説明

プロスタグラジンのアミノ酸塩

本発明は、プロスタグラジンの新規なアミノ酸塩、並びにその製造方法及び使用方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、同時係属中の米国特許出願第12/260,522号(出願日:2008年10月29日)及び米国特許出願第12/260,534号(出願日:2008年10月29日)による優先権を主張し、それらの全体の内容は、参照により共に本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、プロスタグラジンの新規なアミノ酸塩、並びにその製造方法及び使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
種々のプロスタグラジンは、例えば、緑内障等の眼疾患、皮膚疾患、高血圧等の循環器疾患、胃腸疾患、脱毛、呼吸器疾患、受胎調節、及び骨粗鬆症等の骨疾患を含む病状の治療に有用である。プロスタグラジンF類似体の生物学的効果に関しての情報は、以下の参考文献に開示されている:PCT国際公開公報第WO99/12895、1999;PCT国際公開公報第WO99/12896、1999;PCT国際公開公報第WO99/12898;Abstr. 1999, 194116 “Molecular mechanisms of diverse actions of prostanoid receptors(プロスタノイド受容体の多様な作用の分子機構)”, Biochimica et Biophysica Acta, 1259 (1995) 109-120; 米国特許第3,776,938号(Bergstrom, S., and Sjovall., J,1973年12月4日発行);米国特許第3,882,241号(Pharriss, G., 1975年 5月6日発行);英国特許第1,456,512号(Pfizer Inc., Bundy, G. L., 1976年); Lincoln, F. H., “Synthesis of 17-Phenyl-18,19,20-trinor prostaglandins I(17−フェニル−18,19,20−トリノル−プロスタグラジンの合成I). The PG1 Series”, Prostaglandins Vol. 9 (1975) pp. 1-4.; CRC Handbook of Eicosanoids: Prostaglandins and Related Lipids(プロスタグランジン及び関連脂質) Vol. 1, Chemical and Biochemical Aspects, Parts A & B, A.L. Willis, eds., CRC Press (1987); Liljebris, C; et. al.“Derivatives of 17-Phenyl-18,19,20-trinorprostaglandin F2α lsopropyl Ester(17−フェニル−18,19,20−トリノル−プロスタグラジンF2αイソプロピルエステル): Potential Antiglaucoma Agents(潜在的抗緑内障薬)”, Journal of Medicinal Chemistry Vol. 38, (1995), pp. 289-304; Collins, P.W.; Djuric, S.W. “Synthesis of Therapeutically Useful Prostaglandin and Prostacyclin Analogs(治療上有用なプロスタグランジン及びプロスタシクリン類似体の合成)”, Chemical Reviews 93 (1993), pp. 1533-1564.。
【0004】
PGF2αを含むすべての天然起源のプロスタグランジン及び殆どすべての非天然起源のプロスタグランジンはC位にカルボン酸部分を有する。このカルボン酸部分は、天然起源のプロスタグランジンの迅速代謝に寄与するβ酸化による代謝分解の部位である。当技術分野では、1位のカルボン酸部分を、エステル部分、スルホンアミド部分及びテトラゾールに修飾することによるβ酸化を防ぐ試みが知られている(例えば、PCT国際公開公報第WO99/12895、1999;PCT国際公開公報第WO99/12896、1999;PCT国際公開公報第WO99/12898を参照)。しかしながら、そのような修飾で得られたものは、ほんの僅かな半減期の延長(エステル等)した、あるいは活性の低い化合物であった。
【0005】
自身をヘテロ原子に置き換えたプロスタグランジンF類似体もまた当技術分野において開示されている。例えば、Cにスルホン酸部分を有するPGF類似体(The chemistry of prostaglandins containing the sulfo group(スルホ基を有するプロスタグランジンの化学). Iguchi, Y.; Kori, S.; Hayashi, M. J. Org. Chem., 40, pp. 521-523 1975)、及びCにホスホン酸部分を有するPGF類似体(The Synthesis of dimethylphosphonoprostaglandin analogs(ジメチルホスホノプロスタグランジン類似体), Kluender, H. C. & Woessner, W. Prostaglandins and Medicine, 2: pp.441-444, 1979)が開示されている。しかしながら、このような化合物は大幅に活性が低下している。また一方、活性の高いC位カルボン酸は、ほとんどの場合、油状となって合成されるので精製が困難である。薬剤製品でこれらを直接、固体で使用することに加え、精製のために、また合成の中間体として天然起源及び非天然起源共に固体状のプロスタグランジンが必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、プロスタグランジン遊離酸のアミノ酸塩を提供する。
更に、本発明は、アミノ酸プロスタグランジン遊離酸塩を提供し、ここで、アミノ酸は、アルギニン、ホモアルギニン、N(δ)−メチル−L−アルギニン、L−カナバニン、D−カナバニン、DL−カナバニン、L−α−アミノ−β−グアニジノプロピオン酸、γ-グアニジノ酪酸、及びシトルリン(citrulene)から成る群から選ばれ、また、プロスタグランジン遊離酸は、ラタノプロスト遊離酸、トラボプロスト遊離酸、フルプロステノール遊離酸、タフルプロスト遊離酸、及びビマトプロストから成る群から選ばれる。
【0007】
別の態様において、本発明は、プロスタグランジン遊離酸の塩及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。本発明は、アミノ酸をプロスタグランジン遊離酸と反応させることを含む塩を製造する方法も提供する。
【0008】
本発明は、プロスタグランジン類似体をプロスタグランジン遊離酸の塩から製造する方法を更に提供する。更に、本発明は、プロスタグランジンを塩から製造する方法を提供する。
【0009】
本発明は、また、プロスタグランジン遊離酸のアミノ酸塩の投与を含む、緑内障等の眼疾患の治療、骨粗鬆症等の骨疾患の治療、皮膚疾患の治療、呼吸器疾患の治療、高血圧等の循環器疾患の治療、胃腸疾患の治療、脱毛の治療、受胎調節、鼻閉塞改善、又は神経因性膀胱の治療の方法も更に提供する。更に、本発明は、眼圧を下げるために有効な量の前記塩と細胞を接触させることを含む眼圧低下の方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、実施例88で説明する、再結晶したラタノプロスト−L−アルギニン塩2の倍率400倍の画像である。
【図2】図2は、実施例88で説明する、再結晶したラタノプロスト−L−アルギニン塩2の倍率400倍の画像である。
【図3】図3は、実施例88で説明する、再結晶したラタノプロスト−L−アルギニン塩2の倍率400倍の画像である。
【図4】図4は、実施例88で説明する、再結晶したラタノプロスト−L−アルギニン塩2の倍率40倍の画像である。
【図5】図5は、実施例88で説明する、再結晶したラタノプロスト−L−アルギニン塩2の倍率40倍の画像である。
【図6】図6は、実施例88で説明する、再結晶したラタノプロスト−L−アルギニン塩2の倍率40倍の画像である。
【図7】図7は、実施例88で説明する、再結晶したラタノプロスト−L−アルギニン塩2の倍率400倍の画像である。
【図8】図8は、実施例88で説明する、再結晶したラタノプロスト−L−アルギニン塩2の倍率400倍の画像である。
【図9】図9は、実施例88で説明する、再結晶したラタノプロスト−L−アルギニン塩2の倍率400倍の画像である。
【図10】図10は、実施例88で説明する、再結晶したラタノプロスト−L−アルギニン塩2の倍率400倍の画像である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、プロスタグラジン遊離酸の新規なアミノ酸塩、及び、本発明のアミノ酸プロスタグラジン塩の製造及び使用の方法に関する。アミノ酸プロスタグラジン塩は、緑内障等の眼疾患を治療する方法に有用である。本発明のアミノ酸プロスタグラジン塩は、骨粗鬆症等の骨疾患の治療、皮膚疾患の治療、呼吸器疾患の治療、高血圧等の循環器疾患の治療、胃腸疾患の治療、脱毛の治療、受胎調節、鼻閉塞改善、あるいは神経因性膀胱の治療にも有用である。更に、本発明のアミノ酸プロスタグラジン塩は、プロスタグラジンやプロスタグラジン中間体を精製するのに有用であり、保護プロスタグラジン類似体及び非保護プロスタグラジン類似体の両方を製造する際の中間体として有用である。
【0012】
用語の定義と用法
「アルコール保護基」とは、ヒドロキシル部分の活性水素に置き換わり、ヒドロキシル部分の望ましくない副反応を防ぐ保護基を意味する。有機合成におけるアルコール保護基の使用は当技術分野では周知である。アルコール保護基の例は、Theodora W. Greeneの教科書で表題“Protective Groups in Organic Synthesis(有機合成における保護基)”(第3版)の第2章に見られる。好適なアルコール保護基としては、シリルエーテル、アルコキシメチルエーテル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、エステル、及び置換又は無置換ベンジルエーテルが挙げられる。複数のアルコール保護基が存在する場合は、アルコール保護基は、同じでも異なっていてもよい。いくつかの態様において、アルコール保護基は直交(orthogonal)してもよい。
【0013】
「アルキル」とは、1〜18の炭素原子、好ましくは、1〜12の炭素原子、1〜6の炭素原子、又は1〜4の炭素原子を有する飽和又は不飽和炭化水素鎖を意味する。アルキル基は、直鎖でも分岐鎖でもよい。いくつかの態様において、分岐アルキル基は1つ又は2つの分岐鎖を有する。不飽和アルキル基は、1つ以上の二重結合、及び/又は1つ以上の三重結合を有する。好ましくは、不飽和アルキル基は、1つ又は2つの二重結合、又は1つの三重結合を有する。アルキル鎖は、特記されない限り、無置換でも、1つから約4つの置換基で置換されていてもよい。好ましくは、アルキル基は、モノ、ジ、又はトリ置換されている。好適なアルキル置換基としては、限定されないが、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、アリール(例えば、フェニル、トリル、アルキルオキシフェニル、アルキルオキシカルボニルフェニル、ハロフェニル)、ヘテロシクリル及びヘテロアリールが挙げられる。
【0014】
「芳香環」とは、芳香族炭化水素環系を意味する。芳香環は、単環系又は縮合二環系である。単環系芳香環は、環内に約5〜約10の炭素原子を、好ましくは、5〜7の炭素原子を、又は、5〜6の炭素原子を含む。二環系芳香環は、環内に8〜12の炭素原子を、好ましくは、9又は10の炭素原子を含む。芳香族環は無置換でも、環が1〜約4つの置換基で置換されてもよい。好ましい芳香環の置換基としては、限定されないが、ハロ基、シアノ基、低級アルキル基、ヘテロアルキル基、ハロアルキル基、フェニル基、フェノキシ基、又は、それらの任意の組み合わせが挙げられる。好ましくは、芳香環の置換基は、低級アルキル基、シアノ基、ハロ基、又はハロアルキル基である。
【0015】
「塩基性アミノ酸」とは、すべてのエナンチオマー及びジアステレオマーを含む天然起源及び非天然起源のα、β、及びγアミノ酸を意味し、保護されているものと保護されていないものを含むが、アミノ酸が中性pHで正味の正電荷を有しているものとする。中性pHは、約6.5〜約7.5である。塩基性アミノ酸は、遊離酸の形で塩基性であるか、あるいはアミノ酸のエステルやアミドの形でのみ塩基性である場合もある。遊離酸の形で塩基性である好適な塩基性アミノ酸としては、限定されないが、アルギニン、リジン、ヒスチジン、L−アルギニン、D−アルギニン、DL−アルギニン、ホモアルギニン、3位置換アルギニン類似体及び4位置換アルギニン類似体、N(δ)−メチル−L−アルギニン(δMA)、L−カナバニン、D−カナバニン、DL−カナバニン、保護及び/又は置換カナバニン類似体、L−α−アミノ−β−グアニジノプロピオン酸、γ-グアニジノ酪酸、シトルリン、3−グアニジノプロピオン酸、4−{[アミノ(イミノ)メチル]アミノ}ブタン酸、6−[アミノ(イミノ)メチル]アミノ}ヘキサン酸、L−2−アミノ−3−グアニジノプロピオン酸、L−ホモアルギニン、L−アルギニンヒドロキサマート、アグマチン(CAS番号:2482−00−0)、及びNG−メチル−L−アルギニン(CAS番号:53308−83−1)が挙げられる。他のアミノ酸は、1つ又は複数の酸基を適切に保護することで塩基性アミノ酸にすることができる。エステルである塩基性アミノ酸の好適な例としては、L−アルギニンエチルエステルが挙げられる。アミドとして保護された塩基性アミノ酸の好適な例としては、限定されないが、L−アルギニンアミド、L−アルギニンN−エチルアミド、Arg−β−Ala塩酸塩(CAS番号:98957−79−0)。いくつかの態様において、塩基性アミノ酸はグアニジノ基を含む。
【0016】
「炭素環」とは、飽和又は不飽和炭化水素環を意味する。炭素環は芳香族ではない。炭素環は、単環系、又は縮合環系、スピロ環系、又は架橋二環系である。単環系炭素環は、環内に約4〜約10の炭素原子、好ましくは、4〜7の炭素原子、あるいは5〜6の炭素原子を含む。二環系炭素環は、環に8〜12の炭素原子、好ましくは、9〜10の炭素原子を含む。炭素環は、無置換でもよく、環に1つ〜約4つの置換基が置換されていてもよい。好適な炭素環の置換基としては、限定されないが、ハロ、シアノ、低級アルキル、ヘテロアルキル、ハロアルキル、フェニル、フェノキシ又はそれらの任意の組み合わせが挙げられる。好ましくは、炭素環の置換基としては、ハロ、又はハロアルキルである。好適な炭素環としては、限定されないが、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、及びシクロオクチルが挙げられる。
【0017】
「ハロ」とは、フルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨードを意味する。
「ハロアルキル」とは、1つ以上のハロ置換基で置換された直鎖状、分岐状、又は環状炭化水素を意味する。好ましくは、ハロアルキルは、C〜C12、又はC〜C、又はC〜Cである。好適なハロ置換基としては、フルオロ及びクロロが挙げられる。最適なハロアルキルは、トリフルオロメチルである。
【0018】
「ヘテロアルキル」とは、炭素及び少なくとも1つのヘテロ原子を含む飽和又は不飽和鎖を意味し、ここで、ヘテロ原子はどの2つも隣接しない。ヘテロアルキル基は、鎖内に1〜18の構成原子(炭素及びヘテロ原子)、1〜12の構成原子、1〜6の構成原子、又は1〜4の構成原子を含む。ヘテロアルキル基は、直鎖でも分岐鎖でもよい。好ましくは、分岐ヘテロアルキル鎖は、1つ又は2つの分岐鎖を有する。不飽和ヘテロアルキルは、1つ以上の二重結合及び/又は1つ以上の三重結合を有する。好ましくは、ヘテロアルキル基は、1つもしくは2つの二重結合、又は1つの三重結合を有する。ヘテロアルキル基は、特記がない限り、無置換でも、1つ〜約4つの置換基で置換されていてもよい。好適なヘテロアルキル置換基としては、ハロ、アリール(例えば、フェニル、トリル、アルキルオキシフェニル、アルキルオキシカルボニルフェニル、ハロフェニル)、ヘテロシクリル、ヘテロアリールが挙げられる。例えば、以下の置換基で置換されたアルキル鎖はヘテロアルキルである:アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ)、アリールオキシ(例えば、フェノキシ、クロロフェノキシ、トリルオキシ、メトキシフェノキシ、ベンジルオキシ、アルキルオキシカルボニルフェノキシ、アシルオキシフェノキシ)、アシルオキシ(例えば、プロピオニルオキシ、ベンゾイルオキシ、アセトキシ)、カルバモイルオキシ、カルボキシ、メルカプト、アルキルチオ、アシルチオ、アリールチオ(例えば、フェニルチオ、クロロフェニルチオ、アルキルフェニルチオ、アルコキシフェニルチオ、ベンジルチオ、アルキルオキシカルボニルフェニルチオ)、アミノ(例えば、アミノ、モノ−及びジ−C〜Cアルカニルアミノ、メチルフェニルアミノ、メチルベンジルアミノ、C〜Cアルカニルアミド、カルバミド、ウレイド、グアニジノ)。
【0019】
「ヘテロ原子」とは、窒素、硫黄、又は酸素原子を意味する。1を超えるヘテロ原子を含む基は、異なるヘテロ原子を含んでいてもよい。本明細書で使用されているように、ハロゲンはヘテロ原子とはみなされない。
【0020】
「複素環」とは、環内に炭素原子及び1〜約4のヘテロ原子を含む飽和環又は不飽和環を意味し、ここで、環内のヘテロ原子は、どの2つも隣接せず、環内のヘテロ原子の付いた炭素はどれも、水酸基、アミノ基、あるいはチオール基が付いていない。複素環は芳香族ではない。複素環は、単環系、又は縮合もしくは架橋二環系である。単環系複素環は、環内に約4〜約10の構成原子(炭素及びヘテロ原子)、好ましくは、4〜7の構成原子、あるいは、5〜6の構成原子を含む。二環系複素環は、環内に8〜12の構成原子、好ましくは、9又は10の構成原子を含む。複素環は無置換でも、環に1〜約4つの置換基で置換されていてもよい。好ましくは、置換基は、ハロ、又はハロアルキルである。好適な複素環の置換基としては、ハロ、シアノ、低級アルキル、ヘテロアルキル、ハロアルキル、フェニル、フェノキシ、又は、これらの任意の組み合わせが挙げられる。好適な複素環としては、限定されないが、ピペラジル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル及び、ピペリジルが挙げられる。
【0021】
「ヘテロアリール」とは、環内に炭素及び1つ〜約4つのヘテロ原子を含む芳香族環系を意味する。ヘテロアリールは、単環系又は縮合二環状である。単環系ヘテロアリールは、環内に約5〜約10の構成原子(炭素及びヘテロ原子)、又は5〜7の構成原子、又は5〜6の構成原子を含む。二環系ヘテロアリールは、環内に8〜12の構成原子、又は9もしくは10の構成原子を含む。ヘテロアリールは、無置換でも、環に1〜約4の置換基で置換されていてもよい。好ましいヘテロアリール置換基としては、ハロ、シアノ、低級アルキル、ヘテロアルキル、ハロアルキル、フェニル、フェノキシ、又はそれらの任意の組み合わせが挙げられる。好ましくは、置換基は、ハロ、ハロアルキル又はフェニルである。好ましいヘテロアリールとしては、限定されないが、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、チエニル、チアゾロ、プリニル、ピリミジル、ピリジル、及びフラニルが挙げられる。
【0022】
「低級アルキル」とは、1〜4の炭素原子、好ましくは、1〜3の炭素原子、又は1〜2の炭素原子から成るアルキル鎖を意味する。低級アルキル基は、飽和でも不飽和でもよく、置換でも無置換でもよい。低級アルキル基としては、これらに限定されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、及びt−ブチルが挙げられる。
【0023】
「低級ヘテロアルキル」とは、1〜4の構成原子から成るヘテロアルキル鎖を意味する。低級ヘテロアルキル基は、飽和でも不飽和でもよく、置換でも無置換でもよい。
「構成原子」とは、鎖又は環系を維持する鎖又は環系の多価原子(C、O、N、又はS原子)を意味する。例えば、ベンゼンの6つの炭素原子は構成原子であるが、6つの水素は構成原子ではない。
【0024】
「フェニル」とは、約1〜約4の置換基で置換されても置換されていなくてもよい6員単環系芳香族環を意味する。置換基は、フェニル環のオルト、メタ、もしくはパラ位に置換されていてよく、又は、それらの組合せの位置に置換されてもよい。好ましいフェニル置換基としては、ハロ、シアノ、低級アルキル、ヘテロアルキル、ハロアルキル、フェニル、フェノキシ、又はそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0025】
「プロスタグランジン類似体」とは、プロスタグランジン受容体と結合するように設計された化合物を意味する。プロスタグランジン類似体としては、C1位にエステル又はアミドを有するプロスタグランジン等の保護されたプロスタグランジンが挙げられる。
【0026】
「プロスタグランジン遊離酸」とは、C1位にカルボン酸部分を有するプロスタグランジン、プロスタグランジン類似体、又はプロスタグランジン中間物を意味する。
「プロスタグランジン中間体」とは、その活性形で1つ以上のプロスタグランジン受容体を刺激する化合物への合成経路の途中の化合物を意味する。プロスタグランジン中間体は、保護されたプロスタグランジン又はプロスタグランジン類似体でもよく、あるいは、未結合の構造部分を有していてもよい。プロスタグランジン中間体の1例として、その1つ以上のアルコール部分に1つ以上のシリル保護基を含むラタノプロスト遊離酸がある。
【0027】
「プロスタグランジンF類似体」又は「PGF類似体」、あるいは「PGF2αの類似体」とは、構造的に天然起源のPGF2αに類似の化合物を意味する。
「プロスタグランジンE類似体」、「PGE類似体」、「PGEの類似体」あるいは「PGEの類似体」とは、天然起源のPGEに構造的に類似の化合物を意味する。
【0028】
「プロスタグランジンD類似体」又は「PGD類似体」あるいは「PGDの類似体」とは、天然起源のPGDに構造的に類似の化合物を意味する。
「保護されている」とは、分子中の1つ以上の化学的感受性基を修飾し、その活性を低下させ、より良い合成技術を使えるようにする化学構造を意味する。プロスタグランジンにおいて保護される典型的な基は、水酸基又はカルボン酸基である。頻度は低いものの、PGD及びPGE類似体で見られるケトンは保護される。保護基は様々であるが、一般に、Theadora Greenによる“Protecting Groups in Organic Synthesis(有機合成における保護基)”の様々な版に記載されている。
【0029】
「保護されていない」とは、水酸基、又はカルボン酸基等の感受性官能基の保護のために追加されたいかなる基も含まない化学構造を意味する。
「薬学的に許容される担体」とは、組成物の他の成分と一般的に混ざり合い、被投与者に有害ではなく、生物学的、及びその他の点でも望ましくないものではなく、医薬組成物の調製に有用な担体を意味する。
【0030】
「薬学的に許容される担体」には、1つの担体及び複数の担体の両方の場合を含む。態様には、局所、眼、非経口、静脈内、腹腔内、筋肉内、舌下、鼻腔内、及び経口投与用の担体が含まれる。「薬学的に許容される担体」には、また、水性分散液、及び注射又は分散体のための無菌粉末を調製するための物質も含まれる。
【0031】
「賦形剤」とは、医薬組成物の調製に有用な生理学的に適合性のある添加剤を意味する。薬学的に許容される担体及び賦形剤の例としては、例えば、Remington Pharmaceutical Science, 16th Ed.に見つけることができる。
【0032】
「治療効果のある量」とは、受容体、特に、哺乳動物のプロスタグランジン受容体の活性に影響し、活性を上げたり下げたりするのに有効な化合物又は組成物の用量を意味する。この用語は、本明細書で用いられているように、哺乳動物、特にヒトにおいて、眼圧の低下等の望ましい生体内の効果を引き起こすのに有効な量も意味する場合がある。
【0033】
「投与」とは、必要に応じて所望の効果を達成するための化合物の投与を意味する。
「眼疾患」としては、限定されないが、緑内障、アレルギー、眼の癌、眼の神経変性疾患、及びドライアイが挙げられる。
【0034】
用語「細胞を接触させる」とは、体外や体内(即ち、ヒト、ウサギ、ネコ、及びイヌを含む哺乳類等の被験体の体内)で細胞を接触させることを意味するために用いられる。
アミノ酸プロスタグラジン塩
本発明は、プロスタグラジン遊離酸の新規なアミノ酸塩を対象とする。好適な塩は、下記の式Iの塩を含む。
【0035】
【化1】

【0036】
式中[A]は、プロスタグラジン遊離酸の陰イオンであり、すべてのこれらの光学異性体、ジアステレオマー、エナンチオマー、溶媒和物、及び水和物が含まれる。一態様において、すべての立体中心の立体化学は、天然起源のアミノ酸及び天然起源のプロスタグラジンの立体化学である。
【0037】
いくつかの態様において、アミノ酸は塩基性アミノ酸である。
いくつかの態様において、本発明によるアミノ酸プロスタグラジン塩は下記の式IIのプロスタグラジン遊離酸あるいは、その光学異性体、ジアステレオマー、又はエナンチオマーを含む。
【0038】
【化2】

【0039】
式中、aとbは、独立して、一重結合、二重結合、又は三重結合であり、
、Q、及びQは、独立して、水素又はアルコール保護基から選ばれ、
各Rは、独立して水素、又は低級アルキルから選ばれ、
Yは、−O−、−S−、−S(O)、−SO−、C(R−、−NR−、−CR=CR−、又は−C=C−であり;
Zは、水素、炭素環、アリール又はヘテロアリールから選ばれ、
各Rは、存在する場合、水素、低級アルキル、アルコキシ、又はヒドロキシルであり、p及びqは、独立して0〜4の整数である。
【0040】
好ましくは、式IIのいずれの炭素原子にも2つ以上のヘテロ原子は付いていない、ただし2つ以上のヘテロ原子が芳香族複素環系の構成原子である場合を除く。
上記の式IIにおいて、C、C、及びC12の相対的立体化学は、上に明記した通りである。すなわち、CとCの間の結合はα配向であり、Cにおけるアルコール(保護、非保護に関わらず)はα配向であり、C12とC13の間の結合はβ配向である。本発明は、また、上記構造の光学異性体、ジアステレオマー、又はエナンチオマーも含む。立体化学が定義されていないすべての立体中心(例えば、C11及びC15)では双方のエピマーが想定される。本発明のいくつかの態様において、本発明のそのようなすべての立体中心の立体化学は天然起源のPGFの立体化学に類似している。
【0041】
いくつかの態様において、Qは水素もしくはアルコール保護基であり、Q及びQはアルコール保護基である。他の態様において、Q、Q、及びQはすべてアルコール保護基であり、異なるアルコール保護基であっても、同じアルコール保護基であってもよい。
【0042】
好適なプロスタグラジン遊離酸としては、ビマトプロスト遊離酸、フルプロステノール遊離酸、ラタノプロスト遊離酸、タフルプロスト遊離酸とトラボプロスト遊離酸が挙げられる。
【0043】
【化3】

【0044】
【化4】

【0045】
【化5】

【0046】
本発明のアミノ酸プロスタグラジン塩は、容易に、調製でき、再結晶できる。それらは、一般に比較的低粘着性の自由流動性の乾燥粉末であり、従って、製造に有用である。好ましくは、これらの塩は、約35℃以上、もしくは、約50℃以上の融点を有する。
【0047】
本発明のアミノ酸プロスタグラジン塩は、限定されないが、下記のものを含む。
7−(1R,2R,3R,5S)−3,5−ジヒドロキシ−2−((S,E)−3−ヒドロキシ−5−フェニルペンタ−1−エニル)シクロペンチル)ヘプタン酸アルギニン塩:
【0048】
【化6】

【0049】
7−(1R,2R,3R,5S)−3,5−ジヒドロキシ−2−((R)−3−ヒドロキシ−4−フェノキシブチル)シクロペンチル)ヘプタン酸アルギニン塩:
【0050】
【化7】

【0051】
(Z)−7−(1R,2R,3R,5S)−3,5−ジヒドロキシ−2−((R,E)−3−ヒドロキシ−4−フェノキシブタ−1−エニル)シクロペンチル)ヘプタ−5−エン酸アルギニル:
【0052】
【化8】

【0053】
(Z)−7−((1R,2R,3R,5S)−2−((R,E)−4−(3−クロロフェノキシ)−3−ヒドロキシブタ−1−エニル)−3,5−ジヒドロキシシクロペンチル)ヘプタ−5−エン酸アルギニル:
【0054】
【化9】

【0055】
(Z)−7−((1R,2R,3R,5S)−3,5−ジヒドロキシ−2−((R,E)−3−ヒドロキシ−4−(3−(トリフルオロメチル)フェノキシ)ブタ−1−エニル)シクロペンチル)ヘプタ−5−エン酸アルギニル
【0056】
【化10】

【0057】
(Z)−7−((1R,2R,3R,5S)−2−((R,E)−4−(2−フルオロフェノキシ)−3−ヒドロキシブタ−1−エニル)−3,5−ジヒドロキシシクロペンチル)ヘプタ−5−エン酸アルギニル
【0058】
【化11】

【0059】
(Z)−7−((1R,2R,3R,5S)−2−((R,E)−4−(2−フルオロフェニルチオ)−3−ヒドロキシブタ−1−エニル)−3,5−ジヒドロキシシクロペンチル)ヘプタ−5−エン酸アルギニル
【0060】
【化12】

【0061】
7−((1R,2R,3R,5S)−2−((R)−5−(2−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシペンタ−4−イニル)−3,5−ジヒドロキシシクロペンチル)ヘプタン酸アルギニル
【0062】
【化13】

【0063】
7−((1R,2R,3R,5S)−2−((R)−4−(2−フルオロフェニルチオ)−3−ヒドロキシブチル)−3,5−ジヒドロキシシクロペンチル)ヘプタン酸アルギニル
【0064】
【化14】

【0065】
(Z)−7−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−((S,E)−3−ヒドロキシ−5−フェニルペンタ−1−エニル)−5−オキソシクロペンチル)ヘプタ−5−エン酸アルギニル
【0066】
【化15】

【0067】
7−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−((S,E)−3−ヒドロキシ−5−フェニルペンタ−1−エニル)−5−オキソシクロペンチル)ヘプタン酸アルギニル
【0068】
【化16】

【0069】
PGEのアルギニン塩
【0070】
【化17】

【0071】
PGEのアルギニン塩
【0072】
【化18】

【0073】
PGDのアルギニン塩
【0074】
【化19】

【0075】
本発明での使用に好適なその他のプロスタグラジン及び関連化合物としては、限定されないが、以下の米国特許及び国際特許並びに特許出願に記載のものが挙げられ、それらは参照によって本明細書に組み込まれる。
1.5−チア−ω置換フェニルプロスタグラジンE誘導体、その製造方法、及びそれを活性成分として含む薬剤:WO00/3980
2.FP作用薬として有用な芳香族C16〜C20−置換テトラヒドロプロスタグラジン:WO99/12895;US5977173、1999年11月2日
3.FP作用薬として有用な芳香族C16〜C20−置換テトラヒドロプロスタグラジン:WO99/12898
4.FP作用薬として有用な芳香族C16〜C20−置換テトラヒドロプロスタグラジン:WO99/12896、US6048895、2000年4月11日
5.Fシリーズのプロスタグラジン;US5770759、1998年6月23日
6.眼神経保護剤としてのEP受容体作用薬;WO99/26629
7.緑内障、又は高眼圧症の治療用のプロスタグランジン誘導体;US6030999、2000年2月29日
8.医薬としてのシクロペンタンヘプタン(ヘプテン)酸、2−ヘテロアリールアルケニル誘導体;WO99/25358、US6037364、2000年3月14日
9.緑内障及び高眼圧症治療のためのクロプロステノール及びフルプロステノール類似体の使用;US5889052、1999年3月30日
10.眼圧降下剤としてのプロスタグランジンのCis-δ−4−類似体;WO98/21182、US5994397、1999年11月30日
11.眼圧降下剤としてのプロスタグランジンのテトラヒドロフラン類似体;WO98/57930;US6,025,392、2000年3月14日
12.緑内障治療に用いるための立体配座的に剛性なアリールもしくはヘテロアリールプロスタグランジン;WO98/21180
13.眼圧降下剤としてのプロスタグランジン;WO98/57930
14.眼圧降下剤としてのプロスタグランジンのケト置換テトラヒドロフラン類似体;WO98/57930
15.緑内障及び高眼圧症治療用の13−オキサプロスタグランジン;WO99/32441
16.緑内障治療に用いるための13−チアプロスタグランジン;WO98/39293
17.162. Alcon Laboratories, Inc. (Sallee VL, Hellberg MR, Klimko PG);緑内障、又は高眼圧症治療用の15−ケタールプロスタグランジン;WO98/20881
18.眼圧降下剤としての9−オキサプロスタグラジン類似体;WO98/57942
19.眼圧降下剤としての15−フルオロプロスタグラジン;WO98/21181
20.緑内障、又は高眼圧症治療用の11−ハロプロスタグランジン;WO98/20880
21.緑内障治療用の9−デオキシプロスタグランジン誘導体の使用;WO96/10407
22.プロスタグラジン生成物:WO00/3736
23.眼圧降下剤としてのプロスタグランジンの置換テトラヒドロフラン類似体;WO97/23223
24.眼圧を低下させるための薬剤としてのEP受容体作用薬;WO95/19964
25.緑内障の治療用の副作用のないプロスタグラジン誘導体;WO99/02165
26.緑内障治療のための8−イソプロスタグラジン;WO98/50024;US6037368、2000年3月14日
27.フッ素化プロスタグラジン誘導体及び医薬品;WO98/12175。
【0076】
例えば、本発明で使用するのに好適なこのような他のプロスタグラジンや関連化合物としては、限定されないが、以下が挙げられる。
本発明で使用するのに好適な化合物(US6462081)としては、下式の5−チア−ω−置換フェニルプロスタグラジンE誘導体が挙げられる。
【0077】
【化20】

【0078】
式中、Rはヒドロキシ、C1〜6アルキルオキシ又はNR(ここで、R及びRは、各々独立して、水素又はC1〜4アルキルである)であり、Rはオキソ、ハロゲン、又はO−COR(ここで、RはC1〜4アルキル、フェニル、又はフェニル(C1〜4アルキル)である)、Rは水素又はヒドロキシであり、R4a及びR4bは、各々独立して、水素又はC1〜4アルキルであり、Rは、以下の置換基で置換されたフェニルである:i)1〜3の、C1〜4アルキルオキシ−C1〜4アルキル、C2〜4アルケニルオキシ−C1〜4アルキル、C2〜4アルキニルオキシ−C1〜4アルキル、C3〜7シクロアルキルオキシ−C1〜4アルキル、C3〜7シクロアルキル(C1〜4アルキルオキシ)−C1〜4アルキル、フェニルオキシ−C1〜4アルキル、フェニル−C1〜4アルキルオキシ−C1〜4アルキル、C1〜4アルキルチオ−C1〜4アルキル、C2〜4アルケニルチオ−C1〜4アルキル、C2〜4アルキニルチオ−C1〜4アルキル、C3〜7シクロアルキルチオ−C1〜4アルキル、C3〜7シクロアルキル(C1〜4アルキルチオ)−C1〜4アルキル、フェニルチオ−C1〜4アルキル、もしくはフェニル−C1〜4アルキルチオ−C1〜4アルキル、ii)C1〜4アルキルオキシ−C1〜4アルキル及びC1〜4アルキル、C1〜4アルキルオキシ−C1〜4アルキル及びC1〜4アルキルオキシ、C1〜4アルキルオキシ−C1〜4アルキル及びヒドロキシ、C1〜4アルキルオキシ−C1〜4アルキル及びハロゲン、C1〜4アルキルチオ−C1〜4アルキル及びC1〜4アルキル、C1〜4アルキルチオ−C1〜4アルキル及びC1〜4アルコキシ、C1〜4アルキルチオ−C1〜4アルキル及びヒドロキシ、もしくはC1〜4アルキルチオ−C1〜4アルキル及びハロゲン、iii)ハロアルキル、もしくはヒドロキシ−C1〜4アルキル、又はiv)C1〜4アルキル及びヒドロキシ;----は、一重結合又は二重結合である。但し、RがO−CORの場合、C8−C9は、二重結合である、又はそれらの非毒性塩、もしくはそれらのシクロデキストリン包接体である。
【0079】
本発明で使用するのに好適な化合物(WO99/12895)としては、下式の化合物が挙げられる。
【0080】
【化21】

【0081】
式中、Rは、COH、C(O)NHOH、CO、CHOH、S(O)、C(O)NHR、C(O)NHS(O)、及びテトラゾールであり、Rは、アルキル、ヘテロアルキル、脂肪族炭素環、脂肪族複素環、芳香族環、又は芳香族複素環である。RはH又は低級アルキルである。Xは、NR、OR、SR、S(O)R、又はS(O)であり;R、R、及びRは、独立して、水素、アシル、アルキル、ヘテロアルキル、脂肪族炭素環、脂肪族複素環、芳香族環、及び芳香族複素環からなる群から選ばれ;Rは、アルキル、ヘテロアルキル、脂肪族炭素環、脂肪族複素環、芳香族環、及び芳香族複素環である。R及びRは、独立して、水素、CH、及びCからなる群から選ばれる。好ましいR及びRはHである。Yは、NR10、S、S(O)、又はS(O)であり、ここで、R10はH、アシル、アルキル、ヘテロアルキル、脂肪族炭素環、脂肪族複素環、芳香族環、及び芳香族複素環である。好ましいR10は、H及びCHである。好ましいYは、NH及びSである。Zは、脂肪族炭素環、脂肪族複素環、芳香族環、及び芳香族複素環である。
【0082】
本発明で使用するのに好適な化合物(US5977173)としては、下式の化合物が挙げられる。
【0083】
【化22】

【0084】
式中、Rは、COH、C(O)NHOH、CO、CHOH、S(O)、C(O)NHR、C(O)NHS(O)、又はテトラゾールであり、Rは、アルキル、ヘテロアルキル、脂肪族炭素環、脂肪族複素環、芳香族環、又は芳香族複素環である。Rは水素又は低級アルキルである。Xは、NR、OR、SR、S(O)R、又はS(O)であり;R、R、及びRは、独立して、水素、アシル、アルキル、ヘテロアルキル、脂肪族炭素環、脂肪族複素環、芳香族環、及び芳香族複素環からなる群から選ばれ、Rは、アルキル、ヘテロアルキル、脂肪族炭素環、脂肪族複素環、芳香族環、及び芳香族複素環である。R及びRは、独立して、水素、CH、及びCからなる群から選ばれる。Yは、NR10、S、S(O)、又はS(O)であり、ここで、R10は水素、アシル、アルキル、ヘテロアルキル、脂肪族炭素環、脂肪族複素環、芳香族環、又は芳香族複素環である。好ましいR10は、水素及びCHである。Zは、脂肪族炭素環、脂肪族複素環、芳香族環、又は芳香族複素環である。
【0085】
本発明で使用するのに好適な化合物(WO99/12898)としては、下式の化合物が挙げられる。
【0086】
【化23】

【0087】
式中、Rは、COH、C(O)NHOH、CO、CHOH、S(O)、C(O)NHR、C(O)NHS(O)、又はテトラゾールであり、Rは、アルキル、ヘテロアルキル、脂肪族炭素環、脂肪族複素環、芳香族環、又は芳香族複素環である。Rは水素又は低級アルキルである。Xは、NR、OR、SR、S(O)R、S(O)、又はFであり、R、R、及びRは、独立して、水素、アシル、アルキル、ヘテロアルキル、脂肪族炭素環、脂肪族複素環、芳香族環、又は芳香族複素環からなる群から選ばれ、Rは、アルキル、ヘテロアルキル、脂肪族炭素環、脂肪族複素環、芳香族環、又は芳香族複素環である。R及びRは、独立して、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、OR10、又はSR10であるが、R及びRの両方が水素であることはなく、R10は、アルキル、ヘテロアルキル、脂肪族炭素環、脂肪族複素環、芳香族環、及び芳香族複素環である。R10は1〜約8の構成原子を有する。Zは、脂肪族炭素環、脂肪族複素環、芳香族環、又は芳香族複素環である。
【0088】
本発明で使用するのに好適な化合物(WO99/12896)としては、次式の化合物が挙げられる。
【0089】
【化24】

【0090】
式中、Rは、COH、C(O)NHOH、CO、CHOH、S(O)、C(O)NHR、C(O)NHS(O)、又はテトラゾールであり、Rは、アルキル、ヘテロアルキル、脂肪族炭素環、脂肪族複素環、芳香族環、又は芳香族複素環である。Rは水素又は低級アルキルである。Xは、NR、OR、SR、S(O)R、S(O)、又はFであり、R、R、及びRは、独立して、水素、アシル、アルキル、ヘテロアルキル、脂肪族炭素環、脂肪族複素環、芳香族環、及び芳香族複素環からなる群から選ばれ、Rは、アルキル、ヘテロアルキル、脂肪族炭素環、脂肪族複素環、芳香族環、又は芳香族複素環である。R及びRは、独立して、水素、CH、C、OR10、SR10、又はOHであるが、R及びRの両方がOHであることはなく、R10は、アルキル、ヘテロアルキル、脂肪族炭素環、脂肪族複素環、芳香族環、又は芳香族複素環であり、R10は1〜約8の構成原子を有する。Yは、(CHであり、nは0〜約3の整数である。nが0、2又は3の場合、Zは脂肪族炭素環、脂肪族複素環、単環芳香族複素環、又は置換フェニルであり、nが1の場合、Zは、脂肪族炭素環、脂肪族複素環、又は置換フェニルである。
【0091】
本発明で使用するのに好適な化合物(US6048895)としては、次式の化合物が挙げられる。
【0092】
【化25】

【0093】
式中、Rは、COH、C(O)NHOH、CO、CHOH、S(O)、C(O)NHR、C(O)NHS(O)、又はテトラゾールであり、ここで、Rは、アルキル、ヘテロアルキル、脂肪族炭素環、脂肪族複素環、芳香族環、又は芳香族複素環である。Rは水素又は低級アルキルである。Xは、NR、OR、SR、S(O)R、S(O)、又はFであり、R、R、及びRは、独立して、水素、アシル、アルキル、ヘテロアルキル、脂肪族炭素環、脂肪族複素環、芳香族環、又は芳香族複素環からなる群から選ばれ、Rは、アルキル、ヘテロアルキル、脂肪族炭素環、脂肪族複素環、芳香族環、又は芳香族複素環である。R及びRは、独立して、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、OR10、又はSR10であるが、R及びRの両方が水素であることはなく、R10は、アルキル、ヘテロアルキル、脂肪族炭素環、脂肪族複素環、芳香族環、及び芳香族複素環である。R10は1〜約8の構成原子を有する。Zは、脂肪族炭素環、脂肪族複素環、芳香族環、又は芳香族複素環である。
【0094】
本発明で使用するのに好適な化合物(US5770759)としては、下記の13、14−ジヒドロ−15−ケト−PGF化合物が挙げられる。
【0095】
【化26】

【0096】
式中、C−2とC−3の二重結合はあってもなくてもよく、Xは、
【0097】
【化27】

【0098】
の4つの可能性の内の1つである。Rは、水素原子、アルキル、フェニル、ベンゾイル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、トリアルキルシリル、及びテトラピラニル基であり、Rは、水素原子、又は低級アルキル基であり、R及びR3’は、ヒドロキシル、メチル、又はヒドロキシメチルであり、R及びRは同じでも異なっていてもよく、水素原子、低級アルキル、又はハロゲン原子を表し、Rは、4〜9の炭素からなるアルキル基で、枝分かれしても、しなくてもよく、又は二重結合を含んでも含まなくてもよく、アルコキシ置換基もしくは次式の基を有してもよい。
【0099】
【化28】

【0100】
式中、YはC16との一重結合、又は酸素原子を示し、Rは水素又はハロゲン原子、またはハロゲン化アルキルを示す。但し、R、R、R及びRが同時に水素原子であり、Rがn−Buであり、R及びRが共にヒドロキシルであり、かつC−2及びC−3が一重結合で結合している化合物は除く。一般式中のXは、上記の4つの型の部分構造を表す。
【0101】
本発明で使用するのに好適な化合物(WO99/26629)としては、次式の化合物が挙げられる。
【0102】
【化29】

【0103】
式中、波線は、α又はβ配置を示し、Rは水素、1〜約20の炭素原子を有する飽和もしくは不飽和の非環式炭化水素基、又は、〜(CHであり、ここでmは0〜10で、Rは約3〜約7の炭素原子を有する脂肪族環、又は約4〜約10の炭素原子を有する芳香族環もしくは芳香族複素環であり、例えば、Rは、シクロヘキシル、フェニル、チエニル、ピリジルもしくはフラニルであり、又は、それらの薬学的に許容される塩でもよく、上に横線を引いた結合は、一重結合、又はシス位でもトランス位でもよい二重結合を表す。本発明で使用するのに好適な化合物としては、以下の化合物が挙げられる。
【0104】
【化30】

【0105】
式中、Rは、水素、又は低級アルキル基であり、その他の記号は上記で定義した通りである。
本発明で使用するのに好適な化合物(US6030999)としては、下記一般式の化合物が挙げられる。
【0106】
【化31】

【0107】
式中、Aは、脂環式環C〜C12を表し、環と側鎖との間の結合は種々の異性体を表す。PGA、PGB、PGD、PGE及びPGFにおいては、Aは次式を有する。
【0108】
【化32】

【0109】
本発明は、ω鎖によって特徴づけられる誘導体の使用に基づいており、従って、この発明概念を用いて、α鎖の種々の修飾も可能である。このα鎖は、一般に天然起源であり、以下の構造にエステル化される。
【0110】
【化33】

【0111】
式中、Rは、アルキル基であり、好ましくは1〜10の炭素原子、特に好ましくは1〜6の炭素原子を有し、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ネオペンチル又はベンジルであり、または、緑内障薬として同等の特性を有する最終物質が得られる誘導体である。好ましくは、鎖はC〜C10鎖であり、飽和でも、1以上の二重結合及びアレン、又は三重結合を有する不飽和でもよく、鎖はアルキル基、脂環式環、あるいはヘテロ原子を有するもしくは有さない芳香族環等の1以上の置換基を含んでもよい。ω鎖は、次式によって定義される。
【0112】
【化34】

【0113】
式中、Cは炭素原子(その数を括弧内に示す)である。Bは一重結合、二重結合、又は三重結合である。Dは、1〜10、好ましくは2〜8、より好ましくは2〜5、特に好ましくは3の炭素原子を有する鎖であり、必要に応じ、好ましくは2以下のヘテロ原子(O、S、又はN)によって割り込まれ、鎖の各炭素原子の置換基は水素、アルキル基、好ましくは1〜5の炭素原子を有する低級アルキル基、カルボニル基又は水酸基であり、それによって、C15の置換基は、好ましくは、カルボニル基、(R)−OH、又は(S)−OHであり、各鎖Dは、好ましくは、3以下の水酸基又は3以下のカルボニル基を含む。Rは環構造であり、例えば、無置換であるか、又は、C〜Cアルキル基、C〜Cアルコキシ基、トリフルオロメチル基、C〜C脂肪族アシルアミノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、及びフェニル基から選択される少なくとも1以上の置換基を有するフェニル基、チアゾール、イミダゾール、ピロリジン、チオフェン及びオキサゾール等の5〜6の環原子を含有する芳香族複素環、または、1〜5の炭素原子を有する低級アルキル基で置換されていてもよい環中に3〜7の炭素原子を有するシクロアルカンまたはシクロアルケン等の環構造である。
【0114】
本発明で使用するのに好適な化合物(WO99/25358)としては、下記一般式の化合物が挙げられる。
【0115】
【化35】

【0116】
式中、斜線を施した部分は、a結合を表し、三角形に塗り潰した線は、P結合を表し;波線は、α又はβ結合を表し、点線は、二重結合又は一重結合を表し、Rは、少なくとも2つのペンダント置換基を有する置換ヘテロアリール基であり、前記ペンダント置換基は、C1〜C6アルキル等の低級アルキル、ハロゲン、トリフルオロメチル、COR、COCF、SONR、NO、CNから成る群から選択され、あるいは、Rは、少なくとも1つのシアノ置換基(すなわちCN)を有する置換ヘテロアリール基であり、Rは水素、又は炭素数6までの低級アルキル基であり、Xは−OR及び−N(Rから成る群から選択される基であり、Yは=O、又は2つの水素基であり、また、その9、11又は15の低級アルキルエステルも好適な化合物として挙げられる。但し、前記ヘテロアリール基がジクロロチエニル基である場合は、前記化合物は1−カルボン酸又はそのアミドではない。特に、ヘテロアリール基の置換基は、低級アルキル(例えばC1〜C6アルキル)、ハロゲン(例えばフルオロ、クロロ及びブロモ)、トリフルオロメチル(CF)、COR(例えばCOCH)、COCF、SONR(例えばSONH)、NO、CN等からなる群から選択してもよい。
【0117】
本発明で使用するのに好適な化合物(US6037364)としては、下記一般式の化合物が挙げられる。
【0118】
【化36】

【0119】
式中、斜線を施した部分は、α結合を表し、三角形に塗り潰した線は、β結合を表し、波線は、α又はβ結合を表し、点線は、二重結合又は一重結合を表し、Rは、置換ヘテロアリール基であり、Rは水素、又は炭素数6までの低級アルキル基であり;Xは−OR及び−N(Rから成る群から選択される基であり、Yは=O、又は2つの水素基を表す。特に、ヘテロアリール基の置換基は、低級アルキル(例えばC1〜C6アルキル)、ハロゲン(例えばフルオロ、クロロ及びブロモ)、トリフルオロメチル(CF)、COR(例えばCOCH)、COCF、SONR(例えばSONH)、NO、CN等から成る群から選択してもよい。
【0120】
本発明で使用するのに好適な化合物(US5889052)としては、下記一般式の化合物が挙げられる。
【0121】
【化37】

【0122】
式中、Rは水素、C1〜C12直鎖又は分岐アルキル、C1〜C12直鎖又は分岐アシル、C3〜C8シクロアルキル、又は陽イオン塩部分であり;RとRは水素、又はC1〜C5直鎖もしくは分岐アルキルであり、あるいはRとRは一緒になってOを表してもよく;Xは、O、SもしくはCHであり;
【0123】
【化38】

【0124】
は、α(上部)鎖に対する一重結合又はシスもしくはトランス二重結合、及びω(下部)鎖に対する一重結合又はシスもしくはトランス二重結合の任意の組み合わせを表し;Rは水素、C1〜C10直鎖もしくは分岐アルキル、又はC1〜C10直鎖もしくは分岐アシルであり;R11は、水素、C1〜C10直鎖もしくは分岐アルキル、又はC1〜C10直鎖もしくは分岐アシルであり;Yは、O、又は水素とOR15で、いずれの配置においても、R15は、水素又はC1〜C10直鎖もしくは分岐アルキル、又はC1〜C10直鎖もしくは分岐アシルであり;さらにZは、Cl又はCFであるが、RとRとでOを表す場合にRはC1〜C12直鎖アルキルでも分岐アルキルでもなく、R及びRが水素の場合にRは陽イオン塩部分ではない。
【0125】
本発明で使用するのに好適な化合物(WO98/21182)としては、下記一般式の化合物が挙げられる。
【0126】
【化39】

【0127】
式中、AはCOR、CONR、CHOR、又はCHNRであり;Rは水素又は陽イオン塩部分、又はCORは薬学的に許容されるエステル部分であり;RとRは同じ又は異なる水素又はアルキルであり;Rは水素、アシル、又はアルキルであり;RとRは同じ又は異なる水素、アシル、又はアルキルであるが、RとRの一方がアシルの場合、他方は水素又はアルキルであり;nは0又は2であり;Lはα配置のORであり(Rは水素、アルキル又はアシル)又はLはいずれかの配置のハロであり;BはO、
【0128】
【化40】

【0129】
であり、式中、Rは水素、アルキル、又はアシルであり;----は一重結合又はトランス二重結合であり;DとDは一緒になってOCHCHOであるか、又はDとDは異なる水素及びORであり、ここでRは水素、アルキル、又はアシルであるか、Dはα配置のフッ素でD1はβ配置の水素であり;Xは(CHもしくは(CHOで、mは1〜6であり;Yはアルキル、ハロ、トリハロメチル、アルコキシ、アシル、アシルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アシルアミノ、又はヒドロキシで置換されていてもよいフェニル環であるか、あるいはX−Yは(CHで、pは0〜6であり、かつY
【0130】
【化41】

【0131】
であり、式中、WはCH、O、S(O)q、NR、CHCH、CH=CH、CHO、CHS(O)q、CH=N、又はCHNRであり、ここでqは0〜2であり、かつRは水素、アルキル、又はアシルであり、Zは水素、アルキル、アルコキシ、アシル、アシルオキシ、ハロ、トリハロメチル、アミノ、アルキルアミノ、アシルアミノ、又はヒドロキシであり、かつ、----は一重結合もしくは二重結合であり;あるいはX−Yはシクロヘキシルであるが、式IIIで表される以下の化合物を除外する、ここでLはα配置のORであり、Rは上記で定義したものであり;Bは
【0132】
【化42】

【0133】
であり、ここで、Rは上記で定義したものであり、---はトランス二重結合であり;D、Dは異なる水素及びORであり、ここでRは上記で定義したものであり;XはCHCH又はCHOであり;さらにYはハロで置換されていてもよいフェニル環である。
【0134】
本発明で使用するのに好適な化合物(US5994397)としては、下記一般式の化合物が挙げられる。
【0135】
【化43】

【0136】
式中、Rは薬学的に許容されるエステル部分、CO、CONR、CHOR、又はCHNR1011であり、Rは水素又は陽イオン塩部分、R及びR(同じ又は異なる)は水素又はアルキルであり;Rは水素、アシル、又はアルキルであり、R10及びR11(同じ又は異なる)は水素、アシル、又はアルキルであるが、R10及びR11の一方がアシルの場合は、他方は水素又はアルキルであり、nは0又は2であり、Gは、
【0137】
【化44】

【0138】
であり、式中、YはCHCH=CH(シスオレフィン)、CH=CHCH(シスオレフィン)、又はCHCHCHであり;Zは、C≡C、トランスCH=CH、又はCHCHであり;Yはハロゲン又はアルコキシであり;Xは、O、S、又はCHであり;かつAは、シスCH=CH、CHCH、又はC≡Cである。R及びRの一方は水素で、他方は、F又はOHであり、OHは遊離でも官能基修飾されてもよく;あるいは、R及びRとは一緒になってOCHCHOもしくは二重結合性のO(カルボニル)であり;Rはシクロヘキシル、直鎖もしくは分岐のC5〜C7アルキル、又はRであり、Rは、(CHXフェニルもしくは(CHであり、XはO又はCHであり;mは1〜6であり、フェニルは無置換でもRで置換されていてもよく、Rはハロゲン、CH、CF、CN、OCH又はアセチルであり;pは0〜6であり、かつZは、
【0139】
【化45】

【0140】
であり、式中、Wは、O、CH、CHCH、又はCH=CHであり;Rは、上記で定義した通りであるが、Gが(i)の場合RはRであり、Gが(ii)又は(iii)の場合Rはシクロヘキシル、直鎖又は分岐C5〜C7アルキルであり、RとRは異なり、水素及びOHである。
【0141】
本発明で使用するのに好適な化合物(WO98/57930)としては、下記一般式の化合物が挙げられる。
【0142】
【化46】

【0143】
式中、Rは水素、C1〜C5アルキル、C3〜C6シクロアルキル、又は陽イオン塩部分であり;AはCHCH=CH(シスオレフィン)、CH=CHCH(シスオレフィン)、又はCHCHCHであり;ZはC≡C、トランスCH=CH、又はCHCHであり;R及びRの一方は水素で他方はF又はOHで、OHは遊離でも官能基修飾されてもよく;あるいは、RとRは一緒になってOCHCHO又は二重結合性のO(カルボニル)であり;かつRは(CHXフェニル又は(CHであり、XはO又はCHであり;mは1〜6であり;フェニルは無置換でもRで置換されていてもよく、Rはハロゲン、CH、CF、CN、OCH又はアセチルであり;pは0〜6であり、かつZは、
【0144】
【化47】

【0145】
であり、式中、WはO、CH、CHCH、又はCH=CHであり、Rは上記で定義した通りである。
本発明で使用するのに好適な化合物(US6025392)としては、下記一般式の化合物が挙げられる。
【0146】
【化48】

【0147】
式中、Rは、薬学的に許容されるエステル部分、CO、CONR、CHOR、又はCHNR1011であり、ここで、Rは、水素又は陽イオン塩部分であり、R及びR(同じ又は異なる)は水素又はアルキルであり;Rは水素、アシル、又はアルキルであり、R10及びR11は同じ又は異なる水素、アシル、又はアルキルで、R10とR11の一方がアシルの場合は他方は水素又はアルキルであり、nは0又は2であり、Gは、
【0148】
【化49】

【0149】
であり、式中、YはシスCHCH=CH、シスCH=CHCH、又はCHCHCHであり;ZはC≡C、トランスCH=CH、又はCHCHであり;R25は水素、アシル、又はアルキルであり、R及びRの一方は水素で、他方はF又はOHで、OHは遊離でも官能基修飾されてもよく、あるいはRとRは一緒になってOCHCHO、もしくは二重結合性のO(カルボニル)であり;かつRは(CHXフェニルもしくは(CHで、XはO又はCHであり;mは1〜6であり;pは0〜6であり;Z
【0150】
【化50】

【0151】
であり、式中、WはO、CH、CHCH、又はCH=CHであり;(CHXフェニルのフェニル部分及びZの6員環部分は無置換でも、ハロゲン、CH、CF、CN、OCH、又はアセチルで置換されてもよく;R25が水素の場合は、Rは(CHであり、Zの6員環部分は無置換である。
【0152】
本発明で使用するのに好適な化合物(WO98/21180)としては、下記一般式の化合物が挙げられる。
【0153】
【化51】

【0154】
式中、YはC(O)NR、CHOR、CHNR、CO、COMであり、ここでMは陽イオン塩部分であり;R、R(同じ又は異なる)は水素、C1〜C6アルキルもしくはアルケニル、又はC3〜C6シクロアルキルであり;R、R(同じ又は異なる)はC(O)R又は水素であり、RはC1〜C6アルキルもしくはアルケニル、又はC3〜C6シクロアルキルであり;AはCHCH、シスもしくはトランスCH=CH、又はC≡Cであり;ZはCHCH、トランスCH=CHであり;XはO、S(O)n、(CH)n、又はCHOであり、ここで、nは0、1、又は2であり;BはHとOH(どちらに配置していてもよい)又は二重結合の酸素であり;DはR、OR、ハロゲン、S(O)nR、NO、NR、又CFであり、ここでnは0、1又は2であり、R、R、及びRは、上記で定義した通りであり;かつmは0、1、又は2である。
【0155】
本発明で使用するのに好適な化合物(WO98/57930)としては、下記一般式の化合物が挙げられる。
【0156】
【化52】

【0157】
式中、Rは水素、C1〜C5アルキル、C3〜C6シクロアルキル、又は陽イオン塩部分であり;AはCHCH=CH(シスオレフィン)、CH=CHCH(シスオレフィン)、又はCHCHCHであり;ZはC≡C、トランスCH=CH、又はCHCHであり;R及びRの一方はHで他方はF又はOHで、OHは遊離でも官能基修飾されてもよく;あるいは、RとRは一緒になってOCHCHO又は二重結合性のO(カルボニル)であり;かつRは(CHXフェニル又は(CHであり、XはO又はCHであり;mは1〜6であり;フェニルは無置換でもRで置換されていてもよく、Rはハロゲン、CH、CF、CN、OCH又はアセチルであり;pは0〜6であり、かつZは、
【0158】
【化53】

【0159】
であり、式中、WはO、CH、CHCH、又はCH=CHであり、Rは上記で定義した通りである。
本発明で使用するのに好適な化合物(WO99/32441)としては、下記一般式の化合物が挙げられる。
【0160】
【化54】

【0161】
式中、RはCOR、CONR、CHOR、又はCHNRであり;Rは水素又は陽イオン塩部分、又はCORは薬学的に許容されるエステル部分を形成し;RとR(同じ又は異なる)は水素又はアルキルであり;Rは水素、アシル、又はアルキルであり;R、R(同じ又は異なる)は水素、アシル、又はアルキルであり、R、Rの一方がアシルの場合、他方は水素又はアルキルであり;nは0又は2であり;GはCH又はOであり、R、R(同じ又は異なる)はOH、アシルオキシ、アルコキシ、カルボニル、ハロゲン、水素であるが、R、Rの少なくとも一方は、OH、アシルオキシ、アルコキシ、又はカルボニルであり;----は一重結合又は非集積二重結合であり;A、Bの一方は水素で、他方はハロ、OH、アシルオキシ、もしくはアルコキシであるか、又はAとBは一緒になってOCHCHO又は二重結合性のOであり;Xは、(CH又は(CHOで、qは1〜6であり;Yはアルキル、ハロ、トリハロメチル、アルコキシ、アシル、アシルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アシルアミノ、又はヒドロキシで置換されていてもよいフェニル環であるか、あるいはX−Yは(CHで、pは0〜6であり、かつY
【0162】
【化55】

【0163】
であり、式中、WはCH、O、S(O)、NR、CHCH、CH=CH、CHO、CHS(O)、CH=N、又はCHNRであり、ここでmは0〜2であり、かつRは水素、アルキル、又はアシルであり、Zは水素、アルキル、アルコキシ、アシル、アシルオキシ、ハロ、トリハロメチル、アミノ、アルキルアミノ、アシルアミノ、又はヒドロキシであり、かつ、----は一重結合もしくは二重結合であり、あるいはX−Yはシクロヘキシル又はシクロペンチルである。
【0164】
本発明で使用するのに好適な化合物(WO98/39293)としては、下記一般式の化合物が挙げられる。
【0165】
【化56】

【0166】
式中、RはCOR、CONR、CHOR、又はCHNRであり;Rは水素又は陽イオン塩部分、又はCORは薬学的に許容されるエステル部分であり、RとR(同じ又は異なる)は水素又はアルキルであり;Rは水素、アシル、又はアルキルであり;R、R(同じ又は異なる)は水素、アシル、又はアルキルであるが、R、Rの一方がアシルの場合、他方は水素又はアルキルであり;nは0又は2であり;R、R(同じ又は異なる)は水素、アルキル、又はアシルであり;---は、一重結合又は非集積二重結合であり;Bは、H及びOH(どちらに配置していてもよい)、H及びF(どちらに配置していてもよい)、二重結合性のO、又はOCHCHOであり;Xは、(CH又は(CHOで、qは1〜6であり;かつYはC1〜6のアルキル基、又はアルキル、ハロ、トリハロメチル、アルコキシ、アシル、アシルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、又はヒドロキシで置換されていてもよいフェニル環であるか、あるいはX−Yは(CHで、pは0〜6であり、かつY
【0167】
【化57】

【0168】
であり、式中、WはCH、O、S(O)、NR、CHCH、CH=CH、CHO、CHS(O)、CH=N、又はCHNRであり、ここでmは0〜2であり、かつRは水素、アルキル、又はアシルであり、Zは水素、アルキル、アルコキシ、アシル、アシルオキシ、ハロ、トリハロメチル、アミノ、アルキルアミノ、アシルアミノ、又はヒドロキシであり、かつ、----は一重結合もしくは二重結合である。
【0169】
本発明で使用するのに好適な化合物(WO98/20881)としては、下記一般式の化合物が挙げられる。
【0170】
【化58】

【0171】
式中、Rは、COR、CONR、CHOR、又はCHNRであり;Rは水素又は陽イオン塩部分、又はCORは薬学的に許容されるエステル部分であり;RとR(同じ又は異なる)は水素又はアルキルであり;Rは水素、アシル、又はアルキルであり;R、R(同じ又は異なる)は水素、アシル、又はアルキルであるが、RとRの一方がアシルの場合、他方は水素又はアルキルであり;nは0又は2であり;Rは水素、アルキル、又はアシルであり、Rは水素、ハロ、又はORであり(Rは水素、アルキル又はアシル);----は一重結合又は非集積二重結合であるが、二重結合が4位と5位の炭素の間に存在する場合はシス配置であり、二重結合が13位と14位の炭素の間に存在する場合はトランス配置であり;Xは(CH又は(CHOで、mは1〜6であり;Yはアルキル、ハロ、トリハロメチル、アルコキシ、アシル、アシルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アシルアミノ、又はヒドロキシで置換されていてもよいフェニル環であるか、あるいはX−Yは(CHで、pは0〜6であり、かつY
【0172】
【化59】

【0173】
であり、式中、WはCH、O、S(O)q、NR10、CHCH、CH=CH、CHO、CHS(O)q、CH=N、又はCHNRであり、ここでqは0〜2であり、かつR10は水素、アルキル、又はアシルであり、Zは水素、アルキル、アルコキシ、アシル、アシルオキシ、ハロ、トリハロメチル、アミノ、アルキルアミノ、アシルアミノ、又はヒドロキシであり、かつ、----は一重結合もしくは二重結合である。
【0174】
本発明で使用するのに好適な化合物(WO98/57942)としては、下記一般式の化合物が挙げられる。
【0175】
【化60】

【0176】
式中、Rは眼科的に許容されるエステル部分、CO、CONR、CHOR、又はCHNR1011であり、Rは水素又は陽イオン塩部分、又は眼科的に許容されるアンモニウム部分であり、R及びR(同じ又は異なる)は水素又はアルキルであり;Rは水素、アシル、又はアルキルであり、R10及びR11(同じ又は異なる)は水素、アシル、又はアルキルで、R10とR11の一方がアシルの場合は他方は水素又はアルキルであり、nは0又は2であり、Gは、
【0177】
【化61】

【0178】
であり、式中、YはシスCHCH=CH、シスCH=CHCH、又はCHCHCHであり;ZはC≡C、トランスCH=CH、又はCHCHであり;Y及びYの一方はHで、他方はハロゲン又はOHで、OHは遊離でも官能基修飾されてもよく、XはO、S又はCHであり;AはシスCH=CH、CHCH又はC≡Cであり;かつZとZの一方はHで、他方はOHであり、OHは遊離でも官能基修飾されてもよく、ZとZは一緒になって二重結合性のO(カルボニル)であり;R及びRの一方はHで他方はF又はOHで、OHは遊離でも官能基修飾されてもよく;あるいは、RとRは一緒になってOCHCHO又は二重結合性のO(カルボニル)であり;かつRはシクロヘキシル、直鎖もしくは分岐C5〜C7アルキル又はRであり、Rは(CHXフェニル又は(CHであり、XはO又はCHであり;mは1〜6であり;フェニルは無置換でもRで置換されていてもよく、Rはハロゲン、CH、CF、CN、OCH又はアセチルであり;pは0〜6であり、かつZは、
【0179】
【化62】

【0180】
であり、式中、Wは、O、CH、CHCH、又はCH=CHであり;Rは、上記で定義した通りであるが、Gが(i)の場合RはRであり、Gが(ii)又は(iii)の場合、Rはシクロヘキシル、直鎖又は分岐C5〜C7アルキルであり、RとRは異なり、水素とOHである。
【0181】
本発明で使用するのに好適な化合物(WO98/21181)としては、下記一般式の化合物が挙げられる。
【0182】
【化63】

【0183】
式中、RはCOR、CONR、CHOR、又はCHNRであり、Rは水素又は陽イオン塩部分、又はCORは薬学的に許容されるエステル部分であり;RとR(同じ又は異なる)は水素又はアルキルであり;Rは水素、アシル、又はアルキルであり;RとR(同じ又は異なる)は水素、アシル、又はアルキルであるが、RとRの一方がアシルの場合、他方は水素又はアルキルであり;nは0又は2であり;----は一重結合又は非集積二重結合であるが、4位と5位の炭素の間の二重結合はトランス配置ではなく、かつ13位と14位の炭素の間の二重結合はシス配置ではなく;RとR(同じ又は異なる)は水素、アルキル、又はアシルであり;D、D(同じ又は異なる)は水素及びフッ素であり;Xは(CH又は(CHOで、qは1〜6であり;かつYはアルキル、ハロ、トリハロメチル、アルコキシ、アシル、アシルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アシルアミノ、又はヒドロキシで置換されていてもよいフェニル環であるか、あるいはX−Yは(CHで、pは0〜6であり、かつY
【0184】
【化64】

【0185】
であり、式中、WはCH、O、S(O)、NR、CHCH、CH=CH、CHO、CHS(O)、CH=N、又はCHNRであり、ここでmは0〜2であり、かつRは水素、アルキル又はアシルであり;Zは水素、アルキル、アルコキシ、アシル、アシルオキシ、ハロ、トリハロメチル、アミノ、アルキルアミノ、アシルアミノ、又はヒドロキシであり;かつ、----は一重結合又は二重結合である。
【0186】
本発明で使用するのに好適な化合物(WO98/20880)としては、下記一般式の化合物が挙げられる。
【0187】
【化65】

【0188】
式中、nは0又は2;RはCOR、CONR、CHOR、又はCHNRであり;Rは水素又は陽イオン塩部分であり、又はCORは眼科的に許容されるエステル部分を形成し;RとR(同じ又は異なる)は水素又はアルキルであり;Rは水素、アシル、又はアルキルであり;RとR(同じ又は異なる)は水素、アシル、又はアルキルであるが、RとRの一方がアシルの場合、他方は水素又はアルキルであり;Qはハロであり;T、Tの一方は水素で他方はORであるか(Rは下記に定義される通り)、又はTとTは一緒になってO(即ち、カルボニル)であり;RとR(同じ又は異なる)は水素、アルキル、又はアシルであり;----は一重結合又は非集積二重結合であるが、4位と5位の炭素の間の二重結合はトランス配置ではなく、かつ13位と14位の炭素の間の二重結合はシス配置ではなく;Xは(CH又は(CHOで、qは1〜6であり;かつYはアルキル、ハロ、トリハロメチル、アルコキシ、アシル、アシルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アシルアミノ、又はヒドロキシで置換されていてもよいフェニル環であるか;あるいはX−Yは(CHで、pは0〜6であり、かつY
【0189】
【化66】

【0190】
であり、式中、WはCH、O、S(O)、NR、CHCH、CH=CH、CHO、CHS(O)、CH=N、又はCHNRであり、ここでmは0〜2であり、かつRは水素、アルキル又はアシルであり;Zは水素、アルキル、アルコキシ、アシル、アシルオキシ、ハロ、トリハロメチル、アミノ、アルキルアミノ、アシルアミノ、又はヒドロキシであり;かつ、----は一重結合又は二重結合である。
【0191】
本発明で使用するのに好適な化合物(WO96/10407)としては、下記一般式の化合物が挙げられる。
【0192】
【化67】

【0193】
式中、YはC(O)NR、CHOR、CHNR、COR、COMであり、Mは陽イオン性塩部分であり;RとR(同じ又は異なる)は水素、C1〜C6アルキルもしくはアルケニル、又はC3〜C6シクロアルキルであり;R、R(同じ又は異なる)はC(O)R、Hであり;RはC1〜C6アルキルもしくはアルケニル、又はC3〜C6シクロアルキルであり;XはO、S(O)n、CHであり;nは0、1又は2;AはCHCH、シスもしくはトランスCH=CH、又はC≡Cであり;ZはCHCH、トランスCH=CH、又はC≡Cであり;Wは(CHアリール、(CHOアリールであり、m=1〜6であり、アリールは、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルキル、アミノ、又はアシルアミノで置換されていてもよいフェニルであり;またはWは
【0194】
【化68】

【0195】
であり、式中、Vは水素、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アクリルオキシ、ハロアルキル、アミノ、アシルアミノ、かつLはCH、O、S(O)、CHCH、CHO、NR、CH=N、CHS(O)、CH=CH、CHNRであり、mは0〜2であり、Rは上記で定義した通りである。
【0196】
本発明で使用するのに好適な化合物(WO97/23223)としては、下記一般式の化合物が挙げられる。
【0197】
【化69】

【0198】
式中、Rは薬学的に許容されるエステル部分、CO、CONR、CHOR、又はCHNR1011であり、Rは水素又は陽イオン塩部分であり;R及びR(同じ又は異なる)は水素又はアルキルであり;Rは水素、アシル又はアルキルであり;かつR10及びR11(同じ又は異なる)は水素、アシル又はアルキルであるが、R10とR11の一方がアシルの場合は他方は水素又はアルキルであり;nは0又は2であり、Gは、
【0199】
【化70】

【0200】
であり、式中、YはCHCH=CH(シスオレフィン)、CH=CHCH(シスオレフィン)又はCHCHCHであり;ZはC≡C、トランスCH=CH又はCHCHであり;Yはハロゲン又はアルコキシ;XはO、S又はCHであり;かつAはシスCH=CH、CHCH、又はC≡Cであり、RとRの一方はHで他方はF又はOHであり、OHは遊離でも官能基修飾されてもよく、あるいは、RとRは一緒になってOCHCHO又は二重結合性のO(カルボニル)であり;Rはシクロヘキシル、直鎖もしくは分岐C5〜C7アルキル、又はRであり、Rは、(CHXフェニルもしくは(CHであり;XはO又はCHであり;mは1〜6であり;フェニルは無置換でもRで置換されていてもよく、Rはハロゲン、CH、CF、CN、OCH又はアセチルであり;pは0〜6であり、かつZ
【0201】
【化71】

【0202】
であり、式中、Wは、O、CH、CHCH、又はCH=CHであり;Rは、上記で定義した通りであるが、Gが(i)の場合RはRと同じであり、Gが(ii)又は(iii)の場合Rはシクロヘキシル、直鎖又は分岐C5〜C7アルキルであり、RとRは異なり、H及びOHである。
【0203】
本発明で使用するのに好適な化合物(WO95/19964)としては、下記一般式の化合物が挙げられる。
【0204】
【化72】

【0205】
式中、波線は、α又はβ配置を示し、Rは1〜約20の炭素原子を有する飽和もしくは不飽和の非環式炭化水素基、又は、〜(CHであり、ここでmは0〜10で、Rは約3〜約7の炭素原子を有する脂肪族環、又は約4〜約10の炭素原子を有する芳香族環もしくは芳香族複素環であり、例えば、Rはシクロヘキシル、フェニル、チエニル、ピリジルもしくはフラニルであり、又はそれらの薬学的に許容される塩でもよく、破線を引いた結合は一重結合又はシスでもトランスでもよい二重結合を表す。本発明で使用するのに好適な化合物としては、また次式の化合物が挙げられる。
【0206】
【化73】

【0207】
式中、Rは低級アルキル基であり、その他の記号は上記で定義した通りである。
本発明で使用するのに好適な化合物(WO99/02165)としては、下記一般式の化合物が挙げられる。
【0208】
【化74】

【0209】
式中、波線は、α又はβ配置を示し、かつ破線の結合は、一重結合、三重結合、又はシス又はトランス配置の二重結合を表し;Rは水素原子、飽和又は不飽和のアルキルで、好ましくは、C1〜10アルキル、シクロアルキル、好ましくはC3〜8シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、好ましくはアリールC2〜5アルキル又はヘテロアリールであり;R1は、酸素、硫黄及び窒素から選択されるヘテロ原子が割り込んでいてもよい2〜5の炭素原子を有する飽和又は不飽和アルキル基、シクロアルキル、好ましくは、C3〜7シクロアルキル、シクロアルケニル、好ましくは、C3〜7シクロアルケニル、アリール又はヘテロアリールであり;XはC−OH又はC=Oであり、R2は水素、ヒドロキシ、メチル、エチル、メトキシ又はOCOR4であり、R4は直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和アルキル基であり、好ましくはC1〜10アルキル、特にC1〜6アルキルであり、又はシクロアルキル、好ましくはC3〜8シクロアルキルであり、又はアリール基であり;R3は、硫黄及び窒素から選択される1以上のヘテロ原子が割り込んでいてもよい、直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和アルキル基であり、好ましくは、3〜8の炭素原子、特に3〜5の炭素原子を有し、各炭素は、C1〜5アルキル基、ヒドロキシ基、及びカルボニル基から選択される置換基で置換されていてもよく(ヒドロキシ及びカルボニルはプロスタグラジン構造の15位の炭素に優先的に結合する)、該アルキル基は、C1〜3アルキル、C1〜3アルコキシ、ヒドロキシ、ニトロ、トリフルオロメチル又はハロゲンで、一置換又は独立して多置換されてもよい、シクロアルキル(好ましくはC3〜8シクロアルキル)、アリール又はヘテロアリール基を含んでいてもよく;又は薬学的に許容されるそれらの塩もしくはエステルを含む。
【0210】
本発明で使用するのに好適な化合物(WO98/50024、US6037368)としては、下記一般式の化合物が挙げられる。
【0211】
【化75】

【0212】
式中、結合W又は結合Xのいずれかは一重結合又は二重結合であってもよく、Yは(i)5員環に対してα又はβ配置である水酸基、又は(ii)9位の炭素におけるケトンのいずれかであり、かつ、Zは16位の炭素での、脂肪族(環状又は非環状)、芳香族、あるいは脂肪族と芳香族の組み合わせでもよい炭化水素基である。
【0213】
本発明で使用するのに好適な化合物(WO98/12175)としては、下記一般式の化合物が挙げられる。
【0214】
【化76】

【0215】
式中、Aは、エチレン基、ビニレン基、エチニレン基、−OCH−、又は−SCH−であり、Rは、置換または無置換のC3〜8アルキル基、置換または無置換のC3〜8アルケニル基、置換または無置換のC3〜8アルキニル基、置換または無置換のC3〜8シクロアルキル基、置換または無置換のC3〜8アラルキル基、置換または無置換のアリールオキシアルキルであり、R及びRの各々は、互いに独立して水素原子又はアシル基、あるいは一重結合を形成し、Xは−CH−、−O−又は−S−であり、Zは−OR、−NHCOR、−NHSO又は−SRであるか、あるいはR又はRと一緒に一重結合を形成し、R、R、R及びRの各々は、互いに独立して、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアリールアルキル基であり、かつ実線と破線から成る二重線は、一重結合、シス二重結合又はトランス二重結合である。
【0216】
アミノ酸プロスタグラジン塩の製造方法
驚いたことに、プロスタグラジン遊離酸の固化に使用されている困難な手順の欠点を、遊離酸の塩基性アミノ酸塩(これは、必要に応じて容易に結晶化及び/又は再結晶化することができる)を作ることにより克服できることを見出した。
【0217】
本発明に従い、アミノ酸プロスタグラジン塩を作る一般的方法を下記のスキームIに示す。
【0218】
【化77】

【0219】
プロスタグラジン遊離酸を適当な溶媒中でアミノ酸と反応させ、アミノ酸プロスタグラジン塩を生成させる。溶媒は種々あるが、メタノール、エタノール、水、THFが一般的に受け入れられる溶媒である。
【0220】
反応温度を−78℃と周囲の室温(約20〜25℃)の間に好適に保持する。あるいは、この温度は約0℃〜約20℃である。この反応は、沈殿が生成するまでこれらの条件で約5分〜約4時間攪拌を行い、そこで濾過をして、このアミノ酸プロスタグラジン塩を取り出す。
【0221】
この塩は当技術分野で周知の方法により再結晶をすることができる。1つの好適な方法は、メタノール、エタノール又はイソプロパノール等のアルコールに塩を溶かし、次に、ジエチルエーテル又は酢酸エチルを曇り点まで加え、次いで冷却し沈殿を生成させる。次に初期発生の沈殿を温めて物質を再溶解し、次にゆっくり冷却し結晶を生成させる。
【0222】
プロスタグラジン遊離酸は周知の出発物質から当業者に周知の方法によって製造できる。例えば、また、Cayman Chemical Company, Ann Arbor, Mlから多種が入手可能である。更に、次の参考文献にプロスタグラジンの合成が記載されている:Corey, E. J.; Weinshenker, N. M.; Schaaf, T. K.; Huber, W J. Am. Chem. Soc, 1969, 91, 5675 and Corey, E. J.; Schaaf, T. K.; Huber, W; Koelliker, U.; Weinshenker, N. M.; J. Am. Chem. Soc, 1970, 92, 397(これらは参照によって本明細書に組み込まれる)。
【0223】
好ましくは、プロスタグラジン遊離酸は、式IIの化合物、あるいは、その光学異性体、ジアステレオマー、又はエナンチオマーである。
【0224】
【化78】

【0225】
式中、a及びbは、独立して、一重結合、二重結合、又は三重結合であり;
、Q、及びQは水素又はアルコール保護基から独立して選択され;
各Rは、独立して、水素又は低級アルキルから選択され;
Yは−O−、−S−、−S(O)、−SO−、−C(R−、−NR−、−CR=CR−、又は−C=C−であり;
Zは水素、炭素環、アリール又はヘテロアリールから選択され;
各Rは、存在する場合、水素、低級アルキル、アルコキシ、又はヒドロキシルから独立に選択され;
p及びqは独立して0〜4の整数である。
【0226】
プロスタグラジンの合成
アミノ酸プロスタグラジン塩は、様々な方法でプロスタグラジン又はプロスタグラジン類似体に変換できる。一態様において、遊離酸は塩を中和することによって回収される。次いで、遊離酸を単離することなくプロスタグラジン類似体に変換できる。あるいは、遊離酸を単離することもできる。遊離酸を一旦単離すると、その遊離酸をそれ自体で使用することも、又はプロスタグラジン類似体に変換することもできる。例えば、本発明によるアミノ酸プロスタグラジン塩は、この塩を中和して有機層に遊離酸を抽出し、水層にアミノ酸を残すことによってプロスタグラジン類似体に変換できる。次に、例えば、この有機層を別の試薬と反応させてプロスタグラジンエステルを提供できる。別の態様においては、遊離酸を単離せずに塩を直接プロスタグラジン類似体に変換できる。
【0227】
他の態様においては、メタノール等の好適な溶媒に塩を再溶解し、塩を直接プロスタグラジン類似体に変換する別の試薬を添加することによって、塩を直接プロスタグラジン類似体に変換することができる。好適な試薬としては、第1級臭化物、臭化アリル及び臭化ベンジル、及び、第1級ヨウ化物及び2−ヨードプロパン等の第2級ヨウ化物、または、遊離酸のエステルを作るブロモメタンまたはヨードメタン等の化合物、及び、EDC等の活性化剤の存在下でアミドを生成する第1級又は第2級アミンが挙げられる。
【0228】
例えば、PGF類似体の塩をメタノール又はアセトンに溶解させ、次いで2当量のヨウ化イソプロピルを加える。それに引き続いて反応が起こり、PGF類似体のイソプロピルエステルを形成する。プロスタグラジンのイソプロピルエステルは、いくつかのPGF類似体による緑内障の治療に使用するのに好適である。別の態様において、PGF類似体の塩をN−エチルアミンと直接反応させアミドを生成できるが、それは、DMFに塩を溶解させ、次いで少量のDMAPと共にアミンとEDCを加え、N−エチルアミド生成物を単離することによりできる。
【0229】
プロスタグラジンの遊離酸を所望する場合は、塩の中和により回収できる。例えば、PGF類似体の塩を、塩化アンモニウムの飽和水溶液と1M塩酸溶液の3:1の混合液で中和し、次いで、遊離酸を含む有機層を、アミノ酸を含む水層から分離することができる。
【0230】
プロスタグラジン中間体塩も、同様に単離によって又は塩を直接プロスタグラジン類似体に変換することでプロスタグラジン類似体に直接変換することも、あるいは、上記で述べたように更に別の中間体に変換することもできる。
【0231】
アミノ酸プロスタグランジン塩を使用した治療法
アミノ酸プロスタグランジン塩は、緑内障等の眼疾患、骨粗鬆症、鼻閉塞改善、又は神経因性膀胱の治療を含む様々な疾患の治療に用いることができる。本発明によるアミノ酸プロスタグランジン塩は、眼圧を低下させる方法にも有用である。
【0232】
一態様において、眼圧の低減に有効な量のアミノ酸プロスタグランジン塩と細胞を接触させる。用語「細胞を接触させる」は、体外や体内(即ち、ヒト、ウサギ、ネコ、及びイヌを含む哺乳類等の被験体の体内)で細胞を接触させることを意味するために用いられる。いくつかの態様において、アミノ酸プロスタグランジン塩を被験者に投与する結果として、細胞を接触させることができる。用語「投与」は、限定しないが、経口、局所、非経口、注射、吸入、埋め込み、口腔及び直腸を含む、当業者に周知の如何なる投与法も対象にする。
【0233】
本発明によるアミノ酸プロスタグランジン塩の有効量は、治療をされる特定の病状、治療される患者の年齢と健康状態、病状の重症度、治療期間、併用療法の性質、投与法、使用する薬学的に許容される担体、及び担当医の一般的及び専門的な知識内の同様な要因によって異なる。例えば、全身投与に対する本発明のアミノ酸プロスタグランジン塩の有効量は、体重1kg当たり約0.01〜約1000μg、好ましくは、体重1kg当たり約0.1〜約100μg、最も好ましくは、体重1kg当たり一日当たり約1〜約50μgである。経皮投与は、薬物動態及び経皮製剤の当業者に周知の技術に基づけば、同様の血清又は血漿濃度を達成するように設計される。全身投与の血漿濃度は、0.01〜100ng/mL、より好ましくは0.05〜50ng/mL、最も好ましくは0.1〜10ng/mLの範囲にあることが期待される。これらの投与量は毎日の投与速度に基づいているが、本発明のアミノ酸プロスタグランジン塩もまた、1日2回、1週2回、1週1回、1か月1回等の別の間隔で投与してもよい。当業者であれば、その他の投与間隔に対する最適な有効量を計算することができる。
【0234】
アミノ酸プロスタグランジン塩を含有する組成物
一態様において、アミノ酸プロスタグランジン塩は薬学的に許容される担体中に入れるか担体と一緒に薬学的に許容される組成物として投与される。
【0235】
組成物は、本発明のアミノ酸プロスタグランジン塩の1種以上のイソ型を含んでもよい。ラセミ体が存在する場合、各々のエナンチオマー又はジアステレオマーを別々に用いても良く、あるいは、それらを任意の比率で混ぜてもよい。互変異性体が存在する場合は、すべての可能な互変異性体が考慮される。
【0236】
本発明に従って使用する医薬組成物は1種以上の生理学的に許容される担体又は賦形剤を用いる従来の方法で配合することができる。従って、アミノ酸プロスタグランジン塩を、固体投与、点眼、局所油性剤形、注射、(口又は鼻のいずれかを介する)吸入、埋め込み、又は経口、口腔、非経口、又は直腸投与等による投与用として製剤化をすることができる。技術や製剤は、一般的に、"Remington's Pharmaceutical Sciences(レミントンの製薬科学)", (Meade Publishing Co., Easton, Pa.)で見つけることができる。
【0237】
本発明のアミノ酸プロスタグランジン塩(成分A)を投与する経路及び組成物の形態によって、使用する担体(成分B)の種類が決まる。この組成物は、例えば、全身投与(例えば、経口、直腸、鼻腔、舌下、口腔、埋め込み又は非経口)、又は局所投与(例えば、皮膚への局所的塗布、眼、リポソームもしくはナノ粒子送達系、又はイオン導入)に好適な種々の形態をとることができる。
【0238】
全身投与のための担体は、一般に、a)希釈剤、b)潤滑剤、c)バインダー、d)崩壊剤、e)着色剤、f)香味料、g)甘味料、h)酸化防止剤、j)防腐剤、k)滑剤、m)溶媒、n)懸濁化剤、o)湿潤剤、p)界面活性剤、それらの組み合わせ、及びその他の担体の中の少なくとも1種を含む。すべての担体は全身投与では任意選択である。
【0239】
成分a)は希釈剤である。固形剤形に好適な希釈剤としては、グルコース、乳糖、デキストロース、及びショ糖等の糖類;プロピレングリコール等のジオール類;炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム;グリセリン、マンニトール、及びソルビトール等の糖アルコール類が挙げられる。全身又は局所用組成物中の成分a)の量は、通常約50〜約90%である。
【0240】
成分b)は潤滑剤である。固形剤形に好適な潤滑剤の例としては、シリカ、タルク、ステリアリン酸とそのマグネシウム塩及びカルシウム塩、及び硫酸カルシウムを含む固体潤滑剤、並びにポリエチレングリコール、及び、ピーナッツ油、綿実油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油、テオブロマ油等の植物油等の液体潤滑油が挙げられる。全身又は局所用組成物中の成分b)の量は、通常約5〜約10%である。
【0241】
成分c)はバインダーである。固形剤形に好適なバインダーとしては、ポリビニルピロリドン、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、コーンスターチ及びジャガイモ澱粉等の澱粉、ゼラチン、トラガカント、並びにセルロース及びその誘導体(カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、メチルセルロース、微結晶性セルロース、及びカルボキシメチルセルロースナトリウム等)が挙げられる。全身用組成物中の成分c)の量は、通常約5〜約50%であり、眼の固形剤形では最大99%である。
【0242】
成分d)は崩壊剤である。固形剤形に好適な崩壊剤としては、寒天、アルギン酸とそのナトリウム塩、発泡性混合物、クロスカルメロース、クロスポビドン、カルボキシメチル澱粉ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、粘土、及びイオン交換樹脂が挙げられる。全身又は局所用組成物中の成分d)の量は、通常約0.1〜約10%である。
【0243】
固形剤形の成分e)はFD&C染料等の着色剤である。使用する場合、全身又は局所用組成物中の成分e)の量は、通常約0.005〜約0.1%である。
固形剤形の成分f)はメントール、ペパーミント、及びフルーツ香味料等の香味料である。全身又は局所用組成物中の成分f)の量は、使用する場合、通常約0.1〜約1.0%である。
【0244】
固形剤形の成分g)はアスパルテーム及びサッカリン等の甘味料である。全身又は局所用組成物中の成分g)の量は、通常約0.001〜約1%である。
成分h)はブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、及びビタミンE等の酸化防止剤である。全身又は局所用組成物中の成分h)の量は、通常約0.1〜約5%である。
【0245】
成分j)は塩化ベンザルコニウム、メチルパラベン、及び安息香酸ナトリウム等の防腐剤である。全身又は局所用組成物中の成分j)の量は、通常約0.001〜約5%、好適には約0.01〜約5%である。
【0246】
固形剤形の成分k)は二酸化ケイ素等の滑剤である。全身又は局所用組成物中の成分k)の量は、通常約1〜約5%である。
成分m)は水、等張食塩水、オレイン酸エチル、グリセリン、水酸化ヒマシ油、エタノール等のアルコール、及びリン酸緩衝溶液等の溶媒である。全身又は局所用組成物中の成分m)の量は、通常約0〜約100%である。
【0247】
成分n)は懸濁化剤である。好適な懸濁化剤としては、アビセル(登録商標)RC−591(FMC社、フィラデルフィア、ペンシルペニア州)、及びアルギン酸ナトリウムが挙げられる。全身又は局所用組成物中の成分n)の量は、通常約1〜約8%である。
【0248】
成分o)はレシチン、ポリソルベート80、及びラウリル硫酸ナトリウム、並びにアトラスパウダー社(ウィルミントン、デラウェア州)のトゥイーン(TWEENS)(登録商標)等の界面活性剤である。好適な界面活性剤としてC.T.F.A. Cosmetic Ingredient Handbook(C.T.F.A.化粧品成分ハンドブック)1992, pp.587-592; Remington's Pharmaceutical Sciences(レミントンの製薬科学), 15th Ed. 1975, pp. 335-337; and McCutcheon's Volume 1 , Emulsifiers & Detergents(乳化剤と洗剤), 1994, North American Edition, pp. 236-239に開示されているものが挙げられる。全身又は局所用組成物中の成分o)の量は、通常約0.1%〜約5%である。
【0249】
全身用組成物中の成分A及びBの量は、調製する全身用組成物の種類、即ち、成分Aとして選択する特定の誘導体及び成分Bの構成成分に依存して変化するが、一般に、全身用組成物は0.01%〜50%の成分Aと50〜99.99%の成分Bを含む。
【0250】
非経口投与用の組成物は一般に、A)本発明のアミノ酸プロスタグランジン塩を0.1〜10%、及びB)a)希釈剤、及びm)溶媒を含む担体を90〜99.9%を含む。一態様において、成分a)はプロピレングリコールを含み、成分m)はエタノール又はオレイン酸エチルを含む。
【0251】
経口投与用の組成物は種々の固形剤形をとることができる。例えば、固形剤形としては、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、及びバルク粉末が挙げられる。これらの経口剤形は安全かつ効率的な量を含み、通常、成分A)の少なくとも約5%であり、より具体的には約25%〜約50%である。この経口投与組成物は、さらに、約50〜約95%の成分B)を含み、より具体的には約50〜約75%である。
【0252】
錠剤を、圧縮、湿製錠剤化、腸溶被覆、糖被覆、フィルム被覆あるいは多重圧縮することができる。錠剤は、一般的に、成分A、並びに成分B、即ち、a)希釈剤、b)潤滑剤、c)バインダー、d)崩壊剤、e)着色剤、f)香味料、g)甘味料、k)滑剤、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される成分を含む担体を含む。具体的な希釈剤としては、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、マンニトール、乳糖、及びセルロースが挙げられる。具体的なバインダーとしては、澱粉、ゼラチン、及びショ糖が挙げられる。具体的な崩壊剤としては、アルギン酸及びクロスカルメロースが挙げられる。具体的な潤滑剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、及びタルクが挙げられる。具体的な着色剤はFD&C色素であり、見栄えのために添加することができる。チュアブル錠は、好ましくは、アスパルテーム及びサッカリン等のg)甘味料、又はメントール、ペパーミント、及びフルーツ香味料等のf)香味料、又はそれらの組み合わせを含有する。
【0253】
カプセル剤(埋め込み、徐放性及び持続放出性製剤を含む)は、一般的に成分A、及びゼラチンを含むカプセル中に上記に開示した1種以上のa)希釈剤を含む担体を含む。顆粒剤は、一般的に成分Aを含み、好ましくは、更に流動特性を改善する二酸化ケイ素等のk)滑剤を含む。埋め込みは生分解性でも非生分解性でもよい。埋め込みは任意の既知の生体適合性製剤を使用して調製してもよい。
【0254】
経口用組成物の担体中の成分の選択は、味、経費及び保存安定性等の二次的検討事項に依存するが、これらは本発明の目的には不可欠ではない。当業者であれば、必要以上の実験をせずに適当な成分の選択の方法が分かる。
【0255】
また、固形組成物を、成分Aが所望の適用箇所付近の消化管で、又は所望の作用を広げるために様々な箇所や時間に放出されるように、通常はpH又は時間依存性の被膜で従来の方法によって被覆してもよい。この被膜は、通常、酢酸フタル酸セルロース、酢酸フタル酸ポリビニル、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、オイドラギット(登録商標)被膜剤(ロームアンドハース社(ダルムシュッタット、ドイツ)から入手可能)、ワックス類及びシェラックから成る群の中から選択される1種以上の成分を含む。
【0256】
また、経口投与用組成物は、液体形態をとることがもできる。例えば、好適な液体形態としては、水溶液、乳化液、懸濁液、非発泡性顆粒から再調製した溶液、非発泡性顆粒から再調製した懸濁液、発泡性顆粒から再調製した発泡性製剤、エリキシル剤、チンキ剤、シロップ剤等が挙げられる。液体の経口投与用組成物は、一般に成分A及び成分B、即ちa)希釈剤、e)着色剤、f)香味料、g)甘味料、j)防腐剤、m)溶媒、n)懸濁化剤、及びo)界面活性剤からなる群から選択される成分を含む担体を含有する。経口用液体組成物は、好ましくは、e)着色剤、f)香味料、及びg)甘味料から選択される1種以上の成分を含む。
【0257】
対象とするアミノ酸プロスタグランジン塩の全身送達を達成するのに有用な他の組成物としては、舌下、口腔、及び鼻腔剤形が挙げられる。このような組成物は、通常、a)ショ糖、ソルビトール、マンニトール等の希釈剤、及びc)アカシア、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロース等のバインダーのような1種以上の可溶性充填物質を含む。このような組成物は、更にb)潤滑剤、e)着色剤、f)香味料、g)甘味料、h)酸化防止剤、及びk)滑剤を含む。
【0258】
本発明の一態様では、本発明のアミノ酸プロスタグランジン塩を局所的に投与する。眼に局所適用可能な局所用組成物は、当技術分野で周知のあらゆる剤形をとることができ、これらの例としては、固形、ゲル化点眼剤、スプレー、軟膏又は眼の結膜円蓋又は別の適切な位置に配置される持続放出性又は非持続放出性単位剤形が挙げられるが、これらには限定されない。
【0259】
皮膚に局所適用可能な局所用組成物は、固形、溶液、油、クリーム、軟膏、ゲル、ローション、シャンプー、「そのまま残す(leave-on)」タイプ及び「洗い流す(rinse-out)」タイプのヘアコンディショナー、乳液、洗浄剤、保湿剤、スプレー、皮膚貼付剤等を含むいずれの形態であってもよい。局所用組成物は、成分A、即ち、上記のアミノ酸プロスタグランジン塩と、成分B、即ち、担体とを含む。局所用組成物の担体は、好ましくはアミノ酸プロスタグランジン塩を眼に浸透させる助けをする。成分Bは、1種以上の任意成分をさらに含んでいてもよい。
【0260】
局所用組成物中の各成分の正確な量は様々な因子に依存する。局所用組成物に添加する成分Aの量は、ナノモル(nM)単位で通常表わされる成分AのIC50によって決まる。例えば、薬剤のIC50が1nMである場合、成分Aの量は約0.001〜約0.3%となる。薬剤のIC50が10nMである場合、成分Aの量は約0.01〜約1%となる。薬剤のIC50が100nMである場合、成分Aの量は約0.1〜約10%となる。薬剤のIC50が1000nMである場合、成分Aの量は1〜約100%、好ましくは約5%〜約50%となる。成分Aの量が上で規定した範囲外である(即ち、上記範囲より低い)場合、治療の有効性は低下する可能性がある。当業者であればIC50の計算方法及び解釈法を理解している。最大で100%となる組成物の残りは、成分Bである。
【0261】
成分Aと併用する担体の量は、薬剤の単位用量当たりの投与組成物の実用的な量を得るのに十分な量である。本発明の方法で有用である剤形を作るための技術及び組成は、以下の参考文献に記載されている:Modern Pharmaceutics, Chapters 9 and 10, Banker & Rhodes, eds. (1979); Lieberman et al., Pharmaceutical Dosage Forms: Tablets (1981)、及びAnsel, Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms, 2ndEd.。
【0262】
成分Bは、1種の成分、又は2種以上の成分の組み合わせを含んでもよい。局所用組成物では、成分Bは局所用担体を含む。好適な局所用担体は、リン酸緩衝食塩水、等張水、脱イオン水、単官能アルコール類、対称性アルコール類、アロエベラゲル、アラントイン、グリセリン、ビタミンA及びEオイル、鉱油、プロピレングリコール、PPG−2プロピオン酸ミリスチル、ジメチルイソソルビド、ヒマシ油並びにそれらの組み合わせ等から成る群から選択される1種以上の成分を含む。特に、皮膚適用のための担体としては、プロピレングリコール、ジメチルイソソルビド及びに水が挙げられ、もっと具体的には、リン酸緩衝食塩水、等張水、脱イオン水、単官能アルコール類及び対称性アルコール類が挙げられる。
【0263】
局所用組成物の担体は、q)軟化剤、r)噴霧用高圧ガス、s)溶媒、t)保湿剤、u)増粘剤、v)粉末、w)香料、x)顔料及びy)防腐剤から成る群から選択される1種以上の成分を更に含んでもよい。
【0264】
成分q)は軟化剤である。皮膚用の局所用組成物中の成分q)の量は、通常、約5〜約95%である。好適な皮膚軟化剤としては、ステアリルアルコール、モノリシノール酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、プロパン−1、2−ジオール、ブタン−1、3−ジオール、ミンク油、セチルアルコール、イソステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸、パルミチン酸イソブチル、ステアリン酸イソセチル、オレイルアルコール、ラウリル酸イソプロピル、ラウリル酸ヘキシル、オレイン酸デシル、オクタデカン−2−オール、イソセチルアルコール、パルミチン酸セチル、セバシン酸ジ−n−ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ポリエチレングリコール、トリエチレングリコール、ラノリン、ゴマ油、ココナッツ油、落花生油、ヒマシ油、アセチル化ラノリンアルコール類、石油、鉱油、ミリスチン酸ブチル、イソステアリン酸、パルミチン酸、リノール酸イソプロピル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸ミリスチル及びそれらの組み合わせが挙げられる。特定の皮膚軟化剤としては、ステアリルアルコール及びポリジメチルシロキサンが挙げられる。
【0265】
成分r)は噴霧用高圧ガスである。局所用組成物中の成分r)の量は、通常、約0〜約95%である。好適な噴霧用高圧ガスとしては、プロパン、ブタン、イソブタン、ジメチルエーテル、二酸化炭素、亜酸化窒素及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0266】
成分s)は溶媒である。局所用組成物中の成分s)の量は、通常、約0〜約95%である。好適な溶媒としては、水、エチルアルコール、塩化メチレン、2−プロパノール、ヒマシ油、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン及びそれらの組み合わせが挙げられる。特定の溶媒としては、水、エチルアルコール及びプロピレングリコールが挙げられる。
【0267】
成分t)は保湿剤である。局所用組成物中の成分t)の量は、通常、0〜95%である。好適な保湿剤としては、グリセリン、ソルビトール、2−ピロリドン−5−カルボン酸ナトリウム、可溶性コラーゲン、フタル酸ジブチル、ゼラチン及びそれらの組み合わせが挙げられる。特定の保湿剤としてはグリセリンが挙げられる。
【0268】
成分u)は増粘剤である。局所用組成物中の成分u)の量は、通常、約0〜約95%である。
成分v)は粉末である。局所用組成物中の成分v)の量は、通常、0〜95%である。好適な粉末としては、β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン、白亜、タルク、フラー土、カオリン、澱粉、ゴム、コロイド状二酸化ケイ素、ポリアクリル酸ナトリウム、テトラアルキルアンモニウムスメクタイト、トリアルキルアリールアンモニウムスメクタイト、化学修飾ケイ酸アルミニウムマグネシウム、有機修飾モンモリロナイト粘土、含水珪酸アルミニウム、ヒュームドシリカ、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、モノステアリン酸エチレングリコール及びそれらの組み合わせが挙げられる。眼への適用での具体的な粉末としては、β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン及びポリアクリル酸ナトリウムが挙げられる。ゲル投与型眼用製剤のために、ポリアクリル酸ナトリウムを使用してもよい。
【0269】
成分w)は芳香剤である。局所用組成物中の成分w)の量は、通常、約0〜約0.5%、特に約0.001〜約0.1%である。眼用では、芳香剤は通常使用しない。
成分x)は顔料である。皮膚塗布のための好適な顔料としては、無機顔料、有機レーキ顔料、真珠光沢顔料及びそれらの混合物が挙げられる。本発明で有用な無機顔料としては、カラーインデックスの参照番号CI77,891としてコード化されているルチル型又はアナターゼ型二酸化チタン;参照番号CI77,499、77,492及び77,491としてコード化されている黒色、黄色、赤色及び褐色酸化鉄;マンガンバイオレット(CI77,742);群青(CI77,007);酸化クロム(CI77,288);クロム水和物(CI77,289);及びフェリックブルー(CI77,510)及びそれらの混合物から成る群から選択されるものが挙げられる。
【0270】
本発明において有用な有機色素及びレーキとしては、D&CレッドNo.19(CI45,170)、D&CレッドNo.9(CI15,585)、D&CレッドNo.21(CI45,380)、D&CオレンジNo.4(CI15,510)、D&CオレンジNo.5(CI45,370)、D&CレッドNo.27(CI45,410)、D&CレッドNo.13(CI15,630)、D&CレッドNo.7(CI15,850)、D&CレッドNo.6(CI15,850)、D&CイエローNo.5(CI19,140)、D&CレッドNo.36(CI12,085)、D&CオレンジNo.10(CI45,425)、D&CイエローNo.6(CI15,985)、D&CレッドNo.30(CI73,360)、D&CレッドNo.3(CI45,430)、又はコチニールカルミン(CI75,570)に基づく染料もしくはレーキ、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0271】
本発明で有用な真珠光沢顔料としては、酸化チタン又はオキシ塩化ビスマスで被覆された雲母等の白色真珠光沢顔料、酸化鉄で被覆されたチタンマイカ、フェリックブルー及び酸化クロム等で被覆されたチタンマイカ、上記の種類の有機顔料で被覆されたチタンマイカ等の有色真珠光沢顔料、オキシ塩化ビスマスに基づく有色真珠光沢顔料、及びそれらの混合物から成る群から選択されるものが挙げられる。局所用組成物中の顔料の量は、通常、約0〜約10%である。眼用では、顔料は通常使用しない。
【0272】
本発明の特に好ましい態様では、通常、成分Aと、精製水、及び、デキストラン、特にマンニトール及びデキストラン70等のy)糖類又は糖アルコール類、z)セルロース又はその誘導体、aa)塩、bb)EDTA二ナトリウム(エデト酸二ナトリウム)、及びcc)pH調節用添加剤から成る群から選択される1種以上の成分等の成分B(担体)とを含む、眼用の局所用医薬組成物を調製する。
【0273】
眼用の局所用医薬組成物での使用に適したz)セルロース誘導体の例としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、メチルセルロース及びヒドロキシプロピル−メチルセルロース、特に、ヒドロキシプロピル−メチルセルロースが挙げられる。
【0274】
眼用の局所用医薬組成物での使用に適したaa)塩の例としては、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0275】
cc)pH調節用添加剤の例としては、眼用の局所用医薬組成物のpHを5.0〜7.5に調節するのに十分な量のHCl又はNaOHが挙げられる。
成分Aは、成分A、上記の全身用もしくは局所用組成物又はその両方、及び、そのキットの使用によって哺乳類(特にヒト)における美容的及び内科的疾患の治療が提供されるという情報もしくは指示又はその両方とを含むキット内に含まれていてもよい。この情報及び指示は、文章もしくは絵又はその両方等の形態であってもよい。追加として、あるいは代わりとして、前記キットは、薬剤もしくは組成物又はその両方と、好ましくは哺乳類(例えばヒト)における美容的及び内科的疾患の治療又は予防に有益である薬剤又は組成物の投与方法に関する情報もしくは指示又はその両方とを含んでいてもよい。
【実施例】
【0276】
以下の具体的な実施例によって本発明の方法を更に説明するが、本発明はそれらによって限定されるものではない。
実施例1
ラタノプロストアルギニン塩(E1)の調製
【0277】
【化79】

【0278】
ラタノプロスト遊離酸(CAS番号:41639−83−2)(1、21.2mg、0.054mmol)のMeOH/HO(4:1、0.65mL)溶液にL−アルギニン(>98%、シグマ−アルドリッチ、セントルイス、ミズーリ州)(72mM溶液:MeOH/HO[4:1])(754μL、0.054mmol)を加え、次いで、その溶液を30分撹拌した。溶媒を蒸発させ、次にEtO及びヘキサンと共沸させ、白色結晶のラタノプロスト−L−アルギニン塩2を得た(定量的)。
【0279】
再結晶:容量4mLのバイアル瓶に入れた26.5mgの1に約0.5mLのMeOHを加えて溶解し、続いて、1.2〜1.5mLのEtOを加え、生成物を析出させた。バイアル瓶を氷の上に5分間置いた。上澄み液を静かに傾けてとり除き、固形物を乾燥させ、純粋な2を22.9mg得た。
【0280】
実施例2
ラタノプロスト遊離酸をPGE遊離酸(CAS番号:363−24−6)に置き換えた以外は実質的に同じ手順を用い、PGEのアルギニン塩を製造できる。
【0281】
実施例3〜実施例71
下記の市販プロスタグランジンのアルギニン塩は、上記の手順に従い、適当なプロスタグランジン遊離酸に置き換えることで製造できる。
【0282】
【表1−1】

【0283】
【表1−2】

【0284】
実施例72
ラタノプロスト(遊離酸)(1、21.2mg、0.054mmol)のMeOH/HO(4:1、0.65mL)溶液にL−アルギニン(>98%、シグマ−アルドリッチ、Cat.A5006)(72mM溶液:MeOH/HO[4:1])(754μL、0.054mmol)を加え、次いで、その溶液を30分撹拌した。溶媒を蒸発させ、次にEtO及びヘキサンと共沸させ、白色結晶のラタノプロスト−L−アルギニン塩2を得た(定量的)。
【0285】
再結晶:容量4mLのバイアル瓶に入れた26.5mgの1に約0.5mLのMeOHを加えて溶解し、続いて、1.2〜1.5mLのEtOを加え、生成物を析出させた。バイアル瓶を氷の上に5分間置いた。上澄み液を静かに傾けてとり除き、固形物を乾燥させ、純粋な2を22.9mg得た。
【0286】
実施例73
MeOH/HO中のトラボプロスト遊離酸((+)−フルプロステノール遊離酸)3にL−アルギニン(>98%)(シグマ−アルドリッチCat.A5006)を加え、次いで、その溶液を30分撹拌した。溶媒を蒸発させ、次にEtO及びヘキサンと共沸させ、白色結晶のトラボプロスト−L−アルギニン塩4を得た(定量的)。
【0287】
【化80】

【0288】
再結晶:4に、溶解するのに十分なMeOHを加え、続いて、EtOを曇り点まで添加し、次に再溶解するまで温めて、1晩かけて徐々に冷却した。上澄み液を静かに傾けてとり除き、次いで固形物を乾燥させ、純粋な4を得た。
【0289】
実施例74
【0290】
【化81】

【0291】
MeOH/HO中のトラボプロスト遊離酸((+)−フルプロステノール遊離酸)3にL−ホモアルギニンを加え、次いで、その溶液を30分撹拌した。溶媒を蒸発させ、次にEtO及びヘキサンと共沸させ、白色結晶のトラボプロスト−L−ホモアルギニン塩5を得た(定量的)。
【0292】
再結晶:5に、溶解するのに十分なEtOHを加えて、続いて、生成物を析出させるEtOを添加した。バイアル瓶を氷の上に5分間置いた。上澄み液を静かに傾けてとり除き、次いで、固形物を乾燥させ、塩5を得た。
【0293】
実施例75
本化合物を含む液体組成物の製剤
液体形態の組成物を慣用の方法により調製し、次のように製剤化する。
【0294】
【表2】

【0295】
1.0mLの上記組成物を1日に1回塗布すると、塗布した哺乳類の皮膚の美容と健康が実質的に向上する。
実施例76
本化合物を含むスキンケア局所用製品の調製
スキンケア局所用製剤は、下記に示したようにクリーム組成物を製剤化することにより調製される。
【0296】
【表3】

【0297】
実施例77
本化合物を含むスキンケア拭き取り製品の製剤
スキンケア拭き取り製品を、実施例75の液体組成物を拭き取り用品に含浸させることによって調製する。このような拭き取り用品は、当業者に既知で容易に利用可能な技術によって含浸させることができる。実際、拭き取り製品の好ましい例として、プロクター・アンド・ギャンブル社(オハイオ州シンシナティ)が所有し、販売するオレイ顔用拭き取り用品のオイル(Oil of Olay Facial Wipes)がある。
【0298】
実施例78
以下の成分を含むシャンプーを製造する:
【0299】
【表4】

【0300】
男性型脱毛症に悩んでいるヒト被験者を本発明の方法によって治療する。具体的には、被験者は、上記のシャンプーを12週間、毎日使用する。約1液量オンスのこの調合液を被験者の頭皮と髪に塗り、最長で5分間そのままにし、次に水で洗い流す。
【0301】
実施例79
眼圧を低下させるための局所用医薬組成物を慣用の方法で調製し、以下の組成で製剤化する:
成分 量(重量%)
PGF類似体アルギニン塩 0.50
デキストラン70 0.1
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.3
塩化ナトリウム 0.77
塩化カリウム 0.12
EDTA二ナトリウム 0.05
塩化ベンザルコニウム 0.01
HCl及び/又はNaOH pH7.0〜7.2
精製水 100%になるまで適量
本発明による化合物を、PF類似体アルギニン塩として使用する。その組成物を患眼に注入する40μLの液滴として1日1回局所投与すると、上記組成物により緑内障に罹患した患者の眼圧は低下する。
【0302】
実施例80
本発明によるPGE類似体アルギニン塩を用いて実施例79を繰り返す。上記組成物を1滴ずつ1日2回投与すると、眼圧は十分低下する。
【0303】
実施例81
鼻スプレー用の局所用医薬組成物を慣用の方法で調製し、以下の組成で製剤化する:
成分 量(重量%)
PGF類似体アルギニン塩 0.1〜0.50
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.0〜0.3
ソルビトール 0.61
EDTA 0.05
塩化ベンザルコニウム 0.01
HCl及び/又はNaOH pH7.0〜7.2
精製水 100%になるまで適量
実施例82
例えば膀胱に注入するための局所用医薬組成物を慣用の方法で調製し、以下の組成で製剤化する:
成分 量(重量%)
PGF類似体アルギニン塩 0.1〜0.50
EDTA 0.05
リン酸緩衝食塩水 100%になるまで適量
実施例83
【0304】
【化82】

【0305】
MeOH/HO(4:1、20ml)中の1.0gのラタノプロストL−アルギニン塩(2)に、2.01当量のヨウ化イソプロピル(99%、Cat#148938、シグマ−アルドリッチ、セントルイス、ミズーリ州)を加え、その溶液を1晩撹拌する。酢酸アンモニウムの飽和水溶液を酢酸エチルと共に加え、層分離をさせる。有機層を分離し、溶媒を真空除去し、次いで、この物質をクロマトグラフにかけ、ラタノプラストをイソプロピルエステル(6)として得る。
【0306】
実施例84
【0307】
【化83】

【0308】
実施例83の手順を、ラタノプロストをフルプロステノールに、またヨウ化イソプロピルをヨウ化メチルに置き換えて繰り返す。単離するのはフルプロステノールメチルエステル(7)である。
【0309】
実施例85
【0310】
【化84】

【0311】
MeOH/HO(4:1、20mL)中の1.0gの7−((1R,2R,3R,5S)−2−((R)−4−(2−フルオロフェニルチオ)−3−ヒドロキシブチル)−3,5−ジヒドロキシシクロペンチル)ヘプタン酸アルギニル(8)に、塩化アンモニウムの飽和水溶液と塩酸の1M溶液(シグマ−アルドリッチ、セントルイス、ミズーリ州)の3:1の混合液の少なくとも5当量を冷却しながら滴下し、次いで、その溶液を15分間撹拌する。塩化ナトリウムの飽和水溶液を酢酸エチルと共に添加する。有機層を分離し、再び塩水で洗浄し、溶媒を真空除去し、次いでこの物質をクロマトグラフにかけて、遊離酸である7−((1R,2R,3R,5S)−2−((R)−4−(2−フルオロフェニルチオ)−3−ヒドロキシブチル)−3,5−ジヒドロキシシクロペンチル)ヘプタン酸(9)を得る。
【0312】
実施例86
【0313】
【化85】

【0314】
DMF(20mL)中の1.0gのビマトプロストアルギニン塩(9)に、2MのエチルアミンのTHF溶液(Cat#395072、シグマ−アルドリッチ、セントルイス、ミズーリ州)を2.01当量及びEDC1.5当量を添加し、その溶液を1晩撹拌する。塩化アンモニウムの飽和水溶液と1M塩酸溶液(シグマ−アルドリッチ、セントルイス、ミズーリ州)の3:1の混合液を少なくとも5当量添加し、次いでその溶液を酢酸エチルで抽出し、洗浄して精製する。単離するのは、ビマトプロストN−エチルアミド(10)である。
【0315】
実施例87
【0316】
【化86】

【0317】
1.0gのビマトプロストアルギニン塩(9)に、塩化アンモニウムの飽和水溶液と1M塩酸溶液(シグマ−アルドリッチ、セントルイス、ミズーリ州)の3:1の混合液を少なくとも5当量添加し、この溶液をジエチルエーテルで抽出する。次に有機層を分離し、そこで20mlのDMF、2MのエチルアミンのTHF溶液(Cat#395072、シグマ−アルドリッチ、セントルイス、ミズーリ州)を2.01当量、EDCを1.5当量、及びDMAPを0.2当量添加し、その溶液を1晩撹拌する。次に塩化アンモニウムの飽和水溶液と1M塩酸溶液(シグマ−アルドリッチ、セントルイス、ミズーリ州)の3:1の混合液を少なくとも5当量添加し、次いで、その溶液を酢酸エチルで抽出し、洗浄して精製する。ビマトプロストN−エチルアミド(10)を単離する。
【0318】
実施例88
白色結晶ラタノプロスト−L-アルギニン塩2を実施例1に記載の通りに調製した。ラタノプロスト−L−アルギニン塩2を10倍体積のエタノールに溶解(窒素気流中)し、溶液を約−40℃まで冷却し、再結晶させた。30倍体積のメチルt−ブチルエーテル(MTBE)を静かに撹拌しながらこの溶液に徐々に添加した。添加終了後、この混合物をおよそ−40℃で短時間撹拌した。撹拌を停止し、塩を沈殿させた。大部分の上澄み液を100mLのピペットを用いて吸引除去した。20倍体積のエタノール:MTBE(1:3)をフラスコに残った混合物に加え、約−40℃で数分間撹拌した。撹拌を停止し、塩を沈殿させた。大部分の上澄み液を100mLのピペットを用いて吸引除去した。20倍体積のMTBEを残った混合物に加え、約−40℃で数分間撹拌した。撹拌を停止し、塩を沈殿させた。大部分の上澄み液を100mLのピペットを用いて吸引除去した。20倍体積のMTBEを残った混合物に加え、約−40℃で数分間撹拌した。混合物を濾過し、固形物を10倍体積のMTBEで洗浄した。この固形物を乾燥のために高真空の真空炉の結晶皿に置いた。
【0319】
再結晶したラタノプロスト−L−アルギニン塩2の画像を複合顕微鏡とカメラを用いて撮影し、図1〜10に示した。図4〜6の画像は40倍の倍率で撮影し、図1〜3及び図7〜10の画像は400倍の倍率で撮影した。結晶は時間と共により球形となったが、それは水の吸収を示していたと考えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロスタグランジン遊離酸のアミノ酸塩。
【請求項2】
約35℃以上の融点を有する、請求項1に記載の塩。
【請求項3】
アミノ酸が塩基性アミノ酸である、請求項1に記載の塩。
【請求項4】
プロスタグランジン遊離酸がFPレセプター配位子である、請求項1に記載の塩。
【請求項5】
プロスタグランジン遊離酸がEPレセプター配位子である、請求項1に記載の塩。
【請求項6】
アミノ酸がグアニジン基を含む、請求項1に記載の塩。
【請求項7】
プロスタグランジン遊離酸が式(II)に従う化合物、または、その光学異性体、ジアステレオマー、又はエナンチオマーであり、
【化1】

式中、aとbは、独立して、一重結合、二重結合、又は三重結合であり;
Q1、Q2、及びQ3は、独立して、水素又はアルコール保護基から選ばれ;
各Rは、独立して水素、又は低級アルキルから選ばれ;
Yは、−O−、−S−、−S(O)、−SO−、C(R−、−NR−、−CR=CR−、又は−C≡C−であり;
Zは、水素、炭素環、アリール又はヘテロアリールから選ばれ;
各Rは、存在する場合、水素、低級アルキル、アルコキシ、又はヒドロキシルであり;かつ、p及びqは、独立して0〜4の整数である、
請求項1に記載の塩。
【請求項8】
Zが二環系である、請求項7に記載の塩。
【請求項9】
Zが置換されている、請求項7に記載の塩。
【請求項10】
7−(1R,2R,3R,5S)−3,5−ジヒドロキシ−2−((S,E)−3−ヒドロキシ−5−フェニルペンタ−1−エニル)シクロペンチル)ヘプタン酸アルギニン塩:
【化2】

7−(1R,2R,3R,5S)−3,5−ジヒドロキシ−2−((R)−3−ヒドロキシ−4−フェノキシブチル)シクロペンチル)ヘプタン酸アルギニン塩:
【化3】

(Z)−7−(1R,2R,3R,5S)−3,5−ジヒドロキシ−2−((R,E)−3−ヒドロキシ−4−フェノキシブタ−1−エニル)シクロペンチル)ヘプタ−5−エン酸アルギニル:
【化4】

(Z)−7−((1R,2R,3R,5S)−2−((R,E)−4−(3−クロロフェノキシ)−3−ヒドロキシブタ−1−エニル)−3,5−ジヒドロキシシクロペンチル)ヘプタ−5−エン酸アルギニル:
【化5】

(Z)−7−((1R,2R,3R,5S)−3,5−ジヒドロキシ−2−((R,E)−3−ヒドロキシ−4−(3−(トリフルオロメチル)フェノキシ)ブタ−1−エニル)シクロペンチル)ヘプタ−5−エン酸アルギニル:
【化6】

(Z)−7−((1R,2R,3R,5S)−2−((R,E)−4−(2−フルオロフェノキシ)−3−ヒドロキシブタ−1−エニル)−3,5−ジヒドロキシシクロペンチル)ヘプタ−5−エン酸アルギニル:
【化7】

(Z)−7−((1R,2R,3R,5S)−2−((R,E)−4−(2−フルオロフェニルチオ)−3−ヒドロキシブタ−1−エニル)−3,5−ジヒドロキシシクロペンチル)ヘプタ−5−エン酸アルギニル:
【化8】

7−((1R,2R,3R,5S)−2−((R)−5−(2−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシペンタ−4−イニル)−3,5−ジヒドロキシシクロペンチル)ヘプタン酸アルギニル:
【化9】

7−((1R,2R,3R,5S)−2−((R)−4−(2−フルオロフェニルチオ)−3−ヒドロキシブチル)−3,5−ジヒドロキシシクロペンチル)ヘプタン酸アルギニル:
【化10】

(Z)−7−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−((S,E)−3−ヒドロキシ−5−フェニルペンタ−1−エニル)−5−オキソシクロペンチル)ヘプタ−5−エン酸アルギニル:
【化11】

7−((1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−((S,E)−3−ヒドロキシ−5−フェニルペンタ−1−エニル)−5−オキソシクロペンチル)ヘプタン酸アルギニル:
【化12】

PGEアルギニン塩:
【化13】

PGEアルギニン塩:
【化14】

又は、PGDアルギニン塩:
【化15】

から成る群から選ばれる、請求項7に記載の塩。
【請求項11】
プロスタグランジン遊離酸がタフルプロスト遊離酸である、請求項1に記載の塩。
【請求項12】
プロスタグランジン遊離酸がビマトプロスト遊離酸である、請求項1に記載の塩。
【請求項13】
プロスタグランジン遊離酸がラタノプロスト遊離酸である、請求項1に記載の塩。
【請求項14】
プロスタグランジン遊離酸がフルプロステノール遊離酸である、請求項1に記載の塩。
【請求項15】
塩がプロスタグランジン遊離酸とアミノ酸との間の反応生成物である、請求項1に記載の塩。
【請求項16】
請求項1に記載の塩及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項17】
プロスタグランジン遊離酸を塩基性アミノ酸と反応させてプロスタグランジン遊離酸のアミノ酸塩を形成することを含む、プロスタグランジン遊離酸のアミノ酸塩の製造方法。
【請求項18】
プロスタグランジン遊離酸を塩基性アミノ酸と反応させて塩を形成すること、及び
該塩をプロスタグランジン類似体に変換すること、
を含むプロスタグランジン類似体の製造方法。
【請求項19】
プロスタグランジン類似体がエステルである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
プロスタグランジン類似体がアミドである、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
プロスタグランジン類似体がプロスタグランジンFレセプターに結合する、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
塩基性アミノ酸がグアニジノ基を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
プロスタグランジン遊離酸を塩基性アミノ酸と反応させて塩を形成すること、
該塩を中和して該プロスタグランジン遊離酸を回収すること、及び
該プロスタグランジン遊離酸をプロスタグランジン類似体に変換すること、
を含むプロスタグランジン類似体の製造方法。
【請求項24】
プロスタグランジン類似体がエステルである、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
プロスタグランジン類似体がアミドである、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
プロスタグランジン類似体が該プロスタグランジンFレセプターに結合する、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
塩基性アミノ酸がグアニジノ基を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
プロスタグランジン遊離酸を塩基性アミノ酸と反応させて塩を形成すること、及び
該塩をプロスタグランジンに変換すること、
を含むプロスタグランジンの製造方法。
【請求項29】
プロスタグランジン類似体がプロスタグランジンFレセプターに結合する、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
塩基性アミノ酸がグアニジノ基を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
緑内障又はその他の眼病の治療方法であって、該方法を必要とする被験者に請求項1に記載の塩の有効量を投与することを含む方法。
【請求項32】
鼻閉塞の改善方法又は神経因性膀胱の治療方法であって、該方法を必要とする被験者に請求項1に記載の塩の有効量を投与することを含む方法。
【請求項33】
骨粗鬆症の治療方法であって、該方法を必要とする被験者に請求項1に記載の塩の有効量を投与することを含む方法。
【請求項34】
皮膚疾患、呼吸器疾患、循環器疾患、胃腸疾患、脱毛又は受胎調節の治療方法であって、該方法を必要とする被験者に請求項1に記載の塩の有効量を投与することを含む方法。
【請求項35】
眼圧を下げるために有効な量の請求項1に記載の塩と細胞を接触させることを含む、眼圧を下げる方法。
【請求項36】
細胞が被験者内にある、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
アミノ酸プロスタグランジン遊離酸塩であって、該アミノ酸が、アルギニン、ホモアルギニン、N(δ)−メチル−L−アルギニン、L−カナバニン、D−カナバニン、DL−カナバニン、L−α−アミノ−β−グアニジノプロピオン酸、γ-グアニジノ酪酸、及びシトルレンから成る群から選ばれ、プロスタグランジン遊離酸が、ラタノプロスト遊離酸、トラボプロスト遊離酸、フルプロステノール遊離酸、タフルプロスト遊離酸、及びビマトプロスト遊離酸から成る群から選ばれる、遊離酸塩。選
【請求項38】
アミノ酸がアルギニンである、請求項1に記載の塩。
【請求項39】
プロスタグランジン遊離酸がトラボプロスト遊離酸である、請求項2に記載の塩。
【請求項40】
プロスタグランジン遊離酸がフルプロステノール遊離酸である、請求項2に記載の塩。
【請求項41】
プロスタグランジン遊離酸がタフルプロスト遊離酸である、請求項2に記載の塩。
【請求項42】
プロスタグランジン遊離酸がビマトプロスト遊離酸である、請求項2に記載の塩。
【請求項43】
アミノ酸のプロスタグランジン遊離酸塩であって、該プロスタグランジン遊離酸がラタノプロスト遊離酸であり、該アミノ酸がアルギニンである、遊離酸塩。
【請求項44】
請求項1に記載の塩及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項45】
ラタノプロスト遊離酸、トラボプロスト遊離酸、フルプロステノール遊離酸、タフルプロスト遊離酸、及びビマトプロスト遊離酸から成る群から選ばれるプロスタグランジン遊離酸を含む混合物を、アルギニン、ホモアルギニン、N(δ)−メチル−L−アルギニン、L−カナバニン、D−カナバニン、DL−カナバニン、L−α−アミノ−β−グアニジノプロピオン酸、γ-グアニジノ酪酸、及びシトルレンから成る群から選ばれるアミノ酸と反応させて塩を形成することを含む、プロスタグランジン遊離酸塩の製造方法。
【請求項46】
ラタノプロスト遊離酸、トラボプロスト遊離酸、フルプロステノール遊離酸、タフルプロスト遊離酸、及びビマトプロスト遊離酸から成る群から選ばれるプロスタグランジン遊離酸を、アルギニン、ホモアルギニン、N(δ)−メチル−L−アルギニン、L−カナバニン、D−カナバニン、DL−カナバニン、L−α−アミノ−β−グアニジノプロピオン酸、γ-グアニジノ酪酸、及びシトルレンから成る群から選ばれるアミノ酸と反応させて塩を形成すること、及び
該塩をプロスタグランジン類似体に変換すること、
を含むプロスタグランジン類似体の製造方法。
【請求項47】
プロスタグランジン類似体がエステルである、請求項10に記載の方法。
【請求項48】
プロスタグランジン類似体がアミドである、請求項10に記載の方法。
【請求項49】
プロスタグランジン類似体がプロスタグランジンFレセプターに結合する、請求項10に記載の方法。
【請求項50】
ラタノプロスト遊離酸、トラボプロスト遊離酸、フルプロステノール遊離酸、タフルプロスト遊離酸、及びビマトプロスト遊離酸から成る群から選ばれるプロスタグランジン遊離酸を、アルギニン、ホモアルギニン、N(δ)−メチル−L−アルギニン、L−カナバニン、D−カナバニン、DL−カナバニン、L−α−アミノ−β−グアニジノプロピオン酸、γ-グアニジノ酪酸、及びシトルレンから成る群から選ばれるアミノ酸と反応させて塩を形成すること、
該塩を中和して該プロスタグランジン遊離酸を回収すること、及び
該プロスタグランジン遊離酸をプロスタグランジン類似体に変換すること、
を含むプロスタグランジン類似体を製造する方法。
【請求項51】
プロスタグランジン類似体がエステルである、請求項14に記載の方法。
【請求項52】
プロスタグランジン類似体がアミドである、請求項14に記載の方法。
【請求項53】
プロスタグランジン類似体がプロスタグランジンFレセプターに結合する、請求項14に記載の方法。
【請求項54】
ラタノプロスト遊離酸、トラボプロスト遊離酸、フルプロステノール遊離酸、タフルプロスト遊離酸、及びビマトプロスト遊離酸から成る群から選ばれるプロスタグランジン遊離酸を、アルギニン、ホモアルギニン、N(δ)−メチル−L−アルギニン、L−カナバニン、D−カナバニン、DL−カナバニン、L−α−アミノ−β−グアニジノプロピオン酸、γ-グアニジノ酪酸、及びシトルレンから成る群から選ばれるアミノ酸と反応させて塩を形成すること、及び
該塩をプロスタグランジンに変換すること、
を含むプロスタグランジンを製造する方法。
【請求項55】
プロスタグランジンがプロスタグランジンFレセプターに結合する、請求項18に記載の方法。
【請求項56】
緑内障又はその他の眼病の治療方法であって、該方法を必要とする被験者に請求項1に記載の塩の有効量を投与することを含む方法。
【請求項57】
鼻閉塞の改善方法又は神経因性膀胱の治療方法であって、該方法を必要とする被験者に請求項1に記載の塩の有効量を投与することを含む方法。
【請求項58】
骨粗鬆症の治療方法であって、該方法を必要とする被験者に請求項1に記載の塩の有効量を投与することを含む方法。
【請求項59】
皮膚疾患、呼吸器疾患、循環器疾患、胃腸疾患、脱毛又は受胎調節の治療方法であって、該方法を必要とする被験者に請求項1に記載の塩の有効量を投与することを含む方法。
【請求項60】
眼圧を下げるために有効な量の請求項1に記載の塩と細胞を接触させることを含む眼圧を下げる方法。
【請求項61】
細胞が被験者内にある請求項24に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2012−507552(P2012−507552A)
【公表日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−534771(P2011−534771)
【出願日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際出願番号】PCT/US2009/062590
【国際公開番号】WO2010/096123
【国際公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(509195515)アエリエ・ファーマシューティカルズ・インコーポレーテッド (7)
【Fターム(参考)】