フレキシブル基板の接続構造及び光ピックアップ装置
【課題】
薄型光ピックアップ装置の本体に固定されている第1のフレキシブル基板とドライブのコネクタに挿入される第2のフレキシブル基板の接続において、接続部の接続強度を向上させた構造を提供する。
【解決手段】
第一のフレキシブル基板と前記フレキシブル基板とが接続されたフレキシブル基板の接続構造において、第二のフレキシブル基板に貫通孔を設け、樹脂部材が貫通孔を貫通し第一のフレキシブル基板の接続面の配線と第二のフレキシブル基板の接続面とは反対側の面とに接着することにより、樹脂の弾性により衝撃を吸収するとともに、第一のフレキシブル基板に対しては接着強度が強い配線層の金属に接着し、第二のフレキシブル基板に対しては、剥離の応力がかからない裏面側に接着することで、剥離に対しての接続強度を向上させる。
薄型光ピックアップ装置の本体に固定されている第1のフレキシブル基板とドライブのコネクタに挿入される第2のフレキシブル基板の接続において、接続部の接続強度を向上させた構造を提供する。
【解決手段】
第一のフレキシブル基板と前記フレキシブル基板とが接続されたフレキシブル基板の接続構造において、第二のフレキシブル基板に貫通孔を設け、樹脂部材が貫通孔を貫通し第一のフレキシブル基板の接続面の配線と第二のフレキシブル基板の接続面とは反対側の面とに接着することにより、樹脂の弾性により衝撃を吸収するとともに、第一のフレキシブル基板に対しては接着強度が強い配線層の金属に接着し、第二のフレキシブル基板に対しては、剥離の応力がかからない裏面側に接着することで、剥離に対しての接続強度を向上させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CD(コンパクトディスク)やDVD(デジタルバーサタイルディスク)等の光ディスクの再生、記録に用いられる光ピックアップ装置、光ピックアップ装置に用いられるフレキシブル基板の接続構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、CDやDVD等の光ディスクの再生、記録に用いられる薄型(厚み:7mm以下)の光ピックアップ装置、または薄型の光ピックアップ装置を組み込んだ光ディスクドライブ装置は図8で示されるような構造となっている。Zn、Mg、Alなどの金属及びPPS(poly phenylene sulfide)樹脂などを主成分としたダイカストやモールドからなる光ピックアップ用ケース3に光学系を構成するための部品である発光素子、各種レンズ、ミラー、受光素子(図示せず)などが配置され、電気信号などを供給するための手段として、フレキシブル基板2が利用されている。このフレキシブル基板2は、光ディスクドライブが薄型になるに伴い、高さ制限からコネクタは使用できず、主にドライブ側のコネクタに挿し込む部分8までフレキシブル基板2が一体化された構造となっている。
【0003】
また、図10に光ピックアップ装置を光ディスクドライブ装置に組み込んだ状態を示す。光ピックアップ装置本体1は、上面側に対物レンズ5を向けた状態で、ドライブ側カバー9の切り欠き部分を介して、更に上面側の図示しない光ディスクに対向し、外周・内周間を移動しながら、情報を読み取り・書き込みを行う。これら全体を光ディスクドライブ装置本体10に組み込んだ状態が、製品となる。
【0004】
このように、薄型光ピックアップに用いられるフレキシブル基板は、主に一体化されている構造であったが、本来要求される性能は、ピックアップ内側と外側に配置される部分によって異なっており、内側は高密度重視、外側は屈曲性重視である。そこで、一体化されたフレキシブル基板2において、光ピックアップ装置本体に固定される部分とドライブ側のコネクタに挿し込まれる部分の要求性能をともに満たす方法として、高密度性と屈曲性の二つについて最適な性能を有するフレキシブル基板を選択し、接続することが解決手段として挙げられていた。
【0005】
また、狭小な光ピックアップ装置の中で、各種部品を高密度でかつ水平・垂直方向に配置せざるを得ないために、それらの信号伝達を受け持つフレキシブル基板は複雑な形状を取る必要があった。このことにより、1枚の元シートから、必要な形状を取り出す取数が増やせない点や、部分によって必要な処理が異なることから、単純な構成で構わない部分までも、最も手間がかかる部分の影響を受ける点もあり、コストの面からも、フレキシブル基板の分割構造が必要であった。
【0006】
また、図8に示されるような光ピックアップ装置、または薄型の光ピックアップ装置を組み込んだ光ディスクドライブ装置は、複数の複雑な工程を経て組み立てられている。そのため、光ピックアップ装置の発光素子や受光素子及び各種光学部品の調整工程が行なわれた後、外側のフレキシブル基板に組み立て工程内で発生した打痕、キズ等があり、不良品となる場合も多く、フレキシブル基板の分割・接続を導入することにより、製品の歩留まり向上、コスト低減を実現できる。(例えば、特許文献1、2参照)
光ピックアップの厚さの制限から、二つのフレキシブル基板の接続には特許文献3のようなコネクタを用いることはできず、はんだで接続する。図9(a)に示されるようにフレキシブル基板の分割・接続を導入する場合、第1のフレキシブル基板の導体パターンと第2のフレキシブル基板の導体パターンを相対し、重ね合わせると、第2のフレキシブル基板は裏面となり、コネクタ側接点8は逆転してしまう。そこで、図9(b)に示されるように、第1のフレキシブル基板の他端と第2のフレキシブル基板の他端を合わせて重なるように接続し、フレキシブル基板の接続端部を光ピックアップ装置の高さ方向(垂直方向)に90°ないしは、第1のフレキシブル基板の接続端部を固定し、第2のフレキシブル基板の接続端部を180°折り曲げればコネクタ側接点8は上向きとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005-276263号公報
【特許文献2】特開2006-245514号公報
【特許文献3】特開2006-310449号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、図9(b)の接続構造の場合、第1、第2のフレキシブル基板の接続部には剥離する方向に応力がかかりやすく、図9(a)のようにフレキシブル基板同士を相対し重ね合わせた場合の接続部2-cのせん断強度平均3kgfと比較すると、図9(b)の接続構造における接続部2-dの剥離強度は平均1.5kgf以下であり、大幅に接続強度が低下する傾向にある。
【0009】
さらに、フレキシブル基板内で分割接続を導入可能な箇所である光ピックアップ装置からフレキシブル基板がカバー4から引き出される部分では、数多くの配線が狭い場所が並び、グランド線など配線幅が広い部分と信号線など配線幅が狭い部分が混在するが、配線幅が狭い配線が片側による傾向にある。そのため、配線パターン幅100μm以下の配線幅が狭い配線が最外配線として用いられる場合が多く、フレキシブル基板の分割接続を導入した場合、配線幅の狭い接続部最外導体パターンの導体パターン端部から剥離しやすい構造となっている。
【0010】
以上のことから、フレキシブル基板の分割・接続を導入するためには、接続部に対する補強接続が容易に行える構造が必要である。
【0011】
本発明の目的は、分割・はんだ接続したフレキシブル基板同士の接続において、接続部に対する補強接続が容易に行える構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上記課題を解決するために、第一のフレキシブル基板と前記フレキシブル基板とが接続されたフレキシブル基板の接続構造において、前記第一のフレキシブル基板に貫通孔を設け、樹脂部材が貫通孔を貫通し、第二のフレキシブル基板の接続面と、第一のフレキシブル基板の接続面とは反対側の面とを接着していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明における構造をとれば、光ピックアップ内でのフレキシブル基板同士の接続部において、信頼性や耐久性を向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施例にかかる第1のフレキシブル基板と第2のフレキシブル基板の接続部断面図である。
【図2】本発明の一実施例にかかる第1のフレキシブル基板と第2のフレキシブル基板の断面図である。
【図3(a)】本発明の一実施例にかかる第1のフレキシブル基板の接続部の上視図である。
【図3(b)】本発明の一実施例にかかる第2のフレキシブル基板の接続部の上視図である。
【図4】本発明の一実施例にかかる第2のフレキシブル基板の突起の上視図である。
【図5】本発明の一実施例にかかる、第1のフレキシブル基板と第2のフレキシブル基板とを光ピックアップケースの走行方向に端部で分割した状態を示す斜視図である。
【図6】本発明の一実施例にかかる、分割した第1のフレキシブル基板と第2のフレキシブル基板とを光ピックアップケースの走行方向の端部で接続した状態を示す斜視図である。
【図7】図8の光ピックアップ装置に金属製のカバーを取り付けた状態を示す斜視図である。
【図8】従来例にかかる薄型光ピックアップ装置の斜視図である。
【図9(a)】従来例にかかる第1のフレキシブル基板と第2のフレキシブル基板の接続部断面図である。
【図9(b)】本発明の一実施例にかかる第1のフレキシブル基板と第2のフレキシブル基板の接続部断面図である。
【図10】薄型光ピックアップ装置を光ディスクドライブ装置に組み込んだ状態の斜視図である。
【図11(a)】本発明の他の実施例にかかる第1のフレキシブル基板の接続部の上視図である。
【図11(b)】本発明の他の実施例にかかる第2のフレキシブル基板の接続部の上視図である。
【図12(a)】本発明の他の実施例にかかる第1のフレキシブル基板の接続部の上視図である。
【図12(b)】本発明の他の実施例にかかる第2のフレキシブル基板の接続部の上視図である。
【図13(a)】本発明の他の実施例にかかる第1のフレキシブル基板の接続部の上視図である。
【図13(b)】本発明の他の実施例にかかる第2のフレキシブル基板の接続部の上視図である。
【図14(a)】本発明の他の実施例にかかる第1のフレキシブル基板の接続部の上視図である。
【図14(b)】本発明の他の実施例にかかる第2のフレキシブル基板の接続部の上視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図5から図7を用いて説明する。光ピックアップ装置1は、対物レンズ5を含む各種光学部品や発光素子、受光素子の光モジュール、Zn、Al、Mg、PPSなど金属や樹脂のいずれかを主成分としたダイカストやモールドからなる光ピックアップケース3、光ピックアップケース3上にチップ部品が実装された光ピックアップ装置本体に固定されている第1のフレキシブル基板2-aとドライブ側のコネクタに挿し込まれる第2のフレキシブル基板2-b及び最終的に高さ制限を加えるカバー4で構成され、フレキシブル基板2-a、2-bは一般的にポリイミドや接着剤を含む樹脂及び銅箔を含む金属が用いられている。本発明に係る分割されたフレキシブル基板同士の接続技術は、主に薄型の光ピックアップ装置への適用を主としているが、それ以外のフレキシブル基板同士の接続をする製品の場合においても適用可能である。
【実施例1】
【0016】
まず、本発明の実施例を説明するために、図5から図7を用いて光ピックアップ装置における各部品の相互位置関係を説明する。図5、図6、図7は、光ピックアップ装置上で光ピックアップ装置本体に固定される第1のフレキシブル基板とドライブ側のコネクタに挿し込まれる第2のフレキシブル基板接続の斜視図である。
【0017】
図5は、第1のフレキシブル基板と第2のフレキシブル基板を光ピックアップケース3の走行方向に端部で分割した状態を示す斜視図である。図5に示すように、光ピックアップケース3上の対物レンズ5側に光ピックアップ装置本体に固定されている第1のフレキシブル基板2-aを搭載している。走行方向とは、光ピックアップケース3の一部が主軸側シャフト6と副軸側シャフト7に係合し、シャフトの軸線方向に往復移動することを示す。
【0018】
光ピックアップ装置本体に固定されている第1のフレキシブル基板2-aでは、テスティングをした状態、つまり光ピックアップ装置の発光素子や受光素子及び各種光学部品の調整工程が行なわれた後の状態を示す。テスティングの方法は、プローブピンを用いても良いし、コネクタを用いても良い。
【0019】
図6は、分割した第1のフレキシブル2-a基板と第2のフレキシブル基板2-bを光ピックアップケース3の走行方向の端部で接続した状態を示す斜視図である。図6に示すように、ドライブ側のコネクタに挿し込まれる第2のフレキシブル基板2-bを光ピックアップ装置本体に固定されている第1のフレキシブル基板2-aに対して、位置合わせし、その後、加熱ヘッド(図示せず)で接続部を加圧・加熱することでフレキシブル基板同士2-a、2-bを接続する。
【0020】
図7は、図6に示した接続したフレキシブル基板2-a、2-bが反らないように、光ピックアップ装置に金属製のカバー4を取り付けた状態を示す斜視図である。
【0021】
次に、本発明の実施例を図1から図4の接続部断面図および上視図を用いて詳細に説明する。
【0022】
図3(a)は、本実施例にかかる第1のフレキシブル基板2-aの接続部上面図であり、図3(b)は、ドライブ側のコネクタに挿し込まれる第2のフレキシブル基板2-bの接続部上視図である。図2は、第1のフレキシブル基板2-aと第2のフレキシブル基板2-bとを重ね合わせた状態における、図3(a)及び図3(b)のA-A断面の図である。
【0023】
図2に示す第1のフレキシブル基板2-aの構成は、ベースフィルム2-a3に対して、接着剤(図示せず)を介して導体パターン(配線銅箔)2-a1が付与されている。この導体パターン2-a1の表面を覆うようにカバーフィルム2-a2が図示しない接着剤により貼り付けられている。また、導体パターン2-a1においてカバーフィルム2-a2がない箇所は、半導体チップ部品の実装、または第2のフレキシブル基板2-bとの接続に使用される。この箇所には、部品や相手基板との接続を容易にするために、はんだめっき2-a4が施されている。また、めっき厚は接続時にはんだフィレットを形成するため、5μm〜15μmが望ましい。
【0024】
また図2には、ドライブ側のコネクタに挿し込まれる第2のフレキシブル基板2-bの接続部側端2-b6を、第1のフレキシブル基板2-aの接続部側端2-a6に対して、位置決めした状態を示している。第2のフレキシブル基板2-bの構成は第1のフレキシブル基板2-aと同様に、ベースフィルム2-b3に対して、接着剤を介して導体パターン2-b1が付与されている。この導体パターン2-b1の表面を覆うようにカバーフィルム2-a2が接着剤により貼り付けられている。導体パターン2-b1において、カバーフィルム2-a2がない箇所が、第1のフレキシブル基板2-aとの接続に使用される。この箇所には、相手基板との接続を容易にするために、導体パターン2-a1上にニッケルめっきおよび金めっきによる金属めっき2-b4が施されている。金属めっき2-b4は、接続時・接続後に要求される性能によって、はんだめっきや異種の組合せが選択され、表面に付与されている。
【0025】
図3(a)及び図3(b)に示すように、第1のフレキシブル基板2-a及び第2のフレキシブル基板2-bには、接続部2-a8,2-b8がそれぞれ形成されている。接続部では、導体パターン2-a1,2-b1上にはカバーフィルムが形成されていないが、導体パターン上以外の部分ではカバーフィルムが形成されている。図面では便宜上、接続部2-a8,2-b8と他の部分の境界を実線で示している。第1のフレキシブル基板2-aには、接続部導体パターン2-a4のうち最外の導体パターンの外側の脇であり、接続部2-a8のうちフレキシブル基板の端部2-b6から最も離れた位置に貫通孔2-a7が形成されており、第2のフレキシブル基板の接続部導体パターン2-b4には、最外導体パターンの外側であり、接続部2-b8のうち端部2-b6から最も離れた位置に導体パターンの突起部2-b7が形成されている。両フレキシブル基板2-a、2-bを重ね合わせたときには、この貫通孔2-a7と突起部2-b7が重なるようにする。
【0026】
図1は、第1のフレキシブル基板2-aおよびドライブ側のコネクタに挿し込まれる第2のフレキシブル基板2-bを接続後、補強部を含む接続部を2-a6と平行に切断した断面図であり、図3(a)及び図3(b)においてはB-Bの部分の断面に相当する。第1のフレキシブル基板と第2のフレキシブル基板は、その導体パターン2-a1、2-b1が対向し、はんだ2-a4により接続されるとともに、前述の貫通孔2-a7を介し、突起部2-b7と第1のフレキシブル基板のベースフィルム2-a3の間を樹脂部材である補強材2-eで接着されている。ここで、補強材2-eは、ベースフィルム2-a3側のみに接着していてもよいが、補強材で貫通孔を充填し、カバーフィルム2-a2側にも接着しているとより好ましい。
【0027】
補強材2-eは、フレキシブル基板の材質であるポリイミドおよび突起部の導体への接着性が高いものであれば問題ない。例えば、ゴム系、シアノアクリレート系、ポリウレタン、シリコーン、変性シリコーン、アクリル系、エポキシ系の紫外線硬化型接着剤、熱硬化型接着剤等である事が望ましい。
【0028】
ここで、本発明の接続構造の作用について説明する。第1のフレキシブル基板の本接続部2-a8と第2のフレキシブル基板の本接続部2-b8を接続すると、図9(b)に示すような接続となる。第2のフレキシブル基板2-bが引っ張るように応力がかけられると、接続部2-dが剥離する方向に応力がかかる。このとき、フレキシブル基板の導体パターンの長さ方向については接続部のうちコネクタ部(機器接続部)が設けられている側(図3(a)、図3(b)における下側)に最も大きな応力がかかり、また、幅方向については、図面左右いずれかの最外部の導体パターンに大きな応力がかかりやすく、応力がかかった部分に剥離が生じ始めやすい。また、剥離が始まりはんだに亀裂が入ると、亀裂が拡大して剥離が進行しやすくなる。すなわち、貫通孔2-a7,突起部2-b7を設けている部分に大きな応力がかかり、ここから剥離が生じやすい。
【0029】
本実施例においては、接続部の最も応力がかかりやすい最外導体パターン部分のすぐ外側の脇であり、接続部で最も機器接続部に近い側に貫通孔2-a7,突起部2-b7を設け、第1のフレキシブル基板と第2のフレキシブル基板のはんだ接続部の外側を補強材で接着することで、剥離強度を向上させることができる。補強材2-eは樹脂製であるため、その弾性率が打はんだ2-a4による最外導体パターン接続部よりも低く、接続部にかかる応力を緩和する効果がある。
【0030】
ここで、補強材としては、導体パターン2-b4を構成する金属、カバーフィルム2-a2及びベース2-a3に対する接着力が高いものが望ましい。補強材を構成する樹脂製の接着剤は、一般にベースフィルムやカバーフィルムを構成する樹脂に対してよりも、導体パターンを構成する金属に対しての方が接着力が高い。そこで、ベース2-b3上に金属層を設け、この金属層に補強材2-eを接着すれば、補強材2-eの第二のフレキシブル基板2-bに対する接着力を高くすることができる。なお、この金属層は、導体パターン2-b4と同じ材料、同じ層とすれば、ベースフィルム2-b上に導体パターン2-b4を形成する工程で一緒に形成できるので、製造を安価にできる。また、突起部2-b7は導体パターンと一体に形成されていれば、剥離応力により突起部2-b7がベースフィルム2-b3から剥離することも抑えることができる。
【0031】
また、突起部2-b7及び貫通孔2-a7が導体パターンのすぐ隣にあることで、補強材が第一のフレキシブル基板の導体パターン2-a1やはんだ2-a4といった金属にも接着するので、接着力が向上する。
【0032】
また、フレキシブル基板の長手方向における突起部2-b7及び貫通孔2-a7の位置は、(半分よりも)機器接続部よりにすれば、補強部2-eが接続部にかかる応力を受け止めやすい。ここで突起部2-a7が接続部でのはんだ接続部よりも機器接続部になるようにしたり、突起部2-b7の機器接続部側の一部がカバーフィルムに覆われるほど機器接続部側に寄せて配置してもよい。
【0033】
一方で第一のフレキシブル2-a側では、貫通孔2-a7を介し、補強材2-eがカバーフィルム2-a5とは反対側のベースフィルム2-a3に直接接着されている。この接着部分にも金属層を設けると接着力は強くなるが、導体パターンが無い面に金属層のみを設けるためだけに工程を増やすので、製造コストが増えてしまう。しかしながら、補強材2-eとベースフィルム2-a3との接着の方向は接続部の剥離の応力がかかる方向とは逆であり、その応力により補強材2-eとベースフィルム2-a5とが押し付けられる方向に働くので、接着力が比較的弱くても問題は生じない。
【0034】
このようにベースフィルム2-a3とベースフィルム2-b3は補強材で接着されているため、剥離応力によりベースフィルム2-a3から最外導体パターンが剥離することも抑えている。
【0035】
図4は、第2のフレキシブル基板の突起部2-b7の拡大上視図である。
【0036】
電源線などに比較し導体パターン幅が狭い信号線などは、フレキシブル基板の片側によって配置される傾向があり、導体パターン幅は100μm以下となる導体パターンが最外に配置されることがある。接続部の機械的強度を十分に向上させるためには、第2のフレキシブル基板の突起2-a7の突起幅C(導体パターンを含む)は、C>100μmが望ましい。同様に、突起2-a7の突起長さDも、D>100μmが望ましい。また、貫通孔2-a7も同様の大きさのものが望ましい。
【0037】
以上のように、本発明における構造をとれば、光ピックアップ内で、フレキシブル基板同士の接続する際の接続において、最外導体パターン接続部を補強材で補強することで、引張や曲げに強く、信頼性や耐久性を向上させることが可能である。
【0038】
本実施例にかかる第一及び第二のフレキシブル基板の接続方法を説明する。接続は、はんだ接合、補強材作製の順で行なう。
【0039】
まず、第一のフレキシブル基板2-aと第二のフレキシブル基板2-bとを、位置決め治具に載せ、図2のようにそれぞれの接続部2-a8、2-b8(特に導体パターン2-a1、2-b1)が重なるように位置合わせをする。そして加熱ヘッドをあて、はんだ2-a4を加熱溶融させることにより、導体パターン2-a1と導体パターン2-b1とをはんだ接合する。
【0040】
このとき、従来は、第1のフレキシブル基板2-aに対して、ドライブ側のコネクタに挿し込まれる第2のフレキシブル基板2-bの導体パターンを重ね合わせる際に、位置合わせしにくいという問題があった。本実施例では、貫通孔2-a7,突起部2-b7を設けてありこれらの位置をあわせればよいので、フレキシブル基板同士の位置合わせが容易になる。
【0041】
さらに、従来は、第1のフレキシブル基板2-aに対して、ドライブ側のコネクタに挿し込まれる第2のフレキシブル基板2-bを位置決めし、加熱溶融する際に、フレキシブル基板の裏面から加熱ヘッドを位置合わせするため、導体パターンとカバーレイの境界の判断が困難であり、加熱ヘッドを位置合わせしにくいという問題があった。本実施例では、貫通孔2-a7,突起部2-b7を設けることにより、見やすい位置合わせ目標ができ、加熱ヘッドの位置合わせが容易になる。
【0042】
両フレキシブル基板2-a、2-bの導体パターンをはんだ接合した後、補強材2-eは、貫通孔2-a7を介して補強材2-eとなる接着材を両フレキシブル基板の間及び第一のフレキシブル基板の上に供給し硬化させることにより、製造される。接着剤ははんだの加熱溶融後に供給しなければならないが、フレキシブル基板を接合後に、貫通孔を介してその間に接着剤を供給することができるので、接着剤供給が容易である。
【実施例2】
【0043】
図11(a)は、実施例2にかかる第1のフレキシブル基板2-aの接続部上面図であり、図11(b)は、ドライブ側のコネクタに挿し込まれる第2のフレキシブル基板2-bの接続部上視図である。本実施例では、第1のフレキシブル基板の貫通孔2-a7と第2フレキシブル基板の突起部2-b7が、フレキシブル基板接続部の長手方向において、接続部の半分より機器接続部側に設けられている。他の点は実施例1と同様である。
【0044】
本実施例のように、貫通孔2-a7及び突起部2-b7が接続部の最も機器接続部側に配置されていない場合でも、補強材2-eはその機能を十分に発揮し、フレキシブル基板の接続部の信頼性及び耐久性の向上に貢献する。
【実施例3】
【0045】
図12(a)は、実施例3にかかる第1のフレキシブル基板2-aの接続部上面図であり、図12(b)は、ドライブ側のコネクタに挿し込まれる第2のフレキシブル基板2-bの接続部上視図である。本実施例では、第1のフレキシブル基板の貫通孔2-a7と第2フレキシブル基板の突起部2-b7とが、フレキシブル基板のの長手方向並べて複数設けられている。他の点は実施例1と同様である。
【0046】
補強材2-eを増やせば接続部の信頼性及び耐久性はさらに向上する。実施例のように、貫通孔2a-7と突起部2-b7とを複数の導体パターン群に対して片側に一つずつではなく複数並べてもよく、この場合には実施例1に比べてさらに接続強度が向上する。
【0047】
なお、貫通孔2-a7と突起部2-b7とを設ける位置は、本実施例のような位置に限られず、例えば複数の導体パターンの間に導体パターン同士が短絡しない形態で設けてもよい。また、貫通孔2-a7が第1のフレキシブル基板の導体パターンを電気的に孤立させなければ、第2のフレキシブル基板の導体パターンに突起部を設けずに導体パターン上に補強材が接着されるようにしてもよい。
【実施例4】
【0048】
図13(a)は、実施例4にかかる第1のフレキシブル基板2-aの接続部上面図であり、図13(b)は、ドライブ側のコネクタに挿し込まれる第2のフレキシブル基板2-bの接続部上視図である。本実施例では、第1のフレキシブル基板にも他の部分よりも配線幅が大きくなっている突起部2-a9を有し、突起部2-a9の機器接続部側に貫通孔2-a7有している。第2フレキシブル基板の突起部2b-7は、突起部2-a9とは導体パターンと同様にはんだで接合されるとともに、貫通孔2-a7とは補強部材2-eで接続される。他の点は実施例1と同様である。
【0049】
本実施例によれば、貫通孔2-a7と補強部材2-eとによる補強部材2-eの接続部強度向上の効果に加えて、突起部2b-7と突起2-a9との接合により、接続部のはんだによる接合強度向上の効果も得られる。
【実施例5】
【0050】
図14(a)は、実施例5にかかる第1のフレキシブル基板2-aの接続部上面図であり、図14(b)は、ドライブ側のコネクタに挿し込まれる第2のフレキシブル基板2-bの接続部上視図である。本実施例では、第1のフレキシブル基板と第2のフレキシブル基板とが、それぞれ貫通孔と突起部を備えており、重ね合わせたときに第1のフレキシブル基板の貫通孔2-a7と第2フレキシブル基板の突起部2-b7とが重なり、第1のフレキシブル基板の突起部2-a9と第2フレキシブル基板の貫通孔2-b9とが重なる。貫通孔と突起部が重なっている部分には、実施例と同様に補強材2-eを形成する。他の点は実施例1と同様である。これによっても、実施例1と同様の効果をえることができる。また、本実施例では、接続部の形態を第1及び第2のフレキシブル基板で同様にしうる。
【0051】
以上、実施例1から実施例5について説明したが、いずれの実施例においても、フレキシブル基板の接続部最外導体パターン上に設置される突起部の形状は、導体パターンの他端が100μm以上となるような構造であれば、三角形、扇形、台形等でもよい。
【産業上の利用可能性】
【0052】
現在、光ピックアップ装置に要求される性能として薄型化と、CDのみでなく各種規格に応じたDVDでも再生や記録できるなど高性能化が望まれている。さらに、今後、次世代ディスクを再生・録画するために、青色半導体レーザを組み込んだ3波長互換性のある薄型の光ピックアップ装置が必要になる。
【0053】
そのため、光ピックアップ装置で用いられるフレキシブル基板は更なる高密度化が要求され、多層構造となり、コストが大幅に上がることが想定される。その解決手段として、一体化されていたフレキシブル基板を分けて接続することが挙げられ、この時に接続部の固定・保護が必要となる。本発明はフレキシブル基板同士の接続に関する技術であり、歩留まり向上及び低コスト化を実現することが可能である。
【符号の説明】
【0054】
1・・・光ピックアップ装置本体、2・・・フレキシブル基板、2-a・・・第1のフレキシブル基板、2-a1・・・導体パターン、2-a2・・・カバーフィルム(ポリイミド)+接着剤、2-a3・・・ベースフィルム(ポリイミド)+接着剤、2-a4・・・はんだめっき、2-a6・・・フレキシブル基板の他端、2-a7・・・フレキシブル基板上の貫通孔、2-a8・・・接続部、2-a9・・・突起部、2-b・・・第2のフレキシブル基板 、2-b1・・・導体パターン、2-b2・・・カバーフィルム(ポリイミド)+接着剤、2-b3・・・ベースフィルム(ポリイミド)+接着剤、2-b4・・・金、ニッケルめっき、2-b6・・・フレキシブル基板の他端、2-b7・・・フレキシブル基板上の最外導体パターン突起部、2-b8・・・接続部、2-b9・・・貫通孔、2-e・・・補強材、3・・・光ピックアップケース、4・・・対物レンズ側上カバー、5・・・対物レンズ、6・・・主軸側シャフト、7・・・副軸側シャフト、8・・・コネクタ挿入部、9・・・ドライブ側カバー、10・・・光ディスクドライブ装置本体。
【技術分野】
【0001】
本発明は、CD(コンパクトディスク)やDVD(デジタルバーサタイルディスク)等の光ディスクの再生、記録に用いられる光ピックアップ装置、光ピックアップ装置に用いられるフレキシブル基板の接続構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、CDやDVD等の光ディスクの再生、記録に用いられる薄型(厚み:7mm以下)の光ピックアップ装置、または薄型の光ピックアップ装置を組み込んだ光ディスクドライブ装置は図8で示されるような構造となっている。Zn、Mg、Alなどの金属及びPPS(poly phenylene sulfide)樹脂などを主成分としたダイカストやモールドからなる光ピックアップ用ケース3に光学系を構成するための部品である発光素子、各種レンズ、ミラー、受光素子(図示せず)などが配置され、電気信号などを供給するための手段として、フレキシブル基板2が利用されている。このフレキシブル基板2は、光ディスクドライブが薄型になるに伴い、高さ制限からコネクタは使用できず、主にドライブ側のコネクタに挿し込む部分8までフレキシブル基板2が一体化された構造となっている。
【0003】
また、図10に光ピックアップ装置を光ディスクドライブ装置に組み込んだ状態を示す。光ピックアップ装置本体1は、上面側に対物レンズ5を向けた状態で、ドライブ側カバー9の切り欠き部分を介して、更に上面側の図示しない光ディスクに対向し、外周・内周間を移動しながら、情報を読み取り・書き込みを行う。これら全体を光ディスクドライブ装置本体10に組み込んだ状態が、製品となる。
【0004】
このように、薄型光ピックアップに用いられるフレキシブル基板は、主に一体化されている構造であったが、本来要求される性能は、ピックアップ内側と外側に配置される部分によって異なっており、内側は高密度重視、外側は屈曲性重視である。そこで、一体化されたフレキシブル基板2において、光ピックアップ装置本体に固定される部分とドライブ側のコネクタに挿し込まれる部分の要求性能をともに満たす方法として、高密度性と屈曲性の二つについて最適な性能を有するフレキシブル基板を選択し、接続することが解決手段として挙げられていた。
【0005】
また、狭小な光ピックアップ装置の中で、各種部品を高密度でかつ水平・垂直方向に配置せざるを得ないために、それらの信号伝達を受け持つフレキシブル基板は複雑な形状を取る必要があった。このことにより、1枚の元シートから、必要な形状を取り出す取数が増やせない点や、部分によって必要な処理が異なることから、単純な構成で構わない部分までも、最も手間がかかる部分の影響を受ける点もあり、コストの面からも、フレキシブル基板の分割構造が必要であった。
【0006】
また、図8に示されるような光ピックアップ装置、または薄型の光ピックアップ装置を組み込んだ光ディスクドライブ装置は、複数の複雑な工程を経て組み立てられている。そのため、光ピックアップ装置の発光素子や受光素子及び各種光学部品の調整工程が行なわれた後、外側のフレキシブル基板に組み立て工程内で発生した打痕、キズ等があり、不良品となる場合も多く、フレキシブル基板の分割・接続を導入することにより、製品の歩留まり向上、コスト低減を実現できる。(例えば、特許文献1、2参照)
光ピックアップの厚さの制限から、二つのフレキシブル基板の接続には特許文献3のようなコネクタを用いることはできず、はんだで接続する。図9(a)に示されるようにフレキシブル基板の分割・接続を導入する場合、第1のフレキシブル基板の導体パターンと第2のフレキシブル基板の導体パターンを相対し、重ね合わせると、第2のフレキシブル基板は裏面となり、コネクタ側接点8は逆転してしまう。そこで、図9(b)に示されるように、第1のフレキシブル基板の他端と第2のフレキシブル基板の他端を合わせて重なるように接続し、フレキシブル基板の接続端部を光ピックアップ装置の高さ方向(垂直方向)に90°ないしは、第1のフレキシブル基板の接続端部を固定し、第2のフレキシブル基板の接続端部を180°折り曲げればコネクタ側接点8は上向きとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005-276263号公報
【特許文献2】特開2006-245514号公報
【特許文献3】特開2006-310449号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、図9(b)の接続構造の場合、第1、第2のフレキシブル基板の接続部には剥離する方向に応力がかかりやすく、図9(a)のようにフレキシブル基板同士を相対し重ね合わせた場合の接続部2-cのせん断強度平均3kgfと比較すると、図9(b)の接続構造における接続部2-dの剥離強度は平均1.5kgf以下であり、大幅に接続強度が低下する傾向にある。
【0009】
さらに、フレキシブル基板内で分割接続を導入可能な箇所である光ピックアップ装置からフレキシブル基板がカバー4から引き出される部分では、数多くの配線が狭い場所が並び、グランド線など配線幅が広い部分と信号線など配線幅が狭い部分が混在するが、配線幅が狭い配線が片側による傾向にある。そのため、配線パターン幅100μm以下の配線幅が狭い配線が最外配線として用いられる場合が多く、フレキシブル基板の分割接続を導入した場合、配線幅の狭い接続部最外導体パターンの導体パターン端部から剥離しやすい構造となっている。
【0010】
以上のことから、フレキシブル基板の分割・接続を導入するためには、接続部に対する補強接続が容易に行える構造が必要である。
【0011】
本発明の目的は、分割・はんだ接続したフレキシブル基板同士の接続において、接続部に対する補強接続が容易に行える構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上記課題を解決するために、第一のフレキシブル基板と前記フレキシブル基板とが接続されたフレキシブル基板の接続構造において、前記第一のフレキシブル基板に貫通孔を設け、樹脂部材が貫通孔を貫通し、第二のフレキシブル基板の接続面と、第一のフレキシブル基板の接続面とは反対側の面とを接着していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明における構造をとれば、光ピックアップ内でのフレキシブル基板同士の接続部において、信頼性や耐久性を向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施例にかかる第1のフレキシブル基板と第2のフレキシブル基板の接続部断面図である。
【図2】本発明の一実施例にかかる第1のフレキシブル基板と第2のフレキシブル基板の断面図である。
【図3(a)】本発明の一実施例にかかる第1のフレキシブル基板の接続部の上視図である。
【図3(b)】本発明の一実施例にかかる第2のフレキシブル基板の接続部の上視図である。
【図4】本発明の一実施例にかかる第2のフレキシブル基板の突起の上視図である。
【図5】本発明の一実施例にかかる、第1のフレキシブル基板と第2のフレキシブル基板とを光ピックアップケースの走行方向に端部で分割した状態を示す斜視図である。
【図6】本発明の一実施例にかかる、分割した第1のフレキシブル基板と第2のフレキシブル基板とを光ピックアップケースの走行方向の端部で接続した状態を示す斜視図である。
【図7】図8の光ピックアップ装置に金属製のカバーを取り付けた状態を示す斜視図である。
【図8】従来例にかかる薄型光ピックアップ装置の斜視図である。
【図9(a)】従来例にかかる第1のフレキシブル基板と第2のフレキシブル基板の接続部断面図である。
【図9(b)】本発明の一実施例にかかる第1のフレキシブル基板と第2のフレキシブル基板の接続部断面図である。
【図10】薄型光ピックアップ装置を光ディスクドライブ装置に組み込んだ状態の斜視図である。
【図11(a)】本発明の他の実施例にかかる第1のフレキシブル基板の接続部の上視図である。
【図11(b)】本発明の他の実施例にかかる第2のフレキシブル基板の接続部の上視図である。
【図12(a)】本発明の他の実施例にかかる第1のフレキシブル基板の接続部の上視図である。
【図12(b)】本発明の他の実施例にかかる第2のフレキシブル基板の接続部の上視図である。
【図13(a)】本発明の他の実施例にかかる第1のフレキシブル基板の接続部の上視図である。
【図13(b)】本発明の他の実施例にかかる第2のフレキシブル基板の接続部の上視図である。
【図14(a)】本発明の他の実施例にかかる第1のフレキシブル基板の接続部の上視図である。
【図14(b)】本発明の他の実施例にかかる第2のフレキシブル基板の接続部の上視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図5から図7を用いて説明する。光ピックアップ装置1は、対物レンズ5を含む各種光学部品や発光素子、受光素子の光モジュール、Zn、Al、Mg、PPSなど金属や樹脂のいずれかを主成分としたダイカストやモールドからなる光ピックアップケース3、光ピックアップケース3上にチップ部品が実装された光ピックアップ装置本体に固定されている第1のフレキシブル基板2-aとドライブ側のコネクタに挿し込まれる第2のフレキシブル基板2-b及び最終的に高さ制限を加えるカバー4で構成され、フレキシブル基板2-a、2-bは一般的にポリイミドや接着剤を含む樹脂及び銅箔を含む金属が用いられている。本発明に係る分割されたフレキシブル基板同士の接続技術は、主に薄型の光ピックアップ装置への適用を主としているが、それ以外のフレキシブル基板同士の接続をする製品の場合においても適用可能である。
【実施例1】
【0016】
まず、本発明の実施例を説明するために、図5から図7を用いて光ピックアップ装置における各部品の相互位置関係を説明する。図5、図6、図7は、光ピックアップ装置上で光ピックアップ装置本体に固定される第1のフレキシブル基板とドライブ側のコネクタに挿し込まれる第2のフレキシブル基板接続の斜視図である。
【0017】
図5は、第1のフレキシブル基板と第2のフレキシブル基板を光ピックアップケース3の走行方向に端部で分割した状態を示す斜視図である。図5に示すように、光ピックアップケース3上の対物レンズ5側に光ピックアップ装置本体に固定されている第1のフレキシブル基板2-aを搭載している。走行方向とは、光ピックアップケース3の一部が主軸側シャフト6と副軸側シャフト7に係合し、シャフトの軸線方向に往復移動することを示す。
【0018】
光ピックアップ装置本体に固定されている第1のフレキシブル基板2-aでは、テスティングをした状態、つまり光ピックアップ装置の発光素子や受光素子及び各種光学部品の調整工程が行なわれた後の状態を示す。テスティングの方法は、プローブピンを用いても良いし、コネクタを用いても良い。
【0019】
図6は、分割した第1のフレキシブル2-a基板と第2のフレキシブル基板2-bを光ピックアップケース3の走行方向の端部で接続した状態を示す斜視図である。図6に示すように、ドライブ側のコネクタに挿し込まれる第2のフレキシブル基板2-bを光ピックアップ装置本体に固定されている第1のフレキシブル基板2-aに対して、位置合わせし、その後、加熱ヘッド(図示せず)で接続部を加圧・加熱することでフレキシブル基板同士2-a、2-bを接続する。
【0020】
図7は、図6に示した接続したフレキシブル基板2-a、2-bが反らないように、光ピックアップ装置に金属製のカバー4を取り付けた状態を示す斜視図である。
【0021】
次に、本発明の実施例を図1から図4の接続部断面図および上視図を用いて詳細に説明する。
【0022】
図3(a)は、本実施例にかかる第1のフレキシブル基板2-aの接続部上面図であり、図3(b)は、ドライブ側のコネクタに挿し込まれる第2のフレキシブル基板2-bの接続部上視図である。図2は、第1のフレキシブル基板2-aと第2のフレキシブル基板2-bとを重ね合わせた状態における、図3(a)及び図3(b)のA-A断面の図である。
【0023】
図2に示す第1のフレキシブル基板2-aの構成は、ベースフィルム2-a3に対して、接着剤(図示せず)を介して導体パターン(配線銅箔)2-a1が付与されている。この導体パターン2-a1の表面を覆うようにカバーフィルム2-a2が図示しない接着剤により貼り付けられている。また、導体パターン2-a1においてカバーフィルム2-a2がない箇所は、半導体チップ部品の実装、または第2のフレキシブル基板2-bとの接続に使用される。この箇所には、部品や相手基板との接続を容易にするために、はんだめっき2-a4が施されている。また、めっき厚は接続時にはんだフィレットを形成するため、5μm〜15μmが望ましい。
【0024】
また図2には、ドライブ側のコネクタに挿し込まれる第2のフレキシブル基板2-bの接続部側端2-b6を、第1のフレキシブル基板2-aの接続部側端2-a6に対して、位置決めした状態を示している。第2のフレキシブル基板2-bの構成は第1のフレキシブル基板2-aと同様に、ベースフィルム2-b3に対して、接着剤を介して導体パターン2-b1が付与されている。この導体パターン2-b1の表面を覆うようにカバーフィルム2-a2が接着剤により貼り付けられている。導体パターン2-b1において、カバーフィルム2-a2がない箇所が、第1のフレキシブル基板2-aとの接続に使用される。この箇所には、相手基板との接続を容易にするために、導体パターン2-a1上にニッケルめっきおよび金めっきによる金属めっき2-b4が施されている。金属めっき2-b4は、接続時・接続後に要求される性能によって、はんだめっきや異種の組合せが選択され、表面に付与されている。
【0025】
図3(a)及び図3(b)に示すように、第1のフレキシブル基板2-a及び第2のフレキシブル基板2-bには、接続部2-a8,2-b8がそれぞれ形成されている。接続部では、導体パターン2-a1,2-b1上にはカバーフィルムが形成されていないが、導体パターン上以外の部分ではカバーフィルムが形成されている。図面では便宜上、接続部2-a8,2-b8と他の部分の境界を実線で示している。第1のフレキシブル基板2-aには、接続部導体パターン2-a4のうち最外の導体パターンの外側の脇であり、接続部2-a8のうちフレキシブル基板の端部2-b6から最も離れた位置に貫通孔2-a7が形成されており、第2のフレキシブル基板の接続部導体パターン2-b4には、最外導体パターンの外側であり、接続部2-b8のうち端部2-b6から最も離れた位置に導体パターンの突起部2-b7が形成されている。両フレキシブル基板2-a、2-bを重ね合わせたときには、この貫通孔2-a7と突起部2-b7が重なるようにする。
【0026】
図1は、第1のフレキシブル基板2-aおよびドライブ側のコネクタに挿し込まれる第2のフレキシブル基板2-bを接続後、補強部を含む接続部を2-a6と平行に切断した断面図であり、図3(a)及び図3(b)においてはB-Bの部分の断面に相当する。第1のフレキシブル基板と第2のフレキシブル基板は、その導体パターン2-a1、2-b1が対向し、はんだ2-a4により接続されるとともに、前述の貫通孔2-a7を介し、突起部2-b7と第1のフレキシブル基板のベースフィルム2-a3の間を樹脂部材である補強材2-eで接着されている。ここで、補強材2-eは、ベースフィルム2-a3側のみに接着していてもよいが、補強材で貫通孔を充填し、カバーフィルム2-a2側にも接着しているとより好ましい。
【0027】
補強材2-eは、フレキシブル基板の材質であるポリイミドおよび突起部の導体への接着性が高いものであれば問題ない。例えば、ゴム系、シアノアクリレート系、ポリウレタン、シリコーン、変性シリコーン、アクリル系、エポキシ系の紫外線硬化型接着剤、熱硬化型接着剤等である事が望ましい。
【0028】
ここで、本発明の接続構造の作用について説明する。第1のフレキシブル基板の本接続部2-a8と第2のフレキシブル基板の本接続部2-b8を接続すると、図9(b)に示すような接続となる。第2のフレキシブル基板2-bが引っ張るように応力がかけられると、接続部2-dが剥離する方向に応力がかかる。このとき、フレキシブル基板の導体パターンの長さ方向については接続部のうちコネクタ部(機器接続部)が設けられている側(図3(a)、図3(b)における下側)に最も大きな応力がかかり、また、幅方向については、図面左右いずれかの最外部の導体パターンに大きな応力がかかりやすく、応力がかかった部分に剥離が生じ始めやすい。また、剥離が始まりはんだに亀裂が入ると、亀裂が拡大して剥離が進行しやすくなる。すなわち、貫通孔2-a7,突起部2-b7を設けている部分に大きな応力がかかり、ここから剥離が生じやすい。
【0029】
本実施例においては、接続部の最も応力がかかりやすい最外導体パターン部分のすぐ外側の脇であり、接続部で最も機器接続部に近い側に貫通孔2-a7,突起部2-b7を設け、第1のフレキシブル基板と第2のフレキシブル基板のはんだ接続部の外側を補強材で接着することで、剥離強度を向上させることができる。補強材2-eは樹脂製であるため、その弾性率が打はんだ2-a4による最外導体パターン接続部よりも低く、接続部にかかる応力を緩和する効果がある。
【0030】
ここで、補強材としては、導体パターン2-b4を構成する金属、カバーフィルム2-a2及びベース2-a3に対する接着力が高いものが望ましい。補強材を構成する樹脂製の接着剤は、一般にベースフィルムやカバーフィルムを構成する樹脂に対してよりも、導体パターンを構成する金属に対しての方が接着力が高い。そこで、ベース2-b3上に金属層を設け、この金属層に補強材2-eを接着すれば、補強材2-eの第二のフレキシブル基板2-bに対する接着力を高くすることができる。なお、この金属層は、導体パターン2-b4と同じ材料、同じ層とすれば、ベースフィルム2-b上に導体パターン2-b4を形成する工程で一緒に形成できるので、製造を安価にできる。また、突起部2-b7は導体パターンと一体に形成されていれば、剥離応力により突起部2-b7がベースフィルム2-b3から剥離することも抑えることができる。
【0031】
また、突起部2-b7及び貫通孔2-a7が導体パターンのすぐ隣にあることで、補強材が第一のフレキシブル基板の導体パターン2-a1やはんだ2-a4といった金属にも接着するので、接着力が向上する。
【0032】
また、フレキシブル基板の長手方向における突起部2-b7及び貫通孔2-a7の位置は、(半分よりも)機器接続部よりにすれば、補強部2-eが接続部にかかる応力を受け止めやすい。ここで突起部2-a7が接続部でのはんだ接続部よりも機器接続部になるようにしたり、突起部2-b7の機器接続部側の一部がカバーフィルムに覆われるほど機器接続部側に寄せて配置してもよい。
【0033】
一方で第一のフレキシブル2-a側では、貫通孔2-a7を介し、補強材2-eがカバーフィルム2-a5とは反対側のベースフィルム2-a3に直接接着されている。この接着部分にも金属層を設けると接着力は強くなるが、導体パターンが無い面に金属層のみを設けるためだけに工程を増やすので、製造コストが増えてしまう。しかしながら、補強材2-eとベースフィルム2-a3との接着の方向は接続部の剥離の応力がかかる方向とは逆であり、その応力により補強材2-eとベースフィルム2-a5とが押し付けられる方向に働くので、接着力が比較的弱くても問題は生じない。
【0034】
このようにベースフィルム2-a3とベースフィルム2-b3は補強材で接着されているため、剥離応力によりベースフィルム2-a3から最外導体パターンが剥離することも抑えている。
【0035】
図4は、第2のフレキシブル基板の突起部2-b7の拡大上視図である。
【0036】
電源線などに比較し導体パターン幅が狭い信号線などは、フレキシブル基板の片側によって配置される傾向があり、導体パターン幅は100μm以下となる導体パターンが最外に配置されることがある。接続部の機械的強度を十分に向上させるためには、第2のフレキシブル基板の突起2-a7の突起幅C(導体パターンを含む)は、C>100μmが望ましい。同様に、突起2-a7の突起長さDも、D>100μmが望ましい。また、貫通孔2-a7も同様の大きさのものが望ましい。
【0037】
以上のように、本発明における構造をとれば、光ピックアップ内で、フレキシブル基板同士の接続する際の接続において、最外導体パターン接続部を補強材で補強することで、引張や曲げに強く、信頼性や耐久性を向上させることが可能である。
【0038】
本実施例にかかる第一及び第二のフレキシブル基板の接続方法を説明する。接続は、はんだ接合、補強材作製の順で行なう。
【0039】
まず、第一のフレキシブル基板2-aと第二のフレキシブル基板2-bとを、位置決め治具に載せ、図2のようにそれぞれの接続部2-a8、2-b8(特に導体パターン2-a1、2-b1)が重なるように位置合わせをする。そして加熱ヘッドをあて、はんだ2-a4を加熱溶融させることにより、導体パターン2-a1と導体パターン2-b1とをはんだ接合する。
【0040】
このとき、従来は、第1のフレキシブル基板2-aに対して、ドライブ側のコネクタに挿し込まれる第2のフレキシブル基板2-bの導体パターンを重ね合わせる際に、位置合わせしにくいという問題があった。本実施例では、貫通孔2-a7,突起部2-b7を設けてありこれらの位置をあわせればよいので、フレキシブル基板同士の位置合わせが容易になる。
【0041】
さらに、従来は、第1のフレキシブル基板2-aに対して、ドライブ側のコネクタに挿し込まれる第2のフレキシブル基板2-bを位置決めし、加熱溶融する際に、フレキシブル基板の裏面から加熱ヘッドを位置合わせするため、導体パターンとカバーレイの境界の判断が困難であり、加熱ヘッドを位置合わせしにくいという問題があった。本実施例では、貫通孔2-a7,突起部2-b7を設けることにより、見やすい位置合わせ目標ができ、加熱ヘッドの位置合わせが容易になる。
【0042】
両フレキシブル基板2-a、2-bの導体パターンをはんだ接合した後、補強材2-eは、貫通孔2-a7を介して補強材2-eとなる接着材を両フレキシブル基板の間及び第一のフレキシブル基板の上に供給し硬化させることにより、製造される。接着剤ははんだの加熱溶融後に供給しなければならないが、フレキシブル基板を接合後に、貫通孔を介してその間に接着剤を供給することができるので、接着剤供給が容易である。
【実施例2】
【0043】
図11(a)は、実施例2にかかる第1のフレキシブル基板2-aの接続部上面図であり、図11(b)は、ドライブ側のコネクタに挿し込まれる第2のフレキシブル基板2-bの接続部上視図である。本実施例では、第1のフレキシブル基板の貫通孔2-a7と第2フレキシブル基板の突起部2-b7が、フレキシブル基板接続部の長手方向において、接続部の半分より機器接続部側に設けられている。他の点は実施例1と同様である。
【0044】
本実施例のように、貫通孔2-a7及び突起部2-b7が接続部の最も機器接続部側に配置されていない場合でも、補強材2-eはその機能を十分に発揮し、フレキシブル基板の接続部の信頼性及び耐久性の向上に貢献する。
【実施例3】
【0045】
図12(a)は、実施例3にかかる第1のフレキシブル基板2-aの接続部上面図であり、図12(b)は、ドライブ側のコネクタに挿し込まれる第2のフレキシブル基板2-bの接続部上視図である。本実施例では、第1のフレキシブル基板の貫通孔2-a7と第2フレキシブル基板の突起部2-b7とが、フレキシブル基板のの長手方向並べて複数設けられている。他の点は実施例1と同様である。
【0046】
補強材2-eを増やせば接続部の信頼性及び耐久性はさらに向上する。実施例のように、貫通孔2a-7と突起部2-b7とを複数の導体パターン群に対して片側に一つずつではなく複数並べてもよく、この場合には実施例1に比べてさらに接続強度が向上する。
【0047】
なお、貫通孔2-a7と突起部2-b7とを設ける位置は、本実施例のような位置に限られず、例えば複数の導体パターンの間に導体パターン同士が短絡しない形態で設けてもよい。また、貫通孔2-a7が第1のフレキシブル基板の導体パターンを電気的に孤立させなければ、第2のフレキシブル基板の導体パターンに突起部を設けずに導体パターン上に補強材が接着されるようにしてもよい。
【実施例4】
【0048】
図13(a)は、実施例4にかかる第1のフレキシブル基板2-aの接続部上面図であり、図13(b)は、ドライブ側のコネクタに挿し込まれる第2のフレキシブル基板2-bの接続部上視図である。本実施例では、第1のフレキシブル基板にも他の部分よりも配線幅が大きくなっている突起部2-a9を有し、突起部2-a9の機器接続部側に貫通孔2-a7有している。第2フレキシブル基板の突起部2b-7は、突起部2-a9とは導体パターンと同様にはんだで接合されるとともに、貫通孔2-a7とは補強部材2-eで接続される。他の点は実施例1と同様である。
【0049】
本実施例によれば、貫通孔2-a7と補強部材2-eとによる補強部材2-eの接続部強度向上の効果に加えて、突起部2b-7と突起2-a9との接合により、接続部のはんだによる接合強度向上の効果も得られる。
【実施例5】
【0050】
図14(a)は、実施例5にかかる第1のフレキシブル基板2-aの接続部上面図であり、図14(b)は、ドライブ側のコネクタに挿し込まれる第2のフレキシブル基板2-bの接続部上視図である。本実施例では、第1のフレキシブル基板と第2のフレキシブル基板とが、それぞれ貫通孔と突起部を備えており、重ね合わせたときに第1のフレキシブル基板の貫通孔2-a7と第2フレキシブル基板の突起部2-b7とが重なり、第1のフレキシブル基板の突起部2-a9と第2フレキシブル基板の貫通孔2-b9とが重なる。貫通孔と突起部が重なっている部分には、実施例と同様に補強材2-eを形成する。他の点は実施例1と同様である。これによっても、実施例1と同様の効果をえることができる。また、本実施例では、接続部の形態を第1及び第2のフレキシブル基板で同様にしうる。
【0051】
以上、実施例1から実施例5について説明したが、いずれの実施例においても、フレキシブル基板の接続部最外導体パターン上に設置される突起部の形状は、導体パターンの他端が100μm以上となるような構造であれば、三角形、扇形、台形等でもよい。
【産業上の利用可能性】
【0052】
現在、光ピックアップ装置に要求される性能として薄型化と、CDのみでなく各種規格に応じたDVDでも再生や記録できるなど高性能化が望まれている。さらに、今後、次世代ディスクを再生・録画するために、青色半導体レーザを組み込んだ3波長互換性のある薄型の光ピックアップ装置が必要になる。
【0053】
そのため、光ピックアップ装置で用いられるフレキシブル基板は更なる高密度化が要求され、多層構造となり、コストが大幅に上がることが想定される。その解決手段として、一体化されていたフレキシブル基板を分けて接続することが挙げられ、この時に接続部の固定・保護が必要となる。本発明はフレキシブル基板同士の接続に関する技術であり、歩留まり向上及び低コスト化を実現することが可能である。
【符号の説明】
【0054】
1・・・光ピックアップ装置本体、2・・・フレキシブル基板、2-a・・・第1のフレキシブル基板、2-a1・・・導体パターン、2-a2・・・カバーフィルム(ポリイミド)+接着剤、2-a3・・・ベースフィルム(ポリイミド)+接着剤、2-a4・・・はんだめっき、2-a6・・・フレキシブル基板の他端、2-a7・・・フレキシブル基板上の貫通孔、2-a8・・・接続部、2-a9・・・突起部、2-b・・・第2のフレキシブル基板 、2-b1・・・導体パターン、2-b2・・・カバーフィルム(ポリイミド)+接着剤、2-b3・・・ベースフィルム(ポリイミド)+接着剤、2-b4・・・金、ニッケルめっき、2-b6・・・フレキシブル基板の他端、2-b7・・・フレキシブル基板上の最外導体パターン突起部、2-b8・・・接続部、2-b9・・・貫通孔、2-e・・・補強材、3・・・光ピックアップケース、4・・・対物レンズ側上カバー、5・・・対物レンズ、6・・・主軸側シャフト、7・・・副軸側シャフト、8・・・コネクタ挿入部、9・・・ドライブ側カバー、10・・・光ディスクドライブ装置本体。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂製のベースと、前記ベース上に並べて形成された複数の金属製の配線と、前記配線の前記ベースとは反対側を覆う樹脂製のカバーとをそれぞれ有する第一及び第二のフレキシブル基板と、
前記第一のフレキシブル基板の複数の配線と第二のフレキシブル基板の複数の配線とが
、前記カバーに覆われていない部分で互いに接続されている接続部と、
を備えたフレキシブル基板の接続構造において、
前記第一のフレキシブル基板及び前記第二のフレキシブル基板は、互いのフレキシブル基板が接続される第一の面と、前記第一の面とは反対面の第二の面とをそれぞれ有し、
前記第一のフレキシブル基板は、貫通孔を有し、
樹脂部材が、前記貫通孔を貫通し、前記第二のフレキシブル基板の第一の面と、前記第一のフレキシブル基板の第二の面とに接着していることを特徴とするフレキシブル基板の接続構造。
【請求項2】
請求項1において、
前記樹脂部材は、前記第一のフレキシブル基板の第二の面にて、前記ベースに接着されていることを特徴とするフレキシブル基板の接続構造。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、
前記第二のフレキシブル基板は、その前記ベースの前記第一の面側に金属層を有し、
前記樹脂部材は、前記金属層に接着されていることを特徴とするフレキシブル基板の接続構造。
【請求項4】
請求項3において、
前記金属層は、前記複数の配線が並べて形成されている領域を挟んで該領域の両側に形成されていることを特徴とするフレキシブル基板の接続構造。
【請求項5】
請求項3または請求項4において、
前記配線と前記金属層とは、同一層に同一材料で形成されていることを特徴とするフレキシブル基板の接続構造。
【請求項6】
請求項5において、
前記配線と前記金属層とは一体に形成されていることを特徴とするフレキシブル基板の接続構造。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかにおいて、
前記第一のフレキシブル基板の配線と前記第二のフレキシブル基板の配線とは、はんだにより接続されており、
前記樹脂部材は、前記はんだまたは前記第二のフレキシブル基板の配線に接着されていることを特徴とするフレキシブル基板の接続方法。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかにおいて、
前記第一のフレキシブル基板及び第二のフレキシブル基板は、他の機器に接続される機器接続部をそれぞれ有し、
前記第一のフレキシブル基板の機器接続部と前記第二のフレキシブル基板の機器接続部とは、前記接続部に対してフレキシブル基板の長手方向の同じ側にあることを特徴とするフレキシブル基板の接続構造。
【請求項9】
請求項8において、
前記フレキシブル基板の長手方向では、前記金属層または前記貫通孔は、前記接続部の半分より前記機器接続部側に設けられていることを特徴とするフレキシブル基板の接続構造。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかにおいて、
前記貫通孔または前記金属層を、前記フレキシブル基板の長手方向に並べて複数有していることを特徴とするフレキシブル基板の接続構造。
【請求項11】
請求項8において、
前記第一のフレキシブル基板の配線及び前記第二のフレキシブル基板の配線は、配線の幅が他の部分より太くなった幅広部をそれぞれ有し、
前記第二のフレキシブル基板の幅広部は、前記第一のフレキシブル基板の幅広部とはんだにより接続されているとともに、当該接続されて部分より前記機器接続部側の部分で前記樹脂部材に接着されていることを特徴とするフレキシブル基板の接続構造。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれかに記載のフレキシブル基板の接続構造と、
光ピックアップケースと、
レンズと、ミラーと、発光素子と、受光素子とを備え、
前記第一のフレキシブル基板または前記第二のフレキシブル基板の一方と、前記接続部は、前記ピックアップケース内に配置されることを特徴とする光ピックアップ装置。
【請求項13】
樹脂製のベースと、前記ベース上に並べて形成された複数の金属製の配線と、前記配線の前記ベースとは反対側を覆う樹脂製のカバーとをそれぞれ有する第一及び第二のフレキシブル基板と、
前記第一のフレキシブル基板の複数の配線と第二のフレキシブル基板の複数の配線とが
、前記カバーに覆われていない部分で互いに接続されている接続部と、
を備えたフレキシブル基板の接続構造の製造方法において、
前記第一のフレキシブル基板は、貫通孔を備え、
前記第一のフレキシブル基板との前記第二のフレキシブル基板の配線とを、はんだにより接続する工程と、
前記はんだ接続後に、前記貫通項を介して樹脂部材を供給し、前記第一のフレキシブル基板と前記第二のフレキシブル基板とを接着する工程と、
を含むことを特徴とするフレキシブル基板の接続構造の製造方法。
【請求項14】
請求項13において、
前記第一のフレキシブル基板及び前記第二のフレキシブル基板は、互いのフレキシブル基板が接続される第一の面と、前記第一の面とは反対面の第二の面とをそれぞれ有し、
前記樹脂部材は、前記貫通孔を貫通し、前記第二のフレキシブル基板の第一の面と、前記第一のフレキシブル基板の第二の面とに接着することを特徴とするフレキシブル基板の接続構造の製造方法。
【請求項1】
樹脂製のベースと、前記ベース上に並べて形成された複数の金属製の配線と、前記配線の前記ベースとは反対側を覆う樹脂製のカバーとをそれぞれ有する第一及び第二のフレキシブル基板と、
前記第一のフレキシブル基板の複数の配線と第二のフレキシブル基板の複数の配線とが
、前記カバーに覆われていない部分で互いに接続されている接続部と、
を備えたフレキシブル基板の接続構造において、
前記第一のフレキシブル基板及び前記第二のフレキシブル基板は、互いのフレキシブル基板が接続される第一の面と、前記第一の面とは反対面の第二の面とをそれぞれ有し、
前記第一のフレキシブル基板は、貫通孔を有し、
樹脂部材が、前記貫通孔を貫通し、前記第二のフレキシブル基板の第一の面と、前記第一のフレキシブル基板の第二の面とに接着していることを特徴とするフレキシブル基板の接続構造。
【請求項2】
請求項1において、
前記樹脂部材は、前記第一のフレキシブル基板の第二の面にて、前記ベースに接着されていることを特徴とするフレキシブル基板の接続構造。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、
前記第二のフレキシブル基板は、その前記ベースの前記第一の面側に金属層を有し、
前記樹脂部材は、前記金属層に接着されていることを特徴とするフレキシブル基板の接続構造。
【請求項4】
請求項3において、
前記金属層は、前記複数の配線が並べて形成されている領域を挟んで該領域の両側に形成されていることを特徴とするフレキシブル基板の接続構造。
【請求項5】
請求項3または請求項4において、
前記配線と前記金属層とは、同一層に同一材料で形成されていることを特徴とするフレキシブル基板の接続構造。
【請求項6】
請求項5において、
前記配線と前記金属層とは一体に形成されていることを特徴とするフレキシブル基板の接続構造。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかにおいて、
前記第一のフレキシブル基板の配線と前記第二のフレキシブル基板の配線とは、はんだにより接続されており、
前記樹脂部材は、前記はんだまたは前記第二のフレキシブル基板の配線に接着されていることを特徴とするフレキシブル基板の接続方法。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかにおいて、
前記第一のフレキシブル基板及び第二のフレキシブル基板は、他の機器に接続される機器接続部をそれぞれ有し、
前記第一のフレキシブル基板の機器接続部と前記第二のフレキシブル基板の機器接続部とは、前記接続部に対してフレキシブル基板の長手方向の同じ側にあることを特徴とするフレキシブル基板の接続構造。
【請求項9】
請求項8において、
前記フレキシブル基板の長手方向では、前記金属層または前記貫通孔は、前記接続部の半分より前記機器接続部側に設けられていることを特徴とするフレキシブル基板の接続構造。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかにおいて、
前記貫通孔または前記金属層を、前記フレキシブル基板の長手方向に並べて複数有していることを特徴とするフレキシブル基板の接続構造。
【請求項11】
請求項8において、
前記第一のフレキシブル基板の配線及び前記第二のフレキシブル基板の配線は、配線の幅が他の部分より太くなった幅広部をそれぞれ有し、
前記第二のフレキシブル基板の幅広部は、前記第一のフレキシブル基板の幅広部とはんだにより接続されているとともに、当該接続されて部分より前記機器接続部側の部分で前記樹脂部材に接着されていることを特徴とするフレキシブル基板の接続構造。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれかに記載のフレキシブル基板の接続構造と、
光ピックアップケースと、
レンズと、ミラーと、発光素子と、受光素子とを備え、
前記第一のフレキシブル基板または前記第二のフレキシブル基板の一方と、前記接続部は、前記ピックアップケース内に配置されることを特徴とする光ピックアップ装置。
【請求項13】
樹脂製のベースと、前記ベース上に並べて形成された複数の金属製の配線と、前記配線の前記ベースとは反対側を覆う樹脂製のカバーとをそれぞれ有する第一及び第二のフレキシブル基板と、
前記第一のフレキシブル基板の複数の配線と第二のフレキシブル基板の複数の配線とが
、前記カバーに覆われていない部分で互いに接続されている接続部と、
を備えたフレキシブル基板の接続構造の製造方法において、
前記第一のフレキシブル基板は、貫通孔を備え、
前記第一のフレキシブル基板との前記第二のフレキシブル基板の配線とを、はんだにより接続する工程と、
前記はんだ接続後に、前記貫通項を介して樹脂部材を供給し、前記第一のフレキシブル基板と前記第二のフレキシブル基板とを接着する工程と、
を含むことを特徴とするフレキシブル基板の接続構造の製造方法。
【請求項14】
請求項13において、
前記第一のフレキシブル基板及び前記第二のフレキシブル基板は、互いのフレキシブル基板が接続される第一の面と、前記第一の面とは反対面の第二の面とをそれぞれ有し、
前記樹脂部材は、前記貫通孔を貫通し、前記第二のフレキシブル基板の第一の面と、前記第一のフレキシブル基板の第二の面とに接着することを特徴とするフレキシブル基板の接続構造の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3(a)】
【図3(b)】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9(a)】
【図9(b)】
【図10】
【図11(a)】
【図11(b)】
【図12(a)】
【図12(b)】
【図13(a)】
【図13(b)】
【図14(a)】
【図14(b)】
【図2】
【図3(a)】
【図3(b)】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9(a)】
【図9(b)】
【図10】
【図11(a)】
【図11(b)】
【図12(a)】
【図12(b)】
【図13(a)】
【図13(b)】
【図14(a)】
【図14(b)】
【公開番号】特開2011−138853(P2011−138853A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−296690(P2009−296690)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(000153535)株式会社日立メディアエレクトロニクス (452)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(000153535)株式会社日立メディアエレクトロニクス (452)
【Fターム(参考)】
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