説明

プリント配線板及びプリント配線板の製造方法

【課題】 ループインダクタンスを低減できると共に高い信頼性を有するプリント配線板を提供する。
【解決手段】 コンデンサ20を収容するコア基板30に樹脂絶縁層144,244と導体回路158,258とを積層してなるプリント配線板10であって、コア基板30は、コンデンサ20を収容する通孔11Aの形成された第1のコア基板11の上下に第2、第3のコア基板12U,13Dを積層してなり、第1、第2、第3のコア基板11,12U,13Dは、芯材に樹脂を含浸してなり、樹脂絶縁層144,244は、芯材を有しない樹脂材料からなり、第2、第3のコア基板12U、13Dの少なくとも一方に、コンデンサ20の電極21,22に接続するバイアホール60を形成し、バイアホール60とコンデンサ20の電極21,22との間に電気的接続を取る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ICチップなどの電子部品を載置するプリント配線板に関し、特にコンデンサを内蔵するプリント配線板に関するのものである。
【背景技術】
【0002】
通常、コンピュータ内部においては、電源とICチップ間の配線距離が長く、この配線部分のループインダクタンスは非常に大きいものとなっている。このため、高速動作時のIC駆動電圧の変動も大きくなり、ICの誤動作の原因となり得る。また、電源電圧を安定化させることも困難である。このため、電源供給の補助として、コンデンサをプリント配線板の表面に実装している。
【0003】
即ち、電圧変動となるループインダクタンスは、図19(A)に示す電源からプリント配線板300内の電源線を介してICチップ270の電源端子272Pまでの配線長、及び、ICチップ270のアース端子272Eから電源からプリント配線板300内のアース線を介して電源までの配線長に依存する。また、逆方向の電流が流れる配線同志、例えば、電源線とアース線との間隔を狭くすることでループインダクタンスを低減できる。
このため、図19(B)に示すように、プリント配線板300にチップコンデンサ298を表面実装することで、ICチップ270と電源供給源となるチップコンデンサ292とを結んでいるプリント配線板300内の電源線とアース線との配線長を短くするとともに、配線間隔を狭くすることで、ループインダクタンスを低減することが行われていた。
【0004】
しかしながら、IC駆動電圧変動の原因となる電圧降下の大きさは周波数に依存する。このため、ICチップの駆動周波数の増加に伴い、図19(B)を参照して上述したようにチップコンデンサを表面に実装させてもなおループインダクタンスを低減できず、IC駆動電圧の変動を十分に抑えることが難しくなった。
【0005】
このため、本発明者は、プリント配線板内にチップコンデンサを収容するとの着想を持った。コンデンサを基板に埋め込む技術としては、特開平6−326472号、特開平7−263619号、特開平10−256429号、特開平11−45955号、特開平11−126978号、特開平11−312868号等がある。
【0006】
特開平6−326472号には、ガラスエポキシからなる樹脂基板に、コンデンサを埋め込む技術が開示されている。この構成により、電源ノイズを低減し、かつ、チップコンデンサを実装するスペースが不要になり、絶縁性基板を小型化できる。また、特開平7−263619号には、セラミック、アルミナなどの基板にコンデンサを埋め込む技術が開示されている。この構成により、電源層及び接地層の間に接続することで、配線長を短くし、配線のインダクタンスを低減している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平6−326472号公報
【特許文献2】特開平7−263619号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した技術は、ICチップからコンデンサの距離をあまり短くできず、ICチップの更なる高周波数領域においては、現在必要とされるようにインダクタンスを低減することができなかった。特に、樹脂製の多層ビルドアップ配線板においては、セラミックから成るコンデンサと、樹脂からなるコア基板及び層間樹脂絶縁層の熱膨張率の違いから、チップコンデンサの端子とバイアホールとの間に断線、チップコンデンサと層間樹脂絶縁層との間で剥離、層間樹脂絶縁層にクラックが発生し、長期に渡り高い信頼性を達成することができなかった。
【0009】
本発明は上述した課題を解決するためなされたものであり、その目的とするところは、ループインダクタンスを低減できると共に高い信頼性を有するプリント配線板、及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するため、請求項1では、コンデンサを収容するコア基板に樹脂絶縁層と導体回路とを積層してなるプリント配線板であって、前記コア基板は、前記コンデンサを収容する通孔の形成された第1のコア基板の上下に第2、第3のコア基板を積層してなり、前記第1、第2、第3のコア基板は、芯材に樹脂を含浸してなり、前記樹脂絶縁層は、芯材を有しない樹脂材料からなり、前記第2、第3のコア基板の少なくとも一方に、前記コンデンサの電極に接続するバイアホールを形成し、該バイアホールと前記コンデンサの電極との間に電気的接続を取ったことを技術的特徴とする。
【0011】
請求項1では、プリント配線板内にコンデンサを配置するため、ICチップとコンデンサとの距離が短くなり、ループインダクタンスを低減することができる。また、コア基板は、コンデンサを収容する第1のコア基板の上下に第2、第3のコア基板を積層してなるため、堅牢であり、セラミックからなり熱膨張率の小さいコンデンサを収容しても、コンデンサとコア基板との熱膨張率差による応力を層間樹脂絶縁層に与え導体回路にクラックが発生することがなく、高い信頼性を備えるプリント配線板を実現できる。また、コア基板は、表面を研磨して平坦化できるため、コア基板上層の層間樹脂絶縁層にうねりが生じず、層間樹脂絶縁層上に適正にバイアホール、導体回路を形成することができる。
更に、コア基板の両面の少なくとも一方にバイアホールを設けてあるため、ICチップと基板内に収容したコンデンサとを、また、外部接続基板に配置された電源と基板内に収容したコンデンサとを最短の距離で接続できる。このため、電源からICチップへ瞬時に電圧を補うことができ、速やかにIC駆動電圧を安定させることができる。
【0012】
コア基板の空隙には、樹脂を充填させることが望ましい。コンデンサ、コア基板間の空隙をなくすことによって、内蔵されたコンデンサが、挙動することが小さくなるし、コンデンサを起点とする応力が発生したとしても、該充填された樹脂により緩和することができる。また、該樹脂には、コンデンサとコア基板との接着やマイグレーションの低下させるという効果も有する。
【0013】
充填させる樹脂としては、熱硬化性樹脂、感光性樹脂、熱可塑性樹脂、あるいはそれらの複合体を用いる得る。これ以外にも、プリプレグなどの接着性のある樹脂シートを予め挟み込んでおいて、基板を圧着させるときにプリプレグからしみ出す樹脂で充填させてもよい。
【0014】
また、チップコンデンサの表面に粗化処理を施すこともできる。これにより、セラミックから成るチップコンデンサと樹脂からなる接着剤、樹脂充填剤との密着性が高くなり、ヒートサイクル試験を実施しても界面での接着剤、樹脂充填剤の剥離が発生することがない。
【0015】
また、第1、第2、第3コア基板は、芯材に樹脂を含浸させた樹脂基板からなるため、十分な強度を得ることができる。
【0016】
請求項2では、コンデンサの電極の表面に導電ペーストを塗布してあるため、表面が完全にフラットになる。このため、第2、第3のコア基板にレーザで開口を穿設した際に、電極の表面に樹脂が残ることが無くなり、該電極とめっきによるバイアホールとの接続信頼性を高めることができる。
【0017】
請求項3では、基板内に収容したコンデンサに加えて表面にコンデンサを配設してある。プリント配線板内にコンデンサが収容してあるために、ICチップとコンデンサとの距離が短くなり、ループインダクタンスを低減し、瞬時に電源を供給することができ、一方、プリント配線板の表面にもコンデンサが配設してあるので、大容量のコンデンサを取り付けることができ、ICチップに大電力を容易に供給することが可能となる。
【0018】
請求項4では、表面のコンデンサの静電容量は、内層のコンデンサの静電容量以上であるため、高周波領域における電源供給の不足がなく、所望のICチップの動作が確保される。
【0019】
請求項5では、マトリクス状に電極が形成されたコンデンサを用いるので、大判のチップコンデンサをコア基板に収容することが容易になる。そのため、静電容量を大きくできるので、電気的な問題を解決することができる。さらに、コンデンサがコアとなり、種々の熱履歴などを経てもプリント配線板に反りが発生し難くなる。更に、複数の電極から配線を取り回すことが可能であるため、電源ライン、アースラインの数を増やすことで、電源ライン、アースラインのインダクタンス分を減らすことができ、高周波数性能を高めることが可能になる。更に、コンデンサの電極をスルーホールとして用いることが可能になる。
【0020】
請求項6、7では、金属膜を形成したチップコンデンサの電極へめっきによりなるバイアホールで電気的接続を取ってある。ここで、チップコンデンサの電極は、メタライズからなり表面に凹凸があるが、金属膜により表面が平滑になり、バイアホールを形成するため、電極上に被覆された樹脂に通孔を形成した際に、樹脂残さが残らず、バイアホールと電極との接続信頼性を高めることができる。更に、めっきの形成された電極に、めっきによりバイアホールを形成するため、電極とバイアホールとの接続性が高く、ヒートサイクル試験を実施しても、電極とバイアホール間の断線が生じることがない。
【0021】
コンデンサの電極の金属膜には、銅、ニッケル、貴金属のいずれかの金属が配設されているものが望ましい。内蔵したコンデンサにスズや亜鉛などの層は、バイアホールとの接続部におけるマイグレーションを誘発しやすいからである。故に、マイグレーションの発生を防止することも出来る。
【0022】
請求項8では、チップコンデンサの電極の少なくとも一部が露出したプリント配線板に収容し、被覆層から露出した電極に電気的接続を取ってある。このとき、露出した金属は、主成分がCuであることが望ましい。接続抵抗を低減することができるからである。
【0023】
本発明では、層間樹脂絶縁層を熱硬化型樹脂シートを用いて形成することが好適である。熱硬化型樹脂シートには、難溶性樹脂、可溶性粒子、硬化剤、その他の成分が含有されている。それぞれについて以下に説明する。
【0024】
本発明の製造方法において使用する熱硬化型樹脂シートは、酸または酸化剤に可溶性の粒子(以下、可溶性粒子という)が酸または酸化剤に難溶性の樹脂(以下、難溶性樹脂という)中に分散したものである。
なお、本発明で使用する「難溶性」「可溶性」という語は、同一の酸または酸化剤からなる溶液に同一時間浸漬した場合に、相対的に溶解速度の早いものを便宜上「可溶性」と呼び、相対的に溶解速度の遅いものを便宜上「難溶性」と呼ぶ。
【0025】
上記可溶性粒子としては、例えば、酸または酸化剤に可溶性の樹脂粒子(以下、可溶性樹脂粒子)、酸または酸化剤に可溶性の無機粒子(以下、可溶性無機粒子)、酸または酸化剤に可溶性の金属粒子(以下、可溶性金属粒子)等が挙げられる。これらの可溶性粒子は、単独で用いても良いし、2種以上併用してもよい。
【0026】
上記可溶性粒子の形状は特に限定されず、球状、破砕状等が挙げられる。また、上記可溶性粒子の形状は、一様な形状であることが望ましい。均一な粗さの凹凸を有する粗化面を形成することができるからである。
【0027】
上記可溶性粒子の平均粒径としては、0.1〜10μmが望ましい。この粒径の範囲であれば、2種類以上の異なる粒径のものを含有してもよい。すなわち、平均粒径が0.1〜0.5μmの可溶性粒子と平均粒径が1〜3μmの可溶性粒子とを含有する等である。これにより、より複雑な粗化面を形成することができ、導体回路との密着性にも優れる。なお、本発明において、可溶性粒子の粒径とは、可溶性粒子の一番長い部分の長さである。
【0028】
上記可溶性樹脂粒子としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等からなるものが挙げられ、酸あるいは酸化剤からなる溶液に浸漬した場合に、上記難溶性樹脂よりも溶解速度が速いものであれば特に限定されない。
上記可溶性樹脂粒子の具体例としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂等からなるものが挙げられ、これらの樹脂の一種からなるものであってもよいし、2種以上の樹脂の混合物からなるものであってもよい。
【0029】
また、上記可溶性樹脂粒子としては、ゴムからなる樹脂粒子を用いることもできる。上記ゴムとしては、例えば、ポリブタジエンゴム、エポキシ変性、ウレタン変性、(メタ)アクリロニトリル変性等の各種変性ポリブタジエンゴム、カルボキシル基を含有した(メタ)アクリロニトリル・ブタジエンゴム等が挙げられる。これらのゴムを使用することにより、可溶性樹脂粒子が酸あるいは酸化剤に溶解しやすくなる。つまり、酸を用いて可溶性樹脂粒子を溶解する際には、強酸以外の酸でも溶解することができ、酸化剤を用いて可溶性樹脂粒子を溶解する際には、比較的酸化力の弱い過マンガン酸塩でも溶解することができる。また、クロム酸を用いた場合でも、低濃度で溶解することができる。そのため、酸や酸化剤が樹脂表面に残留することがなく、後述するように、粗化面形成後、塩化パラジウム等の触媒を付与する際に、触媒が付与されなたかったり、触媒が酸化されたりすることがない。
【0030】
上記可溶性無機粒子としては、例えば、アルミニウム化合物、カルシウム化合物、カリウム化合物、マグネシウム化合物およびケイ素化合物からなる群より選択される少なくとも一種からなる粒子等が挙げられる。
【0031】
上記アルミニウム化合物としては、例えば、アルミナ、水酸化アルミニウム等が挙げられ、上記カルシウム化合物としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム等が挙げられ、上記カリウム化合物としては、炭酸カリウム等が挙げられ、上記マグネシウム化合物としては、マグネシア、ドロマイト、塩基性炭酸マグネシウム等が挙げられ、上記ケイ素化合物としては、シリカ、ゼオライト等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上併用してもよい。
【0032】
上記可溶性金属粒子としては、例えば、銅、ニッケル、鉄、亜鉛、鉛、金、銀、アルミニウム、マグネシウム、カルシウムおよびケイ素からなる群より選択される少なくとも一種からなる粒子等が挙げられる。また、これらの可溶性金属粒子は、絶縁性を確保するために、表層が樹脂等により被覆されていてもよい。
【0033】
上記可溶性粒子を、2種以上混合して用いる場合、混合する2種の可溶性粒子の組み合わせとしては、樹脂粒子と無機粒子との組み合わせが望ましい。両者とも導電性が低くいため樹脂フィルムの絶縁性を確保することができるとともに、難溶性樹脂との間で熱膨張の調整が図りやすく、樹脂フィルムからなる層間樹脂絶縁層にクラックが発生せず、層間樹脂絶縁層と導体回路との間で剥離が発生しないからである。
【0034】
上記難溶性樹脂としては、層間樹脂絶縁層に酸または酸化剤を用いて粗化面を形成する際に、粗化面の形状を保持できるものであれば特に限定されず、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、これらの複合体等が挙げられる。また、これらの樹脂に感光性を付与した感光性樹脂であってもよい。
【0035】
上記難溶性樹脂の具体例としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
さらには、1分子中に、2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂がより望ましい。前述の粗化面を形成することができるばかりでなく、耐熱性等にも優れてるため、ヒートサイクル条件下においても、金属層に応力の集中が発生せず、金属層の剥離などが起きにくいからである。
【0036】
上記エポキシ樹脂としては、例えば、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、アルキルフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノール類とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ化物、トリグリシジルイソシアヌレート、脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。それにより、耐熱性等に優れるものとなる。
【0037】
本発明で用いる樹脂フィルムにおいて、上記可溶性粒子は、上記難溶性樹脂中にほぼ均一に分散されていることが望ましい。均一な粗さの凹凸を有する粗化面を形成することができ、樹脂フィルムにビアやスルーホールを形成しても、その上に形成する導体回路の金属層の密着性を確保することができるからである。また、粗化面を形成する表層部だけに可溶性粒子を含有する樹脂フィルムを用いてもよい。それによって、樹脂フィルムの表層部以外は酸または酸化剤にさらされることがないため、層間樹脂絶縁層を介した導体回路間の絶縁性が確実に保たれる。
【0038】
上記樹脂フィルムにおいて、難溶性樹脂中に分散している可溶性粒子の配合量は、樹脂フィルムに対して、3〜40重量%が望ましい。可溶性粒子の配合量が3重量%未満では、所望の凹凸を有する粗化面を形成することができない場合があり、40重量%を超えると、酸または酸化剤を用いて可溶性粒子を溶解した際に、樹脂フィルムの深部まで溶解してしまい、樹脂フィルムからなる層間樹脂絶縁層を介した導体回路間の絶縁性を維持できず、短絡の原因となる場合がある。
【0039】
上記樹脂フィルムは、上記可溶性粒子、上記難溶性樹脂以外に、硬化剤、その他の成分等を含有していることが望ましい。
上記硬化剤としては、例えば、イミダゾール系硬化剤、アミン系硬化剤、グアニジン系硬化剤、これらの硬化剤のエポキシアダクトやこれらの硬化剤をマイクロカプセル化したもの、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスフォニウム・テトラフェニルボレート等の有機ホスフィン系化合物等が挙げられる。
【0040】
上記硬化剤の含有量は、樹脂フィルムに対して0.05〜10重量%であることが望ましい。0.05重量%未満では、樹脂フィルムの硬化が不十分であるため、酸や酸化剤が樹脂フィルムに侵入する度合いが大きくなり、樹脂フィルムの絶縁性が損なわれることがある。一方、10重量%を超えると、過剰な硬化剤成分が樹脂の組成を変性させることがあり、信頼性の低下を招いたりしてしまうことがある。
【0041】
上記その他の成分としては、例えば、粗化面の形成に影響しない無機化合物あるいは樹脂等のフィラーが挙げられる。上記無機化合物としては、例えば、シリカ、アルミナ、ドロマイト等が挙げられ、上記樹脂としては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレン樹脂、メラニン樹脂、オレフィン系樹脂等が挙げられる。これらのフィラーを含有させることによって、熱膨脹係数の整合や耐熱性、耐薬品性の向上などを図りプリント配線板の性能を向上させることができる。
【0042】
また、上記樹脂フィルムは、溶剤を含有していてもよい。上記溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテートやトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上併用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造工程図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造工程図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造工程図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造工程図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造工程図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造工程図である。
【図7】本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造工程図である。
【図8】本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造工程図である。
【図9】本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造工程図である。
【図10】本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の製造工程図である。
【図11】第1実施形態に係るプリント配線板の断面図である。
【図12】図11のプリント配線板の拡大断面図である。
【図13】(A)及び(B)は、第1実施形態のプリント配線板に収容されるチップコンデンサの断面図である。
【図14】第1実施形態の改変例に係るプリント配線板の断面図である。
【図15】ICチップへの供給電圧と時間との変化を示すグラフである。
【図16】第2実施形態に係るプリント配線板の断面図である。
【図17】(A)は第2実施形態のプリント配線板に収容されるチップコンデンサの断面図であり、(B)は、平面図である。
【図18】(A)及び(B)は、第1実施形態のプリント配線板に収容されるチップコンデンサの断面図である。
【図19】(A)及び(B)は、従来技術に係るプリント配線板のループインダクタンスの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、本発明の実施形態について図を参照して説明する。
先ず、本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の構成について図11、図12を参照して説明する。図11は、パッケージ基板10の断面を示し、図12は、図11の一部を拡大して示す。図11のパッケージ基板10は、ICチップ90を搭載し、ドータボード95側へ取り付けた状態を示している。
【0045】
パッケージ基板10は、チップコンデンサ20と、チップコンデンサ20を収容する積層コア基板30と、ビルドアップ層80A、80Bを構成する層間樹脂絶縁層144、244とからなる。積層コア基板30は、コンデンサ20を収容する通孔11Aの形成された第1コア基板11と、該第1コア基板11の上層に樹脂層13Uを介して積層された第2コア基板12Uと、第1コア基板11の下層に樹脂層13Dを介して積層された第3コア基板12Dとから成る。第2コア基板12U及び第3コア基板12Dには、コンデンサ20の電極21、22と接続するバイアホール60及び導体回路58が形成されている。積層コア基板30には、ビルトアップ層80Aとビルトアップ層80Bを接続するスルーホール36が形成されている。ビルドアップ層80A、80Bを構成する層間樹脂絶縁層144には、バイアホール160及び導体回路158が形成され、層間樹脂絶縁層244には、バイアホール260及び導体回路258が形成されている。
【0046】
層間樹脂絶縁層244の上層には、ソルダーレジスト層70が配設され、ソルダーレジスト層70に形成された開口71を介して、上側のバイアホール260及び導体回路258に、半田バンプ76Uが形成され、該半田バンプ76UによりICチップ90のパッド92と接続されている。一方、下側の上側のバイアホール260及び導体回路258に、BGA76Dが形成され、該BGA76Dによりドータボード95のパッド96と接続されている。
【0047】
チップコンデンサ20は、図13(A)に示すように第1電極21と第2電極22と、該第1、第2電極に挟まれた誘電体23とから成り、該誘電体23には、第1電極21側に接続された第1導電膜24と、第2電極22側に接続された第2導電膜25とが複数枚対向配置されている。第1電極21及び第2電極の表面には導電性ペースト26が被せてある。
【0048】
ここで、第1電極21及び第2電極22は、Ni、Pb、又は、Ag金属のメタライズからなる。導電性ペースト26は、Cu、Ni又はAg等の金属粒子を含むペーストからなる。ここで、金属粒子の粒径は、0.1〜10μmが望ましく、とくに1〜5μmが最適である。この導電性ペースト26の厚みは、1〜30μmが望ましい。1μm未満では、電極表面の凹凸を無くすことができず、一方、30μmを越えても、特に効果が向上しないからである。ここで、5〜20μmの厚みが最も望ましい。なお、2種類以上の径の異なる粒子を配合したペーストを用いることもでき、更に、2種類以上の異なる金属ペーストを被覆することも可能である。
【0049】
チップコンデンサの電極21,22は、メタライズからなり表面に凹凸がある。このため、金属層を剥き出した状態で用いると、第2コア基板12U、第3コア基板12Dにレーザで開口34を穿設する工程において、該凹凸に樹脂が残ることがある。この際には、当該樹脂残さにより第1、第2電極21,22とバイアホール60との接続不良が発生する。本実施形態においては、導電性ペースト26によって第1、第2電極21,22の表面が平滑になり、電極上に被覆された開口34を穿設した際に、樹脂残さが残らず、バイアホール60を形成した際の電極21,22との接続信頼性を高めることができる。
【0050】
更に、チップコンデンサ20のセラミックから成る誘電体23の表面には粗化層が設けられている。このため、セラミックから成るチップコンデンサ20と樹脂からなる接着剤15及び樹脂充填剤14との密着性が高く、ヒートサイクル試験を実施しても界面での接着剤15及び樹脂充填剤14の剥離が発生することがない。この粗化層は、焼成後に、チップコンデンサ20の表面を研磨することにより、また、焼成前に、粗化処理を施すことにより形成できる。なお、第1実施形態では、コンデンサの表面に粗化処理を施し、樹脂との密着性を高めたが、この代わりに、コンデンサの表面にシランカップリング処理を施すことも可能である。また、予めプリイミド膜を形成しておくことで、表面濡れ性と樹脂との密着性とを高めることもできる。
【0051】
一方、図13(B)に示すように、導電性ペースト26の上に、無電解めっき膜28a及び電解めっき膜28bからなる複合膜28を形成することも好適である。複合膜28の厚みは、0.1〜10μmが望ましく、1〜5μmが最適である。複合膜28を形成することで、第1、第2電極21,22の表面が完全に平滑になり、電極上に被覆された開口34を穿設した際に、樹脂残さが残らず、バイアホール60を形成した際の電極21,22との接続信頼性を高めることができる。更に、銅の複合膜28の形成された電極21、22に、銅めっきによりバイアホール60を形成するため、電極21、22とバイアホール60との接続性が高く、ヒートサイクル試験を実施しても、電極21、22とバイアホール60との間で断線が生じることがない。複合膜の代わりに、1層の金属膜を形成することも可能である。
【0052】
本実施形態のパッケージ基板10では、ICチップ90の直下にチップコンデンサ20を配置するため、ICチップとコンデンサとの距離が短くなり、電力を瞬時的にICチップ側へ供給することが可能になる。即ち、ループインダクタンスを決定するループ長さを短縮することができる。
【0053】
更に、チップコンデンサ20とチップコンデンサ20との間にスルーホール36を設け、チップコンデンサ20を信号線が通過しない。このため、コンデンサを通過させた際に発生する高誘電体によるインピーダンス不連続による反射、及び、高誘電体通過による伝搬遅延を防ぐことができる。
【0054】
また、プリント配線板の裏面側に接続される外部基板(ドータボード)94とコンデンサ20の第1電極21,第2電極22とは、ICチップ側の第2コア基板12Uに設けられたバイアホール60及びドータボード側の第3コア基板12Dに設けられたバイアホール60を介して接続される。即ち、コンデンサ20の端子21,22とICチップ90、ドータボード95とを直接接続するため、配線長を短縮することができる。
【0055】
ひき続き、図11を参照して上述したプリント配線板の製造方法について、図1〜図10を参照して説明する。
(1)先ず、厚さ0.06mmのBT(ビスマレイミドートリアジン)またはガラスエポキシからなる基材の片面に12μmの銅箔31がラミネートされてなる銅貼積層基板(第2コア基板)12Uを出発材料とする(図1(A))。なお、FR4、FR5、ガラスエポキシ樹脂などの補強材が含浸された基材などを用いることができる。また、これ以外にも熱膨張率を整合させるためにCTEを低くした樹脂材料を用いてもよい。CTEを低くするため、樹脂中にシリカ、アルミナなどの無機粒子を含有させてもよい。
【0056】
(2)銅箔31にエッチングを施し、後述する工程でコンフォマルマスクとするための開口31aを形成する。その後、チップコンデンサを固定するためのエポキシ等の熱硬化性接着剤15を所定位置に塗布する(図1(B))。熱硬化性接着剤15は、熱膨張率がコア基板よりも小さいものが望ましい。
【0057】
(3)熱硬化性接着剤15に図13(A)を参照して上述したチップコンデンサ20を張り付け、加熱して熱硬化性接着剤15を硬化させる(図1(C)。
【0058】
(4)チップコンデンサ20を収容するための通孔11Aの形成された第1コア基板11と、上記第2コア基板12Uと同様に、銅箔31に開口31aを形成した第3コア基板12Dとを、開口13Aの形成されたプリプレグ13U、13Dを介して積層させる(図2(A))。第1コア基板11は、第2コア基板12Uと同じ材質で、厚み0.4mmに形成されている。第3コア基板は、第2コア基板12Uと同様に形成されている。プリプレグ13U、13Dは、ガラスクロス等の芯材にエポキシ樹脂を含浸させ厚み0.1mmに形成されているが、プリプレグとして、エポキシ以外でも、BT、フェノール樹脂あるいはガラスクロスなどの強化材を含有しているもの等、一般的にプリント配線板で使用されるものを用い得る。なお、ガラスクロスなどの芯材を有しない樹脂基板を用いることもできる。なお、コア基板をセラミックやAINなどの基板を用いることはできなかった。該基板は外形加工性が悪く、コンデンサを収容することができないことがあり、樹脂で充填させても空隙が生じてしまうためである。
【0059】
(5)上記積層した第2コア基板12U、第1コア基板11、第3コア基板12Dを、ステンレス製のプレス板100A、100Bで両面からプレスし、プリプレグ13U、13Dからしみ出す樹脂充填剤(エポキシ)14により、第1コア基板11の通孔11A、プリプレグ13U、13Dの開口13Aを充填する。この加圧は、コア基板内での気泡の発生を防ぐため、減圧して行うことが望ましい。その後、加熱して硬化させることで、チップコンデンサ20を収容する積層コア基板30を完成する(図2(B))。
【0060】
(6)積層コア基板30の所定位置にドリルでスルーホールとなる貫通孔33を穿設する(図2(C))。
【0061】
(7)CO2レーザ、YAGレーザ、エキシマレーザあるいはUVレーザにより銅箔31に形成した開口31aをコンフォマルマスクとして用いて、チップコンデンサ20の第1、第2電極21,22へ至るバイアホールとなる開口34を穿設する(図3(A))。この開口34を形成する際に、上述したように第1、第2電極21、22の表面に導電性ペースト26が塗布され表面が平滑化されているため、第1、第2電極21、22の表面に樹脂残滓が残ることがない。
【0062】
(8)積層コア基板30の表層、バイアホール用非貫通孔(開口)34及びスルーホール用貫通孔33内に金属膜16を形成させる(図3(B))。このために、接続層40の表面にパラジウム触媒を付与してから、無電解めっき液に積層コア基板30を浸漬し、均一に無電解銅めっき膜16を析出させる。ここでは、無電解めっきを用いているが、スパッタにより、銅、ニッケル等の金属層を形成することも可能である。スパッタはコスト的には不利であるが、樹脂層との密着性を改善できる利点がある。また、場合によってはスパッタで形成した後に、無電解めっき膜を形成させてもよい。樹脂によっては、触媒付与が安定しないものには有効であるし、無電解めっき膜と形成させた方が電解めっきの析出性が安定するからである。金属膜16は、0.1〜3mmの範囲で形成することが望ましい。上述したように、チップコンデンサ20の第1、第2電極21、22の表面に樹脂が残っていないため、無電解めき膜16により第1、第2電極21、22へ適正に接続を取ることができる。
【0063】
(9)その後、金属膜16の表面に感光性ドライフィルムを張り付け、マスクを載置して、露光・現像処理し、所定パターンのめっきレジスト17を形成する(図3(C))。
【0064】
(10)そして、電解めっき液に積層コア基板30を浸漬し、無電解めっき膜16を介して電流を流し電解銅めっき膜18を析出させる(図4(A))。
【0065】
(11)めっきレジスト17を5%のKOH で剥離した後、レジスト17下の無電解めっき膜16及び銅箔31を硫酸と過酸化水素混合液でエッチングして除去し、バイアホール60、導体回路58及びスルーホール36を形成する(図4(B))。
【0066】
(12)導体回路58、バイアホール60及びスルーホール36の導体層の表面に粗化層58α、粗化層60α、粗化層36αを設ける。酸化(黒化)−還元処理、Cu−Ni−Pからなる合金などの無電解めっき膜、あるいは、第二銅錯体と有機酸塩からなるエッチング液などのエッチング処理によって粗化層を施す。粗化層はRa(平均粗度高さ)=0.01〜5μmである。特に望ましいのは、0.5〜3μmの範囲である。なお、ここでは粗化層を形成しているが、粗化層を形成せず後述するように直接樹脂を充填、樹脂フィルムを貼り付けることも可能である。
【0067】
(13)下記組成の樹脂充填剤を用意する。
〔熱硬化性樹脂1〕
ビスフェノールF型エポキシモノマー(油化シェル製、分子量310 、YL983U) 100重量部。
〔硬化剤2〕
イミダゾール硬化剤(四国化成製、2E4MZ-CN)6.5 重量部。
〔無機粒子3〕
シリカ(アドマテック製、CRS 1101−CE、ここで、使用するシリカは表面にシランカップリング剤がコーティングされた平均粒径 1.6μmのSiO2 球状粒子、最大粒子の大きさは後述する内層銅パターンの厚み(15μm)以下とする) 170重量部。第1実施形態では、樹脂充填剤に添加する無機粒子は、上述したように10〜80vol%、ここでは、50vol%にする。
上記ビスフェノールF型エポキシモノマー、イミダゾール硬化剤、シリカにレベリング剤(サンノプコ製、ペレノールS4)1.5 重量部を攪拌混合することにより、その混合物の粘度を23±1℃で5〜30Pa.Sに調整する。第1実施形態では、粘度5Pa.Sに調整して得たものを用いる。
【0068】
(14)積層コア基板30の表面及びスルーホール36内部に、上記調整した樹脂充填剤37を印刷で充填させる(図5(A))。スルーホール36に上記Aで調整した樹脂充填剤39を充填することで、クラックの発生を防止して、電気的接続性、信頼性を向上させる。ここで、従来の充填剤(熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、もしくはその樹脂複合体)をベースにして、有機樹脂フィラー、無機フィラー、金属フィラーなどを配合してコア基板と内層充填剤との熱膨張の整合を行ってもよい。この際、フィラーの配合量は、10〜80vol%であることが望ましい。80℃、30分で樹脂充填剤を半硬化させた。半硬化させたのは、研磨し易くするためである。
【0069】
(15)上記(13)の処理を終えた積層コア基板30の片面をベルト研磨紙(三共理化学社製)を用いたベルトサンダー研磨により、導体回路58の表面やスルーホール36のランド36a表面に樹脂充填剤39が残らないように研磨を行う。ついで、上記ベルトサンダー研磨による傷を取り除くためのバフ研磨を行う。この工程を基板の他方の面についても同様に行う。そして、充填した樹脂充填剤37を加熱硬化させる(図5(B))。本実施形態では、積層コア基板30の表面に第2コア基板12U、第3コア基板12Dを配設するため堅牢であり、表面を研磨して平滑にすることができる。これにより、後述する工程で形成する層間樹脂絶縁層144にうねりが発生せず、高い信頼性で導体回路158、バイアホール160を形成することができる。
【0070】
(16)次に、上記(15)の処理を終えた積層コア基板30の両面に、上記(4)と同様に一旦平坦化された下層導体回路58の表面と、スルーホール36のランド36a表面とをエッチングを施すことにより、下層導体回路58の表面及びスルーホール36のランド36a表面に、粗化面58β、粗化面38βを形成する(図5(C))。エッチング液は、第1二銅錯体と有機酸塩からなるものがある。無電解めっきや酸化還元処理を用いて粗化面を形成することもできる。
【0071】
(17)上記(16)工程を終えた積層コア基板30の両面に、厚さ50μmの可溶性フィラーを含む熱硬化型樹脂シートを温度50〜150℃まで昇温しながら圧力5kg/cm2で真空圧着ラミネートし、層間樹脂絶縁層144を設ける(図6(A))。層間樹脂絶縁層としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂からなる樹脂あるいは、それらに感光性を有する基を置換した樹脂でもよい。具体例として、エポキシ樹脂、ポリフェノール樹脂、ポリイミド樹脂等のプリント配線板に使用されている樹脂がある。また、高周波領域において低誘電率である樹脂を用いてもよい。樹脂の真空圧着時の真空度は、10mmHgである。なお、ここでは樹脂フィルムを貼り付けて層間絶縁層を形成したが、印刷機を用いて、樹脂を塗布することにより層間絶縁層を形成してもよい。
【0072】
(18)次に、層間樹脂絶縁層144に開口45aの形成されたマスク45を載置し、バイアホールとなる開口146を形成する(図6(B))。ここでは、炭酸(CO2)ガスレーザにて、ビーム径5mm、パルス幅15μ秒、マスクの穴径0.8mm、1ショットの条件で層間樹脂絶縁層144に直径80μmのバイアホール用開口46を設ける。
【0073】
(19)次に、クロム酸、過マンガン酸塩などの酸化剤等に浸漬させることによって、層間樹脂絶縁層144の粗化面144αを設ける(図6(C)参照)。該粗化面144αは、0.1〜5μmの範囲で形成されることがよい。その一例として、過マンガン酸ナトリウム溶液50g/l、温度60℃中に5〜25分間浸漬させることによって、2〜3μmの粗化面144αを設ける。上記以外には、層間樹脂絶縁層144にプラズマ処理を行い、層間樹脂絶縁層144の表層を粗化し、粗化面144αを形成する。この際には、不活性ガスとしてアルゴンガスを使用し、電力200W、ガス圧0.6Pa、温度70℃の条件で(プラズマ装置日本真空技術株式会社製 SV−4540)、2分間プラズマ処理を実施する。
【0074】
(20)層間樹脂絶縁層144の表層にスパッタリングでCu(又はNi、P、Pd、Co、W)の合金をターゲットした金属層52を形成する(図7(A))。形成条件として、気圧0.6Pa、温度80℃、電力200W、時間5分(プラズマ装置日本真空技術株式会社製 SV−4540)で実施する。これにより、層間樹脂絶縁層144の表層に合金層を形成させることができる。このときの金属層52の厚みは、0.2μmである。金属層52の厚みとしては、0.1〜2μmがよい。スパッタ以外には、蒸着、スパッタなどを行わないで、めっき層を形成させてもよい。あるいは、これらの複合体でもよい。
【0075】
めっきの一例を説明する。積層コア基板30をコンディショニングし、アルカリ触媒液中で触媒付与を5分間行う。積層コア基板30を活性化処理し、ロッシェル塩タイプの化学銅めっき浴で厚さ0.6μmの無電解めっき膜52を付ける。
化学銅メッキのメッキ条件:
CuSO4 ・5H2O 10g/l
HCHO 8g/l
NaOH 5g/l
ロッシェル塩 45g/l
添加剤 30ml/l
温度 30℃
メッキ時間 18分
【0076】
(21)金属膜52上に、厚さ25μmの感光性フィルム(ドライフィルム)を貼り付けて、マスクを載置して、100 mJ/cm2 で露光、0.8 %炭酸ナトリウムで現像処理し、めっきレジスト54を設ける。次に、無電解めっき膜52上のめっきレジスト54の非形成部に下記条件で電解めっきを施し、電解めっき膜56を形成する(図7(B))。電解めっき膜56の厚みとしては、5〜20μmがよい。
【0077】
〔電解めっき水溶液〕
硫酸 2.24 mol/l
硫酸銅 0.26 mol/l
添加剤 19.5 ml/l
〔電解めっき条件〕
電流密度 1 A/dm2
時間 65 分
温度 22±2 ℃
【0078】
(22)次いで、50℃、40g/lのNaOH水溶液中でめっきレジスト54を剥離除去する。その後、硫酸―過酸化水素水溶液を用い、エッチングにより、めっきレジスト54下の無電解めっき膜52を除去して、層間樹脂絶縁層144上に導体回路158(バイアホール160を含む)を形成する。その後、導体回路158及びバイアホール160の表面に粗化処理を施す(図8(A))。
【0079】
(23)上記(17)〜(22)の工程を繰り返し、層間樹脂絶縁層144の上に、バイアホール260及び導体回路258を備える層間樹脂絶縁層244を形成する(図9(A))。
【0080】
(24)一方、DMDGに溶解させた60重量%のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬製)のエポキシ基50%をアクリル化した感光性付与のオリゴマー(分子量4000)を 46.67g、メチルエチルケトンに溶解させた80重量%のビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル製、エピコート1001)15.0g、イミダゾール硬化剤(四国化成製、商品名:2E4MZ−CN)16g、感光性モノマーである多価アクリルモノマー(日本化薬製、R604 )3g、同じく多価アクリルモノマー(共栄社化学製、DPE6A ) 1.5g、に分散系消泡剤(サンノプコ社製、S−65)0.71gを混合し、さらにこの混合物に対して光開始剤としてのベンゾフェノン(関東化学製)を2g、光増感剤としてのミヒラーケトン(関東化学製)を 0.2g加えて、粘度を25℃で 2.0Pa・sに調整したソルダーレジスト組成物を得る。
なお、粘度測定は、B型粘度計(東京計器、 DVL-B型)で 60rpmの場合はローターNo.4、6rpm の場合はローターNo.3による。
【0081】
(25)前述(24)で得られたパッケージ基板の両面に、上記ソルダーレジスト組成物を20μmの厚さで塗布する。次いで、70℃で20分間、70℃で30分間の乾燥処理を行った後、円パターン(マスクパターン)が描画された厚さ5mmのフォトマスクフィルムを密着させて載置し、1000mJ/cm2 の紫外線で露光し、DMTG現像処理する。そしてさらに、80℃で1時間、 100℃で1時間、 120℃で1時間、 150℃で3時間の条件で加熱処理し、半田パッド部分(バイアホールとそのランド部分を含む)に開口71を有するソルダーレジスト層70(厚み20μm)を形成する(図9(B))。ICチップ接続の半田バンプを形成させる半田パッドは、開口径100〜170μmで開口させるのがよい。また外部端子接続のためBGA/PGAを配設させる半田パッドは開口径300〜650μmで開口させるのがよい。
【0082】
(26)その後、塩化ニッケル2.3 ×10-1mol/l、次亜リン酸ナトリウム2.8 ×10-1mol/l、クエン酸ナトリウム1.6 ×10-1mol/l、からなるpH=4.5の無電解ニッケルめっき液に、20分間浸漬して、開口部71に厚さ5μmのニッケルめっき層72を形成する。その後、表層には、シアン化金カリウム7.6 ×10-3mol/l、塩化アンモニウム1.9 ×10-1mol/l、クエン酸ナトリウム1.2 ×10-1mol/l、次亜リン酸ナトリウム1.7 ×10-1mol/lからなる無電解金めっき液に80℃の条件で7.5分間浸漬して、ニッケルめっき層72上に厚さ0.03μmの金めっき層74を形成する(図10(A))。
【0083】
(27)そして、ソルダーレジスト層70の開口部71へSn/Ag(Sn/Ag/CuまたはSn/Sb)からなる低融点金属のペーストを充填する。この低融点金属は、Pbを含まない合金を用いているため、環境に悪影響を与えることがない。低融点金属のペーストをリフローして、半田バンプ76U、BGA76Dを形成する(図10(B))。
【0084】
完成したパッケージ基板10の半田バンプ76Uに、ICチップ90のパッド92が対応するように載置し、リフローを行いICチップ90を搭載する。このICチップ90を搭載したパッケージ基板10を、ドータボード95側のパッド96に対応するように載置してリフローを行い、ドータボード95へ取り付ける(図11参照)。ここでは、ドータボードとの接続側にBGA76Dを形成したが、この代わりに半田バンプを配設することも可能である。
【0085】
引き続き、本発明の第1実施形態の改変例に係るプリント配線板について、図14を参照して説明する。改変例のプリント配線板は、上述した第1実施形態とほぼ同様である。但し、この第2改変例のプリント配線板では、導電性ピン97が配設され、該導電性ピン97を介してドータボードとの接続を取るように形成されている。
【0086】
また、上述した第1実施形態では、積層コア基板30に収容されるチップコンデンサ20のみを備えていたが、改変例では、表面及び裏面に大容量のチップコンデンサ86が実装されている。
【0087】
ICチップは、瞬時的に大電力を消費して複雑な演算処理を行う。ここで、ICチップ側に大電力を供給するために、本実施形態では、プリント配線板に電源用のチップコンデンサ20及びチップコンデンサ86を備えてある。このチップコンデンサによる効果について、図15を参照して説明する。
【0088】
図15は、縦軸にICチップへ供給される電圧を、横軸に時間を取ってある。ここで、二点鎖線Cは、電源用コンデンサを備えないプリント配線板の電圧変動を示している。電源用コンデンサを備えない場合には、大きく電圧が減衰する。破線Aは、表面にチップコンデンサを実装したプリント配線板の電圧変動を示している。上記二点鎖線Cと比較して電圧は大きく落ち込まないが、ループ長さが長くなるので、律速の電源供給が十分に行えていない。即ち、電力の供給開始時に電圧が降下している。また、二点鎖線Bは、図11を参照して上述したチップコンデンサを内蔵するプリント配線板の電圧降下を示している。ループ長さは短縮できているが、積層コア基板30に容量の大きなチップコンデンサを収容することができないため、電圧が変動している。ここで、実線Eは、図14を参照して上述したコア基板内のチップコンデンサ20を、また表面に大容量のチップコンデンサ86を実装する改変例のプリント配線板の電圧変動を示している。ICチップの近傍にチップコンデンサ20を、また、大容量(及び相対的に大きなインダクタンス)のチップコンデンサ86を備えることで、電圧変動を最小に押さえている。
【0089】
引き続き、本発明の第2実施形態に係るプリント配線板の構成について図16及び図17を参照して説明する。
この第2実施形態のプリント配線板の構成は、上述した第1実施形態とほぼ同様である。但し、積層コア基板30への収容されるチップコンデンサが異なる。図17(A)はチップコンデンサ120の平面を、図17(B)は図17(A)のB−B断面を示している。上述した第1実施形態では、複数個の小容量のチップコンデンサをコア基板に収容したが、第2実施形態では、大容量の大判のチップコンデンサ120をコア基板に収容してある。ここで、チップコンデンサ120は、マトリクス状に多数配設された第1電極121と第2電極122と、誘電体23と、第1電極121へ接続された第1導電膜24と、第2電極122側に接続された第2導電膜25と、第1導電膜24及び第2導電膜25へ接続されていないチップコンデンサの上下面の接続用の電極127とから成る。この電極127を介してICチップ側とドータボード側とが接続されている。電極121,122、127の表面には、第1実施形態と同様に導電性ペースト26が塗布され表面の平滑化がはかられている。
【0090】
この改変例のプリント配線板では、大判のチップコンデンサ20を用いるため、容量の大きなチップコンデンサを用いることができる。また、大判のチップコンデンサ20を用いるため、ヒートサイクルを繰り返してもプリント配線板に反りが発生することがない。更に、複数の電極から配線を取り回すことが可能であるため、電源ライン、アースラインの数を増やすことで、電源ライン、アースラインのインダクタンス分を減らすことができ、高周波数性能を高めることが可能になる。更に、コンデンサの電極127をスルーホールとして用いることが可能になる。なお、第2実施形態でも、第1実施形態の改変例と同様に表面に大容量のコンデンサを実装することが好適である。
【0091】
また、第1、第2実施形態のプリント配線板では、チップコンデンサ20を図18(A)に示すように第1、第2電極21,22の被覆層(図示せず)を完全に剥離した後、銅めっき膜29により被覆することもできる。そして、銅めっき膜29で被覆した第1、第2電極21,22に銅めっきよりなるバイアホール60で電気的接続を取ってある。ここで、チップコンデンサの電極21,22は、メタライズからなり表面に凹凸がある。このため、金属層を剥き出した状態で用いると、第2コア基板12U、第3コア基板12Dにレーザで開口34を穿設する工程において、該凹凸に樹脂が残ることがある。この際には、当該樹脂残さにより第1、第2電極21,22とバイアホール60との接続不良が発生する。これに対して、銅めっき膜29によって被覆することで、第1、第2電極21,22の表面が平滑になり、第2コア基板12U、第3コア基板12Dにレーザで開口34を穿設した際に、樹脂残さが残らず、バイアホール60を形成した際の電極21,22との接続信頼性を高めることができる。
【0092】
更に、銅めっき膜29の形成された電極21、22に、めっきによりバイアホール60を形成するため、電極21、22とバイアホール60との接続性が高く、ヒートサイクル試験を実施しても、電極21、22とバイアホール60との間で断線が生じることがない。マイグレーションの発生もなく、コンデンサのバイアホールの接続部での不都合を引き起こさなかった。
【0093】
なお、上記銅めっき膜29は、チップコンデンサの製造段階で金属層26の表面に被覆されたニッケル/スズ層(被覆層)を、プリント配線板への搭載の段階で剥離してから設ける。この代わりに、チップコンデンサ20の製造段階で、金属層26の上に直接銅めっき膜29を被覆することも可能である。即ち、第2実施形態では、第1実施形態と同様に、レーザにて電極の銅めっき膜29へ至る開口を設けた後、デスミヤ処理等を行い、バイアホールを銅めっきにより形成する。従って、銅めっき膜29の表面に酸化膜が形成されていても、上記レーザ及びデスミヤ処理で酸化膜を除去できるため、適正に接続を取ることができる。
【0094】
また、図18(B)に示すようにチップコンデンサ20のメタライズからなる第1電極21、第2電極22を露出させてプリント配線板に収容し、露出した第1電極21、第2電極22に電気的接続を取ることもできる。このとき、第1電極21、第2電極22は、主成分がCuであることが望ましい。接続抵抗を低減することができるからである。
【0095】
ここで、第1実施形態のプリント配線板について、コア基板内に埋め込んだチップコンデンサ20のインダクタンスと、プリント配線板の裏面(ドータボード側の面)に実装したチップコンデンサのインダクタンスとを測定した値を示す。
コンデンサ単体の場合
埋め込み形 137pH
裏面実装形 287pH
コンデンサを8個並列に接続した場合
埋め込み形 60pH
裏面実装形 72pH
以上のように、コンデンサを単体で用いても、容量を増大させるため並列に接続した場合にも、チップコンデンサを内蔵することでインダクタンスを低減できる。
【0096】
次に、信頼性試験を行った結果について説明する。ここでは、第1実施形態のプリント配線板において、1個のチップコンデンサの静電容量の変化率を測定した。
静電容量変化率
(測定周波数100Hz) (測定周波数1kHz)
Steam 168時間: 0.3% 0.4%
HAST 100時間: -0.9% -0.9%
TS 1000cycles: 1.1% 1.3%
【0097】
Steam試験は、蒸気に当て湿度100%に保った。また、HAST試験では、相対湿度100%、印加電圧1.3V、温度121℃で100時間放置した。TS試験では、−125℃で30分、55℃で30分放置する試験を1000回線り返した。
【0098】
上記信頼性試験において、チップコンデンサを内蔵するプリント配線板においても、既存のコンデンサ表面実装形と同等の信頼性が達成できていることが分かった。また、上述したように、TS試験において、セラミックから成るコンデンサと、樹脂からなるコア基板及び層間樹脂絶縁層の熱膨張率の違いから、内部応力が発生しても、チップコンデンサの端子とバイアホールとの間に断線、チップコンデンサと層間樹脂絶縁層との間で剥離、層間樹脂絶縁層にクラックが発生せず、長期に渡り高い信頼性を達成できることが判明した。
【0099】
本願発明では、上述したようにプリント配線板内にコンデンサを配置するため、ICチップとコンデンサとの距離が短くなり、ループインダクタンスを低減することができる。また、コア基板は、コンデンサを収容する第1のコア基板の上下に第2、第3のコア基板を積層してなるため、堅牢であり、セラミックからなり熱膨張率の小さいコンデンサを収容しても、コンデンサとコア基板との熱膨張率差による応力を層間樹脂絶縁層に与え導体回路にクラックが発生することがなく、高い信頼性を備えるプリント配線板を実現できる。また、コア基板は、表面を研磨して平坦化できるため、コア基板上層の層間樹脂絶縁層にうねりが生じず、層間樹脂絶縁層上に適正にバイアホール、導体回路を形成することができる。
【0100】
コンデンサの下部からも接続することが可能となるので、ループインダクタンスの距離を短くし、配設する自由度を増す構造であるといえる。
また、コア基板とコンデンサの間に樹脂が充填されているので、コンデンサなどが起因する応力が発生しても緩和されるし、マイグレーションの発生がない。そのために、コンデンサの電極とバイアホールの接続部への剥離や溶解などの影響がない。
そのために、信頼性試験を実施しても所望の性能を保つことができるのである。また、コンデンサを銅によって被覆されている場合にも、マイグレーションの発生を防止することができる。
【符号の説明】
【0101】
10 プリント配線板
11 第1コア基板
11A 通孔
12A 通孔
12U 第2コア基板
12D 第3コア基板
13U プリプレグ
13D プリプレグ
14 樹脂充填剤
15 接着剤
20 チップコンデンサ
21 第1電極
22 第2電極
26 導電性ペースト
30 積層コア基板
31 導体回路(コンフォマルマスク)
31a 開口
36 スルーホール
37 樹脂充填剤
58 導体回路
60 バイアホール
70 ソルダーレジスト
76U 半田バンプ
76D BGA
86 コンデンサ
90 ICチップ
94 ドータボード
97 導電性接続ピン
144 層間樹脂絶縁層
158 導体回路
160 バイアホール
258 導体回路
260 バイアホール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンデンサを収容するコア基板に樹脂絶縁層と導体回路とを積層してなるプリント配線板であって、
前記コア基板は、前記コンデンサを収容する通孔の形成された第1のコア基板の上下に第2、第3のコア基板を積層してなり、
前記第1、第2、第3のコア基板は、芯材に樹脂を含浸してなり、
前記樹脂絶縁層は、芯材を有しない樹脂材料からなり、
前記第2および第3のコア基板の少なくとも一方に、前記コンデンサの電極に接続するバイアホールを形成し、該バイアホールと前記コンデンサの電極との間に電気的接続を取ったことを特徴とするプリント配線板。
【請求項2】
前記コンデンサの電極に、導電性ペーストを塗布したことを特徴とする請求項1に記載のプリント配線板。
【請求項3】
前記プリント配線板の表面にコンデンサを実装したことを特徴とする請求項1または2に記載のプリント配線板。
【請求項4】
前記表面のチップコンデンサの静電容量は、内層のチップコンデンサの静電容量以上であることを特徴とする請求項3に記載のプリント配線板。
【請求項5】
前記コンデンサとして、マトリクス状に電極が形成されたチップコンデンサを用いたことを特徴とする請求項1〜請求項4の内1に記載のプリント配線板。
【請求項6】
前記コンデンサの電極に金属膜を形成し、前記金属膜を形成させた電極へめっきにより電気的接続を取ったことを特徴とする請求項1〜請求項5の内1に記載のプリント配線板。
【請求項7】
前記コンデンサの電極に形成した金属膜は、銅を主とするめっき膜であることを特徴とする請求項6に記載のプリント配線板。
【請求項8】
前記コンデンサの電極の被覆層を少なくとも一部を露出させて、前記被覆層から露出した電極にめっきにより電気的接続を取ったことを特徴とする請求項1〜請求項5の内1に記載のプリント配線板。
【請求項9】
前記導体回路は、前記コア基板の両面にそれぞれ形成され、
前記コア基板には、該コア基板の両面にそれぞれ形成された前記導体回路同士を電気的に接続するスルーホールが形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項8の内1に記載のプリント配線板。
【請求項10】
前記コア基板の両面にそれぞれ形成された前記導体回路は、銅箔と、該銅箔に積層された無電解銅めっき膜と、該無電解銅めっき膜に積層された電解めっき膜と、からなり、
前記樹脂絶縁層上に形成される導体回路は、無電解銅めっき膜、および該無電解銅めっき膜に積層された電解めっき膜からなることを特徴とする請求項9に記載のプリント配線板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−33949(P2012−33949A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−214982(P2011−214982)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【分割の表示】特願2001−23103(P2001−23103)の分割
【原出願日】平成13年1月31日(2001.1.31)
【出願人】(000000158)イビデン株式会社 (856)
【Fターム(参考)】