説明

フォトレジスト組成物

酸に対して不安定な保護基を有する側鎖をもつメタノフラーレン誘導体が記載される。このメタノフラーレン誘導体は、フォトレジスト材料、特にポジティブトーンのフォトレジストとしての用途がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、いくつかのメタノフラーレン誘導体に関する。これらの材料はフォトレジスト材料として有用である。本発明はまた、これらメタノフラーレン誘導体のフォトレジスト材料としての使用にも、またメタノフラーレン誘導体を含むフォトレジスト組成物にも、さらにまた、少なくとも1つのメタノフラーレン誘導体を含む被覆層を形成することを含む、基板上にパターン化したレジスト層を形成する方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、IC、LSIなどの様々な種類の電子装置または半導体装置の製造工程は、半導体シリコンウェハなどの基板の表面における、レジスト層の微細なパターン化を含んでいる。この微細なパターン化処理は、従来より、基板表面がポジティブトーンまたはネガティブトーンのフォトレジスト組成物の薄層で均一に覆われる、フォトリソグラフ法によって行われてきた。次いで、フォトレジスト組成物には、フォトマスク(これは、ガラス上のクロムパターンなどの受動マスク、放射線を選択的に偏向させる鏡などの能動マスク、または、たとえば電磁石または静電場を用いて、荷電粒子放射線を選択的に偏向させることによって形成される仮想マスクであってよい)を通して、化学放射線(紫外光など)が選択的に照射される。この照射に続いて、化学放射線に曝された領域(ポジティブトーンのフォトレジストの場合)または曝されていない領域(ネガティブトーンのフォトレジストの場合)の、フォトレジスト層を選択的に溶解除去する現像処理が行われて、基板表面にパターン化されたレジスト層が残される。パターン化されたレジスト層は、その後、後続の基板表面の処理(エッチングなど)においてマスクとして利用される。
【0003】
ナノメートルオーダーの寸法を有する構造の形成は、量子閉じ込め効果などの現象を利用する電子装置および光学装置の実現を可能にし、また、高い部品充填密度を可能にするので、非常に関心の高い領域である。結果として、レジスト層は、従来の紫外光よりも短い波長を有する化学放射線を使用することによってのみ達成され得る、向上し続ける微細さを有することが、必要とされる。したがって、電子線(eビーム)、エキシマレーザビーム、EUVおよびX線が、短波長化学線として一般に使用されるようになっている。入手可能な構造の最小の寸法は、化学放射線の波長および使用するレジスト材料の性能の双方によって定まる。
【0004】
好適なレジスト材料として、様々な材料が提案されてきた。これらには、メタクリル樹脂系、ポリスチレン系、およびノボラック樹脂系の材料などの、有機の樹脂性材料が含まれる。ポリマ架橋に基づくネガティブトーンレジストの場合、約10nmという本来的な分解能限界が存在し、これは単一のポリマ分子の概略の半径である。
【0005】
「化学増幅」と呼ばれる技術をレジスト材料に適用することも知られている。化学増幅されたレジスト材料は、概して、エッチングに対する材料の耐性および機械的安定性などの特性に寄与するノボラック樹脂などの主たるレジスト成分;レジストに所望の特性をもたらす随意的な1つ以上の追加の成分;および増感剤を含む、多成分剤形である。定義上、化学増幅は、単回の照射事象が主レジスト成分の多くの分子を「曝露」させる結果になる、増感剤を含んだ触媒過程を通して生じる。一般的な例では、レジスト材料は、ポリマ(主レジスト成分)及び光酸発生剤(PAG)(増感剤)を含む。(化学放射線を)照射されると、PAGはプロトンを放出し、このプロトンは、次いでポリマの分子と反応して、分解阻害基を失わせる(ポジティブトーンレジストの場合)。この過程において、第2のプロトンが発生し、第2のプロトンは、次いで、他の分子と反応し得る。反応の速度は、たとえば、反応を進めるようにレジストフィルムを加熱することによって、制御可能である。反応したポリマ分子は、「現像剤」(溶媒)に可溶であり、したがって、除去することが可能であり、一方、未反応のポリマは除去されず、パターン化したレジスト層として定位置に残る。このように、少数の照射事象が多数の曝露事象を起こすので、化学放射線に対する材料の感度が大幅に高められる。
【0006】
国際公開公報WO2006/030234A2は、光酸発生剤およびエポキシノボラック架橋剤を有する組成物における、あるメタノフラーレン誘導体のネガティブトーンフォトレジストとしての使用を記載している。これらのフォトレジストは、良好な感度、分解能、および高いエッチング耐性を示した。しかし、照射後のレジストの現像は有毒な有機溶媒の使用を必要とし、これは産業上不利益である。
【0007】
したがって、先行技術に関連する不利益の1つ以上を未然に防ぐまたは軽減することが可能な、フォトレジストが切望されている。
【発明の概要】
【0008】
本発明の第1の側面に従えば、一般式C2xのフラーレンコアおよび少なくとも1つの一般式(I)の付加基を含むフラーレン誘導体が提供され、
【0009】
【化1】

【0010】
xは少なくとも10であり、RおよびRは別個のまたは結合した有機基であって、少なくとも一方が一般式(III)の構造を有し、
【0011】
【化2】

【0012】
ここで、Rはアルキレン、アルケニレン、アリーレン、エーテル、チオエーテル、およびこれらの組み合わせから選択される有機基であり、Rは(IV)〜(VIII)から選択され、
【0013】
【化3】

【0014】
【化4】

【0015】
【化5】

【0016】
【化6】

【0017】
【化7】

【0018】
はCHでありかつRはCH、CHCHもしくはCH(CHであり、またはRはCH(CHでありかつRはCH(CHもしくは(IX)〜(XIX)から選択され、
【0019】
【化8】

【0020】
【化9】

【0021】
【化10】

【0022】
【化11】

【0023】
【化12】

【0024】
【化13】

【0025】
【化14】

【0026】
【化15】

【0027】
【化16】

【0028】
【化17】

【0029】
【化18】

【0030】
がエーテルでありかつRが構造(IV)であるものを除く。
理論によって束縛されることを望むのではないが、構造(XV)〜(XIX)が、質量分析を用いる検出に特に好適であると考えられる。
【0031】
いくつかの実施形態において、メタノフラーレン誘導体は、このような付加基を2つ以上含んでよく、2つ以上の付加基は同じでも異なってもよい、ことが理解されよう。いくつかのさらなる実施形態において、メタノフラーレン誘導体は、このような付加基を1つ〜6つ有する。いくつかのさらなる実施形態において、メタノフラーレン誘導体は、このような付加基を1つ、2つ、4つまたは6つ有する。また、単一の付加基における基RおよびRは、同じでも異なってもよい。いくつかの実施形態において、フラーレンコアは、1つ以上の、たとえば水酸基などのさらなる付加基を有してよい。
【0032】
いくつかの実施形態において、Rはアリーレンを含む。いくつかのさらなる実施形態において、RおよびRの少なくとも1つは、一般式(A)の構造を有し、
【0033】
【化19】

【0034】
ここで、Rはアルキレン、アルケニレン、アリーレン、エーテル、チオエーテルから選択される有機基であり、Rはアリーレンまたはアリーレンエーテルである。いくつかのさらなる実施形態において、Rは、たとえばp−フェニレンエーテルなどのフェニレンエーテルである。
【0035】
いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つは、一般式(XXI)の構造を有し、
【0036】
【化20】

【0037】
ここで、n=1〜10である。いくつかのさらなる実施形態において、n=2である。いくつかのさらなる実施形態において、Rは構造(VI)を有する。
【0038】
基RおよびRは、1価であってよい(つまり、式(I)の炭素原子のみに結合し、他端は自由である)ことが理解されよう。これに代えてまたはこれに加えて、基RおよびRは、多価であって、式(I)の炭素原子への結合と、たとえば付加した有機基またはフラーレンコアへの追加の結合とを有してもよい。
【0039】
これらの化合物は、光酸発生剤を有するフォトレジスト組成物における使用に好適である。理論によって束縛されることを望むのではないが、光酸発生剤への照射は酸を生成させ、この酸が、基Rを極性の官能基へと変換して、メタノフラーレン誘導体の極性溶媒への溶解度を向上させる、と考えられる。これは、たとえば水および/またはイソプロピルアルコールなどの極性溶媒中でのポジティブトーンのフォトレジストの現像を可能にする。このような溶媒は、同等の非極性溶媒よりも、環境に対する害が少ない。特に、水溶液中でフォトレジストを現像する能力が注目される。
【0040】
もちろん、有機基RおよびRは、ネガティブトーンのレジストとしての使用を可能にする官能基を(同一の分子内に、および、さらには同一の基内に)有してもよい。たとえば、これらの基は、適切な化学放射線への曝露によって(本来的に、または架橋剤の添加により)架橋構造を形成することが可能な、重合可能な官能基を有してよい。曝露条件および/または適切なフォトレジスト組成物を調整することによって、同じメタノフラーレン誘導体を異なる機能に利用することが可能になる。
【0041】
いくつかの実施形態において、フラーレンコアはC50、C60およびC70から選択される。いくつかのさらなる実施形態において、フラーレンコアはC60である。
【0042】
いくつかの実施形態において、Rは1〜20個の炭素原子を有する。いくつかのさらなる実施形態において、Rは1〜10個の炭素原子を有する。たとえば、Rはメチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン、ノナメチレン、もしくはデカメチレン、またはこれらの分岐異性体でよい。これに代えて、Rはオキシエチル、ジ(オキシエチル)、トリ(オキシエチル)、テトラ(オキシエチル)、ペンタ(オキシエチル)、またはヘキサ(オキシエチル)でもよい。ノナ(オキシエチル)までのより長いオリゴマーも、他のエーテルユニットのオリゴマーと同じく、想定されている。
【0043】
理論によって束縛されることを望むのではないが、式(V)のt−ブチルエステルの酸系での脱保護は、カルボン酸を露出させ、これによって、付加基の極性を著しく高めると考えられる。同様に、式(IV)のエーテルまたは式(VI)のカルボネートの酸系での脱保護は、水酸基を露出させて極性を高めると考えられる。
【0044】
本発明の第2の側面に従えば、第1の側面によるメタノフラーレン誘導体のフォトレジスト材料としての使用が提供される。
【0045】
いくつかの実施形態において、この使用は、ポジティブトーンのフォトレジスト材料としての使用を含む。いくつかの代替の実施形態において、前記使用は、ネガティブトーンのフォトレジスト材料としての使用を含む。
【0046】
本発明の第3の側面に従えば、一般式C2xのフラーレンコアおよび少なくとも1つの一般式(I)の付加基を含むメタノフラーレン誘導体の使用であって、
【0047】
【化21】

【0048】
xは少なくとも10であり、RおよびRは別個のまたは結合した有機基であって、少なくとも一方が一般式(III)の構造を有し、
【0049】
【化22】

【0050】
ここで、Rは有機エーテルであり、Rは(IV)である
【化23】

【0051】
メタノフラーレン誘導体のポジティブトーンのフォトレジスト材料としての使用が提供される。
【0052】
本発明の第4の側面に従えば、本発明の第1の側面によるメタノフラーレン誘導体を含むフォトレジスト組成物が提供される。
【0053】
いくつかの実施形態において、フォトレジスト組成物はさらに増感剤を含む。いくつかのさらなる実施形態において、増感剤は光酸発生剤(PAG)を含む。好適な光酸発生剤の例には、トリフェニルスルホニウムトリフレート、ジフェニルヨードニウムトリフレート、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、およびトリス(4−t−ブチルフェニル)スルホニウムペルフルオロ−1−ブタンスルホネートが含まれる。
【0054】
いくつかの実施形態において、フォトレジスト組成物は、さらに、増感剤の活性を失わせる失活剤を含む。いくつかのさらなる実施形態において、増感剤は光酸発生剤を含み、失活剤は塩基性の失活剤を含む。たとえば、失活剤はトリプロピルアミンでよい。
【0055】
本発明の第5の側面に従えば、メタノフラーレン誘導体を含む被覆層を基体表面に形成することを含む、基体にパターン化されたレジスト層を形成する方法であって、
メタノフラーレン誘導体が、一般式C2xのフラーレンコアおよび少なくとも1つの一般式(I)の付加基を含み、
【0056】
【化24】

【0057】
xは少なくとも10であり、RおよびRは別個のまたは結合した有機基であって、少なくとも一方が一般式(III)の構造を有し、
【0058】
【化25】

【0059】
ここで、Rはアルキレン、アルケニレン、アリーレン、エーテル、チオエーテル、およびこれらの組み合わせから選択される有機基であり、Rは(IV)〜(VIII)から選択され、
【0060】
【化26】

【0061】
【化27】

【0062】
【化28】

【0063】
【化29】

【0064】
【化30】

【0065】
はCHでありかつRはCH、CHCHもしくはCH(CHであり、またはRはCH(CHでありかつRはCH(CHもしくは(IX)〜(XIX)から選択され、
【0066】
【化31】

【0067】
【化32】

【0068】
【化33】

【0069】
【化34】

【0070】
【化35】

【0071】
【化36】

【0072】
【化37】

【0073】
【化38】

【0074】
【化39】

【0075】
【化40】

【0076】
【化41】

【0077】
被覆層の選択された領域を、必要なパターンに応じて化学放射線で照射し;被覆層の照射された領域を除去する方法が提供される。
【0078】
いくつかの実施形態において、被覆層は、照射の前に、前記第4の側面によるフォトレジスト組成物を含む。
【0079】
いくつかの実施形態において、基体表面における被覆層の形成は、溶媒中の少なくとも前記メタノフラーレン誘導体の溶液を塗布し、次いで溶媒を除去することを含む。いくつかのさらなる実施形態において、溶媒はクロロホルム、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、アニソール、3−エトキシプロピオン酸エチル、アセトン、イソプロピルアルコール/水、クロロベンゼン/イソプロピルアルコール、乳酸エチル、およびプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)から選択される。いくつかのさらなる実施形態において、溶媒はクロロホルムおよびPGMEAから選択される。
【0080】
いくつかの実施形態において、化学放射線は、電子線(e−ビーム)および極紫外線(EUV)から選択される放射線を含む。
【0081】
いくつかの実施形態において、被覆層の照射された領域の除去は、極性溶媒で被覆層を処理すること含む。いくつかのさらなる実施形態において、極性溶媒は、水(純粋な脱イオン水など)またはイソプロピルアルコール(IPA)を含む。いくつかのさらなる実施形態において、極性溶媒は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)または他の四級アンモニウム塩溶液(たとえば、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド(TBAH)もしくはテトラプロピルアンモニウムヒドロキシド(TPAH)など)を含む。四級アンモニウム塩は、水溶液中に、または、熟練した読者には直ちに判るように、イソプロピルアルコールおよびTMAHなどの、異なる溶媒の混合物中に存在してよい。たとえば、極性溶媒は、痕跡量の何らかの他の溶質のみを含む、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液から構成されてよい。これに代えて、極性溶媒は、1つ以上の現像剤増強溶質をさらに含んでよい。たとえば、極性溶媒は、1つ以上のシクロデキストリンを有するTMAHの水溶液を含んでよい。
【0082】
いくつかの実施形態において、この方法は、化学放射線での照射と照射された領域の除去との間に、被覆された基体を加熱することをさらに含む。いくつかのさらなる実施形態において、加熱は、80〜140℃、90〜120℃、または95〜110℃に加熱することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0083】
以下、添付の図面を参照して、本発明の典型的な実施形態をさらに説明する。
【図1】単一の付加基を有する(モノ−MF)典型的なメタノフラーレン誘導体1を示す図。
【図2】6つの付加基(ヘキサ−MF)、2つの付加基(ジ−MF)および1つの付加基(モノ−MF)を有するメタノフラーレン誘導体で、光酸発生剤の濃度を変えて、照射および現像の後に、得られる膜厚を示す図。
【図3】6つの付加基(ヘキサ−MF)を有するメタノフラーレン誘導体で、光酸発生剤の混合物を変えて、照射および現像の後に、得られる膜厚を示す図。
【図4】11nC/cmのライン線量でパターン化し、次いでMCB:IPA[1:1]中で10秒間現像しIPAで洗浄した、純粋なヘキサ−MFレジストにおける80nmピッチの30nmの線のネガティブ像を示す図。
【図5】50重量%のPAGで化学増幅し、次いでDI水中で10秒間現像した、ヘキサ−MFレジストにおける120nmピッチの40nmの線の像を示す図。
【図6】60重量%のPAGで化学増幅し、次いで0.026NのTMAH中で現像しDI水で洗浄した、ジ−MFレジストにおける100nmピッチの25nmの線の像を示す図。
【図7】市販のネガティブトーンレジスト材料と、本発明のポジティブトーンレジスト材料との相対的なエッチング耐性を比較した図。
【図8】2つの付加基(ジ−MF)を有するメタノフラーレン誘導体で、極紫外線(EUV)放射の曝露を変えて、照射および現像の後に、得られる膜厚を示す図。
【図9】EUVを用いるフォトレジスト材料の高分解能パターニングを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0084】
実施例1: メタノフラーレン誘導体の合成
メタノフラーレン誘導体(モノ−MF、ジ−MF、テトラ−MFおよびヘキサ−MF)を、スキームIに示すように、ビスマロン酸エステルとC60との変更ビンゲルシクロプロパン化反応によって合成した。
【0085】
【表1】

【0086】
1,8−ジアゾビシクロ(5,4,0)−7−ウンデセン(63.3mg,0.41mmol)の乾燥脱ガスPhMe溶液(25ml)を、N雰囲気下で、アルミホイルで覆った丸底フラスコ内の、C60(100mg,0.13mmol)、CBr(69.0mg,0.20mmol)およびビスマロン酸エステル(124mg,0.20mmol)の氷冷した乾燥N脱ガスPhMe(100ml)溶液に、撹拌しつつ滴下した。反応液を、一夜撹拌して、室温に戻した。続いて、プラグろ過(シリカゲル)を行い、まず、余剰のC60を除去するためにPhMeで洗浄し、次いで、生成物を溶出するためにCHCl/EtOAcの混合液で洗浄した。第2の画分を真空下で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィ(CHCl/EtOAc)で精製して、モノ−付加体(IV)を暗褐色の固体(45mg,30%)として得た。H−NMR(300MHz,CDCl):δ=4.58(m,3H),4.52(s,1H),4.46(s,1H),4.05(s,3H),3.58(m,4H),3.86(s,16H),1.47(m,18H)。13C−NMR(75MHz,CDCl):δ=164.1,145.3,145.2,144.6,143.9,143.0,142.0,141.9,140.9,71.0,70.7,69.0,68.8,66.2,28.1,28.0。m/z(FABMS):1314(M+Na)+。
【0087】
モノ−MF(1)について記載されている一般的な手順に従って、以下の化合物を調製した。ジ−付加体 ジ−MF:C60(100mg,0.13mmol)、CBr(69mg,0.20mmol)、ビスマロン酸エステル(166mg,0.27mmol)、および1,8−ジアゾビシクロ(5.4.0)−7−ウンデセン(63.3mg,0.41mmol)から。これは、暗褐色の固体(47mg,31%)を与えた。m/z(FABMS):1932[M+Na]+。トリ−付加体 トリ−MF:C60(100mg,0.13mmol),CBr(69mg,0.20mmol),ビスマロン酸エステル(248mg,0.51mmol)、および1,8−ジアゾビシクロ(5.4.0)−7−ウンデセン(63.3mg,0.41mmol)から。これは、暗褐色の固体(38mg,37%)を与えた。m/z(FABMS):2527[M+Na]+。
【0088】
ヘキサ−付加体 ヘキサ−MFを以下の処理に従って調製した:トルエン(100ml)中のC60(100mg,0.13mmol)および9,10−ジメチルアントラセン(DMA)(286mg,1.39mmol)の溶液を、室温で2時間撹拌した。次いで、CBr(461mg,1.39mmol)およびビスマロン酸エステル(828g,1.39mmol)を加え、さらに、1,8−ジアゾビシクロ(5.4.0)−7−ウンデセン(DBU)(422mg,2.8mmol)を滴下した。反応混合物を24時間撹拌し、その後、焼結ガラスフィルタファネル中のシリカゲルプラグでろ過し、まずトルエンで溶出して余剰のC60を除去し、次いで、生成物をCHCl/MeOH(20:1)で溶出した。第2の画分を真空下で濃縮し、暗褐色の固体を得て、これをさらに、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン/CHCl,1:1)で精製して、ヘキサ−付加体(VII)を褐色の固体(47mg,37%)として得た。m/z(FABMS):4287[M+Na]+。
【0089】
実施例2: レジストフィルムの調製
全ての実験において、レジストフィルムは同じ方法で調製した。4インチの高濃度にドープしたn型シリコンウェハから、矩形の4cmのチップを劈開することによって、基板を調製した。Riedel−de Haenからの半導体等級のPuranal化学品を使用して、洗浄を行った。チップを、IPA中で15分間超音波洗浄し、次いで、脱イオン(DI)水(Purite Neptune,18.2MΩcm)流中で1分間洗浄した。HSO(95〜98%)/H[1:1]に10分間浸し、次いで、DI流水に1分間浸し、フッ化水素酸の弱い水溶液に1分間浸し、最後に、DI流水中で1分間すすぐことによって、チップ上に水素終端化表面を調製した。次いで、基板を窒素で乾燥して、直ちに(2時間以内に)使用した。15〜40dgm−3の溶液強度の、クロロホルムまたはPGMEAなどの適切な流延溶媒にメタノフラーレン誘導体を溶解し、シリコン基板に1000〜3000rpmの速度で60秒間スピンコートすることによって、レジスト膜を調製した。可能な場合には、塗布後ベークを施した。適当な割合で光酸発生剤を流延溶媒に加えることによって、化学増幅(CA)膜を調製した。任意に、塩基性失活剤のトリプロピルアミンを加えることが可能である。
【0090】
実施例3: 感度評価測定
電子照射に対するレジストの感度を、FEI XL30SFEG電界放射型走査電子顕微鏡を使用して評価した。フィルムの1辺100μmの矩形領域を、20keVのビームエネルギーかつ200〜500pAの電流で、5×10−7〜1×10−3C/cmの範囲の電子線量に曝露した。線量は、曝露中のサンプルにて測定し、曝露の前後にファラデーカップで較正したビーム電流から算出した。曝露後ベークは施さなかった。曝露したレジスト膜を、TMAHの水溶液に10〜60秒間浸して現像し、DI水ですすぎ、窒素で乾燥した。
【0091】
レジストの曝露領域の現像後の残存厚さを、接触式表面プロファイラ(Dektak 3st Auto)で測定し、曝露線量に対してプロットした。プロットした膜厚を、完全に保持された領域の平均の測定厚さを用いて規格化した。ポジティブトーンのレジストについては、感度は、膜を消失させる線量と定義し、コントラストは、曲線の直線部分の傾斜から計算することが可能である。
【0092】
図2は、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートを光酸発生剤(PAG)として使用する、化学増幅したヘキサ−MF(図2a)、ジ−MF(図2b)、およびモノ−MF 1(図2c)レジストシステムについての、応答の比較を示している。フラーレン分子における付加基の数が、レジスト特性に重大な影響を及ぼすことが見て取れる。レジストは、二重のトーン挙動を示し、つまり、レジストは、低線量領域においてはポジティブトーンのレジストであり、高線量領域においてはネガティブトーンのレジストであった。100℃、30分間の曝露後ベークを全てのサンプルに施した。
【0093】
図2(a)は、38〜55重量%の範囲の異なる4つのPAG濃度での、ヘキサ−MF(VII)レジストの応答を示している。全てのサンプルに、100℃、30分間の塗布後ベーク(PAB)を施した。レジスト膜を、TMAH溶液に代えて、DI水中で10秒間現像した。38重量%PAGでのポジティブトーンのヘキサ−MFレジストは、コントラストが2で、140μC/cmの感度を有していた。コントラストとは反対に、感度はPAG濃度が上昇するにつれて上昇し、44重量%、50重量%および55重量%のPAG濃度で、それぞれ、96μC/cm、80μC/cmおよび70μC/cmの値を示した。コントラストは徐々に低下し、55重量%のPAGを含むレジストでは、1.5であった。ネガティブトーン挙動の場合の開始線量も、PAG濃度に依存し、おおよそ150μC/cm〜200μC/cmであった。
【0094】
図2(b)は、44重量%、50重量%または60重量%のPAGを含むCAジ−MFレジストの応答を示している。レジストには、PABまたはPEBを施さなかった。これらのレジストは、0.26NのTMAH中で10秒間現像し、DI水中ですすいだ。44重量%、50重量%および60重量%の濃度のPAGを含むレジストは、それぞれ、レジスト感度が136μC/cm、114μC/cmおよび123μC/cmであり、コントラストが2.5、1.8および1.3であった。ジ−MFの感度は同じPAG濃度のヘキサ−MFの感度よりも低く、PAGをさらに追加することによって100μC/cm未満に改善することはできなかった。レジストのコントラストもPAG濃度の上昇に伴って低下することが、明らかになった。ジ−MFレジストのネガティブトーン挙動は300μC/cmでの開始線量で生じ、これはヘキサ−MFレジストのものよりも高い。これは、純粋な材料の感度の差によるのかも知れない。
【0095】
図2(c)は、異なる濃度のPAGを含むモノ−MFレジストの応答を示している。レジストには、PABまたはPEBを施さなかった。これらのレジストは、0.26NのTMAH中で60秒間現像し、DI水中ですすいだ。如何なるPAG添加量においてもレジストを完全に現像することはできず、部分的にのみ現像可能であることが判明した。処理のさらなる最適化が、モノ−MFレジストについての結果を改善するかも知れない。
【0096】
図3は、光酸発生剤としてトリアリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートおよびトリス(4−t−ブチルフェニル)スルホニウムペルフルオロ−1−ブタンスルホネートを使用して化学増幅したヘキサ−MFレジストシステムの応答を示している。各場合において、光酸発生剤の総量はレジスト材料の量に等しかった(モル数において)。ただし、PAGにおけるトリス(4−t−ブチルフェニル)スルホニウムペルフルオロ−1−ブタンスルホネートの割合を、示したように変化させた。サンプルは前述のように調製し、100℃、30分間の曝露後ベークを加え、DI水中で10秒間現像した。
【0097】
実施例4: 分解能評価測定
レジストの分解能を評価するために、FEI XL30SFEG SEMをパターンジェネレータ(Raith Elphy Quantum)と共に使用して、パターンを描いた。高分解能パターニングのために、10〜30pAのプローブ電流および50μmの視野寸法で、30keVのビーム電圧を使用した。全てのサンプルに曝露後ベークを施した。曝露した膜を、TMAHの水溶液中で10秒〜60秒間現像し、次いで、DI水中ですすぎ、その後、窒素で乾燥した。現像後のパターンの分解能を評価するために、XL30SFEG SEMを使用した。結果を図4〜6に示す。
【0098】
ヘキサ−MFレジストにおいて達成可能な最小のピッチサイズは120nmであった。レジストへの1〜4重量%のトリプロピルアミン塩基性失活剤の添加は、分解能の向上に役立たなかった。最高の分解能はジ−MFレジストに見られた。高分解能は、0.26NのTMAHでの現像では達成されなかった。0.026Nというかなり弱いTMAH溶液が、ジ−MFレジストに適していることが判明した。純粋なDI水中で現像する場合、パターニングにはより高い線量が必要であった。100nmピッチで25nm間隔という中間密度パターンを、図5に示す。このパターンは、60重量%のPAGを含むジ−MFレジストに、320μC/cmの線量で描いた。このサンプルにはPABまたはPEGを施さなかった。レジストは、0.026N中で10秒間現像し、DI水中ですすいだ。
【0099】
実施例5: エッチング耐性
ポジティブトーンフラーレンレジストのプラズマエッチングに対する耐性を、Oxford InstumentsのNGP80誘導結合プラズマエッチング装置(ICP)を用いて評価した。レジストパターンで保護したシリコン基板を、異方的にエッチングして、シリコンとレジストとのエッチング選択性を計算した。対照として、市販の(ネガティブトーン)レジストSAL601(Rohm and Haas)を、同時にエッチングした。エッチングプロセスには、それぞれ20sccmおよび30sccmの流速のSF6およびC4F8の混合物を採用した。サンプルを、20WのRF電力、220WのICP電力、15mTorrの圧力、20℃の温度で、エッチングした。シリコンのエッチング耐性に対する種々のレジストの相対的なエッチング耐性を図7に示す。SAL601レジストのエッチング耐性はシリコンのエッチング耐性よりも5.4倍大きかった。ヘキサ−付加体tBAC:トリアリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートレジストは、同程度の値のエッチング耐性を示した。これらは、44重量%、50重量%、および60重量%のPAG添加において、それぞれ、シリコンのエッチング耐性の3.7倍、3.5倍および3.8倍であった。ジ−付加体tBAC:トリアリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートレジストのエッチング耐性は、ヘキサ−付加体誘導体について説明したエッチング耐性よりも高く、SAL601と同程度であった。これらは、レジストにおけるPAGの量が44重量%、50重量%、および60重量%と上昇するにつれて、それぞれ、シリコンのエッチング耐性の5.6倍、5倍および4.7倍と減少した。従来技術においては、ポジティブトーンレジストはネガティブトーンレジストよりもはるかに低いエッチング耐性を示す傾向にあったので、同程度のエッチング耐性を提供する本発明のポジティブトーンレジストの能力は、著しい改善を示している。
【0100】
実施例6: EUV曝露
サンプルを実施例2と同様に調製した。使用したフラーレンは、tBAC保護された材料であるジ−付加体異形(ジ−MF)である(図1)。PAG(トリアリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート)を、フラーレンレジスト材料に対して1:1の比率で加えた。塗布後ベークは施さなかった。スイスのPSIのSwiss Light SourceのX線干渉リソグラフィツールを使用して、レジスト膜をある範囲の線量の極紫外線に曝した。一連の曝露を、実施例3での曝露と同様にして行った。この場合、膜には曝露後ベークを施さなかった。0.026Nの濃度のTMAHの溶液を用いて膜を現像し、DI水中ですすいだ。図8は、EUVの照射に対する材料の応答を示している。約10〜15mJ/cmという過剰の線量が、材料を現像液に完全に溶解させるのに対し、約5mJ/cm未満の線量は、材料に影響を及ぼさないことが、はっきりと見て取れる。
【0101】
図9は、極紫外線を用いたポジティブトーン材料の高分解能パターニングの結果を示している。レジストにおいて、200nmのピッチの線を、PSIツールにおけるマスク位置での215mJ/cmという線量で曝露した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式C2xのフラーレンコアおよび少なくとも1つの一般式(I)の付加基を含むメタノフラーレン誘導体であって、
【化1】

xは少なくとも10であり、RおよびRは別個のまたは結合した有機基であって、少なくとも一方が一般式(III)の構造を有し、
【化2】

ここで、Rはアルキレン、アルケニレン、アリーレン、エーテル、チオエーテル、およびこれらの組み合わせから選択される有機基であり、Rは(IV)〜(VIII)から選択され、
【化3】

【化4】

【化5】

【化6】

【化7】

はCHでありかつRはCH、CHCHもしくはCH(CHであり、またはRはCH(CHでありかつRはCH(CHもしくは(IX)〜(XIX)から選択され、
【化8】

【化9】

【化10】

【化11】

【化12】

【化13】

【化14】

【化15】

【化16】

【化17】

【化18】

がエーテルでありかつRが構造(IV)であるものを除く、ことを特徴とするメタノフラーレン誘導体。
【請求項2】
1つ〜6つの一般式(I)の付加基を有することを特徴とする、請求項1に記載のメタノフラーレン誘導体。
【請求項3】
がアリーレンを含むことを特徴とする、請求項1または2に記載のメタノフラーレン誘導体。
【請求項4】
およびRの少なくとも1つが、一般式(A)の構造を有し、
【化19】

ここで、Rはアルキレン、アルケニレン、アリーレン、エーテル、チオエーテルから選択される有機基であり、Rはアリーレンまたはアリーレンエーテルであることを特徴とする、請求項3に記載のメタノフラーレン誘導体。
【請求項5】
がp−フェニレンエーテルであることを特徴とする請求項4に記載のメタノフラーレン誘導体。
【請求項6】
およびRの少なくとも1つが、一般式(XXI)の構造を有し、
【化20】

ここで、n=1〜10であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のメタノフラーレン誘導体。
【請求項7】
n=2であることを特徴とする、請求項6に記載のメタノフラーレン誘導体。
【請求項8】
が構造(VI)を有することを特徴とする、請求項6または請求項7に記載のメタノフラーレン誘導体。
【請求項9】
フラーレンコアがC50、C60およびC70から選択されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載のメタノフラーレン誘導体。
【請求項10】
が1〜20個の炭素原子を有することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載のメタノフラーレン誘導体。
【請求項11】
がメチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン、ノナメチレン、デカメチレン、およびこれらの分岐異性体、ならびに、オキシエチル、ジ(オキシエチル)、トリ(オキシエチル)、テトラ(オキシエチル)、ペンタ(オキシエチル)、およびヘキサ(オキシエチル)から選択されることを特徴とする、請求項10に記載のメタノフラーレン誘導体。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項に記載のメタノフラーレン誘導体のフォトレジスト材料としての使用。
【請求項13】
ポジティブトーンのフォトレジスト材料としての使用であることを特徴とする請求項12に記載の使用。
【請求項14】
ネガティブトーンのフォトレジスト材料としての使用であることを特徴とする請求項13に記載の使用。
【請求項15】
一般式C2xのフラーレンコアおよび少なくとも1つの一般式(I)の付加基を含むメタノフラーレン誘導体の使用であって、
【化21】

xは少なくとも10であり、RおよびRは別個のまたは結合した有機基であって、少なくとも一方が一般式(III)の構造を有し、
【化22】

ここで、Rは有機エーテルであり、Rは(IV)である
【化23】

メタノフラーレン誘導体のポジティブトーンのフォトレジスト材料としての使用。
【請求項16】
請求項1〜11のいずれか1項に記載のメタノフラーレン誘導体を含むことを特徴とするフォトレジスト組成物。
【請求項17】
さらに増感剤を含むことを特徴とする請求項16に記載のフォトレジスト組成物。
【請求項18】
増感剤が光酸発生剤を含むことを特徴とする請求項17に記載のフォトレジスト組成物。
【請求項19】
増感剤の活性を失わせる失活剤をさらに含むことを特徴とする、請求項17または請求項18に記載のフォトレジスト組成物。
【請求項20】
メタノフラーレン誘導体を含む被覆層を基体表面に形成することを含む、基体にパターン化されたレジスト層を形成する方法であって、
メタノフラーレン誘導体が、一般式C2xのフラーレンコアおよび少なくとも1つの一般式(I)の付加基を含み、
【化24】

xは少なくとも10であり、RおよびRは別個のまたは結合した有機基であって、少なくとも一方が一般式(III)の構造を有し、
【化25】

ここで、Rはアルキレン、アルケニレン、アリーレン、エーテル、チオエーテル、およびこれらの組み合わせから選択される有機基であり、Rは(IV)〜(VIII)から選択され、
【化26】

【化27】

【化28】

【化29】

【化30】

はCHでありかつRはCH、CHCHもしくはCH(CHであり、またはRはCH(CHでありかつRはCH(CHもしくは(IX)〜(XIX)から選択され、
【化31】

【化32】

【化33】

【化34】

【化35】

【化36】

【化37】

【化38】

【化39】

【化40】

【化41】

被覆層の選択された領域を、必要なパターンに応じて化学放射線で照射し;被覆層の照射された領域を除去することを特徴とする方法。
【請求項21】
被覆層が、照射の前に、請求項16〜19のいずれか1項に記載のフォトレジスト組成物を含むことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
基体上への被覆層の形成が、溶媒中の少なくとも前記メタノフラーレン誘導体の溶液を塗布し、次いで溶媒を除去することを含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
溶媒が、クロロホルム、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、アニソール、3−エトキシプロピオン酸エチル、アセトン、イソプロピルアルコール/水、クロロベンゼン/イソプロピルアルコール、乳酸エチル、およびプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)から選択されることを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
化学放射線が、電子線および極紫外線(EUV)から選択される放射線を含むことを特徴とする請求項20〜23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
被覆層の照射された領域の除去が、極性溶媒で被覆層を処理すること含むことを特徴とする請求項20〜24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
化学放射線での照射と照射された領域の除去との間に、被覆された基体を加熱することをさらに含むことを特徴とする請求項20〜25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
被覆された基体の加熱が、80〜140℃に加熱することを含むことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項28】
実質的に本明細書に記載された組成物。
【請求項29】
実質的に本明細書に記載された方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2013−511502(P2013−511502A)
【公表日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−539408(P2012−539408)
【出願日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際出願番号】PCT/GB2010/002129
【国際公開番号】WO2011/061501
【国際公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(305031567)ザ ユニバーシティ オブ バーミンガム (12)
【Fターム(参考)】