説明

プロジェクター

【課題】プレゼンテーションを実施しながら、その様子を記録したり出力したりするため
のシステムの装置構成を簡易化することができるプロジェクターを提供する。
【解決手段】プロジェクター1は、画像信号が入力される画像信号入力部(入力端子群3
0)と、光源11と、光源11から射出された光を画像信号に応じて変調して画像を形成
する光変調装置(液晶ライトバルブ12)と、光変調装置で形成された画像を投写する投
写光学系(投写レンズ13)と、投写光学系によって投写された投写画像領域を含む領域
を撮像する撮像部40と、撮像部40が撮像した撮影画像を符号化して符号化データにす
るエンコーダー部50と、符号化データを所定の通信手段を介して出力するデータ出力部
(USB通信部51)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プレゼンテーション等において、プレゼンターの映像と、プレゼンテーション実
施端末からの出力映像とを入力して、会議録として記録したり、出力したりする装置が提
案されていた。例えば、プレゼンテーションを行うプレゼンターをデジタルビデオカメラ
を用いて撮影した映像情報と、プレゼンテーション実施端末(パーソナルコンピューター
等)から出力されたプレゼンテーションの資料情報とを入力し、プレゼンテーションの記
録として再構成してマルチメディアファイルを生成し、前記資料情報等の情報をプロジェ
クター等の映像出力装置に出力させるマルチメディアコンテンツ生成装置が開示されてい
る(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開2005−252574号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1のように、プレゼンターの映像と、プレゼンテーション実施端末か
らの出力映像とを入力して、マルチメディアコンテンツとして記録したり、出力したりす
るためには、デジタルビデオカメラや、パーソナルコンピューター等の画像供給装置、プ
ロジェクター等の映像出力装置、マルチメディアコンテンツ生成装置等を備えたシステム
を構成しなければならなかった。このようにプレゼンテーション等を実施しながら、その
様子を記録したり出力したりするためのシステムでは、多くの装置が必要な上、その設置
や配線が煩雑であり、装置構成を簡易化することにおいて課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の
形態または適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1]本適用例に係るプロジェクターは、画像信号が入力される画像信号入力部
と、光源と、前記光源から射出された光を前記画像信号に応じて変調して画像を形成する
光変調装置と、前記光変調装置で形成された画像を投写する投写光学系と、前記投写光学
系によって投写された投写画像領域を含む領域を撮像する撮像部と、前記撮像部が撮像し
た撮影画像を符号化して符号化データにするエンコーダー部と、前記符号化データを所定
の通信手段を介して出力するデータ出力部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
このようなプロジェクターによれば、投写光学系は、画像信号入力部から入力した画像
信号に応じた画像を投写する。そして、撮像部は、投写画像領域を含む領域を撮像する。
そして、エンコーダー部は、撮影画像を符号化して符号化データに変換する。そして、デ
ータ出力部は、所定の通信手段を介して符号化データを出力する。つまり、当該プロジェ
クターは、投写光学系によって投写された投写画像領域を含む領域を撮像した撮影画像を
、符号化して、所定の通信手段を介して外部へ出力する。このようなプロジェクターを用
いることにより、画像の投写と、投写画像領域およびその周辺の撮像と、撮影画像の符号
化データへの変換と、その符号化データの送信や記録と、を行うためのシステムの装置構
成を簡易化することができる。即ち、プレゼンテーション等を実施し、その様子の映像を
送信したり記録したりするためのシステムの装置構成を簡易化することができる。
【0008】
[適用例2]上記適用例に係るプロジェクターにおいて、音声を入力する音声入力部を
さらに有し、前記エンコーダー部は、前記撮影画像および前記音声入力部から入力された
前記音声を符号化して符号化データにすることを特徴とする。
【0009】
このようなプロジェクターによれば、音声入力部は音声を入力する。そして、エンコー
ダー部は、撮影画像および音声を符号化して符号化データにする。つまり、当該プロジェ
クターは、撮影画像および音声を、符号化して所定の通信手段を介してプロジェクター外
部へ出力する。このようなプロジェクターを用いることにより、画像の投写と、投写画像
領域およびその周辺の撮像と、音声の入力と、撮影画像および音声の符号化データへの変
換と、その符号化データの送信や記録と、を行うためのシステムの装置構成を簡易化する
ことができる。即ち、プレゼンテーション等を実施し、その様子の映像および音声を送信
したり記録したりするためのシステムの装置構成を簡易化することができる。
【0010】
[適用例3]上記適用例に係るプロジェクターにおいて、前記データ出力部は、前記符
号化データを、所定の通信手段としてUSB規格に準拠した通信手段を介して、外部に出
力することを特徴とする。
【0011】
このようなプロジェクターによれば、データ出力部は、符号化データをUSB(Univer
sal Serial Bus)規格に準拠した通信手段で、プロジェクター外部に出力する。これによ
り、例えば、プロジェクターは、USBケーブルを用いてパーソナルコンピューター(以
降、「PC」と呼ぶ)と接続して、符号化データを出力することができる。そして、PC
は、入力した符号化データを記録媒体に記録したり、再生したりすることができる。また
、PCは、符号化データをネットワークに送信することもできる。
【0012】
[適用例4]上記適用例に係るプロジェクターにおいて、前記データ出力部は、前記符
号化データを、所定の通信手段としてIPネットワーク通信を用いた通信手段を介して、
外部に出力することを特徴とする。
【0013】
このようなプロジェクターによれば、データ出力部は、符号化データをIP(Internet
Protocol)ネットワーク通信を用いた通信手段を介して、プロジェクター外部に出力す
る。これにより、例えば、プロジェクターは、ネットワークケーブルを用いて、ネットワ
ークに符号化データを送信することができる。そして、ネットワークに接続された他の情
報機器は、符号化データを受信して視聴したり、記録したりすることが可能となる。
【0014】
[適用例5]上記適用例に係るプロジェクターにおいて、前記データ出力部は、前記符
号化データを、所定の通信手段として携帯電話端末とデータ通信を行うための通信手段を
介して、前記携帯電話端末に出力することを特徴とする。
【0015】
このようなプロジェクターによれば、データ出力部は、符号化データを携帯電話端末と
データ通信を行うための通信手段を介して、プロジェクター外部の携帯電話端末に出力す
る。これにより、例えば、プロジェクターは、符号化データを携帯電話端末内部の記録媒
体に記録したり、携帯電話端末からインターネット等に送信したりすることが可能となる

【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、実施形態について説明する。
【0017】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るプロジェクターの概略構成を示すブロック図である。図
1を使用して、プロジェクター1の内部構成について説明する。
【0018】
プロジェクター1は、画像投写部10、制御部20、入力操作部21、光源制御部22
、通信制御部23、画像信号入力部としての入力端子群30、入力選択部31、画像処理
部32、撮像部40、マイク41、音声入力部42、エンコーダー部50、データ出力部
としてのUSB通信部51等を備えている。また、図1では、プロジェクター1の外部に
PC200、および、スクリーンSCを図示している。
【0019】
画像投写部10は、超高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等の放電型光源や、LE
D(Light Emitting Diode)等の固体光源からなる光源としての光源11と、光変調装置
としての液晶ライトバルブ12と、投写光学系としての投写レンズ13と、液晶ライトバ
ルブ12を駆動するライトバルブ駆動部14とを備えている。
【0020】
液晶ライトバルブ12は、一対の透明基板間に液晶が封入された透過型液晶パネル等に
よって構成される。ライトバルブ駆動部14の駆動によって、液晶ライトバルブ12の各
画素に画像信号に応じた駆動電圧が印加されると、各画素は、画像信号に応じた光透過率
で光源光を透過させる。
【0021】
光源11から射出された光は、この液晶ライトバルブ12を透過することによって変調
され、変調後の光が投写レンズ13によって投写されることにより、スクリーンSC等に
画像信号に応じた画像が表示される。
【0022】
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)、各種データの一時記憶等に用い
られるRAM(Random Access Memory)、および、マスクROM(Read Only Memory)や
フラッシュメモリー、FeRAM(Ferroelectric RAM:強誘電体メモリー)等の不揮発
性のメモリー等(いずれも図示せず)を備え、コンピューターとして機能するものである
。制御部20は、CPUが不揮発性のメモリーに記憶されている制御プログラムに従って
動作することにより、プロジェクター1の動作を統括制御する。
【0023】
入力操作部21は、プロジェクター1に対して各種指示を行うための複数のキー等を備
えている。入力操作部21が備えるキーとしては、電源のオン/オフを行うための「電源
キー」や、入力端子を切り替えるための「入力切替キー」、各種設定を行うためのメニュ
ー画面の表示/非表示を切り替える「メニューキー」、メニュー画面におけるカーソルの
移動等に用いられる「カーソルキー」、各種設定を決定するための「決定キー」、撮像お
よび音声の入力を開始するための「撮像開始キー」等がある。ユーザーが入力操作部21
を操作すると、入力操作部21は、ユーザーの操作内容に応じた操作信号を制御部20に
出力する。なお、入力操作部21は、リモコン信号受信部(図示せず)と遠隔操作が可能
なリモートコントローラー(図示せず)を有した構成としてもよい。この場合、リモート
コントローラーは、ユーザーの操作内容に応じた赤外線等の操作信号を発し、リモコン信
号受信部がこれを受信して制御部20に伝達する。
【0024】
光源制御部22は、制御部20の指示に基づいて、光源11に対する電力の供給と停止
とを制御し、光源11の点灯および消灯を切り替える。
【0025】
通信制御部23は、制御部20の指示に基づいて、データ出力部としてのUSB通信部
51から外部への出力(送信)を制御する。
【0026】
入力端子群30は、ビデオ再生装置やPC、メモリーカード、USBストレージ、デジ
タルカメラ等、図示しない外部の画像供給装置から、各種形式の画像信号を入力可能な複
数の入力端子30aを備えている。各入力端子30aに入力された画像信号は、入力選択
部31に供給される。
【0027】
入力選択部31は、複数の入力端子30aのうち、制御部20の指示に基づく1つの入
力端子30aを選択し、この入力端子30aに入力される画像信号を画像処理部32に出
力する。ユーザーが、入力操作部21に備わる入力切替キーを操作して所望の入力端子3
0aを指定すると、制御部20は、この入力端子30aに入力されている画像信号が画像
処理部32に出力されるよう、入力選択部31に指示をする。
【0028】
画像処理部32は、入力選択部31から入力される画像信号を、液晶ライトバルブ12
の各画素の階調を表す画像データ、即ち各画素に印加する駆動電圧を規定するための画像
データに変換する。そして、制御部20の指示に基づいて、変換した画像データに対して
、明るさ、コントラスト、シャープネス、色合い等の調整や、ガンマ補正等の各種画質調
整等を行う。さらに、画像処理部32では、必要に応じてOSD(オンスクリーンディス
プレイ)画像を画像データに重畳する処理を行う。画像処理部32は、このような調整お
よび処理を行った画像データをライトバルブ駆動部14に出力する。
【0029】
ライトバルブ駆動部14が、画像処理部32から入力される画像データに従って液晶ラ
イトバルブ12を駆動すると、液晶ライトバルブ12は、画像データに応じた画像を形成
し、この画像が投写レンズ13から投写される。
【0030】
撮像部40は、CCD(Charge Coupled Device)カメラを有して構成されており、プ
ロジェクター1の投写レンズ13と同一の側面に備えられている。撮像部40は、制御部
20の指示に基づいて、投写画像領域を含む領域を撮像し、エンコーダー部50に撮影画
像を撮影画像データとして出力する。なお、撮像部40は、CCDカメラに限定するもの
ではなく、他の撮像デバイスを用いても良い。
【0031】
音声入力部42は、制御部20の指示に基づいて、マイク41から音声を入力し、エン
コーダー部50に音声データとして出力する。
【0032】
エンコーダー部50は、制御部20の指示に基づいて、撮像部40から入力された撮影
画像データ、および音声入力部42から入力された音声データを符号化して符号化データ
を生成する。ここで、符号化の処理には多重化の処理も含むものとする。本実施形態では
、符号化方式は、MPEG(Moving Picture Experts Group)2やMPEG4等とする。
エンコーダー部50は、生成した符号化データをUSB通信部51に出力する。なお、符
号化方式はMPEG2やMPEG4に限定するものではない。
【0033】
USB通信部51は、USB規格に準拠した通信手段であり、USBケーブルUCを介
して外部のPC200と接続されている。USB通信部51は、通信制御部23の指示に
基づいて、エンコーダー部50から入力された符号化データを、PC200に送信する。
【0034】
PC200は、符号化データを受信すると、その符号化データを記録媒体に記録したり
、復号化して再生したりする。
【0035】
次に、プロジェクター1による画像の投写、および撮像について説明する。図2は、プ
ロジェクター1が画像投写して撮像する様子を上方から見た平面図である。
【0036】
図2に示すように、プロジェクター1の前面(平面図視右側)には、投写レンズ13、
撮像部40、およびマイク41が備えられている。そして、プロジェクター1にはPC2
00が接続されている。また、プロジェクター1の前方(平面図視右側)には、スクリー
ンSCが配置されている。さらに、スクリーンSCの前(平面図視左側)には、プレゼン
テーションを行うプレゼンターPTが位置している。
【0037】
PC200は、例えば、プレゼンテーションソフトウェア(図示せず)を有しており、
プレゼンテーションの画像信号をプロジェクター1に出力する。PC200から出力され
た画像信号は、プロジェクター1に入力する。プロジェクター1は、入力された画像信号
に基づいた画像を投写レンズ13からスクリーンSCに投写する。図2では、投写画像領
域を破線で示している。プレゼンターPTは、このようにスクリーンSCに投写された画
像に基づいてプレゼンテーションを実施することができる。
【0038】
ここで、入力操作部21に備わる撮像開始キーが押下されると、制御部20は、撮像部
40に撮像開始の指示を行う。さらに、制御部20は、音声入力部42にマイク41から
の音声の入力開始の指示を行う。さらに、制御部20は、エンコーダー部50に、撮影画
像データおよび音声データの符号化を開始して符号化データを生成するように指示を行う
。そして、制御部20は、通信制御部23に、USB通信部51から外部への符号化デー
タの送信を開始させるように指示を行う。
【0039】
上述したように撮像開始の指示が行われると、撮像部40は、投写画像領域を含む領域
を撮像する。図2では、撮像領域を一点鎖線で示している。これにより、プロジェクター
1は、スクリーンSCに投写された投写画像、およびプレゼンターPTを含んだプレゼン
テーション会場の画像を撮像することができる。また、マイク41は、プレゼンターPT
の声やプレゼンテーション会場の音声を入力する。そして、撮影画像および音声は、プロ
ジェクター1によって符号化データに変換され、PC200にUSBケーブルUCを介し
て送信される。
【0040】
PC200では、受信した符号化データを内蔵するHDD(Hard Disk Drive)200
a(図1には図示せず)に記録したり、復号化して再生したりする。また、PC200が
ネットワーク(図示せず)に接続されていれば、ネットワークに符号化データを送信する
ことも可能である。
【0041】
上述した第1の実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)プロジェクター1は、PC200から入力した画像信号に応じた画像を投写する
。そして、プロジェクター1は、撮像部40によって、投写画像領域を含む領域を撮像す
る。また、マイク41によって、音声を入力する。そして、プロジェクター1は、撮影画
像および音声を符号化して符号化データを生成する。そして、プロジェクター1は、US
B通信部51から符号化データをPC200へ出力する。PC200は、符号化データを
HDD200aに記録したり、復号化して再生したりする。これにより、プロジェクター
1とPC200という装置構成のシステムによって、画像の投写と、投写画像およびプレ
ゼンターPTを含むプレゼンテーション会場の様子の撮像と、プレゼンテーション会場の
音声の入力と、撮影画像および音声の符号化データへの変換と、その符号化データの記録
/再生とを実現することができる。つまり、簡易な装置構成で、プレゼンテーションを実
施しながら、その撮影画像および音声を符号化し、会議録として記録したり、再生したり
することができるため、利便性が高い。また、装置の設置や配線の煩雑さを低減すること
が可能となるため、ユーザーは、容易にシステムを構成することができる。
【0042】
(2)PC200がネットワークに接続されていれば、プロジェクター1から入力した
符号化データをネットワークに送信することができる。これにより、簡易な装置構成のシ
ステムによって、ストリーミング配信を行うことが可能になるため、有益である。
【0043】
(3)プロジェクター1は、USB通信部51によって、USB規格に準拠した通信手
段で、符号化データをプロジェクター1の外部に出力する。つまり、USBケーブルUC
を介して、符号化データをPC200に送信することができる。これにより、簡易な配線
で、符号化データを高速に送信することができる。
【0044】
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について説明する。
【0045】
第2の実施形態に係るプロジェクター2の構成は、第1の実施形態に係るプロジェクタ
ー1のUSB通信部51の代わりに、ネットワーク通信部52を備えた構成とする。その
他の構成は、第1の実施形態と同様である。
図3は、第2の実施形態に係るプロジェクター2の概略構成を示すブロック図である。
図3を使用して、プロジェクター2の構成および動作について説明する。
【0046】
図3に示すように、プロジェクター2は、データ出力部としてネットワーク通信部52
を備えている。その他の機能構成部はプロジェクター1と同様であり、同様の機能構成部
には同様の符号を付記している。また、図3では、プロジェクター2の外部にネットワー
ク300、および、情報機器310を図示している。
【0047】
ネットワーク通信部52は、IPネットワーク通信を用いた通信手段であり、ネットワ
ークケーブルNCを介して外部のネットワーク300と接続されている。ネットワーク通
信部52は、通信制御部23からの指示に基づいて、エンコーダー部50から入力された
符号化データを、ネットワーク300に送信する。ここで、ネットワーク通信部52は、
例えば、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)といった
プロトコルを用いてネットワーク300と接続して通信を行うものとする。
【0048】
本実施形態では、図3のように、ネットワーク300に、情報機器310が接続されて
いる。ここで、情報機器310は、例えば、PCや他のプロジェクター等とする。このよ
うな構成によれば、情報機器310は、プロジェクター2からネットワーク300に送信
された符号化データを受信することができる。そして、情報機器310は、受信した符号
化データを記録したり、復号化して視聴したりすることができる。
【0049】
上述した第2の実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)プロジェクター2は、入力した画像信号に応じた画像を投写する。そして、撮像
部40によって、投写画像領域を含む領域を撮像する。また、マイク41によって、音声
を入力する。そして、プロジェクター2は、撮影画像および音声を符号化して符号化デー
タを生成する。そして、プロジェクター2は、ネットワーク通信部52からネットワーク
300に、符号化データを出力する。これにより、プロジェクター2と画像供給装置(図
示せず)という装置構成のシステムによって、画像の投写と、投写画像およびプレゼンタ
ーPTを含むプレゼンテーション会場の様子の撮像と、プレゼンテーション会場の音声の
入力と、撮影画像および音声の符号化データへの変換と、その符号化データのネットワー
ク300への送信とを実現することができる。つまり、簡易な装置構成で、プレゼンテー
ションを実施しながら、その映像と音声とを符号化して、符号化データをネットワーク3
00に送信することが可能となる。そして、送信された符号化データは、情報機器310
で受信して視聴したり、会議録として記録したりすることができるため、利便性が高い。
また、装置の設置や配線の煩雑さを低減することが可能となるため、ユーザーは、容易に
システムを構成することができる。
【0050】
(2)プロジェクター2は、ネットワーク通信部52によって、IPネットワーク通信
を用いた通信手段で、符号化データをプロジェクター2の外部に出力する。即ち、ネット
ワークケーブルNCを介して、符号化データをネットワーク300に送信することができ
る。これにより、簡易な配線で、符号化データを高速に送信することができる。
【0051】
(3)プロジェクター2からネットワーク300に送信された符号化データは、情報機
器310で受信することができる。つまり、プロジェクター2は、符号化データをストリ
ーミング配信することが可能であり、情報機器310は、符号化データをほぼリアルタイ
ムで受信して復号化し、視聴することができるため、利便性が高い。
【0052】
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態について説明する。
【0053】
第3の実施形態に係るプロジェクター3の構成は、第1の実施形態に係るプロジェクタ
ー1のUSB通信部51の代わりに、携帯電話端末通信部53を備えた構成とする。その
他の構成は、第1の実施形態と同様である。
図4は、第3の実施形態に係るプロジェクター3の概略構成を示すブロック図である。
図4を使用して、プロジェクター3の構成および動作について説明する。
【0054】
図4に示すように、プロジェクター3は、データ出力部として携帯電話端末通信部53
を備えている。その他の機能構成部はプロジェクター1と同様であり、同様の機能構成部
には同様の符号を付記している。また、図4では、プロジェクター3の外部に、携帯電話
端末400を図示している。
【0055】
携帯電話端末通信部53は、携帯電話端末とデータ通信を行うための通信手段であり、
インターフェースコネクター(図示せず)を介して、携帯電話端末400と接続されてい
る。携帯電話端末通信部53は、通信制御部23からの指示に基づいて、エンコーダー部
50から入力された符号化データを、携帯電話端末400に送信する。
【0056】
本実施形態では、インターフェースコネクターはプロジェクター3に実装されており、
携帯電話端末400は当該インターフェースコネクターに装着可能となっている。このよ
うな構成によれば、携帯電話端末400は、プロジェクター3から送信された符号化デー
タを受信することができる。そして、携帯電話端末400は、受信した符号化データを記
録したり、インターネット等に送信したりすることができる。送信方法としては、パケッ
ト通信を用いて送信してもよいし、無線LAN(Local Area Network)機能を備えた携帯
電話端末400であれば、無線LANを介してインターネット(または、イントラネット
)に送信してもよい。
【0057】
上述した第3の実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)プロジェクター3は、入力した画像信号に応じた画像を投写する。そして、撮像
部40によって、投写画像領域を含む領域を撮像する。また、マイク41によって、音声
を入力する。そして、プロジェクター3は、撮影画像および音声を符号化して符号化デー
タを生成する。そして、プロジェクター3は、携帯電話端末通信部53から符号化データ
を携帯電話端末400に出力する。これにより、プロジェクター3と携帯電話端末400
と画像供給装置(図示せず)という装置構成のシステムで、画像の投写と、投写画像およ
びプレゼンターPTを含むプレゼンテーション会場の様子の撮像と、プレゼンテーション
会場の音声の入力と、撮影画像および音声の符号化データへの変換と、その符号化データ
のインターネット(またはイントラネット)への送信とを実現することができる。つまり
、簡易な装置構成で、プレゼンテーションを実施しながら、その映像と音声とを符号化し
て、符号化データをインターネット等に送信することができるため、利便性が高い。また
、装置の設置や配線の煩雑さを低減することが可能となるため、ユーザーは、容易にシス
テムを構成することができる。
【0058】
(2)プロジェクター3は、携帯電話端末通信部53によって、携帯電話端末とデータ
通信を行うための通信手段で、符号化データを携帯電話端末400に出力する。つまり、
プロジェクター3から、インターフェースコネクターを介して、携帯電話端末400に符
号化データを送信することができる。このように、プロジェクター3に携帯電話端末40
0を装着することにより、符号化データを送信することができるため、プロジェクター3
からの出力のための配線を不要にすることが可能となり、利便性が高い。
【0059】
(3)プロジェクター3から携帯電話端末400を介してインターネット等に送信され
た符号化データは、図示しない他の情報機器等で受信することができる。つまり、プロジ
ェクター3は、符号化データをストリーミング配信することが可能であり、情報機器は、
符号化データをほぼリアルタイムで受信して視聴することができるため、利便性が高い。
【0060】
(4)プロジェクター3から携帯電話端末400に送信された符号化データは、携帯電
話端末400内部の記録媒体(例えばメモリーカード等)に会議録として記録することも
可能であり、有益である。
【0061】
なお、上述した実施形態に限定されず、種々の変更や改良等を加えて実施することが可
能である。変形例を以下に述べる。
【0062】
(変形例1)上記第1の実施形態では、PC200から画像信号を入力するものとした
が、他の画像供給装置から入力してもよい。例えば、ビデオ再生装置や、メモリーカード
、USBストレージ、デジタルカメラ等としてもよい。特に、メモリーカードやUSBメ
モリー等であれば、画像供給装置との配線を不要にすることができるため、システムの装
置構成を簡易化することが可能となり、第2の実施形態や第3の実施形態においても利便
性が高い。
【0063】
(変形例2)上記第1の実施形態では、PC200からプロジェクター1に画像信号を
送信するケーブルと、プロジェクター1からPC200に符号化データを送信するUSB
ケーブルUCとは別のケーブルとしている。しかし、PC200からプロジェクター1に
USBによって画像信号を送信可能なUSBファンクションが実装されていれば、プロジ
ェクター1からPC200に符号化データを送信するUSBファンクションと合わせて、
マルチファンクションとして機能させることが可能となる。これにより、PC200とプ
ロジェクター1とを、1つのUSBケーブルで接続することが可能となる。よって、装置
間の配線を簡易化することができる。
【0064】
(変形例3)上記実施形態では、撮像部40で撮像された撮影画像と、マイク41から
入力された音声とを、エンコーダー部50で符号化するものとしたが、いずれか一方のみ
を符号化するものとしてもよい。例えば、マイク41および音声入力部42を備えないも
のとして、撮像部40が撮像した撮影画像のみを符号化してもよい。
【0065】
(変形例4)上記第1の実施形態では、入力操作部21に備わる撮像開始キーが押下さ
れると、撮像を開始するものとしたが、撮像開始のためのトリガーは、撮像開始キーに限
定するものではない。例えば、プロジェクター1の電源オン操作をトリガーとしてもよい
。また、プロジェクター1にソフトウェアとして実装する設定メニューに、「撮像開始」
項目を設け、入力操作部21に備わるメニューキー、カーソルキー、および決定キー等を
操作することによって、撮像を開始してもよい。
【0066】
(変形例5)上記第1の実施形態では、プロジェクター1からPC200に符号化デー
タを送信するUSBケーブルUCは、有線ケーブルとしていたが、無線のUSB(Wirele
ss USB)を用いてもよい。こうすれば、ケーブルを使用しないため、装置間の配線が不要
となり、装置の設置場所の自由度が向上する。
【0067】
(変形例6)上記実施形態では、光変調装置として、透過型の液晶ライトバルブ12を
用いているが、反射型の液晶ライトバルブ等、反射型の光変調装置を用いることも可能で
ある。また、入射した光の射出方向を、画素としてのマイクロミラー毎に制御することに
より、光源から射出した光を変調する微小ミラーアレイデバイス等を用いることもできる

【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】第1の実施形態に係るプロジェクターの概略構成を示すブロック図。
【図2】プロジェクターが画像投写して撮像する様子を上方から見た平面図。
【図3】第2の実施形態に係るプロジェクターの概略構成を示すブロック図。
【図4】第3の実施形態に係るプロジェクターの概略構成を示すブロック図。
【符号の説明】
【0069】
1,2,3…プロジェクター、10…画像投写部、11…光源、12…液晶ライトバル
ブ、13…投写レンズ、14…ライトバルブ駆動部、20…制御部、21…入力操作部、
22…光源制御部、23…通信制御部、30…入力端子群、30a…入力端子、31…入
力選択部、32…画像処理部、40…撮像部、41…マイク、42…音声入力部、50…
エンコーダー部、51…USB通信部、52…ネットワーク通信部、53…携帯電話端末
通信部、200…PC、200a…HDD、300…ネットワーク、310…情報機器、
400…携帯電話端末。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像信号が入力される画像信号入力部と、
光源と、
前記光源から射出された光を前記画像信号に応じて変調して画像を形成する光変調装置
と、
前記光変調装置で形成された画像を投写する投写光学系と、
前記投写光学系によって投写された投写画像領域を含む領域を撮像する撮像部と、
前記撮像部が撮像した撮影画像を符号化して符号化データにするエンコーダー部と、
前記符号化データを所定の通信手段を介して出力するデータ出力部と、
を備えることを特徴とするプロジェクター。
【請求項2】
請求項1に記載のプロジェクターであって、
音声を入力する音声入力部をさらに有し、
前記エンコーダー部は、前記撮影画像および前記音声入力部から入力された前記音声を
符号化して符号化データにすることを特徴とするプロジェクター。
【請求項3】
請求項1または2に記載のプロジェクターであって、
前記データ出力部は、前記符号化データを、所定の通信手段としてUSB規格に準拠し
た通信手段を介して、外部に出力することを特徴とするプロジェクター。
【請求項4】
請求項1または2に記載のプロジェクターであって、
前記データ出力部は、前記符号化データを、所定の通信手段としてIPネットワーク通
信を用いた通信手段を介して、外部に出力することを特徴とするプロジェクター。
【請求項5】
請求項1または2に記載のプロジェクターであって、
前記データ出力部は、前記符号化データを、所定の通信手段として携帯電話端末とデー
タ通信を行うための通信手段を介して、前記携帯電話端末に出力することを特徴とするプ
ロジェクター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−178254(P2010−178254A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−21228(P2009−21228)
【出願日】平成21年2月2日(2009.2.2)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】