説明

プログラムファイルのダウンロード方法

【課題】プログラムファイルを作成する時に専用の暗証コード等を埋め込んでおかなけらばならないという不便性があり、また、最新のバージョンのプログラムファイルをダウンロードするつもりが、準備したプログラムファイルのバージョンが古い場合でも、それに気付くことがなく、内部の暗証コードが合致すればダウンロードできてしまう。
【解決手段】監視制御装置にプログラムファイルとプログラムファイルのチェックコードがそれぞれ入力された場合に、監視制御装置により演算されたプログラムファイルのチェックコードと入力されたプログラムファイルのチェックコードを比較し、一致している場合に制御対象機器へプログラムファイルのダウンロードを開始するようにしたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、制御プログラムの更新がダウンロードによって可能な制御対象機器(被ダウンロード装置)と、その機器の監視・制御等を行う監視制御装置(ダウンロード装置)において、監視制御装置から制御プログラムの更新を行うダウンロード機能におけるプログラムファイルの妥当性のチェックに関する。
【背景技術】
【0002】
制御プログラムの更新がダウンロードによって可能な制御対象機器(被ダウンロード装置)と、その機器の監視・制御等を行う監視制御装置(ダウンロード装置)において、監視制御装置から制御プログラムの更新を行うダウンロード機能におけるプログラムファイルの妥当性のチェックについては、被ダウンロード装置側であらかじめプログラムコードに埋め込まれた暗証コードとダウンロード装置から送られた暗証コードが一致する場合にダウンロードを許可するものが提案されている。
その他にも、ダウンロード装置にパスワードを設けて、ダウンロード機能自体を制限するものある。
【0003】
【特許文献1】特開平5−150994
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記従来提案されている装置では、プログラムファイルを作成する時に専用の暗証コード等を埋め込んでおかなけらばならないという不便性があり、また、最新のバージョンのプログラムファイルをダウンロードするつもりが、準備したプログラムファイルのバージョンが古い場合でも、それに気付くことがなく、内部の暗証コードが合致すればダウンロードできてしまうという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためにこの発明は、 制御プログラムの更新がダウンロードによって可能な制御対象機器(被ダウンロード装置)と、当該制御対象機器(被ダウンロード装置)の監視・制御等を行う監視制御装置(ダウンロード装置)からなるシステムのプログラムファイルのダウンロード方法であって、監視制御装置(ダウンロード装置)にプログラムファイルとプログラムファイルのチェックコードがそれぞれ入力された場合に、監視制御装置(ダウンロード装置)により演算されたプログラムファイルのチェックコードと入力されたプログラムファイルのチェックコードを比較し、一致している場合に制御対象機器(被ダウンロード装置)へプログラムファイルのダウンロードを開始するようにしたものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ユーザーがダウンロードを開始するときにチェックコードを入力し、一致する場合にのみダウンロードを開始することにより、プログラムファイルを作成する時に専用の暗証コード等を埋め込むこともなく、不正なファイルがダウンロードされることを防ぎ、プログラムファイルの妥当性の確認ができる。
つまりは、プログラムファイルのチェックコードをカギとして使用でき、プログラムファイルのチェックコードを持ったユーザーしかダウンロードできない為、不作為なダウンロードを防止できると共に、プログラムファイルに応じてチェックコードが対応付けられることにより、ダウンロードしようとしたプログラムファイルが、所望のプログラムではなかった場合には、ユーザーがチェックコードを入力してもダウンロードが出来ないことで、ダウンロードしようとしているプログラムファイルが異なっていることにユーザーは気が付くことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
監視制御装置(ダウンロード装置)により演算されたプログラムファイルのチェックコードと入力されたプログラムファイルのチェックコードを比較し、一致している場合に制御対象機器(被ダウンロード装置)へプログラムファイルのダウンロードを開始することで実現した。
【実施例1】
【0008】
この発明の第1の実施形態は、 制御プログラムの更新がダウンロードによって可能な制御対象機器と、当該制御対象機器の監視・制御等を行う監視制御装置からなるシステムのプログラムファイルのダウンロード方法であって、監視制御装置にプログラムファイルとプログラムファイルのチェックコードがそれぞれ入力された場合に、監視制御装置により演算されたプログラムファイルのチェックコードと入力されたプログラムファイルのチェックコードを比較し、一致している場合に制御対象機器へプログラムファイルのダウンロードを開始するようにしたものである。
【0009】
図1及び図2を用いて、本発明におけるプログラムファイルのダウンロード方法の一実施例を説明する。尚、図1は、本発明におけるプログラムファイルのダウンロード方法を実現する為の装置構成図の一実施例であり、図2は、本発明におけるプログラムファイルのダウンロード方法を実現する為の動作フローの一実施例である。
【0010】
図1において、ダウンロード装置11は、パーソナルコンピュータ(PC)と専用アプリケーションで構成される。ダウンロード装置11は、監視制御装置として、被ダウンロード装置12である制御対象機器を遠隔で監視し制御も行うのである。被ダウンロード装置12は、例えば、FLASH−ROM等の書換え可能な記憶装置を持ち、この書換え可能な記憶装置に制御プログラムを格納するものである。また、ダウンロード装置11と被ダウンロード装置12は通信回線13によって接続される。この通信回線としては、様々なものがあるが、例えば、安価のものとして、近距離であればRC232C、遠距離であれば電話回線等が用いられる。
プログラムファイルは、被ダウンロード装置12の書換え可能な記憶装置に書き込むことで動作可能な制御プログラムのコードである。ファイルフォーマットとしては、一般的に知られているファイルフォーマットが多数存在するが、本発明において、どの様なファイルフォーマットを使用するかは適宜選択し得るものであり、ここでは特に説明は行わない。
また、制御プログラムは、CPUベンダ等から提供されるコンパイラによって高級言語から実行形式に変換されたものであり、ここでは実行形式ファイルをプログラムファイルとすることにより、チェックコードや暗証コードを埋め込む作業を省くものである。
チェックコードは、書換え可能な記憶装置にプログラムファイルを書き込んだ時に、書換え可能な記憶装置のプログラム領域のサムを演算し、その下位1Byteの値は“00h”となるように決められた値であり、被ダウンロード装置12は、ダウンロードによって受信したデータが正常なものであるかをチェックコードにより判別する。尚、当然ながら通信路においては、通信データとしての妥当性のチェックは行われているものとする。
【0011】
更に具体的に、第2図を用いて説明する。尚、ここでは、ダウンロード装置であるPCにプログラムファイルが入力され、PCにより演算されたプログラムファイルのチェックコードを(A)とし、ダウンロード装置であるPCにユーザーによって入力されたプログラムファイルのチェックコードを(B)として、区別して説明する。
まず、ダウンロード機能を実行させようとするユーザーは、PC内部に予めプログラムファイルを記憶させておくか、もしくはプログラムファイルが記憶された外部の記憶媒体をPCに挿入することで、PCの表示画面上でプログラムファイルを選択可能なように表示する(S11)。そして、表示されたプログラムファイルの選択入力が完了すると(S12)、PCでは、プログラムファイルからチェックコード(A)が演算される(S13)。その後、PC表示画面には、ユーザーが入力するチェックコード(B)を入力することを促す表示がされ(S14)、PCのキーボードを用いてユーザーがチェックコード(B)の入力を完了する(S15)。PCでは、プログラムファイルから演算されたチェックコード(A)と、ユーザーによって入力されたチェックコード(B)が同じであるか否かを判断し(S16)、同じであればダウンロード処理を行い(S17)、ダウンロードが正常に終了する(S18)。逆に、プログラムファイルから演算されたチェックコード(A)と、ユーザーによって入力されたチェックコード(B)が異なる場合には、実行しようとしているダウンロード処理を行えない旨の表示を行い(S19)、ダウンロードが行われずに終了する(S20)。
このように、プログラムファイルから演算されたチェックコードとは別に、ユーザーがダウンロード時にチェックコードを入力することで、ユーザーがPCのキーボードなどを用いて入力するチェックコードが、いわゆるカギとなるので、不作為なダウンロードやダウンロードするプログラムファイルの間違いを行う可能性が格段に解決できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明におけるプログラムファイルのダウンロード方法を実現する為の装置構成図の一実施例
【図2】本発明におけるプログラムファイルのダウンロード方法を実現する為の動作フローの一実施例
【符号の説明】
【0013】
11…ダウンロード装置(PC)、12…被ダウンロード装置、13…通信回線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御プログラムの更新がダウンロードによって可能な制御対象機器と、当該制御対象機器の監視・制御等を行う監視制御装置からなるシステムのプログラムファイルのダウンロード方法であって、監視制御装置にプログラムファイルとプログラムファイルのチェックコードがそれぞれ入力された場合に、監視制御装置により演算されたプログラムファイルのチェックコードと入力されたプログラムファイルのチェックコードを比較し、一致している場合に制御対象機器へプログラムファイルのダウンロードを開始することを特徴とするプログラムファイルのダウンロード方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−58474(P2007−58474A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−241958(P2005−241958)
【出願日】平成17年8月24日(2005.8.24)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】