説明

プロジェクター、およびプロジェクターの制御方法

【課題】プロジェクター投写時にズームおよびフォーカス調整をしやすくする。
【解決手段】プロジェクター1において、投写中に制御部20は、フォーカス調整部31、またはズーム調整部32の操作を検出すると、信号入力部5より入力される画像信号の画像データを入力画像保存部40に保存するとともに、画像データを画像投写部10に投写させ、制御部20は、フォーカス調整部31の操作を検出すると、第1テスト画像21aを画像投写部10に投写されている画像に重畳して投写させ、ズーム調整部32の操作を検出すると、第2テスト画像21bを画像投写部10に投写されている画像に重畳させて投写させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクター、およびプロジェクターの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プロジェクターの投写中において、フォーカス調整、またはズーム調整時にそれぞれのテストパターンを投写するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このようなプロジェクターを用いれば、投写中にフォーカス調整またはズーム調整をしたい場合、それぞれのテストパターンを見ながら目的の投写状態に調整することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−111532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
投写画像がビデオ入力など動画の場合、常に画像が変化しているので、フォーカス調整またはズーム調整時において投写画像がちらつき、テスト画像が見にくくなり調整しにくいという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]本適用例に係るプロジェクターは、光源から射出された光を画像情報に応じて画像光に変調して投写する画像投写部を有するプロジェクターであって、外部機器から画像信号を入力する信号入力部と、前記信号入力部より入力される前記画像信号の画像データを保存する入力画像保存部と、画像のフォーカスを手動で調整するためのフォーカス調整部と、画像のズームサイズを手動で調整するためのズーム調整部と、前記フォーカス調整部が操作されたことを検出する、フォーカス調整検出部と、前記ズーム調整部が操作されたことを検出する、ズーム調整検出部と、第1テスト画像および第2テスト画像を保存するテスト画像保存部と、当該プロジェクターの動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記フォーカス調整部または前記ズーム調整部の操作を検出すると、前記信号入力部より入力される前記画像信号の画像データを前記入力画像保存部に保存するとともに、前記画像データを前記画像投写部に投写させ、前記制御部は、前記フォーカス調整部の操作を検出すると、前記第1テスト画像を前記画像投写部に投写されている画像に重畳して投写させ、前記ズーム調整部の操作を検出すると、前記第2テスト画像を前記画像投写部に投写されている画像に重畳させて投写させることを特徴とする。
【0008】
本適用例によれば、投写中にフォーカス調整またはズーム調整を検出した時点での入力画像を保存し、フォーカス調整およびズーム調整用の第1テスト画像および第2テスト画像を重畳して投写する。これにより、入力画像がビデオ入力など動画の場合であっても調整中に投写画像が静止するので、ちらつきのない状態で、フォーカス調整およびズーム調整をすることが可能となる。
【0009】
[適用例2]上記適用例に記載のプロジェクターにおいて、前記制御部は、前記第1テスト画像または前記第2テスト画像を前記画像投写部に投写後、所定時間、フォーカス調整部またはズーム調整部の操作を検出しなかったら、前記第1テスト画像または前記第2テスト画像を前記画像投写部より消去し、前記信号入力部から入力される前記画像信号に基づく画像を前記画像投写部に投写することを特徴とする。
【0010】
本適用例によれば、投写中にフォーカス調整またはズーム調整をした後、所定時間調整操作をしなければテスト画像を消去し、入力画像の投写を再開するので、調整終了後にテスト画像を消去する操作を省くことが可能となる。
【0011】
[適用例3]上記適用例に記載のプロジェクターにおいて、ユーザーからの入力操作を受け付ける入力操作部をさらに備え、前記制御部は、前記第1テスト画像または前記第2テスト画像を前記画像投写部に投写後、前記入力操作部よりテスト画像投写終了操作を受け付けた場合に、前記第1テスト画像または前記第2テスト画像を前記画像投写部より消去し、前記信号入力部から入力される前記画像信号に基づく画像を前記画像投写部に投写することを特徴とする。
【0012】
本適用例によれば、投写中にフォーカス調整またはズーム調整をした後、所定のテスト画像投写終了操作を受け付けた場合に、画像投写部よりテスト画像を消去し、入力画像の投写を再開するので、調整終了後にテスト画像を消去し、直ちに入力画像の投写を再開させることが可能となる。なお、上述した「テスト画像の消去」とは、画像投写部に投写されたテスト画像の投写を終了することである。
【0013】
[適用例4]上記適用例に記載のプロジェクターにおいて、前記制御部は、当該プロジェクターが起動すると、前記第1テスト画像および前記第2テスト画像と、前記信号入力部より入力される画像信号に応じた画像データとを前記画像投写部に重畳させて投写させることを特徴とする。
【0014】
本適用例によれば、起動時にフォーカス調整およびズーム調整用のテスト画像が投写されるので、プロジェクターを設置し、投写を開始する際に調整用のテスト画像を表示させる手間を省略することが可能となる。
【0015】
[適用例5]本適用例に係るプロジェクターの制御方法は、光源から射出された光を画像情報に応じて画像光に変調して投写する画像投写部と、外部機器から画像信号を入力する信号入力部と、前記信号入力部より入力される前記画像信号の画像データを保存する入力画像保存部と、画像のフォーカスを手動で調整するためのフォーカス調整部と、画像のズームサイズを手動で調整するためのズーム調整部と、第1テスト画像および第2テスト画像を保存するテスト画像保存部と、を備えたプロジェクターの制御方法であって、前記フォーカス調整部が操作されたことを検出する、フォーカス調整検出ステップと、前記ズーム調整部が操作されたことを検出する、ズーム調整検出ステップと、を備え、前記フォーカス調整部または前記ズーム調整部の操作を検出すると、前記信号入力部より入力される前記画像信号の画像データを前記入力画像保存部に保存するとともに前記画像データを前記画像投写部に投写させる入力画像保存ステップと、前記フォーカス調整部の操作を検出すると、前記第1テスト画像を前記画像投写部に投写されている画像に重畳して投写させ、前記ズーム調整部の操作を検出すると、前記第2テスト画像を前記画像投写部に投写されている画像に重畳させて投写させるテスト画像表示ステップと、を有することを特徴とする。
【0016】
本適用例によれば、投写中にフォーカス調整またはズーム調整を検出した時点での入力画像を保存し、フォーカス調整およびズーム調整用のテスト画像を重畳して投写する。これにより、入力画像がビデオ入力など動画の場合であっても調整中に投写画像が静止するので、ちらつきのない状態で、フォーカス調整およびズーム調整をすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】プロジェクターの斜視図。
【図2】プロジェクターのフォーカス調整部、ズーム調整部を示す上面図。
【図3】プロジェクターの概略回路構成を示すブロック図。
【図4】プロジェクターの画像を調整する動作を示すフローチャート。
【図5】変形例1のプロジェクターの起動時の動作を示すフローチャート。
【図6】ズーム調整、フォーカス調整時の表示画面を示す図。(a)はフォーカス調整中の表示画面、(b)はズーム調整中の表示、(c)はフォーカスおよびズーム調整中の表示画面。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また、実施形態における特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0019】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態のプロジェクター1の斜視図である。
図1に示すように、プロジェクター1は、装置本体が筐体2によって覆われた構成になっている。筐体2の前面2fには投写レンズ13が備えられており、筐体2の上面2tには、ユーザーにより入力操作が行われる複数の操作キーを備えた入力操作部23、フォーカス調整部31、ズーム調整部32が備えられている。
【0020】
図2は、フォーカス調整部31、ズーム調整部32を示す筐体2の部分上面図である。フォーカス調整部31、ズーム調整部32はリング状の形状であり、図2に示すように、それぞれフォーカス操作つまみ31a、ズーム操作つまみ32aを備えている。
ユーザーがフォーカス操作つまみ31aや、ズーム操作つまみ32aを保持して操作することにより、画像のフォーカスを手動で調整するフォーカス調整と、画像のズームサイズを手動で調整するズーム調整を行うことができる。
【0021】
図3は、本実施形態のプロジェクター1の回路構成を示すブロック図である。
図3に示すように、プロジェクター1は、画像投写部10、制御部20、記憶部21、光源制御部22、入力操作部23、画像信号処理部3、OSD処理部4、信号入力部としての画像信号入力部5、フォーカス調整部31、ズーム調整部32、フォーカス調整検出部33、ズーム調整検出部34、入力画像保存部40等で構成されており、これらは筐体2の内部に収容されている。
【0022】
画像投写部10は、光源11、光変調装置としての3つの液晶ライトバルブ12R、12G、12B、投写光学系としての投写レンズ13、液晶駆動部14等を含んでいる。画像投写部10は、光源11から射出された光を、液晶ライトバルブ12R、12G、12Bで変調して画像光を形成し、この画像光を投写レンズ13から投写することによってスクリーンSC等に画像を表示する。
【0023】
光源11は、超高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等からなる放電型の光源ランプ11aと、光源ランプ11aが放射した光を液晶ライトバルブ12R、12G、12B側に反射するリフレクター11bとを含んで構成されている。光源11から射出された光は、図示しないインテグレーター光学系によって輝度分布が略均一な光に変換され、図示しない色分離光学系によって光の3原色である赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色光成分に分離された後、それぞれ液晶ライトバルブ12R、12G、12Bに入射する。
【0024】
液晶ライトバルブ12R、12G、12Bは、一対の透明基板間に液晶が封入された液晶パネル等によって構成される。液晶ライトバルブ12R、12G、12Bには、マトリックス状に配列された複数の画素(図示せず)が形成されており、液晶に対して画素毎に駆動電圧を印加可能になっている。
液晶駆動部14が、入力される画像情報に応じた駆動電圧を各画素に印加すると、各画素は、画像情報に応じた光透過率に設定される。このため、光源11から射出された光は、この液晶ライトバルブ12R、12G、12Bを透過することによって変調され、画像情報に応じた画像光が色光毎に形成される。形成された各色の画像光は、図示しない色合成光学系によって画素毎に合成されてカラーの画像光となった後、投写レンズ13によってスクリーンSC等に拡大投写される。
【0025】
上記実施形態では、光源11として光源ランプ11aを用いて投写するプロジェクター1を例示したが、本発明は光源としてLED(Light Emitting Diode)光源やレーザー光源などを用いて投写するプロジェクターにも適用することができる。なお、上記の実施形態では、画像投写部10は、光源11、光変調装置としての3つの液晶ライトバルブ12R、12G、12Bを用いた透過型液晶方式の投写光学系を例示したが、反射型液晶表示方式やマイクロミラーデバイス方式(ライトスイッチ表示方式)など、他の表示方式の光変調装置を採用しても良い。
【0026】
制御部20は、図示しないCPU(Central Processing Unit)や、各種データ等の一時記憶に用いられる図示しないRAM(Random Access Memory)等を備え、記憶部21に記憶されている制御プログラム(図示せず)に従って動作することによりプロジェクター1の動作を統括制御する。つまり、制御部20は、記憶部21とともにコンピューターとして機能する。また、制御部20には、時間の計測を行うためのタイマー20aが備えられている。
【0027】
記憶部21は、フラッシュメモリーやFeRAM(Ferroelectric RAM:強誘電体メモリー)等の書き換え可能な不揮発性のメモリーにより構成されている。記憶部21には、プロジェクター1の動作を制御するための制御プログラムや、プロジェクター1の動作条件等を規定する各種設定データ等が記憶されている。また、記憶部21は、本実施形態におけるテスト画像保存部であり、フォーカス調整用のテスト画像である第1テスト画像21aと、ズーム調整用のテスト画像である第2テスト画像21bが記憶される。
【0028】
入力操作部23は、プロジェクター1へ、ユーザーからの入力操作を受け付けるものであり、ユーザーがプロジェクター1に対して各種指示を行うための複数の操作キーを備えており、筐体2の外面に備えられる本体キーで構成される。また、遠隔操作で入力操作を行うリモートコントローラー(リモコン)などで構成させることもできる。
入力操作部23が備える操作キーとしては、電源のオン・オフを交互に切り替えるための電源キーや、後述する画像信号入力部5に入力される複数の画像入力端子を切り替えるための入力切替キー、各種設定を行うための設定メニューを重畳表示させるメニューキー、メニューからユーザーが設定項目を選択するカーソルキー、決定キー、エスケープキー等がある。
ユーザーが入力操作部23の各種操作キーを操作すると、入力操作部23は、ユーザーの操作内容に応じた操作信号を制御部20に出力する。
【0029】
画像信号入力部5は、複数の画像入力端子を備えており、各画像入力端子より、ビデオ再生装置やパーソナルコンピューター等、外部の画像出力装置(外部機器)から、図示しないケーブルを介して画像情報が入力される。
【0030】
画像信号処理部3は、画像信号入力部5から入力される画像情報を、液晶ライトバルブ12R、12G、12Bの各画素の階調を表す画像情報に変換する。ここで、変換された画像情報は、R,G,Bの色光別になっており、各液晶ライトバルブ12R、12G、12Bのすべての画素に対応する複数の画素値によって構成されている。画素値とは、対応する画素の光透過率を定めるものであり、この画素値によって、各画素を透過し射出する光の強弱(階調)が規定される。
【0031】
OSD処理部4は、制御部20の指示に基づいて、投写画像上に、メニュー画像やメッセージ画像等のOSD(オンスクリーンディスプレイ)画像を重畳して表示するための処理を行う。OSD処理部4は、図示しないOSDメモリーを備えており、OSD画像を形成するための図形やフォント等を表すOSD画像情報を記憶している。
制御部20が、OSD画像の重畳表示を指示すると、OSD処理部4は、必要なOSD画像情報をOSDメモリーから読み出し、投写画像上の所定の位置にOSD画像が重畳されるように、画像信号処理部3から入力される画像情報にこのOSD画像情報を合成する。OSD画像情報が合成された画像情報は、液晶駆動部14に出力される。
なお、制御部20からOSD画像を重畳する旨の指示がない場合には、OSD処理部4は、画像信号処理部3から入力される画像情報を、そのまま液晶駆動部14に出力する。
【0032】
液晶駆動部14は本実施形態における画像形成部であり、OSD処理部4から入力される画像情報に従って液晶ライトバルブ12R、12G、12Bを駆動すると、液晶ライトバルブ12R、12G、12Bは、画像情報に応じた画像を形成し、この画像が投写レンズ13からスクリーンSCへ投写される。
【0033】
光源制御部22は、制御部20の指示に基づいて、光源11に対する電力の供給と停止とを制御し、光源11の点灯及び消灯を切り替える。
【0034】
フォーカス調整検出部33は、感圧スイッチ、ロータリースイッチなどで構成され、フォーカス調整部31の操作を検出し、制御部20に通知する。
【0035】
ズーム調整検出部34は、感圧スイッチ、ロータリースイッチなどで構成され、ズーム調整部32の操作を検出し、制御部20に通知する。
【0036】
入力画像保存部40は、制御部20の指示により、指定した時点での入力画像データを保存する記憶装置である。
【0037】
次に、本実施形態のプロジェクター1の画像を調整する動作を図4のフローチャートを用いて説明する。
【0038】
(フォーカス調整)
図4に示すように、プロジェクター1が画像を投写中に、フォーカス調整検出部33がフォーカス調整部31の調整操作を検出すると(ステップS101)、現在入力中の画像を入力画像保存部40に保存し、投写する(ステップS102)。
【0039】
ステップS103において制御部20は、第1テスト画像21aを投写中の画像に重畳して投写させ、ステップS107に移行する。このときの第1テスト画像21aの表示画面を図6(a)に示す。図6(a)のように、入力画像(ABCD)にフォーカス調整用の円および交差線で構成される第1テスト画像21aが重畳して投写される。
【0040】
ステップS107において制御部20は、タイマー20aによる計時を開始し(タイマースタート)、ステップS108に移行する。
【0041】
ステップS108において制御部20は、フォーカス調整検出部33がフォーカス調整部31の調整操作を検出したか否かを調べる。調整操作を検出した場合(ステップS108:Y)、ステップS109に移行する。調整操作を検出していない場合(ステップS108:N)、ステップS111に移行する。
【0042】
ステップS109において制御部20は、第1テスト画像21aを投写中の入力画像に重畳して投写させ、ステップS107に移行する。
このとき、後述する第2テスト画像21bが投写されていない場合は、図6(a)に示すように、投写中の入力画像(ABCD)に第1テスト画像21aのみが重畳して投写される。
または、すでに図6(b)に示すような、ズーム調整用の投写範囲を太枠で示す第2テスト画像21bが投写されていた場合は、図6(c)に示すように、第1テスト画像21aと、第2テスト画像21bとが入力画像(ABCD)に重畳して投写される。
【0043】
ステップS111において制御部20は、ズーム調整検出部34がズーム調整部32の調整操作を検出したか否かを調べる。調整操作を検出した場合(ステップS111:Y)、ステップS112に移行する。調整操作を検出していない場合(ステップS111:N)、ステップS114に移行する。
【0044】
ステップS112において制御部20は、第2テスト画像21bを投写中の入力画像に重畳して投写させ、ステップS107に移行する。
このとき、第1テスト画像21aが投写されていない場合は、図6(b)に示すように、投写中の入力画像(ABCD)にズーム調整用の投写範囲を太枠で示す第2テスト画像21bのみが重畳して投写される。
または、すでに第1テスト画像21aが投写されている場合は、図6(c)に示すように、第1テスト画像21aと、第2テスト画像21bとが入力画像(ABCD)に重畳して投写される。
【0045】
ステップS114において制御部20は、入力操作部23より、テスト画像の調整終了操作を検出したか否かを調べる。テスト画像の調整終了操作を検出した場合(ステップS114:Y)、ステップS116に移行する。テスト画像の調整終了操作を検出していない場合(ステップS114:N)、ステップS115へ移行する。
【0046】
ステップS115において制御部20は、タイマー20aが所定時間(例えば2秒)経過したか否かを調べる。タイマー20aが所定時間経過した場合(ステップS115:Y)、ステップS116に移行し、所定時間経過していない場合(ステップS115:N)、ステップS108に移行する。
【0047】
ステップS116において制御部20は、タイマー20aによる計時を停止する。
次にステップS117において制御部20は、第1テスト画像21aおよび第2テスト画像21bの投写を終了(テスト画像の消去ともいう。)し、画像信号入力部5から入力される画像を投写し、本動作フローを終了する。
【0048】
(ズーム調整)
プロジェクター1が画像を投写中に、ズーム調整検出部34がズーム調整部32の調整操作を検出すると(ステップS104)、現在入力中の画像を入力画像保存部40に保存し、投写する(ステップS105)。
【0049】
ステップS106において制御部20は、第2テスト画像21bを投写中の画像に重畳して投写させ、ステップS107に移行する。このときの第2テスト画像21bの表示画面を図6(b)に示す。図6(b)のように入力画像(ABCD)に第2テスト画像21bが重畳して投写される。
ステップS107以降の動作はフォーカス調整時の動作と同じなので説明は省略する。
【0050】
以上説明したように、本実施形態のプロジェクター1によれば、投写中にフォーカス調整またはズーム調整を検出した時点での入力画像を保存し、フォーカス調整およびズーム調整用のテスト画像を重畳して投写する。
これにより、入力画像がビデオ入力など動画の場合であっても、調整中は投写画像が静止するので、ちらつきのない状態で、フォーカス調整およびズーム調整をすることが可能となる。
また、フォーカス調整またはズーム調整をした後、所定時間調整操作をしなければテスト画像を消去し、入力画像の投写を再開するので、調整終了後にテスト画像を消去する操作を省くことが可能となる。
【0051】
また、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
(変形例1)
上記実施形態において、プロジェクター1の起動時に第1テスト画像21a、および第2テスト画像21bを投写するようにしてもよい。
【0052】
本変形例のプロジェクター1の動作を図5のフローチャートを用いて説明する。
図5に示すように、プロジェクター1が起動(電源ON)し、投写を開始すると(ステップS201)、第1テスト画像21a、および第2テスト画像21bを画像信号入力部5から入力される画像に重畳して投写させる(ステップS202)。以降の動作は図4のステップS107からの動作と同じなので説明は省略する。
【0053】
以上説明したように、本変形例のプロジェクター1によれば、起動時にフォーカス調整およびズーム調整用のテスト画像が投写されるので、プロジェクター1を設置し、投写開始する場合に調整画面を表示させる手間を省略することが可能となる。
【符号の説明】
【0054】
1…プロジェクター、2…筐体、3…画像信号処理部、4…OSD処理部、5…画像信号入力部、10…画像投写部、11…光源、12R,12G,12B…液晶ライトバルブ、13…投写レンズ、14…液晶駆動部、20…制御部、21…記憶部、22…光源制御部、23…入力操作部、31…フォーカス調整部、32…ズーム調整部、33…フォーカス調整検出部、34…ズーム調整検出部、40…入力画像保存部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源から射出された光を画像情報に応じて画像光に変調して投写する画像投写部を有するプロジェクターであって、
外部機器から画像信号を入力する信号入力部と、
前記信号入力部より入力される前記画像信号の画像データを保存する入力画像保存部と、
画像のフォーカスを手動で調整するためのフォーカス調整部と、
画像のズームサイズを手動で調整するためのズーム調整部と、
前記フォーカス調整部が操作されたことを検出する、フォーカス調整検出部と、
前記ズーム調整部が操作されたことを検出する、ズーム調整検出部と、
第1テスト画像および第2テスト画像を保存するテスト画像保存部と、
当該プロジェクターの動作を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記フォーカス調整部または前記ズーム調整部の操作を検出すると、前記信号入力部より入力される前記画像信号の画像データを前記入力画像保存部に保存するとともに、前記画像データを前記画像投写部に投写させ、
前記制御部は、前記フォーカス調整部の操作を検出すると、前記第1テスト画像を前記画像投写部に投写されている画像に重畳して投写させ、前記ズーム調整部の操作を検出すると、前記第2テスト画像を前記画像投写部に投写されている画像に重畳させて投写させることを特徴とする、プロジェクター。
【請求項2】
請求項1に記載のプロジェクターであって、
前記制御部は前記第1テスト画像または前記第2テスト画像を前記画像投写部に投写後、所定時間、フォーカス調整部またはズーム調整部の操作を検出しなかったら、前記第1テスト画像または前記第2テスト画像を前記画像投写部より消去し、前記信号入力部から入力される前記画像信号に基づく画像を前記画像投写部に投写することを特徴とする、プロジェクター。
【請求項3】
請求項1または2に記載のプロジェクターであって、
ユーザーからの入力操作を受け付ける入力操作部をさらに備え、
前記制御部は、前記第1テスト画像または前記第2テスト画像を前記画像投写部に投写後、前記入力操作部よりテスト画像投写終了操作を受け付けた場合に、前記第1テスト画像または前記第2テスト画像を前記画像投写部より消去し、前記信号入力部から入力される前記画像信号に基づく画像を前記画像投写部に投写することを特徴とする、プロジェクター。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載のプロジェクターであって、
前記制御部は、当該プロジェクターが起動すると、前記第1テスト画像および前記第2テスト画像と、前記信号入力部より入力される画像信号に応じた画像データとを前記画像投写部に重畳させて投写させることを特徴とする、プロジェクター。
【請求項5】
光源から射出された光を画像情報に応じて画像光に変調して投写する画像投写部と、
外部機器から画像信号を入力する信号入力部と、
前記信号入力部より入力される前記画像信号の画像データを保存する入力画像保存部と、
画像のフォーカスを手動で調整するためのフォーカス調整部と、
画像のズームサイズを手動で調整するためのズーム調整部と、
第1テスト画像および第2テスト画像を保存するテスト画像保存部と、
を備えたプロジェクターの制御方法であって、
前記フォーカス調整部が操作されたことを検出する、フォーカス調整検出ステップと、
前記ズーム調整部が操作されたことを検出する、ズーム調整検出ステップと、
を備え、
前記フォーカス調整部または前記ズーム調整部の操作を検出すると、前記信号入力部より入力される前記画像信号の画像データを前記入力画像保存部に保存するとともに前記画像データを前記画像投写部に投写させる入力画像保存ステップと、
前記フォーカス調整部の操作を検出すると、前記第1テスト画像を前記画像投写部に投写されている画像に重畳して投写させ、前記ズーム調整部の操作を検出すると、前記第2テスト画像を前記画像投写部に投写されている画像に重畳させて投写させるテスト画像表示ステップと、
を有することを特徴とする、プロジェクターの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−159705(P2012−159705A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−19536(P2011−19536)
【出願日】平成23年2月1日(2011.2.1)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】