プラズモンジェネレータの製造方法
【課題】近接場光発生部を含む前端面の幅が小さなプラズモンジェネレータを製造する。
【解決手段】プラズモンジェネレータ50は、表面プラズモンを伝播する伝播部51を備えている。伝播部51は、下面51a、上面51b、第1の側面51c、第2の側面51d、前端面51eを有している。前端面51eは近接場光発生部51gを含んでいる。プラズモンジェネレータ50の製造方法は、ベース部を形成する工程と、後にプラズモンジェネレータとなる金属膜を形成する工程と、充填層を形成する工程を備えている。ベース部は、ベース面と、ベース面から突出した突出部とを備え、突出部は、ベース面に対して高低差を有する上面と、ベース面と突出部の上面とを連結する第1の側壁241Pbとを有している。金属膜は、第1の側壁241Pbに付着した付着部を含んでいる。充填層は、第1の側壁241Pbとの間で付着部を挟む第2の側壁を有している。
【解決手段】プラズモンジェネレータ50は、表面プラズモンを伝播する伝播部51を備えている。伝播部51は、下面51a、上面51b、第1の側面51c、第2の側面51d、前端面51eを有している。前端面51eは近接場光発生部51gを含んでいる。プラズモンジェネレータ50の製造方法は、ベース部を形成する工程と、後にプラズモンジェネレータとなる金属膜を形成する工程と、充填層を形成する工程を備えている。ベース部は、ベース面と、ベース面から突出した突出部とを備え、突出部は、ベース面に対して高低差を有する上面と、ベース面と突出部の上面とを連結する第1の側壁241Pbとを有している。金属膜は、第1の側壁241Pbに付着した付着部を含んでいる。充填層は、第1の側壁241Pbとの間で付着部を挟む第2の側壁を有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体に近接場光を照射して記録媒体の保磁力を低下させて情報の記録を行う熱アシスト磁気記録に用いられるプラズモンジェネレータの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、磁気ディスク装置等の磁気記録装置では、高記録密度化に伴い、薄膜磁気ヘッドおよび記録媒体の性能向上が要求されている。薄膜磁気ヘッドとしては、基板に対して、読み出し用の磁気抵抗効果素子(以下、MR(Magnetoresistive)素子とも記す。)を有する再生ヘッドと書き込み用の誘導型電磁変換素子を有する記録ヘッドとを積層した構造の複合型薄膜磁気ヘッドが広く用いられている。磁気ディスク装置において、薄膜磁気ヘッドは、磁気記録媒体の表面からわずかに浮上するスライダに設けられる。
【0003】
磁気記録装置において、記録密度を高めるためには、記録媒体の磁性微粒子を小さくすることが効果的である。しかし、磁性微粒子を小さくすると、磁性微粒子の磁化の熱安定性が低下するという問題が発生する。この問題を解消するには、磁性微粒子の異方性エネルギーを大きくすることが効果的である。しかし、磁性微粒子の異方性エネルギーを大きくすると、記録媒体の保磁力が大きくなって、既存の磁気ヘッドでは情報の記録が困難になるという問題が発生する。
【0004】
上述のような問題を解決する方法として、いわゆる熱アシスト磁気記録という方法が提案されている。この方法では、保磁力の大きな記録媒体を使用し、情報の記録時には、記録媒体のうち情報が記録される部分に対して記録磁界と同時に熱も加えて、その部分の温度を上昇させ保磁力を低下させて情報の記録を行う。情報が記録された部分は、その後、温度が低下して保磁力が大きくなり、磁化の熱安定性が高まる。以下、熱アシスト磁気記録に用いられる磁気ヘッドを、熱アシスト磁気記録ヘッドと呼ぶ。
【0005】
熱アシスト磁気記録では、記録媒体に対して熱を加える方法としては、近接場光を用いる方法が一般的である。近接場光を発生させる方法としては、レーザ光によって励起されたプラズモンから近接場光を発生する金属片であるプラズモンジェネレータを用いる方法が知られている。また、一般的に、近接場光の発生に利用されるレーザ光は、スライダに設けられた導波路によって、スライダの媒体対向面の近傍に設けられたプラズモンジェネレータに導かれる。
【0006】
特許文献1には、導波路のコアの表面とプラズモンジェネレータの表面とをギャップを介して対向させ、コアを伝播する光に基づいてコアの表面で発生するエバネッセント光を用いて、プラズモンジェネレータに表面プラズモンを励起させ、この表面プラズモンに基づいて近接場光を発生させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4104584号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
プラズモンジェネレータは、媒体対向面に配置された前端面を有している。この前端面は、近接場光を発生する近接場光発生部を含んでいる。プラズモンジェネレータに励起された表面プラズモンは、プラズモンジェネレータの表面に沿って近接場光発生部に伝播される。その結果、近接場光発生部において表面プラズモンが集中し、この表面プラズモンに基づいて近接場光発生部より近接場光が発生される。
【0009】
記録媒体におけるトラック幅を縮小して記録密度を高めるためには、記録媒体における近接場光のスポット径を小さくする必要がある。そのためには、プラズモンジェネレータの前端面の幅(トラック幅方向の寸法)を小さくすることが求められる。
【0010】
一般的に、プラズモンジェネレータは、フォトリソグラフィを用いて製造される。フォトリソグラフィを用いたプラズモンジェネレータの製造方法としては、例えば、プラズモンジェネレータとなる金属膜を、フォトレジストによって形成されたエッチングマスクを用いてエッチングする方法がある。しかし、このようなフォトリソグラフィを用いたプラズモンジェネレータの製造方法では、フォトリソグラフィによる限界により、プラズモンジェネレータの最小幅を小さくすることが難しく、その結果、プラズモンジェネレータの前端面の幅を小さくすることも難しい。
【0011】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、近接場光発生部を含む前端面の幅が小さなプラズモンジェネレータを製造することができるようにしたプラズモンジェネレータの製造方法および近接場光発生器の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の製造方法によって製造されるプラズモンジェネレータは、光に基づいて励起された表面プラズモンを伝播する伝播部を備えている。伝播部は、下面と、その反対側の上面と、互いに反対側に位置して下面と上面とを連結する第1の側面および第2の側面と、下面、上面、第1の側面および第2の側面を連結する前端面とを有している。前端面は、表面プラズモンに基づいて近接場光を発生する近接場光発生部を含んでいる。
【0013】
本発明のプラズモンジェネレータの製造方法は、
ベース面と、ベース面から突出した突出部とを備え、突出部は、ベース面に対して高低差を有する上面と、ベース面と突出部の上面とを連結する第1の側壁とを有する誘電体材料よりなるベース部を形成する工程と、
ベース部を形成する工程の後で、第1の側壁に付着した付着部を含み、後にプラズモンジェネレータとなる金属膜を形成する工程と、
金属膜を形成する工程の後で、第1の側壁との間で付着部を挟む第2の側壁を有する誘電体材料よりなる充填層を形成する工程とを備えている。
【0014】
付着部は、第1の側壁に接触する第1の接触面と第2の側壁に接触する第2の接触面とを含み、第1の接触面が伝播部の第1の側面となり、第2の接触面が伝播部の第2の側面となる。
【0015】
本発明のプラズモンジェネレータの製造方法において、金属膜は、物理気相成長法によって形成されてもよい。
【0016】
また、本発明のプラズモンジェネレータの製造方法において、金属膜は、更に、ベース面の上であって、第1の側壁との間で付着部を挟む位置に形成された第1の堆積部を含んでいてもよい。この場合、本発明のプラズモンジェネレータの製造方法は、更に、金属膜を形成する工程と充填層を形成する工程の間において、第1の堆積部を除去する工程を含んでいてもよい。
【0017】
また、本発明のプラズモンジェネレータの製造方法は、更に、充填層を形成する工程の後で、突出部、充填層および金属膜のそれぞれにおける、ベース面から離れた一部を除去する工程を備えていてもよい。上記除去する工程は、突出部、充填層および金属膜を研磨する工程を含んでいてもよい。また、上記除去する工程は、更に、上記研磨する工程の後で、突出部、充填層および金属膜のそれぞれの一部をエッチングする工程を含んでいてもよい。
【0018】
また、金属膜は、更に、付着部よりもベース面からより遠い位置に形成された第2の堆積部を含んでいてもよい。この場合、上記除去する工程は、第2の堆積部の少なくとも一部をエッチングする第1のエッチング工程と、第1のエッチング工程の後で、突出部、充填層および金属膜を研磨する工程と、上記研磨する工程の後で、突出部、充填層および金属膜のそれぞれの一部をエッチングする第2のエッチング工程とを含んでいてもよい。
【0019】
また、本発明のプラズモンジェネレータは、伝播部に対して前端面とは反対側に位置して伝播部に連結された幅変化部分を備えていてもよい。幅変化部分は、前端面に近づくに従って小さくなる、伝播部の下面および前端面に平行な方向についての幅を有している。
【0020】
また、本発明のプラズモンジェネレータの製造方法において、ベース部を形成する工程は、ベース面を有するエッチングストッパ層を形成する工程と、エッチングストッパ層の上に、エッチングストッパ層とは異なる材料よりなる被エッチング層を形成する工程と、エッチングストッパ層をエッチングストッパとして用いて被エッチング層の一部をエッチングすることによって、突出部を形成する工程とを含んでいてもよい。
【0021】
また、伝播部の上面は傾斜部を含み、傾斜部における任意の位置の伝播部の下面からの距離は、任意の位置が前端面に近づくに従って小さくなっていてもよい。この場合、本発明のプラズモンジェネレータの製造方法は、更に、充填層を形成する工程の後で、金属膜の一部をエッチングすることによって傾斜部を形成する工程を含んでいてもよい。
【0022】
本発明の製造方法によって製造される近接場光発生器は、導波路と、プラズモンジェネレータとを備えている。導波路は、光を伝播させるコアと、コアの周囲に配置されたクラッドとを有している。コアは、上面を有している。クラッドは、上面を有しコアの上面の上に配置された誘電体材料よりなるギャップ層を含んでいる。プラズモンジェネレータは、ギャップ層の上面の上に配置されている。
【0023】
プラズモンジェネレータは、コアを伝播する光に基づいて励起された表面プラズモンを伝播する伝播部を備えている。伝播部は、下面と、その反対側の上面と、互いに反対側に位置して下面と上面とを連結する第1の側面および第2の側面と、下面、上面、第1の側面および第2の側面を連結する前端面とを有している。前端面は、表面プラズモンに基づいて近接場光を発生する近接場光発生部を含んでいる。
【0024】
本発明の近接場光発生器の製造方法は、
導波路を形成する工程と、
ギャップ層の上面の上に、誘電体材料よりなる突出部であって、ギャップ層の上面に対して高低差を有する上面と、ギャップ層の上面と突出部の上面とを連結する第1の側壁とを有する突出部を形成する工程と、
突出部を形成する工程の後で、第1の側壁に付着した付着部を含み、後にプラズモンジェネレータとなる金属膜を形成する工程と、
金属膜を形成する工程の後で、第1の側壁との間で付着部を挟む第2の側壁を有する誘電体材料よりなる充填層を形成する工程とを備えている。
【0025】
付着部は、第1の側壁に接触する第1の接触面と第2の側壁に接触する第2の接触面とを含み、第1の接触面が伝播部の第1の側面となり、第2の接触面が伝播部の第2の側面となる。
【0026】
本発明の近接場光発生器の製造方法において、金属膜は、物理気相成長法によって形成されてもよい。
【0027】
また、金属膜は、更に、ギャップ層の上面の上であって、第1の側壁との間で付着部を挟む位置に形成された第1の堆積部を含んでいてもよい。この場合、本発明の近接場光発生器の製造方法は、更に、金属膜を形成する工程と充填層を形成する工程の間において、第1の堆積部を除去する工程を含んでいてもよい。
【0028】
また、本発明の近接場光発生器の製造方法は、更に、充填層を形成する工程の後で、突出部、充填層および金属膜のそれぞれにおける、ギャップ層の上面から離れた一部を除去する工程を備えていてもよい。上記除去する工程は、突出部、充填層および金属膜を研磨する工程を含んでいてもよい。また、上記除去する工程は、更に、上記研磨する工程の後で、突出部、充填層および金属膜のそれぞれの一部をエッチングする工程を含んでいてもよい。
【0029】
また、金属膜は、更に、付着部よりもギャップ層の上面からより遠い位置に形成された第2の堆積部を含んでいてもよい。この場合、上記除去する工程は、第2の堆積部の少なくとも一部をエッチングする第1のエッチング工程と、第1のエッチング工程の後で、突出部、充填層および金属膜を研磨する工程と、上記研磨する工程の後で、突出部、充填層および金属膜のそれぞれの一部をエッチングする第2のエッチング工程とを含んでいてもよい。
【0030】
また、本発明の近接場光発生器の製造方法において、プラズモンジェネレータは、伝播部に対して前端面とは反対側に位置して伝播部に連結された幅変化部分を備えていてもよい。幅変化部分は、前端面に近づくに従って小さくなる、伝播部の下面および前端面に平行な方向についての幅を有している。
【0031】
また、本発明の近接場光発生器の製造方法において、突出部を形成する工程は、ギャップ層の上面の上に、ギャップ層とは異なる材料よりなる被エッチング層を形成する工程と、ギャップ層をエッチングストッパとして用いて被エッチング層の一部をエッチングすることによって、突出部を形成する工程とを含んでいてもよい。
【0032】
また、伝播部の上面は傾斜部を含み、傾斜部における任意の位置の伝播部の下面からの距離は、任意の位置が前端面に近づくに従って小さくなっていてもよい。この場合、本発明の近接場光発生器の製造方法は、更に、充填層を形成する工程の後で、金属膜の一部をエッチングすることによって傾斜部を形成する工程を含んでいてもよい。
【発明の効果】
【0033】
本発明のプラズモンジェネレータの製造方法および近接場光発生器の製造方法では、金属膜を形成する工程において形成される金属膜のうち、第1の側壁に付着した付着部の幅によって、プラズモンジェネレータの伝播部の幅が規定される。この付着部の幅は、フォトリソグラフィによる限界に依存せずに、容易に小さくすることが可能である。これにより、本発明によれば、近接場光発生部を含む前端面の幅が小さなプラズモンジェネレータを製造することが可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るプラズモンジェネレータを示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における熱アシスト磁気記録ヘッドの要部を示す斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における熱アシスト磁気記録ヘッドの構成を示す断面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における熱アシスト磁気記録ヘッドの媒体対向面を示す正面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る近接場光発生器の製造方法における一工程を示す説明図である。
【図6】図5に示した工程に続く工程を示す説明図である。
【図7】図6に示した工程に続く工程を示す説明図である。
【図8】図7に示した工程に続く工程を示す説明図である。
【図9】図8に示した工程に続く工程を示す説明図である。
【図10】図9に示した工程に続く工程を示す説明図である。
【図11】図10に示した工程に続く工程を示す説明図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係る近接場光発生器の製造方法における一工程を示す断面図である。
【図13】図12に示した工程に続く工程を示す説明図である。
【図14】図13に示した工程を示す説明図である。
【図15】図14に示した工程に続く工程を示す断面図である。
【図16】図15に示した工程に続く工程を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。始めに、図3および図4を参照して、本発明の第1の実施の形態における熱アシスト磁気記録ヘッドの構成について説明する。図3は、熱アシスト磁気記録ヘッドの構成を示す断面図である。図4は、熱アシスト磁気記録ヘッドの媒体対向面を示す正面図である。
【0036】
本実施の形態における熱アシスト磁気記録ヘッドは、垂直磁気記録用であり、回転する記録媒体の表面から浮上するスライダの形態を有している。記録媒体が回転すると、記録媒体とスライダとの間を通過する空気流によって、スライダに揚力が生じる。スライダは、この揚力によって記録媒体の表面から浮上するようになっている。
【0037】
図3に示したように、熱アシスト磁気記録ヘッドは、記録媒体に対向する媒体対向面40を備えている。ここで、X方向、Y方向、Z方向を以下のように定義する。X方向は、記録媒体のトラック横断方向すなわちトラック幅方向である。Y方向は、媒体対向面40に垂直な方向である。Z方向は、スライダから見た記録媒体の進行方向である。X方向、Y方向、Z方向は互いに直交している。
【0038】
図3および図4に示したように、熱アシスト磁気記録ヘッドは、アルミニウムオキサイド・チタニウムカーバイド(Al2O3・TiC)等のセラミック材料よりなり、上面1aを有する基板1と、この基板1の上面1a上に配置された絶縁材料よりなる絶縁層2と、この絶縁層2の上に配置された磁性材料よりなる下部シールド層3と、絶縁層2の上において下部シールド層3の周囲に配置された絶縁層4とを備えている。絶縁層2,4は、例えばアルミナ(Al2O3)によって形成されている。Z方向は、基板1の上面1aに垂直な方向でもある。
【0039】
熱アシスト磁気記録ヘッドは、更に、下部シールド層3および絶縁層4の上面の上に配置された絶縁膜である下部シールドギャップ膜5と、この下部シールドギャップ膜5の上に配置された再生素子としてのMR(磁気抵抗効果)素子6と、このMR素子6に接続された2つのリード(図示せず)と、MR素子6の上に配置された絶縁膜である上部シールドギャップ膜7とを備えている。
【0040】
MR素子6の一端部は、記録媒体に対向する媒体対向面40に配置されている。MR素子6には、AMR(異方性磁気抵抗効果)素子、GMR(巨大磁気抵抗効果)素子あるいはTMR(トンネル磁気抵抗効果)素子等の磁気抵抗効果を示す感磁膜を用いた素子を用いることができる。GMR素子としては、磁気的信号検出用の電流を、GMR素子を構成する各層の面に対してほぼ平行な方向に流すCIP(Current In Plane)タイプでもよいし、磁気的信号検出用の電流を、GMR素子を構成する各層の面に対してほぼ垂直な方向に流すCPP(Current Perpendicular to Plane)タイプでもよい。
【0041】
熱アシスト磁気記録ヘッドは、更に、上部シールドギャップ膜7の上に配置された磁性材料よりなる上部シールド層8と、上部シールドギャップ膜7の上において上部シールド層8の周囲に配置された絶縁層9とを備えている。絶縁層9は、例えばアルミナによって形成されている。下部シールド層3から上部シールド層8までの部分は、再生ヘッドを構成する。
【0042】
熱アシスト磁気記録ヘッドは、更に、非磁性材料よりなり、上部シールド層8および絶縁層9の上に配置された非磁性層10と、非磁性層10の上に配置された磁性材料よりなるリターン磁極層11と、非磁性層10の上においてリターン磁極層11の周囲に配置された絶縁層12とを備えている。リターン磁極層11は、媒体対向面40に配置された端面を有している。非磁性層10および絶縁層12は、例えばアルミナによって形成されている。
【0043】
熱アシスト磁気記録ヘッドは、更に、媒体対向面40から離れた位置においてリターン磁極層11の一部の上に配置された2つの連結部13A,13Bと、リターン磁極層11の他の部分および絶縁層12の上に配置された絶縁層14と、この絶縁層14の上に配置されたコイル15とを備えている。連結部13A,13Bは、磁性材料によって形成されている。連結部13A,13Bは、それぞれ、リターン磁極層11の上に配置された第1層と、この第1層の上に順に配置された第2層、第3層、第4層および第5層とを有している。連結部13Aの第1層と連結部13Bの第1層は、トラック幅方向(X方向)に並ぶように配置されている。コイル15は、平面渦巻き形状をなし、連結部13A,13Bの第1層を中心として巻回されている。コイル15は、銅等の導電材料によって形成されている。絶縁層14は、例えばアルミナによって形成されている。
【0044】
熱アシスト磁気記録ヘッドは、更に、コイル15の巻線間に配置された絶縁層16と、コイル15の周囲に配置された絶縁層17と、コイル15および絶縁層16,17の上に配置された絶縁層18とを備えている。絶縁層16は、例えばフォトレジストによって形成されている。絶縁層17,18は、例えばアルミナによって形成されている。連結部13A,13Bの第1層は、絶縁層14,17に埋め込まれている。
【0045】
熱アシスト磁気記録ヘッドは、更に、コア20と、コア20の周囲に配置されたクラッドとを有する導波路を備えている。コア20は、媒体対向面40により近い端面20aと、上面20bとを有している。端面20aは、媒体対向面40に配置されていてもよいし、媒体対向面40から離れた位置に配置されていてもよい。図3および図4には、端面20aが媒体対向面40に配置された例を示している。
【0046】
クラッドは、クラッド層19,21と、上面22aを有するギャップ層22とを含んでいる。クラッド層19は、絶縁層18の上に配置されている。コア20は、クラッド層19の上に配置されている。クラッド層21は、クラッド層19の上においてコア20の周囲に配置されている。コア20の上面20bおよびクラッド層21の上面は平坦化されている。ギャップ層22は、コア20の上面20bおよびクラッド層21の上面の上に配置されている。
【0047】
コア20は、近接場光の発生に用いられるレーザ光を通過させる誘電体材料によって形成されている。コア20には、図示しないレーザダイオードから出射されたレーザ光が入射され、このレーザ光はコア20内を伝播する。クラッド層19,21およびギャップ層22は、コア20の屈折率よりも小さい屈折率を有する誘電体材料によって形成されている。コア20の材料としては、例えば、Ta2O5等の酸化タンタルや酸窒化ケイ素(SiON)が用いられ、クラッド層19,21およびギャップ層22の材料としては、例えば、酸化ケイ素(SiO2)やアルミナが用いられる。
【0048】
連結部13A,13Bの第2層は、絶縁層18およびクラッド層19に埋め込まれている。連結部13A,13Bの第3層は、クラッド層21に埋め込まれている。連結部13Aの第3層と連結部13Bの第3層は、コア20のトラック幅方向(X方向)の両側において、コア20に対して間隔をあけて配置されている。
【0049】
熱アシスト磁気記録ヘッドは、更に、媒体対向面40の近傍において、ギャップ層22の上面22aの上に配置されたプラズモンジェネレータ50と、ギャップ層22の上面22aの上においてプラズモンジェネレータ50の周囲に配置された誘電体層24と、プラズモンジェネレータ50および誘電体層24の上に配置された誘電体層25とを備えている。連結部13A,13Bの第4層は、ギャップ層22および誘電体層24に埋め込まれている。
【0050】
プラズモンジェネレータ50は、金属によって形成されている。具体的には、プラズモンジェネレータ50は、例えば、Au、Ag、Al、Cu、Pd、Pt、Rh、Irのいずれか、またはこれらのうちの複数の元素よりなる合金によって形成されている。プラズモンジェネレータ50の形状については、後で詳しく説明する。
【0051】
誘電体層24は、ギャップ層22とは異なる誘電体材料によって形成されている。ギャップ層22の材料としてアルミナが用いられる場合には、誘電体層24の材料としては、例えばSiO2が用いられる。誘電体層25は、例えばアルミナによって形成されている。
【0052】
熱アシスト磁気記録ヘッドは、更に、誘電体層25の上において、コア20との間にプラズモンジェネレータ50を挟む位置に配置された磁性材料よりなる主磁極26と、主磁極26の周囲に配置された誘電体層27とを備えている。連結部13A,13Bの第5層は、誘電体層25,27に埋め込まれている。主磁極26、誘電体層27および連結部13A,13Bの第5層の上面は平坦化されている。誘電体層27は、例えばSiO2によって形成されている。主磁極26の形状については、後で詳しく説明する。
【0053】
熱アシスト磁気記録ヘッドは、更に、誘電体層27の上に配置されたコイル28と、コイル28を覆うように配置された絶縁層29と、主磁極26、連結部13A,13B、誘電体層27および絶縁層29の上に配置された磁性材料よりなるヨーク層30とを備えている。ヨーク層30は、主磁極26と連結部13A,13Bを磁気的に連結している。コイル28は、平面渦巻き形状をなし、ヨーク層30のうち連結部13A,13Bの上に配置された部分を中心として巻回されている。コイル28は、銅等の導電材料によって形成されている。絶縁層29は、例えばフォトレジストによって形成されている。
【0054】
熱アシスト磁気記録ヘッドは、更に、ヨーク層30を覆うように配置された保護層31を備えている。保護層31は、例えばアルミナによって形成されている。
【0055】
リターン磁極層11からヨーク層30までの部分は、記録ヘッドを構成する。コイル15,28は、記録媒体に記録する情報に応じた磁界を発生する。リターン磁極層11、連結部13A,13B、ヨーク層30および主磁極26は、コイル15,28が発生する磁界に対応した磁束を通過させる磁路を形成する。コイル15,28は、主磁極26において、コイル15によって発生された磁界に対応する磁束とコイル28によって発生された磁界に対応する磁束が同じ方向に流れるように、直列または並列に接続されている。主磁極26は、コイル15によって発生された磁界に対応する磁束とコイル28によって発生された磁界に対応する磁束とを通過させて、垂直磁気記録方式によって情報を記録媒体に記録するための記録磁界を発生する。
【0056】
以上説明したように、本実施の形態における熱アシスト磁気記録ヘッドは、記録媒体に対向する媒体対向面40と再生ヘッドと記録ヘッドとを備えている。再生ヘッドと記録ヘッドは、基板1の上に積層されている。記録ヘッドは、再生ヘッドに対して、記録媒体の進行方向(Z方向)の前側(トレーリング側)に配置されている。
【0057】
再生ヘッドは、再生素子としてのMR素子6と、媒体対向面40側の一部がMR素子6を挟んで対向するように配置された、MR素子6をシールドするための下部シールド層3および上部シールド層8と、MR素子6と下部シールド層3との間に配置された下部シールドギャップ膜5と、MR素子6と上部シールド層8との間に配置された上部シールドギャップ膜7とを備えている。
【0058】
記録ヘッドは、コイル15,28と、主磁極26と、本実施の形態に係る近接場光発生器とを備えている。近接場光発生器は、導波路と、プラズモンジェネレータ50とを備えている。導波路は、光を伝播させるコア20と、コア20の周囲に配置されたクラッドとを有している。本実施の形態では、特に、コア20は、図示しないレーザダイオードから出射されたレーザ光を伝播させる。クラッドは、クラッド層19,21とギャップ層22とを含んでいる。
【0059】
コア20は、上面20bを有している。ギャップ層22は、上面22aを有し、コア20の上面20bの上に配置されている。プラズモンジェネレータ50は、ギャップ層22の上面22aの上に配置されている。
【0060】
次に、図1および図2を参照して、プラズモンジェネレータ50の形状について詳しく説明する。図1は、プラズモンジェネレータ50を示す斜視図である。図2は、熱アシスト磁気記録ヘッドの要部を示す斜視図である。図1に示したように、プラズモンジェネレータ50は、媒体対向面40の近傍に配置された伝播部51と、この伝播部51よりも媒体対向面40から遠い位置に配置された幅変化部分52とを備えている。
【0061】
伝播部51は、下面51aと、その反対側の上面51bと、互いに反対側に位置して下面51aと上面51bとを連結する第1の側面51cおよび第2の側面51dと、媒体対向面40に配置され、下面51a、上面51b、第1の側面51cおよび第2の側面51dを連結する前端面51eとを有している。
【0062】
下面51aは、基板1の上面1aに平行であり、コア20の上面20bに対して所定の間隔をもって対向している。前端面51eは、下面51aの一端に位置し、表面プラズモンに基づいて近接場光を発生する近接場光発生部51gを含んでいる。
【0063】
上面51bは、傾斜部51b1を含んでいる。傾斜部51b1における任意の位置の伝播部51の下面51aからの距離は、任意の位置が前端面51eに近づくに従って小さくなっている。上面51bは、傾斜部51b1に対して媒体対向面40により近い位置または媒体対向面40からより遠い位置に配置されて傾斜部51b1に続く平坦部を含んでいてもよい。この平坦部は、下面51aに平行である。
【0064】
媒体対向面40に平行な伝播部51の断面の形状は、例えば矩形である。媒体対向面40および基板1の上面1aに平行な方向(X方向)についての伝播部51の幅は、媒体対向面40からの距離によらずに一定であってもよいし、媒体対向面40に近づくに従って小さくなっていてもよい。前端面51eの幅(トラック幅方向(X方向)の寸法)は、媒体対向面40における伝播部51の幅によって規定される。前端面51eの幅は、例えば5〜50nmの範囲内である。
【0065】
幅変化部分52は、伝播部51に対して前端面51eとは反対側に位置して伝播部51に連結されている。幅変化部分52は、下面52aと、その反対側の上面52bと、互いに反対側に位置して下面52aと上面52bとを連結する第1の側面52cおよび第2の側面52dと、下面52a、上面52b、第1の側面52cおよび第2の側面52dを連結する後端面52eとを有している。
【0066】
下面52aは、伝播部51の下面51aに連続するように、下面51aに対して媒体対向面40からより遠い位置に配置されている。上面52bは、伝播部51の上面51bに連続するように、上面51bに対して媒体対向面40からより遠い位置に配置されている。第1の側面52cは、伝播部51の第1の側面51cに連続するように、第1の側面51cに対して媒体対向面40からより遠い位置に配置されている。第2の側面52dは、伝播部51の第2の側面51dに連続するように、第2の側面51dに対して媒体対向面40からより遠い位置に配置されている。
【0067】
媒体対向面40に平行な幅変化部分52の断面の形状は、例えば矩形である。幅変化部分52は、伝播部51の下面51aおよび前端面51eに平行な方向(媒体対向面40および基板1の上面1aに平行な方向と同じ)についての幅を有している。この幅は、前端面51eに近づくに従って小さくなり、伝播部51との境界の位置では伝播部51の幅と等しくなっている。コア20の上面20bに対向する幅変化部分52の下面52aの幅は、媒体対向面40に近づくに従って小さくなり、伝播部51の下面51aとの境界の位置では、下面51aの幅と等しくなっている。
【0068】
プラズモンジェネレータ50の平面形状は、誘電体層24によって規定されている。誘電体層24は、プラズモンジェネレータ50のトラック幅方向(X方向)の両側に配置された第1の部分241および第2の部分242を有している。第1の部分241は、伝播部51の第1の側面51cに接触する第1の側壁241Pbを有している。図示しないが、第2の部分242は、伝播部51の第2の側面51dに接触する第2の側壁を有している。図1は、第2の部分242を除いた状態を示している。
【0069】
次に、図2および図3を参照して、主磁極26の形状の一例について説明する。主磁極26は、媒体対向面40に配置された前端面26aと、前端面26aとは反対側の後端面26bと、下面26cと、上面26dと、2つの側面26e,26fとを有している。下面26cの一部は、誘電体層25を介して伝播部51の上面51bの傾斜部51b1に対向している。下面26cにおける任意の位置の基板1の上面1aからの距離は、任意の位置が媒体対向面40から離れるに従って大きくなっている。なお、主磁極26の形状は、図2および図3を参照して説明した上記の例に限られない。
【0070】
次に、本実施の形態における近接場光発生の原理と、近接場光を用いた熱アシスト磁気記録の原理について詳しく説明する。図示しないレーザダイオードから出射されたレーザ光はコア20に入射される。図3に示したように、レーザ光60は、コア20内を媒体対向面40に向けて伝播して、プラズモンジェネレータ50の近傍に達する。ここで、コア20の上面20bにおいて、レーザ光60が全反射することによって、ギャップ層22内にしみ出すエバネッセント光が発生する。そして、プラズモンジェネレータ50の少なくとも幅変化部分52の下面52aにおいて、上記エバネッセント光と結合することによって、表面プラズモンが励起される。
【0071】
幅変化部分52の下面52aに励起された表面プラズモンは、下面52aを伝播して伝播部51の下面51aに到達し、更に下面51aを伝播して近接場光発生部51gに到達する。その結果、近接場光発生部51gにおいて表面プラズモンが集中し、この表面プラズモンに基づいて、近接場光発生部51gから近接場光が発生する。この近接場光は、記録媒体に向けて照射され、記録媒体の表面に達し、記録媒体の磁気記録層の一部を加熱する。これにより、その磁気記録層の一部の保磁力が低下する。熱アシスト磁気記録では、このようにして保磁力が低下した磁気記録層の一部に対して、主磁極26より発生される記録磁界を印加することによってデータの記録が行われる。
【0072】
次に、図3および図4を参照して、本実施の形態における熱アシスト磁気記録ヘッドの製造方法について説明する。本実施の形態における熱アシスト磁気記録ヘッドの製造方法は、複数の熱アシスト磁気記録ヘッドの基板1となる部分を含む基板上に、複数の熱アシスト磁気記録ヘッドの基板1以外の構成要素を形成して、それぞれ後に熱アシスト磁気記録ヘッドとなるヘッド予定部が複数列に配列された基礎構造物を作製する工程と、この基礎構造物を切断することによって複数のヘッド予定部を互いに分離して、複数の熱アシスト磁気記録ヘッドを形成する工程とを備えている。複数の熱アシスト磁気記録ヘッドを形成する工程では、切断によって形成された面を研磨して媒体対向面40を形成する。
【0073】
以下、1つの熱アシスト磁気記録ヘッドに注目して、本実施の形態における熱アシスト磁気記録ヘッドの製造方法を更に詳しく説明する。本実施の形態における熱アシスト磁気記録ヘッドの製造方法では、まず、基板1の上に絶縁層2を形成する。次に、絶縁層2の上に下部シールド層3を形成する。次に、下部シールド層3を覆うように絶縁層4を形成する。次に、例えば化学機械研磨(以下、CMPと記す。)によって、下部シールド層3が露出するまで絶縁層4を研磨する。
【0074】
次に、下部シールド層3および絶縁層4の上に下部シールドギャップ膜5を形成する。次に、下部シールドギャップ膜5の上にMR素子6と、MR素子6に接続される図示しない2つのリードとを形成する。次に、MR素子6およびリードを覆うように上部シールドギャップ膜7を形成する。次に、上部シールドギャップ膜7の上に上部シールド層8を形成する。次に、上部シールド層8を覆うように絶縁層9を形成する。次に、例えばCMPによって、上部シールド層8が露出するまで絶縁層9を研磨する。
【0075】
次に、上部シールド層8および絶縁層9の上に非磁性層10を形成する。次に、非磁性層10の上にリターン磁極層11を形成する。次に、リターン磁極層11を覆うように絶縁層12を形成する。次に、例えばCMPによって、リターン磁極層11が露出するまで絶縁層12を研磨する。次に、リターン磁極層11および絶縁層12の上に、絶縁層14を形成する。
【0076】
次に、絶縁層14を選択的にエッチングして、絶縁層14に、リターン磁極層11の上面を露出させる2つの開口部を形成する。次に、リターン磁極層11の上に、連結部13A,13Bのそれぞれの第1層を形成する。次に、絶縁層14の上にコイル15を形成する。次に、コイル15の巻線間に絶縁層16を形成する。次に、積層体の上面全体の上に、絶縁層17を形成する。次に、例えばCMPによって、連結部13A,13Bのそれぞれの第1層、コイル15および絶縁層16が露出するまで絶縁層17を研磨して、連結部13A,13Bのそれぞれの第1層、コイル15および絶縁層16,17の上面を平坦化する。次に、連結部13A,13Bのそれぞれの第1層、コイル15および絶縁層16,17の上に、絶縁層18を形成する。
【0077】
次に、絶縁層18を選択的にエッチングして、絶縁層18に、連結部13A,13Bのそれぞれの第1層の上面を露出させる開口部を形成する。次に、連結部13A,13Bのそれぞれの第1層の上に、連結部13A,13Bのそれぞれの第2層を形成する。次に、連結部13A,13Bのそれぞれの第2層を覆うようにクラッド層19を形成する。次に、例えばCMPによって、連結部13A,13Bのそれぞれの第2層が露出するまでクラッド層19を研磨する。
【0078】
次に、連結部13A,13Bのそれぞれの第2層の上に、連結部13A,13Bのそれぞれの第3層を形成する。次に、クラッド層19の上にコア20を形成する。次に、積層体の上面全体の上に、クラッド層21を形成する。次に、例えばCMPによって、連結部13A,13Bのそれぞれの第3層とコア20が露出するまでクラッド層21を研磨して、連結部13A,13Bのそれぞれの第3層、コア20およびクラッド層21の上面を平坦化する。次に、連結部13A,13Bのそれぞれの第3層、コア20およびクラッド層21の上に、ギャップ層22を形成する。
【0079】
次に、ギャップ層22を選択的にエッチングして、ギャップ層22に、連結部13A,13Bのそれぞれの第3層の上面を露出させる開口部を形成する。次に、連結部13A,13Bのそれぞれの第3層の上に、連結部13A,13Bのそれぞれの第4層を形成する。次に、ギャップ層22の上に、プラズモンジェネレータ50および誘電体層24を形成する。次に、連結部13A,13Bのそれぞれの第4層、プラズモンジェネレータ50および誘電体層24の上に、誘電体層25を形成する。プラズモンジェネレータ50を形成する工程については、後で詳しく説明する。
【0080】
次に、誘電体層25を選択的にエッチングして、誘電体層25に、連結部13A,13Bのそれぞれの第4層の上面を露出させる開口部を形成する。次に、連結部13A,13Bのそれぞれの第4層の上に、連結部13A,13Bのそれぞれの第5層を形成する。次に、連結部13A,13Bのそれぞれの第5層を覆うように誘電体層27を形成する。次に、例えばCMPによって、連結部13A,13Bのそれぞれの第5層が露出するまで誘電体層27を研磨する。
【0081】
次に、例えば反応性イオンエッチング(以下、RIEと記す。)またはイオンビームエッチング(以下、IBEと記す。)によって、誘電体層27をテーパエッチングして、誘電体層27に、主磁極26を収容する収容部を形成する。次に、誘電体層27の収容部内に主磁極26を形成する。次に、誘電体層27の上にコイル28を形成する。次に、コイル28を覆うように絶縁層29を形成する。次に、主磁極26、連結部13A,13Bのそれぞれの第5層、誘電体層27および絶縁層29の上に、ヨーク層30を形成する。次に、ヨーク層30を覆うように保護層31を形成する。次に、保護層31の上面に配線や端子等を形成する。
【0082】
このようにして、基礎構造物が完成したら、この基礎構造物を切断することによって複数のヘッド予定部を互いに分離し、媒体対向面40の研磨、浮上用レールの作製等を行って、熱アシスト磁気記録ヘッドが完成する。
【0083】
次に、本実施の形態に係る近接場光発生器の製造方法について説明する。本実施の形態に係る近接場光発生器の製造方法は、導波路を形成する工程と、プラズモンジェネレータ50を形成する工程とを備えている。導波路を形成する工程は、クラッド層19を形成する工程と、コア20を形成する工程と、クラッド層21を形成する工程と、ギャップ層22を形成する工程とを含んでいる。
【0084】
以下、図5ないし図11を参照して、プラズモンジェネレータ50を形成する工程について詳しく説明する。以下の説明は、本実施の形態に係るプラズモンジェネレータ50の製造方法の説明を含んでいる。図5ないし図11において、(a)は、近接場光発生器の製造過程における積層体の上面を示している。図5ないし図11において、(b)は、上記積層体の、媒体対向面40が形成される予定の位置における断面を示している。なお、図5ないし図11における(a)において、記号“ABS”は、媒体対向面40が形成される予定の位置を示している。
【0085】
プラズモンジェネレータ50を形成する工程では、まず、ギャップ層22の上面22aの上に、誘電体材料よりなる突出部を形成する。以下、この工程について、図5および図6を参照して説明する。図5は、連結部13A,13Bのそれぞれの第4層を形成した後の工程を示している。この工程では、まず、ギャップ層22の上面22aの上に、ギャップ層22とは異なる誘電体材料よりなる被エッチング層240Pを形成する。この被エッチング層240Pは、後に一部がエッチングされることによって突出部となるものである。ギャップ層22の材料としてアルミナが用いられる場合には、被エッチング層240Pの材料としては、例えばSiO2が用いられる。次に、被エッチング層240Pの上面上に、Ruよりなるマスク層61を形成する。
【0086】
図6は、次の工程を示す。この工程では、まず、マスク層61の上に、マスク層61の上面の一部を露出させる開口部を有する図示しないフォトレジストマスクを形成する。このフォトレジストマスクは、フォトリソグラフィによってフォトレジスト層をパターニングして形成する。次に、このフォトレジストマスクをエッチングマスクとして用いて、例えばIBEによって、マスク層61のうちフォトレジストマスクの開口部から露出する部分を除去する。これにより、マスク層61に、被エッチング層240Pの上面の一部を露出させる開口部61aが形成される。開口部61aの縁は、第1の側壁241Pbの位置を規定する部分と、幅変化部分52の第1の側面52cの位置を規定する部分とを含んでいる。次に、図示しないフォトレジストマスクを除去する。
【0087】
次に、マスク層61をエッチングマスクとして用いて、例えばRIEによって、被エッチング層240Pのうちマスク層61の開口部61aから露出する部分をエッチングして除去する。その際、ギャップ層22は、エッチングを停止させるエッチングストッパとして機能する。これにより、被エッチング層240Pに、ギャップ層22の上面22aの一部を露出させる開口部243が形成される。このように被エッチング層240Pの一部がエッチングされることにより、ギャップ層22の上面22aの上に、誘電体材料よりなる突出部241Pが形成される。突出部241Pは、ギャップ層22の上面22aに対して高低差を有する上面241Paと、ギャップ層22の上面22aと突出部241Pの上面241Paとを連結する第1の側壁241Pbとを有している。突出部241Pは、後に誘電体層24の第1の部分241となるものである。
【0088】
ギャップ層22および突出部241Pからなる積層体は、本発明のプラズモンジェネレータの製造方法における「ベース部」に対応する。また、ギャップ層22の上面22aは、本発明のプラズモンジェネレータの製造方法における「ベース面」に対応する。
【0089】
図7は、次の工程を示す。この工程では、例えばリフトオフ法によって、図6に示した積層体の上面の一部の上に、後にプラズモンジェネレータ50となる金属膜50Pを形成する。具体的には、まず、図6に示した積層体の上に、開口部を有する図示しないフォトレジストマスクを形成する。このフォトレジストマスクは、フォトリソグラフィによってフォトレジスト層をパターニングして形成する。開口部は、図6に示した積層体上において、少なくとも、後にプラズモンジェネレータ50が配置される領域を露出させる。この領域は、突出部241Pの上面241Paの一部と、ギャップ層22の上面22aの一部と、第1の側壁241Pbを含んでいる。また、開口部の縁は、幅変化部分52の後端面52eの位置を規定する部分を含んでいる。次に、物理気相成長法、例えばスパッタ法によって、上記フォトレジストマスクを含む積層体全体の上に金属膜50Pを形成する。次に、フォトレジストマスクをリフトオフする。このようにして、突出部241Pの上面241Paの一部と、ギャップ層22の上面22aの一部と、第1の側壁241Pbの上に金属膜50Pが形成される。
【0090】
金属膜50Pは、第1の側壁241Pbに付着した付着部50P1と、ギャップ層22の上面22aの上であって、第1の側壁241Pbとの間で付着部50P1を挟む位置に形成された第1の堆積部50P2と、付着部50P1よりもギャップ層22の上面22aからより遠い位置に形成された第2の堆積部50P3とを含んでいる。付着部50P1は、金属膜50Pを形成するための金属材料が第1の側壁241Pbに付着することによって形成される。第1の堆積部50P2は、金属膜50Pを形成するための金属材料が、ギャップ層22の上面22a上に堆積することによって形成される。第2の堆積部50P3は、金属膜50Pを形成するための金属材料が、マスク層61の上面上に堆積することによって形成される。金属膜50Pは、更に、ギャップ層22の上面22aの上に形成された部分であって、後にプラズモンジェネレータ50の幅変化部分52となる部分を含む第3の堆積部50P4を含んでいる。第3の堆積部50P4は、金属膜50Pを形成するための金属材料が、ギャップ層22の上面22a上に堆積することによって形成される。第3の堆積部50P4は、第1の堆積部50P2に連続している。図7(a)では、第1の堆積部50P2と第3の堆積部50P4の境界の位置を点線で示している。また、図7(b)では、付着部50P1と第1の堆積部50P2の境界の位置と、付着部50P1と第2の堆積部50P3の境界の位置を、それぞれ点線で示している。第2の堆積部50P3の一部は、マスク層61の上に位置する。
【0091】
付着部50P1は、第1の側壁241Pbに接触する第1の接触面50P1aを含んでいる。第1の接触面50P1aは、後に伝播部51の第1の側面51cとなる。
【0092】
図8は、次の工程を示す。この工程では、金属膜50Pの上に、例えば三角形の平面形状を有するフォトレジストマスク62を形成する。フォトレジストマスク62は、フォトリソグラフィによってフォトレジスト層をパターニングして形成する。フォトレジストマスク62は、第3の堆積部50P4のうち後に幅変化部分52となる部分と、第2の堆積部50P3の一部を覆っている。フォトレジストマスク62は、幅変化部分52の第2の側面52dの位置を規定する壁面を有している。
【0093】
図9は、次の工程を示す。この工程では、まず、フォトレジストマスク62をエッチングマスクとして用いて、例えばIBEによって、付着部50P1が残るように、金属膜50Pをエッチングする。IBEによって金属膜50Pをエッチングする際には、イオンビームの進行方向を基板1の上面1aに垂直な方向に対して傾けてもよい。イオンビームの進行方向が基板1の上面1aに垂直な方向に対してなす角度は、例えば0°〜20°の範囲内であり、0°〜5°の範囲内であることが好ましい。このエッチングの後では、金属膜50Pのうち、フォトレジストマスク62の下に存在する部分と付着部50P1とが残り、第1の堆積部50P2は除去される。これにより、付着部50P1には、後で形成される第2の側壁に接触する第2の接触面50P1bが形成される。第2の接触面50P1bは、後に伝播部51の第2の側面51dとなる。この工程において、付着部50P1の表面をエッチングして、付着部50P1の幅を小さくしてもよい。次に、フォトレジストマスク62を除去する。
【0094】
図10は、次の工程を示す。この工程では、まず、開口部243内に、誘電体材料よりなる充填層242Pを形成する。充填層242Pは、突出部241Pの第1の側壁241Pbとの間で付着部50P1を挟む第2の側壁242Pbを有している。付着部50P1の第2の接触面50P1bは、第2の側壁242Pbに接触している。充填層242Pの材料としては、例えば、突出部241P(被エッチング層240P)と同じ材料を用いることができる。充填層242Pは、後に誘電体層24の第2の部分242となるものである。
【0095】
次に、突出部241P、充填層242Pおよび金属膜50Pのそれぞれにおける、ギャップ層22の上面22aから離れた一部を除去する。以下、この工程について、図10および図11を参照して説明する。この工程では、まず、図10に示したように、例えばCMPによって、突出部241Pの上面241Paが露出するまで、金属膜50Pおよびマスク層61を研磨して、第2の堆積部50P3およびマスク層61を除去すると共に、突出部241Pの上面241Paおよび充填層242Pの上面を平坦化する。
【0096】
図11は、次の工程を示す。この工程では、例えばIBEによって、突出部241P、充填層242Pおよび金属膜50Pが所望の厚みになるように、突出部241P、充填層242Pおよび金属膜50Pのそれぞれの一部をエッチングする。IBEによって突出部241P、充填層242Pおよび金属膜50Pをエッチングする際には、イオンビームの進行方向を基板1の上面1aに垂直な方向に対して傾ける。イオンビームの進行方向が基板1の上面1aに垂直な方向に対してなす角度は、例えば65°である。このエッチングにより、突出部241Pは、誘電体層24の第1の部分241となり、充填層242Pは、誘電体層24の第2の部分242となる。
【0097】
次に、金属膜50Pの一部をエッチングすることによって、伝播部51の上面51bの傾斜部51b1を形成する。この工程では、まず、金属膜50Pの上面のうち、少なくとも、後に幅変化部分52の上面52bとなる部分を覆うフォトレジストマスクを形成する。このフォトレジストマスクは、フォトリソグラフィによってフォトレジスト層をパターニングして形成する。次に、このフォトレジストマスクをエッチングマスクとして用いて、例えばIBEによって、金属膜50Pの上面のうちフォトレジストマスクによって覆われていない部分をテーパエッチングする。これにより、傾斜部51b1が形成される。次に、フォトレジストマスクを除去する。以上の一連の工程により、プラズモンジェネレータ50が完成する。
【0098】
以上説明したように、本実施の形態に係る近接場光発生器の製造方法におけるプラズモンジェネレータ50を形成する工程、ならびに本実施の形態に係るプラズモンジェネレータ50の製造方法は、ギャップ層22の上面22aの上に、誘電体材料よりなる突出部241Pを形成する工程と、突出部241Pを形成する工程の後で、後にプラズモンジェネレータ50となる金属膜50Pを形成する工程と、金属膜50Pを形成する工程の後で、誘電体材料よりなる充填層242Pを形成する工程とを備えている。突出部241Pは、ギャップ層22の上面22aに対して高低差を有する上面241Paと、ギャップ層22の上面22aと突出部241Pの上面241Paとを連結する第1の側壁241Pbとを有している。金属膜50Pは、第1の側壁241Pbに付着した付着部50P1を含んでいる。充填層242Pは、第1の側壁241Pbとの間で付着部50P1を挟む第2の側壁242Pbを有している。付着部50P1は、第1の側壁241Pbに接触する第1の接触面50P1aと第2の側壁242Pbに接触する第2の接触面50P1bとを含み、第1の接触面50P1aが伝播部51の第1の側面51cとなり、第2の接触面50P1bが伝播部51の第2の側面51dとなる。
【0099】
本実施の形態によれば、金属膜50Pを形成する工程において形成される金属膜50Pのうち、第1の側壁241Pbに付着した付着部50P1の幅によって、プラズモンジェネレータ50の伝播部51の幅が規定される。この付着部50P1の幅は、フォトリソグラフィによる限界に依存せずに、容易に小さくすることが可能である。これにより、本実施の形態によれば、近接場光発生部51gを含む前端面51eの幅が小さなプラズモンジェネレータ50を製造することが可能になる。
【0100】
以下、本実施の形態におけるその他の効果について説明する。本実施の形態では、プラズモンジェネレータ50は、伝播部51と幅変化部分52とを有している。コア20の上面20bに対向する幅変化部分52の下面52aの幅は、媒体対向面40に近づくに従って小さくなり、下面51aとの境界の位置では、下面51aの幅と等しくなっている。本実施の形態によれば、幅変化部分52が設けられていない場合に比べて、コア20の上面20bに対向するプラズモンジェネレータ50の下面の面積を大きくして、より多くの表面プラズモンを励起させることができる。これにより、本実施の形態によれば、十分な強度の近接場光を発生させることが可能になる。
【0101】
ところで、プラズモンジェネレータ50の厚み(Z方向の寸法)が小さくなると、表面プラズモンの励起効率が低下して、励起される表面プラズモンが少なくなる。そのため、プラズモンジェネレータ50の厚みは、ある程度大きいことが好ましい。本実施の形態では、伝播部51の上面51bは、傾斜部51b1を含んでいる。傾斜部51b1における任意の位置の伝播部51の下面51aからの距離は、任意の位置が前端面51eに近づくに従って小さくなる。これにより、本実施の形態では、媒体対向面40から離れた位置におけるプラズモンジェネレータ50の厚みを大きくしながら、前端面51eのZ方向の寸法を小さくすることができる。その結果、本実施の形態によれば、スポット径が小さく、且つ十分な強度の近接場光を発生させることが可能になる。
【0102】
[第2の実施の形態]
次に、図12ないし図16を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る近接場光発生器の製造方法におけるプラズモンジェネレータ50を形成する工程、ならびに本発明の第2の実施の形態プラズモンジェネレータ50の製造方法について説明する。図13および図14における(a)は、近接場光発生器の製造方法における積層体の上面を示している。図12、図13(b)、図14(b)、図15および図16は、上記積層体の、媒体対向面40が形成される予定の位置における断面を示している。なお、図13および図14における(a)において、記号“ABS”は、媒体対向面40が形成される予定の位置を示している。
【0103】
本実施の形態におけるプラズモンジェネレータ50を形成する工程は、フォトレジストマスク62を除去する工程(図9参照)までは、第1の実施の形態と同様である。図12は、フォトレジストマスク62を除去した後の積層体を示している。なお、本実施の形態では、図6に示した工程で形成されたマスク層61の開口部61aの縁は、第1の側壁241Pbの位置を規定する部分と、幅変化部分52の側面52cおよび後端面52eの位置を規定する部分とを含んでいる。
【0104】
図13は、フォトレジストマスク62を除去した後の工程を示す。この工程では、まず、図12に示した積層体の上に、図示しないフォトレジストマスクを形成する。このフォトレジストマスクは、被エッチング層240Pに形成された開口部243(図6参照)を露出させると共に開口部243よりも広い領域を露出させる開口部を有している。このフォトレジストマスクは、フォトリソグラフィによってフォトレジスト層をパターニングして形成する。次に、このフォトレジストマスクの開口部内に、誘電体材料よりなる充填層242Pを形成する。充填層242Pは、開口部243内と、マスク層61および第2の堆積部50P3の上に形成される。充填層242Pは、充填層242Pのうち開口部243内に形成された部分の上面が、突出部241Pの上面241Paとほぼ同じ高さになるように形成される。次に、図示しないフォトレジストマスクを除去する。
【0105】
次に、突出部241P、充填層242Pおよび金属膜50Pのそれぞれにおける、ギャップ層22の上面22aから離れた一部を除去する。以下、この工程について、図14ないし図16を参照して説明する。図14は、フォトレジストマスクの開口部内に充填層242Pを形成し、フォトレジストマスクを除去した後の工程を示している。この工程では、例えばRIEまたはIBEによって、第2の堆積部50P3およびマスク層61のうち、充填層242Pの下に存在する部分以外の部分をエッチングする。なお、充填層242Pを覆うフォトレジストマスクを形成し、このフォトレジストマスクをエッチングマスクとして用いてもよい。このエッチング工程は、本発明における「第1のエッチング工程」に対応する。
【0106】
図15は、次の工程を示す。この工程では、例えばCMPによって、突出部241P、充填層242P、金属膜50Pおよびマスク層61を研磨して、第2の堆積部50P3およびマスク層61を除去すると共に、突出部241Pの上面241Paおよび充填層242Pの上面を平坦化する。
【0107】
図16は、次の工程を示す。この工程では、例えばIBEによって、突出部241P、充填層242Pおよび金属膜50Pが所望の厚みになるように、突出部241P、充填層242Pおよび金属膜50Pのそれぞれの一部をエッチングする。IBEによって突出部241P、充填層242Pおよび金属膜50Pをエッチングする際には、イオンビームの進行方向を基板1の上面1aに垂直な方向に対して傾ける。イオンビームの進行方向が基板1の上面1aに垂直な方向に対してなす角度は、例えば65°である。このエッチングにより、突出部241Pは、誘電体層24の第1の部分241となり、充填層242Pは、誘電体層24の第2の部分242となる。このエッチング工程は、本発明における「第2のエッチング工程」に対応する。その後の工程は、第1の実施の形態と同様である。
【0108】
次に、本実施の形態の効果について説明する。例えばCMPによって突出部241P、充填層242Pおよび金属膜50Pを研磨する場合、誘電体材料よりなる突出部241Pおよび充填層242Pの研磨速度と、金属材料よりなる金属膜50Pおよびマスク層61の研磨速度は、必ずしも一致しない。また、突出部241Pと充填層242Pの材料が同じ場合であっても、両者の膜質の違いに起因して、充填層242Pの研磨速度が突出部241Pに比べて大きくなる場合がある。そのため、図15に示した研磨工程における研磨時間が長くなると、充填層242Pのうち開口部243内に形成された部分の上面が窪み、その結果、金属膜50Pの付着部50P1が研磨される場合がある。
【0109】
これに対し、本実施の形態では、第1のエッチング工程によって、第2の堆積部50P3、金属膜50Pおよびマスク層61のそれぞれの一部をエッチングして除去している。これにより、図15に示した研磨工程における研磨時間を短くすることができ、その結果、上述の問題が発生することを防止することができる。
【0110】
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0111】
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、本発明のプラズモンジェネレータの製造方法は、プラズモンジェネレータの上面に、誘電体層を介して導波路のコアの下面が対向するように構成された近接場光発生器におけるプラズモンジェネレータの製造にも適用することができる。
【符号の説明】
【0112】
20…コア、22…ギャップ層、24…誘電体層、26…主磁極、50…プラズモンジェネレータ、50P1…付着部、51…伝播部、241…第1の部分、241P…突出部、241Pb…第1の側壁、242…第2の部分、242P…充填層、242Pb…第2の側壁。
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体に近接場光を照射して記録媒体の保磁力を低下させて情報の記録を行う熱アシスト磁気記録に用いられるプラズモンジェネレータの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、磁気ディスク装置等の磁気記録装置では、高記録密度化に伴い、薄膜磁気ヘッドおよび記録媒体の性能向上が要求されている。薄膜磁気ヘッドとしては、基板に対して、読み出し用の磁気抵抗効果素子(以下、MR(Magnetoresistive)素子とも記す。)を有する再生ヘッドと書き込み用の誘導型電磁変換素子を有する記録ヘッドとを積層した構造の複合型薄膜磁気ヘッドが広く用いられている。磁気ディスク装置において、薄膜磁気ヘッドは、磁気記録媒体の表面からわずかに浮上するスライダに設けられる。
【0003】
磁気記録装置において、記録密度を高めるためには、記録媒体の磁性微粒子を小さくすることが効果的である。しかし、磁性微粒子を小さくすると、磁性微粒子の磁化の熱安定性が低下するという問題が発生する。この問題を解消するには、磁性微粒子の異方性エネルギーを大きくすることが効果的である。しかし、磁性微粒子の異方性エネルギーを大きくすると、記録媒体の保磁力が大きくなって、既存の磁気ヘッドでは情報の記録が困難になるという問題が発生する。
【0004】
上述のような問題を解決する方法として、いわゆる熱アシスト磁気記録という方法が提案されている。この方法では、保磁力の大きな記録媒体を使用し、情報の記録時には、記録媒体のうち情報が記録される部分に対して記録磁界と同時に熱も加えて、その部分の温度を上昇させ保磁力を低下させて情報の記録を行う。情報が記録された部分は、その後、温度が低下して保磁力が大きくなり、磁化の熱安定性が高まる。以下、熱アシスト磁気記録に用いられる磁気ヘッドを、熱アシスト磁気記録ヘッドと呼ぶ。
【0005】
熱アシスト磁気記録では、記録媒体に対して熱を加える方法としては、近接場光を用いる方法が一般的である。近接場光を発生させる方法としては、レーザ光によって励起されたプラズモンから近接場光を発生する金属片であるプラズモンジェネレータを用いる方法が知られている。また、一般的に、近接場光の発生に利用されるレーザ光は、スライダに設けられた導波路によって、スライダの媒体対向面の近傍に設けられたプラズモンジェネレータに導かれる。
【0006】
特許文献1には、導波路のコアの表面とプラズモンジェネレータの表面とをギャップを介して対向させ、コアを伝播する光に基づいてコアの表面で発生するエバネッセント光を用いて、プラズモンジェネレータに表面プラズモンを励起させ、この表面プラズモンに基づいて近接場光を発生させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4104584号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
プラズモンジェネレータは、媒体対向面に配置された前端面を有している。この前端面は、近接場光を発生する近接場光発生部を含んでいる。プラズモンジェネレータに励起された表面プラズモンは、プラズモンジェネレータの表面に沿って近接場光発生部に伝播される。その結果、近接場光発生部において表面プラズモンが集中し、この表面プラズモンに基づいて近接場光発生部より近接場光が発生される。
【0009】
記録媒体におけるトラック幅を縮小して記録密度を高めるためには、記録媒体における近接場光のスポット径を小さくする必要がある。そのためには、プラズモンジェネレータの前端面の幅(トラック幅方向の寸法)を小さくすることが求められる。
【0010】
一般的に、プラズモンジェネレータは、フォトリソグラフィを用いて製造される。フォトリソグラフィを用いたプラズモンジェネレータの製造方法としては、例えば、プラズモンジェネレータとなる金属膜を、フォトレジストによって形成されたエッチングマスクを用いてエッチングする方法がある。しかし、このようなフォトリソグラフィを用いたプラズモンジェネレータの製造方法では、フォトリソグラフィによる限界により、プラズモンジェネレータの最小幅を小さくすることが難しく、その結果、プラズモンジェネレータの前端面の幅を小さくすることも難しい。
【0011】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、近接場光発生部を含む前端面の幅が小さなプラズモンジェネレータを製造することができるようにしたプラズモンジェネレータの製造方法および近接場光発生器の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の製造方法によって製造されるプラズモンジェネレータは、光に基づいて励起された表面プラズモンを伝播する伝播部を備えている。伝播部は、下面と、その反対側の上面と、互いに反対側に位置して下面と上面とを連結する第1の側面および第2の側面と、下面、上面、第1の側面および第2の側面を連結する前端面とを有している。前端面は、表面プラズモンに基づいて近接場光を発生する近接場光発生部を含んでいる。
【0013】
本発明のプラズモンジェネレータの製造方法は、
ベース面と、ベース面から突出した突出部とを備え、突出部は、ベース面に対して高低差を有する上面と、ベース面と突出部の上面とを連結する第1の側壁とを有する誘電体材料よりなるベース部を形成する工程と、
ベース部を形成する工程の後で、第1の側壁に付着した付着部を含み、後にプラズモンジェネレータとなる金属膜を形成する工程と、
金属膜を形成する工程の後で、第1の側壁との間で付着部を挟む第2の側壁を有する誘電体材料よりなる充填層を形成する工程とを備えている。
【0014】
付着部は、第1の側壁に接触する第1の接触面と第2の側壁に接触する第2の接触面とを含み、第1の接触面が伝播部の第1の側面となり、第2の接触面が伝播部の第2の側面となる。
【0015】
本発明のプラズモンジェネレータの製造方法において、金属膜は、物理気相成長法によって形成されてもよい。
【0016】
また、本発明のプラズモンジェネレータの製造方法において、金属膜は、更に、ベース面の上であって、第1の側壁との間で付着部を挟む位置に形成された第1の堆積部を含んでいてもよい。この場合、本発明のプラズモンジェネレータの製造方法は、更に、金属膜を形成する工程と充填層を形成する工程の間において、第1の堆積部を除去する工程を含んでいてもよい。
【0017】
また、本発明のプラズモンジェネレータの製造方法は、更に、充填層を形成する工程の後で、突出部、充填層および金属膜のそれぞれにおける、ベース面から離れた一部を除去する工程を備えていてもよい。上記除去する工程は、突出部、充填層および金属膜を研磨する工程を含んでいてもよい。また、上記除去する工程は、更に、上記研磨する工程の後で、突出部、充填層および金属膜のそれぞれの一部をエッチングする工程を含んでいてもよい。
【0018】
また、金属膜は、更に、付着部よりもベース面からより遠い位置に形成された第2の堆積部を含んでいてもよい。この場合、上記除去する工程は、第2の堆積部の少なくとも一部をエッチングする第1のエッチング工程と、第1のエッチング工程の後で、突出部、充填層および金属膜を研磨する工程と、上記研磨する工程の後で、突出部、充填層および金属膜のそれぞれの一部をエッチングする第2のエッチング工程とを含んでいてもよい。
【0019】
また、本発明のプラズモンジェネレータは、伝播部に対して前端面とは反対側に位置して伝播部に連結された幅変化部分を備えていてもよい。幅変化部分は、前端面に近づくに従って小さくなる、伝播部の下面および前端面に平行な方向についての幅を有している。
【0020】
また、本発明のプラズモンジェネレータの製造方法において、ベース部を形成する工程は、ベース面を有するエッチングストッパ層を形成する工程と、エッチングストッパ層の上に、エッチングストッパ層とは異なる材料よりなる被エッチング層を形成する工程と、エッチングストッパ層をエッチングストッパとして用いて被エッチング層の一部をエッチングすることによって、突出部を形成する工程とを含んでいてもよい。
【0021】
また、伝播部の上面は傾斜部を含み、傾斜部における任意の位置の伝播部の下面からの距離は、任意の位置が前端面に近づくに従って小さくなっていてもよい。この場合、本発明のプラズモンジェネレータの製造方法は、更に、充填層を形成する工程の後で、金属膜の一部をエッチングすることによって傾斜部を形成する工程を含んでいてもよい。
【0022】
本発明の製造方法によって製造される近接場光発生器は、導波路と、プラズモンジェネレータとを備えている。導波路は、光を伝播させるコアと、コアの周囲に配置されたクラッドとを有している。コアは、上面を有している。クラッドは、上面を有しコアの上面の上に配置された誘電体材料よりなるギャップ層を含んでいる。プラズモンジェネレータは、ギャップ層の上面の上に配置されている。
【0023】
プラズモンジェネレータは、コアを伝播する光に基づいて励起された表面プラズモンを伝播する伝播部を備えている。伝播部は、下面と、その反対側の上面と、互いに反対側に位置して下面と上面とを連結する第1の側面および第2の側面と、下面、上面、第1の側面および第2の側面を連結する前端面とを有している。前端面は、表面プラズモンに基づいて近接場光を発生する近接場光発生部を含んでいる。
【0024】
本発明の近接場光発生器の製造方法は、
導波路を形成する工程と、
ギャップ層の上面の上に、誘電体材料よりなる突出部であって、ギャップ層の上面に対して高低差を有する上面と、ギャップ層の上面と突出部の上面とを連結する第1の側壁とを有する突出部を形成する工程と、
突出部を形成する工程の後で、第1の側壁に付着した付着部を含み、後にプラズモンジェネレータとなる金属膜を形成する工程と、
金属膜を形成する工程の後で、第1の側壁との間で付着部を挟む第2の側壁を有する誘電体材料よりなる充填層を形成する工程とを備えている。
【0025】
付着部は、第1の側壁に接触する第1の接触面と第2の側壁に接触する第2の接触面とを含み、第1の接触面が伝播部の第1の側面となり、第2の接触面が伝播部の第2の側面となる。
【0026】
本発明の近接場光発生器の製造方法において、金属膜は、物理気相成長法によって形成されてもよい。
【0027】
また、金属膜は、更に、ギャップ層の上面の上であって、第1の側壁との間で付着部を挟む位置に形成された第1の堆積部を含んでいてもよい。この場合、本発明の近接場光発生器の製造方法は、更に、金属膜を形成する工程と充填層を形成する工程の間において、第1の堆積部を除去する工程を含んでいてもよい。
【0028】
また、本発明の近接場光発生器の製造方法は、更に、充填層を形成する工程の後で、突出部、充填層および金属膜のそれぞれにおける、ギャップ層の上面から離れた一部を除去する工程を備えていてもよい。上記除去する工程は、突出部、充填層および金属膜を研磨する工程を含んでいてもよい。また、上記除去する工程は、更に、上記研磨する工程の後で、突出部、充填層および金属膜のそれぞれの一部をエッチングする工程を含んでいてもよい。
【0029】
また、金属膜は、更に、付着部よりもギャップ層の上面からより遠い位置に形成された第2の堆積部を含んでいてもよい。この場合、上記除去する工程は、第2の堆積部の少なくとも一部をエッチングする第1のエッチング工程と、第1のエッチング工程の後で、突出部、充填層および金属膜を研磨する工程と、上記研磨する工程の後で、突出部、充填層および金属膜のそれぞれの一部をエッチングする第2のエッチング工程とを含んでいてもよい。
【0030】
また、本発明の近接場光発生器の製造方法において、プラズモンジェネレータは、伝播部に対して前端面とは反対側に位置して伝播部に連結された幅変化部分を備えていてもよい。幅変化部分は、前端面に近づくに従って小さくなる、伝播部の下面および前端面に平行な方向についての幅を有している。
【0031】
また、本発明の近接場光発生器の製造方法において、突出部を形成する工程は、ギャップ層の上面の上に、ギャップ層とは異なる材料よりなる被エッチング層を形成する工程と、ギャップ層をエッチングストッパとして用いて被エッチング層の一部をエッチングすることによって、突出部を形成する工程とを含んでいてもよい。
【0032】
また、伝播部の上面は傾斜部を含み、傾斜部における任意の位置の伝播部の下面からの距離は、任意の位置が前端面に近づくに従って小さくなっていてもよい。この場合、本発明の近接場光発生器の製造方法は、更に、充填層を形成する工程の後で、金属膜の一部をエッチングすることによって傾斜部を形成する工程を含んでいてもよい。
【発明の効果】
【0033】
本発明のプラズモンジェネレータの製造方法および近接場光発生器の製造方法では、金属膜を形成する工程において形成される金属膜のうち、第1の側壁に付着した付着部の幅によって、プラズモンジェネレータの伝播部の幅が規定される。この付着部の幅は、フォトリソグラフィによる限界に依存せずに、容易に小さくすることが可能である。これにより、本発明によれば、近接場光発生部を含む前端面の幅が小さなプラズモンジェネレータを製造することが可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るプラズモンジェネレータを示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における熱アシスト磁気記録ヘッドの要部を示す斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における熱アシスト磁気記録ヘッドの構成を示す断面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における熱アシスト磁気記録ヘッドの媒体対向面を示す正面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る近接場光発生器の製造方法における一工程を示す説明図である。
【図6】図5に示した工程に続く工程を示す説明図である。
【図7】図6に示した工程に続く工程を示す説明図である。
【図8】図7に示した工程に続く工程を示す説明図である。
【図9】図8に示した工程に続く工程を示す説明図である。
【図10】図9に示した工程に続く工程を示す説明図である。
【図11】図10に示した工程に続く工程を示す説明図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係る近接場光発生器の製造方法における一工程を示す断面図である。
【図13】図12に示した工程に続く工程を示す説明図である。
【図14】図13に示した工程を示す説明図である。
【図15】図14に示した工程に続く工程を示す断面図である。
【図16】図15に示した工程に続く工程を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。始めに、図3および図4を参照して、本発明の第1の実施の形態における熱アシスト磁気記録ヘッドの構成について説明する。図3は、熱アシスト磁気記録ヘッドの構成を示す断面図である。図4は、熱アシスト磁気記録ヘッドの媒体対向面を示す正面図である。
【0036】
本実施の形態における熱アシスト磁気記録ヘッドは、垂直磁気記録用であり、回転する記録媒体の表面から浮上するスライダの形態を有している。記録媒体が回転すると、記録媒体とスライダとの間を通過する空気流によって、スライダに揚力が生じる。スライダは、この揚力によって記録媒体の表面から浮上するようになっている。
【0037】
図3に示したように、熱アシスト磁気記録ヘッドは、記録媒体に対向する媒体対向面40を備えている。ここで、X方向、Y方向、Z方向を以下のように定義する。X方向は、記録媒体のトラック横断方向すなわちトラック幅方向である。Y方向は、媒体対向面40に垂直な方向である。Z方向は、スライダから見た記録媒体の進行方向である。X方向、Y方向、Z方向は互いに直交している。
【0038】
図3および図4に示したように、熱アシスト磁気記録ヘッドは、アルミニウムオキサイド・チタニウムカーバイド(Al2O3・TiC)等のセラミック材料よりなり、上面1aを有する基板1と、この基板1の上面1a上に配置された絶縁材料よりなる絶縁層2と、この絶縁層2の上に配置された磁性材料よりなる下部シールド層3と、絶縁層2の上において下部シールド層3の周囲に配置された絶縁層4とを備えている。絶縁層2,4は、例えばアルミナ(Al2O3)によって形成されている。Z方向は、基板1の上面1aに垂直な方向でもある。
【0039】
熱アシスト磁気記録ヘッドは、更に、下部シールド層3および絶縁層4の上面の上に配置された絶縁膜である下部シールドギャップ膜5と、この下部シールドギャップ膜5の上に配置された再生素子としてのMR(磁気抵抗効果)素子6と、このMR素子6に接続された2つのリード(図示せず)と、MR素子6の上に配置された絶縁膜である上部シールドギャップ膜7とを備えている。
【0040】
MR素子6の一端部は、記録媒体に対向する媒体対向面40に配置されている。MR素子6には、AMR(異方性磁気抵抗効果)素子、GMR(巨大磁気抵抗効果)素子あるいはTMR(トンネル磁気抵抗効果)素子等の磁気抵抗効果を示す感磁膜を用いた素子を用いることができる。GMR素子としては、磁気的信号検出用の電流を、GMR素子を構成する各層の面に対してほぼ平行な方向に流すCIP(Current In Plane)タイプでもよいし、磁気的信号検出用の電流を、GMR素子を構成する各層の面に対してほぼ垂直な方向に流すCPP(Current Perpendicular to Plane)タイプでもよい。
【0041】
熱アシスト磁気記録ヘッドは、更に、上部シールドギャップ膜7の上に配置された磁性材料よりなる上部シールド層8と、上部シールドギャップ膜7の上において上部シールド層8の周囲に配置された絶縁層9とを備えている。絶縁層9は、例えばアルミナによって形成されている。下部シールド層3から上部シールド層8までの部分は、再生ヘッドを構成する。
【0042】
熱アシスト磁気記録ヘッドは、更に、非磁性材料よりなり、上部シールド層8および絶縁層9の上に配置された非磁性層10と、非磁性層10の上に配置された磁性材料よりなるリターン磁極層11と、非磁性層10の上においてリターン磁極層11の周囲に配置された絶縁層12とを備えている。リターン磁極層11は、媒体対向面40に配置された端面を有している。非磁性層10および絶縁層12は、例えばアルミナによって形成されている。
【0043】
熱アシスト磁気記録ヘッドは、更に、媒体対向面40から離れた位置においてリターン磁極層11の一部の上に配置された2つの連結部13A,13Bと、リターン磁極層11の他の部分および絶縁層12の上に配置された絶縁層14と、この絶縁層14の上に配置されたコイル15とを備えている。連結部13A,13Bは、磁性材料によって形成されている。連結部13A,13Bは、それぞれ、リターン磁極層11の上に配置された第1層と、この第1層の上に順に配置された第2層、第3層、第4層および第5層とを有している。連結部13Aの第1層と連結部13Bの第1層は、トラック幅方向(X方向)に並ぶように配置されている。コイル15は、平面渦巻き形状をなし、連結部13A,13Bの第1層を中心として巻回されている。コイル15は、銅等の導電材料によって形成されている。絶縁層14は、例えばアルミナによって形成されている。
【0044】
熱アシスト磁気記録ヘッドは、更に、コイル15の巻線間に配置された絶縁層16と、コイル15の周囲に配置された絶縁層17と、コイル15および絶縁層16,17の上に配置された絶縁層18とを備えている。絶縁層16は、例えばフォトレジストによって形成されている。絶縁層17,18は、例えばアルミナによって形成されている。連結部13A,13Bの第1層は、絶縁層14,17に埋め込まれている。
【0045】
熱アシスト磁気記録ヘッドは、更に、コア20と、コア20の周囲に配置されたクラッドとを有する導波路を備えている。コア20は、媒体対向面40により近い端面20aと、上面20bとを有している。端面20aは、媒体対向面40に配置されていてもよいし、媒体対向面40から離れた位置に配置されていてもよい。図3および図4には、端面20aが媒体対向面40に配置された例を示している。
【0046】
クラッドは、クラッド層19,21と、上面22aを有するギャップ層22とを含んでいる。クラッド層19は、絶縁層18の上に配置されている。コア20は、クラッド層19の上に配置されている。クラッド層21は、クラッド層19の上においてコア20の周囲に配置されている。コア20の上面20bおよびクラッド層21の上面は平坦化されている。ギャップ層22は、コア20の上面20bおよびクラッド層21の上面の上に配置されている。
【0047】
コア20は、近接場光の発生に用いられるレーザ光を通過させる誘電体材料によって形成されている。コア20には、図示しないレーザダイオードから出射されたレーザ光が入射され、このレーザ光はコア20内を伝播する。クラッド層19,21およびギャップ層22は、コア20の屈折率よりも小さい屈折率を有する誘電体材料によって形成されている。コア20の材料としては、例えば、Ta2O5等の酸化タンタルや酸窒化ケイ素(SiON)が用いられ、クラッド層19,21およびギャップ層22の材料としては、例えば、酸化ケイ素(SiO2)やアルミナが用いられる。
【0048】
連結部13A,13Bの第2層は、絶縁層18およびクラッド層19に埋め込まれている。連結部13A,13Bの第3層は、クラッド層21に埋め込まれている。連結部13Aの第3層と連結部13Bの第3層は、コア20のトラック幅方向(X方向)の両側において、コア20に対して間隔をあけて配置されている。
【0049】
熱アシスト磁気記録ヘッドは、更に、媒体対向面40の近傍において、ギャップ層22の上面22aの上に配置されたプラズモンジェネレータ50と、ギャップ層22の上面22aの上においてプラズモンジェネレータ50の周囲に配置された誘電体層24と、プラズモンジェネレータ50および誘電体層24の上に配置された誘電体層25とを備えている。連結部13A,13Bの第4層は、ギャップ層22および誘電体層24に埋め込まれている。
【0050】
プラズモンジェネレータ50は、金属によって形成されている。具体的には、プラズモンジェネレータ50は、例えば、Au、Ag、Al、Cu、Pd、Pt、Rh、Irのいずれか、またはこれらのうちの複数の元素よりなる合金によって形成されている。プラズモンジェネレータ50の形状については、後で詳しく説明する。
【0051】
誘電体層24は、ギャップ層22とは異なる誘電体材料によって形成されている。ギャップ層22の材料としてアルミナが用いられる場合には、誘電体層24の材料としては、例えばSiO2が用いられる。誘電体層25は、例えばアルミナによって形成されている。
【0052】
熱アシスト磁気記録ヘッドは、更に、誘電体層25の上において、コア20との間にプラズモンジェネレータ50を挟む位置に配置された磁性材料よりなる主磁極26と、主磁極26の周囲に配置された誘電体層27とを備えている。連結部13A,13Bの第5層は、誘電体層25,27に埋め込まれている。主磁極26、誘電体層27および連結部13A,13Bの第5層の上面は平坦化されている。誘電体層27は、例えばSiO2によって形成されている。主磁極26の形状については、後で詳しく説明する。
【0053】
熱アシスト磁気記録ヘッドは、更に、誘電体層27の上に配置されたコイル28と、コイル28を覆うように配置された絶縁層29と、主磁極26、連結部13A,13B、誘電体層27および絶縁層29の上に配置された磁性材料よりなるヨーク層30とを備えている。ヨーク層30は、主磁極26と連結部13A,13Bを磁気的に連結している。コイル28は、平面渦巻き形状をなし、ヨーク層30のうち連結部13A,13Bの上に配置された部分を中心として巻回されている。コイル28は、銅等の導電材料によって形成されている。絶縁層29は、例えばフォトレジストによって形成されている。
【0054】
熱アシスト磁気記録ヘッドは、更に、ヨーク層30を覆うように配置された保護層31を備えている。保護層31は、例えばアルミナによって形成されている。
【0055】
リターン磁極層11からヨーク層30までの部分は、記録ヘッドを構成する。コイル15,28は、記録媒体に記録する情報に応じた磁界を発生する。リターン磁極層11、連結部13A,13B、ヨーク層30および主磁極26は、コイル15,28が発生する磁界に対応した磁束を通過させる磁路を形成する。コイル15,28は、主磁極26において、コイル15によって発生された磁界に対応する磁束とコイル28によって発生された磁界に対応する磁束が同じ方向に流れるように、直列または並列に接続されている。主磁極26は、コイル15によって発生された磁界に対応する磁束とコイル28によって発生された磁界に対応する磁束とを通過させて、垂直磁気記録方式によって情報を記録媒体に記録するための記録磁界を発生する。
【0056】
以上説明したように、本実施の形態における熱アシスト磁気記録ヘッドは、記録媒体に対向する媒体対向面40と再生ヘッドと記録ヘッドとを備えている。再生ヘッドと記録ヘッドは、基板1の上に積層されている。記録ヘッドは、再生ヘッドに対して、記録媒体の進行方向(Z方向)の前側(トレーリング側)に配置されている。
【0057】
再生ヘッドは、再生素子としてのMR素子6と、媒体対向面40側の一部がMR素子6を挟んで対向するように配置された、MR素子6をシールドするための下部シールド層3および上部シールド層8と、MR素子6と下部シールド層3との間に配置された下部シールドギャップ膜5と、MR素子6と上部シールド層8との間に配置された上部シールドギャップ膜7とを備えている。
【0058】
記録ヘッドは、コイル15,28と、主磁極26と、本実施の形態に係る近接場光発生器とを備えている。近接場光発生器は、導波路と、プラズモンジェネレータ50とを備えている。導波路は、光を伝播させるコア20と、コア20の周囲に配置されたクラッドとを有している。本実施の形態では、特に、コア20は、図示しないレーザダイオードから出射されたレーザ光を伝播させる。クラッドは、クラッド層19,21とギャップ層22とを含んでいる。
【0059】
コア20は、上面20bを有している。ギャップ層22は、上面22aを有し、コア20の上面20bの上に配置されている。プラズモンジェネレータ50は、ギャップ層22の上面22aの上に配置されている。
【0060】
次に、図1および図2を参照して、プラズモンジェネレータ50の形状について詳しく説明する。図1は、プラズモンジェネレータ50を示す斜視図である。図2は、熱アシスト磁気記録ヘッドの要部を示す斜視図である。図1に示したように、プラズモンジェネレータ50は、媒体対向面40の近傍に配置された伝播部51と、この伝播部51よりも媒体対向面40から遠い位置に配置された幅変化部分52とを備えている。
【0061】
伝播部51は、下面51aと、その反対側の上面51bと、互いに反対側に位置して下面51aと上面51bとを連結する第1の側面51cおよび第2の側面51dと、媒体対向面40に配置され、下面51a、上面51b、第1の側面51cおよび第2の側面51dを連結する前端面51eとを有している。
【0062】
下面51aは、基板1の上面1aに平行であり、コア20の上面20bに対して所定の間隔をもって対向している。前端面51eは、下面51aの一端に位置し、表面プラズモンに基づいて近接場光を発生する近接場光発生部51gを含んでいる。
【0063】
上面51bは、傾斜部51b1を含んでいる。傾斜部51b1における任意の位置の伝播部51の下面51aからの距離は、任意の位置が前端面51eに近づくに従って小さくなっている。上面51bは、傾斜部51b1に対して媒体対向面40により近い位置または媒体対向面40からより遠い位置に配置されて傾斜部51b1に続く平坦部を含んでいてもよい。この平坦部は、下面51aに平行である。
【0064】
媒体対向面40に平行な伝播部51の断面の形状は、例えば矩形である。媒体対向面40および基板1の上面1aに平行な方向(X方向)についての伝播部51の幅は、媒体対向面40からの距離によらずに一定であってもよいし、媒体対向面40に近づくに従って小さくなっていてもよい。前端面51eの幅(トラック幅方向(X方向)の寸法)は、媒体対向面40における伝播部51の幅によって規定される。前端面51eの幅は、例えば5〜50nmの範囲内である。
【0065】
幅変化部分52は、伝播部51に対して前端面51eとは反対側に位置して伝播部51に連結されている。幅変化部分52は、下面52aと、その反対側の上面52bと、互いに反対側に位置して下面52aと上面52bとを連結する第1の側面52cおよび第2の側面52dと、下面52a、上面52b、第1の側面52cおよび第2の側面52dを連結する後端面52eとを有している。
【0066】
下面52aは、伝播部51の下面51aに連続するように、下面51aに対して媒体対向面40からより遠い位置に配置されている。上面52bは、伝播部51の上面51bに連続するように、上面51bに対して媒体対向面40からより遠い位置に配置されている。第1の側面52cは、伝播部51の第1の側面51cに連続するように、第1の側面51cに対して媒体対向面40からより遠い位置に配置されている。第2の側面52dは、伝播部51の第2の側面51dに連続するように、第2の側面51dに対して媒体対向面40からより遠い位置に配置されている。
【0067】
媒体対向面40に平行な幅変化部分52の断面の形状は、例えば矩形である。幅変化部分52は、伝播部51の下面51aおよび前端面51eに平行な方向(媒体対向面40および基板1の上面1aに平行な方向と同じ)についての幅を有している。この幅は、前端面51eに近づくに従って小さくなり、伝播部51との境界の位置では伝播部51の幅と等しくなっている。コア20の上面20bに対向する幅変化部分52の下面52aの幅は、媒体対向面40に近づくに従って小さくなり、伝播部51の下面51aとの境界の位置では、下面51aの幅と等しくなっている。
【0068】
プラズモンジェネレータ50の平面形状は、誘電体層24によって規定されている。誘電体層24は、プラズモンジェネレータ50のトラック幅方向(X方向)の両側に配置された第1の部分241および第2の部分242を有している。第1の部分241は、伝播部51の第1の側面51cに接触する第1の側壁241Pbを有している。図示しないが、第2の部分242は、伝播部51の第2の側面51dに接触する第2の側壁を有している。図1は、第2の部分242を除いた状態を示している。
【0069】
次に、図2および図3を参照して、主磁極26の形状の一例について説明する。主磁極26は、媒体対向面40に配置された前端面26aと、前端面26aとは反対側の後端面26bと、下面26cと、上面26dと、2つの側面26e,26fとを有している。下面26cの一部は、誘電体層25を介して伝播部51の上面51bの傾斜部51b1に対向している。下面26cにおける任意の位置の基板1の上面1aからの距離は、任意の位置が媒体対向面40から離れるに従って大きくなっている。なお、主磁極26の形状は、図2および図3を参照して説明した上記の例に限られない。
【0070】
次に、本実施の形態における近接場光発生の原理と、近接場光を用いた熱アシスト磁気記録の原理について詳しく説明する。図示しないレーザダイオードから出射されたレーザ光はコア20に入射される。図3に示したように、レーザ光60は、コア20内を媒体対向面40に向けて伝播して、プラズモンジェネレータ50の近傍に達する。ここで、コア20の上面20bにおいて、レーザ光60が全反射することによって、ギャップ層22内にしみ出すエバネッセント光が発生する。そして、プラズモンジェネレータ50の少なくとも幅変化部分52の下面52aにおいて、上記エバネッセント光と結合することによって、表面プラズモンが励起される。
【0071】
幅変化部分52の下面52aに励起された表面プラズモンは、下面52aを伝播して伝播部51の下面51aに到達し、更に下面51aを伝播して近接場光発生部51gに到達する。その結果、近接場光発生部51gにおいて表面プラズモンが集中し、この表面プラズモンに基づいて、近接場光発生部51gから近接場光が発生する。この近接場光は、記録媒体に向けて照射され、記録媒体の表面に達し、記録媒体の磁気記録層の一部を加熱する。これにより、その磁気記録層の一部の保磁力が低下する。熱アシスト磁気記録では、このようにして保磁力が低下した磁気記録層の一部に対して、主磁極26より発生される記録磁界を印加することによってデータの記録が行われる。
【0072】
次に、図3および図4を参照して、本実施の形態における熱アシスト磁気記録ヘッドの製造方法について説明する。本実施の形態における熱アシスト磁気記録ヘッドの製造方法は、複数の熱アシスト磁気記録ヘッドの基板1となる部分を含む基板上に、複数の熱アシスト磁気記録ヘッドの基板1以外の構成要素を形成して、それぞれ後に熱アシスト磁気記録ヘッドとなるヘッド予定部が複数列に配列された基礎構造物を作製する工程と、この基礎構造物を切断することによって複数のヘッド予定部を互いに分離して、複数の熱アシスト磁気記録ヘッドを形成する工程とを備えている。複数の熱アシスト磁気記録ヘッドを形成する工程では、切断によって形成された面を研磨して媒体対向面40を形成する。
【0073】
以下、1つの熱アシスト磁気記録ヘッドに注目して、本実施の形態における熱アシスト磁気記録ヘッドの製造方法を更に詳しく説明する。本実施の形態における熱アシスト磁気記録ヘッドの製造方法では、まず、基板1の上に絶縁層2を形成する。次に、絶縁層2の上に下部シールド層3を形成する。次に、下部シールド層3を覆うように絶縁層4を形成する。次に、例えば化学機械研磨(以下、CMPと記す。)によって、下部シールド層3が露出するまで絶縁層4を研磨する。
【0074】
次に、下部シールド層3および絶縁層4の上に下部シールドギャップ膜5を形成する。次に、下部シールドギャップ膜5の上にMR素子6と、MR素子6に接続される図示しない2つのリードとを形成する。次に、MR素子6およびリードを覆うように上部シールドギャップ膜7を形成する。次に、上部シールドギャップ膜7の上に上部シールド層8を形成する。次に、上部シールド層8を覆うように絶縁層9を形成する。次に、例えばCMPによって、上部シールド層8が露出するまで絶縁層9を研磨する。
【0075】
次に、上部シールド層8および絶縁層9の上に非磁性層10を形成する。次に、非磁性層10の上にリターン磁極層11を形成する。次に、リターン磁極層11を覆うように絶縁層12を形成する。次に、例えばCMPによって、リターン磁極層11が露出するまで絶縁層12を研磨する。次に、リターン磁極層11および絶縁層12の上に、絶縁層14を形成する。
【0076】
次に、絶縁層14を選択的にエッチングして、絶縁層14に、リターン磁極層11の上面を露出させる2つの開口部を形成する。次に、リターン磁極層11の上に、連結部13A,13Bのそれぞれの第1層を形成する。次に、絶縁層14の上にコイル15を形成する。次に、コイル15の巻線間に絶縁層16を形成する。次に、積層体の上面全体の上に、絶縁層17を形成する。次に、例えばCMPによって、連結部13A,13Bのそれぞれの第1層、コイル15および絶縁層16が露出するまで絶縁層17を研磨して、連結部13A,13Bのそれぞれの第1層、コイル15および絶縁層16,17の上面を平坦化する。次に、連結部13A,13Bのそれぞれの第1層、コイル15および絶縁層16,17の上に、絶縁層18を形成する。
【0077】
次に、絶縁層18を選択的にエッチングして、絶縁層18に、連結部13A,13Bのそれぞれの第1層の上面を露出させる開口部を形成する。次に、連結部13A,13Bのそれぞれの第1層の上に、連結部13A,13Bのそれぞれの第2層を形成する。次に、連結部13A,13Bのそれぞれの第2層を覆うようにクラッド層19を形成する。次に、例えばCMPによって、連結部13A,13Bのそれぞれの第2層が露出するまでクラッド層19を研磨する。
【0078】
次に、連結部13A,13Bのそれぞれの第2層の上に、連結部13A,13Bのそれぞれの第3層を形成する。次に、クラッド層19の上にコア20を形成する。次に、積層体の上面全体の上に、クラッド層21を形成する。次に、例えばCMPによって、連結部13A,13Bのそれぞれの第3層とコア20が露出するまでクラッド層21を研磨して、連結部13A,13Bのそれぞれの第3層、コア20およびクラッド層21の上面を平坦化する。次に、連結部13A,13Bのそれぞれの第3層、コア20およびクラッド層21の上に、ギャップ層22を形成する。
【0079】
次に、ギャップ層22を選択的にエッチングして、ギャップ層22に、連結部13A,13Bのそれぞれの第3層の上面を露出させる開口部を形成する。次に、連結部13A,13Bのそれぞれの第3層の上に、連結部13A,13Bのそれぞれの第4層を形成する。次に、ギャップ層22の上に、プラズモンジェネレータ50および誘電体層24を形成する。次に、連結部13A,13Bのそれぞれの第4層、プラズモンジェネレータ50および誘電体層24の上に、誘電体層25を形成する。プラズモンジェネレータ50を形成する工程については、後で詳しく説明する。
【0080】
次に、誘電体層25を選択的にエッチングして、誘電体層25に、連結部13A,13Bのそれぞれの第4層の上面を露出させる開口部を形成する。次に、連結部13A,13Bのそれぞれの第4層の上に、連結部13A,13Bのそれぞれの第5層を形成する。次に、連結部13A,13Bのそれぞれの第5層を覆うように誘電体層27を形成する。次に、例えばCMPによって、連結部13A,13Bのそれぞれの第5層が露出するまで誘電体層27を研磨する。
【0081】
次に、例えば反応性イオンエッチング(以下、RIEと記す。)またはイオンビームエッチング(以下、IBEと記す。)によって、誘電体層27をテーパエッチングして、誘電体層27に、主磁極26を収容する収容部を形成する。次に、誘電体層27の収容部内に主磁極26を形成する。次に、誘電体層27の上にコイル28を形成する。次に、コイル28を覆うように絶縁層29を形成する。次に、主磁極26、連結部13A,13Bのそれぞれの第5層、誘電体層27および絶縁層29の上に、ヨーク層30を形成する。次に、ヨーク層30を覆うように保護層31を形成する。次に、保護層31の上面に配線や端子等を形成する。
【0082】
このようにして、基礎構造物が完成したら、この基礎構造物を切断することによって複数のヘッド予定部を互いに分離し、媒体対向面40の研磨、浮上用レールの作製等を行って、熱アシスト磁気記録ヘッドが完成する。
【0083】
次に、本実施の形態に係る近接場光発生器の製造方法について説明する。本実施の形態に係る近接場光発生器の製造方法は、導波路を形成する工程と、プラズモンジェネレータ50を形成する工程とを備えている。導波路を形成する工程は、クラッド層19を形成する工程と、コア20を形成する工程と、クラッド層21を形成する工程と、ギャップ層22を形成する工程とを含んでいる。
【0084】
以下、図5ないし図11を参照して、プラズモンジェネレータ50を形成する工程について詳しく説明する。以下の説明は、本実施の形態に係るプラズモンジェネレータ50の製造方法の説明を含んでいる。図5ないし図11において、(a)は、近接場光発生器の製造過程における積層体の上面を示している。図5ないし図11において、(b)は、上記積層体の、媒体対向面40が形成される予定の位置における断面を示している。なお、図5ないし図11における(a)において、記号“ABS”は、媒体対向面40が形成される予定の位置を示している。
【0085】
プラズモンジェネレータ50を形成する工程では、まず、ギャップ層22の上面22aの上に、誘電体材料よりなる突出部を形成する。以下、この工程について、図5および図6を参照して説明する。図5は、連結部13A,13Bのそれぞれの第4層を形成した後の工程を示している。この工程では、まず、ギャップ層22の上面22aの上に、ギャップ層22とは異なる誘電体材料よりなる被エッチング層240Pを形成する。この被エッチング層240Pは、後に一部がエッチングされることによって突出部となるものである。ギャップ層22の材料としてアルミナが用いられる場合には、被エッチング層240Pの材料としては、例えばSiO2が用いられる。次に、被エッチング層240Pの上面上に、Ruよりなるマスク層61を形成する。
【0086】
図6は、次の工程を示す。この工程では、まず、マスク層61の上に、マスク層61の上面の一部を露出させる開口部を有する図示しないフォトレジストマスクを形成する。このフォトレジストマスクは、フォトリソグラフィによってフォトレジスト層をパターニングして形成する。次に、このフォトレジストマスクをエッチングマスクとして用いて、例えばIBEによって、マスク層61のうちフォトレジストマスクの開口部から露出する部分を除去する。これにより、マスク層61に、被エッチング層240Pの上面の一部を露出させる開口部61aが形成される。開口部61aの縁は、第1の側壁241Pbの位置を規定する部分と、幅変化部分52の第1の側面52cの位置を規定する部分とを含んでいる。次に、図示しないフォトレジストマスクを除去する。
【0087】
次に、マスク層61をエッチングマスクとして用いて、例えばRIEによって、被エッチング層240Pのうちマスク層61の開口部61aから露出する部分をエッチングして除去する。その際、ギャップ層22は、エッチングを停止させるエッチングストッパとして機能する。これにより、被エッチング層240Pに、ギャップ層22の上面22aの一部を露出させる開口部243が形成される。このように被エッチング層240Pの一部がエッチングされることにより、ギャップ層22の上面22aの上に、誘電体材料よりなる突出部241Pが形成される。突出部241Pは、ギャップ層22の上面22aに対して高低差を有する上面241Paと、ギャップ層22の上面22aと突出部241Pの上面241Paとを連結する第1の側壁241Pbとを有している。突出部241Pは、後に誘電体層24の第1の部分241となるものである。
【0088】
ギャップ層22および突出部241Pからなる積層体は、本発明のプラズモンジェネレータの製造方法における「ベース部」に対応する。また、ギャップ層22の上面22aは、本発明のプラズモンジェネレータの製造方法における「ベース面」に対応する。
【0089】
図7は、次の工程を示す。この工程では、例えばリフトオフ法によって、図6に示した積層体の上面の一部の上に、後にプラズモンジェネレータ50となる金属膜50Pを形成する。具体的には、まず、図6に示した積層体の上に、開口部を有する図示しないフォトレジストマスクを形成する。このフォトレジストマスクは、フォトリソグラフィによってフォトレジスト層をパターニングして形成する。開口部は、図6に示した積層体上において、少なくとも、後にプラズモンジェネレータ50が配置される領域を露出させる。この領域は、突出部241Pの上面241Paの一部と、ギャップ層22の上面22aの一部と、第1の側壁241Pbを含んでいる。また、開口部の縁は、幅変化部分52の後端面52eの位置を規定する部分を含んでいる。次に、物理気相成長法、例えばスパッタ法によって、上記フォトレジストマスクを含む積層体全体の上に金属膜50Pを形成する。次に、フォトレジストマスクをリフトオフする。このようにして、突出部241Pの上面241Paの一部と、ギャップ層22の上面22aの一部と、第1の側壁241Pbの上に金属膜50Pが形成される。
【0090】
金属膜50Pは、第1の側壁241Pbに付着した付着部50P1と、ギャップ層22の上面22aの上であって、第1の側壁241Pbとの間で付着部50P1を挟む位置に形成された第1の堆積部50P2と、付着部50P1よりもギャップ層22の上面22aからより遠い位置に形成された第2の堆積部50P3とを含んでいる。付着部50P1は、金属膜50Pを形成するための金属材料が第1の側壁241Pbに付着することによって形成される。第1の堆積部50P2は、金属膜50Pを形成するための金属材料が、ギャップ層22の上面22a上に堆積することによって形成される。第2の堆積部50P3は、金属膜50Pを形成するための金属材料が、マスク層61の上面上に堆積することによって形成される。金属膜50Pは、更に、ギャップ層22の上面22aの上に形成された部分であって、後にプラズモンジェネレータ50の幅変化部分52となる部分を含む第3の堆積部50P4を含んでいる。第3の堆積部50P4は、金属膜50Pを形成するための金属材料が、ギャップ層22の上面22a上に堆積することによって形成される。第3の堆積部50P4は、第1の堆積部50P2に連続している。図7(a)では、第1の堆積部50P2と第3の堆積部50P4の境界の位置を点線で示している。また、図7(b)では、付着部50P1と第1の堆積部50P2の境界の位置と、付着部50P1と第2の堆積部50P3の境界の位置を、それぞれ点線で示している。第2の堆積部50P3の一部は、マスク層61の上に位置する。
【0091】
付着部50P1は、第1の側壁241Pbに接触する第1の接触面50P1aを含んでいる。第1の接触面50P1aは、後に伝播部51の第1の側面51cとなる。
【0092】
図8は、次の工程を示す。この工程では、金属膜50Pの上に、例えば三角形の平面形状を有するフォトレジストマスク62を形成する。フォトレジストマスク62は、フォトリソグラフィによってフォトレジスト層をパターニングして形成する。フォトレジストマスク62は、第3の堆積部50P4のうち後に幅変化部分52となる部分と、第2の堆積部50P3の一部を覆っている。フォトレジストマスク62は、幅変化部分52の第2の側面52dの位置を規定する壁面を有している。
【0093】
図9は、次の工程を示す。この工程では、まず、フォトレジストマスク62をエッチングマスクとして用いて、例えばIBEによって、付着部50P1が残るように、金属膜50Pをエッチングする。IBEによって金属膜50Pをエッチングする際には、イオンビームの進行方向を基板1の上面1aに垂直な方向に対して傾けてもよい。イオンビームの進行方向が基板1の上面1aに垂直な方向に対してなす角度は、例えば0°〜20°の範囲内であり、0°〜5°の範囲内であることが好ましい。このエッチングの後では、金属膜50Pのうち、フォトレジストマスク62の下に存在する部分と付着部50P1とが残り、第1の堆積部50P2は除去される。これにより、付着部50P1には、後で形成される第2の側壁に接触する第2の接触面50P1bが形成される。第2の接触面50P1bは、後に伝播部51の第2の側面51dとなる。この工程において、付着部50P1の表面をエッチングして、付着部50P1の幅を小さくしてもよい。次に、フォトレジストマスク62を除去する。
【0094】
図10は、次の工程を示す。この工程では、まず、開口部243内に、誘電体材料よりなる充填層242Pを形成する。充填層242Pは、突出部241Pの第1の側壁241Pbとの間で付着部50P1を挟む第2の側壁242Pbを有している。付着部50P1の第2の接触面50P1bは、第2の側壁242Pbに接触している。充填層242Pの材料としては、例えば、突出部241P(被エッチング層240P)と同じ材料を用いることができる。充填層242Pは、後に誘電体層24の第2の部分242となるものである。
【0095】
次に、突出部241P、充填層242Pおよび金属膜50Pのそれぞれにおける、ギャップ層22の上面22aから離れた一部を除去する。以下、この工程について、図10および図11を参照して説明する。この工程では、まず、図10に示したように、例えばCMPによって、突出部241Pの上面241Paが露出するまで、金属膜50Pおよびマスク層61を研磨して、第2の堆積部50P3およびマスク層61を除去すると共に、突出部241Pの上面241Paおよび充填層242Pの上面を平坦化する。
【0096】
図11は、次の工程を示す。この工程では、例えばIBEによって、突出部241P、充填層242Pおよび金属膜50Pが所望の厚みになるように、突出部241P、充填層242Pおよび金属膜50Pのそれぞれの一部をエッチングする。IBEによって突出部241P、充填層242Pおよび金属膜50Pをエッチングする際には、イオンビームの進行方向を基板1の上面1aに垂直な方向に対して傾ける。イオンビームの進行方向が基板1の上面1aに垂直な方向に対してなす角度は、例えば65°である。このエッチングにより、突出部241Pは、誘電体層24の第1の部分241となり、充填層242Pは、誘電体層24の第2の部分242となる。
【0097】
次に、金属膜50Pの一部をエッチングすることによって、伝播部51の上面51bの傾斜部51b1を形成する。この工程では、まず、金属膜50Pの上面のうち、少なくとも、後に幅変化部分52の上面52bとなる部分を覆うフォトレジストマスクを形成する。このフォトレジストマスクは、フォトリソグラフィによってフォトレジスト層をパターニングして形成する。次に、このフォトレジストマスクをエッチングマスクとして用いて、例えばIBEによって、金属膜50Pの上面のうちフォトレジストマスクによって覆われていない部分をテーパエッチングする。これにより、傾斜部51b1が形成される。次に、フォトレジストマスクを除去する。以上の一連の工程により、プラズモンジェネレータ50が完成する。
【0098】
以上説明したように、本実施の形態に係る近接場光発生器の製造方法におけるプラズモンジェネレータ50を形成する工程、ならびに本実施の形態に係るプラズモンジェネレータ50の製造方法は、ギャップ層22の上面22aの上に、誘電体材料よりなる突出部241Pを形成する工程と、突出部241Pを形成する工程の後で、後にプラズモンジェネレータ50となる金属膜50Pを形成する工程と、金属膜50Pを形成する工程の後で、誘電体材料よりなる充填層242Pを形成する工程とを備えている。突出部241Pは、ギャップ層22の上面22aに対して高低差を有する上面241Paと、ギャップ層22の上面22aと突出部241Pの上面241Paとを連結する第1の側壁241Pbとを有している。金属膜50Pは、第1の側壁241Pbに付着した付着部50P1を含んでいる。充填層242Pは、第1の側壁241Pbとの間で付着部50P1を挟む第2の側壁242Pbを有している。付着部50P1は、第1の側壁241Pbに接触する第1の接触面50P1aと第2の側壁242Pbに接触する第2の接触面50P1bとを含み、第1の接触面50P1aが伝播部51の第1の側面51cとなり、第2の接触面50P1bが伝播部51の第2の側面51dとなる。
【0099】
本実施の形態によれば、金属膜50Pを形成する工程において形成される金属膜50Pのうち、第1の側壁241Pbに付着した付着部50P1の幅によって、プラズモンジェネレータ50の伝播部51の幅が規定される。この付着部50P1の幅は、フォトリソグラフィによる限界に依存せずに、容易に小さくすることが可能である。これにより、本実施の形態によれば、近接場光発生部51gを含む前端面51eの幅が小さなプラズモンジェネレータ50を製造することが可能になる。
【0100】
以下、本実施の形態におけるその他の効果について説明する。本実施の形態では、プラズモンジェネレータ50は、伝播部51と幅変化部分52とを有している。コア20の上面20bに対向する幅変化部分52の下面52aの幅は、媒体対向面40に近づくに従って小さくなり、下面51aとの境界の位置では、下面51aの幅と等しくなっている。本実施の形態によれば、幅変化部分52が設けられていない場合に比べて、コア20の上面20bに対向するプラズモンジェネレータ50の下面の面積を大きくして、より多くの表面プラズモンを励起させることができる。これにより、本実施の形態によれば、十分な強度の近接場光を発生させることが可能になる。
【0101】
ところで、プラズモンジェネレータ50の厚み(Z方向の寸法)が小さくなると、表面プラズモンの励起効率が低下して、励起される表面プラズモンが少なくなる。そのため、プラズモンジェネレータ50の厚みは、ある程度大きいことが好ましい。本実施の形態では、伝播部51の上面51bは、傾斜部51b1を含んでいる。傾斜部51b1における任意の位置の伝播部51の下面51aからの距離は、任意の位置が前端面51eに近づくに従って小さくなる。これにより、本実施の形態では、媒体対向面40から離れた位置におけるプラズモンジェネレータ50の厚みを大きくしながら、前端面51eのZ方向の寸法を小さくすることができる。その結果、本実施の形態によれば、スポット径が小さく、且つ十分な強度の近接場光を発生させることが可能になる。
【0102】
[第2の実施の形態]
次に、図12ないし図16を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る近接場光発生器の製造方法におけるプラズモンジェネレータ50を形成する工程、ならびに本発明の第2の実施の形態プラズモンジェネレータ50の製造方法について説明する。図13および図14における(a)は、近接場光発生器の製造方法における積層体の上面を示している。図12、図13(b)、図14(b)、図15および図16は、上記積層体の、媒体対向面40が形成される予定の位置における断面を示している。なお、図13および図14における(a)において、記号“ABS”は、媒体対向面40が形成される予定の位置を示している。
【0103】
本実施の形態におけるプラズモンジェネレータ50を形成する工程は、フォトレジストマスク62を除去する工程(図9参照)までは、第1の実施の形態と同様である。図12は、フォトレジストマスク62を除去した後の積層体を示している。なお、本実施の形態では、図6に示した工程で形成されたマスク層61の開口部61aの縁は、第1の側壁241Pbの位置を規定する部分と、幅変化部分52の側面52cおよび後端面52eの位置を規定する部分とを含んでいる。
【0104】
図13は、フォトレジストマスク62を除去した後の工程を示す。この工程では、まず、図12に示した積層体の上に、図示しないフォトレジストマスクを形成する。このフォトレジストマスクは、被エッチング層240Pに形成された開口部243(図6参照)を露出させると共に開口部243よりも広い領域を露出させる開口部を有している。このフォトレジストマスクは、フォトリソグラフィによってフォトレジスト層をパターニングして形成する。次に、このフォトレジストマスクの開口部内に、誘電体材料よりなる充填層242Pを形成する。充填層242Pは、開口部243内と、マスク層61および第2の堆積部50P3の上に形成される。充填層242Pは、充填層242Pのうち開口部243内に形成された部分の上面が、突出部241Pの上面241Paとほぼ同じ高さになるように形成される。次に、図示しないフォトレジストマスクを除去する。
【0105】
次に、突出部241P、充填層242Pおよび金属膜50Pのそれぞれにおける、ギャップ層22の上面22aから離れた一部を除去する。以下、この工程について、図14ないし図16を参照して説明する。図14は、フォトレジストマスクの開口部内に充填層242Pを形成し、フォトレジストマスクを除去した後の工程を示している。この工程では、例えばRIEまたはIBEによって、第2の堆積部50P3およびマスク層61のうち、充填層242Pの下に存在する部分以外の部分をエッチングする。なお、充填層242Pを覆うフォトレジストマスクを形成し、このフォトレジストマスクをエッチングマスクとして用いてもよい。このエッチング工程は、本発明における「第1のエッチング工程」に対応する。
【0106】
図15は、次の工程を示す。この工程では、例えばCMPによって、突出部241P、充填層242P、金属膜50Pおよびマスク層61を研磨して、第2の堆積部50P3およびマスク層61を除去すると共に、突出部241Pの上面241Paおよび充填層242Pの上面を平坦化する。
【0107】
図16は、次の工程を示す。この工程では、例えばIBEによって、突出部241P、充填層242Pおよび金属膜50Pが所望の厚みになるように、突出部241P、充填層242Pおよび金属膜50Pのそれぞれの一部をエッチングする。IBEによって突出部241P、充填層242Pおよび金属膜50Pをエッチングする際には、イオンビームの進行方向を基板1の上面1aに垂直な方向に対して傾ける。イオンビームの進行方向が基板1の上面1aに垂直な方向に対してなす角度は、例えば65°である。このエッチングにより、突出部241Pは、誘電体層24の第1の部分241となり、充填層242Pは、誘電体層24の第2の部分242となる。このエッチング工程は、本発明における「第2のエッチング工程」に対応する。その後の工程は、第1の実施の形態と同様である。
【0108】
次に、本実施の形態の効果について説明する。例えばCMPによって突出部241P、充填層242Pおよび金属膜50Pを研磨する場合、誘電体材料よりなる突出部241Pおよび充填層242Pの研磨速度と、金属材料よりなる金属膜50Pおよびマスク層61の研磨速度は、必ずしも一致しない。また、突出部241Pと充填層242Pの材料が同じ場合であっても、両者の膜質の違いに起因して、充填層242Pの研磨速度が突出部241Pに比べて大きくなる場合がある。そのため、図15に示した研磨工程における研磨時間が長くなると、充填層242Pのうち開口部243内に形成された部分の上面が窪み、その結果、金属膜50Pの付着部50P1が研磨される場合がある。
【0109】
これに対し、本実施の形態では、第1のエッチング工程によって、第2の堆積部50P3、金属膜50Pおよびマスク層61のそれぞれの一部をエッチングして除去している。これにより、図15に示した研磨工程における研磨時間を短くすることができ、その結果、上述の問題が発生することを防止することができる。
【0110】
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0111】
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、本発明のプラズモンジェネレータの製造方法は、プラズモンジェネレータの上面に、誘電体層を介して導波路のコアの下面が対向するように構成された近接場光発生器におけるプラズモンジェネレータの製造にも適用することができる。
【符号の説明】
【0112】
20…コア、22…ギャップ層、24…誘電体層、26…主磁極、50…プラズモンジェネレータ、50P1…付着部、51…伝播部、241…第1の部分、241P…突出部、241Pb…第1の側壁、242…第2の部分、242P…充填層、242Pb…第2の側壁。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光に基づいて励起された表面プラズモンを伝播する伝播部を備え、前記伝播部は、下面と、その反対側の上面と、互いに反対側に位置して前記下面と上面とを連結する第1の側面および第2の側面と、前記下面、上面、第1の側面および第2の側面を連結する前端面とを有し、前記前端面は、前記表面プラズモンに基づいて近接場光を発生する近接場光発生部を含むプラズモンジェネレータの製造方法であって、
ベース面と、前記ベース面から突出した突出部とを備え、前記突出部は、前記ベース面に対して高低差を有する上面と、前記ベース面と前記突出部の上面とを連結する第1の側壁とを有する誘電体材料よりなるベース部を形成する工程と、
前記ベース部を形成する工程の後で、前記第1の側壁に付着した付着部を含み、後に前記プラズモンジェネレータとなる金属膜を形成する工程と、
前記金属膜を形成する工程の後で、前記第1の側壁との間で前記付着部を挟む第2の側壁を有する誘電体材料よりなる充填層を形成する工程とを備え、
前記付着部は、前記第1の側壁に接触する第1の接触面と前記第2の側壁に接触する第2の接触面とを含み、前記第1の接触面が前記伝播部の第1の側面となり、前記第2の接触面が前記伝播部の第2の側面となることを特徴とするプラズモンジェネレータの製造方法。
【請求項2】
前記金属膜は、物理気相成長法によって形成されることを特徴とする請求項1記載のプラズモンジェネレータの製造方法。
【請求項3】
前記金属膜は、更に、前記ベース面の上であって、前記第1の側壁との間で前記付着部を挟む位置に形成された第1の堆積部を含み、
プラズモンジェネレータの製造方法は、更に、前記金属膜を形成する工程と前記充填層を形成する工程の間において、前記第1の堆積部を除去する工程を含むことを特徴とする請求項1記載のプラズモンジェネレータの製造方法。
【請求項4】
更に、前記充填層を形成する工程の後で、前記突出部、充填層および金属膜のそれぞれにおける、前記ベース面から離れた一部を除去する工程を備えたことを特徴とする請求項1記載のプラズモンジェネレータの製造方法。
【請求項5】
前記除去する工程は、前記突出部、充填層および金属膜を研磨する工程を含むことを特徴とする請求項4記載のプラズモンジェネレータの製造方法。
【請求項6】
前記除去する工程は、更に、前記研磨する工程の後で、前記突出部、充填層および金属膜のそれぞれの一部をエッチングする工程を含むことを特徴とする請求項5記載のプラズモンジェネレータの製造方法。
【請求項7】
前記金属膜は、更に、前記付着部よりも前記ベース面からより遠い位置に形成された第2の堆積部を含み、
前記除去する工程は、前記第2の堆積部の少なくとも一部をエッチングする第1のエッチング工程と、
前記第1のエッチング工程の後で、前記突出部、充填層および金属膜を研磨する工程と、
前記研磨する工程の後で、前記突出部、充填層および金属膜のそれぞれの一部をエッチングする第2のエッチング工程とを含むことを特徴とする請求項4記載のプラズモンジェネレータの製造方法。
【請求項8】
前記プラズモンジェネレータは、前記伝播部に対して前記前端面とは反対側に位置して前記伝播部に連結された幅変化部分を備え、
前記幅変化部分は、前記前端面に近づくに従って小さくなる、前記伝播部の下面および前端面に平行な方向についての幅を有することを特徴とする請求項1記載のプラズモンジェネレータの製造方法。
【請求項9】
前記ベース部を形成する工程は、前記ベース面を有するエッチングストッパ層を形成する工程と、前記エッチングストッパ層の上に、前記エッチングストッパ層とは異なる材料よりなる被エッチング層を形成する工程と、
前記エッチングストッパ層をエッチングストッパとして用いて前記被エッチング層の一部をエッチングすることによって、前記突出部を形成する工程とを含むことを特徴とする請求項1記載のプラズモンジェネレータの製造方法。
【請求項10】
前記伝播部の上面は傾斜部を含み、前記傾斜部における任意の位置の前記伝播部の下面からの距離は、任意の位置が前記前端面に近づくに従って小さくなっており、
プラズモンジェネレータの製造方法は、更に、前記充填層を形成する工程の後で、前記金属膜の一部をエッチングすることによって前記傾斜部を形成する工程を含むことを特徴とする請求項1記載のプラズモンジェネレータの製造方法。
【請求項11】
導波路と、プラズモンジェネレータとを備えた近接場光発生器の製造方法であって、
前記導波路は、光を伝播させるコアと、前記コアの周囲に配置されたクラッドとを有し、
前記コアは、上面を有し、
前記クラッドは、上面を有し前記コアの上面の上に配置された誘電体材料よりなるギャップ層を含み、
前記プラズモンジェネレータは、前記ギャップ層の上面の上に配置され、
前記プラズモンジェネレータは、前記コアを伝播する光に基づいて励起された表面プラズモンを伝播する伝播部を備え、前記伝播部は、下面と、その反対側の上面と、互いに反対側に位置して前記下面と上面とを連結する第1の側面および第2の側面と、前記下面、上面、第1の側面および第2の側面を連結する前端面とを有し、前記前端面は、前記表面プラズモンに基づいて近接場光を発生する近接場光発生部を含み、
前記近接場光発生器の製造方法は、
前記導波路を形成する工程と、
前記ギャップ層の上面の上に、誘電体材料よりなる突出部であって、前記ギャップ層の上面に対して高低差を有する上面と、前記ギャップ層の上面と前記突出部の上面とを連結する第1の側壁とを有する突出部を形成する工程と、
前記突出部を形成する工程の後で、前記第1の側壁に付着した付着部を含み、後に前記プラズモンジェネレータとなる金属膜を形成する工程と、
前記金属膜を形成する工程の後で、前記第1の側壁との間で前記付着部を挟む第2の側壁を有する誘電体材料よりなる充填層を形成する工程とを備え、
前記付着部は、前記第1の側壁に接触する第1の接触面と前記第2の側壁に接触する第2の接触面とを含み、前記第1の接触面が前記伝播部の第1の側面となり、前記第2の接触面が前記伝播部の第2の側面となることを特徴とする近接場光発生器の製造方法。
【請求項12】
前記金属膜は、物理気相成長法によって形成されることを特徴とする請求項11記載の近接場光発生器の製造方法。
【請求項13】
前記金属膜は、更に、前記ギャップ層の上面の上であって、前記第1の側壁との間で前記付着部を挟む位置に形成された第1の堆積部を含み、
近接場光発生器の製造方法は、更に、前記金属膜を形成する工程と前記充填層を形成する工程の間において、前記第1の堆積部を除去する工程を含むことを特徴とする請求項11記載の近接場光発生器の製造方法。
【請求項14】
更に、前記充填層を形成する工程の後で、前記突出部、充填層および金属膜のそれぞれにおける、前記ギャップ層の上面から離れた一部を除去する工程を備えたことを特徴とする請求項11記載の近接場光発生器の製造方法。
【請求項15】
前記除去する工程は、前記突出部、充填層および金属膜を研磨する工程を含むことを特徴とする請求項14記載の近接場光発生器の製造方法。
【請求項16】
前記除去する工程は、更に、前記研磨する工程の後で、前記突出部、充填層および金属膜のそれぞれの一部をエッチングする工程を含むことを特徴とする請求項15記載の近接場光発生器の製造方法。
【請求項17】
前記金属膜は、更に、前記付着部よりも前記ギャップ層の上面からより遠い位置に形成された第2の堆積部を含み、
前記除去する工程は、前記第2の堆積部の少なくとも一部をエッチングする第1のエッチング工程と、
前記第1のエッチング工程の後で、前記突出部、充填層および金属膜を研磨する工程と、
前記研磨する工程の後で、前記突出部、充填層および金属膜のそれぞれの一部をエッチングする第2のエッチング工程とを含むことを特徴とする請求項14記載の近接場光発生器の製造方法。
【請求項18】
前記プラズモンジェネレータは、前記伝播部に対して前記前端面とは反対側に位置して前記伝播部に連結された幅変化部分を備え、
前記幅変化部分は、前記前端面に近づくに従って小さくなる、前記伝播部の下面および前端面に平行な方向についての幅を有することを特徴とする請求項11記載の近接場光発生器の製造方法。
【請求項19】
前記突出部を形成する工程は、前記ギャップ層の上面の上に、前記ギャップ層とは異なる材料よりなる被エッチング層を形成する工程と、
前記ギャップ層をエッチングストッパとして用いて前記被エッチング層の一部をエッチングすることによって、前記突出部を形成する工程とを含むことを特徴とする請求項11記載の近接場光発生器の製造方法。
【請求項20】
前記伝播部の上面は傾斜部を含み、前記傾斜部における任意の位置の前記伝播部の下面からの距離は、任意の位置が前記前端面に近づくに従って小さくなっており、
近接場光発生器の製造方法は、更に、前記充填層を形成する工程の後で、前記金属膜の一部をエッチングすることによって前記傾斜部を形成する工程を含むことを特徴とする請求項11記載の近接場光発生器の製造方法。
【請求項1】
光に基づいて励起された表面プラズモンを伝播する伝播部を備え、前記伝播部は、下面と、その反対側の上面と、互いに反対側に位置して前記下面と上面とを連結する第1の側面および第2の側面と、前記下面、上面、第1の側面および第2の側面を連結する前端面とを有し、前記前端面は、前記表面プラズモンに基づいて近接場光を発生する近接場光発生部を含むプラズモンジェネレータの製造方法であって、
ベース面と、前記ベース面から突出した突出部とを備え、前記突出部は、前記ベース面に対して高低差を有する上面と、前記ベース面と前記突出部の上面とを連結する第1の側壁とを有する誘電体材料よりなるベース部を形成する工程と、
前記ベース部を形成する工程の後で、前記第1の側壁に付着した付着部を含み、後に前記プラズモンジェネレータとなる金属膜を形成する工程と、
前記金属膜を形成する工程の後で、前記第1の側壁との間で前記付着部を挟む第2の側壁を有する誘電体材料よりなる充填層を形成する工程とを備え、
前記付着部は、前記第1の側壁に接触する第1の接触面と前記第2の側壁に接触する第2の接触面とを含み、前記第1の接触面が前記伝播部の第1の側面となり、前記第2の接触面が前記伝播部の第2の側面となることを特徴とするプラズモンジェネレータの製造方法。
【請求項2】
前記金属膜は、物理気相成長法によって形成されることを特徴とする請求項1記載のプラズモンジェネレータの製造方法。
【請求項3】
前記金属膜は、更に、前記ベース面の上であって、前記第1の側壁との間で前記付着部を挟む位置に形成された第1の堆積部を含み、
プラズモンジェネレータの製造方法は、更に、前記金属膜を形成する工程と前記充填層を形成する工程の間において、前記第1の堆積部を除去する工程を含むことを特徴とする請求項1記載のプラズモンジェネレータの製造方法。
【請求項4】
更に、前記充填層を形成する工程の後で、前記突出部、充填層および金属膜のそれぞれにおける、前記ベース面から離れた一部を除去する工程を備えたことを特徴とする請求項1記載のプラズモンジェネレータの製造方法。
【請求項5】
前記除去する工程は、前記突出部、充填層および金属膜を研磨する工程を含むことを特徴とする請求項4記載のプラズモンジェネレータの製造方法。
【請求項6】
前記除去する工程は、更に、前記研磨する工程の後で、前記突出部、充填層および金属膜のそれぞれの一部をエッチングする工程を含むことを特徴とする請求項5記載のプラズモンジェネレータの製造方法。
【請求項7】
前記金属膜は、更に、前記付着部よりも前記ベース面からより遠い位置に形成された第2の堆積部を含み、
前記除去する工程は、前記第2の堆積部の少なくとも一部をエッチングする第1のエッチング工程と、
前記第1のエッチング工程の後で、前記突出部、充填層および金属膜を研磨する工程と、
前記研磨する工程の後で、前記突出部、充填層および金属膜のそれぞれの一部をエッチングする第2のエッチング工程とを含むことを特徴とする請求項4記載のプラズモンジェネレータの製造方法。
【請求項8】
前記プラズモンジェネレータは、前記伝播部に対して前記前端面とは反対側に位置して前記伝播部に連結された幅変化部分を備え、
前記幅変化部分は、前記前端面に近づくに従って小さくなる、前記伝播部の下面および前端面に平行な方向についての幅を有することを特徴とする請求項1記載のプラズモンジェネレータの製造方法。
【請求項9】
前記ベース部を形成する工程は、前記ベース面を有するエッチングストッパ層を形成する工程と、前記エッチングストッパ層の上に、前記エッチングストッパ層とは異なる材料よりなる被エッチング層を形成する工程と、
前記エッチングストッパ層をエッチングストッパとして用いて前記被エッチング層の一部をエッチングすることによって、前記突出部を形成する工程とを含むことを特徴とする請求項1記載のプラズモンジェネレータの製造方法。
【請求項10】
前記伝播部の上面は傾斜部を含み、前記傾斜部における任意の位置の前記伝播部の下面からの距離は、任意の位置が前記前端面に近づくに従って小さくなっており、
プラズモンジェネレータの製造方法は、更に、前記充填層を形成する工程の後で、前記金属膜の一部をエッチングすることによって前記傾斜部を形成する工程を含むことを特徴とする請求項1記載のプラズモンジェネレータの製造方法。
【請求項11】
導波路と、プラズモンジェネレータとを備えた近接場光発生器の製造方法であって、
前記導波路は、光を伝播させるコアと、前記コアの周囲に配置されたクラッドとを有し、
前記コアは、上面を有し、
前記クラッドは、上面を有し前記コアの上面の上に配置された誘電体材料よりなるギャップ層を含み、
前記プラズモンジェネレータは、前記ギャップ層の上面の上に配置され、
前記プラズモンジェネレータは、前記コアを伝播する光に基づいて励起された表面プラズモンを伝播する伝播部を備え、前記伝播部は、下面と、その反対側の上面と、互いに反対側に位置して前記下面と上面とを連結する第1の側面および第2の側面と、前記下面、上面、第1の側面および第2の側面を連結する前端面とを有し、前記前端面は、前記表面プラズモンに基づいて近接場光を発生する近接場光発生部を含み、
前記近接場光発生器の製造方法は、
前記導波路を形成する工程と、
前記ギャップ層の上面の上に、誘電体材料よりなる突出部であって、前記ギャップ層の上面に対して高低差を有する上面と、前記ギャップ層の上面と前記突出部の上面とを連結する第1の側壁とを有する突出部を形成する工程と、
前記突出部を形成する工程の後で、前記第1の側壁に付着した付着部を含み、後に前記プラズモンジェネレータとなる金属膜を形成する工程と、
前記金属膜を形成する工程の後で、前記第1の側壁との間で前記付着部を挟む第2の側壁を有する誘電体材料よりなる充填層を形成する工程とを備え、
前記付着部は、前記第1の側壁に接触する第1の接触面と前記第2の側壁に接触する第2の接触面とを含み、前記第1の接触面が前記伝播部の第1の側面となり、前記第2の接触面が前記伝播部の第2の側面となることを特徴とする近接場光発生器の製造方法。
【請求項12】
前記金属膜は、物理気相成長法によって形成されることを特徴とする請求項11記載の近接場光発生器の製造方法。
【請求項13】
前記金属膜は、更に、前記ギャップ層の上面の上であって、前記第1の側壁との間で前記付着部を挟む位置に形成された第1の堆積部を含み、
近接場光発生器の製造方法は、更に、前記金属膜を形成する工程と前記充填層を形成する工程の間において、前記第1の堆積部を除去する工程を含むことを特徴とする請求項11記載の近接場光発生器の製造方法。
【請求項14】
更に、前記充填層を形成する工程の後で、前記突出部、充填層および金属膜のそれぞれにおける、前記ギャップ層の上面から離れた一部を除去する工程を備えたことを特徴とする請求項11記載の近接場光発生器の製造方法。
【請求項15】
前記除去する工程は、前記突出部、充填層および金属膜を研磨する工程を含むことを特徴とする請求項14記載の近接場光発生器の製造方法。
【請求項16】
前記除去する工程は、更に、前記研磨する工程の後で、前記突出部、充填層および金属膜のそれぞれの一部をエッチングする工程を含むことを特徴とする請求項15記載の近接場光発生器の製造方法。
【請求項17】
前記金属膜は、更に、前記付着部よりも前記ギャップ層の上面からより遠い位置に形成された第2の堆積部を含み、
前記除去する工程は、前記第2の堆積部の少なくとも一部をエッチングする第1のエッチング工程と、
前記第1のエッチング工程の後で、前記突出部、充填層および金属膜を研磨する工程と、
前記研磨する工程の後で、前記突出部、充填層および金属膜のそれぞれの一部をエッチングする第2のエッチング工程とを含むことを特徴とする請求項14記載の近接場光発生器の製造方法。
【請求項18】
前記プラズモンジェネレータは、前記伝播部に対して前記前端面とは反対側に位置して前記伝播部に連結された幅変化部分を備え、
前記幅変化部分は、前記前端面に近づくに従って小さくなる、前記伝播部の下面および前端面に平行な方向についての幅を有することを特徴とする請求項11記載の近接場光発生器の製造方法。
【請求項19】
前記突出部を形成する工程は、前記ギャップ層の上面の上に、前記ギャップ層とは異なる材料よりなる被エッチング層を形成する工程と、
前記ギャップ層をエッチングストッパとして用いて前記被エッチング層の一部をエッチングすることによって、前記突出部を形成する工程とを含むことを特徴とする請求項11記載の近接場光発生器の製造方法。
【請求項20】
前記伝播部の上面は傾斜部を含み、前記傾斜部における任意の位置の前記伝播部の下面からの距離は、任意の位置が前記前端面に近づくに従って小さくなっており、
近接場光発生器の製造方法は、更に、前記充填層を形成する工程の後で、前記金属膜の一部をエッチングすることによって前記傾斜部を形成する工程を含むことを特徴とする請求項11記載の近接場光発生器の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図6】
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【図11】
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【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2013−65389(P2013−65389A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−97331(P2012−97331)
【出願日】平成24年4月23日(2012.4.23)
【出願人】(500475649)ヘッドウェイテクノロジーズ インコーポレイテッド (251)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年4月23日(2012.4.23)
【出願人】(500475649)ヘッドウェイテクノロジーズ インコーポレイテッド (251)
【Fターム(参考)】
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