説明

プラズマ発生装置

【課題】高周波放電型のプラズマ発生装置において、PFG電流の減少が少なく、長寿命化を図る。
【解決手段】プラズマ生成容器内で高周波放電によってガスを電離させてプラズマを生成して、電子放出孔を通してプラズマよりの電子を外部に放出する装置であって、プラズマ生成容器内に設けられていて高周波を放射するアンテナとアンテナ全体を覆うものであって絶縁物から成るアンテナカバーとを備えており、前記電子放出孔のあるプラズマ電極材質が導電性材料であるプラズマ発生装置において、プラズマ電極の表面にプラズマによるスパッタリングによって絶縁物がプラズマ電極のプラズマ側に堆積することを防止し、導通を確保する筒状の枠体領域に枠体の内側または内側と外側に厚みの異なる突起部がある枠カバーをもっていることを特徴とするプラズマ発生装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、基板にイオンビームを照射してイオン注入等の処理を施すイオンビーム照射装置においてイオンビーム照射の際の基板表面の帯電(チャージアップ)を抑制すること等に用いられる高周波放電型のプラズマ発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような基板表面の帯電抑制に用いられる高周波放電型のプラズマ発生装置の一例として、特許文献1には、プラズマ生成容器内で高周波放電によってガスを電離させてプラズマを生成して、電子放出孔を通して当該プラズマより電子を外部に放出する装置であって、プラズマ生成容器の内壁およびアンテナは、プラズマのスパッタリングによる金属汚染およびアンテナにその導電性スパッタ物が付着することを防止するために、絶縁物で覆っているプラズマ発生装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−324511号公報(段落0031−0038、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記プラズマ生成容器12の内壁の絶縁物は、プラズマによるスパッタリングによってプラズマ生成容器12の内壁からそれを構成する金属粒子が放出されてプラズマを汚染すること(即ち金属汚染)が発生するのを防止することが主目的で設けられている。また、前記絶縁物の材質は、アルミナ等の絶縁物が使用される。プラズマ生成容器12とターゲットチャンバー8との間には、直流電源36が接続されている。直流電源36を流れる電流をPFG電流と呼び、当該電子がプラズマ放出孔14を通して外部に放出する量である。
【0005】
ところが、上記のようなプラズマ発生装置を長時間(例えば数百時間〜数千時間程度)運転すると、PFG電流が減少し使用できない状態となることが分かった。
【0006】
上記のように、PFG電流が減少し、基板のチャージアップの中和が十分でなくなると、プラズマ発生装置を取り外し、プラズマ放出孔14付近上の堆積した絶縁物を除去しなければならず、メンテナンスのために長時間イオンビーム照射装置を停止しなければならなかった。
【0007】
そこでこの発明は、高周波放電型のプラズマ発生装置において、PFG電流の減少を防止することを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係るプラズマ発生装置の一つは、プラズマ生成容器内で高周波放電によってガスを電離させてプラズマを生成して、電子放出孔を通して当該プラズマより電子を外部に放出する装置であって、プラズマ生成容器内に設けられていて高周波を放射するアンテナと前記アンテナ全体を覆うものであって絶縁物から成るアンテナカバーとを備えており、前記電子放出孔のあるプラズマ電極材質が導電性材料であるプラズマ発生装置において、前記プラズマ電極と前記アンテナとの間にあり、筒状の枠体領域に枠体の内側または内側と外側に厚みの異なる突起部がある枠カバーをもっていることを特徴としている。
【0009】
プラズマ電極は、プラズマと接してプラズマの電位を確保するためのものであり、プラズマ生成容器と同電位にされている。即ち、プラズマ生成容器内面を絶縁物で完全に囲むと、プラズマに接する導体がなくなって、プラズマに電流が流れなくなりプラズマから電子を引き出すことが困難になるけれども、これをプラズマ電極によって防止することができる。
【0010】
プラズマは良導体であり、プラズマ自身は準中性を保つ性質があり、そのため、プラズマから損失する電子電流とイオン電流は常に等しくなる。PFGから引き出された電子電流(PFG電流)はプラズマの電子が減少するため、同じイオンが損失する必要がある。
【0011】
プラズマ中でイオンが再結合により電子を得ても、プラズマから出た電子電流の埋め合わせにはならない。イオンは壁と衝突して壁から電子を得ることで初めてイオン電流が流れる。
【0012】
そのときイオンは壁で電子と再結合し中性ガスに戻る。この電子はPFG電源により導電性の壁を通して供給される。PFG電源もPFGから電子を引き出し、真空容器に流れ込んだ電子と同じ量の電子をPFGプラズマにイオンを介して供給し、電源から流れ出た電流と帰還電流が同じになっている。
【0013】
このようにPFG電流が流れるためには、導体壁がプラズマと接していなければならない。もしプラズマ電極がプラズマ生成容器の内壁の絶縁物であるアルミナのスパッタ等により表面が絶縁化するとPFG電流が流れなくなる。
【0014】
そこでこの発明は、高周波放電型のプラズマ発生装置において、枠カバーに突起部を設けることで、電子放出孔のあるプラズマ電極に影を作り、アルミナのスパッタによる絶縁化しない部分を確保し、PFG電流の減少を防止するものである。
【0015】
上記枠カバーは導電性をもっているものであれば良いが、例えばカーボン製である。このため、それ自身も電極となり、導電性壁の面積を増加させ、PFG電流を増加させることが出来る。プラズマ電極と枠カバーの全面が絶縁化するまでPFG電流が流れる。そのため、単にプラズマ電極だけの絶縁化を防止するだけでなく、PFG電流を増加させ、より長寿命化できる。カーボンは、耐プラズマ性に強いパイロリティックグラファイトであっても良い。
【0016】
この原理からすれば、プラズマと接触させる面積を増加させるためだけであるなら、例えば、プラズマ電極の位置はプラズマの端でもプラズマと接っていればどこの位置であっても良い。
【0017】
プラズマ電極とアンテナとの間にあり、筒状の枠体領域に枠体の内側または内側と外側に厚みの異なる突起部がない枠カバーであっても、導電性材料であるプラズマ電極自身が突起付き構造でも良い。この構造により、プラズマ電極がプラズマと接しているため、PFG電流が流れることになる。
【0018】
プラズマ電極とアンテナとの間にあり、筒状の枠体領域に枠体の内側または内側と外側に厚みの異なる突起部がない枠カバーであっても、筒状の枠体領域に枠体の内側に凹形状の窪みのある枠カバーをもっていても良い。枠カバーの内側の凹部分は、プラズマのスパッタリングにより絶縁化しにくく、枠カバーの内側の凹部分とプラズマとが接しているため、PFG電流が流れることになる。
【0019】
上記枠カバーの材質は、カーボン製であっても良い。導電性壁の面積を増加させ、PFG電流を増加させることが出来る。
【発明の効果】
【0020】
請求項1に記載の発明によれば、電子放出孔があるプラズマ電極上に影をつくり、プラズマスパッタによるアルミナ絶縁物が堆積しにくく、PFG電流の減少を防止するため、プラズマ発生装置を長時間使用することができる。
【0021】
請求項2に記載の発明によれば、枠カバーは導電性をもっているカーボン製であるため、それ自身も電極となり、導電性壁の面積を増加させ、PFG電流を増加させることが出来、プラズマ電極と枠カバーの全面が絶縁化するまでPFG電流が流れ、プラズマ発生装置を長時間使用することができる。
【0022】
請求項3に記載の発明によれば、突起部のない枠カバーであっても、突起付き構造をしているプラズマ電極であるので、PFG電流の減少を防止するため、プラズマ発生装置を長時間使用することができる。
【0023】
請求項4に記載の発明によれば、枠カバーの内側に凹形状の窪みをもっているため、これらの窪みは絶縁化されにくく、プラズマ発生装置を長時間使用することができる。
【0024】
請求項5に記載の発明によれば、枠カバーの材質がカーボン製であるので導電性壁の面積を増加させ、PFG電流を増加させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】この発明に係るプラズマ発生装置の一実施形態を示す断面図である。
【図2】図1の線A−Aに沿う断面図である。
【図3】考案前と本考案実施後のPFG電流の変化を示す。
【図4】突起部をもった枠カバーの形状例
【図5】外部に凸形状した突起をもった枠カバーの形状例
【図6】突起構造を持つプラズマ電極の形状例
【図7】内側に凹形状の窪みをもっている枠カバーの形状例
【図8】他の一実施形態によるプラズマ発生装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1および図2を参照して、このプラズマ発生装置10は、ターゲットチャンバー8内において基板(例えば半導体基板)4にイオンビーム2を照射して、基板4にイオン注入等の処理を施すイオンビーム照射装置(この装置は、イオン注入を行う場合はイオン注入装置と呼ばれる)に用いられている場合の例である。プラズマ発生装置10は、基板4の上流側近傍に位置するターゲットチャンバー8の外部に、絶縁物54を介して取り付けられている。
【0027】
この例では、イオンビーム2は、X方向(例えば水平方向)に電界または磁界によって往復走査される。基板4は、ホルダ6に保持されていて、X方向と交差するY方向(例えば垂直方向)に機械的に往復走査される。両走査の協働(ハイブリッドスキャン)によって、基板4の全面にイオンビーム2を均一性良く照射して均一性の良いイオン注入を行うことができる。
【0028】
その際、プラズマ発生装置10から放出したプラズマからの電子をイオンビーム2または基板4の近傍に供給して、イオンビーム照射に伴う正電荷を中和して、基板4の表面の帯電を抑制することができる。
【0029】
プラズマ発生装置10は、この実施形態では、イオンビーム2の上記X方向の走査に対応することができるように、X方向に長く伸びた構造をしている。それによって、X方向の幅が広いプラズマからの電子を放出して、X方向に走査されるイオンビーム2付近に電子を万遍なく供給して、基板4の表面において帯電を万遍なく抑制することができる。
【0030】
このプラズマ発生装置10は、X方向に沿って長く伸びた筒状(具体的には半円筒状)のプラズマ生成容器12を有している。このプラズマ生成容器12は、後述する磁石50による磁界52を乱さないために、非磁性体で構成されている。プラズマ電極16も同様である。
【0031】
プラズマ生成容器12の一方(図1中の左側)の端面に、ガス導入管22が接続されており、そこからガス24がプラズマ生成容器12内に導入される。ガス24は、例えばキセノンガスである。
【0032】
プラズマ生成容器12は、その一部に、具体的にはその下側(イオンビーム2に面する側)の側面に、開口部14を有しており、そこに、プラズマ生成容器12内で生成されたプラズマからの電子を外部に取り出す電子放出孔18を有するプラズマ電極16が設けられている。電子放出孔18は、この実施形態ではX方向に並設された複数の孔(例えば円形の孔または長円形の孔)であるが、X方向に伸びたスリットでも良い。プラズマ電極16は、プラズマ生成容器12と電気的に接続されていてそれと同電位にある。
【0033】
プラズマ生成容器12内に、その長手方向の軸に沿って、即ちX方向に沿って、真っ直ぐな棒状のアンテナ26が設けられている。このアンテナ26のプラズマ生成容器12内での長さは、プラズマ生成容器12内の軸方向の長さの例えば80%〜100%程度である。アンテナ26は、具体的には、プラズマ生成容器12の他方(図1中の右側)の端面からプラズマ生成容器12内に挿入されている。アンテナ26は、例えばタングステンから成る。アンテナ26とプラズマ生成容器12との間は、アンテナカバー42やその他の絶縁物(図示省略)によって電気的に絶縁されている。
【0034】
アンテナ26には、PFG電源30から、インピーダンス整合回路32および同軸ケーブル34を経由して、高周波28が供給される。高周波28は、例えば13.56MHz程度の高周波でも良いし、例えば2.45GHz程度のマイクロ波でも良い。即ちこの明細書では、高周波はマイクロ波を含む広い概念である。同軸ケーブル34の中心導体36はアンテナ26に、外周導体38はプラズマ生成容器12に、それぞれ電気的に接続されている。
【0035】
上記構成によって外部からアンテナ26に供給される高周波28を当該アンテナ26からプラズマ生成容器12内に放射して、プラズマ生成容器12内で高周波放電によって上記ガス24を電離させてプラズマ20を生成することができる。そしてこのプラズマ20からの電子を、上記電子放出孔18を通してターゲットチャンバー8内へ取り出すことができる。
【0036】
プラズマ生成容器12およびそれと同電位のプラズマ電極16には、この実施形態のように、直流の引出し電源56によって、ターゲットチャンバー8の電位を基準にして負の引出し電圧VE を印加するようにしても良い。そのようにすれば、電子放出孔18から電子が放出されやすくなる。
【0037】
ターゲットチャンバー8の電位を基準にしてリフレクタ70には、電源57によって、負のリフレクタ電圧VRを印加しても良い。電子放出孔18から放出されたプラズマ中の電子がリフレクタ70で反射され、イオンビーム2に電子が捕獲されやすくしている。
【0038】
プラズマ生成容器12内に位置するアンテナ26の全体は、絶縁物から成るアンテナカバー42で覆われている。アンテナカバー42は、石英やアルミナ等のセラミックから成る。これによって、プラズマ20によるスパッタリングによって、アンテナ26からそれを構成する金属粒子が放出されて金属汚染が発生するのを防止することができる。
【0039】
プラズマ生成容器12の内壁(即ち開口部14を除く内壁)も、この実施形態のように、絶縁物48で覆っておくのが好ましい。プラズマ電極16を設けずに電子放出孔18をプラズマ生成容器12の側面に設ける場合は、電子放出孔18を除くプラズマ生成容器12の内壁を絶縁物48で覆っておくのが好ましい。それによって、プラズマ20によるスパッタリングによって、プラズマ生成容器12からそれを構成する金属粒子が放出されて金属汚染が発生するのを防止することができる。
【0040】
プラズマ生成容器12内であり、プラズマ電極16の周辺を覆うように突起部62がある枠カバー60が設置してある。これは、プラズマ電極16の表面にプラズマ20によるスパッタリングによって絶縁物が堆積することを防止し、導通を確保する。プラズマ電極16上に絶縁物が堆積した場合、プラズマ20に接する導体がなくなってプラズマ20に電位が与えられなくなり、プラズマ20に電流が流れなくなり、プラズマ20から電子を引き出すことが困難になる。
【0041】
上記枠カバー60の材質は、カーボン製である。枠カバー60の材質がカーボン製であるので、導電性壁の面積を増加させ、PFG電流を増加させることが出来る。
【0042】
図3は、本考案の突起部62がある枠カバー60を設置した場合と突起部62がない枠カバー60を設置した場合のPFG電流の変化を示す。突起部62がある枠カバー60を設置した方がPFG電流が多くとれ、長寿命化したことを示している。
【0043】
図4は、突起部62がある枠カバー60の形状例を示す。プラズマ電極16の周辺が突起により影ができれば良いため、色々な形状の突起が考えられる。図(A)は、突起部62がある枠カバー60の一実施例の上面図と断面図を示す。突起部62は実質的に矩形の横断面を有し、実質的に矩形の空間が形成される。図(B)は、突起部62がある枠カバー60の他の実施例の上面図と断面図を示す。突起部62は実質的に斜角をつけられた形状を有する。突起部62で形成される空間は実質的に矩形で傾斜している。図(C)は、突起部62がある枠カバー60の他の実施例の上面図と断面図を示す。突起部62は、斜め上方へ突出している形状であり、突起部62で形成される空間は、実質的に矩形でそして上方へ突出している。図(D)は、突起部62がある枠カバー60の他の実施例の上面図と断面図を示す。突起部62は実質的に矩形の横断面を有する。そして、突起部62で形成される空間は実質的に円形状である。図(E)は、突起部62がある枠カバー60の他の実施例の上面図と断面図を示す。上面と四面ある側面がそれぞれ分離した形態をしている。突起部62は実質的に矩形の横断面を有し、実質的に矩形の空間が形成される。
【0044】
図5は、突起部62がある枠カバー60の中央部を外部に凸形状にした形状の例である。枠カバー60のバネ性により突起部62がある枠カバー60とプラズマ生成容器12との電気的接触を保つことができ、またプラズマ電極16とも同電位である。プラズマ20が導体壁と接しているため、PFG電流が流れることになる。
【0045】
図6は、突起部を持つプラズマ電極の形状例を示している。プラズマ電極の材質をカーボン製とし、2枚構造としたものである。プラズマ電極Aでプラズマ電極Bに影の部分をつくり、プラズマ20がプラズマ電極Bと接触するようにしている。プラズマ電極Aがプラズマ20のスパッタリングにより絶縁化しても、プラズマ電極Aの内面とプラズマ電極Bがプラズマ20と接しているため、PFG電流が流れることになる。
【0046】
図7は、枠カバー60の内側に凹形状の窪み71をもっている形状例を示す。枠カバー60の内側の凹部分71は、プラズマ20のスパッタリングにより絶縁化しにくく、枠カバー60の内側の凹部分71とプラズマ20とが接しているため、PFG電流が流れることになる。
【0047】
上記枠カバー60の材質は、カーボン製である。枠カバー60の材質がカーボン製であるので、導電性壁の面積を増加させ、PFG電流を増加させることが出来る。
【0048】
図8は、他の典型的な一実施例を示す。図8において、プラズマ発生装置10は、ターゲットチャンバー8内において基板(例えば半導体基板)4にイオンビーム2を照射して、基板4にイオン注入等の処理を施すイオンビーム照射装置(この装置は、イオン注入を行う場合はイオン注入装置と呼ばれる)に用いられている場合の例である。図8は図1と実質的に類似している。このように、実質的に類似した要素の説明を明確にするため用いられる。図1と図8を比較した場合の実施形態の異なる点は、図1では、突起部62が枠カバー60にあり、図8の実施例では、突起部62が枠カバー60にないということである。
【0049】
プラズマ生成容器12の外部には、この実施形態のように、プラズマ生成容器12内に、プラズマ生成容器12の軸に沿う方向の磁界52を発生させる磁石50を設けておいても良い。この磁石50は、この例では、プラズマ生成容器12に沿う半円筒形をしている。この磁石50は、典型的には永久磁石である。この磁石50を設けておくと、それが発生する磁界52によって電子を捕捉して、プラズマ生成容器12内におけるプラズマ20の生成および維持を促進することができるので、電子サイクロトロン共鳴(ECR)により高密度のプラズマ20の発生が可能になる。
【0050】
なお、プラズマ発生装置10の各部の構造を上に詳述したけれども、その構造はあくまでも例であり、この発明は上に詳述した構造に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0051】
10 プラズマ発生装置
12 プラズマ生成容器
16 プラズマ電極
18 電子放出孔
20 プラズマ
24 ガス
26 アンテナ
28 高周波
30 PFG電源
42 アンテナカバー
60 枠カバー
62 突起部
70 リフレクター
71 凹形状の窪み

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ生成容器内で高周波放電によってガスを電離させてプラズマを生成して、電子放出孔を通して当該プラズマより電子を外部に放出する装置であって、プラズマ生成容器内に設けられていて高周波を放射するアンテナと前記アンテナ全体を覆うものであって絶縁物から成るアンテナカバーとを備えており、前記電子放出孔のあるプラズマ電極材質が導電性材料であるプラズマ発生装置において、前記プラズマ電極と前記アンテナとの間にあり、筒状の枠体領域に枠体の内側または内側と外側に厚みの異なる突起部がある枠カバーをもっていることを特徴とするプラズマ発生装置。
【請求項2】
前記枠カバーの材質はカーボン製である請求項1記載のプラズマ発生装置。
【請求項3】
プラズマ生成容器内で高周波放電によってガスを電離させてプラズマを生成して、電子放出孔を通して当該プラズマより電子を外部に放出する装置であって、プラズマ生成容器内に設けられていて高周波を放射するアンテナと前記アンテナ全体を覆うものであって絶縁物から成るアンテナカバーとを備えており、前記電子放出孔のあるプラズマ電極材質が導電性材料であるプラズマ発生装置において、前記プラズマ電極自身が突起付き構造をしていることを特徴とするプラズマ発生装置。
【請求項4】
プラズマ生成容器内で高周波放電によってガスを電離させてプラズマを生成して、電子放出孔を通して当該プラズマより電子を外部に放出する装置であって、プラズマ生成容器内に設けられていて高周波を放射するアンテナと前記アンテナ全体を覆うものであって絶縁物から成るアンテナカバーとを備えており、前記電子放出孔のあるプラズマ電極材質が導電性材料であるプラズマ発生装置において、前記プラズマ電極と前記アンテナとの間にあり、筒状の枠体領域に枠体の内側に凹形状の窪みのある枠カバーをもっていることを特徴とするプラズマ発生装置。
【請求項5】
前記枠カバーの材質はカーボン製である請求項4記載のプラズマ発生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−69509(P2012−69509A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−155365(P2011−155365)
【出願日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(302054866)日新イオン機器株式会社 (161)
【Fターム(参考)】