説明

プラズマチャンバ検証用のエッチング速度均一性を予測する方法及び装置

【解決手段】基板処理をする際の処理チャンバの正常性を検証するために、エッチング速度の均一性を予測する方法を提供する。この方法は、レシピを実行し、第1のセンサー群から処理データを受信する。この方法は、また、サブシステム正常性チェック予測モデルを用いて、処理データを解析してエッチング速度データ及び均一性データの少なくとも一方を含む計算データを求める。フィルム基板群からの測定データを、非フィルム基板群の同様の処理の際に集めた処理データで補正することにより、サブシステム正常性チェック予測モデルが構築される。この方法は、さらに、求めた計算データを、サブシステム正常性チェック予測モデルにより規定されるような制御限界群と比較する。この方法は、また、計算データが制御限界群の範囲外の場合には、警告を生成する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
プラズマ処理の進歩により、半導体産業が発展してきた。今日の競争の激しい市場において、無駄を最小限に抑え、高品質の半導体デバイスを生産することが、デバイス製造メーカーの競争力強化につながる。したがって、基板処理において実績を挙げるためには、一般に、処理環境の厳密な制御が必要になる。
【0002】
当業者には周知のように、処理チャンバの状態が、生産される半導体デバイスの品質に影響を与える可能性がある。したがって、処理チャンバを正確に検証することができれば、処理ツールの所有コスト(コストオブオーナーシップ)を削減し、無駄を抑制することができる。たとえば、処理チャンバを正確に検証することにより、チャンバの状態を考慮してレシピ(処理法)を調整することができる。別の例として、処理チャンバを正確に検証することにより、処理チャンバを良好な動作状態に維持でき、その結果、チャンバの寿命を延ばして、無駄の可能性を抑制することができる。本明細書において、「処理チャンバを検証する」という用語は、処理チャンバの条件を特定する工程及び/又はチャンバを適合させるのに必要なステップを意味する。
【発明の概要】
【0003】
計測法を用いて、処理チャンバを適合させることができる。計測法では、実際の計測ツールを用いて、基板のフィルムの厚み又は限界寸法(CD)等を測定するようにしてもよい。このような測定を行なうことができる市販の計器の例としては、KLA−テンカー株式会社から市販されているASET−F5x薄膜測定システムが挙げられる。基板処理の前後に測定を行なうようにしてもよい。測定データを収集した後、基板に対するエッチング速度及び/又はCDバイアス値(限界寸法バイアス値)を求めるようにしてもよい。エッチング速度測定値及び/又はCDバイアス値の空間マップから、均一性を算出できる。本明細書で説明するように、エッチング速度及び/又はCDバイアス値の標準偏差を取ることにより、均一性を算出できる。
【0004】
計測法は、処理チャンバを検証する正確な方法ではあるが、費用も時間もかかる。たとえば、たった1つの基板のCDバイアスの測定に最大1時間かかることもある。このため、基板処理の最中ではなく、基板ロット全体の処理が終わった後に測定が行われることが多い。これでは、問題が特定される以前に、基板ロット全体が損なわれる恐れがある。
【0005】
本発明を、以下、添付の図面に従って説明するが、これらは単に例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではない。以下の説明において、同じ構成要素は同じ符号で示す。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】処理チャンバを検証するための予測エッチング速度モデルを構築する方法の概略を示すフローチャート。
【0007】
【図2】本発明の実施形態において、処理チャンバを検証するためのサブシステム正常性チェック(SSHC)予測モデルを構築する方法の概要を示す図。
【0008】
【図3】本発明の実施形態において、SSHC予測モデルを構築する実施工程を示す図。
【0009】
【図4A】基板の時局スキャンを示す図。
【0010】
【図4B】本発明の実施形態において、基板測定ポイントを分割する同心円を用いてエッチング速度の均一性を示す概略図。
【0011】
【図5】本発明の実施形態において、SSHC予測モデルを用いて、処理チャンバを検証する方法の概略を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を、添付の図面に示す実施形態を参照して、詳細に説明する。以下で説明する数多くの詳細は、本発明を完全に理解する目的のものである。当業者には自明のように、このような詳細の一部又は全部を省略しても、本発明は実施可能である。また、本発明の特徴を不要に分かりにくくしないように、周知の処理ステップ及び/又は構造は詳細には説明しない。
【0013】
以下、方法及び手法を含む様々な実施形態を説明する。また、本発明の技術を実施するためのコンピュータ読み取り可能な命令が格納されたコンピュータ読み取り可能な媒体を含む製品として本発明を構成することも可能である。コンピュータ読み取り可能な媒体には、たとえば、半導体媒体、磁気媒体、光磁気媒体、光媒体やその他コンピュータ読み取り可能なコードを記憶可能なコンピュータ読み取り可能な媒体が含まれる。さらに、本発明の実施形態を実行する装置として本発明を構成することも可能である。このような装置は、本発明の実施形態に関するタスクを実施する専用及び/又はプログラム可能な回路を備えるものでもよい。このような装置の例としては、必要に応じてプログラミングされた汎用コンピュータ及び/又は専用計算装置が挙げられ、本発明の実施形態に関連する様々なタスクに適した専用/プログラム可能な回路とコンピュータ/計算装置の組み合わせでもよい。
【0014】
仮想的計測法(virtual metrology)を用いて、処理チャンバを検証することができる。現在の仮想的計測法は、たとえば、所定の処理チャンバに対する予測モデルに基づくものである。予測モデルを構築する際には、フィルム基板群の処理時に集めたデータを、同じフィルム基板群に関する前処理測定データ及び後処理測定データに基づいて計算可能なエッチング速度及び/又はCDバイアス(限界寸法バイアス)データの空間マップ等のオンウエハ測定値群に相関させるようにしてもよい。
【0015】
議論を簡単にするために、図1のフローチャートに、処理チャンバを検証するための予測エッチング速度モデルを構築する方法の概要を示す。
【0016】
最初のステップ100で、予測モデルを構築する工程が開始される。予測モデルは、湿式洗浄サイクルのいずれの段階でも開始できる。
【0017】
次のステップ102で、基板群に関する前処理測定データを取得する。予測モデルを構築するために、試験基板群を用いる。試験基板群として、通常は、フィルム基板群、たとえば、SensArrayウエハ群、を用いる。フィルム基板は、通常、フィルム層を備える非パターン化基板である。基板群を処理する前に、各フィルム基板上のデータポイント群に関して前処理測定データを取得する。たとえば、各フィルム基板の厚みを測定する。
【0018】
次のステップ104で、フィルムウエハ群を処理する。実際のレシピ(処理法)を用いて製品ウエハを処理する代わりに、レシピの修正バージョンを用いるようにしてもよい。修正レシピは、生産レシピの簡略バージョンであって、生産レシピと同様のエッチング挙動を与えるものでもよい。処理時に、(光学発光センサー、圧力測定センサー、温度測定センサー、ガス測定センサー等の)センサー群を用いて、処理データを収集する。
【0019】
基板処理の終了後、次のステップ106で、処理した試験基板に関して、後処理測定データを取得する。
【0020】
次のステップ108で、各データポイントに関して前処理測定データと後処理測定データ(エッチング深さ)との間の差を計算して、各フィルム基板に対する平均エッチング速度を求めるようにしてもよい。
【0021】
次のステップ110で、予測モデルを構築する。予測モデルは、エッチング速度の空間マップ測定値とセンサーにより収集された処理データとに基づくものでもよい。たとえば、平均エッチング速度の計算値を予測モデルの目標エッチング速度値として設定する。次に、処理データを目標エッチング速度値と相関させて、予測モデルを構築する。ただし、予測モデルを構築した後も、持続的なアップデート(更新)が必要な場合もある。定期的な保守(メンテナンス)サイクルの過程において処理チャンバの状態が変動することによりアップデートが生じる場合もある。
【0022】
たとえば、チャンバ状態の変動、センサー上への堆積等によりドリフトが生じることがある。ドリフトを考慮にいれるために、所定の既知のドリフト値群に基づいて、予測モデルを正規化するようにしてもよい。たとえば、湿式洗浄後に、処理チャンバが、ドリフトが生じない理想的な状態になったと仮定する。しかし、基板処理の数週間後には、ガス分配サブシステムには数パーセントのドリフトが生じる可能性がある。このようなドリフトを考慮にいれるために、予測モデルをこれに従って調整するようにしてもよい。
【0023】
別の例として、湿式洗浄の一部として、チャンバ壁を洗浄し、擦り、腐食したハードウェア部品を交換したと仮定する。処理チャンバが「きれいではない」状態で最初に予測モデルを構築した場合には、「新しい」チャンバ状態を考慮にいれて、予測モデルを調整する必要がある。
【0024】
チャンバ状態の変動に応じて、補償または移動窓モデルを準備して(ステップ112)予測モデルをアップデートするようにしてもよい。すなわち、新しいフィルム基板群に対して、ステップ102〜108を繰り返すようにしてもよい。新しい試験運転(テストラン)の結果を用いて、予測モデルをアップデートするようにしてもよい。
【0025】
予測モデルを仮想的計測法により構築することもできるが、現在の仮想的計測法にはいくつかの問題がある。
【0026】
第一に、現在の仮想的計測法では、予測モデルから均一性を求めることができないため、処理チャンバを検証する正確な方法が提供できない。たとえば、予測モデルが、基板の平均エッチング速度及び/又はCDバイアスを正確に予測できるとしても、予測モデルによって与えられる数は平均の数に過ぎない。当業者には自明のことであるが、実際のエッチング速度及び/又はCDバイアス値は、基板表面全体にわたって変動する可能性がある。このため、たとえば、平均エッチング速度は、基板表面全体にわたる実際のエッチング速度を反映していない可能性がある。したがって、均一性を求めることができず、結果として、予測モデルは、常に処理チャンバを正確に検証しているとは言えない。
【0027】
別の問題として、多くの場合、予測モデルのロバスト性は、センサーによって収集される処理データの粒度に依存していることが挙げられる。処理ツールの大部分は、ロバストな予測モデルを構築するために必要であると考えられる必要なデータ粒度を与えることができないセンサーを備える。予測モデルを構築するために必要な高い忠実性(フィデリティー)データをセンサーが与えることができるとしても、大部分の処理ツールは解析能力を持たない。結果として、大部分の予測モデルは、許容レベルより大きな誤差を与えることになる。
【0028】
上述した問題に加えて、予測モデルの構築及びメンテナンスのコストが非常に高くつくという問題もある。たとえば、典型的な予測モデルの場合、構築及びメンテナンスにかかるコストは約数十万ドルである。このようなコストの一部は、高価なフィルム基板を用いることに起因するものである。予測モデルの構築後にも、予測モデルのアップデートが必要となるたびに、追加のコストが発生する。より安価な基板も利用できるが、デバイス製造メーカーが予測モデルを用いて処理チャンバを検証することを選択する場合には、生産環境において、より高価なフィルム基板を用い続ける必要がある。
【0029】
本発明の実施形態において、処理チャンバを検証するためのサブシステム正常性チェック(subsystem helath check:SSHC)予測モデルを生成する方法を提供する。本発明の実施形態は、多くの場合有限回数再利用可能な(非フィルム基板等)より安価な基板を適用可能なSSHC予測モデルを構築する方法を提供する。また、本発明の実施形態は、均一性に基づいて処理チャンバを検証する方法を提供する。さらに、本発明の実施形態は、生産環境においてSSHC予測モデルを実行する方法を提供する。
【0030】
本明細書において、エッチング速度を用いる様々な実施形態を説明するが、本発明は、エッチング速度に限定されるものではなく、CDバイアス等、他の処理パラメータにも適用可能である。以下の説明は例示に過ぎず、何ら本発明をこれらの例示に限定するものではない。
【0031】
本発明の実施形態において、少なくとも2つの異なる種類の基板に関するデータを用いて、SSHC予測モデルを構築する方法を提供する。たとえば、フィルム基板に関するオンウエハ測定値を、非フィルム基板群の同様の処理時に収集されたデータと相関させるようにしてもよい。本発明の一態様において、2つのデータ群の間に関係が構築されれば、1つの種類の基板から得られた測定データを第2の種類の基板から得られたセンサーデータに相関させることができることを、発明者らは見出した。
【0032】
たとえば、フィルム基板群に関する計測データと、同じフィルム基板群に関するセンサーデータとの間に或る関係が存在すると仮定する。従来技術では、予測モデルの基礎として、この関係を用いる。同じ修正レシピを非フィルム基板群(たとえば、より安価なベアシリコン基板)に適用すれば、データは同じ処理環境で収集されるため、2つのセンサーデータ群の間に相関関係を構築できる。置き換えを行なうことにより、フィルム基板群の測定データと非フィルム基板群のセンサーデータとの間に相関関係を構築できる。この相関関係に基づいて、処理チャンバを検証するためのSSHC予測モデルを、非フィルム基板に関して収集したセンサーデータから構築することができる。
【0033】
さらに、SSHC予測モデルにおけるドリフト及び/又はノイズを削除するために、湿式洗浄サイクルの異なる期間にデータを収集するようにしてもよい。たとえば、湿式洗浄サイクルの開始時、湿式洗浄サイクルの途中及び湿式洗浄サイクルの終了間際に収集したデータ群に基づいて、SSHC予測モデルを構築するようにしてもよい。したがって、(従来の予測モデルと異なり)SSHC予測モデルの場合、処理チャンバの湿式洗浄を考慮に入れて構築されているため、処理チャンバに湿式洗浄を施すたびにアップデートする必要はない。さらに、同じハードウェア構成を備える別々のチャンバ間で得られた同様のデータ群を用いて、(据え付けやセンサー間の変動等による)チャンバ間の変動を確認して、排除することができる。
【0034】
前述したように、従来の予測モデルの問題点の一つは、予測モデルが、一般的に粒度が足りない可能性のあるデータに基づく、ことである。ロバストなSSHC予測モデルを構築するために必要なデータを提供するために、粒度が高いデータを収集可能なセンサーを用いるようにしてもよい。このようなセンサーの例としては、以下に限定されるものではないが、VIプローブセンサー、OESセンサー、圧力センサー等が挙げられる。
【0035】
より高い粒度でよりデータ量の多いロバストなデータ解析モジュールを用いて、データ処理を行ない、SSHC予測モデルを構築するようにしてもよい。一実施形態において、ロバストなデータ解析モジュールは、大量のデータを扱うように構成可能な高速処理計算エンジンである。さらに、生産設備ホストコントローラーを介してデータを中継する代わりに、あるいは、処理モジュールコントローラーを介してデータを中継する代わりに、センサーから直接処理データを受信するように、ロバストなデータ解析モジュールを構成してもよい。Huangらにより2009年9月8日に出願された出願No.12/555,674に、解析を実行するのに適した解析コンピュータの例が記載されている。
【0036】
一実施形態において、SSHC予測モデルを用いて、均一性の予測を行なうようにしてもよい。当業者には自明のことであるが、基板表面全体にわたってエッチング速度が均一であるとは限らない。多くの要因が均一性に影響を与える。たとえば、処理チャンバ内にガスを分配する角度が均一性に影響を与える可能性がある。また別の例として、処理チャンバ内での通電が均一性に影響を与える可能性もある。
【0037】
エッチング速度は基板表面全体で均一ではないかもしれないが、経験的証拠から、基板の所定領域ではエッチング速度がほぼ同じであることがわかっている。本発明の一実施形態において、(抽象的な意味で)基板を3つの同心円に分割し、各同心円内の領域は経験的に同じ均一性を備えると仮定する。一実施形態において、均一性は、処理された基板のエッチング速度から計算することができる。最初に、各同心円における平均エッチング速度を求める。各平均エッチング速度に、同心円内で測定を行なったデータポイントの数を掛ける(計測測定値を持たない非フィルム基板の場合には、計測ツールによって仮定される測定ポイント(「仮想的」ポイント)の数を掛ける(図4参照))。3つの同心円すべてに関する値を加算して、基板の平均エッチング速度を計算することができる。次に、基板の全平均エッチング速度に対する各同心円の平均エッチング速度の標準偏差を算出することにより、均一性を求める。次に、すべての実際の又は「仮想的な」エッチング深さの標準偏差を計算して、平均エッチング速度に対する割合を算出することにより、基板全体の均一性を求める。
【0038】
SSHC予測モデルを構築した後、SSHC予測モデルを生産工程に移動させるようにしてもよい。SSHC予測モデルは、部分的に非フィルム基板から収集したデータに基づいて構築されるため、生産環境でSSHC予測モデルを実施するコストは、従来の予測モデルと比べて大幅に少ない。大幅なコスト削減の理由の一つとして、SSHC予測モデルは、より安価な非フィルム基板から収集した処理データに適用できることが挙げられる。さらに、生産条件を満たすために必要な計測ツールの数が少ないことに起因する測定要求数の減少もコスト削減につながる。チャンバ検証の応答時間(ターンアラウンドタイム)が短いことから、処理チャンバに生じた問題をより早く検出できるため、問題のある可能性のある生産ウエハの処理数を減少させることができる。したがって、SSHC予測モデルは、処理チャンバを検証するための有効なモデルを与えると共に、所有コスト(コストオブオーナーシップ)を効果的に抑制することができる。
【0039】
本発明の特徴及び効果は、以下の図面を参照した説明により、さらに理解できるであろう。
【0040】
図2に、本発明の実施形態において、処理チャンバを検証するためのサブシステム正常性チェック(SSHC)予測モデルを構築する方法の概要を示す。
【0041】
最初のステップ202で、フィルム基板群に対して前処理測定を行なう。従来技術と同様に、(KLA−テンカー社の薄膜計測ツール等の)計測ツールを用いて、基板の厚みを測定する等の測定を行なうようにしてもよい。基板の厚みは、基板全体にわたって変動する可能性があるため、基板上の異なるデータポイントで測定を行なうようにしてもよい(たとえば、図4Aに示す基板402では49個のデータポイントで磁極スキャンを行なう)。
【0042】
次のステップ204で、フィルム基板群を処理する。従来技術と同様に、試験環境では修正レシピを用いるようにしてもよい。修正レシピは、生産レシピの簡略化バージョンであって、生産レシピのエッチング挙動をシミュレーションするものである。
【0043】
当業者には周知のように、パラメータの変動が、基板の平均エッチング速度及び/又は均一性に影響を与える可能性がある。したがって、処理チャンバを正確に検証するためには、SSHC予測モデルの構築に際してパラメータの変動を考慮に入れる必要がある。また、モデルのロバスト性を向上させるためには、生産環境の変動に対するシステム応答を評価する。1つ又は複数の試験基板を処理する際に、レシピのパラメータを変化させるようにしてもよい。たとえば、最初の数個の基板(たとえば、3個の基板)を基本的な修正レシピで実行し、第4及び第5の基板では、圧力値を変化させて、処理チャンバ内で生じる可能性のある圧力レベルの変動を考慮に入れる。別の例では、(基板の端部近傍でみられるような)チャンバの消耗品の腐食により生じる可能性のある端部エッチング速度のわずかな上昇を相殺するように、基板中心に向かうガス流量を増やすように、次の4個の基板に対するガス流分配を調整するようにしてもよい。
【0044】
フィルム基板群を処理した後、次のステップ206で、フィルム基板群に適用したものと同じ修正レシピを用いて、非フィルム基板群(たとえば、ベアシリコン基板群)を処理するようにしてもよい。たとえば、第4のフィルム基板に対して圧力値が上昇した場合には、第4の非フィルム基板に対しても同じ圧力値を適用する。非フィルム基板群を処理する間に、センサーが処理データを収集するようにしてもよい。一実施形態において、フィルム基板群と非フィルム基板群の処理の順序は特に限定されるものではない。言い換えると、ステップ204とステップ206のいずれを先に実施してもよい。
【0045】
従来技術で述べたように、従来の方法の問題の一つは、収集されるデータの粒度によるものであった。一実施形態において、本明細書で説明する方法を、粒度の高いデータを収集することができるセンサー(たとえば、VIプローブセンサー、OESセンサー、圧力センサー等)を保持する処理ツールに適用する。さらに、高速処理計算解析モジュールを実装して、データを高速で処理及び解析するようにしてもよい。一実施形態において、高速処理計算解析モジュールは、高度処理及び機器制御システム(advanced process and equipmen control system:APECS)でもよい。複数のデータを(その場で:in situで)高速で解析するように、APECSモジュールを構成してもよい。また、APECSモジュールが処理チャンバの処理モジュール(processing module:PM)制御部にフィードバックを行なって、PM制御部が、次に投入される基板に関するエッチング速度及び/又は均一性の予測を行なえるようにしてもよい。Huangらにより2009年9月8日に出願された出願No.12/555,674に、解析を実行するのに適した解析コンピュータの例が記載されている。
【0046】
基板処理の完了後、次のステップ208で、後処理測定データを取得する。たとえば、処理された各フィルム基板に関して、(たとえば、図4Aに示すような)同じデータポイント群で、後処理測定データを収集するようにしてもよい。
【0047】
次のステップ210で、前処理測定データと後処理測定データとの間の差を算出して、平均エッチング速度及び/又は均一性を各フィルム基板に関して計算するようにしてもよい。均一性に関する詳細は図3及び図4を参照して後述する。
【0048】
一実施形態において、ノイズ及び/又はドリフトをさらに削除するために、SSHC予測モデルを構築するステップ(202〜210)を少なくとも2回繰り返すようにしてもよい。一実施形態において、これらのステップを、湿式洗浄サイクルの開始時(すなわち、処理チャンバのメンテナンスを実施後)と湿式洗浄サイクルの終了間際(すなわち、次のメンテナンスが実施される前の期間)に実施するようにしてもよい。さらに、湿式洗浄サイクルの途中でもデータを収集するようにしてもよい。
【0049】
データを収集後、次のステップ212で、センサー処理データと計測データとを相関させて、処理チャンバを検証するためのSSHC予測モデルを構築するようにしてもよい。一実施形態において、SSHC予測モデルは、部分最小二乗モデルに基づくものでもよい。部分最小二乗モデルは、2つのデータ群の間の関係を見つける手法である。部分最小二乗モデルは、最小二乗線形フィッティング法と同様の目的で用いられるが、通常、複数の独立変数(入力行列X)と場合により複数の従属変数(入力行列Y)とが存在する場合に用いられる。部分最小二乗モデルでは、Y変数は連続ではなく、独立の離散値又は離散クラス群から構成される。解析を行なって、入力データを離散クラス群の1つに分類するのに用いられるX変数の線形結合を見つける。
【0050】
図2からわかるように、湿式洗浄サイクル中の異なる期間における処理チャンバの状態を考慮して、SSHC予測モデルを構築する方法を提供する。図2で説明したように、SSHC予測モデルの構築にかかる時間が(図1に示す方法と比べて)長いとしても、SSHC予測モデルの場合、構築後は、(従来法では必要であった)頻繁なアップデートをする必要はない。したがって、SSHC予測モデルの構築に必要なリソースは、通常一時的なコストであり、(従来法では必要であった)継続的な費用は必要ではない。さらに、SSHC予測モデルは、非フィルム基板から収集したデータに適用できるため、デバイス製造メーカーは、SSHC予測モデルを有効に適用するために生産環境においてより高価なフィルム基板を継続的に用いる必要がなく、所有コスト(コストオブオーナーシップ)を大幅に削減することができる。
【0051】
図3に、本発明の実施形態において、SSHC予測モデルを構築する実施工程を示す。
【0052】
最初のステップ302で、第1のデータ群を収集する。一実施形態において、(処理チャンバのメンテナンスを実施した後)湿式洗浄サイクルの開始時に、第1のデータ群を収集する。第1のデータ群には、非フィルム基板群に関してセンサーにより収集された処理データと、第1のフィルム基板群に関して収集された計測データとが含まれるものでもよい。すなわち、非フィルム基板群と第1のフィルム基板群とに対して、図2のステップ202〜210を実行する。一実施形態において、第1のフィルム基板群と非フィルム基板群の基板数は同じ数でもよい。
【0053】
次のステップ304で、第2のデータ群を収集する。一実施形態において、ステップ304は必要に応じて実施される。ステップ304で収集したデータを検証データとして用いるようにしてもよい。生じ得るドリフトを考慮するために、ステップ304は、通常、湿式洗浄サイクルの途中で実行される。たとえば、(ガス分配システム等の)ハードウェア構成要素の一部で、生産工程(プロダクションラン)を複数回実行後にドリフトが生じる可能性がある。
【0054】
フィルム基板とは異なり、非フィルム基板は複数回処理するようにしてもよい。当業者には周知のように、(ベアシリコン基板等の)非フィルム基板の場合には、さらなる処理に耐えられなくなるまで、少なくとも約10〜15回まで処理可能である。したがって、ステップ302でエッチングしたものと同じ非フィルム基板群を、ステップ304で、さらに、ステップ306で処理することができる。
【0055】
次のステップ306で、第3のデータ群を収集する。一実施形態において、第3のデータ群は、湿式洗浄サイクルの終了間際に収集される。第3のデータ群は、非フィルム基板群(ステップ304の非フィルム基板群と同じものでもよい)に関してセンサーで収集された処理データと、第3のフィルム基板群に関して収集された計測データと、を含む。
【0056】
湿式洗浄サイクル間の異なる期間でデータを収取することにより、SSHC予測モデルにより、通常の湿式洗浄サイクルを通した処理チャンバの挙動を捕捉することが可能になる。
【0057】
次のステップ308で、システムは、十分なモデル設定データが収集されたか否かの判定チェックを行なう。上述したように、モデル設定データは、ステップ302及びステップ306で収集されたデータを意味する。
【0058】
十分なモデル設定データが収集されていない場合には、次のステップ310で、解析を開始する前に、さらなるデータ収集を行なう。たとえば、処理されたフィルム基板の数が不十分な場合に、十分なデータが収集されない。別の例として、センサーにより収集された処理データの一部が許容できないと判定され、SSHC予測モデルの構築に利用できない場合もある。
【0059】
一方、十分なモデル設定データが収集された場合には、次のステップ312で、システムは、制御限界が規定されているか否かのチェックを行なうようにしてもよい。一実施形態において、制御限界は、ユーザーが許容可能な誤差範囲である。SSHC予測モデルは、高い粒度のデータに基づいて構築されているため、制御限界は、たとえば、2〜3%という低い値に設定される。
【0060】
制御限界が設定されていない場合には、システムは、次のステップ314で、制御限界を規定するように求める。
【0061】
一方、制御限界が規定されている場合には、次のステップ316で、システムは、SSHC予測モデルの構築工程を開始する。SSHC予測モデルは、センサー処理データに相関させた目標エッチング速度として平均エッチング速度を含むものでもよい。
【0062】
目標エッチング速度をモデル設定計測データを用いて計算するようにしてもよい。たとえば、ある基板位置における前処理測定値が約500nmであったと仮定する。基板の処理後、同じ基板位置における基板の厚みは375nmである。エッチング深さを前処理測定値と後処理測定値との差であると規定した場合には、所定のデータポイント(たとえば、0度の方向で、115mmの半径)におけるエッチング深さは125nmである。基板の処理時間が2分であったとすると、そのデータポイント(基板位置)におけるエッチング速度は、毎分62.5nmになる。エッチング速度を求めた後、基板上の各データポイントをエッチング速度に関連付けることができる。
【0063】
従来技術と異なり、すべてのエッチング速度値を総計して、合計エッチング速度値をデータポイントの数で割るという方法により、基板の平均エッチング速度を求めていない。代わりに、基板の平均エッチング速度は、エッチング速度は基板全体にわたって同じではないという考えに基づいている。経験的テストによれば、(図4Bの同心円450、440及び430に示すように)基板を3つの同心円に分割すると、1つの同心円内の各データポイントにおけるエッチング速度は同じであると考えることができる。
【0064】
議論を容易にするために、同心円450(ER1)、同心円440(ER2)及び同心円430(ER3)における平均エッチング速度を、それぞれ、62.5nm/分、72.5nm/分及び82.5nm/分と仮定する。3つの平均エッチング速度を求めた後、各平均エッチング速度を正規化するようにしてもよい。たとえば、同心円450には9個のデータポイントが存在する。したがって、平均エッチング速度(62.5nm/分)に9を掛ける。平均エッチング速度を正規化した後、3つの正規化平均エッチング速度を総計して、総和をデータポイント数(この例では、49個のデータポイントで測定値を得た)で割ることにより、全平均エッチング速度を計算する。この例では、基板の全平均エッチング速度は、75.6nm/分になる。
【0065】
平均エッチング速度を計算した後、均一性を計算するようにしてもよい。上述したように、基板のエッチング速度値を3つの同心円に分割することができる。すなわち、一つの同心円内のデータポイントにおけるエッチング速度は実質的に同じである。このため、一つの同心円内では、基板は実質的に均一になる。したがって、基板の全平均エッチング速度に対する一つの同心円の平均エッチング速度の標準偏差を計算することにより、同心円の均一性を求めることができる。
【0066】
次のステップ318で、収集したセンサー処理データを用いて、モデル予測エッチング速度と均一性とを計算するようにしてもよい。センサーデータと計測情報との間に先に構築された相関関係(すなわち、部分最小二乗モデリング)を用いて、非フィルム基板に関するエッチング速度と均一性とを予測できる。
【0067】
次のステップ320で、システムは、検証データが収集されたか否かの判定チェックを行なう。上述したように、検証データは、ステップ304で収集されるものでもよい。検証データが収集された場合には、次のステップ322で、検証データに基づいて、平均エッチング速度と均一性とを計算する。
【0068】
次のステップ324で、検証データ群に関してSSHCモデルが予測したエッチング速度及び均一性を実際の計測測定値と比較する。このステップを用いて、SSHC予測モデルの妥当性を検証することができる。
【0069】
比較を行なった後、システムは、次のステップ326に進む。また、検証データが存在しない場合にも、システムは、次のステップ326に進む。
【0070】
次のステップ326で、システムは、予測誤差率を制御限界と比較する。たとえば、制御限界が3%であれば、予測誤差率は3%以下でなければならない。
【0071】
予測誤差が許容可能範囲外であれば、次のステップ328で、警告を発して、ユーザーにSSHC予測モデルの調整が必要であることを通知する。
【0072】
一方、予測誤差が許容可能範囲内であれば、次のステップ330で、SSHC予測モデルを生産工程に移動させて、処理チャンバの検証に利用するようにしてもよい。
【0073】
図5のフローチャートに、一実施形態において、SSHC予測モデルを適用して、処理チャンバを検証する方法の概略を示す。生産工程(プロダクションラン)の前に、サブシステム正常性チェック試験を実行するようにしてもよい。すなわち、SSHC予測モデルを試験基板から収集したデータに適用して、処理チャンバの正常性状態を判定するようにしてもよい。
【0074】
最初のステップ504で、ユーザーはSSHC予測モデルを起動させる。ユーザー仕様(レシピ、ファイル名等)を入力するようにしてもよい。この情報をライブラリ502から引き出すようにしてもよい。ライブラリ502は、レシピ別のパラメータ(制御上限、制御下限、目標エッチング速度、均一性等)を含むものでもよい。
【0075】
次のステップ506で、システムは、予備評価を実行するようにしてもよい。予備評価により、処理チャンバの準備状態を判定するようにしてもよい。
【0076】
(所定の閾値範囲外である等)予備評価に失敗した場合には、システムは、次のステップ526で、警告(失敗)の原因を判定するようにしてもよい。たとえば、警告の原因としては、接続性、周波数の変動、及び/又は、温度変化が考えられる(ステップ528)。
【0077】
警告の原因が接続性にある場合には、1つ又は複数のセンサーが正しく接続されていない可能性がある。センサーが正しく接続されていなければ、センサーは処理データを収集できない。
【0078】
警告の他の原因として、周波数の大きな変動が挙げられる。たとえば、(VIプローブセンサー等の)電気的プローブにより記録される周波数と発電機により記録される周波数とを比較する。2つの周波数間の差が閾値以上である(たとえば、非常に大きい)場合、VIプローブセンサーに問題が生じている可能性がある。たとえば、VIプローブセンサーの温度が高すぎる、あるいは、VIプローブセンサーが機能していない、等である。
【0079】
警告の別の原因として、処理チャンバ内の現在の温度と所望の設定温度(すなわち、レシピ温度)との間の大きな温度変化挙げられる。たとえば、処理ツールのスイッチを最初に入れた際に、処理チャンバ内の温度が所望の設定温度に到達するまで数分が必要な場合がある。システムは、処理が開始される前に、処理チャンバ内の温度が所望の閾値内であることを確認するためのチェックを行なう。
【0080】
予備評価に合格した場合には、システムは、次のステップ508で、SSHC予測モデルが存在するか否かの判定チェックを行なう。
【0081】
SSHC予測モデルが存在しなければ、次のステップ522で、(図2及び/又は図3で記載したように)SSHC予測モデルを構築する。
【0082】
一方、SSHC予測モデルが存在する場合には、基板を処理して、処理データを収集する。たとえば、SSHC予測モデルを処理データに適用して、現在の基板に関して、エッチング速度及び/又は均一性(計算データ)を予測する(ステップ510)。
【0083】
次のステップ512で、システムは、エッチング速度と均一性が制御限界内であるか否かの判定チェックを行なう。エッチング速度及び/又は均一性が制御限界内になければ、次のステップ514で、不合格通知を発する。不合格通知により、処理チャンバ内に存在する可能性のある問題に関する詳細を知らせるようにしてもよい。たとえば、不合格通知に、処理チャンバ内のドリフトを考慮してレシピを調整する必要があることを示すようにしてもよい。別の例として、不合格通知に、チャンバの温度を制御する冷却材が不十分であったこと等を理由に、基板処理の間に突然温度が上昇したことを示すようにしてもよい。
【0084】
エッチング速度及び均一性が制御限界以内である場合には、次のステップ516で、システムは、SSHC検証度合いが満たされたか否かの判定チェックを行なう。たとえば、ユーザーは、3つの連続した基板に関するエッチング速度及び均一性が制御限界以内であれば、処理チャンバが良好な作動状態である、ことを示す限界を設定するようにしてもよい。
【0085】
SSHC検証度合いが満たされない場合には、次のステップ518で、システムは次の基板を用いて処理を続ける(ステップ510に戻る)。すなわち、ステップ510〜518を繰り返す。一実施形態において、SSHC検証度合いが満たされるまで、ステップ510〜518を繰り返すようにしてもよい。別の実施形態において、所定数の基板でSSHC検証度合いを満たすことができない場合には、ユーザーに不合格通知を発して、システム内に存在する可能性のある問題に関してユーザーに通知するようにしてもよい。
【0086】
一方、SSHC検証度合いが満たされる場合には、次のステップ520で、処理チャンバはサブシステム正常性チェックに合格し、生産工程(プロダクションラン)を開始できる。
【0087】
以上の説明から理解できるように、様々な方法で、処理チャンバを検証することができる。湿式洗浄サイクルの間に2回以上の試験運転(テストラン)から得られたデータを外挿することにより、湿式洗浄サイクルにおいて生じる可能性のある変動を考慮したSSHC予測モデルを構築することができる。ロバストなSSHC予測モデルは、処理チャンバを検証する有効なモデルになると共に、所有コスト(コストオブオーナーシップ)を削減できる。
【0088】
以上、本発明をいくつかの好適な実施形態に従って説明してきたが、本発明の要旨の範囲内で、様々に変更、変形、置換等が可能である。上述の様々な実施形態や実施例は例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではない。
【0089】
本発明の名称及び概要は、便宜上のものであり、特許請求の範囲を解釈するためのものではない。さらに、発明の要約は、非常に簡略化した形態を記載したものであり、便宜上のものであるため、特許請求の範囲に記載される本発明全体を解釈したり限定したりするものではない。本明細書で用いた「群」という用語は、普通に理解される数学的な意味で用いるものであり、0、1又は2以上を含む。本発明の方法及び装置は、様々に変形して実施可能である。以下に記載する特許請求の範囲には、本発明の要旨の範囲内における様々な変形、置換、及びそれらに等価のものも含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板群を基板処理する際の処理チャンバの正常性を検証するために、エッチング速度の均一性を予測する方法であって、
前記基板群の第1の基板に関してレシピを実行する工程と、
前記レシピを実行する際に、第1のセンサー群から処理データを受ける工程と、
サブシステム正常性チェック予測モデルを用いて前記処理データを解析して計算データを求める工程であって、前記計算データがエッチング速度データと均一性データの少なくとも一方を含み、前記サブシステム正常性チェック予測モデルは第1のデータ群と第2のデータ群とを相関させることにより構築され、前記第1のデータ群はフィルム基板群からの測定データを含み、前記第2のデータ群は非フィルム基板群を同様に処理した際に集められた処理データを含む、工程と、
前記第1の基板に関する前記計算データと、前記サブシステム正常性チェック予測モデルにより規定される制御限界群と、の比較を実行する工程と、
前記計算データが前記制御限界群の範囲外である場合に、警告を生成する工程と、
を備える方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、さらに、
予備評価を実行して、前記処理チャンバの準備状態を判定する工程を備える、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、さらに、
前記予備評価が所定の閾値の範囲外である場合に、問題の原因を判断する工程を備える、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、さらに、
データをライブラリから引き出して前記サブシステム正常性チェック予測モデルをサポートする工程を備える、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、
前記制御限界群はユーザー設定可能である、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、さらに、
前記計算データが前記制御限界群の範囲内である場合には、検証度合いの妥当性を確認して、所定数の基板が、前記計算データと前記制御限界群との前記比較に合格したか否かを判定する工程を備える、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、
前記サブシステム正常性チェック予測モデルは、或る期間に集めたデータから構築されており、前記或る期間は、湿式サイクルの開始時、湿式サイクルの間、及び、湿式サイクルの終了時のうちのいずれか1つである、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、
前記サブシステム正常性チェック予測モデルは、1つの期間に集めたデータから構築されている、方法。
【請求項9】
請求項7に記載の方法であって、
前記サブシステム正常性チェック予測モデルは、少なくとも2つの期間に集めたデータから構築されている、方法。
【請求項10】
プラズマ処理システムの処理チャンバを検証するための処理チャンバ正常性チェック装置であって、
前記処理チャンバの準備状態を判定する予備評価モジュールと、
レシピとレシピパラメータの少なくとも一方を格納するライブラリと、
サブシステム正常性チェック予測モデルであって、
基板処理の際に第1のセンサー群から処理データを受け取り、
前記処理データを解析して、エッチング速度データと均一性データの少なくとも一方を含む計算データ群を求め、
前記計算データ群を所定の制御限界群と比較し、
前記計算データ群が前記所定の制御限界群の範囲外にある場合に、警告を生成するように構成されるサブシステム正常性チェック予測モデルと、
を備える、処理チャンバ正常性チェック装置。
【請求項11】
請求項10に記載の処理チャンバ正常性チェック装置であって、
前記サブシステム正常性チェック予測モデルが、さらに、前記計算データが前記制御限界群の範囲内である場合には、検証度合いの妥当性を確認して、所定数の基板が、前記計算データと前記制御限界群との前記比較に合格したか否かを判定するように構成される、処理チャンバ正常性チェック装置。
【請求項12】
請求項10に記載の処理チャンバ正常性チェック装置であって、
前記サブシステム正常性チェック予測モデルは、
第1の基板群から第1のデータ群を取得し、
第2の基板群から第2のデータ群を集めて、
前記第1のデータ群を前記第2のデータ群と相関させることにより、構築されており、
前記第1の基板群はフィルム基板群であり、前記第1のデータ群は前処理測定データと後処理測定データとを含み、前記後処理測定データは前記第1の基板群に対してレシピを実行後に集められたものであり、
前記第2のデータ群は前記レシピと同様のものを実行した際にセンサー群から集められたものである、処理チャンバ正常性チェック装置。
【請求項13】
請求項10に記載の処理チャンバ正常性チェック装置であって、
前記サブシステム正常性チェック予測モデルは、或る期間に集めたデータから構築され、前記或る期間は、湿式サイクルの開始時、湿式サイクルの間、及び、湿式サイクルの終了時のうちのいずれか1つである、処理チャンバ正常性チェック装置。
【請求項14】
請求項13に記載の処理チャンバ正常性チェック装置であって、
前記サブシステム正常性チェック予測モデルは、1つの期間に集めたデータから構築されている、処理チャンバ正常性チェック装置。
【請求項15】
請求項13に記載の処理チャンバ正常性チェック装置であって、
前記サブシステム正常性チェック予測モデルは、少なくとも2つの期間に集めたデータから構築されている、処理チャンバ正常性チェック装置。
【請求項16】
コンピュータ読み取り可能なコードが格納されたプログラム記憶媒体を備える製品であって、
前記コンピュータ読み取り可能なコードが、基板群を基板処理する際の処理チャンバの正常性を検証するために、エッチング速度の均一性を予測するように構成され、
前記基板群の第1の基板に関してレシピを実行するコードと、
前記レシピを実行する際に、第1のセンサー群から処理データを受信するコードと、
サブシステム正常性チェック予測モデルを用いて前記処理データを解析して計算データを求める工程であって、前記計算データがエッチング速度データと均一性データの少なくとも一方を含み、前記サブシステム正常性チェック予測モデルは第1のデータ群と第2のデータ群とを相関させることにより構築され、前記第1のデータ群はフィルム基板群からの測定データを含み、前記第2のデータ群は非フィルム基板群を同様に処理した際に集められた処理データを含む、コードと、
前記第1の基板に関する前記計算データと、前記サブシステム正常性チェック予測モデルにより規定される制御限界群と、の比較を実行するコードと、
前記計算データが前記制御限界群の範囲外である場合に、警告を生成するコードと、を備える、製品。
【請求項17】
請求項16に記載の製品であって、さらに、
予備評価を実行して、前記処理チャンバの準備状態を判定するコードを備える、製品。
【請求項18】
請求項16に記載の製品であって、さらに、
データをライブラリから引き出して前記サブシステム正常性チェック予測モデルをサポートするコードを備える、製品。
【請求項19】
請求項16に記載の製品であって、さらに、
前記計算データが前記制御限界群の範囲内である場合には、検証度合いの妥当性を確認して、所定数の基板が、前記計算データと前記制御限界群との前記比較に合格したか否かを判定するコードを備える、製品。
【請求項20】
請求項16に記載の製品であって、
前記サブシステム正常性チェック予測モデルは、或る期間に集めたデータから構築されており、前記或る期間は、湿式サイクルの開始時、湿式サイクルの間、及び、湿式サイクルの終了時のうちのいずれか1つである、製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−532462(P2012−532462A)
【公表日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−518586(P2012−518586)
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【国際出願番号】PCT/US2010/040468
【国際公開番号】WO2011/002804
【国際公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(592010081)ラム リサーチ コーポレーション (467)
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
【Fターム(参考)】