説明

フルオロアルキル置換ベンズイミダゾールカンナビノイドアゴニスト

【化1】


本発明は、カンナビノイド受容体作動性を有する式(I)のベンズイミダゾール化合物、これらの化合物を含んでなる製薬学的組成物、これらの化合物の化学的製造方法ならびに動物、特に人間におけるカンナビノイド受容体の媒介に結び付けられる疾患の処置におけるそれらの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、選択的カンナビノイド受容体2作動性を有する新規な式(I)のベンズイミダゾール化合物、これらの化合物を含んでなる製薬学的組成物、これらの化合物の化学的製造方法ならびに動物、特に人間におけるカンナビノイド受容体の媒介に結び付けられる疾患の処置におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
マリファナ由来カンナビノイドΔ−テトラヒドロ−カンナビノール(Δ−THC)のような古典的なカンナビノイドは、体内の特異的なカンナビノイド受容体との相互作用を介してそれらの薬理学的効果を生む。これまでに2つのカンナビノイド受容体:哺乳類脳及び末梢組織において見出された受容体CB1及び主に末梢組織において見出された受容体CB2が特性化された。これらの受容体の1つ又は両方に関するアゴニスト又はアンタゴニストである化合物は、多様な薬理学的効果を与えることが見出された。CB2受容体に関する選択性は、カンナビノイド構造に伴って見られる中枢の不利な事柄を避けながら、CB受容体アゴニストの有益な効果を利用するための手段を与えることができると思われるので、選択的CB2作動活性を有するカンナビノイド類似物の開発に有意な興味が持たれる(例えば非特許文献1を参照されたい)。他方、化合物におけるあるレベルのCB1作動活性は、アゴニストの有益な効果をさらに向上させることができる。従って、好ましくは化合物の低い中枢(脳)浸透と組み合わされたCB1及びCB2作動性の間の優れたバランスは、完全に選択的なCB2アゴニストの使用を超える臨床的な利点を与えることができる。
【0003】
特許文献1は、アルツハイマー病、不安障害、抑うつ性障害、骨粗しょう症、心臓血管病、慢性関節リウマチ又は前立腺ガンのようなエストロゲン受容体−βに関連する疾患の処置における使用のための、エストロゲン受容体−βリガンドとしてのベンズイミダゾール化合物を開示している。特許文献2及び特許文献3は、CB2受容体活性により媒介される状態の処置において有用な、CB2作動活性を有するスルホニルベンズイミダゾール誘導体を開示している。
【0004】
本発明の化合物は、ベンズイミダゾール部分上にトリフルオロ置換アルキル基が存在することにより(特に特許文献2)、あるいはスルホニル置換基の異なる置換パターンにより(特許文献3と比較して)、引用された当該技術分野において既知の化合物と構造的に異なる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2002/46168号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2006/048754号パンフレット
【特許文献3】国際公開第2007/102059号パンフレット
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Expert Opinion on Investigational Drugs,14(6),2005年,695−703
【発明の概要】
【0007】
本発明は、立体化学的異性体を含んで、式(I)
【0008】
【化1】

【0009】
[式中、
nは整数0、1又は2であり;
はポリハロC3−6アルキルであり;
はC1−6アルキルであり;
は水素、ハロ、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、トリフルオロメチル又はシアノであり;
はC1−8アルキル;
3−8シクロアルキルで置換されたC1−8アルキル;
ポリハロC1−8アルキル;
ハロ、ヒドロキシ、C1−8アルキル、C1−4アルキルオキシ、ポリハロC1−4アルキルオキシ、シアノ、アミノカルボニル、ニトロ、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールからそれぞれ独立して選ばれる1、2又は3個の置換基で置換されたC1−8アルキル;
ヘテロシクリル;
アリール;又は
ヘテロアリール
であり;
ヘテロシクリルは、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、オキセパニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニル、1,3−ジオキサニル、オキサゾリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、アゼピニル、ピペラジニル、モルホリニル、テトラヒドロチオピラニル−1−オキシド、テトラヒドロチオピラニル−1,1−ジオキシド、ピロリジノニル、ピペリジノニル、アゼピノニル、ピペラジジノニル、オキサジジリノニル、アゼチジノニル、モルホリノニルから選ばれ、且つ該ヘテロシクリルは場合によりハロ、CN、C1−6アルキル、C1−6ポリハロアルキルあるいはヒドロキシで置換されたC1−6アルキル、C1−4アルキルオキシ、ポリハロC1−4アルキルオキシ、C1−4アルキルオキシC1−6アルキル、ベンジル又はアリールから選ばれる1〜3個の基で置換されていることができ;
アリールは、フェニル;あるいはハロ;ヒドロキシ;C1−4アルキル;ポリハロC1−4アルキル;C1−4アルキルオキシ;ポリハロC1−4アルキルオキシ;シアノ;ニトロ;NR;R−カルボニル;R−SO−;ヒドロキシ、NR、R−カルボニル又はR−SO−で置換されたC1−4アルキルからそれぞれ独立して選ばれる1、2又は3個の置換基で置換されたフェニルであり;
ヘテロアリールは、フラニル、チオフェニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル又はピラジニルから選ばれ;
ここでR及びRは互いに独立して水素、C1−4アルキル、ポリハロC1−4アルキル、アミノスルホニル又はC1−8アルキルスルホニル;あるいはR−カルボニルから
選ばれ;
ここでRはC1−4アルキル、ヒドロキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−(C1−4アルキル)アミノ、(ヒドロキシC1−4アルキル)アミノ、(C1−4アルキルオキシC1−4アルキル)アミノ、ジ(C1−4アルキル)アミノC1−4アルキル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル又はN−メチル−ピペラジニルである]
の化合物あるいはその製薬学的に許容され得る酸付加塩又はその溶媒和物に関する。
【0010】
前記の定義において用いられる場合:
−ハロはフルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードの総称であり;
−C1−4アルキルは、1〜4個の炭素原子を有する直鎖状及び分枝鎖状飽和炭化水素基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、1−メチルエチル、2−メチルプロピルなどを定義し;
−C1−6アルキルは、C1−4アルキル及び5もしくは6個の炭素原子を有するその高級同族体、例えば2−メチルブチル、ペンチル、ヘキシルなどを含むものとし;
−C3−6アルキルは、3〜6個の炭素原子を有する直鎖状及び分枝鎖状飽和炭化水素基、例えばプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、1−メチルエチル、2−メチルプロピル、2−メチルブチルなどを定義し;
−ポリハロC3−6アルキルは、2〜6個のハロゲン原子で置換されたポリハロ置換C3−6アルキル(上記で定義された)、例えばジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、n−トリフルオロブチル又はn−トリフルオロペンチルなどとして定義され;
−C3−6シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルの総称であり;
−C3−8シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチルの総称であり;
−C6−8シクロアルキルは、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチルの総称である。
【0011】
前記で用いられた「立体化学的異性体」という用語は、式(I)の化合物が有することができるすべての可能な異性体を定義する。他にことわるか又は指示しなければ、化合物の化学的名称はすべての可能な立体化学的異性体の混合物を示し、該混合物は基本の分子構造のすべてのジアステレオマー及びエナンチオマーを含有する。さらに特定的に、ステレオジェン中心はR−又はS−立体配置を有することができ;二価環状(部分的)飽和基上の置換基は、シス−又はトランス−立体配置のいずれかを有することができる。式(I)の化合物の立体化学的異性体は、明らかに本発明の範囲内に包含されることが意図されている。
【0012】
式(I)の化合物及びそれらの製造において用いられる中間体の絶対立体化学的配置は、例えばX−線回折のような周知の方法を用いて当該技術分野における熟練者が容易に決定することができる。
【0013】
さらに、式(I)のいくつかの化合物及びそれらの製造において用いられる中間体のいくつかは、多形を示し得る。本発明は、上記に記載した状態の処置において有用な性質を有するいずれの多形相も包含することが理解されるべきである。
【0014】
上記で言及した製薬学的に許容され得る酸付加塩は、式(I)の化合物が形成することができる治療的に活性な無毒性の酸付加塩の形態を含むものとする。これらの製薬学的に許容され得る酸付加塩は、塩基形態をそのような適した酸で処理することにより簡単に得ることができる。適した酸は、例えば無機酸、例えばハロゲン化水素酸、例えば塩酸又は臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの酸;あるいは有機酸、例えば酢酸、プロパン酸、
ヒドロキシ酢酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸(すなわちエタン二酸)、マロン酸、コハク酸(すなわちブタン二酸)、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シクラミン酸、サリチル酸、p−アミノサリチル酸、パモ酸などの酸を含む。
【0015】
逆に、適した塩基を用いる処理により、該塩形態を遊離の塩基形態に転換することができる。
【0016】
式(I)の化合物は、溶媒和されない形態及び溶媒和された形態の両方において存在することができる。「溶媒和物」という用語は本明細書で、本発明の化合物及び1種もしくはそれより多い製薬学的に許容され得る溶媒分子、例えば水又はエタノールを含んでなる分子会合を記述するために用いられる。「水和物」という用語は、該溶媒が水である場合に用いられる。
【0017】
興味深い式(I)の化合物は、以下の制限の1つもしくはそれより多くが適用される式(I)の化合物である:
a)nが整数0であるか、又はnが整数2であるか;あるいは
b)RがポリハロC3−6アルキルであるか;あるいは
c)Rがn−トリフルオロブチル又はn−トリフルオロペンチルであるか;あるいは
d)RがC1−6アルキルである、特にRがtert−ブチルであるか;あるいは
e)Rが水素であるか;あるいは
f)RがC3−8シクロアルキルで置換されたC1−8アルキルであるか;あるいは
g)Rがアリールで置換されたC1−8アルキルであり、ここでアリールはフェニルあるいはシアノ、C1−4アルキルオキシ又はR−カルボニルで置換されたフェニルであり、ここでRはアミノであるか;あるいは
h)Rがアリールで置換されたCFであり、ここでアリールはフェニルあるいはシアノ、CONH又はC1−4アルキルオキシで置換されたフェニルであるか;あるいは
i)Rがアリールであり、ここでアリールはフェニルあるいはシアノ、CONH又はC1−4アルキルオキシで置換されたフェニルであるか;あるいは
j)Rがヘテロアリールで置換されたC1−8アルキルであり、ここでヘテロアリールはピリジニル又はピラゾリルであるか;
k)Rがヘテロシクリル又はヘテロシクリルで置換されたC1−4アルキルであり、ここでヘテロシクリルはテトラヒドロチオピラニル−1,1−ジオキシド、ピロリジノニル、ピペリジノニル、アゼピノニル、アゼチジノニル、モルホリノニルから選ばれ、且つ該ヘテロシクリルは場合によりハロ、CN、C1−6アルキル、C1−6ポリハロアルキル、ヒドロキシで置換されたC1−6アルキル、C1−4アルキルオキシ、ポリハロC1−4アルキルオキシ又はC1−4アルキルオキシC1−6アルキルから選ばれる1〜3個の基で置換されていることができる。
【0018】
式(I)の化合物の別の群は、
nが整数0、1又は2であり;
がポリハロC3−6アルキルであり;
がC1−6アルキルであり;
が水素であり;
がC3−8シクロアルキルで置換されたC1−8アルキル;
ハロ、C1−8アルキル又はアリールからそれぞれ独立して選ばれる1、2又は3個の置換基で置換されたC1−8アルキル;
ヘテロシクリル;
アリール;又は
ヘテロアリール
であり;
ヘテロシクリルがピロリジノニルから選ばれ;
アリールがC1−4アルキルオキシ;シアノ;又はR−カルボニルから選ばれる1個の置換基で置換されたフェニルであり;
ヘテロアリールがピラゾリル又はピリジニルから選ばれ、
ここでRはアミノである
立体化学的異性体を含む式(I)の化合物あるいはその製薬学的に許容され得る酸付加塩又はその溶媒和物である。
【0019】
nが0である式(I)の化合物として定義される式(I−a)の化合物は、CsCOのような適した塩基の存在下に、例えば2−プロパノン、1,4−ジオキサン又はTHFのような反応に不活性な溶媒中で、且つ場合によりNaI又はKIの存在下で、中間体(II)を中間体(III)と反応させることにより製造することができ、ここでLは離脱基、例えばハロ、メタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシなどの反応性離脱基である。中間体(III)中に存在する置換基の型に依存して、カップリング反応後に除去することができる保護基を、中間体(III)中に導入することが必要であり得る。
【0020】
【化2】

【0021】
nが0である式(I)の化合物として定義される式(I−a)の化合物を、CsCOのような適した塩基、Pd(dba)のような触媒及びキサントフォス(Xantphos)のような適したリガンドの存在下に、例えば2−プロパノン、1,4−ジオキサン又はTHFのような反応に不活性な溶媒中で、中間体(II)を中間体(IV)と反応させることによって製造することもできる。
【0022】
【化3】

【0023】
当該技術分野において既知のS−酸化反応により、式(I−a)の化合物を、nが1を示す式(I)の化合物として定義される式(I−b)の化合物に、あるいはnが2を示す式(I)の化合物として定義される式(I−c)の化合物に転換することができる。
【0024】
過酸化水素の30%水溶液を用いて、又は他の酸化剤、例えばNaIO、tert−ブチルオキシクロリド、亜硝酸アシル、過ホウ酸ナトリウム及び過酸、例えばmCPBA(メタ−クロロ過安息香酸)により、S−酸化反応を行なうことができる。スルフィドをスルホキシドに酸化することができ、それをさらに1当量の過酸化水素、KMnO、過
ホウ酸ナトリウム、過硫酸水素カリウム、mCPBAなどの試薬の添加によりスルホンにさらに酸化することができる。十分な酸化剤が存在すれば、スルホキシドを単離せずに直接、スルフィドをスルホンに転換することができる。
【0025】
【化4】

【0026】
上記の方法において製造される式(I)の化合物は、エナンチオマーのラセミ混合物の形態で合成することができ、それを当該技術分野において既知の分割法に従って互いから分離することができる。ラセミ形態で得られる式(I)の化合物を、適したキラル酸との反応により対応するジアステレオマー塩の形態に転換することができる。該ジアステレオマー塩の形態を、続いて例えば選択的又は分別結晶化により分離し、アルカリによりそこからエナンチオマーを遊離させる。式(I)の化合物のエナンチオマーの形態を分離する代わりの方法は、キラル固定相を用いる液体クロマトグラフィーを含む。該純粋な立体化学的異性体を、適した出発材料の対応する純粋な立体化学的異性体から誘導することもでき、但し、反応は立体特異的に起こる。好ましくは、特定の立体異性体が望まれる場合、該化合物は立体特異的製造方法により合成されるであろう。これらの方法は、有利にはエナンチオマー的に純粋な出発材料を用いるであろう。
【0027】
式(I)の化合物、その製薬学的に許容され得る塩及び立体異性体は、薬理学的実施例において示されるように、選択的カンナビノイド受容体2(CB2)作動性を有する。薬理学的実施例D.1は、CB2アゴニズムを測定する方法を記載しており、結果は表D.1に挙げられている。
【0028】
従って本式(I)の化合物は、特にカンナビノイド2受容体、特にCB2作動活性により媒介される状態又は疾患の処置における薬剤として有用である。結果として、本化合物をCB2受容体活性、特にCB2作動活性により媒介される状態又は疾患の処置用の薬剤の製造のために用いることができる。
【0029】
好ましくは、本発明は、CB2状態又は疾患から選ばれる状態又は疾患の処置用の薬剤の製造のための式(I)の化合物又はその製薬学的に許容され得る塩の使用も提供する。
【0030】
さらに本発明は、哺乳類の患者におけるCB2受容体活性により媒介される状態の処置方法を提供し、それは、そのような処置の必要な哺乳類に式(I)の化合物又はその製薬
学的に許容され得る塩の治療的に有効な量を投与することを含む。
【0031】
カンナビノイド受容体2が媒介する状態又は障害は、例えば心臓血管病、例えばアテローム性動脈硬化症、高血圧、心筋虚血;慢性痛障害(chronic pain disorders)、例えば痛覚過敏症、神経障害痛(neuropathic pain)、末梢痛、内臓痛、炎症痛、熱性痛覚過敏症、侵害受容痛(nociceptive pain)、線維筋痛、慢性背下部痛及び歯痛;炎症、浮腫、膀胱炎、神経炎症性疾患、免疫系障害、自己免疫疾患、多発性硬化症、慢性関節リウマチ、胃腸障害、腸運動障害、過敏性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾患(IBD)、クローン病、慢性肝臓損傷(肝硬変)、ガン、前立腺ガン、ガン痛、神経膠腫、アレルギー、吐気及び嘔吐、喘息、慢性閉塞性肺疾患、乾癬、てんかん及び骨喪失障害(bone loss disorders)、例えば骨粗しょう症である(下記で「CB2障害又は疾患」と言及する)。
【0032】
本明細書で用いられる場合、「処置する」及び「処置」という用語は、そのような用語が適用される疾患、障害又は状態あるいはそのような疾患、障害又は状態の1つもしくはそれより多い症状を逆転させるか、緩和するか、その進行を妨げるか、又は予防することを含む、治癒的、緩和的及び予防的処置を指す。
【0033】
さらに本発明は、少なくとも1種の製薬学的に許容され得る担体及び式(I)の化合物の治療的に有効な量を含んでなる製薬学的組成物を提供する。
【0034】
本発明の製薬学的組成物の調製のために、塩基又は酸付加塩の形態にある特定の化合物の活性成分として有効な量を、少なくとも1種の製薬学的に許容され得る担体と緊密な混合物において合わせ、その担体は、投与のために望ましい調製物の形態に依存して多様な形態をとることができる。望ましくはこれらの製薬学的組成物は、好ましくは経口的投与、直腸的投与、経皮的投与又は非経口的注入に適した単位投薬形態にある。
【0035】
例えば経口的投薬形態での組成物の調製において、懸濁剤、シロップ、エリキシル剤及び溶液のような経口用液体調製物の場合、通常の液体の製薬学的担体のいずれか、例えば水、グリコール、油、アルコールなど;あるいは粉剤、丸薬、カプセル及び錠剤の場合、澱粉、糖類、カオリン、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などのような固体の製薬学的担体を用いることができる。錠剤及びカプセルは、それらの容易な投与の故に、最も有利な経口的投薬単位形態物を与え、その場合には固体の製薬学的担体が用いられるのは明らかである。非経口的注入組成物の場合、製薬学的担体は主に無菌水を含んでなるであろうが、活性成分の溶解性を向上させるための他の成分が含まれることができる。例えば食塩水、グルコース溶液又は両者の混合物を含んでなる製薬学的担体を用いることにより、注入可能な溶液を調製することができる。適した液体担体、懸濁化剤などを用いることにより、注入可能な懸濁剤を調製することもできる。経皮的投与に適した組成物において、製薬学的担体は場合により浸透促進剤及び/又は適した湿潤剤を含んでなることができ、それらは場合により皮膚に有意な悪影響を引き起こさない小さい割合の適した添加剤と組み合わされていることができる。該添加剤は、皮膚への活性成分の投与を促進するように及び/又は所望の組成物の調製の助けとなるように選ばれることができる。これらの局所用組成物を種々の方法で、例えば経皮パッチ、スポット−オン又は軟膏として投与することができる。式(I)の化合物の付加塩は、対応する塩基形態より向上したそれらの水溶性のために、水性組成物の調製において明らかにより適している。
【0036】
投与の容易さ及び投薬量の均一性のために、本発明の製薬学的組成物を投薬単位形態物において調製するのが特に有利である。本明細書で用いられる「投薬単位形態物」は、1回の投薬量として適した物理的に分離された単位を指し、各単位は所望の治療効果を生むために計算されたあらかじめ決められた量の活性成分を、必要な製薬学的担体と一緒に含
有する。そのような投薬単位形態物の例は錠剤(刻み付き又はコーティング錠を含む)、カプセル、丸薬、粉剤小包、ウェハース、注入可能な溶液又は懸濁剤、小さじ一杯、大さじ一杯など、ならびに分離されたそれらの複数である。
【0037】
経口的投与のために、本発明の製薬学的組成物は、製薬学的に許容され得る賦形剤及び担体、例えば結合剤(例えば予備ゼラチン化トウモロコシ澱粉、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなど)、充填剤(例えばラクトース、微結晶性セルロース、リン酸カルシウムなど)、滑沢剤(例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、シリカなど)、崩壊剤(例えばポテト澱粉、ナトリウム澱粉グリコレートなど)、湿潤剤(例えばラウリル硫酸ナトリウム)などを用いて通常の手段により調製される固体の投薬形態物、例えば錠剤(嚥下可能及びチュワブル形態の両方)、カプセル又はゲルカップの形態をとることができる。そのような錠剤を当該技術分野において周知の方法によりコーティングすることもできる。
【0038】
経口的投与のための液体調製物は、例えば溶液、シロップ又は懸濁剤の形態をとることができるか、あるいはそれらを使用前に水及び/又は他の適した液体担体と混合するための乾燥生成物として調製することができる。そのような液体調製物は通常の方法により、場合により懸濁化剤(例えばソルビトールシロップ、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース又は水素化食用脂肪)、乳化剤(例えばレシチン又はアラビアゴム)、非−水性担体(例えばアーモンド油、油性エステル又はエチルアルコール)、甘味料、風味料、隠蔽剤及び防腐剤(例えばp−ヒドロキシ安息香酸メチルもしくはプロピル又はソルビン酸)のような他の製薬学的に許容され得る添加剤を用いて調製することができる。
【0039】
本発明の製薬学的組成物において有用な製薬学的に許容され得る甘味料は、好ましくは少なくとも1種の強力甘味料、例えばアスパルテーム、アセスルフェームカリウム、シクラミン酸ナトリウム、アリテーム、ジヒドロカルコン甘味料、モネリン、ステビオシドスクラロース(4,1’,6’−トリクロロ−4,1’,6’−トリデオキシガラクトスクロース)又は、好ましくはサッカリン、サッカリンナトリウムもしくはカルシウム及び場合により少なくとも1種のバルク甘味料(bulk sweetener)、例えばソルビトール、マンニトール、フルクトース、スクロース、マルトース、イソマルト、グルコース、水素化グルコースシロップ、キシリトール、カラメル又はハチミツを含む。強力甘味料は、簡便に低濃度で用いられる。例えばサッカリンナトリウムの場合、該濃度は、最終的な調剤の約0.04%〜0.1%(重量/容量)の範囲であることができる。バルク甘味料は、約10%〜約35%、好ましくは約10%〜15%(重量/容量)の範囲の比較的高い濃度で有効に用いられ得る。
【0040】
低−投薬量調剤において苦い味の成分を隠蔽することができる製薬学的に許容され得る風味料は、好ましくはフルーツ風味料、例えばチェリー、ラズベリー、黒スグリ又はストロベリー風味料である。2種の風味料の組み合わせは、非常に良い結果を与えることができる。高−投薬量の調剤においては、より強い製薬学的に許容され得る風味料、例えばカラメルチョコレート(Caramel Chocolate)、ミントクール(Mint
Cool)、ファンタジー(Fantasy)などが必要であり得る。各風味料は、約0.05%〜1%(重量/容量)の範囲の濃度で、最終的な組成物中に存在することができる。該強い風味料の組み合わせは、有利に用いられる。好ましくは、調剤の環境下で味及び/又は色の変化又は喪失を経ない風味料が用いられる。
【0041】
式(I)の化合物を、注入、簡便には静脈内、筋肉内又は皮下注入による、例えば大量注入又は継続的静脈内輸液による非経口的投与用に調製することができる。注入用の調剤は、単位投薬形態物において、例えばアンプル中で、又は加えられた防腐剤を含む多投薬
量容器中で存在することができる。それらは、油性又は水性ビヒクル中の懸濁剤、溶液又は乳剤のような形態をとることができ、等張化剤、懸濁化剤、安定剤及び/又は分散剤のような調製剤を含有することができる。あるいはまた、活性成分は、使用前に適したビヒクル、例えば発熱物質を含まない無菌水と混合するための粉末形態で存在することができる。
【0042】
式(I)の化合物を、例えば通常の座薬基剤、例えばココアバター及び/又は他のグリセリドを含有する座薬又は保持浣腸(retention enema)のような直腸用組成物において調製することもできる。
【0043】
カンナビノイド受容体の媒介に結び付けられる疾患の処置における熟練者は、下記に示される試験結果から、式(I)の化合物の治療的に有効な量を容易に決定することができるであろう。一般に治療的に有効な投薬量は、処置されるべき患者の体重のkg当たり約0.001mg〜kg当たり約50mg、より好ましくは体重のkg当たり約0.01mg〜kg当たり約10mgであろうと思われる。治療的に有効な投薬量を、1日を通じて適した間隔における2回かもしくはそれより多い細分−投薬量の形態で投与するのが適しているかも知れない。該細分−投薬量を、例えばそれぞれ単位投薬形態物当たりに約0.1mg〜約1000mg、さらに特定的に約1〜約500mgの活性成分を含有する単位投薬形態物として調製することができる。
【0044】
本明細書で用いられる場合、化合物の「治療的に有効な量」は、患者又は動物に投与されると、その患者又は動物において、カンナビノイド受容体の刺激における識別可能な増加又は減少を引き起こすのに十分に高いその化合物のレベルを生ずる化合物の量である。
【0045】
投与の正確な用量及び頻度は、当該技術分野における熟練者に周知の通り、用いられる特定の式(I)の化合物、処置されている特定の状態、処置されている状態の重度、特定の患者の年令、体重及び一般的な身体条件ならびに患者が摂取しているかも知れない他の投薬に依存する。さらに、処置される患者の反応に依存して及び/又は本発明の化合物を処方する医師の評価に依存して、該「治療的に有効な量」を減少させるか又は増加させることができる。従って上記で挙げた有効な1日の量の範囲は、単に指針である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
実験部分
下記に記載する方法において、以下の略語を用いた:「CHCl」はジクロロメタンを示し、「THF」はテトラヒドロフランを示し、「DIPE」はジイソプロピルエーテルを示し、「NaBH(CN)」はナトリウムシアノトリヒドロボレートを示し、「CsCO」は炭酸セシウムを意味し、「MgSO」は硫酸マグネシウムを意味し、「NaHCO」は炭酸一ナトリウム塩を意味し、「NaOH」は水酸化ナトリウムを意味し、「Pd(dba)」はトリス[μ−[(1,2−η:4,5−η)−(1E,4E)−1,5−ジフェニル−1,4−ペンタジエン−3−オン]ジパラジウムを意味し、そして「キサントフォス」は(9,9−ジメチル−9H−キサンテン−4,5−ジイル)ビス[ジフェニルホスフィン]を意味し、「DMAP」は4−(ジメチルアミノ)ピリジンを意味し、「CFCOOH」は2,2,2−トリフルオロ酢酸を意味し、「EtOAc」は酢酸エチルを意味し、そして「CHCl」はトリクロロメタンを意味する。IsoluteTMフィルターは、水及び/又は固体不純物を試料から除去することができる珪藻土の改質された形態を含んでなる短カラムである。
【0047】
高−性能液体クロマトグラフィー精製法:
−精製法A
生成物を逆相高−性能液体クロマトグラフィー(Shandon Hyperprep
(R) C18 BDS(Base Deactivated Silica)8μm,250g,内径5cm)により精製した。2つの移動相を用いる勾配を適用した。相A:水中の0.25%NHHCO溶液;相B:CHCN)。
【0048】
−精製法B
生成物を逆相高−性能液体クロマトグラフィー(Shandon Hyperprep(R) C18 BDS(Base Deactivated Silica)8μm,250g,内径5cm)により精製した。3つの移動相を用いる勾配を適用した。相A:水中の0.25%NHHCO溶液;相B(場合による):CHOH;相C:CHCN)。
【0049】
A.中間体の合成
実施例A.1
【0050】
【化5】

【0051】
エタノール(500ml)中の5−クロロ−2−ニトロベンゼンアミン(0.16モル)、4−メトキシベンゼンメタンチオール(0.16モル)及び水酸化カリウム(0.30モル)の混合物を2時間撹拌し且つ還流させた。反応混合物を冷却した。沈殿を濾過し、エタノールで洗浄し、乾燥し、48.5gの中間体(1)を与えた。
【0052】
【化6】

【0053】
CHCl(20ml)中の2,2−ジメチルプロパノイルクロリド(0.032モル)の溶液を、氷浴中で冷却されたCHCl(180ml)中の中間体(1)(0.03モル)及びピリジン(0.06モル)の混合物に滴下した。反応混合物が室温に達するのを許した。DMAPを加え、混合物を20時間撹拌し且つ還流させた。余分の中間体(1)(0.01モル)、2,2−ジメチルプロパノイルクロリド(0.048モル)及びピリジン(1.2モル)を加えた。混合物を2時間還流させた。溶媒を蒸発させた。残留物をCHCl中に取り上げ、水で洗浄した。有機層を分離し、乾燥し(MgSO)、濾過し、溶媒を蒸発させた。残留物をDIPEから結晶化させた。沈殿を濾過し、洗浄し、乾燥し、9.1gの中間体(2)を与えた。
【0054】
【化7】

【0055】
水(500ml)中の中間体(2)(0.0748モル)、鉄(56g)及び酢酸(10ml)の混合物を4時間撹拌し且つ還流させた。混合物を冷却した。溶媒をデカンテーションした。残留物をメタノール及びTHF中に取り上げた。混合物をジカライト上で濾過した。溶媒を蒸発させた。残留物をCHCl中に取り上げた。有機層を分離し、MgSO及びジカライト上で濾過した。溶媒を蒸発させた。残留物をDIPEから結晶化させた。沈殿を濾過し、乾燥し、21gの中間体(3)を与えた。
【0056】
【化8】

【0057】
CHCl(500ml)中の中間体(3)(0.030モル)及び酢酸(0.0910モル)の混合物を、室温で窒素を通気しながら(under nitrogen−bubbling)撹拌した。4,4,4−トリフルオロブタナール(0.0400モル)を加えた。15分後、NaBH(CN)を加え、反応混合物をさらに1時間撹拌した。水を加え、反応混合物を抽出した。分離された有機層を集め、乾燥し(MgSO)、濾液を蒸発させた。残留物をDIPE中に懸濁させ、中間体(4)を与えた。
【0058】
実施例A.2
【0059】
【化9】

【0060】
マイクロ波中で反応を行った。化合物(1)(0.0027モル)をCFCOOH(15ml)中に溶解し、反応混合物を100℃で30分間撹拌した。まだ出発材料の10%が存在したので、混合物を再度100℃(マイクロ波)中で30分間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残留物を抽出し(EtOAc/NaHCO)、乾燥し(MgSO)、濾過し、蒸発させた。濃厚物を中間体(5)として用いた。
【0061】
類似の方法を用い、化合物(10)を中間体(9)に転換した。
【0062】
【化10】

【0063】
実施例A.3
【0064】
【化11】

【0065】
CHCl(1000ml)中の5,5,5−トリフルオロペンタナール(0.150モル)、中間体(3)(0.050モル)を加え、次いで酢酸(4ml)及びTi(IV)(OiPr)(0.018モル)を加えた。反応混合物を20分間撹拌した。次いでNaBH(CN)(0.080モル)を加え、反応混合物を2時間撹拌した。反応混合物を水で洗浄した。有機層を乾燥し(MgSO)、濾過し、蒸発させた。残留物をカラムクロマトグラフィー(400グラムシリカカラム,溶離剤:CHCl)により精製した。生成物画分を集め、蒸発させた。残留物は蒸発させると固化した。固体をオーブン中で真空下に乾燥し、12.5gの中間体(8)を与えた。
【0066】
実施例A.4
【0067】
【化12】

【0068】
0℃で冷却されたCHCl(250ml)中の2,4−ジメトキシベンジルアミン(0.0295モル)の混合物に、2,4−ジブロモブチリルブロミドを加えた。反応混合物が室温になるのを許し、続いて室温で1時間撹拌した。反応混合物を水及びブラインで洗浄した。有機層を乾燥し(MgSO)、濾過し、蒸発させ、中間体(10)を与えた。
【0069】
【化13】

【0070】
0℃で冷却されたTHF(125mL)中の中間体(10)(0.0091モル)の混合物に、NaH(鉱油中の60%,0.0182モル)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。減圧下で溶媒を除去し、残留物をCHCl中に取り上げ、水で洗浄した。有機層を乾燥し(MgSO)、濾過し、蒸発させ、中間体(11)を与えた。
【0071】
B.最終的化合物の合成
実施例B.1
【0072】
【化14】

【0073】
中間体(4)(0.0255モル)を酢酸(100ml)中に溶解した。反応混合物を終夜還流させ、溶媒を蒸発させた。残留物を抽出し(CHCl/NaHCO)、乾燥し、濾過し、蒸発させた。濃厚物をDIPE中に懸檀させ、沈殿を濾過し、7.4gの化合物(1)を与えた。
【0074】
実施例B.2
【0075】
【化15】

【0076】
THF中の(ブロモメチル)シクロプロパン(0.0057モル)、ヨウ化カリウム(触媒量)の混合物を15分間撹拌した。THF中に溶解された中間体(5)(0.0023モル)を、CsCO(0.0035モル)の直後に加えた。反応混合物を60℃で1時間撹拌した。混合物を抽出し(CHCl/HO)、乾燥し、濾過し、蒸発させ、化合物(2)を与えた。
【0077】
実施例B.3
【0078】
【化16】

【0079】
化合物(2)(0.0023モル)を室温でCHCl(40ml)中に溶解した。3−クロロベンゼンカルボペルオキソ酸(0.0054モル)をゆっくり加え(発熱反応)、混合物を1/2時間撹拌した。反応混合物を、飽和NaHCOで2回及び1N NaOHで1回抽出した。有機層をHOで洗浄し、乾燥した(MgSO)。精製法Aを用いる高−性能液体クロマトグラフィーにより残留物を精製した。所望の画分を集め、溶媒を蒸発させ、化合物(3)を与えた。
【0080】
実施例B.4
【0081】
【化17】

【0082】
ジオキサン(5ml)中の4−クロロピリジン1−オキシド(0.0025モル)、Pd(dba)(触媒量)、キサントフォス(触媒量)及びCsCO(0.973g)の混合物を、窒素雰囲気及び真空を交互に適用することにより、脱ガスした。ジオキサン(15ml)中の中間体(5)(0.0023モル)を、窒素−雰囲気下で加えた。反応混合物を100℃で2時間撹拌した。混合物を抽出し(CHCl/HO)、乾燥し、濾過し、蒸発させた。残留物を中間体(6)として用いた。
【0083】
【化18】

【0084】
中間体(6)(0.0023モル)をCHCl(40ml)中に室温で溶解した。3−クロロベンゼンカルボペルオキソ酸(0.0054モル)をゆっくり加え(発熱反応)、混合物を30分間撹拌した。反応混合物を、飽和NaHCOで2回及び1N NaOHで1回抽出した。有機層を水で洗浄し、乾燥した(MgSO)。精製法Bを用いる高−性能液体クロマトグラフィーにより残留物を精製した。所望の画分を集め、溶媒を蒸発させ、中間体(7)を与えた。
【0085】
【化19】

【0086】
中間体(7)(0.0006モル)を酢酸(10ml)中に溶解し、鉄粉末(0.0057モル)を加えた。反応混合物を60℃で2時間撹拌した。反応物を冷却し、蒸発させ、抽出した(CHCl/NaHCO)。有機層を乾燥し、濾過し、蒸発させ、化合物(4)を与えた。
【0087】
実施例B.5
【0088】
【化20】

【0089】
1−ベンゾイル−4−ヨード−1H−ピラゾール(0.003モル)及びCsCO(0.00235モル)の混合物にジオキサン(10ml)を加えた。窒素雰囲気と真空を交互に適用することにより反応混合物を脱ガスした。ジオキサン(10ml)中の中間体(5)(0.0023モル)の混合物を、窒素雰囲気と真空を交互に適用することにより脱ガスした。Pd(dba)(0.1g)及びキサントフォス(0.13g)を加え、窒素雰囲気と真空を交互に適用することにより反応混合物を脱ガスした。混合物を70℃で終夜撹拌した。混合物を冷却し、水(150ml)を加え、混合物をCHCl(150ml)で2回抽出した。合わせた有機層を乾燥し(MgSO)、濾過し、回転蒸発器上で濃縮した。得られる残留物を、精製法Aによる高−性能液体クロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物画分を化合物(8)として集めた。
【0090】
実施例B.6
【0091】
【化21】

【0092】
CHCl(20ml)中の化合物(9)(0.0024モル)、3−クロロベンゼンカルボペルオキソ酸(0.95g;70%)の混合物を室温で30分間振った。反応混合物を1N NaOH(2x15ml)、水(15ml)で洗浄し、次いでIsoluteTMフィルター上で濾過し、窒素流下で濃縮した。得られる残留物を、逆相高−性能液体クロマトグラフィーを介して精製した。所望の生成物画分を化合物(7)として集めた。
【0093】
実施例B.7
【0094】
【化22】

【0095】
DMF(15mL)中の中間体(11)(0.009モル)及び中間体(5)(0.003モル)の混合物に、KCO(0.0045モル)を加えた。反応混合物を60℃で1時間撹拌した。次いでNaBH(0.0009モル)を加え、撹拌を60℃で1時間続けた。混合物を濃縮し、残留物を酢酸エチルと水に分配した。有機層を乾燥し(MgSO)、濾過し、蒸発させた。溶離剤として100:0から98:2のCHCl/メタノール(7N NH)の混合物を用い、シリカ上のカラムクロマトグラフィーにより残留物を精製した。生成物画分を集め、蒸発させ、中間体(12)を与えた。
【0096】
【化23】

【0097】
中間体(12)(0.0011モル)を室温でCHCl(30ml)中に溶解した。3−クロロベンゼンカルボペルオキソ酸(0.0033モル)を分けて加え、混合物を30分間撹拌した。反応混合物を水及び1N NaOHで洗浄した。有機層を乾燥し(MgSO)、濾過し、溶媒を蒸発させ、中間体(13)を与えた。
【0098】
【化24】

【0099】
CFCOOH(5mL)中の中間体(13)(0.007モル)の混合物をマイクロ波中で100℃において20分間加熱した。溶媒を蒸発させ、残留物を酢酸エチルとNaHCO水溶液に分配した。次いで有機層を乾燥し(MgSO)、溶媒を蒸発させた。溶離剤として100:0から98:2のCHCl/メタノール(7N NH)を用い、カラムクロマトグラフィーにより残留物を精製した。生成物画分を集め、蒸発させた。残留物をメタノール及びジイソプロピルエーテルから結晶化させた。固体を濾過し、洗浄し、乾燥し、化合物(16)を与えた。
【0100】
実施例B.8
【0101】
【化25】

【0102】
DMF(15mL)中の中間体(11)(0.002モル)及び中間体(9)(0.001モル)の混合物に、KCO(0.0015モル)を加えた。反応混合物を60℃で1時間撹拌した。次いでNaBH(0.0003モル)を加え、撹拌を60℃で1時間続けた。混合物を濃縮し、残留物を酢酸エチルと水に分配した。有機層を乾燥し(MgSO)、濾過し、蒸発させ、中間体(14)を与えた。
【0103】
【化26】

【0104】
CFCOOH(5mL)中の中間体(14)(0.004モル)の混合物をマイクロ波中で100℃において5分間加熱した。溶媒を蒸発させ、残留物を酢酸エチルとNaHCO水溶液に分配した。次いで有機層を乾燥し(MgSO)、溶媒を蒸発させた。得られる残留物を、精製法Aによる高−性能液体クロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物画分を化合物(17)として集めた。
【0105】
実施例B.9
【0106】
【化27】

【0107】
SO(3mL)中の化合物(6)(0.0002モル)の混合物を室温で20時間撹拌した。混合物を氷水(100mL)上に注ぎ、NH水溶液を用いて塩基性にした。水層をCHClで抽出し、有機層を乾燥し(MgSO)、溶媒を蒸発させた。得られる残留物を、精製法Bによる高−性能液体クロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物画分を化合物(18)として集めた。
【0108】
実施例B.10
【0109】
【化28】

【0110】
DMF(100mL)中の中間体(9)(0.01モル)、4−シアノベンジルブロミド(0.015モル)及びKCO(0.015モル)の混合物を60℃で16時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残留物を酢酸エチルと水に分配した。有機層を乾燥し(MgSO)、濾過し、溶媒を蒸発させた。溶離剤としてCHClを用いるシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより残留物を精製した。生成物画分を集め、蒸発させ、中間体(15)を与えた。
【0111】
【化29】

【0112】
中間体(12)(0.0069モル)を室温でCHCl(100ml)中に溶解した。3−クロロベンゼンカルボペルオキソ酸(0.0172モル)を分けて加え(発熱反応)、混合物を1時間撹拌した。反応混合物を水及び1N NaOHで洗浄した。有機層を乾燥し(MgSO)、濾過し、溶媒を蒸発させた。DIPE及び2−プロパノールを用いて残留物を摩砕し、化合物(19)を与えた。
【0113】
実施例B.11
【0114】
【化30】

【0115】
THF(50mL)中の化合物(19)(0.0021モル)の混合物を、窒素雰囲気下に0℃で撹拌した。THF中のナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドの1M溶液(7.3mL)を滴下し、混合物を0℃で1時間撹拌した。ヨウ化メチル(0.0314モル)を加え、反応混合物を室温で1時間撹拌した。減圧下で溶媒を除去し、残留物をCHCl中に取り上げ、水で洗浄した。有機層を乾燥し(MgSO)、濾過し、溶媒を蒸発させた。得られる残留物をDIPE及び2−プロパノール中で固化させ、化合物(20)を与えた。
【0116】
実施例B.12
【0117】
【化31】

【0118】
THF(50mL)中の化合物(19)(0.0003モル)の混合物を、窒素雰囲気下に0℃で撹拌した。THF中のナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドの1M溶液(1.3mL)を滴下し、混合物を0℃で1時間撹拌した。N−フルオロ−ジベンゼンスルホンイミド(0.0013モル)を加え、反応混合物を0℃で1時間撹拌した。減圧下で溶媒を除去し、残留物をCHCl中に取り上げ、水で洗浄した。有機層を乾燥し(MgSO)、濾過し、溶媒を蒸発させた。得られる残留物を、精製法Bによる高−性能液体クロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物画分を化合物(21)として集めた。
【0119】
表F−1は、上記の実施例の1つに従って製造された化合物を挙げている。
【0120】
【表1−1】

【0121】
【表1−2】

【0122】
C.化合物の同定
C.分析部分
C.1 融点
複数の化合物に関し、DSC823e(Mettler−Toledo)を用いて融点(m.p.)を決定した。30℃/分の温度勾配を用いて融点を測定した。報告される値はピーク値である。最高温度は400℃であった。値は、この分析法に通常伴う実験的不確定性と共に得られる。
【0123】
【表2】

【0124】
C.2 LCMS
LCMS一般的方法A
HPLC測定は、脱ガス器を有するクウォーターナリーポンプ、オートサンプラー、カラムオーブン(他に指示しなければ40℃に設定)、ダイオード−アレー検出器(DAD)及び下記のそれぞれの方法において特定されるカラムを含んでなるAlliance HT 2790(Waters)システムを用いて行なわれた。カラムからの流れはMS分光計に分けられた。MS検出器は、エレクトロスプレーイオン化源を用いて形成された。0.1秒の滞留時間を用いて1秒内に100から1000まで走査することにより、質量スペクトルを取得した。毛管針電圧は3kVであり、源温度は140℃に保たれた。ネブライザーガスとして窒素を用いた。Waters−Micromass MassLynx−Openlynxデータシステムを用いてデータ取得を行なった。
【0125】
LCMS一般的方法B
LC測定は、バイナリーポンプ、サンプルオルガナイザー、カラムヒーター(55℃に設定)、ダイオードアレー検出器(DAD)及び下記のそれぞれの方法において特定されるカラムを含んでなるAcquity UPLC(Waters)システムを用いて行なわれた。カラムからの流れはMS分光計に分けられた。MS検出器は、エレクトロスプレーイオン化源を用いて形成された。0.02秒の滞留時間を用いて0.18秒内に100から1000まで走査することにより、質量スペクトルを取得した。毛管針電圧は3.5kVであり、源温度は140℃に保たれた。ネブライザーガスとして窒素を用いた。Waters−Micromass MassLynx−Openlynxデータシステムを用いてデータ取得を行なった。
【0126】
LCMS−方法1
一般的方法Aに加え:逆相HPLCをXterra MS C18カラム(3.5μm,4.6x100mm)上で、1.6ml/分の流量を用いて行なった。3種の移動相(移動相A:95% 25mM酢酸アンモニウム+5%アセトニトリル;移動相B:アセトニトリル;移動相C:メタノール)を用い、6.5分内に100%Aから1%A、49%B及び50%Cにし、1分内に1%A及び99%Bにし、これらの条件を1分間保持し、100%Aを用いて1.5分間再平衡化する勾配条件を実施した。10μlの注入容積を用いた。コーン電圧は、正のイオン化モードの場合に10Vであり、負のイオン化モードの場合に20Vであった。
【0127】
LCMS−方法2
一般的方法Bに加え:架橋エチルシロキサン/シリカハイブリッド(BEH) C18カラム(1.7μm,2.1x50mm;Waters Acquity)上で、0.8ml/分の流量を用い、逆相UPLC(超性能液体クロマトグラフィー(Ultra Performance Liquid Chromatography))を行なった。
2種の移動相(移動相A:HO中の0.1%ギ酸/メタノール 95/5;移動相B:メタノール)を用い、1.3分内に95%A及び5%Bから5%A及び95%Bにし、0.2分間保持する勾配条件を実施した。0.5μlの注入容積を用いた。コーン電圧は、正のイオン化モードの場合に10Vであり、負のイオン化モードの場合に20Vであった。
【0128】
【表3】

【0129】
D.薬理学的実施例
D.1 ヒトCB1及びCB2受容体の活性化に反応するcAMPの阻害
均一時間分解蛍光(HTRF)アッセイを介し、ヒトCB1(hCB1)又はヒトCB2(hCB2)受容体が活性化される時のホルスコリン−活性化cAMP生産を阻害する試験化合物の能力を測定することにより、それらの機能的活性を評価した。
【0130】
hCB1又はhCB2が安定にトランスフェクションされたCHO−K1細胞を、T175 Falconフラスコ中で、2%の溶液A(5.10IU/lのペニシリンG,5g/lの硫酸ストレプトマイシン,5.5g/lのピルベート,14.6g/lのL−グルタミン,1MのNaOH)及び10%の胎児ウシ血清が補足されたDMEM/NUT
MIX F−12倍地中において80〜90%密集まで生育させた。実験の前に倍地を除去し、細胞をPBS/EDTA(140mM NaCl,1mM Na−EDTA,8mM NaHPO.2HO,8.5mM KHPO,2.7mM KCl,21mM グルコース)で洗浄し、刺激緩衝液(HBSS 1x,IBMX 1mM,Hepes 5mM,MgCl 10mM,BSA 0.1%,pH7.4)中に再懸濁させた。細胞を、hCB1実験のためにml当たり8.10個の細胞の濃度及びhCB2実験のためにml当たり10個の細胞の濃度まで希釈した。cAMP Dynamic HTRFキット(CIS bio international,France)を用い、製造者の推薦に従ってアッセイを行なった。
【0131】
CB1に関し、96平底黒ポリスチレンアッセイプレート(Costar)の各ウェルを、6μMのホルスコリン及び試験化合物(2%DMSO中)、2%DMSO又は2μM
CP55490(2%DMSO中)を含有する25μlの刺激緩衝液で満たした。次いで25μlの希釈された細胞を加えた(ウェル当たり20,000個の細胞)。室温における暗所中での30分間のインキュベーションの後、25μlのcAMP−XL665及び25μlの抗−cAMPクリプテート(両方とも1/80の最終的な希釈において)を細胞に加えた。
【0132】
CB2に関し、384平底黒ポリスチレンアッセイプレート(Costar)の各ウェルを、15μMのホルスコリン及び試験化合物(3%DMSO中)、3%DMSO又は10μM Win55212−2(3%DMSO中)を含有する10μlの刺激緩衝液で満たした。次いで20μlの希釈されたhCB2−CHO−K1細胞を加えた(ウェル当たり20,000個の細胞)。室温における暗所中での30分間のインキュベーションの後、10μlのcAMP−XL665及び10μlの抗−cAMPクリプテート(両方とも1/100の最終的な希釈において)を細胞に加えた。
【0133】
室温における暗所中で反応混合物を1〜24時間平衡化した後、Discoveryミクロプレート蛍光カウンター(Perkin Elmer)を用いて665nm及び620nmにおいて蛍光を測定し、665nm/620nmのシグナル比を計算した。試験化合物のシグナル比を、DMSO標準(最大シグナル比,cAMPの阻害なし)ならびにそれぞれhCB1及びhCB2に関するCP55490又はWIN55212−2(最小シグナル比,cAMPの最大阻害)のシグナル比に対して相対的に表した。各試験化合物に関して作られる用量反応曲線から、cAMPレベルの最大阻害の50%が観察される用量(EC50,表中でpEC50=−log(EC50)値として表される)及びCP55490(hCB1に関する)又はWIN55212−2(hCB2に関する)と比較して10μMの試験化合物を用いて達成される阻害のレベルを計算した。
【0134】
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
立体化学的異性体を含む式(I)
【化1】

[式中、
nは整数0、1又は2であり;
はポリハロC3−6アルキルであり;
はC1−6アルキルであり;
は水素、ハロ、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、トリフルオロメチル又はシアノであり;
はC1−8アルキル;
3−8シクロアルキルで置換されたC1−8アルキル;
ポリハロC1−8アルキル;
ハロ、ヒドロキシ、C1−8アルキル、C1−4アルキルオキシ、ポリハロC1−4アルキルオキシ、シアノ、アミノカルボニル、ニトロ、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールからそれぞれ独立して選ばれる1、2又は3個の置換基で置換されたC1−8アルキル;
ヘテロシクリル;
アリール;又は
ヘテロアリール
であり;
ヘテロシクリルは、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、オキセパニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニル、1,3−ジオキサニル、オキサゾリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、アゼピニル、ピペラジニル、モルホリニル、テトラヒドロチオピラニル−1−オキシド、テトラヒドロチオピラニル−1,1−ジオキシド、ピロリジノニル、ピペリジノニル、アゼピノニル、ピペラジジノニル、オキサジジリノニル、アゼチジノニル、モルホリノニルから選ばれ、且つ該ヘテロシクリルは場合によりハロ、CN、C1−6アルキル、C1−6ポリハロアルキル又はヒドロキシで置換されたC1−6アルキル、C1−4アルキルオキシ、ポリハロC1−4アルキルオキシ、C1−4アルキルオキシC1−6アルキル、ベンジル又はアリールから選ばれる1〜3個の基で置換されていることができ;
アリールは、フェニル;あるいはハロ;ヒドロキシ;C1−4アルキル;ポリハロC1−4アルキル;C1−4アルキルオキシ;ポリハロC1−4アルキルオキシ;シアノ;ニトロ;NR;R−カルボニル;R−SO−;ヒドロキシ、NR、R−カルボニル又はR−SO−で置換されたC1−4アルキルからそれぞれ独立して選ばれる1、2又は3個の置換基で置換されたフェニルであり;
ヘテロアリールは、フラニル、チオフェニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル又はピラジニルから選ばれ;
ここでR及びRは互いに独立して水素、C1−4アルキル、ポリハロC1−4アルキル、アミノスルホニル又はC1−8アルキルスルホニル;あるいはR−カルボニルから選ばれ;
ここでRはC1−4アルキル、ヒドロキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−(C1−4
ルキル)アミノ、(ヒドロキシC1−4アルキル)アミノ、(C1−4アルキルオキシC1−4アルキル)アミノ、ジ(C1−4アルキル)アミノC1−4アルキル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル又はN−メチル−ピペラジニルである]
の化合物あるいはその製薬学的に許容され得る酸付加塩又はその溶媒和物。
【請求項2】
nが整数0、1又は2であり;
がポリハロC3−6アルキルであり;
がC1−6アルキルであり;
が水素であり;
がC3−8シクロアルキルで置換されたC1−8アルキル;
ハロ、C1−8アルキル又はアリールからそれぞれ独立して選ばれる1、2又は3個の置換基で置換されたC1−8アルキル;
ヘテロシクリル;
アリール;又は
ヘテロアリール
であり;
ここで
ヘテロシクリルはピロリジノニルから選ばれ;
アリールはC1−4アルキルオキシ;シアノ;又はR−カルボニルから選ばれる1個の置換基で置換されたフェニルであり;
ヘテロアリールはピラゾリル又はピリジニルから選ばれ、
ここでRはアミノである
請求項1に記載の化合物あるいはその製薬学的に許容され得る酸付加塩又はその溶媒和物。
【請求項3】
がn−トリフルオロブチルである請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
がn−トリフルオロペンチルである請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
がtert−ブチルである請求項1〜4のいずれかに記載の化合物。
【請求項6】
製薬学的に許容され得る担体及び請求項1〜5のいずれかに記載の化合物の治療的に活性な量を含んでなる製薬学的組成物。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれかに記載の化合物の治療的に活性な量を製薬学的に許容され得る担体と緊密に混合する請求項6に記載の製薬学的組成物の調製方法。
【請求項8】
薬剤としての使用のための請求項1〜5のいずれかに記載の化合物。
【請求項9】
カンナビノイド受容体2活性、特にCB2作動活性により媒介される状態又は疾患の処置用の薬剤の製造のための請求項1〜5のいずれかに記載の化合物。
【請求項10】
nが0である請求項1に記載の式(I)の化合物として定義される式(I−a)の化合物を製造する方法であって、適した塩基の存在下に、反応に不活性な溶媒中で、中間体(II)を、Lが離脱基である中間体(III)と反応させることによるか;
【化2】

[式中、R、R、R及びRは請求項1における通りに定義される];
あるいは;必要に応じて;式(I−a)の化合物を製薬学的に許容され得る酸付加塩に転換するか、又は逆に、アルカリを用いて式(I−a)の化合物の酸付加塩を遊離の塩基形態に転換し;且つ必要に応じてその立体化学的異性体を製造することによる製造方法。
【請求項11】
nが1である請求項1に記載の式(I)の化合物として定義される式(I−b)の化合物を製造する方法であって、R、R、R及びRが請求項1において定義された通りである式(I−a)の化合物を、酸化剤を用いてS−酸化することによるか;
【化3】

あるいは;必要に応じて;式(I−b)の化合物を製薬学的に許容され得る酸付加塩に転換するか、又は逆に、アルカリを用いて式(I−b)の化合物の酸付加塩を遊離の塩基形態に転換し;且つ必要に応じてその立体化学的異性体を製造することによる製造方法。
【請求項12】
nが1である請求項1に記載の式(I)の化合物として定義される式(I−c)の化合物を製造する方法であって、R、R、R及びRが請求項1において定義された通りである式(I−a)の化合物を、酸化剤を用いてS−酸化することによるか;
【化4】

あるいは;必要に応じて;式(I−c)の化合物を製薬学的に許容され得る酸付加塩に転換するか、又は逆に、アルカリを用いて式(I−c)の化合物の酸付加塩を遊離の塩基形態に転換し;且つ必要に応じてその立体化学的異性体を製造することによる製造方法。

【公表番号】特表2011−506549(P2011−506549A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−538679(P2010−538679)
【出願日】平成20年12月16日(2008.12.16)
【国際出願番号】PCT/EP2008/067645
【国際公開番号】WO2009/077533
【国際公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(390033008)ジヤンセン・フアーマシユーチカ・ナームローゼ・フエンノートシヤツプ (616)
【氏名又は名称原語表記】JANSSEN PHARMACEUTICA NAAMLOZE VENNOOTSCHAP
【Fターム(参考)】