説明

プリント配線板およびその製造方法

【課題】導電層をカバーコートにより確実に被覆することができ、導電層の酸化や腐食の発生を防止することができるプリント配線板およびその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】プリント配線板1は、基材2の表面上に設けられた導電層3と、導電層3の表面上に設けられた導電性ペースト7と、導電層3、および導電性ペースト7の表面上に設けられ、導電層3および導電性ペースト7を被覆するカバーコート5を備えている。導電性ペースト7は、紫外線を反射する金属製の反射部材21を含有し、カバーコート5が、紫外線硬化性を有するネガ型の感光性樹脂組成物により形成されている。紫外線が導電性ペースト7に照射されると、金属製の反射部材21が紫外線を反射し、導電性ペースト7において、紫外線が散乱され、導電性ペースト7の周囲に位置するカバーコート5の一部に、導電性ペースト7により散乱された紫外線の散乱光が照射される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ハードディスクドライブにおける磁気ヘッドサスペンション用の基板として使用されるプリント配線板およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器分野においては、電子機器の高密度化や小型化等に伴い、種々の用途に、プリント配線板が広く用いられている。例えば、データ転送の高速化が要求されるハードディスクドライブにおける磁気ヘッドを搭載するための磁気ヘッドサスペンション用の基板としてプリント配線板が使用されている。
【0003】
このようなプリント配線板としては、例えば、絶縁性の基材と、基材の両面の各々に設けられ、所定の配線パターンを有する2層の導電層と、導電層を覆うように、その表面に設けられた絶縁層であるカバーコートを備えるプリント配線板が開示されている。
【0004】
ここで、従来、カバーコートとしては、例えば、紫外線硬化性を有するネガ型の感光性樹脂組成物により形成されたものが使用されている。より具体的には、例えば、カルボキシル基含有樹脂、光重合開始剤、反応性希釈剤、および多官能エポキシ樹脂化合物を含有するアルカリ現像型の感光性樹脂組成物により形成されたカバーコートが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
そして、このようなカバーコートを形成する方法としては、一般に、導電層の表面上に、紫外線硬化性を有するネガ型の感光性樹脂組成物をスクリーン印刷等により塗布して乾燥させた後、所定のレジストパターンを有するレジストをマスクとして紫外線を照射して、露光、現像する方法や、紫外線硬化性を有するネガ型の感光性樹脂組成物により形成された感光性フィルムをラミネート処理して、導電層の表面上に感光性フィルムを貼り合わせて積層した後、上述のレジストをマスクとして紫外線を照射して、露光、現像する方法が採用されている。
【特許文献1】特開2003−280193号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、図7(a)に示すように、上記従来のプリント配線板50の製造工程においては、絶縁層であるカバーコート54の表面において、所定のレジストパターンを有するレジスト56をラミネート処理等により形成する際に、ラミネート処理等の加工処理の際の歪みや、基材51、または基材51の両面の各々に設けられた2層の導電層52,53の伸縮により、レジスト56のレジストパターンの位置ズレ(即ち、レジスト56の端部56aの位置ズレ)が生じた場合に、レジスト56の端部56aと導電層52の端部52aとの間に、導電層52の端部52aを被覆すべきカバーコートの一部54aが位置しないことになる。そうすると、図7(a)に示すように、レジスト56をマスクとして使用し、ネガ型の感光性樹脂組成物により形成された紫外線硬化性のカバーコート54に対して紫外線57を照射し、露光、現像する際に、導電層52の端部52aを被覆すべきカバーコート54の一部54aに紫外線57が照射されず、カバーコート54の一部54aが露光、現像されないことになる。従って、図7(b)に示すように、導電層52の端部52aがカバーコート54により被覆されず、露出することになる。その結果、露出した導電層52の端部52aにおいて酸化や腐食が発生し、断線や、別部材との接触によるショートが発生するという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、導電層をカバーコートにより確実に被覆することができ、導電層の酸化や腐食の発生を防止することができるプリント配線板およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、基材と、基材の表面上に設けられた導電層と、導電層の表面上に設けられた導電性ペーストと、導電層の表面上、および導電性ペーストの表面上に設けられ、導電層および導電性ペーストを被覆するカバーコートとを備え、導電性ペーストが、紫外線を反射する金属製の反射部材を含有し、カバーコートが、紫外線硬化性を有するネガ型の感光性樹脂組成物により形成されていることを特徴とするプリント配線板である。
【0009】
同構成によれば、カバーコートの表面において、所定のレジストパターンを有するレジストを形成して、カバーコートに対して紫外線を照射して露光、現像することにより、導電層の表面上、および導電性ペーストの表面上にカバーコートを形成し、導電層および導電性ペーストをカバーコートにより被覆する際に、レジストの位置ずれが生じた場合であっても、導電性ペーストが含有する金属製の反射部材が紫外線を反射するため、導電性ペーストにおいて、紫外線を散乱させることが可能になる。そうすると、カバーコートにおいて、レジストの位置ずれにより、直接、紫外線が照射されない部分(例えば、導電層の端部を被覆すべきカバーコートの一部)に対しても、導電性ペーストにより散乱された紫外線の散乱光を照射して、間接的に露光、現像することができる。従って、導電層をカバーコートにより確実に被覆することができ、導電層の露出を防止することができるため、結果として、導電層の酸化や腐食の発生を防止して、導電層に形成された配線の断線やショートを防止することが可能になる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のプリント配線板であって、導電性ペーストの表面の少なくとも一部が、凸形状を有することを特徴とする。同構成によれば、カバーコートにおいて、直接、紫外線が照射されない部分に向けて、導電性ペーストが紫外線を反射しやすくなるため、導電性ペーストの反射効率が向上する。従って、カバーコートにおいて、直接、紫外線が照射されない部分に対して、導電性ペーストにより散乱された紫外線の散乱光を効率よく照射することが可能になる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のプリント配線板であって、反射部材が導電性フィラーであることを特徴とする。同構成によれば、導電性ペーストに導電性を付与する導電性フィラーを、反射部材として兼用することが可能になる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のプリント配線板であって、導電性フィラーが平板状導電性フィラーであることを特徴とする。同構成によれば、導電性ペーストにおいて、紫外線を反射しやすくなるため、導電性ペーストの反射効率が向上する。従って、カバーコートにおいて、直接、紫外線が照射されない部分に対して、導電性ペーストにより散乱された紫外線の散乱光を効率よく照射することが可能になる。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のプリント配線板であって、平板状導電性フィラーが、銀粉末、銅粒子を銀で被覆した銀コート銅粉末、白金粉末、金粉末、銅粉末、ニッケル粉末、およびパラジウム粉末からなる群より選ばれる少なくとも1種により形成されていることを特徴とする。同構成によれば、入手が容易で、かつ汎用性のある金属粉末により、導電性ペーストの反射効率を向上させることができる平板状導電性フィラーを形成することが可能になる。
【0014】
また、本発明の請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のプリント配線板は、導電層の酸化や腐食の発生を防止して、導電層に形成された配線の断線やショートを防止することができるという優れた特性を備えている。従って、請求項6に記載の発明のように、回路について高い位置精度が要求される、ハードディスクドライブに使用される回路付きサスペンション用の基板として用いられるプリント配線板として好適に使用できる。
【0015】
請求項7に記載の発明は、基材上に導電層を形成する工程と、導電層の表面上に、紫外線を反射する金属製の反射部材を含有する導電性ペーストを塗布する工程と、導電層の表面上、および導電性ペーストの表面上に、紫外線硬化性を有するネガ型の感光性樹脂組成物により形成されたカバーコートを積層する工程と、カバーコートの表面上に、所定のレジストパターンを有するレジストを形成する工程と、レジストをマスクとして、カバーコート、および導電性ペーストに対して紫外線を照射するとともに、反射部材により紫外線を反射させることにより、カバーコートを露光、現像して、カバーコートに所定のパターンを形成し、導電層および導電性ペーストをカバーコートにより被覆する工程とを少なくとも含むことを特徴とするプリント配線板の製造方法である。
【0016】
同構成によれば、カバーコートの表面上に、所定のレジストパターンを有するレジストを形成して、カバーコートに対して紫外線を照射して露光、現像することにより、導電層の表面上、および導電性ペーストの表面上にカバーコートを形成して、導電層および導電性ペーストをカバーコートにより被覆する際に、レジストの位置ずれが生じた場合であっても、導電性ペーストが含有する金属製の反射部材が紫外線を反射するため、導電性ペーストにおいて、紫外線を散乱させることが可能になる。そうすると、カバーコートにおいて、レジストの位置ずれにより、直接、紫外線が照射されない部分(例えば、導電層の端部を被覆すべきカバーコートの一部)に対しても、導電性ペーストにより散乱された紫外線の散乱光を照射して、間接的に露光、現像することができる。従って、導電層をカバーコートにより確実に被覆することができ、導電層の露出を防止することができるため、結果として、導電層の酸化や腐食の発生を防止して、導電層に形成された配線の断線やショートを防止することが可能になる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、導電層の酸化や腐食の発生を防止して、導電層に形成された配線の断線やショートを防止することができるプリント配線板を得ることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に、本発明の好適な実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に係るプリント配線板の構成を示す断面図である。図1に示すように、本実施形態のプリント配線板1は、柔軟な樹脂フィルムにて形成された絶縁性の基材2の両面の各々に、所定の配線パターンを有する2層の導電層3,4を設けた、いわゆる両面プリント配線板であって、導電層3を覆うように、その表面に絶縁層であるカバーコート5を設けたものである。
【0019】
基材2を構成する樹脂フィルムとしては、柔軟性に優れた樹脂材料からなるものが使用される。かかる樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエステルフィルムなどの、プリント配線板用として汎用性のある樹脂のフィルムがいずれも使用可能である。また、特に、柔軟性に加えて高い耐熱性をも有しているのが好ましく、かかる樹脂フィルムとしては、例えば、ポリアミド系の樹脂フィルムや、ポリイミド、ポリアミドイミドなどのポリイミド系の樹脂フィルムやポリエチレンナフタレートが好適に使用される。
【0020】
また、所定の配線パターンを有する導電層3,4を構成する金属箔としては、銅箔や銅合金(例えば、スズ含有銅合金、クロム含有銅合金、亜鉛含有銅合金、ジルコニウム含有銅合金、銀含有合金等)が好適に使用される。そして、この金属箔を、常法により、露光、エッチングして、加工することにより、所定の配線パターンを有する導電層3,4が形成されている。
【0021】
なお、導電層3,4の表面をめっき層(不図示)により被覆する構成としても良い。このめっき層は、例えば、環境への配慮から、鉛を含有しない金めっき層を使用することができる。導電層3,4の表面へのめっき処理は、無電解めっき法、または電解めっき法により行われ、金めっき層を設ける際には、露出した導電層3,4の表面に対して、まず、拡散防止層としてのニッケルめっき層を形成した後、当該ニッケルめっき層の表面上に金めっき層を形成する方法が採用される。
【0022】
また、本実施形態においては、図1に示すように、プリント配線板1には、導電層3,4を連結するための貫通孔(または、ブラインドビアホール)6が形成されている。そして、当該貫通孔6に導電性ペースト7が充填されるとともに、導電層3の表面上に、導電性ペースト7が設けられる構成となっている。また、導電層3,4が、当該導電性ペースト7を介して、電気的に接続される構成となっている。
【0023】
貫通孔6は、図1に示すように、導電層4を底面とするとともに、基材2、および導電層3を壁面とするものであり、当該貫通孔6の直径は、30〜200μmとすることが好ましく、50〜150μmとすることが更に好ましい。これは、直径が30μmよりも小さいと、貫通孔6の接続面積が小さくなるため、導電層3,4を電気的に接続する際に、接続抵抗が大きくなる場合があるからであり、また、直径が200μmよりも大きい場合は、導電層3上に形成された配線パターンの配線幅に比し、貫通孔6が大きくなり、高密度実装を行うことが困難になる場合があるからである。なお、貫通孔6の形状は、円形状のほか、例えば、楕円形状や断面多角形状等の任意の形状とすることができ、円形状以外の形状の場合は、開口部の最大長さを貫通孔の直径とする。
【0024】
また、導電性ペースト7としては、金属粉末等の導電性フィラーをバインダー樹脂中に分散したものが使用できる。導電性フィラーである金属粉末としては、銀粉末、銅粒子を銀で被覆した銀コート銅粉末、白金粉末、金粉末、銅粉末、ニッケル粉末、およびパラジウム粉末等の金属粉末や、カーボンブラック、グラファイト粉等のカーボン粉が使用できるが、このうち、銀粉末や銀コート銅粉末を使用すると優れた導電性を示すため、好ましい。
【0025】
また、本実施形態の導電性ペースト7においては、導電性フィラーとして、平板状導電性フィラーを含有している。ここで、「平板状」とは、導電性フィラーの最大長さをL、粒子の厚みをDとした場合に、最大長さLと厚みDの比(=L/D)が3以上であるものをいう。
【0026】
また、平板状導電性フィラーの99%累積粒度径は20μm以下とすることが好ましい。99%累積粒度径を20μm以下とすることにより、直径が小さい貫通孔6に対しても、導電性ペースト7の充填率を向上させることができるとともに、導電性ペースト7中の導電性フィラーの充填密度を向上させることができるため、導電性の高い導電性ペースト7を得ることが可能になる。なお、平板状導電性フィラーの99%累積粒度径は、5μm〜15μmとすることが更に好ましい。また、99%累積粒度径とは、粒度分布測定において、累積値が99%となる粒子径を指し、レーザードップラー法を応用した粒度分布測定装置(日機装(株)製、ナノトラック(登録商標)粒度分布測定装置UPA−EX150)等により測定することができる。
【0027】
また、平板状導電性フィラーの平均粒径が0.5μm〜5μmであることが好ましい。99%累積粒度径のみならず、平均粒径をこの範囲に設定することにより、導電性ペースト7の充填率を更に向上させることができるとともに、導電性ペースト7中の導電性フィラーの充填密度を更に向上させることができるため、更に導電性の高い導電性ペースト7を得ることが可能になる。なお、平均粒径とは、50%粒径(D50)を指し、上述のレーザードップラー法を応用した粒度分布測定装置(日機装(株)製、ナノトラック(登録商標)粒度分布測定装置UPA−EX150)等により測定することができる。
【0028】
また、本発明の導電性ペースト7における導電性フィラーは、上述の平板状導電性フィラーの他に、他の導電性フィラーを組み合わせることができる。他の導電性フィラーとしては、例えば、球状導電性フィラーを使用することができる。なお、ここでいう球状導電性フィラーには、完全な球形状ではないものも含まれ、例えば、表面に若干の凹凸があるものや、楕円球形状であるものも含まれる。この球状導電性フィラーである金属粉末としては、上述の銀粉末、白金粉末、金粉末、銅粉末、ニッケル粉末、およびパラジウム粉末等の金属粉末や、銀コート銅粉末、カーボンブラック、グラファイト粉等のカーボン粉が使用でき、銀粉末や銀コート銅粉末を使用すると優れた導電性を示すため、好ましい。
【0029】
また、球状導電性フィラーとして、99%累積粒度径が20μm以下ものを使用することが好ましい。このように、平板状導電性フィラーと球状導電性フィラーを組み合わせて使用することにより、導電性ペースト7中の導電性フィラーの充填率をより一層高めることが可能になるため、導電性ペースト7の導電性をより一層向上させることが可能になるからである。また、球状導電性フィラーの平均粒径は、20μm以下であれば、特に限定されないが、10μm以下のものが好適に使用できる。
【0030】
また、導電性フィラーとして、平板状導電性フィラーと球状導電性フィラーを使用する場合は、平板状導電性フィラーと球状導電性フィラーの混合比率を1:4〜99:1とすると、導電性に優れるため、好ましい。
【0031】
バインダー樹脂としては、有機絶縁性樹脂が使用され、当該有機絶縁性樹脂としては、熱処理後に導電膜中に残存することを考慮して、耐熱性樹脂であることが好ましい。この耐熱性樹脂としては、例えば、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステルイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリベンズイミダゾール樹脂、ポリベンズオキサゾール樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ビスマレイミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂等を挙げることができる。これらの耐熱性樹脂は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせてバインダー樹脂として使用することができる。
【0032】
また、導電性ペースト7の耐熱性向上の観点から、これらの樹脂のうち、エポキシ樹脂を使用することが好ましい。エポキシ樹脂の種類としては、特に限定はされないが、ビスフェノールA型、F型、S型、AD型等を骨格とするビスフェノール型のエポキシ樹脂、ナフタレン型のエポキシ樹脂、ノボラック型のエポキシ樹脂、ビフェニル型のエポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型のエポキシ樹脂等が挙げられる。また、高分子量のエポキシ樹脂であるフェノキシ型のエポキシ樹脂を使用することもできる。
【0033】
また、導電性ペースト7には、上述の各成分に加えて、バインダー樹脂を硬化させるための潜在性硬化剤、溶剤、その他添加剤等を含有することができる。例えば、エポキシ樹脂用の潜在性硬化剤としては、イミダゾール系、ヒドラジド系、三フッ化ホウ素−アミン錯体、アミンイミド、ポリアミン系、第3級アミン、アルキル尿素系等のアミン系、ジシアンジアミド系、酸無水物系、フェノール系、および、これらの変性物が例示され、これらは単独または2種以上の混合物として使用できる。
【0034】
また、これらの潜在性硬化剤中でも、低温での貯蔵安定性、および速硬化性に優れているとの観点から、イミダゾール系の潜在性硬化剤が好ましく使用される。イミダゾール系の潜在性硬化剤としては、公知のイミダゾール系の潜在性硬化剤を使用することができる。より具体的には、イミダゾール化合物のエポキシ樹脂との付加物が例示される。イミダゾール化合物としては、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−プロピルイミダゾール、2−ドデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾールが例示される。
【0035】
また、特に、これらの潜在性硬化剤を、ポリウレタン系、ポリエステル系等の高分子物質や、ニッケル、銅等の金属薄膜およびケイ酸カルシウム等の無機物で被覆してマイクロカプセル化したものは、長期保存性と速硬化性という矛盾した特性の両立を図ることができるため、好ましい。従って、マイクロカプセル型イミダゾール系の潜在性硬化剤が、特に好ましい。
【0036】
ただし、一般に、導電性ペーストは、耐熱温度の低い、汎用性のある材料からなる基材等と組み合わせて使用されることを考慮すると、200℃以下の温度域で硬化することが好ましく、そのため、200℃以下の所定の温度で、バインダー樹脂を硬化反応させることができる硬化剤を、適宜、選択して使用することが好ましい。なお、硬化剤は、バインダー樹脂の理論当量分、配合すれば良い。
【0037】
また、バインダー樹脂を溶解するための溶剤としては、バインダー樹脂が可溶であり、導電性ペースト7を塗布する基材2に対して非腐食性であり、かつ、導電性ペースト7は、スクリーン印刷等の方法で、基材2に形成された貫通孔6に充填されるため、高沸点であり、揮発性の低いものを用いると、耐乾燥性が向上し、印刷作業性が良くなる。従って、これらの特性を維持する観点から、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、ターピネオール、フタル酸ジエチル等の有機溶媒が好適に使用できる。なお、これらの溶剤を、数種類、組み合わせて使用することもできる。
【0038】
また、導電性ペースト7においては、上述の各成分に加えて、硬化促進剤、シランカップリング剤、難燃化剤、増粘剤、チクソトロピック剤、レベリング剤等の添加剤を含有する構成としても良い。例えば、導電性ペーストに可塑剤を添加することにより、当該導電性ペースト7を貫通孔6に充填する際の耐乾燥性を向上させることができる。この可塑剤としては、例えば、フタル酸誘導体、イソフタル酸誘導体、テトラヒドロフタル酸誘導体、アジピン酸誘導体、マレイン酸誘導体、フマル酸誘導体、トリメリット誘導体、ピロメリット誘導体、ステアリン酸誘導体、オレイン酸誘導体、イタコン酸誘導体、リシノール誘導体、水素添加ヒマシ油およびその誘導体が好適に使用できる。
【0039】
導電性ペースト7の作製方法としては、まず、エポキシ樹脂等のバインダー樹脂を、ブチルカルビトールアセテート等の溶剤に溶解し、次いで、銀粉末や銀コート銅粉末等を導電性フィラーとして添加するとともに、潜在性硬化剤や添加剤等を添加して混合し、三本ロールにより混練する方法が挙げられる。
【0040】
また、本実施形態のプリント配線板1においては、導電層3、および導電性ペースト7を被覆ように、その表面に設けられたカバーコート5が、ネガ型の感光性樹脂組成物により形成されている。このネガ型の感光性樹脂組成物としては、紫外線硬化性のものが使用される。より具体的には、例えば、紫外線硬化性を有する感光性ポリイミド樹脂により形成された感光性カバーコートインクや、紫外線硬化性を有するエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種により形成された感光性フィルムが使用される。
【0041】
このうち、感光性ポリイミド樹脂により形成された感光性カバーコートインクとしては、例えば、感光性ポリイミド樹脂(36〜37重量%)を主成分とし、安息香酸エチル(23〜24重量%)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(35〜36重量%)、および水酸化マグネシウム(3.5〜4重量%)を含有するものを使用することができる。また、使用される感光性ポリイミド樹脂の種類としては、例えば、芳香族ポリイミド重合体が挙げられる。
【0042】
そして、感光性カバーコートインクを使用する場合は、所定の配線パターンが形成された導電層3の表面上に、感光性カバーコートインクをスクリーン印刷等により塗布して乾燥させ、さらに紫外線により露光、現像することにより、導電層3の表面上に、ネガ型の感光性ポリイミド樹脂により形成されたカバーコート5を形成する構成となっている。また、感光性フィルムを使用する場合は、上述の感光性フィルムをラミネート処理して、導電層3の表面上に、感光性フィルムを貼り合わせて積層することにより、導電層3の表面上に、ネガ型の感光性エポキシ樹脂等により形成されたカバーコート5を形成する構成となっている。
【0043】
次に、本実施形態のプリント配線板の製造方法について説明する。図2は、本発明の実施形態にかかるプリント配線板の製造方法を説明するための断面図である。
【0044】
本発明の多層プリント配線板の製造方法としては、まず、図2(a)に示すように、例えば、柔軟な樹脂フィルムにて形成された絶縁性の基材2の両面上に、導電層3,4を設けたものを用意する。なお、接着剤層(不図示)を介して、導電層3,4を設ける構成としても良いが、プリント配線板1の屈曲性・柔軟性を考慮して、接着剤層を使用しないで、基材2の両面上に、導電層3,4を設ける構成とすることが好ましい。
【0045】
次いで、図2(b)に示すように、導電層3をマスキングして、エッチング(例えば、湿式エッチング)を行い、導電層3に所定の配線パターンを形成する。次いで、図2(c)に示すように、基材2と導電層3に、COレーザ(YAGレーザ)やドリル等を用いて穴を開け、導電層4を底面とするとともに、基材2、および導電層3を壁面とする貫通孔(または、有底穴、ブラインドビア)6を形成する。
【0046】
次いで、貫通孔6内に残存している穿孔による樹脂や銅箔の酸化物等のスミアを除去するために、アルカリと過マンガン酸カリウムにより、湿式デスミア処理を施して、貫通孔6内を清掃する。次いで、図2(d)に示すように、貫通孔6の底面である導電層4の表面と、貫通孔6の壁面である基材2、および導電層3の表面が連続するように、導電性ペースト7を塗布することにより、貫通孔6に導電性ペースト7を充填するとともに、導電層3の表面上に、導電性ペースト7を塗布して設ける。なお、この際、図2(d)に示すように、導電性ペースト7の表面7aに凸部20を設けて、導電性ペースト7の表面7aの少なくとも一部が凸形状を有するように、導電層3の表面に導電性ペーストを塗布する。また、導電性ペースト7を貫通孔6に充填する方法としては、スクイジングプレートを使用したスクリーン印刷法等の方法により、導電層3の面側からスクイジングにより、貫通孔6内に充填する方法が採用できる。
【0047】
次いで、図3(a)に示すように、導電層3の表面上、および導電性ペースト7の表面上に、カバーコート5を積層する。より具体的には、例えば、上述した紫外線硬化性を有するネガ型の感光性ポリイミド樹脂により形成された感光性カバーコートインクを使用する場合は、当該感光性カバーコートインクをスクリーン印刷等により塗布して乾燥させることにより、導電層3の表面上、および導電性ペースト7の表面上に、カバーコート5を積層する。
【0048】
次いで、図3(b)に示すように、カバーコート5の表面上において、所定のレジストパターンを有するレジスト9を形成する。このレジスト9の形成方法は、例えば、ドライフィルムレジストをラミネート処理する等、公知の方法を使用することができる。より具体的には、カバーコート層の表面に、例えば、ラミネート法を用いて、アクリル樹脂系のドライフィルムレジストを形成することができ、また、スピンコート法を用いて、ノボラック樹脂系のレジストを形成することができる。その後、当該レジストを加工処理することにより、図3(b)に示すように、所定のレジストパターンを有するレジスト9を形成する。この際、導電層3の端部3aが、紫外線10の照射により、露光、現像されたカバーコート5によって被覆されるように、レジスト9の配置を決定する。より具体的には、図3(b)に示すように、レジスト9の端部9aと導電層3の端部3aとの間に、導電層3の端部3aを被覆すべきカバーコート5の一部5aが位置するよう(即ち、レジスト9の端部9aが、導電層3の端部3aよりも、図中の矢印Xの方向に位置するように)レジスト9を配置する。
【0049】
そして、図3(c)に示すように、レジスト9をマスクとして使用し、ネガ型の感光性ポリイミド樹脂により形成されたカバーコート5に対して紫外線10を照射し、当該紫外線10によりカバーコート5を露光、現像することにより、カバーコート5に所定のパターンが形成される。そうすると、導電層3の表面上、および導電性ペースト7の表面上に、絶縁層としてのカバーコート5が形成され、導電層3および導電性ペースト7がカバーコート5により被覆された、上述の図1に示すプリント配線板1が製造される。
【0050】
ここで、上述のごとく、上記従来のプリント配線板50においては、レジスト56のレジストパターンの位置ズレ(即ち、レジスト56の端部56aの位置ズレ)が生じた場合、導電層52の端部52aを被覆すべきカバーコート54の一部54aに紫外線57が照射されないため、導電層52の端部52aがカバーコート54により被覆されず、露出してしまうという不都合があった。
【0051】
一方、本実施形態におけるプリント配線板1においては、上述のごとく、導電層3の表面上に、導電性フィラーを含有する導電性ペースト7が設けられるとともに、導電層3、および導電性ペースト7の表面上に、紫外線硬化性を有するネガ型の感光性樹脂組成物により形成されたカバーコート5を設ける構成としている。従って、図4に示すように、カバーコート5の表面上において、所定のレジストパターンを有するレジスト9を形成する際に、レジストパターンの位置ズレが生じた場合(即ち、即ち、レジスト9の端部9aの位置ズレが生じた場合)であっても、カバーコート5に対して紫外線10を照射する際に、当該紫外線10が導電性ペースト7にも照射され、導電性ペースト7が含有する導電性フィラー(即ち、平板状フィラーや球状フィラー)が、紫外線10を反射する金属製の反射部材21として作用するため、導電性ペースト7において、紫外線10を散乱させることが可能になる。そうすると、図4に示すように、レジスト9のレジストパターンの位置ズレにより、レジスト9の端部9aと導電層3の端部3aとの間に、導電層3の端部3aを被覆すべきカバーコート5の一部5aが位置しない場合であっても、カバーコート5に対して紫外線10を照射し、露光、現像する際に、導電性ペースト7の周囲に位置する、導電層3の端部3aを被覆すべきカバーコート5の一部5aに、導電性ペースト7により散乱された紫外線10の散乱光10aが照射することになり、カバーコート5の一部5aが、間接的に露光、現像されることになる。従って、上述の図3(c)において説明した場合と同様に、導電層3の端部3aがカバーコート5により被覆されることになり、導電層3の端部3aの露出を防止することができる。
【0052】
即ち、本実施形態においては、上述の図2、図3において説明したように、レジスト9の端部9aの位置ズレが生じていない場合(即ち、レジスト9の端部9aと導電層3の端部3aとの間に、導電層3の端部3aを被覆すべきカバーコート5の一部5aが位置するようレジスト9が配置されている場合)は、カバーコート5の一部5aに紫外線10が、直接、照射するため、図3(c)に示すように、カバーコート5の一部5aは、紫外線10により、直接、露光、現像されるこことになる。その結果、導電層3の端部3aがカバーコート5により被覆されることになり、導電層3の端部3aの露出を防止することができる。また、図4に示すように、レジスト9の端部9aの位置ズレが生じた場合であっても、カバーコート5の一部5aに、導電性ペースト7により散乱された紫外線10の散乱光10aが照射し、紫外線10が間接的に照射することになるため、カバーコートの一部5aが、間接的に露光、現像されることになる。従って、この場合も、導電層3の端部3aがカバーコート5により被覆されることになり、導電層3の端部3aの露出を防止することができる。以上より、本発明においては、レジスト9の端部9aの位置ズレの有無に関係なく、導電層3の端部3aの露出を確実に防止することができる。
【0053】
以上に説明した本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)本実施形態においては、カバーコート5を、紫外線硬化性を有するネガ型の感光性樹脂組成物により形成する構成としている。また、導電性ペースト7が、紫外線を反射する金属製の反射部材21である導電性フィラーを含有する構成としている。従って、レジスト9の位置ずれが生じた場合であっても、カバーコート5に対して紫外線10を照射する際に、導電性ペースト7が含有する導電性フィラーが紫外線を反射するため、導電性ペースト7において、紫外線10を散乱させることが可能になる。そうすると、カバーコート5において、直接、紫外線が照射されないカバーコートの一部5aに対しても、導電性ペースト7により散乱された紫外線10の散乱光10aを照射して、間接的に露光、現像することができる。従って、導電層3をカバーコート5により確実に被覆することができ、導電層3の露出を防止することができるため、結果として、導電層3の酸化や腐食の発生を防止して、導電層3に形成された配線の断線やショートを防止することが可能になる。
【0054】
(2)本実施形態においては、導電性ペースト7の表面7aに凸部20を設けて、導電性ペースト7の表面7aの少なくとも一部が凸形状を有する構成としている。従って、導電性ペースト7において、カバーコート5の、直接、紫外線が照射されないカバーコートの一部5aに向けて、紫外線10を反射しやすくなるため、導電性ペースト7の反射効率が向上する。従って、カバーコート5において、直接、紫外線10が照射されないカバーコートの一部5aに対して、導電性ペースト7により散乱された紫外線10の散乱光10aを効率よく照射することが可能になる。
【0055】
(3)本実施形態においては、反射部材21として、導電性フィラーを使用する構成としている。従って、導電性ペースト7に導電性を付与する導電性フィラーを、反射部材21として兼用することが可能になる。
【0056】
(4)本実施形態においては、反射部材21として、平板状導電性フィラーを使用する構成としている。従って、導電性ペースト7において、紫外線10を反射しやすくなるため、導電性ペースト7の反射効率が向上する。その結果、カバーコート5において、直接、紫外線10が照射されないカバーコートの一部5aに対して、導電性ペースト7により散乱された紫外線10の散乱光10aを効率よく照射することが可能になる。
【0057】
(5)本実施形態においては、平板状導電性フィラーを、銀粉末、銅粒子を銀で被覆した銀コート銅粉末、白金粉末、金粉末、銅粉末、ニッケル粉末、およびパラジウム粉末からなる群より選ばれる少なくとも1種により形成する構成としている。従って、入手が容易で、かつ汎用性のある金属粉末により、導電性ペースト7の反射効率を向上させることができる平板状導電性フィラーを形成することが可能になる。
【0058】
(6)また、本実施形態のプリント配線板1は、導電層3の酸化や腐食の発生を防止して、導電層3に形成された配線の断線やショートを防止することができるという優れた特性を備えているため、特に、回路について高い位置精度が要求される、ハードディスクドライブにおける磁気ヘッドを搭載するための磁気ヘッドサスペンション用として使用される回路付きサスペンション用の基板として用いられるプリント配線板として好適に使用できる。
【0059】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の設計変更をすることが可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
【0060】
・例えば、上述の実施形態においては、導電性ペーストが含有する導電性フィラー(即ち、平板状フィラーや球状フィラー)を、紫外線を反射する金属製の反射部材21として使用したが、当該反射部材21は、紫外線を反射するものであれば、どのようなものであっても良い。例えば、上述の導電性フィラーを反射部材21として使用しないで、導電性ペースト7に、導電性フィラーとは別の金属製の反射部材21を含有させる構成とすることができる。
【0061】
・また、導電性ペースト7の表面7aに凸部20を設けて、導電性ペースト7の表面7aの一部が凸形状を有する構成としたが、図5に示すように、導電性ペースト7の表面7aの全体を凸形状とする構成としても良い。この場合も、上述の(2)の効果と同様の効果を得ることができる。
【0062】
・また、上述の実施形態においては、プリント配線板1として、柔軟な樹脂フィルムにて形成された基材2の両面の各々に、2層の導電層3,4を設けた、いわゆる両面プリント配線板を例に挙げて説明したが、本発明は、柔軟な樹脂フィルムにて形成された基材2の片面に、導電層3を設けた、いわゆる片面フレキシブルプリント配線板にも適用可能であることは言うまでもない。より具体的には、図6に示すように、基材2と、基材2の表面上に設けられた導電層3と、導電層3の表面上に設けられ、紫外線を反射する金属製の反射部材21を含有する導電性ペースト7と、導電層3の表面上、および導電性ペースト7の表面上に設けられ、導電層3および導電性ペースト7を被覆するとともに、紫外線硬化性を有するネガ型の感光性樹脂組成物により形成されたカバーコート5とを備えたプリント配線板30を例示することができる。このような構成においても、上述の(1)〜(6)と同様の効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明の活用例としては、例えば、ハードディスクドライブにおける磁気ヘッドサスペンション用の基板として使用されるプリント配線板およびその製造方法が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施形態に係るプリント配線板の構成を示す断面図である。
【図2】(a)〜(d)は、本発明の実施形態にかかるプリント配線板の製造方法を説明するための断面図である。
【図3】(a)〜(c)は、本発明の実施形態にかかるプリント配線板の製造方法を説明するための断面図である。
【図4】本発明の実施形態に係るプリント配線板の導電性ペーストが含有する金属製の反射部材の作用を説明するための断面図である。
【図5】本発明の実施形態に係るプリント配線板の変形例を説明するための断面図である。
【図6】本発明の実施形態に係るプリント配線板の変形例を説明するための断面図である。
【図7】(a)〜(b)は、従来のプリント配線板の製造方法を説明するための断面図である。
【符号の説明】
【0065】
1…プリント配線板、2…基材、3…導電層、3a…導電層の端部、5…カバーコート、5a…カバーコートの一部、6…貫通孔、7…導電性ペースト、7a…導電性ペーストの表面、9…レジスト、9a…レジストの端部、10…紫外線、10a…散乱光、20…凸部、21…反射部材、30…プリント配線板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、
前記基材の表面上に設けられた導電層と、
前記導電層の表面上に設けられた導電性ペーストと、
前記導電層の表面上、および前記導電性ペーストの表面上に設けられ、前記導電層および前記導電性ペーストを被覆するカバーコートと
を備え、
前記導電性ペーストが、紫外線を反射する金属製の反射部材を含有し、前記カバーコートが、紫外線硬化性を有するネガ型の感光性樹脂組成物により形成されていることを特徴とするプリント配線板。
【請求項2】
前記導電性ペーストの表面の少なくとも一部が、凸形状を有することを特徴とする請求項1に記載のプリント配線板。
【請求項3】
前記反射部材が導電性フィラーであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプリント配線板。
【請求項4】
前記導電性フィラーが平板状導電性フィラーであることを特徴とする請求項3に記載のプリント配線板。
【請求項5】
前記平板状導電性フィラーが、銀粉末、銅粒子を銀で被覆した銀コート銅粉末、白金粉末、金粉末、銅粉末、ニッケル粉末、およびパラジウム粉末からなる群より選ばれる少なくとも1種により形成されていることを特徴とする請求項4に記載のプリント配線板。
【請求項6】
ハードディスクドライブに使用される回路付きサスペンション用の基板として用いられることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のプリント配線板。
【請求項7】
基材上に導電層を形成する工程と、
前記導電層の表面上に、紫外線を反射する金属製の反射部材を含有する導電性ペーストを塗布する工程と、
前記導電層の表面上、および前記導電性ペーストの表面上に、紫外線硬化性を有するネガ型の感光性樹脂組成物により形成されたカバーコートを積層する工程と、
前記カバーコートの表面上に、所定のレジストパターンを有するレジストを形成する工程と、
前記レジストをマスクとして、前記カバーコート、および導電性ペーストに対して紫外線を照射するとともに、前記反射部材により前記紫外線を反射させることにより、前記カバーコートを露光、現像して、前記カバーコートに所定のパターンを形成し、前記導電層および前記導電性ペーストを前記カバーコートにより被覆する工程と
を少なくとも含むことを特徴とするプリント配線板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−33034(P2009−33034A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−197603(P2007−197603)
【出願日】平成19年7月30日(2007.7.30)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【出願人】(500400216)住友電工プリントサーキット株式会社 (197)
【Fターム(参考)】