説明

プリント配線基板および半導体装置

【解決手段】 本発明のプリント配線基板は、縁フィルムと、該絶縁フィルムの表面に形成された配線パターンと、該配線パターンのインナーリードおよびアウターリードからなる端子部分が露出するように形成されたソルダーレジスト層とを有するプリント配線基板であって、該ソルダーレジスト層が、インナーリード側ソルダーレジスト層と、アウターリード側ソルダーレジスト層とに区分けして形成されたおり、該インナーリード側ソルダーレジスト層が、難燃性を有すると共に該プリント配線基板に実装される電子部品の封止樹脂に対して高い親和性を有する樹脂組成物(1)から形成されており、該アウターリード側ソルダーレジスト層が、難燃性を有すると共に、上記樹脂組成物(1)から形成された
インナーリード側ソルダーレジスト層よりも軟質であり、かつ該電子部品の封止樹脂に対する親和性が低い樹脂組成物(2)により形成されてなることを特徴としている
【効果】 本発明によればPDP用として特に好適なプリント配線基板及び半導体装置が
得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体として難燃性を呈するプリント配線基板およびこのプリント配線基板に電子部品が実装されて樹脂封止された半導体装置に関する。さらに詳しくは本発明は、液晶表示装置、特にプラズマディスプレイパネル(PDP)などを駆動させるための印加電圧
が高い(例えば80V)電子部品を実装するのに特に適したプリント配線基板およびPDPなどの装置を駆動させる電子部品が実装された半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置としてCRTに代わって液晶表示装置(LCD)が使用されるようになってきており
、さらに最近では、壁掛けテレビなどとしてLCDよりもコントラストが高く、視野角の広
いプラズマディスプレイパネル(PDP)が使用されるようになってきている。
【0003】
このようなPDPを駆動させるためには、通常は60V以上の電圧をかける必要があり、LCD駆動用の半導体装置とは異なる態様が必要になる。特にPDP用のフィルムキャリアは、印加電圧が高いので、電圧印加に伴う発熱が問題になり、PDP用のフィルムキャリアを難燃
性にすることが望ましい。
【0004】
一般にフィルムキャリアは、ポリイミド等の絶縁フィルム上に銅等の導電性金属から形成された配線パターンを有しており、そして、この配線パターンは、端子部分を除いてソルダーレジスト層で被覆されている。このようなフィルムキャリアにおいてソルダーレジスト層が最も耐熱性が低く、フィルムキャリアを難燃性にするためには、このソルダーレジスト層を難燃性にする必要がある。
【0005】
難燃性のソルダーレジストに関しては特許文献1(特開2001-335676号公報)に、エポ
キシ樹脂にホスファゼン化合物を配合した難燃性の樹脂組成物が開示されている。この特許文献1に開示されているホスファゼン化合物を配合したエポキシ樹脂組成物は難燃性であるが、このような難燃剤を配合したエポキシ樹脂組成物は、硬度が高いことから折り曲げて使用することができない。フィルムキャリアを使用する際には、実装される電子部品のバンプ電極およびプリント配線基板のインナーリードによって形成される電気的接合部分を封止樹脂性で封止する必要がある。ところが上記特許文献1に記載されているような難燃性エポキシ樹脂組成物を用いて形成されたソルダーレジスト層は反りが大きく電子部品を位置精度よく実装できにくいという問題がある。また、PDP用のフィルムキャリアも
、表示装置筐体をできるだけ小さくするために、LCD用のフィルムキャリアと同様に折り
曲げて使用されることが多いが、例えば上記特許文献1に記載されているような難燃性エポキシ樹脂組成物は一般に、形成されたソルダーレジスト層がフィルムキャリアを折り曲げて使用するのに適するような可撓性は有していない。
【0006】
フィルムキャリアを折り曲げて使用することに関しては、例えば特許文献2(特開平11-74317号公報)には、ソルダーレジスト層を形成する樹脂組成物として、特定のウレタン樹脂が折り曲げて使用するフィルムキャリアのソルダーレジスト層を形成するのに好適であることが示されている。すなわち、特許文献2では、折り曲げて使用するフィルムキャリアにおいては、軟質である特定のウレタン樹脂を用いることにより、断線などが生じにくいフィルムキャリアが得られることが示されている。しかしながら、ここで使用されている特定のウレタン樹脂も難燃性ではなく、この特定のウレタン樹脂を用いてソルダーレジスト層を形成しても、PDP用のフィルムキャリアに必要とされる難燃性を有するフィル
ムキャリアを得ることはできない。
【0007】
このようなフィルムキャリアの難燃性の問題とは全く別の問題として、フィルムキャリアに生ずる反り変形を解消するために、特許文献3(特開平6-283575号公報)には、異なる特性のソルダーレジスト用樹脂組成物を区分けして塗布することが開示されている。すなわち、特許文献3には、封止樹脂との接着性を改善するために、インナーリード周縁部に封止樹脂と親和性のよい樹脂からなるソルダーレジスト層を形成し、その周囲にポリイミドのようにフィルムキャリアに反り変形を生じさせにくい樹脂を用いてソルダーレジスト層を形成することにより、IC封止樹脂、導体、絶縁フィルムとの密着性を損なうことなく、そりを小さくしてアウターリードの接着時の作業性および歩留まりを向上させることにより、結果として信頼性の高い半導体装置を製造できるとの効果を奏する発明が開示されている。
【0008】
しかしながら、上記特許文献3に記載されたフィルムキャリアにおいて形成されているソルダーレジスト層は難燃性には至らないので、PDP用のフィルムキャリアとしては使用
することができない。
【0009】
このように従来のフィルムキャリアにおいては、印加電圧が低いためにフィルムキャリアに難燃性を賦与する必然性は低く、また、特許文献1に示すようにソルダーレジスト用の樹脂組成物として、難燃性樹脂組成物も提案されているが、電子部品の密封樹脂との密着性、配線パターンとの密着性、折り曲げ性など、実際にソルダーレジスト層を形成してみると、ソルダーレジスト層に必要とされる全ての特性を満たすものは知られていない。また、異なる特性を有する複数のソルダーレジスト層を併設することも知られているが、従来のフィルムキャリアにおいては印加電圧が低い(具体低には高い場合であっても40Vには至らない)ために、フィルムキャリアを難燃性にしなければならない必然性がなく
、従って、フィルムキャリアの難燃性に関しては考慮されていないのが現実である。
【特許文献1】特開2001-335676号公報
【特許文献2】特開平11-74317号公報
【特許文献3】特開平6-283575号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、PDP用の半導体装置のように高い印加電圧をかける半導体装置に好適に用い
ることができるプリント配線基板およびこのようなプリント配線基板を用いた半導体装置を提供することを目的としている。
【0011】
さらに、本発明は、上記のように高い印加電圧をかける半導体装置を製造することができるプリント配線基板であって、それ自体が全体として難燃性を示すプリント配線基板およびこの難燃性プリント配線基板から形成された難燃性の半導体装置を提供することを目的としている。
【0012】
特に本発明はPDP用のプリント配線基板に必要な難燃性を有し、かつ、封止樹脂との密
着性、折り曲げ性、反り変形防止性に優れたPDP用に特に適したプリント配線基板および
半導体装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のプリント配線基板は、絶縁フィルムと、該絶縁フィルムの表面に形成された配線パターンと、該配線パターンのインナーリードおよびアウターリードからなる端子部分が露出するように形成されたソルダーレジスト層とを有するプリント配線基板であって、該ソルダーレジスト層が、配線パターンのインナーリード側に形成されたインナーリード側ソルダーレジスト層と、該インナーリード側ソルダーレジスト層のアウターリード側に形成されたアウターリード側ソルダーレジスト層とに区分けして形成されたおり、該イン
ナーリード側に設けられるインナーリード側ソルダーレジスト層が、難燃性を有すると共に該プリント配線基板に実装される電子部品の封止樹脂に対して高い親和性を有する樹脂組成物(1)から形成されており、そして、該インナーリード側ソルダーレジスト層のアウターリード側に形成されているアウターリード側ソルダーレジスト層が、難燃性を有すると共に、上記樹脂組成物(1)から形成されたインナーリード側ソルダーレジスト層よりも
軟質であり、かつ該電子部品の封止樹脂に対する親和性が低い樹脂組成物(2)により形成
されてなることを特徴としている。
【0014】
本発明の半導体装置には、60V以上の電圧が印加させることができる。すなわち、本
発明の半導体装置は60V以上の電圧を印加するPDP用の半導体装置として好適に使用することができる。
【0015】
本発明のプリント配線基板は、電子部品の封止樹脂と接触するインナーリード側ソルダーレジスト層を形成ために、難燃性を有すると共に封止樹脂と親和性が高い樹脂(例:エポキシ樹脂)を含有する樹脂組成物(1)を使用しているので、電子部品を実装後に塗設される封止樹脂との密着性がよく、さらに、このインナーリード側ソルダーレジスト層のアウターリード側に、難燃剤を含有し、上記インナーリード側ソルダーレジスト層と密着性がよく、しかもインナーリード側ソルダーレジスト層形成樹脂よりも軟質の樹脂を含有する樹脂組成物(2)を用いてアウターリード側ソルダーレジスト層を形成しているので、本発明のプリント配線基板全体をUL-94V規格のV=0あるいはVTM 0の難燃性にすることができる。また、プリント配線基板に電子部品を実装して樹脂封止しても、封止樹脂とインナーリード側ソルダーレジスト層が封止樹脂と親和性が高いので、電子部品を封止樹脂で良好に封止することができ、このようにして形成された半導体装置は、全体としてUL-94V規格のV=0あるいはVTM 0の難燃性を呈するようになる。
【0016】
従って、本発明の半導体装置に60V以上の高い印加電圧をかけることができ、PDPを安全に駆動させることができる。
このように本発明のプリント配線基板および半導体装置は、UL-94V規格のV=0あるいはVTM 0の難燃性であるけれども、このようにプリント配線基板あるいは半導体装置に難燃性を賦与することによってもこのプリント配線基板の折り曲げ特性、実装された電子部品の封止樹脂との密着性などの特性が低下しない。
【発明の効果】
【0017】
上記のように本発明によれば、難燃性を有すると共に封止樹脂との密着性に優れた樹脂を含有する樹脂組成物(1)を用いてインナーリード側ソルダーレジスト層を形成し、このインナーリード側ソルダーレジスト層のアウターリード側に、インナーリード側ソルダーレジスト層との親和性に優れた高い難燃性を有する樹脂組成物(2)を使用してアウターリード側ソルダーレジスト層を形成することで、このプリント配線基板が全体としてUL-94V規格のV=0あるいはそれ以上の優れた難燃性を示すと共に、インナーリード側ソルダーレジスト層と封止樹脂との密着性が優れているので、電子部品を実装した後、この電子部品を封止樹脂により良好に封止することができる。さらに、アウターリード側ソルダーレジスト層を形成する樹脂組成物(2)は例えば難燃剤を添加して高い難燃性を発現させた反りの小さな樹脂であり、この樹脂はインナーリード側ソルダーレジスト層を形成する樹脂と親和性が高く、インナーリード側ソルダーレジスト層とアウターリード側ソルダーレジスト層との境界部においても両者は良好に密着し、剥離などが生ずることはない。また、アウターリード側ソルダーレジスト層に折り曲げ部を有する場合にも良好な折り曲げ性を有している。
【0018】
そして、本発明のプリント配線基板および半導体装置は、難燃剤を含有するアウターリード側ソルダーレジスト層を形成することで全体としてUL-94V規格のV=0あるいはVTM 0
の難燃性を有する。従って、本発明のプリント配線基板および半導体装置は、60V以上
の高い印加電圧をかけるPDP用のプリント配線基板あるいは半導体装置として好適である

【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に本発明のプリント配線基板および半導体装置について具体的に説明する。
図1は本発明のプリント配線基板の例を示す平面図であり、図2は、本発明のプリント配線基板の例を示す断面図である。図2に示すプリント配線基板には電子部品が実装された例が示されている。
【0020】
図1および図2に示されるように、本発明のプリント配線基板10は、絶縁フィルム11と、この絶縁フィルム11表面に形成された配線パターン13と、この配線パターン13の表面に形成されたソルダーレジスト層20とを有する。
【0021】
本発明で使用する絶縁フィルム11としては、ポリイミドフィルム、ポリイミドアミドフィルム、ポリエステルフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、フッ素樹脂フィルムおよび液晶ポリマーフィルム等を挙げることできる。すなわち、これらの絶縁フィルム11は、エッチングの際に使用されるエッチング液、あるいは、洗浄の際に使用されるアルカリ溶液などに侵食されることがない程度に耐酸・耐アルカリ性を有し、さらに電子部品を実装する際などの加熱によって大きく熱変形しない程度の耐熱性を有している。こうした特性を有する絶縁フィルム11としては、ポリイミドフィルムが好ましい。
【0022】
このような絶縁フィルム11は、通常は5〜150μm、好ましくは5〜125μm、特に好ましくは25〜75μmの平均厚さを有している。
このような絶縁フィルム11の幅方向の縁部近傍には、このフィルムを搬送し、さらにこのフィルムの位置決め手段となるスプロケットホール12が形成されていてもよい。また、このプリント配線基板10には、電子部品を実装するためのデバイスホール、さらに、このプリント配線基板の位置決めをする位置決め孔、出力用スリットなど、必要な貫通孔が形成されていてもよい。上記のように本発明は電子部品を実装するためのデバイスホールを形成したTABテープであっても、デバイスホールのないCOFテープであってもよい。
【0023】
さらに、本発明のプリント配線基板10には、明確な折り曲げ位置を形成するために、折り曲げ用のスリットが形成されていてもよい。
上記のような絶縁フィルム11の表面には配線パターン13が形成されており、この配線パターン13は、通常は絶縁フィルム11の表面に形成された導電性層を選択的にエッチングすることにより形成される。
【0024】
ここで導電性金属としては、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金などを挙げることができる。導電性金属は、絶縁フィルム11上に直接析出させた二層テープとすることもできる。この場合に、絶縁フィルムと導電性金属箔とを接着剤を介して積層した三層テープや、絶縁フィルム上にニッケル、クロムなどの他の金属を蒸着させて基材金属層を形成した後、この基材金属層の表面に導電性金属を析出させることができる。また導電性金属は、導電性金属箔として絶縁フィルム11の表面に貼着することもできる。ここで導電性金属層としては、銅箔、アルミニウム箔などを使用することができる。本発明において導電性金属箔として銅箔を使用する場合に、電解銅箔、圧延銅箔のいずれをも使用することができる。
【0025】
本発明において、上記のような導電性金属の厚さは、形成しようとする配線パターン14の線幅に対応して設置されるが、通常は2〜70μm、好ましくは6〜35μmの範囲
内にある。
【0026】
上記のようにして絶縁フィルム11の表面に積層された導電性金属の表面に、感光性樹脂層を露光・現像することにより、樹脂パターンを形成する。
次いで、形成された樹脂パターンをマスキング材として導電性金属を選択的にエッチングすることにより、配線パターン13を形成することができる。
【0027】
配線パターン13には、電子部品30を実装するインナーリード15(入力側インナーリード端子15aと出力側インナーリード端子15bとを有する)と、入力端子および出力端子であるアウターリード14(入力側アウターリード端子14aと出力側アウターリード14bとを有する)が形成されている。本発明のプリント配線基板10においては、このインナーリード15およびアウターリード14が露出するように、ソルダーレジスト層20を形成する。そして、本発明のプリント配線基板10において、ソルダーレジスト層20は、インナーリート側ソルダーレジスト層21とアウターリード側ソルダーレジスト層22とに区分けされて形成されている。
【0028】
本発明において、インナーリート側ソルダーレジスト層21は、難燃性を有すると共に実装された電子部品30を封止する封止樹脂32に対する親和性の高い樹脂を含有する樹脂組成物(1)を用いて形成されている。ここに親和性が高いとは、ソルダーレジスト層が形成されたプリント配線基板の上に封止樹脂を一滴たらし、キュア後、この封止樹脂のほぼ中心を通るようにプリント配線基板を2つ折にした場合、封止樹脂がソルダーレジスト層から剥離せずに、ソルダーレジストが絶縁フィルム側で剥がれることをいう。
【0029】
実装された電子部品30を封止する封止樹脂32としては、通常は、エポキシ系封止樹脂などが使用され、本発明でインナーリード側ソルダーレジスト層21を形成する樹脂組成物中には、上記のような封止樹脂に対する親和性に優れると共に難燃性を有する樹脂が配合されている。このような封止樹脂32との親和性に優れる樹脂としては、封止樹脂の骨格と同一あるいは近似した骨格を有する樹脂を挙げることができる。例えば、封止樹脂32としてエポキシ系封止樹脂を使用する場合には、同一あるいは近似した骨格を有する樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、エポキシ変性アクリル樹脂、エポキシ変性アルキッド樹脂、エポキシ変性メラミン樹脂などを挙げることができる。封止樹脂32がエポキシ系封止樹脂である場合には、インナーリード側ソルダーレジスト層を上記のような樹脂の中でもエポキシ樹脂あるいはエポキシ変性樹脂で形成することが好ましい。
【0030】
上記のようなインナーリード側ソルダーレジスト層21を形成する樹脂組成物(1)中に
は、例えばエポキシ樹脂のようなインナーリード側ソルダーレジスト層21を形成する樹脂およびその硬化剤が配合されており、さらに必要により無機充填剤、難燃剤などが配合されていてもよい。すなわち、この樹脂組成物(1)は、封止樹脂32と良好な親和性を有
するインナーリード側ソルダーレジスト層21を形成するものであり、このようにインナーリード側ソルダーレジスト層21を形成することによって封止樹脂との接合性が良好になると共に、プリント配線基板全体を難燃性にすることができる。なお、ここで使用される樹脂組成物(1)は、スクリーン印刷が可能な粘度を有しており、通常は、有機溶媒溶液
または有機溶媒分散液として使用される。
【0031】
上記のようなエポキシ樹脂などを用いたインナーリード側ソルダーレジスト層21は、電子部品実装部16に面してインナーリード15とバンプ電極31とが電気的に接続可能なようにインナーリード15の先端が露出させて形成する。また、このインナーリード側ソルダーレジスト層21と封止樹脂32とがその縁部で重複して、封止樹脂32によって電子部品30が確実に封止できればよく、通常インナーリード側ソルダーレジスト層21の幅は0.5〜10mm程度、好ましくは1.5〜8mm程度である。インナーリード側ソル
ダーレジスト層21は、上記のような組成を有する樹脂組成物(1)を塗布することにより
形成することができる。この樹脂組成物(1)の塗布厚は、乾燥平均厚で、通常は1〜80
μm、好ましくは5〜60μmの範囲内にある。
【0032】
上記のようにしてインナーリード側ソルダーレジスト層21を形成した後、このインナーリード側ソルダーレジスト層21のアウターリード側にアウターリード側ソルダーレジスト層22を形成する。このアウターリード側ソルダーレジスト層22は、上記のインナーリード側ソルダーレジスト層21を形成する樹脂に対して優れた親和性を有すると共にインナーリード側ソルダーレジスト層21を形成する樹脂を形成する樹脂よりも軟質の樹脂を含有する樹脂組成物(2)を用いて形成される。そして、本発明においてこの樹脂組成
物(2)には、高い難燃性を有しており、難燃性の樹脂を使用するか、および/または難燃
剤を配合する。
【0033】
このアウターリード側ソルダーレジスト層22を形成する樹脂の例としては、難燃性ポリイミド系樹脂を挙げることができる。このような樹脂は、インナーリード側ソルダーレジスト層21を形成する樹脂に対して高い親和性を示す。
【0034】
上記のような樹脂を有するアウターリード側ソルダーレジスト層22を形成する樹脂組成物(2)は難燃性を有する。すなわち、本発明の樹脂組成物(2)には難燃剤を配合することもできるし、樹脂自体に変性などにより難燃性を付与することもできる。ここで樹脂組成物(2)に配合することができる難燃剤の例としては、リン系難燃剤および無機系難燃剤を
挙げることができる。ここでリン系難燃剤の例としては、リン酸アンモニウム、トリクレジスホスフェート(TCP)、トリエチルホスフェート(TEP)、トリス(β-クロロエチル)ホ
スフェート(TCEP)、トリスクロロエチルホスフェート(CLP)、トリスジクロロプロピ
ルホスフェート(CRP)、クレジルジフェニルホスフェート(CDP)、キシレニルジフェニルホスフェート(XDP)、酸性リン酸エステルおよび含窒素リン化合物を挙げることがで
きる。さらに、無機系難燃化剤の例としては、赤リン、酸化スズ、三酸化アンチモン、水酸化ジルコニウム、メタホウ酸バリウム、水酸化アルミニウムおよび水酸化マグネシウムを挙げることができる。本発明において、これらの難燃剤は、単独であるいは組み合わせて使用することができる。
【0035】
特に本発明で難燃剤を配合して樹脂組成物(2)を難燃性にする場合には、難燃剤として
、リン系難燃剤が好ましく、さらに含窒素リン系化合物が好ましい。本発明で難燃剤として使用することができる含窒素リン系化合物としてホスファゼン化合物を挙げることができる。
【0036】
本発明でアウターリード側ソルダーレジスト層22を形成する樹脂組成物(2)中に、上
述の樹脂100重量部に対して上記のような難燃剤を通常は0.01〜70重量部の範囲内の量、好ましくは10〜60重量部の反内の量で配合することにより、得られるアウターリード側ソルダーレジスト層22に好適な難燃性を賦与することができる。
【0037】
なお、このアウターリード側ソルダーレジスト層22を形成する樹脂組成物(2)もスク
リーン印刷技術を利用して塗布することが、樹脂組成物(2)は、有機溶剤溶液あるいは有
機溶剤分散液として使用される。
【0038】
上記のように難燃性を有するか難燃剤を含有することにより形成されるアウターリード側ソルダーレジスト22は高い難燃性を呈する。本発明ではアウターリード側ソルダーレジスト層は、通常はインナーリード側ソルダーレジスト層よりも軟質の樹脂を使用して形成される。耐折性はMIT屈曲テストで10回以上、好ましくは50回以上がよい。
【0039】
入力側アウターリード端子から入力側インナーリード端子に至る領域では、このプリント配線基板を折り曲げて使用する場合の折り曲げ部に折り曲げ部ソルダーレジスト層を形成してもよい。すなわち、本発明のプリント配線基板において折り曲げ部を形成する場合には、より軟質な樹脂を用いて折り曲げ部ソルダーレジスト層を形成することもできる。
【0040】
このように折り曲げ部ソルダーレジスト層を形成することにより、折り曲げ部において、配線パターンとソルダーレジスト層とが密着した状態でプリント配線基板を折り曲げることができ、しかもこの折り曲げ部において配線パターンに断線などが生じにくくなる。
【0041】
本発明のプリント配線基板10は、上記のようにソルダーレジスト層が、インナーリード側ソルダーレジスト層21、アウターリード側ソルダーレジスト層22に区分けして形成されており、これらのソルダーレジストはいずれも反りが小さく、また、これらのソルダーレジスト層の内アウターリード側ソルダーレジスト層22には難燃剤が配合されている。このように難燃剤を含有するアウターリード側ソルダーレジスト層22は、ソルダーレジスト層全体の面積を100%とすると、通常は、20〜99%、好ましくは45〜95%の面積を占有する。このような面積占有率でアウターリード側ソルダーレジスト層22を形成することにより、このプリント配線基板全体を難燃性にすることができる。すなわち、上記の割合で難燃性ソルダーレジスト層22を形成することにより、本発明のプリント配線基板はUL94V規格のV=0の難燃性を有するようになる。従って、本発明のプリン
ト配線基板は、印加電圧が60V以上になるPDP用のプリント配線基板として好適に使用することができる。
【0042】
上記のように複数のソルダーレジスト層を有する本発明のプリント配線基板10は、配線パターン13を形成した後、スクリーン印刷技術などを利用して、難燃性且つ反りが小さくて封止樹脂との親和性(密着性)のよいソルダーレジスト、難燃性且つ反りが小さくて耐折性に優れたソルダーレジスト、さらに必要により、折り曲げ部に難燃性の軟質ソルダーレジストを、それぞれ独立に塗布し、次いでそれぞれ加熱することにより塗布したソルダーレジストをそれぞれ硬化させることにより製造することができる。
【0043】
上記のようなスクリーン印刷技術を利用したソルダーレジストの塗布に際しては、図3に示すように、先に塗布することにより形成されたソルダーレジスト層の縁部に、後に塗布するソルダーレジスト層の縁部を重ねて、ソルダーレジスト重複部分24を形成することができる。図3にはインナーリード側ソルダーレジスト層21を形成した後、アウターリード側ソルダーレジスト層22を形成した例が示されているが、これとは逆にアウターリード側ソルダーレジスト層22を形成した後、インナーリード側ソルダーレジスト層21を形成することもできる。このようにしてはインナーリード側ソルダーレジスト層21とアウターリード側ソルダーレジスト層22とを形成すると、インナーリード側ソルダーレジスト層21の縁部と、アウターリード側ソルダーレジスト層22の縁部とが重なってソルダーレジスト重複部分24が形成されている。このようなソルダーレジスト重複部分24は、その平均幅が通常は100〜2000μm、好ましくは200〜500μmの範囲内にすることが好ましい。図3には、インナーリード側ソルダーレジスト層21の縁部にアウターリード側ソルダーレジスト層22の縁部が重なった態様が示されているが、この重なりが逆であってもよい。このように隣接するソルダーレジスト層との縁部でソルダーレジスト重複部分24が形成されるように樹脂組成物(1)、樹脂組成物(2)を塗設することにより、これらの樹脂組成物の重複塗設部分ではソルダーレジスト層の特性が不連続に変化せず、しかも隣接するソルダーレジスト層間で剥離などが発生しにくくなる。すなわち、ソルダーレジストの形成素材が変化しても、その素材の変化に伴うソルダーレジスト層の特性が急激に変化せず、徐々に変化するために、それぞれのソルダーレジスト層の境界部分にある配線パターンに過度の負担がかからず、配線パターン13が損傷を受けるのを有効に防止できる。
【0044】
上記のようにソルダーレジストをそれぞれ塗布した後、それぞれ加熱してソルダーレジスト形成樹脂をそれぞれ硬化させることにより、ソルダーレジスト層が形成される。上記のようにして形成されるソルダーレジスト層の厚さに特に制限はなく、通常のソルダーレジスト層の厚さと同様に、平均厚さで通常は1〜80μm、好ましくは5〜60μm程度にする。また、インナーリード側ソルダーレジスト層21、アウターリード側ソルダーレジスト層22の厚さは特に変える必要性はなく、通常は上記の範囲内の厚さにされるが、例えば折り曲げ性などを考慮してソルダーレジスト層ごとにその厚さを変えることもできる。なお、キュアされたソルダーレジスト層に隣接して異なるソルダーレジスト層を形成するので、この場合、重なり合ったソルダーレジストそう24の厚みは他の領域より少し厚めとなるが平均厚さで10〜100μm、好ましくは20〜70μmにするのがよい。
【0045】
このようにしてソルダーレジスト層を形成した後、ソルダーレジスト層から露出したインナーリード14およびアウターリード15の表面をメッキ処理する。ここでメッキ処理としては、スズメッキ、金メッキ、ニッケル-金メッキ、ハンダメッキ、鉛フリーハンダ
メッキを挙げることができる。なお、上記メッキ処理を行う場合、ソルダーレジストを塗布する前に配線パターンに薄いメッキ層を形成し、この薄いメッキ層の上にソルダーレジスト層を形成し、されにソルダーレジスト層から露出している接続端子に再びメッキ処理を施してもよい。こうしたメッキ層の厚さは、メッキの種類によって適宜選択することができるが、メッキ層の合計の厚さを、通常は0.2〜0.8μm、好ましくは0.3〜0.6μmの範囲内の厚さに設定される。
【0046】
上記のようにして形成されたプリント配線基板10の電子部品実装部16に電子部品30を配置して、電子部品30に形成されたバンプ電極31とインナーリード15とを接合する。こうして電子部品30のバンプ電極31をインナーリード15に接合した後、少なくとも電子部品30とインナーリード15との接合部分を封止樹脂32で封止する。ここで封止樹脂32としては、熱硬化樹脂およびUV硬化性樹脂等を使用することができ、具体的にはエポキシ樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂などを使用することができる。
【0047】
ここで封止樹脂32は、インナーリード側に形成されたインナーリード側ソルダーレジスト層21の表面に封止樹脂重複部分33を形成するように配置することが好ましい。この封止樹脂重複部33の幅は通常は100〜3000μm、好ましくは200〜2000μmの範囲内にある。インナーリード側ソルダーレジスト層21は、封止樹脂32と親和性が高く、上記のようにして封止樹脂重複部33を形成することにより、封止樹脂32とインナーリード側ソルダーレジスト層21とが一体化して、電子部品30のバンプ電極31とインナーリード15との接合部分を強固に保持することができる。なお、封止樹脂32は、電子部品33と絶縁フィルム11との間にも充填され、さらに電子部品33の上面も被覆することもできる。
【0048】
このようにして形成された半導体装置は、難燃性を有するインナーリード側ソルダーレジスト層および高い難燃性を有するアウターリード側ソルダーレジスト層が形成されているので、全体として難燃性を呈する。さらに、インナーリード側ソルダーレジスト層21は、封止樹脂32との親和性が高いので、電子部品30を実装した後、接合部分を封止する封止樹脂32とインナーリード側ソルダーレジスト層21とが一体化して信頼性の高い半導体装置を得ることができる。
【0049】
そして、このような構成を有する半導体装置は、ソルダーレジスト層21中に難燃剤が配合されているので、本発明の半導体装置自体の難燃性もUL94V規格でV=0の高い難燃性
を有している。従って、本発明の半導体装置は、印加電圧が60V以上になるPDP用の半導
体装置として好適に使用することができる。
【0050】
〔実施例〕
次の本発明のプリント配線基板および半導体装置について実施例を示してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【実施例1】
【0051】
平均厚さ75μmのポリイミドフィルム(宇部興産(株)製、ユーピレックスS)の一方の
表面に平均厚さ25μmの銅層が形成された三層の基材フィルムを用意した。
この銅層の表面に感光性樹脂層を形成し、この感光性樹脂層を所望のパターンに露光・現像して感光性樹脂からなるパターンを形成した。
【0052】
このパターンをマスキング材として、銅層を選択的にエッチングすることにより、配線パターンを形成した。
次いで、形成された配線パターンのインナーリード側に、MIT屈曲テストにおける耐折
性が8回である難燃性(V=0)のエポキシ樹脂を含有する樹脂組成物(1)((株)アサヒ化学研究所製、商品名;CCR-232GF)を用いて厚さ50μmのインナーリード側ソルダーレ
ジスト塗布層を形成した。ここでアウターリード側ソルダーレジスト層を形成する樹脂組成物(2)は、難燃性V=0で樹脂成分としてポリイミド樹脂(宇部興産(株)製、商品名:ユピコートFS-510シリーズ)を含み耐折性は60回であった。
【0053】
上記のようにして2種類の樹脂組成物(1)、(2)を塗布してソルダーレジスト塗布層を形成したが、それぞれの塗布層が平均幅350μmの重複塗布部分を有するように形成した。
【0054】
上記のようにして2種類のソルダーレジスト塗布層を形成した後、ソルダーレジスト塗布層を加熱して硬化させてソルダーレジスト層を形成した。
上記のようにして形成された難燃性ソルダーレジスト層全体の面積は1800mm2であ
り、アウターリード側ソルダーレジスト層の面積は1600mm2であり、全ソルダーレジ
スト層の面積(100%)の89%に相当する。
【0055】
こうしたソルダーレジスト層を形成した後、インナーリードおよびアウターリードに平均厚さ0.6μmのスズメッキ層を形成した。
こうして得られたプリント配線基板の難燃性はUL94V規格でV=0であり、高い難燃性を
示した。
【0056】
上記のようにして製造されたプリント配線基板に、電子部品を実装して半導体装置を製造した。この実装された電子部品をエポキシ樹脂系の封止樹脂を用いて樹脂封止した。封止樹脂と接着性ソルダーレジスト層との重複部分の平均幅は350μmであった。
【0057】
上記のようにして製造された半導体装置の難燃性はUL94V規格でV=0であり、高い難燃
性を示した。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明のFCPやフィルムキャリアテープ等のプリント配線基板には、難燃性を有すると共に封止樹脂との密着性に優れた樹脂を含有する樹脂組成物(1)を用いてインナーリード側ソルダーレジスト層を形成し、このインナーリード側ソルダーレジスト層のアウターリード側に、インナーリード側ソルダーレジスト層との親和性に優れる樹脂を含有すると共に、高い難燃性を有する樹脂組成物(2)を使用してアウターリード側ソルダーレジスト層を形成しているので、プリント配線基板全体として難燃性を呈し、このプリント配線基
板全体の難燃性は、UL-94V規格のV=0あるいはVTM 0を満たす。
【0059】
さらに、本発明のプリント配線基板に形成されているインナーリード側ソルダーレジスト層は、電子部品の封止樹脂に対して大変高い親和性を有しており、このプリント配線基板に電子部品を実装して封止樹脂で封止した本発明の半導体装置は、封止樹脂とインナーリード側ソルダーレジスト層との境界部においても両者は良好に密着し、剥離などが生ずることはない。しかも、インナーリード側ソルダーレジスト層が難燃性を有し、アウターリード側ソルダーレジスト層が高い難燃性を有するので、本発明の半導体装置は、全体としてUL-94V規格の難燃性がV=0あるいはVTM 0を満たす。
【0060】
従って、本発明の半導体装置は、印加電圧が60V以上であるPDP用の半導体装置として好適に使用することができる。
このように本発明のプリント配線基板および半導体装置は、難燃性であるけれども、このようにプリント配線基板に難燃性を賦与することによってもこのプリント配線基板の折り曲げ特性、実装された電子部品の封止樹脂との密着性などの特性が低下しない。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】図1は、本発明のプリント配線基板の例を示す平面図である。
【図2】図2は、本発明のプリント配線基板の例を示す断面図である。
【図3】図3は、本発明のプリント配線基板におけるインナーリード側ソルダーレジスト層とアウターリード側ソルダーレジスト層との境界部分を拡大して示す拡大断面図である。
【符号の説明】
【0062】
10・・・プリント配線基板
11・・・絶縁フィルム
12・・・スプロケットホール
13・・・配線パターン
14・・・アウターリード
15・・・インナーリード
16・・・電子部品実装部
20・・・ソルダーレジスト
21・・・インナーリード側ソルダーレジスト層
22・・・アウターリード側ソルダーレジスト層
24・・・ソルダーレジスト重複部分
30・・・電子部品
31・・・バンプ電極
32・・・封止樹脂
33・・・封止樹脂重複部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁フィルムと、該絶縁フィルムの表面に形成された配線パターンと、該配線パターンのインナーリードおよびアウターリードからなる端子部分が露出するように形成されたソルダーレジスト層とを有するプリント配線基板であって、該ソルダーレジスト層が、配線パターンのインナーリード側に形成されたインナーリード側ソルダーレジスト層と、該インナーリード側ソルダーレジスト層のアウターリード側に形成されたアウターリード側ソルダーレジスト層とに区分けして形成されたおり、該インナーリード側に設けられるインナーリード側ソルダーレジスト層が、難燃性を有すると共に該プリント配線基板に実装される電子部品の封止樹脂に対して高い親和性を有する樹脂組成物(1)から形成されており、そして、該インナーリード側ソルダーレジスト層のアウターリード側に形成されているアウターリード側ソルダーレジスト層が、難燃性を有すると共に、上記樹脂組成物(1)か
ら形成されたインナーリード側ソルダーレジスト層よりも軟質であり、かつ該電子部品の封止樹脂に対する親和性が低い樹脂組成物(2)により形成されてなることを特徴とするプ
リント配線基板。
【請求項2】
上記実装された電子部品を封止する樹脂が、エポキシ系封止樹脂、ウレタン系封止樹脂、アクリル系封止樹脂およびポリイミド系封止樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも一種類の封止樹脂であることを特徴とする請求項第1項記載のプリント配線基板。
【請求項3】
上記インナーリード側ソルダーレジスト層を形成する樹脂組成物(1)が、実装された電
子部品を封止する樹脂と、同一または近似した構造を有する樹脂を含有することを特徴とする請求項第1項記載のプリント配線基板。
【請求項4】
上記インナーリード側ソルダーレジスト層を形成する樹脂組成物(1)が、アウターリー
ド側ソルダーレジスト層よりも硬質な、エポキシ樹脂を含有する樹脂組成物(1)であるこ
とを特徴とする請求項第1項記載のプリント配線基板。
【請求項5】
上記アウターリード側ソルダーレジスト層を形成する樹脂組成物(2)が、ポリイミド樹
脂と、難燃剤とを含有することを特徴とする請求項第1項記載のプリント配線基板。
【請求項6】
上記封止樹脂が、エポキシ系封止樹脂であり、インナーリード側ソルダーレジスト層を形成する樹脂がエポキシ系樹脂であり、アウターリード側ソルダーレジスト層が難燃剤を含有するポリイミド系樹脂から形成されていることを特徴とする請求項第1項記載のプリ
ント配線基板。
【請求項7】
上記アウターリード側ソルダーレジスト層に難燃性を賦与する難燃剤が、有機リン系難燃化剤および無機系難燃化剤よりなる群から選ばれる少なくとも一種類の難燃剤であることを特徴とする請求項第1項記載のプリント配線基板。
【請求項8】
上記有機リン系難燃剤が、含窒素リン化合物であることを特徴とする請求項第7項記載のプリント配線基板。
【請求項9】
上記区画されて形成されたインナーリード側ソルダーレジスト層とアウターリード側ソルダーレジスト層との境界において、インナーリード側ソルダーレジスト層とアウターリード側ソルダーレジスト層とが重複して形成されていることを特徴とする請求項第1項記
載のプリント配線基板。
【請求項10】
上記プリント配線基板のUL-94V規格の難燃性が、V=0を満たすことを特徴とする請求
項第1項乃至第9項のいずれかの項記載のプリント配線基板。
【請求項11】
上記プリント配線基板がアウターリード側ソルダーレジスト層のある領域で折り曲げて使用するものであることを特徴とする請求項第1項乃至第10項のいずれかの項記載のプリント配線基板。
【請求項12】
上記請求項1乃至11項のいずれかの項記載のプリント配線基板のインナーリードに電
子部品が実装され、少なくとも該電子部品とインナーリードとの接合部分が封止樹脂で封止されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項13】
上記封止樹脂が、エポキシ樹脂からなることを特徴とする請求項第12項記載の半導体装置。
【請求項14】
上記プリント配線基板のインナーリード側ソルダーレジスト層の縁部に封止樹脂が重複して形成されていることを特徴とする請求項第13項記載の半導体装置。
【請求項15】
上記半導体装置のUL-94V規格の難燃性が、V=0を満たすことを特徴とする請求項第12項乃至第14項のいずれかの項記載の半導体装置。
【請求項16】
上記半導体装置が、60V以上の電圧を印加して使用するものであることを特徴とする
請求項第12項記載の半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−73966(P2006−73966A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−258972(P2004−258972)
【出願日】平成16年9月6日(2004.9.6)
【出願人】(000006183)三井金属鉱業株式会社 (1,121)
【Fターム(参考)】