説明

プロジェクタ

【課題】プレゼンテーション等の場に参加している各人に資料を配付するのと同様に資料を提示でき、資料を提示するときの態様を明示することによって、プレゼンテーションにおける演出を高めることができると共に、資料を配付するために会議を中断することなく、プレゼンテーションを円滑に進めることができ、操作が容易なプロジェクタを提供する。
【解決手段】投影すべきコンテンツの画像の表示態様と、そのコンテンツに対する処理態様との少なくとも一方を、操作者の動作に基づいて決定して、コンテンツの画像を投影する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
操作者のジェスチャーに基づいて動作させることによって、投影像を投影するプロジェクタに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、会議等の場におけるプレゼンテーションでは、プロジェクタを用いて資料を投影して行う場合が多くなってきている。このようなプレゼンテーションで用いられるプロジェクタは、操作者や被提示者から離隔した位置に垂直に設けられた1つのスクリーンに向かって資料の投影像を投影するものであった。このため、このようなプロジェクタを用いてプレゼンテーションを行うときには、単一の資料をスクリーンの全体に投影して、出席者の全員にその単一の資料を提示せざるを得なかった。
【0003】
また、垂直に設けられたスクリーンではなく、投影像を机に投影する装置もあった(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特表2002−539742号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のプロジェクタは、一方向に向かって投影するものであったため、スクリーンから離れた位置から見ざるを得なかったり、見る人の位置によっては、歪んだり反転したりした画像を見ざるを得なかったりするものであった。このため、対面や真横に位置した人に対して、ペーパーレスによる資料の提示がしにくかった。
【0005】
さらに、投影した画像を移動したり、画像を拡大・縮小したりして表示するための操作をするには、コンピュータ等のプロジェクタとは別の制御装置やタブレットなどの検出装置を使用せざるを得なかった。
【0006】
また、上述した投影像を机に投影する装置は、単に離隔した位置にいる人同士の対話のためになされたものであり、プレゼンテーション等のプロジェクタとして資料を提示するためには用いることができないものであった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、プレゼンテーション等の場に参加している各人に資料を配付するのと同様に資料を提示でき、資料を提示するときの態様を明示することによって、プレゼンテーションにおける演出を高めることができると共に、資料を配付するために会議を中断することなく、プレゼンテーションを円滑に進めることができ、取り扱いが容易なプロジェクタを提供することにある。
【0008】
以上のような目的を達成するために、本発明においては、投影すべきコンテンツの画像の表示態様と、そのコンテンツに対する処理態様との少なくとも一方を、操作者の動作に基づいて決定して、コンテンツの画像を投影する。
【0009】
具体的には、本発明に係るプロジェクタは、
設置台に設置され、かつ、光源から発せられた光によって、少なくとも1つのコンテンツの画像を投影するプロジェクタであって、
前記設置台上を投影面にして、プロジェクタ本体を周回するように、前記少なくとも1つのコンテンツの画像を投影する投影手段と、
前記少なくとも1つのコンテンツの画像のうち所定のコンテンツの画像の表示態様と、前記所定のコンテンツの処理態様と、の少なくとも一方を、操作者の動作に基づいて決定し、前記所定のコンテンツの画像を前記投影手段によって投影させる投影制御手段と、を含むことを特徴とする。
【0010】
上述したように、本発明に係るプロジェクタは、設置台に設置されるものであると共に、光源から発せられた光によって、少なくとも1つのコンテンツの画像を投影する。さらに、本発明に係るプロジェクタは、投影手段と投影制御手段とを含む。
【0011】
この投影手段は、上述した少なくとも1つのコンテンツの画像を投影するものである。この投影手段による投影は、プロジェクタの設置台を投影面にするものであり、設置台上のプロジェクタ本体を周回するように、少なくとも1つのコンテンツの画像を投影する。
【0012】
また、投影制御手段は、表示態様と処理態様との少なくとも一方を、操作者の動作に基づいて決定する。
【0013】
この表示態様は、少なくとも1つのコンテンツの画像のうち所定のコンテンツの画像を表示する態様である。ここで、「少なくとも1つのコンテンツの画像のうち所定のコンテンツの画像の表示態様」の「所定の」とは、少なくとも1つのコンテンツの画像が複数ある場合には、全て又は一部のコンテンツの画像の表示態様を決定することを意味し、少なくとも1つのコンテンツの画像が1つある場合には、その1つのコンテンツの画像の表示態様を決定することを意味する。この表示態様とは、所定のコンテンツの投影像の投影や画像の表示についての態様を意味する。なお、本明細書において、投影と表示とは同義である。
【0014】
また、処理態様は、所定のコンテンツを処理する態様である。この処理態様は、記憶されている所定のコンテンツ自体に対する制御処理の態様であり、例えば、所定のコンテンツのデータについての取り扱いの制御処理の態様を意味する。
【0015】
このように、投影制御手段は、表示態様や処理態様を決定して、所定のコンテンツの画像を投影手段によって投影させる。
【0016】
表示態様や処理態様の一例としては、以下のようなものが挙げられる。なお、表示態様や処理態様は、これらには限られない。
【0017】
(1)コンテンツのアクティブ化
コンテンツのアクティブ化は、所定のコンテンツに対する操作を受け付け可能にするものである。コンテンツのアクティブ化の表示態様は、そのコンテンツを最前面に表示する態様である。また、コンテンツのアクティブ化の処理態様は、コンテンツに対する操作を受け付け可能な状態にする制御処理の態様である。
【0018】
(2)コンテンツの画像の移動
コンテンツの画像の移動の表示態様は、コンテンツの画像を移動して表示する態様であり、処理態様は、この表示態様に関するもの以外にはない。
【0019】
(3)コンテンツの画像をコピーしてから移動
コンテンツをコピーして移動させる表示態様は、そのコンテンツの画像を2つにして表示し、そのうちの一方の画像を移動して表示する態様である。この処理態様は、コンテンツの画像を2つにして表示するために、表示用のデータをコピーする処理の態様である。
【0020】
(4)コンテンツの画像の移動の停止
コンテンツの画像の移動の停止の表示態様は、移動するように表示させているコンテンツの画像を停止させて表示する態様であり、処理態様は、この表示態様に関するもの以外にはない。
【0021】
(5)コンテンツの画像を縮小又は拡大して表示
コンテンツの画像を縮小又は拡大して表示する表示態様は、コンテンツの画像を縮小して表示する態様や、コンテンツの画像を拡大して表示する態様であり、処理態様は、この表示態様に関するもの以外にはない。
【0022】
(6)コンテンツの画像を縮小して移動又は拡大して移動
コンテンツの画像を縮小して移動又は拡大して移動させる表示態様は、コンテンツの画像を縮小して移動させて表示する態様や、コンテンツの画像を拡大して移動させて表示する態様であり、処理態様は、この表示態様に関するもの以外にはない。
【0023】
(7)コンテンツの画像の消去
コンテンツの画像の消去の表示態様は、コンテンツの画像の表示を取りやめて、表示させない態様であり、処理態様は、この表示態様に関するもの以外にはない。なお、このコンテンツの画像の消去は、表示を取りやめる表示態様に関するものであり、コンテンツのデータを消去する処理態様ではない。
【0024】
(8)コンテンツの保存
コンテンツの保存の表示態様は、コンテンツの画像を所定の態様で表示させる態様である。処理態様は、コンテンツのデータを所定の記憶手段に保存する態様である。
【0025】
また、本発明に係るプロジェクタは、
前記プロジェクタ本体には、前記投影手段と前記統制制御手段とが収められ、
前記投影制御手段は、前記所定のコンテンツの画像を、操作者の動作に基づいて、前記プロジェクタ本体を周回するように前記投影面上を移動させる態様で投影するものが好ましい。
【0026】
本発明に係るプロジェクタは、プロジェクタ本体を含む。このプロジェクタ本体には、上述した投影手段と投影制御手段とが収められる。
【0027】
投影制御手段は、所定のコンテンツの画像がプロジェクタ本体を周回するように移動させて投影する。ここで、「周回する」とは、プロジェクタ本体の回りを湾曲して移動する態様であればよい。投影面でプロジェクタ本体の回りを一周以上回る必要はなく、一周未満でも湾曲して移動すればよい。また、投影面を一周以上回るように移動させてもよい。さらに、コンテンツの画像が自転しつつプロジェクタ本体を周回する態様としてもよい。
【0028】
さらに、本発明に係るプロジェクタは、
前記操作者の動作に基づいて動く操作体を含む被検出体を検出する検出手段を有し、
前記操作体は、前記投影面の近傍に位置し、
前記投影制御手段は、前記操作体の動作態様に基づいて、前記表示態様と前記処理態様との少なくとも一方を決定して、前記所定のコンテンツの画像を投影するものが好ましい。
【0029】
本発明に係るプロジェクタは、検出手段を含む。この検出手段は、操作者の動作に基づいて動く操作体を含む被検出体を検出する。ここで、「操作者の動作に基づいて動く操作体」は、操作者の指、操作者が有する棒やスプーンや他の道具等の操作者の意思や動作に基づいて動かすことができるものであり、操作者又は操作者と同視できるものであればよい。また、「被検出体」には、「操作体」が含まれるので、「被検出体」は、「操作体」だけでない。
【0030】
また、投影制御手段は、操作体の動作態様に基づいて、表示態様と処理態様との少なくとも一方を決定して、所定のコンテンツの画像を投影する。ここで、「動作態様」とは、操作体の動作の様子をいい、例えば、操作体の移動の方向、位置、速度、加速度等によって特定できる操作体の動作をいう。また、「動作態様に基づいて」とは、動作態様だけではなく、操作体のその他の属性や要素も含めて、表示態様や処理態様を決定してもよいことを意味する。例えば、所定の数の操作体の動作の様子や、所定の形状の操作体の動作の様子や、所定の大きさの操作体の動作の様子や、所定の色の操作体の動作の様子などを含めてもよい。
【0031】
上述した検出手段は、投影面に又は投影面の近傍に位置したものを検出する検出手段を含む。特に、この検出手段は、操作者の動作に基づいて動く被検出体の動作を検出する。さらに、検出手段は、操作者の動作に基づいて、投影面に又は投影面の近傍に位置したり動いたりする被検出体の動作を検出するものが好ましい。
【0032】
このように、投影面に又は投影面の近傍に位置したものを検出することによって、操作者は、紙媒体の資料を取り扱うときと類似した動作で、プロジェクタを操作することができる。
【0033】
さらに、この検出手段が、
所定の波長の伝播波を発する伝播波発生手段と、
伝播波が、前記被検出体又は前記被提示体によって反射された反射波、又は前記被検出体又は前記被提示体によって散乱された散乱波を検出する反射波散乱波検出手段と、を含むものが好ましい。
【0034】
ここで「伝播波」は、伝播していく波であればよく、例えば、光、超音波のいずれも含む。反射波散乱波検出手段は、反射波又は散乱波のうちの少なくとも一方を検出できるものであればよい。
【0035】
さらに、前記伝播波発生手段が、前記投影面に対して略平行に、かつ、前記投影面から略一定の距離で、前記伝播波を発するものが好ましい。
【0036】
さらにまた、本発明に係るプロジェクタは、
前記投影制御手段が、前記検出手段が検出した前記操作体の数と動作態様とに基づいて、前記表示態様と前記処理態様との少なくとも一方を決定して、前記所定のコンテンツの画像を投影するものが好ましい。
【0037】
また、本発明に係るプロジェクタは、
前記投影制御手段が、前記検出手段が検出した前記操作体の数と動作態様とに応じて、前記所定のコンテンツの移動先を決定するものが好ましい。
【0038】
さらに、本発明に係るプロジェクタは、
前記検出手段が検出した前記操作体の位置が、前記所定のコンテンツが視認可能に投影されている領域に含まれているときに、前記投影制御手段は、前記所定のコンテンツに対して操作者からの動作を受け付ける状態にするものが好ましい。
【0039】
「視認可能に投影」とは、例えば、複数のコンテンツの画像がオーバーラップして投影されてる場合に、前面に表示されているコンテンツの画像によって一部が覆われて背後に表示されているコンテンツの画像のうち、その覆われて視認できない箇所を除くことを意味し、あくまでも、コンテンツの画像の見えている部分を指定したときのみコンテンツをアクティブ化することを意味する。このようにすることで、複数のコンテンツの画像がオーバーラップして投影されている場合であっても、所望するコンテンツを的確に指定できる。
このように、複数のコンテンツの画像がオーバーラップして投影されているときに、背後に表示されているコンテンツの画像に対して何らかの操作をする場合には、先ず、そのコンテンツをアクティブ化する必要がある。
【0040】
さらにまた、本発明に係るプロジェクタは、
前記検出手段が検出した前記操作体の数が、少なくとも2つ以上あり、
前記投影制御手段は、一の操作体が一定の位置にあり、かつ、前記一の操作体と異なる他の操作体が移動するときに、前記所定のコンテンツの画像を少なくとも2つ以上投影し、投影された2つ以上の画像のうち少なくとも1つを移動させる態様で投影するものが好ましい。
【0041】
また、本発明に係るプロジェクタは、
前記投影制御手段が、前記検出手段が検出した前記操作体の速度に基づいて、前記表示態様と前記処理態様との少なくとも一方を決定して、前記所定のコンテンツの画像を投影するものが好ましい。
【0042】
また、本発明に係るプロジェクタは、
前記プロジェクタ本体には、前記投影手段と前記統制制御手段とが収められ、
前記投影制御手段は、
前記動作態様が、前記プロジェクタ本体に近づいて前記操作体が移動する態様であるときには、前記所定のコンテンツの画像を縮小して投影し、
前記動作態様が、前記プロジェクタ本体から遠ざかって前記操作体が移動する態様であるときには、前記所定のコンテンツの画像を拡大して投影するものが好ましい。
【0043】
さらに、本発明に係るプロジェクタは、
前記プロジェクタ本体には、前記投影手段と前記統制制御手段とが収められ、
前記検出手段が検出した前記操作体の数が、少なくとも2つ以上あり、
前記投影制御手段は、
前記動作態様が、少なくとも2つの操作体が互いに近づく態様であるときには、前記所定のコンテンツの画像を、縮小させる態様と移動させる態様とを含む態様で投影し、
前記動作態様が、少なくとも2つの操作体が互いに遠ざかる態様であるときには、前記所定のコンテンツの画像を、拡大させる態様と移動させる態様とを含む態様で投影するものが好ましい。
【0044】
ここで、「縮小させる態様と移動させる態様とを含む態様」とは、縮小してから移動させる態様や、移動させてから縮小する態様や、縮小しつつ移動させる態様や、これらの組み合わせの態様を含む意味である。同様に、「拡大させる態様と移動させる態様とを含む態様」とは、拡大してから移動させる態様や、移動させてから拡大する態様や、拡大しつつ移動させる態様や、これらの組み合わせの態様を含む意味である。
【0045】
さらにまた、本発明に係るプロジェクタは、
前記投影制御手段が、前記所定のコンテンツの移動先が、前記周回領域の外側であるときには、前記所定のコンテンツの画像の投影を止めるものが好ましい。
【0046】
また、本発明に係るプロジェクタは、
前記被検出体には、前記所定のコンテンツが提示される少なくとも1人の被提示者又は前記被提示者に対応する物体を示す被提示体が含まれ、
前記少なくとも1人の被提示者は、前記投影面の近傍に位置し、
前記検出手段は、前記被提示体を前記被検出体として検出し、
前記投影制御手段は、前記所定のコンテンツの画像を移動させる態様で投影したときに、前記所定のコンテンツの画像が前記被提示体に近づいた場合に、又は前記被提示体の動作態様が所定の態様である場合に、前記所定のコンテンツの画像を停止させて投影するものが好ましい。
【0047】
ここで、「被提示者」とは、操作者に対する相手方であり、所定のコンテンツが提示される者を意味する。例えば、操作者がプレゼンテーションの発表者である場合には、「被提示者」は、そのプレゼンテーションを受ける者であり、コンテンツの画像を見ることによって、提示される者である。
【0048】
また、「被提示体」は、被提示者、又は被提示者に対応する物体のいずれかを示すものである。さらに、「被提示者に対応する物体」は、「被提示者」を特定できる物体であればよい。例えば、「被提示者」が使用するために、設置台に置いているコーヒーカップなどがある。
【0049】
さらに、「近傍」とは、投影面で投影されたコンテンツの画像に対して操作者が操作でき、投影面で投影された像を視認できる範囲にあればよい。具体的には、設置台の直前や手前の位置が好ましい。
【0050】
さらにまた、「前記被提示体を前記被検出体として検出し、」としたことにより、上述した「被検出体」には、「操作体」だけでなく、「被提示体」も含まれる。
【0051】
さらに、本発明に係るプロジェクタは、
前記投影制御手段が、前記所定のコンテンツの画像を移動させる態様で投影したときに、前記被提示体の位置が、前記所定のコンテンツが投影されている領域に含まれた場合には、前記所定のコンテンツの画像を停止させて投影するものが好ましい。
【0052】
「前記被提示体の位置が、前記所定のコンテンツが投影されている領域に含まれた」とは、(1)被提示体は、予め置かれて静止しており、移動している所定のコンテンツが、置かれている被提示体と重なったときや、(2)移動している所定のコンテンツにめがけて被提示体を置いて、所定のコンテンツが、被提示体と重なったときのいずれの場合も含む。例えば、机に置かれているコーヒーカップに、コンテンツの画像が重なったときや、移動するような態様で投影されているコンテンツの画像を被提示者が指で押さえるようにして、コンテンツの画像が被提示者の指と重なったときなどがある。
【0053】
さらにまた、本発明に係るプロジェクタは、
前記投影制御手段が、前記被提示体の大きさが所定の大きさより大きいときに、前記所定のコンテンツの画像を停止させて投影するものが好ましい。
【0054】
また、本発明に係るプロジェクタは、
前記投影制御手段が、前記被検出体の動作態様に基づいて、前記所定のコンテンツを記憶させる記憶手段を含むものが好ましい。
【0055】
「前記被提示者に対応した記憶手段」とは、被提示者が所有する記憶手段や、被提示者のために記憶領域が確保された記憶手段などがある。
【0056】
さらに、本発明に係るプロジェクタは、
前記プロジェクタ本体には、前記投影手段と前記統制制御手段とが収められ、
前記被検出体の動作態様は、前記被検出体を前記プロジェクタ本体に近づける態様であるものが好ましい。
【0057】
さらにまた、本発明に係るプロジェクタは、
前記被検出体が、少なくとも2つあり、
前記被検出体の動作態様は、前記検出手段が、少なくとも2つの被検出体を検出している期間に亘って、前記少なくとも2つの被検出体が移動している態様であるものが好ましい。
【発明の効果】
【0058】
プレゼンテーション等の場に参加している各人に資料を配付するのと同様に資料を提示でき、資料を提示するときの態様を明示することによって、プレゼンテーションにおける演出を高めることができると共に、資料を配付するために会議を中断することなく、プレゼンテーションを円滑に進めることができ、操作も容易にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0059】
以下に、本発明の実施例について図面に基づいて説明する。
【0060】
<<<プロジェクタ10の概要>>>
図1は、本発明の第1の実施の形態のプロジェクタ10の概略を示す斜視図である。なお、図1は、プロジェクタ10を机12(設置台)の略中央に載置した状態を示す。図1に示すように、プロジェクタ10は、本体100と、支持体106と、ミラー108とを含む。本体100の上部から出射された光が、ミラー108に反射されて机12に至る。この机12に至った光によって、机12に投影像が投影される。
【0061】
<本体100(プロジェクタ本体)>
プロジェクタ10は、本体100を有する。本体100は、図1に示すように、略円柱状の形状又は略円筒状の形状を有している。この本体100は、後述する照明光学系110と、結像光学系130と、検出装置140と、制御装置160とを有する。
【0062】
本体100の上部の略中央部には、略円形の開口部102が形成され、この開口部102には、後述する投影レンズ132が嵌設されている。この投影レンズ132からは、後述するように、上向きにミラー108に向かって光が出射される。
【0063】
この本体100が、プロジェクタ本体に対応する。
【0064】
<支持体106>
本体100の上部には、開口部102を周回するように周辺部104が形成されている。周辺部104の一部には、斜め上方に向かって突出するように2つの支持体106が設けられている。2つの支持体106の各々は、略棒状の形状を有している。なお、2つの支持体106は、本体100に対して固定的に設けても、着脱可能に設けてもよい。
【0065】
図1に示した例では、2つの棒状の支持体106を周辺部104に設ける構成としたが、支持体106の形状及び数や、支持体106を設ける位置は、これには限定されず、支持体106の影が、後述する投影像に形成されないように又は形成されにくいようにすればよい。
【0066】
<ミラー108>
上述した2つの支持体106によって、ミラー108が支持されている。ミラー108は、略円板状の形状を有し、ミラー108の反射面が投影レンズ132と向かい合うように(図1の下向きになるように)配置されている。このようにすることで、投影レンズ132から出射された光は、ミラー108に向かって進み、ミラー108によって反射される。
【0067】
<机12(設置台)>
上述したようにプロジェクタ10は、机12に載置される。図1では、机12の天板部のみを机12として示し、机12の脚部を省略して示した。図1に示した例では、机12は、略円板状の形状を有する。投影レンズ132から出射された光が、ミラー108によって反射されて机12に至ることによって、プロジェクタ10からの投影像が、机12の周辺領域14に投影される。この周辺領域14は、机12の表面上の一部の領域であって、机12の中心部から離れたまわりの部分の領域である。言い換えれば、周辺領域14は、机12の表面上における、机12の中心部を周回する領域である。この周辺領域14の大きさは、机12の大きさや、プロジェクタ10の大きさや、投影像の大きさ等によって適宜定まる。上述した机12の表面が、「投影面」に対応し、周辺領域14が、「周回領域」に対応する。上述したように、周辺領域14が、机12において投影像が投影される領域である。
【0068】
周辺領域14に投影される投影像は、歪んだり曲がったりすることなく投影されるものが好ましい。このため、投影像が投影される周辺領域14の表面は、凹凸のない平坦な形状に形成された机12を用いるのが好ましい。また、プロジェクタ10は、机12の表面に位置する指などの被検出体D(図2参照)を検出する必要もあるため、この点からも、周辺領域14の表面は、凹凸のない平坦な形状に形成されている机12を用いるのが好ましい。
【0069】
なお、図1に示した机12は、プロジェクタ10が載置される部分(机12の中心部)と、投影像が投影される部分(机12の周辺領域14)とが同一面になっているが、これらは、同一面である必要はない。
【0070】
上述した被検出体Dには、操作体Bと被提示体Pとの双方が含まれる。操作体Bは、プロジェクタ10を操作する操作者の指等の体の一部や、操作者が手に持っている支持棒やスプーンや、机12に置いている支持棒やスプーン等の操作者の意思や動作に基づいて動かすことができるものならばよい。また、被提示体Pは、机12に周りに位置してコンテンツが提示される少なくとも1人の被提示者や、被提示者に対応する物体が含まれる。被提示者には、被提示者の胴体や体の一部が含まれ、被提示者自身とみなされるものが含まれる。被提示者に対応する物体には、被提示者が所有するコーヒーカップや携帯電話などの被提示者と同視できるものが含まれる。
【0071】
<<<プロジェクタ10の構成>>>
図2は、プロジェクタ10の構成を示す断面図である。なお、この図2では、上述した2つの支持体106を省略して示した。上述したように、本体100には、照明光学系110と、結像光学系130と、検出装置140と、制御装置160とが設けられている。本体100の内部の上側には、照明光学系110や結像光学系130が位置づけられ、本体100の内部の下側には、検出装置140や制御装置160が位置づけられている。このように配置することで、本体100の上部から光を発することができると共に、照明光学系110から発せられる熱を的確に上方向に向かって放熱でき、照明光学系110から発せられる熱が、検出装置140や制御装置160に与える影響を少なくできる。
【0072】
<<照明光学系110(投影手段)>>
照明光学系110は、ランプ112と、反射鏡114と、フィルター116と、レンズ118とを含む。これらのランプ112と、反射鏡114と、フィルター116と、レンズ118とは、本体100の内側の所定の位置に設けられている。
【0073】
<ランプ112(光源)>
ランプ112は、所定の波長で所定の強度の光を発するもの、例えば、ハロゲンランプからなる。このランプ112は、発せられた光が、本体100の上方向に向かって進むように、本体100の内側の所定の位置に配置されている。
【0074】
<反射鏡114>
ランプ112の周囲には、反射鏡114が設けられている。反射鏡114の反射面は、所定の曲面形状、例えば、放物面形状や楕円面形状を有する。反射鏡114は、反射鏡114の反射面の焦点の位置が、ランプ112のフィラメントの位置とおおよそ一致するように配置されている。反射鏡114は、ランプ112から発せられた光を、反射面で反射させて集光し、後述する光変調素子120に向かうように導く。
【0075】
<フィルター116>
反射鏡114によって反射された光の進行方向には、フィルター116が配置されている。フィルター116は、ランプ112から発せられた光のうち、光変調素子120を傷める可能性のある波長の光や、人体等に影響を及ぼす可能性のある波長の光を予め遮断する。
【0076】
<レンズ118>
フィルター116を通過した光の進行方向には、レンズ118が配置されている。レンズ118は、フィルター116を通過した光を、平行光に近づけると共に、その強度を均一に近づけて、後述する光変調素子120に導く。
【0077】
図2では、1枚の凸レンズをレンズ118として示したが、光変調素子120に入射させるために好ましい光に変換できるものであれば、他の形状のレンズを用いても、複数のレンズ群をレンズ118として用いてもよい。
【0078】
<光変調素子120>
レンズ118を通過した光の進行方向には、光変調素子120、例えば、液晶素子が配置されている。この光変調素子120は、後述する制御装置160から発せられる駆動信号によって制御される。光変調素子120は、この駆動信号に応じて、光変調素子120に至った光を、通過させる動作又は遮断する動作をする。
【0079】
この光変調素子120の動作によって光変調素子120を通過した光が、机12の表面に至ることによって、所望する投影像が、机12の表面に形成される。
【0080】
なお、光変調素子120は、上述した液晶素子だけでなく、DMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)など、ランプ112から発せられた光の進行を制御できるものであればよい。
【0081】
上述したランプ112と、反射鏡114と、フィルター116と、レンズ118とは、ランプ112から発せられた光を、なるべく明るくかつ強度を均一に近づけて、光変調素子120に照射するように配置されている。また、必要に応じて、赤、緑、青の各色を切り換えて照射するためのカラーホイールや、赤、緑、青の各色に色分離する色分離部と光変調素子で変調さらに各色の光を合成する色合成部とを備えてもよい。
【0082】
図2に示した例では、2つの光変調素子120を示したが、光変調素子120の数は、これに限られず、投影像を投影すべき領域の大きさや机12の大きさや、要求されるであろう投影像の解像度などの種々の条件に応じて適宜定めればよい。
【0083】
例えば、机12の周辺領域14を4つの異なる領域に仮想的に分け、その領域に応じた4つの光変調素子120を用いて、これらの4つの領域に投影像を投影してもよい。具体的には、光変調素子120を4つ用いた場合には、第1の光変調素子120を第1の領域に対応させ、第2の光変調素子120を第2の領域に対応させ、第3の光変調素子120を第3の領域に対応させ、第4の光変調素子120を第4の領域に対応させる。このようにした場合には、4つの領域の各々について、1つの光変調素子120と1つの表示用メモリ174とを用いることができるので、投影像の解像度を高めることができ、詳密な画像からなるコンテンツを投影像として投影するような場合であっても、鮮明に表示することができる。なお、上述した表示用メモリ174については、後述する。
【0084】
<他の光学素子>
また、ランプ112から発せられた光の強度をより均一に近づけて光変調素子120に照射させるためのロッド等の光学素子を、照明光学系110にさらに加えてもよい。
【0085】
<<結像光学系130(投影手段)>>
<投影レンズ132>
上述した光変調素子120を通過した光の進行方向には、投影レンズ132が設けられている。上述したように、本体100の上部の略中央部には、略円形の開口部102が形成されており、この開口部102に、投影レンズ132が嵌設されている。投影レンズ132は、光変調素子120を通過した光を、所定の方向に向かって拡がるように変換する。この投影レンズ132によって、投影像を所望する大きさにして机12の表面に投影することができる。
【0086】
図2では、1枚の凸レンズを投影レンズ132として示したが、机12の表面に投影させるために好ましい光に変換するものであれば、他の形状のレンズを用いても、複数のレンズ群を投影レンズ132として用いてもよい。
【0087】
<ズーム機能>
さらに、結像光学系130に、可動レンズ群を設けて、ズーム機能を有するようにしてもよい。このようにすることで、机12の大きさに応じて、投影像を所望する大きさに拡大又は縮小することができる。
【0088】
なお、ズーム機能は、可動レンズ群のように光学的に拡大又は縮小するようにしても、後述する制御装置160における画像処理によって行ってもよい。
【0089】
<投影像の補正>
また、図2に示したように、光変調素子120を通過した光は、斜め上に向かって進むため、机12に投影される投影像が歪む場合がある。この歪みの補正は、補正するための光学素子を結像光学系130に設けて光学的に行っても、後述する制御装置160における画像処理によって行ってもよい。
【0090】
<<投影像の投影>>
光変調素子120を通過した光は、投影レンズ132を通過して、本体100の上方に向かって進む。上述したように、本体100の上方には、ミラー108が配置されており、本体100の上方に向かって進んだ光は、ミラー108によって反射されて斜め下方向に向かって進む。斜め下方向に向かって進んだ光は、机12の表面に至り、至った光によって投影像が形成される。
【0091】
<<検出装置140(検出手段)>>
図3(a)及び(b)に示すように、検出装置140は、四組の赤外線発生装置141と四組の被検出体検出装置150とからなる。
【0092】
<赤外線発生装置141(伝播波発生手段)>
四組の赤外線発生装置141の各々は、赤外線発生部142と、可動ミラー144と、レンズ146とを含む。四組の赤外線発生装置141は、図2に示すように、本体100の下部に配置されている。図3(a)は、これらの赤外線発生装置141が位置する箇所で、本体100を水平な面で切断した断面図である。図3(a)に示すように、本体100では、1つの赤外線発生部142と、1つの可動ミラー144と、1つのレンズ146とが、一組の赤外線発生装置141として設けられている。なお、これらの四組の赤外線発生装置141の各々は、同一の構成であり、同一の機能を有するので、以下では、一組の赤外線発生装置141について説明する。
【0093】
赤外線発生部142からは、所定の波長の赤外線が発せられる。赤外線発生部142から発せられた赤外線の進行方向には、可動ミラー144が設けられている。可動ミラー144は、電動モータ(図示せず)に連結されて連動できるようにされている。電動モータは、略垂直な軸を中心にして回転する。電動モータを、所定の周期で正方向又は逆方向に交互に、所定の角度範囲内で、回転させることによって、可動ミラー144も、正方向又は逆方向に交互に、所定の角度範囲内で、略垂直な軸を中心に所定の周期で回転する(図3(a)の矢印A参照)。可動ミラー144が所定の角度範囲内で回転することによって、赤外線発生部142から発せられた赤外線は、可動ミラー144によって反射されると共に、反射された後の進行方向が机12の表面に沿って徐々に変わっていく。このようにすることで、一組の赤外線発生装置によって、所定の角度範囲α(図3(a)参照)に亘って赤外線を机12の表面に沿って走査することができる。
【0094】
可動ミラー144によって反射された赤外線の進行方向には、レンズ146が配置されている。レンズ146は、赤外線が所定の角度範囲αに亘って机12の表面に沿って走査されたときに、略90度の角度範囲β(図3(a)参照)に亘って机12の表面に沿って走査されるように、赤外線の進行方向を変換するためのものである。図3(a)に示すように、本体100の側部には、開口148が形成されている。開口148は、レンズ146を通過した赤外線の進行方向に位置している。開口148は、水平方向に長尺な形状を有する。レンズ146を通過した赤外線は、開口148を介して、本体100の外に向かって発せられる。上述したように、赤外線は、可動ミラー144によって反射されるので、略90度の範囲内に亘って机12の表面に沿って走査されるように、本体100の外に発せられる。
【0095】
上述したように、本体100には、四組の赤外線発生装置141が設けられている。一組の赤外線発生装置141によって、略90度の角度範囲βに亘って机12の表面に沿って走査できるので、赤外線発生装置を4つ用いることによって、360度の範囲に亘って赤外線を机12の表面に沿って走査することができる。このように構成することで、本体100を囲んで位置する被検出体Dに対して、的確に赤外線を照射することができる。
【0096】
本体100の外に発せられた赤外線は、机12の表面に対して略平行に、かつ、机12の近傍を進行する。例えば、机12の表面からの距離が0.5ないし6ミリメートルとなるように、机12の表面に沿って進行する。後述するように、赤外線を発することで、被検出体Dを検出することができる。この被検出体Dは、上述したように、操作体Bと被提示体Pとの双方が含まれる。操作体Bは、プロジェクタ10を操作する操作者の指等の体の一部や、操作者が手に持っている支持棒やスプーン等の操作者の意思や動作に基づいて動かすことができるものである。また、被提示体Pは、机12の周りに位置してコンテンツが提示される少なくとも1人の被提示者や、被提示者に対応する物体である。
【0097】
なお、赤外線が進むに従って赤外線と机の表面との距離が小さくなるように、赤外線を進行させてもよい。このとき、赤外線が机と交差する位置が、周辺領域14の外縁と一致するようにすることで、周辺領域14における被検出体Dの動作のみを検出することができるので、被検出体Dが周辺領域14以外に位置したときであっても、被検出体Dの不必要な動きに影響されずに的確に制御することができる。
【0098】
<被検出体検出装置150(反射波散乱波検出手段)>
図2に示すように、本体100の下部の赤外線発生装置141の上側には、四組の被検出体検出装置150が配置されている。図3(b)は、これらの被検出体検出装置150が位置する箇所で、本体100を水平な面で切断した断面図である。図3(b)に示すように、1つのレンズ152と、1つの撮像素子154とが、一組の被検出体検出装置150として設けられている。四組の被検出体検出装置150の各々は、上述した四組の赤外線発生装置141のいずれかと対応するように配置されている。このように構成したことで、赤外線発生装置141の各々から発せられた赤外線は、被検出体Dによって反射された後、その赤外線発生装置141に対応した被検出体検出装置150によって検出されることができる。なお、これらの四組の被検出体検出装置150の各々は、同一の構成であり、同一の機能を有するので、以下では、一組の被検出体検出装置150について説明する。
【0099】
図3(b)に示すように、本体100の側部には、開口156が形成されている。開口156は、後述するレンズ152の大きさと形状に応じた大きさと形状とを有する。この開口156の近くには、図3(b)に示すように、レンズ152が配置されている。レンズ152の近くには、撮像素子154、例えば、CCDイメージセンサーや、CMOSイメージセンサーが配置されている。
【0100】
上述した開口148から発せられた赤外線(図2及び図3(a)に示す矢印E参照)は、被検出体D(図2参照)、例えば、操作者の指に至って反射又は散乱される。被検出体Dによって反射されたり散乱されたりした赤外線は、開口156に向かって進む(図2及び図3(b)に示す矢印R参照)。開口156を通過した赤外線は、レンズ152に入射し、所定の方向に向きを変えて進む。レンズ152によって進行方向を変えられた赤外線は、撮像素子154に入射する。撮像素子154に赤外線が入射することで、被検出体Dの像を得ることができる。
【0101】
上述したように、本体100には、四組の被検出体検出装置150が設けられている。被検出体検出装置150を4つ用いることによって、本体100を囲んで位置する被検出体Dを360度の範囲で検出することができる。上述したように、被検出体Dには、操作体Bと被提示体Pとの双方が含まれ、四組の被検出体検出装置150は、操作体Bや被提示体Pを検出する。
【0102】
上述したように、赤外線発生装置141から本体100の外に発せられた赤外線は、机12の表面に対して略平行に、かつ、机12の近傍を進行する。特に、机12の表面から1ないし2ミリメートル程度の距離で進行するように赤外線を発することで、被検出体Dが、机12の表面に接していない場合でも、被検出体Dが、机12の表面にある程度近づけば、被検出体Dを検出することができる。このようにすることで、操作に気を配らずに動作させることができ、円滑にプレゼンテーションを進めることができる。
【0103】
なお、上述した例では、伝播波発生手段として赤外線発生装置141を用い、反射波散乱波検出手段として、反射された赤外線を検出する被検出体検出装置150を用いた場合を示したが、回転可能に設けられて所定の波長の超音波を発する超音波発生装置を伝播波発生手段として用い、反射された超音波を検出する超音波検出装置を反射波散乱波検出手段として用いもよい。
【0104】
この場合には、超音波発生装置から超音波を発した時刻と、反射された超音波を超音波検出装置で検出した時刻t2との差から、被検出体Dまでの距離を得ることができる。また、反射された超音波を超音波検出装置で検出したときの超音波発生装置の回転角度から、被検出体Dの回転角度を得ることができる。
【0105】
また、上述した例では、伝播波発生手段として四組の赤外線発生装置141を用いたが、1つの赤外線発生装置を伝播波発生手段として用い、赤外線がセンサ部に入射した位置に応じて出力信号を発する位置感応型フォトダイオードを反射波散乱波検出手段として用いてもよい。この場合には、赤外線発生装置と位置感応型フォトダイオードとの双方を回転可能に設ける。
【0106】
この場合には、位置感応型フォトダイオードから出力された出力信号の大小に応じて、被検出体Dまでの距離を得ることができる。また、反射された赤外線を位置感応型フォトダイオードで検出したときの赤外線発生装置の回転角度から、被検出体Dの回転角度を得ることができる。
【0107】
さらに、赤外線を走査する代わりに、円筒レンズ等で上下方向に予め集光して、水平方向に扇状に広がるように赤外線を発するようにしてもよい。この場合には、CCDやCMOSセンサ等の撮像素子を使うことによって、被検出体の位置を検出できる。
【0108】
<<制御装置160(投影制御手段、検出判別手段)>>
図2に示すように、制御装置160は、本体100の下部の赤外線発生装置141の上側に配置されている。この制御装置160の機能の概略をブロック図として図4に示す。なお、図4には、制御装置160の構成を明確にするために、電気的には接続されていない照明光学系110及び結像光学系130も示した。
【0109】
制御装置160は、演算等を行うCPU(中央処理装置)162、ROM(リードオンリーメモリー)164、及びRAM(ランダムアクセスメモリー)166を含む。これらのCPU162、ROM164、RAM166は、入出力バス168によって電気的に接続されており、データ信号やアドレス信号が入出力できるようになされている。
【0110】
CPU162は、後述する図5〜図8に示す制御用プログラムを実行する。ROM164には、これら制御用プログラムが予め記憶されている。また、RAM166には、制御用プログラムが使用する変数の値や各種のデータが、制御用プログラムが実行されるに従って記憶される。
【0111】
制御装置160は、ファイル記憶手段170を含む。ファイル記憶手段170も入出力バス168に電気的に接続されている。ファイル記憶手段170は、内部メモリのほか、外部記憶手段、例えば、ハードディスク、CD、DVD、USB等の何らかの記憶手段であればよい。ファイル記憶手段170には、投影像として投影される各種のコンテンツが記憶される。コンテンツは、文書作成ソフトウエアで作成されたデータ、表計算ソフトウエアで作成されたデータ、プレゼンテーションソフトウエアで作成されたデータ、画像データ、動画データ等のプレゼンテーションとして提示できる各種のデータであればよい。なお、上述したROM164やRAM166には、これらのコンテンツのデータを投影像として表示するためのビューアー等のアプリケーションソフトウエアも実行できるように予め記憶されている。
【0112】
上述した検出装置140も制御装置160の入出力バス168に電気的に接続されている。具体的には、検出装置140の撮像素子154がインターフェース回路(図示せず)を介して入出力バス168に電気的に接続されている。このようにすることで、撮像素子154から発せられた出力信号が入出力バス168に供給される。CPU162は、この出力信号を得ることで、被検出体の像を取得できる。
【0113】
制御装置160は、ランプ制御回路172を含む。ランプ制御回路172も入出力バス168に電気的に接続されている。ランプ制御回路172には、上述したランプ112が電気的に接続されている。CPU162から発せられた制御信号がランプ制御回路172に供給されることによって、ランプ制御回路172は、供給された制御信号に応じて、ランプ112の点灯や、消灯や、発光強度などを制御する。
【0114】
制御装置160は、表示用メモリ174を含む。表示用メモリ174も入出力バス168に電気的に接続されている。表示用メモリ174には、上述したファイル記憶手段170に記憶されている各種のコンテンツのデータが、CPU162から発せられた制御信号に応じて、表示用のデータに変換されて記憶される。
【0115】
制御装置160は、画像処理回路176を含む。画像処理回路176も入出力バス168に電気的に接続されている。画像処理回路176には、上述した表示用メモリ174と光変調素子120とが電気的に接続されている。画像処理回路176は、CPU162から発せられた制御信号に応じて、表示用メモリ174に記憶されているデータに基づいて、光変調素子120を駆動するための駆動信号を光変調素子120に発する。上述したように、光変調素子120は、画像処理回路176から供給された駆動信号に応じて、光変調素子120に至った光を、通過させる動作又は遮断する動作をする。このようにすることで、ファイル記憶手段170に記憶されている各種のコンテンツを投影像として、机12の表面に投影することができる。
【0116】
なお、上述した図4に示したブロック図では、ランプ112と、ランプ制御回路172と、表示用メモリ174と、画像処理回路176と、光変調素子120とを1つずつ示したが、光変調素子120を複数にした場合には、これらのランプ112とランプ制御回路172と表示用メモリ174と画像処理回路176とを、光変調素子120の数に応じて複数にするのが好ましい。このようにすることで、投影領域を大きくしたり、投影像の解像度を高めたりすることができるので、詳密な画像からなるコンテンツを投影像として投影するような場合であっても、鮮明に表示することができる。
【0117】
なお、表示用メモリ174を複数にした場合には、隣り合う投影領域の境界で、整合した投影像を投影するために、複数の表示用メモリ174のアドレスは、隣り合う投影領域同士で対応するように予め定められている。
【0118】
図4に示すように、ランプ制御回路172によって制御されるランプ112から発せられた光は、上述した照明光学系110に導かれる。照明光学系110に導かれた光は、所望する変換されて、画像処理回路176によって制御される光変調素子120に導かれる。光変調素子120に導かれた光は、変調されて、上述した結像光学系130に導かれる。なお、図4においては、導かれる光を破線の矢印で示した。
【0119】
<<プロジェクタ10の制御>>
以下に、制御装置160において行われるプロジェクタ10の制御について説明する。図5〜図8は、上述したROM164に予め記憶されているプログラムを示すフローチャートである。なお、図5〜図8に示すフローチャートは、制御装置160における制御処理を実行するための1つの例を示したにすぎず、この処理手順には限られない。
【0120】
<起動・終了処理>
図5は、プロジェクタ10の起動処理及び終了処理を制御するプログラムを示すフローチャートである。このプログラムは、プロジェクタ10の本体100に設けられている電源スイッチ(図示せず)が操作者によって操作されたときに呼び出されて実行されるプログラムである。
【0121】
最初に、起動処理を行う(ステップS11)。この起動処理が行われることによって、本体100においては、制御に用いられる種々の変数の初期化等の起動処理を終えて、プロジェクタ10は定常動作をする。
【0122】
次に、上述した検出装置140から発せられた信号を検出して、机12の周りに存在する人の位置を、被検出体Dの位置として取得する(ステップS12)。
【0123】
次いで、プロジェクタ10の本体100に設けられている操作パネル(図示せず)が操作者によって操作されたか否かを判断する(ステップS13)。操作パネルが操作者によって操作されたと判別したとき(YES)には、その操作内容を反映させた制御を行う(ステップS14)。
【0124】
一方、操作パネルが操作者によって操作されていないと判別したとき(NO)、又はステップS14の処理を実行したときには、プロジェクタ10の本体100に設けられている表示パネル(図示せず)に所定の表示を行う(ステップS15)。
【0125】
次に、操作者によって電源スイッチが操作されたか否かを判断する(ステップS16)。電源スイッチが操作されていないと判別したとき(NO)には、上述したステップS13に処理を戻す。一方、電源スイッチが操作されたと判別したとき(YES)には、終了処理を行い(ステップS17)、本プログラムを終了する。このステップS17の終了処理は、制御に用いるプログラムの変数の値等、次に起動されたときに必要な情報を記憶させておく処理などがある。
【0126】
<被検出体検出処理>
図6は、検出装置140で被検出体Dを検出する処理を実行するサブルーチンを示すフローチャートである。なお、この図6に示す処理は、CPU162によって、所定のタイミングごとに呼び出されて実行されるものとする。
【0127】
最初に、上述した赤外線発生装置141を駆動して、赤外線の走査を開始する(ステップS21)。
【0128】
次に、撮像素子154から出力信号が発せられたか否かを判断する(ステップS22)。上述したように、被検出体Dが存在する場合には、赤外線発生装置141から発せられた赤外線は、被検出体Dによって反射されて、撮像素子154によって、被検出体Dが撮像され、被検出体Dの検出像を示す信号が、撮像素子154から出力される。したがって、撮像素子154から出力信号が発せられていれば、何らかの被検出体Dが存在し、撮像素子154から出力信号が発せられていなければ、何らかの被検出体Dが存在しないことになる。上述したステップS22の判断処理は、撮像素子154から出力信号の有無を検出することで、被検出体Dが存在するかしないかを判断する処理である。
【0129】
上述したステップS22の判断処理で、撮像素子154から出力信号が発せられていないと判別したとき(NO)、すなわち、被検出体Dが存在しないと判別したときには、フラグxF_det_extの値にフラグF_det_extの値を代入し、フラグF_det_extの値を0にして(ステップS34)、処理をステップS22に戻す。
【0130】
上述したフラグF_det_extは、操作体Bが存在するか否かを示すフラグであり、フラグF_det_extの値が1であるときには、操作体Bが存在することを示し、フラグF_det_extの値が0であるときには、操作体Bが存在しないことを示す。また、フラグxF_det_extは、前回、走査したときに操作体Bが存在したか否かを示すフラグであり、フラグxF_det_extの値が0であるときには、前回の走査のときには、操作体Bが存在しなかったことを示し、フラグxF_det_extの値が1であるときには、前回の走査のときに、操作体Bが存在したことを示す。
【0131】
上述した2つのフラグF_det_extの値とフラグxF_det_extの値とから、操作体Bの動作について以下のように判別することができる。すなわち、xF_det_ext=0かつF_det_ext=1である場合には、操作体Bが、前回の走査のときには存在せず、今回の走査のときには存在することを示し、今回の走査のときに、新たに操作体Bによる操作が開始されたことを意味する。一方、xF_det_ext=1かつF_det_ext=0である場合には、操作体Bが前回の走査のときに存在したが、今回の走査のときには存在していないことを示し、操作体Bによる操作が終了して操作体Bが机から離れたことを意味し、後述するように、操作体Bの終速等の判断に用いることができる。
【0132】
一方、ステップS22の判断処理で、撮像素子154から出力信号が発せられていると判別したとき(YES)、すなわち、被検出体Dが存在すると判別したときには、撮像素子154から出力された信号に基づいて、被検出体Dの検出像を得て、得られた被検出体Dの検出像から、被検出体Dの位置(x1、y1)及び被検出体Dの幅を算出する(ステップS23)。
【0133】
次に、ステップS23で算出した被検出体Dの幅が所定の値Wより広いか否かを判断する(ステップS24)。ステップS23で算出した被検出体Dの幅が所定の値Wより広い場合には、被検出体Dは、被提示体Pであると判別し、被検出体Dの幅が所定の値Wより狭い場合には、被検出体Dは、操作体Bであると判別する。このように判別できるようにするために、上述した所定の値Wは、被検出体Dが被提示体Pであるか又は操作体Bであるかを判別できる値にすればよい。この所定の値Wは、このような観点から定められたもので、ROM164に予め記憶されており、ステップS24の判断をするときに、ROM164から読み出される。
【0134】
なお、上述した例では、所定の値Wによって、被検出体Dが被提示体Pであるか又は操作体Bであるかを判別したが、本サブルーチンによって取得すべき情報は、被提示体Pのおおよその位置と、操作体Bの位置及び動作とであればよい。したがって、ステップS24の判断は、これらの情報を取得できる判断であればよい。
【0135】
例えば、被提示体Pは、上述したように、机12に周りに位置してコンテンツが提示される少なくとも1人の被提示者や、被提示者に対応する物体である。被提示者には、被提示者の胴体や体の一部が含まれ、被提示者自身とみなされるものが含まれる。また、被提示者に対応する物体には、被提示者が所有するコーヒーカップや携帯電話などの被提示者と同視できるものが含まれる。したがって、被提示体Pのおおよその位置は、これらの位置であればよい。この場合に、赤外線発生装置141の照射範囲や、被検出体検出装置150による検出範囲を、周辺領域14と一致させればよい。このようにすることで、周辺領域14の外側の動作を検出する必要がなくなり処理量を軽減できる。また、操作体Bは、上述したように、プロジェクタ10を操作する操作者の指等の体の一部や、操作者が手に持っている支持棒やスプーンや、机12に置いている支持棒やスプーン等の操作者の意思や動作に基づいて動かすことができるものならばよい。したがって、操作体Bの位置及び動作は、これらの位置や動作であればよい。上述した所定の値Wは、このような観点からも定めておけばよい。
【0136】
ステップS24の判断処理で、被検出体Dが操作体Bであると判別された場合には、ステップS23の処理によって算出された被検出体Dの位置(x1、y1)は、操作体Bの位置を示す。以下では、この被検出体Dの位置(x1、y1)を、操作体Bの今回位置(xb1、yb1)と称する。
【0137】
また同様に、前回、本サブルーチンが実行されて、ステップS24の判断処理で、被検出体Dが操作体Bであると判別したときにも、ステップS23の処理によって算出された被検出体Dの位置(x1、y1)は、操作体Bの位置を示す。この操作体Bの位置は、前回、本サブルーチンが実行されたときのものであるので、以下では、この被検出体Dの位置(x1、y1)を、操作体Bの前回位置(xb0、yb0)と称する。なお、この前回位置(xb0、yb0)は、前回、本サブルーチンが呼び出されて実行されたときに、ステップS30の処理によって、RAM166に記憶されている。
【0138】
上述したステップS24の判断処理で、被検出体Dの像の幅が所定の値Wより狭いと判別したとき(YES)、すなわち、被検出体Dは操作体Bであると判別したときには、フラグxF_det_extにフラグF_det_extの値を代入して、フラグF_det_extの値を1に設定する(ステップS25)。上述したように、2つのフラグF_det_extの値とフラグxF_det_extの値とから、以下のように判別することができる。xF_det_ext=0かつF_det_ext=1である場合には、今回の走査のときに、新たに操作体Bによる操作が開始されたことを意味する。一方、xF_det_ext=1かつF_det_ext=0である場合には、操作体Bによる操作が終了して操作体Bが机から離れたことを意味する。
【0139】
次いで、操作体Bの今回位置(xb1、yb1)が、操作体Bの前回位置(xb0、yb0)に近いか否かを判断する(ステップS26)。この判断は、例えば、xb0−Δx≦xb1≦xb0+Δx、かつ、yb0−Δy≦yb1≦yb0+Δyを満たすか否かで判断すればよい。ここで、Δxの値及びΔyの値は、予め定めておき、ROM164に記憶させておけばよい。
【0140】
このステップS26の判断処理を行うことで、操作体Bの今回位置(xb1、yb1)の操作体Bと、操作体Bの前回位置(xb0、yb0)の操作体Bとが同じものであるか否かを判別することができる。すなわち、操作体Bの今回位置(xb1、yb1)が、操作体Bの前回位置(xb0、yb0)に近ければ、今回、操作体Bとして検出したものが、前回、本サブルーチンが実行されたときに、操作体Bとして検出したものと同じであるか否かを判別できる。一方、今回位置(xb1、yb1)が、前回位置(xb0、yb0)に近くなければ、今回、操作体Bとして検出したものは、前回、本サブルーチンが実行されたときに、操作体Bとして検出したものとは異なると判別できる。
【0141】
上述したステップS26の判断処理で、操作体Bの今回位置(xb1、yb1)が、操作体Bの前回位置(xb0、yb0)に近いと判別したとき(YES)、すなわち、今回、操作体Bとして検出したものが、前回、本サブルーチンが実行されたときに、操作体Bとして検出したものと同じであると判別した場合は、操作体Bの今回位置(xb1、yb1)と操作体Bの前回位置(xb0、yb0)と比較して、操作体Bが移動しているか否かを判断する(ステップS27)。
【0142】
ステップS27の判断処理で、操作体Bが移動していると判別したとき(YES)には、フラグF_moveの値を1に設定し(ステップS28)、操作体Bが移動していないと判別したとき(NO)には、フラグF_moveの値を0に設定する(ステップS29)。このフラグF_moveは、操作体Bが移動している最中であるか否かを示すフラグであり、フラグF_moveの値が1であるときには、操作体Bが移動している最中であることを示し、フラグF_moveの値が0であるときには、操作体Bは移動していない、すなわち操作体Bは静止していることを示す。
【0143】
上述したステップS30の判断処理で、操作体Bの今回位置(xb1、yb1)が、操作体Bの前回位置(xb0、yb0)に近い位置でないと判別したとき(NO)、すなわち、今回、操作体Bとして検出したものは、前回、本サブルーチンが実行されたときに、操作体Bとして検出したものとは異なると判別した場合は、ステップS23で算出した被検出体Dの位置(x1、y1)を記憶させる(ステップS30)。このようにすることで、次に、本サブルーチンが呼び出されて実行されたときには、この被検出体Dの位置(x1、y1)を、操作体Bの前回位置(xb0、yb0)として読み出すことができる。
【0144】
また、上述したステップS24の判断処理で、被検出体Dの幅が所定の値Wより広いと判別したとき(NO)、すなわち、被検出体Dが被提示体Pであると判別したときには、ステップS23の処理によって算出された被検出体Dの位置(x1、y1)を、被提示体Pの位置(xp1、yp1)として記憶させる(ステップS31)。この処理によって、コンテンツの投影像を停止させる位置を設定することができる。
【0145】
次いで、フラグF_pre_extの値を1に設定する(ステップS32)。このフラグF_pre_extは、被提示体Pが存在するか否かを示すフラグであり、フラグF_pre_extの値が1であるときには、被提示体Pが存在することを示し、フラグF_pre_extの値が0であるときには、被提示体Pが存在しないことを示す。
【0146】
上述したステップS28、S29、S30又はS32の処理を実行したときには、赤外線の走査を終了するか否かを判断する(ステップS33)。赤外線の走査を終了しないと判別したとき(NO)には、上述したステップS22に処理を戻す。一方、赤外線の走査を終了すると判別したとき(YES)には、本サブルーチンを直ちに終了する。
【0147】
<コンテンツ操作対応処理>
図7は、コンテンツを操作するための対応処理を実行するサブルーチンを示すフローチャートである。なお、この図7に示す処理は、CPU162によって、所定のタイミングごとに呼び出されて実行されるものとする。
【0148】
最初に、操作体Bが存在するか否かを判断する(ステップS41)。この判断は、上述したフラグF_det_extの値が1であるか否かを判断する処理である。
【0149】
上述したステップS41の判断で、操作体Bが存在すると判別したとき(YES)には、周回するように移動する態様で投影されているコンテンツの投影像の範囲内に、被提示体Pが存在するか否かを判断する(ステップS42)。この判断は、被提示体Pの位置(xp1、yp1)が、コンテンツの投影像の範囲を示す座標領域内に含まれたか否かを判断する処理である。この被提示体Pの位置(xp1、yp1)は、上述した図6のステップS31の処理で記憶されたものである。周回するように移動する態様とは、上述したように、机12の周辺領域14において、本体100の回りを周回して移動するようにコンテンツの投影像を投影する態様である。
【0150】
ステップS42の判断処理で、周回するように移動する態様で投影されているコンテンツの投影像の範囲内に、被提示体Pが存在すると判別したとき(YES)には、コンテンツの投影像の回転移動を終了して、静止した態様で投影し(ステップS43)、本サブルーチンを終了する。このステップS42の判断は、被提示体Pが被提示者である場合には、被提示者が、回転移動する態様で投影されているコンテンツの投影像が被提示者の腕や胴体部に達したか否かを判断するものである。また、被提示体Pが被提示者が所有するコーヒーカップや携帯電話などである場合には、机12に置かれているコーヒーカップや携帯電話などに、回転移動する態様で投影されているコンテンツの投影像が触れたか否かを判断するものである。
【0151】
一方、ステップS42の判断処理で、回転移動する態様で表示されているコンテンツの投影像の範囲内に、被提示体Pが存在しないと判別したとき(NO)には、投影されているコンテンツの投影像の範囲内に、操作体Bが存在するか否かを判断する(ステップS44)。この判断は、操作体Bの今回位置(xb1、yb1)が、コンテンツの投影像の範囲を示す座標領域内に含まれたか否かを判断する処理である。この操作体Bの今回位置(xb1、yb1)は、上述した図6のステップS30の処理で、被検出体Dの位置(x1、y1)として記憶されたものである。投影されているコンテンツの投影像の範囲内に、操作体Bが存在しないと判別したとき(NO)には、後述するステップS61に処理を移す。
【0152】
一方、投影されているコンテンツの投影像の範囲内に、操作体Bが存在すると判別したとき(YES)には、操作体Bが移動しているか否かを判断する(ステップS45)。この判断は、上述したフラグF_moveの値が1であるか否かを判断する処理である。
【0153】
ステップS45の判断処理で、操作体Bが移動していると判別したとき(YES)には、操作体Bの数が二つ以上存在し、その一方が、静止しているか否かを判断する(ステップS46)。操作体Bの数が二つ以上存在し、かつ、その一方が、静止していると判別したとき(YES)には、アクティブ化されているコンテンツの投影像を2つにして投影し(ステップS47)、本サブルーチンを終了する。なお、後述するように、この2つの投影像のうちの一方は、被提示者に提示するために、被提示体Pに向かって移動する態様で投影される。また、コンテンツのアクティブ化は、後述するステップS48の処理で行う。
【0154】
上述したステップS45の判断処理で、操作体Bが移動していないと判別したとき(NO)、すなわち、操作体Bが静止していると判別したときには、投影されているコンテンツの投影像のうち、コンテンツの投影像の範囲内に操作体Bが存在するコンテンツの投影像をアクティブ化し(ステップS48)、処理を後述するステップS61に移す。このコンテンツの投影像のアクティブ化は、複数のコンテンツの投影像がオーバーラップして投影されている場合に、前面側に投影されているコンテンツの投影像によって一部が覆われて背後に位置していると視認されるコンテンツの投影像を最前面に位置するように投影し直すと共に、その最前面に位置するように投影されたコンテンツの投影像に対して操作を受け付けることができる状態にすること、すなわち、そのコンテンツを操作の対象とすることをいう。
【0155】
複数のコンテンツの投影像がオーバーラップして投影されている場合には、背後に位置していると視認されるコンテンツの投影像は、前面に投影されているコンテンツの投影像によって覆われている領域と覆われずに視認可能に投影されている領域との双方の領域が存在する。このような場合に、背後に位置していると視認されるコンテンツの投影像をアクティブ化するためには、前面に投影されているコンテンツの投影像によって覆われずに視認可能に投影されている領域を指し示すことによって、アクティブ化することができる。具体的には、操作体Bの位置が、覆われずに視認可能に投影されている領域に含まれているか否かを判断し、含まれていると判別したときに、その背後に位置していると視認されるコンテンツの投影像をアクティブ化する。このように、前面に投影されているコンテンツの投影像によって一部が覆われているコンテンツの投影像に対して、何らかの操作をするためには、先ず、アクティブ化する必要がある。
【0156】
上述したステップS46の判断処理で、操作体Bが1つのみ存在し、その操作体Bが移動していると判別したとき(NO)には、操作体Bが、机12の周辺領域14よりも更に外側の領域に移動したか否かを判断する(ステップS50)。操作体Bが、机12の周辺領域14よりも更に外側の領域に移動したと判別したとき(YES)には、操作体Bが指し示すコンテンツの投影像の投影を中止し(ステップS51)、本サブルーチンを終了する。コンテンツの投影像の投影を中止することによって、そのコンテンツの投影像を消去したかのように視認することができる。また、この机12の周辺領域14よりも更に外側の領域に操作体Bが移動する態様とは、操作者の指や支持棒などによって、操作者があるコンテンツの投影像を周辺領域14よりも更に外側の領域までドラッグする動作に対応した態様である。なお、このステップS51の処理は、そのコンテンツの投影像が消去されたかのように視認させるためのものであり、コンテンツのデータそのものを消去する操作とは異なる。また、コンテンツの投影像の全てを消去するのではなく、縮小して表示、いわゆるサムネール表示にしたり、いわゆるツールバーのような表示をするようにしてもよい。このようにすることで、必要が生じたときに直ちに表示を復活させることができる。
【0157】
上述したステップS50の判断処理で、操作体Bが、机12の周辺領域14よりも更に外側の領域に移動していないと判別したとき(NO)には、操作体Bが、本体100側に移動したか否かを判断する(ステップS52)。この操作体Bが本体100側に移動する態様は、操作者の指や支持棒などによって、操作者があるコンテンツの投影像を本体100に向かってドラッグする動作に対応した態様である。操作体Bが、本体100側に移動したと判別したとき(YES)には、コンテンツのデータを保存し(ステップS53)、本サブルーチンを終了する。コンテンツのデータは、操作者が保有するものであり、そのコンテンツのデータを、被提示者が所持する記憶手段、例えば、USBメモリ等の記憶手段にコピーする操作であり、コンテンツのデータそのものに対する操作である。
【0158】
上述したステップS52の判断処理で、操作体Bが、本体100側に移動していないと判別したとき(NO)には、操作体Bの移動方向に投影像を移動させる態様で表示し(ステップS54)、本サブルーチンを終了する。
【0159】
上述したステップS41の判断処理で、操作体Bが存在しないと判別したとき(NO)には、操作体Bが、直前に存在したか否かを判断する(ステップS55)。このステップS55の判断は、上述したフラグxF_det_extの値で判断することができる。操作体Bが直前に存在していたと判別したとき(YES)には、後述するステップS61に処理を移す。
【0160】
一方、操作体Bが直前に存在していたと判別したとき(NO)、すなわち、フラグF_det_ext=0であっても、フラグxF_det_ext=1であると判別したときには、被提示体Pが存在するか否かを判断する(ステップS56)。被提示体Pが存在すると判別したとき(YES)には、後述するステップS61に処理を移す。これに対して、被提示体Pが存在しないと判別したとき(NO)には、周回するように移動する態様で投影されているコンテンツの投影像の範囲内に、被提示体Pが存在するか否かを判断する(ステップS57)。この判断は、上述したステップS42の判断処理と同様の判断をすることによって行うことができる。
【0161】
ステップS57の判断処理で、周回するように移動する態様で投影されているコンテンツの投影像の範囲内に、被提示体Pが存在すると判別したとき(YES)には、上述したステップS43に処理を移す。一方、被提示体Pが存在しないと判別したとき(NO)には、直ちに本サブルーチンを終了する。
【0162】
上述したステップS48の処理を実行したとき、ステップS55の判断処理で、操作体Bが直前に存在していたと判別したとき、又はステップS56の判断処理で、被提示体Pが存在すると判別したときには、図8に示すステップS61に処理を移す。
【0163】
まず、操作体Bの数が1であるか否かを判断する(ステップS61)。この操作体Bの数は、上述した図6のステップS30の処理で、記憶された操作体Bの今回位置(xp1,yp1)として記憶された被検出体Dの位置(x1、y1)の数を計数することで得ることができる。ステップS61の判断処理で、操作体Bの数が1であると判別したとき(YES)には、操作体Bが移動しながら机12を離れるときに最後に検出できた速度(以下、終速と称する。)が0であるか否かを判断する(ステップS62)。この終速は、上述したステップS27の判断処理を行うとき、操作体Bの速度も算出することで得ることができる。
【0164】
ステップS62の判断処理で、操作体Bの終速が0であると判別したとき(YES)には、操作体Bの移動に応じてコンテンツの投影像を移動させて停止させる態様で投影し(ステップS63)、本サブルーチンを終了する。この操作体Bの移動に応じてコンテンツの投影像を移動させて停止させる態様は、操作者の指や支持棒などによって、操作者があるコンテンツの投影像を所望する位置までドラッグする動作に対応した態様であり、紙媒体の資料の位置を机で少しずらす態様に対応する。
【0165】
上述したステップ62の判断処理で、操作体Bの終速が0でないと判別したとき(YES)には、操作体Bが、本体100に近づく移動をしているか否かを判断する(ステップS64)。操作体Bが、本体100に近づく移動をする態様は、操作者の指や支持棒などによって、操作者があるコンテンツの投影像を、本体100に近づけつつドラッグさせた後、はじいたり飛ばしたりするような動作に対応した態様であり、紙媒体の資料を本体100に近づけつつ机で摺動させてはじき飛ばす態様に対応する。
【0166】
ステップS64の判断処理で、操作体Bが、本体100に近づく移動をしていると判別したとき(YES)には、コンテンツの投影像を縮小させて移動させる態様で投影する(ステップS65)。この態様は、コンテンツの投影像を縮小してから移動させる態様や、コンテンツの投影像を移動させてから縮小する態様や、コンテンツの投影像を縮小しつつ移動させる態様のほか、これらを組み合わせた態様が含まれる。なお、このステップS65の処理によって、移動する態様で投影されたコンテンツ投影像は、上述した図7のステップS42及びS43の処理によって、被提示体Pの位置において停止する態様で投影される。
【0167】
上述したステップS64の判断処理で、操作体Bが、本体100に近づく移動をしていないと判別したとき(NO)には、操作体Bが、本体100から遠ざかる移動をしているか否かを判断する(ステップS66)。操作体Bが、本体100から遠ざかる移動をする態様は、操作者の指や支持棒などによって、操作者があるコンテンツの投影像を、本体100から遠ざけつつドラッグさせた後、はじいたり飛ばしたりするような動作に対応した態様であり、紙媒体の資料を本体100から遠ざけつつ机で摺動させてはじき飛ばす態様に対応する。
【0168】
ステップS66の判断処理で、操作体Bが、本体100から遠ざかる移動をしていると判別したとき(YES)には、コンテンツの投影像を拡大させて移動させる態様で投影する(ステップS67)。この態様は、コンテンツの投影像を拡大してから移動させる態様や、コンテンツの投影像を移動させてから拡大する態様や、コンテンツの投影像を拡大しつつ移動させる態様のほか、これらを組み合わせた態様が含まれる。なお、このステップS67の処理によって、移動する態様で投影されたコンテンツ投影像も、上述した図7のステップS42及びS43の処理によって、被提示体Pの位置において停止する態様で投影される。
【0169】
上述したステップS66の判断処理で、本体100から遠ざかる移動をしていないと判別したとき(NO)には、被提示体Pの1つに向かって、机12の周辺領域14で周回するように移動する態様でコンテンツの投影像を投影し(ステップS68)、本サブルーチンを終了する。この態様は、コンテンツの投影像を拡大も縮小もすることなく等倍のままで、コンテンツの投影像を机12の周辺領域14で周回するように移動する態様で投影する態様である。すなわち、操作体Bが、本体100に近づきも、本体100から遠ざかりもせずに移動するときには、等倍のまま、コンテンツの投影像を移動させる態様で投影する。この態様は、操作者の指や支持棒などによって、操作者があるコンテンツの投影像を、ドラッグさせた後、はじいたり飛ばしたりするような動作に対応した態様であり、紙媒体の資料を机で摺動させてはじき飛ばす態様に対応する。このステップS68の処理は、被提示体Pが示す被提示者の1人に対して、コンテンツを提示するために、コンテンツの投影像を移動させるものである。なお、このステップS68の処理によって、移動する態様で投影されたコンテンツ投影像も、上述した図7のステップS42及びS43の処理によって、被提示体Pの位置において停止する態様で投影される。
【0170】
上述したステップS61の判断処理で、操作体Bの数が1でないと判別したとき(NO)には、被提示体Pの数が2であるか否かを判断する(ステップS69)。操作体Bの数が2であると判別したとき(YES)には、これらの2つの操作体Bの間隔が徐々に広がりつつあるか否かを判断する(ステップS70)。この判断は、図6のステップS30の処理で記憶された被検出体Dの位置(x1、y1)を読み出すことによって行うことができる。
【0171】
ステップS70の判断処理で、2つの操作体Bの間隔が徐々に広がりつつあると判別したとき(YES)には、コンテンツの投影像を拡大させて移動させる態様で投影し(ステップS71)、本サブルーチンを終了する。この処理は、上述したステップS67の処理と同様のものを行う。
【0172】
ステップS70の判断処理で、2つの操作体Bの間隔が徐々に広がっていないと判別したとき(NO)には、2つの操作体Bの間隔が徐々に狭まりつつあるか否かを判断する(ステップS72)。この判断も、図6のステップS30の処理で記憶された被検出体Dの位置(x1、y1)を読み出すことによって行うことができる。
【0173】
ステップS72の判断処理で、2つの操作体Bの間隔が徐々に狭まっていないと判別したとき(NO)には、被提示体Pの2つに向かって、机12を周回して移動する態様でコンテンツの投影像を投影して、カウンタC_Pの値を2に設定し(ステップS73)、本サブルーチンを終了する。この態様は、上述したステップS68の処理と同様に、コンテンツの投影像を拡大も縮小もすることなく等倍のままで、机12を周回して移動する態様でコンテンツの投影像を投影する態様である。このステップS73の処理は、被提示体Pが示す被提示者の2人に対して、コンテンツを提示するために、コンテンツの投影像を移動させるものである。なお、このステップS73の処理によって、移動する態様で投影されたコンテンツの投影像も、上述した図7のステップS42及びS43の処理によって、被提示体Pの位置において停止する態様で投影される。このとき、被提示体Pが投影像に含まれるたびに、コンテンツの投影像を周回させて移動させる態様で表示を停止し、カウンタC_Pの値を1だけ減算する。この減算の結果、カウンタC_Pの値が0でない場合には、コンテンツの投影像のコピーを再び作成して、コンテンツの投影像を周回させて移動させる態様の表示をする。このようにすることで、カウンタC_Pで設定された数だけコンテンツを配布することができる。一方、減算の結果、カウンタC_P=0になったときには、コンテンツの投影像をコピーして、その投影像を周回させて移動させる態様の表示の処理を終了させる。
【0174】
ステップS72の判断処理で、2つの操作体Bの間隔が徐々に狭まっていないと判別したとき(NO)には、操作体Bの終速が0であるか否かを判断する(ステップS74)。この判断は、上述したステップS62と同様の判断である。
【0175】
ステップS74の判断処理で、操作体Bの終速が0であると判別したとき(NO)には、コンテンツの投影像を縮小させて移動させる態様で投影し(ステップS75)、本サブルーチンを終了する。この処理は、上述したステップS65の処理と同様のものを行う。
【0176】
一方、ステップS74の判断処理で、操作体Bの終速が0でないと判別したとき(YES)には、コンテンツのデータを保存する(ステップS76)。この処理は、上述したステップS53の処理と同様のものを行う。
【0177】
上述したステップS69の処理で、操作体Bの数が2でないと判別したとき(NO)には、操作体Bの数が3であるか否かを判断する(ステップS77)。操作体Bの数が3であると判別した(YES)ときには、被提示体Pの3つに向かって、机12の周辺領域14で周回するように移動する態様でコンテンツの投影像を投影して、カウンタC_Pの値を3に設定し(ステップS78)、本サブルーチンを終了する。この態様は、上述したステップS68の処理と同様に、コンテンツの投影像を拡大も縮小もすることなく等倍のままで、机12を周回するように移動する態様でコンテンツの投影像を投影する態様である。このステップS78の処理は、被提示体Pが示す被提示者の3人に対して、コンテンツを提示するために、コンテンツの投影像を移動させるものである。なお、このステップS78の処理によって、移動する態様で投影されたコンテンツ投影像も、上述した図7のステップS42及びS43の処理によって、被提示体Pの位置において停止する態様で投影される。
【0178】
また、上述したステップS78の処理の後、ステップS73の処理と同様に、被提示体Pが投影像に含まれるたびに、コンテンツの投影像を周回させて移動させる態様の表示を停止し、カウンタC_Pの値を1だけ減算する。この減算の結果、カウンタC_Pの値が0でない場合には、コンテンツの投影像のコピーを再び作成して、コンテンツの投影像を周回させて移動させる態様の表示をする。このようにすることで、カウンタC_Pで設定された数だけコンテンツを配布することができる。一方、減算の結果、カウンタC_P=0になったときには、コンテンツの投影像をコピーして、その投影像を周回させて移動させる態様の表示の処理を終了させる。
【0179】
一方、ステップS77の判断処理で、操作体Bの数が3でないと判別したとき(NO)には、操作体Bの数が4以上であるときの処理を実行し(ステップS79)、本サブルーチンを終了する。
【0180】
<<<ジェスチャーの具体例>>>
図9〜図11は、操作体Bの動作、すなわち、ジェスチャーの具体例を示す図である。なお、図9〜図11は、いずれも、コンテンツの投影像が机12の周辺領域14に投影されているときの状態を示す。
【0181】
<アクティブ化>
図9(a)は、投影されているコンテンツの投影像をアクティブ化する態様の具体例を示す図である。なお、図9(a)では、机12や机12の周辺領域14を省略して示した。
【0182】
図9(a)の左側の図に示すように、コンテンツC1、C2、C3の投影像がオーバーラップして投影されている。このとき、コンテンツC3の投影像は、コンテンツC1及びC2の投影像によって一部が覆われて、コンテンツC1及びC2の投影像の背後に位置していると視認されるように投影されている。このように、コンテンツC3の投影像が背後に位置しているときには、コンテンツC3やコンテンツC3の投影像に対する操作が困難になる場合がある。このため、コンテンツの提示者やプレゼンテーションの発表者である操作者は、まず、コンテンツC3をアクティブ化する必要がある。
【0183】
コンテンツC3の投影像は、図9(a)の左側の図のように、前面側に投影されているコンテンツC1及びC2の投影像によって覆われている領域と、覆われずに視認可能に投影されている領域との双方の領域が存在する。操作者は、図9(a)の右側の図に示すように、コンテンツC1及びC2の投影像によって覆われずに視認可能に投影されている領域を、操作者の指などの操作体Bにより指定することによって、コンテンツC3をアクティブ化することができる。
【0184】
アクティブ化は、以下のように処理することに行うことができる。
【0185】
まず、操作体Bを検出して操作体Bの位置を得る。次に、コンテンツC3の投影像のうち、コンテンツC1及びC2の投影像によって覆われずに視認可能に投影されている領域を得る。このコンテンツC1及びC2の投影像によって覆われずに視認可能に投影されている領域が、操作体Bが存在するか否かを判断して、その領域に操作体Bが存在すると判別した場合には、コンテンツC3の投影像を最前面に位置するように投影すると共に、コンテンツC3やコンテンツC3の投影像に対する操作を受け付けることができるようにすることで処理することができる。このコンテンツのアクティブ化は、上述した図7のステップS48の処理によって実行される。
【0186】
このようなコンテンツのアクティブ化は、いわゆるグラフィカルユーザインターフェースを採用したコンピュータシステムにおいて、複数のウインドウが表示されているときに、そのうちの1つのウインドウを指定するのと同様の操作で行うことができる。このため、コンテンツの提示者やプレゼンテーションの発表者である操作者に、負担をかけたり違和感を感じさせたりすることなく、プロジェクタ10を操作することができ、プロジェクタの操作に気を取られたり神経を配る必要がなくなるので、プレゼンテーションに集中することができる。
【0187】
<移動>
図9(b)は、コンテンツの投影像を移動する態様の具体例を示す図である。なお、図9(b)では、机12や、机12の周辺領域14を省略して示した。
【0188】
コンテンツの提示者やプレゼンテーションの発表者である操作者は、図9(b)に示すように、机12の周辺領域14の所定の位置(元の位置)に投影されているコンテンツC1の投影像(破線で示した四角)の領域に含まれる任意の箇所を、操作者の指などの操作体Bによって指定し、操作体Bを所望する位置(移動先の位置)まで移動させて停止させる。このようにすることで、移動先の位置にコンテンツC1の投影像を投影することができる(実線で示した投影像)。
【0189】
上述したように、この操作の場合には、操作者は、操作体Bを移動先の位置まで移動させて停止させる。このように、操作体Bは、操作者によって停止されるので、操作体Bの速度がゼロになることを検出すればよい。具体的には、操作体Bを検出できる期間にわたって、操作体Bの今回位置(xp1,yp1)の変化から操作体Bの速度を算出し、操作体Bの速度がゼロになったか否かを判断すればよい。操作体Bの速度がゼロになったと判別したときに、このコンテンツの投影像を移動する処理を実行すればよい。このコンテンツの投影像の移動は、上述した図8のステップS62及びS63の処理によって実行される。なお、コンテンツの投影像の速度がゼロでない場合には、後述する周回移動の態様を実行する。
【0190】
このようなコンテンツの投影像の移動は、いわゆるグラフィカルユーザインターフェースを採用したコンピュータシステムにおいて、表示されているウインドウをドラッグによって移動させる操作や、図面作成アプリケーションソフトウエアにおいて指定した図形をドラッグによって移動させる操作と同様の操作で行うことができる。このため、コンテンツの提示者やプレゼンテーションの発表者である操作者に、負担をかけたり違和感を感じさせたりすることなく、プロジェクタ10を操作することができ、プロジェクタ10の操作に気を取られたり神経を配る必要がなくなるので、プレゼンテーションに集中することができる。また、紙媒体の資料の取り扱いにおいては、机などにおいた資料を若干ずらして移動させるような場合がある。上述したコンテンツの投影像の移動は、この紙媒体の資料の移動と同様の感覚で行うことができるので、このような観点からも操作者に負担をかけたり違和感を感じさせたりすることなく、プレゼンテーションを進めることができる。
【0191】
<コピーして移動>
図9(c)は、ある1つのコンテンツを2つの投影像にして、その一方を被提示者に提示するために移動させる態様の具体例を示す図である。この図9(c)は、コンテンツの提示者やプレゼンテーションの発表者である操作者X(白い丸で示した。)と、その対面にコンテンツの被提示者Y(白い丸で示した。)とが丸い机12を挟んで位置している状態を示す。机12の略中央には、プロジェクタ10が載置されている。コンテンツの提示者Xの前には、机12に1つのコンテンツC1の投影像が予め投影されている。
【0192】
コンテンツの提示者Xは、コンテンツの提示者Xの指などの2つの操作体B1及びB2を用いて、例えば、コンテンツの提示者Xの右手の人差し指B1と、コンテンツの提示者Xの左手の人差し指B2とを用いて、コンテンツC1の投影像をコピーして、コンテンツC2の投影像を生成する。具体的には、まず、操作者は、2つの操作体B1及びB2の双方を、コンテンツC1の投影像の領域(実線で示した白い四角)に存在するように位置づける。次いで、一方の操作体B1を静止させたまま、黒い矢印で示すように、他方の操作体B2を移動させる。このような操作をすることによって、コンテンツC1と同じ内容のコンテンツC2の投影像をコピーするようにして投影することができる。この後、操作者が、他方の操作体B2をさらに移動させることによって、コンテンツC2の投影像を被提示者Yの前方まで移動させて、コンテンツC2’の投影像(実線で示した白い四角)として提示することができる。このとき、コピーして生成されたコンテンツC2の投影像は、白抜きの矢印で示すように、プロジェクタ10を周回するように、机12の周辺領域14を移動する態様で投影される。このプロジェクタ10を周回するように移動する態様については後述する。このコンテンツのコピー及び移動は、上述した図7のステップS46及びS47の処理によって実行される。
【0193】
このようなコンテンツのコピー及び移動は、紙媒体の資料を配付するような感覚、すなわち、重ねられている紙媒体の資料の一部をずらし、そのずらした資料を被提示者に配付するのと類似した感覚で行うことができる。このように、紙媒体の資料と類似した動作でコンテンツの投影像を被提示者に提示することができるので、コンテンツの提示者やプレゼンテーションの発表者である操作者に、負担をかけたり違和感を感じさせたりすることなく、プロジェクタ10を操作することができ、プロジェクタの操作に気を取られたり神経を配ったりする必要なくプレゼンテーションを円滑に進めることができる。
【0194】
<周回移動>
図10(a)は、机12上のプロジェクタ10を周回するように、コンテンツの投影像を移動させる態様で投影する具体例を示す図である。
【0195】
図10(a)に示すように、コンテンツの提示者やプレゼンテーションの発表者である操作者は、まず、コンテンツC1の投影像(破線で示した四角)が投影されているときに、操作者の左手の人差し指などの操作体Bによって、コンテンツC1の投影像を指定する。次に、操作者は、操作体Bを移動させ、操作体Bを移動させつつコンテンツC1の投影像から操作体Bを離す。例えば、操作者が、左手の人差し指を移動させつつすばやく机12から離すような場合や、左手の人差し指を弾くように動かすような場合がある。操作者が、このような動作をしたときには、操作体Bの存在を検出できる期間にわたって操作体Bの速度がゼロになることがない。したがって、操作体Bが存在する期間において最後に算出できた操作体Bの速度がゼロでないと判別することによって、プロジェクタ10を周回するようにコンテンツの投影像を移動させる態様で投影することができる。さらに、コンテンツの投影像を周回するように移動させた後には、コンテンツの投影像が被検出体Pの位置に至るまで、白抜きの矢印で示すように、机12の周辺領域14で、プロジェクタ10を周回するように、コンテンツC1の投影像を移動する態様で投影する。このプロジェクタ10を周回するようにコンテンツの投影像を移動させる態様は、上述した図7のステップS42及びS43の処理によって実行される。
【0196】
このようにすることで、紙媒体の資料を机の上で滑るように移動させて資料を配付するような感覚と類似した感覚で行うことができる。このように、紙媒体の資料の配付と類似した動作でコンテンツの投影像を被提示者に提示することができるので、コンテンツの提示者やプレゼンテーションの発表者である操作者に、負担をかけたり違和感を感じさせたりすることなく、プロジェクタ10を操作することができ、プロジェクタの操作に気を取られたり神経を配ったりする必要なくプレゼンテーションを円滑に進めることができる。
【0197】
<拡大移動・縮小移動1>
図10(b)は、コンテンツの投影像を縮小して移動させる態様で投影する具体例を示す図であり、図10(c)は、コンテンツの投影像を拡大して移動させる態様で投影する具体例を示す図である。
【0198】
図10(b)に示すように、コンテンツの提示者やプレゼンテーションの発表者である操作者Xは、まず、コンテンツC1の投影像(破線で示した四角)が投影されているときに、操作者Xの左手の人差し指などの操作体Bによって、コンテンツC1の投影像を指定する。次に、操作者Xは、図9(b)の黒い矢印で示すように、プロジェクタ10に少しずつ近づくように机12の中央に向かって、操作体Bを移動させ、操作体Bを移動させつつコンテンツC1の投影像から操作体Bを離す。この操作体Bを移動させつつコンテンツC1の投影像から操作体Bを離す動作は、上述した周回移動の同様である。したがって、操作体Bが存在する期間において最後に算出できた操作体Bの速度がゼロでないと判別することによって、処理をすることができる。さらに、この縮小移動の場合には、机12における操作体Bの位置も検出して、操作体Bがプロジェクタ10に近づくように移動していることも判別する。コンテンツC1の投影像を移動させた後、白抜きの矢印で示すように、コンテンツの投影像を縮小して、プロジェクタ10を周回するように、コンテンツC1の投影像を移動する態様で投影する。この場合に、コンテンツC1の投影像を縮小してから移動させる態様や、コンテンツC1の投影像を移動させてから縮小する態様や、コンテンツC1の投影像を縮小しつつ移動させる態様のほか、これらを組み合わせた態様が含まれる。このコンテンツC1の投影像を縮小してコンテンツの投影像を移動させる態様は、上述した図8のステップS64及びS65の処理によって実行される。
【0199】
図10(c)に示すように、コンテンツの提示者やプレゼンテーションの発表者である操作者Xは、まず、コンテンツC1の投影像(破線で示した四角)が投影されているときに、操作者Xの左手の人差し指などの操作体Bによって、コンテンツC1の投影像を指定する。次に、操作者Xは、図10(c)の黒い矢印で示すように、プロジェクタ10から少しずつ遠ざかるように机12の縁に向かって、操作体Bを移動させ、操作体Bを移動させつつコンテンツC1の投影像から操作体Bを離す。この操作体Bを移動させつつコンテンツC1の投影像から操作体Bを離す動作は、上述した周回移動の同様である。したがって、操作体Bが存在する期間において最後に算出できた操作体Bの速度がゼロでないと判別することによって、処理をすることができる。さらに、この拡大移動の場合には、机12における操作体Bの位置も検出して、操作体Bがプロジェクタ10から遠ざかるように移動していることも判別する。コンテンツC1の投影像を移動させた後、白抜きの矢印で示すように、コンテンツの投影像を拡大して、プロジェクタ10を周回するように、コンテンツC1の投影像を移動する態様で投影する。この場合に、コンテンツC1の投影像を拡大してから移動させる態様や、コンテンツC1の投影像を移動させてから拡大する態様や、コンテンツC1の投影像を拡大しつつ移動させる態様のほか、これらを組み合わせた態様が含まれる。このコンテンツC1の投影像を拡大してコンテンツC1の投影像を移動させる態様は、上述した図8のステップS66及びS67の処理によって実行される。
【0200】
このように、コンテンツの投影像に対する動作のみで、コンテンツの投影像を縮小したり拡大したりする態様で、コンテンツの投影像を投影することができるので、コンテンツの提示者やプレゼンテーションの発表者である操作者に、負担をかけたりすることなく、プロジェクタ10を操作することができ、プロジェクタの操作に気を取られたり神経を配ったりする必要なくプレゼンテーションを円滑に進めることができる。
【0201】
<拡大移動・縮小移動2>
図11(a)は、コンテンツの投影像を縮小して移動させる態様で投影する具体例を示す図であり、図11(b)は、コンテンツの投影像を拡大して移動させる態様で投影する具体例を示す図である。
【0202】
図11(a)に示すように、コンテンツの提示者やプレゼンテーションの発表者である操作者Xは、まず、コンテンツC1の投影像(破線で示した四角)が投影されているときに、操作者Xの右手の親指及び人差し指などの2つの操作体Bによって、コンテンツC1の投影像を指定する。次に、操作者Xは、図11(a)の2つの白抜きの小さい矢印で示すように、2つの操作体Bを互いに近づけるように移動させる。このとき、2つの操作体Bの双方の速度の平均がゼロにならないように、すなわち、左方向の終速が残るように2つの操作体Bを移動させる。この動作によって、コンテンツC1の投影像を縮小して周回させる態様で投影する。したがって、この縮小移動の場合には、2つの操作体Bの位置を検出して、これらが互いに離れることと、操作体Bが存在する期間において2つの操作体Bの速度がゼロにならないこととを判別することによって、処理をすることができる。
さらに、コンテンツの投影像を縮小した後、白抜きの大きい矢印で示すように、プロジェクタ10を周回するように、縮小したコンテンツC1の投影像を移動する態様で投影する。このコンテンツの投影像を縮小してコンテンツの投影像を移動させる態様は、上述した図8のステップS74及びS75の処理によって実行される。
【0203】
このように、コンテンツの投影像に対する動作のみによって、コンテンツの投影像を縮小したり拡大したりする態様でコンテンツの投影像を投影することができるので、コンテンツの提示者やプレゼンテーションの発表者である操作者に、負担をかけたりすることなく、プロジェクタ10を操作することができ、プレゼンテーションを円滑に進めることができる。
【0204】
<コンテンツのデータの保存1>
図11(c)は、コンテンツのデータを保存するための動作の具体例を示す図である。
【0205】
図11(c)に示すように、コンテンツの提示者やプレゼンテーションの発表者である操作者Xは、まず、机12の周辺領域14に投影されているコンテンツC1の投影像(破線で示した四角)の領域に含まれる任意の箇所を、操作者Xの指などの操作体Bによって指定する。次いで、操作体Bをプロジェクタ10に向かって移動させ、操作体Bを移動させつつコンテンツC1の投影像から操作体Bを離す。例えば、操作者Xが、左手の人差し指を移動させつつすばやく机12から離すような場合や、左手の人差し指を弾くように動かすような場合がある。操作者Xが、このような動作をしたときには、操作体Bの存在を検出できる期間にわたって操作体Bの速度がゼロになることがない。したがって、操作体Bが存在する期間において最後に算出できた操作体Bの速度がゼロでないと判別することによって、プロジェクタ10向かってコンテンツの投影像を移動させる態様で投影することができる。
【0206】
操作者Xがこのような動作をしたときには、制御装置160は、投影されているコンテンツC1のデータを被提示者Yの記憶手段、例えば、USBメモリ等の記憶手段にコピーする。したがって、この動作をする前提として、制御装置160には、被提示者が所持するUSBメモリ等の記憶手段が電気的に接続されている必要がある。このような処理は、上述した図7のステップS52及びS53の処理によって実行される。
【0207】
このように、コンテンツの投影像に対する動作のみによって、コンテンツのデータに対する操作もすることができるので、コンテンツの提示者やプレゼンテーションの発表者である操作者に、負担をかけたりすることなく、プロジェクタ10を操作することができ、プレゼンテーションを円滑に進めることができる。
【0208】
<コンテンツのデータの保存2>
図11(d)は、コンテンツのデータを保存するための動作の具体例を示す図である。なお、図11(d)では、机12や机12の周辺領域14を省略して示した。
【0209】
コンテンツの提示者やプレゼンテーションの発表者である操作者Xは、まず、机12の周辺領域14に投影されているコンテンツC1の投影像(破線で示した四角)の領域に含まれる任意の箇所を、操作者Xの2本の指などの2つの操作体Bによって指定する。例えば、操作者Xの親指と人差し指とによって、コンテンツC1の投影像を指定する。次いで、2つの操作体Bを互いに近づけると共に、机12の上方に向かって移動させ、2つの操作体Bを移動させつつコンテンツC1の投影像から2つの操作体Bを離す。例えば、操作者Xが、親指と人差し指とを近づく方向で移動させつつすばやく机12から離すような場合、すなわち、親指と人差し指とでつまむような動作の場合がある。操作者Xが、このような動作をしたときには、2つの操作体Bの存在を検出できる期間にわたって2つの操作体Bの速度の平均がゼロになることがない。したがって、2つの操作体Bが存在する期間において最後に算出できた2つの操作体Bの速度の平均がゼロであると判別することによって、コンテンツを保存することができる。
【0210】
操作者Xがこのような動作をしたときにも、制御装置160は、投影されているコンテンツC1のデータを被提示者Yの記憶手段、例えば、USBメモリ等の記憶手段にコピーする。したがって、この動作をする前提として、制御装置160には、被提示者が所持するUSBメモリ等の記憶手段が電気的に接続されている必要がある。このような処理は、上述した図7のステップS74及びS76の処理によって実行される。
【0211】
このように、コンテンツの投影像に対する動作のみによって、コンテンツのデータに対する操作もすることができるので、コンテンツの提示者やプレゼンテーションの発表者である操作者に、負担をかけたりすることなく、プロジェクタを操作することができ、プレゼンテーションを円滑に進めることができる。
【0212】
以上のようにすることで、プロジェクタに直接触れることなく、また、リモコン等の付加的な装置を用いることもなく、プロジェクタを操作することができるので、プロジェクタに手を伸ばすことなく、プレゼンテーションを行うことができる。
【0213】
また、プロジェクタを載置する机が大きいような場合であっても、プロジェクタから離隔した位置で操作することができるので、プレゼンテーションを円滑に進めることができる。
【0214】
さらに、紙媒体の資料を取り扱うときと同様の感覚でプロジェクタを操作することができる。すなわち、紙媒体の資料は、机に載せて読んだり見たりするものであり、本発明によるプロジェクタは、コンテンツの投影面を机にできるので、紙媒体の資料を机に載せて読んだり見たりするのと同様の感覚で、コンテンツの投影像を見ることができる。
【0215】
また、上述したように、本発明によるプロジェクタは、机の直上や机の近傍の動作を検出する。このようにすることで、紙媒体の資料を配ったり位置をずらしたりするのと同様の動作で、机に投影されているコンテンツの投影像に対して操作することができる。
【0216】
さらに、近年、普及してきているコンピュータ、特に、いわゆるグラフィカルユーザインターフェースを採用したコンピュータに対する動作と同様の操作で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0217】
【図1】本発明の第1の実施の形態のプロジェクタ10の概略を示す斜視図である。
【図2】プロジェクタ10の構成を示す断面図である。
【図3】赤外線発生装置141が位置する箇所で、本体100を水平な面で切断した断面図(a)と、被検出体検出装置150が位置する箇所で、本体100を水平面で切断した断面図(b)とである。
【図4】制御装置160の機能の概略を示すブロック図である。
【図5】プロジェクタ10のメインの処理を制御するプログラムを示すフローチャートである。
【図6】被検出体を検出する処理を実行するプログラムを示すフローチャートである。
【図7】コンテンツ操作の対応処理を実行するプログラムを示すフローチャートである。
【図8】図7に示したコンテンツ操作の対応処理の続きの処理を実行するプログラムを示すフローチャートである。
【図9】コンテンツをアクティブ化する態様(a)、コンテンツを移動の態様(b)、コンテンツを複写する態様(c)の具体例を示す図である。
【図10】コンテンツを停止させる態様(a)、コンテンツを縮小する態様(b)、コンテンツを拡大する態様(c)の具体例を示す図である。
【図11】コンテンツを縮小する態様(a)、コンテンツを拡大する態様(b)、コンテンツのデータを保存する態様(c)の具体例を示す図である。
【符号の説明】
【0218】
10 プロジェクタ
12 机(設置台)
100 本体
110 照明光学系(投影手段)
130 結像光学系(投影手段)
140 検出装置(検出手段)
141 赤外線発生装置(伝播波発生手段)
150 被検出体検出装置(反射波散乱波検出手段)
160 制御装置(投影制御手段、検出判別手段)
B 操作体
D 被検出体
P 被提示体
X 操作者
Y 被提示者

【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置台に設置され、かつ、光源から発せられた光によって、少なくとも1つのコンテンツの画像を投影するプロジェクタであって、
前記設置台上を投影面にして、プロジェクタ本体を周回するように、前記少なくとも1つのコンテンツの画像を投影する投影手段と、
前記少なくとも1つのコンテンツの画像のうち所定のコンテンツの画像の表示態様と、前記所定のコンテンツの処理態様と、の少なくとも一方を、操作者の動作に基づいて決定し、前記所定のコンテンツの画像を前記投影手段によって投影させる投影制御手段と、を含むことを特徴とするプロジェクタ。
【請求項2】
前記プロジェクタ本体には、前記投影手段と前記統制制御手段とが収められ、
前記投影制御手段は、前記所定のコンテンツの画像を、操作者の動作に基づいて、前記プロジェクタ本体を周回するように前記投影面上を移動させる態様で投影する請求項1に記載のプロジェクタ。
【請求項3】
前記操作者の動作に基づいて動く操作体を含む被検出体を検出する検出手段を有し、
前記操作体は、前記投影面の近傍に位置し、
前記投影制御手段は、前記操作体の動作態様に基づいて、前記表示態様と前記処理態様との少なくとも一方を決定して、前記所定のコンテンツの画像を投影する請求項1に記載のプロジェクタ。
【請求項4】
前記投影制御手段は、前記検出手段が検出した前記操作体の数と動作態様とに基づいて、前記表示態様と前記処理態様との少なくとも一方を決定して、前記所定のコンテンツの画像を投影する請求項3に記載のプロジェクタ。
【請求項5】
前記投影制御手段は、前記検出手段が検出した前記操作体の数と動作態様とに応じて、前記所定のコンテンツの移動先を決定する請求項3又は4に記載のプロジェクタ。
【請求項6】
前記検出手段が検出した前記操作体の位置が、前記所定のコンテンツが視認可能に投影されている領域に含まれているときに、前記投影制御手段は、前記所定のコンテンツに対して操作者からの動作を受け付ける状態にする請求項3に記載のプロジェクタ。
【請求項7】
前記検出手段が検出した前記操作体の数が、少なくとも2つ以上あり、
前記投影制御手段は、一の操作体が一定の位置にあり、かつ、前記一の操作体と異なる他の操作体が移動するときに、前記所定のコンテンツの画像を少なくとも2つ以上投影し、投影された2つ以上の画像のうち少なくとも1つを移動させる態様で投影する請求項5に記載のプロジェクタ。
【請求項8】
前記投影制御手段は、前記検出手段が検出した前記操作体の速度に基づいて、前記表示態様と前記処理態様との少なくとも一方を決定して、前記所定のコンテンツの画像を投影する請求項3に記載のプロジェクタ。
【請求項9】
前記プロジェクタ本体には、前記投影手段と前記統制制御手段とが収められ、
前記投影制御手段は、
前記動作態様が、前記プロジェクタ本体に近づいて前記操作体が移動する態様であるときには、前記所定のコンテンツの画像を縮小して投影し、
前記動作態様が、前記プロジェクタ本体から遠ざかって前記操作体が移動する態様であるときには、前記所定のコンテンツの画像を拡大して投影する請求項3に記載のプロジェクタ。
【請求項10】
前記プロジェクタ本体には、前記投影手段と前記統制制御手段とが収められ、
前記検出手段が検出した前記操作体の数が、少なくとも2つ以上あり、
前記投影制御手段は、
前記動作態様が、少なくとも2つの操作体が互いに近づく態様であるときには、前記所定のコンテンツの画像を、縮小させる態様と移動させる態様とを含む態様で投影し、
前記動作態様が、少なくとも2つの操作体が互いに遠ざかる態様であるときには、前記所定のコンテンツの画像を、拡大させる態様と移動させる態様とを含む態様で投影する請求項3に記載のプロジェクタ。
【請求項11】
前記投影制御手段は、前記所定のコンテンツの移動先が、前記周回領域の外側であるときには、前記所定のコンテンツの画像の投影を止める請求項5に記載のプロジェクタ。
【請求項12】
前記被検出体には、前記所定のコンテンツが提示される少なくとも1人の被提示者又は前記被提示者に対応する物体を示す被提示体が含まれ、
前記少なくとも1人の被提示者は、前記投影面の近傍に位置し、
前記検出手段は、前記被提示体を前記被検出体として検出し、
前記投影制御手段は、前記所定のコンテンツの画像を移動させる態様で投影したときに、前記所定のコンテンツの画像が前記被提示体に近づいた場合に、又は前記被提示体の動作態様が所定の態様である場合に、前記所定のコンテンツの画像を停止させて投影する請求項3に記載のプロジェクタ。
【請求項13】
前記投影制御手段は、前記所定のコンテンツの画像を移動させる態様で投影したときに、前記被提示体の位置が、前記所定のコンテンツが投影されている領域に含まれた場合には、前記所定のコンテンツの画像を停止させて投影する請求項12に記載のプロジェクタ。
【請求項14】
前記投影制御手段は、前記被提示体の大きさが所定の大きさより大きいときに、前記所定のコンテンツの画像を停止させて投影する請求項13に記載のプロジェクタ。
【請求項15】
前記投影制御手段は、前記被検出体の動作態様に基づいて、前記所定のコンテンツを記憶させる記憶手段を含む請求項12に記載のプロジェクタ。
【請求項16】
前記プロジェクタ本体には、前記投影手段と前記統制制御手段とが収められ、
前記被検出体の動作態様は、前記被検出体を前記プロジェクタ本体に近づける態様である請求項15に記載のプロジェクタ。
【請求項17】
前記被検出体は、少なくとも2つあり、
前記被検出体の動作態様は、前記検出手段が、少なくとも2つの被検出体を検出している期間に亘って、前記少なくとも2つの被検出体が移動している態様である請求項16に記載のプロジェクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−20564(P2009−20564A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−180685(P2007−180685)
【出願日】平成19年7月10日(2007.7.10)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】