プラズマエッチング装置
【課題】装置を特に複雑化することなく、被処理物上でのプラズマの均一性を損なわずに、耐圧誘電体部材の内表面における不均一な反応生成物の付着防止と削れ防止とがバランスよくほぼ均一に達成できるようにする。
【解決手段】耐圧誘電体部材5を介し減圧可能なチャンバ1内に反応ガスからのプラズマ6を発生させて対向電極3上の被処理物2に働かせエッチングなどのプラズマ処理を行わせる第1の電極4と、第1の電極4と前記耐圧誘電体部材5との間に設けられて耐圧誘電体部材5の内表面5aの反応生成物が付着するのを防止する第2の電極7とを備え、第2の電極7の耐圧誘電体部材5の内表面5aからの電極距離L2を、それらの各対向域における耐圧誘電体部材5の内表面5aでの反応生成物の付着度と耐圧誘電体部材5の削れ量との部分的な違いに応じて設定することにより、上記の目的を達成する。
【解決手段】耐圧誘電体部材5を介し減圧可能なチャンバ1内に反応ガスからのプラズマ6を発生させて対向電極3上の被処理物2に働かせエッチングなどのプラズマ処理を行わせる第1の電極4と、第1の電極4と前記耐圧誘電体部材5との間に設けられて耐圧誘電体部材5の内表面5aの反応生成物が付着するのを防止する第2の電極7とを備え、第2の電極7の耐圧誘電体部材5の内表面5aからの電極距離L2を、それらの各対向域における耐圧誘電体部材5の内表面5aでの反応生成物の付着度と耐圧誘電体部材5の削れ量との部分的な違いに応じて設定することにより、上記の目的を達成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は微細なパターン加工を行うような電子デバイスの製造に利用されるプラズマエッチング装置に関し、詳しくは、耐圧誘電体部材を介してチャンバ内に反応ガスのプラズマを発生させてエッチングを行う第1の電極と、プラズマエッチングに際して耐圧誘電体部材の内表面に反応生成物が付着するのを防止する第2の電極とを組み合わせ備えたプラズマエッチング装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
このような第1、第2の電極を組み合わせたプラズマエッチング装置は既に知られている(例えば、特許文献1、2参照。)。
【0003】
特許文献1は特に、第1の電極を高周波アンテナとし、第2の電極を高周波アンテナと並列に可変チョークまたは可変コンデンサを介して同一高周波電源に接続する構成を開示している。このような構成では、第1の電極により耐圧誘電体部材を介しチャンバ内にプラズマを発生させてチャンバ内の対向電極に支持された被処理物を処理するのに併せ、第2の電極により耐圧誘電体部材の内表面上に一様な電界を形成して耐圧誘電体部材の内表面に膜が付着するのを防止するが、特に、第2の電極に供給する電力をチョークや可変コンデンサにて制御することにより、プロセス中は耐圧誘電体部材の内表面がエッチングされないようにすることができ、プロセスとプロセスとの間ではクリーニングプロセスが行えるものとなる。
【0004】
一方、特許文献2は、第2の電極をそれぞれ独立に高周波電力が印加される分割電極とするか、第2の電極を移動させることを提案している。このような構成では、耐圧誘電体部材の内表面の反応生成物の付着厚さの分布に応じて、分割電極それぞれに供給する高周波電圧を調整するか、第2の電極を移動させることにより、耐圧誘電体部材の内表面における第1の電極直下の領域が削られることを防止しながら、チャンバ内に残留して耐圧誘電体部材の内表面に異なった厚さで付着しようとする各領域の反応生成物をエッチングすることができる。
【特許文献1】特許第3429391号公報
【特許文献2】特開2005−259836号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、第2の電極bに電源cから供給する高周波電力を特許文献1に記載のように制御するにしても、既述したように第2の電極bの全体に供給して耐圧誘電体部材dの内表面に一様な電界を形成し、また、被処理物上で密度分布が均一なプラズマeを発生させるのに対し、耐圧誘電体部材dの内表面下でのプラズマeの密度が発生域によって種々に差ができる。例えば図28の第5欄、A〜C、E〜Gに例示するように中央部の密度が高く周辺部へ向け密度が低下するような密度分布では、その分布差に応じて耐圧誘電体部材dの内表面の中央部でのプラズマeが多く、周辺部では少なくなる傾向を示す。また、図28の第5欄、Dに例示するように周辺部で中央部よりも高くなる密度分布を示す場合もあり、周辺部でのプラズマeが多く、中央部で少なくなる傾向を示し、耐圧誘電体部材dの内表面の削れに差を及ぼす。また、耐圧誘電体部材dへの反応生成物の付着度(図ではデポレート)分布も、図28第4欄、A〜Gに例示するように中央部で高く周辺部へ向け低下する場合があるし、図示しないが周辺部で高く中央部で低下する場合もあるというように一定せず、これも耐圧誘電体部材dの内表面の削れ量の不均一をもたらす。
【0006】
ここに、プラズマeの密度分布のパターンと反応生成物の付着量分布のパターンとは、それらを図28の第3欄、A〜Gに示すように重畳したときの双方の高低の差が耐圧誘電体部材dの内表面の削れ量に相関し、図28の第2欄、A〜Gに示すように耐圧誘電体部材dの内表面の削れ量(図では削れレート)の分布が決まる。これら削れ量の分布に対応した実際の削れ状態は図28の第1欄、A〜Gに例示するようになる。
【0007】
図28のBではプラズマeの密度分布のパターンと反応生成物の付着量分布のパターンとに高低の差がほとんどなく、耐圧誘電体部材dの内表面が削れるにしてもその量は少なく、かつほぼ平坦であって理想的な削れ条件といえる。また、図28のFではプラズマeの密度分布のパターンと反応生成物の付着量分布のパターンとに若干の差はあるがその差がほぼ均一なことから、図28のBの場合よりは少し深く削れるがほぼ平坦であって理想に近い削れ条件といえる。しかし、図28のA、C〜E、Gでは中央部や周辺部が部分的に多く削れており、高価な耐圧誘電体部材dの耐圧強度が早期に低下する問題がある。
【0008】
一方、特許文献2に記載のように第2の電極bを分割電極としてそれぞれに独立して、従って、それぞれにパワーの異なった高周波電力を供給して耐圧誘電体部材dの内表面における領域によって異なる付着量に対応しようとしても、連続した変化には対応し切れない問題がある上、第2の電極b、高周波電力を供給する電源c、電源cをオン、オフする駆動系のそれぞれが、第2の電極bを分割する数だけ必要となるので、装置が高価になる。
【0009】
本発明の目的は、複雑化、大幅なコスト上昇なく、かつプラズマおよび加工の均一性を損なわずに、耐圧誘電体部材の内表面における不均一な反応生成物の付着防止と削れ防止とがバランスよくほぼ均一に達成できるプラズマエッチング装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記のような目的を達成するために、本発明のプラズマエッチング装置の第1の態様によれば、減圧可能なチャンバと、このチャンバの内部に設けられ被処理物を支持する対向電極と、前記チャンバの隔壁をなす耐圧誘電体部材の外に設けられチャンバ内に反応ガスからのプラズマを発生させて対向電極にて支持される被処理物をエッチングする第1の電極と、この第1の電極と前記耐圧誘電体部材との間に設けられて耐圧誘電体部材の内表面に反応生成物が付着するのを防止する第2の電極とを備えたプラズマエッチング装置において、前記第2の電極の前記耐圧誘電体部材の内表面からの電極距離を、耐圧誘電体部材の内表面への反応生成物の付着度と耐圧誘電体の削れ量との部分的な違いに応じて設定したことを1つの特徴としている。
【0011】
このような構成では、第2の電極の前記耐圧誘電体部材の内表面からの電極距離が耐圧誘電体部材の内表面への反応生成物の付着度と耐圧誘電体部材の削れ量との部分的な違いに応じて設定してあることにより、第1の電極により耐圧誘電体部材を介しチャンバ内にプラズマを従来通りに被処理物側で均一な密度分布で発生させて均一なプラズマエッチングを行うことを邪魔することなく、第2の電極からのパワーの電極距離に応じた減衰を伴い耐圧誘電体部材の内表面への各部での反応生成物の付着度と耐圧誘電体部材の削れ量との違いに応じて過不足なく働き、耐圧誘電体部材の内表面の反応生成物が付着するのを各部において十分に防止し、しかも、耐圧誘電体部材の内表面の削れが部分的に多くなるようなことがなくなる。
【0012】
本発明のプラズマエッチング装置の第2の態様によれば、電極距離は、周辺部よりも中央部を大きくする、あるいは、中央部よりも周辺部を大きくすることを特徴としている。
【0013】
これにより、耐圧誘電体部材の削れ量が中央部で周辺部よりも大きくなる傾向の場合、あるいは、周辺部で中央部よりも大きくする傾向の場合に対応することができる。
【0014】
本発明のプラズマエッチング装置の第3の態様によれば、電極距離は、前記耐圧誘電体部材の平坦な内表面と前記第2の電極の立体形態とで設定していることを特徴としている。
【0015】
これにより、第2の電極のみの立体形状にて、対向する耐圧誘電体部材の内表面に対する反応生成物の付着度と耐圧誘電体部材の削れ量とに対応した、電極距離の変化を満足することができる。
【0016】
本発明のプラズマエッチング装置の第4の態様によれば、前記耐圧誘電体部材の外表面は前記第2の電極の立体形態に沿うか近似した立体形態としてあることを特徴としている。
【0017】
これにより、耐圧誘電体部材は立体的な第2の電極との間のスペースを利用して、電極距離の大きいところでは小さいところよりも厚みが増大するので、第2の電極からの反応生成物の付着防止を図るパワーを電極距離の大きいところでは小さいところよりも弱められ、第2の電極の立体形状と併せ、反応生成物の付着度と耐圧誘電体部材の削れ量との部分的な違いに対応することができる。また、耐圧誘電体部材は削れ量の大きい部分ほど厚くなるので、そこでの削れが他の部分より大きくなっても耐圧強度が他の部分よりも低下するようなことを防止することができる。
【0018】
本発明のプラズマエッチング装置の第5の態様によれば、電極距離は、前記第2の電極の平坦な形態と前記耐圧誘電体部材の内表面の立体形態とで設定していることを特徴としている。
【0019】
これにより、耐圧誘電体部材内表面のみの一体、積層などによる立体形状にて、対向する第2の電極に対する反応生成物の付着度と耐圧誘電体部材の削れ量との部分的な違いに対応した、電極距離の変化を満足して、第2の電極からの反応生成物の付着防止を図るパワーを電極距離の大きいところでは小さいところよりも弱められるし、耐圧誘電体部材の厚みが電極距離の大きなところで小さなところよりも削れに対する許容度を高められる。
【0020】
本発明のプラズマエッチング装置の第6の態様によれば、前記第2の電極と耐圧誘電体部材の内表面との各対向域における電極距離の差を調整する距離調整手段を有したことを特徴としている。
【0021】
これにより、プラズマ処理条件によって耐圧誘電体部材の内表面への反応生成物の付着度と耐圧誘電体部材の削れ量との部分的な違いが一定しないような場合でも、第2の電極と耐圧誘電体部材の内表面との各対向域ごとに、耐圧誘電体部材の内表面への反応生成物の付着度と耐圧誘電体部材の削れ量との違いに応じた電極距離に調整することができる。
【0022】
本発明のプラズマエッチング装置の第7の態様によれば、距離調整手段は、第2の電極の部分的な高さを一体のままか、分割体ごとに相対的に変化させることを特徴としている。
【0023】
これにより、第2の電極の形態によって一体のままか、分割体ごとに部分的な高さを相対変化させて、一定しない反応生成物の耐圧誘電体部材の内表面への付着度と耐圧誘電体部材の削れ量との違いに応じた電極距離に調整することができる。
【0024】
本発明のプラズマエッチング装置の第8の態様によれば、減圧可能なチャンバと、このチャンバの内部に設けられ被処理物を支持する対向電極と、前記チャンバの隔壁をなす耐圧誘電体部材の外に設けられチャンバ内に反応ガスからなるプラズマを発生させて対向電極に支持した被処理物をエッチングする第1の電極と、この第1の電極と前記耐圧誘電体部材との間に設けられて耐圧誘電体部材の内表面に反応生成物が付着するのを防止する第2の電極とを備えたプラズマエッチング装置において、前記耐圧誘電体部材の内表面への反応生成物の付着度と耐圧誘電体部材の削れ量との部分的な違いに応じた誘電率の差、厚みの差、配置密度の差の少なくとも1つを有して、前記第2の電極と前記耐圧誘電体部材との間に補助誘電体部材を配したことを別の特徴としている。
【0025】
このような構成では、第2の電極と耐圧誘電体部材との間に位置する補助誘電体部材が耐圧誘電体部材の内表面での反応生成物の付着度と耐圧誘電体部材の削れ量との部分的な違いに対応した誘電率の差、厚みの差、配置密度の差の少なくとも1つによって、第1の電極により耐圧誘電体部材を介しチャンバ内にプラズマを従来通りに被処理物側で均一な密度分布で発生させての均一なプラズマエッチングを邪魔せず、第2の電極からのパワーを耐圧誘電体部材の内表面における部分的な反応生成物の付着度と耐圧誘電体部材の削れ量との違いに応じて弱め、耐圧誘電体部材の内表面への各部での反応生成物の付着度と耐圧誘電体部材の削れ量との違いに応じて過不足なく働くようにするので、耐圧誘電体部材の内表面の反応生成物が付着するのを各部において十分に防止し、しかも、耐圧誘電体部材の内表面の削れが部分的に多くなることを抑制できる。
【0026】
本発明のプラズマエッチング装置の第9の態様によれば、補助誘電体部材は、石英、マイカなど材料の違い、補助誘電体部材を設けない空間域の空気を含んだ組み合わせで部分的な誘電率の差を設定してあることを特徴としている。
【0027】
これにより、部分的な誘電率の差を十分な幅と変化域を持って設定することができる。
【0028】
本発明のプラズマエッチング装置の第10の態様によれば、補助誘電体部材は、環状で外周から所定の間隔とこの間隔よりも小さい幅とを持って放射状に切り込んだスリット状の高周波透過部を持った有スリット外周体、スリット状の高周波透過部を有して周方向に分断された分断外周体の1つと、この有スリット外周体または分断外周体の内側にそれらと環状の高周波透過部を有して選択配置される無スリット中央体、外周から所定の間隔とこの間隔よりも小さい幅とを持って放射状に切り込んだスリット状の高周波透過部を持った有スリット中央体、スリット状の高周波透過部を有して周方向に分断された分断中央体の1つとの組合わせとして、配置密度の差を設定してあることを特徴としている。
【0029】
これにより、補助誘電体部材の周方向、径方向での多様な配置態様を選択して部分的な配置密度の差を多様に設定することができる。ここで、補助誘電体部材に入れたスリットは、第1の電極からチャンバ内に放射される高周波を透過し、補助誘電体部材にて高周波の透過が妨げられることを防ぐ効果がある。
【0030】
本発明のプラズマエッチング装置の第11の態様によれば、減圧可能なチャンバと、このチャンバの内部に設けられ被処理物を支持する対向電極と、前記チャンバの隔壁をなす耐圧誘電体部材の外に設けられチャンバ内に反応ガスからなるプラズマを発生させて対向電極にて支持される被処理物をエッチングする第1の電極と、この第1の電極と前記耐圧誘電体部材との間に設けられて耐圧誘電体部材の内表面に反応生成物が付着するのを防止する第2の電極とを備えたプラズマエッチング装置において、前記第2の電極は、耐圧誘電体部材の内表面への反応生成物の付着度と耐圧誘電体部材の削れ量との部分的な違いに応じて配置密度の差を有して設けたことを他の特徴としている。
【0031】
このような構成では、第2の電極が耐圧誘電体部材の内表面への反応生成物の付着度と耐圧誘電体部材の削れ量との部分的な違いに応じて配置密度の差を有していることにより、第1の電極により耐圧誘電体部材を介しチャンバ内にプラズマを従来通りに被処理物側で均一な密度分布で発生させて均一なプラズマエッチングを邪魔せず、第2の電極からのパワーを耐圧誘電体部材の内表面における部分的な反応生成物の付着度と耐圧誘電体部材の削れ量との違いに応じて弱め、耐圧誘電体部材の内表面への各部での反応生成物の付着度と耐圧誘電体部材の削れ量との違いに応じて過不足なく働くようにするので、耐圧誘電体部材の内表面に反応生成物が付着するのを各部において十分に防止し、しかも、耐圧誘電体部材の内表面の削れが部分的に多くなるようなことがなくなる。また、第2の電極の配置密度設定のために形成される第2の電極が位置しない周方向位置、径方向位置では第1の電極からチャンバ内への高周波の透過により全体での透過効率を高められる。
【0032】
本発明のプラズマエッチング装置の第12の態様によれば、第2の電極は、外周から所定の間隔とこの間隔よりも小さい幅とを持って放射状に切り込んだスリット状の高周波透過部と中央部を打ち抜いた穴状の高周波透過部とを持った単体、外周から所定の間隔とこの間隔よりも小さい幅とを持って放射状に切り込んだスリット状の高周波透過部と中央部を打ち抜いた穴状で中央部に向く放射状の突出片を有した高周波透過部とを持った単体、外周から所定の間隔とこの間隔よりも小さい幅とを持って放射状に切り込んだスリット状の高周波透過部と中央部を打ち抜いた穴状の高周波透過部を持った外周体およびこの外周体の穴部に環状の高周波透過部となる隙間を持って配置されて外周から所定の間隔とこの間隔よりも小さい幅とを持って放射状に切り込んだスリット状の高周波透過部を有した中央体との組み合わせ体、のいずれかで配置密度の差を設定したことを特徴としている。
【0033】
これにより、第2の電極の周方向、径方向での多様な配置態様を選択して部分的な配置密度の差を多様に設定することができる。
【0034】
本発明のプラズマエッチング装置の第13の態様によれば、第2の電極は、スリット状の高周波透過部の間に窓状に開口した高周波透過部を有して配置密度の差を設定していることを特徴としている。
【0035】
これにより、スリット状の高周波透過部の間の窓状に開口した高周波透過部によって第2の電極の周方向での配置密度をさらに弱め、また第1の電極からの高周波のチャンバ内への透過効率を高められる。
【0036】
本発明のプラズマエッチング装置の第14の態様によれば、外周から所定の間隔とこの間隔よりも小さい幅とを持って放射状に切り込んだスリット状の高周波透過部を有した単体を第2の電極の選択対象に含んで、第2の電極の高周波透過部は、誘電体で埋めてあることを特徴としている。
【0037】
これにより、第2の電極に高周波透過部による導体近接部分があっても、そこを埋める誘電体によってエアギャップとはならず導体近接部分間で放電するのを防止することができ、また、この誘電体は補助誘電体の一部として有効である。
【0038】
そこで、本発明のプラズマエッチング装置の第15の態様によれば、第2の電極の高周波透過部を埋めている誘電体は、前記耐圧誘電体部材の一部であることを特徴としている。
【0039】
これにより、第2の電極が耐圧誘電体部材と対面する構成を利用して第2の電極の高周波透過部を誘電体で埋めることが実現し、しかも、第2の電極と耐圧誘電体部材とを一体で取り扱えるし、第2の電極が複数に分割、分断される場合に耐圧誘電体部材により一体に支持できる。また、第8〜第10の態様の補助誘電体部材を設ける場合はこれを耐圧誘電体部材同様に第2の電極の高周波透過部を埋める誘電体として利用することができる。
【0040】
本発明のプラズマエッチング装置の第16の態様によれば、第2の電極は、回転または往復弧回動することを特徴としている。
【0041】
これにより、第2の電極の配置密度の設定によって周方向に分散して配置される第2の電極部と高周波透過部が、第2の電極の回転または往復弧回動されて、第1の電極からの高周波の透過位置、および第2の電極からのパワーの出力位置を周方向に移動させるので、第1の電極によるチャンバ内でのプラズマの発生と、第2の電極による耐圧誘電体部材の内表面への反応生成物の付着防止とをより均一にすることができる。
【発明の効果】
【0042】
本発明のプラズマエッチング装置によれば、プラズマの均一な密度分布による均一なプラズマエッチングを保証しながら、第2の電極を耐圧誘電体部材の内表面への反応生成物の部分的な付着度と耐圧誘電体部材の削れ量との違いに応じて過不足なく働かせて、耐圧誘電体部材の内表面に反応生成物が付着するのを各部において十分に防止し、しかも、耐圧誘電体部材の内表面の削れが部分的に多くなり耐圧寿命が早期に低下するようなことがなくなる。また、第2の電極が単体か分割かの違いにかかわらず同一電源から同一の電力を供給してよく、第2の電極の耐圧誘電体部材の内表面からの電極高さ、配置密度、第2の電極のチャンバ側にある誘電体部材の誘電率、厚さ、配置密度に部分的に差を持たせるだけで構造が特に複雑になるようなことはなくコスト上昇の原因にはならない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下、本発明のプラズマエッチング装置の実施の形態について、図1〜図26を参照して説明する。しかし、以下の説明は本発明の具体例であって特許請求の範囲の記載の内容を限定するものではない。
【0044】
本実施の形態のプラズマエッチング装置は、図1に示すように減圧可能で供給口1aから反応ガス10を供給して排気ガス20を排気口1bから排気するチャンバ1と、このチャンバ1の内部に設けられ被処理物2を支持する対向電極3と、チャンバ1の隔壁をなす耐圧誘電体部材5の外に設けられチャンバ1内に反応ガス10からのプラズマ6を発生させて対向電極3上の被処理物2に働かせエッチングなどのプラズマ処理を行わせる第1の電極4と、この第1の電極4と前記耐圧誘電体部材5との間に設けられて耐圧誘電体部材5の内表面5aの反応生成物が付着するのを防止する第2の電極7とを備えている。ここに、第1の電極4は誘導結合コイル(ICPコイル)であって高周波アンテナをなし、耐圧誘電体部材5を介しチャンバ1内にプラズマ6を発生させ、このプラズマ6が対向電極3上の被処理物2の表面に働くことによってエッチングなどのプラズマ処理を行わせる。また、第2の電極7はファラデーシールド電極(FS電極)であって、耐圧誘電体部材5の内表面5aに沿う一様な電界を形成してプラズマ処理時に生じる反応生成物が付着するのを防止する。
【0045】
このようなプラズマ処理プロセスのために、対向電極3には電源15から可変コンデンサ16を介して高周波を供給し、プラズマ6を被処理物2側に働かせるようにする。第1の電極4には電源11から高周波電力を可変コンデンサ12を介して供給し、所定のエッチレートでプラズマ処理できるようにする。また、第1の電極4は図1に示すような立体的な配置形態なども含めプラズマ6が被処理物2の表面に一様な分布をもって発生するように調整され、被処理物2の表面が設定したエッチレートにて均一にプラズマ処理されるようにする。なお、高周波は一般に30kHz〜300GHzとされるのに対し、プラズマ発生装置に適用される高周波範囲はHFと称される3〜30MHz程度の狭い範囲である。第2の電極7には電源13から可変コンデンサ14を介して第1の電極4の場合と同様な高周波、あるいはそれ以下の低周波を供給し、可変コンデンサ14の調整によって耐圧誘電体部材5の内表面5aに反応生成物が付着するのを防止できる。
【0046】
なお、ここでは、図1に示すように、第1の電極4には電源11が、第2の電極7には電源13が、それぞれ別々に接続されているが、第1の電極4と第2の電極7とを並列に可変チョークまたは可変コンデンサを介して同一高周波電源に接続する構成にしてもよい(図示せず)。または、図29に示すように、第1の電極4には電源11を接続し、第2の電極7には可変チョークまたは可変コンデンサを接続し、電源11から発振された電力を第1の電極4から空気を介して第2の電極7に重畳させ第1の電極4と第2の電極7のそれぞれに印加される電力比を可変チョークまたは可変コンデンサで調整するようにしてもよい。
【0047】
しかし、既述したように第1の電極4の働きによるプラズマ6の発生は、被処理物2の表面上で一様な分布となるように制御できるが、耐圧誘電体部材5の内表面5aの下では中央部では周辺部よりも分布が高くなるといった偏った分布傾向を示す。これに対し、第2の電極7の働きによる耐圧誘電体部材5の内表面5aに沿って形成する電界の強弱は可変コンデンサ14で調整できるが、電界の形成状態は耐圧誘電体部材5の内表面5aに沿う一様なものであるので、このままでは、耐圧誘電体部材5の内表面5aでのプラズマ6の働きと電界の働きとのバランスを採ることはできない。このため、反応生成物の部分的な付着や耐圧誘電体部材5の内表面5aの部分的な削れが生じる。
【0048】
そこで、本実施の形態では、第2の電極7による耐圧誘電体部材5の内表面5aの表面に形成する電界の強弱が、第2の電極7の前記耐圧誘電体部材5の内表面5aからの電極距離L2に依存する関係から、この電極距離L2を、耐圧誘電体部材5の内表面5aでの反応生成物付着度と耐圧誘電体部材5の削れ量との違いに応じて設定する。このように、第2の電極7の耐圧誘電体部材5の内表面5aからの電極距離L2が耐圧誘電体部材5の内表面5aへの反応生成物の付着度と耐圧誘電体部材5の削れ量との部分的な違いに応じて設定してあることにより、第1の電極4により耐圧誘電体部材5を介しチャンバ1内にプラズマを従来通りに被処理物2側で均一な密度分布で発生させて均一なプラズマエッチングを行うことを邪魔することなく、第2の電極7からのパワーの電極距離L2に応じた減衰を伴い耐圧誘電体部材5の内表面5aへの各部での反応生成物の付着度と耐圧誘電体部材5の削れ量との違いに応じて過不足なく働き、耐圧誘電体部材5の内表面5aの反応生成物が付着するのを各部において十分に防止し、しかも、耐圧誘電体部材5の内表面の削れが部分的に多くなるようなことがなくなる。
【0049】
この結果、プラズマ6の均一な密度分布による均一なプラズマエッチングを保証しながら、第2の電極7を耐圧誘電体部材5の内表面5aへの反応生成物の部分的な付着度と耐圧誘電体部材5の削れ量との違いに応じて過不足なく働かせて、耐圧誘電体部材5の内表面5aに反応生成物が付着するのを各部において十分に防止し、しかも、耐圧誘電体部材5の内表面5aの削れが部分的に多くなり耐圧寿命が早期に低下するようなことがなくなる。また、第2の電極7が単体か分割かの違いにかかわらず同一電源13から同一の電力を供給してよく、第2の電極7の耐圧誘電体部材5の内表面5aからの電極距離L2に部分的な差を持たせるだけで構造が特に複雑になるようなことはなくコスト上昇の原因にはならない。
【0050】
具体的には、図1の例では耐圧誘電体部材5の内表面5aにおける中央部が周辺部よりも削れ量が多くなる一般傾向に対して、電極距離L2は、周辺部よりも中央部を大きくすることにより対応している。当然のことながら、耐圧誘電体部材5の周辺部の削れ量が中央部よりも大きくなる場合には、逆に電極距離L2は、中央部よりも周辺部を大きくすることにより対応することができる。このようにして、反応生成物の付着度と耐圧誘電体部材5の削れ量との差の分布がどのように不均衡でもそれに逆比例する電極距離L2を設定すれば対応できる。なお、電極距離L2を第2の電極7と耐圧誘電体部材5の内表面5aの各対向域で部分的に異ならせることは、図1の例のように第2の電極7の側単独でも、耐圧誘電体部材5の側単独でも、あるいは双方によっても行える。また、第1の電極4も耐圧誘電体部材5の内表面5aからの電極距離L1を中央部から周辺部へ小さくなるように設定して被処理物2の表面上で均一な密度分布を示すようにしている。しかし、これに限定されることはない。
【0051】
これに対応して、前記耐圧誘電体部材5の外表面5bは、図2に示すように第2の電極7の立体形態に沿うか図3の例に示すように積層などして近似した立体形態としておくことができる。これにより、耐圧誘電体部材5は立体的な第2の電極7との間のスペースを利用して、電極距離L2の大きいところでは小さいところよりも厚みが増大し、図5に示すような誘電体の厚みとエッチレートとの関係から第1の電極4によるプラズマエッチングの均一性の操作に役立てられるのに併せ、第2の電極7による反応生成物の付着防止作用のパワーにも影響して電極距離L2の大きいところでは小さいところよりも弱められるし、耐圧誘電体部材5の厚みが電極距離L2の大きなところで小さなところよりも削れに対する耐圧許容度を高められる。
【0052】
図4に示す例では、電極距離L2を、第2の電極7の平坦な形態と耐圧誘電体部材5の内表面5aの立体形態とで設定してあり、図2、図3の耐圧誘電体部材5と同様な働きをして、第2の電極7を平板のままでよいようにしている。もっとも、図2、図3の例の立体的な第2の電極7と図4に示す立体形態の内表面5aを持った耐圧誘電体部材5との組み合わせによって電極距離L2の変化を複合的に与えるようにしてもよい。このようにすると、より複雑な電極距離L2をも設定しやすくなる。また、第2の電極7および耐圧誘電体部材5の必要立体度を軽減しあえる利点もある。
【0053】
第2の電極7は例えば図6〜図17に示すように、耐圧誘電体部材5の内表面5aでの反応生成物の付着度と耐圧誘電体部材5の削れ量との部分的な違いに応じて、配置密度の差を有して設けることもできる。このように第2の電極7が付着度と耐圧誘電体部材5の削れ量との部分的な違いに対応した配置密度の差を有していることにより、第2の電極7によるパワーが耐圧誘電体部材5の内表面5aへの反応生成物の付着度と耐圧誘電体部材5の削れ量との部分的な違いに応じて過不足なく働くので、耐圧誘電体部材5の内表面5aに反応生成物が付着するのを各部において十分に防止し、しかも、耐圧誘電体部材5の内表面5aの削れが部分的に多くなるようなことがなくなる。また、第2の電極7の配置密度設定のために形成される第2の電極7が位置しない周方向位置、径方向位置では第1の電極4からチャンバ1内への高周波の透過により全体での透過効率を高められる。
【0054】
具体的には、図6の例の第2の電極7は、外周から所定の間隔とこの間隔よりも小さい幅とを持って放射状に切り込んだスリット状の高周波透過部7aと中央部を打ち抜いた穴状の高周波透過部7bとを持った単体としてあり、図7、図8、図9に示す各例の第2の電極7は、外周から所定の間隔とこの間隔よりも小さい幅とを持って放射状に切り込んだスリット状の高周波透過部7aと中央部を打ち抜いた穴状の高周波透過部7bを持った外周体7dおよびこの外周体7dの穴部状の高周波透過部7bに環状の高周波透過部7eとなる隙間を持って配置されて外周から所定の間隔とこの間隔よりも小さい幅とを持って放射状に切り込んだスリット状の高周波透過部7aを有した中央体7fとの組み合わせ体としてある。もっとも、このような配置密度の調整には、図10に示すような中央部を抜いた穴状とし、この穴状部から周辺部に向うスリットによって形成される中央部に向く放射状の突出片を有した高周波透過部7aを持った単体パターンも含まれてもよい。このような第2の電極7の周方向、径方向での多様な配置態様を選択して部分的な配置密度の差を多様に設定することができる。また、図14〜図16の各例に示すように、第2の電極7におけるスリット状の高周波透過部7aの間に窓状に開口した高周波透過部7gを有して配置密度の差を設定することもでき、スリット状の高周波透過部7aの間の窓状の高周波透過部7gによって第2の電極7の周方向での配置密度をさらに弱め、また第1の電極4からの高周波のチャンバ1内への透過効率を高められる。
【0055】
特に、図11〜図16に示す各例では、既述した各種パターンで形成する高周波透過部7a、7b、7e、7gを、図11(b)、図14(b)に代表して断面を示すように誘電体21、22で埋めてある。これにより、第2の電極7に高周波透過部7a、7b、7e、7gによる導体近接部分があっても、そこを埋める誘電体によってエアギャップとはならず導体近接部分間で放電するのを防止することができる。なお、第2の電極7を複数に分割する場合は、その分割に応じ第2の電極7への電圧の印加を分割してもよい。
【0056】
ところで、図17の例、図18の例に示すねじ23のような電極距離L2を調整する距離調整手段を有したものとすることもできる。これにより、プラズマ処理条件によって反応生成物の耐圧誘電体部材5の内表面5aへの付着性が一定しないような場合でも、それに対応して部分的に異なる電極距離L2となるように調整することができる。図17の例では第2の電極7を既述した分割体タイプとしたものの外周体7dと中央体7fとを個別のねじ23、23にて個別に上下動調節することで、相互の電極距離L2を相対的に変化させられるようにしている。しかし、配置密度パターンによっては、図18に示すように外周を固定して内周側をねじ23により難なく上下動作させられ、これによって中央部から周辺部までの電極距離L2の関係を相対的に連続して変化させられる。また、図6に示すような配置密度パターンの第2の電極7であれば、図示しないが中央部を固定して周辺部をねじで難なく上下動させられ、これによって中央部から周辺部までの電極距離L2の関係を相対的に連続して変化させられる。
【0057】
さらに、第2の電極7は図に矢印でしめすように一方向に回転させるか、または往復弧回動するようにもできる。これにより、第2の電極7の配置密度の設定によって高周波透過部7a、7b、7e、7gが既述のように周方向に分散して形成されるが、回転または往復弧回動によりその分散位置を移動して高周波の透過位置を周方向に移動させてチャンバ1内でのプラズマ発生、耐圧誘電体部材5の内表面5aへの反応生成物の付着防止をより均一にすることができる。
【0058】
また、図19〜図21の各例で代表して示すように、耐圧誘電体部材5の内表面5aでの反応生成物の付着度と耐圧誘電体部材5の削れ量との部分的な違いに応じて誘電率の差、配置密度の差の少なくとも1つを有して、第2の電極7と前記耐圧誘電体部材5との間に補助誘電体部材31を配したものとすることができる。このような補助誘電体部材31の耐圧誘電体部材5の内表面5aでの反応生成物の付着度と耐圧誘電体部材5の削れ量との部分的な違いに応じた誘電率の差、配置密度の差の少なくとも1つによって、第1の電極4により耐圧誘電体部材5を介しチャンバ1内にプラズマ6を従来通りに被処理物2側で均一な密度分布で発生させての均一なプラズマエッチングを邪魔せず、第2の電極7からのパワーを耐圧誘電体部材5の内表面5aにおける部分的な反応生成物の付着度と耐圧誘電体部材5の削れ量との違いに応じて弱め、耐圧誘電体部材5の内表面5aへの各部での反応生成物の付着度と耐圧誘電体部材5の削れ量との違いに応じて過不足なく働くようにするので、耐圧誘電体部材5の内表面5aの反応生成物が付着するのを各部において十分に防止し、しかも、耐圧誘電体部材5の内表面5aの削れが部分的に多くなるようなことがなくなる。
【0059】
ここで、補助誘電体部材31は、石英、マイカなど材料の違い、補助誘電体部材31を設けない空間域の空気層を含んだ組み合わせで部分的な誘電率の差を設定することができる。これにより、部分的な誘電率の差を十分な幅と変化域を持って設定することができる。
【0060】
具体的には、マイカの誘電率は7.0kε、石英のそれは3.8kε、空気のそれは1.00054kεである。このような差を利用して図19に示す例では、補助誘電体部材31を外周体31aとその内側に環状の高周波透過部31bを持って配置した中央体31cとにおいて、外周体31aを石英とし、中央体31cをマイカとしてある。これにより、容量結合上プラズマ6の耐圧誘電体部材5側での密度分布を中央部で低くし、耐圧誘電体部材5の内表面5aにおける中央部の削れを防止するのに好適である。図20の例では外周体31aを省略した空気層、中央体31cをマイカとした組み合わせにおいて、プラズマ6の中央部での密度分布をより抑えられるようにしている。図21に示す例では、マイカよりなる外周体31aと中央体31cを省略した空気層との組み合わせによって、図19、図20での例とは逆にプラズマ6の周辺部での密度分布を中央部よりも低くして、耐圧誘電体部材5の内表面5aにおける周辺部での削れを抑えるのに好適となる。
【0061】
なお、補助誘電体部材31が第1の電極4からの高周波の透過を邪魔したくない条件設定では、第2の電極7と共に同じパターンの高周波透過部31bを持つのが好適となる。そこで、よりよくは、既述したような誘電体21、22のない図8、図9に示す例の外周体7dと中央体7fとを持った第2の電極7との組み合わせがよく、それらの高周波透過部7a、7b、7e、7gに見合った配置密度パターンの補助誘電体部材31とすればよい。従って、図22、図23に示すような環状で外周から所定の間隔とこの間隔よりも小さい幅とを持って放射状に切り込んだスリット状の高周波透過部31dを持った有スリット外周体31a、スリット状の高周波透過部31dを有して周方向に分断された分断外周体31a、この有スリット外周体31aまたは分断外周体31aの内側にそれらと既述した環状の高周波透過部31bを有して選択配置される図22、図25に示すような無スリット中央体31c、図23、図26に示すような外周から所定の間隔とこの間隔よりも小さい幅とを持って放射状に切り込んだスリット状の高周波透過部31dを持った有スリット中央体31c、図24、図26に示すようなスリット状の高周波透過部31dを有して周方向に分断された分断中央体31cの1つとの組合わせとして、配置密度の差を設定すればよい。これにより、補助誘電体部材31の周方向、径方向での多様な配置態様を選択して部分的な配置密度の差を多様に設定することができる。
【0062】
ここで、第2の電極7の既述した高周波透過部7a、7b、7e、7gを埋めている図11〜図16に示す誘電体21、22は、前記耐圧誘電体部材5や補助誘電体部材31の一部とすることができる。従って、第2の電極7が耐圧誘電体部材5や補助誘電体部材31と対面する構成を利用して第2の電極7の高周波透過部7a、7b、7e、7gを誘電体21、22で埋めることが実現でき、しかも、第2の電極7と耐圧誘電体部材5や補助誘電体部材31とを一体で取り扱えるし、第2の電極7が複数に分割、分断される場合に耐圧誘電体部材5や補助誘電体部材31により一体に支持できる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明はプラズマ用の電極と反応生成物の付着防止電極とを用いるプラズマエッチング装置において、均一なプラズマエッチング、付着防止を損なわないで、耐圧誘電体部材の内表面が部分的に削れるようなことを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明に係る実施形態のプラズマエッチング装置の概略構成の1つの例を示す断面図である。
【図2】本発明に係る実施形態のプラズマエッチング装置の概略構成の別の例を示す要部の断面図である。
【図3】本発明に係る実施形態のプラズマエッチング装置の概略構成の他の例を示す要部の断面図である。
【図4】本発明に係る実施形態のプラズマエッチング装置の概略構成の今1つの例を示す要部の断面図である。
【図5】誘電体の厚みとエッチレートとの関係を示すグラフである。
【図6】図1〜図4に示す装置に適用される第2の電極の1つの例を示す平面図である。
【図7】図1〜図4に示す装置に適用される第2の電極の第1の例を示す平面図である。
【図8】図1〜図4に示す装置に適用される第2の電極の第2の例を示す平面図である。
【図9】図1〜図4に示す装置に適用される第2の電極の第3の例を示す平面図である。
【図10】図1〜図4に示す装置に適用される第2の電極の第4の例を示す平面図である。
【図11】図1〜図4に示す装置に適用される第2の電極の第5の例を示す平面図である。
【図12】図1〜図4に示す装置に適用される第2の電極の第6の例を示す平面図である。
【図13】図1〜図4に示す装置に適用される第2の電極の第7の例を示す平面図である。
【図14】図1〜図4に示す装置に適用される第2の電極の第8の例を示す平面図である。
【図15】図1〜図4に示す装置に適用される第2の電極の第9の例を示す平面図である。
【図16】図1〜図4に示す装置に適用される第2の電極の第10の例を示す平面図である。
【図17】図1〜図4に示す装置に適用される第2の電極の第11の例を示す平面図である。
【図18】図1〜図4に示す装置に適用される第2の電極の第12の例を示す平面図である。
【図19】本発明に係る実施形態のプラズマエッチング装置の概略構成のさらに1つの例を示す要部の断面図である。
【図20】本発明に係る実施形態のプラズマエッチング装置の概略構成のさらに別の例を示す要部の断面図である。
【図21】本発明に係る実施形態のプラズマエッチング装置の概略構成のさらに他の例を示す要部の断面図である。
【図22】図19〜図21に示す装置に適用される補助誘電体部材の第1の例を示す平面図である。
【図23】図19〜図21に示す装置に適用される補助誘電体部材の第2の例を示す平面図である。
【図24】図19〜図21に示す装置に適用される補助誘電体部材の第3の例を示す平面図である。
【図25】図19〜図21に示す装置に適用される補助誘電体部材の第4の例を示す平面図である。
【図26】図19〜図21に示す装置に適用される補助誘電体部材の第5の例を示す平面図である。
【図27】従来のプラズマエッチング装置の概略構成例を示す断面図である。
【図28】従来の装置でのプラズマ発生状態、反応生成物付着状態、耐圧誘電体部材の削れ状態を示す説明図である。
【図29】本発明に係る実施形態のプラズマエッチング装置の概略構成の第2の電極への電力印加方法の他の例を示す要部の断面図である。
【符号の説明】
【0065】
1 チャンバ
2 被処理物
3 対向電極
4 第1の電極
5 耐圧誘電体部材
5a 内表面
5b 外表面
6 プラズマ
7 第2の電極
7a、7b、7e、7g 高周波透過部
7d 外周体
7f 中央体
11、13、15 電源
12、14、16 可変コンデンサ
21、22 誘電体
23 ねじ
31 補助誘電体部材
31a 外周体
31c 中央体
31b、31d 高周波透過部
【技術分野】
【0001】
本発明は微細なパターン加工を行うような電子デバイスの製造に利用されるプラズマエッチング装置に関し、詳しくは、耐圧誘電体部材を介してチャンバ内に反応ガスのプラズマを発生させてエッチングを行う第1の電極と、プラズマエッチングに際して耐圧誘電体部材の内表面に反応生成物が付着するのを防止する第2の電極とを組み合わせ備えたプラズマエッチング装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
このような第1、第2の電極を組み合わせたプラズマエッチング装置は既に知られている(例えば、特許文献1、2参照。)。
【0003】
特許文献1は特に、第1の電極を高周波アンテナとし、第2の電極を高周波アンテナと並列に可変チョークまたは可変コンデンサを介して同一高周波電源に接続する構成を開示している。このような構成では、第1の電極により耐圧誘電体部材を介しチャンバ内にプラズマを発生させてチャンバ内の対向電極に支持された被処理物を処理するのに併せ、第2の電極により耐圧誘電体部材の内表面上に一様な電界を形成して耐圧誘電体部材の内表面に膜が付着するのを防止するが、特に、第2の電極に供給する電力をチョークや可変コンデンサにて制御することにより、プロセス中は耐圧誘電体部材の内表面がエッチングされないようにすることができ、プロセスとプロセスとの間ではクリーニングプロセスが行えるものとなる。
【0004】
一方、特許文献2は、第2の電極をそれぞれ独立に高周波電力が印加される分割電極とするか、第2の電極を移動させることを提案している。このような構成では、耐圧誘電体部材の内表面の反応生成物の付着厚さの分布に応じて、分割電極それぞれに供給する高周波電圧を調整するか、第2の電極を移動させることにより、耐圧誘電体部材の内表面における第1の電極直下の領域が削られることを防止しながら、チャンバ内に残留して耐圧誘電体部材の内表面に異なった厚さで付着しようとする各領域の反応生成物をエッチングすることができる。
【特許文献1】特許第3429391号公報
【特許文献2】特開2005−259836号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、第2の電極bに電源cから供給する高周波電力を特許文献1に記載のように制御するにしても、既述したように第2の電極bの全体に供給して耐圧誘電体部材dの内表面に一様な電界を形成し、また、被処理物上で密度分布が均一なプラズマeを発生させるのに対し、耐圧誘電体部材dの内表面下でのプラズマeの密度が発生域によって種々に差ができる。例えば図28の第5欄、A〜C、E〜Gに例示するように中央部の密度が高く周辺部へ向け密度が低下するような密度分布では、その分布差に応じて耐圧誘電体部材dの内表面の中央部でのプラズマeが多く、周辺部では少なくなる傾向を示す。また、図28の第5欄、Dに例示するように周辺部で中央部よりも高くなる密度分布を示す場合もあり、周辺部でのプラズマeが多く、中央部で少なくなる傾向を示し、耐圧誘電体部材dの内表面の削れに差を及ぼす。また、耐圧誘電体部材dへの反応生成物の付着度(図ではデポレート)分布も、図28第4欄、A〜Gに例示するように中央部で高く周辺部へ向け低下する場合があるし、図示しないが周辺部で高く中央部で低下する場合もあるというように一定せず、これも耐圧誘電体部材dの内表面の削れ量の不均一をもたらす。
【0006】
ここに、プラズマeの密度分布のパターンと反応生成物の付着量分布のパターンとは、それらを図28の第3欄、A〜Gに示すように重畳したときの双方の高低の差が耐圧誘電体部材dの内表面の削れ量に相関し、図28の第2欄、A〜Gに示すように耐圧誘電体部材dの内表面の削れ量(図では削れレート)の分布が決まる。これら削れ量の分布に対応した実際の削れ状態は図28の第1欄、A〜Gに例示するようになる。
【0007】
図28のBではプラズマeの密度分布のパターンと反応生成物の付着量分布のパターンとに高低の差がほとんどなく、耐圧誘電体部材dの内表面が削れるにしてもその量は少なく、かつほぼ平坦であって理想的な削れ条件といえる。また、図28のFではプラズマeの密度分布のパターンと反応生成物の付着量分布のパターンとに若干の差はあるがその差がほぼ均一なことから、図28のBの場合よりは少し深く削れるがほぼ平坦であって理想に近い削れ条件といえる。しかし、図28のA、C〜E、Gでは中央部や周辺部が部分的に多く削れており、高価な耐圧誘電体部材dの耐圧強度が早期に低下する問題がある。
【0008】
一方、特許文献2に記載のように第2の電極bを分割電極としてそれぞれに独立して、従って、それぞれにパワーの異なった高周波電力を供給して耐圧誘電体部材dの内表面における領域によって異なる付着量に対応しようとしても、連続した変化には対応し切れない問題がある上、第2の電極b、高周波電力を供給する電源c、電源cをオン、オフする駆動系のそれぞれが、第2の電極bを分割する数だけ必要となるので、装置が高価になる。
【0009】
本発明の目的は、複雑化、大幅なコスト上昇なく、かつプラズマおよび加工の均一性を損なわずに、耐圧誘電体部材の内表面における不均一な反応生成物の付着防止と削れ防止とがバランスよくほぼ均一に達成できるプラズマエッチング装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記のような目的を達成するために、本発明のプラズマエッチング装置の第1の態様によれば、減圧可能なチャンバと、このチャンバの内部に設けられ被処理物を支持する対向電極と、前記チャンバの隔壁をなす耐圧誘電体部材の外に設けられチャンバ内に反応ガスからのプラズマを発生させて対向電極にて支持される被処理物をエッチングする第1の電極と、この第1の電極と前記耐圧誘電体部材との間に設けられて耐圧誘電体部材の内表面に反応生成物が付着するのを防止する第2の電極とを備えたプラズマエッチング装置において、前記第2の電極の前記耐圧誘電体部材の内表面からの電極距離を、耐圧誘電体部材の内表面への反応生成物の付着度と耐圧誘電体の削れ量との部分的な違いに応じて設定したことを1つの特徴としている。
【0011】
このような構成では、第2の電極の前記耐圧誘電体部材の内表面からの電極距離が耐圧誘電体部材の内表面への反応生成物の付着度と耐圧誘電体部材の削れ量との部分的な違いに応じて設定してあることにより、第1の電極により耐圧誘電体部材を介しチャンバ内にプラズマを従来通りに被処理物側で均一な密度分布で発生させて均一なプラズマエッチングを行うことを邪魔することなく、第2の電極からのパワーの電極距離に応じた減衰を伴い耐圧誘電体部材の内表面への各部での反応生成物の付着度と耐圧誘電体部材の削れ量との違いに応じて過不足なく働き、耐圧誘電体部材の内表面の反応生成物が付着するのを各部において十分に防止し、しかも、耐圧誘電体部材の内表面の削れが部分的に多くなるようなことがなくなる。
【0012】
本発明のプラズマエッチング装置の第2の態様によれば、電極距離は、周辺部よりも中央部を大きくする、あるいは、中央部よりも周辺部を大きくすることを特徴としている。
【0013】
これにより、耐圧誘電体部材の削れ量が中央部で周辺部よりも大きくなる傾向の場合、あるいは、周辺部で中央部よりも大きくする傾向の場合に対応することができる。
【0014】
本発明のプラズマエッチング装置の第3の態様によれば、電極距離は、前記耐圧誘電体部材の平坦な内表面と前記第2の電極の立体形態とで設定していることを特徴としている。
【0015】
これにより、第2の電極のみの立体形状にて、対向する耐圧誘電体部材の内表面に対する反応生成物の付着度と耐圧誘電体部材の削れ量とに対応した、電極距離の変化を満足することができる。
【0016】
本発明のプラズマエッチング装置の第4の態様によれば、前記耐圧誘電体部材の外表面は前記第2の電極の立体形態に沿うか近似した立体形態としてあることを特徴としている。
【0017】
これにより、耐圧誘電体部材は立体的な第2の電極との間のスペースを利用して、電極距離の大きいところでは小さいところよりも厚みが増大するので、第2の電極からの反応生成物の付着防止を図るパワーを電極距離の大きいところでは小さいところよりも弱められ、第2の電極の立体形状と併せ、反応生成物の付着度と耐圧誘電体部材の削れ量との部分的な違いに対応することができる。また、耐圧誘電体部材は削れ量の大きい部分ほど厚くなるので、そこでの削れが他の部分より大きくなっても耐圧強度が他の部分よりも低下するようなことを防止することができる。
【0018】
本発明のプラズマエッチング装置の第5の態様によれば、電極距離は、前記第2の電極の平坦な形態と前記耐圧誘電体部材の内表面の立体形態とで設定していることを特徴としている。
【0019】
これにより、耐圧誘電体部材内表面のみの一体、積層などによる立体形状にて、対向する第2の電極に対する反応生成物の付着度と耐圧誘電体部材の削れ量との部分的な違いに対応した、電極距離の変化を満足して、第2の電極からの反応生成物の付着防止を図るパワーを電極距離の大きいところでは小さいところよりも弱められるし、耐圧誘電体部材の厚みが電極距離の大きなところで小さなところよりも削れに対する許容度を高められる。
【0020】
本発明のプラズマエッチング装置の第6の態様によれば、前記第2の電極と耐圧誘電体部材の内表面との各対向域における電極距離の差を調整する距離調整手段を有したことを特徴としている。
【0021】
これにより、プラズマ処理条件によって耐圧誘電体部材の内表面への反応生成物の付着度と耐圧誘電体部材の削れ量との部分的な違いが一定しないような場合でも、第2の電極と耐圧誘電体部材の内表面との各対向域ごとに、耐圧誘電体部材の内表面への反応生成物の付着度と耐圧誘電体部材の削れ量との違いに応じた電極距離に調整することができる。
【0022】
本発明のプラズマエッチング装置の第7の態様によれば、距離調整手段は、第2の電極の部分的な高さを一体のままか、分割体ごとに相対的に変化させることを特徴としている。
【0023】
これにより、第2の電極の形態によって一体のままか、分割体ごとに部分的な高さを相対変化させて、一定しない反応生成物の耐圧誘電体部材の内表面への付着度と耐圧誘電体部材の削れ量との違いに応じた電極距離に調整することができる。
【0024】
本発明のプラズマエッチング装置の第8の態様によれば、減圧可能なチャンバと、このチャンバの内部に設けられ被処理物を支持する対向電極と、前記チャンバの隔壁をなす耐圧誘電体部材の外に設けられチャンバ内に反応ガスからなるプラズマを発生させて対向電極に支持した被処理物をエッチングする第1の電極と、この第1の電極と前記耐圧誘電体部材との間に設けられて耐圧誘電体部材の内表面に反応生成物が付着するのを防止する第2の電極とを備えたプラズマエッチング装置において、前記耐圧誘電体部材の内表面への反応生成物の付着度と耐圧誘電体部材の削れ量との部分的な違いに応じた誘電率の差、厚みの差、配置密度の差の少なくとも1つを有して、前記第2の電極と前記耐圧誘電体部材との間に補助誘電体部材を配したことを別の特徴としている。
【0025】
このような構成では、第2の電極と耐圧誘電体部材との間に位置する補助誘電体部材が耐圧誘電体部材の内表面での反応生成物の付着度と耐圧誘電体部材の削れ量との部分的な違いに対応した誘電率の差、厚みの差、配置密度の差の少なくとも1つによって、第1の電極により耐圧誘電体部材を介しチャンバ内にプラズマを従来通りに被処理物側で均一な密度分布で発生させての均一なプラズマエッチングを邪魔せず、第2の電極からのパワーを耐圧誘電体部材の内表面における部分的な反応生成物の付着度と耐圧誘電体部材の削れ量との違いに応じて弱め、耐圧誘電体部材の内表面への各部での反応生成物の付着度と耐圧誘電体部材の削れ量との違いに応じて過不足なく働くようにするので、耐圧誘電体部材の内表面の反応生成物が付着するのを各部において十分に防止し、しかも、耐圧誘電体部材の内表面の削れが部分的に多くなることを抑制できる。
【0026】
本発明のプラズマエッチング装置の第9の態様によれば、補助誘電体部材は、石英、マイカなど材料の違い、補助誘電体部材を設けない空間域の空気を含んだ組み合わせで部分的な誘電率の差を設定してあることを特徴としている。
【0027】
これにより、部分的な誘電率の差を十分な幅と変化域を持って設定することができる。
【0028】
本発明のプラズマエッチング装置の第10の態様によれば、補助誘電体部材は、環状で外周から所定の間隔とこの間隔よりも小さい幅とを持って放射状に切り込んだスリット状の高周波透過部を持った有スリット外周体、スリット状の高周波透過部を有して周方向に分断された分断外周体の1つと、この有スリット外周体または分断外周体の内側にそれらと環状の高周波透過部を有して選択配置される無スリット中央体、外周から所定の間隔とこの間隔よりも小さい幅とを持って放射状に切り込んだスリット状の高周波透過部を持った有スリット中央体、スリット状の高周波透過部を有して周方向に分断された分断中央体の1つとの組合わせとして、配置密度の差を設定してあることを特徴としている。
【0029】
これにより、補助誘電体部材の周方向、径方向での多様な配置態様を選択して部分的な配置密度の差を多様に設定することができる。ここで、補助誘電体部材に入れたスリットは、第1の電極からチャンバ内に放射される高周波を透過し、補助誘電体部材にて高周波の透過が妨げられることを防ぐ効果がある。
【0030】
本発明のプラズマエッチング装置の第11の態様によれば、減圧可能なチャンバと、このチャンバの内部に設けられ被処理物を支持する対向電極と、前記チャンバの隔壁をなす耐圧誘電体部材の外に設けられチャンバ内に反応ガスからなるプラズマを発生させて対向電極にて支持される被処理物をエッチングする第1の電極と、この第1の電極と前記耐圧誘電体部材との間に設けられて耐圧誘電体部材の内表面に反応生成物が付着するのを防止する第2の電極とを備えたプラズマエッチング装置において、前記第2の電極は、耐圧誘電体部材の内表面への反応生成物の付着度と耐圧誘電体部材の削れ量との部分的な違いに応じて配置密度の差を有して設けたことを他の特徴としている。
【0031】
このような構成では、第2の電極が耐圧誘電体部材の内表面への反応生成物の付着度と耐圧誘電体部材の削れ量との部分的な違いに応じて配置密度の差を有していることにより、第1の電極により耐圧誘電体部材を介しチャンバ内にプラズマを従来通りに被処理物側で均一な密度分布で発生させて均一なプラズマエッチングを邪魔せず、第2の電極からのパワーを耐圧誘電体部材の内表面における部分的な反応生成物の付着度と耐圧誘電体部材の削れ量との違いに応じて弱め、耐圧誘電体部材の内表面への各部での反応生成物の付着度と耐圧誘電体部材の削れ量との違いに応じて過不足なく働くようにするので、耐圧誘電体部材の内表面に反応生成物が付着するのを各部において十分に防止し、しかも、耐圧誘電体部材の内表面の削れが部分的に多くなるようなことがなくなる。また、第2の電極の配置密度設定のために形成される第2の電極が位置しない周方向位置、径方向位置では第1の電極からチャンバ内への高周波の透過により全体での透過効率を高められる。
【0032】
本発明のプラズマエッチング装置の第12の態様によれば、第2の電極は、外周から所定の間隔とこの間隔よりも小さい幅とを持って放射状に切り込んだスリット状の高周波透過部と中央部を打ち抜いた穴状の高周波透過部とを持った単体、外周から所定の間隔とこの間隔よりも小さい幅とを持って放射状に切り込んだスリット状の高周波透過部と中央部を打ち抜いた穴状で中央部に向く放射状の突出片を有した高周波透過部とを持った単体、外周から所定の間隔とこの間隔よりも小さい幅とを持って放射状に切り込んだスリット状の高周波透過部と中央部を打ち抜いた穴状の高周波透過部を持った外周体およびこの外周体の穴部に環状の高周波透過部となる隙間を持って配置されて外周から所定の間隔とこの間隔よりも小さい幅とを持って放射状に切り込んだスリット状の高周波透過部を有した中央体との組み合わせ体、のいずれかで配置密度の差を設定したことを特徴としている。
【0033】
これにより、第2の電極の周方向、径方向での多様な配置態様を選択して部分的な配置密度の差を多様に設定することができる。
【0034】
本発明のプラズマエッチング装置の第13の態様によれば、第2の電極は、スリット状の高周波透過部の間に窓状に開口した高周波透過部を有して配置密度の差を設定していることを特徴としている。
【0035】
これにより、スリット状の高周波透過部の間の窓状に開口した高周波透過部によって第2の電極の周方向での配置密度をさらに弱め、また第1の電極からの高周波のチャンバ内への透過効率を高められる。
【0036】
本発明のプラズマエッチング装置の第14の態様によれば、外周から所定の間隔とこの間隔よりも小さい幅とを持って放射状に切り込んだスリット状の高周波透過部を有した単体を第2の電極の選択対象に含んで、第2の電極の高周波透過部は、誘電体で埋めてあることを特徴としている。
【0037】
これにより、第2の電極に高周波透過部による導体近接部分があっても、そこを埋める誘電体によってエアギャップとはならず導体近接部分間で放電するのを防止することができ、また、この誘電体は補助誘電体の一部として有効である。
【0038】
そこで、本発明のプラズマエッチング装置の第15の態様によれば、第2の電極の高周波透過部を埋めている誘電体は、前記耐圧誘電体部材の一部であることを特徴としている。
【0039】
これにより、第2の電極が耐圧誘電体部材と対面する構成を利用して第2の電極の高周波透過部を誘電体で埋めることが実現し、しかも、第2の電極と耐圧誘電体部材とを一体で取り扱えるし、第2の電極が複数に分割、分断される場合に耐圧誘電体部材により一体に支持できる。また、第8〜第10の態様の補助誘電体部材を設ける場合はこれを耐圧誘電体部材同様に第2の電極の高周波透過部を埋める誘電体として利用することができる。
【0040】
本発明のプラズマエッチング装置の第16の態様によれば、第2の電極は、回転または往復弧回動することを特徴としている。
【0041】
これにより、第2の電極の配置密度の設定によって周方向に分散して配置される第2の電極部と高周波透過部が、第2の電極の回転または往復弧回動されて、第1の電極からの高周波の透過位置、および第2の電極からのパワーの出力位置を周方向に移動させるので、第1の電極によるチャンバ内でのプラズマの発生と、第2の電極による耐圧誘電体部材の内表面への反応生成物の付着防止とをより均一にすることができる。
【発明の効果】
【0042】
本発明のプラズマエッチング装置によれば、プラズマの均一な密度分布による均一なプラズマエッチングを保証しながら、第2の電極を耐圧誘電体部材の内表面への反応生成物の部分的な付着度と耐圧誘電体部材の削れ量との違いに応じて過不足なく働かせて、耐圧誘電体部材の内表面に反応生成物が付着するのを各部において十分に防止し、しかも、耐圧誘電体部材の内表面の削れが部分的に多くなり耐圧寿命が早期に低下するようなことがなくなる。また、第2の電極が単体か分割かの違いにかかわらず同一電源から同一の電力を供給してよく、第2の電極の耐圧誘電体部材の内表面からの電極高さ、配置密度、第2の電極のチャンバ側にある誘電体部材の誘電率、厚さ、配置密度に部分的に差を持たせるだけで構造が特に複雑になるようなことはなくコスト上昇の原因にはならない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下、本発明のプラズマエッチング装置の実施の形態について、図1〜図26を参照して説明する。しかし、以下の説明は本発明の具体例であって特許請求の範囲の記載の内容を限定するものではない。
【0044】
本実施の形態のプラズマエッチング装置は、図1に示すように減圧可能で供給口1aから反応ガス10を供給して排気ガス20を排気口1bから排気するチャンバ1と、このチャンバ1の内部に設けられ被処理物2を支持する対向電極3と、チャンバ1の隔壁をなす耐圧誘電体部材5の外に設けられチャンバ1内に反応ガス10からのプラズマ6を発生させて対向電極3上の被処理物2に働かせエッチングなどのプラズマ処理を行わせる第1の電極4と、この第1の電極4と前記耐圧誘電体部材5との間に設けられて耐圧誘電体部材5の内表面5aの反応生成物が付着するのを防止する第2の電極7とを備えている。ここに、第1の電極4は誘導結合コイル(ICPコイル)であって高周波アンテナをなし、耐圧誘電体部材5を介しチャンバ1内にプラズマ6を発生させ、このプラズマ6が対向電極3上の被処理物2の表面に働くことによってエッチングなどのプラズマ処理を行わせる。また、第2の電極7はファラデーシールド電極(FS電極)であって、耐圧誘電体部材5の内表面5aに沿う一様な電界を形成してプラズマ処理時に生じる反応生成物が付着するのを防止する。
【0045】
このようなプラズマ処理プロセスのために、対向電極3には電源15から可変コンデンサ16を介して高周波を供給し、プラズマ6を被処理物2側に働かせるようにする。第1の電極4には電源11から高周波電力を可変コンデンサ12を介して供給し、所定のエッチレートでプラズマ処理できるようにする。また、第1の電極4は図1に示すような立体的な配置形態なども含めプラズマ6が被処理物2の表面に一様な分布をもって発生するように調整され、被処理物2の表面が設定したエッチレートにて均一にプラズマ処理されるようにする。なお、高周波は一般に30kHz〜300GHzとされるのに対し、プラズマ発生装置に適用される高周波範囲はHFと称される3〜30MHz程度の狭い範囲である。第2の電極7には電源13から可変コンデンサ14を介して第1の電極4の場合と同様な高周波、あるいはそれ以下の低周波を供給し、可変コンデンサ14の調整によって耐圧誘電体部材5の内表面5aに反応生成物が付着するのを防止できる。
【0046】
なお、ここでは、図1に示すように、第1の電極4には電源11が、第2の電極7には電源13が、それぞれ別々に接続されているが、第1の電極4と第2の電極7とを並列に可変チョークまたは可変コンデンサを介して同一高周波電源に接続する構成にしてもよい(図示せず)。または、図29に示すように、第1の電極4には電源11を接続し、第2の電極7には可変チョークまたは可変コンデンサを接続し、電源11から発振された電力を第1の電極4から空気を介して第2の電極7に重畳させ第1の電極4と第2の電極7のそれぞれに印加される電力比を可変チョークまたは可変コンデンサで調整するようにしてもよい。
【0047】
しかし、既述したように第1の電極4の働きによるプラズマ6の発生は、被処理物2の表面上で一様な分布となるように制御できるが、耐圧誘電体部材5の内表面5aの下では中央部では周辺部よりも分布が高くなるといった偏った分布傾向を示す。これに対し、第2の電極7の働きによる耐圧誘電体部材5の内表面5aに沿って形成する電界の強弱は可変コンデンサ14で調整できるが、電界の形成状態は耐圧誘電体部材5の内表面5aに沿う一様なものであるので、このままでは、耐圧誘電体部材5の内表面5aでのプラズマ6の働きと電界の働きとのバランスを採ることはできない。このため、反応生成物の部分的な付着や耐圧誘電体部材5の内表面5aの部分的な削れが生じる。
【0048】
そこで、本実施の形態では、第2の電極7による耐圧誘電体部材5の内表面5aの表面に形成する電界の強弱が、第2の電極7の前記耐圧誘電体部材5の内表面5aからの電極距離L2に依存する関係から、この電極距離L2を、耐圧誘電体部材5の内表面5aでの反応生成物付着度と耐圧誘電体部材5の削れ量との違いに応じて設定する。このように、第2の電極7の耐圧誘電体部材5の内表面5aからの電極距離L2が耐圧誘電体部材5の内表面5aへの反応生成物の付着度と耐圧誘電体部材5の削れ量との部分的な違いに応じて設定してあることにより、第1の電極4により耐圧誘電体部材5を介しチャンバ1内にプラズマを従来通りに被処理物2側で均一な密度分布で発生させて均一なプラズマエッチングを行うことを邪魔することなく、第2の電極7からのパワーの電極距離L2に応じた減衰を伴い耐圧誘電体部材5の内表面5aへの各部での反応生成物の付着度と耐圧誘電体部材5の削れ量との違いに応じて過不足なく働き、耐圧誘電体部材5の内表面5aの反応生成物が付着するのを各部において十分に防止し、しかも、耐圧誘電体部材5の内表面の削れが部分的に多くなるようなことがなくなる。
【0049】
この結果、プラズマ6の均一な密度分布による均一なプラズマエッチングを保証しながら、第2の電極7を耐圧誘電体部材5の内表面5aへの反応生成物の部分的な付着度と耐圧誘電体部材5の削れ量との違いに応じて過不足なく働かせて、耐圧誘電体部材5の内表面5aに反応生成物が付着するのを各部において十分に防止し、しかも、耐圧誘電体部材5の内表面5aの削れが部分的に多くなり耐圧寿命が早期に低下するようなことがなくなる。また、第2の電極7が単体か分割かの違いにかかわらず同一電源13から同一の電力を供給してよく、第2の電極7の耐圧誘電体部材5の内表面5aからの電極距離L2に部分的な差を持たせるだけで構造が特に複雑になるようなことはなくコスト上昇の原因にはならない。
【0050】
具体的には、図1の例では耐圧誘電体部材5の内表面5aにおける中央部が周辺部よりも削れ量が多くなる一般傾向に対して、電極距離L2は、周辺部よりも中央部を大きくすることにより対応している。当然のことながら、耐圧誘電体部材5の周辺部の削れ量が中央部よりも大きくなる場合には、逆に電極距離L2は、中央部よりも周辺部を大きくすることにより対応することができる。このようにして、反応生成物の付着度と耐圧誘電体部材5の削れ量との差の分布がどのように不均衡でもそれに逆比例する電極距離L2を設定すれば対応できる。なお、電極距離L2を第2の電極7と耐圧誘電体部材5の内表面5aの各対向域で部分的に異ならせることは、図1の例のように第2の電極7の側単独でも、耐圧誘電体部材5の側単独でも、あるいは双方によっても行える。また、第1の電極4も耐圧誘電体部材5の内表面5aからの電極距離L1を中央部から周辺部へ小さくなるように設定して被処理物2の表面上で均一な密度分布を示すようにしている。しかし、これに限定されることはない。
【0051】
これに対応して、前記耐圧誘電体部材5の外表面5bは、図2に示すように第2の電極7の立体形態に沿うか図3の例に示すように積層などして近似した立体形態としておくことができる。これにより、耐圧誘電体部材5は立体的な第2の電極7との間のスペースを利用して、電極距離L2の大きいところでは小さいところよりも厚みが増大し、図5に示すような誘電体の厚みとエッチレートとの関係から第1の電極4によるプラズマエッチングの均一性の操作に役立てられるのに併せ、第2の電極7による反応生成物の付着防止作用のパワーにも影響して電極距離L2の大きいところでは小さいところよりも弱められるし、耐圧誘電体部材5の厚みが電極距離L2の大きなところで小さなところよりも削れに対する耐圧許容度を高められる。
【0052】
図4に示す例では、電極距離L2を、第2の電極7の平坦な形態と耐圧誘電体部材5の内表面5aの立体形態とで設定してあり、図2、図3の耐圧誘電体部材5と同様な働きをして、第2の電極7を平板のままでよいようにしている。もっとも、図2、図3の例の立体的な第2の電極7と図4に示す立体形態の内表面5aを持った耐圧誘電体部材5との組み合わせによって電極距離L2の変化を複合的に与えるようにしてもよい。このようにすると、より複雑な電極距離L2をも設定しやすくなる。また、第2の電極7および耐圧誘電体部材5の必要立体度を軽減しあえる利点もある。
【0053】
第2の電極7は例えば図6〜図17に示すように、耐圧誘電体部材5の内表面5aでの反応生成物の付着度と耐圧誘電体部材5の削れ量との部分的な違いに応じて、配置密度の差を有して設けることもできる。このように第2の電極7が付着度と耐圧誘電体部材5の削れ量との部分的な違いに対応した配置密度の差を有していることにより、第2の電極7によるパワーが耐圧誘電体部材5の内表面5aへの反応生成物の付着度と耐圧誘電体部材5の削れ量との部分的な違いに応じて過不足なく働くので、耐圧誘電体部材5の内表面5aに反応生成物が付着するのを各部において十分に防止し、しかも、耐圧誘電体部材5の内表面5aの削れが部分的に多くなるようなことがなくなる。また、第2の電極7の配置密度設定のために形成される第2の電極7が位置しない周方向位置、径方向位置では第1の電極4からチャンバ1内への高周波の透過により全体での透過効率を高められる。
【0054】
具体的には、図6の例の第2の電極7は、外周から所定の間隔とこの間隔よりも小さい幅とを持って放射状に切り込んだスリット状の高周波透過部7aと中央部を打ち抜いた穴状の高周波透過部7bとを持った単体としてあり、図7、図8、図9に示す各例の第2の電極7は、外周から所定の間隔とこの間隔よりも小さい幅とを持って放射状に切り込んだスリット状の高周波透過部7aと中央部を打ち抜いた穴状の高周波透過部7bを持った外周体7dおよびこの外周体7dの穴部状の高周波透過部7bに環状の高周波透過部7eとなる隙間を持って配置されて外周から所定の間隔とこの間隔よりも小さい幅とを持って放射状に切り込んだスリット状の高周波透過部7aを有した中央体7fとの組み合わせ体としてある。もっとも、このような配置密度の調整には、図10に示すような中央部を抜いた穴状とし、この穴状部から周辺部に向うスリットによって形成される中央部に向く放射状の突出片を有した高周波透過部7aを持った単体パターンも含まれてもよい。このような第2の電極7の周方向、径方向での多様な配置態様を選択して部分的な配置密度の差を多様に設定することができる。また、図14〜図16の各例に示すように、第2の電極7におけるスリット状の高周波透過部7aの間に窓状に開口した高周波透過部7gを有して配置密度の差を設定することもでき、スリット状の高周波透過部7aの間の窓状の高周波透過部7gによって第2の電極7の周方向での配置密度をさらに弱め、また第1の電極4からの高周波のチャンバ1内への透過効率を高められる。
【0055】
特に、図11〜図16に示す各例では、既述した各種パターンで形成する高周波透過部7a、7b、7e、7gを、図11(b)、図14(b)に代表して断面を示すように誘電体21、22で埋めてある。これにより、第2の電極7に高周波透過部7a、7b、7e、7gによる導体近接部分があっても、そこを埋める誘電体によってエアギャップとはならず導体近接部分間で放電するのを防止することができる。なお、第2の電極7を複数に分割する場合は、その分割に応じ第2の電極7への電圧の印加を分割してもよい。
【0056】
ところで、図17の例、図18の例に示すねじ23のような電極距離L2を調整する距離調整手段を有したものとすることもできる。これにより、プラズマ処理条件によって反応生成物の耐圧誘電体部材5の内表面5aへの付着性が一定しないような場合でも、それに対応して部分的に異なる電極距離L2となるように調整することができる。図17の例では第2の電極7を既述した分割体タイプとしたものの外周体7dと中央体7fとを個別のねじ23、23にて個別に上下動調節することで、相互の電極距離L2を相対的に変化させられるようにしている。しかし、配置密度パターンによっては、図18に示すように外周を固定して内周側をねじ23により難なく上下動作させられ、これによって中央部から周辺部までの電極距離L2の関係を相対的に連続して変化させられる。また、図6に示すような配置密度パターンの第2の電極7であれば、図示しないが中央部を固定して周辺部をねじで難なく上下動させられ、これによって中央部から周辺部までの電極距離L2の関係を相対的に連続して変化させられる。
【0057】
さらに、第2の電極7は図に矢印でしめすように一方向に回転させるか、または往復弧回動するようにもできる。これにより、第2の電極7の配置密度の設定によって高周波透過部7a、7b、7e、7gが既述のように周方向に分散して形成されるが、回転または往復弧回動によりその分散位置を移動して高周波の透過位置を周方向に移動させてチャンバ1内でのプラズマ発生、耐圧誘電体部材5の内表面5aへの反応生成物の付着防止をより均一にすることができる。
【0058】
また、図19〜図21の各例で代表して示すように、耐圧誘電体部材5の内表面5aでの反応生成物の付着度と耐圧誘電体部材5の削れ量との部分的な違いに応じて誘電率の差、配置密度の差の少なくとも1つを有して、第2の電極7と前記耐圧誘電体部材5との間に補助誘電体部材31を配したものとすることができる。このような補助誘電体部材31の耐圧誘電体部材5の内表面5aでの反応生成物の付着度と耐圧誘電体部材5の削れ量との部分的な違いに応じた誘電率の差、配置密度の差の少なくとも1つによって、第1の電極4により耐圧誘電体部材5を介しチャンバ1内にプラズマ6を従来通りに被処理物2側で均一な密度分布で発生させての均一なプラズマエッチングを邪魔せず、第2の電極7からのパワーを耐圧誘電体部材5の内表面5aにおける部分的な反応生成物の付着度と耐圧誘電体部材5の削れ量との違いに応じて弱め、耐圧誘電体部材5の内表面5aへの各部での反応生成物の付着度と耐圧誘電体部材5の削れ量との違いに応じて過不足なく働くようにするので、耐圧誘電体部材5の内表面5aの反応生成物が付着するのを各部において十分に防止し、しかも、耐圧誘電体部材5の内表面5aの削れが部分的に多くなるようなことがなくなる。
【0059】
ここで、補助誘電体部材31は、石英、マイカなど材料の違い、補助誘電体部材31を設けない空間域の空気層を含んだ組み合わせで部分的な誘電率の差を設定することができる。これにより、部分的な誘電率の差を十分な幅と変化域を持って設定することができる。
【0060】
具体的には、マイカの誘電率は7.0kε、石英のそれは3.8kε、空気のそれは1.00054kεである。このような差を利用して図19に示す例では、補助誘電体部材31を外周体31aとその内側に環状の高周波透過部31bを持って配置した中央体31cとにおいて、外周体31aを石英とし、中央体31cをマイカとしてある。これにより、容量結合上プラズマ6の耐圧誘電体部材5側での密度分布を中央部で低くし、耐圧誘電体部材5の内表面5aにおける中央部の削れを防止するのに好適である。図20の例では外周体31aを省略した空気層、中央体31cをマイカとした組み合わせにおいて、プラズマ6の中央部での密度分布をより抑えられるようにしている。図21に示す例では、マイカよりなる外周体31aと中央体31cを省略した空気層との組み合わせによって、図19、図20での例とは逆にプラズマ6の周辺部での密度分布を中央部よりも低くして、耐圧誘電体部材5の内表面5aにおける周辺部での削れを抑えるのに好適となる。
【0061】
なお、補助誘電体部材31が第1の電極4からの高周波の透過を邪魔したくない条件設定では、第2の電極7と共に同じパターンの高周波透過部31bを持つのが好適となる。そこで、よりよくは、既述したような誘電体21、22のない図8、図9に示す例の外周体7dと中央体7fとを持った第2の電極7との組み合わせがよく、それらの高周波透過部7a、7b、7e、7gに見合った配置密度パターンの補助誘電体部材31とすればよい。従って、図22、図23に示すような環状で外周から所定の間隔とこの間隔よりも小さい幅とを持って放射状に切り込んだスリット状の高周波透過部31dを持った有スリット外周体31a、スリット状の高周波透過部31dを有して周方向に分断された分断外周体31a、この有スリット外周体31aまたは分断外周体31aの内側にそれらと既述した環状の高周波透過部31bを有して選択配置される図22、図25に示すような無スリット中央体31c、図23、図26に示すような外周から所定の間隔とこの間隔よりも小さい幅とを持って放射状に切り込んだスリット状の高周波透過部31dを持った有スリット中央体31c、図24、図26に示すようなスリット状の高周波透過部31dを有して周方向に分断された分断中央体31cの1つとの組合わせとして、配置密度の差を設定すればよい。これにより、補助誘電体部材31の周方向、径方向での多様な配置態様を選択して部分的な配置密度の差を多様に設定することができる。
【0062】
ここで、第2の電極7の既述した高周波透過部7a、7b、7e、7gを埋めている図11〜図16に示す誘電体21、22は、前記耐圧誘電体部材5や補助誘電体部材31の一部とすることができる。従って、第2の電極7が耐圧誘電体部材5や補助誘電体部材31と対面する構成を利用して第2の電極7の高周波透過部7a、7b、7e、7gを誘電体21、22で埋めることが実現でき、しかも、第2の電極7と耐圧誘電体部材5や補助誘電体部材31とを一体で取り扱えるし、第2の電極7が複数に分割、分断される場合に耐圧誘電体部材5や補助誘電体部材31により一体に支持できる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明はプラズマ用の電極と反応生成物の付着防止電極とを用いるプラズマエッチング装置において、均一なプラズマエッチング、付着防止を損なわないで、耐圧誘電体部材の内表面が部分的に削れるようなことを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明に係る実施形態のプラズマエッチング装置の概略構成の1つの例を示す断面図である。
【図2】本発明に係る実施形態のプラズマエッチング装置の概略構成の別の例を示す要部の断面図である。
【図3】本発明に係る実施形態のプラズマエッチング装置の概略構成の他の例を示す要部の断面図である。
【図4】本発明に係る実施形態のプラズマエッチング装置の概略構成の今1つの例を示す要部の断面図である。
【図5】誘電体の厚みとエッチレートとの関係を示すグラフである。
【図6】図1〜図4に示す装置に適用される第2の電極の1つの例を示す平面図である。
【図7】図1〜図4に示す装置に適用される第2の電極の第1の例を示す平面図である。
【図8】図1〜図4に示す装置に適用される第2の電極の第2の例を示す平面図である。
【図9】図1〜図4に示す装置に適用される第2の電極の第3の例を示す平面図である。
【図10】図1〜図4に示す装置に適用される第2の電極の第4の例を示す平面図である。
【図11】図1〜図4に示す装置に適用される第2の電極の第5の例を示す平面図である。
【図12】図1〜図4に示す装置に適用される第2の電極の第6の例を示す平面図である。
【図13】図1〜図4に示す装置に適用される第2の電極の第7の例を示す平面図である。
【図14】図1〜図4に示す装置に適用される第2の電極の第8の例を示す平面図である。
【図15】図1〜図4に示す装置に適用される第2の電極の第9の例を示す平面図である。
【図16】図1〜図4に示す装置に適用される第2の電極の第10の例を示す平面図である。
【図17】図1〜図4に示す装置に適用される第2の電極の第11の例を示す平面図である。
【図18】図1〜図4に示す装置に適用される第2の電極の第12の例を示す平面図である。
【図19】本発明に係る実施形態のプラズマエッチング装置の概略構成のさらに1つの例を示す要部の断面図である。
【図20】本発明に係る実施形態のプラズマエッチング装置の概略構成のさらに別の例を示す要部の断面図である。
【図21】本発明に係る実施形態のプラズマエッチング装置の概略構成のさらに他の例を示す要部の断面図である。
【図22】図19〜図21に示す装置に適用される補助誘電体部材の第1の例を示す平面図である。
【図23】図19〜図21に示す装置に適用される補助誘電体部材の第2の例を示す平面図である。
【図24】図19〜図21に示す装置に適用される補助誘電体部材の第3の例を示す平面図である。
【図25】図19〜図21に示す装置に適用される補助誘電体部材の第4の例を示す平面図である。
【図26】図19〜図21に示す装置に適用される補助誘電体部材の第5の例を示す平面図である。
【図27】従来のプラズマエッチング装置の概略構成例を示す断面図である。
【図28】従来の装置でのプラズマ発生状態、反応生成物付着状態、耐圧誘電体部材の削れ状態を示す説明図である。
【図29】本発明に係る実施形態のプラズマエッチング装置の概略構成の第2の電極への電力印加方法の他の例を示す要部の断面図である。
【符号の説明】
【0065】
1 チャンバ
2 被処理物
3 対向電極
4 第1の電極
5 耐圧誘電体部材
5a 内表面
5b 外表面
6 プラズマ
7 第2の電極
7a、7b、7e、7g 高周波透過部
7d 外周体
7f 中央体
11、13、15 電源
12、14、16 可変コンデンサ
21、22 誘電体
23 ねじ
31 補助誘電体部材
31a 外周体
31c 中央体
31b、31d 高周波透過部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
減圧可能なチャンバと、このチャンバの内部に設けられ被処理物を支持する対向電極と、前記チャンバの隔壁をなす耐圧誘電体部材の外に設けられチャンバ内に反応ガスからのプラズマを発生させて対向電極にて支持される被処理物をエッチングする第1の電極と、この第1の電極と前記耐圧誘電体部材との間に設けられて耐圧誘電体部材の内表面に反応生成物が付着するのを防止する第2の電極とを備えたプラズマエッチング装置において、
前記第2の電極の前記耐圧誘電体部材の内表面からの電極距離を、耐圧誘電体部材の内表面への反応生成物の付着度と耐圧誘電体の削れ量との部分的な違いに応じて設定したことを特徴とするプラズマエッチング装置。
【請求項2】
電極距離は、周辺部よりも中央部を大きくする、あるいは、中央部よりも周辺部を大きくする請求項1に記載のプラズマエッチング装置。
【請求項3】
電極距離は、前記耐圧誘電体部材の平坦な内表面と前記第2の電極の立体形態とにより設定している請求項1、2のいずれか1項に記載のプラズマエッチング装置。
【請求項4】
前記耐圧誘電体部材の外表面は前記第2の電極の立体形態に沿うか近似した立体形態としてある請求項3に記載のプラズマエッチング装置。
【請求項5】
電極距離は、前記第2の電極の平坦な形態と前記耐圧誘電体部材の内表面の立体形態とで設定している請求項1、2のいずれか1項に記載のプラズマエッチング装置。
【請求項6】
前記第2の電極と耐圧誘電体部材の内表面との各対向域における電極距離の差を調整する距離調整手段を有している請求項1、2のいずれか1項に記載のプラズマエッチング装置。
【請求項7】
距離調整手段は、第2の電極の部分的な高さを一体のままか、分割体ごとに相対的に変化させる請求項6に記載のプラズマエッチング装置。
【請求項8】
減圧可能なチャンバと、このチャンバの内部に設けられ被処理物を支持する対向電極と、前記チャンバの隔壁をなす耐圧誘電体部材の外に設けられチャンバ内に反応ガスからなるプラズマを発生させて対向電極に支持した被処理物をエッチングする第1の電極と、この第1の電極と前記耐圧誘電体部材との間に設けられて耐圧誘電体部材の内表面に反応生成物が付着するのを防止する第2の電極とを備えたプラズマエッチング装置において、
前記耐圧誘電体部材の内表面への反応生成物の付着度と耐圧誘電体の削れ量との部分的な違いに応じた誘電率の差、厚みの差、配置密度の差の少なくとも1つを有して、前記第2の電極と前記耐圧誘電体部材との間に補助誘電体部材を配したことを特徴とするプラズマエッチング装置。
【請求項9】
補助誘電体部材は、石英、マイカなど材料の違い、補助誘電体部材を設けない空間域の空気を含んで誘電率の差を設定してある請求項8に記載のプラズマエッチング装置。
【請求項10】
補助誘電体部材は、環状で外周から所定の間隔とこの間隔よりも小さい幅とを持って放射状に切り込んだスリット状の高周波透過部を持った有スリット外周体、スリット状の高周波透過部を有して周方向に分断された分断外周体の1つと、この有スリット外周体または分断外周体の内側にそれらと環状の高周波透過部を有して選択配置される無スリット中央体、外周から所定の間隔とこの間隔よりも小さい幅とを持って放射状に切り込んだスリット状の高周波透過部を持った有スリット中央体、スリット状の高周波透過部を有して周方向に分断された分断中央体の1つとの組合わせとして、配置密度の差を設定してある請求項8、9のいずれか1項に記載のプラズマエッチング装置。
【請求項11】
減圧可能なチャンバと、このチャンバの内部に設けられ被処理物を支持する対向電極と、前記チャンバの隔壁をなす耐圧誘電体部材の外に設けられチャンバ内に反応ガスからなるプラズマを発生させて対向電極にて支持される被処理物をエッチングする第1の電極と、この第1の電極と前記耐圧誘電体部材との間に設けられて耐圧誘電体部材の内表面に反応生成物が付着するのを防止する第2の電極とを備えたプラズマエッチング装置において、
前記第2の電極は、耐圧誘電体部材の内表面への反応生成物の付着度と耐圧誘電体部材の削れ量との部分的な違いに応じて配置密度の差を有して設けたことを特徴とするプラズマエッチング装置。
【請求項12】
第2の電極は、外周から所定の間隔とこの間隔よりも小さい幅とを持って放射状に切り込んだスリット状の高周波透過部と中央部を打ち抜いた穴状の高周波透過部とを持った単体、外周から所定の間隔とこの間隔よりも小さい幅とを持って放射状に切り込んだスリット状の高周波透過部と中央部を打ち抜いた穴状で中央部に向く放射状の突出片を有した高周波透過部とを持った単体、外周から所定の間隔とこの間隔よりも小さい幅とを持って放射状に切り込んだスリット状の高周波透過部と中央部を打ち抜いた穴状の高周波透過部を持った外周体およびこの外周体の穴部に環状の高周波透過部となる隙間を持って配置されて外周から所定の間隔とこの間隔よりも小さい幅とを持って放射状に切り込んだスリット状の高周波透過部を有した中央体との組み合わせ体、のいずれかで配置密度の差を設定してある請求項11に記載のプラズマエッチング装置。
【請求項13】
第2の電極は、スリット状の高周波透過部の間に窓状に開口した高周波透過部を有して配置密度の差を設定している請求項12に記載のプラズマエッチング装置。
【請求項14】
外周から所定の間隔とこの間隔よりも小さい幅とを持って放射状に切り込んだスリット状の高周波透過部を有した単体を第2の電極の選択対象に含んで、第2の電極の高周波透過部は、誘電体で埋めてある請求項12、13のいずれか1項に記載のプラズマエッチング装置。
【請求項15】
第2の電極の高周波透過部を埋めている誘電体は、前記耐圧誘電体部材の一部である請求項14に記載のプラズマエッチング装置。
【請求項16】
第2の電極は、回転または往復弧回動する請求項12〜15のいずれか1項に記載のプラズマエッチング装置。
【請求項1】
減圧可能なチャンバと、このチャンバの内部に設けられ被処理物を支持する対向電極と、前記チャンバの隔壁をなす耐圧誘電体部材の外に設けられチャンバ内に反応ガスからのプラズマを発生させて対向電極にて支持される被処理物をエッチングする第1の電極と、この第1の電極と前記耐圧誘電体部材との間に設けられて耐圧誘電体部材の内表面に反応生成物が付着するのを防止する第2の電極とを備えたプラズマエッチング装置において、
前記第2の電極の前記耐圧誘電体部材の内表面からの電極距離を、耐圧誘電体部材の内表面への反応生成物の付着度と耐圧誘電体の削れ量との部分的な違いに応じて設定したことを特徴とするプラズマエッチング装置。
【請求項2】
電極距離は、周辺部よりも中央部を大きくする、あるいは、中央部よりも周辺部を大きくする請求項1に記載のプラズマエッチング装置。
【請求項3】
電極距離は、前記耐圧誘電体部材の平坦な内表面と前記第2の電極の立体形態とにより設定している請求項1、2のいずれか1項に記載のプラズマエッチング装置。
【請求項4】
前記耐圧誘電体部材の外表面は前記第2の電極の立体形態に沿うか近似した立体形態としてある請求項3に記載のプラズマエッチング装置。
【請求項5】
電極距離は、前記第2の電極の平坦な形態と前記耐圧誘電体部材の内表面の立体形態とで設定している請求項1、2のいずれか1項に記載のプラズマエッチング装置。
【請求項6】
前記第2の電極と耐圧誘電体部材の内表面との各対向域における電極距離の差を調整する距離調整手段を有している請求項1、2のいずれか1項に記載のプラズマエッチング装置。
【請求項7】
距離調整手段は、第2の電極の部分的な高さを一体のままか、分割体ごとに相対的に変化させる請求項6に記載のプラズマエッチング装置。
【請求項8】
減圧可能なチャンバと、このチャンバの内部に設けられ被処理物を支持する対向電極と、前記チャンバの隔壁をなす耐圧誘電体部材の外に設けられチャンバ内に反応ガスからなるプラズマを発生させて対向電極に支持した被処理物をエッチングする第1の電極と、この第1の電極と前記耐圧誘電体部材との間に設けられて耐圧誘電体部材の内表面に反応生成物が付着するのを防止する第2の電極とを備えたプラズマエッチング装置において、
前記耐圧誘電体部材の内表面への反応生成物の付着度と耐圧誘電体の削れ量との部分的な違いに応じた誘電率の差、厚みの差、配置密度の差の少なくとも1つを有して、前記第2の電極と前記耐圧誘電体部材との間に補助誘電体部材を配したことを特徴とするプラズマエッチング装置。
【請求項9】
補助誘電体部材は、石英、マイカなど材料の違い、補助誘電体部材を設けない空間域の空気を含んで誘電率の差を設定してある請求項8に記載のプラズマエッチング装置。
【請求項10】
補助誘電体部材は、環状で外周から所定の間隔とこの間隔よりも小さい幅とを持って放射状に切り込んだスリット状の高周波透過部を持った有スリット外周体、スリット状の高周波透過部を有して周方向に分断された分断外周体の1つと、この有スリット外周体または分断外周体の内側にそれらと環状の高周波透過部を有して選択配置される無スリット中央体、外周から所定の間隔とこの間隔よりも小さい幅とを持って放射状に切り込んだスリット状の高周波透過部を持った有スリット中央体、スリット状の高周波透過部を有して周方向に分断された分断中央体の1つとの組合わせとして、配置密度の差を設定してある請求項8、9のいずれか1項に記載のプラズマエッチング装置。
【請求項11】
減圧可能なチャンバと、このチャンバの内部に設けられ被処理物を支持する対向電極と、前記チャンバの隔壁をなす耐圧誘電体部材の外に設けられチャンバ内に反応ガスからなるプラズマを発生させて対向電極にて支持される被処理物をエッチングする第1の電極と、この第1の電極と前記耐圧誘電体部材との間に設けられて耐圧誘電体部材の内表面に反応生成物が付着するのを防止する第2の電極とを備えたプラズマエッチング装置において、
前記第2の電極は、耐圧誘電体部材の内表面への反応生成物の付着度と耐圧誘電体部材の削れ量との部分的な違いに応じて配置密度の差を有して設けたことを特徴とするプラズマエッチング装置。
【請求項12】
第2の電極は、外周から所定の間隔とこの間隔よりも小さい幅とを持って放射状に切り込んだスリット状の高周波透過部と中央部を打ち抜いた穴状の高周波透過部とを持った単体、外周から所定の間隔とこの間隔よりも小さい幅とを持って放射状に切り込んだスリット状の高周波透過部と中央部を打ち抜いた穴状で中央部に向く放射状の突出片を有した高周波透過部とを持った単体、外周から所定の間隔とこの間隔よりも小さい幅とを持って放射状に切り込んだスリット状の高周波透過部と中央部を打ち抜いた穴状の高周波透過部を持った外周体およびこの外周体の穴部に環状の高周波透過部となる隙間を持って配置されて外周から所定の間隔とこの間隔よりも小さい幅とを持って放射状に切り込んだスリット状の高周波透過部を有した中央体との組み合わせ体、のいずれかで配置密度の差を設定してある請求項11に記載のプラズマエッチング装置。
【請求項13】
第2の電極は、スリット状の高周波透過部の間に窓状に開口した高周波透過部を有して配置密度の差を設定している請求項12に記載のプラズマエッチング装置。
【請求項14】
外周から所定の間隔とこの間隔よりも小さい幅とを持って放射状に切り込んだスリット状の高周波透過部を有した単体を第2の電極の選択対象に含んで、第2の電極の高周波透過部は、誘電体で埋めてある請求項12、13のいずれか1項に記載のプラズマエッチング装置。
【請求項15】
第2の電極の高周波透過部を埋めている誘電体は、前記耐圧誘電体部材の一部である請求項14に記載のプラズマエッチング装置。
【請求項16】
第2の電極は、回転または往復弧回動する請求項12〜15のいずれか1項に記載のプラズマエッチング装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【公開番号】特開2008−130651(P2008−130651A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−311383(P2006−311383)
【出願日】平成18年11月17日(2006.11.17)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年11月17日(2006.11.17)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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