説明

プログラムならびに画像生成装置

【課題】機密文書の不正な流出を回避するためになされる特定の情報を含むか否かの判定処理によるユーザの印刷待ち時間の短縮を図る。
【解決手段】コンピュータを、文書作成アプリケーションソフト(文書処理部10)により作成された文書データが特定の情報を含むか否かを判定する特定情報判定処理部30と、文書作成アプリケーションソフトから印刷指令が出力された場合に、特定情報判定処理部30の判定結果にしたがい文書データの印刷可否を判定し、文書作成アプリケーションソフトに判定結果を出力する制御処理部20とを備える画像生成装置として機能させ、特定情報判定処理部30に、文書作成アプリケーションソフトから印刷指令が出力される前の時点で、文書データが特定の情報を含むか否かの判定を実行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置から印刷指令とともに出力される文書データに基づき印刷可能な画像情報を生成して印刷装置に出力する、情報処理装置に用いて好適な、プログラムならびに画像生成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、機密文書や証明書等をプリンタや複写機等の印刷装置によって大量に印刷することが可能になり、偽造や複写による機密文書の不正な流出が問題になっている。
この問題に対処するため、例えば、不正な複写が行われた場合、複写されたものであることが明確に判断できる「コピー牽制文字」を浮き出させ、原紙には出来るだけ目立たないように工夫された地紋処理の一種である「コピー牽制地紋」が知られている。
【0003】
従来、前記したコピー牽制地紋を印刷するためには専用の用紙が必要であり、単価が高くなるうえに地紋デザインの自由度が低いという問題があった。
この問題を解決するために従来から多数の特許出願がなされており、代表的には、プリンタドライバ(プログラム)が、印刷対象の文書があらかじめ設定された特定の文字列を含んでいるか否かを判定し、当該特定の文字列を含む場合は地紋データを付加した印刷情報を生成して印刷処理を実行することにより、特定文字列を含む文書の印刷物が無制限に複写されることを抑制することができる印刷システムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−94720号公報(段落「0011」、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1に開示された技術によれば、ユーザが意識することなく複写を抑制することが必要な印刷物に洩れなく地紋印刷を付加できる。
しかしながら、印刷対象の文書に文字列等の特定の情報を含むか否かの判定処理は、ユーザによる印刷実行指示により開始されるため、その判定処理に要する時間はユーザの印刷待ち時間に相当する。したがって、データ容量が大きい文書を印刷する場合、ユーザは、前記した判定処理が終了するまでの間、印刷処理も含めて長時間待たされるという問題があった。
【0005】
本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、機密文書の不正な流出を回避するためになされる特定の情報を含むか否かの判定処理によるユーザの印刷待ち時間の短縮を図った、プログラムならびに画像生成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために本発明のプログラムは、コンピュータを、文書作成アプリケーションソフトにより作成された文書データが特定の情報を含むか否かを判定する特定情報判定処理部と、前記文書作成アプリケーションソフトから印刷指令が出力された場合に、前記特定情報判定処理部の判定結果にしたがい前記文書データの印刷可否を判定し、前記文書作成アプリケーションソフトに判定結果を出力する制御処理部とを備える画像生成装置として機能させるためのプログラムであって、前記特定情報判定処理部に、前記文書作成アプリケーションソフトから前記印刷指令が出力される前の時点で、前記文書データが前記特定の情報を含むか否かの判定を実行させるものである。
【0007】
また、本発明の画像生成装置は、文書データを生成し、当該文書データに基づく印刷指令を出力する文書処理部と、前記文書データが特定の情報を含むか否かを判定する特定情報判定処理部と、前記文書処理部から前記印刷指令が出力された場合に、前記特定情報判定処理部の判定結果にしたがい前記文書データの印刷可否を判定する制御処理部と、前記制御処理部が印刷可と判定した場合に、前記文書データに対応する画像情報を生成する画像生成部とを備える構成とした。
前記した構成において、前記特定情報判定処理部は、前記文書処理部から前記印刷指令が出力される前の時点で、前記文書データが前記特定の情報を含むか否かを判定するように動作する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、機密文書の不正な流出を回避するためになされる特定の情報を含むか否かの判定処理によるユーザの印刷待ち時間の短縮を図ったプログラムならびに画像生成装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1に係る画像生成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図1に示されるように、本発明の実施の形態1に係る画像生成装置1は、例えば、PC(Personal Computer)相当の情報処理装置により構成される。画像生成装置1は、例えば、USB(Universal Serial Bus)等を介して、外部の印刷装置としてのプリンタ2と接続される。
【0010】
図1に示されるように、画像生成装置1は、CPU101と、プログラム格納ROM102と、RAM107と、ハードディスク装置108と、入力インタフェース109と、表示インタフェース111と、プリンタインタフェース113を備え、いずれも、アドレス/データバス100経由で共通接続される。
【0011】
入力インタフェース109にはキーボードやマウス等の入力装置110が、表示インタフェース111にはLCD(Liquid Crystal Display)モニタ等のディスプレイ112がそれぞれ接続されている。なお、図1は、画像生成装置1がノート型PCとして構成されている場合の構成例を示している。画像生成装置1がデスクトップ型PCとして構成されている場合には、入力装置110及びディスプレイ112は、画像生成装置1の外部の装置となる。
また、プリンタインタフェース113には、プリンタ2が、それぞれ接続されている。なお、前記した入出力のための各インタフェース109、111、113は、図1中、I/F(Interface)として略記されている。
【0012】
プログラム格納ROM102は、読み出し専用の記憶装置であり、不図示のOS(Operating System)の他に、文書処理アプリケーションプログラム103、制御処理プログラム104、特定情報判定プログラム105、画像生成プログラム106、等が格納されている。CPU101は、プログラム格納ROM102に格納されたプログラムを逐次読み出し実行することにより以下に説明する処理を行う。
【0013】
なお、文書処理アプリケーションプログラム103、制御処理プログラム104、特定情報判定プログラム105、及び画像生成プログラム106等のプログラムは、プログラム格納ROM102ではなく、ハードディスク装置108に格納することも可能である。この場合、これらのプログラムについては、CPU101がハードディスク装置108からこれらのプログラムを逐次読み出し実行することになる。
【0014】
文書処理アプリケーションプログラム103は、テキスト、イメージ、図形などからなる文書データの編集、保存、表示、印刷を行う。文書処理アプリケーションプログラム103は、ユーザにより入力された文書データ、または文書ファイルから読み出された文書データを、内部処理形式である文書データに変換し、当該文書データに基づいて表示や印刷等の処理を行う。
また、制御処理プログラム104は、特定情報判定プログラム105に対して実行の開始または停止の指示を送信し、動作を制御する。
【0015】
特定情報判定プログラム105は、文書処理アプリケーションプログラム103で開かれている文書データが、企業の社外秘情報や個人情報などの特定情報を含むか否かの判定処理を実行する。
また、画像生成プログラム106は、文書処理アプリケーションプログラム103から受信した文書データに対応する、印刷可能な画像データを生成し、プリンタ2に送信する処理を行う。
【0016】
なお、前記制御処理プログラム104は、例えば、文書処理アプリケーションプログラム103にプラグイン実装され、特定情報判定プログラム105は、例えば、OS等の常駐ソフトウェアに実装される。また、画像生成プログラム106は、例えば、プリンタドライバに実装される。
【0017】
RAM107は、CPU101によるプログラム実行時に必要なプログラムおよびデータを読み書きするための一次記憶装置である。
また、ハードディスク装置108は、プログラム格納ROM102やRAM107よりも大容量のデータを読み書き可能な二次記憶装置であり、文書処理アプリケーションプログラム103を用いて印刷を行う文書ファイル、その他の必要なデータが格納される。
【0018】
入力装置110は、ユーザが画像生成装置1に対して指示を行うための装置であり、例えば、キーボードおよびマウスからなる。また、ディスプレイ112は、画像生成装置1で行われる処理内容をユーザが目視により確認するLCDモニタ等の表示装置である。
画像生成装置1のユーザは、ディスプレイ112の表示を目視しながら、入力装置110を操作して文書を印刷する指示を行うものとする。
【0019】
図2は、本発明の実施の形態1に係る画像生成装置1が実行するプログラムの構造を機能展開して示したブロック図である。
【0020】
図2に示されるように、画像生成装置1は、文書処理部10、制御処理部20、特定情報判定処理部30、画像生成部40、の各機能ブロックを有する。
文書処理部10は前記した文書処理アプリケーションプログラム103、制御処理部20は前記した制御処理プログラム104、特定情報判定処理部30は前記した特定情報判定プログラム105、画像生成部40は前記した画像生成プログラム106にそれぞれ対応し、各プログラムが有する機能を実行する処理ブロックである。
【0021】
文書処理部10は、図1の入力装置110を介してユーザにより入力された文書データ、または図1のハードディスク装置108に格納された文書ファイルから読み出された文書データを内部処理形式である文書データに変換し、当該文書データに基づいて表示や印刷等の印刷指令に基づき制御処理部20に出力する機能を有する。
【0022】
制御処理部20は、文書処理部10から印刷指令が出力される前から文書データの印刷可否を判定するとともに、後記する特定情報判定部30の判定結果により文書データの印刷可否を判定する機能を有し、動作検知部21と、制御信号送信部22と、印刷可否判定部23と、文書データ転送部24と、タイマー部25と、タイマー設定部26とを機能ブロックとして含む。
【0023】
動作検知部21は、文書処理部10の動作を検知して、制御信号送信部22と印刷可否判定部23に通知する機能を有する。
制御信号送信部22は、後記する制御信号を、文書データ転送部24および後記する特定情報判定処理部30の判定実行部32に送信する機能を有する。
【0024】
印刷可否判定部23は、特定情報判定処理部30のデータ格納部31に格納されている判定処理結果を参照して文書データの印刷可否を判定し、当該判定結果を文書処理部10に通知する機能を有する。
文書データ転送部24は、特定情報判定処理部30のデータ格納部31へ文書データを転送する指示、またはデータ格納部31の格納内容をクリアする指示を制御信号として制御信号送信部22から受信し、それぞれの指示にしたがう処理を行う機能を有する。文書データ転送部24は、データ格納部31へ文書データを転送する場合、データ格納部31に格納されている文書データの内容と文書処理部10で開かれている文書データの内容とを比較し、差分の文書データを文書処理部10から取得してデータ格納部31に転送する。
【0025】
タイマー部25は、タイマー設定部26により設定された時間間隔の経過を制御信号送信部22に通知する機能を有する。
タイマー設定部26は、ユーザが入力した数値を、タイマー部25から制御信号送信部22へ定期的に通知を行う時間間隔として設定する機能を有する。
【0026】
なお、制御処理部20は、特定情報判定処理部30に対して判定処理の実行開始または実行停止の指示を送るために、文書処理部10と通信を行い、文書ファイルが開かれた等の動作状態を通知する。このとき、文書処理部10の通信は、文書処理部10の公開API(Application Programming Interface)を用いて行うものとする。
【0027】
特定情報判定処理部30は、文書処理部10により出力される文書データが特定の情報を含むか否かを判定する機能を有し、データ格納部31と、判定実行部32と、特定情報格納部33と、特定情報登録部34と、を機能ブロックとして含む。
【0028】
データ格納部31は、制御処理部20の文書データ転送部24により転送された文書データ、および、判定実行部32の判定処理に関わるデータを格納する機能を有する。
【0029】
図3に、データ格納部31に格納される文書データのデータ構造の一例が示されている。図3に示されるように、データ格納部31は、管理テーブル領域と文書データ領域とからなり、それぞれの領域に、管理テーブル情報38、文書データ39が格納される。
管理テーブル情報38とは、“文書名”、“ポインタ”の2つのレコードを持つテーブル情報である。“文書名”には文書のドキュメント名が、“ポインタ”には文書データ39の中の該当する文書データへのポインタが格納される。また、文書データ39とは文書データの実体データをいい、文書データ領域にページごとのページデータが線形リスト形式で格納される。なお、各ページデータには、ページの判定処理状態を示す値を設定するフラグが付加され、ページの判定処理が未だ終了していなければ、フラグ“−1”が、ページの判定処理が終了し特定情報を含む場合はフラグ“1”が設定され、ページの判定処理が終了し特定情報を含まない場合は、フラグ“0”が設定される。
【0030】
説明を図2に戻す。特定情報判定処理部30の判定実行部32は、データ格納部31に格納されている文書データに対し、企業の社外秘情報や個人情報などの特定情報を含んでいるか否かの判定処理を実行する機能を有する。
ここでいう判定処理とは、特定情報格納部33にあらかじめ格納されている特定情報としての文字列または画像パターンが文書データに含まれるか否かを、キーワード検索、またはパターンマッチング処理により判定する処理をいう。
【0031】
特定情報格納部33は、企業の社外秘情報や個人情報等の特定情報であることを示すデータとして、“社外秘”、“Confidenial”などの文字列、または、会社のロゴマーク等の画像パターンを格納する機能を有する。
特定情報登録部34は、ユーザが指定した文字列または画像パターンを、特定情報であることを示すデータとして特定情報格納部33に登録する機能を有する。
【0032】
なお、画像生成部40は、文書データに基づき画像情報を生成して印刷装置としてのプリンタ2に出力するとともに、文書処理部10から印刷指令が出力され、制御処理部20が印刷可と判定した場合に文書データに対応する画像情報を生成してプリンタ2に出力する機能を有する。
【0033】
図4は、本発明の実施の形態1に係る画像生成装置1の制御処理部20の動作を示すフローチャートであり、詳しくは、文書データ転送部24による文書データ転送処理手順が示されている。
以下、図4のフローチャートを参照しながら、図2に示す制御処理部20の文書データ転送部24の文書データ転送処理手順について詳細に説明する。
【0034】
図4のフローチャートにおいて、文書データ転送部24は、最初に、例えば、内部レジスタ等に設定される変数iを値“1”で初期化する(ステップS401)。次に、文書データ転送部24は、定数Nに、文書処理部10で開かれている文書データのページ数を設定する(ステップS402)。
続いて文書データ転送部24は、データ格納部31に格納されてある過去の文書データを参照して古い文書データがあるか否かを判定し(ステップS403)、以前に格納済みの同じ文書に対応する文書データが存在する場合は(ステップS403“Yes”)、定数nに、文書データ39のページデータ数を設定する(ステップS405)。一方、存在しない場合は(ステップS403“No”)、管理テーブル38にレコードを追加し(ステップS404)、文書処理部10から取得した文書名を“文書名”に設定し、文書データ39が格納された領域へのポインタを“ポインタ”に設定した後、ステップS405に移行する。
【0035】
次に、文書データ転送部24は、先に設定した定数Nとnとを比較する(ステップS406)。ここで、N<n、つまり、文書データ39に設定されているページ数nが文書処理部10で開かれている文書データのページ数Nよりも大きい場合は(ステップS406“Yes”)、文書データ格納部39に格納されているデータのうち、N+1ページ目以降のデータを削除し(ステップS407)、N<nでなければ(ステップS406“No”)、ステップS408に移行する。
ステップS408の処理において、文書データ転送部24は、更に、定数nが変数iよりも小さいか否かを判定し(ステップS408)、i>n、つまり、文書データ39に設定されているページ数がページ番号iよりも小さければ(ステップS408“Yes”)、文書処理部10から取得したiページ目のデータを、データ格納部31の文書データ39が格納される領域に転送するとともに(ステップS409)、ページデータのフラグの値を−1に設定した(ステップS410)後、ステップS415に移行する。一方、i>nでなれければ(ステップS408“No”)、文書処理部10から取得したiページ目のデータの内容と文書データ39に設定されているiページ目のデータの内容とを比較する(ステップS411)。
【0036】
1ページ目のデータの比較結果、内容が一致しなければ(ステップS412“No”)、文書データ転送部24は、文書処理部10から取得したiページ目のデータを、データ格納部31の文書データ格納領域39に転送してページデータのフラグの値を−1に設定し(ステップS413、S414)、一致すれば(ステップS412“Yes”)、変数iの値を+1更新する(ステップS415)。
続いて、文書データ転送部24は、変数iと定数Nとを比較し(ステップS416)、i≦Nであれば(ステップS416“Yes”)、ステップS408の変数iと定数nの比較判定処理に戻り、i≦Nでなければ(ステップS416“No”)、前記した一連の文書データ転送処理を終了する。
【0037】
図5〜図7は、本発明の実施の形態1に係る画像生成装置1の動作を示すフローチャートであり、文書処理部10で文書ファイルがオープンされ(図5)、クローズされ(図6)、あるいはセーブされたことを制御処理部2の動作検知部21が検知した場合(図7)の、それぞれにおける制御処理部20の処理手順が示されている。
以下、図5〜図7のフローチャートを参照しながら、図2に示す制御処理部20の動作について詳細に説明する。
【0038】
図5のフローチャートにおいて、制御処理部20の動作検知部21は、まず、文書処理部10で文書ファイルがオープンされたことを検知すると(ステップS501)。制御信号送信部22が、文書データ転送部24に対して、文書データの転送指示を送信し(ステップS502)、この結果、文書処理部10で開かれた文書に対応する文書データがデータ格納部31に格納される。
続いて、制御信号送信部22が、特定情報判定処理部30の判定実行部32に対して判定処理開始の指示を制御信号として送信し、このことにより、判定実行部32が、データ格納部31に格納されている文書データに対し、企業の社外秘情報や個人情報などの特定情報を含んでいるか否かの判定処理を開始する(ステップS503)。これにより、文書ファイルがオープンされた場合の制御処理部20の処理が終了する。
【0039】
また、図6のフローチャートにおいて、制御処理部20の動作検知部21は、文書処理部10で文書ファイルがクローズされたことを検知すると(ステップS601)、制御信号部22は、特定情報判定処理部30の判定実行部32に対して判定処理停止の指示を制御信号として送信し(ステップS602)、その結果、判定実行部32が、データ格納部31に格納されている文書データに対し、企業の社外秘情報や個人情報などの特定情報を含んでいるか否かの判定処理を停止する。
続いて、制御信号送信部22は、文書データ転送部24に対し、クローズされた文書に対応する文書データのクリア指示を制御信号として送信し、その結果、データ格納部31に格納されたデータのうち、クローズされた文書に対応する文書データが削除される(ステップS603)。これにより、文書ファイルがクローズされた場合の制御処理部20の処理が終了する。
【0040】
また、図7のフローチャートにおいて、制御処理部20の動作検知部21は、文書処理部10で文書ファイルがセーブされたことを検知すると(ステップS701)、制御信号送信部22は、特定情報判定処理部30の判定実行部32に対して判定処理停止の指示を制御信号として送信し、その結果、判定実行部32は前記した特定情報の判定処理を停止する(ステップS702)。
次に、制御信号送信部22は、文書データ転送部24に対して転送指示を制御信号として送信し、その結果、文書データ転送部24は、文書処理部10で開かれている文書に対応する文書データを特定情報判定処理部30のデータ格納部31に転送して格納する(ステップS703)。続いて、制御信号送信部22は、特定情報判定処理部30の判定実行部32に対して判定処理開始の指示を制御信号として送信し、その結果、判定実行部32は、前記した特定情報の判定処理を開始する(ステップS704)。これにより、文書ファイルがセーブされた場合の制御処理部20の処理が終了する。
【0041】
図8は、本発明の実施の形態1に係る画像生成装置1の動作を示すフローチャートであり、制御処理部20のタイマー部25からの通知を制御信号送信部22が受信した場合の、制御処理部20の処理手順が示されている。
以下、図8のフローチャートを参照しながら、制御処理部20の動作について詳細に説明する。
【0042】
まず、制御処理部20の制御信号送信部22は、タイマー部25からタイマー設定部26により設定された時間間隔の経過(タイムアウト)の通知を受信する(ステップS801)。
次に、文書処理部10で文書データが開かれているか否かを動作検知部21により検知し、開かれていなければ(ステップS802“No”)、タイマー通知による制御処理を終了し、開かれていれば(ステップS802“Yes”)、文書処理部10で開かれている文書データの編集内容が未保存であるか否かについて動作検知部21により判定する(ステップS803)。
【0043】
ここで、編集内容が保存済みであれば(ステップS803“No”)、タイマー通知による制御処理を終了し、編集内容が未保存であれば(ステップS803“Yes”)、制御信号送信部22が、特定情報判定処理部30の判定実行部32に対して判定処理停止の指示を制御信号として送信し、その結果、判定実行部32は、前記した特定情報の判定処理を停止する(ステップS804)。
次に、制御信号送信部22は、文書データ転送部24に対して転送指示を制御信号として送信し、その結果、文書データ転送部24は、文書処理部10で開かれている文書に対応する文書データをデータ格納部31に転送して格納する(ステップS805)。続いて、制御信号送信部22は、特定情報判定処理部30の判定実行部32に対して判定処理開始の指示を制御信号として送信し、その結果、判定実行部32は、特定情報の判定処理を開始する(ステップS806)。これにより、タイマー部25からの通知を制御信号送信部22が受信した場合の制御処理部20の処理が終了する。
【0044】
図9は、本発明の実施の形態1に係る画像生成装置1の動作を示すフローチャートであり、文書処理部10で文書の印刷が指示されたことを制御処理部20の動作検知部21が検知した場合の制御処理部20の処理手順が示されている。
以下、図9のフローチャートを参照しながら、図2に示す制御処理部20の動作について詳細に説明する。
【0045】
まず、制御処理部20は、動作検知部21が、文書処理部10でユーザの印刷指示に基づく文書の印刷指令が出力されたことを検知すると(ステップS901)、印刷指示された文書に対応する文書データの編集内容がデータ格納部31の文書データ領域に未保存であるか否かを判定する(ステップS902)。
ここで、編集内容が保存済みであれば(ステップS902“No”)、印刷可否判定部23が、印刷指示された文書の印刷の可否を判定して文書処理部10に通知する処理を実行する(ステップS906)。ステップS906の印刷可否判定処理部23による印刷可否判定処理は図11にその詳細が示されており、その詳細は後記する。
【0046】
一方、編集内容が未保存であれば(ステップS902“Yes”)、制御信号送信部22が、特定情報判定処理部30の判定実行部32に対して判定処理停止の指示を制御信号として送信し、その結果、判定実行部32は、特定情報の判定処理を停止する(ステップS903)、次に、制御信号送信部22が、文書データ転送部24に対して転送指示を制御信号として送信し、その結果、文書処理部10で開かれている文書に対応する文書データがデータ格納部31に転送され格納される(ステップS904)。
続いて、制御信号送信部22が、特定情報判定処理部30の判定実行部32に対して判定処理開示の指示を送信し、その結果、判定実行部32は、特定情報の判定処理を開始する(ステップS905)。最後に、印刷可否判定部23が、印刷指示された文書の印刷の可否を判定して文書処理部10に通知する(ステップS906)。これにより、文書処理部10で文書の印刷が指示されたことを動作検知部21が検知した場合の制御処理部20の処理が終了する。
【0047】
図10は、本発明の実施の形態1に係る画像生成装置1の動作を示すフローチャートであり、特定情報判定処理部30における判定実行部32の特定情報判定処理手順が示されている。
以下、図10のフローチャートを参照しながら、図2に示す特定情報判定処理部30における判定実行部32の処理手順について詳細に説明する。
【0048】
判定実行部32は、まず、制御処理部20の制御信号送信部22から判定処理開始の指示を制御信号として受信する(ステップS1001)。
これを受けて判定実行部32は、内部レジスタ等に設定される変数iを値“1”で初期化する(ステップS1002)。そして、定数nに、データ格納部31に格納される文書データ39のページデータ数を設定する(ステップS1003)。
【0049】
続いて、判定実行部32は、ページiの処理状態が未処理か否かを判定し(ステップS1004)、ページiが未処理、すなわち、文書データ39のフラグの値が“−1”になっていれば(ステップS1004“Yes”)、文書データ39のページiのデータについて、特定情報の判定処理を実行して特定情報を含んでいるか否かの判定を行い(ステップS1005、S1006)、未処理でなければ(ステップS1004“No”)、ページiの判定処理をスキップして、変数iの値を+1更新する(ステップS1009)。
ステップS1006のページiに対する特定情報の判定処理において、ページiが特定情報を含むと判定された場合(ステップS1006”Yes”)、判定実行部32は、ページiのフラグの値を“1”に設定し(ステップS1007)、ページiが特定情報を含まないと判定された場合は(ステップS1006”No”)、ページiのフラグの値を“0”に設定する(ステップS1008)。
【0050】
続いて、判定実行部32は、変数iの値を+1更新し(ステップS1009)、変数iと定数nとの比較判定を行う(ステップS1010)。
ここで、i>nであれば(ステップS1010“Yes”)、判定実行部32は、前記した一連の特定情報判定処理を終了する。一方、i>nでなければ(ステップS1010“No”)、制御信号送信部22から判定処理停止の指示に関する制御信号の受信を待って(ステップS1011“Yes”)、前記した一連の特定情報判定処理を終了し、受信していなければ(ステップS1010“No”)、ステップS1004のページiの処理状態判定処理に戻る。
【0051】
図11は、本発明の実施の形態1に係る画像生成装置1の動作を示すフローチャートであり、図9のステップS906の印刷可否判定部23による印刷可否判定処理の詳細手順が示されている。
以下、図11のフローチャートを参照しながら、図2に示す制御処理部20の印刷可否判定部23の動作について詳細に説明する。
【0052】
印刷可否判定部23は、まず、特定情報判定処理部30のデータ格納部31にある管理テーブル38を参照し、判定対象文書データのポインタを取得する(ステップS1101)。
次に、印刷可否判定部23は、特定情報判定処理部30の判定実行部32の判定処理が未だ実行中であるか否かを、すなわち完了したかを、データ格納部31の文書データ39を参照することにより判定する(ステップS1102)。ここでは、フラグの値が−1であるページデータが存在すれば判定処理が未だ実行中であると判定する。未だ実行中であると判定された場合(ステップS1102“Yes”)、印刷可否判定部23は、一定時間待機して(ステップS1103)S1102の判定処理に戻り、実行中でなければ(ステップS1102“No”)、文書データに特定情報を含むページがあるか否かを判定する(ステップS1104)。
【0053】
ステップS1104の特定情報を含むページの判定処理において、印刷可否判定部23は、データ格納部31の文書データ格納領域に格納されている文書データ39のフラグの値が1であるページデータが存在する場合に特定情報を含むと判定する。
特定情報を含む場合(ステップS1104“Yes”)、印刷可否判定部23は、文書処理部10へ印刷不可を通知し(ステップS1105)、含まない場合は(ステップS1104“No”)、文書処理部10へ印刷可を通知して(ステップS1106)、前記した一連の印刷可否判定処理を終了する。なお、印刷可否判定部23による判定結果が印刷可の場合、画像生成部40が文書データに対応する画像情報を生成してプリンタ2に出力して所望の印刷結果を得る。
【0054】
図12は、前記した本発明の実施の形態1に係る画像生成装置1の一連の動作を示すフローチャートである。
図12に示されるように、本発明の実施の形態1に係る画像生成装置1によれば、制御処理部20は、動作検知部21により文書ファイルの操作(オープン、クローズ等)が検出された(ステップS1201“Yes”)ことを契機に、特定情報判定処理部30による特定情報の判定処理を起動し、これを受けた特定情報判定処理部30は、文書処理部10により出力される文書データに含まれる特定情報の判定処理を行う(ステップS1202)。そして、制御処理部20は、文書処理部10から印刷指令を受信するまで待機し、受信する(ステップS1203)と、以前に実行済みの特定情報判定処理部30による特定情報判定処理結果が印刷可を示していた場合に(ステップS1204“Yes”)、画像生成部40による画像データの生成処理を行い(ステップS1205)、更に、印刷処理を実行して(ステップS1206)、前記した一連の処理を終了する。
【0055】
すなわち、本発明の実施の形態1に係る画像生成装置1は、文書処理部10で文書ファイルの印刷指令を出力する場合(ユーザにより印刷指示がなされる)、特定情報判定処理部30の判定実行部32による特定情報有無の判定処理を、文書ファイルの印刷指令の出力に先立って、文書処理部10で文書ファィルが開かれた時点から開始する。また、ユーザが文書データを編集中の間も、タイマー部25の制御により文書処理部10から文書データを定期的に取得して判定処理を実行する。
このように、制御処理部20は、文書処理部10から印刷指令が出力される前から文書データの印刷可否を判定しており、画像生成部40は、文書処理部10から印刷指令が出力され、制御処理部20が印刷可と判定した場合に文書データに対応する画像情報を生成して印刷装置に出力する。
【0056】
このため、本発明の実施の形態1に係る画像生成装置1によれば、文書処理部10(文書処理アプリケーションプログラム103)の動作を検知し、文書データに特定の内容が含まれるか否かの判定処理を、文書の印刷指示が出されるよりも以前から行うようにしたため、その分、印刷待ち時間を短縮できる。
また、本発明の実施の形態1に係る画像生成装置1によれば、制御処理部20が、データ格納部31に格納されている文書データの内容と、文書処理部10により開かれた文書データの内容とを比較し、当該比較結果によっては差分の文書データを取得してデータ格納部31に転送することにより印刷待ち時間の短縮に一層寄与することができる。
【0057】
なお、前記した本発明の実施の形態1に係る画像生成装置1によれば、制御処理部20は、文書処理アプリケーションプログラム103の公開APIを用いる実装形態としたが、これに限定されるものではない。例えば、文書処理アプリケーションプログラム103によるOSのAPIコールをフック(留置)し、APIコールの種類およびAPIコール時のパラメータとから、文書処理アプリケーションプログラム103の動作を検知する形態としてもよい。
【0058】
[実施の形態2]
図13は、本発明の実施の形態2に係る画像生成装置3が実行するプログラムの構造を機能展開して示したブロック図である。
以下に説明する本発明の実施の形態2に係る画像生成装置3においても実施の形態1同様、図1に示すハードウェア構成を用いることとする。但し、画像生成装置3が実行するプログラム構造に差異があり、実施の形態2では、実施の形態1が持つ制御処理部20に、証明書生成部27が付加されている。また、画像生成部40は、画像生成処理部41と、証明書判定部42と、証明書削除部43とを含むプログラム構造とした。なお、特定情報判定処理部30のプログラム構造は、実施の形態1と同様である。
【0059】
制御処理部20の証明書生成部27は、文書処理部10で印刷指令が出力された文書について特定情報判定処理が実行済みであることを、画像生成部40に通知するための証明書ファイルを生成し、所定のファイル名を付与して所定の場所に保存する。
証明書生成部27は、生成された証明書ファイルを、例えば、“証明書.dat”というファィル名で、例えば、OSの既定のテンポラリフォルダに保存する。また、証明書ファイルには、印刷対象文書を特定するための情報を暗号化して記録する。例えば、印刷対象文書のドキュメント名の文字列を暗号化により変換した文字列を記録する。
【0060】
画像生成部40の画像生成処理部41は、文書処理部10から受信した文書データに対応する印刷可能な画像データを生成し、プリンタ2に送信する処理を行う機能を有する。
証明書判定部42は、制御処理部20の証明書生成部27により生成された証明書ファィルの内容が、文書処理部10から受信した文書データと一致するか否かを判定して画像生成処理部41および証明書削除部43を制御する機能を有する。証明書削除部43は、証明書判定部42の判定結果によっては証明書生成部27により生成された証明書ファイルを削除する機能を有する。
【0061】
図14は、本発明の実施の形態2に係る画像生成装置3の動作を示すフローチャートであり、文書処理部10で文書の印刷指令が出力されたことを制御処理部20の動作検知部21が検知した場合の制御処理部20の処理手順が示されている。
以下、図14のフローチャートを参照しながら、図13に示す画像生成装置3の文書処理部10で文書の印刷指令が出力されたことを制御処理部20の動作検知部21が検知した場合の制御処理部20の処理手順について詳細に説明する。
【0062】
まず、動作検知部21は、文書処理部10で文書の印刷指令が出力されたことを検知すし(ステップS1401)、更に、文書処理部10で開かれている文書データの編集内容が未保存であるか否かについても判定する(ステップS1402)。
ここで、編集内容が保存済みであると判定されると(ステップS1402“No”)、印刷可否判定部23は、特定情報判定部30のデータ格納部31に格納された判定処理結果を参照して文書データの印刷可否を判定する(ステップS1406)。一方、編集内容が未保存であれば(ステップS1402“Yes”)、制御信号送信部22が、特定情報判定処理部30の判定実行部32に対して判定処理停止の指示を制御信号として送信し、その結果、判定実行部32は、前記した特定情報の判定処理を停止する(ステップS1403)。
次に、制御信号送信部22は、文書データ転送部24に対して転送指示を制御信号として送信する。この結果、文書処理部10で開かれている文書データがデータ格納部31に転送され、所定の領域に格納される(ステップS1404)。
【0063】
次に、制御信号送信部22は、特定情報判定処理部30の判定実行部32に対して判定処理開始の指示を制御信号として送信し、このことにより、判定実行部32が、データ格納部31に格納されている文書データに対し、企業の社外秘情報や個人情報などの特定情報を含んでいるか否かの判定処理を開始する(ステップS1405)。
続いて、印刷可否判定部23は、特定情報判定処理部30のデータ格納部31に格納されている判定処理結果を参照して文書データの印刷可否を判定し(ステップS1406)、当該判定結果を文書処理部10に通知する。
【0064】
ここで、印刷可否判定部23で印刷不可と判定された場合は(ステップS1407“No”)、前記した一連の処理を終了し、印刷可と判定された場合は(ステップS1407“Yes”)、証明書生成部27による証明書ファイル生成処理を実行する(ステップS1408)。このことにより、証明書生成部27は、文書処理部10で印刷指令が出力された文書について特定情報判定処理が実行済みであることを、画像生成部40に通知するための証明書ファイルを生成し、所定のファイル名を付与して所定の場所に保存する。
【0065】
図15は、本発明の実施の形態2に係る画像生成装置の動作を示すフローチャートであり、画像生成部40による画像生成処理手順が示されている。
以下、図15に示すフローチャートを参照しながら、図13に示す本発明の実施の形態2に係る画像生成装置の画像生成部40による画像生成処理手順について詳細に説明する。
【0066】
画像生成部40の画像生成処理部41は、まず、文書処理部10から文書データを受信する(ステップS1501)。
続いて、証明書判定部42は、制御処理部20の証明書生成部27によって生成された証明書ファイルが存在するか否かを判定する(ステップS1502)。ここで、存在しなければ(ステップS1402“No”)、画像生成処理を終了し、存在すれば(ステップS1502“Yes”)、証明書判定部42が、証明書生成部27によって生成された証明書ファイルの内容を参照し、当該証明書ファイルがステップS1501の文書データ受信処理で受信した文書データのものか否かを判定する(ステップS1503)。なお、ステップS1503の判定で“Yes”の場合は、ステップS1501で受信した文書データの判定処理が完了していることを示している。
【0067】
ここで、証明書判定部42により受信した証明書ファイルがステップS1501で受信した文書データのものでないと判定された場合(ステップS1503“No”)、画像生成処理を終了し、ステップS1501で受信した文書データのものであると判定された場合(ステップS1503“Yes”)、証明書削除部63が、証明書ファイルを削除する(ステップS1504)。
最後に、画像生成処理部41は、受信した文書データに対応する印刷可能な画像データを生成し、プリンタ2に送信する(ステップS1505)。
【0068】
前記した本発明の実施の形態2に係る画像生成装置3によれば、前記した実施の形態1同様、機密文書の不正な流出を回避するためになされる特定の情報を含むか否かの判定処理によるユーザの印刷待ち時間の短縮を図れる他、制御処理部20(証明書生成部27)が、文書処理部10で印刷指令が出力された文書データについて特定情報判定部30による判定処理が実行済みであることを示す証明書ファイルを生成し、画像生成部40が、当該証明書ファイルを参照し、証明書ファイルがあることが確認された場合にのみ文書データに対応する画像情報を生成する構成としたことにより、悪意あるユーザにより特定情報判定処理が無効化されて文書が印刷されることを防止することができる。
また、制御処理部20(証明書生成部27)が証明書ファイルを生成する際、文書処理部10で印刷指令が出力された文書データを特定する情報を暗号化して保存することで第三者には知り得ない機密性のある証明書ファイルを管理することができる。
【0069】
なお、本発明の実施の形態1に係る画像生成装置1、あるいは実施の形態2に係る画像生成装置3が有する各構成ブロックの機能は、すべてをソフトウェアによって実現しても、あるいはその少なくとも一部をハードウェアで実現してもよい。
例えば、制御処理部20が、文書処理部10により印刷指令が出力される前から文書データの印刷可否を判定し、画像生成部40が、文書処理部10により印刷指令が出力され、制御処理部20が印刷可と判定した場合に文書データに対応する画像情報を生成するデータ処理は、1または複数のプログラムによりコンピュータ上で実現してもよく、また、その少なくとも一部をハードウェアで実現してもよい。
【0070】
また、本発明の実施の形態に係るプログラムは、例えば、図1において、画像生成装置1から印刷指令とともに出力される文書データに基づき印刷可能な画像情報を生成して印刷装置(プリンタ2)に出力する画像生成装置に用いられるプログラムであって、例えば、図12において、前記情報処理装置の特定の動作を契機に前記文書データに特定の情報を含むか否かを判定する特定情報判定処理(ステップS1201、S1202)と、前記印刷指令が出力され、前記特定情報判定処理により前記文書データが印刷可と判定された場合に当該文書データに対応する画像情報を生成する画像生成処理(S1203〜S1205)と、をコンピュータ(画像生成装置1)に実行させるものであり、このことにより、機密文書の不正な流出を回避するためになされる特定の情報を含むか否かの判定処理によるユーザの印刷待ち時間の短縮をはかれる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の実施の形態1に係る画像生成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る画像生成装置の情報処理装置が実行するプログラムの構造を機能展開して示したブロック図である。
【図3】発明の実施の形態1に係る画像生成装置の特定情報判定処理部が有するデータ格納部に格納されるデータのデータ構造の一例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る画像生成装置の制御処理部(文書データ転送部)の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態1に係る画像生成装置の制御処理部の動作(文書ファイルがオープンされたことを検知した場合)を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態1に係る画像生成装置の制御処理部の動作(文書ファイルがクローズオープンされたことを検知した場合)を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態1に係る画像生成装置の制御処理部の動作(文書ファイルがセーブされたことを検知した場合)を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態1に係る画像生成装置の制御処理部がタイマー通知を受信した場合の動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態1に係る画像生成装置の制御処理部が印刷指令を検知した場合の動作を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態1に係る画像生成装置の特定情報判定処理部(判定実行部)の動作を示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施の形態1に係る画像生成装置の制御処理部(印刷可否判定部)の動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施の形態1に係る画像生成装置の一連の動作を示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施の形態2に係る画像生成装置の情報処理装置が実行するプログラムの構造を機能展開して示したブロック図である。
【図14】本発明の実施の形態2に係る画像生成装置の印刷指令を検知した場合の制御処理部の動作を示すフローチャートである。
【図15】本発明の実施の形態2に係る画像生成装置の画像生成部の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0072】
1,3 画像生成装置
2 プリンタ(印刷装置)
10 文書処理部(文書処理アプリケーションプログラム103)
20 制御処理部(制御処理プログラム104)
21 動作検知部
22 制御信号送信部
23 印刷可否判定部
24 文書データ転送部
25 タイマー部
26 タイマー設定部
27 証明書生成部
30 特定情報判定処理部(特定情報判定プログラム105)
31 データ格納部
32 判定実行部
33 特定情報格納部
34 特定情報登録部
38 管理テーブル情報
39 文書データ
40 画像生成部(画像生成プログラム106)
41 画像生成処理部
42 証明書判定部
43 証明書削除部
100 アドレス/データバス
101 CPU
102 プログラム格納ROM
107 RAM
108 ハードディスク装置
109 入力インタフェース
110 入力装置
111 表示インタフェース
112 ディスプレイ
113 プリンタインタフェース


【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
文書処理アプリケーションプログラムにより作成された文書データが特定の情報を含むか否かを判定する特定情報判定処理部と、
前記文書処理アプリケーションプログラムから印刷指令が出力された場合に、前記特定情報判定処理部の判定結果にしたがい前記文書データの印刷可否を判定し、前記文書処理アプリケーションプログラムに判定結果を出力する制御処理部とを備える画像生成装置として機能させるためのプログラムであって、
前記特定情報判定処理部に、
前記文書処理アプリケーションプログラムから前記印刷指令が出力される前の時点で、前記文書データが前記特定の情報を含むか否かの判定を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項2】
前記制御処理部に、
前記文書処理アプリケーションプログラムの動作の検知を実行させ、
前記特定情報判定処理部に、
前記制御処理部により検知された前記文書処理アプリケーションプログラムの動作に応じて前記文書データに特定の情報を含むか否かの判定を実行させることを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記制御処理部に、
前記文書処理アプリケーションプログラムにより前記文書データを含む文書ファイルが開かれたことを検知させ、さらに、前記特定情報判定処理部による特定情報を含むか否かの判定を実行させることを特徴とする請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記特定情報判定処理部に、
前記文書データを格納するデータ格納部を有する機能手段として機能させ、
前記制御処理部に、
前記データ格納部に格納されている文書データの内容と、前記文書処理アプリケーションプログラムにより開かれた文書データの内容とを比較させ、当該比較結果によって差分の文書データを取得させて前記データ格納部に転送させることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記特定情報判定処理部に、
所定の時間間隔ごとに、前記文書データが所定の情報を含むか否かの判定を実行させることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記制御処理部に、
前記文書処理アプリケーションプログラムから前記文書データの印刷指令が出力されたことを検知された場合に、当該文書データの印刷可否の判定を実行させることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記制御処理部に、
前記特定情報判定部による判定結果が得られなかった場合、前記文書データを印刷不可と判定させることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記コンピュータは証明書ファイルが存在する場合に前記文書データに対応する画像情報を生成する画像生成部を備えており、
前記証明書ファイルは、前記制御処理部が、前記文書処理アプリケーションプログラムから前記印刷指令が出力された文書データについて前記特定情報判定部による判定処理が実行済みであることを示したものであることを特徴とする請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記制御処理部に、
前記文書処理アプリケーションプログラムから前記印刷指令が出力された文書データを特定する情報を暗号化させて前記証明書ファイルに保存させることを特徴とする請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
文書データを生成し、当該文書データに基づく印刷指令を出力する文書処理部と、
前記文書データが特定の情報を含むか否かを判定する特定情報判定処理部と、
前記文書処理部から前記印刷指令が出力された場合に、前記特定情報判定処理部の判定結果にしたがい前記文書データの印刷可否を判定する制御処理部と、
前記制御処理部が印刷可と判定した場合に、前記文書データに対応する画像情報を生成する画像生成部とを備え、
前記特定情報判定処理部は、
前記文書処理部から前記印刷指令が出力される前の時点で、前記文書データが前記特定の情報を含むか否かを判定することを特徴とする画像生成装置。
【請求項11】
前記制御処理部は、
前記印刷指令が出力された文書データについて前記特定情報判定部による判定処理が実行済みであることを示す証明書ファイルを前記文書処理部で生成させ、
前記画像生成部に、
前記証明書ファイルを参照させて、当該証明書ファイルがある場合にのみ、前記文書データに対応する画像情報を生成させることを特徴とする請求項10に記載の画像生成装置。
【請求項12】
前記制御処理部は、
前記印刷指令が出力された文書データを特定する情報を前記文書処理部で暗号化させて前記証明書ファイルに保存させることを特徴とする請求項11に記載の画像生成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−108263(P2010−108263A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−279874(P2008−279874)
【出願日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】