うことが可能となる。また、所定周期で反射モード(ステップS90)に変更させることで、トラッキング処理(ステップS50)を繰り返すことになる。
【0040】
また、電源供給を効率よく行うために、パネルの姿勢を一次放射機60からのビームに対してできるだけ鉛直を保つように飛行船94の姿勢を制御を行うことも可能である。本実施形態では、透過型の移相器ユニット10を用い、各送受信アンテナ間の相対位相関係によってビーム制御が行われるため、パネルの微妙な姿勢変化による送受信ビームの屈折の変動を打ち消すことができ、飛行船94の大まかな姿勢制御で済むという効果もある。
【0041】
なお、本実施形態では、移相制御信号を変調してパッシブ移相器パネルに送信したが、これに限るものではなく、図1の一次放射機60とパッシブ移相器パネル70が近接している場合には、微小電力無線LAN等を用いて各移相器ユニットの移相制御信号、及び移相変更トリガ信号なども送信してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施形態に係るフェーズドアレイアンテナ装置の構成を示す構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係る透過型のフェーズドアレイアンテナ装置の概要を説明する説明図である。
【図3】本発明の実施形態に係るパッシブ移相器パネルの断面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る反射型のフェーズドアレイアンテナ装置の構成を示す構成図である。
【図5】本発明の実施形態に係るフェーズドアレイアンテナ装置を搭載した通信システムを説明する説明図である。
【図6】従来の空間給電によるフェーズドアレイアンテナ装置の構成を示す構成図である。
【図7】本発明の実施形態に係るビーム指向性制御処理の流れを示すフローチャート図である。
【図8】従来の電波給電装置の構成を示す構成図である。
【符号の説明】
【0043】
1,2,100 フェーズドアレイアンテナ装置、3 通信システム、10 移相器ユニット、11,19,29,39,49,111,121,131,141 送受信アンテナ素子、12 MEMS移相器、13 レジスタ、14 デコーダ、15 復調器、16 受信機、17 分配器、18 送信アンテナ素子、25 完全反射素子、26 スイッチ、51 検波器、52 コンデンサ、53 電圧安定器、60 一次放射機、61 送信部、62 制御部、63 変調器、64 合成器、65 送信アンテナ、66 ビーム制御器、67 受信機、68 レーダ処理部、70 パッシブ移相器パネル、72 パネルフレーム、75 取り付けアーム、92 移動無線局、94 飛行船、110,120,130,140 移相器ユニット、111,121,131,141 送受信アンテナ素子、112 デジタル移相器、113 完全反射素子、114 シリアルパラレル変換器、115 電圧安定器、152 制御部、153 電源、154 送信機、155 送信アンテナ、200 電波給電装置、201 受電局、202 給電局、211,221 アンテナ、212,222 送受信切替え手段、213 自己情報送信手段、214 電力検出手段、224 目標検出手段、225 目標情報解読手段、227 電力送信手段、228 アンテナビーム制御手段、233 受信手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信アンテナからの電波を受信するアレイ状に配列された複数のアンテナ素子と、各アンテナ素子にそれぞれ接続される移相器と、複数のアンテナ素子に電波を送信する一次放射器と、を有し、各アンテナ素子で受信された電波の位相を各移相器によって制御し、位相が制御された電波を各アンテナ素子から送信するフェーズドアレイアンテナ装置において、
一次放射器は、各アンテナ素子の相対位相を制御する移相制御信号が変調された電波を送信し、
アンテナ素子と移相器とを一体化したアンテナモジュールは、
アンテナ素子で受信した電波を分配する分配器と、
分配された電波から移相制御信号を復調する復調器と、
分配された電波から電源電力を取得する電源取得器と、
を有し、電源取得器からの電源で駆動されることを特徴とするフェーズドアレイアンテナ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のフェーズドアレイアンテナ装置において、
各移相器は、復調器で復調された移相制御信号により、それぞれ制御されることを特徴とするフェーズドアレイアンテナ装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のフェーズドアレイアンテナ装置において、さらに、
移相器は、消費電力の少ないMEMSスイッチを用いたMEMS移相器であることを特徴とするフェーズドアレイアンテナ装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載のフェーズドアレイアンテナ装置において、さらに、
移相器は、反射型移相器又は透過型移相器であることを特徴とするフェーズドアレイアンテナ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−81667(P2009−81667A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−249488(P2007−249488)
【出願日】平成19年9月26日(2007.9.26)
【出願人】(000004330)日本無線株式会社 (1,186)
【Fターム(参考)】