説明

プッシュプッシュ発振器及び位相ずれ監視方法

【課題】位相ずれを確認する技術を提供する。
【解決手段】プッシュ・プッシュ発振回路100は、相互に逆位相で動作する、2つの発振器1、2と、2つの発振器1、2から出力された第1出力信号を合成する合成器101と、合成器101から出力された第2出力信号に含まれる第1出力信号の基本波を監視するための基本波監視回路102と、を備えている。即ち、基本波監視回路102を用いることで、合成器101から出力された第2出力信号に含まれる第1出力信号の基本波を確認することができる。第1出力信号の基本波を確認することで、合成器101に入力された2つの第1出力信号が逆位相であったか確認することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプッシュプッシュ発振器及び位相ずれ監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の技術として、特許文献1は、コルピッツ型のプッシュ・プッシュ電圧制御発振回路を開示している。
【0003】
一般に、プッシュ・プッシュ電圧制御発振回路は、同一構成の2つの発振器を逆位相で動作させ、各発振器からの出力信号を合成することで、理想的には、基本波は完全に抑圧され、2倍波のみを取り出すことができる回路とされる。また、相関関係にある2波の和は電圧和となるから約6dBアップとなるのに対し、相関関係にないノイズの和は電力和となるので約3dBアップとなり、これらの差分が位相雑音特性の向上に寄与するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−151370号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、現実には、チップ部品とパッケージに実装されたディスクリートのデバイスをプリント基板上に配置することで2つの完全同一な発振器を構成することは無論、不可能である。デバイスやチップ部品の特性のバラツキ、パッケージ内部のワイヤー長のバラツキ、プリント基板の製造や部品実装条件の誤差などをゼロにすることができないからである。また、2つの発振器が仮にしっかりと逆位相で動作していたとしても、2波を合成する合成器に至るまでの回路において何らかの原因により位相がずれてしまうこともある。このため、位相雑音特性が低下したり、基本波の抑圧量が不十分となったりして、プッシュ・プッシュ電圧制御発振回路特有の上述したメリットを最大限引き出せないという問題があった。
【0006】
本願発明の目的は、上述した課題の解決に寄与する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明の第1の観点によれば、相互に逆位相で動作する2つの発振器と、前記2つの発振器から出力された第1の出力信号を合成する合成器と、前記合成器から出力された第2の出力信号に含まれる前記第1の出力信号の基本波を監視するための基本波監視回路と、を備えたプッシュ・プッシュ発振回路が提供される。
【0008】
本願発明の第2の観点によれば、相互に逆位相で動作する2つの発振器から出力された第1の出力信号を合成し、合成後の第2の出力信号から前記第1の出力信号の基本波を取り出して半波整流し、半波整流後の信号の電圧を時間平均する、プッシュ・プッシュ発振回路の位相ずれ監視方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本願発明によれば、前記基本波監視回路を用いることで、前記合成器から出力された第2の出力信号に含まれる前記第1の出力信号の基本波を確認することができる。前記第1の出力信号の基本波を確認することで、前記合成器に入力された2つの前記第1の出力信号が逆位相であったか確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、プッシュ・プッシュ発振回路の回路図である(第1実施形態)。
【図2】図2は、プッシュ・プッシュ発振回路の回路図である(第2実施形態)。
【図3】図3は、シミュレーション結果である(第2実施形態)。
【図4】図4は、シミュレーション結果である(第2実施形態)。
【図5】図5は、シミュレーション結果である(第2実施形態)。
【図6】図6は、プッシュ・プッシュ発振回路の回路図である(第3実施形態)。
【図7】図7は、シミュレーション結果である(第3実施形態)。
【図8】図8は、シミュレーション結果である(第3実施形態)。
【図9】図9は、シミュレーション結果である(第3実施形態)。
【図10】図10は、プッシュ・プッシュ発振回路の回路図である(第4実施形態)。
【図11】図11は、シミュレーション結果である(第4実施形態)。
【図12】図12は、シミュレーション結果である(第4実施形態)。
【図13】図13は、シミュレーション結果である(第4実施形態)。
【図14】図14は、プッシュ・プッシュ発振回路の回路図である(第5実施形態)。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1実施形態)
以下、図1を参照しつつ、本願発明の第1実施形態を説明する。
【0012】
図1に示すプッシュ・プッシュ発振回路100は、相互に逆位相で動作する2つの発振器1、2と、2つの発振器1、2から出力された第1の出力信号を合成する合成器101(合成回路)と、合成器101から出力された第2の出力信号に含まれる第1の出力信号の基本波を監視するための基本波監視回路102と、を備えて構成されている。
【0013】
この基本波監視回路102を用いることで、合成器101から出力された第2の出力信号に含まれる第1の出力信号の基本波を確認することができる。第1の出力信号の基本波を確認することで、合成器101に入力された2つの第1の出力信号が逆位相であったか確認することができる。
【0014】
(第2実施形態)
次に、図2〜5を参照しつつ、本願発明の第2実施形態を説明する。ここでは、本実施形態が上記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、重複する説明は適宜省略する。また、上記第1実施形態の各構成要素に対応する構成要素には原則として同一の符号を付すこととする。
【0015】
図2に、本実施形態に係るプッシュ・プッシュ発振回路としてのプッシュ・プッシュ電圧制御発振回路100を示す。発振器1、2はコレクタ接地のクラップ型(コルピッツ型の変形回路)電圧制御発振器である。発振器1は、以下のように構成されている。
【0016】
発振周波数を決めるために重要となるマイクロストリップ共振器Ln1の両端には、周波数の安定度を高めるコンデンサC10、C11が接続されている。コンデンサC11の他端は、発振トランジスタTr1のベース端と、抵抗R2と、抵抗R6に接続している。発振トランジスタTr1は、本実施形態においてバイポーラトランジスタである。抵抗R2の他端は接地している。抵抗R6の他端はオープンスタブOpenStub1と、発振トランジスタTr1のコレクタ端に接続している。発振トランジスタTr1のエミッタ端は、抵抗R4に接続している。抵抗R4の他端は、インダクタンスL3に接続している。インダクタンスL3の他端は接地している。
【0017】
コンデンサC10の他端は、インダクタンスL1と、周波数を調整するためのバラクタダイオードX1に接続している。インダクタンスL1の他端は接地している。バラクタダイオードX1の他端は、節点Aに接続している。
【0018】
発振器2は、発振器1と同構成となっている。即ち、マイクロストリップ共振器Ln2は、マイクロストリップ共振器Ln1に相当する。コンデンサC12、C13は、コンデンサC10、C11に夫々相当する。発振トランジスタTr2は、発振トランジスタTr1に相当する。抵抗R7は抵抗R6に、抵抗R3は抵抗R2に、抵抗R5は抵抗R4に、インダクタンスL4はインダクタンスL3に、オープンスタブOpenStub2はオープンスタブOpenStub1に、インダクタンスL2はインダクタンスL1に、バラクタダイオードX2はバラクタダイオードX1に夫々相当している。
【0019】
そして、節点Aは、抵抗R1に接続している。抵抗R1の他端は電源APCVと、コンデンサC1に接続している。電源APCVは、バラクタダイオードX1とバラクタダイオードX2に負電圧を印加し、バラクタダイオードX1とバラクタダイオードX2の容量を調整する。コンデンサC1の他端は接地している。
【0020】
発振トランジスタTr1には、電源Vcc1より電圧を印加し動作させる。詳しくは、発振トランジスタTr1のコレクタ端は、インダクタンスL5が接続している。インダクタンスL5の他端は、コンデンサC3と電源VCC1に接続している。コンデンサC3の他端は接地している。
【0021】
同様に、発振トランジスタTr2には、電源Vcc2(位相調整手段)より電圧を印加し動作させる。詳しくは、発振トランジスタTr2のコレクタ端は、インダクタンスL6が接続している。インダクタンスL6の他端は、コンデンサC2と電源VCC2に接続している。コンデンサC2の他端は接地している。このように、発振トランジスタTr1を作動させる電源VCC1と、発振トランジスタTr2を作動させるVCC2は、夫々の発振トランジスタのバイアス条件や動作条件(動作点)を自在に別個独立して調整できるよう、共通電源ではなく個別電源としている。
【0022】
発振トランジスタTr1のバイアスはセルフバイアス回路となっていて、抵抗R6,R2の分圧により発振トランジスタTr1のベース電圧を決定している。抵抗R6,R2の定数は、ベース電流が過大とならないように適度の高インピーダンスのものに選定する。発振器2についても同様である。
【0023】
発振トランジスタTr1のベース端とバラクタダイオードX1との間には、前述の通りコンデンサC11、マイクロストリップ共振器Ln1、コンデンサC10を直列に接続している。発振器2についても同様である。
【0024】
オープンスタブOPEN STUB1は所望の発振周波数の1/4λの長さのオープンスタブであり、RF的に発振トランジスタTr1の根本においてショートとする。発振器2についても同様である。
【0025】
そして、発振トランジスタTr1のコレクタ端は、更に、コンデンサC4を介して合成器101に接続している。発振トランジスタTr1からの出力信号である第1出力信号(第1の出力信号)は、合成器101に入力される。同様に、発振トランジスタTr2のコレクタ端は、更に、コンデンサC5を介して合成器101に接続している。発振トランジスタTr2からの出力信号である第1出力信号(第1の出力信号)は、合成器101に入力される。本実施形態において合成器101は、ウィルキンソンディバイダである。合成器101は、発振器1(発振トランジスタTr1のコレクタ端)と、発振器2(発振トランジスタTr2のコレクタ端)と、から取り出した2波を合成する。合成器101は、両端がコンデンサC4とコンデンサC5に接続する抵抗R8を有して構成されている。プッシュ・プッシュ発振回路100の出力端子100aは、合成器101の抵抗R8の両端に接続している。
【0026】
この合成器101と出力端子100aを結ぶ信号線には、基本波監視回路102が設けられている。基本波監視回路102は、合成器101から出力された第2出力信号(第2の出力信号)に含まれる第1出力信号の基本波を監視するためのものである。基本波監視回路102は、フォトカプラcp1と、抵抗R9と、ローパスフィルタLPF1と、ショットキーダイオードX4(半波整流器)と、抵抗R10と、コンデンサC6(時間平均器)と、を備えて構成されている。フォトカプラcp1は、合成器101と出力端子100aを結ぶ信号線から第2出力信号を取り出す。フォトカプラcp1の一端は抵抗R9に接続している。抵抗R9の他端は接地している。フォトカプラcp1の他端はローパスフィルタLPF1に接続している。ローパスフィルタLPF1は、合成器101から出力されフォトカプラcp1が取り出した第2出力信号から高調波を切り取り、第1出力信号の低調波から成る基本波のみを取り出すためのものである。ローパスフィルタLPF1の他端はショットキーダイオードX4と抵抗R10に接続している。ショットキーダイオードX4は、ローパスフィルタLPF1を通過した信号を半波整流する半波整流器である。ショットキーダイオードX4の他端は接地している。抵抗R10の他端はコンデンサC6に接続している。コンデンサC6は、ショットキーダイオードX4によって半波整流された信号の電圧を時間平均する時間平均器である。コンデンサC6の他端は接地している。ショットキーダイオードX4によって半波整流され、コンデンサC6により時間平均された基本波の電圧は、検波端子DET_Vでモニタ可能となっている。
【0027】
図3〜図5には、電源APCV=−1〜−5V時における発振器1、2の片側のシミュレーション結果である。図3ではVcc2=5[V]とし、図4ではVcc2=6[V]とし、図5ではVcc2=7[V]としている。Magnitude>1.0且つPhase=0の時に発振可能であることを示している。Magnitudeは発振器1、2の負性抵抗(NR:Negative Resistance)と同義である。
【0028】
図1において、発振器1と発振器2は発振を持続させるために逆位相で動作する。それは、2つの発振器1、2が相関関係をもって逆位相で動作するとき節点Aは仮想的に接地となり抵抗R1が見えず、逆位相で動作しないときは抵抗R1が終端抵抗と見えて発振が持続しないためである。しかし、節点Aにおいて逆位相となっていても前述したような課題により、2波を合成するときには位相がずれている場合が多い。それを判別するのが2波を合成した後に設けた基本波監視回路102である。フォトカプラcp1により信号を取り出し、ローパスフィルタLPF1を通して2倍波などの高調波を切って基本波のみを得る。その基本波をショットキーダイオードX4により半波整流させ、検波端子DET_Vにてその半波整流された基本波の時間平均した電圧をモニターする。そして、その電圧値が最小となるようにVcc1もしくはVcc2を可変させて発振トランジスタTr1もしくは発振トランジスタTr2のセルフバイアス回路の条件を調整し、発振トランジスタTr1、Tr2の動作条件を調整する。発振トランジスタTr1、Tr2の動作条件等を調整することにより図3〜5のように発振器1、2のMagnitude・Phaseを変化させ、2つの発振器1、2からの第1出力信号をより逆位相に近い状態に追い込み、合成することが出来る。
【0029】
以上説明したように、本実施形態においては、基本波監視回路102を設けて基本波を電圧としてモニターし、その電圧値が最小となるように発振トランジスタTr1、Tr2のバイアス・動作条件を調整し2つの発振器1、2の信号をより逆位相に近くなるよう追い込むことにより、プッシュプッシュ構成のメリットを最大限引き出すことが出来るようになる。
【0030】
詳しくは、上記第2実施形態は、要するに、以下の特徴を有している。
【0031】
プッシュ・プッシュ発振回路100は、相互に逆位相で動作する2つの発振器1、2と、2つの発振器1、2から出力された第1出力信号を合成する合成器101と、合成器101から出力された第2出力信号に含まれる第1出力信号の基本波を監視するための基本波監視回路102と、を備えている。即ち、基本波監視回路102を用いることで、合成器101から出力された第2出力信号に含まれる第1出力信号の基本波を確認することができる。第1出力信号の基本波を確認することで、合成器101に入力された2つの第1出力信号が逆位相であったか確認することができる。
【0032】
また、2つの発振器1、2のうち少なくとも何れかの第1出力信号の位相を調整するための電源Vcc2(位相調整手段)を有する。以上の構成によれば、基本波監視回路102を用いつつ、合成器101に入力される2つの第1出力信号を逆位相に追い込むことが可能となる。
【0033】
また、基本波監視回路102は、合成器101から出力された第2出力信号から、第1出力信号の基本波を取り出すためのローパスフィルタLPF1と、ローパスフィルタLPF1を通過した信号を半波整流するショットキーダイオードX4と、ショットキーダイオードX4によって半波整流された信号の電圧を時間平均するコンデンサC6と、を有して構成されている。以上の構成によれば、合成器101に入力された2つの第1出力信号が逆位相の関係からどの程度ずれていたかを定量的に把握することが可能となる。
【0034】
(第3実施形態)
次に、図6〜9を参照しつつ、本願発明の第3実施形態を説明する。ここでは、本実施形態が上記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、重複する説明は適宜省略する。また、上記第1実施形態の各構成要素に対応する構成要素には原則として同一の符号を付すこととする。
【0035】
上記第1実施形態では、電源Vcc1もしくは電源Vcc2の出力電圧を増減させることにより発振トランジスタTr1もしくは発振トランジスタTr2のセルフバイアス回路の条件を調整し、発振トランジスタTr1、Tr2の動作条件を調整していた。これに対し、本実施形態では、図2に示す発振器2の発振トランジスタTr2のエミッタ端の抵抗R5(固定抵抗)を図6に示すように可変抵抗R5(位相調整手段)としている。そして、この可変抵抗R5の抵抗値を増減させることにより、発振トランジスタTr2のバイアス回路の条件や動作条件を調整することにしている。図7ではR5=150[Ω]とし、図8ではR5=220[Ω]とし、図9ではR5=330[Ω]としたときのシミュレーション結果である。これら図7〜9に示すように、本実施形態の構成でも、上記第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0036】
(第4実施形態)
次に、図10〜13を参照しつつ、本願発明の第4実施形態を説明する。ここでは、本実施形態が上記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、重複する説明は適宜省略する。また、上記第1実施形態の各構成要素に対応する構成要素には原則として同一の符号を付すこととする。
【0037】
上記第1実施形態では、電源Vcc1もしくは電源Vcc2の出力電圧を増減させることにより発振トランジスタTr1もしくは発振トランジスタTr2のセルフバイアス回路の条件を調整し、発振トランジスタTr1、Tr2の動作条件を調整していた。これに対し、本実施形態では、図2に示す発振器2の発振トランジスタTr2のベース端とマイクロストリップ共振器Ln2との間にあるコンデンサC13を、図10に示すように例えばバラクタダイオードのような可変型コンデンサC13(位相調整手段)としている。そして、この可変型コンデンサC13の容量を増減させることにより、発振トランジスタTr2のバイアス回路の条件や動作条件を調整することにしている。図11ではC13=0.55[pF]とし、図12ではC13=0.57[pF]とし、図13ではC13=0.59[pF]としたときのシミュレーション結果である。これら図11〜13に示すように、本実施形態の構成でも、上記第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0038】
(第5実施形態)
次に、図14を参照しつつ、本願発明の第5実施形態を説明する。ここでは、本実施形態が上記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、重複する説明は適宜省略する。また、上記第1実施形態の各構成要素に対応する構成要素には原則として同一の符号を付すこととする。
【0039】
本実施形態では、2つの発振器1、2が完全に逆位相で動作はしているものの、発振器1、2と合成器101との間において位相がずれてしまっている場合を想定している。そこで、本実施形態では、発振器2の信号取り出し部の後ろに位相調整用回路103(位相調整手段)を設けている。位相調整用回路103は発振器2の発振トランジスタTr2のコレクタ端と、合成器101との間に、発振トランジスタTr2側から順に、コンデンサC5、バラクタダイオードX3、コンデンサC8を直列に接続した上で、更に、一端がコンデンサC5とバラクタダイオードX3の間に接続され他端が接地するコンデンサC6と、一端がバラクタダイオードX3とコンデンサC8の間に接続され他端が接地するインダクタンスL7と、によって構成されている。この構成で、バラクタダイオードX3の容量を電源Vadjにて調整することにより、2波の位相のずれを補正し、2波がより逆位相に近くなるように追い込むことができる。
【符号の説明】
【0040】
1 発振器
2 発振器
100 プッシュ・プッシュ電圧制御発振回路(プッシュ・プッシュ発振回路)
101 合成器
102 基本波監視回路
103 位相調整用回路(位相調整手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に逆位相で動作する2つの発振器と、
前記2つの発振器から出力された第1の出力信号を合成する合成器と、
前記合成器から出力された第2の出力信号に含まれる前記第1の出力信号の基本波を監視するための基本波監視回路と、
を備えたプッシュ・プッシュ発振回路。
【請求項2】
請求項1に記載のプッシュ・プッシュ発振回路であって、
前記2つの発振器のうち少なくとも何れかの前記第1の出力信号の位相を調整するための位相調整手段を有する、
プッシュ・プッシュ発振回路。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のプッシュ・プッシュ発振回路であって、
前記基本波監視回路は、前記合成器から出力された第2の出力信号から、前記第1の出力信号の基本波を取り出すためのローパスフィルタと、
前記ローパスフィルタを通過した信号を半波整流する半波整流器と、
前記半波整流器によって半波整流された信号の電圧を時間平均する時間平均器と、
を有して構成されている、
プッシュ・プッシュ発振回路。
【請求項4】
相互に逆位相で動作する2つの発振器から出力された第1の出力信号を合成し、
合成後の第2の出力信号から前記第1の出力信号の基本波を取り出して半波整流し、半波整流後の信号の電圧を時間平均する、
プッシュ・プッシュ発振回路の位相ずれ監視方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−49961(P2012−49961A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−192160(P2010−192160)
【出願日】平成22年8月30日(2010.8.30)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】