説明

ブテン−1共重合体およびそれらの製造方法

本発明は、以下の性質:
a)反応性比の積 r1・r2 ≦2;
b)アイソタクチック・ペンタッドの形態にあるブテン−1単位の含量(mmmm)>98%;および
c)ブテン単位の4,1挿入の不存在
によって特徴付けられる、エチレンおよび/またはプロピレンから誘導される単位を40モル%まで含むブテン−1共重合体に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エチレンおよび/またはプロピレンから誘導された単位を40モル%まで含むブテン−1共重合体およびそれらの製造法に関する。
【背景技術】
【0002】
ブテン−1共重合体は、当分野で周知であり、適用分野が広い。特に、コモノマーの含量が低い(1−3モル%)ブテン−1共重合体は、一般的に耐圧性、耐クリープ性、衝撃強さに関する良好な特性によって特徴付けられ、パイプ製造において金属パイプに代わるものとして使用することができる。
【0003】
パイプ分野での適用にとって重要な面の1つは、それらが容易なパイプの作業性と力学的抵抗を併せもつために有していなければならない柔軟性と剛性の間の優れたバランスである。
【0004】
その上、より高い含量のコモノマーをもつブテン−1共重合体は、プラスチック材料のシーリング強さ、柔軟性および柔らかさのような特定の性質を調節するために、例えば他のポリオレフィンまたはポリマー物質とのブレンド成分として使用することができる。
【0005】
ブテン−1共重合体は、助触媒としてのジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)と共にTiCl3ベースの触媒成分の存在下に、ブテン−1を共重合することによって製造することができる。
【0006】
しかしながら、この方法によって得られる共重合体は、ポリマー鎖中のコモノマーの実質的に非ランダムな分布のために、一般的に満足できる性質を示さない。さらに、TiCl3ベースの触媒で得られる低い収率の点で、これらの触媒で製造されるブテン−1共重合体は、除灰段階を必要としてポリマーの性質を低下させる高い含量の触媒残留物(通常300 ppmより高いTi)を有する。
【0007】
ブテン−1/プロピレン共重合体およびそれらの製造方法は、EP-A-353319に記載されている。該共重合体は、チタン化合物とMgCl2上に担持されたフタレートを含む固体成分、アルキルアルミニウム化合物、および外部電子供与化合物としての複素環化合物、特に1,8−シネオールを含む立体特異触媒の存在下に、モノマーを共重合させることによって得られる。
【0008】
EP-A-353318では、同じ触媒系がブテン−1/エチレン共重合体を製造するために使用された。両特許出願は、共重合体の柔軟性と剛性のバランスに影響を与える、モノマー反応性比の積やアイソタクチック・ペンタッドのパーセントのような、重合体のある種の性質に関しては何も記述していない。
【0009】
本出願人は上記の出願に開示されている共重合体を再製し、ポリマー鎖中のコモノマーの分布とアイソタクチシティとの間のバランスが完全に満足できるものではないことが分かった。
【0010】
ブテン−1/エチレン共重合体は、PCT/EP 02/06574中にも、メタロセン化合物をベースとした触媒を使用することにより開示されている。しかしならが、この種の共重合体には、ブテン−1単位の4,1挿入(insertion)によるレジオエラーが存在する。
【0011】
ポリマー鎖中のこの種のレジオエラーは、4,1挿入がポリマー鎖中の2つの連続したエチレン単位と同等であると考えることができるので、共重合体のコモノマー含量を調整することをより難しくする。
【0012】
このように、種々の用途に適した、複雑な性質を有する新しいブテン−1共重合体を見出すことが望まれていた。我々は、この要求が、ブテン−1単位の4,1挿入がなくて、コモノマーのアイソタクチシティと分布との間に特定のバランスを有するブテン−1共重合体によって満たされることを見出した。
【0013】
それゆえ、エチレンおよび/またはプロピレンから誘導される単位を40モル%まで含むブテン−1共重合体を提供することが、本発明の一つの目的であり、該共重合体は次の性質で特徴付けられる:
a)コモノマー反応性比の積 r1・r2≦2;
b)アソタクチック・ペンタッドの形態にあるブテン−1単位の含量 (mmmm)> 98%;および
c)4,1ブテン単位の挿入の不存在。
【0014】
特に、本発明の目的である共重合体は、次の特徴を有する:
a)コモノマー反応性比の積 r1・r2≦1.5、好ましくは r1・r2≦1
b)アソタクチック・ペンタッドの形態にあるブテン−1単位の含量 (mmmm)≧98.5%、好ましくは≧99%;および
c) 4,1挿入の不存在。
【0015】
好ましくは、r1・r2≦1に対応して、(mmmm)の含量は>99%である。さらに、本発明の共重合体は、以下に特定された方法によって測定された多分散度指数(Polydispersity Index)が2〜15の範囲、より好ましくは3〜10の範囲、そして特に4〜8の範囲にある。
【0016】
本発明の共重合体中のエチレンまたはプロピレンから誘導された単位の含量は、好ましくは0.1〜35モル%の範囲であり、より好ましくは0.5〜30モル%である。
約3モル%より低い、特に2.5%より低い含量のエチレンまたはプロピレンを有する共重合体は、特にパイプの分野での使用に適している。この場合、エチレンは好ましいコモノマーである。コモノマーの含量が2〜15モル%の範囲、好ましくは3〜12%であるブテン−1共重合体は、低いシール開始温度における使用や繊維用のポリマー組成物を製造するのにも適している。
【0017】
本出願人は、本発明によるブテン−1共重合体は、コモノマー含量が特にコモノマーがエチレンである場合に約12モル%以上であるとき、通常、非晶質になることも観察した。事実、コモノマーの含量がこのような値では、融点は熱分析を行うことによってはもはや検出できない。
【0018】
さらに、0℃でキシレンに溶解する画分の量は95%より大きくなる。このような特定の共重合体は、70より低い、そしてある場合には50より低いショアーA値によって示されるように、非常に柔らかいことも分かった。これらの性質に鑑みて、これらの共重合体は、あるレベルの柔らかさが要求される用途に使用するためのポリマー組成物の成分として特に使用され得る。
【0019】
したがって、本発明のさらなる目的は、次のものを含むポリマー組成物から構成される:
(A)本発明の目的共重合体を1〜99重量%;および
(B)他のポリマー成分を99〜1重量%;
上記のパーセントは(A)+(B)の和に基づく。
【0020】
特に、(A)は10〜90%の範囲の量であり、(B)は90%〜10%の範囲の量で存在し得る。好ましくは、成分(B)はオレフィン共重合体を含む。特に、成分(B)はエチレン含有共重合体、プロピレン含有共重合体およびそれらの混合物から選択され得る。
【0021】
特に、次のものを含むポリマー組成物が興味ある:
(A)エチレンまたはプロピレンを1〜15モル%有する本発明のブテン−1共重合体を5〜40重量%;および
(B)エチレンおよび/または式CH2=CHR(ここで、RはC2-C10の炭化水素基である)のα―オレフィンを1〜30モル%含むプロピレン共重合体を60〜95重量%;このパーセントは(A)+(B)の和に基づく。
【0022】
好ましくは、上記のα−オレフィンはブテン−1である。特に、興味があるのは、(B)が(a)エチレンとブテン−1の両方を含むプロピレン共重合体であって、エチレンの含量が1〜10%であり、ブテン−1の含量が1〜10%である、および(b)ブテン−1を2〜15モル%含むプロピレン共重合体から選択される組成物である。
【0023】
特に低いシール開始温度(SIT)が要求される用途で有用なこの組成物は、先行技術のブテン−1共重合体が使用されている組成物に比べて、SITおよび機械的特性の点でより良い性能を示す。
【0024】
あらかじめシールされた2層間に特定の範囲の剥離力を必要とする用途(シール−剥離用途)に使用されるポリマー組成物の製造に本発明の共重合体を使用することによって、興味ある結果も得られた。
【0025】
一般的に、これらの配合物は以下のものを含む:
(i)本発明のブテン−1共重合体を5〜25重量%、および
(ii)エチレンポリマーを75〜95重量%;このパーセントは(i)+(ii)の和に基づく。
【0026】
エチレンポリマーは、エチレン単独重合体もしくは共重合体であることができる。特に、それは、高圧、高温、ラジカル開始重合によって得られる分岐エチレン単独もしくは共重合体(LDPE)、チーグラー−ナッタ触媒またはそれらの混合物のような周知の配位触媒の使用により得られる、線状エチレンの単独重合体または4〜10の炭素原子を有するアルファ−オレフィンとの線状エチレンの共重合体(HDPEまたはLLDPE)から選択することができる。
【0027】
この場合でも、本発明の共重合体を含む組成物は、先行技術のブテン−1共重合体が用いられる組成物に比べて、剥離性能の点でより良い性能を示した。
【0028】
本発明のブテン−1共重合体は、(A)チタン化合物およびMgCl2上に担持された内部電子供与体化合物を含む固体成分;(B)アルキルアルミニウム化合物、および任意に(C)外部電子供与体化合物を含む、立体特異触媒の存在下にモノマーを重合させることによって製造することができる。
【0029】
活性型のマグネシウムジクロライドが担持体として好ましく使用される。活性型のマグネシウムジクロライドがチーグラー−ナッタ触媒の担持体として特に適していることが、特許文献から広く知られている。特に、USP 4,298,718 および USP 4,495,338は、チーグラー−ナッタ触媒におけるこれらの化合物の使用を記述した最初のものである。
【0030】
オレフィン重合用の触媒成分中に担持体またはコ−担持体として用いられる活性型のマグネシウムジハライドは、非活性型ハライドのスペクトルに現れる最も強い回折線が、その強度において消えること、およびその最大強度がより強い線のそれに比較して、より低い角度の方へ移動させられるハロによって置き換わる、X線スペクトルによって特徴付けられることが、これらの特許から知られている。
【0031】
本発明の触媒成分中に用いられる好ましいチタン化合物は、TiCl4およびTiCL3である。さらに、式Ti(OR)n-yXy(ここで、nはチタンの原子価であり、Xはハロゲン、好ましくは塩素であり、yは1とnの間の数である)のTi−ハロアルコラートも使用され得る。
【0032】
内部電子供与体化合物は、好ましくはエステルから選択され、より好ましくは、例えば安息香酸のようなモノカルボン酸、または例えばフタル酸もしくはこはく酸のようなポリカルボン酸のアルキル、シクロアルキルもしくはアリールエステルから選択される。このアルキル、シクロアルキルもしくはアリール基は1〜18の炭素原子を有する。
【0033】
上記の電子供与体化合物の例は、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジエチルおよびフタル酸ジヘキシルである。一般的に、内部電子供与化合物は、MgCl2に対してモル比で0.01〜1、好ましくは0.05〜0.5で使用される。
【0034】
固体触媒成分の製造は、いくつかの方法により行うことができる。
これらの方法の1つに従えば、無水状態のマグネシウムジクロライドと内部電子供与体化合物が、マグネシウムジクロライドの活性化が起こる条件下で一緒に粉砕される。このようにして得られた物質は、80〜135℃の間の温度で過剰の TiCl4で1回以上処理され得る。次いで、塩素イオンが消えるまで炭化水素溶媒で洗浄される。
【0035】
さらなる方法によれば、無水の状態のマグネシウムクロライド、チタン化合物および内部電子供与体化合物を一緒に粉砕することにより得られる物質が、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロメタンなどのようなハロゲン化炭化水素で処理される。この処理は1〜4時間、40℃からハロゲン化炭化水素の沸点までの温度で行われる。得られた生成物は、次いで通常、ヘキサンのような不活性炭化水素溶媒で洗浄される。
【0036】
別の方法によれば、マグネシウムジクロライドが周知の方法で前もって活性化され、次いで約80〜135℃の温度で、溶液中に内部電子供与体化合物を含む過剰のTiCl4で処理される。TiCl4での処理が繰り返され、固体が未反応のTiCl4を除去するためにヘキサンで洗浄される。
【0037】
さらなる方法は、マグネシウムアルコラートまたはクロロアルコラート(特に、U.S. 4,220,554に従って製造されたクロロアルコラート)と、溶液中に内部電子供与体化合物を含む過剰のTiCl4とを約80〜120℃の温度で反応させることを含む。
好ましい方法によれば、固体触媒成分は、式Ti(OR)n-yXy(ここで、nはチタンの原子価であり、yは1およびnの間の数である)のチタン化合物、好ましくは TiCl4を、式MgCl2・pROH(ここで、pは0.1〜6の間の数、好ましくは2〜3.5の数であり、Rは1−18の炭素原子を有する炭化水素基である)の付加物から誘導されるマグネシウムクロライドと反応させることによって製造される。
【0038】
上記の付加物は、アルコールとマグネシウムクロライドとを、付加物と非相溶性の不活性な炭化水素の存在下で混合し、付加物の溶融温度(100−130℃)で攪拌条件下に操作することによって、球状の形態に好適に製造することができる。次いで、エマルジョンはすばやく冷却され、それにより球状粒子の形態に付加物の固化が起こる。この方法により製造された球状付加物の例は、USP 4,399,054 および USP 4,469,648に記載されている。
【0039】
このようにして得られた付加物は、チタン化合物と直接反応させることができるか、あるいはアルコールのモル数が一般的に3より低く、好ましくは0.1と2.5との間にある付加物を得るように、前もって熱的に制御された脱アルコール化(80〜130℃)に付すことができる。
【0040】
チタン化合物との反応は、付加物(脱アルコール化されたかまたはそのままの)を冷TiCl4(通常0℃)中に懸濁することによって行うことができ;混合物は80−130℃まで加熱され、この温度で0.5−2時間保たれる。TiCl4での処理は、1回以上行うことができる。内部電子供与体化合物は、TiCl4で処理の間、加えることができる。電子供与体化合物での処理は、1回以上繰り返すことができる。
【0041】
球状の形態にある触媒成分の製造は、例えばヨーロッパ特許出願EP-A-395083、 EP-A-553805、 EP-A-553806、 EPA-601525およびWO98/44001に記載されている。
【0042】
上記の方法で得られる固体触媒成分は、通常20〜500 m2/g、好ましくは50〜400 m2/gの間の表面積(B.E.T.法による)を示し、0.2 cm3/gより高く、好ましくは0.2〜0.6 cm3/gの間の総多孔度(B.E.T.法による)を示す。10.000Åまでの半径を有する細孔による多孔度(Hg法)は、通常 0.3〜 1.5 cm3/g、好ましくは 0.45〜 1 cm3/gの範囲である。
【0043】
アルキル−アルミニウム化合物(B)は、好ましくは例えばトリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウムのようなトリアルキルアルミニウム化合物から選択される。トリアルキルアルミニウム化合物とアルキルアルミニウムハライド、アルキルアルミニウムハイドライドまたはAlEt2Cl および Al2Et3Cl3のようなアルキルアルミニウムセスキクロライドとの混合物を用いることも可能である。
【0044】
外部供与体(C)は、好ましくは式Ra5Rb6Si(OR7)c(ここで、aおよびbは0〜2の整数であり、cは1〜3の整数であり、(a+b+c)の和は4であり;R5、R6 および R7は任意に複素原子を含んでいてもよい1−18の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキルまたはアリール基である)のケイ素化合物から選択される。
【0045】
特に好ましいシリコン化合物のグループは、aが0であり、cが3であり、bが1であり、R6が任意に複素原子を含んでいてもよい分岐アルキルまたはシクロアルキル基であり、R7がメチルであるものである。そのような好ましいシリコン化合物の例は、シクロヘキシルトリメトキシシラン、t−ブチルトリメトキシシランおよびテキシル(thexyl)トリメトキシシランである。テキシルトリメトキシシランの使用が特に好ましい。
【0046】
電子供与体化合物(C)は、有機アルミニウム化合物と該電子供与体化合物(c)との間のモル比が0.1〜500、好ましくは1〜300、より好ましくは3〜100となるような量で用いられる。
【0047】
重合工程に特に適した触媒を作るために、初期重合工程で該触媒を初期重合させることが可能である。この初期重合は、液体中(スラリーもしくは溶液)または気相中で、通常100℃より低い温度、好ましくは20〜70℃の間で行うことができる。初期重合工程は、少量のモノマーで、固体触媒成分1グラム当たり0.5〜2000g、好ましくは5〜500g、より好ましくは固体触媒成分1グラム当たり10〜100gの量の重合体を得るのに必要な時間行われる。
【0048】
重合工程は、例えば希釈剤として液体不活性炭化水素を使用するスラリー重合、または反応媒体として例えば液体ブテン−1を使用する溶液重合のような、公知の技術により行うことができる。さらに、気相中で、1以上の流動床もしくは機械的攪拌床反応器中で操作する、重合工程を行うことも可能である。反応媒体としての液体ブテン−1中で行われる重合が極めて好ましい。
【0049】
重合は、通常20〜120℃、好ましくは40〜90℃の温度で行われる。重合は、分子量調節剤の濃度、コモノマーの濃度、温度、圧力などのような同一または異なった反応条件下に操作することができる、1以上の反応器中で行うことができる。
【0050】
異なった条件下での1つより多い反応器中での操作は、2つの反応容器中で異なった平均分子量を有するブテン−1共重合体の製造に導くことができ、それ故に任意に2つのモードのあるタイプのより広い分子量分布をもった重合体の製造に導くことができる。
【0051】
さらに、異なった条件下での1つより多い反応器中での操作は、最終ポリマーの性質を要求に合うように種々の重合段階を適当に調節できるという利点を有している。この技術は、約10モル%以上のコモノマー含量を有する本発明の共重合体の製造に含まれる作業上の問題を解決するのに非常に効果的であることが証明された。事実、これらの生成物はペレット化のようなある種の作業の間に問題を与え得る。
【0052】
本出願人は驚くべきことに、もし最終のコモノマー含量が約10%以上であるブテン共重合体が、連続して操作される2つ以上の反応容器中で、少なくともそれらの1つにおいて検出できる溶融温度を有する共重合体画分が生成するような条件下に行われる共重合を通して得られるならば、上記の作業上の問題は最小化されるか、または十分に解決されることを見出した。
【0053】
その上、そのようにして得られた生成物は、一定のコモノマー全含量について、同じ全コモノマー含量を有するけれども単一に設定された重合条件により得られる共重合体と比べて、より良い機械的特性、特により高い引張り強さを示す。
【0054】
例えば、エチレン単位の全含量が10〜25モル%の範囲にあるブテン−1/エチレン共重合体は、異なる条件下での2つの重合ステップ、すなわち1つのステップで10%より低い、例えば1〜9%のコモノマーを有する共重合体を製造し、他のステップで10%より高い、例えば15〜40モル%の範囲のコモノマー含量を有するもう1つのコポリマーを製造することにより、都合よく製造することができる。
【0055】
望まれる特性の種類によって、当業者は目標に合うコモノマーの最終含量を得るために、ブレンドされる種々のフラクション間の量的バランスを容易に調節することができる。このようにして得られる共重合体は、単一に設定された重合条件で得られる共重合体と同じ用途をもつことができる。したがって、それらはあるレベルでの柔らかさが要求される用途に用いるためのポリマー組成物を製造するのに特に適している。
【0056】
上記のように、本発明の共重合体は多くの用途に用いるのに適している。慣習に従って,これらの用途の各々に対して、当該分野の専門家は、本発明の特徴を逸脱しない限り、特定の性質を付与できるポリマー成分、添加物(安定化剤、抗酸化剤、耐腐蝕剤、核剤、加工助剤などのようなもの)、および有機もしくは無機充填剤をさらに加えることができる。
【0057】
以下の実施例は、本発明をより良く説明するためのものであり、本発明を限定するものではない。
特徴づけ
【0058】
コモノマー成分
13C-NMRスペクトルは、ジ重水素化1,1,2,2-テトラクロロエタン中のポリマー溶液(8-12 重量%)について、120℃で行われた。13C-NMRスペクトルは、90°パルス、パルス間の遅れ15秒および1H-13Cカップリングを除くCPD (WALTZ16)を用い、120℃で、フーリエ変換様式による100.61 MHzで操作するブルカー DPX-400 スペクトロメーターで得られた。約1000トランジェントがスペクトラルウインドウ60 ppm(0-60ppm)を用い、32Kデータポイントに蓄積された。
【0059】
ブテン−エチレン共重合体
エチレン含量は、次のように計算されるトリアッドの分布 ([E] = [EEE] + [EEB] + [BEB]) から得られた。
【0060】
【数1】

【0061】
ここで、Σ= (C-2I)+B+L+I+D+(0.25F+0.5G)、B, C, D, F, G, I, Lは、 13C NMRスペクトルのピークの積分である(29.9 ppmでのEEEシーケンスのピークを標準として)。これらのピークの同定は、J.C. Randall, Macromol. Chem Phys., C29, 201 (1989)によりなされ、表Aに報告される(C.J. Carman, R.A. Harrington および C.E. Wilkes, Macromolecules, 10, 536 (1977)により命名)。
【0062】
【表A】

【0063】
ブテン/プロピレン共重合
プロピレン含量は、次のように計算されるトリアッドの分布 ([P] = [PPP] + [PPB] + [BPB])から得られた。
【0064】
【数2】

【0065】
ここで、Σ= M +L+I+0.5D+ 1/3(A+0.5 (B+E)+2 A+B+E)+ (C+0.5B)、そしてA, B, C, D, E, I, L, Mは、13C NMRスペクトルのピークの積分である(5組アイソタクチックBBBBBの分岐中のCH2炭素による27.73ppmのピークを内部標準とする)。これらのピークの同定は、H.N. Cheng, Journal of Polymer Science, Polymer Physics Edition, 21, 573 (1983)に従ってなされ、表Bに報告される(C.J. Carman, R.A. Harrington および C.E. Wilkes, Macromolecules, 10, 536 (1977)により命名)。
【0066】
【表B】

【0067】
反応性比の積r1×r2の決定
反応性比の積は、次の式を用い、C.J. Carman, R.A. Harrington および C.E. Wilkes, Macromolecules, 10, 536 (1977)に従って、13C NMRのトリアッドの分布から得られる。
【0068】
ブテン/エチレン共重合体:
【数3】

【0069】
ブテン/プロピレン共重合体:
【数4】

【0070】
13C NMRによるアソタクチック指数(mmmm%)の決定
分岐メチレン炭素の領域におけるペンタッドのシグナルの同定は、Carbon-13 NMR Spectral Assignment of Five Polyolefins Determined from the Chemical Shift Calculation and the Polymerization Mechanism, T. Asakura ら, Macromolecules 1991, 24 2334-2340により行われた。
【0071】
立体不規則なペンタッドと、BBE/EBEまたはBBP/PBPシーケンスのどちらかからのピークとの間の重複により、BBBBBペンタッドのイソタクチシティは、純粋な「不斉ベルヌイ(bernoullian)サイト」(Two-site model analysis of 13C NMR of polypropylene polymerized by Ziegler -Natta catalyst with external alkoxysilane donors, R. Chujo, Y. Kogure, T.Vaananen, Polymer, 1994, 35, 339-342参照)に基づいて、次の式従って、mrrmペンタッド(26.59ppmにおけるシグナル)の量から評価された。
mmmm% = 100・I(mmmm)/[I(mmmm)+5・I(mrrm)]
ここで、 I(mmmm) は27.73 ppm におけるmmmmシグナルの面積であり、I(mrrm) は単一単位のエラーペンタッドmrrmの面積である。
【0072】
4,1挿入されたブテン単位のパーセントの決定
ブテンホモポリマーまたはブテン/プロピレン共重合体のどちらかの場合、4,1挿入されたブテン単位は、上記の実験条件を採用して13C NMRスペクトロスコピーにより決定される。4,1挿入された単位の同定は、V. Busico, R. Cipullo, A. Borriello, Macromol. Rapid. Commun. 16, 269, (1995)に従ってなされる。
4,1挿入の含量は次のように計算される:
1,4 単位 = 0.5×Q×100/(Q+B)
【0073】
QおよびBは表Bに報告されたシグナルの積分である(アイソタクチックBBBBBペンタッドの分岐中のCH2炭素による27.73 ppmにおけるピークが内部標準として用いられる)。
【0074】
【表C】

【0075】
ブテン/エチレン共重合体の場合の4,1挿入されたブテン単位のパーセントは、コモノマーの不存在以外は同一の重合条件下で製造されたブテン−1ホモポリマーについて得られたものと同じであると推測される。
多分散度指数の決定
【0076】
この性質は、試験されるポリマーの分子量分布に緊密に関連している。特に、溶融状態でのポリマーの耐クリープ性に反比例する。低いモジュラス値(500 Pa)におけるモジュラス分離と呼ばれる上記の抵抗は、RHEOMETRICS(米国)により販売されている並行板レオメーター モデル RMS-800を使って、0.1 rad/秒から100 rad/秒まで増加する振動周波数で操作することにより、200℃の温度で決定された。モジュラス分離値から、次の等式によりP.I.を導くことができる。
P.I:= 54.6*(モジュラス分離)-1.76
【0077】
ここで、モジュラス分離は次のように定義される。
モジュラス分離 = G'=500 Paでの周波数 / G''=500 Paでの周波数
ここで、G'は貯蔵弾性率であり、G''は損失弾性率である。
【0078】
ショアーAの決定
ASTM D2240により測定した。
【0079】
引張特性
関連コポリマー試料と1% 2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール(BHT)をブラベンダー中、180℃で混合して得られたポリマー組成物を圧縮成形(200℃で、30°/分の冷却)して得られた1.9 mmの厚さのプラックについてASTM-D638に従って測定した。
【0080】
シール開始温度(SIT):
約200℃で実施例の組成物を押し出すことにより50μmの厚さのフィルムを製造することにより決定した。このようにして得られた各フィルムを、キシレンに4重量%可溶で、2g/10分の溶融流量を有するポリエチレンのプラック上に置く。重ねたフィルムとプラックとを200℃で、9000kgの負荷をかけてプレート−プレス中で接合した。
【0081】
上記の負荷を5分間維持する。生じた接合テスト片を次いでTM LONGフィルムストレッチャーを使って、それらの長さと幅の6倍に引っ張り、そのようにして厚さ約20μm、5×10cmのフィルム試験片を上記のフィルムから得る。シーリング値は、ヒートシールされたサンプルに200gの負荷を加えることにより得られる。
【0082】
測定ごとに上記の試験片の二つを実施例の組成物から作られたヒートシール可能な層と、相互に接触させて重ね合わせる。この重ね合わせた試験片を次いでXentinelコンビネーション・ラボラトリー・シーラー モデル12-12 ASを使って、5cmの側面に沿ってシールする。シール時間は5秒であり、圧力は約0.12 MPa (1.2 atm)であり、シール幅は2.5 cmである。シール温度は、測定される各サンプルごとに2℃ずつ上げる。
【0083】
次いで、シールしたサンプルを切断して、2.5×10cmのストリップを得る。そのシールされていない端を引張試験機に取り付け、200gの負荷が加えられたときにシールが破断されない最低シール温度を測定する。この温度がシール開始温度を表わす。
【0084】
剥離強さの決定
1シーリング
試験すべきフィルムを切断(MD方向)して150mmの幅と200mmの長さを有するサンプルとする。裏付層に使用される同じポリマーの400μmの厚さのフィルム片を同じ寸法に切断し、それにより支持体片を得る。試験すべきフィルムのサンプルと支持体片の両方を、KOPP SPGE 20ラボラトリーシーリング機のシーリングバーの間に、サンプルを上にして置く。上部のシーリングバーをシール温度まで加熱する。
【0085】
シーリングバーを1.6 barの圧力下に1秒間閉じ、シールをTD方向に生じさせる(100mmの長さ、10mmの溶着重なり)。サンプルが支持体片にシールされる温度を表1中に報告する。
【0086】
2.剥離試験
シールされたサンプルを24時間、23℃で状態調節した後、剥離強さをインストロン機で試験する。シールされたサンプルと支持体片をまず切断して15mmの幅を有する試験サンプルとし、次いでグリップ距離50mmを有するグリップの間にとめる。50mm/分の一定速度でシールを引張り開くのに必要な力を記録する。N/15mmで表わされる力が剥離強さに相当し、表1中に各サンプルについて報告されている。
【0087】
実施例
固体触媒成分の製造
窒素置換された500 mlの4頸丸底フラスコ中に、TiCl4(225ml)を0℃で導入した。攪拌しながら、微小楕円体状のMgCl2・2.7C25(USP 4,399,054 の実施例2に記載されているようにして製造、但し、10,000 rpmの代わりに3,000 rpmで操作)を加えた。フラスコを40℃に加熱し、ジイソブチルフタレート(4.4ミリモル)をそこに加えた。温度を100℃に上げ、2時間維持し、次いで攪拌を中止し、固体生成物を沈殿させ、上澄液をサイフォンで吸い出した。新鮮なTiCl4(200ml)を加え、混合物を120℃で1時間反応させ、次いで上澄液をサイフォンで吸い出し、得られた固体を60℃で無水ヘキサンで6回(6×100ml)洗浄し、次いで真空下に乾燥した。触媒成分はチタン(2.8重量%)、およびフタレート(12.3重量%)を含んでいた。
【0088】
実施例1−5 ブテン−1/エチレン共重合体の製造
70℃で1時間窒素気流で置換した4Lのオートクレーブ中に、ブテン−1(1350g)、表1中に示された量のエチレンおよび表1中に示された水素を加えた。温度を75℃近くに上げ、AliBu3(1.4g)、およびテキシルトリメトキシシラン(アルミニウム/テキシルトリメトキシシランのモル比40)を含む無水ヘキサン75mlを含み前もって反応させた混合物、ならびに上記のようにして製造された固体触媒の表1に示された量を窒素気流中導入して、反応を開始させた。全体の内圧を測定し、連続的にエチレンを供給して、共重合の間中、内圧を一定に維持した。この間に供給したエチレンの量を表1に報告する。
【0089】
2時間後に液相(製造された共重合体は全て75℃で1−ブテンに完全に溶解した)を過剰の水中に排出することによって反応を停止させた。共重合体を集め、オーブン中で一晩乾燥して、水分を全て除いた。共重合体の特性を表2中に報告する。共重合体はいずれも4,1−ブテン単位の挿入の存在を示さなかった。
比較実施例6 ブテン−1/エチレン共重合体の製造
【0090】
EP-A-353318の実施例2に記載されているブテン−1-エチレン共重合体の製造を繰り返した。共重合体の特性を表2に報告する。この共重合体は4,1−ブテン単位の挿入の存在を示さなかった。
【0091】
実施例7−10 ブテン−1/プロピレン共重合体の製造
エチレンの代わりに表3に報告された量のプロピレンを使用した点が異なるのみで、実施例1に記載された操作により共重合を行った。触媒の量、全圧力および使用された水素に関する詳細も表1に示す。この共重合体の特性を表4に報告する。共重合はどれも4,1−ブテン単位の挿入の存在を示さなかった。
【0092】
実施例11
逐次共重合によるブテン−1/エチレン共重合体の製造
液体ブテン−1が液体媒体を構成する連結された2つの液相攪拌反応器中で逐次共重合を行った。前の実施例中に記載したのと同じ触媒系を、次の条件で稼動する第1反応器中に注入した:
温度(℃):75℃
エチレン/ブテン供給比=約5%
水素/ブテン供給比=約1200ppm容積
【0093】
約2時間重合させた後、第1反応器の内容物を、エチレンの供給が継続していない点以外は同じ条件下で、重合が継続する第2反応器中に移した。重合を70分後に停止させ、最終の共重合体を特徴付けた。重合活性を基に、全共重合体の約70%が最初の重合段階で生成し、エチレン含量が12.2重量%であることを示した。第2反応器中で生成した残りの30%は、計算されたエチレン含量が1.6重量%であった。最終生成物のエチレン含量は、それゆえに約9%である。最終の共重合体について行われた特徴づけの結果を表5に報告する。
【0094】
実施例12
以下の組成を有するA/B/C/B/Aタイプの5層フィルムを製造した:
(A)メルトインデックス1.5、密度0.919を有する低密度ポリエチレン65%;線状の低密度ポリエチレン(MIE 1;密度0.919)25%、および実施例1に記載のようにして生成したブテン−1共重合体15%を含むシール/剥離層(15μm)
(C)線状の低密度ポリエチレン(MIE 1;密度0.936)により構成されたコア層(40μm)
(B)低密度ポリエチレン(MIE 0.9;密度0.93)により構成されたバックボーン層(15μm)
上に報告した方法により剥離強さを決定するためにフィルムを試験した。その結果を表6に示す。
【0095】
実施例13
実施例1のブテン−1共重合体10重量%と、エチレン0.5重量%、ブテン−118重量%およびプロピレン81.5%を含み93℃のSIT(シール開始温度)を有するアイソタクチックターポリマー90%とを含む機械的ブレンドを製造した。この組成物から得られたフィルムについてSIT を決定するための試験を行い、76℃の結果であった。
【0096】
比較実施例14
使用されたブテン−1共重合体が比較実施例6のそれであった点を除いて、実施例13に記載の組成物を製造した。この組成物から得られたフィルムについて決定されたSITは84℃であった。
【0097】
【表1】

a 触媒注入前に加えられたエチレン
b オートクレーブの圧力を一定に保つために共重合の間に加えられたエチレン
【0098】
【表2】

nd=検出不能
nm=測定せず
1 0℃でのキシレン可溶画分; 2 THN中での極限粘度
* 比較
【0099】
【表3】

a 触媒注入前に加えられたエチレン
b オートクレーブの圧力を一定に保つために共重合の間に加えられたエチレン
【0100】
【表4】

1 0℃でのキシレン可溶画分; 2 THN中での極限粘度
【0101】
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書中に報告された方法により決定された次の性質:
a)反応性比の積 r1・r2 ≦2;
b)アソタクチック・ペンタッドの形態にあるブテン−1単位の含量(mmmm)>98%;および
c)ブテン単位の4,1挿入の不存在
により特徴付けられる、エチレンおよび/またはプロピレンから誘導される単位を40モル%まで含むブテン−1共重合体。
【請求項2】
r1・r2 ≦1に対応する(mmmm)の含量が>99%である、請求項1に記載のブテン−1共重合体。
【請求項3】
次の特徴:
a)反応性比 r1・r2 ≦1.5;
b)アイソタクチック・ペンタッドの形態にあるブテン−1単位の含量(mmmm)>98.5%;および
c)4,1挿入の不存在
により特徴付けられる、請求項1に記載のブテン−1共重合体。
【請求項4】
3〜10の範囲のPIを有する、請求項3に記載のブテン−1共重合体。
【請求項5】
0.1〜35モル%の範囲のエチレンおよび/またはプロピレンから誘導される単位の含量を有する、請求項1に記載のブテン−1共重合体。
【請求項6】
0.5〜30モル%の範囲のエチレンおよび/またはプロピレンから誘導される単位の含量を有する、請求項5に記載のブテン−1共重合体。
【請求項7】
コモノマーがエチレンである、請求項6に記載のブテン−1共重合体。
【請求項8】
コモノマーがプロピレンである、請求項6に記載のブテン−1共重合体。
【請求項9】
約3%より低いエチレンまたはプロピレンの含量を有する、請求項6に記載のブテン−1共重合体。
【請求項10】
2−15%の範囲のエチレンおよび/またはプロピレンの含量を有する、請求項6に記載のブテン−1共重合体。
【請求項11】
12%以上のエチレンまたはプロピレンから誘導される単位の含量を有する、請求項6に記載のブテン−1共重合体。
【請求項12】
コモノマーがエチレンである、請求項11に記載のブテン−1共重合体。
【請求項13】
熱分析で融点を示さない事実によって特徴付けられる、請求項11に記載のブテン−1共重合体。
【請求項14】
(A)請求項1に記載のブテン−1共重合体を1〜99重量%、および(B)他のポリマー成分を1〜99%含み、該パーセントが(A)と(B)との和であるポリマー組成物。
【請求項15】
成分(B)がオレフィン(共)重合体を含む、請求項14に記載のポリマー組成物。
【請求項16】
成分(B)がエチレン含有(共)重合体、プロピレン含有(共)重合体またはそれらの混合物である、請求項14に記載のポリマー組成物。
【請求項17】
(A)エチレンまたはプロピレンを1〜15モル%有する、請求項1に記載のブテン−1共重合体を5〜40重量%;および
(B)エチレンおよび/または式CH2=CHR(ここで、RはC2−C10の炭化水素基である)のα−オレフィンを1〜30モル%含むプロピレン共重合体を60〜95重量%
含むポリマー組成物。
【請求項18】
α−オレフィンがブテン−1である、請求項17に記載のポリマー組成物。
【請求項19】
成分(B)が(a)エチレンおよびブテン−1の両方を含み、エチレンの含量が1〜10%であり、ブテン−1の含量が1〜10%であるプロピレン共重合体、または(b)ブテン−1を2〜15モル%含むプロピレン共重合体のいずれかから選択される、請求項18に記載のポリマー組成物。
【請求項20】
(A)融点を示さない請求項1に記載のブテン−1共重合体および(B)融点を示す請求項1に記載のブテン−1共重合体を含むポリマー組成物。
【請求項21】
(A)が10%より高いエチレン含量を有するブテン−1/エチレン共重合体であり、(B)が10モル%より低いエチレン含量を有するブテン−1/エチレン共重合体である、請求項20に記載のポリマー組成物。
【請求項22】
(i)本発明のブテン−1共重合体を5〜25重量%、および
(ii)エチレンポリマーを75〜95重量%を含み、該パーセントが(i)+(ii)の和に基づいているポリマー組成物。
【請求項23】
請求項1〜22のいずれかに記載のブテン−1共重合体またはそれらのブレンドから得られる製品。
【請求項24】
(A)チタン化合物と、MgCl2上に担持されたフタレート類から選択される電子供与体化合物とを含む固体触媒成分、(B)アルキルアルミニウム化合物、および(C)式 Ra5Rb6Si(OR7)c(ここで、aおよびbは0〜2の整数であり、cは1〜3の整数であり、(a+b+c)の和は4であり;R5、R6およびR7は1〜18の炭素原子を有し、任意に複素原子を含んでいてもよいアルキル、シクロアルキルまたはアリール基である)の外部電子供与体化合物を含有する立体特異触媒の存在下に、ブテン−1とエチレンおよび/またはプロピレンとを共重合させることを含む、請求項1〜13のいずれかに記載のブテン−1共重合体の製造法。
【請求項25】
外部供与体がテキシルトリメトキシシランである、請求項24に記載の製造法。
【請求項26】
液体ブテン−1中で行われる、請求項24または25に記載の製造法。
【請求項27】
異なる反応条件下で稼動する少なくとも2つの反応器中で共重合が行われる、請求項26に記載の製造法。

【公表番号】特表2006−508237(P2006−508237A)
【公表日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−510224(P2005−510224)
【出願日】平成15年11月3日(2003.11.3)
【国際出願番号】PCT/EP2003/012233
【国際公開番号】WO2004/048424
【国際公開日】平成16年6月10日(2004.6.10)
【出願人】(501468046)バセル ポリオレフィン イタリア エス.アール.エル. (33)
【住所又は居所原語表記】Via Pergolesi 25,20124 Milano,Italy
【Fターム(参考)】