説明

プラズマ処理装置

【課題】プラズマ処理の工程数削減および処理時間短縮を図ることができるとともに、第1の被処理面および第2の被処理面に対して所望のプラズマ処理を行うことができるプラズマ処理装置を提供すること。
【解決手段】プラズマ処理装置1は、対向配置された上部電極21および下部電極22と、第1、第2の被処理面101、102を有するワーク10を載置する載置部と、第1の被処理面101および第2の被処理面102に処理ガスを供給する処理ガス供給手段3と、上部電極21および下部電極22間へ通電する通電手段4とを有する。このようなプラズマ処理装置1は、第1の被処理面101側に発生したプラズマにより第1の被処理面101をプラズマ処理しつつ、第2の被処理面102側に発生したプラズマにより第2の被処理面102をプラズマ処理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマ処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
材料(ワーク)の表面を加工する方法の1つとして、高周波電圧を印加した電極間に反応ガスを含む処理ガスを供給し、反応ガスに基づくラジカルを発生させ、該ラジカルとワークとのラジカル反応によって生成された生成物質を除去することで加工を行う、いわゆるプラズマChemical Vaporization Machining(以下、「プラズマCVM」と略す。)が知られている。
【0003】
このようなプラズマCVMでは、一対の電極間にワークを位置させた状態にて、一対の電極間に高周波を印加することによりプラズマを発生させ、このプラズマによりワークをプラズマ処理する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載のプラズマ処理装置は、対向配置された上部電極および下部電極を有しており、上部電極および下部電極は、それぞれ、平板状をなしている。下部電極は、ワークを載置する載置部を兼ねており、この下部電極にワークを載置した状態で、上部電極とワークとの間に処理ガスを供給するとともに、上部電極および下部電極間に高周波電圧を印加することによりプラズマを発生させ、当該プラズマによりワークの上面をプラズマ処理する。
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のプラズマ処理装置では、上部電極とワーク上面(第1の被処理面)との間にはプラズマが発生するが、下部電極とワーク下面(第2の被処理面)との間にはプラズマが発生しないため、第1の被処理面しかプラズマ処理することができない。そのため、第2の被処理面へのプラズマ処理が必要な場合には、プラズマ処理装置の駆動を一旦停止し、ワークを第2の被処理面が上部電極側となるように下部電極に載置し直し、この状態にて、再度プラズマ処理装置を駆動し、第2の被処理面をプラズマ処理する必要がある。このように、特許文献1に記載のプラズマ処理装置では、ワークの第1の被処理面と第2の被処理面とを同時にプラズマ処理することができないため、プラズマ処理の多工程化および長時間化を招いてしまう。
【0005】
また、特許文献1に記載のプラズマ処理装置では、第1の被処理面および第2の被処理面のいずれか一方しかプラズマ処理することができないため、プラズマ処理中の第1の被処理面と第2の被処理面の温度差が大きくなり、それが原因で、ワークが撓んだり、破損したりする。そのため、特許文献1に記載のプラズマ処理装置では、第1の被処理面および第2の被処理面に対して、所望のプラズマ処理を行うことができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平2001−284332号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、プラズマ処理の工程数削減および処理時間短縮を図ることができるとともに、第1の被処理面および第2の被処理面に対して所望のプラズマ処理を行うことができるプラズマ処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0009】
[適用例1]
本発明のプラズマ処理装置は、対向配置された上部電極および下部電極と、
前記上部電極および前記下部電極間に、板状をなし、一方の面に第1の被処理面を有し、他方の面に第2の被処理面を有するワークを、前記第1の被処理面が前記上部電極と対向し、前記第2の被処理面が前記下部電極と対向するように載置する載置部と、
前記第1の被処理面および前記第2の被処理面に処理ガスを供給する処理ガス供給手段と、
前記上部電極および前記下部電極間へ通電する通電手段とを有し、
前記処理ガス供給手段により前記第1の被処理面および前記第2の被処理面に前記処理ガスを供給するとともに、前記通電手段により前記上部電極および前記下部電極間へ通電し、前記処理ガスを活性化させてプラズマを発生させ、前記第1の被処理面側に発生した前記プラズマにより前記第1の被処理面をプラズマ処理しつつ、前記第2の被処理面側に発生した前記プラズマにより前記第2の被処理面をプラズマ処理するよう構成されていることを特徴とする。
これにより、ワークの第1の被処理面と第2の被処理面とを同時にプラズマ処理することができるため、プラズマ処理の工程数削減および処理時間短縮を図ることができる。また、プラズマ処理中の第1の被処理面および第2の被処理面の温度差を少なくする(無くす)ことができるため、ワークの撓みを防止または抑制し、第1の被処理面および第2の被処理面に対して所望のプラズマ処理を行うことができる。
【0010】
[適用例2]
本発明のプラズマ処理装置では、前記上部電極および前記下部電極が互いに対向した状態を維持しつつ、前記上部電極および前記下部電極と前記ワークとを相対的に移動する移動手段を有し、
前記移動手段により、前記上部電極および前記下部電極と前記ワークとを相対的に移動することにより、前記第1の被処理面および前記第2の被処理面をプラズマ処理することが好ましい。
これにより、第1の被処理面および第2の被処理面を、それぞれ、局所的にかつ連続的にプラズマ処理することができる。そのため、第1の被処理面(第2の被処理面)上の複数の領域に対して、それぞれ、異なる条件でプラズマ処理することが可能となる。したがって、ワークに対するプラズマ処理精度が向上する。
【0011】
[適用例3]
本発明のプラズマ処理装置では、前記第1の被処理面に対するプラズマ処理条件と、前記第2の被処理面に対するプラズマ条件とを異ならせることができることが好ましい。
これにより、第1の被処理面と第2の被処理面とで異なるプラズマ処理を行うことができるため、ワークに対して幅広いプラズマ処理を行うことができ、プラズマ処理装置の利便性が向上する。
【0012】
[適用例4]
本発明のプラズマ処理装置では、前記移動手段は、前記プラズマ処理中に、前記上部電極と前記第1の被処理面との離間距離および前記下部電極と前記第2の被処理面との離間距離の少なくとも一方を変化させることができることが好ましい。
これにより、上部電極および第1の被処理面の離間距離と、下部電極および第2の被処理面の離間距離とを異ならせることができるため、比較的簡単に、第1の被処理面に対するプラズマ処理条件と、第2の被処理面に対するプラズマ処理条件とを異ならすことができる。
【0013】
[適用例5]
本発明のプラズマ処理装置では、前記移動手段は、前記上部電極と前記下部電極との離間距離を一定に保ったまま、前記上部電極および前記下部電極と前記ワークとを前記ワークの厚さ方向に相対的に移動することにより、前記上部電極と前記第1の被処理面との離間距離および前記下部電極と前記第2の被処理面との離間距離を変化させることが好ましい。
これにより、特に、水晶等の結晶性材料で構成されたワークの薄肉化を行う際に、薄肉化を行いつつ、簡単に、ワークの上面と格子面(下面と格子面)のなす角を修正することができる。
【0014】
[適用例6]
本発明のプラズマ処理装置では、前記載置部は、前記ワークの縁部を支持するように構成されていることが好ましい。
これにより、簡単な構成でかつ確実に、第1の被処理面を上部電極側に露出させ、第2の被処理面を下部電極側に露出させた状態でワークを支持することができる。
【0015】
[適用例7]
本発明のプラズマ処理装置では、前記載置部は、誘電体材料を主材料として構成されていることが好ましい。
これにより、上部電極と載置部との間で、不本意な放電(不安定な放電)が発生するのを防止することができる。そのため、第1の被処理面の全域を、所望の安定なプラズマによりプラズマ処理することができ、第1の被処理面に対するプラズマ処理精度が向上する。第2の被処理面についても、これと同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明のプラズマ処理装置の好適な実施形態を示す図(断面図、側面図、ブロック図)である。
【図2】図1に示すプラズマ処理装置のプラズマ処理を示す図である。
【図3】図1に示すプラズマ処理装置のプラズマ処理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明のプラズマ処理方法およびプラズマ処理装置を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明のプラズマ処理装置の好適な実施形態を示す図(断面図、側面図、ブロック図)、図2および図3は、それぞれ、図1に示すプラズマ処理装置のプラズマ処理を示す図である。
【0018】
なお、以下の説明では、図1中互いに直交する3つの方向をx軸方向、y軸方向およびz軸方向とする。そのうち、ワーク10の第1の被処理面101に平行な面をxy平面とし、第1の被処理面101の法線方向をz軸方向とする。以下、対応する方向はその他の図においても同様である。また、図1中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
図1に示すプラズマ処理装置1は、対向配置された上部電極21および下部電極22(一対の電極21、22)と、ワーク10を載置する載置部7と、ワーク10に処理ガスを供給する処理ガス供給手段3と、上部電極21および下部電極22間へ通電する通電手段4と、上部電極21および下部電極22を移動する移動手段5と、処理ガス供給手段3、通電手段4および移動手段5等の作動を制御する制御手段6とを有している。
【0019】
このような構成のプラズマ処理装置1は、ワーク10を載置部7に載置した状態で、処理ガス供給手段3によりワーク10に処理ガスを供給しつつ、通電手段4により一対の電極21、22間へ通電することにより、処理ガスを活性化してプラズマを生成させ、移動手段5により一対の電極21、22をワーク10に対して移動することにより、前記プラズマによりワーク10の両面を同時にプラズマ処理する装置である。
【0020】
なお、本願明細書中の「プラズマ処理」は、被処理面(第1の被処理面101および第2の被処理面102)の研磨(例えば、第1、第2の被処理面101、102の凸部を除去し、第1、第2の被処理面101、102を平坦化する加工など)、所望の厚みとなるようにワークを薄肉化するエッチング加工、厚さ方向へ貫通または凹没する孔を形成するエッチング加工、所望の平面視および任意曲面形状となるように不要な部分を削除するエッチング加工(成形加工)、第1、第2の被処理面101、102に所望の特性を付与する表面改質(例えば、撥水性、親水性の付与、熱処理による改質、酸化膜等の形成)、第1、第2の被処理面101、102に形成されたレジスト層等を除去するアッシング処理、さらには、ワークが水晶等の結晶性材料の場合には、切断角度(上面(下面)と格子面とのなす角)の修正を行うエッチング加工など、プラズマを利用した処理全般を含むものである。
【0021】
このようなプラズマ処理を行うワーク10は、板状をなしている。このワーク10は、その一方の面(図1中上側の面)に第1の被処理面(有効処理領域)101を有し、他方の面(図1中下側の面)に第2の被処理面(有効処理領域)102を有している。すなわち、ワーク10は、その両面に被処理面を有している。なお、本実施形態では、第1の被処理面101は、ワーク10の上面の縁部を除く領域であり、縁部は、プラズマ処理を行うか否かを問わない非有効処理領域となっている。第2の被処理面102についても、これと同様である。
【0022】
このようなワーク10としては、特に限定されないが、例えば、石英ガラス、無アルカリガラス等の各種ガラス、水晶等の結晶性材料、アルミナ、シリカ、チタニア等の各種セラミックス、シリコン、シリコンカーバイド、窒化ガリウム、ガリウム−ヒ素等の各種半導体材料、ダイヤモンド、黒鉛等の炭素系材料、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、液晶ポリマー、フェノール樹脂、アクリル樹脂等各種プラスチック(樹脂材料)のような誘電体材料で構成されたものが挙げられる。以下、本実施系態では、ワーク10を水晶で構成したものについて代表して説明する。
【0023】
以下、プラズマ処理装置1の各部の構成について説明する。
図1に示すように、上部電極21と下部電極22とが、z軸方向に対向配置されている。次いで、上部電極21および下部電極22の構成について説明するが、上部電極21および下部電極22は、互いに同様の構成をなしているため、上部電極21について代表して説明し、下部電極22については、その説明を省略する。
【0024】
上部電極21は、例えば円柱状、四角柱状などの柱状をなしている。なお、上部電極21の形状は、ワーク10の形状等に合わせて適宜設定することができ、例えば、円錐台、四角柱状円錐台、平板状であってもよい。
上部電極21の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、銅、アルミニウム、鉄、銀等の金属単体、ステンレス鋼、真鍮、アルミニウム合金等の各種合金、金属間化合物、各種炭素材料等が挙げられる。
【0025】
このような上部電極21は、その下側部分が誘電体材料で構成された誘電体部24によって覆われている。誘電体部24は、四角柱状の形状をなしている。そして、その上面に開口する凹部241が形成されていて、この凹部241に上部電極21の下側部分が挿入されている。なお、誘電体部24の形状は、例えば円錐台や円柱状、板状など、特に限定されない。
【0026】
このような誘電体部24の構成材料としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート等の各種プラスチック、石英ガラス、水晶等の各種ガラス、無機酸化物等が挙げられる。前記無機酸化物としては、例えば、Al(アルミナ)、SiO、ZrO、TiO等の金属酸化物、窒化アルミニウム、窒化シリコンなどの窒化物、BaTiO(チタン酸バリウム)等の複合酸化物等の誘電体材料等が挙げられる。これらのうち、金属酸化物が好ましく、アルミナがより好ましい。このような材料を用いることにより、電界におけるアーク放電の発生をより効果的に抑制することができる。
【0027】
このような構成をなす上部電極21および下部電極22は、後述するように、移動手段5によって、互いに対向した状態を維持しながら移動する。また、上部電極21および下部電極22は、後述する高周波電源41に電気的に接続されている。
図1に示すように、載置部7は、ワーク10を一対の電極21、22間に位置するように載置(支持)する。このような載置部7は、ワーク10の縁部(非有効処理領域)を支持するように構成されている。具体的には、載置部7は、枠状をなしており、その内周形状がワーク10の外周形状とほぼ同じ形状で若干大きく設定されている。また、載置部7には、内周面から内側に向けて突出する枠状の突出部71が形成されている。そして、載置部7は、この突出部71によりワーク10を支持しつつ、内周面によりワーク10の位置を定めている(位置ずれを抑制している)。このような載置部7によれば、簡単な構成でかつ確実に、第1の被処理面101を上部電極21側に露出させ、第2の被処理面102を下部電極22側に露出させた状態でワーク10を所望の位置で支持することができる。
【0028】
このような載置部7は、誘電体材料を主材料として構成されているのが好ましい。これにより、上部電極21と載置部7との間で、不本意な放電(不安定な放電)が発生するのを防止することができる。そのため、第1の被処理面101の全域を、所望の安定なプラズマによりプラズマ処理することができ、第1の被処理面101に対するプラズマ処理精度が向上する。第2の被処理面102についても、これと同様の効果が得られる。
【0029】
載置部7を構成する誘電体材料としては、特に限定されず、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド等の各種プラスチック、石英ガラス、無機アルカリガラス等の各種ガラス、水晶等の結晶性材料、無機酸化物等が挙げられる。前記無機酸化物としては、例えば、Al(アルミナ)、SiO、ZrO、TiO等の金属酸化物、窒化アルミニウム、窒化シリコンなどの窒化物、BaTiO(チタン酸バリウム)等の複合酸化物等が挙げられる。
【0030】
なお、載置部7の構成材料として上記のものが挙げられるが、ワーク10が水晶で構成されているため、載置部7の構成材料も水晶であるのが好ましい。これにより、ワーク10と載置部7の誘電率を同じにすることができ、上述した効果(不本意な放電の発生の防止)がより顕著となる。
また、載置部7をワーク10の構成材料と同じ材料で構成することにより、載置部7の熱膨張率とワーク10の熱膨張率とが同じとなる。そのため、プラズマ処理中に発生する熱によって、載置部7とワーク10とが同程度膨張することとなり、ワーク10の撓みや破損等を防止することができる。具体的に説明すれば、仮に、ワーク10の膨張率の方が載置部7の膨張率よりも大きい場合には、熱による膨張過程で、ワーク10が載置部7の内周面により圧迫され、ワーク10が撓んだり破損したりするが、前述のように載置部7の熱膨張率とワーク10の熱膨張率とを同じとすれば、このようなワーク10の撓みや破損を防止することができる。
【0031】
図1に示すように、処理ガス供給手段3は、所定のガスを充填するガスボンベ(ガス供給源)31と、ガスボンベ31から供給されるガスの流量を調整するマスフローコントロ−ラ(流量調整手段)32と、第1の被処理面101(第1の被処理面101と上部電極21との間)に向けて処理ガスを噴出する第1のノズル33と、第2の被処理面102(第2の被処理面102と下部電極22との間)に向けて処理ガスを噴出する第2のノズル34と、途中で二股に分かれ、第1のノズル33および第2のノズル34とガスボンベ31とを接続する処理ガス供給流路35と、マスフローコントローラ32より下流端側かつ分岐部より上流側で、処理ガス供給流路35内の流路を開閉するバルブ(電磁バルブ)36とを有している。マスフローコントローラ32およびバルブ36は、それぞれ、制御手段6に電気的に接続され、制御手段6によりその作動が制御される。
【0032】
第1のノズル33は、その先端部(噴出口)が第1の被処理面101と上部電極21との間に向くように設置され、同様に、第2のノズル34は、その先端部(噴出口)が第2の被処理面102と下部電極22との間に向くように配置されている。これにより、第1の被処理面101および第2の被処理面102に処理ガスを確実かつ安定的に供給することができる。なお、第1のノズル33の形状、配設位置および数などは、第1の被処理面101に処理ガスを供給することができれば、特に限定されず、例えば、第1のノズル33は、上部電極21の近傍に設置されていてもよい。また、第1のノズル33は、上部電極21の移動に伴って移動(追従)するよう構成されていてもよい。第2のノズル34についても同様である。
【0033】
このような処理ガス供給手段3は、バルブ36を開状態とした状態で、ガスボンベ31から処理ガスを送り出し、マスフローコントローラ32により処理ガスの流量を調節する。そして、流量が調整された処理ガスを、処理ガス供給流路35を介して第1のノズル33から第1の被処理面101に供給するとともに、第2のノズル34から第2の被処理面102に供給する。反対に、処理ガス供給手段3は、バルブ36を閉状態とすることにより、第1の被処理面101および第2の被処理面102への処理ガスの供給を停止する。
【0034】
ガスボンベ31内に充填する処理ガスとしては、例えば、CF、C、C、C、CClF、SF等のフッ素原子含有化合物ガスやCl、BCl、CCl等の塩素原子含有化合物ガスなどの各種ハロゲン系ガスが用いられる。
また、処理ガスは、一般に、上記処理ガスとキャリアガスとからなる混合ガスが用いられる。なお、「キャリアガス」とは、放電開始と放電維持のために導入するガスのことを言う。
【0035】
この場合、ガスボンベ31内に、混合ガス(処理ガス+キャリアガス)を充填して用いてもよいし、処理ガスとキャリアガスとがそれぞれ別のガスボンベに充填され、処理ガス供給流路35の途中でこれらが所定の混合比で混合されるような構成であってもよい。
キャリアガスとしては、He、Ne、Ar、Xe等の希ガスを用いることができる。これらは、単独でも2種以上を混合した形態でも用いることができる。また、処理ガスの解離促進のためにOを混合ガスに混ぜてもよい。
【0036】
なお、処理ガス供給手段3によって、第1の被処理面101および第2の被処理面102に供給され、プラズマ処理に供された処理済みの処理ガスは、好ましくは、図示しない排気手段により排気されるようになっている。この排気手段としては、特に限定されず、例えば吸引ノズルや、上部電極21および下部電極22がチャンバー内に設置されている場合に前記チャンバー内のガスを排気するファンなどが挙げられる。
【0037】
通電手段4は、一対の電極21、22間に高周波電圧を印加する高周波電源41と、上部電極21と高周波電源41と下部電極22とを導通する導線42とを備えている。下部電極22は、導線42を介して接地されている。
高周波電源41は、制御手段6によりその作動が制御される図示しない電力調整部を有しており、制御手段6の制御により、供給する電力の大きさ(電力値)を変更し得るようになっている。また、図示されていないが、供給する電力に対する整合回路(インピーダンスマッチング回路)や、高周波電源41の周波数を変える周波数調整手段(回路)や、高周波電源41の印加電圧の最大値(振幅)を変える電圧調整手段(回路)などが必要に応じて設置されている。これにより、ワーク10に対するプラズマ処理の処理条件を適宜調整することができる。
【0038】
ワーク10に対してプラズマ処理を行うときは、高周波電源41が作動して一対の電極21、22間に高周波電圧が印加される。これにより、一対の電極21、22間に電界が発生する。この電界が発生した状態で、第1のノズル33から上部電極21と第1の被処理面101との間に処理ガスが供給されると、放電が生じて、上部電極21の直下付近にプラズマが発生する。同様に、前記電界が発生した状態で、第2のノズル34から下部電極22と第2の被処理面102との間に処理ガスが供給されると、放電が生じて、下部電極22の直上付近にプラズマが発生する。なお、以下では、説明の便宜上、上部電極21の直下付近のプラズマが生成される領域を「第1のプラズマ生成領域S1」と言い、下部電極22の直上付近のプラズマが生成される領域を「第2のプラズマ生成領域S2」と言う。
【0039】
このように、プラズマ処理装置1によれば、第1の被処理面101側および第2の被処理面102側に、それぞれ、プラズマを発生させることができるため、第1の被処理面101および第2の被処理面102(すなわち、ワーク10の両面)を同時にプラズマ処理することができる。そのため、プラズマ処理装置1によれば、ワーク10に対するプラズマ処理工程および処理時間の短縮を図ることができる。また、第1の被処理面101と第2の被処理面102とを同時にプラズマ処理するため、ワーク10の第1の被処理面101側の温度と、第2の被処理面102側の温度の温度差をなくすことができる。そのため、プラズマ処理中にワーク10が撓んだり、破損したりするのを防止することができ、ワーク10に対するプラズマ処理精度が向上する。
【0040】
上部電極21および下部電極22間に印加する高周波の周波数は、特に限定されないが、10〜2450MHzであるのが好ましい。また、前記高周波のRFパワーは、特に、限定されないが、10〜150Wであるのが好ましい。また、基板表面温度の低温化のためには、パルス変調の適用が好ましい。
移動手段5は、一対の電極21、22がz軸方向に対向した状態を維持しつつ、一対の電極21、22をx軸方向およびy軸方向に2次元的に移動することができるとともに、一対の電極21、22をそれぞれz軸方向に移動することができる。すなわち、移動手段5は、一対の電極21、22を、x軸方向およびy軸方向へは連動して、z軸方向へは独立して移動することができる。
【0041】
また、移動手段5は、一対の電極21、22の移動速度、一対の電極21、22間距離、上部電極21と第1の被処理面101との離間距離、下部電極22と第2の被処理面102との離間距離等を自由に調節することができる。
そのため、移動手段5によれば、上部電極21は、第1の被処理面101の上方の空間において、第1の被処理面101に対して、相対的にxyzの3次元空間内で任意の位置(座標)に移動可能となり、下部電極22は、第2の被処理面102の下方の空間において、第2の被処理面102に対して、相対的にxyzの3次元空間内で任意の位置に移動可能となる。移動手段5の作動は、制御手段6により制御されている。
【0042】
このような移動手段5によれば、一対の電極21、22をワーク10に対して移動することができるため、第1の被処理面101および第2の被処理面102を、それぞれ、局所的にかつ連続的にプラズマ処理することができる。そのため、第1の被処理面101(第2の被処理面102)上の複数の領域に対して、それぞれ、異なる条件のプラズマ処理を行うことが可能となる。したがって、プラズマ処理装置1のワーク10に対するプラズマ処理精度が向上する。
なお、移動手段5としては、本実施形態のものに限定されず、例えば、x軸方向、y軸方向への一対の電極21、22とワーク10との相対的な移動は、ワーク10をx軸方向およびy軸方向に移動することにより行ってもよい。
【0043】
次に、プラズマ処理装置1の回路構成について説明する。
図1に示すように、このプラズマ処理装置1は、入力等の各操作を行う操作部(入力手段)11と、記憶手段12と、プラズマ処理装置1の全体の作動(駆動)を制御する制御手段6と、目標形状データ入力部13と、形状測定器14とを備えている。
操作部11としては、例えば、キーボード、液晶表示パネル、EL表示パネル等を備えたタッチパネル等を用いることができ、この場合は、操作部11は、各種の情報を表示(報知)する表示手段(報知手段)を兼ねるものでもよい。
【0044】
目標形状データ入力部13は、ワーク10の目標形状を示す目標形状データを入力する手段である。目標形状データは、目標形状データ入力部13から制御手段6に入力される。
形状測定器14は、ワーク10の形状(厚さ、第1の被処理面101の形状、第2の被処理面の形状)の形状を検出する検出部と、その検出結果に基づいて、ワーク10の形状を示す形状データを作成するデータ作成部とを有している。ワーク10の形状データは、形状測定器14から制御手段6に入力される。
【0045】
制御手段6は、例えば、CPUあるいはこれを備えるマイクロコンピュータやパーソナルコンピュータ等のコンピュータで構成されている。この制御手段6には、操作部11からの信号、目標形状データ入力部13および形状測定器14からのデータ等がそれぞれ入力される。
制御手段6は、プラズマ処理後のワーク10の形状が目標形状データの形状と一致するように、所定のプログラムに従ってワーク10の加工計画データを作成する。この加工計画データには、例えば、一対の電極21、22の移動パターン(xy平面における2次元的な移動ルート)や、この移動ルート中の各点での一対の電極21、22間印加する高周波電圧の強さ、一対の電極21、22の電極間距離、第1の被処理面101と上部電極21との離間距離、第2の被処理面102と下部電極22との離間距離、処理ガスの種類(濃度)および供給量等の各種条件が含まれている。そして、制御手段6は、作成された加工計画データに基づいて、プラズマ処理装置1の各部の作動、例えば、処理ガス供給手段3、通電手段4、移動手段5等の作動をそれぞれ制御する。
【0046】
記憶手段12は、記録媒体を有していて、この記録媒体に、目標形状データ入力部13で入力されたワーク10の目標形状を示す目標形状データ、形状測定器14に測定されたワーク10の形状、前記加工計画データ等を記憶する。記録媒体としては、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリー、ICメモリー、HD(ハードディスク)等が挙げられる。この記憶手段12における書き込み(記憶)、書き換え、消去、読み出し等の制御は、制御手段6によりなされる。
以上、プラズマ処理装置1の各部について詳細に説明した。
【0047】
このような構成のプラズマ処理装置1によれば、前述したように、第1の被処理面101と第2の被処理面102とを同時にプラズマ処理することができるため、プラズマ処理工程および処理時間の短縮を図ることができる。
さらに、プラズマ処理装置1では、第1の被処理面101に対するプラズマ処理条件(例えばエッチングレート)と、第2の被処理面102に対するプラズマ処理条件(例えばエッチングレート)とを異ならせることができる。これにより、第1の被処理面101と第2の被処理面102とで異なるプラズマ処理を行うことができるため、ワーク10に対して幅広いプラズマ処理を行うことができ、その結果、プラズマ処理装置1の利便性が向上する。
【0048】
なお、第1の被処理面101に対するエッチングレートと、第2の被処理面102に対するエッチングレートとを異ならせるための具体的な手段としては、例えば、(1)上部電極21および第1の被処理面101の離間距離と、下部電極22および第2の被処理面102の離間距離とを異ならせたり、(2)第1のノズル33から噴出する処理ガスの種類、供給量、混合ガス中の処理ガスの濃度のうちの少なくとも1つと、第2のノズル34から噴出する処理ガスの種類、供給量、混合ガス中の処理ガスの濃度のうちの少なくとも1つを異ならせたり、(3)第1のプラズマ生成領域S1にてプラズマ処理の用に供された処理ガスの排気量と、第2のプラズマ生成領域S2にてプラズマ処理の用に供された処理ガスの排気量とを異ならせたりすることが挙げられる。このような手段により、第1の被処理面101に対するエッチングレートと、第2の被処理面102に対するエッチングレートとを簡単に異ならせることができる。
【0049】
次に、プラズマ処理装置1の動作を説明する。
なお、以下では、第1の被処理面101および第2の被処理面102が、互い平行な平坦面をなすワーク10を薄肉化するプラズマ処理について代表して説明する。
[1]まず、第1の被処理面101に対するプラズマ処理条件(エッチングレート)と、第2の被処理面102に対するプラズマ処理条件(エッチングレート)とが同じ場合について説明する。
【0050】
図2(a)中の点線で示す形状は、ワーク10の目標形状を示している。図2(a)に示すように、ワーク10を目標形状とするために必要な第1の被処理面101に対するエッチング量(エッチング深さ)と、第2の被処理面102に対するエッチング量(エッチング深さ)とがほぼ等しい。そのため、制御手段6は、第1の被処理面101に対するエッチングレートと、第2の被処理面102に対するエッチングレートとが等しい計画加工データを作成する。
【0051】
具体的には、制御手段6は、例えば、一対の電極21、22の移動パターンの全域にわたって、一対の電極21、22間距離が一定であり、上部電極21および第1の被処理面101の離間距離と下部電極22および第2の被処理面102の離間距離が等しく、第1のプラズマ生成領域S1へ供給される混合ガスの種類、供給量および混合ガス中の処理ガスの濃度と、第2のプラズマ生成領域S2へ供給される混合ガスの種類、供給量および混合ガス中の処理ガスの濃度とが等しい加工計画データを作成する。
【0052】
制御手段6は、このような加工計画データに基づいて、高周波電源41を作動させるとともに、バルブ36を開く。そして、マスフローコントローラ32によりガスの流量を調整し、ガスボンベ31から処理ガスを送り出す。これにより、処理ガスは、処理ガス供給流路35内を流れ第1のノズル33および第2のノズル34から噴出する。第1のノズル33から噴出した処理ガスは、第1のプラズマ生成領域S1に供給され、第2のノズル34から噴出した処理ガスは、第2のプラズマ生成領域S2に供給される。
【0053】
一方、制御手段6は、高周波電源41を作動させることにより、一対の電極21、22間に高周波電圧を印加し、一対の電極21、22間に電界を発生させる。これにより第1のプラズマ生成領域S1および第2のプラズマ生成領域S2に、それぞれ、ほぼ等しい状態のプラズマが発生する。
制御手段6は、第1のプラズマ生成領域S1および第2のプラズマ生成領域S2にプラズマを発生させた後、移動手段5の作動を制御し、一対の電極21、22を前記加工計画データ中の移動パターンに従って、開始位置Psから終了位置Pfへ等速度で移動する。当該移動中に、第1のプラズマ生成領域S1で生成されたプラズマが第1の被処理面101に局所的かつ連続的に接触するとともに、第2のプラズマ生成領域S2で生成されたプラズマが第2の被処理面102に局所的かつ連続的に接触し、これにより、第1の被処理面101および第2の被処理面102の全域に対して所望のプラズマ処理が行われる。その結果、図2(b)に示すように、ワーク10が目標形状にエッチングされる(薄肉化される)。
【0054】
なお、本願明細書の「局所的」とは、ワーク10の平面視にて、第1のプラズマ生成領域S1が第1の被処理面101全域よりも十分小さく、上部電極21およびワーク10の少なくとも一方を他方に対して相対的に移動させなければ、第1の被処理面101全域をプラズマ処理することができないことを言う(第2のプラズマ生成領域S2についても同様である)。
【0055】
また、本願明細書の「連続的」とは、ワーク10に対するプラズマ処理が開始されてから終了するまでの間、第1のプラズマ生成領域S1に絶えずプラズマが発生している場合のみならず、プラズマ処理が開始されてから終了するまでの間に、第1のプラズマ生成領域S1にプラズマが発生していないが、発生させようとすればいつでも発生させられる状態(スタンバイ状態)が存在する場合も含まれる(第2のプラズマ生成領域S2についても同様である)。
【0056】
[2]次いで、第1の被処理面101に対するプラズマ処理条件(エッチングレート)と、第2の被処理面102に対するプラズマ処理条件(エッチングレート)とが異なる場合について説明する。
図3(a)中の点線で示す形状は、ワーク10の目標形状を示している。図3(b)に示すように、ワーク10を目標形状とするために必要なエッチング量(エッチング深さ)は、第1の被処理面101では一対の電極21、22の移動方向(開始位置Psから終了位置Pf)に向けて漸増しているのに対し、第2の被処理面102では一対の電極21、22の移動方向に向けて漸減している。
【0057】
そのため、制御手段6は、第1の被処理面101に対するプラズマ処理条件については、一対の電極21、22の移動方向に向けてエッチング量が漸増し、第2の被処理面102に対するプラズマ処理条件については、一対の電極21、22の移動方向に向けてエッチング量が漸減する計画加工データを作成する。
具体的には、制御手段6は、一対の電極21、22間距離を一定に維持しつつ、移動パターンの開始位置Psから終了位置Pfに向けて、上部電極21と第1の被処理面101との離間距離が漸減し、反対に、下部電極22と第2の被処理面102との離間距離が漸増するような移動パターンを生成する(その他の条件については、第1の被処理面101側と第2の被処理面102側とで同様である)。
【0058】
制御手段6は、第1のプラズマ生成領域S1および第2のプラズマ生成領域S2にプラズマを発生させた状態で、移動手段5の作動を制御し、一対の電極21、22を加工計画データ中の移動パターンに従って、開始位置Psから終了位置Pfまで等速度で移動する。これにより、図3(b)に示すように、第1の被処理面101および第2の被処理面102の全域に対して所望のプラズマ処理が行われ、ワーク10が目標形状にエッチングされる(薄肉化される)。
【0059】
このようなエッチング方法によれば、ワーク10を薄肉化しつつ、ワーク10の上面と格子面とのなす角(ワーク10の下面と格子面とのなす角)を高精度に修正することができる。
以上、本発明のプラズマ処理装置を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や、工程が付加されていてもよい。
【0060】
また、前述した実施形態では、一対の電極がそれぞれ柱状をなし、移動手段により移動することにより、第1の被処理面および第2の被処理面を局所的かつ連続的にプラズマ処理する構成について説明したが、これに限定されない。例えば、一対の電極をワークよりも大きい並行平板とし、移動手段を省略してもよい。このような構成では、第1の被処理面および第2の被処理面の全域を同時にプラズマ処理することが可能となる。
【符号の説明】
【0061】
1……プラズマ処理装置 11……操作部 12……記憶手段 13……目標形状データ入力部 14……形状測定器 21……上部電極 22……下部電極 24……誘電体部 241……凹部 3……処理ガス供給手段 31……ガスボンベ(ガス供給源) 32……マスフローコントローラ(流量調整手段) 33……第1のノズル 34……第2のノズル 35……処理ガス供給流路 36……バルブ 4……通電手段 41……高周波電源 42……導線 5……移動手段 6……制御手段 7……載置部 71……突出部 10……ワーク 101……第1の被処理面 102……第2の被処理面 S1……第1のプラズマ生成領域 S2……第2のプラズマ生成領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向配置された上部電極および下部電極と、
前記上部電極および前記下部電極間に、板状をなし、一方の面に第1の被処理面を有し、他方の面に第2の被処理面を有するワークを、前記第1の被処理面が前記上部電極と対向し、前記第2の被処理面が前記下部電極と対向するように載置する載置部と、
前記第1の被処理面および前記第2の被処理面に処理ガスを供給する処理ガス供給手段と、
前記上部電極および前記下部電極間へ通電する通電手段とを有し、
前記処理ガス供給手段により前記第1の被処理面および前記第2の被処理面に前記処理ガスを供給するとともに、前記通電手段により前記上部電極および前記下部電極間へ通電し、前記処理ガスを活性化させてプラズマを発生させ、前記第1の被処理面側に発生した前記プラズマにより前記第1の被処理面をプラズマ処理しつつ、前記第2の被処理面側に発生した前記プラズマにより前記第2の被処理面をプラズマ処理するよう構成されていることを特徴とするプラズマ処理装置。
【請求項2】
前記上部電極および前記下部電極が互いに対向した状態を維持しつつ、前記上部電極および前記下部電極と前記ワークとを相対的に移動する移動手段を有し、
前記移動手段により、前記上部電極および前記下部電極と前記ワークとを相対的に移動することにより、前記第1の被処理面および前記第2の被処理面をプラズマ処理する請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【請求項3】
前記第1の被処理面に対するプラズマ処理条件と、前記第2の被処理面に対するプラズマ条件とを異ならせることができる請求項1または2に記載のプラズマ処理装置。
【請求項4】
前記移動手段は、前記プラズマ処理中に、前記上部電極と前記第1の被処理面との離間距離および前記下部電極と前記第2の被処理面との離間距離の少なくとも一方を変化させることができる請求項3に記載のプラズマ処理装置。
【請求項5】
前記移動手段は、前記上部電極と前記下部電極との離間距離を一定に保ったまま、前記上部電極および前記下部電極と前記ワークとを前記ワークの厚さ方向に相対的に移動することにより、前記上部電極と前記第1の被処理面との離間距離および前記下部電極と前記第2の被処理面との離間距離を変化させる請求項4に記載のプラズマ処理装置。
【請求項6】
前記載置部は、前記ワークの縁部を支持するように構成されている請求項1ないし5のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
【請求項7】
前記載置部は、誘電体材料を主材料として構成されている請求項1ないし6のいずれかに記載のプラズマ処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−212028(P2010−212028A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−55546(P2009−55546)
【出願日】平成21年3月9日(2009.3.9)
【出願人】(000003104)エプソントヨコム株式会社 (1,528)
【出願人】(504176911)国立大学法人大阪大学 (1,536)
【Fターム(参考)】