説明

フロアパネル用機械式係止システム

【課題】機械式スナップ係止システムを備えたフロアパネル(1、1’)を提供する。
【解決手段】機械式スナップ係止システム(15)は、スナップ抵抗を減少し及び/又は係止強度を向上するため、別体の材料で形成されている。更に、機械式係止システムを水平方向で係止解除するための方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体として、フロアパネル及び建物用パネル用の、特に、水平方向に変位させることによって係止及び係止解除を行うことができる機械式係止システムを備えたフロアパネル用の機械式係止システムの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、フロアパネルで形成されたフローティングフロアで使用するのに特に適している。フロアパネルは、フロアパネルと一体の、即ち工場で取り付けられた係止システムで機械的に接合される。フロアパネルは、一つ又はそれ以上の上ベニヤ層と、装飾的積層体即ち装飾的プラスチック材料と、木材繊維をベースとした材料又はプラスチック材料製の中間コアと、好ましくは、コアの後側に設けられた下バランシング層とを含む。従って、従来技術、周知のシステムの問題点、及び本発明の目的及び特徴の以下の説明は、非限定的例として、とりわけ、この適用分野、及び特に、長側部及び短側部の両方で機械的に接合されるようになった長側部及び短側部を持つ矩形のフロアパネルとして形成された積層体フローリングに関する。長側部及び短側部は、主として、本発明の説明を簡単にするために使用する用語である。パネルは正方形であってもよく、互いに平行でも垂直でもない四つ以上の側部を備えていてもよい。
【0003】
本発明は任意のフロアパネルに適用でき、パネルを少なくとも二つの隣接した側部で水平方向及び垂直方向に連結する機械式係止システムを使用してフロアパネルを接合するようになった全ての種類の周知の係止システムと組み合わせることができるということを強調しておかなければならない。かくして、本発明は、例えば、中実の木材フロア、木材や木材繊維をベースとした材料でできたコア及び木材や木材ベニヤ等でできた表面を持つ寄木フロア、印刷を施し、好ましくはワニスを掛けた表面を持つフロア、プラスチック又はコルク、リノリウム、ゴム又は同様の材料でできた表面層を持つフロアに適用することもできる。石材やタイル等の硬質の表面を持つ平らなフロアが含まれ、フローリングには、例えばボードに接着されたニードルフェルト等の軟質の磨耗層が設けられている。本発明は、例えば壁パネル、天井、家具の構成要素、等のボード材料を含む建物用パネルの接合にも使用できる。
【0004】
積層体フローリングは、通常は、6mm乃至12mmのファイバボード製のコアと、厚さが0.2mm乃至0.8mmの積層体製の上装飾層と、厚さが0.1mm乃至0.6mmの積層体、プラスチック、紙、等の材料でできた下バランシング層とを含む。積層体表面は、メラミンを含浸した紙でできている。最も一般的なコア材料は、高密度であり且つ安定性が良好な、通常HDF(高密度ファイバボード)と呼ばれるファイバボードである。場合によっては、MDF(中密度ファイバボード)をコアとして使用してもよい。
【0005】
この種の従来の積層体フロアパネルは、さねはぎ継手を接着することによって接合されてきた。
【0006】
このような従来のフロアに加え、接着剤を使用する必要がなく、その代わりにいわゆる機械式係止システムによって機械的に接合されるフロアパネルが開発されてきた。これらのシステムは、パネルを水平方向及び垂直方向で係止する係止手段を有する。機械式係止システムは、通常は、パネルのコアを機械加工することによって形成される。別の態様では、係止システムの部品は、別の材料、例えばアルミニウムやHDFで形成されていてもよく、これは、フロアパネルの製造と関連してフロアパネルと一体化し、即ちフロアパネルに接合される。
【0007】
機械式係止システムを持つフローティングフロアの主な利点は、設置が容易であるということである。これらのシステムは、更に、再び取り外して、別の位置で再び使用するのが容易である。
【0008】
下文において、設置したフロアパネルの目に見える方の表面を「前側」と呼ぶのに対し、下張り床に面するフロアパネルの反対側を「後側」と呼ぶ。前側と後側との間の縁部を「接合縁」と呼ぶ。「水平方向平面即ち主平面」は、表面層の外部分と平行に延びる平面を意味する。接合された二つのフロアパネルの二つの隣接した接合縁のぴったりと併置された上部分は、水平方向平面に対して垂直な「垂直方向平面(V)」を形成する。「水平方向に」は、水平方向平面と平行にということを意味し、「垂直方向に」は、垂直方向平面と平行にということを意味する。
【0009】
「係止システム」は、フロアパネルを垂直方向及び/又は水平方向で連結する、協働する連結手段を意味する。「機械式係止システム」は、接着剤を使用せずに接合を行うことができるということを意味する。機械式係止システムは、多くの場合、接着剤によって接合してもよい。「と一体化した」は、パネルと一部品をなして形成されたということ、又は工場でパネルに連結したということを意味する。「スナップ抵抗」は、二つのパネルの二つの100mmの縁部を水平方向変位によって係止するのに必要な、Nで表した力を意味する。「係止強度」は、係止した二つのパネルの二つの100mmの縁部を完全に係止解除するのに必要な、又は少なくとも0.2mmよりも大きく離間するのに必要な、Nで表した力を意味する。「強度スナップ比(SSR)」は、係止強度をスナップ抵抗で除した値を意味する。
【0010】
長側部並びに短側部を垂直方向及び水平方向(方向D1及びD2)で機械的に接合するため、幾つかの方法及び係止システムを使用できる。最も多く使用されている方法の一つは、傾け−スナップ嵌め方法であり、最も多く使用されている係止システムの一つは、コアと一部品をなして形成されたシステムである。長側部は、傾けによって設置される。次いで、パネルを、係止位置で、長側部に沿って変位する。短側部は、図1a、図1b、及び図1cに示すように水平方向スナップ嵌めによって係止される。垂直方向連結は、タング10及び溝9によって行われる。水平方向変位中、係止エレメント8を備えたストリップ6が曲がり、縁部が接触したとき、ストリップがばね作用で戻り、係止エレメント8が係止溝14に入り、パネルを水平方向で係止する。スナップ作用中の係止エレメントの垂直方向変位は、ストリップが曲がることによって生じる。このようなスナップ連結は、スナップ作用中、長縁部間の摩擦に打ち勝ち、ストリップを曲げるためにハンマー及びタッピングブロックを使用しなければならないため、複雑である。長側部に作用する摩擦を減少してもよく、パネルを工具なしで変位してもよい。しかしながら、スナップ嵌め抵抗は、特に、木材をベースとしたコアと一部品に形成された係止システムで大きい。木材をベースとした材料は、一般的には、曲げるのが困難である。スナップ嵌め中にパネルに亀裂が生じることがあり、スナップ嵌めを可能にするため、係止エレメントを垂直方向で比較的小さくしなければならない。コア材料と一部品をなして形成されたこのような小さな係止エレメントの係止強度は、一般的には比較的小さく、特に乾燥した条件では、パネルを滑らせて分離することができる。
【0011】
スナップシステムは、別体のプラスチックストリップ6’を備えていてもよいということは周知である。このストリップ6’は、図1d、図1e、及び図1fに示すように、パネルと一体化してあり、弾性部分を含む。このような係止システムは、従来の一部品スナップシステムよりも小さな抵抗で係止できる。しかしながら、この係止システムには幾つかの欠点がある。プラスチックストリップは、タング及び係止エレメントを備えたストリップの両方の代わりに使用される。従って、材料費が高く、係止システムは、一般的には、旧来のパネルで使用された係止システムと適合しない。溝9は、係止エレメント8’を備えていなければならないため、製造が困難である。実際、ストリップに設けられた二つの可撓性係止エレメント及びパネルの二つの係止エレメント(8、8’)の四つの係止エレメントを使用して水平方向で係止しなければならない。プラスチックストリップを短側部の全長に亘って固定するのは困難である。このことは、隅部分にはタングが全くなく、これにより、幾つかの用途で問題が生じる。
【0012】
更に、図1gに示すように、スナップシステムは、アルミニウムシート製の別体のストリップ6を備えていてもよいということは周知である。このような係止システムは、傾けによる設置が非常に容易である。この係止システムの主な欠点は、特に係止システムをスナップ嵌めで係止できるようにしなければならない場合、材料費が高いということである。この理由は、曲げたりスナップ嵌めできるようにするため、ストリップを比較的広幅にしなければならないということである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の第1の目的は、水平方向スナップ嵌めによって係止できる、周知の従来技術のシステムよりもスナップ抵抗が小さく、好ましくは、係止強度がかなり高い、機械式係止システムを提供することである。周知の技術と比較して費用及び機能において優れている。全ての目的の重要な部分は、パネルを互いに押し付けたとき、水平方向で係止する機械式係止システムの部分の機能及び費用を改善することである。
【0014】
更に詳細には、本発明の目的は、以下の利点のうちの一つ又は幾つかが得られる、機械式スナップ係止システムを提供することである。
【0015】
フロアパネルの変位及び係止は、好ましくは、最も好ましい実施例において、工具が全く必要とされない程小さな力で、或いはタッピングブロック及びハンマー等の工具を使用する場合、必要とされるタッピング力が非常に小さいため、通常の設置で縁部を損傷することがないような小さな力で行うことができる。
【0016】
係止機能は信頼性がなくてはならず、垂直方向及び水平方向の係止は、強固でなくてはならず、係止された二つのパネルが、水分の変化時に、又は人々がフロアの上を歩くときに移動しないようにしなければならない。
【0017】
係止システムは、フロアパネルの表面が本質的に同じ平面内にあるように、フロアパネルを垂直方向で高い精度で係止できなければならない。
【0018】
係止システムは、材料費及び製造費を低くできるように設計されていなければならない。
【0019】
第2の目的は、コアと一部品をなして形成された従来の機械式係止システムに匹敵する、機械式スナップ係止システムを提供することである。新たなパネルを古いパネルに係止できるのが有利である。このような場合には、フロアパネルの古いストックに余分な費用を掛けることなく、新たな係止システムを市場に導入できる。
【0020】
本発明の以上の目的の全て又は一部は、独立項に記載の機械式係止システム及びフロアパネルによって達成される。本発明の実施例は、従属項、以下の説明、及び添付図面から明らかになる。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の第1の特徴によれば、フローリングシステムが提供される。このフローリングシステムは、隣接した一対の縁部に沿って互いに機械的に連結できる複数のフロアパネルを含む。これらのフロアパネルには、一対の隣接した縁部をパネルの主平面に対して直角に互いに機械的に係止し、これによって、パネル間に垂直方向機械的連結部を形成するためのタング及び溝が、パネルと一部品をなして形成されている。パネルには、パネルと一部品をなして形成された、一方のパネルの第1縁部の第1係止エレメントと、反対側のパネルの隣接した第2縁部に形成された係止溝とが設けられており、係止溝は、パネルの後側又は前側に向かって開放している。各パネルには、別体の材料で形成されており且つ係止溝に連結された第2係止エレメントが設けられている。第1及び第2の係止エレメントは、パネルを互いに主平面な水平方向に平行に且つ接合縁に対して直角をなして係止する機械式連結部を形成する。第2係止エレメントは、二枚のパネルを互いに向かって水平方向に変位することによって機械的に接合できるように、可撓性であり且つ弾性であり、この際、第2縁部の第2係止エレメントの少なくとも一部は、二枚のパネルの隣接した縁部が水平方向で互いに係合するまで、垂直方向に弾性的に変位され、第2縁部の第2係止エレメントは、第1縁部の第1係止エレメントに対し、その初期位置に向かって変位する。
【0022】
可撓性係止エレメントをパネルと一体化するのが有利であるけれども、本発明は、設置者が設置前にパネルに連結されるべき別体の構成要素として可撓性係止エレメントを提供する実施例を除外しない。
【0023】
本発明により、フロアパネルの全ての側部を、例えば長側部の傾け、長側部に沿った単なる水平方向変位、及び短側部のスナップ嵌めによって、水平方向及び垂直方向で係止できる。この好ましい実施例では、可撓性係止エレメントは短側部に設けられている。長側部に設けてもよいし、長側部及び短側部に設けてもよい。
【0024】
本発明は、コアが可撓性でないか或いは強固なスナップ係止システムを形成するのに十分強固であるためにスナップ嵌めが困難なフロアパネルで使用するのに特に適している。本発明は、更に、例えば20cmよりも大きい幅を持つ広幅のフロアパネルに適している。この場合、設置中、及び係止状態で接合部に沿って変位するのが困難なパネルで、スナップ抵抗が高いことが主な欠点である。係止システムの部分が木材等の高摩擦材料で形成されたパネル、及び係止システムが締まり嵌めするように、即ち遊びがないように、そして場合によっては予張力が加えられるように形成されたパネルは、特に長側部に沿って変位するのが困難である。特に、係止位置で係止ストリップが曲がっており、パネルを互いに押し付ける、このような予張力が加えられたパネルは、変位及びスナップが非常に困難である。スナップ抵抗を減少する係止システムは、このようなパネルを設置するのに要する時間を大幅に短縮する。
【0025】
本発明の第2の特徴によれば、隣接した一対の縁部に沿って互いに機械的に連結できる複数のフロアパネルを含むフローリングシステムが提供される。これらのフロアパネルには、一対の隣接した縁部をパネルの主平面に対して直角に互いに機械的に係止し、これによって、パネル間に垂直方向機械的連結部を形成するため、パネルと一部品をなして形成されたタング及び溝が設けられている。
【0026】
パネルには、一方のパネルの第1縁部にパネルと一部品をなして形成された第1係止エレメントと、パネルに連結された別体の材料でできた第2係止エレメントとが設けられている。
【0027】
第1及び第2の係止エレメントは、パネルを、主平面と平行に水平方向に、及び接合縁に対して直角をなして互いに係止する機械的連結部を形成する。
【0028】
フロアパネルを、二つのパネルを互いに向かって水平方向に変位することによって、前記二つのパネルを機械的に接合でき、この際、第1係止エレメント及び第2係止エレメントは、先ず最初に、互いから遠ざかる方向に垂直方向に変位した後、互いに向かって垂直方向に変位する。
【0029】
第2係止エレメントは、第1係止エレメントの材料、例えばアルミニウムよりも密度が高いシート状材料で形成されており、第1面と、第2面と、第1面と第2面との間の縁部分とを有する。縁部分は、第1係止エレメントの第1係止面と接触し、パネルが水平方向に分離しないようにする、第2係止面の少なくとも一部を形成する。
【0030】
シート状材料の縁部分は、本発明によれば、硬質で先が尖った係止面を形成するのに使用され、これにより第1係止面に対して強固な係止力を発生する。このようなスナップ係止エレメントにより、係止面が非常に小さい場合でも、高い係止強度を達成する。コア及び従ってパネルと一部品をなして形成された第1係止エレメントは、多くの積層体フローリング及び木材フローリングにおいて、比較的軟質であり、アルミニウムシートの先が尖った縁部が木材繊維にナイフのように切り込み、縁部が分離しないようにする。
【0031】
先が尖った係止エレメント及び軟質の係止エレメントの組み合わせにより、小さな係止面を使用でき、このように係止面が小さいため、水平方向スナップ嵌めを行うのに十分の数mmの小さな垂直方向変位しか必要としないという利点が得られる。このことは、係止強度を維持した状態で、又は係止強度を改良しながら、曲げ及びスナップ抵抗を大幅に減少できるということを意味する。スナップ作用中、摩擦抵抗が木材繊維材料と比べて低いアルミニウムシート表面の一部を摺動面として使用する場合、スナップ抵抗を更に減少できる。
【0032】
市販の多くの一部品スナップシステムは、スナップ抵抗が、係止強度と比べて高い。縁部の長さが100mmのパネルの試験試料は、一般的には、スナップ抵抗が200N乃至300Nであり、係止強度が200N乃至600Nである。係止強度をスナップ抵抗で除した値、即ち強度スナップ比(SSR)は、200/200=1から600/300=2まで変化する。
【0033】
本発明により、スナップ抵抗を、例えば100Nまで、又は更に低く減少でき、係止強度を例えば1000Nまで、又は更に高く増大できる。本発明の第1及び第2の特徴により、SSRは、容易に5乃至10に達する。
【0034】
本発明の第3の特徴によれば、スナップ作用とは逆方向に水平方向に移動することにより、フロアパネルを外す方法が提供される。この方法は、a)二つのパネルの二つの隣接した縁部を水平方向で機械的に係止する二つの係止エレメントを含む機械式係止システムに工具を挿入する工程と、b)二つの係止エレメントを工具で垂直方向に分離する工程と、c)縁部を互いから遠ざかる方向に水平方向に変位し、機械式係止システムの係止を解除する工程とを含む。
【0035】
機械式スナップ係止システムは、一般的には、傾け及び縁部に沿った変位によって係止解除される。しかしながら、このような係止解除を行うことができない、例えば杉綾パターン等の設置パターンがある。縁部に対して垂直方向に水平方向に変位することによって、パネルの係止解除を行うことができるということが周知である。このような係止解除は、係止強度が非常に低いスナップシステムでしか行うことができない。本発明は、スナップシステムの水平方向係止解除を高い係止強度と組み合わせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
理解を促すため、係止システムを添付図面に概略に示す。好ましい実施例の組み合わせを使用し、改良された機能又は様々な機能を得ることができるということを強調しておかなければならない。本発明者は、特に積層フローリング及び木材フローリングの全ての種類のフロアパネルの、市販の全ての周知の係止システム、特に商業的に使用されている全ての係止システムを試験し、係止溝と協働する一つ又はそれ以上の係止エレメントを持つこれらの周知の係止システムの全てを、本発明の第1及び第2の特徴による、一つ又はそれ以上の可撓性係止エレメント又は先が尖った係止エレメントを持つシステムに合わせて調節できるという結論を得た。これらの多くは、本システムと適合性であるように、容易に調節できる。幾つかの可撓性係止エレメント又は先が尖った係止エレメントを、隣接した縁部の両方に、一方が他方と重なるように、又は側部と側部とを向き合わせて配置してもよい。本発明による係止エレメントは、長側部及び/又は短側部に設けられていてもよく、可撓性係止エレメント又は先が尖った係止エレメントを備えた一方の側を、全ての周知の係止システム、好ましくは、傾け又は垂直方向移動によって係止できる係止システムを備えていてもよい他方の側と組み合わせてもよい。本発明は、例えば長側部及び短側部に可撓性係止エレメントを備えたフロアパネル、又は側部を四個以上備えた、例えば側部を六個又は八個備えたパネルを除外しない。このようなパネルは、周知のスナップ嵌め、即ちスナップ設置方法によって設置できる。しかしながら、最も好ましい実施例は、積層体でできた表面層と、HDF製のコアと、スナップ嵌めを容易にできる可撓性係止エレメント又は先が尖った係止エレメントが短側部に設けられており且つ傾けによって係止できる一部品機械式係止システムが長側部に設けられた係止システムとを持つフロアボードである。長側部の係止システムは、タング/溝及び/又は係止エレメント/係止溝等の垂直方向係止又は水平方向係止で作用する少なくとも幾つかの表面間の隙間が0.01mm程度と小さい。この小さな隙間により、変位が容易になる。このようなフロアボードは、傾け及びスナップ嵌めによる設置が非常に容易である。
【0037】
ワックス等の化学物質により、長側部及び/又は短側部に作用する摺動抵抗を減少してもよい。例えば、傾け、摺動、及びスナップ嵌めと関連した摩擦を低減するため、機械加工した木材繊維を機械的に研削してもよいし、研磨してもよい。
【0038】
角度、寸法、丸みを付けた部分、等は、単なる例であって、本発明の原理内で調節できる。
【0039】
次に、本発明による機械式係止システムを備えたフロアパネル1、1’の第1の好ましい実施例を図2a及び図2bを参照して説明する。
【0040】
図2aは、パネル1の短側部接合縁5aと、これと向き合った第2パネル1’の短側部接合縁5bとの間の接合部の断面を概略に示す。
【0041】
これらのパネルの前側61は、本質的に、共通の水平方向平面HPに位置決めされ、接合縁5a、5bの上部は垂直方向平面VPで互いに当接する。機械式係止システムは、これらのパネルを、垂直方向D1並びに水平方向D2で互いに対して係止する。
【0042】
二つの接合縁をD1方向及びD2方向で接合するため、フロアパネルの縁部には、それ自体周知の方法で、第1係止エレメント8を持つ係止ストリップ6と、一方の接合縁5a(以下、溝側と呼ぶ)にパネルと一部品をなして形成された溝9と、反対側の接合縁5b(以下、タング側と呼ぶ)にパネルと一部品をなして形成されたタング10とが設けられている。タング10及び溝9が垂直方向D1で係止を行う。
【0043】
本発明による機械式係止システムは、パネルの反対側の縁部5bに形成された係止溝14に連結された、別体の可撓性第2係止エレメント15を含む。係止溝14は、図2aに示す実施例では、タング側に形成される。可撓性係止エレメントの部分を長さ方向で曲げることができ、係止溝内で変位できる。可撓性係止エレメント15は、係止溝14に配置された溝部分P1及び係止溝14の外に突出した突出部分P2を含む。別の材料で形成された可撓性第2係止エレメント15の突出部分P2は、一方の接合縁において、他方の接合縁でパネルと一部品をなして形成された第1係止エレメント8と協働する。
【0044】
この実施例では、パネル1は、例えば、HDF、合板、堅木等の木材繊維をベースとした材料でできた本体即ちコア60を備えていてもよい。パネル1、1’は、石材、金属、又はセラミック材料、又は同様の剛性材料で形成されていてもよい。これらの材料は可撓性でなく、一部品スナップ嵌めシステムを使用できない。
【0045】
可撓性第2係止エレメントは、タング10、及び/又は係止エレメント8を備えたストリップ6と組み合わせてもよい。係止エレメント8は、パネルに連結された別体の材料で形成されていてもよい。
【0046】
可撓性係止エレメント15は、丸みを付けた外部分31及び摺動面32を備えた突出部P2を有する。摺動面32は、この実施例では、ベベル状に形成されている。
【0047】
第1係止エレメント8は第1係止面20を有し、これは、可撓性第2係止エレメント15の第2係止面22と協働し、接合縁5a、5bを水平方向D2で係止する。この実施例では、係止面20、22は、垂直方向平面VPに対して僅かに角度(A)をなしている。従って、第2係止エレメント15は楔をなして係止し、可撓性第2係止エレメントの垂直方向可撓性による水平方向予張力により隙間をなくすことができる。
【0048】
図2bは別の実施例を示す。可撓性係止エレメント15の内部分P1は、係止溝14に固定されており、突出部分P2は、係止溝14及び内部分P1に向かって、及び第1係止エレメントに向かって垂直方向に撓むことができる。この実施例では、突出部分P2の曲げが中心点CPのところで生じる。係止面20、22は、突出部P2がその初期位置に向かってスナップ作用で戻るとき、互いに出会うように形成されている。
【0049】
図3a、図3b、及び図3cは、可撓性係止エレメント15が係止溝14内に変位する方法を示す。可撓性係止エレメント15は、図3aに示すように、変位面32が第1係止エレメント8の面取りを施した部分に押し付けられたとき、垂直方向に変位する。
【0050】
パネル1、1’の上縁部が接触したとき、又は所期の係止位置にあるとき、可撓性係止エレメント14がばね作用で戻り、図3cに示すように第1係止エレメント8に係止する。
【0051】
図4a、図4b、及び図4cは、可撓性係止エレメント15を持つ係止システムの係止及び係止解除を傾けによっても行うことができるということを示す。図4dは、可撓性係止エレメントをニードル状工具16で係止解除できる係止システムを示す。ニードル状工具16を接合縁に沿って挿入し、可撓性係止エレメント15を押し戻し、機械式係止システムを係止解除する。このような工具は、図12bの係止システムの係止解除にも使用できる。この実施例では、工具は、例えば、ストリップ6を押し戻すため、係止エレメント8の上方の空間45に挿入できる。機械式水平方向係止システムを係止解除するために係止エレメントを押し戻すのに幾つかの他の方法を使用できる。例えば、別の溝44を、図4dに示すように、ストリップ6の下に及び係止エレメント15の下に、縁部に対して垂直方向に形成してもよい。このような溝は、工具を縁部に沿って挿入できない所定のパターンをなして設置されたパネルを外すのに使用できる。このような係止解除は、短側部を長側部に対して傾け及びスナップ嵌めによって設置した、長側部を短側部に対して杉綾パターンをなして設置したパネルの係止解除に使用できる。更に、一つ又は幾つかの側部が本発明によるスナップ嵌めシステムで連結された六個又は八個の側部を持つパネルを外すのにも使用できる。
【0052】
図5a、図5b、及び図5cは、図2bの実施例による係止を示す。摺動面32が係止エレメント8と接触しているとき、タング10のチップ11が部分的に溝9内にあるのが有利である。これにより、パネルのスナップ嵌め及び設置が容易になる。
【0053】
図6a乃至図6eは、本発明の様々な実施例を示す。図6aは、二つのタング10、10’を持ち、係止溝14が前側に向かって開放したシステムを示す。図6bは、タング側の係止溝の一部が、垂直方向平面VPの外側のタング10内にあるシステムを示す。図6c及び図6dは、図6aと同様であるが、これらのシステムはタングを一つしか備えていない。図6eは、図2bによる実施例を示すが、係止溝14が前側に向かって開放している。この実施例では、フロアパネルは、木製の表面層及びラメラ(lamella)コアを持つ寄木フロアである。可撓性係止エレメント15は、可撓性係止エレメント15と係止溝14との間の摩擦を増大し且つこれらの間の機械的連結を容易にする突出部36を有する。
【0054】
可撓性係止エレメント15は、特に、可撓性係止エレメント15の部分が、係止中に係止溝14内で変位する場合、好ましくは、係止溝に高精度で連結されていなければならない。可撓性係止エレメントと係止溝との間の圧縮性及び摩擦に応じて、可撓性係止エレメント全体又は様々な部分を、小さな隙間で、例えば0.01mm乃至0.10mmで、精密に嵌着した状態で、又は予張力が加えられた状態で連結できる。ワックス又は他の摩擦低減材料又は化学物質を係止溝内に、及び/又は係止エレメント間に適用してもよい。
【0055】
隙間がある場合でも、上接合縁間を精密に嵌着できる。突出部P2は、係止エレメント8の係止面20に押し付けられるように形成されていてもよい。例えば、突出部P2は、垂直方向平面VPに対して小さな角度をなして形成されていてもよい。可撓性タングの突出部P2は、傾き、縁部を互いに押圧する。可撓性係止エレメント15は、係止位置で圧力を垂直方向に永久的に及ぼすように形成されていてもよい。このことは、可撓性係止エレメント15が初期位置にばね作用で戻るのが一部だけであるということを意味する。可撓性係止エレメントは、随意であるが、係止後にその初期位置に向かって僅かに移動するような寸法を持つように設計できる。徐々に完全連結状態となる。
【0056】
図7a乃至図7hは、可撓性係止エレメント15の様々な実施例を示す。図7aでは、可撓性係止エレメント15は型成形により成形されており、縁部区分ESの一方に摩擦連結部36を有する。この摩擦連結部36は、例えば、局所的な小さな突出部として形成できる。この摩擦連結部により、可撓性係止エレメントが工場でフロアパネルと一体化された場合には、可撓性係止エレメントは、設置中、又は製造中、パッケージング中、及び輸送中、係止溝14内に保持される。図7bでは、可撓性係止エレメント15は押し出しプラスチック形材である。
【0057】
図7cは、互いに連結された幾つかの可撓性係止エレメント15を含むブランク50を示す。この実施例では、可撓性係止エレメント15は型成形によって、好ましくは射出成形によって形成される。
【0058】
可撓性係止エレメントの製造に、PA(ナイロン)、POM、PC、PP、PET、又はPE、又は様々な実施例で上文中に説明した特性を持つ同様の材料等の任意の種類のポリマー材料を使用できる。これらのプラスチック材料は、例えばガラスファイバによって強化できる。好ましい材料は、ガラスファイバで強化したPAである。
【0059】
図7d及び図7eは、長さがLであり、中央区分MS及び縁部区分ESをもつ可撓性係止エレメント15を示す。この可撓性係止エレメントは、長さ方向で曲がることができ、突出部P2に力Fが加わったとき、突出部P2を係止溝内で垂直方向に変位させることができる。図7fは、ダブルタング15を示す。図7gは、弾性的に打ち抜いた内部分P1を持つ押し出し形材を示す。図7hは、突出部P2が縁部区分ESに設けられた可撓性タング15を示す。
【0060】
これらの製造方法及び基本原理により、様々な複雑な平面形状及び立体形状を低い費用で製造できる。勿論、可撓性係止エレメント15は、金属、好ましくはアルミニウムで形成してもよいが、HDF等の木材をベースとしたシート材料及び圧縮積層体を使用して可撓性係止エレメントを形成してもよく、これに機械加工及び打ち抜きを加えるとともに、例えば可撓性ゴム材料等と組み合わせてもよい。
【0061】
図8a、図8b、及び図8cは、フロアパネルの短側部5aで、可撓性係止エレメント15を溝14に連結する方法を示す。図8aは、図7bに示す可撓性タングを含む実施例を示し、図8bは、図7aによる実施例を示す。図8cは、可撓性係止エレメントを短側部5a、5bに備えており、傾けシステムC、Dを長側部4a、4bに備えたフロアパネルを示す。勿論、長側部に一つ又は幾つかの可撓性係止エレメントが設けられていてもよい。可撓性係止エレメント15の長さLは、この実施例では、フロアパネルの幅FLよりも小さい。非限定的例として、長さLがフロアの幅FWの0.8倍よりも小さい可撓性係止エレメントで十分な係止強度を得ることができると言うことができる。場合によっては、長さLがフロアの幅FWの0.5倍でも十分である。このような可撓性係止エレメントの重量は約1gであり、別体の材料を使用する他の周知の技術よりも材料費が大幅に低い。更に、可撓性係止エレメントを隅部分23から正確な距離のところで連結することは全く重要でないため、係止エレメントへの連結が非常に容易である。別の利点は、タング10が、従来のフロアパネルにおけるように、本質的に短側部全体に沿って延びているということである。これにより、特に隅部分23のところに強固な垂直方向連結部が形成される。勿論、可撓性係止エレメントは、本質的に、幅FL全体に亘って延びていてもよい。
【0062】
可撓性係止エレメントは、幾つかの方法で係止溝に連結できる。好ましい方法は、可撓性係止エレメントを機械的に固定することである。勿論、接着剤や機械的デバイスを使用してもよい。理解を簡単にするため、パネルを、その後側を上にし、可撓性係止エレメントを短側部に配置した状態で配置する。パネルを引っ繰り返して前側を上にしてもよい。可撓性係止エレメントは、型成形された場合にはブランク50から分離し、押し出し成形された場合にはロールから分離する。パネルの短側部が固定ユニットの下を変位するとき、可撓性係止エレメント15を係止溝14に押し込み、摩擦によって連結する。可撓性係止エレメントを分離し、摩擦力で固定する主な原理内で多くの変更を行うことができる。
【0063】
図9a乃至図9iは、全ての周知の係止システムを示す例である。特に、曲げることのできるストリップを持つ従来のスナップシステム(図9a、図9b、及び図9c、又は図9g、図9h、及び図9i)、又はリップ持つ従来のスナップシステム(図9d、図9e、及び図9f)を、本発明による可撓性係止エレメント15を含むスナップシステムに合わせて調節できる。一般的には、図9a及び図9bに示すように、係止溝の簡単な調節しか必要としない。このような調節は、同じ機械で、及び同数の切削工具で行うことができる。
【0064】
図10a乃至図10dは、可撓性係止エレメントを備えた係止システムで使用された原理を使用して、タング10の代わりに可撓性タング30を使用できるということを示す。これは、垂直方向で重ねることによって係止できる係止システムを提供するためである。一方のパネル1’を垂直方向平面VPに沿って垂直方向に、別のパネル1に向かって移動できる。この場合、可撓性タング30が、可撓性係止エレメントについて上文中に説明したのと同じ原理に従って水平方向に変位する。可撓性係止エレメントの全ての実施例を使用できる。勿論、可撓性係止エレメントを可撓性タングと組み合わせてもよい。このような係止システムは、傾け、スナップ嵌め、及び垂直方向で重ねることによって係止できる。図10dは、短側部の可撓性タング30を、長側部のタング10’及び溝9’の上部分と下部分との間に位置決めしてもよいということを示す。これにより、隅部分のところに更に強固な係止を提供する。
【0065】
本発明の範疇で、可撓性係止エレメントによるスナップ嵌めを行うため、様々の変更を行うことができる。
【0066】
上文中に説明した実施例の全ての特徴は、互いに組み合わせてもよいし、別々に使用してもよい。これらの特徴は、長側部及び/又は短側部で使用できる。例えば上文中に説明した実施例で説明した、溝14に挿入された別体の係止エレメント15を製造する方法は、勿論、係止エレメントが可撓性でない場合や垂直方向に変位できる場合でも、摩擦特性及び強度を改善するのに使用できる。係止溝内で変位自在でない、例えばプラスチック材料で形成できる、図3aに示す可撓性でない第2係止エレメント15は、例えば、以下に説明する本発明の第2の原理に従って使用できる。
【0067】
方法及び原理は、係止中に水平方向に曲がる可撓性タング10とともに使用してもよい。可撓性係止エレメントは、スナップ嵌め中に部分的に曲がる ストリップ6又はリップと組み合わせてもよい。このような湾曲の程度は、現在周知のシステムよりもかなり小さくてもよい。
【0068】
システムは、壁に設置されるタイル状パネルの連結に使用してもよい。これらのタイルは、互いに連結でき、壁に固定された係止部材に連結できる。
【0069】
図11a、図11b、及び図11cは、本発明の第2の原理による機械式スナップ係止システムを示す。この係止システムは、第1係止面20を持つ、パネルと一部品をなして形成された第1係止エレメント8と、この実施例においてアルミニウムシートである別の材料でできた第2係止エレメント15とを有する。第2係止エレメント15は、第1面40と、第2面41と、縁部分42とを含む。この縁部分42が、第2係止面である。比較的軟質の第1係止面20は、比較的硬質であり且つ先が尖った第2係止面42と協働し、パネル1、1’が水平方向に分離しないようにする。第2係止エレメント15は、この実施例では、タング側に設けられており、タング10の下側に接着剤で連結されているが、機械的に連結されていてもよい。
【0070】
非限定的例として、アルミニウムシートの厚さTは、1mmよりも小さくてもよく、好ましくは0.3mm乃至0.6mmであり、幅Wは、5mm以下である。幅Wは、タング10の幅WTよりも小さくなければならず、例えば1mm乃至3mmである。重なった係止面は、1mmよりも小さくてもよい。好ましくは、これらの重なった係止面は、例えば0.2mm乃至0.4mm程度であってもよい。このことは、上リップ43及びストリップ6の湾曲が0.1mm乃至0.2mm程度又はそれよりも小さくてもよいということを意味する。
【0071】
スナップ嵌め中のこのような小さな湾曲により、木材をベースとした材料におけるスナップ抵抗を小さくする。
【0072】
水分と関連した係止ストリップ6の曲げが生じないようにするため、係止ストリップ6の外部分47のバランシング層46を除去してもよい。係止ストリップ6の曲げは、幾つかのフロアパネルにおいて、特に、係止エレメントが小さい係止システムで問題を生じる。
【0073】
図12a及び図12bは、スナップ抵抗が高く、係止強度が低い一部品スナップ係止システムを、本発明の第2の原理による、適合性の、係止スナップ係止システムに変える方法を示す。
【0074】
図12c乃至図12fは、第2係止エレメント15を接着剤で連結した実施例を示す。図12d及び図12fは、更に、第1係止エレメントが極めて小さいか或いは存在しないということを示す。先が尖った第2係止面は、木材に対してナイフエッジ状の食い込みを形成する。これらの実施例の利点は、係止エレメントを正確に位置決めする必要がないということである。これは、上縁部が互いにぴったりと接触している場合、第2係止エレメント15が常に係止されるためである。
【0075】
係止エレメント間の係止位置で、ストリップ6及び/又は上リップ43により垂直方向予張力が及ぼされる場合には、係止強度が大幅に上昇する。
【0076】
図12g乃至図12jは、第2係止エレメントをパネルに機械的に連結した実施例を示す。これらの図は、更に、第1及び第2の原理を組み合わせることができるということを示す。第2係止エレメント15は可撓性であり且つ先が尖っており、小さなスナップ抵抗で極めて強固なスナップ係止を行うことができる。傾け及び/又はスナップ嵌め又は垂直方向で重ねることによって係止できる係止システムで全ての実施例を使用できる。
【0077】
原理的には、機械式係止システムのスナップ抵抗を減少するため及び/又は係止強度を向上するため、強固な材料、又はフロアパネルのコア材料と異なる摩擦特性を提供する全ての材料を、別体の材料の係止エレメントとして使用できる。木材をベースとした材料に化学物質を含浸してもよく、同様の利点を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】図1a乃至図1gは、従来技術を示す図である。
【図2】図2a及び図2bは、本発明の第1の特徴の二つの実施例を示す図である。
【図3】図3a、図3b、及び図3cは、本発明の第1の特徴に従ってフロアパネルを機械的に接合する幾つかの工程を示す図である。
【図4】図4a乃至図4dは、本発明の第1及び第3の特徴に従ってフロアパネルの機械的係止及び係止解除を行う幾つかの工程を示す図である。
【図5】図5a、図5b、及び図5cは、本発明の別の実施例に従ってフロアパネルの機械的係止を行う幾つかの工程を示す図である。
【図6】図6a乃至図6eは、本発明の実施例を示す図である。
【図7】図7a乃至図7hは、可撓性係止エレメントの様々な実施例を示す図である。
【図8】図8a、図8b、及び図8cは、長側部及び短側部に設けられた本発明による係止システムの図である。
【図9】図9a乃至図9iは、従来技術の係止システムを本発明による係止システムに変換する方法を示す図である。
【図10】図10a乃至図10dは、可撓性係止エレメントを、垂直方向連結を可能にする可撓性タングとして使用するための方法を示す図である。
【図11】図11図11b、及び図11cは、本発明の第2の特徴の一実施例による、幾つかの機械的係止工程を示す図である。
【図12】図12a乃至図12jは、本発明の実施例を示す図である。
【符号の説明】
【0079】
1、1’ フロアパネル
5a、5b 短側部接合縁
6 係止ストリップ
8 第1係止エレメント
9 溝
10 タング
14 係止溝
15 可撓性第2係止エレメント
16 ニードル状工具
20 第1係止面
22 第2係止面
31 外部分
32 摺動面
44 溝
45 空間
60 コア
61 パネル前側
HP 水平方向平面
VP 垂直方向平面
D1 垂直方向
D2 水平方向
P1 溝部分
P2 突出部分
【図1a】

【図1b】

【図1c】

【図1d】

【図1e】

【図1f】

【図1g】

【図2a】

【図2b】

【図3a】

【図3b】

【図3c】

【図4a】

【図4b】

【図4c】

【図4d】

【図5a】

【図5b】

【図5c】

【図6a】

【図6b】

【図6c】

【図6d】

【図6e】

【図7a】

【図7b】

【図7c】

【図7d】

【図7e】

【図7f】

【図7g】

【図7h】

【図8a】

【図8b】

【図8c】

【図9a】

【図9b】

【図9c】

【図9d】

【図9e】

【図9f】

【図9g】

【図9h】

【図9i】

【図10a】

【図10b】

【図10c】

【図10d】

【図11a】

【図11b】

【図11c】

【図12a】

【図12b】

【図12c】

【図12d】

【図12e】

【図12f】

【図12g】

【図12h】

【図12i】

【図12j】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣接した一対の縁部に沿って互いに機械的に連結できる複数のフロアパネル(1、1’)を含み、これらのフロアパネルには、前記隣接した縁部を前記パネルの主平面に対して直角に互いに機械的に係止し、これによって、前記パネル間に垂直方向機械的連結部(D1)を形成するためのタング(10)及び溝(9)が、前記パネルと一部品をなして形成されており、前記パネルには、一方のパネルの第1縁部に前記パネルと一部品をなして形成された第1係止エレメント(8)と、反対側のパネルの第2縁部に形成された係止溝(14)とが設けられており、前記係止溝は、前記パネルの後側又は前側に向かって開放している、フローリングシステムにおいて、
各パネルには、別体の材料で形成されており且つ前記係止溝(14)に連結された第2係止エレメント(15)が設けられており、
前記第1及び第2の係止エレメントは、前記パネルを互いに前記主平面と平行な水平方向(D2)に且つ前記接合縁に対して直角をなして係止する機械式連結部を形成し、
前記第2係止エレメント(15)は、二枚のパネルを互いに向かって水平方向に変位することによって機械的に接合できるように、可撓性であり且つ弾性であり、この際、前記第2縁部の前記第2係止エレメントの少なくとも一部は、前記二枚のパネルの前記隣接した縁部が水平方向で互いに係合するまで、垂直方向に弾性的に変位され、前記第2縁部の前記第2係止エレメントは、前記第1縁部の前記第1係止エレメントに対し、その初期位置に向かって変位する、ことを特徴とするフローリングシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のフローリングシステムにおいて、
前記係止溝(14)は、前記後側に向かって開放している、ことを特徴とするフローリングシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のフローリングシステムにおいて、
前記係止溝(14)は、前記前側に向かって開放している、ことを特徴とするフローリングシステム。
【請求項4】
請求項2に記載のフローリングシステムにおいて、
前記第1係止エレメントは、前記溝(9)の下部分の延長部である係止ストリップ(6)に設けられており、前記係止ストリップ(6)は、垂直方向平面(V)を越えて延びる、ことを特徴とするフローリングシステム。
【請求項5】
請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載のフローリングシステムにおいて、
前記第2係止エレメント(15)は、前記係止溝(14)に配置された溝部分(P1)と、前記係止溝(14)の外側に配置された突出部分(P2)とを有し、これらの溝部分と突出部分は、前記パネルを水平方向に変位するとき、互いに向かって変位する、ことを特徴とするフローリングシステム。
【請求項6】
請求項1乃至5のうちのいずれか一項に記載のフローリングシステムにおいて、
前記第2係止エレメント(15)の変位は、前記タング(10)の一部が前記溝(9)内にある限り行われない、ことを特徴とするフローリングシステム。
【請求項7】
請求項6に記載のフローリングシステムにおいて、
前記第2係止エレメント(15)の一部が前記係止溝(14)内で変位する、ことを特徴とするフローリングシステム。
【請求項8】
請求項1乃至7のうちのいずれか一項に記載のフローリングシステムにおいて、
前記第2係止エレメント(15)は、その長さ(L)に沿って少なくとも二つの区分(MS、ES)を有し、これらの区分のうちの一方の区分の変位が、これらの区分のうちの他方の区分の変位よりも大きい、ことを特徴とするフローリングシステム。
【請求項9】
請求項8に記載のフローリングシステムにおいて、
前記第2係止エレメント(15)は、連結状態で前記係止溝(14)の外側に配置される突出部分(P2)と、前記係止溝内の溝部分(P1)とを有し、前記突出部分及び/又は前記溝部分の大きさは、前記可撓性係止エレメントの長さに沿って変化する、ことを特徴とするフローリングシステム。
【請求項10】
請求項1に記載のフローリングシステムにおいて、
前記可撓性係止エレメントは、隅部分(23)から間隔が隔てられている、ことを特徴とするフローリングシステム。
【請求項11】
請求項1乃至10のうちのいずれか一項に記載のフローリングシステムにおいて、
前記第2係止エレメント(15)は、ポリマー材料製である、ことを特徴とするフローリングシステム。
【請求項12】
請求項11に記載のフローリングシステムにおいて、
前記第2係止エレメント(15)は、型成形した又は押し出した、ガラスファイバで強化したポリマー材料で形成されている、ことを特徴とするフローリングシステム。
【請求項13】
請求項11又は12に記載のフローリングシステムにおいて、
前記ポリマー材料は、熱可塑性材料である、ことを特徴とするフローリングシステム。
【請求項14】
請求項1に記載のフローリングシステムにおいて、
前記第2係止エレメント(15)は、前記突出部分(P2)に摺動面(32)を有し、前記タング(10)のチップ(11)は、前記第2係止エレメント(15)の前記摺動面(32)が前記第1係止エレメント(8)と接触したとき、一部が溝(9)内にある、ことを特徴とするフローリングシステム。
【請求項15】
隣接した一対の縁部に沿って互いに機械的に連結できる複数のフロアパネル(1、1’)を含み、
これらのフロアパネルは、
前記一対の隣接した縁部を前記パネルの主平面に対して直角に互いに機械的に係止し、これによって、前記パネル間に垂直方向機械的連結部(D1)を形成するため、前記パネルと一部品をなして形成されたタング(10)及び溝(9)と、
一方のパネルの第1縁部に前記パネルと一部品をなして形成された第1係止エレメント(8)と、
前記パネルに連結された別体の材料でできた第2係止エレメント(15)とを含み、
前記第1及び第2の係止エレメントは、前記パネルを、前記主平面と平行に水平方向に、及び前記接合縁(D2)に対して直角をなして互いに係止する機械的連結部を形成し、
これによって、前記フロアパネル(1、1’)を、前記二つのパネルを互いに向かって水平方向に変位することによって機械的に接合でき、この際、前記第1係止エレメント(8)及び前記第2係止エレメント(15)は、先ず最初に、互いから遠ざかる方向に垂直方向に変位した後、互いに向かって垂直方向に変位する、フローリングシステムにおいて、
前記第2係止エレメント(15)は、前記第1係止エレメント(8)の材料よりも密度が高いシート状材料で形成されており、
前記第2係止エレメント(15)は、第1面(40)と、第2面(41)と、前記第1面(40)と前記第2面(41)との間の縁部分(42)とを有し、
前記縁部分(42)は、前記第1係止エレメントの第1係止面(20)と接触し、前記パネルが水平方向に分離しないようにする、第2係止面の少なくとも一部を形成する、ことを特徴とするフローリングシステム。
【請求項16】
請求項15に記載のフローリングシステムにおいて、
前記シート状材料はアルミニウムシートである、ことを特徴とするフローリングシステム。
【請求項17】
請求項15又は16に記載のフローリングシステムにおいて、
前記第2係止エレメントは、前記パネルに接着剤で連結されている、ことを特徴とするフローリングシステム。
【請求項18】
請求項15又は16に記載のフローリングシステムにおいて、
前記第2係止エレメントは、前記パネルに機械的に連結されている、ことを特徴とするフローリングシステム。
【請求項19】
請求項17又は18に記載のフローリングシステムにおいて、
前記シート状材料は、少なくとも前記厚さ(T)の二倍の幅(W)を有する、ことを特徴とするフローリングシステム。
【請求項20】
請求項19に記載のフローリングシステムにおいて、
前記シート状材料は、前記タング(10)の前記幅(WT)よりも小さい幅(W)を有する、ことを特徴とするフローリングシステム。
【請求項21】
請求項15に記載のフローリングシステムにおいて、
スナップ作用中の前記ストリップ(6)の曲げは、0.3mmよりも小さい、ことを特徴とするフローリングシステム。
【請求項22】
請求項1乃至21のうちのいずれか一項に記載のフローリングシステムにおいて、
前記係止強度は、前記スナップ抵抗よりも少なくとも三倍大きい、ことを特徴とするフローリングシステム。
【請求項23】
フロアパネルを、スナップ作用とは逆方向に水平方向に移動することにより外す方法において、
二つのパネル(1、1’)の二つの隣接した縁部を水平方向(D2)で機械的に係止する二つの係止エレメント(8、15)を含む機械式係止システムに工具(16)を挿入する工程と、
前記二つの係止エレメントを前記工具で垂直方向に分離する工程と、
前記縁部を互いから遠ざかる方向に水平方向に変位し、機械式係止システムの係止を解除する工程とを含む、ことを特徴とする方法。

【公表番号】特表2008−534825(P2008−534825A)
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−503988(P2008−503988)
【出願日】平成18年1月10日(2006.1.10)
【国際出願番号】PCT/SE2006/000033
【国際公開番号】WO2006/104436
【国際公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【出願人】(504033441)ベーリンゲ、イノベイション、アクチボラグ (17)
【氏名又は名称原語表記】VAELINGE INNOVATION AB
【Fターム(参考)】