説明

プロジェクションシステム

【課題】調整機構の可動範囲を小さくできるとともに、起動時の温度変化に伴う変動に追従して投射画像の位置を調整できるプロジェクションシステムの提供。
【解決手段】プロジェクションシステムは、画像投射機構31を備える2つのプロジェクタ3と、CCDカメラと、PC5とを備える。画像投射機構31は、画像光の投射位置を機械的に調整する調整機構315を備える。PC5は、CCDカメラにて撮像される撮像画像に基づいて、画像データを補正するための補正パラメータを生成する補正情報生成部52と、各画像投射機構31の温度が変化しているか否かを判定する温度平衡判定部53と、補正パラメータに基づいて、画像データを補正する画像補正部54と、温度平衡判定部53にて各画像投射機構31の温度が変化していないと判定されると、調整機構315による調整を促すための調整情報を出力する調整情報出力部56とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源から射出された光を、入力される画像情報に応じて変調して画像光を形成する光変調装置を有し、この光変調装置にて形成される画像光を投射する複数の画像投射機構を備え、各画像投射機構から投射される画像光を重ね合わせて表示するプロジェクションシステム、及びプロジェクタが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載のプロジェクションシステムでは、アクチュエータを介して機械的に2つの光シフト素子の位置を制御する調整機構を備えている。そして、各プロジェクタ(画像投射機構)から投射される画像光に基づいてスクリーン上に表示される投射画像をイメージセンサ(撮像装置)にて撮像して撮像画像を取得し、取得した撮像画像に基づいて、各プロジェクタによる投射画像の位置を調整機構に調整させることで高精細な画像を表示している。
【0003】
【特許文献1】特開平8−168039号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このようなプロジェクタでは、電源を投入して起動すると、光源や、電源等の部品が発熱するので、光変調装置などの光学部品や、調整機構等の温度が変化し、温度変化に伴って投射画像の位置が大きく変動する。
しかしながら、起動時の温度変化に伴う投射画像の位置の変動は非常に大きいので、この変動に追従して各プロジェクタによる投射画像の位置を調整するには、調整機構の可動範囲を大きく取らなければならず、ひいてはプロジェクタが大型化するという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、調整機構の可動範囲を小さくすることができるとともに、起動時の温度変化に伴う変動に追従して投射画像の位置を調整することができるプロジェクションシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のプロジェクションシステムは、光源から射出された光を、入力される画像情報に応じて変調して画像光を形成し、形成した画像光を投射する複数の画像投射機構を備え、各画像投射機構から投射される画像光を重ね合わせて表示するプロジェクションシステムであって、前記画像光を重ね合わせて表示される投射画像を撮像する撮像装置と、前記プロジェクションシステムを制御する制御手段とを備え、前記各画像投射機構は、前記画像光の投射位置を機械的に調整する調整機構を備え、前記制御手段は、前記撮像装置にて撮像される撮像画像に基づいて、前記画像情報を補正して各画像投射機構から投射される画像光の重ね合わせ位置を調整するための補正情報を生成する補正情報生成部と、前記補正情報に基づいて、前記画像情報を補正する画像補正部と、前記各画像投射機構の温度が変化しているか否かを判定する温度平衡判定部と、前記温度平衡判定部にて前記各画像投射機構の温度が変化していないと判定されると、前記調整機構による調整を促すための調整情報を出力する調整情報出力部とを備えることを特徴とする。
【0007】
ここで、調整機構は、各画像投射機構から投射される画像光の投射位置を調整するものであればよく、例えば、アクチュエータを介して光変調装置などの光学部品の位置を移動させることで画像光の投射位置を調整する機構を採用することができる。なお、このように画像光の投射位置を機械的に調整する調整機構によると、高分解能で投射画像の位置を調整することができるので、プロジェクションシステムは、高精細な画像を表示することができる。
一方、制御手段において、画像情報を補正することでソフトウェア的に投射画像の位置を調整する調整方法によると、投射画像の位置を容易に大きく変動させることができるものの、画像光の投射位置を機械的に調整する調整機構にて投射画像の位置を調整する場合と比較して分解能が低いので、画像品質が低下するという問題がある。
【0008】
本発明によれば、プロジェクションシステムは、撮像装置と、制御手段とを備え、制御手段は、補正情報生成部と、画像補正部とを備えるので、撮像装置にて撮像される撮像画像に基づいて、画像情報を補正することでソフトウェア的に投射画像の位置を調整することができる。したがって、プロジェクションシステムは、起動時の温度変化に伴う変動に追従して投射画像の位置を調整することができる。
また、制御手段は、温度平衡判定部と、調整情報出力部とを備えるので、プロジェクションシステムの使用者は、温度平衡判定部にて各画像投射機構の温度が変化していないと判定されたときに、調整情報出力部にて出力される調整情報に基づいて、調整機構を用いて画像光の投射位置を機械的に調整することができる。すなわち、調整機構は、各画像投射機構の温度が変化していない状態で画像光の投射位置を機械的に調整する。したがって、調整機構の可動範囲を小さくすることができる。さらに、調整機構は、高分解能で投射画像の位置を調整することができるので、プロジェクションシステムは、高精細な画像を表示することができる。
【0009】
本発明のプロジェクションシステムは、光源から射出された光を、入力される画像情報に応じて変調して画像光を形成し、形成した画像光を投射する複数の画像投射機構を備え、各画像投射機構から投射される画像光を重ね合わせて表示するプロジェクションシステムであって、前記画像光を重ね合わせて表示される投射画像を撮像する撮像装置と、前記プロジェクションシステムを制御する制御手段とを備え、前記各画像投射機構は、前記画像光の投射位置を機械的に調整する調整機構を備え、前記制御手段は、前記撮像装置にて撮像される撮像画像に基づいて、前記画像情報を補正して各画像投射機構から投射される画像光の重ね合わせ位置を調整するための補正情報を生成する補正情報生成部と、前記補正情報に基づいて、前記画像情報を補正する画像補正部と、前記各画像投射機構の温度が変化しているか否かを判定する温度平衡判定部と、前記温度平衡判定部にて前記各画像投射機構の温度が変化していると判定されると、前記調整機構による調整を規制し、変化していないと判定されると、前記規制を解除する調整規制部とを備えることを特徴とする。
【0010】
このような構成によれば、制御手段は、温度平衡判定部と、調整規制部とを備えるので、温度平衡判定部にて各画像投射機構の温度が変化していないと判定されたときに調整規制部にて調整機構による調整の規制が解除され、プロジェクションシステムの使用者は、調整機構を用いて画像光の投射位置を調整することができる。したがって、前述したプロジェクションシステムと同様の効果を奏することができる。
また、温度平衡判定部にて各画像投射機構の温度が変化していると判定されたときに調整規制部にて調整機構による調整が規制されるので、ソフトウェア的に投射画像の位置を調整している際に画像光の投射位置が機械的に調整されるのを防止することができる。したがって、起動時の温度変化に伴う変動に確実に追従して投射画像の位置を調整することができる。
【0011】
本発明のプロジェクションシステムは、光源から射出された光を、入力される画像情報に応じて変調して画像光を形成し、形成した画像光を投射する複数の画像投射機構を備え、各画像投射機構から投射される画像光を重ね合わせて表示するプロジェクションシステムであって、前記画像光を重ね合わせて表示される投射画像を撮像する撮像装置と、前記プロジェクションシステムを制御する制御手段とを備え、前記各画像投射機構は、前記画像光の投射位置を機械的に調整する調整機構とを備え、前記制御手段は、前記撮像装置にて撮像される撮像画像に基づいて、前記画像情報を補正して各画像投射機構から投射される画像光の重ね合わせ位置を調整するための補正情報を生成する補正情報生成部と、前記補正情報に基づいて、前記画像情報を補正する画像補正部と、前記各画像投射機構の温度が変化しているか否かを判定する温度平衡判定部と、前記温度平衡判定部にて前記各画像投射機構の温度が変化していないと判定されると、前記撮像画像に基づいて、前記調整機構を駆動する調整機構駆動部とを備えることを特徴とする。
【0012】
このような構成によれば、制御手段は、温度平衡判定部と、調整機構駆動部とを備えるので、温度平衡判定部にて各画像投射機構の温度が変化していないと判定されたときに調整機構駆動部にて撮像画像に基づいて自動的に調整機構を用いて画像光の投射位置を調整することができる。したがって、前述したプロジェクションシステムと同様の効果を奏することができる。
【0013】
本発明では、前記温度平衡判定部は、前記補正情報が変化しているか否かに基づいて、前記各画像投射機構の温度が変化しているか否かを判定することが好ましい。
【0014】
このような構成によれば、温度センサ等を設けることなく、各画像投射機構の温度が変化しているか否かを判定することができるので、各画像投射機構の部品点数を削減することができる。
また、例えば、温度センサ等にて温度を測定する部位において温度が変化していない状態であっても、他の部位において温度が変化している状態においては、温度平衡判定部にて各画像投射機構の温度が変化していないと判定されたとしても各投射画像の位置が変動している場合がある。このような場合に温度センサ等にて各画像投射機構の温度が変化しているか否かを判定すると、温度平衡判定部は、起動時の温度変化に伴う投射画像の位置の変動を検出することができない。これに対して、本発明によれば、補正情報は、画像光を重ね合わせて表示される投射画像を撮像装置にて撮像した撮像画像に基づいて補正情報生成部にて生成されるので、起動時の温度変化に伴う投射画像の位置の変動を直接検出することができる。したがって、温度平衡判定部による判定の精度を向上させることができる。
【0015】
本発明では、前記プロジェクションシステムは、前記各画像投射機構、前記制御手段、及び前記撮像装置を備えるプロジェクタであることが好ましい。
【0016】
このような構成によれば、前述したプロジェクションシステムの作用効果と同様の作用効果を奏することができる。
また、画像投射機構を有する2台のプロジェクタを用いることでプロジェクションシステムを構成すると、設置スペースが大きくなるという問題がある。これに対して、本発明によれば、2つの画像投射機構を有する1台のプロジェクタでプロジェクションシステムが構成されるので、省スペース化を実現することができる。
さらに、2台のプロジェクタを用いることでプロジェクションシステムを構成すると、例えば、一方のプロジェクタの近傍に熱源があるような環境では、一方のプロジェクタの温度変化が他方のプロジェクタの温度変化と比較して大きくなり、温度変化に要する時間が異なる場合がある。これに対して、本発明によれば、1台のプロジェクタでプロジェクションシステムが構成されるので、環境の影響を受けにくくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
〔プロジェクションシステムの概略構成〕
図1は、プロジェクションシステム1の概略構成を示す図である。
プロジェクションシステム1は、図1に示すように、スクリーン2と、入力される画像情報に基づく画像光を形成し、形成した画像光をスクリーン2上に投射する2つのプロジェクタ3と、CCD(Charge Coupled Device)カメラ4と、各プロジェクタ3、及びCCDカメラ4に接続されるPC(Personal Computer)5とを備える。
撮像装置としてのCCDカメラ4は、PC5による制御の下、各プロジェクタ3から投射される画像光に基づいて、スクリーン2上に表示される投射画像を撮像し、撮像することで取得された撮像画像をPC5に転送する。
【0018】
図2は、各プロジェクタ3、及びPC5の内部構成を示すブロック図である。なお、図2においては、各プロジェクタ3のうち、一方のプロジェクタ3の内部構成を図示するが、他方のプロジェクタ3の内部構成もこれと同様である。
各プロジェクタ3は、図2に示すように、画像投射機構31と、操作手段32と、CPU(Central Processing Unit)33とを備える。
画像投射機構31は、光源から射出される光を、入力される画像情報に応じて変調して画像光を形成し、形成した画像光をスクリーン2に向けて投射する。画像投射機構31は、光源ランプ311と、液晶パネル312と、クロスダイクロイックプリズム313と、投射レンズ314と、調整機構315とを備える。
【0019】
光源としての光源ランプ311は、高圧放電ランプにて構成され、光を液晶パネル312に向けて射出する。なお、光源ランプ311に代えて、発光ダイオード、レーザダイオード、有機EL素子等の各種自己発光素子を光源としてもよい。
液晶パネル312は、透過型の液晶パネルであり、画像情報に基づいて液晶セル(画素)に封入された液晶分子の配列を変化させ、光源ランプ311から射出された光を、画像情報に応じて透過若しくは遮断することにより変調して画像光を形成する。液晶パネル312によって形成された画像光は、クロスダイクロイックプリズム313に射出される。
なお、図示は省略したが、各プロジェクタ3は、光源ランプ311から射出される光をRGB(Red Green Blue)の3色の光に分離する色光分離光学装置を備えている。また、液晶パネル312は、色光分離光学装置にて分離されたRGBの3色に対応して3箇所に設けられている。
【0020】
クロスダイクロイックプリズム313は、4つの直角プリズムを貼り合わせて構成され、各直角プリズムを貼り合わせた界面に形成された2つの誘電体多層膜において、各液晶パネル312にて形成された3色の画像光を透過または反射することで合成して射出する。なお、各液晶パネル312は、クロスダイクロイックプリズム313における画像光の入射端面に固定されて一体化している。
投射レンズ314は、筒状の鏡筒(図示略)内に複数のレンズが収納された組レンズとして構成され、クロスダイクロイックプリズム313から射出された画像光(カラー画像)をスクリーン2に向けて投射する。そして、スクリーン2上には、投射された画像光に基づく投射画像が表示される。
【0021】
調整機構315は、各液晶パネル312、及びクロスダイクロイックプリズム313の位置を調整することで投射レンズ314から投射される画像光の投射位置を機械的に調整する。この調整機構315は、図示は省略するが、クロスダイクロイックプリズム313を支持する基台と、この基台を移動させる複数のアクチュエータとで構成されている。
なお、本実施形態では、調整機構315は、電源の投入によって各プロジェクタ3が起動してから十分な時間が経過した状態、すなわち各プロジェクタ3の温度が変化していない状態において、各プロジェクタ3にて投射される各投射画像が、スクリーン2上で縦横に互いに半画素ずれた状態で重ね合わせられるように予め調整されている。
【0022】
操作手段32は、図示は省略したが、各プロジェクタ3の外装筐体に設けられた操作ボタンや、リモートコントローラ等で構成され、プロジェクションシステム1の使用者からの操作入力に基づく操作信号をCPU33に出力する。
CPU33は、画像投射機構31を含むプロジェクタ3全体を制御するものであり、本実施形態では、操作手段32から出力される操作信号に基づいて、調整機構315を駆動するための駆動信号を出力する。すなわち、各プロジェクタ3は、プロジェクションシステム1の使用者からの操作入力に基づいて、画像投射機構31から投射される画像光の投射位置を調整可能に構成されている。
【0023】
制御手段としてのPC5は、例えば、CPUや、メモリ等を含んで構成され、各プロジェクタ3に対して画像情報を出力するとともに、CCDカメラ4を制御する。このPC5は、図2に示すように、記憶部51と、補正情報生成部52と、温度平衡判定部53と、画像補正部54と、補正パラメータ判定部55と、調整情報出力部56とを備える。
記憶部51は、PC5にて用いられる情報を記憶するものであり、本実施形態では、後述する補正パラメータを記憶する。
【0024】
補正情報生成部52は、CCDカメラ4にて撮像される撮像画像に基づいて、DVD(Digital Versatile Disc)等の記録媒体に記録された画像データ(画像情報)を補正するための補正パラメータ(補正情報)を生成する。
具体的に、補正情報生成部52は、撮像画像において、各プロジェクタ3によって表示される各投射画像間のずれ量を検出する。そして、補正情報生成部52は、検出した各投射画像のずれ量に基づいて、各投射画像が縦横に互いに半画素ずれた状態で重ね合わせられるように画像情報を補正するための補正パラメータを生成する。すなわち、電源の投入によって各プロジェクタ3が起動してから十分な時間が経過した状態においては、調整機構315は、各プロジェクタ3にて投射される各投射画像を縦横に互いに半画素ずれた状態で重ね合わせるように予め調整されているので、補正情報生成部52にて生成される補正パラメータは0となる。
なお、各投射画像間のずれ量を検出する方法としては、例えば、スクリーン2上に表示される各投射画像における四隅部分の形状に基づいて各投射画像の形状を検出し、検出した各投射画像の形状に基づいてずれ量を検出する方法を採用することができる。
【0025】
温度平衡判定部53は、補正情報生成部52にて生成される補正パラメータが変化しているか否かに基づいて、各画像投射機構31の温度が変化しているか否かを判定する。
画像補正部54は、例えば、DVD等の記録媒体に記録された画像データに、補正情報生成部52にて生成された補正パラメータに基づいて、スケーリング、平行移動、及び回転等の画像補正処理を実施する。すなわち、画像補正部54は、補正情報生成部52にて生成された補正パラメータに基づいて、画像データを補正する。
補正パラメータ判定部55は、補正情報生成部52にて生成される補正パラメータが0であるか否かを判定する。
【0026】
調整情報出力部56は、温度平衡判定部53にて各画像投射機構31の温度が変化していないと判定され、かつ、補正パラメータ判定部55にて補正情報生成部52にて生成される補正パラメータが0でないと判定されると、調整機構315による調整を促すための調整情報を出力する。具体的に、調整情報出力部56は、調整機構315による調整を促すための調整情報として、プロジェクションシステム1の使用者に対して、操作手段32を操作することで調整機構315による調整を行う必要がある旨の文字情報を、画像補正部54にて補正された画像情報に重畳させる。これにより、スクリーン2上に文字情報が表示され、プロジェクションシステム1の使用者に調整機構315による調整を促す。
【0027】
次に、PC5の制御処理について、図3を参照して説明する。
図3は、PC5の制御処理を示すフローチャートである。
各プロジェクタ3の電源を投入するとともに、PC5にて制御処理を実行すると、PC5は以下のステップS1〜S6を実行する。
まず、補正情報生成部52は、スクリーン2上に表示される投射画像をCCDカメラ4に撮像させることで撮像画像を取得する(ステップS1:撮像画像取得ステップ)。
撮像画像取得ステップS1にて撮像画像が取得されると、補正情報生成部52は、この撮像画像に基づいて、DVD等の記録媒体に記録された画像データを補正するための補正パラメータを生成する(ステップS2:補正パラメータ生成ステップ)。
【0028】
補正パラメータ生成ステップS2にて補正パラメータが生成されると、温度平衡判定部53は、補正情報生成部52にて生成される補正パラメータが変化しているか否かに基づいて、各画像投射機構31の温度が変化しているか否かを判定する(ステップS3:温度判定ステップ)。具体的に、温度平衡判定部53は、補正パラメータ生成ステップS2にて生成された補正パラメータと、記憶部51に記憶された補正パラメータとを比較し、各補正パラメータが同じ場合には、各画像投射機構31の温度が変化していないと判定し、各補正パラメータが異なる場合には、各画像投射機構31の温度が変化していると判定する。なお、記憶部51に記憶される補正パラメータの初期値は0である。
【0029】
温度判定ステップS3にて各画像投射機構31の温度が変化していないと判定されると、補正パラメータ判定部55は、補正情報生成部52にて生成される補正パラメータが0であるか否かを判定する(ステップS4:補正パラメータ判定ステップ)。
補正パラメータ判定ステップS4にて補正情報生成部52にて生成される補正パラメータが0でないと判定されると、調整情報出力部56は、調整機構315による調整を促すための調整情報を出力する(ステップS5:調整情報出力ステップ)。
【0030】
調整情報出力ステップS5にて調整情報が出力されると、画像補正部54は、補正情報生成部52にて生成された補正パラメータに基づいて、画像データを補正する(ステップS6:画像補正ステップ)。この際、PC5は、記憶部51に記憶された補正パラメータを補正パラメータ生成ステップS2にて生成された補正パラメータに書き換える。
なお、温度判定ステップS3にて各画像投射機構31の温度が変化していると判定された場合、補正パラメータ判定ステップS4にて補正情報生成部52にて生成される補正パラメータが0であると判定された場合においても画像補正部54は画像補正ステップS6を実行する。
【0031】
画像補正ステップS6にて画像補正処理が実施されると、PC5は、画像補正処理が施された画像データを画像情報として各プロジェクタ3に対して出力し、再度、撮像画像取得ステップS1を実行する。なお、補正情報生成部52にて生成される補正パラメータが0である場合には、PC5は、画像補正処理を施すことなく画像データを画像情報として各プロジェクタ3に対して出力する。
【0032】
以上のようなステップS1〜S6を実行することで、PC5は、各プロジェクタ3から投射される画像光に基づいてスクリーン2上に表示される投射画像の位置をソフトウェア的に調整することができる。
また、プロジェクションシステム1の使用者は、調整情報出力部56にて出力される調整情報に基づいて、PC5による制御処理を停止し、操作手段32を操作することで、調整機構315を用いて画像光の投射位置を調整することができる。
【0033】
本実施形態に係るプロジェクションシステム1によれば、次のような効果がある。
(1)プロジェクションシステム1は、CCDカメラ4と、PC5とを備え、PC5は、補正情報生成部52と、画像補正部54とを備えるので、CCDカメラ4にて撮像される撮像画像に基づいて、画像情報を補正することでソフトウェア的に投射画像の位置を調整することができる。したがって、プロジェクションシステム1は、起動時の温度変化に伴う変動に追従して投射画像の位置を調整することができる。
(2)PC5は、温度平衡判定部53と、調整情報出力部56とを備えるので、プロジェクションシステム1の使用者は、温度平衡判定部53にて各画像投射機構31の温度が変化していないと判定されたときに調整情報出力部56にて出力される調整情報に基づいて、調整機構315を用いて画像光の投射位置を機械的に調整することができる。したがって、調整機構315の可動範囲を小さくすることができる。さらに、調整機構315は、高分解能で投射画像の位置を調整することができるので、プロジェクションシステム1は、高精細な画像を表示することができる。
【0034】
(3)温度平衡判定部53は、補正パラメータが変化しているか否かに基づいて、各画像投射機構31の温度が変化しているか否かを判定する。したがって、温度センサ等を設けることなく、各画像投射機構31の温度が変化しているか否かを判定することができるので、各画像投射機構31の部品点数を削減することができる。また、補正パラメータは、スクリーン2上に表示される投射画像をCCDカメラ4にて撮像した撮像画像に基づいて補正情報生成部52にて生成されるので、起動時の温度変化に伴う投射画像の位置の変動を直接検出することができる。したがって、温度平衡判定部53による判定の精度を向上させることができる。
【0035】
〔第2実施形態〕
以下、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
図4は、各プロジェクタ3、及びPC5Aの内部構成を示すブロック図である。
なお、以下の説明では、既に説明した部分については、同一符号を付してその説明を省
略する。
前記第1実施形態では、PC5は、調整情報出力部56を備え、調整情報出力部56は、温度平衡判定部53にて各画像投射機構31の温度が変化していないと判定されると、調整機構315による調整を促すための調整情報を出力していた。これに対して、本実施形態では、図4に示すように、PC5Aは、調整規制部57を備え、調整規制部57は、温度平衡判定部53にて各画像投射機構31の温度が変化していると判定されると、調整機構315による調整を規制し、変化していないと判定されると、規制を解除する点で異なる。
具体的に、調整規制部57は、操作手段32から出力される操作信号に基づいて、CPU33にて出力される駆動信号を遮断することで調整機構315による調整を規制する。
【0036】
次に、PC5Aの制御処理について、図5を参照して説明する。
図5は、PC5Aの制御処理を示すフローチャートである。
各プロジェクタ3の電源を投入するとともに、PC5Aにて制御処理を実行すると、PC5Aは以下のステップS1〜S15を実行する。なお、各プロジェクタ3の電源を投入したときには、調整機構315による調整は調整規制部57にて規制されている。
まず、PC5Aは、前記第1実施形態におけるPC5と同様に、ステップS1〜S3を実行する。
【0037】
温度判定ステップS3にて各画像投射機構31の温度が変化していると判定されると、調整規制部57は、調整機構315による調整を規制する(ステップS14:調整規制ステップ)。
また、温度判定ステップS3にて各画像投射機構31の温度が変化していないと判定されると、調整規制部57は、規制を解除する(ステップS15:規制解除ステップ)。
【0038】
このような本実施形態においても、前記第1実施形態における(1),(3)と同様の作用効果を奏することができる他、以下の作用効果を奏することができる。
(4)PC5Aは、温度平衡判定部53と、調整規制部57とを備えるので、温度平衡判定部53にて各画像投射機構31の温度が変化していないと判定されたときに、調整規制部57にて調整機構315による調整の規制が解除され、プロジェクションシステム1の使用者は、調整機構315を用いて画像光の投射位置を調整することができる。したがって、調整機構315の可動範囲を小さくすることができる。さらに、調整機構315は、高分解能で投射画像の位置を調整することができるので、プロジェクションシステム1は、高精細な画像を表示することができる。
【0039】
(5)PC5Aは、温度平衡判定部53にて各画像投射機構31の温度が変化していると判定されたときに調整規制部57にて調整機構315による調整が規制されるので、ソフトウェア的に投射画像の位置を調整している際に画像光の投射位置が機械的に調整されるのを防止することができる。したがって、起動時の温度変化に伴う変動に確実に追従して投射画像の位置を調整することができる。
【0040】
〔第3実施形態〕
以下、本発明の第3実施形態を図面に基づいて説明する。
図6は、各プロジェクタ3、及びPC5Bの内部構成を示すブロック図である。
前記第1実施形態では、PC5は、調整情報出力部56を備え、調整情報出力部56は、温度平衡判定部53にて各画像投射機構31の温度が変化していないと判定されると、調整機構315による調整を促すための調整情報を出力していた。これに対して、本実施形態では、図6に示すように、PC5Bは、調整機構駆動部58を備え、調整機構駆動部58は、温度平衡判定部53にて各画像投射機構31の温度が変化していないと判定されると、CCDカメラ4にて撮像される撮像画像に基づいて、調整機構315を駆動する点で異なる。
【0041】
具体的に、調整機構駆動部58は、各プロジェクタ3に調整機構315を駆動するための駆動信号を出力し、CPU33を介して調整機構315を駆動することで、CCDカメラ4にて撮像される撮像画像に基づいて、補正情報生成部52にて生成される補正パラメータが0になるように、各液晶パネル312、及びクロスダイクロイックプリズム313の位置を調整する。
【0042】
次に、PC5Bの制御処理について、図7を参照して説明する。
図7は、PC5Bの制御処理を示すフローチャートである。
各プロジェクタ3の電源を投入するとともに、PC5Bにて制御処理を実行すると、PC5Bは以下のステップS1〜S6を実行する。
まず、PC5Bは、前記第1実施形態におけるPC5と同様に、ステップS1〜S4を実行する。
【0043】
補正パラメータ判定ステップS4にて補正情報生成部52にて生成される補正パラメータが0でないと判定されると、調整機構駆動部58は、CCDカメラ4にて撮像される撮像画像に基づいて、調整機構315を駆動する(ステップS25:調整機構駆動ステップ)。なお、調整機構駆動部58は、調整機構315を駆動する際、画像補正部54に画像補正処理の実施を停止させる。
調整機構駆動ステップS25にて調整機構315が駆動されると、PC5Bは、再度、撮像画像取得ステップS1を実行する。
【0044】
このような本実施形態においても、前記第1実施形態における(1),(3)と同様の作用効果を奏することができる他、以下の作用効果を奏することができる。
(6)PC5Bは、温度平衡判定部53と、調整機構駆動部58とを備えるので、温度平衡判定部53にて各画像投射機構31の温度が変化していないと判定されたときに調整機構駆動部58にて撮像画像に基づいて自動的に調整機構315を用いて画像光の投射位置を調整することができる。したがって、調整機構315の可動範囲を小さくすることができる。さらに、調整機構315は、高分解能で投射画像の位置を調整することができるので、プロジェクションシステム1は、高精細な画像を表示することができる。
【0045】
〔第4実施形態〕
以下、本発明の第4実施形態を図面に基づいて説明する。
図8は、プロジェクタ3Cの内部構成を示すブロック図である。
前記第1実施形態から前記第3実施形態では、プロジェクションシステム1は、2台のプロジェクタ3と、CCDカメラ4と、PC5とを備え、各プロジェクタ3は、画像投射機構31を備えていた。これに対して、本実施形態では、プロジェクションシステムは、図8に示すように、2つの画像投射機構を有する合成画像投射機構31Cと、CCDカメラ4Cと、CPU5Cとを備えるプロジェクタ3Cである点で異なる。
また、前記第1実施形態から前記第3実施形態では、温度平衡判定部53は、補正情報生成部52にて生成される補正パラメータが変化しているか否かに基づいて、各画像投射機構31の温度が変化しているか否かを判定していた。これに対して、本実施形態では、温度平衡判定部53Cは、合成画像投射機構31Cに設けられた温度センサ317から出力される温度情報に基づいて、各画像投射機構の温度が変化しているか否かを判定している点で異なる。
【0046】
プロジェクタ3Cは、合成画像投射機構31Cと、操作手段32と、CPU5Cと、前記第1実施形態におけるCCDカメラ4と同様の機能を有する撮像装置としてのCCDカメラ4Cとを備える。
合成画像投射機構31Cは、光源ランプ311C1,311C2と、液晶パネル312C1,312C2と、クロスダイクロイックプリズム313C1,313C2と、投射レンズ314と、調整機構315Cと、PBS(Polarized Beam Splitter)316と、温度センサ317とを備える。
ここで、光源ランプ311C1,311C2、液晶パネル312C1,312C2、及びクロスダイクロイックプリズム313C1,313C2は、それぞれ前記第1実施形態における光源ランプ311、液晶パネル312、及びクロスダイクロイックプリズム313と同様の機能を有している。また、本実施形態では、各クロスダイクロイックプリズム313C1,313C2から射出される画像光は、それぞれ1種類の偏光方向(P波またはS波)に揃えられ、これらの画像光の偏光方向は互いに異なっている。
【0047】
PBS316は、2つの直角プリズムを貼り合わせて構成され、各直角プリズムを貼り合わせた界面に形成された誘電体偏光膜にて一方の偏光方向の光を透過させ、他方の偏光方向の光を反射させる。本実施形態では、クロスダイクロイックプリズム313C1から射出される画像光は誘電体偏光膜を透過し、クロスダイクロイックプリズム313C2から射出される画像光は誘電体偏光膜を反射して、それぞれ投射レンズ314に導かれる。
したがって、本実施形態では、光源ランプ311C1、液晶パネル312C1、及びクロスダイクロイックプリズム313C1、及び投射レンズ314で一方の画像投射機構を構成し、光源ランプ311C2、液晶パネル312C2、及びクロスダイクロイックプリズム313C2、及び投射レンズ314で他方の画像投射機構を構成している。
【0048】
調整機構315Cは、前記第1実施形態における調整機構315と同様の構成を有し、各液晶パネル312C1、及びクロスダイクロイックプリズム313C1の位置と、各液晶パネル312C2、及びクロスダイクロイックプリズム313C2の位置とをそれぞれ独立に調整する。
温度センサ317は、合成画像投射機構31Cの内部温度を検出し、検出した温度に係る温度情報をCPU5Cに出力する。
【0049】
制御手段としてのCPU5Cは、合成画像投射機構31Cを含むプロジェクタ3C全体を制御するものであり、本実施形態では、操作手段32から出力される操作信号に基づいて、調整機構315Cを駆動するための駆動信号を出力する。また、CPU5Cは、記憶部51と、補正情報生成部52と、温度平衡判定部53Cと、画像補正部54と、補正パラメータ判定部55と、調整情報出力部56とを備える。
温度平衡判定部53Cは、温度センサ317から出力される温度情報に基づいて、合成画像投射機構31Cの温度が変化しているか否かを判定することで、各画像投射機構の温度が変化しているか否かを判定する。
具体的に、温度平衡判定部53Cは、所定時間ごとに温度センサ317から出力される温度情報をサンプリングし、サンプリングした各温度情報の微分値を算出することで合成画像投射機構31Cの温度が変化しているか否かを判定する。
【0050】
次に、CPU5Cの制御処理について、図9を参照して説明する。
図9は、CPU5Cの制御処理を示すフローチャートである。
プロジェクタ3Cの電源を投入すると、CPU5Cは以下のステップS1〜S6を実行する。
まず、PC5Cは、前記第1実施形態におけるPC5と同様に、ステップS1,S2を実行する。
【0051】
補正パラメータ生成ステップS2にて補正パラメータが生成されると、温度平衡判定部53Cは、温度センサ317から出力される温度情報に基づいて、合成画像投射機構31Cの温度が変化しているか否かを判定する(ステップS33:温度判定ステップ)。
温度判定ステップS33にて合成画像投射機構31Cの温度が変化していないと判定されると、PC5Cは、前記第1実施形態におけるPC5と同様に、ステップS4〜S6を実行する。
また、温度判定ステップS33にて合成画像投射機構31Cの温度が変化していると判定されると、PC5Cは、前記第1実施形態におけるPC5と同様に、ステップS6を実行する。
【0052】
このような本実施形態においても、前記第1実施形態における(1),(2)と同様の作用効果を奏することができる他、以下の作用効果を奏することができる。
(7)2つの画像投射機構を有する1台のプロジェクタ3Cでプロジェクションシステムが構成されるので、省スペース化を実現することができ、環境の影響を受けにくくすることができる。
【0053】
〔実施形態の変形〕
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。また、前記各実施形態を組み合わせることは自由である。
前記各実施形態では、温度平衡判定部53,53Cは、補正パラメータまたは温度センサ317を用いて各画像投射機構の温度が変化しているか否かを判断していた。これに対して、例えば、プロジェクタに電源を投入してから各画像投射機構の温度が変化しなくなるまでの時間を予めメモリ等に記憶しておき、プロジェクタに設けられた計時装置にて、この時間が経過したか否かを検出することで各画像投射機構の温度が変化しているか否かを判断するように温度平衡判定部を構成してもよい。要するに、温度平衡判定部は、各画像投射機構の温度が変化しているか否かを判断することができればよい。
【0054】
前記各実施形態では、調整機構315,315Cは、CPU33,5Cから出力される駆動信号に基づいて駆動していた。これに対して、例えば、プロジェクションシステムの使用者が手動で各液晶パネル、及びクロスダイクロイックプリズムの位置を調整することができるように調整機構を構成してもよい。要するに、調整機構は、画像光の投射位置を機械的に調整することができればよい。
前記第1実施形態および前記第4実施形態では、PC5およびCPU5Cは、補正パラメータ判定部55を備えていた。これに対して、補正パラメータが0であるか否かを判定することなく、温度平衡判定部にて各画像投射機構の温度が変化していると判定されたときに調整情報を出力するように調整情報出力部を構成すれば、制御手段は補正パラメータ判定部を備えていなくてもよい。
【0055】
前記第1実施形態では、調整情報出力部56にて出力される調整情報に基づいてプロジェクションシステム1の使用者がPC5による制御処理を停止し、前記第4実施形態では、調整情報出力部56にて出力される調整情報に基づいてプロジェクタ3Cの使用者がCPU5Cによる制御処理を停止していた。これに対して、補正パラメータ判定ステップS4にて補正情報生成部52にて生成される補正パラメータが0であると判定された場合、または調整情報出力ステップS5にて調整情報が出力された場合に、PC5およびCPU5Cが自動的に制御処理を停止するようにしてもよい。
【0056】
前記各実施形態では、2つの画像投射機構を備えるプロジェクションシステムを例示したが、3つ以上の画像投射機構を備えるプロジェクションシステムに本発明を適用してもよい。要するに、プロジェクションシステムは、複数の画像投射機構を備えていればよい。
前記各実施形態では、透過型の液晶パネル312,312C1,312C2を採用していたが、これに限らず、反射型の液晶パネルを採用してもよく、あるいは、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)を採用してもよい。なお、DMDは米国テキサスインスツルメンツ社の商標である。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は、複数の画像投射機構を備えるプロジェクションシステムに好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の第1実施形態に係るプロジェクションシステムの概略構成を示す図。
【図2】前記実施形態における各プロジェクタ、及びPCの内部構成を示すブロック図。
【図3】前記実施形態におけるPCの制御処理を示すフローチャート。
【図4】本発明の第2実施形態に係る各プロジェクタ、及びPCの内部構成を示すブロック図。
【図5】前記実施形態におけるPCの制御処理を示すフローチャート。
【図6】本発明の第3実施形態に係る各プロジェクタ、及びPCの内部構成を示すブロック図。
【図7】前記実施形態におけるPCの制御処理を示すフローチャート。
【図8】本発明の第4実施形態に係るプロジェクタの内部構成を示すブロック図。
【図9】前記実施形態におけるCPUの制御処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0059】
1…プロジェクションシステム、3C…プロジェクタ(プロジェクションシステム)、4,4C…CCDカメラ(撮像装置)、31…画像投射機構、31C…合成画像投射機構(画像投射機構)、52…補正情報生成部、53,53C…温度平衡判定部、54…画像補正部、56…調整情報出力部、57…調整規制部、58…調整機構駆動部、311,311C1,311C2…光源ランプ(光源)、315,315C…調整機構。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源から射出された光を、入力される画像情報に応じて変調して画像光を形成し、形成した画像光を投射する複数の画像投射機構を備え、各画像投射機構から投射される画像光を重ね合わせて表示するプロジェクションシステムであって、
前記画像光を重ね合わせて表示される投射画像を撮像する撮像装置と、
前記プロジェクションシステムを制御する制御手段とを備え、
前記各画像投射機構は、
前記画像光の投射位置を機械的に調整する調整機構を備え、
前記制御手段は、
前記撮像装置にて撮像される撮像画像に基づいて、前記画像情報を補正して各画像投射機構から投射される画像光の重ね合わせ位置を調整するための補正情報を生成する補正情報生成部と、
前記補正情報に基づいて、前記画像情報を補正する画像補正部と、
前記各画像投射機構の温度が変化しているか否かを判定する温度平衡判定部と、
前記温度平衡判定部にて前記各画像投射機構の温度が変化していないと判定されると、前記調整機構による調整を促すための調整情報を出力する調整情報出力部とを備えることを特徴とするプロジェクションシステム。
【請求項2】
光源から射出された光を、入力される画像情報に応じて変調して画像光を形成し、形成した画像光を投射する複数の画像投射機構を備え、各画像投射機構から投射される画像光を重ね合わせて表示するプロジェクションシステムであって、
前記画像光を重ね合わせて表示される投射画像を撮像する撮像装置と、
前記プロジェクションシステムを制御する制御手段とを備え、
前記各画像投射機構は、
前記画像光の投射位置を機械的に調整する調整機構を備え、
前記制御手段は、
前記撮像装置にて撮像される撮像画像に基づいて、前記画像情報を補正して各画像投射機構から投射される画像光の重ね合わせ位置を調整するための補正情報を生成する補正情報生成部と、
前記補正情報に基づいて、前記画像情報を補正する画像補正部と、
前記各画像投射機構の温度が変化しているか否かを判定する温度平衡判定部と、
前記温度平衡判定部にて前記各画像投射機構の温度が変化していると判定されると、前記調整機構による調整を規制し、変化していないと判定されると、前記規制を解除する調整規制部とを備えることを特徴とするプロジェクションシステム。
【請求項3】
光源から射出された光を、入力される画像情報に応じて変調して画像光を形成し、形成した画像光を投射する複数の画像投射機構を備え、各画像投射機構から投射される画像光を重ね合わせて表示するプロジェクションシステムであって、
前記画像光を重ね合わせて表示される投射画像を撮像する撮像装置と、
前記プロジェクションシステムを制御する制御手段とを備え、
前記各画像投射機構は、
前記画像光の投射位置を機械的に調整する調整機構とを備え、
前記制御手段は、
前記撮像装置にて撮像される撮像画像に基づいて、前記画像情報を補正して各画像投射機構から投射される画像光の重ね合わせ位置を調整するための補正情報を生成する補正情報生成部と、
前記補正情報に基づいて、前記画像情報を補正する画像補正部と、
前記各画像投射機構の温度が変化しているか否かを判定する温度平衡判定部と、
前記温度平衡判定部にて前記各画像投射機構の温度が変化していないと判定されると、前記撮像画像に基づいて、前記調整機構を駆動する調整機構駆動部とを備えることを特徴とするプロジェクションシステム。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載のプロジェクションシステムにおいて、
前記温度平衡判定部は、前記補正情報が変化しているか否かに基づいて、前記各画像投射機構の温度が変化しているか否かを判定することを特徴とするプロジェクションシステム。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載のプロジェクションシステムにおいて、
前記プロジェクションシステムは、前記各画像投射機構、前記制御手段、及び前記撮像装置を備えるプロジェクタであることを特徴とするプロジェクションシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2009−224929(P2009−224929A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−65283(P2008−65283)
【出願日】平成20年3月14日(2008.3.14)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】