説明

フォーマー容器入り液体洗浄剤組成物

【課題】泡質、皮膚刺激感、感触及び安全性の全てにおいて十分に満足のいくフォーマー容器入り液体洗浄剤組成物を提供する。
【解決手段】(A)界面活性剤と(B)多価アルコール5〜20質量%を含有するフォーマー容器入り液体洗浄剤組成物であって、(A)界面活性剤が、(a1)N−アシルグリシン型界面活性剤、(a2)両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤、並びに(a3)高級脂肪酸石鹸を含有することを特徴とする、フォーマー容器入り液体洗浄剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォーマー容器入り液体洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚用又は毛髪用洗浄剤は、通常泡立てて使用され、そうすることで皮膚又は毛髪を傷つけることなく洗浄できることが知られている。洗浄剤には、固形状、液状、泡沫状等の剤型があるが、これらのうち泡沫状の洗浄剤は、泡立てる必要が無く、しかも簡便にクリーミィな泡が得られることから、手洗い用、洗顔用、洗髪用等の種々の用途に広く用いられている。
【0003】
泡沫状の洗浄剤は、フォーマー容器からの吐出時に泡沫状にさせるタイプのものが一般的で、フォーマー容器としては、例えばスクイズフォーマーやポンプフォーマー等のノンエアゾール型の吐出容器が挙げられる。洗浄剤組成物は、吐出時に容器の内部にある多孔質膜を通過する際に、空気と混合されて泡沫状となる。
【0004】
泡沫状の洗浄剤では、洗浄剤組成物を多孔質膜に通過させる必要があるため、低温環境下で組成物がゲル化や固化を起こしたり、組成物中の成分が析出したりすると、目詰まりが起こり、使用できなくなってしまう場合がある。
【0005】
そこで、このような問題を改善するための洗浄剤組成物が提案されている。例えば、高級脂肪酸塩と特定の成分との組合せ(特許文献1、2参照)や、N−アシルアミノ酸系アニオン性界面活性剤と特定の成分との組合せ(特許文献3〜5参照)等が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−342293号公報
【特許文献2】特開2008−94903号公報
【特許文献3】特開2001−140000号公報
【特許文献4】特開2006−183039号公報
【特許文献5】特開2006−193549号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、これらの洗浄剤組成物では、低温環境下での安定性に加えて泡質、皮膚刺激感、肌感触等についても考慮はされてはいるが、まだ改善の余地が残されていた。また、洗浄剤組成物が洗顔用である場合においては、一般にさっぱりとした肌感触が好まれているが、さっぱりとした肌感触の洗顔料は、つっぱり感を伴うものが多く、改良が求められていた。
従って、本発明の課題は、泡質、皮膚刺激感、感触及び安全性の全てにおいて十分に満足のいくフォーマー容器入り液体洗浄剤組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、界面活性剤と多価アルコールを含有するフォーマー容器入り液体洗浄剤組成物において、界面活性剤を特定の界面活性剤の組み合わせを含有する構成とすることにより、泡質がクリーミィで弾力性を有し、皮膚刺激感が緩和で、低温における安定性に優れ、更につっぱり感を伴わないさっぱりとした肌感触を有するフォーマー容器入り液体洗浄剤を提供できることを見出した。
【0009】
即ち、本発明は、(A)界面活性剤と(B)多価アルコール5〜20質量%を含有するフォーマー容器入り液体洗浄剤組成物であって、(A)界面活性剤が、(a1)N−アシルグリシン型界面活性剤、(a2)両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤、並びに(a3)高級脂肪酸石鹸を含有することを特徴とする、フォーマー容器入り液体洗浄組成物である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、泡質がクリーミィで弾力性を有し、皮膚刺激感が緩和で、つっぱり感を伴わないさっぱりとした肌感触が付与でき、さらに低温における安定性にも優れ、目詰まり等を生じないフォーマー容器入り液体洗浄剤組成物が提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の構成について詳述する。
本発明のフォーマー容器入り洗浄剤組成物に使用される(A)界面活性剤には、少なくとも(a1)N−アシルグリシン型界面活性剤、(a2)両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤、並びに(a3)高級脂肪酸が含まれる。本発明に使用される(a1)N−アシルグリシン型界面活性剤としては、例えば下記一般式(1)で示されるものが挙げられる。
【0012】
【化1】

【0013】
(式中Rは、炭素数7〜21のアルキル基又はアルケニル基を示し、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカノールアミン又は塩基性アミノ酸を示す。)
【0014】
一般式(1)で示されるもののうち、Rが炭素数7〜21のアルキル基であるものが好ましく、Rが炭素数11〜17のアルキル基であるものが特に好ましく用いられる。
N−アシルグリシン型界面活性剤の具体例としては、例えば、N−ラウロイルグリシンナトリウム、N−ラウロイルグリシンカリウム、N−ラウロイルグリシントリエタノールアミン、N−ラウロイルグリシンアルギニン、N−ミリストイルグリシンナトリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシルグリシンナトリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシルグリシントリエタノールアミン、N−牛脂脂肪酸アシルグリシンナトリウム等が挙げられる。本発明では、N−ヤシ油脂肪酸アシルグリシンナトリウムやN−ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウムが特に好適に用いられる。市販品としては、アミライトGCK−11、アミライトGCS−11(いずれも味の素社製)が入手可能である。
【0015】
上記(a1)N−アシルグリシン型界面活性剤の含有量は、洗浄剤組成物の総量を基準として0.01〜5質量%(以下、単に%と略す)が好ましく、さらに好ましくは0.05〜3%、特に好ましくは0.1〜2%である。これらの範囲内であれば、泡質のクリーミィさや弾力性、低温における安定性やさっぱりとした肌感触の面において、より優れた効果が発揮される。
【0016】
本発明に用いられる(a2)両性界面活性剤及び半極性界面活性剤のうち、両性界面活性剤としては、カルボベタイン型(アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン)、スルホベタイン型(アルキルスルホベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン)、ホスホベタイン型、イミダゾリン型(アミドアミン型)、アミドアミノ酸塩等が、半極性界面活性剤としては、第3級アミンオキシド等が挙げられる。
【0017】
具体的には、カルボベタイン型としては、例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン等のアルキルアミドベタインが挙げられる。スルホベタイン型としては、例えば、ヤシ油脂肪酸ジメチルアミノスルホプロピルベタイン等のアルキルスルホベタイン、ラウリルジメチルアミノヒドロキシスルホベタイン等のアルキルヒドロキシスルホベタインが挙げられる。ホスホベタイン型としては、例えば、ラウリルヒドロキシホスホベタイン等が挙げられる。イミダゾリン型としては、例えば、ヤシ油アルキル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
【0018】
第3級アミンオキサイドとしては、ラウラミドプロピルアミンオキシド、コカミドプロピルアミンオキシド等の脂肪酸アミドプロピルアミンオキシド、ラウリルジメチルアミンオキシド、ヤシ油アルキルジメチルアミンオキシド等のアルキル3級アミンオキシド等が挙げられる。
【0019】
これらの(a2)成分のうち、両性界面活性剤が好ましく、カルボベタイン型両性界面活性剤が泡質、使用後のつっぱり感のなさの面で、特に好ましく用いられる。
【0020】
上記(a2)両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤の含有量は、洗浄剤組成物の総量を基準として0.1〜5%が好ましく、さらに好ましくは0.5〜4%、特に好ましくは1〜4%である。これらの範囲内であれば、泡質のクリーミィさや弾力性、使用後のつっぱり感のなさ、低温における安定性の面において、より優れた効果が発揮される。
【0021】
本発明に用いられる(a3)高級脂肪酸石鹸としては、炭素数12〜22の脂肪酸をアルカリ剤で中和したものが好ましい。具体的にはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸等の塩が挙げられる。塩の種類としては、カリウム塩、ナトリウム塩等のアルカリ金属塩の他、トリエタノールアミン塩、アミノメチルプロパノール塩、アルギニン塩等の有機塩が挙げられる。高級脂肪酸石鹸の好ましいものとしては、炭素数12〜16の脂肪酸塩が挙げられ、より好ましい例としては、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸カリウム、ラウリン酸アルギニン等が挙げられる。
【0022】
上記(a3)高級脂肪酸石鹸の含有量は、泡質のクリーミィさ、皮膚刺激感の少なさ、使用後のつっぱり感のなさの面から、洗浄剤組成物の総量を基準として1〜15%が好ましく、更に好ましくは2〜12%であり、特に好ましくは3〜9%である。
【0023】
前記の如く、本発明の液体洗浄剤組成物においては、(A)界面活性剤として(a1)、(a2)及び(a3)の3種類を組み合わせて使用することが低温安定性に加えて、泡質のクリーミィさや弾力性、皮膚刺激感の少なさ、さっぱりとした肌感触及び洗浄力の点で重要であるが、本発明では、(a1)N−アシルグリシン型界面活性剤の含有量と(a2)両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤の含有量との質量比(a2/a1)を1〜5の範囲、さらに好ましくは、2〜5の範囲、特に好ましくは2〜3の範囲とすると、泡質のクリーミィさや弾力性、皮膚刺激感の少なさの面でより優れた効果が得られる。
【0024】
また、本発明では、(a1)N−アシルグリシン型界面活性剤の含有量と(a2)両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤の含有量の合計と(a3)高級脂肪酸石鹸の含有量との質量比(a3/(a1+a2))を、0.5〜15の範囲、さらに好ましくは1〜10の範囲、特に好ましくは1〜5の範囲とすると、泡質のクリーミィさや弾力性、さっぱりとした肌感触、皮膚刺激感の少なさの面において特に優れる。
【0025】
また、本発明では、(a1)、(a2)及び(a3)の合計含有量は、洗浄剤組成物の総量を基準として、2〜20%の範囲、さらに好ましくは、3〜15%の範囲、特に好ましくは5〜12%の範囲とすると、泡質のクリーミィさや弾力性、さっぱりとした肌感触の面において好ましい。
【0026】
本発明の液体洗浄剤組成物において、上記(a1)〜(a3)の必須成分を含有する(A)界面活性剤と組み合わせて使用される(B)多価アルコールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の2価アルコール;グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ヘキサグリセリン、デカグリセリン、トリメチルプロパノール等の3価以上のアルコール;エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、グルコース、マンノース、ガラクトース、ショ糖、フルクトース、マルトース、マルチトール、キシリトール、イノシトール、ソルビタン、ソルビトール等の糖又は糖アルコールなどが挙げられる。これらのうちより好ましい具体例としては、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、ソルビトール等が挙げられる。多価アルコールは、上記のものをそれぞれ単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0027】
上記多価アルコールの含有量は、洗浄剤組成物の総量を基準として5〜20%である。この範囲を外れると、低温における安定性、さっぱりとした肌感触の面において十分な効果が発揮されない場合がある。多価アルコールの含有量として、さらに好ましくは7〜15%、特に好ましくは9〜12%であり、これらの範囲であればより優れた効果が発揮される。
【0028】
本発明のフォーマー容器入り液体洗浄剤組成物には、前記の各成分の他に必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で、通常使用されている任意の成分を使用することができる。これらの成分としては、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール類、ベンジルアルコール、ベンジルオキシエタノール等の芳香族アルコール類、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、エチルカルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類、糖(誘導体)やアミノ酸(誘導体)、動植物(タンパク質)誘導体、動植物抽出物等の保湿成分、ポリオキシアルキレン変性シリコーン等のシリコーン誘導体、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム等の無機又は有機塩類、酸やアルカリ等のpH調整剤、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸及びこれらの誘導体などの抗炎症剤、イソプロピルメチルフェノール等の殺菌剤、防腐剤、金属イオン封鎖剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、アニオン性高分子、カチオン性高分子、非イオン性高分子、両性高分子、香料、増粘剤、ビタミン類、クロロフィル、β−カロチン等の天然色素、タール色素等の着色剤などが挙げられる。
【0029】
本発明の液体洗浄剤組成物は、フォーマー容器に充填して使用する点から、B型粘度計(ローター2番、30rpm)で測定した粘度(20℃)が、100mPa・s以下であるのが好ましく、さらに50mPa・s以下であるのが好ましい。
【0030】
本発明の液体洗浄剤組成物を充填するフォーマー容器としては、スクイズフォーマー及びポンプフォーマー等のノンエアゾール容器の吐出容器が好ましい。
【0031】
本発明のフォーマー容器入り液体洗浄剤組成物は、低温安定性及び洗浄力も優れ、かつ泡質がクリーミィで弾力性があり、皮膚刺激感が少なく、つっぱり感を伴わないでさっぱりとした肌感触が得られることから、皮膚及び毛髪洗浄剤として使用できるが、特に顔、手、ボディなどの皮膚用洗浄剤として好適に使用できる。
【実施例】
【0032】
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、実施例における配合量はすべて質量%である(以下では、単に「%」と記す。)。
【0033】
表1に示す実施例及び比較例のフォーマー容器入り液体洗浄剤組成物を常法により調製し、以下の(1)〜(5)の各種評価を行った。
【0034】
(1)泡質の評価
10名を被験者とし、各フォーマー容器入り液体洗浄剤組成物を洗顔料として通常通り使用し、使用時の泡のクリーミィさと弾力性に関して、以下の基準で総合的に評価し、採点する。
5点:非常によい
4点:かなりよい
3点:ややよい
2点:悪い
1点:非常に悪い
得られた採点の合計を表1に示した。採点の合計が35点以上であれば良好であり、40点以上であれば特に良好である。
【0035】
(2)皮膚刺激感の評価
10名を被験者とし、各フォーマー容器入り液体洗浄剤組成物を洗顔料として通常通り使用し、使用時の皮膚への刺激感について、以下の基準で評価し、採点する。
2点:気にならない
1点:ピリピリする気がする
0点:ピリピリする
得られた採点の合計を表1に示す。採点の合計が16点以上であれば良好である。
【0036】
(3)官能試験(洗浄後のさっぱり感)
10名を被験者とし、各フォーマー容器入り液体洗浄剤組成物を洗顔料として通常通り使用し、使用後の肌のさっぱり感を、以下の基準で評価し、採点する。
5点:さっぱり感がある
4点:ややさっぱり感がある
3点:どちらともいえない
2点:ややさっぱり感にかける
1点:さっぱり感にかける
得られた採点の合計を表1に示す。採点の合計が35点以上であれば良好であり、40点以上であれば特に良好である。
【0037】
(4)官能試験(洗浄後のつっぱり感のなさ)
10名を被験者とし、各フォーマー容器入り液体洗浄剤組成物を洗顔料として通常通り使用し、使用後の肌のつっぱり感を、以下の基準で評価し、採点する。
5点:つっぱり感がない
4点:ややつっぱり感がない
3点:どちらともいえない
2点:ややつっぱり感がある
1点:つっぱり感がある
得られた採点の合計を表1に示す。採点の合計が30点以上であれば良好であり、40点以上であれば特に良好である。
【0038】
(5)低温での安定性の評価
各フォーマー容器入り液体洗浄剤組成物をフォーマー容器のまま、−5℃で2週間保存し、20回連続して吐出し、以下の基準で評価する。
○:目詰まりが起こらない
×:目詰まりが生じる
【0039】
【表1】

【0040】
表1に示した評価結果より、本発明のフォーマー容器入り液体洗浄剤組成物は、泡質がクリーミィで弾力性を有し、皮膚刺激感が緩和で、つっぱり感がなく、さっぱりとした肌感触が付与でき、さらに低温における安定性にも優れることがわかる。これに対し、必須の界面活性剤成分a1〜a3のいずれか、又は多価アルコール成分が欠けてしまうと、これらの優れた効果のいずれかが達成できないことがわかる(比較例1、3〜5)。また比較例2は、a1成分の代わりに他のN−アシルアミノ酸型界面活性剤を用いた例であるが、つっぱり感は無いものの、さっぱりとした肌感触は十分に得られず、本発明においてN−アシルグリシン型という特定の界面活性剤を用いることが必須であることがわかる。尚、調製した実施例及び比較例のフォーマー容器入り液体洗浄剤組成物のB型粘度計(ローター2番、30rpm)で測定した粘度は、いずれも10mPa・s以下であった。
【0041】
本発明のフォーマー容器入り液体洗浄剤組成物のその他の処方例を、実施例として以下に挙げる。尚、これらの実施例の洗浄剤組成物についても、泡質がクリーミィで弾力性を有し、皮膚刺激感が緩和で、つっぱり感がなく、さっぱりとした肌感触付与でき、低温における安定性にも優れるものであった。また、処方例のフォーマー容器入り液体洗浄剤組成物のB型粘度計(ローター2番、30rpm)で測定した粘度は、いずれも10mPa・s以下であった。
【0042】
実施例9
成分名 配合量(%)
N−ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム 1.0
ラウリン酸アミドプロピルベタイン 3.0
ラウリン酸カリウム 5.0
ミリスチン酸カリウム 1.0
プロピレングリコール 10.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
L−アスコルビン酸硫酸エステル二ナトリウム 0.001
フェノキシエタノール 0.2
エデト酸二ナトリウム 0.01
黄色5号 0.0001
香料 0.05
精製水 残 部
【0043】
実施例10
成分名 配合量(%)
N−ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム 0.8
N−ヤシ油脂肪酸アシルグリシンナトリウム1) 0.2
ラウラミドプロピルアミンオキシド2) 2.0
ラウリン酸カリウム 5.0
イソステアリン酸カリウム 1.0
ソルビトール(65%液) 15.0
ポリクォータニウム−73) 0.2
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
酢酸トコフェロール 0.01
香料 0.1
精製水 残 部
1)アミライトGCS−11(味の素ヘルシーサプライ社製)
2)ソフタゾリンLAO−C(川研ファインケミカル社製)純分換算
3)マーコート550(ナルコ社製)
【0044】
尚、上記実施例9、10において使用した香料の組成を表2に示す。
【0045】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明のフォーマー容器入り液体洗浄剤組成物は、泡質がクリーミィで弾力性を有し、皮膚刺激感が緩和で、且つ、低温における安定性に優れ、つっぱり感のないさっぱりとした肌感触を付与できるので皮膚及び毛髪の洗浄剤として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)界面活性剤と(B)多価アルコール5〜20質量%を含有するフォーマー容器入り液体洗浄剤組成物であって、(A)界面活性剤が、(a1)N−アシルグリシン型界面活性剤、(a2)両性界面活性剤及び/又は半極性界面活性剤、並びに(a3)高級脂肪酸石鹸を含有することを特徴とする、フォーマー容器入り液体洗浄剤組成物。
【請求項2】
(a1)成分と(a2)成分の合計と(a3)成分の質量比(a3/(a1+a2))が0.5〜15の範囲である請求項1記載のフォーマー容器入り液体洗浄剤組成物。
【請求項3】
(a1)成分と(a2)成分の質量比(a2/a1)が1〜5の範囲である請求項1又は2記載のフォーマー容器入り液体洗浄剤組成物。

【公開番号】特開2012−107147(P2012−107147A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−258423(P2010−258423)
【出願日】平成22年11月19日(2010.11.19)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】