説明

フューザー部材

【課題】フューザーデジタル式、多重現像式などを含む電子写真式の画像形成装置に有用な、フューザー部材を提供する。
【解決手段】フューザー部材は、ポリイミドポリマーおよびアルキルチオホスフェートを含む基板層210を備える。また、シリコーンおよびフルオロエラストマーからなる群から選択される材料を含む中間層220が、基板層210に配置される。フルオロポリマー剥離層230は、中間層220に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的に、デジタル式、多重現像式などを含む電子写真式の画像形成装置に有用なフューザー部材に関する。さらに、本明細書に記載のフューザー部材を、固体インクジェット印刷機の転写固定装置で用いることもできる。
【背景技術】
【0002】
フューザー部材として有用な、つなぎ目のないポリイミドベルトを得るために、遠心成形を用いる。典型的には、フッ素またはシリコーンの薄い剥離層を、堅い円筒形マンドレルの内側表面に塗布する。この剥離層を含むマンドレルの内側表面に、ポリイミドコーティングを塗布する。ポリイミドを硬化させ、次いで、マンドレルから取り外す。
【0003】
このプロセスには欠点がある。ポリイミドベルトの長さが、マンドレルの大きさによって決まってしまうことである。マンドレルの内側表面に剥離層を必要とすることは、追加の処理工程である。この様式で製造されるフューザーベルトは、費用が高い。製造コストを下げることが必要である。
【0004】
それに加え、ポリイミドフューザーベルトは、4,000MPaより大きな弾性率を必要とする。いくつかの実施形態では、分解開始温度は、400℃より大きくあるべきである。このような要求は、製造コストを下げることとともに望ましい。
【発明の概要】
【0005】
一実施形態によれば、フューザー部材が提供される。フューザー部材は、ポリイミドポリマーおよびアルキルチオホスフェートを含む基板層を備えている。
【0006】
別の実施形態によれば、ポリイミドポリマーおよびアルキルチオホスフェートを含む基板層を備えるフューザー部材が記載されている。シリコーンおよびフルオロエラストマーからなる群から選択される材料を含む中間層が、基板層に配置される。フルオロポリマー剥離層は、中間層に配置される。
【0007】
別の実施形態によれば、ポリイミドポリマー、アルキルチオホスフェートおよび溶媒の組成物が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、本教示にかかるベルト基板を有する例示的なフューザー部材を示す。
【図2A】図2Aは、本教示にかかる、図1に示されるフューザー部材を用いる例示的なフュージング構造を示す。
【図2B】図2Bは、本教示にかかる、図1に示されるフューザー部材を用いる例示的なフュージング構造を示す。
【図3】図3は、転写固定装置を用いるフューザー構造を示す。
【図4】図4は、最終的な硬化のためにフュージング部材を引っ張ることを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
フューザー部材または固定部材は、その上に1つ以上の機能性中間層が形成された基板を備えていてもよい。本明細書で記載の基板としては、ベルトが挙げられる。1つ以上の中間層としては、緩衝層、剥離層が挙げられる。画像支持材料(例えば、紙のシート)の上にある溶融したトナー画像からのトナー剥離性が良好であり、この性質を維持し、さらに、紙をはがしやすくするために、このようなフューザー部材を、高速高品質の電子写真印刷のための油を用いないフュージング部材として用いてもよい。
【0010】
種々の実施形態では、フューザー部材としては、例えば、1つ以上の機能性中間層が形成された基板が挙げられる。基板は、例えば、図1に示されるように、特定の構造に依存して非導電性または導電性である適切な材料を用い、種々の形状(例えば、ベルトまたは膜)で作られてもよい。
【0011】
図1において、例示的なフュージング部材または転写固定部材200は、その上に1つ以上の機能性中間層(例えば、220および外側表面層230)が形成されたベルト基板210を備えていてもよい。外側表面層230は、剥離層とも呼ばれる。ベルト基板210についてさらに記載するが、ベルト基板210は、ポリイミドポリマーとアルキルチオホスフェートとから作られている。
【0012】
(機能性中間層)
機能性中間層220(緩衝層または中間層とも呼ばれる)として用いられる材料の例としては、フルオロシリコーン、シリコーンゴム、例えば、室温加硫(RTV)シリコーンゴム、高温加硫(HTV)シリコーンゴム、低温加硫(LTV)シリコーンゴムが挙げられる。これらのゴムは既知であり、商業的に簡単に入手可能であり、例えば、SILASTIC(登録商標)735ブラックRTVおよびSILASTIC(登録商標)732 RTV(いずれもDow Corning製);106 RTV Silicone Rubberおよび90 RTV Silicone Rubber(いずれもGeneral Electric製);JCR6115CLEAR HTVおよびSE4705U HTVシリコーンゴム(Dow Corning Toray Silicones製)である。他の適切なシリコーン材料としては、シロキサン(例えば、ポリジメチルシロキサン);フルオロシリコーン(例えば、Silicone Rubber 552(Sampson Coatings(リッチモンド、バージニア)から入手可能));液体シリコーンゴム、例えば、ビニル架橋した熱硬化性ゴム、またはシラノールを室温で架橋した材料などが挙げられる。別の特定の例は、Dow Corning Sylgard 182である。市販のLSRゴムとしては、Dow Corning製のDow Corning Q3−6395、Q3−6396、SILASTIC(登録商標)590 LSR、SILASTIC(登録商標)591 LSR、SILASTIC(登録商標)595 LSR、SILASTIC(登録商標)596 LSR、SILASTIC(登録商標)598 LSRが挙げられる。機能性層は、弾力性を付与し、必要な場合には、例えば、SiCまたはAlのような無機粒子と混合してもよい。
【0013】
機能性中間層220として用いるのに適した材料の他の例としては、フルオロエラストマーも挙げられる。フルオロエラストマーは、(1)フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレンのうち、2つのコポリマー、例えば、VITON A(登録商標)として商業的に知られているもの;(2)VITON B(登録商標)として商業的に知られている、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレンのターポリマー;(3)VITON GH(登録商標)またはVITON GF(登録商標)として商業的に知られている、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン、キュアサイトモノマーのテトラポリマーといった種類に由来する。これらのフルオロエラストマーは、種々の名称、例えば、上に列挙したものとともに、VITON E(登録商標)、VITON E 60C(登録商標)、VITON E430(登録商標)、VITON 910(登録商標)、VITON ETP(登録商標)で商業的に知られている。VITON(登録商標)という名称は、E.I. DuPont de Nemours,Incの商標である。キュアサイトモノマーは、4−ブロモペルフルオロブテン−1,1,1−ジヒドロ−4−ブロモペルフルオロブテン−1,3−ブロモペルフルオロプロペン−1,1,1−ジヒドロ−3−ブロモペルフルオロプロペン−1、または任意の他の適切な既知のキュアサイトモノマー(例えば、DuPontから市販されているもの)であってもよい。他の市販されているフルオロポリマーとしては、FLUOREL 2170(登録商標)、FLUOREL 2174(登録商標)、FLUOREL 2176(登録商標)、FLUOREL 2177(登録商標)、FLUOREL LVS 76(登録商標)が挙げられ、FLUOREL(登録商標)は、3M Companyの登録商標である。さらなる市販材料としては、AFLAS(商標)というポリ(プロピレン−テトラフルオロエチレン)、FLUOREL II(登録商標)(LII900)というポリ(プロピレン−テトラフルオロエチレンビニリデンフルオリド)(これらも、3M Companyから入手可能)、FOR−60KIR(登録商標)、FOR−LHF(登録商標)、NM(登録商標)FOR−THF(登録商標)、FOR−TFS(登録商標)、TH(登録商標)、NH(登録商標)、P757(登録商標)TNS(登録商標)T439(登録商標)、PL958(登録商標)、BR9151(登録商標)、TN505(登録商標)として特定されるTecnoflon(Ausimontから入手可能)が挙げられる。
【0014】
フルオロエラストマーであるVITON GHおよびVITON GFは、フッ化ビニリデンの量が比較的少ない。VITON GFおよびVITON GHは、約35重量%のフッ化ビニリデンと、約34重量%のヘキサフルオロプロピレンと、約29重量%のテトラフルオロエチレンと、約2重量%のキュアサイトモノマーとを有している。
【0015】
機能性中間層220の厚みは、約30μm〜約1,000μm、約100μm〜約800μm、または約150μm〜約500μmである。
【0016】
(剥離層)
剥離層230の例示的な実施形態は、フルオロポリマー粒子を含む。本明細書に記載の配合物で使用するのに適したフルオロポリマー粒子は、フッ素含有ポリマーを含む。これらのポリマーは、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン、ペルフルオロアルキルビニルエーテル、およびこれらの混合物からなる群から選択されるモノマー繰り返し単位を含むフルオロポリマーを含む。フルオロポリマーは、直鎖または分枝鎖のポリマー、架橋したフルオロエラストマーを含んでいてもよい。フルオロポリマーの例としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE);ペルフルオロアルコキシポリマー樹脂(PFA);テトラフルオロエチレン(TFE)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)とのコポリマー;ヘキサフルオロプロピレン(HFP)とフッ化ビニリデン(VDFまたはVF2)とのコポリマー;テトラフルオロエチレン(TFE)、フッ化ビニリデン(VDF)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)のターポリマー;テトラフルオロエチレン(TFE)、フッ化ビニリデン(VF2)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)のテトラポリマー、およびこれらの混合物が挙げられる。フルオロポリマー粒子は、化学薬品および熱に安定であり、表面エネルギーが低い。フルオロポリマー粒子は、融点が約255℃〜約360℃、または約280℃〜約330℃である。これらの粒子が融解して剥離層を形成する。
【0017】
フューザー部材200の場合、外側表面層または剥離層230は、約10μm〜約100μm、約20μm〜約80μm、または約40μm〜約60μmであってもよい。
【0018】
(接着層)
場合により、任意の既知の接着層および入手可能な適切な接着層(プライマー層とも呼ばれる)が、剥離層230、機能性中間層220、基板210の間に配置されていてもよい。適切な接着剤の例としては、アミノシランのようなシラン類(例えば、Dow Corning製のHV Primer 10)、チタネート、ジルコネート、アルミネートなど、およびこれらの混合物が挙げられる。一実施形態では、接着剤は、約0.001%溶液〜約10%溶液の形態で基板に塗り付けてもよい。接着層は、約2nm〜約2,000nm、または約2nm〜約500nmの厚みで基板または外側層にコーティングされてもよい。接着剤を、スプレーコーティングまたはワイピングを含む既知の任意の適切な技術によってコーティングしてもよい。
【0019】
図2Aおよび2Bは、本発明の教示にかかるフュージングプロセスのための例示的なフュージング構造を示す。それぞれ図2A〜2Bに示されているフュージング構造300Bおよび400Bが、一般化された模式的な図を示しており、他の部材/層/基板/構造を追加してもよく、または、すでに存在している部材/層/基板/構造を取り除くか、または変えてもよいことが当業者には容易に明らかになるはずである。本明細書では電子写真式プリンターを記載しているが、開示されている装置および方法を、他の印刷技術に応用してもよい。例としては、オフセット印刷およびインクジェット機および固体転写固定機が挙げられる。
【0020】
図2Aは、本発明の教示にかかる、図1に示されるフューザーベルトを用いたフュージング構造300Bを示す。構造300Bは、図1のフューザーベルトを備えていてもよく、このベルトは、加圧機構335(例えば、加圧ベルト)とともに、画像支持材料315のためのフューザー用爪を形成する。種々の実施形態では、加圧機構335を、加熱ランプ(示していない)とともに用い、トナー粒子を画像支持材料315の上で溶融させるプロセスのために圧力と熱を両方加えてもよい。それに加え、構造300Bは、図2Aに示されているように、1つ以上の外部熱ロール350を、例えば、クリーニングウェブ360とともに備えていてもよい。
【0021】
図2Bは、本発明の教示にかかる、図1に示されるフューザーベルトを用いたフュージング構造400Bを示す。構造400Bは、フューザーベルト(すなわち、図1の200)を備えていてもよく、このベルトは、加圧機構435(例えば、図2Bの加圧ベルト)とともに、媒体基板415のためのフューザー用爪を形成する。種々の実施形態では、加圧機構435を、加熱ランプとともに用い、トナー粒子を媒体基板415の上で溶融させるプロセスのために圧力と熱を両方加えてもよい。それに加え、構造400Bは、フューザーベルト200を動かし、トナー粒子を溶融し、媒体基板415の上に画像を形成するような機械システム445を備えていてもよい。機械システム445は、1つ以上のロール445a〜cを備えていてもよく、必要な場合には、これらを加熱ロールとして用いてもよい。
【0022】
図3は、ベルト、シート、膜などの形態であってもよい、転写固定部材7の一実施形態の図を示す。転写固定部材7は、上述のフューザーベルトと似た構成である。現像した画像12が中間転写体1の上にあり、ローラー4および8を介して転写固定部材7と接触し、転写固定部材7に転写される。ローラー4および/またはローラー8は、これらに関連して熱を伴ってもよいし、伴わなくてもよい。転写固定部材7は、矢印13の方向に進む。複写基板9がローラー10と11との間を進むにつれて、現像した画像が複写基板9に転写され、溶融する。ローラー10および/または11は、これらに関連して熱を伴ってもよいし、伴わなくてもよい。
【0023】
(基板層)
本明細書に開示されている基板層210は、ステンレス鋼のような金属基板から自己剥離するアルキルチオホスフェートの内部剥離剤を含むポリイミド組成物である。従来技術は、ポリイミド層をコーティングする前に外部剥離層を金属基板に塗布し、ポリイミド層を剥離することを教示している。開示されている組成物は、必要なのはたった1つのコーティング層であるため、費用対効果が高い。
【0024】
開示されているポリアミド酸は、ピロメリット酸二無水物/4,4’−オキシジアニリンのポリアミド酸、ピロメリット酸二無水物/フェニレンジアミンのポリアミド酸、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物/4,4’−オキシジアニリンのポリアミド酸、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物/フェニレンジアミンのポリアミド酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物/4,4’−オキシジアニリンのポリアミド酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物/4,4’−オキシジアニリン/フェニレンジアミンのポリアミド酸など、およびこれらの混合物のうち、1つを含む。
【0025】
ピロメリット酸二無水物/4,4’−オキシジアニリンのポリアミド酸の市販例としては、PYRE−ML RC5019(N−メチル−2−ピロリドン(NMP)中、約15〜16重量%)、RC5057(NMP/芳香族炭化水素=80/20中、約14.5〜15.5重量%)、RC5083(NMP/DMAc=15/85中、約18〜19重量%)(すべて、Industrial Summit technology Corp.(パーリン、NJ)製);FUJIFILM Electronic Materials U.S.A.,Incから市販されているDURIMIDE(登録商標)100が挙げられる。
【0026】
ビフェニルテトラカルボン酸二無水物/4,4’−オキシジアニリンのポリアミド酸の市販例としては、U−VARNISH AおよびS(NMP中、約20重量)(いずれもUBE America Inc.、ニューヨーク、NY製)が挙げられる。
【0027】
ビフェニルテトラカルボン酸二無水物/フェニレンジアミンのポリアミド酸の市販例としては、PI−2610(NMP中、約10.5重量)、PI−2611(NMP中、約13.5重量)(いずれもHD MicroSystems(パーリン、NJ)製)が挙げられる。
【0028】
ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物/4,4’−オキシジアニリンのポリアミド酸の市販例としては、RP46およびRP50(NMP中、約18重量%)(いずれもUnitech Corp.(ハンプトン、VA)製)が挙げられる。
【0029】
ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物/4,4’−オキシジアニリン/フェニレンジアミンのポリアミド酸の市販例としては、PI−2525(NMP中、約25重量%)、PI−2574(NMP中、約25重量%)、PI−2555(NMP/芳香族炭化水素=80/20中、約19重量%)、PI−2556(NMP/芳香族炭化水素/プロピレングリコールメチルエーテル=70/15/15中、約15重量%)(いずれもHD MicroSystems(パーリン、NJ)製)が挙げられる。
【0030】
基板のために種々の量のポリアミド酸を選択してもよく、例えば、約90〜約99.9重量%、約95〜約99.8重量%、または約97〜約99.5重量%の量を選択してもよい。
【0031】
ポリイミド基板層に含まれてもよい、他のポリアミド酸またはポリアミド酸エステルの例は、二無水物とジアミンとの反応に由来する。適切な二無水物としては、芳香族二無水物および芳香族テトラカルボン酸二無水物、例えば、9,9−ビス(トリフルオロメチル)キサンテン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス((3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシ−2,5,6−トリフルオロフェノキシ)オクタフルオロビフェニル二無水物、3,3’,4,4’−テトラカルボキシビフェニル二無水物、3,3’,4,4’−テトラカルボキシベンゾフェノン二無水物、ジ−(4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル)エーテル二無水物、ジ−(4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル)スルフィド二無水物、ジ−(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ジ−(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、1,2,4,5−テトラカルボキシベンゼン二無水物、1,2,4−トリカルボキシベンゼン二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4−4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)スルホン 2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサクロロプロパン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、4,4’−(p−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物、4,4’−(m−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物、4,4’−ジフェニルスルフィドジオキシビス(4−フタル酸)二無水物、4,4’−ジフェニルスルホンジオキシビス(4−フタル酸)二無水物、メチレンビス(4−フェニレンオキシ−4−フタル酸)二無水物、エチリデンビス(4−フェニレンオキシ−4−フタル酸)二無水物、イソピロピリデンビス−(4−フェニレンオキシ−4−フタル酸)二無水物、ヘキサフルオロイソピロピリデンビス(4−フェニレンオキシ−4−フタル酸)二無水物などが挙げられる。ポリアミド酸の調製に使用するのに適した例示的なジアミンとしては、4,4’−ビス−(m−アミノフェノキシ)−ビフェニル、4,4’−ビス−(m−アミノフェノキシ)−ジフェニルスルフィド、4,4’−ビス−(m−アミノフェノキシ)−ジフェニルスルホン、4,4’−ビス−(p−アミノフェノキシ)−ベンゾフェノン、4,4’−ビス−(p−アミノフェノキシ)−ジフェニルスルフィド、4,4’−ビス−(p−アミノフェノキシ)−ジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ−アソベンゼン、4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ−p−ターフェニル、1,3−ビス−(γ−アミノプロピル)−テトラメチル−ジシロキサン、1,6−ジアミノヘキサン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、1,3−ジアミノベンゼン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,4−ジアミノベンゼン、4,4’−ジアミノ−2,2’,3,3’,5,5’,6,6’−オクタフルオロ−ビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’,3,3’,5,5’,6,6’−オクタフルオロジフェニルエーテル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)−フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,1−ジ(p−アミノフェニル)エタン、2,2−ジ(p−アミノフェニル)プロパン、2,2−ジ(p−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンなど、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0032】
二無水物およびジアミンは、例えば、二無水物とジアミンとの重量比が約20:80〜約80:20になるように、より特定的には、約50:50の重量比になるように選択される。上述の芳香族二無水物(芳香族テトラカルボン酸二無水物のような)およびジアミン(芳香族ジアミンのような)をそれぞれ1種類用いるか、または混合物として用いる。
【0033】
開示されているアルキルチオホスフェートは、内部剥離剤として亜鉛ジアルキルチオホスフェートを含み、以下の構造
【化1】

および
【化2】

を含み、式中、R、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子;アルキル、例えば、炭素原子を約1個〜約20個含むアルキル;シクロアルキル、例えば、炭素原子を約6個〜約26個含むシクロアルキル;炭素原子を約6個〜約50個含むアリール基、アルキルアリール基またはアリールアルキル基;ヒドロカルビル基、例えば、炭素原子を約3個〜約20個含み、エステル基、エーテル基、アルコール基またはカルボキシル基を含むヒドロカルビル基;直鎖または分枝鎖であってもよいアルキル基、例えば、炭素原子を約2個〜約18個、または約4個〜約8個含むアルキル基をあらわす。アルキル基およびアルコキシ基の例としては、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシルエチルヘキシルなど、およびこれらの混合物、および対応するアルコキシドが挙げられる。
【0034】
金属ジアルキルジチオホスフェートの特定の例としては、亜鉛ジエチルジチオホスフェート、アンチモンジアミルジチオホスフェート、モリブデンジ(2−エチルヘキシル)ジチオホスフェートなどが挙げられる。商業的な亜鉛ジアルキルジチオホスフェートとしては、Elco Corporation(クリーブランド、OH)から入手可能なELCO(商標)102(一級亜鉛ジアルキルジチオホスフェートの混合物)、103(一級および二級の亜鉛ジアルキルジチオホスフェートの混合物)、106、108、114、119および121が挙げられる。多くのチオホスフェートは、特定の量の石油蒸留物、鉱物油(例えば、Valero Energy Corporation(サンアントニオ、TX)から入手可能なValPar500(商標))を含む。商業的なモリブデンジアルキルジチオホスフェートとしては、R.T.Vanderbilt Company,Inc.(ノーウォーク、CT)から入手可能なMOLYVAN L(商標)(モリブデンジ(2−エチルヘキシル)ホスホロジチオエート)が挙げられる。商業的なアンチモンジアルキルジチオホスフェートとしては、R.T.Vanderbilt Company,Inc.(ノーウォーク、CT)から入手可能なVANLUBE 622(商標)および648(商標)(アンチモンジアルキルホスホロジチオエート)が挙げられる。金属ジアルキルジチオホスフェートに適した他の金属の例としては、鉛およびマンガンが挙げられる。
【0035】
開示されている組成物は、ポリアミド酸(例えば、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物/4,4−オキシジアニリンのポリアミド酸)と、内部剥離剤(例えば、亜鉛ジアルキルジチオホスフェート(ZDDP))とを含む。ステンレス鋼基板からポリイミド層を完全に剥離するには、0.5重量%を超えない内部剥離剤が必要である。
【0036】
ポリイミド基板組成物は、場合により、コーティングを強化するか、または平滑にするために、ポリシロキサンコポリマーを含んでいてもよい。ポリシロキサンコポリマーの濃度は、組成物の約1重量%未満であるか、または約0.2重量%未満である。任意のポリシロキサンコポリマーは、BYK Chemicalから商品名BYK(登録商標)310(キシレン中、約25重量%)および370(キシレン/アルキルベンゼン/シクロヘキサノン/モノフェニルグリコール=75/11/7/7中、約25重量%)で市販されているポリエステル修飾されたポリジメチルシロキサン;BYK Chemicalから商品名BYK(登録商標)330(メトキシプロピルアセテート中、約51重量%)および344(キシレン/イソブタノール=80/20中、約52.3重量%)、BYK(登録商標)−SILCLEAN 3710および3720(メトキシプロパノール中、約25重量%)で市販されているポリエーテル修飾されたポリジメチルシロキサン;BYK Chemicalから商品名BYK(登録商標)−SILCLEAN 3700(メトキシプロピルアセテート中、約25重量%)で市販されているポリアクリレート修飾されたポリジメチルシロキサン;または、BYK Chemicalから商品名BYK(登録商標)375(ジ−プロピレングリコールモノメチルエーテル中、約25重量%)で市販されているポリエステルポリエーテル修飾されたポリジメチルシロキサンを含む。基板のポリイミド、アルキルチオホスホネート、ポリシロキサンポリマーは、約99.89/0.09/0.01〜約95/4/1の重量比で存在する。
【0037】
開示されているポリイミド基板層210は、ヤング弾性率が約4,000MPa〜約10,000MPa、または約5,000MPa〜約9,000MPa、または約6,000MPa〜約8,000MPaであり;分解開始温度が約400℃〜約600℃、または約425℃〜約575℃、または約450℃〜約550℃である。
【0038】
また、本明細書には、フローコーティングによって、フューザーベルト基板のためのつなぎ目のないポリイミドベルトを調製するプロセスで用いられる組成物も記載されている。遠心成形プロセスでは、フッ素またはシリコーンの薄い剥離層を、堅い円筒形マンドレルの内側表面に塗布し、次いで、ポリイミド層を塗布し、その後、硬化させ、マンドレルから剥離する。フローコーティングプロセスおよび開示されている組成物を用いると、剥離層を追加する必要性が排除され、製造コストが下がる。
【0039】
基板層の組成物は、ポリアミド酸(例えば、ピロメリット酸二無水物/4,4−オキシジアニリンのポリアミド酸)と、アルキルチオホスフェートの内部剥離剤とを含む。内部剥離剤は、組成物の約0.05重量%〜約2重量%、または約0.1重量%〜約1重量%、または約0.2重量%〜約0.8重量%の量で存在する。アルキルチオホスフェート剥離剤は、ステンレス鋼基板からポリイミド層を完全に剥離するのに必要である。
【0040】
ポリイミド−アルキルチオホスフェート組成物を、望ましい生成物の円周になるように、溶接したステンレス鋼ベルトまたは電鋳したつなぎ目のないニッケルベルトの表面にフローコーティングする。ポリイミド−アルキルチオホスフェートベルトを、約150℃〜約250℃、または約180℃〜約220℃で約30分〜約90分、または約45分〜約75分かけて部分的に硬化させるか、または前硬化させ、このベルトは、ステンレス鋼ベルトまたは電鋳したつなぎ目のないニッケルベルトから自己剥離し、次いで、図4に示されるような構造になるように引っ張りつつ、約250℃〜約370℃、または約300℃〜約340℃で約30分〜約150分、または約60分〜約120分かけてさらに完全に硬化させる。この最終的な硬化は、張力が約1キログラム〜約10キログラムである。図4に示されるように、前硬化させたベルト210を、矢印20の方向に回転させつつ、2個のローラー250の間で引っ張る。最終的な硬化によって、フューザー部材として使用するのに適した弾性率を示すベルトが得られる。
【0041】
つなぎ目のあるステンレス鋼ベルトについて、つなぎ目の厚みおよびプロフィールを最低限にすることができ、基板ベルトの表面仕上げおよび粗さは、特定のものであってもよい。例えば、粗くなめしたベルト、または磨いたベルトは、ポリイミド層を剥離するのに良好である。このような構造によって、種々の長さおよび幅のベルトを容易に製造することができる。回転マンドレルを用いることは、それぞれのベルトが別個のマンドレルを必要とするため、製造可能なベルトの幅および長さを制限する。
【0042】
一実施形態では、コーティングベルト基板は、R(平均粗さ)が約0.01μm〜約0.5μm、または約0.05μm〜約0.3μm、または約0.1μm〜約0.2μmであり;Rmaxが、約0.05μm〜約2μm、または約0.1μm〜約1μm、または約0.2μm〜約0.7μmの粗くなめしたベルト基板である。この基板からフローコーティングされたポリイミドフューザー基板の裏側は、同様にあらくなめした状態である。
【0043】
別の実施形態では、コーティングベルト基板は、Rが約0.15μm〜約1μm、または約0.2μm〜約0.8μm、または約0.3μm〜約0.7μmであり;Rmaxが、約0.5μm〜約10μm、または約1μm〜約7μm、または約2μm〜約4μmの磨いたベルト基板である。この基板からフローコーティングされたポリイミドフューザー基板の裏側は、同様に磨かれた状態である。
【0044】
ポリイミド−アルキルチオホスフェート層の厚みは、シングルパスコーティングまたはマルチパスコーティングによって達成することができる。シングルパスの場合、ポリイミド層をコーティングし、約125℃〜約190℃で約30〜約90分かけて前硬化させ、次いで、約250℃〜約370℃で約30〜約90分かけて完全に硬化させる。マルチパス(例えば、デュアルパス)の場合、底部のポリイミド層を基板にコーティングし、約125℃〜約190℃で約30〜約90分かけて前硬化させ、次いで、上部のポリイミド層をコーティングし、約125℃〜約190℃で約30〜約90分かけて前硬化させ、その後に、この二重層になったポリイミド層を約250℃〜約370℃で約30〜約90分かけて完全に硬化させる。一実施形態では、ステンレス鋼のベルトをコーティング基板として用いる。コーティングを熱硬化させている間、基板を約20rpm〜約100rpm、または約40rpm〜約60rpmの速度で回転させる。
【0045】
ポリイミド基板組成物は、溶媒を含む。組成物を作成するのに選択される溶媒の例としては、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、N,N’−ジメチルホルムアミド、N,N’−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン(NMP)、塩化メチレンなど、およびこれらの混合物が挙げられ、溶媒は、コーティング組成物の量を基準として、例えば、約70重量%〜約95重量%、約80重量%〜約90重量%の量で選択される。
【0046】
添加剤およびさらなる導電性フィラーまたは非導電性フィラーが、上述の組成物中に存在していてもよい。種々の実施形態では、他のフィラー材料または添加剤(例えば、無機粒子を含む)を、コーティング組成物およびその後に形成される表面層のために使用してもよい。本明細書で用いられるフィラーとしては、カーボンブラック、例えば、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化アルミニウム、グラファイト、グラフェン、銅フレーク、ナノダイヤモンド、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、金属酸化物、ドープされた金属酸化物、金属フレーク、およびこれらの混合物が挙げられる。種々の実施形態では、当業者にとって既知の他の添加剤も、開示されているコンポジット材料を作成するために含まれていてもよい。
【0047】
組成物を任意の適切な既知の様式で基板上にコーティングする。このような材料を基板層にコーティングする典型的な技術としては、フローコーティング、液体噴霧コーティング、浸漬コーティング、ワイヤ巻き付けロッドによるコーティング、流動床コーティング、粉末コーティング、静電噴霧、音波噴霧、ブレードコーティング、成形、積層などが挙げられる。
【実施例】
【0048】
ビフェニルテトラカルボン酸二無水物/4,4’−オキシジアニリン/亜鉛ジアルキルジチオホスフェート(ZDDP)=99.5/0.5のポリアミド酸を含むある特定の組成物を、NMP中、固形分約16重量%で調製し、ここで、ポリアミド酸は、UBE America Inc.から得られるU−VARNISH Sであり;ZDDPは、ELCO Corporationから得られるElco(商標) 103である。組成物の液をステンレス鋼基板にコーティングし、次いで、75℃で30分間、190℃で30分間、320℃で60分間硬化させる。得られたポリイミド基板は、ステンレス鋼コーティング基板から自己剥離し、80μmの平滑なポリイミド基板が得られた。
【0049】
ポリイミド基板を、弾性率および分解開始温度についてさらに試験した。弾性率は、約8,800MPaであり、分解開始温度は約583℃であった。比較として、市販のポリイミド基板は、弾性率が約6,000MPa〜約8,000MPaである。市販のポリイミド基板の分解開始温度は、約530℃である。したがって、開示されているポリイミド基板の鍵となる特性は、市販の基板に匹敵するものであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリイミドポリマーと、アルキルチオホスフェートとを含む基板層を備える、フューザー部材。
【請求項2】
前記アルキルチオホスフェートが、金属ジアルキルジチオホスフェートを含み、前記金属が、亜鉛、モリブデン、鉛、マンガン、アンチモンおよびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載のフューザー部材。
【請求項3】
前記アルキルチオホスフェートが、以下の構造
【化1】

および
【化2】

によってあらわされ、式中、R、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子;アルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリールまたはアリールアルキルをあらわす、請求項1に記載のフューザー部材。
【請求項4】
、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、炭素原子を1個〜約20個含むアルキル;炭素原子を6個〜約26個含むシクロアルキル;それぞれ、炭素原子を約6個〜約50個含むアリール、アルキルアリールまたはアリールアルキル;または、場合により、ヒドロカルビル基をあらわす、請求項3に記載のフューザー部材。
【請求項5】
前記アルキルチオホスフェートが、亜鉛ジアルキルジチオホスフェートを含み、前記アルキルが、炭素原子が約2〜約18個の直鎖または分枝鎖のアルキルである、請求項1に記載のフューザー部材。
【請求項6】
前記層が、ポリシロキサンポリマーをさらに含む、請求項1に記載のフューザー部材。
【請求項7】
前記ポリシロキサンポリマーが、ポリエステル修飾されたポリジメチルシロキサン、ポリエーテル修飾されたポリジメチルシロキサン、ポリアクリレート修飾されたポリジメチルシロキサン、ポリエステルポリエーテル修飾されたポリジメチルシロキサンからなる群から選択される、請求項6に記載のフューザー部材。
【請求項8】
前記層がフィラーをさらに含む、請求項1に記載のフューザー部材。
【請求項9】
ポリイミドポリマーおよびアルキルチオホスフェートを含む基板層と;
シリコーンおよびフルオロエラストマーからなる群から選択される材料を含む中間層と;
フルオロポリマーを含む中間層に配置される剥離層とを備える、フューザー部材。
【請求項10】
ポリイミドポリマーと、アルキルチオホスフェートと、溶媒とを含む組成物。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図2A】
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【図2B】
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【公開番号】特開2012−163953(P2012−163953A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−10193(P2012−10193)
【出願日】平成24年1月20日(2012.1.20)
【出願人】(596170170)ゼロックス コーポレイション (1,961)
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
【Fターム(参考)】