説明

プラスチックシートの作製方法、及びその作製装置

【課題】フィルムとコアシートとにより構成される積層体を高精度で位置決めすることが可能なプラスチックシートの作製方法、その作製装置を提供すること。
【解決手段】フィルムの片面に、電子写真方式により画像を形成する画像形成工程と、コアシートを介して、2つの前記フィルムをその画像面が互いに対面するように積層した積層体を位置決めする位置決め工程と、位置決めされた前記積層体を加熱・加圧することにより、前記コアシートを前記2つのフィルムでラミネートするラミネート工程と、を含むプラスチックシートの作製方法であって、前記位置決め工程が、前記積層体の直交する2辺を併せて用いて丁合いした後、当該積層体を仮止めする工程であることを特徴とするプラスチックシートの作製方法、及びその作製装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式の画像形成装置によって直接画像形成(記録)されてなるフィルムによりラミネートされたプラスチックシートに関し、より詳細には、顔写真入りキャッシュカードや社員証、学生証、個人会員証、居住証、各種運転免許証、各種資格取得証明等の非接触式又は接触式個人情報画像情報入り情報媒体、更に医療現場などで用いる本人照合用画像シートや画像表示板、表示ラベルなどに用いられるプラスチックシートの作製方法、及びその作製装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像形成技術の発達に伴って、凹版印刷、凸版印刷、平版印刷、グラビヤ印刷及びスクリーン印刷などの様々な印刷法により、同一品質の画像を、大量かつ安価に形成する手段が知られている。そして、このような印刷法は、ICカード、磁気カード、光カード、或いはこれらが組み合わさったカードなど、所定の情報を納め、外部装置と接触又は非接触に交信可能な情報媒体の表面印刷にも多く用いられている。
【0003】
しかしながら、例えば、上記スクリーン印刷は、印刷しようとする画像の数に応じた印刷版が多数必要であり、カラー印刷の場合には、更にその色の数だけ印刷版が必要となる。そのため、これら印刷方法は、個人の識別情報(顔写真、氏名、住所、生年月日、各種免許証など)に個々に対応するには不向きである。
【0004】
上記問題点に対して、現在もっとも主流となっている画像形成手段は、インクリボン等を用いた昇華型や溶融型の熱転写方式を採用したプリンタ等による画像形成方法である。しかし、これらは個人の識別情報を容易に印字することはできるが、印刷速度を上げると解像度が低下し、解像度を上げると印刷速度が低下するという問題を依然抱えている。
【0005】
これに対して、電子写真方式による画像形成(印刷)は、像担持体表面を一様に帯電させ、画像信号に応じて露光し、露光部分と非露光部分との電位差による静電潜像を形成させ、その後、前記帯電と反対(或いは同一)の極性を持つトナーと呼ばれる色粉(画像形成材料)を静電現像させることにより、前記像担持体表面に可視画像(トナー画像)を形成させる方法で行われる。カラー画像の場合は、この工程を複数回繰り返すこと、或いは画像形成器を複数並配置することによりカラーの可視画像を形成し、これらを画像記録体に転写、定着(固定化:主に熱による色粉の溶融と冷却による固化)することによりカラー画像を得る方法で行われる。
【0006】
上述のように、電子写真方式では、像担持体表面の静電潜像を画像信号により電気的に形成するため、同じ画像を何度でも形成できるだけでなく、異なる画像に対しても容易に対応でき画像形成することが可能である。また、像担持体表面のトナー画像は、ほぼ完全に画像記録体表面に転移させることができ、像担持体表面にわずかに残存するトナー画像も、樹脂ブレードやブラシ等により容易に除去することができるため、多品種少量生産に向けた印刷物を容易に作製することが可能である。
【0007】
また、上記トナーは、通常、熱溶融性樹脂及び顔料、並びに場合によっては帯電制御剤などの添加剤を溶融混合し、この混練物を粉砕、微粒子化して形成される。更に、前記電子写真方式における静電潜像は、上記微粒子化されたトナーに比べてかなり高い解像度を持っており、前記スクリーン印刷やインクリボンの熱転写方式の解像度と比べても十分な解像度が期待できる。
【0008】
カラー画像についても、カラートナーとしてシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの四原色を用い、これらを混合することにより、理論的に印刷と同様の色を再現できる。また、上記カラートナーでは、トナー樹脂と顔料とを比較的自由に配合できるため、トナーによる画像隠蔽性を増加させることは容易である。
【0009】
前述の電子写真装置を使用して各種カードの印字を行った例としては以下のものが挙げられる。
例えば、画像が形成された2つのプラスチックフィルム間に、コアシートを狭持してなる積層体をラミネートすることで、各種カードに適用可能なプラスチップシートが得られることが知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開2004−188603
【特許文献2】特開2004−195973
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記特許文献1及び特許文献2に記載の技術には、積層体をラミネートする前の位置決め工程において、その精度を高めるための具体的な構成が開示されておらず、各種サイズのシートに対応することや簡素な構成で精度良く各フィルムを丁合いすること等の検討がなされていない。
【0011】
そこで、本発明は、上記従来技術の問題点を解決することを目的とする。
すなわち、本発明は、フィルムとコアシートとにより構成される積層体を高精度で位置決めすることが可能なプラスチックシートの作製方法、その作製装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題は、以下の本発明により達成される。すなわち、本発明は、
(1) フィルムの片面に、電子写真方式により画像を形成する画像形成工程と、コアシートを介して、2つの前記フィルムをその画像面が互いに対面するように積層した積層体を位置決めする位置決め工程と、位置決めされた前記積層体を加熱・加圧することにより、前記コアシートを前記2つのフィルムでラミネートするラミネート工程と、を含むプラスチックシートの作製方法であって、
前記位置決め工程が、前記積層体の直交する2辺を併せて用いて丁合いした後、当該積層体を仮止めする工程であることを特徴とするプラスチックシートの作製方法である。
上記(1)のプラスチックシートの作製方法によれば、フィルム及びコアシートからなる積層体を直交する2辺を併せて用いていて丁合いし、その後、仮止めすることで、積層体の位置決めを精度良く行うことができる。
【0013】
(2) 前記仮止め位置が、前記積層体の搬送方向の下流側の先端部であることを特徴とする(1)に記載のプラスチックシートの作製方法である。
上記(2)のプラスチックシートの作製方法によれば、位置決め工程における仮止めの位置を、積層体の搬送方向の下流側の先端部にしたことから、次工程のラミネート工程に突入するときに積層体内にずれが発生しない。
【0014】
(3) 前記直交する2辺のうちの一方が、前記積層体の搬送方向の下流側において該搬送方向と直交する辺であることを特徴とする(1)又は(2)に記載のプラスチックシートの作製方法である。
上記(3)のプラスチックシートの作製方法によれば、フィルム及びコアシートからなる積層体の搬送方向の下流側の先端部を基準に丁合いするようにしたので、サイズの違うフィルム、コアシートであっても丁合いすることが可能となる。従って、マルチサイズな積層体を得ることができる。
【0015】
(4) フィルムの片面に、電子写真方式により定着画像を形成する画像形成部と、コアシートを介して、2つの前記フィルムをその画像面が互いに対面するように積層した積層体を位置決めする位置決め部と、位置決めされた前記積層体を加熱・加圧して、前記コアシートを前記2つのフィルムでラミネートするラミネート部と、を含んで構成されるプラスチックシートの作製装置であって、
前記位置決め部が、前記積層体を載せる保持部材と、該積層体の直交する2辺を併せて丁合いする丁合い手段と、当該積層体を仮止めする仮止め手段とを備えることを特徴とするプラスチックシートの作製装置である。
上記(4)のプラスチックシートの作製装置によれば、フィルム及びコアシートからなる積層体を直交する2辺を併せて丁合いする位置決め手段と、仮止め手段と、を有することで、積層体の位置決めを精度良く行うことができる。
【0016】
(5) 前記仮止め位置が、前記積層体の搬送方向の下流側の先端部であることを特徴とする(4)に記載のプラスチックシートの作製装置である。
上記(5)のプラスチックシートの作製装置によれば、位置決め部における仮止めの位置を、積層体の搬送方向の下流側の先端部にしたことから、次工程のラミネート工程に突入するときに積層体内にずれが発生しない。
【0017】
(6) 前記直交する2辺のうちの一方が、前記積層体の搬送方向の下流側において該搬送方向と直交する辺であることを特徴とする(4)又は(5)に記載のプラスチックシートの作製装置である。
上記(6)のプラスチックシートの作製装置によれば、フィルム及びコアシートからなる積層体の搬送方向の下流側の先端部を基準に丁合いするようにしたので、サイズの違うフィルム、コアシートであっても丁合いすることが可能となる。従って、マルチサイズな積層体を得ることができる。
【0018】
(7) 前記保持部材及び丁合い手段が、前記積層体の搬送方向と平行する1辺を含む直交する2辺を有する丁合いトレイから構成されており、該丁合いトレイの底面が、水平、又は、前記積層体の搬送方向の下流側に向かって低くなるような傾斜を付けて設置されることを特徴とする(4)〜(6)のいずれか1に記載のプラスチックシートの作製装置。
上記(7)のプラスチックシートの作製装置によれば、積層体の搬送方向と平行する1辺を含む直交する2辺を有する丁合いトレイが、水平、又は、前記積層体の搬送方向の下流側に向かって低くなるような傾斜を付けて設置されることで、簡素な構成で丁合いが可能となり、特に、積層体がサイズの違うフィルム及びコアシートから構成されていても、丁合いが容易となる。
【0019】
(8)前記保持部材が前記積層体を搬送する搬送ベルトからなり、且つ、前記丁合い手段が、該搬送ベルト上に前記積層体の搬送方向と平行に配置され、該積層体の搬送経路を形成する1対のガイドと、該ガイドより該積層体の搬送方向の下流側に、該搬送方向と直交するように設けられたストッパーと、からなることを特徴とする(4)に記載のプラスチックシートの作製装置である。
上記(8)のプラスチックシートの作製装置によれば、1対のガイドにより形成された搬送経路を搬送された積層体を、ストッパーに突き当てることで、積層体の丁合いが可能になり、積層体の位置決めを精度良く行うことができる。
【0020】
(9) 前記保持部材が前記積層体を保持する搬送台からなり、且つ、前記丁合い手段が、該搬送台上に前記積層体の搬送方向と平行に配置され、該積層体の搬送経路を形成する1対のガイドと、該ガイドより該積層体の搬送方向の下流側に、該搬送方向と直交するように設けられた1対の搬送ロールと、からなることを特徴とする(4)に記載のプラスチックシートの作製装置である。
上記(9)のプラスチックシートの作製装置によれば、1対のガイドにより形成された搬送経路を搬送された積層体を、搬送ロールに突き当てることで、積層体の丁合いが可能になり、簡易な構成で、且つ、積層体の位置決めを精度良く行うことができる。
【0021】
(10) 前記搬送ロールがクリーニングロールであることを特徴とする(9)に記載のプラスチックシートの作製装置である。
上記(10)のプラスチックシートの作製方法によれば、搬送ロールがクリーニングロールを兼ねることで、このクリーニングロール間を通過した積層体表面のクリーニングが可能となる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、各種サイズのフィルムとコアシートとから構成される積層体に対しても、精度良く丁合いし、更に、仮止めをすることで、該積層体を高精度で位置決めすることが可能なプラスチックシートの作製方法、作製装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、実質的に同様の機能を有するものには、全図面を通して同じ符号を付して説明し、場合によってはその説明を省略することがある。
なお、プラスチックシートの作製装置を説明すると共に、該作製装置を用いた本発明のプラスチックシートの作製方法についても同時に説明する。
【0024】
まず、本発明において作製されるプラスチックシートについて、図1を参照して説明する。図1は、本発明により作製されるプラスチックシートの構成断面図である。
図1に示すように、プラスチックシートは、コアシート1を介して、画像2が形成された表面フィルム3と、画像4が形成された裏面フィルム5と、が、画像2、4が形成された側の面が互いに対向するように重ねられ、ラミネートされてなる。
このような構成のプラスチックシートの作製装置の実施形態を以下に示す。
【0025】
(第1の実施形態)
図2は、本発明のプラスチックシートの作製装置の第1の実施形態を示す概略構成図である。
図2に示されるプラスチックシートの作製装置は、画像形成装置(フィルム収納部、画像形成部)10、位置決め装置(位置決め部)20と、ラミネート装置(ラミネート部)30と、から構成されている。
【0026】
画像形成装置10は、例えば、フィルムスタッカー11と、画像形成部12と、フィルムスタッカー11から画像形成部12へフィルムを搬送する搬送路13と、画像形成部12から排出口14へ画像形成後のフィルムを搬送する搬送路15とから構成されている。その他の構成は省略する。
【0027】
画像形成部12は、図示しないが、潜像を形成する潜像担持体と、該潜像を少なくともトナーを含む現像剤を用いて現像し、トナー画像を得る現像器と、現像されたトナー画像をフィルムに転写する転写器、フィルムに転写されたトナー画像を加熱・加圧して定着する定着器などを含む、公知の電子写真方式のカラー画像形成装置で構成されている。
【0028】
搬送路13、15は、駆動ロール対を含む複数のロール対やガイド(図示せず)から構成されており、更に搬送路15には、フィルムの搬送方向を180°反転させる反転路16が設けられている。搬送路15と反転路16との分岐付近には、フィルムの案内方向を変更するカム17が設けられている。この反転路16でフィルムを往復させ、再び搬送路15に戻すと、フィルムの搬送方向が180°反転されると共に、フィルムの表裏が反転して搬送される。
【0029】
位置決め装置20は、画像形成装置10の排出口14から排出されたフィルムを、丁合いトレイ26へ供給する搬送路21と、コアシートスタッカー22と、ピックアップロール23と、給紙ロール24と、コアシートスタッカー22から丁合いトレイ26へコアシートを供給する搬送路25と、丁合いトレイ(保持部材、丁合い手段)26、仮止め装置(仮止め手段)27と、から構成されている。
【0030】
上記搬送路21としては、例えば、平滑な板状部材と、その表面をフィルムを搬送させるための搬送ロールが設けられた構成であってもよく、また、回転するベルト状の搬送体で構成されていてもよい。そして、フィルムが画像形成装置10から排出されるタイミングで搬送ロールやベルトが回転し、フィルムを丁合いトレイ26に搬送する。
【0031】
また、コアシートスタッカー22には、通常の給紙装置に備えられているようなピックアップロール23や給紙ロール24が備えられており、丁合いトレイ26がコアシートスタッカー22の排出口の位置に移動した直後のタイミングで給紙ロール24等が回転し、搬送路25を通じて、丁合いトレイ26にコアシートを搬送する。
【0032】
丁合いトレイ26は、例えば、搬送路25の排出部と搬送路21の排出部からコアシート及びフィルムがそれぞれ供給されるように、例えば、丁合いトレイ26の端部が上下に張架されたベルト(図示せず)の外壁に連結されており、当該ベルトの回転駆動に伴い昇降(図中上下)するよう構成されている。このような昇降手段に限らず、モーター駆動方式など、公知の昇降手段を適用させることができる。
【0033】
上記のようにして、フィルムやコアシートが丁合いトレイ26に供給されて積層体が形成された後には、後述する積層体の丁合い及び仮止めが施されて、位置決めが完了する。
本発明の第1の実施形態では、積層体を載せる保持部材、及び、積層体の直交する2辺を併せて丁合いする丁合い手段が、丁合いトレイ26により構成されていることになる。
【0034】
以下、丁合いトレイ26の構成を示し、丁合いの具体的な方法について、図面を参照して、具体的に説明する。ここで、図3は、図2中の丁合いトレイ26の構成を説明するための概略平面図である。
図3に示される丁合いトレイ26のトレイ底面50上には、コアシート、表面フィルム、及び裏面フィルムが積層されてなる積層体Pが載っている。
また、図3に示されるように、丁合いトレイ26は、トレイ底面50に対し、積層体Pを丁合いするために、基準壁61、62が互いに直交するように設置されている。これにより、積層体Pの直交する2辺を併せて用い、この2辺を基準壁61、62に突き当てることで丁合いが行われる。より具体的には、図3に示されるように、丁合いトレイ26には、ダンパー63、64が設けられており、これらを、それぞれ、矢印A、Bの方向に図示しない駆動機構により移動させることで、積層体Pの直交する2辺を基準壁61、62に突き当てることができる。
【0035】
ここで、基準壁61は、丁合いトレイ26において積層体Pの搬送方向の下流側に設置されている。また、基準壁61に積層体Pを突き当てるために用いられるダンパー63もCで示される位置まで移動することが可能である。このような構成とすることで、例えば、A4とA3等サイズの違う積層体Pに対しても、ダンパー63の位置を移動させることで、基準壁61への突き当てが可能となり、精度良い丁合いができる。
【0036】
なお、図3に示される基準壁61は、搬送方向に直交する位置に設けられているため、丁合いが完了し、仮止め装置27による仮止めが終了した後に、積層体Pの搬送を妨げないように、図4に示すように移動可能に設けられることが必要である。ここで、図4は、図3に示される丁合いトレイ26の概略断面図である。
例えば、図4(a)に示されるように、基準壁61は、矢印D方向(つまり、上下移動)に可動し、61aで示される箇所に移動することで、積層体Pの後工程への搬送が可能となる。
また、図4(b)に示されるように、基準壁61は、ヒンジ51により矢印E方向(つまり、ヒンジ51を中心とした円周方向)に可動し、61bで示される箇所に移動することで、積層体Pの後工程への搬送が可能となる。
【0037】
一方、図2及び図4においては、丁合いトレイ26のトレイ底面50が水平になるように設置されている例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、丁合いトレイの底面が、搬送方向の下流側又は上流側が低くなるように傾斜を付けて設置されていてもよい。
例えば、図5(a)に示される丁合いトレイ26aの構成のように、搬送方向の下流側に向かって低くなるような傾斜を付けて設置されていてもよい。この場合にも、積層体Pの直交する2辺を、基準壁61c、及び基準壁61cと直交する基準壁(図示せず)の両方に突き当てることで丁合いが行われる。ここでも、図3に示される構成と同様に、ダンパーが設けられ、その移動により、積層体Pの直交する2辺を両基準壁に突き当てることが好ましい。
なお、図5(a)に示される丁合いトレイ26aでは、積層体Pを基準壁61cに突き当てる手段として、重力の作用を用いてもよい。その場合には、ダンパーを省略することも可能である。
また、このような丁合いトレイ26aの場合、図5(b)に示されるように、トレイ底面50aが、支点Fを中心に矢印G方向(つまり、支点Fを中心とした円周方向)に移動して、トレイ底面50aを水平位置まで移動することで、仮止め終了の積層体Pを次工程のラミネート装置へと搬送することが可能となる。
【0038】
また、図2に示されるように、丁合いトレイ26には、コアシート、表面フィルム、及び裏面フィルムが積層されてなる積層体Pを仮止めする仮止め装置27が設けられている。この仮止め装置27は、例えば、ヒータなどにより加熱されるよう金属からなる1対の突片で構成されており、この加熱された1対の突片により積層体Pの端部を挟むことで、積層体Pの端部が熱溶着されて仮止めされる。
【0039】
ここで、仮止め位置としては、積層体Pの搬送方向の下流側の先端部であることが望ましい。ここで、仮止めされる積層体Pの搬送方向の下流側の先端部とは、積層体Pの最先端部から10mmまでの距離であることが好ましい。
このように、積層体Pの搬送方向の下流側の先端部を仮止めすることで、図6(a)に示されるように、次工程の1対のベルト31から構成されるベルトニップ方式のラミネート装置30に突入した際に、積層体内のフィルムとコアシートとの位置がずれることがない。
仮に、積層体Pの丁合いが終了した後、仮止めを行わない場合には、図6(b)に示されるように、フィルムとコアシートがずれを発生してしまう可能性がある。
【0040】
仮止めが終了し、位置決めが終了した積層体Pは、図示されない搬送手段により、次工程のラミネート装置30へと搬送される。この際、基準壁61、61cは、図4や図5に示されるように、積層体Pの搬送の妨げにならない位置に移動していることとなる。
【0041】
ラミネート装置30は、例えば、1対のベルト31から構成されるベルトニップ方式を採用することができる。それぞれのベルト31は、張架ロール32と、加熱・加圧ロール35とにより張架されている。
【0042】
ラミネート装置30における圧着方法としては、特に上記に限定されるものではなく、従来公知の各種ラミネート技法、並びにラミネート装置をいずれも好適に採用することができる。例えば、前記積層体を熱ロール対などによるニップ部に挿通させることにより、両者をある程度熱溶融させ熱融着させる、通常のラミネート技法、並びにラミネート装置を用いて、圧着させることができる。
【0043】
ラミネートされた積層体は、排出トレイ41に排出され、プラスチックシートが得られる。ここで、プラスチックシートに個別の画像が複数形成されている場合、この各画像毎に裁断し、所定のサイズのプラスチックシートを得る。
【0044】
以上のように、本発明における位置決め工程(位置決め部)では、どのような経路、順序にしたがって積層体が作製されるにせよ、表面フィルム及び裏面フィルムとコアシートとからなる積層体が精度良く位置決めされる。また、本発明の位置決め工程は、種々のサイズの積層体にも対応可能である。
【0045】
(第2の実施形態)
次に、図7を参照して、本発明のプラスチックシートの作製装置の第2の実施形態を説明する。図7は、本発明のプラスチックシートの作製装置の第2の実施形態を示す要部概略構成図である。なお、図7に示されるプラスチックシートの作製装置は、位置決め装置(位置決め部)20aと、ラミネート装置(ラミネート部)30aと、を有し、図示されていない画像形成装置(フィルム収納部、画像形成部)は、図2に示される第1の実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0046】
第2の実施形態における位置決め装置(位置決め部)20aは、第1の実施形態と同様に、画像形成装置10の排出口14から排出されたフィルムを、搬送ベルト70へ供給する搬送路21と、コアシートスタッカー22と、ピックアップロール23と、給紙ロール24と、コアシートスタッカー22から搬送ベルト70へコアシートを供給する搬送路25と、搬送ベルト(保持部材)70、1対のガイド(丁合い手段)72、ストッパー(丁合い手段)74、仮止め装置(仮止め手段)27aと、クリーニングロール80と、から構成されている。
ここで、上記搬送路21、コアシートスタッカー22、ピックアップロール23、給紙ロール24、及び搬送路25の構成及び機能は、前述の第1の実施形態と同様である。
以下、この第2の実施形態における丁合い、及び仮止め方法について説明する。
【0047】
搬送ベルト70は、搬送路25の排出部、及び搬送路21の排出部よりも、重力方向で下に位置するように設けられている。これにより、両排出部からコアシート及びフィルムがそれぞれ供給されるが、その排出される力と、搬送ベルト70の位置と、更には、搬送ベルト70自体の駆動と、の関係から、コアシート及びフィルムが、後述するガイド72及びストッパー74からなる丁合い手段に突き当てられ、積層体の縦方向(搬送方向)丁合いが完了することになる。
このような搬送ベルト70は、図7に示すように、駆動ロール71により張架され、駆動可能な構成であることが好ましい。
【0048】
1対のガイド72は、搬送ベルト70の上に、コアシート及びフィルムからなる積層体の搬送方向と平行に配置され、この積層体の搬送経路を形成する。この1対のガイド72に形成された搬送経路により、搬送路25の排出部及び搬送路21の排出部から供給されたコアシート及びフィルムは幅方向(搬送方向に対して垂直な方向)において、丁合いされる。
この1対のガイド72を用いた丁合い方法について、図8を用いて、より具体的に説明する。
【0049】
図8は、図7に示す位置決め装置20aにおける1対のガイド72を上面からみた場合の概略図である。
図8に示されるように、1対のガイド72は、搬送方向に向かって幅が狭くなっており、これにより、搬送ベルト70上に供給されたコアシート及びフィルムは、このガイド72により形成された搬送経路に従い搬送される。なお、1対のガイド72が平行になった箇所の間隔dを調整することで、積層体の丁合いが行われ、更には、丁合いの精度をも高めることができる。また、この間隔dを調整することで、種々の幅のフィルムやコアシートに対応可能となる。
なお、本発明における1対のガイドは、少なくとも、コアシート及びフィルムからなる積層体の搬送方向と平行に配置され、この積層体の搬送経路を形成することができる構成であればよく、図8に示されるように、搬送方向に向かって幅が狭くなるような構成に限られたものではない。
【0050】
ストッパー74は、1対のガイド72より積層体の搬送方向の下流側に、該搬送方向と直交するように設けられる。上述の1対のガイド72により形成された搬送経路を通じて搬送された積層体が、このストッパー74に付き当たることで、丁合いが完了する。
なお、フィルム及びコアシートからなる積層体を、ストッパー74に突き当てる際には、上述のように、フィルムやコアシートを供給する力や、搬送ベルト21の搬送ベルト21の駆動を用いて、ストッパー74に突き当てるようにしてもよいが、また、作業者が手動で積層体を突き当てる方法を用いてもよい。また、搬送ベルト70に供給されたフィルムやコアシートの上部から搬送ロール(図示せず)を押し当て、フィルムやコアシートの搬送を補助し、ストッパー74に突き当てる方法を用いてもよい。
【0051】
このストッパー74は、搬送方向に直交する位置に設けられているため、丁合いが完了し、仮止め装置27による仮止めが終了した後に、積層体の搬送を妨げないように、矢印H方向に移動可能なように構成されている。つまり、図7のように、ストッパー74は、矢印H方向(つまり、下移動)に移動し、74aで示される箇所に移動することで、積層体の後工程への搬送が可能となる。
【0052】
このように丁合いした後、積層体は、仮止め装置27aにより仮止めが施され、次工程であるラミネート装置30aへと搬送される。
なお、第2の実施形態において用いられる仮止め装置27aは、例えば、ヒータなどにより加熱されるよう金属からなる突片で構成されており、この加熱された突片を積層体の端部に接触させることで、積層体の端部が熱溶着されて仮止めされる。なお、仮止め位置は、上述の第1の実施形態と同様である。
【0053】
図7に示すように、位置決め装置20aの最下流と、ラミネート装置30aの最上流には、1対のクリーニングロール80が設けられている。このように、積層体の搬送路82に、クリーニングロール80が設けられていることで、丁合い、及び仮止めが終了した積層体が搬送される際、該積層体の表面、及び裏面に付着している紙粉、ゴミ、ホコリ等が除去され、不良品の少ない製品の作製が可能となる。
【0054】
以上のように、本発明の第2の実施形態では、1対のガイド72、及びストッパー74を用いることで、積層体の直交する2辺が丁合いされることになる。これにより、積層体の位置決めを精度良く行うことが可能となる。
【0055】
(第3の実施形態)
続いて、図9を参照して、本発明のプラスチックシートの作製装置の第3の実施形態を説明する。図9は、本発明のプラスチックシートの作製装置の第3の実施形態を示す要部概略構成図である。なお、図9に示されるプラスチックシートの作製装置は、位置決め装置(位置決め部)20bと、ラミネート装置(ラミネート部)30と、を有し、図示されていない画像形成装置(フィルム収納部、画像形成部)、及びラミネート装置30は、図2に示される第1の実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0056】
本発明の第3の実施形態の位置決め装置20bでは、第2の実施形態における搬送ベルト70の代わりに搬送台90が設けられ、また、ストッパー74の代わりに1対の搬送ロール92が設けられている構成を有する。その他の構成、及び1対のガイド72により形成された搬送経路を通じて積層体を搬送する方法は、第2の実施形態と同様であるため、ここでは、説明を省略する。
この搬送台90、及び搬送ロール92を用いた丁合い方法について説明する。
【0057】
搬送台90に供給された積層体は、搬送台90上に設けられた1対のガイド72により形成された搬送経路を通じて搬送され、その後、搬送方向と直交するように設けられている1対の搬送ロール92のニップ部に突き当てられることで、丁合いが完了する。この際、1対の搬送ロール92は回転していない状態である。
この態様では、1対の搬送ロール92のニップ部に突き当てられた積層体は、その後、この1対の搬送ロール92を回転させることで、その間(ニップ部)の搬送路82を通じて、ラミネート装置30へと搬送される。このため、搬送台90は、その上に載る積層体の中心が、搬送ロール92のニップ部とほぼ同じ高さとなるように配置されていることが望ましい。
なお、このようにして、1対のガイド72及び搬送ロール92を用いて丁合いが終了した後、第2の実施形態と同様に、仮止め装置27aにより仮止めがなされ、その後、積層体は、ラミネート装置30へと搬送される。
【0058】
本発明において、上述の搬送ロール92は、クリーニングロール80であることが好ましい態様である。つまり、搬送ロールがクリーニングロールを兼用することが好ましい。このため、装置の構成が簡易となり、更に、積層体の表面や裏面に付着したゴミやホコリ等が除去され、得られた製品の良品率を高めることができる。
【0059】
第2の実施形態、及び第3の実施形態において用いられるクリーニングロールとしては、表面にブチルゴム系のゴム材料を使用したものであることが好ましい。ゴミ除去性能を維持するために材料表面の清掃が必要ではあるが、前述のブチルゴム系のゴム材料を用いることでほぼ100%、ゴミやホコリを除去することができる。
【0060】
以上のように、本発明の第3の実施形態では、1対のガイド72、及び搬送ロール92を用いることで、積層体の直交する2辺が丁合いされることになる。これにより、積層体の位置決めを精度良く行うことが可能となる。
なお、搬送ロール92は、丁合い手段及び搬送手段の機能を有することから、第2の実施形態よりも装置構成が簡易化され、安価な装置を実現が可能となる。
【0061】
ここで、本発明に用いられるコアシート、フィルムの材質等については以下の通りである。
【0062】
−コアシート−
本発明において用いられるコアシートは、プラスチックシートとしたときのフィルムに形成された画像が見えやすいよう不透明であることが好ましく、白色に着色されていることがより好ましい。
【0063】
コアシートの材質としては、プラスチックが使用される。具体的には、アセテートフィルム、三酢酸セルローズフィルム、ナイロンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリイミドフィルム、セロハンなどがあり、中でもポリエステルフィルムが好ましく用いられる。特に、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましく用いられている。
【0064】
コアシートとしては、これらに顔料や染料などが添加され着色される。また、コアシートは、フィルム状、板状であってもよいし、可とう性を有しない程度、又は、コアシートとしての要求に必要な強度を有する程度に厚みを有する形状であってもよい。
【0065】
なお、本発明のプラスチックシートをICカードや磁気カード等に適用させる場合、コアシートには、ICチップ、アンテナ、外部端子等が埋め込まれる。また、磁気ストライプやホログラム等が別途印刷されたり、必要に応じて文字がエンボス処理されることもある。
【0066】
本発明に用いられるコアシートとしては、厚さ50〜5000μmの範囲のプラスチックからなるフィルムを用いることが好ましく、厚さ100〜1000μmの範囲のPETフィルムを用いることがより好ましい。
【0067】
−フィルム−
本発明におけるフィルムは光透過性を有する必要があり、このフィルムに使用可能な基体は、透明性を有することが必要である。ここで、透明性とは、例えば、可視光領域の光をある程度、透過する性質をいい、本発明においては、少なくとも形成された画像が、画像が形成された面と反対側の面から基体を通して目視できる程度に透明であればよい。
【0068】
上記基体としては、前記コアシートの材料として用いることができるプラスチックのフィルムを同様に使用することができる。
また、上記各種プラスチックのフィルムの中でも、ポリエステルフィルム、特に、PET(ポリエチレンテレフタレート)のエチレングリコール成分の半分前後を1,4−シクロヘキサンメタノール成分に置き換えたPETGと呼ばれるものや、前記PETにポリカーボネートを混ぜアロイ化させたもの、更に二軸延伸しないPETで、A−PETと呼ばれる非晶質系ポリエステル等をより好ましく用いることができる。
【0069】
前記ポリエステル等の材料は、従来カード用のコアシート(コア)材料として用いられてきたポリ塩化ビニルが、可燃物廃棄時の燃焼によるダイオキシン発生させるものとして環境に良いものではないことが認識され、使用されなくなってきたことにも対応できるものである。本発明においては、上記塩素を含まないコアシートの使用を考慮し、さらなる材料として、前記ポリスチレン系樹脂フィルム、ABS樹脂フィルム、AS(アクリロニトリル−スチレン)樹脂フィルム、またPETフィルムや、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂フィルムに、ポリエステルやEVA等のホットメルト系接着剤が付加されているフィルム等も好ましく用いることができる。
【0070】
上記基体のビカット軟化温度は、70〜130℃の範囲であることが好ましく、80〜120℃の範囲であることがより好ましい。
上記ビカット軟化温度が70℃に満たないと、ラミネート工程において、コアシート(コア)にラミネートフィルムを十分に密着・接着させることができない場合がある。また、ビカット軟化温度が130℃を超えると、上記密着・接着は十分でも画像(画像形成材料)又は後述する塗工層が軟化しすぎてしまい、画像に欠陥(画像流れ)が発生してしまう場合がある。
【0071】
上記ビカット軟化温度とは熱可塑性樹脂の軟化温度評価の一方法から測定されるものであって、その測定方法は、成形されたプラスチック材料の耐熱性を試験する方法として、熱可塑性樹脂に対しては、JIS K 7206やASTM D 1525、ISO306にその方法が規定されている。
【0072】
一方、基体の少なくとも片面の表面抵抗率が108〜1013Ωの範囲であることが好ましく、109〜1011Ωの範囲であることがより好ましい。
上記表面抵抗率が108Ωに満たないと、特に、高温高湿時に画像記録体の抵抗値が低くなりすぎ、例えば転写部材からの転写トナーが乱れる場合があり、また、表面抵抗率が1013Ωを超えると、画像記録体として使用されるラミネートフィルムの抵抗値が高くなりすぎ、例えば転写部材からのトナーをフィルム表面に移行できず、転写不良による画像欠陥が発生する場合がある。
【0073】
なお、上記表面抵抗率は、23℃、55%RHの環境下で、円形電極(例えば、三菱油化(株)製ハイレスターIPの「HRプローブ」)を用い、JIS K 6911に従って測定することができる。
また、電子写真用ラミネートフィルムにおいて、片面のみが上記範囲の表面抵抗率を有する場合には、当該面は画像が形成される側の面であることが好ましい。
【0074】
前記基体の少なくとも片面の表面抵抗率を108〜1013Ωの範囲に制御するにあたっては、基体となるフィルム製造時、直接界面活性剤、高分子導電剤や導電性微粒子などを樹脂中に添加したり、上記フィルム表面に界面活性剤を塗工したり、金属薄膜を蒸着したり、或いは接着剤などに界面活性剤などを適量添加したりすることで調整することができる。
【0075】
前記基体の厚さは、50〜500μmの範囲が好ましく、75〜200μmの範囲がより好ましい。厚さが50μmに満たないと、画像形成装置の定着機で搬送不良となる場合があり、500μmを超えると画像形成装置の転写機で画質劣化を招く場合がある。
【0076】
本発明におけるフィルムは、基体の片面に画像受像層が形成されることが好ましく、またこの画像受像層が形成される面と反対側の面に機能性制御手段が設けられることが好ましい。
【0077】
前記機能性制御手段は、光沢性、耐光性、抗菌性、難燃性、離型性、及び帯電性を制御する機能から選択される少なくとも1つ以上の機能を有するものであることが好ましく、具体的には、基体の表面に対し、光沢性、耐光性、抗菌性、難燃性、離型性、導電性、更に好ましくは耐湿性、耐熱性、撥水性、耐磨耗性及び耐傷性などの様々な機能を付加及び/又は向上させるために設けられる。これにより、前記機能性制御手段を有するフィルムは、様々な使用条件に対して耐性を有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明のプラスチックシートの構成断面図である。
【図2】本発明のプラスチックシートの作製装置の第1の実施形態を示す概略図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る丁合いトレイの構成を示す概略平面図である。
【図4】図3に示す丁合いトレイを示す概略断面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る丁合いトレイの別の構成を示す概略断面図である。
【図6】積層体の仮止めによる位置ずれの有無についての説明図である。
【図7】本発明のプラスチックシートの作製装置の第2の実施形態を示す概略図である。
【図8】図7に示す位置決め装置における1対のガイドを上面からみた場合の概略図である。
【図9】本発明のプラスチックシートの作製装置の第3の実施形態を示す概略図である。
【符号の説明】
【0079】
1 コアシート
2、4 画像
3 表面フィルム(フィルム)
5 裏面フィルム(フィルム)
10 画像形成装置
12 画像形成部
20 位置決め装置
26 丁合いトレイ(保持部材、丁合い手段)
27、27a 仮止め装置(仮止め手段)
30 ラミネート装置
70 搬送ベルト(保持部材)
72 1対のガイド(丁合い手段)
74 ストッパー(丁合い手段)
80 クリーニングロール
90 搬送台(保持部材)
92 搬送ロール(丁合い手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルムの片面に、電子写真方式により画像を形成する画像形成工程と、コアシートを介して、2つの前記フィルムをその画像面が互いに対面するように積層した積層体を位置決めする位置決め工程と、位置決めされた前記積層体を加熱・加圧することにより、前記コアシートを前記2つのフィルムでラミネートするラミネート工程と、を含むプラスチックシートの作製方法であって、
前記位置決め工程が、前記積層体の直交する2辺を併せて丁合いした後、当該積層体を仮止めする工程であることを特徴とするプラスチックシートの作製方法。
【請求項2】
前記仮止め位置が、前記積層体の搬送方向の下流側の先端部であることを特徴とする請求項1に記載のプラスチックシートの作製方法。
【請求項3】
前記直交する2辺のうちの一方が、前記積層体の搬送方向の下流側において該搬送方向と直交する辺であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のプラスチックシートの作製方法。
【請求項4】
フィルムの片面に、電子写真方式により定着画像を形成する画像形成部と、コアシートを介して、2つの前記フィルムをその画像面が互いに対面するように積層した積層体を位置決めする位置決め部と、位置決めされた前記積層体を加熱・加圧して、前記コアシートを前記2つのフィルムでラミネートするラミネート部と、を含んで構成されるプラスチックシートの作製装置であって、
前記位置決め部が、前記積層体を載せる保持部材と、該積層体の直交する2辺を併せて丁合いする丁合い手段と、当該積層体を仮止めする仮止め手段とを備えることを特徴とするプラスチックシートの作製装置。
【請求項5】
前記仮止め位置が、前記積層体の搬送方向の下流側の先端部であることを特徴とする請求項4に記載のプラスチックシートの作製装置。
【請求項6】
前記直交する2辺のうちの一方が、前記積層体の搬送方向の下流側において該搬送方向と直交する辺であることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のプラスチックシートの作製装置。
【請求項7】
前記保持部材及び丁合い手段が、前記積層体の搬送方向と平行する1辺を含む直交する2辺を有する丁合いトレイから構成されており、該丁合いトレイの底面が、水平、又は、前記積層体の搬送方向の下流側に向かって低くなるような傾斜を付けて設置されることを特徴とする請求項4〜請求項6のいずれか1項に記載のプラスチックシートの作製装置。
【請求項8】
前記保持部材が前記積層体を搬送する搬送ベルトからなり、且つ、前記丁合い手段が、該搬送ベルト上に前記積層体の搬送方向と平行に配置され、該積層体の搬送経路を形成する1対のガイドと、該ガイドより該積層体の搬送方向の下流側に、該搬送方向と直交するように設けられたストッパーと、からなることを特徴とする請求項4に記載のプラスチックシートの作製装置。
【請求項9】
前記保持部材が前記積層体を保持する搬送台からなり、且つ、前記丁合い手段が、該搬送台上に前記積層体の搬送方向と平行に配置され、該積層体の搬送経路を形成する1対のガイドと、該ガイドより該積層体の搬送方向の下流側に、該搬送方向と直交するように設けられた1対の搬送ロールと、からなることを特徴とする請求項4に記載のプラスチックシートの作製装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−50689(P2007−50689A)
【公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−111286(P2006−111286)
【出願日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】