説明

プライマー層用樹脂組成物

【課題】銅箔を粗化処理することなく、銅箔/ポリイミド樹脂(絶縁樹脂層)間の接着性向上の目的で使用されるプライマー層用樹脂組成物の提供。
【解決手段】閉環型ポリイミド(A)およびエポキシ樹脂(B)を含有するプライマー層用樹脂組成物であって、該閉環型ポリイミド(A)が、下記式(1)


(式(1)中Arは、直接結合、エーテル結合、カルボニル結合、スルホニル結合、またはC1〜C3のアルキレン結合したものより選ばれる1種以上の4価の芳香族基を表し、Ar2は、直接結合、エーテル結合、スルホニル結合、アミド結合、またはC1〜C3のアルキレン結合したものより選ばれる1種以上の2価の芳香族基を表す。芳香族環には独立して、水素原子、水酸基、カルボキシル基、またはC1〜C3のアルキル基を有する。)で表されるセグメントを含むことを特徴とするプライマー層用樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、銅箔を粗化処理することなく、銅箔表面に直接溶剤溶解性の閉環型ポリイミドを含むプライマー層用樹脂組成物を薄く塗布、乾燥した銅箔を用いることで、ポリイミドフィルム等のフレキシブルプリント配線板用の絶縁樹脂層との良好な接着性を確保することができるプライマー層用樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、ポリイミドフィルムは金属箔(主に銅箔)と張り合わせ、片面、両面フレキシブル銅張積層板として、フレキシブル印刷配線基板用の絶縁樹脂層用フィルムや、多層印刷配線基板用も層間絶縁樹脂フィルムとして使用される。なかでも2層CCLといわれる銅張積層板は、ポリイミドフィルムと銅箔が接着剤層を介さず直接張り合わせられており、配線の微細化や基板の耐熱性といった点で非常に有用であるが、一方ではポリイミドフィルムと銅箔との接着強度がしばしば問題となる。2層CCLの製造方法は、銅箔上にポリイミド前駆体を塗布し、加熱して得るキャスティング法(特許文献1)の他、熱可塑ポリイミドフィルムと銅箔を加熱圧着して得るラミネート法(特許文献2)や、ポリイミドフィルム表面にスパッタ層を設け、銅箔をメッキして得る方法等があるが、現在キャスティング法が主流となっている。
【0003】
一方、従来のプリント配線板製造に用いられてきた銅箔は、特許文献1を始め多くの文献に開示されているように、その片面に微細な銅粒を付着させる等により凹凸を形成する粗化処理が施されている。プリプレグ等の絶縁樹脂層との張り合わせを行う際に、銅箔の粗化処理の凹凸形状が基材樹脂内に埋まり込みアンカー効果を得ることにより、銅箔と絶縁樹脂層との密着性を得てきた。しかし、通常銅箔表面には表面処理剤として防錆剤等のアミン化合物、長鎖アルキル化合物や、シリコーン系化合物が塗布されているため、このままキャスティング法でポリイミド前駆体を塗布すると得られる2層CCLの銅箔/ポリイミド樹脂の接着強度は低下する。また、脱脂工程やソフトエッチングといった煩雑な工程を経て表面処理剤を除去した銅箔表面は、大気やポリイミド前駆体にさらされるため腐食酸化されるといった問題が挙げられる。さらに、粗化処理や防錆処理等の表面処理を全く施していない未処理の銅箔においては、接着強度が問題となるばかりか、接着強度向上は技術的に困難で、凹凸形状の小さい銅箔への接着強度向上目的に可溶性ポリイミド樹脂を用いた例(特許文献5)はあるが、接着強度は若干向上するものの基板としたときの耐熱性および機械強度に問題がある。
【0004】
粗化処理や防錆処理等の表面処理を全く施していない未処理の銅箔をプリント配線板製造に用いることができれば、銅箔の粗化処理工程の省略、および回路エッチングにおいて粗化処理部分を溶解するためのオーバーエッチングタイムの省略による生産コストの大幅な削減が可能となる。また、粗化処理を施していない銅箔をプリント配線板に用いることは、粗化部分の厚みが無くなることで、より微細な配線パターンの形成が可能となり、配線表面の電気抵抗も小さくなるため、非常に有用であり、粗化処理を施していない銅箔をプリント配線板の製造に用いることができれば、製造コストの削減と性能の向上といった両方の面で好ましい。粗化処理を施していない銅箔と絶縁樹脂層の間の接着性を向上させるには、例えば特許文献6で示されるような熱可塑性ポリイミドとして表現されるポリイミドをプライマーとして用いる方法がある。しかし、銅箔上にプライマーとして当該熱可塑性ポリイミド溶液の塗工及び乾燥を行い、続いて絶縁樹脂層のポリイミド前駆体を塗布し、加熱するキャスティング法においては、アウトガスによって発泡が生じるといった問題が発生するという問題があった。
【特許文献1】特開平10−137679号公報
【特許文献2】特公平07−040626号公報
【特許文献3】特公平06−006360号公報
【特許文献4】特公平05−022399号公報
【特許文献5】特開2006−082228号公報
【特許文献6】特開2007−302003
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、銅箔を粗化処理することなく、銅箔/ポリイミド樹脂(絶縁樹脂層)間の接着性向上の目的で使用されるプライマー層用樹脂組成物の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意研究の結果、本発明を完成した。
すなわち本発明は、
(1)
金属と樹脂との接着性を確保するためのプライマー層用樹脂組成物であって、閉環型ポリイミド(A)およびエポキシ樹脂(B)を含有し、閉環型ポリイミド(A)が、下記式(1)
【化1】

(式(1)中Arは、下記式(2)
【化2】

(式(2)中、X1は直接結合、エーテル結合、カルボニル結合、スルホニル結合、またはC1〜C3のアルキレン結合を表す。)
より選ばれる1種以上の4価の芳香族基を表し、Ar2は下記式(3)
【化3】

(式(3)中、X2は直接結合、エーテル結合、スルホニル結合、アミド結合、またはC1〜C3のアルキレン結合を表す。R1〜R4は独立して、水素原子、水酸基、カルボキシル基、またはC1〜C3のアルキル基を表す。)
より選ばれる1種以上の2価の芳香族基を表す。)
で表されるセグメントを含むことを特徴とするプライマー層用樹脂組成物
(2)
閉環型ポリイミド(A)と、エポキシ樹脂(B)の重量比が、(B)/(A)≦15/100である上記(1)記載の樹脂組成物
(3)
有機溶剤を含む上記(1)または(2)記載のプライマー層用樹脂組成物
(4)
銅箔上に、上記(1)または(2)記載の樹脂組成物の層を有することを特徴とするプライマー層付き銅箔
(5)
上記(4)記載のプライマー層付き銅箔において、プライマー層と接触する銅箔の表面が、表面粗さ(Rz)が2μm以下であることを特徴とするプライマー層付銅箔
(6)
上記(4)または(5)記載のプライマー硬化物層付銅箔のプライマー層上に、絶縁樹脂層を有する銅張り積層板
(7)
上記(6)記載の銅張り積層板を用いて作られるフレキシブルプリント配線板
に関する。
【発明の効果】
【0007】
本発明のプライマー層用樹脂組成物は、これを銅箔に塗布、乾燥したのち、続いてポリイミド前駆体を塗布し、加熱しても発泡が生じないため、粗化処理の施されていない銅箔の使用された銅張積層板において、銅箔と絶縁樹脂層の接着が十分であり、かつ絶縁樹脂層の表面に発泡などの問題が無いものを製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明のプライマー層用樹脂組成物中に含まれる閉環型ポリイミド(A)は、前記式(1)で表されるセグメントを含むものであれば特に制限はないが、溶解性、接着性の点から、Arが、下記式(4)
【化4】

より選ばれる1種以上の4価の芳香族基であることがより好ましい。またAr2は下記式(5)
【化5】

より選ばれる1種以上の2価の芳香族基であることがより好ましい。
閉環型ポリイミド(A)は、式(1)のセグメントのみ、好ましくは前記式(4)と式(5)の組み合わせのみで樹脂骨格を構成するものが好ましいが、本発明の効果を損なわない範囲で、別構造のセグメントを含むことができる。
【0009】
このようなセグメントを含むポリイミドは、閉環型で高い溶剤溶解性を示し、また、プライマーとして使用したとき高い接着性を有する。
本発明のプライマー層用樹脂組成物中に含まれるポリイミド(A)は、有機溶剤に可溶でかつ組成物中で閉環していなければならない。組成中で閉環していることにより、前駆体を含む組成物を基板上に塗布乾燥後、加熱処理によって前駆体を閉環反応させる際に生じる硬化収縮による反りを大幅に低減することができる。
【0010】
また本発明のプライマー層用樹脂組成物中に含まれる閉環型ポリイミド(A)は、モノマーの繰り返し数は10〜2,000が好ましい。10より小さいとポリイミドが本来もつ耐熱性と機械強度が発現し難くなるとともに、銅箔表面がポリイミド樹脂の末端基(アミノ基またはカルボキシル基)の影響を受けやすくなる。また、2,000より大きいと溶液での粘度が高く、層を形成するのが困難なばかりか、銅箔表面との接着性が低下する。これらの不具合を考慮に入れると、前記繰り返し数は50〜1,000が好ましい。また、ポリイミド樹脂の重量平均分子量は、作業性の面から5,000〜500,000程度が好ましい。
【0011】
本発明のプライマー層用樹脂組成物中に含まれる閉環型ポリイミド(A)は、下記式(6)
【化6】

(式(6)中、X1は式(1)におけるのと同じ意味を表す。)
で表されるテトラカルボン酸二無水物1種以上と、下記式(7)
【化7】

(式(7)中、X2及びR1〜R4は式(3)におけるのと同じ意味を表す。)
【0012】
で表されるジアミン1種以上との縮合反応によりポリアミック酸を得て、これを閉環させることで得られる。縮合反応の際本発明の効果を損なわない範囲で、式(6)の化合物以外のテトラカルボン酸二無水物;式(7)の化合物以外のジアミン、ジアミノジフェノールまたはジオールなどを共重合縮合させることができる。ポリアミック酸製造及び閉環反応は、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、メチルベンゾエート、バレロラクトン、またはブチロラクトンより選ばれる1種以上の極性溶媒中で行うのが好ましい。
【0013】
閉環反応は、反応後に閉環型ポリイミド(A)が、通常1〜50重量%、好ましくは5〜30重量%有機溶剤に溶解するように行うと、得られる閉環型ポリイミド(A)の有機溶剤溶液の粘度が取り扱いやすくなるので好ましい。
【0014】
加熱閉環反応は、前記極性溶媒を単独で使用し実施することもできるが、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の比較的低沸点の無極性溶媒を少量添加した混合溶媒を脱水剤として使用し、反応時に副生する水を反応系から除去させながら実施するのが好ましい。反応温度は、150〜220℃が好ましく、170〜200℃が特に好ましい。反応時間は2〜10時間が好ましく、5〜9時間が特に好ましい。無極性溶媒の添加量は極性溶媒に対し5〜20重量%が好ましい。
閉環型ポリイミド(A)の繰り返し数は、前記テトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分とのモル比で制御でき、例えば繰り返し数100の場合、テトラカルボン酸二無水物成分:ジアミン成分=1.00モル:1.10モル〜1.10モル:1.00モルの範囲となる様反応させる。
縮合反応を促進するため、ピリジン、トリエチルアミン、ジメチルアミノピリジンなど、塩基性触媒を添加するのが好ましい。添加量は、テトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分のうち、過剰量入っている成分に比して、1.0〜50mol%添加するのが好ましい。
上記の合成反応を経て得られた閉環型ポリイミド(A)の有機溶剤溶液から閉環型ポリイミド(A)を単離せずに、エポキシ樹脂(B)を添加し、溶解させることで、後述する好ましい本発明のプライマー層用樹脂組成物を得ることができる。
【0015】
本発明に用いられるエポキシ樹脂(B)は、閉環型ポリイミド(A)の末端官能基と反応させ硬化物を形成するために添加しており、1分子中にエポキシ基を2個以上有するものであれば特に限定されないが、機械強度、難燃性等の面からベンゼン環、ビフェニル環、ナフタレン環のような芳香族環を有するエポキシ樹脂が好ましい。具体的には、ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂、キシリレン骨格含有エポキシ樹脂、ビフェニル骨格含有エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、グリオキザール型エポキシ樹脂、ポリエチレングリコール骨格含有エポキシ樹脂、テトラヒドロジシクロペンタジエン骨格含有エポキシ樹脂などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0016】
本発明で用いるプライマー層用樹脂組成物は、銅箔上に塗布し、乾燥したときの閉環型ポリイミド(A)とエポキシ樹脂(B)の硬化を促進するため、硬化触媒を含有していることが好ましい。また、本発明で用いるプライマー層用樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で種々の添加剤を含有することができ、例えば、芳香族ポリアミド樹脂、フェノール樹脂等の有機添加剤、またはシリカ化合物等の無機添加剤、顔料、染料、ハレーション防止剤、蛍光増白剤、界面活性剤、レベリング剤、可塑剤、難燃剤、酸化防止剤、充填剤、静電防止剤、粘度調整剤、イミド化触媒、促進剤、脱水剤、イミド化遅延剤、光安定剤、光触媒、低誘電体、導電体、磁性体や、熱分解性化合物等が挙げられる。
【0017】
本発明のプライマー層用樹脂組成物は、閉環型ポリイミド(A)と、エポキシ樹脂(B)の重量比が、(B)/(A)≦15/100であることが好ましい。(B)/(A)>15/100であると、プライマー層として用いたときの接着性及び耐熱性が低下してしまう。また、本発明の効果である発泡抑制効果を十分に出すためには、(B)/(A)>0.01/100であることが好ましい。
【0018】
本発明のプライマー層用樹脂組成物は、閉環型ポリイミド(A)の末端がアミン、カルボン酸または酸無水物から選ばれる一種以上の官能基を有する。閉環型ポリイミド(A)の末端がこれらの官能基を有することによって、エポキシ樹脂(B)と反応し硬化物を形成することができる。末端官能基の種類は、発泡抑制効果及び接着性の観点から、カルボン酸であることがより好ましい。末端にカルボン酸を有する閉環型ポリイミド(A)は、合成時に式(6)のテトラカルボン酸二無水物成分を式(7)のジアミン成分に対して過剰モル反応させることで末端が酸無水物のポリイミドを合成したのち、水を添加し加熱処理を行い末端酸無水物を加水分解することにより得ることができる。水の添加量は、末端酸無水物量に対して100〜200mol%であることが好ましく、また加熱処理は80〜120℃で30〜120分行うことが好ましい。
【0019】
本発明のプライマー層用樹脂組成物は、成分(A)及び(B)に加えて有機溶剤を含有するワニスの態様が好ましい。有機溶剤の種類としては、閉環型ポリイミド(A)の合成時に使用した溶剤をそのまま使用することができるが、必要に応じ他の種類の溶剤を添加することができる。例えばキャスト時の塗工性や乾燥効率を改善するため、閉環型ポリイミド(A)やエポキシ樹脂(B)の貧溶媒を少量添加しても良い。
【0020】
本発明のプライマー層用樹脂組成物を使用する態様の1形式として、銅箔上にプライマー層用樹脂組成物の層を有するプライマー層付き銅箔を挙げることができる。これは、銅箔の片面に上記ワニスを、プライマー層としての換算厚さが0.1〜10μmとなる様、塗布乾燥する方法で得ることができる。例えば成分(A)と成分(B)の濃度が20重量%のワニスを10μm厚に塗布し、80℃〜130℃で1〜15分乾燥させることで、2μm厚のプライマー層が得られる。さらに、140〜170℃で1〜80分硬化を行うことで、このプライマー層を硬化させることができ、発泡抑制効果が促進するので好ましい。
乾燥時の熱源は熱風でも遠赤外線ヒーターでもよいが、溶媒蒸気の滞留防止および樹脂内部までの熱伝導の点で、熱風と遠赤外線ヒーターを併用するとよい。この本発明のプライマー層付き銅箔のプライマー層は、接着性の向上のみならず高い防錆効果を示す。
【0021】
本発明のプライマー層付き銅箔において、プライマー層と接触する銅箔の表面が、表面粗さ(Rz)が2μm以下であるのが好ましい。表面粗さ(Rz)が2μm以下である銅箔は、銅箔の生産工程から粗化処理工程の省略、および回路エッチングにおいて粗化処理部分を溶解するためのオーバーエッチングタイムの省略することによって得られ、このことにより生産コストの大幅な削減が可能となる。また、粗化処理を施していない銅箔をプリント配線板に用いることは、粗化部分の厚みが無くなることで、より微細な配線パターンの形成が可能となり、配線表面の電気抵抗も小さくなるたり好ましい。
本発明のプライマー層付き銅箔において、プライマー層と接触する銅箔の表面は、異種の化合物によってメッキされていても良い。メッキに用いられる化合物の種類としては、Ni、Fe、Zn、Au、Sn、Ag、Pt、Al、Cr、Ti、Mn、Pd、Mg、Co、Zr、Mo、B、Pより選ばれる1種以上のメッキ層または2種以上の合金メッキ層が挙げられる。このようなメッキ層は、上記化合物の1種以上がイオン化した溶液中での電解または無電解メッキにより得られ、厚みは10〜300nmが好ましい。また銅箔またはメッキの表面が、シランカップリング剤層を備えても良く、このような層はアミノ系、エポキシ系他、市販されている種々のシランカップリング剤(例えばKBMシリーズ 信越化学製)を用いることで得られ、厚みは1〜50nmが好ましい。
【0022】
本発明のプライマー層付き銅箔に、絶縁樹脂層を備えることによって、本発明の銅張積層板を得ることができる。絶縁樹脂層としては、ポリイミド、全芳香族ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリナフタレンテレフタレート、芳香族ポリアミド、ポリベンゾオキサゾールなどが挙げられるが、耐熱性、線膨張率、コスト、取り扱い易さなどの点からポリイミドであることが好ましい。絶縁樹脂層がポリイミドである銅張積層板は、プライマー層付き銅箔上にポリイミド前駆体を塗布し、加熱して閉環するキャスティング法によって得るのが、絶縁樹脂層への接着強度が高いものが得られる点から好ましいが、熱可塑ポリイミドフィルムとプライマー層付き銅箔を加熱圧着するラミネート法を用いて得ても良い。
【0023】
ポリイミド前駆体を塗布し、加熱する方法としては、バッチ炉を用いても、ロール・ツー・ロールタイプの連続炉を用いても良い。バッチ炉を用いた場合は、乾燥条件は80℃〜150℃で1〜15分乾燥させることが好ましく、また閉環のための加熱条件としては、100℃から開始して昇温速度3℃/分以下で350度まで昇温させるのが好ましい。昇温速度は、発泡抑制の点から2℃/分以下がより好ましく、また昇温の途中において、200〜260℃にて30分以上同一温度を保持するのが好ましい。
【0024】
銅箔上にプライマーとして閉環型ポリイミド(A)のみが溶解した溶液の塗工及び乾燥を行い、続いて絶縁樹脂層用のポリイミド前駆体を塗布し、加熱することで銅張積層板を得ようとすると、発泡が生じ問題となる。この発泡を防ぐためには、ガス透過性の良い化学構造の絶縁樹脂層用のポリイミド前駆体を用いることが有効であるが、製造後の銅張積層板に反りなどの別の問題が発生してしまう。ポリイミドのガス透過性を向上させるためには、骨格を柔軟なものに変更することが必要であり、その結果として線膨張率が高くなってしまうからである。すなわち、プライマーとして閉環型ポリイミド(A)のみが溶解した溶液を用いて銅張積層板の製造を試みた場合、発泡が無く、かつ反りが無いものを作ることは困難であった。
【0025】
上記発泡の原因として、閉環型ポリイミド(A)の溶剤に対する親和性の高さが推定される。すなわち、銅箔上にプライマーとして閉環型ポリイミド(A)のみが溶解した溶液の塗工及び乾燥を行い、続いて絶縁樹脂層用のポリイミド前駆体の塗布を行うと、ポリイミド前駆体の溶剤を閉環型ポリイミド(A)が吸収する。引き続き加熱を行うと、溶剤と閉環型ポリイミド(A)の親和性の高さから、溶剤の留去よりもポリイミド前駆体の閉環が先に起こり、その結果溶剤がプライマー層に残留した状態で上層のガス透過性が著しく低下する。これが発泡の生じる原因であると推定される。
【0026】
閉環型ポリイミド(A)の溶解した溶液にエポキシ樹脂(B)を添加、溶解し、銅箔に塗布後、硬化させることで、プライマー層の溶剤親和性を低下させることができる。これが、発泡抑制効果の発現機構であると推定される。
本発明のプライマー層用樹脂組成物は、銅箔上にプライマーとして当該プライマー層用樹脂組成物の塗工及び乾燥を行い、続いて絶縁樹脂層用のポリイミド前駆体を塗布し、加熱した後も発泡が生じないため、粗化処理の施されていない銅箔の使用された銅張積層板において、銅箔と絶縁樹脂層の接着が十分であり、かつ絶縁樹脂層の表面に発泡などの問題が無いものを製造することができる。
本発明の銅張積層板は、銅箔と絶縁樹脂層との間に上記プライマー層が介在するフレキシブルプリント配線板用の銅張積層板であり、銅箔および樹脂基板双方への接着強度は、通常0.7N/mm以上であり、好ましい条件下で得られたものは1.0N/mm以上となる。
【0027】
上記銅張積層板から、打ち抜き、エッチング、穴開け、メッキなどの加工を行うことで、本発明のフレキシブルプリント配線板を得ることができる。
【実施例】
【0028】
以下に実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0029】
銅張積層板の物性測定方法は以下の通りである。
・銅箔と絶縁樹脂層間の接着強度(ピール強度)
得られた銅張積層板の銅箔側に、3mm幅のパターンを、マスキングテープを用いて形成し、塩化第2鉄水溶液中において、40℃にて30分間浸漬させることで銅箔のエッチングを行った。水による洗浄を行った後、フィルム側をボンディングシートにより0.3×70×150mmの鉄板(キャンスーパー パルテック製)に貼り付けた。続きマスキングテープをはがし、現れた3mm幅の銅箔の端をカッターナイフで樹脂から剥がし、テンシロン試験機(AアンドD:オリエンテック製)を用いて、180°方向での銅箔と樹脂との接着強度を測定した。
・発泡
目視にて、ポリイミド表面の発泡有無を確認した。
・分子量
GPC(東ソー製)を用い、標準ポリスチレン換算にて、重量平均分子量を測定した。
・粘度
E型粘度計(東機産業製)を用い測定した。
【0030】
合成例1
温度計、環流冷却器、ディーンスタークトラップ装置、粉耐導入口、窒素導入装置、攪拌装置のついた300mlの反応器に、ジアミン成分として1,3-ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(分子量292.34)24.84g(0.085モル)を仕込み、乾燥窒素を流しながら、溶剤としてN−メチル−2−ピロリドン38.42gを加え、70℃で30分撹拌した。その後、ジカルボン酸二無水物成分として、4,4’−オキシジフタル酸無水物(分子量310.22)26.88g(0.087モル)、溶剤としてN−メチル−2−ピロリドンを57.63g、触媒としてピリジンを1.371g、脱水剤としてトルエン22.2gを添加し、反応器内を180℃まで加熱し、ディーンスタークトラップ装置にてトルエンを還流させつつ発生する水を抜きながら3時間加熱、続きトルエン及びピリジンを除きながら5時間加熱閉環反応を行った。閉環反応終了後、室温まで冷却を行い、続いてN−メチル−2−ピロリドン103.23gを添加することで下記式(8)
【0031】
【化8】

(式(8)中nは繰り返し数であり、全体の重量平均分子量は65000であった。)で表されるポリイミド樹脂がN−メチル−2−ピロリドンに20重量%の濃度で溶解した溶液を251g得た。このポリイミド樹脂溶液1.00mlを、E型回転粘度計を用い25℃で測定した回転粘度は、870mPa・sであった。
【0032】
合成例2
合成例1において、ジアミン成分としてビスフェノールA 4,4’−ジアニリノエーテル(分子量440.58)30.77g(0.070モル)、ジカルボン酸二無水物成分として、3、3’、4、4’−ビフェニルテトラカルボン酸2無水物(分子量294.22)20.95g(0.071モル)とした以外は合成例1と同様にして、下記式(9)
【0033】
【化9】

【0034】
(式(9)中nは繰り返し数であり、全体の重量平均分子量は72000であった。)で表されるポリイミド樹脂がN−メチル−2−ピロリドンに20重量%の濃度で溶解した溶液を251g得た。このポリイミド樹脂溶液1.00mlを、E型回転粘度計を用い25℃で測定した回転粘度は、610mPa・sであった。
【0035】
合成例3
合成例1において、ジアミン成分としてカヤボンドC−300S(3、3’、5,5’−テトラエチル−4、4’−ジアミノジフェニルメタン 日本化薬(株)製 分子量310.48)25.13g(0.081モル)、ジカルボン酸二無水物成分として、3、3’、4、4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸2無水物(分子量322.23)26.59g(0.083モル)とした以外は合成例1と同様にして、下記式(10)
【0036】
【化10】

【0037】
(式(10)中nは繰り返し数であり、全体の重量平均分子量は54000であった。)で表されるポリイミド樹脂がN−メチル−2−ピロリドンに20重量%の濃度で溶解した溶液を251g得た。このポリイミド樹脂溶液1.00mlを、E型回転粘度計を用い25℃で測定した回転粘度は、850mPa・sであった。
【0038】
合成例4
合成例1において、ジアミン成分としてビスフェノールS 4,4’−ジアニリノエーテル(分子量462.56)28.90g(0.062モル)、ジカルボン酸二無水物成分として、3、3’、4、4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸2無水物(分子量358.28)22.82g(0.064モル)とした以外は合成例1と同様にして、下記式(11)
【0039】
【化11】

【0040】
(式(11)中nは繰り返し数であり、全体の重量平均分子量は75000であった。)で表されるポリイミド樹脂がN−メチル−2−ピロリドンに20重量%の濃度で溶解した溶液を251g得た。このポリイミド樹脂溶液1.00mlを、E型回転粘度計を用い25℃で測定した回転粘度は、900mPa・sであった。
【0041】
合成例5
合成例1において、ジアミン成分としてジアミン成分として1,3-ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(分子量292.34)24.92g(0.085モル)、ジカルボン酸二無水物成分として、3、3’、4、4’−ジフェニルメタンテトラカルボン酸2無水物(分子量308.24)26.80g(0.087モル)とした以外は合成例1と同様にして、下記式(12)
【0042】
【化12】

【0043】
(式(12)中nは繰り返し数であり、全体の重量平均分子量は60500であった。)で表されるポリイミド樹脂がN−メチル−2−ピロリドンに20重量%の濃度で溶解した溶液を251g得た。このポリイミド樹脂溶液1.00mlを、E型回転粘度計を用い25℃で測定した回転粘度は、730mPa・sであった。
【0044】
合成例6
合成例1において、ジアミン成分としてジアミン成分としてABPS(3,3’−ジアミノ−4,4’−ジフェノールスルホン 日本化薬(株)製 分子量280.30)24.30g(0.087モル)、ジカルボン酸二無水物成分として、4,4’−オキシジフタル酸無水物(分子量310.22)27.42g(0.088モル)とした以外は合成例1と同様にして、下記式(13)
【0045】
【化13】

【0046】
(式(13)中nは繰り返し数であり、全体の重量平均分子量は71500であった。)で表されるポリイミド樹脂がN−メチル−2−ピロリドンに20重量%の濃度で溶解した溶液を251g得た。このポリイミド樹脂溶液1.00mlを、E型回転粘度計を用い25℃で測定した回転粘度は、920mPa・sであった。
【0047】
実施例1
合成例1で得られたプライマー樹脂溶液に、水0.0604g(0.00336mol)を添加し、100℃で45分撹拌した。その後、室温まで冷却を行い、下記式(14)
【0048】
【化14】

【0049】
の化学構造を有するエポキシ樹脂(日本化薬(株)製 NC−3000、式中nは1から20までの整数、エポキシ当量277g/eq)を3.72g、硬化触媒であるキュアゾール2PHZ−PW(四国化成(株)製)を0.074g添加し、2時間攪拌を行い、本発明のプライマー層用樹脂組成物を得た。この組成物1.00mlを、E型回転粘度計を用い25℃で測定した回転粘度は、890mPa・sであった。
【0050】
実施例2
合成例2で得られたプライマー樹脂溶液に、水0.0497g(0.00276mol)を添加し、100℃で45分撹拌した。その後、室温まで冷却を行い、NC−3000を3.06g、キュアゾール2PHZ−PWを0.061g添加し、2時間攪拌を行い、本発明のプライマー層用樹脂組成物を得た。この組成物1.00mlを、E型回転粘度計を用い25℃で測定した回転粘度は、630mPa・sであった。
【0051】
実施例3
合成例3で得られたプライマー樹脂溶液に、水0.0576g(0.00320mol)を添加し、100℃で45分撹拌した。その後、室温まで冷却を行い、NC−3000、を3.54g、キュアゾール2PHZ−PWを0.071g添加し、2時間攪拌を行い、本発明のプライマー層用樹脂組成物を得た。この組成物1.00mlを、E型回転粘度計を用い25℃で測定した回転粘度は、880mPa・sであった。
【0052】
実施例4
合成例4で得られたプライマー樹脂溶液に、水0.0444g(0.00247mol)を添加し、100℃で45分撹拌した。その後、室温まで冷却を行い、NC−3000、を2.74g、キュアゾール2PHZ−PWを0.055g添加し、2時間攪拌を行い、本発明のプライマー層用樹脂組成物を得た。この組成物1.00mlを、E型回転粘度計を用い25℃で測定した回転粘度は、920mPa・sであった。
【0053】
実施例5
合成例5で得られたプライマー樹脂溶液に、水0.0606g(0.00337mol)を添加し、100℃で45分撹拌した。その後、室温まで冷却を行い、NC−3000、を3.73g、キュアゾール2PHZ−PWを0.0075g添加し、2時間攪拌を行い、本発明のプライマー層用樹脂組成物を得た。この組成物1.00mlを、E型回転粘度計を用い25℃で測定した回転粘度は、750mPa・sであった。
【0054】
実施例6
合成例6で得られたプライマー樹脂溶液に、水0.0617g(0.00343mol)を添加し、100℃で45分撹拌した。その後、室温まで冷却を行い、NC−3000、を3.79g、キュアゾール2PHZ−PWを0.076g添加し、2時間攪拌を行い、本発明のプライマー層用樹脂組成物を得た。この組成物1.00mlを、E型回転粘度計を用い25℃で測定した回転粘度は、950mPa・sであった。
【0055】
実施例7
実施例1で得られた樹脂組成物をオートマチックアプリケーター(安田精機製作所製)を用い、17μm厚の表面粗さ(Rz)が2μm以下である圧延銅箔上に14μm厚で塗布した後、130℃×10分乾燥し、続き170℃×1時間にて硬化することにより、2.8μm厚の本発明のプライマー層付き銅箔を得た。
【0056】
実施例8
実施例7で得られたプライマー層付き銅箔上に、オートマチックアプリケーター(安田精機製作所製)を用い、特開2006−191120の実施例1記載のポリイミド前駆体の溶液(樹脂濃度は25重量%)を100μm厚で塗布した後、130℃×10分乾燥した。その後、下記加熱プログラムで加熱を行うことで、本発明の銅張積層板を得た。得られた銅張積層板の物性を表1に示す。
【0057】
加熱プログラム
100℃から昇温速度1℃/分で昇温させ、240℃に達した時点からその温度で1時間保持し、続いて昇温速度1℃/分で350℃まで昇温させる。
【0058】
実施例9
樹脂組成物として、実施例2で得られた樹脂組成物を使用した以外は実施例7と同様に行い、2.5μm厚の本発明のプライマー層付き銅箔を得た。
【0059】
実施例10
実施例9で得られたプライマー層付き銅箔を使用した以外は、実施例8と同様な処理を行うことにより、本発明の銅張積層板を得た。得られた銅張積層板の物性を表1に示す。
【0060】
実施例11
樹脂組成物として、実施例3で得られた樹脂組成物を使用した以外は実施例7と同様に行い、2.6μm厚の本発明のプライマー層付き銅箔を得た。
【0061】
実施例12
実施例11で得られたプライマー層付き銅箔を使用した以外は、実施例8と同様な処理を行うことにより、本発明の銅張積層板を得た。得られた銅張積層板の物性を表1に示す。
【0062】
実施例13
樹脂組成物として、実施例4で得られた樹脂組成物を使用した以外は実施例7と同様に行い、2.9μm厚の本発明のプライマー層付き銅箔を得た。
【0063】
実施例14
実施例13で得られたプライマー層付き銅箔を使用した以外は、実施例8と同様な処理を行うことにより、本発明の銅張積層板を得た。得られた銅張積層板の物性を表1に示す。
【0064】
実施例15
樹脂組成物として、実施例5で得られた樹脂組成物を使用した以外は実施例7と同様に行い、2.5μm厚の本発明のプライマー層付き銅箔を得た。
【0065】
実施例16
実施例15で得られたプライマー層付き銅箔を使用した以外は、実施例8と同様な処理を行うことにより、本発明の銅張積層板を得た。得られた銅張積層板の物性を表1に示す。
【0066】
実施例17
樹脂組成物として、実施例6で得られた樹脂組成物を使用した以外は実施例7と同様に行い、2.6μm厚の本発明のプライマー層付き銅箔を得た。
【0067】
実施例18
実施例17で得られたプライマー層付き銅箔を使用した以外は、実施例8と同様な処理を行うことにより、本発明の銅張積層板を得た。得られた銅張積層板の物性を表1に示す。
【0068】
比較例1
合成例1で得られた樹脂溶液を使用した以外は、実施例7と同様に行い、2.8μm厚のポリイミド樹脂付き銅箔を得た。
【0069】
比較例2
比較例1で得られたポリイミド樹脂付き銅箔を使用した以外は、実施例8と同様の処理を行い銅張積層板を得ようとしたところ、ポリイミド全面に発泡が生じてしまい、銅張積層板を得ることができなかった。
【0070】
比較例3
合成例2で得られた樹脂溶液を樹脂組成物を使用した以外は実施例7と同様に行い、2.4μm厚のポリイミド樹脂付き銅箔を得た。
【0071】
比較例4
比較例3で得られたポリイミド樹脂付き銅箔を使用した以外は、実施例8と同様の処理を行い銅張積層板を得ようとしたところ、ポリイミド全面に発泡が生じてしまい、銅張積層板を得ることができなかった。
【0072】
比較例5
ポリイミドのプライマーが着いていない表面粗さ(Rz)が2μm以下である圧延銅箔上に、実施例8と同様の処理を行い、銅張積層板を得た。得られた銅張積層板は表1に示すとおり、発泡は無いが、ピール強度が十分でない銅張積層板を得た。
【0073】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属と樹脂との接着性を確保するためのプライマー層用樹脂組成物であって、閉環型ポリイミド(A)およびエポキシ樹脂(B)を含有し、閉環型ポリイミド(A)が、下記式(1)
【化1】

(式(1)中Arは、下記式(2)
【化2】

(式(2)中、X1は直接結合、エーテル結合、カルボニル結合、スルホニル結合、またはC1〜C3のアルキレン結合を表す。)
より選ばれる1種以上の4価の芳香族基を表し、Ar2は下記式(3)
【化3】

(式(3)中、X2は直接結合、エーテル結合、スルホニル結合、アミド結合、またはC1〜C3のアルキレン結合を表す。R1〜R4は独立して、水素原子、水酸基、カルボキシル基、またはC1〜C3のアルキル基を表す。)
より選ばれる1種以上の2価の芳香族基を表す。)
で表されるセグメントを含むことを特徴とするプライマー層用樹脂組成物。
【請求項2】
閉環型ポリイミド(A)と、エポキシ樹脂(B)の重量比が、(B)/(A)≦15/100である請求項1記載の樹脂組成物。
【請求項3】
有機溶剤を含む請求項1または2記載のプライマー層用樹脂組成物。
【請求項4】
銅箔上に、請求項1または2記載の樹脂組成物の層を有することを特徴とするプライマー層付き銅箔。
【請求項5】
プライマー層と接触する銅箔の表面が、表面粗さ(Rz)が2μm以下である請求項4記載のプライマー層付き銅箔。
【請求項6】
請求項4または請求項5記載のプライマー硬化物層付銅箔のプライマー層上に、絶縁樹脂層を有する銅張積層板。
【請求項7】
請求項6記載の銅張積層板を用いて作られるフレキシブルプリント配線板。

【公開番号】特開2010−31167(P2010−31167A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−196119(P2008−196119)
【出願日】平成20年7月30日(2008.7.30)
【出願人】(000004086)日本化薬株式会社 (921)
【Fターム(参考)】