説明

フレーム受信装置、フレーム送信装置、フレーム送受信システム及びフレーム送受信方法

【課題】高精度のタイムスタンプ情報を得ることができるフレーム受信装置、フレーム送信装置、これらを含むフレーム送受信システム及びフレーム送受信方法を提供する。
【解決手段】
フレーム受信装置は、下位フレームの受信時点における受信時刻を表すタイムスタンプを生成して当該下位フレームに付加してタイムスタンプ付きフレームを生成する。更に、当該タイムスタンプ付きフレームを上位フレームに変換するとともに当該上位フレームの内容に応じて当該タイムスタンプの表す受信時刻を記憶する。フレーム送信装置は、上位フレームの内容に応じてこれにフラグを付加する。更に、当該上位フレームを下位フレームに変換するとともに当該変換対象である上位フレームに当該フラグが付加されていると判別した場合に当該判別時点における現在時刻を送信時刻として記憶する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信網を介してフレームを送受信する装置同士の時刻同期を行なうフレーム受信装置、フレーム送信装置、フレーム送受信システム及びフレーム送受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、インターネットなどの通信網を介して相互にフレームを送受信し得る装置同士の時刻同期を行なうフレーム送受信システムが知られている(例えば特許文献1及び2)。時刻同期を行なうためのプロトコルとしてはIEEE1588に規定されているPTP(Precision Time Protocol)がある。IEEE1588−2002においては、PTPによる時刻同期のためのメッセージとしてSync、FollowUp、DelayReq、及びDelayRespが定義されている。フレーム送信装置及びフレーム受信装置は、Sync及びDelayReqメッセージの送受信時にタイムスタンプを記憶する。従来、いわゆる物理層とMAC層との間の例えばMII(media independent interface)やGMII(gigabit media independent interface)などのインターフェース上のフレームを解析し、その種別がSync又はDelayReqメッセージである場合にタイムスタンプを記憶していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−190635号公報
【特許文献2】特開2008−42715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、フレーム送信装置においては、タイムスタンプ記憶の際に、MIIなどのインターフェース上の全てのフレームについてSync又はDelayReqメッセージを示すものであるか否かを判別するための解析処理を施すので、その解析処理量が大きくなってしまい、解析処理に要する時間だけタイムスタンプの精度が低下してしまうという問題があった。また、フレーム受信装置においては、MIIなどのインターフェース上での解析処理によってフレームがSync又はDelayReqメッセージを示すものであると判別できた後にタイムスタンプを記憶するので、当該解析処理に要する時間分だけタイムスタンプの精度が低下してしまうという問題があった。
【0005】
また、例えばIEEE802.1AEに規定されているMACsecなどのセキュリティプロトコルを用いた場合には、上述したMIIなどのインターフェース上のフレームは暗号化されており、当該インターフェース上におけるフレームを解析することができないという問題もある。そこで、本発明者は、送信側においてはMACsecによるフレーム暗号化前、受信側においてはMACsecによるフレーム復号化後にタイムスタンプを記憶することを検討した。しかし、かかる処理を行なった場合には、通信網における遅延時間だけでなく、フレームの暗号化処理及び復号化処理に要する時間も含まれることとなり、タイムスタンプの精度が低下してしまうという問題もある。
【0006】
本発明は上記した如き問題点に鑑みてなされたものであって、高精度のタイムスタンプ情報を得ることができるフレーム受信装置、フレーム送信装置、フレーム送受信システム及びフレーム送受信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によるフレーム受信装置は、物理層に属する下位フレームを通信網を介して受信する受信部と、当該受信フレームを上位層に属する上位フレームに変換する変換部と、を含むフレーム受信装置であって、前記受信部が、前記下位フレームの受信時点における受信時刻を表すタイムスタンプを生成して前記下位フレームに付加してタイムスタンプ付きフレームを生成するタイムスタンプ付加部を含み、前記変換部が、前記タイムスタンプ付きフレームを前記上位フレームに変換するとともに当該上位フレームの内容に応じて前記タイムスタンプの表す受信時刻を記憶する記憶部を含むことを特徴とする。
【0008】
本発明によるフレーム送信装置は、上位層に属する上位フレームを物理層に属する下位フレームに変換する変換部と、前記下位フレームを通信網を介して送信する送信部と、を含むフレーム送信装置であって、前記変換部が、前記上位フレームの内容に応じてこれにフラグを付加するフラグ付加部と、前記上位フレームを前記下位フレームに変換するとともに当該変換対象である上位フレームに前記フラグが付加されていると判別した場合に当該判別時点における現在時刻を送信時刻として記憶する記憶部と、を含むことを特徴とする。
【0009】
本発明によるフレーム送受信システムは、物理層に属する下位フレームを通信網を介して送受信するフレーム送信装置とフレーム受信装置とを含むフレーム送受信システムであって、前記フレーム送信装置は、上位層に属する上位フレームを前記下位フレームに変換する送信側変換部と、前記下位フレームを前記通信網を介して送信する送信部と、を含み、前記送信側変換部が、前記上位フレームの内容に応じてこれにフラグを付加するフラグ付加部と、前記上位フレームを前記下位フレームに変換するとともに当該変換対象である上位フレームに前記フラグが付加されていると判別した場合に当該判別時点における現在時刻を送信時刻として記憶する送信側記憶部と、を含み、前記フレーム受信装置は、前記下位フレームを前記通信網を介して受信する受信部と、当該受信フレームを上位層に属する上位フレームに変換する受信側変換部と、を含み、前記受信部が、前記下位フレームの受信時点における受信時刻を表すタイムスタンプを生成して前記下位フレームに付加してタイムスタンプ付きフレームを生成するタイムスタンプ付加部を含み、前記受信側変換部が、前記タイムスタンプ付きフレームを前記上位フレームに変換するとともに当該上位フレームの内容に応じて前記タイムスタンプの表す受信時刻を記憶する受信側記憶部を含むことを特徴とする。
【0010】
本発明によるフレーム送受信方法は、物理層に属する下位フレームを通信網を介して送信する送信ステップと、前記下位フレームを前記通信網を介して受信する受信ステップと、を含むフレーム送受信方法であって、前記送信ステップは、上位層に属する上位フレームを前記下位フレームに変換する送信側変換ステップと、前記下位フレームを前記通信網を介して送信する送信ステップと、を含み、前記送信側変換ステップが、前記上位フレームの内容に応じてこれにフラグを付加するフラグ付加ステップと、前記上位フレームを前記下位フレームに変換するとともに当該変換対象である上位フレームに前記フラグが付加されていると判別した場合に当該判別時点における現在時刻を送信時刻として記憶する送信側記憶ステップと、を含み、前記受信ステップは、前記下位フレームを前記通信網を介して受信する受信ステップと、当該受信フレームを上位層に属する上位フレームに変換する受信側変換ステップと、を含み、前記受信ステップが、前記下位フレームの受信時点における受信時刻を表すタイムスタンプを生成して前記下位フレームに付加してタイムスタンプ付きフレームを生成するタイムスタンプ付加ステップを含み、前記受信側変換ステップが、前記タイムスタンプ付きフレームを前記上位フレームに変換するとともに当該上位フレームの内容に応じて前記タイムスタンプの表す受信時刻を記憶する受信側記憶ステップを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によるフレーム受信装置、フレーム送信装置、フレーム送受信システム及びフレーム送受信方法によれば、高精度のタイムスタンプ情報を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1の実施例であるフレーム受信装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1のMAC処理部及びMACsec処理部の構成を示すブロック図である。
【図3】フレーム受信装置における受信側タイムスタンプ記憶処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図4】フレーム受信装置におけるフレーム構造を示す説明図である。
【図5】第2の実施例であるフレーム送信装置の構成を示すブロック図である。
【図6】図5のMACsec処理部及びMAC処理部の構成を示すブロック図である。
【図7】フレーム送信装置における送信側タイムスタンプ記憶処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図8】フレーム送信装置におけるフレーム構造を示す説明図である。
【図9】フレーム送信装置におけるフラグ検出時の信号変化を示すタイムチャートである。
【図10】フレーム送受信システムの構成を示すブロック図である。
【図11】フレーム送信装置とフレーム受信装置との間のタイムスタンプ情報の送受信動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る実施例について添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0014】
<第1の実施例>
図1には、本実施例であるフレーム受信装置10の構成が示されている。
【0015】
PHY処理部11は、例えばインターネットなどの通信網20から到来したフレーム(以下、下位フレームと称する)を受信する受信部であり、物理層に属する下位フレームの各々に対して、OSI参照モデルにおける物理層に関する処理を順次施す。
【0016】
クロック部12は、現在時刻を示す現在時刻情報を常に生成している。
【0017】
タイムスタンプ付加部13は、PHY処理部11によって処理が施された下位フレームの各々に対して、クロック部12によって生成された現在時刻情報をタイムスタンプとして順次付加する。以下、タイムスタンプが付加された下位フレームをタイムスタンプ付きフレームと称する。
【0018】
MAC処理部14は、タイムスタンプ付きフレームの各々に対して、物理層の上位層であるMAC層についての例えばアドレス解析やFCS確認などのMAC処理を順次施す。この際、MAC処理部14は、タイムスタンプを一旦分離して当該処理を施す。
【0019】
MACsec処理部15は、MAC処理部14によって処理が施されたタイムスタンプ付きフレームの各々に対して、復号処理や認証処理などのセキュリティ解除処理を順次施す。この際、MACsec処理部15は、タイムスタンプを一旦分離して当該処理を施す。以下、MAC処理部14及びMACsec処理部15をまとめて変換部と称する。
【0020】
フレーム判別部16は、MACsec処理部15によって処理が施されたタイムスタンプ付きフレームの各々について、タイムスタンプを記憶すべきものであるか否かを判別する。
【0021】
詳細には、フレーム判別部16は、タイムスタンプ付きフレームがSync又はDelayReqメッセージを示すものである場合に、そのタイムスタンプを記憶すべきものと判別する。この場合、フレーム判別部16は、当該タイムスタンプ付きフレームに付加されているタイムスタンプをタイムスタンプ記憶部17に供給するとともに、そのタイムスタンプを含まないフレーム(以下、上位フレームと称する)を上位レイヤ処理部18に供給する。なお、上位フレームは、物理層よりも上位の層(すなわちMAC層以上の層)に属するフレームである。
【0022】
また、フレーム判別部16は、タイムスタンプ付きフレームがSync又はDelayReqメッセージを示すものでない場合には、当該タイムスタンプ付きフレームに付加されているタイムスタンプを破棄して、そのタイムスタンプを含まない上位フレームを上位レイヤ処理部18に供給する。
【0023】
タイムスタンプ記憶部17は、フレーム判別部16から供給されたタイムスタンプを記憶する。当該タイムスタンプは、フレーム判別部16によってSync又はDelayReqメッセージを示すものと判別されたフレームに付加されていたものである。
【0024】
上位レイヤ処理部18は、フレーム判別部16から供給された上位フレームの各々に対して、OSI参照モデルにおける例えばネットワーク層などの上位層についての処理を順次施す。
【0025】
図2には、MAC処理部14及びMACsec処理部15の構成を示すブロック図が示されている。
【0026】
タイムスタンプ分離部14aは、タイムスタンプ付加部13(図1)から供給されたタイムスタンプ付きフレームに付加されているタイムスタンプを分離する。
【0027】
タイムスタンプ保持部14bは、当該分離されたタイムスタンプを一時的に保持する。
【0028】
データ処理部14cは、タイムスタンプ分離部14aによってタイムスタンプが取り除かれたフレーム内のデータに対してMAC処理を施す。
【0029】
タイムスタンプ再付加部14dは、データ処理部14cによってMAC処理が施されたフレームに対して、タイムスタンプ保持部14bに一時的に保持されているタイムスタンプを再び付加してタイムスタンプ付きフレームを構成し、これをMACsec処理部15に供給する。
【0030】
タイムスタンプ分離部15aは、MAC処理部14から供給されたタイムスタンプ付きフレームに付加されているタイムスタンプを分離する。
【0031】
タイムスタンプ保持部15bは、当該分離されたタイムスタンプを一時的に保持する。
【0032】
セキュリティ解除処理部15cは、タイムスタンプ分離部15aによってタイムスタンプが取り除かれたフレームに対してセキュリティ解除処理を施す。
【0033】
タイムスタンプ再付加部15dは、セキュリティ解除処理部15cによってセキュリティ解除処理が施されたフレームに対して、タイムスタンプ保持部15bに一時的に保持されているタイムスタンプを再び付加してタイムスタンプ付きフレームを構成し、これをフレーム判別部16に供給する。
【0034】
以下、図3及び図4を参照しつつ、フレーム受信装置10における受信側タイムスタンプ記憶処理の動作について説明する。
【0035】
先ず、PHY処理部11が通信網20から下位フレームFR1を受信する(ステップS11)。下位フレームFR1には、プリアンブル、SFD、宛先アドレス、送信元アドレス、MACsecヘッダ、暗号化データ、認証ベクタ、及びFCSが含まれる。
【0036】
次に、タイムスタンプ付加部12が、下位フレームFR1にタイムスタンプを付加してタイムスタンプ付きフレームFR2を構成する(ステップS12)。タイムスタンプ付きフレームFR2には、宛先アドレス、送信元アドレス、MACsecヘッダ、暗号化データ、認証ベクタ、FCS、及びタイムスタンプが含まれる。
【0037】
次に、タイムスタンプ付きフレームFR2に対して、MAC処理部14がMAC処理を施し、更にMACsec処理部15がセキュリティ解除処理を施してタイムスタンプ付きフレームFR3を構成する(ステップS13)。
【0038】
MAC処理を施す際には、タイムスタンプ分離部14a(図2)がタイムスタンプを一旦分離する。分離されたタイムスタンプをタイムスタンプ保持部14bが保持し、データ処理部14cが当該分離後のデータに対してMAC処理を施した後、タイムスタンプ再付加部14dがタイムスタンプを再び付加する。セキュリティ解除処理を施す際にも、タイムスタンプ分離部15a(図2)がタイムスタンプを一旦分離する。分離されたタイムスタンプをタイムスタンプ保持部15bが保持し、セキュリティ解除処理部15cが当該分離後のデータに対してセキュリティ解除処理を施した後、タイムスタンプ再付加部15dがタイムスタンプを再び付加する。かかる動作により、タイムスタンプはMAC処理及びセキュリティ解除処理の影響を受けない。タイムスタンプ付きフレームFR3には、宛先アドレス、送信元アドレス、復号化データ、及びタイムスタンプが含まれる。
【0039】
次に、フレーム判別部16は、タイムスタンプ付きフレームFR3がタイムスタンプを記憶すべきものであるか否かを判別する(ステップS14)。タイムスタンプ付きフレームFR3がSync又はDelayReqメッセージを示すものである場合に、フレーム判別部16はタイムスタンプを記憶すべきものと判別し、タイムスタンプ付きフレームFR3に付加されているタイムスタンプをタイムスタンプ記憶部17に供給する。なお、フレーム判別部16は、セキュリティ解除され、データが復号化されているフレームFR3を解析できるので、タイムスタンプ付きフレームFR3がSync又はDelayReqメッセージを示すものであるか否かを判別できる。
【0040】
次に、タイムスタンプ記憶部17は、フレーム判別部16から供給されたタイムスタンプを記憶する(ステップS15)。
【0041】
ステップS14において、フレーム判別部16は、タイムスタンプ付きフレームFR3がSync又はDelayReqメッセージを示すものでないと判別した場合には、当該タイムスタンプ付きフレームFR3フレームに付加されているタイムスタンプを破棄する(ステップS16)。
【0042】
なお、タイムスタンプを記憶するか否かにかかわらず、フレーム判別部16は、タイムスタンプが取り除かれた上位フレームFR4を上位レイヤ処理部18に供給する。上位フレームFR4には、宛先アドレス、送信元アドレス、及び復号化データが含まれる。
【0043】
上記したように、本実施例によるフレーム受信装置10においては、通信網20から到来した下位フレームの各々に対して、MAC処理及びセキュリティ処理を施す前にタイムスタンプを付加する。そして、これらの処理が施され解析可能となったタイムスタンプ付きフレームを解析し、タイムスタンプを記憶すべきフレームであると判別した場合には、当該タイムスタンプ付きフレームに付加されているタイムスタンプを記憶する。
【0044】
かかる構成によれば、フレーム受信装置10がフレームを受信した時点の現在時刻すなわち受信時刻をタイムスタンプとして記憶できるので、通信網における遅延時間のみを対象として算出することが可能となる。つまり、MAC処理及び復号化等のセキュリティ解除処理に要する時間を除外して、通信網における遅延時間を算出することができる。また、タイムスタンプを記憶すべきフレームであるか否かの解析を行なう前にタイムスタンプを付加するので、当該解析処理に要する時間分を除外して、通信網における遅延時間を算出することができる。
【0045】
このように、本実施例のフレーム受信装置10によれば、高精度のタイムスタンプ情報を得ることができる。
【0046】
<第2の実施例>
図5には、本実施例であるフレーム送信装置30の構成を示すブロック図が示されている。
【0047】
上位レイヤ処理部31は、OSI参照モデルにおける例えばネットワーク層などの上位層についての処理によりフレーム(以下、上位フレームと称する)を生成して、これをフラグ付加部32に供給する。
【0048】
フラグ付加部32は、上位レイヤ処理部31から供給された上位フレームの各々について、フラグを付加すべきものであるか否かを判別する。詳細には、フラグ付加部32は、上位フレームがSync又はDelayReqメッセージを示すものである場合に、フラグを付加すべきものと判別する。この場合、フラグ付加部32は、当該上位フレームに対してフラグを付加してMACsec処理部33に供給する。以下、フラグが付加された上位フレームをフラグ付きフレームと称する。また、フラグ付加部32は、上位フレームがSync又はDelayReqメッセージを示すものでない場合には、当該上位フレームに対してフラグを付加せずにMACsec処理部33に供給する。
【0049】
MACsec処理部33は、フラグ付加部32から供給されたフレームの各々に対して、暗号化処理などのセキュリティ設定処理を順次施す。当該供給されたフレームがフラグ付きフレームである場合には、MACsec処理部15は、そのフラグを一旦分離して当該処理を施す。MACsec処理部33は、フレームに対してセキュリティ設定処理を施した後、これをMAC処理部34に供給する。
【0050】
MAC処理部34は、MACsec処理部33から供給されたフレームの各々に対して、OSI参照モデルにおけるMAC層についてのMAC処理を順次施す。当該供給されたフレームがフラグ付きフレームである場合には、MAC処理部34は、そのフラグを一旦分離してMAC処理を施す。MAC処理部14は、フレームに対してMAC処理を施した後、これをPHY処理部38に供給する。以下、MAC処理が施されたフレームを下位フレームと称する。
【0051】
フラグ検出部35は、MAC処理部34が処理するフレームの各々についてフラグが付加されているか否かを判別する。フラグ検出部35は、例えば、MAC処理部34から供給されるフラグ信号に基づいてフラグの付加を検出する。フラグ検出部35は、フレームにフラグが付加されていると判別した場合には、クロック部36によって生成された現在時刻情報をタイムスタンプとしてタイムスタンプ記憶部37に供給する。
【0052】
クロック部36は、現在時刻を示す現在時刻情報を常に生成している。
【0053】
タイムスタンプ記憶部37は、フラグ検出部35から供給されたタイムスタンプを記憶する。当該タイムスタンプは、フラグ検出部35によってフラグが付加されていると判別されたフレームについてのものである。
【0054】
以下、MACsec処理部33、MAC処理部34、フラグ検出部35、クロック部36、及びタイムスタンプ記憶部37をまとめて変換部と称する。
【0055】
PHY処理部38は、MAC処理部34から供給された下位フレームの各々に対してOSI参照モデルにおける物理層についての処理を順次施し、通信網20に順次送出する送信部である。
【0056】
図6には、MACsec処理部33及びMAC処理部34の構成を示すブロック図が示されている。
【0057】
フラグ分離部33aは、フラグ付加部33(図1)から供給されたフラグ付きフレームに付加されているフラグを分離する。
【0058】
フラグ保持部33bは、当該分離されたフラグを一時的に保持する。
【0059】
セキュリティ処理部33cは、フラグ分離部33aによってフラグが取り除かれたフレーム内のデータに対してセキュリティ設定処理を施す。
【0060】
フラグ再付加部33dは、セキュリティ処理部33cによってセキュリティ設定処理が施されたフレームに対して、フラグ保持部33bに一時的に保持されているフラグを再び付加してフラグ付きフレームを構成し、これをMAC処理部34に供給する。
【0061】
フラグ分離部34aは、MACsec処理部33から供給されたフラグ付きフレームに付加されているフラグを分離してフラグ信号生成部34bに供給する。
【0062】
フラグ信号生成部34bは、フラグ分離部34aからフラグを供給されたときに、フラグ信号を生成してこれをフラグ検出部35(図1)に供給する。
【0063】
データ処理部34cは、フラグ分離部34aによってフラグが取り除かれたフレームに対してデータ処理を施して下位フレームを構成し、これをPHY処理部38(図1)に供給する。
【0064】
以下、図7及び図8を参照しつつ、フレーム送信装置30における送信側タイムスタンプ記憶処理の動作について説明する。
【0065】
先ず、フラグ付加部32は、上位レイヤ処理部31から供給された上位フレームについて、フラグを付加すべきものであるか否かを判別する(ステップS21)。フラグ付加部32は、上位フレームがSync又はDelayReqメッセージを示すものである場合に、フラグを付加すべきものと判別する。
【0066】
この場合、フラグ付加部32は、上位フレームに対してフラグを付加してフラグ付きフレームFS1を構成し、これをMACsec処理部33に供給する(ステップS22)。フラグ付きフレームFS1には、フラグ、宛先アドレス、送信元アドレス、及び平文データが含まれる。フラグ付加部32は、上位フレームがSync又はDelayReqメッセージを示すものでない場合には、当該上位フレームに対してフラグを付加せずにMACsec処理部33に供給する(ステップS22)。
【0067】
次に、MACsec処理部33は、フラグ付加部32から供給されたフレームに対して、暗号化処理などのセキュリティ設定処理を施す(ステップS23)。当該フレームがフラグ付きフレームである場合には、MACsec処理部15は、そのフラグを一旦分離して当該処理を施し、当該処理後にそのフラグをフレームに再び付加してフラグ付きフレームを構成する。MACsec処理部15は、当該処理によってフレームFS2を構成し、これをMAC処理部34に供給する。フレームFS2がフラグ付きフレームである場合には、フラグ、宛先アドレス、送信元アドレス、MACsecヘッダ、暗号化データ、及び認証ベクタが含まれる。フレームFS2にフラグが付加されていない場合にも、MACsec処理部15は、そのフレームFS2にセキュリティ設定処理を施してMAC処理部34に供給する。
【0068】
次に、MAC処理部34は、MACsec処理部33から供給されたフレームFS2に対してMAC処理を順次施す(ステップS23)。当該フレームがフラグ付きフレームである場合には、MAC処理部34は、そのフラグを一旦分離して当該処理を施す。MAC処理部14は、当該処理によって下位フレームFS3を構成し、これをPHY処理部38に供給する。下位フレームFS3には、宛先アドレス、送信元アドレス、MACsecヘッダ、暗号化データ、認証ベクタ、及びFCSが含まれる。また、MAC処理部34は、フレームFS2にフラグが付加されていたことを示すフラグ信号を生成し、これをフラグ検出部35に供給する。MAC処理部34は、フレームFS2にフラグが付加されていない場合にも、そのフレームFS2にセキュリティ設定処理を施して下位フレームFS3を構成し、これをPHY処理部38に供給する。
【0069】
次に、フラグ検出部35は、MAC処理部34が処理するフレームFS2にフラグが付加されているか否かを判別する(ステップS24)。フラグ検出部35は、例えば、MAC処理部34からフラグ信号が供給された場合に、フレームFS2にフラグが付加されていると判別する。この場合、フラグ検出部35は、クロック部36によって生成された現在時刻情報をタイムスタンプとしてタイムスタンプ記憶部37に供給する。なお、フラグ検出部35は、フレームFS2にフラグが付加されていないと判別した場合には、タイムスタンプ記憶部37へのタイムスタンプの供給は行なわない。
【0070】
次に、タイムスタンプ記憶部37が、フラグ検出部35から供給されたタイムスタンプを記憶する(ステップS25)。
【0071】
次に、PHY処理部38が、MAC処理部34から供給された下位フレームFS3の各々に対して物理層についての処理を順次施して下位フレームFS4を構成し、これを通信網20に送出する(ステップS26)。下位フレームFS4には、プリアンブル、SFD、宛先アドレス、送信元アドレス、MACsecヘッダ、暗号化データ、認証ベクタ、及びFCSが含まれる。
【0072】
図9には、フレーム送信装置30におけるフラグ検出時の信号変化を示すタイムチャートが示されている。MAC処理部34からPHY処理部38に対してTXEN(transmit enable)信号及びTXD(transmit data)信号が供給されている。MAC処理部34は、例えば、TXD(transmit data)信号におけるプリアンブルデータの終了時点TSにおいてフラグ信号を生成し、これをフラグ検出部35に供給する。これによって、TSの時点における現在時刻情報がタイムスタンプとしてタイムスタンプ記憶部37に記憶される。
【0073】
上記したように、本実施例によるフレーム送信装置30においては、先ず、上位レイヤ処理部31において生成された上位フレームのうちの、タイムスタンプを記憶すべき上位フレームに対してフラグを付加してフラグ付きフレームを構成する。その後、MAC処理及びセキュリティ処理を施す。そして、これらの処理が施されたフレームの各々に付いてフラグが付加されているか否かをフラグ検出部35が判別し、フラグを検出した場合には、そのときの現在時刻情報をタイムスタンプとして記憶する。
【0074】
かかる構成によれば、フレーム送信装置30がフレームを送信する時点の現在時刻すなわち送信時刻をタイムスタンプとして記憶できるので、通信網における遅延時間のみを対象として算出することが可能となる。つまり、MAC処理及び暗号化等のセキュリティ設定処理に要する時間を除外して、通信網における遅延時間を算出することができる。また、フラグ検出によりタイムスタンプ記憶の要否を判断するので、タイムスタンプを記憶すべきフレームであるか否かの解析処理を全てのフレームに対して行なう必要がなくなり、処理量を低減することができる。
【0075】
このように、本実施例のフレーム送信装置30によれば、高精度のタイムスタンプ情報を得ることができる。
【0076】
<システムとしての実施例>
図10には、フレーム送受信システム40の構成を示すブロック図が示されている。マスター装置50とスレーブ装置60とが通信網20を介してタイムスタンプ情報を送受信する。
【0077】
以下、図11を参照しつつ、マスター装置50とスレーブ装置60との間のタイムスタンプ情報の送受信動作について説明する。
【0078】
先ず、マスター装置50がスレーブ装置60に対してSyncメッセージを送信する(ステップS31)。このとき、マスター装置50は、第2の実施例に示したフレーム送信装置30として動作し、当該送信時における現在時刻をタイムスタンプT1として記憶する。スレーブ装置60は、Syncメッセージを受信する際には第1の実施例に示したフレーム受信装置10として動作し、Syncメッセージを受信したときの現在時刻をタイムスタンプT2として記憶する。
【0079】
次に、マスター装置50は、FollowUpメッセージによってタイムスタンプT1をスレーブ装置60に対して送信する(ステップS32)。スレーブ装置60は、FollowUpメッセージに含まれるタイムスタンプT1を記憶する。
【0080】
次に、スレーブ装置60がマスター装置50に対してDelayReqメッセージを送信する(ステップS33)。このとき、スレーブ装置60は、フレーム送信装置30として動作し、当該送信時における現在時刻をタイムスタンプT3として記憶する。マスター装置50は、DelayReqメッセージを受信する際にはフレーム受信装置10として動作し、DelayReqメッセージを受信したときの現在時刻をタイムスタンプT4として記憶する。
【0081】
次に、マスター装置50は、DelayRespメッセージによってタイムスタンプT4をスレーブ装置60に対して送信する(ステップS34)。スレーブ装置60は、DelayRespメッセージに含まれるタイムスタンプT4を記憶する。
【0082】
上記した動作により、スレーブ装置60は、タイムスタンプT1、T2、T3及びT4を取得することができる。スレーブ装置60においては、伝播遅延時間D1を例えばD1=((T2−T1)+(T4−T3))/2として算出できる。また、時刻同期のためのオフセット値E1を例えばE1=(T2−T1)−D1として算出できる。
【0083】
第1及び第2の実施例に示したように、記憶されるタイムスタンプは、MAC処理やMACsec処理に要する時間を含まないものなので、フレームに対して例えばセキュリティ処理等のデータ処理を施した場合であっても、算出される伝播遅延時間は通信網20における伝播遅延時間のみを表す。故に、スレーブ装置60においては、現在時刻をオフセット値分だけ補正することにより、マスター装置50との間で精度の高い時刻同期を実現できる。このように、本実施例のフレーム送受信システム40によれば、精度の高い時刻同期を実現できる。
【0084】
上記した各実施例はフレームに対してMACセキュリティ処理を施す場合の例であるが、セキュリティの種類はこれに限られない。上記実施例のMACsec処理部15及びMACsec処理部33によるMACセキュリティ処理の代わりに例えばIPsec等のセキュリティプロトコルによるセキュリティ処理を行なった場合にも本発明の効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0085】
10 フレーム受信装置
11 PHY処理部
12 クロック部
13 タイムスタンプ付加部
14 MAC処理部
15 MACsec処理部
16 フレーム判別部
17 タイムスタンプ記憶部
18 上位レイヤ処理部
20 通信網
30 フレーム送信装置
31 上位レイヤ処理部
32 フラグ付加部
33 MACsec処理部
34 MAC処理部
35 フラグ検出部
36 クロック部
37 タイムスタンプ記憶部
38 PHY処理部
40 フレーム送受信システム
50 マスター装置
60 スレーブ装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
物理層に属する下位フレームを通信網を介して受信する受信部と、当該受信フレームを上位層に属する上位フレームに変換する変換部と、を含むフレーム受信装置であって、
前記受信部が、前記下位フレームの受信時点における受信時刻を表すタイムスタンプを生成して前記下位フレームに付加してタイムスタンプ付きフレームを生成するタイムスタンプ付加部を含み、
前記変換部が、前記タイムスタンプ付きフレームを前記上位フレームに変換するとともに当該上位フレームの内容に応じて前記タイムスタンプの表す受信時刻を記憶する記憶部を含むことを特徴とするフレーム受信装置。
【請求項2】
前記記憶部は、前記タイムスタンプ付きフレームから前記タイムスタンプを分離して得られたフレームを前記上位フレームに変換することを特徴とする請求項1に記載のフレーム受信装置。
【請求項3】
前記記憶部は、前記上位フレームがSync又はDelayReqメッセージである場合に前記タイムスタンプの表す受信時刻を記憶することを特徴とする請求項1又は2に記載のフレーム受信装置。
【請求項4】
上位層に属する上位フレームを物理層に属する下位フレームに変換する変換部と、前記下位フレームを通信網を介して送信する送信部と、を含むフレーム送信装置であって、
前記変換部が、
前記上位フレームの内容に応じてこれにフラグを付加するフラグ付加部と、
前記上位フレームを前記下位フレームに変換するとともに当該変換対象である上位フレームに前記フラグが付加されていると判別した場合に当該判別時点における現在時刻を送信時刻として記憶する記憶部と、を含むことを特徴とするフレーム送信装置。
【請求項5】
前記記憶部は、前記フラグが付加された上位フレームから前記フラグを分離して得られた上位フレームを前記下位フレームに変換することを特徴とする請求項4に記載のフレーム送信装置。
【請求項6】
前記フラグ付加部は、前記上位フレームがSync又はDelayReqメッセージである場合に前記フラグを付加することを特徴とする請求項4又は5に記載のフレーム送信装置。
【請求項7】
物理層に属する下位フレームを通信網を介して送受信するフレーム送信装置とフレーム受信装置とを含むフレーム送受信システムであって、
前記フレーム送信装置は、上位層に属する上位フレームを前記下位フレームに変換する送信側変換部と、前記下位フレームを前記通信網を介して送信する送信部と、を含み、
前記送信側変換部が、
前記上位フレームの内容に応じてこれにフラグを付加するフラグ付加部と、
前記上位フレームを前記下位フレームに変換するとともに当該変換対象である上位フレームに前記フラグが付加されていると判別した場合に当該判別時点における現在時刻を送信時刻として記憶する送信側記憶部と、を含み、
前記フレーム受信装置は、前記下位フレームを前記通信網を介して受信する受信部と、当該受信フレームを上位層に属する上位フレームに変換する受信側変換部と、を含み、
前記受信部が、前記下位フレームの受信時点における受信時刻を表すタイムスタンプを生成して前記下位フレームに付加してタイムスタンプ付きフレームを生成するタイムスタンプ付加部を含み、
前記受信側変換部が、前記タイムスタンプ付きフレームを前記上位フレームに変換するとともに当該上位フレームの内容に応じて前記タイムスタンプの表す受信時刻を記憶する受信側記憶部を含むことを特徴とするフレーム送受信システム。
【請求項8】
前記受信側記憶部は、前記タイムスタンプ付きフレームから前記タイムスタンプを分離して得られたフレームを前記上位フレームに変換することを特徴とする請求項7に記載のフレーム送受信システム。
【請求項9】
前記受信側記憶部は、前記上位フレームがSync又はDelayReqメッセージである場合に前記タイムスタンプの表す受信時刻を記憶することを特徴とする請求項7又は8に記載のフレーム送受信システム。
【請求項10】
前記送信側記憶部は、前記フラグが付加された上位フレームから前記フラグを分離して得られた上位フレームを前記下位フレームに変換することを特徴とする請求項7に記載のフレーム送受信システム。
【請求項11】
前記フラグ付加部は、前記上位フレームがSync又はDelayReqメッセージである場合に前記フラグを付加することを特徴とする請求項7又は8に記載のフレーム送受信システム。
【請求項12】
物理層に属する下位フレームを通信網を介して送信する送信ステップと、前記下位フレームを前記通信網を介して受信する受信ステップと、を含むフレーム送受信方法であって、
前記送信ステップは、上位層に属する上位フレームを前記下位フレームに変換する送信側変換ステップと、前記下位フレームを前記通信網を介して送信する送信ステップと、を含み、
前記送信側変換ステップが、
前記上位フレームの内容に応じてこれにフラグを付加するフラグ付加ステップと、
前記上位フレームを前記下位フレームに変換するとともに当該変換対象である上位フレームに前記フラグが付加されていると判別した場合に当該判別時点における現在時刻を送信時刻として記憶する送信側記憶ステップと、を含み、
前記受信ステップは、前記下位フレームを前記通信網を介して受信する受信ステップと、当該受信フレームを上位層に属する上位フレームに変換する受信側変換ステップと、を含み、
前記受信ステップが、前記下位フレームの受信時点における受信時刻を表すタイムスタンプを生成して前記下位フレームに付加してタイムスタンプ付きフレームを生成するタイムスタンプ付加ステップを含み、
前記受信側変換ステップが、前記タイムスタンプ付きフレームを前記上位フレームに変換するとともに当該上位フレームの内容に応じて前記タイムスタンプの表す受信時刻を記憶する受信側記憶ステップを含むことを特徴とするフレーム送受信方法。
【請求項13】
前記受信側記憶ステップにおいては、前記タイムスタンプ付きフレームから前記タイムスタンプを分離して得られたフレームを前記上位フレームに変換することを特徴とする請求項12に記載のフレーム送受信方法。
【請求項14】
前記受信側記憶ステップにおいては、前記上位フレームがSync又はDelayReqメッセージである場合に前記タイムスタンプの表す受信時刻を記憶することを特徴とする請求項12又は13に記載のフレーム送受信方法。
【請求項15】
前記送信側記憶ステップにおいては、前記フラグが付加された上位フレームから前記フラグを一旦分離し、当該分離して得られた上位フレームを前記下位フレームに変換してから前記フラグを再び付加することを特徴とする請求項12に記載のフレーム送受信方法。
【請求項16】
前記フラグ付加ステップにおいては、前記上位フレームがSync又はDelayReqメッセージである場合に前記フラグを付加することを特徴とする請求項12又は13に記載のフレーム送受信方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−256965(P2012−256965A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−127341(P2011−127341)
【出願日】平成23年6月7日(2011.6.7)
【出願人】(308033711)ラピスセミコンダクタ株式会社 (898)
【Fターム(参考)】