説明

フッ素ゴム組成物

【課題】高負荷のかかった状態でプラズマ照射された場合にも、すぐれた性能を有する加硫成形品を形成せしめる含フッ素ゴム組成物を提供する。
【解決手段】フッ素含量68重量%以上のパーオキサイド架橋可能なフッ素ゴム100重量部当り、多官能性不飽和化合物共架橋剤0.7〜2.4重量部および有機過酸化物0.3〜1.0重量部を含有せしめたフッ素ゴム組成物。このフッ素ゴム組成物より得られる加硫成形品は、O2プラズマ処理に対して卓越した耐プラズマ性を有し、特に高負荷のかかった状態でのプラズマ照射時の耐クラック性にもすぐれており、加硫成形品がシールの場合にあっては、必要とされる常態物性値および圧縮永久歪値を示している。かかる特性を示す加硫成形品は、半導体製造装置や液晶製造装置の部品、例えばシールや搬送用ロール等の用途に好適に用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フッ素ゴム組成物に関する。さらに詳しくは、半導体製造装置または液晶製造装置のプラズマ処理装置などに装着される部品として用いられる部品の成形材料等として有効に用いられるフッ素ゴム組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造工程や液晶製造工程では、CVD工程、エッチング工程、アッシング工程等の様々な工程において、シリコンウェハーに対してプラズマを用いた処理が行われている。特に、半導体製造装置や液晶製造装置において用いられているシール、搬送用ロール等の有機高分子材料にとっては、これらのプラズマ処理は非常に過酷な条件であり、殆どの有機高分子材料はプラズマ環境下では著しく劣化するのを避けることができない。
【0003】
一般に、プラズマ照射雰囲気下で使用されるゴムとしては、構成分子中にフッ素を含有するフッ素ゴムより得られる加硫成形品が挙げられる。かかるフッ素ゴムから得られる成形品の耐プラズマ性を上昇させるためには、例えばゴム組成物をフッ素ゴムとフロロシリコンゴムとのブレンド物にすることや、加硫剤の種類をポリアミン系あるいはこれとポリオール系の混合系にすることなどが提案されている。しかるに、これらの材料は耐プラズマ性の向上といった観点からは有効ではあるものの、実際に成形品に高負荷のかかった状態、すなわちOリングなどがシール部材として装着され、圧縮された状態で機能している場合など、負荷のかかっていない状態と比してプラズマ雰囲気でのクラックの発生などが顕在化する状態において必要とされる性能、例えばかかる状況下にあっても材料にクラックが発生しないなどの実性能として、有効であるとはいえないものであった。
【特許文献1】特開2001−348462号公報
【特許文献2】特開2001−114964号公報
【特許文献3】特開2001−164066号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、高負荷のかかった状態でプラズマ照射された場合にも、すぐれた性能を有する加硫成形品を形成せしめる含フッ素ゴム組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる本発明の目的は、フッ素含量68重量%以上のパーオキサイド架橋可能なフッ素ゴム100重量部当り、多官能性不飽和化合物共架橋剤0.7〜2.4重量部および有機過酸化物0.3〜1.0重量部を含有せしめたフッ素ゴム組成物によって達成される。
【発明の効果】
【0006】
本発明にかかるフッ素ゴム組成物より得られる加硫成形品は、O2プラズマ処理に対して卓越した耐プラズマ性を有し、特に高負荷のかかった状態でのプラズマ照射時の耐クラック性にもすぐれており、加硫成形品がシールの場合にあっては、必要とされる常態物性値および圧縮永久歪値を示している。かかる特性を示す加硫成形品は、半導体製造装置や液晶製造装置の部品、例えばシールや搬送用ロール等の用途に好適に用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
パーオキサイド架橋可能なフッ素ゴムとしては、フッ素含量が68重量%以上、好ましくは69〜73重量%であるものが用いられる。フッ素含量が73重量%を超えると、一般に共架橋剤として用いられる多官能性不飽和化合物の分散不良を招くことになるが、本発明に係るフッ素ゴム組成物では用いられる共架橋剤の割合がフッ素ゴム100重量部当り0.7〜2.4重量部と少ないため、それによる分散不良はあまりみられず、この点からはフッ素含量が73重量%を超えていてもよいが、良好な圧縮永久歪特性を達成せしめるといった観点からは69〜73重量%であることが好ましい。
【0008】
かかるフッ素含量を有するフッ素ゴムとしては、汎用のテトラフルオロエチレン〔TFE〕/フッ化ビニリデン〔VdF〕/ヘキサフルオロプロペン〔HFP〕3元共重合ゴムが好んで用いられる。この3元系共重合ゴムには、パーオキサイド架橋可能なタイプとポリオール加硫可能なタイプの両者があり、受酸剤を必要とはせず機能的強度が良好であるといった観点から、本発明においては前者のタイプのものが用いられる。パーオキサイド架橋可能な3元系共重合ゴムは、共重合反応時に飽和または不飽和の含ヨウ素および/または含臭素化合物を共存させることにより得ることができる。
【0009】
含フッ素共重合体側鎖としてヨウ素原子および/または臭素原子を含有させる場合は、例えばパーフルオロ(2-ブロモエチルビニルエーテル)、3,3,4,4,-テトラフルオロ-4-ブロモ-1-ブテン、2-ブロモ-1,1-ジフルオロエチレン、ブロモトリフルオロエチレン、パーフルオロ(2-ヨードエチルビニルエーテル)、ヨードトリフルオロエチレン等の架橋点形成単量体の共重合体が挙げられる。
【0010】
含フッ素共重合体末端としてヨウ素原子および/または臭素原子を含有させる場合は、一般式X1CnF2nX2(X1:F、Br、I X2:Br、I、n:1〜12)で表わされる両末端ハロゲン化フルオロアルキレン化合物が用いられ、反応性やハンドリングのバランスの点からはn:1〜6の1-ブロモパーフルオロエタン、1-ブロモパーフルオロエプロパン、1-ブロモパーフルオロブタン、1-ブロモパーフルオロペンタン、1-ブロモパーフルオロヘキサン、1-ヨードパーフルオロエタン、1-ヨードパーフルオロエプロパン、1-ヨードパーフルオロブタン、1-ヨードパーフルオロペンタン、1-ヨードパーフルオロヘキサン等に由来するヨウ素原子および/または臭素原子を含有する共重合体が好んで用いられる。
【0011】
また、X1およびX2をBrおよび/またはIとすることにより、含フッ素共重合体の末端に架橋点を導入することができる。かかる化合物としては、例えば1-ブロモ-2-ヨードテトラフルオロエタン、1-ブロモ-3-ヨードパーフルオロプロパン、1-ブロモ-4-ヨードパーフルオロブタン、2-ブロモ-3-ヨードパーフルオロブタン、モノブロモモノヨードパーフルオロペンタン、モノブロモモノヨードパーフルオロ-n-ヘキサン、1,2-ジブロモパーフルオロエタン、1,3-ジブロモパーフルオロプロパン、1,4-ジブロモパーフルオロブタン、1,5-ジブロモパーフルオロペンタン,1,6-ジブロモパーフルオロヘキサン、1,2-ジヨードパーフルオロエタン、1,3-ジヨードパーフルオロプロパン、1,4-ジヨードパーフルオロブタン、1,5-ジヨードパーフルオロペンタン、1,6-ジヨードパーフルオロヘキサンなどが用いられる。これらの化合物は、連鎖移動剤としても用いることができる。また、連鎖移動剤として、メタノール、エタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、アセトンなどを用いることができる。
【0012】
この3元系共重合ゴムは、そのフッ素含量が69重量%以上でなければならない。一般には、共重合ゴム中VdF成分がより多いとフッ素含量がより低下する方向にあり、一方共重合ゴム中TFE成分がより多いとフッ素含量がより増加する傾向にあるので、共重合3成分の共重合割合を調節することによって、上記規定されたようなフッ素含量の3元系共重合ゴムを形成させることができる。フッ素含量がこれよりも低い3元系共重合ゴムを用いると、耐プラズマ性が劣るようになる。また、そのムーニー粘度ML1+4(121℃)は、約20〜80の範囲にあることが好ましい。実際には、市販品であるダイキン製品ダイエルG-952、901等をそのまま用いることができる。
【0013】
また、TFE/VdF/HFP3元共重合ゴム以外にも、フッ素含量68重量%以上のフッ素ゴムとしてフッ化ビニリデン〔VdF〕/テトラフルオロエチレン〔TFE〕/パーフルオロ(メチルビニルエーテル)〔FMVE〕3元共重合体やテトラフルオロエチレン〔TFE〕/パーフルオロ(メチルビニルエーテル)〔FMVE〕共重合体等を用いることができる。VdF/TFE/FMVE3元共重合体にあっては、共重合体中のVdF成分が多いとフッ素含量が低下する傾向があり、一方TFE成分、FMVE成分が多いとフッ素含量が増加する傾向にあるので、共重合3成分の割合を調節することによって、上記規定されたようなフッ素含量の3元共重合体を形成させることができる。また、TFE/FMVE共重合体にあっては、TFEの共重合割合を高める程フッ素含量を高めることができる。これらのVdF/TFE/FMVE3元共重合体やTFE/FMVE共重合体にあっても、TFE/VdF/HFP3元共重合ゴムの場合と同様に、架橋点形成成分を共重合反応時に共存させることにより、パーオキサイド架橋性基を導入することができ、それが架橋点形成単量体である場合には、共重合体中約0.05〜5モル%、好ましくは約0.1〜4モル%の割合で用いられる。
【0014】
多官能性不飽和化合物としては、一般に用いられているものをそのまま用いることができ、例えばジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリメタリルイソシアヌレート、トリアリルトリメリテート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレートなどが、フッ素ゴム100重量部当り約0.7〜2.4重量部、好ましくは約1.5〜2.2重量部の割合で用いられる。
【0015】
有機過酸化物としては、例えば第3ブチルハイドロパーオキサイド、1,1,3,3-テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、p-メンタンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5-ジメチルヘキサン-2,5-ジハイドロパーオキサイド、ジ第3ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、第3ブチルクミルパーオキサイド、1,1-ジ(第3ブチルパーオキシ)シクロドデカン、2,2-ジ(第3ブチルパーオキシ)オクタン、1,1-ジ(第3ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(第3ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(第3ブチルパーオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(第3ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、1,1-ジ(第3ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、n-ブチル-4,4-ジ(第3ブチルパーオキシ)バレレート、ベンゾイルパーオキサイド、m-トルイルパーオキサイド、p-クロロベンゾイルパーオキサイド、2,4-ジクロロベンゾイルパーオキサイド、第3ブチルパーオキシイソブチレート、第3ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、第3ブチルパーオキシベンゾエート、第3ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、第3ブチルパーオキシアリルカーボネート等が、含フッ素ゴム100重量部当り約0.3〜1.0重量部、好ましくは約0.4〜0.8重量部の割合で用いられる。
【0016】
多官能性不飽和化合物または有機過酸化物が上記下限値よりも少ない割合で用いられると、十分な架橋密度が得られず、圧縮永久歪の著しい悪化を招くようになり、一方上記上限値よりも多い割合で用いられると、十分な破断伸びを得ることができず、耐プラズマ性の良化を妨げるため好ましくない。
【0017】
組成物中には、以上の必須成分以外に、カーボンブラックなどの補強剤、タルク、クレー、グラファイト、珪酸カルシウムなどの充填剤、ステアリン酸、パルミチン酸、パラフィンワックスなどの加工助剤、酸化亜鉛、酸化マグネシウムなどの受酸剤、老化防止剤、可塑剤などゴム工業で一般的に使用されている配合剤が、必要に応じて適宜添加されて用いられる。
【0018】
ゴム組成物の調製は、インターミックス、ニーダ、バンバリーミキサなどの混練機またはオープンロールなどを用いて混練することにより行われ、その加硫は射出成形機、圧縮成形機、加硫プレスなどを用いて、一般に150〜200℃、3〜60分程度加熱することによって行われ、必要に応じて150〜250℃程度で1〜24時間程度加熱する二次加硫が行われる。
【実施例】
【0019】
次に、実施例について本発明を説明する。
【0020】
実施例1
パーオキサイド架橋可能なフッ素ゴム(ダイキン製品ダイエルG-952:F含量69%)100重量部、トリアリルイソシアヌレート2.1重量部および2,5-ジメチル-2,5-ジ(第3ブチルパーオキシ)ヘキサン0.8重量部を、ニーダおよびオープンロールを用いて混練し、得られた混練物(組成物)を160℃、10分間の加硫プレスによる一次加硫および180℃、4時間のオーブン加硫(二次加硫)により150×150×2mmの加硫シートおよび内径24.4mm、線径3.1mmのOリングを成形した。
【0021】
得られた加硫シートを用いて常態物性および圧縮永久歪の測定が、またOリングを用いて耐プラズマ性の評価が行われた。
常態物性:JIS K6253、JIS K6251準拠
圧縮永久歪:JIS K6262準拠、175℃または200℃、70時間(13mm径プライドディスク
使用)
耐プラズマ性:平行平板型ドライエッチング装置を用い、出力500W、内部圧力0.1
Pa、ガス流量20sccm、電極高さ120mmの条件下で、O-イオン雰囲気
中またはラジカル電子雰囲気中でO2プラズマを18時間照射した後の
Oリングの重量減少率およびクラック発生の有無を25倍の光学顕微
鏡観察にて評価
クラック発生の評価は、目視にてクラック発生のみられないものを
5、クラックが破断に至っているものを1とし、破断に至らないク
ラックについてはその大きさを相対的に判定することにより4(小)
〜2(大)の基準で判定
なお、Oリングを所定の伸長状態(12%、16%または20%)で試験を
行うに際しては、Oリングの伸長状態を保持可能な、内径を固定さ
せるための治具が用いられた
【0022】
実施例2
実施例1において、トリアリルイソシアヌレート量が0.9重量部に変更されて用いられた。
【0023】
比較例1
実施例1において、トリアリルイソシアヌレート量が3.9重量部に変更されて用いられた。
【0024】
実施例3
実施例1において、2,5-ジメチル-2,5-ジ(第3ブチルパーオキシ)ヘキサン量が0.4重量部に変更されて用いられた。
【0025】
比較例2
実施例1において、2,5-ジメチル-2,5-ジ(第3ブチルパーオキシ)ヘキサン量が0.2重量部に変更されて用いられた。
【0026】
実施例4
実施例1において、パーオキサイド架橋可能なフッ素ゴムとして(ダイキン製品ダイエルG-901:F含量71重量%)が同量用いられた。
【0027】
比較例3
比較例1において、パーオキサイド架橋可能なフッ素ゴムとして(ダイエルG-901:F含量71重量%)が同量用いられた。
【0028】
実施例5
実施例3において、パーオキサイド架橋可能なフッ素ゴムとして(ダイエルG-901:F含量71重量%)が同量用いられた。
【0029】
比較例4
実施例4において、2,5-ジメチル-2,5-ジ(第3ブチルパーオキシ)ヘキサン量が1.2重量部に変更されて用いられた。
【0030】
比較例5
実施例1において、パーオキサイド架橋可能なフッ素ゴムとして(ダイエルG-801:F含量66重量%)が同量用いられた。
【0031】
以上の各実施例および比較例で得られた結果は、次の表に示される。

実1 実2 比1 実3 比2 実4 比3 実5 比4 比5
〔常態物性〕
引張強さ (MPa) 19.4 16.8 21.3 18.7 17.1 13.5 19.3 9.7 16.2 20.3
破断時伸び (%) 350 430 290 410 420 320 300 330 310 380
〔圧縮永久歪〕
175℃,70時間 (%) 29 40 25 38 47 36 32 38 33 22
200℃,70時間 (%) 33 46 34 44 55 56 50 58 52 27
〔耐プラズマ性〕
O-イオン雰囲気,伸長なし
重量減少率(重量%) -13.5 -16.8 -19.7 -14.4 -15.3 -12.3 -18.1 -15.2 -11.6 -16.1
ラジカル電子雰囲気,伸長なし
重量減少率(重量%) -0.97 -0.90 -1.26 -0.83 -0.80 -0.61 -0.93 -0.51 -0.69 -1.08
ラジカル電子雰囲気,12%伸長
重量減少率(重量%) -1.56 -1.72 -2.07 -1.55 -1.54 -1.00 -1.51 -1.10 -0.97 -1.85
クラック発生評価 3 3 2 3 3 5 4 5 4 2
ラジカル電子雰囲気,16%伸長
重量減少率(重量%) -1.70 -1.83 -1.91 -1.67 -1.66 -1.24 -1.68 -1.30 -1.22 -2.00
クラック発生評価 3 3 1 3 3 4 3 5 3 1
ラジカル電子雰囲気,20%伸長
重量減少率(重量%) -2.12 -2.15 -2.32 -1.75 -1.50 -1.70 -1.92 -1.49 -1.96 -2.45
クラック発生評価 2 2 1 2 2 3 2 4 2 1
【0032】
以上の結果より、トリアリルイソシアヌレート量または有機過酸化物量が過剰である比較例1、3、4およびフッ素含量が68重量%未満のフッ素ゴムを用いた比較例5では、圧縮永久歪にはすぐれているものの、耐プラズマ性に劣り、また有機過酸化物量が少ない比較例2では、圧縮永久歪に劣ることが示された。これに対して、各実施例では圧縮永久歪および耐プラズマ性の双方を満足させるものであり、特に本発明で規定された有機過酸化物量を用いる場合には、規定量中でのトリアリルイソシアヌレート量が多い実施例の1、3、4および5の方がより良好な耐圧縮永久歪特性および耐プラズマ性を得ることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フッ素含量68重量%以上のパーオキサイド架橋可能なフッ素ゴム100重量部当り、多官能性不飽和化合物共架橋剤0.7〜2.4重量部および有機過酸化物0.3〜1.0重量部を含有せしめたフッ素ゴム組成物。
【請求項2】
請求項1記載のフッ素ゴム組成物を加硫成形して得られた加硫成形品。
【請求項3】
半導体製造装置または液晶製造装置のプラズマ処理装置に装着される部品として用いられる請求項2記載の加硫成形品。
【請求項4】
部品がシールまたは搬送用ロールである請求項3記載の加硫成形品。

【公開番号】特開2008−56739(P2008−56739A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−232383(P2006−232383)
【出願日】平成18年8月29日(2006.8.29)
【出願人】(000004385)NOK株式会社 (1,527)
【Fターム(参考)】