フレキシブルプリント配線板、及びプリント配線板
【課題】薄型化を図ることができるプリント配線板を提供する。
【解決手段】一つの実施形態によれば、プリント配線板は、第1導体箔から設けられた第1導体パターンと、第2導体箔から設けられた第2導体パターンと、前記第1導体箔の上に塗布されて前記第1導体箔と前記第2導体箔とに挟まれた後に硬化された導電性のペーストから設けられたビアと、前記第1導体箔の上で前記ペーストとは異なる位置に塗布された絶縁材料から設けられた絶縁部と、を有する。
【解決手段】一つの実施形態によれば、プリント配線板は、第1導体箔から設けられた第1導体パターンと、第2導体箔から設けられた第2導体パターンと、前記第1導体箔の上に塗布されて前記第1導体箔と前記第2導体箔とに挟まれた後に硬化された導電性のペーストから設けられたビアと、前記第1導体箔の上で前記ペーストとは異なる位置に塗布された絶縁材料から設けられた絶縁部と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、フレキシブルプリント配線板を含むプリント配線板に関する。
【背景技術】
【0002】
銅箔が積層された基板にドリル加工で穴部を開け、この穴部にめっきを施すことでスルーホールを形成したプリント配線板が提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−244607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
めっきでスルーホールを形成する場合、めっき層は、基材の銅箔の上にさらに積層される。このため、このようなプリント配線板は、厚くなりやすい。そのため、このようなプリント配線板を備えたテレビジョン受像機は、厚くなりやすい。
【0005】
本発明の目的は、薄型化を図ることができるフレキシブルプリント配線板及びプリント配線板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの実施形態によれば、プリント配線板は、第1導体箔から設けられた第1導体パターンと、第2導体箔から設けられた第2導体パターンと、前記第1導体箔の上に塗布されて前記第1導体箔と前記第2導体箔とに挟まれた後に硬化された導電性のペーストから設けられたビアと、前記第1導体箔の上で前記ペーストとは異なる位置に塗布された絶縁材料から設けられた絶縁部と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1実施形態に係るテレビジョン受像機の正面図。
【図2】第1実施形態に係るプリント配線板を模式的に示す断面図。
【図3】図2中に示されたプリント配線板の第1の製造方法を模式的に示す図。
【図4】図2中に示されたプリント配線板の第2の製造方法を模式的に示す図。
【図5】図2中に示されたプリント配線板のエッチング前を模式的に示す断面図。
【図6】図2中に示されたプリント配線板のエッチング後を模式的に示す断面図。
【図7】第2実施形態に係るプリント配線板を模式的に示す断面図。
【図8】第3実施形態に係るプリント配線板を模式的に示す平面図。
【図9】第4実施形態に係る電子機器の斜視図。
【図10】図9中に示された電子機器の内部の下面図。
【図11】図10中に示された一つのフレキシブルプリント配線板を示す断面図。
【図12】第1実施形態と関連するプリント配線板のエッチング前を模式的に示す断面図。
【図13】図12に示されたプリント配線板のエッチング後を模式的に示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0009】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るテレビジョン受像機81を示す。テレビジョン受像機81は、「電子機器」の一例である。テレビジョン受像機81は、本体部82と、この本体部82を支持したスタンド83とを有する。本体部82は、筐体84と、この筐体84に収容された表示装置85とを有する。表示装置85は、画像を表示させる表示画面85aを有する。筐体84は、表示画面85aを露出させる開口部84aを有する。
【0010】
図1に示すように、筐体84は、フレキシブルプリント配線板1を収容している。なお筐体84は、本実施形態に係るフレキシブルプリント配線板1に代えて、下記の第2または第3の実施形態に係るフレキシブルプリント配線板1を収容してもよい。
【0011】
以下、フレキシブルプリント配線板1について詳しく説明する。
図2乃至図6は、第1実施形態に係るフレキシブルプリント配線板1を開示している。フレキシブルプリント配線板1は、柔軟性(可撓性)を有し、例えば比較的大きく変形させる(曲げる)ことができる。なお本明細書でいう「フレキシブルプリント配線板」は、90度を超えるような大きな角度で折り曲げ可能なものに限定されるものではなく、小さな角度(例えば5度以上の角度)で折り曲げ可能なものを含む。
【0012】
図2は、フレキシブルプリント配線板1の構成の一例を模式的に示す。フレキシブルプリント配線板1は、絶縁部2、ビア3、第1導体パターン4、第2導体パターン5、第1カバーレイ6、及び第2カバーレイ7を有する。
【0013】
絶縁部2は、例えば基材、またはベースフィルムとも呼ばれ、フィルム状の絶縁体(絶縁層)である。絶縁部2は、硬化後に柔軟性(可撓性)を有する絶縁材料11(図3、図4参照)で構成されている。絶縁部2は、例えば熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂などの絶縁材料11(絶縁樹脂)が硬化されることで設けられている。
【0014】
本実施形態に係る絶縁材料11は、例えばスクリーン印刷またはインクジェットで塗布されることが可能な特性(粘度や硬度)を有する。絶縁材料11は、例えば可溶性であり、液状(インク状)になる。
【0015】
本実施形態に係る絶縁材料11の具体例としては、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、液晶ポリマー樹脂、シリコン樹脂、ウレタン樹脂、及びフッ素樹脂のいずれか単体、またはこれらの中のいずれかを組み合わせた混合物である。なお、絶縁材料11は、上記例に限られるものではない。
【0016】
図2に示すように、絶縁部2は、第1面2aと、この第1面2aとは反対側に位置された第2面2bとを有する。絶縁部2には、第1面2aと第2面2bとに亘る穴部2cが設けられている。すなわち、穴部2cは、第1面2aと第2面2bとの間を貫通している。
【0017】
ビア3は、絶縁部2の穴部2cに位置されている。ビア3は、絶縁部2の第1面2aと第2面2bとに亘る。ビア3の厚さT1は、絶縁部2の厚さT2と略同じである。ビア3は、例えば導電性のペースト12(図3、図4参照)が硬化されることで設けられている。
【0018】
導電性のペースト12は、例えば、導電ペースト、またははんだペースト(はんだ系ペースト)である。「導電ペースト」の一例は、導電粉と熱硬化性樹脂(または熱可塑性樹脂)とを混ぜたものであり、例えば、銅ペースト、銀ペースト、またはこれらを混ぜたものがある。また、「導電ペースト」は、銅ナノペーストや銀ナノペーストといったナノペーストでもよい。「はんだペースト」の一例は、半田合金の微粒子とフラックスとを混ぜたものである。
【0019】
本実施形態に係る導電性のペースト12は、例えばスクリーン印刷またはインクジェットで塗布されることが可能な特性(粘度や硬度)を有する。なお、導電性のペースト12は、上記例に限られるものではない。
【0020】
図2に示すように、第1導体パターン4(第1導体層)は、絶縁部2の第1面2aに設けられている。第1導体パターン4は、ビア3に接続(接合)され、ビア3に電気的に接続されている。第2導体パターン5(第2導体層)は、絶縁部2の第2面2bに設けられている。第2導体パターン5は、ビア3に接続(接合)され、ビア3に電気的に接続されている。すなわち、ビア3は、第1導体パターン4と第2導体パターン5とを電気的に接続している。
【0021】
第1導体パターン4及び第2導体パターン5は、例えばそれぞれ配線パターン(信号層)である。なお第1導体パターン4及び第2導体パターン5のいずれか一方は、電源層またはグランド層となるベタ層であってもよい。
【0022】
フレキシブルプリント配線板1は、例えば第1導体パターン4及び第2導体パターン5が絶縁部2に直接に積層されたいわゆる2層材である。
【0023】
図2に示すように、第1カバーレイ6(第1カバー層)は、第1導体パターン4に重ねられている。第2カバーレイ7(第2カバー層)は、第2導体パターン5に重ねられている。第1カバーレイ6及び第2カバーレイ7は、それぞれ保護用の絶縁体(絶縁層)であり、フレキシブルプリント配線板1の外部に露出されている。
【0024】
図2に示すように、第1カバーレイ6及び第2カバーレイ7は、それぞれ例えば表面層13と、この表面層13と絶縁部2との間に位置された接着層14(接着剤)とを含む。表面層13は、例えばポリイミド樹脂やポリエチレンテレフタレート樹脂などの絶縁樹脂で構成されている。
【0025】
次に、図3を参照して、フレキシブルプリント配線板1を製造する方法の一例としての第1の製造方法を示す。
【0026】
まず、図3(a)に示すように、第1導体箔21が準備される(ステップ1)。第1導体箔21は、後工程で第1導体パターン4が形成される素材としての板状(平面状)の金属箔である。すなわち、第1導体箔21は、まだ配線パターンが設けられていない平らなフィルムである。第1導体箔21は、例えば銅箔であるが、これに限られるものではない。
【0027】
次に、図3(b)に示すように、第1導体箔21の上に、ビア3の素材となる導電性のペースト12が塗布される(ステップ2)。導電性のペースト12は、流動性を有する状態で、例えばスクリーン印刷、またはインクジェットで第1導体箔21の上に塗布される。なお、「インクジェット」とは、導電性のペースト12を微滴化し、第1導体箔21の上に直接に吹き付けることで塗布することをいう。
【0028】
本実施形態に係る導電性のペースト12の一例は、チクソ比(チキソ比)がある程度大きく調整されている。すなわち、ペースト12は、スクリーン印刷またはインクジェットで高速で塗布される状態では粘度が小さく、第1導体箔21に塗布され、静止された状態では粘度が大きくなる。このため、第1導体箔21に塗布された導電性のペースト12は、形が崩れ難く(ダレにくく)、第1導体箔21の上で柱状(円柱状または角柱状)に形成される。塗布された導電性のペースト12は、例えば熱が加えられ、半硬化(仮硬化)させられる。
【0029】
次に、図3(c)に示すように、第1導体箔21の上に、絶縁部2の素材となる絶縁材料11が塗布される(ステップ3)。絶縁材料11は、例えば、導電性のペースト12が塗布された後に、第1導体箔21に塗布される。なお、絶縁材料11は、後述の第2の製造方法で示すように、導電性のペースト12が塗布される前に、第1導体箔21に塗布されてもよい。また、絶縁材料11は、導電性のペースト12が塗布されるのと同時に、第1導体箔21に塗布されてもよい。
【0030】
絶縁材料11は、例えばインク状(液状)に準備され、流動性を有する。絶縁材料11は、流動性を有する状態で、例えばスクリーン印刷、またはインクジェットで第1導体箔21の上に塗布される。なお、「インクジェット」とは、絶縁材料11を微滴化し、第1導体箔21の上に直接に吹き付けることで塗布することをいう。
【0031】
図3(c)に示すように、絶縁材料11は、第1導体箔21の上に、導電性のペースト12の厚さt1よりも薄く塗布される。つまり、絶縁材料11の厚さt2は、導電性のペースト12の厚さt1よりも小さい。
【0032】
なお、絶縁材料11の厚さt2を導電性のペースト12の厚さt1よりも小さくする場合、スクリーン印刷であれば、絶縁材料11と導電性のペースト12の厚さの違いを考慮した装置が必要になる。しかしながら、例えばインクジェットであれば、汎用的な装置で、導電性のペースト12の厚さt1に邪魔されることなく、導電性のペースト12の厚さt1よりも薄く絶縁材料11を塗布することができる。このため、インクジェットによれば、製造コストを抑えることができる。
【0033】
図3(c)に示すように、絶縁材料11は、第1導体箔21の上で、導電性のペースト12とは異なる位置に塗布される。すなわち、絶縁材料11は、導電性のペースト12を避けて、導電性のペースト12とは重ならない領域だけに塗布される。
【0034】
絶縁材料11は、導電性のペースト12との間に隙間c(クリアランス)を空けて、第1導体箔21の上に塗布される。この隙間cは、例えば導電性のペースト12及び絶縁材料11の位置公差よりも大きく確保されている。すなわち、種々の誤差に起因して導電性のペースト12及び絶縁材料11の形成位置(塗布位置)がそれぞれ最大限ずれた時でも、導電性のペースト12と絶縁材料11とが重ならないような大きさに隙間cは調整されている。
【0035】
塗布された絶縁材料11は、例えば熱が加えられ、半硬化(仮硬化)させられる。なお、絶縁材料11は、例えば塗布された後に、形が崩れ、ダレてもよい。すなわち、絶縁材料11は、塗布された後に、上記隙間cを埋めるように形が崩れ、導電性のペースト12の側面に接してもよい。
【0036】
次に、図3(d)に示すように、導電性のペースト12及び絶縁材料11の上に、第2導体箔22が重ねられる(ステップ4)。すなわち、導電性のペースト12及び絶縁材料11に対して、第1導体箔21とは反対側から第2導体箔22が重ねられる。
【0037】
第2導体箔22は、後工程で第2導体パターン5が形成される素材としての板状(平面状)の金属箔である。すなわち、第2導体箔22は、まだ配線パターンが設けられていない平状のフィルムである。第2導体箔22は、例えば銅箔であるが、これに限られるものではない。
【0038】
上述したように、導電性のペースト12の厚さt1は、絶縁材料11の厚さt2よりも大きい。このため、図3(d)に示すように、絶縁材料11及び導電性のペースト12に第2導体箔22が重ねられた時、絶縁材料11が第2導体箔22に接する前に、導電性のペースト12が第2導体箔22に確実に接する。これにより、導電性のペースト12と第2導体箔22との接続の信頼性が高まる。
【0039】
導電性のペースト12及び絶縁材料11は、それぞれ半硬化(仮硬化)したいわゆるBステージの状態で、第1導体箔21と第2導体箔22とに挟み込まれ、熱と圧力が加えられて圧着(積層)される。
【0040】
この過程で、導電性のペースト12は、第1導体箔21と第2導体箔22との間で押し潰され(押圧され)、絶縁材料11と略同じ厚さに向けて薄くなるように変形する。なお、この過程は、真空プレス工程で行われ、第2導体箔22と絶縁材料11との間にある空気は抜き取られ、ボイドの発生は抑制される。
【0041】
これにより、図3(e)に示すように、導電性のペースト12は、第1導体箔21と第2導体箔22との間で硬化され、第1導体箔21及び第2導体箔22と接合(例えば金属結合)され、ビア3となる。絶縁材料11は、第1導体箔21と第2導体箔22との間で硬化され、絶縁部2となる。これにより、両面板が完成する(ステップ5)。導電性のペースト12が上記のように押し潰されることで、ビア3と絶縁部2との境界の少なくとも一部は、例えば曲面状に形成される。
【0042】
次に、図3(f)に示すように、パターンエッチングにより、第1導体箔21から第1導体パターン4が形成される。同様に、パターンエッチングにより、第2導体箔22から第2導体パターン5が形成される。また、第1カバーレイ6及び第2カバーレイ7がそれぞれ積層される。さらに、表面処理及び外形加工が行われ、フレキシブルプリント配線板1が完成する(ステップ6)。
【0043】
次に、図4を参照して、フレキシブルプリント配線板1を製造する方法の他の一例としての第2の製造方法を示す。この第2の製造方法は、図3に示す第1の製造方法に対して(b)及び(c)の工程の順序が逆であり、その他の工程及び詳細は第1の製造方法と略同じである。
【0044】
詳しく述べると、まず、図4(a)に示すように、第1導体箔21が準備される。次に、図4(b)に示すように、第1導体箔21の上に、絶縁部2の素材と成る絶縁材料11が例えばスクリーン印刷、またはインクジェットで塗布される。絶縁材料11は、第1導体箔21の上で、導電性のペースト12とは異なる位置に塗布される。すなわち、絶縁材料11は、導電性のペースト12とは重ならない領域だけに塗布される。絶縁材料11は、導電性のペースト12との間に隙間cが空くように、第1導体箔21の上に塗布される。
【0045】
次に、図4(c)に示すように、第1導体箔21の上に、ビア3の素材となる導電性のペースト12が例えばスクリーン印刷、またはインクジェットで塗布される。導電性のペースト12は、例えば、絶縁材料11が塗布された後に、第1導体箔21の上に塗布される。この製造方法においても、絶縁材料11の厚さt2は、導電性のペースト12の厚さt1よりも薄い。
【0046】
なお、この第2の製造方法では、絶縁材料11の後にペースト12が塗布されるので、スクリーン印刷であっても、絶縁材料11と導電性のペースト12の厚さの違いを考慮した装置に制限されない。
【0047】
その後、上記第1の製造方法と同様に、図4(d)、(e)、(f)の工程(すなわち上記ステップ4,5,6の工程)が行われ、フレキシブルプリント配線板1が完成する。
【0048】
このような構成によれば、フレキシブルプリント配線板1の薄型化及び軽量化を図ることができる。この理由について以下に説明する。
【0049】
まず、第1の比較例として、銅箔が積層された基材に穴部を開け、めっきでスルーホールが形成されたプリント配線板について考える。この場合、めっき層は、基材の穴部内面と、基材表面の銅箔の上とに亘って設けられる。すなわち、基材表面では、めっき層は、銅箔の上にさらに積層される。
【0050】
ここで、銅箔の厚さの一例は、18μmである。めっき層の厚さの一例は、15μmである。このため、合計すると33μmの導体部が基材の上に設けられることになる。このようなプリント配線板は、厚くなりやすい。すなわち、このようなプリント配線板は、薄型化を図ることが困難である。
【0051】
さらに、基材表面に厚い導体部があると、フレキシブルプリント配線板は、曲がりづらくなる。これは、フレキシブルプリント配線板の適用範囲を小さくする。また、フレキシブルプリント配線板は、折り曲げて、変形させた姿勢で筐体内に組み付けられることもある。このため、曲がりづらいフレキシブルプリントは、組立性に良くない影響を与える。
【0052】
また、銅箔及びめっき層は、それぞれ金属であり比較的重い。このため、基材表面に厚い導体部があると、プリント配線板は、重くなりやすい。すなわち、このようなプリント配線板は、軽量化を図ることが困難である。
【0053】
次に、第2の比較例として、ALIVH(Any Layer Interstitial Via Hole)(登録商標)系製法について考える。ALIVH系製法では、ガラスエポキシ樹脂から成るプリプレグにレーザー加工で穴部を開け、この穴部に導電ペーストを埋め込み、銅箔を積層し、これを繰り返して導体層を積み上げ、多層基板を形成する。このALIVH系製法では、高価なレーザー加工機が必要となり、製造コストが高くなりやすい。
【0054】
次に、第3の比較例として、B2it(Buried Bump Interconnection Technology)(登録商標)系製法について考える。B2it系製法では、銅箔上に円錐状の導電ペーストを形成し、ガラスエポキシ樹脂からなるシート状のプリプレグに、前記円錐状の導電ペーストを貫通させ、銅箔を積層し、これを繰り返して導体層を積み上げ、多層基板を形成する。
【0055】
このB2it系製法では、円錐状の導電ペーストを作成するのに、時間とコストがかかりやすい。すなわち、円錐状の導電ペーストは、一度の塗布(一度の印刷)では形成することができず、下層部を印刷して少し硬化させ、その上に一回り小さな中層部を印刷して少し硬化させ、その上にさらに一回り小さな上層部を印刷して硬化させるといった、3回から4回の印刷工程が必要となる。
【0056】
また、導電ペーストを円錐状に形成するため、導電ペーストの粘度を特殊に調整する必要がある。また、ガラスエポキシ樹脂のプリプレグを突き刺すために、導電ペーストは、高い硬度が必要になる。一般的に、硬度が高くなると、電気抵抗率も高くなる。このため、B2it系製法では、ビアの電気抵抗率が高くなりやすく、電気的な損失を抑制しにくい。
【0057】
一方で、本実施形態のフレキシブルプリント配線板1は、ビア3と、ビア3の周囲に塗布された絶縁部2と、絶縁部2の第1面2aに設けられ、ビア3に接続された第1導体パターン4と、絶縁部2の第2面2bに設けられ、ビア3に接続された第2導体パターン5とを備える。すなわち、絶縁部2は、ビア3の周囲に塗布されることで設けられるので、絶縁部2に穴部を開け、めっきでスルーホールを形成するといった工程が不用になる。
【0058】
別の観点から見れば、本実施形態のフレキシブルプリント配線板1は、第1導体箔21の上に導電性のペースト12及び絶縁材料11を塗布し、ペースト12及び絶縁材料11をそれぞれ半硬化の状態で第1導体箔21と第2導体箔22とで挟み、第1導体箔21から第1導体パターン4を形成し、第2導体箔22から第2導体パターン5を形成することで製造される。
【0059】
このような構成のフレキシブルプリント配線板1は、図2に示すように、導体パターン4,5に重なるめっき層が存在しないため、薄型化及び軽量化を図ることができる。また、めっき層が存在しないため、フレキシブルプリント配線板1は、曲がりやすく、適用範囲が広いとともに、組立性も良好である。
【0060】
さらに、ALIVH系製法に比べ、レーザーによる穴あけ工程を必要としないため、製造コストの低下を図りやすい。また、B2it系製法に比べ、印刷回数を必要としないため、工数を削減することができる。すなわち、プリント配線板1の製造コストの低下を図ることができる。
【0061】
また、本実施形態の製造方法によれば、B2it系製法に比べ、導電性のペースト12に高い硬度が必要ないので、電気抵抗が小さなペースト12を用いることができる。これにより、高い周波数帯(例えばギガヘルツ帯)の周波数を流しても、大きな損失が生じにくいフレキシブルプリント配線板1を提供することができる。
【0062】
さらに、ALIVH系製法及びB2it系製法の現在の技術では、フレキシブルプリント配線板を製造できないが、本実施形態の製造方法によれば、フレキシブルプリント配線板を製造することができる。
【0063】
また、本実施形態の構成によれば、さらに次のような利点がある。
比較のため、図12に、基材101と、銅箔102と、めっき層103とが積層された基板100を示す。この基板100をパターンエッチングする工程では、めっき層103の上にエッチングマスク104が設けられる。これにより、エッチングマスク104に覆われた部分の導体層が残り、エッチングマスク104に覆われていない部分の導体層が除去される。
【0064】
図13は、エッチング処理後の基板100を示す。図13に示すように、銅箔102とめっき層103とがある場合、エッチングの深さD1が大きい。このため、このエッチングで形成される導体パターン105の線幅W1は、裾野が大きく広がり、太くなりやすい。また、導体パターン105の線幅W1は、誤差δ1が大きくなりやすい。
【0065】
一方で、本実施形態の構成によれば、図5に示すように、絶縁部2の上には、導体箔21のみであり、めっき層は存在しない。このため、図6に示すように、エッチングの深さD2が小さい。このため、このエッチングで形成される導体パターン4の線幅W2は、細くなりやすい、また、導体パターン4の線幅W2は、上記線幅W1に比べて小さいため、誤差δ2も上記誤差δ1に比べて小さくなりやすい。
【0066】
この結果、本実施形態の構成では、(1)導体パターン4,5の線幅W2を小さくすることができるので、複数の配線を狭ピッチでレイアウトすることができる。これは、フレキシブルプリント配線板1の小型化、軽量化、及び高密度実装化に寄与する。
【0067】
さらに、本実施形態の構成では、(2)ノイズの発生を抑制することができる。すなわち、電子デバイスの入力または出力インピーダンスがプリント配線板の線路のインピーダンスと整合しないと、信号の反射が生じ、ノイズとして信号の品質を低下させ、誤動作の原因になる可能性がある。
【0068】
一方で、本実施形態の構成によれば、導体パターン4,5の線幅W2の誤差δ2を小さくすることができるので、特性インピーダンス(差動インピーダンス)を精度良く調整することができる。このため、ノイズを抑制することができ、フレキシブルプリント配線板1の信頼性を高めることができる。
【0069】
本実施形態では、絶縁材料11は、第1導体箔21の上に、導電性のペースト12の厚t1さよりも薄く塗布される。このため、導電性のペースト12及び絶縁材料11が第1導体箔21と第2導体箔22とで挟み込まれた時、導電性のペースト12は、第1導体箔21及び第2導体箔22に確実に接触する。このため、第1導体箔21及び第2導体箔22に対する導電性のペースト12の接触が甘くなりにくく、第1導体箔21及び第2導体箔22と導電性のペースト12との間の電気抵抗値が小さくなりやすい。
【0070】
本実施形態では、導電性のペースト12は、第1導体箔21と第2導体箔22とに挟まれた時、絶縁材料11と略同じ厚さに向けて変形する。すなわち、導電性のペースト12は、第1導体箔21と第2導体箔22との間で押し潰されるようにして変形する。この過程で、導電性のペースト12には、圧縮したことによる残留応力が残る。
【0071】
ここで、フレキシブルプリント配線板1には、例えばはんだ付けで電子部品が実装される。このとき、フレキシブルプリント配線板1の少なくとも一部の温度は、はんだを付ける温度(例えば約260度)まで上昇させられるが、この時、絶縁部2に熱膨張が生じる。ここで、導電性のペースト12に残留応力があると、絶縁部2の熱膨張時に、導電性のペースト12も膨張しやすく、接合の信頼性を維持しやすい。
【0072】
本実施形態では、絶縁材料11は、導電性のペースト12との間に隙間cを空けて塗布される。このような構成によれば、導電性のペースト12と第2導体箔22との間に絶縁材料11が誤って入りにくく、導通不良を抑制することができる。また、この隙間cは、導電性のペースト12の上記変形を許容する空間部としても機能するため、絶縁材料11の厚さt2に対して導電性のペースト12の厚さt1を大きくしやすい。
【0073】
本実施形態では、絶縁材料11は、インクジェットで塗布される。このような構成であれば、汎用的な装置でも、導電性のペースト12の厚さt1に影響されずに、絶縁材料11を薄く塗布することができる。これは、フレキシブルプリント配線板1の製造コストの低下に寄与する。
【0074】
次に、第2乃至第4の実施形態について説明する。なお上記第1の実施形態の構成と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。また、下記に説明する以外の構成は、上記第1の実施形態と同じである。
【0075】
(第2実施形態)
図7は、第2実施形態に係るフレキシブルプリント配線板1を示す。本実施形態に係るフレキシブルプリント配線板1は、部分的に厚みが異なる。フレキシブルプリント配線板1の一例は、第1部分31と、この第1部分31よりも厚い第2部分32とを有する。
【0076】
第1部分31は、部品(電子部品)が実装されない領域であり、柔軟に変形する(曲がる)ことが優先された領域である。第1部分31は、上記第1実施形態のフレキシブルプリント配線板1と略同じ構成を有する。すなわち、第1部分31は、第1絶縁部2、ビア3、第1導体パターン4、第2導体パターン5、第1カバーレイ6、及び第2カバーレイ7を有する。
【0077】
第2部分32は、部品34(電子部品)が実装される領域であり、第1部分31に比べて変形しにくい(曲がりにくい)領域である。第2部分32は、第2絶縁部35、第1導体パターン4、第2導体パターン5(図示しない)、第1カバーレイ6、及び第2カバーレイ7を有する。第2絶縁部35は、第1絶縁部2に相当する部分であり、第1導体パターン4と第2導体パターン5との間に位置される。第2絶縁部35は、第1絶縁部2に比べて厚い。
【0078】
第2絶縁部35は、第1絶縁部2に対して、絶縁材料11の塗布される厚さを変えることで形成される。このような塗布の厚さを部分的に変えることは、例えばインクジェットによる塗布で行うことができる。このような構成によれば、部品実装の安定性が向上し、フレキシブルプリント配線板1の信頼性が向上する。
【0079】
なお、図7に示す一例では、第2部分32は、ビア3を有しないが、これに限定されるものではない。第2部分32は、ビア3を有してもよい。なおこの場合、第2部分32のビア3は、第1部分31のビア3に対して、導電性のペースト12の塗布される厚さを変えることで形成される。
【0080】
(第3実施形態)
図8は、第3実施形態に係るフレキシブルプリント配線板1を示す。なお図8では、説明の便宜上、第1導体パターン4にハッチングを施している。本実施形態に係るフレキシブルプリント配線板1は、部分的に絶縁材料の種類が異なる。図8に示すように、第1導体パターン4(または第2導体パターン5)は、パッド41と、パッド41の間を結ぶ信号線42とを有する。信号線42は、例えば高速伝送に使用される配線(例えば差動配線)である。
【0081】
本実施形態のフレキシブルプリント配線板1は、第1部分43と、第2部分44とを有する。第1部分43は、例えば信号線42が設けられていない領域である。第1部分43は、上記第1の実施形態のフレキシブルプリント配線板1と略同じ構成を有する。すなわち、第1部分43は、第1絶縁部2、ビア3、第1導体パターン4、第2導体パターン5、第1カバーレイ6、及び第2カバーレイ7を有する。
【0082】
第2部分44は、信号線42に対応した領域、すなわち信号線42が設けられた領域である。第2部分44は、例えば信号線42の直下に位置した領域である。第2部分44は、第2絶縁部46、第1導体パターン4、第2導体パターン5、第1カバーレイ6、及び第2カバーレイ7を有する。第2絶縁部46は、第1絶縁部2に相当する部分であり、第1導体パターン4と第2導体パターン5との間に位置される。第2絶縁部46は、第1絶縁部2とは異なる種類の絶縁材料11で構成されている。
【0083】
ここで、プリント配線板上の伝送では、周波数が高くなるほど伝送損失を招き、信号の減衰に伴う伝送品質の低下が課題となる。伝送損失は、信号が伝達される導体で生じる導体損失、誘電体と接することで生じる誘電損失、及び配線の屈曲部、末端などで生じる放射損失の和となる。誘電損失は、誘電率と誘電正接などに起因する。このため、誘電率及び誘電正接が小さな材料でプリント配線板を構成すると、伝送損失が小さくなる。
【0084】
しかしながら、誘電率及び誘電正接が小さな材料は、一般的に高価である。そのため、誘電率及び誘電正接が小さな材料で、プリント配線板の全体を構成すると、製造コストが高くなる。
【0085】
そこで、本実施形態では、第2絶縁部46は、第1絶縁部2に対して、塗布される絶縁材料11の種類を変えることで形成される。このような塗布される絶縁材料11の種類を部分的に変えることは、例えばインクジェットによる塗布で行うことができる。
【0086】
具体的には、第2絶縁部46の絶縁材料11として、第1絶縁部2の絶縁材料11よりも誘電率及び誘電正接が小さな材料を用いる。第2絶縁部46の絶縁材料11の一例は、フィラーを多く含むものである。一方で、第1絶縁部2の絶縁材料11として、一般的な材料を用いる。これにより、フレキシブルプリント配線板1の製造コストを抑えつつ、伝送損失を抑制することができる。
【0087】
なお、フィラーを多く含む絶縁材料11は、フィラーが少ない絶縁材料11に比べて硬い。そこで、上記第2実施形態のように、柔軟性が優先された第1部分31と、部品実装領域としての第2部分32とを有したフレキシブルプリント配線板1において、第1部分31と第2部分32との絶縁材料11を変えてもよい。例えば、第1部分31の絶縁材料11は、一般的な材料である。第2部分32の絶縁材料11は、第1部分31の絶縁材料11よりもフィラーを多く含むものが用いられる。このような構成によれば、部品実装の安定性が向上し、フレキシブルプリント配線板1の信頼性が向上する。
【0088】
(第4実施形態)
図9は、第4実施形態に係る電子機器51を示す。電子機器51は、例えばノートブック型ポータブルコンピュータ(ノートPC)である。なお本実施形態が適用可能な電子機器は、上記例に限られず、テレビジョン受像機、タブレット端末、スレート型ポータブルコンピュータ(スレートPC)、携帯電話、スマートフォン、電子書籍端末、ゲーム機などを含む種々の電子機器に広く適用可能である。
【0089】
図9に示すように、電子機器51は、第1ユニット52と、第2ユニット53と、ヒンジ部54a,54bとを有する。第1ユニット52は、例えば電子機器本体である。第1ユニット52は、第1筐体56を備えている。
【0090】
第2ユニット53は、例えば表示部であり、第2筐体57と、この第2筐体57に収容された表示装置58とを備えている。表示装置58は、例えば液晶ディスプレイであるが、これに限定されるものではない。表示装置58は、画像が表示される表示画面58aを有する。第2筐体57は、表示画面58aを外部に露出させる開口部57aを有する。
【0091】
第2筐体57は、ヒンジ部54a,54bによって、第1筐体56の後端部に回動可能(開閉可能)に連結されている。これにより電子機器は、第1ユニット52と第2ユニット53とが重ねられた第1の位置と、第1ユニット52と第2ユニット53とが開かれた第2の位置との間で回動可能である。
【0092】
次に、第1筐体56(以下、単に筐体56)の内部を詳しく説明する。
図10に示すように、筐体56は、第1回路基板61、第2回路基板62、第3回路基板63、ODD(Optical Disk Drive)ユニット64、及びHDD(Hard Disk Drive)ユニット65を備えている。
【0093】
第1回路基板61は、例えばメインボードであり、CPU66が実装されている。第2回路基板62は、筐体56の端部に位置され、第1コネクタ67が実装されている。第3回路基板63は、第2回路基板62とは異なる筐体56の端部に位置され、第2コネクタ68が実装されている。第1コネクタ67及び第2コネクタ68は、例えば高周波帯(例えばギガヘルツ帯)の信号が流される。
【0094】
電子機器51は、さらに、第2回路基板62、第3回路基板63、ODDユニット64、及びHDDユニット65のぞれぞれと、第1回路基板61との間に、これらを電気的に接続するフレキシブルプリント配線板1を有する。このフレキシブルプリント配線板1は、上記第1乃至第3の実施形態のいずれかのフレキシブルプリント配線板である。
【0095】
図11は、ODDユニット64と第1回路基板61との間を繋ぐフレキシブルプリント配線板1を示す。フレキシブルプリント配線板1は、ODDユニット64に接続されるコネクタ69が実装されている。コネクタ69は、「電子部品」の一例である。電子部品が実装されたフレキシブルプリント配線板1は、「モジュール」の一例である。
【0096】
図11に示すように、フレキシブルプリント配線板1は、例えば、筐体56の内面56aに沿う第1部分71と、この第1部分71に対して曲がり、筐体56の内面56aから離間した第2部分72とを有する。
【0097】
このような構成によれば、フレキシブルプリント配線板1の薄型化及び軽量化を通じて、電子機器51の薄型化及び軽量化を図ることができる。また、近年の電子機器51は、薄型化のためメインボード(第1回路基板61)を小型化する傾向にある。このため、第1回路基板61と筐体56の側面のコネクタ67,68との間の距離が長くなり、この間で電気的な損失を生じやすい。
【0098】
一方で、本実施形態の構成によれば、上記第1実施形態と同様に、電気抵抗率の小さな導電性のペースト12を使用することができるので、第1回路基板61とコネクタ67,68との間の損失を抑制することができる。これは、電子機器51の性能向上に寄与する。
【0099】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具現化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0100】
例えば、所望される電気特性によって、上記第2実施形態のように、フレキシブルプリント配線板1の厚さを部分的に変えてもよい。絶縁材料11は、導電性のペースト12の厚さよりも薄く塗布されなくてもよい。絶縁材料11は、導電性のペースト12との間に隙間cを空けなくてもよい。ビア3と絶縁部2との境界は、曲面状でなくてもよい。絶縁材料11及び導電性のペースト12の塗布方法は、スクリーン印刷及びインクジェットに限定されるものではなく、その他の塗布方法でもよい。
【0101】
なお、上記第1乃至第4の実施形態及びこれらから想定可能な変形例は、フレキシブルプリント配線板に限られず、リジッド基板やリジッドフレキシブル基板などを含む種々のプリント配線板に広く適用可能である。
【0102】
ここで、いくつかのプリント配線板、電子機器、及びモジュールを付記する。なおここでいう「プリント配線板」は、フレキシブルプリント配線板に限られず、リジッド基板やリジッドフレキシブル基板を含む。
【0103】
[1]:第1面と、該第1面とは反対側に位置された第2面とを有し、前記第1面と前記第2面とに亘る穴部が設けられた絶縁部と;前記穴部に位置されたビアと;前記絶縁部の第1面に設けられ、前記ビアに接続された第1導体パターンと;前記絶縁部の第2面に設けられ、前記ビアに接続された第2導体パターンと、を備え、前記ビアは、第1導体箔の上にスクリーン印刷またはインクジェットで塗布された導電性のペーストから設けられ、前記絶縁部は、前記ペーストが塗布される前、前記ペーストが塗布された後、または前記ペーストが塗布されるのと同時に前記第1導体箔の上で前記ペーストとは異なる位置にスクリーン印刷またはインクジェットで塗布された絶縁材料から設けられ、前記ペースト及び前記絶縁材料は、前記第1導体箔とは反対側から第2導体箔が重ねられ、それぞれ半硬化の状態で前記第1導体箔と前記第2導体箔とに挟まれ、前記第1導体パターンは、前記第1導体箔から形成され、前記第2導体パターンは、前記第2導体箔から形成されたプリント配線板。
【0104】
[2]:第1面と、該第1面とは反対側に位置された第2面とを有し、前記第1面と前記第2面とに亘る穴部が設けられた絶縁部と;前記穴部に位置されたビアと;前記絶縁部の第1面に設けられ、前記ビアに接続された第1導体パターンと;前記絶縁部の第2面に設けられ、前記ビアに接続された第2導体パターンと、を備え、前記ビアは、第1導体箔の上に塗布された導電性のペーストから設けられ、前記絶縁部は、前記ペーストが塗布される前、前記ペーストが塗布された後、または前記ペーストが塗布されるのと同時に前記第1導体箔の上で前記ペーストとは異なる位置に塗布された絶縁材料から設けられ、前記ペースト及び前記絶縁材料は、前記第1導体箔とは反対側から第2導体箔が重ねられ、前記第1導体パターンは、前記第1導体箔から形成され、前記第2導体パターンは、前記第2導体箔から形成されたプリント配線板。
【0105】
[3]:ビアと;前記ビアの周囲に塗布された絶縁部と;前記絶縁部の第1面に設けられ、前記ビアに接続された第1導体パターンと;前記絶縁部の第2面に設けられ、前記ビアに接続された第2導体パターンとを備えたプリント配線板。
【0106】
[4]:筐体と;前記筐体に収容された前記[1]乃至[3]のいずれか1項に記載のプリント配線板とを備えた電子機器。
【0107】
[5]:前記[1]乃至[3]のいずれか1項に記載のプリント配線板と;前記プリント配線板に取り付けられた部品(電子部品)とを備えたモジュール。
【0108】
プリント配線板は、薄型化が要望されている。上記構成によれば、薄型化図ることができるプリント配線板を提供することができる。
【0109】
次に、いくつかのプリント配線板の製造方法を付記する。なおここでいう「プリント配線板」は、リジッド基板やリジッドフレキシブル基板を含む。
【0110】
[i]:第1導体箔の上にスクリーン印刷またはインクジェットで導電性のペーストを塗布し、前記ペーストが塗布される前、前記ペーストが塗布された後、または前記ペーストが塗布されるのと同時に前記第1導体箔の上で前記ペーストとは異なる位置にスクリーン印刷またはインクジェットで絶縁材料を塗布し、前記ペースト及び前記絶縁材料に対して前記第1導体箔とは反対側から第2導体箔を重ね、前記ペースト及び前記絶縁材料を、それぞれ半硬化の状態で前記第1導体箔と前記第2導体箔とで挟み、前記第1導体箔から第1導体パターンを形成し、前記第2導体箔から第2導体パターンを形成することを含むプリント配線板の製造方法。
【0111】
[ii]:第1導体箔の上に導電性のペーストを塗布し、前記ペーストが塗布される前、前記ペーストが塗布された後、または前記ペーストが塗布されるのと同時に前記第1導体箔の上に絶縁材料を塗布し、前記ペースト及び前記絶縁材料を、それぞれ半硬化の状態で前記第1導体箔と第2導体箔とで挟み、前記第1導体箔から第1導体パターンを形成し、前記第2導体箔から第2導体パターンを形成することを含むプリント配線板の製造方法。
【0112】
[iii]:前記[i]または[ii]の記載において、当該プリント配線板は、フレキシブルプリント配線板であるプリント配線板の製造方法。
以下に、さらにいくつかのテレビジョン受像機を付記する。
[1]、筐体と、前記筐体に収容されたフレキシブルプリント配線板と、を備え、前記フレキシブルプリント配線板は、第1面と該第1面とは反対側に位置された第2面とを有して前記第1面と前記第2面とに亘る穴部が設けられて柔軟性を有した絶縁部と、前記穴部に位置されたビアと、前記絶縁部の第1面に設けられて前記ビアに接続された第1導体パターンと、前記絶縁部の第2面に設けられて前記ビアに接続された第2導体パターンと、前記第1導体パターンに重ねられた第1カバーレイと、前記第2導体パターンに重ねられた第2カバーレイと、を備え、前記ビアは、第1導体箔の上にスクリーン印刷またはインクジェットで塗布された導電性のペーストから設けられ、前記絶縁部は、前記ペーストが塗布される前、前記ペーストが塗布された後、または前記ペーストが塗布されるのと同時に前記第1導体箔の上で前記ペーストとは異なる位置にスクリーン印刷またはインクジェットで塗布された絶縁材料から設けられ、前記ペースト及び前記絶縁材料は、前記第1導体箔とは反対側から第2導体箔が重ねられ、それぞれ半硬化の状態で前記第1導体箔と前記第2導体箔とに挟まれ、前記第1導体パターンは、前記第1導体箔から形成され、前記第2導体パターンは、前記第2導体箔から形成されたテレビジョン受像機。
[2]、[1]の記載において、前記絶縁材料は、前記第1導体箔の上に、前記ペーストの厚さよりも薄く塗布されるテレビジョン受像機。
[3]、[2]の記載において、前記ペーストは、前記第1導体箔と前記第2導体箔とに挟まれた時、前記絶縁材料と略同じ厚さに向けて変形するテレビジョン受像機。
[4]、[1]または[3]の記載において、前記絶縁材料は、前記ペーストとの間に隙間を空けて前記第1導体箔の上に塗布されるテレビジョン受像機。
[5]、[1]または[4]の記載において、前記絶縁材料は、インクジェットで塗布されるテレビジョン受像機。
[6]、[1]または[5]の記載において、前記ペーストは、インクジェットで塗布されるテレビジョン受像機。
[7]、[1]または[6]の記載において、前記ビアと前記絶縁部との境界の少なくとも一部は、曲面状であるテレビジョン受像機。
[8]、筐体と、前記筐体に収容されたフレキシブルプリント配線板と、を備え、前記フレキシブルプリント配線板は、第1面と該第1面とは反対側に位置された第2面とを有して前記第1面と前記第2面とに亘る穴部が設けられた絶縁部と、前記穴部に位置されたビアと、前記絶縁部の第1面に設けられて前記ビアに接続された第1導体パターンと、前記絶縁部の第2面に設けられて前記ビアに接続された第2導体パターンと、を備え、前記ビアは、第1導体箔の上に塗布された導電性のペーストから設けられ、前記絶縁部は、前記ペーストが塗布される前、前記ペーストが塗布された後、または前記ペーストが塗布されるのと同時に前記第1導体箔の上で前記ペーストとは異なる位置に塗布された絶縁材料から設けられ、前記ペースト及び前記絶縁材料は、前記第1導体箔とは反対側から第2導体箔が重ねられ、前記第1導体パターンは、前記第1導体箔から形成され、前記第2導体パターンは、前記第2導体箔から形成されたテレビジョン受像機。
[9]、[8]の記載において、前記絶縁材料は、前記第1導体箔の上に、前記ペーストの厚さよりも薄く塗布されるテレビジョン受像機。
[10]、筐体と、前記筐体に収容されたフレキシブルプリント配線板と、を備え、前記フレキシブルプリント配線板は、ビアと、前記ビアの周囲に塗布された絶縁部と、前記絶縁部の第1面に設けられて前記ビアに接続された第1導体パターンと、前記絶縁部の第2面に設けられて前記ビアに接続された第2導体パターンと、を備えたテレビジョン受像機。
【符号の説明】
【0113】
c…隙間、1…フレキシブルプリント配線板、2…絶縁部、2a…第1面、2b…第2面、2c…穴部、3…ビア、4…第1導体パターン、5…第2導体パターン、6…第1カバーレイ、7…第2カバーレイ、11…絶縁材料、12…導電性のペースト、21…第1導体箔、22…第2導体箔。
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、フレキシブルプリント配線板を含むプリント配線板に関する。
【背景技術】
【0002】
銅箔が積層された基板にドリル加工で穴部を開け、この穴部にめっきを施すことでスルーホールを形成したプリント配線板が提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−244607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
めっきでスルーホールを形成する場合、めっき層は、基材の銅箔の上にさらに積層される。このため、このようなプリント配線板は、厚くなりやすい。そのため、このようなプリント配線板を備えたテレビジョン受像機は、厚くなりやすい。
【0005】
本発明の目的は、薄型化を図ることができるフレキシブルプリント配線板及びプリント配線板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの実施形態によれば、プリント配線板は、第1導体箔から設けられた第1導体パターンと、第2導体箔から設けられた第2導体パターンと、前記第1導体箔の上に塗布されて前記第1導体箔と前記第2導体箔とに挟まれた後に硬化された導電性のペーストから設けられたビアと、前記第1導体箔の上で前記ペーストとは異なる位置に塗布された絶縁材料から設けられた絶縁部と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1実施形態に係るテレビジョン受像機の正面図。
【図2】第1実施形態に係るプリント配線板を模式的に示す断面図。
【図3】図2中に示されたプリント配線板の第1の製造方法を模式的に示す図。
【図4】図2中に示されたプリント配線板の第2の製造方法を模式的に示す図。
【図5】図2中に示されたプリント配線板のエッチング前を模式的に示す断面図。
【図6】図2中に示されたプリント配線板のエッチング後を模式的に示す断面図。
【図7】第2実施形態に係るプリント配線板を模式的に示す断面図。
【図8】第3実施形態に係るプリント配線板を模式的に示す平面図。
【図9】第4実施形態に係る電子機器の斜視図。
【図10】図9中に示された電子機器の内部の下面図。
【図11】図10中に示された一つのフレキシブルプリント配線板を示す断面図。
【図12】第1実施形態と関連するプリント配線板のエッチング前を模式的に示す断面図。
【図13】図12に示されたプリント配線板のエッチング後を模式的に示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0009】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るテレビジョン受像機81を示す。テレビジョン受像機81は、「電子機器」の一例である。テレビジョン受像機81は、本体部82と、この本体部82を支持したスタンド83とを有する。本体部82は、筐体84と、この筐体84に収容された表示装置85とを有する。表示装置85は、画像を表示させる表示画面85aを有する。筐体84は、表示画面85aを露出させる開口部84aを有する。
【0010】
図1に示すように、筐体84は、フレキシブルプリント配線板1を収容している。なお筐体84は、本実施形態に係るフレキシブルプリント配線板1に代えて、下記の第2または第3の実施形態に係るフレキシブルプリント配線板1を収容してもよい。
【0011】
以下、フレキシブルプリント配線板1について詳しく説明する。
図2乃至図6は、第1実施形態に係るフレキシブルプリント配線板1を開示している。フレキシブルプリント配線板1は、柔軟性(可撓性)を有し、例えば比較的大きく変形させる(曲げる)ことができる。なお本明細書でいう「フレキシブルプリント配線板」は、90度を超えるような大きな角度で折り曲げ可能なものに限定されるものではなく、小さな角度(例えば5度以上の角度)で折り曲げ可能なものを含む。
【0012】
図2は、フレキシブルプリント配線板1の構成の一例を模式的に示す。フレキシブルプリント配線板1は、絶縁部2、ビア3、第1導体パターン4、第2導体パターン5、第1カバーレイ6、及び第2カバーレイ7を有する。
【0013】
絶縁部2は、例えば基材、またはベースフィルムとも呼ばれ、フィルム状の絶縁体(絶縁層)である。絶縁部2は、硬化後に柔軟性(可撓性)を有する絶縁材料11(図3、図4参照)で構成されている。絶縁部2は、例えば熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂などの絶縁材料11(絶縁樹脂)が硬化されることで設けられている。
【0014】
本実施形態に係る絶縁材料11は、例えばスクリーン印刷またはインクジェットで塗布されることが可能な特性(粘度や硬度)を有する。絶縁材料11は、例えば可溶性であり、液状(インク状)になる。
【0015】
本実施形態に係る絶縁材料11の具体例としては、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、液晶ポリマー樹脂、シリコン樹脂、ウレタン樹脂、及びフッ素樹脂のいずれか単体、またはこれらの中のいずれかを組み合わせた混合物である。なお、絶縁材料11は、上記例に限られるものではない。
【0016】
図2に示すように、絶縁部2は、第1面2aと、この第1面2aとは反対側に位置された第2面2bとを有する。絶縁部2には、第1面2aと第2面2bとに亘る穴部2cが設けられている。すなわち、穴部2cは、第1面2aと第2面2bとの間を貫通している。
【0017】
ビア3は、絶縁部2の穴部2cに位置されている。ビア3は、絶縁部2の第1面2aと第2面2bとに亘る。ビア3の厚さT1は、絶縁部2の厚さT2と略同じである。ビア3は、例えば導電性のペースト12(図3、図4参照)が硬化されることで設けられている。
【0018】
導電性のペースト12は、例えば、導電ペースト、またははんだペースト(はんだ系ペースト)である。「導電ペースト」の一例は、導電粉と熱硬化性樹脂(または熱可塑性樹脂)とを混ぜたものであり、例えば、銅ペースト、銀ペースト、またはこれらを混ぜたものがある。また、「導電ペースト」は、銅ナノペーストや銀ナノペーストといったナノペーストでもよい。「はんだペースト」の一例は、半田合金の微粒子とフラックスとを混ぜたものである。
【0019】
本実施形態に係る導電性のペースト12は、例えばスクリーン印刷またはインクジェットで塗布されることが可能な特性(粘度や硬度)を有する。なお、導電性のペースト12は、上記例に限られるものではない。
【0020】
図2に示すように、第1導体パターン4(第1導体層)は、絶縁部2の第1面2aに設けられている。第1導体パターン4は、ビア3に接続(接合)され、ビア3に電気的に接続されている。第2導体パターン5(第2導体層)は、絶縁部2の第2面2bに設けられている。第2導体パターン5は、ビア3に接続(接合)され、ビア3に電気的に接続されている。すなわち、ビア3は、第1導体パターン4と第2導体パターン5とを電気的に接続している。
【0021】
第1導体パターン4及び第2導体パターン5は、例えばそれぞれ配線パターン(信号層)である。なお第1導体パターン4及び第2導体パターン5のいずれか一方は、電源層またはグランド層となるベタ層であってもよい。
【0022】
フレキシブルプリント配線板1は、例えば第1導体パターン4及び第2導体パターン5が絶縁部2に直接に積層されたいわゆる2層材である。
【0023】
図2に示すように、第1カバーレイ6(第1カバー層)は、第1導体パターン4に重ねられている。第2カバーレイ7(第2カバー層)は、第2導体パターン5に重ねられている。第1カバーレイ6及び第2カバーレイ7は、それぞれ保護用の絶縁体(絶縁層)であり、フレキシブルプリント配線板1の外部に露出されている。
【0024】
図2に示すように、第1カバーレイ6及び第2カバーレイ7は、それぞれ例えば表面層13と、この表面層13と絶縁部2との間に位置された接着層14(接着剤)とを含む。表面層13は、例えばポリイミド樹脂やポリエチレンテレフタレート樹脂などの絶縁樹脂で構成されている。
【0025】
次に、図3を参照して、フレキシブルプリント配線板1を製造する方法の一例としての第1の製造方法を示す。
【0026】
まず、図3(a)に示すように、第1導体箔21が準備される(ステップ1)。第1導体箔21は、後工程で第1導体パターン4が形成される素材としての板状(平面状)の金属箔である。すなわち、第1導体箔21は、まだ配線パターンが設けられていない平らなフィルムである。第1導体箔21は、例えば銅箔であるが、これに限られるものではない。
【0027】
次に、図3(b)に示すように、第1導体箔21の上に、ビア3の素材となる導電性のペースト12が塗布される(ステップ2)。導電性のペースト12は、流動性を有する状態で、例えばスクリーン印刷、またはインクジェットで第1導体箔21の上に塗布される。なお、「インクジェット」とは、導電性のペースト12を微滴化し、第1導体箔21の上に直接に吹き付けることで塗布することをいう。
【0028】
本実施形態に係る導電性のペースト12の一例は、チクソ比(チキソ比)がある程度大きく調整されている。すなわち、ペースト12は、スクリーン印刷またはインクジェットで高速で塗布される状態では粘度が小さく、第1導体箔21に塗布され、静止された状態では粘度が大きくなる。このため、第1導体箔21に塗布された導電性のペースト12は、形が崩れ難く(ダレにくく)、第1導体箔21の上で柱状(円柱状または角柱状)に形成される。塗布された導電性のペースト12は、例えば熱が加えられ、半硬化(仮硬化)させられる。
【0029】
次に、図3(c)に示すように、第1導体箔21の上に、絶縁部2の素材となる絶縁材料11が塗布される(ステップ3)。絶縁材料11は、例えば、導電性のペースト12が塗布された後に、第1導体箔21に塗布される。なお、絶縁材料11は、後述の第2の製造方法で示すように、導電性のペースト12が塗布される前に、第1導体箔21に塗布されてもよい。また、絶縁材料11は、導電性のペースト12が塗布されるのと同時に、第1導体箔21に塗布されてもよい。
【0030】
絶縁材料11は、例えばインク状(液状)に準備され、流動性を有する。絶縁材料11は、流動性を有する状態で、例えばスクリーン印刷、またはインクジェットで第1導体箔21の上に塗布される。なお、「インクジェット」とは、絶縁材料11を微滴化し、第1導体箔21の上に直接に吹き付けることで塗布することをいう。
【0031】
図3(c)に示すように、絶縁材料11は、第1導体箔21の上に、導電性のペースト12の厚さt1よりも薄く塗布される。つまり、絶縁材料11の厚さt2は、導電性のペースト12の厚さt1よりも小さい。
【0032】
なお、絶縁材料11の厚さt2を導電性のペースト12の厚さt1よりも小さくする場合、スクリーン印刷であれば、絶縁材料11と導電性のペースト12の厚さの違いを考慮した装置が必要になる。しかしながら、例えばインクジェットであれば、汎用的な装置で、導電性のペースト12の厚さt1に邪魔されることなく、導電性のペースト12の厚さt1よりも薄く絶縁材料11を塗布することができる。このため、インクジェットによれば、製造コストを抑えることができる。
【0033】
図3(c)に示すように、絶縁材料11は、第1導体箔21の上で、導電性のペースト12とは異なる位置に塗布される。すなわち、絶縁材料11は、導電性のペースト12を避けて、導電性のペースト12とは重ならない領域だけに塗布される。
【0034】
絶縁材料11は、導電性のペースト12との間に隙間c(クリアランス)を空けて、第1導体箔21の上に塗布される。この隙間cは、例えば導電性のペースト12及び絶縁材料11の位置公差よりも大きく確保されている。すなわち、種々の誤差に起因して導電性のペースト12及び絶縁材料11の形成位置(塗布位置)がそれぞれ最大限ずれた時でも、導電性のペースト12と絶縁材料11とが重ならないような大きさに隙間cは調整されている。
【0035】
塗布された絶縁材料11は、例えば熱が加えられ、半硬化(仮硬化)させられる。なお、絶縁材料11は、例えば塗布された後に、形が崩れ、ダレてもよい。すなわち、絶縁材料11は、塗布された後に、上記隙間cを埋めるように形が崩れ、導電性のペースト12の側面に接してもよい。
【0036】
次に、図3(d)に示すように、導電性のペースト12及び絶縁材料11の上に、第2導体箔22が重ねられる(ステップ4)。すなわち、導電性のペースト12及び絶縁材料11に対して、第1導体箔21とは反対側から第2導体箔22が重ねられる。
【0037】
第2導体箔22は、後工程で第2導体パターン5が形成される素材としての板状(平面状)の金属箔である。すなわち、第2導体箔22は、まだ配線パターンが設けられていない平状のフィルムである。第2導体箔22は、例えば銅箔であるが、これに限られるものではない。
【0038】
上述したように、導電性のペースト12の厚さt1は、絶縁材料11の厚さt2よりも大きい。このため、図3(d)に示すように、絶縁材料11及び導電性のペースト12に第2導体箔22が重ねられた時、絶縁材料11が第2導体箔22に接する前に、導電性のペースト12が第2導体箔22に確実に接する。これにより、導電性のペースト12と第2導体箔22との接続の信頼性が高まる。
【0039】
導電性のペースト12及び絶縁材料11は、それぞれ半硬化(仮硬化)したいわゆるBステージの状態で、第1導体箔21と第2導体箔22とに挟み込まれ、熱と圧力が加えられて圧着(積層)される。
【0040】
この過程で、導電性のペースト12は、第1導体箔21と第2導体箔22との間で押し潰され(押圧され)、絶縁材料11と略同じ厚さに向けて薄くなるように変形する。なお、この過程は、真空プレス工程で行われ、第2導体箔22と絶縁材料11との間にある空気は抜き取られ、ボイドの発生は抑制される。
【0041】
これにより、図3(e)に示すように、導電性のペースト12は、第1導体箔21と第2導体箔22との間で硬化され、第1導体箔21及び第2導体箔22と接合(例えば金属結合)され、ビア3となる。絶縁材料11は、第1導体箔21と第2導体箔22との間で硬化され、絶縁部2となる。これにより、両面板が完成する(ステップ5)。導電性のペースト12が上記のように押し潰されることで、ビア3と絶縁部2との境界の少なくとも一部は、例えば曲面状に形成される。
【0042】
次に、図3(f)に示すように、パターンエッチングにより、第1導体箔21から第1導体パターン4が形成される。同様に、パターンエッチングにより、第2導体箔22から第2導体パターン5が形成される。また、第1カバーレイ6及び第2カバーレイ7がそれぞれ積層される。さらに、表面処理及び外形加工が行われ、フレキシブルプリント配線板1が完成する(ステップ6)。
【0043】
次に、図4を参照して、フレキシブルプリント配線板1を製造する方法の他の一例としての第2の製造方法を示す。この第2の製造方法は、図3に示す第1の製造方法に対して(b)及び(c)の工程の順序が逆であり、その他の工程及び詳細は第1の製造方法と略同じである。
【0044】
詳しく述べると、まず、図4(a)に示すように、第1導体箔21が準備される。次に、図4(b)に示すように、第1導体箔21の上に、絶縁部2の素材と成る絶縁材料11が例えばスクリーン印刷、またはインクジェットで塗布される。絶縁材料11は、第1導体箔21の上で、導電性のペースト12とは異なる位置に塗布される。すなわち、絶縁材料11は、導電性のペースト12とは重ならない領域だけに塗布される。絶縁材料11は、導電性のペースト12との間に隙間cが空くように、第1導体箔21の上に塗布される。
【0045】
次に、図4(c)に示すように、第1導体箔21の上に、ビア3の素材となる導電性のペースト12が例えばスクリーン印刷、またはインクジェットで塗布される。導電性のペースト12は、例えば、絶縁材料11が塗布された後に、第1導体箔21の上に塗布される。この製造方法においても、絶縁材料11の厚さt2は、導電性のペースト12の厚さt1よりも薄い。
【0046】
なお、この第2の製造方法では、絶縁材料11の後にペースト12が塗布されるので、スクリーン印刷であっても、絶縁材料11と導電性のペースト12の厚さの違いを考慮した装置に制限されない。
【0047】
その後、上記第1の製造方法と同様に、図4(d)、(e)、(f)の工程(すなわち上記ステップ4,5,6の工程)が行われ、フレキシブルプリント配線板1が完成する。
【0048】
このような構成によれば、フレキシブルプリント配線板1の薄型化及び軽量化を図ることができる。この理由について以下に説明する。
【0049】
まず、第1の比較例として、銅箔が積層された基材に穴部を開け、めっきでスルーホールが形成されたプリント配線板について考える。この場合、めっき層は、基材の穴部内面と、基材表面の銅箔の上とに亘って設けられる。すなわち、基材表面では、めっき層は、銅箔の上にさらに積層される。
【0050】
ここで、銅箔の厚さの一例は、18μmである。めっき層の厚さの一例は、15μmである。このため、合計すると33μmの導体部が基材の上に設けられることになる。このようなプリント配線板は、厚くなりやすい。すなわち、このようなプリント配線板は、薄型化を図ることが困難である。
【0051】
さらに、基材表面に厚い導体部があると、フレキシブルプリント配線板は、曲がりづらくなる。これは、フレキシブルプリント配線板の適用範囲を小さくする。また、フレキシブルプリント配線板は、折り曲げて、変形させた姿勢で筐体内に組み付けられることもある。このため、曲がりづらいフレキシブルプリントは、組立性に良くない影響を与える。
【0052】
また、銅箔及びめっき層は、それぞれ金属であり比較的重い。このため、基材表面に厚い導体部があると、プリント配線板は、重くなりやすい。すなわち、このようなプリント配線板は、軽量化を図ることが困難である。
【0053】
次に、第2の比較例として、ALIVH(Any Layer Interstitial Via Hole)(登録商標)系製法について考える。ALIVH系製法では、ガラスエポキシ樹脂から成るプリプレグにレーザー加工で穴部を開け、この穴部に導電ペーストを埋め込み、銅箔を積層し、これを繰り返して導体層を積み上げ、多層基板を形成する。このALIVH系製法では、高価なレーザー加工機が必要となり、製造コストが高くなりやすい。
【0054】
次に、第3の比較例として、B2it(Buried Bump Interconnection Technology)(登録商標)系製法について考える。B2it系製法では、銅箔上に円錐状の導電ペーストを形成し、ガラスエポキシ樹脂からなるシート状のプリプレグに、前記円錐状の導電ペーストを貫通させ、銅箔を積層し、これを繰り返して導体層を積み上げ、多層基板を形成する。
【0055】
このB2it系製法では、円錐状の導電ペーストを作成するのに、時間とコストがかかりやすい。すなわち、円錐状の導電ペーストは、一度の塗布(一度の印刷)では形成することができず、下層部を印刷して少し硬化させ、その上に一回り小さな中層部を印刷して少し硬化させ、その上にさらに一回り小さな上層部を印刷して硬化させるといった、3回から4回の印刷工程が必要となる。
【0056】
また、導電ペーストを円錐状に形成するため、導電ペーストの粘度を特殊に調整する必要がある。また、ガラスエポキシ樹脂のプリプレグを突き刺すために、導電ペーストは、高い硬度が必要になる。一般的に、硬度が高くなると、電気抵抗率も高くなる。このため、B2it系製法では、ビアの電気抵抗率が高くなりやすく、電気的な損失を抑制しにくい。
【0057】
一方で、本実施形態のフレキシブルプリント配線板1は、ビア3と、ビア3の周囲に塗布された絶縁部2と、絶縁部2の第1面2aに設けられ、ビア3に接続された第1導体パターン4と、絶縁部2の第2面2bに設けられ、ビア3に接続された第2導体パターン5とを備える。すなわち、絶縁部2は、ビア3の周囲に塗布されることで設けられるので、絶縁部2に穴部を開け、めっきでスルーホールを形成するといった工程が不用になる。
【0058】
別の観点から見れば、本実施形態のフレキシブルプリント配線板1は、第1導体箔21の上に導電性のペースト12及び絶縁材料11を塗布し、ペースト12及び絶縁材料11をそれぞれ半硬化の状態で第1導体箔21と第2導体箔22とで挟み、第1導体箔21から第1導体パターン4を形成し、第2導体箔22から第2導体パターン5を形成することで製造される。
【0059】
このような構成のフレキシブルプリント配線板1は、図2に示すように、導体パターン4,5に重なるめっき層が存在しないため、薄型化及び軽量化を図ることができる。また、めっき層が存在しないため、フレキシブルプリント配線板1は、曲がりやすく、適用範囲が広いとともに、組立性も良好である。
【0060】
さらに、ALIVH系製法に比べ、レーザーによる穴あけ工程を必要としないため、製造コストの低下を図りやすい。また、B2it系製法に比べ、印刷回数を必要としないため、工数を削減することができる。すなわち、プリント配線板1の製造コストの低下を図ることができる。
【0061】
また、本実施形態の製造方法によれば、B2it系製法に比べ、導電性のペースト12に高い硬度が必要ないので、電気抵抗が小さなペースト12を用いることができる。これにより、高い周波数帯(例えばギガヘルツ帯)の周波数を流しても、大きな損失が生じにくいフレキシブルプリント配線板1を提供することができる。
【0062】
さらに、ALIVH系製法及びB2it系製法の現在の技術では、フレキシブルプリント配線板を製造できないが、本実施形態の製造方法によれば、フレキシブルプリント配線板を製造することができる。
【0063】
また、本実施形態の構成によれば、さらに次のような利点がある。
比較のため、図12に、基材101と、銅箔102と、めっき層103とが積層された基板100を示す。この基板100をパターンエッチングする工程では、めっき層103の上にエッチングマスク104が設けられる。これにより、エッチングマスク104に覆われた部分の導体層が残り、エッチングマスク104に覆われていない部分の導体層が除去される。
【0064】
図13は、エッチング処理後の基板100を示す。図13に示すように、銅箔102とめっき層103とがある場合、エッチングの深さD1が大きい。このため、このエッチングで形成される導体パターン105の線幅W1は、裾野が大きく広がり、太くなりやすい。また、導体パターン105の線幅W1は、誤差δ1が大きくなりやすい。
【0065】
一方で、本実施形態の構成によれば、図5に示すように、絶縁部2の上には、導体箔21のみであり、めっき層は存在しない。このため、図6に示すように、エッチングの深さD2が小さい。このため、このエッチングで形成される導体パターン4の線幅W2は、細くなりやすい、また、導体パターン4の線幅W2は、上記線幅W1に比べて小さいため、誤差δ2も上記誤差δ1に比べて小さくなりやすい。
【0066】
この結果、本実施形態の構成では、(1)導体パターン4,5の線幅W2を小さくすることができるので、複数の配線を狭ピッチでレイアウトすることができる。これは、フレキシブルプリント配線板1の小型化、軽量化、及び高密度実装化に寄与する。
【0067】
さらに、本実施形態の構成では、(2)ノイズの発生を抑制することができる。すなわち、電子デバイスの入力または出力インピーダンスがプリント配線板の線路のインピーダンスと整合しないと、信号の反射が生じ、ノイズとして信号の品質を低下させ、誤動作の原因になる可能性がある。
【0068】
一方で、本実施形態の構成によれば、導体パターン4,5の線幅W2の誤差δ2を小さくすることができるので、特性インピーダンス(差動インピーダンス)を精度良く調整することができる。このため、ノイズを抑制することができ、フレキシブルプリント配線板1の信頼性を高めることができる。
【0069】
本実施形態では、絶縁材料11は、第1導体箔21の上に、導電性のペースト12の厚t1さよりも薄く塗布される。このため、導電性のペースト12及び絶縁材料11が第1導体箔21と第2導体箔22とで挟み込まれた時、導電性のペースト12は、第1導体箔21及び第2導体箔22に確実に接触する。このため、第1導体箔21及び第2導体箔22に対する導電性のペースト12の接触が甘くなりにくく、第1導体箔21及び第2導体箔22と導電性のペースト12との間の電気抵抗値が小さくなりやすい。
【0070】
本実施形態では、導電性のペースト12は、第1導体箔21と第2導体箔22とに挟まれた時、絶縁材料11と略同じ厚さに向けて変形する。すなわち、導電性のペースト12は、第1導体箔21と第2導体箔22との間で押し潰されるようにして変形する。この過程で、導電性のペースト12には、圧縮したことによる残留応力が残る。
【0071】
ここで、フレキシブルプリント配線板1には、例えばはんだ付けで電子部品が実装される。このとき、フレキシブルプリント配線板1の少なくとも一部の温度は、はんだを付ける温度(例えば約260度)まで上昇させられるが、この時、絶縁部2に熱膨張が生じる。ここで、導電性のペースト12に残留応力があると、絶縁部2の熱膨張時に、導電性のペースト12も膨張しやすく、接合の信頼性を維持しやすい。
【0072】
本実施形態では、絶縁材料11は、導電性のペースト12との間に隙間cを空けて塗布される。このような構成によれば、導電性のペースト12と第2導体箔22との間に絶縁材料11が誤って入りにくく、導通不良を抑制することができる。また、この隙間cは、導電性のペースト12の上記変形を許容する空間部としても機能するため、絶縁材料11の厚さt2に対して導電性のペースト12の厚さt1を大きくしやすい。
【0073】
本実施形態では、絶縁材料11は、インクジェットで塗布される。このような構成であれば、汎用的な装置でも、導電性のペースト12の厚さt1に影響されずに、絶縁材料11を薄く塗布することができる。これは、フレキシブルプリント配線板1の製造コストの低下に寄与する。
【0074】
次に、第2乃至第4の実施形態について説明する。なお上記第1の実施形態の構成と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。また、下記に説明する以外の構成は、上記第1の実施形態と同じである。
【0075】
(第2実施形態)
図7は、第2実施形態に係るフレキシブルプリント配線板1を示す。本実施形態に係るフレキシブルプリント配線板1は、部分的に厚みが異なる。フレキシブルプリント配線板1の一例は、第1部分31と、この第1部分31よりも厚い第2部分32とを有する。
【0076】
第1部分31は、部品(電子部品)が実装されない領域であり、柔軟に変形する(曲がる)ことが優先された領域である。第1部分31は、上記第1実施形態のフレキシブルプリント配線板1と略同じ構成を有する。すなわち、第1部分31は、第1絶縁部2、ビア3、第1導体パターン4、第2導体パターン5、第1カバーレイ6、及び第2カバーレイ7を有する。
【0077】
第2部分32は、部品34(電子部品)が実装される領域であり、第1部分31に比べて変形しにくい(曲がりにくい)領域である。第2部分32は、第2絶縁部35、第1導体パターン4、第2導体パターン5(図示しない)、第1カバーレイ6、及び第2カバーレイ7を有する。第2絶縁部35は、第1絶縁部2に相当する部分であり、第1導体パターン4と第2導体パターン5との間に位置される。第2絶縁部35は、第1絶縁部2に比べて厚い。
【0078】
第2絶縁部35は、第1絶縁部2に対して、絶縁材料11の塗布される厚さを変えることで形成される。このような塗布の厚さを部分的に変えることは、例えばインクジェットによる塗布で行うことができる。このような構成によれば、部品実装の安定性が向上し、フレキシブルプリント配線板1の信頼性が向上する。
【0079】
なお、図7に示す一例では、第2部分32は、ビア3を有しないが、これに限定されるものではない。第2部分32は、ビア3を有してもよい。なおこの場合、第2部分32のビア3は、第1部分31のビア3に対して、導電性のペースト12の塗布される厚さを変えることで形成される。
【0080】
(第3実施形態)
図8は、第3実施形態に係るフレキシブルプリント配線板1を示す。なお図8では、説明の便宜上、第1導体パターン4にハッチングを施している。本実施形態に係るフレキシブルプリント配線板1は、部分的に絶縁材料の種類が異なる。図8に示すように、第1導体パターン4(または第2導体パターン5)は、パッド41と、パッド41の間を結ぶ信号線42とを有する。信号線42は、例えば高速伝送に使用される配線(例えば差動配線)である。
【0081】
本実施形態のフレキシブルプリント配線板1は、第1部分43と、第2部分44とを有する。第1部分43は、例えば信号線42が設けられていない領域である。第1部分43は、上記第1の実施形態のフレキシブルプリント配線板1と略同じ構成を有する。すなわち、第1部分43は、第1絶縁部2、ビア3、第1導体パターン4、第2導体パターン5、第1カバーレイ6、及び第2カバーレイ7を有する。
【0082】
第2部分44は、信号線42に対応した領域、すなわち信号線42が設けられた領域である。第2部分44は、例えば信号線42の直下に位置した領域である。第2部分44は、第2絶縁部46、第1導体パターン4、第2導体パターン5、第1カバーレイ6、及び第2カバーレイ7を有する。第2絶縁部46は、第1絶縁部2に相当する部分であり、第1導体パターン4と第2導体パターン5との間に位置される。第2絶縁部46は、第1絶縁部2とは異なる種類の絶縁材料11で構成されている。
【0083】
ここで、プリント配線板上の伝送では、周波数が高くなるほど伝送損失を招き、信号の減衰に伴う伝送品質の低下が課題となる。伝送損失は、信号が伝達される導体で生じる導体損失、誘電体と接することで生じる誘電損失、及び配線の屈曲部、末端などで生じる放射損失の和となる。誘電損失は、誘電率と誘電正接などに起因する。このため、誘電率及び誘電正接が小さな材料でプリント配線板を構成すると、伝送損失が小さくなる。
【0084】
しかしながら、誘電率及び誘電正接が小さな材料は、一般的に高価である。そのため、誘電率及び誘電正接が小さな材料で、プリント配線板の全体を構成すると、製造コストが高くなる。
【0085】
そこで、本実施形態では、第2絶縁部46は、第1絶縁部2に対して、塗布される絶縁材料11の種類を変えることで形成される。このような塗布される絶縁材料11の種類を部分的に変えることは、例えばインクジェットによる塗布で行うことができる。
【0086】
具体的には、第2絶縁部46の絶縁材料11として、第1絶縁部2の絶縁材料11よりも誘電率及び誘電正接が小さな材料を用いる。第2絶縁部46の絶縁材料11の一例は、フィラーを多く含むものである。一方で、第1絶縁部2の絶縁材料11として、一般的な材料を用いる。これにより、フレキシブルプリント配線板1の製造コストを抑えつつ、伝送損失を抑制することができる。
【0087】
なお、フィラーを多く含む絶縁材料11は、フィラーが少ない絶縁材料11に比べて硬い。そこで、上記第2実施形態のように、柔軟性が優先された第1部分31と、部品実装領域としての第2部分32とを有したフレキシブルプリント配線板1において、第1部分31と第2部分32との絶縁材料11を変えてもよい。例えば、第1部分31の絶縁材料11は、一般的な材料である。第2部分32の絶縁材料11は、第1部分31の絶縁材料11よりもフィラーを多く含むものが用いられる。このような構成によれば、部品実装の安定性が向上し、フレキシブルプリント配線板1の信頼性が向上する。
【0088】
(第4実施形態)
図9は、第4実施形態に係る電子機器51を示す。電子機器51は、例えばノートブック型ポータブルコンピュータ(ノートPC)である。なお本実施形態が適用可能な電子機器は、上記例に限られず、テレビジョン受像機、タブレット端末、スレート型ポータブルコンピュータ(スレートPC)、携帯電話、スマートフォン、電子書籍端末、ゲーム機などを含む種々の電子機器に広く適用可能である。
【0089】
図9に示すように、電子機器51は、第1ユニット52と、第2ユニット53と、ヒンジ部54a,54bとを有する。第1ユニット52は、例えば電子機器本体である。第1ユニット52は、第1筐体56を備えている。
【0090】
第2ユニット53は、例えば表示部であり、第2筐体57と、この第2筐体57に収容された表示装置58とを備えている。表示装置58は、例えば液晶ディスプレイであるが、これに限定されるものではない。表示装置58は、画像が表示される表示画面58aを有する。第2筐体57は、表示画面58aを外部に露出させる開口部57aを有する。
【0091】
第2筐体57は、ヒンジ部54a,54bによって、第1筐体56の後端部に回動可能(開閉可能)に連結されている。これにより電子機器は、第1ユニット52と第2ユニット53とが重ねられた第1の位置と、第1ユニット52と第2ユニット53とが開かれた第2の位置との間で回動可能である。
【0092】
次に、第1筐体56(以下、単に筐体56)の内部を詳しく説明する。
図10に示すように、筐体56は、第1回路基板61、第2回路基板62、第3回路基板63、ODD(Optical Disk Drive)ユニット64、及びHDD(Hard Disk Drive)ユニット65を備えている。
【0093】
第1回路基板61は、例えばメインボードであり、CPU66が実装されている。第2回路基板62は、筐体56の端部に位置され、第1コネクタ67が実装されている。第3回路基板63は、第2回路基板62とは異なる筐体56の端部に位置され、第2コネクタ68が実装されている。第1コネクタ67及び第2コネクタ68は、例えば高周波帯(例えばギガヘルツ帯)の信号が流される。
【0094】
電子機器51は、さらに、第2回路基板62、第3回路基板63、ODDユニット64、及びHDDユニット65のぞれぞれと、第1回路基板61との間に、これらを電気的に接続するフレキシブルプリント配線板1を有する。このフレキシブルプリント配線板1は、上記第1乃至第3の実施形態のいずれかのフレキシブルプリント配線板である。
【0095】
図11は、ODDユニット64と第1回路基板61との間を繋ぐフレキシブルプリント配線板1を示す。フレキシブルプリント配線板1は、ODDユニット64に接続されるコネクタ69が実装されている。コネクタ69は、「電子部品」の一例である。電子部品が実装されたフレキシブルプリント配線板1は、「モジュール」の一例である。
【0096】
図11に示すように、フレキシブルプリント配線板1は、例えば、筐体56の内面56aに沿う第1部分71と、この第1部分71に対して曲がり、筐体56の内面56aから離間した第2部分72とを有する。
【0097】
このような構成によれば、フレキシブルプリント配線板1の薄型化及び軽量化を通じて、電子機器51の薄型化及び軽量化を図ることができる。また、近年の電子機器51は、薄型化のためメインボード(第1回路基板61)を小型化する傾向にある。このため、第1回路基板61と筐体56の側面のコネクタ67,68との間の距離が長くなり、この間で電気的な損失を生じやすい。
【0098】
一方で、本実施形態の構成によれば、上記第1実施形態と同様に、電気抵抗率の小さな導電性のペースト12を使用することができるので、第1回路基板61とコネクタ67,68との間の損失を抑制することができる。これは、電子機器51の性能向上に寄与する。
【0099】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具現化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0100】
例えば、所望される電気特性によって、上記第2実施形態のように、フレキシブルプリント配線板1の厚さを部分的に変えてもよい。絶縁材料11は、導電性のペースト12の厚さよりも薄く塗布されなくてもよい。絶縁材料11は、導電性のペースト12との間に隙間cを空けなくてもよい。ビア3と絶縁部2との境界は、曲面状でなくてもよい。絶縁材料11及び導電性のペースト12の塗布方法は、スクリーン印刷及びインクジェットに限定されるものではなく、その他の塗布方法でもよい。
【0101】
なお、上記第1乃至第4の実施形態及びこれらから想定可能な変形例は、フレキシブルプリント配線板に限られず、リジッド基板やリジッドフレキシブル基板などを含む種々のプリント配線板に広く適用可能である。
【0102】
ここで、いくつかのプリント配線板、電子機器、及びモジュールを付記する。なおここでいう「プリント配線板」は、フレキシブルプリント配線板に限られず、リジッド基板やリジッドフレキシブル基板を含む。
【0103】
[1]:第1面と、該第1面とは反対側に位置された第2面とを有し、前記第1面と前記第2面とに亘る穴部が設けられた絶縁部と;前記穴部に位置されたビアと;前記絶縁部の第1面に設けられ、前記ビアに接続された第1導体パターンと;前記絶縁部の第2面に設けられ、前記ビアに接続された第2導体パターンと、を備え、前記ビアは、第1導体箔の上にスクリーン印刷またはインクジェットで塗布された導電性のペーストから設けられ、前記絶縁部は、前記ペーストが塗布される前、前記ペーストが塗布された後、または前記ペーストが塗布されるのと同時に前記第1導体箔の上で前記ペーストとは異なる位置にスクリーン印刷またはインクジェットで塗布された絶縁材料から設けられ、前記ペースト及び前記絶縁材料は、前記第1導体箔とは反対側から第2導体箔が重ねられ、それぞれ半硬化の状態で前記第1導体箔と前記第2導体箔とに挟まれ、前記第1導体パターンは、前記第1導体箔から形成され、前記第2導体パターンは、前記第2導体箔から形成されたプリント配線板。
【0104】
[2]:第1面と、該第1面とは反対側に位置された第2面とを有し、前記第1面と前記第2面とに亘る穴部が設けられた絶縁部と;前記穴部に位置されたビアと;前記絶縁部の第1面に設けられ、前記ビアに接続された第1導体パターンと;前記絶縁部の第2面に設けられ、前記ビアに接続された第2導体パターンと、を備え、前記ビアは、第1導体箔の上に塗布された導電性のペーストから設けられ、前記絶縁部は、前記ペーストが塗布される前、前記ペーストが塗布された後、または前記ペーストが塗布されるのと同時に前記第1導体箔の上で前記ペーストとは異なる位置に塗布された絶縁材料から設けられ、前記ペースト及び前記絶縁材料は、前記第1導体箔とは反対側から第2導体箔が重ねられ、前記第1導体パターンは、前記第1導体箔から形成され、前記第2導体パターンは、前記第2導体箔から形成されたプリント配線板。
【0105】
[3]:ビアと;前記ビアの周囲に塗布された絶縁部と;前記絶縁部の第1面に設けられ、前記ビアに接続された第1導体パターンと;前記絶縁部の第2面に設けられ、前記ビアに接続された第2導体パターンとを備えたプリント配線板。
【0106】
[4]:筐体と;前記筐体に収容された前記[1]乃至[3]のいずれか1項に記載のプリント配線板とを備えた電子機器。
【0107】
[5]:前記[1]乃至[3]のいずれか1項に記載のプリント配線板と;前記プリント配線板に取り付けられた部品(電子部品)とを備えたモジュール。
【0108】
プリント配線板は、薄型化が要望されている。上記構成によれば、薄型化図ることができるプリント配線板を提供することができる。
【0109】
次に、いくつかのプリント配線板の製造方法を付記する。なおここでいう「プリント配線板」は、リジッド基板やリジッドフレキシブル基板を含む。
【0110】
[i]:第1導体箔の上にスクリーン印刷またはインクジェットで導電性のペーストを塗布し、前記ペーストが塗布される前、前記ペーストが塗布された後、または前記ペーストが塗布されるのと同時に前記第1導体箔の上で前記ペーストとは異なる位置にスクリーン印刷またはインクジェットで絶縁材料を塗布し、前記ペースト及び前記絶縁材料に対して前記第1導体箔とは反対側から第2導体箔を重ね、前記ペースト及び前記絶縁材料を、それぞれ半硬化の状態で前記第1導体箔と前記第2導体箔とで挟み、前記第1導体箔から第1導体パターンを形成し、前記第2導体箔から第2導体パターンを形成することを含むプリント配線板の製造方法。
【0111】
[ii]:第1導体箔の上に導電性のペーストを塗布し、前記ペーストが塗布される前、前記ペーストが塗布された後、または前記ペーストが塗布されるのと同時に前記第1導体箔の上に絶縁材料を塗布し、前記ペースト及び前記絶縁材料を、それぞれ半硬化の状態で前記第1導体箔と第2導体箔とで挟み、前記第1導体箔から第1導体パターンを形成し、前記第2導体箔から第2導体パターンを形成することを含むプリント配線板の製造方法。
【0112】
[iii]:前記[i]または[ii]の記載において、当該プリント配線板は、フレキシブルプリント配線板であるプリント配線板の製造方法。
以下に、さらにいくつかのテレビジョン受像機を付記する。
[1]、筐体と、前記筐体に収容されたフレキシブルプリント配線板と、を備え、前記フレキシブルプリント配線板は、第1面と該第1面とは反対側に位置された第2面とを有して前記第1面と前記第2面とに亘る穴部が設けられて柔軟性を有した絶縁部と、前記穴部に位置されたビアと、前記絶縁部の第1面に設けられて前記ビアに接続された第1導体パターンと、前記絶縁部の第2面に設けられて前記ビアに接続された第2導体パターンと、前記第1導体パターンに重ねられた第1カバーレイと、前記第2導体パターンに重ねられた第2カバーレイと、を備え、前記ビアは、第1導体箔の上にスクリーン印刷またはインクジェットで塗布された導電性のペーストから設けられ、前記絶縁部は、前記ペーストが塗布される前、前記ペーストが塗布された後、または前記ペーストが塗布されるのと同時に前記第1導体箔の上で前記ペーストとは異なる位置にスクリーン印刷またはインクジェットで塗布された絶縁材料から設けられ、前記ペースト及び前記絶縁材料は、前記第1導体箔とは反対側から第2導体箔が重ねられ、それぞれ半硬化の状態で前記第1導体箔と前記第2導体箔とに挟まれ、前記第1導体パターンは、前記第1導体箔から形成され、前記第2導体パターンは、前記第2導体箔から形成されたテレビジョン受像機。
[2]、[1]の記載において、前記絶縁材料は、前記第1導体箔の上に、前記ペーストの厚さよりも薄く塗布されるテレビジョン受像機。
[3]、[2]の記載において、前記ペーストは、前記第1導体箔と前記第2導体箔とに挟まれた時、前記絶縁材料と略同じ厚さに向けて変形するテレビジョン受像機。
[4]、[1]または[3]の記載において、前記絶縁材料は、前記ペーストとの間に隙間を空けて前記第1導体箔の上に塗布されるテレビジョン受像機。
[5]、[1]または[4]の記載において、前記絶縁材料は、インクジェットで塗布されるテレビジョン受像機。
[6]、[1]または[5]の記載において、前記ペーストは、インクジェットで塗布されるテレビジョン受像機。
[7]、[1]または[6]の記載において、前記ビアと前記絶縁部との境界の少なくとも一部は、曲面状であるテレビジョン受像機。
[8]、筐体と、前記筐体に収容されたフレキシブルプリント配線板と、を備え、前記フレキシブルプリント配線板は、第1面と該第1面とは反対側に位置された第2面とを有して前記第1面と前記第2面とに亘る穴部が設けられた絶縁部と、前記穴部に位置されたビアと、前記絶縁部の第1面に設けられて前記ビアに接続された第1導体パターンと、前記絶縁部の第2面に設けられて前記ビアに接続された第2導体パターンと、を備え、前記ビアは、第1導体箔の上に塗布された導電性のペーストから設けられ、前記絶縁部は、前記ペーストが塗布される前、前記ペーストが塗布された後、または前記ペーストが塗布されるのと同時に前記第1導体箔の上で前記ペーストとは異なる位置に塗布された絶縁材料から設けられ、前記ペースト及び前記絶縁材料は、前記第1導体箔とは反対側から第2導体箔が重ねられ、前記第1導体パターンは、前記第1導体箔から形成され、前記第2導体パターンは、前記第2導体箔から形成されたテレビジョン受像機。
[9]、[8]の記載において、前記絶縁材料は、前記第1導体箔の上に、前記ペーストの厚さよりも薄く塗布されるテレビジョン受像機。
[10]、筐体と、前記筐体に収容されたフレキシブルプリント配線板と、を備え、前記フレキシブルプリント配線板は、ビアと、前記ビアの周囲に塗布された絶縁部と、前記絶縁部の第1面に設けられて前記ビアに接続された第1導体パターンと、前記絶縁部の第2面に設けられて前記ビアに接続された第2導体パターンと、を備えたテレビジョン受像機。
【符号の説明】
【0113】
c…隙間、1…フレキシブルプリント配線板、2…絶縁部、2a…第1面、2b…第2面、2c…穴部、3…ビア、4…第1導体パターン、5…第2導体パターン、6…第1カバーレイ、7…第2カバーレイ、11…絶縁材料、12…導電性のペースト、21…第1導体箔、22…第2導体箔。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1導体箔から設けられた第1導体パターンと、
第2導体箔から設けられた第2導体パターンと、
変形可能な状態で前記第1導体箔の上に塗布されて前記第1導体箔と前記第2導体箔とに挟まれた後に硬化された導電性のペーストから設けられたビアと、
前記第1導体箔の上で前記ペーストとは異なる位置に塗布された絶縁材料から設けられた絶縁部と、
前記第1導体パターンに重なる第1カバーレイと、
を有したフレキシブルプリント配線板。
【請求項2】
請求項1の記載において、
前記第2導体パターンに重なる第2カバーレイをさらに有したフレキシブルプリント配線板。
【請求項3】
請求項1または請求項2の記載において、
前記ビアは、前記ペーストが前記第1導体箔と前記第2導体箔との間で圧縮されたことによる残留応力を含むフレキシブルプリント配線板。
【請求項4】
請求項1または請求項3の記載において、
前記ビアは、前記絶縁部よりも大きな残留応力を含むフレキシブルプリント配線板。
【請求項5】
請求項1または請求項4の記載において、
前記絶縁材料は、前記第1導体箔の上に、前記ペーストの厚さよりも薄く塗布され、
前記ペーストは、前記第1導体箔と前記第2導体箔とに挟まれた時に、前記絶縁材料と略同じ厚さに向けて変形されたフレキシブルプリント配線板。
【請求項6】
請求項1または請求項5の記載において、
前記絶縁材料は、前記ペーストとの間に隙間を空けて前記第1導体箔の上に塗布されたフレキシブルプリント配線板。
【請求項7】
請求項1または請求項6の記載において、
前記絶縁材料は、前記第1導体箔の上で前記ペーストが塗布される領域を避けた位置に塗布されたフレキシブルプリント配線板。
【請求項8】
請求項1または請求項7の記載において、
前記ペーストは、インクジェットで塗布されたフレキシブルプリント配線板。
【請求項9】
第1導体箔から設けられた第1導体パターンと、
第2導体箔から設けられた第2導体パターンと、
前記第1導体箔の上に塗布されて前記第1導体箔と前記第2導体箔とに挟まれた後に硬化された導電性のペーストから設けられたビアと、
前記第1導体箔の上で前記ペーストとは異なる位置に塗布された絶縁材料から設けられた絶縁部と、
を有したフレキシブルプリント配線板。
【請求項10】
第1導体箔から設けられた第1導体パターンと、
第2導体箔から設けられた第2導体パターンと、
前記第1導体箔の上に塗布されて前記第1導体箔と前記第2導体箔とに挟まれた後に硬化された導電性のペーストから設けられたビアと、
前記第1導体箔の上で前記ペーストとは異なる位置に塗布された絶縁材料から設けられた絶縁部と、
を有したプリント配線板。
【請求項1】
第1導体箔から設けられた第1導体パターンと、
第2導体箔から設けられた第2導体パターンと、
変形可能な状態で前記第1導体箔の上に塗布されて前記第1導体箔と前記第2導体箔とに挟まれた後に硬化された導電性のペーストから設けられたビアと、
前記第1導体箔の上で前記ペーストとは異なる位置に塗布された絶縁材料から設けられた絶縁部と、
前記第1導体パターンに重なる第1カバーレイと、
を有したフレキシブルプリント配線板。
【請求項2】
請求項1の記載において、
前記第2導体パターンに重なる第2カバーレイをさらに有したフレキシブルプリント配線板。
【請求項3】
請求項1または請求項2の記載において、
前記ビアは、前記ペーストが前記第1導体箔と前記第2導体箔との間で圧縮されたことによる残留応力を含むフレキシブルプリント配線板。
【請求項4】
請求項1または請求項3の記載において、
前記ビアは、前記絶縁部よりも大きな残留応力を含むフレキシブルプリント配線板。
【請求項5】
請求項1または請求項4の記載において、
前記絶縁材料は、前記第1導体箔の上に、前記ペーストの厚さよりも薄く塗布され、
前記ペーストは、前記第1導体箔と前記第2導体箔とに挟まれた時に、前記絶縁材料と略同じ厚さに向けて変形されたフレキシブルプリント配線板。
【請求項6】
請求項1または請求項5の記載において、
前記絶縁材料は、前記ペーストとの間に隙間を空けて前記第1導体箔の上に塗布されたフレキシブルプリント配線板。
【請求項7】
請求項1または請求項6の記載において、
前記絶縁材料は、前記第1導体箔の上で前記ペーストが塗布される領域を避けた位置に塗布されたフレキシブルプリント配線板。
【請求項8】
請求項1または請求項7の記載において、
前記ペーストは、インクジェットで塗布されたフレキシブルプリント配線板。
【請求項9】
第1導体箔から設けられた第1導体パターンと、
第2導体箔から設けられた第2導体パターンと、
前記第1導体箔の上に塗布されて前記第1導体箔と前記第2導体箔とに挟まれた後に硬化された導電性のペーストから設けられたビアと、
前記第1導体箔の上で前記ペーストとは異なる位置に塗布された絶縁材料から設けられた絶縁部と、
を有したフレキシブルプリント配線板。
【請求項10】
第1導体箔から設けられた第1導体パターンと、
第2導体箔から設けられた第2導体パターンと、
前記第1導体箔の上に塗布されて前記第1導体箔と前記第2導体箔とに挟まれた後に硬化された導電性のペーストから設けられたビアと、
前記第1導体箔の上で前記ペーストとは異なる位置に塗布された絶縁材料から設けられた絶縁部と、
を有したプリント配線板。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−12721(P2013−12721A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−112410(P2012−112410)
【出願日】平成24年5月16日(2012.5.16)
【分割の表示】特願2011−144868(P2011−144868)の分割
【原出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年5月16日(2012.5.16)
【分割の表示】特願2011−144868(P2011−144868)の分割
【原出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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