説明

プロセスカートリッジおよび画像形成装置

【課題】 再利用化および廃棄の判別が可能となることで再利用化を促進してコストアップを抑制することができる構成を備えたプロセスカートリッジを提供する。
【解決手段】 複数の装置あるいは部材1が纏めて収納されるプロセスカートリッジであって、前記装置あるいは部材1に対して再利用毎に変更可能な認識手段101を設け、該認識手段101の変更状態を判別する手段100を用いて前記装置あるいは部材1の再利用あるいは廃棄が決定されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロセスカートリッジおよび画像形成装置に関し、さらに詳しくは、プロセスカートリッジ内に収納されている装置あるいは部材の交換時期判別機構に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機やプリンタあるいはファクシミリ装置や印刷機などの画像形成装置においては、潜像担持体に対する画像形成処理を実行する装置の一部を潜像担持体と同じ筐体内に纏めて配備し、装置本体に対して着脱可能に設けたプロセスカートリッジ構造(以下、プロセスカートリッジという)を採用する場合がある。
【0003】
プロセスカートリッジの構成としては、画像形成装置に対して着脱可能なカートリッジに対して画像形成処理に用いられる部材である感光体、これに対する画像形成処理を行うための帯電装置、現像装置およびクリーニング装置などが纏めて収納される構成が一般的である(例えば、特許文献1)。
【0004】
ところで、プロセスカートリッジは、内部に装備されている装置の経時劣化や寿命により交換される対象となるが、特に現像装置における現像剤がなくなった時点でプロセスカートリッジとしての寿命が尽きたとして交換することが頻繁に行われていた。従って、現像剤の消費率が高いユーザであるとプロセスカートリッジ内の現像装置以外の装置がまだ使用可能な状態であっても現像剤がなくなった時点で交換する必要が出てしまい、画像形成装置の管理維持費、いわゆる、ランニングコストが高くなる虞がある。そこで、従来では、転写後の感光体ドラムから回収したトナーを現像装置内に再給送して、いわゆるリサイクルトナーを用いる方式も提案されているが、リサイクルトナーと現像装置における補給部からの新規トナーとのいずれもが消費されてしまうと、上述した場合と同様にプロセスカートリッジの交換ということになる。
そこで、プロセスカートリッジ自体の交換ではなく、例えば、消費による経時変化が大きい現像装置での現像剤の消費に対応して現像剤を補充することによりプロセスカートリッジを再生させて現像装置以外の装置の使用継続を可能にすることも知られている(例えば、特許文献2)。
【0005】
【特許文献1】特開2004−271703号公報(段落「0025」欄)
【特許文献2】特開004−133270号公報(段落「0011」欄)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、近年では、環境保全の観点から、廃棄物の削減さらに再資源化が要求されるようになってきており、プロセスカートリッジにおいても例外ではない。
【0007】
従って、交換対象となったプロセスカートリッジにおいて廃棄の対象となった装置およびこれに用いられる部品も回収して再利用を行うための方策が必要とされてきている。
【0008】
プロセスカートリッジにおける交換対象となる装置や部品には、上述した現像装置以外に潜像担持体として用いられる感光体がある。
例えば、感光体としてドラム状の感光体を用いる場合、転写工程後に感光体ドラムから記録シートを分離するための構成として、曲率分離を利用する構成がある。この構成は、感光体ドラムの曲率半径と記録シートの曲げ剛性、いわゆる腰の強さとを利用して記録シートが感光体ドラムの表面から反り返って分離されるようになっているが、腰の弱い記録シートであると十分な分離作用が得られない。そこで、従来では、感光体ドラムに当接する分離爪が設けてあるが、分離爪の摺擦が継続されることにより感光体ドラムの表面に縦スジが発生して傷が付くことがあり、この部分での画像抜け等の異常画像が得られることがある。このため、感光体ドラムの使用経過時間や印字回数によって感光体ドラムが交換されるようになっている。
【0009】
しかし、このような方策を用いた場合には、まだ縦スジによる不具合が発生しない状態であるにも拘わらずプロセスカートリッジと共に感光体ドラムが交換されることになるので、ランニングコストの上昇は否めなくなる。特に、仕様によって同じ構成の感光体ドラムを用いて印字可能枚数の異なるタイプ、つまり、現像剤の容量などを異ならせて印字可能枚数を異ならせた画像形成装置である場合には、感光体ドラムにおける分離爪からの損傷を受ける時期でないタイプもあり、使用可能であるにも拘わらず新規の感光体ドラムに交換という措置が執られることによりコストアップとなりやすい。
【0010】
本発明の目的は、上記従来のプロセスカートリッジを対象とした交換に鑑み、再利用化および廃棄の判別が可能となることで再利用化を促進してコストアップを抑制することができる構成を備えたプロセスカートリッジおよび画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1記載の発明は、複数の装置あるいは部材が纏めて収納されるプロセスカートリッジであって、前記装置あるいは部材に対してこれらの再利用毎に変更可能な認識手段を設け、該認識手段の変更状態に基づき前記装置あるいは部材の再利用あるいは廃棄を決定する手段を備えていることを特徴としている。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のプロセスカートリッジにおいて、前記認識手段として、位置の変更が可能な構成が用いられることを特徴としている。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載のプロセスカートリッジにおいて、前記装置あるいは部材の再利用あるいは廃棄の判別は、該認識手段の変更位置を基準とした前記装置あるいは部材の稼働状況あるいは使用経過時間に基づき行われることを特徴としている。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のうちの一つに記載のプロセスカートリッジにおいて、前記認識手段の変更状態に基づき前記装置あるいは部材の再利用あるいは廃棄を決定する手段には、該認識手段の変更位置を基準とした前記装置あるいは部材の稼働状況あるいは使用経過時間を記憶することが可能な手段が用いられることを特徴としている。
【0015】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のうちの一つに記載のプロセスカートリッジを画像形成装置に対して着脱可能に設けたことを特徴とする画像形成装置。
【0016】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の画像形成装置において、前記装置として潜像担持体およびこれに対する画像形成処理を実行可能な装置が含まれ、前記部材として前記潜像担持体に当接可能な爪部材が含まれることを特徴としている。
【0017】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の画像形成装置において、前記部材として用いられる爪部材は、前記潜像担持体の使用限界に至るまでの間での利用状態に応じて潜像担持体に対する当接位置を変更可能であることを特徴としている。
【0018】
請求項8記載の発明は、請求項6または7記載の画像形成装置において、前記部材として用いられる爪部材は、当接位置を変更された時点を基準として前記潜像担持体を用いた画像形成回数に相当する印字枚数の計数を開始するために用いられることを特徴としている。
【発明の効果】
【0019】
請求項1記載の発明によれば、纏めて収納される装置あるいは部材において再利用毎に変更可能な認識手段の変更状態に基づき再利用あるいは廃棄が決定できるので、まだ廃棄対象とすべきでない場合での装置や部材の無為な廃棄処分をなくすことができ、コスト上昇を防止することが可能となる。
【0020】
請求項2記載の発明によれば、認識手段として位置の変更が可能な構成であるので、色や文字などの表示情報と違って汚れなどによる誤認識をなくして再利用あるいは廃棄の判断精度を上げることが可能となる。
【0021】
請求項3記載の発明によれば、認識手段の変更位置を基準とした装置あるいは部材の稼働状況あるいは使用経過時間に基づき装置あるいは部材の再利用あるいは廃棄が判別するようになっているので、装置あるいは部材の使用履歴に即した判別が可能となる。
【0022】
請求項4記載の発明によれば、認識手段の変更状態を基準とした装置あるいは部材の使用履歴を記憶することができるので、再利用された装置あるいは部材の使用履歴が不明確になることがなく、適正な廃棄時期の設定が可能となる。
【0023】
請求項5記載の発明によれば、交換のために着脱可能なプロセスカートリッジを用いた場合でも、プロセスカートリッジを無為に廃棄するのでなく、再利用を実現でき、環境保全に役立つ画像形成装置を提供することができる。
【0024】
請求項6記載の発明によれば、プロセスカートリッジに含まれる装置および部材において実際の経時劣化の原因が存在するものを対象として認識手段の変更状態を基準として交換対象となるものの再利用あるいは廃棄の判別できるので、再利用できる装置や部材までもが廃棄されるのを未然に防止することが可能となる。
【0025】
請求項7および8記載の発明によれば、潜像担持体に対して経時的な影響を与える爪部材の変更状況を基準として潜像担持体の再利用あるいは廃棄判別が行えるので、潜像担持体に対する爪部材による実際の影響に対応させることができ、無駄な交換によるコスト上昇を防止することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図面に示す実施例により本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【実施例】
【0027】
図1は、本発明実施例によるプロセスカートリッジPCを示している。
プロセスカートリッジPCは、図示しない画像形成装置、例えばプリンタなどの本体筐体に対して着脱可能に設けられており、内部には、潜像担持体としてドラム状に形成された感光体(以下、感光体ドラムという)1が配置されている。
【0028】
感光体ドラム1の周囲には、回転過程において画像形成処理を行う装置のうちで画像情報に応じて感光体ドラム1に静電潜像を形成する装置および現像されたトナー像を記録用紙に転写する装置を除く画像形成処理実行用の装置である帯電装置2,現像装置3,クリーニング装置4がそれぞれ配置されている。
【0029】
本実施例では、帯電装置2が、感光体ドラム1に接触子ながら電荷注入が可能なローラを備えた接触帯電方式に基づく構成とされ、現像装置3が、トナーとキャリアとを混合した二成分系現像剤を用いる構成とされている。
クリーニング装置4では、クリーニングブレード4Aにより感光体ドラム1から掻き取られた残留トナーを磁気ローラ4Bにより回収部4Cに向けて搬送可能な構成が用いられている。
【0030】
現像装置3は、現像部3Aとトナー補給部3Bとを備えた構成が用いられている。現像部3Aには、感光体ドラム1と対向して現像剤を表面に担持可能な現像剤担持体に相当する現像スリーブ5と、攪拌ローラ6と、現像剤の層厚を規定するプレドクター7およびドクターブレード8とが設けられている。
【0031】
トナー補給部3Bには、プロセスカートリッジPCに対して挿脱可能なトナーカートリッジ9が装填されている。
トナーカートリッジ9は、補給対象である新規トナーを収容可能な空間が外部から透視可能な透明体からなる容器で構成され、上部に2段の壁部9A、9Bが形成され、各壁部9A、9Bには外部からトナーを充填することができる開口からなる充填部9A1,9B1が設けられている。
【0032】
充填部9A1,9B1には、図示しないが流動化装置からのトナーを充填する際に用いられるノズル(図示されず)を装着するとき以外は充填部を閉塞可能なパッキン部材9A2,9B2が取り付けられている。このように2段の壁部9A、9Bを設けて各部にある充填部9A1,9B1を塞ぐ構成とすることによりトナーを内部に補充する際のトナー漏れを確実に防止できる。
【0033】
現像部3Aとトナー補給部3Bとが連通する空間部である両部の境界部Sには、トナー補給部3Bからのトナーの流路が構成されており、この流路には、流路を開閉することで遮断可能な構成が設けられている。
流路を開閉することで遮断することができる構成には、一対のローラ10,11に両端が掛け止めされたシール12が用いられる。
【0034】
以上のような構成に加えて、プロセスカートリッジPCには、感光体ドラム1に対して当接し、転写を終えた記録シートを感光体ドラム1から分離するための分離爪13が感光体ドラム1の回転方向における転写位置(図1中、符号TFで示す位置)の後方において感光体ドラム1の軸方向で1カ所あるいは複数箇所配置されている。
【0035】
本実施例では、プロセスカートリッジPC内に収納されている装置あるいは部材である感光体ドラム1,帯電装置2,現像装置3およびクリーニング装置4そして分離爪13のうちで、交換などにより廃棄処分される対象となる感光体ドラム1の寿命を判断し、再利用可能な場合と廃棄する場合とを判別できるようになっている。感光体ドラム1は、前述したように、画像形成装置における印字枚数などの仕様により感光体ドラム1がまだ使用できる状態であってもプロセスカートリッジ内での他の装置や部材の寿命により廃棄処分の対象とされることがある。そこで、本実施例では、感光体ドラム1がまだ使用できる状態であるかどうかを判別して感光体ドラム1における実際の廃棄時期までの使用を継続できるようにすることで環境保全に役立てるようになっている。以下に、このための構成について説明する。
本実施例における判別に用いられる構造には、分離爪13が感光体ドラム1の廃棄あるいは継続使用に関する判別のための基準となる認識手段として用いられる。つまり、分離爪13は、図2に示すように、感光体ドラム1に対する当接位置を変更できるようになっており、変更する基準は、感光体ドラム1の装填回数が相当している。具体的には、感光体ドラム1の軸方向における感光体ドラム1との当接位置を感光体ドラム1の再利用毎に変化させるようになっている。
分離爪13をプロセスカートリッジ側に一体化するために用いられる両面接着テープは、詳細を示さないが、分離爪13を取り外す際にはプロセスカートリッジ側の接着部に接着剤を残すことなく剥がせる特性を有しておりこのような両面接着テープとしては、日東電工製のリサイクル対応容量面接着テープ(No.5000NS)が用いられる。本実施例に用いられる分離爪13は、PET(ポリエチレン・テレフタレート)樹脂が用いられ、表裏各面で接着力が異なる両面接着テープを用いてプロセスカートリッジPCの壁部に対して着脱できる部材で構成されている。
図2では、感光体ドラム1の軸方向に沿って感光体ドラム1の再利用回数に順じて軸方向での当接位置をずらすようになっている。このため、プロセスカートリッジPCにおける分離爪13の支持位置には、図2(B)に示すように、所定間隔により分離爪13に形成されている嵌合孔13Aに対して係合可能な位置決め手段としての支持部(便宜上、図2において符号14で示す)が設けられており、この支持部14に対する分離爪13の嵌合位置を変更するようになっている。
図2に示す構成においては、分離爪13の位置変更回数、つまり感光体ドラム1の再利用回数として、新品利用時を除いて2回とした場合が示されており、このため、支持部14は新品利用時とこれ以降の利用回数である2回に対応させて3箇所分形成されている(図2において、符号14で示した支持部材のうちで嵌合穴3Aの長手方向一方側に位置する支持部材の中心線に付記した(P1)、(P2)、(P3)で示す位置)。
【0036】
分離爪13の位置を変更する理由としては、同じ場所での当接状態が維持されると、初期設定されている当接圧による傷の発生が顕著となることが挙げられる。このため、経時に応じて感光体ドラム1の表面に発生する傷の影響が大きくなるとその部分での画像が形成されないことや縦スジなどの異常画像が得られてしまうことなどの弊害が発生する。そこで、感光体ドラム1が再利用される際には分離爪13の当接位置を変更することにより上述した不具合の発生を防ぐことができる。
【0037】
本実施例では、認識手段として用いられる分離爪13の位置変更を基準としてこの位置での感光体ドラム1の使用経過時間や画像形成回数に相当する印字枚数が計数され、回収されたプロセスカートリッジから取り出された感光体ドラム1が再利用できるかどうかを判断するようになっている。
【0038】
つまり、分離爪13が位置変更されてからの移送経過時間あるいは印字枚数を登録しておくことで、変更位置の情報に相当する再利用回数情報と再利用されてからの使用経過時間や印字枚数において限界となる使用経過時間あるいは印字枚数に達しているかどうかを判別することができる。
【0039】
本実施例では、図3および図4に示す、印字枚数と感光体ドラム1でのキズレベル(図3)、感光体ドラム1の回転時間と感光体ドラム1でのキズレベル(図4)を予め評価実験などによって登録保存しておき、プロセスカートリッジが装着された際に感光体ドラム1に対する分離爪13の位置およびその位置での情報を取り込むことで使用されている感光体ドラム1の使用履歴を図3あるいは図4に示した関係に照合することで感光体ドラム1の再利用あるいは廃棄の判別が行えるようになっている。なお、最終回の再利用を意味する位置に分離爪13の位置が変更されている段階では、感光体ドラム1の使用履歴において図3あるいは図4に示す関係において画像の縦スジ発生時期に対応していると判別した場合には感光体ドラム1が廃棄対象となる。
【0040】
図5は、上記感光体ドラム1の再利用や廃棄判別および分離爪13の位置変更判別を行うための構成を示すブロック図であり、同図において感光体ドラム1の再利用や廃棄判別および分離爪13の位置変更判別は制御部100によって行われる。
【0041】
制御部100は、画像形成装置における画像形成処理シーケンスを実行するためのプログラムを備えたマイクロコンピュータ(CPU)を備えており、入力側には、プロセスカートリッジ側に設けられている情報記憶手段101からの情報を受信する受信部あるいはコネクタが設けられ、出力側には感光体ドラム1の廃棄警告、いわゆる、限界警告を警報するための表示パネル102が接続されている。
【0042】
情報記憶手段101は、プロセスカートリッジに設けられている入力操作が可能なICチップやカウンタなどの他のデバイスが用いられ、プロセスカートリッジ内での感光体ドラム1の使用経過時間や回転総数あるいは印字枚数が登録保存できるようになっている。この場合の使用経過時間や回転総数あるいは印字枚数(回数)は、制御部100からの信号が出力されることにより情報として情報記憶手段101において更新記憶される。
【0043】
制御部100では、プロセスカートリッジが装填されると、プロセスカートリッジ側での情報記憶手段101の保存内容を読み込んで、感光体ドラム1の再利用回数および再利用開始時からの感光体ドラム1の使用経過時間や回転総数あるいは印字枚数が感光体ドラム1の再利用あるいは廃棄のいずれであるかを判別する材料として取り込まれる。感光体ドラム1の使用経過時間や回転総数あるいは印字枚数が図3,図4に示す関係に基づき画像立てスジ発生時期に達していると判断した場合には、分離爪13の変更位置を基準として最終回の利用回数でない場合には分離爪13の位置変更を行わせて再利用できるとする判断を行い、最終回の利用回数に相当する位置に分離爪13が変更されている場合には感光体ドラム1の使用限界と判断して感光体ドラム1の廃棄を促す処理を行う。
【0044】
図6は、制御部100において実施される制御内容のうちで、本実施例に関係する制御内容のみを挙げたフローチャートであり、同図において、プロセスカートリッジが画像形成装置に装填されると(図6では、セットアップと表示してある:ST1)、制御部100では、プロセスカートリッジの装備されている情報記憶手段101の内容が読み込まれる(ST2)。つまり、制御部100では、新たに装填されたプロセスカートリッジ側の感光体ドラム1に関する使用履歴を装填された時点で取り込むことになり、取り込んだ情報内容が感光体ドラム1の使用限界であるかどうかを判別する(ST3)。ステップ背T3において感光体ドラム1が寿命限界に足していると判別した場合には限界表示を表示パネル102において行う(ST4)。従って、プロセスカートリッジを装填する時点で感光体ドラム1の交換あるいは継続使用のいずれかであるかを判断することができるので、継続使用できる場合には使用限界でないのに交換する必要がなくなり、コスト上昇を抑えることが可能となる。
【0045】
なお本実施例では、再利用対象の部材として感光体ドラム1を挙げて説明したが、このほかの装置としては、現像装置もあり、現像装置は、ケースがPS(ポリスチレン)樹脂で構成され、
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明実施例によるプロセスカートリッジの構成を説明するための図である。
【図2】本発明実施例によるプロセスカートリッジに用いられる分離爪の位置変更状態を説明するための模式図であり(A)は、分離爪の側面視を、(B)は平面視をそれぞれ示している。
【図3】本発明実施例によるプロセスカートリッジに用いられ感光体ドラムに生じる縦スジと印字枚数との関係を説明するための線図である。
【図4】本発明実施例によるプロセスカートリッジに用いられ感光体ドラムに生じる縦スジと感光体ドラムの回転時間との関係を説明するための線図である。
【図5】本発明実施例によるプロセスカートリッジに用いられる感光体ドラムの寿命限界を判別するための用いられる制御部の構成を説明するためのブロック図である。
【図6】図5に示した制御部の作用を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0047】
1 感光体ドラム
13 分離爪
100 制御部
101 情報記憶手段
102 表示パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の装置あるいは部材が纏めて収納されるプロセスカートリッジであって、
前記装置あるいは部材に対してこれらの再利用毎に変更可能な認識手段を設け、該認識手段の変更状態に基づき前記装置あるいは部材の再利用あるいは廃棄を決定する手段を備えていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項2】
請求項1記載のプロセスカートリッジにおいて、
前記認識手段として、位置の変更が可能な構成が用いられることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項3】
請求項1または2記載のプロセスカートリッジにおいて、
前記装置あるいは部材の再利用あるいは廃棄の判別は、該認識手段の変更位置を基準とした前記装置あるいは部材の稼働状況あるいは使用経過時間に基づき行われるこを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項4】
請求項1乃至3のうちの一つに記載のプロセスカートリッジにおいて、
前記認識手段の変更状態に基づき前記装置あるいは部材の再利用あるいは廃棄を決定する手段には、該認識手段の変更位置を基準とした前記装置あるいは部材の稼働状況あるいは使用経過時間を記憶することが可能な手段が用いられることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項5】
請求項1乃至4のうちの一つに記載のプロセスカートリッジを着脱可能に設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項5記載の画像形成装置において、
前記装置として潜像担持体およびこれに対する画像形成処理を実行可能な装置が含まれ、前記部材として前記潜像担持体に当接可能な爪部材が含まれることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項6記載の画像形成装置において、
前記部材として用いられる爪部材は、前記潜像担持体の使用限界に至るまでの間での利用状態に応じて潜像担持体に対する当接位置を変更可能であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項6または7記載の画像形成装置において、
前記部材として用いられる爪部材は、当接位置を変更された時点を基準として前記潜像担持体を用いた画像形成回数に相当する印字枚数を計測する部材として用いられることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−178280(P2006−178280A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−373057(P2004−373057)
【出願日】平成16年12月24日(2004.12.24)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】