説明

プロセスカートリッジ及び画像形成装置

【課題】
本発明は、薄型化を実現しつつ、感光体に対して負担の少ない現像カートリッジの装着を行うことが可能なプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
【解決手段】
感光体カートリッジ30に対する現像カートリッジ60の装着時において、現像軸受部69が案内溝45により案内されているとき、押圧部51により被押圧部72が押圧される前に、搬送ローラ48の軸受体52とギアホルダ68が当接するようにプロセスカートリッジ30を構成する。すると、軸受体52とギアホルダ68が当接することで、重力によって現像カートリッジ30に感光ドラム方向への力が作用し、現像ローラ63を感光ドラム33に近づけることが出来る。従って、感光ドラム33に負担の少ない現像カートリッジの装着が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合機やファクシミリ、あるいはレーザプリンタ等における電子写真方式の画像形成装置に使用するプロセスカートリッジの構成に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、電子写真方式のプリンタなどの画像形成装置には、プロセスカートリッジが着脱自在に装着されるものがある。プロセスカートリッジは、感光体を有する感光体カートリッジに、現像ローラを有する現像カートリッジが着脱可能に構成されている。感光体カートリッジは、現像カートリッジを着脱可能に収納し、上方に開口する現像カートリッジ収納部を有している。感光体カートリッジに対する現像カートリッジの装着時に、現像ローラを感光体に向けて案内する案内溝は、現像カートリッジ収容部から下方に向かう円弧状に形成されている。
【0003】
感光体カートリッジ上方向からの現像カートリッジの装着において、現像ローラは円弧状の案内溝に現像ローラの両端部を沿わせながら、感光体と対向する位置に案内される。そして、現像カートリッジが現像カートリッジ収納部に収納されることで、感光体カートリッジに設けられた押圧部により現像カートリッジが感光体に向けて押圧される。
【0004】
この現像カートリッジ装着の過程で、現像ローラ軸両端部は、案内溝が円弧状であると、重力によって案内溝上で感光体方向へ案内される力を受ける。よって、現像カートリッジが押圧部によって押圧される前に、現像ローラを感光体に近づけることが出来る。したがって、現像ローラが、感光体に押圧されるときに、感光体への負担を小さくすることが出来る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−250310
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方、画像形成装置は多機能を実現しつつ小型化が要請されている。近年においては、装置に両面印字機能を持たせる等の要請が強く、装置本体の高さが大きくなってしまう傾向にある。従って、装置の高さ寸法については特に配慮の必要があり、装置本体の高さを抑えるためにプロセスカートリッジを薄型化する必要が生まれた。そのためには、従来の下方に向かう円弧状に形成される案内部の形状を、感光体と収容部が隣り合う向きに沿って延びる直線状として薄型化を図ることが考えられる。
【0007】
しかしながら、案内部を感光体と現像カートリッジ収容部が隣り合う向きに沿って延びる直線状とすると、現像カートリッジが上方から感光体カートリッジに装着されるときに、現像ローラ軸の両端部には、感光体方向への力が働きにくくなる。よって、現像ローラが感光体に向けて案内され難くなる。従って、現像ローラが感光体と十分に近づいていない状態で、現像カートリッジが押圧部により押圧される。すると、案内溝が円弧状の場合に比べて、現像ローラが感光体に対して勢いを持った状態で押圧され、感光体に負担がかかるという問題がある。
【0008】
そこで本発明は、薄型化を実現しつつ、感光体に対して負担の少ない現像カートリッジの装着を行うことが可能なプロセスカートリッジおよび画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、請求項1に記載のプロセスカートリッジは、現像ローラ軸を有し、現像剤を担持する現像ローラと、前記現像ローラを支持する第一筐体と、を有し、前記現像ローラ軸の両端部が前記第一筐体から外方に突出するように延出された現像カートリッジと、静電潜像が形成される感光ドラムと、前記感光ドラムを支持し、前記現像カートリッジを着脱可能に収容する第二筐体と、を有する感光体カートリッジとを備え、前記第二筐体は、前記感光ドラムを支持するドラム支持部と、前記ドラム支持部と隣り合って設けられ、前記現像カートリッジを着脱可能に収容するカートリッジ収容部と、が形成されており、前記第二筐体は、前記感光ドラムの両端部を支持し、前記ドラム支持部及び前記カートリッジ収容部を形成する支持側壁と、前記カートリッジ収容部に設けられ、前記現像カートリッジを前記感光ドラムに向けて押圧する押圧部と、を有し、前記支持側壁は、前記現像カートリッジが前記カートリッジ収容部に収容されるとき、前記現像ローラを前記感光ドラムと対向する位置に案内するように、前記現像ローラ軸の両端部を案内する第一案内部を形成し、前記第一案内部は、前記ドラム支持部と前記カートリッジ収容部とが隣り合う向きに沿って延びる直線状に形成され、前記第一筐体は、前記押圧部によって押圧される被押圧部を有し、前記第二筐体は、前記現像ローラ軸の両端部が前記第一案内部に案内されるとき、前記被押圧部が前記押圧部によって押圧される前に、前記現像カートリッジを前記感光ドラムに向かって案内する第二案内部を有することを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載のプロセスカートリッジは、請求項1に記載のプロセスカートリッジにおいて、前記第二案内部は、前記感光ドラムの軸方向と直交する方向において前記第一案内部と前記押圧部との間に配置されることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載のプロセスカートリッジは、請求項1又は請求項2に記載のプロセスカートリッジにおいて、前記第一筐体は、前記現像ローラに駆動力を伝達する駆動力伝達手段を前記現像ローラ軸方向の一端に備え、前記駆動伝達手段は、前記駆動伝達手段を覆う被覆部材で覆われており、前記第二案内部は前記被覆部材と当接することで前記現像カートリッジを案内することを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載のプロセスカートリッジは、請求項1から請求項3のいずれかに記載のプロセスカートリッジにおいて、前記感光体カートリッジに対して現像カートリッジが装着された状態において、前記押圧部は、前記感光ドラムの回転軸と前記現像ローラ軸とを結ぶ直線上に配置され、その直線と前記第一案内部とが平行であることを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載のプロセスカートリッジは、請求項1から請求項4のいずれかに記載のプロセスカートリッジにおいて、前記カートリッジ収容部は、前記カートリッジ収容部の底面に位置する底壁を有し、前記支持側壁は、前記第一案内部と連続して設けられ、前記第一案内部に対して、前記感光ドラムとは反対側に位置する階段部を有し、前記階段部は、前記感光ドラムから離れるにつれ前記底壁から幅を有するように形成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載のプロセスカートリッジは、請求項5に記載のプロセスカートリッジにおいて、前記支持側壁に形成される階段部と前記底壁との間の幅広部には、前記感光ドラムの軸方向に貫通する貫通孔が設けられていることを特徴とする。
【0015】
請求項7に記載のプロセスカートリッジは、請求項1から請求項6のいずれかに記載のプロセスカートリッジにおいて、前記感光体カートリッジは、記録媒体を前記感光ドラムに向かって搬送するための搬送ローラを有し、前記第二案内部は、前記搬送ローラを軸支する軸受体であることを特徴とする。
【0016】
請求項8に記載のプロセスカートリッジは、請求項7に記載のプロセスカートリッジにおいて、前記軸受体の前記被覆部材との当接面は傾斜面であり、前記感光体カートリッジに対する前記現像カートリッジの装着方向下流側ほど前記底壁かつ前記感光ドラムに向かうように、前記傾斜面が形成されていることを特徴とする。
【0017】
請求項9に記載のプロセスカートリッジは、請求項7又は請求項8に記載のプロセスカートリッジにおいて、 画像形成装置本体に対して着脱可能な前記プロセスカートリッジにおいて、前記プロセスカートリッジが画像形成装置本体に非装着時は、前記軸受体は前記感光体カートリッジに対して移動可能に取り付けられ、前記軸受体の下部が、前記底壁に接する接地面と接する位置にあるとき、前記感光体カートリッジに対する現像カートリッジの装着時に、前記当接面と前記被覆部材が当接することを特徴とする。
【0018】
請求項10に記載のプロセスカートリッジは、請求項1から請求項9のいずれかに記載のプロセスカートリッジにおいて、前記現像ローラ軸の両端部で、前記第一案内部と接触する部分は、前記両端部を保護する保護部材で覆われていることを特徴とする。
【0019】
請求項11に記載の画像形成装置は、請求項1から請求項10のいずれかに記載のプロセスカートリッジを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
第一案内部をドラム支持部とカートリッジ収容部が隣り合う向きに沿って延びる直線状とすると、現像ローラ軸の両端部が第一案内部に案内されるとき、重力によって現像カートリッジに作用する力の成分のうち、感光ドラムに向かう方向の成分が第一案内部上で小さくなる。このため、現像ローラが感光体に押圧される前に、現像ローラを感光体に対して十分に近づけることが出来ない。
【0021】
請求項1に記載のプロセスカートリッジによれば、案内部に現像ローラ軸の両端部が案内されるとき、押圧部と被押圧部が当接するまでに、現像カートリッジと第二筐体に設けられた第二案内部が当接し、現像カートリッジを感光ドラムに向けて案内する。
【0022】
これにより、案内部が直線状であっても、現像ローラが感光体に押圧されるまでに現像ローラを感光体に近づけ、その後感光体に押圧することが出来る。従って、感光ドラムに負担の少ない現像カートリッジの装着を行うことができる。
【0023】
請求項2に記載のプロセスカートリッジによれば、感光ドラムの軸方向と直行する方向において、第二案内部を第一案内部と押圧部の間に配置することにより、カートリッジの小型化が可能である。
【0024】
請求項3に記載のプロセスカートリッジによれば、被覆部材と第二案内部が当接することで現像カートリッジが感光ドラムに向けて案内される構成とした。従って、第二案内部と当接させる部材を、新たに現像カートリッジに設ける必要が無く、現像カートリッジの構成を簡易なものにすることができる。
【0025】
請求項4に記載のプロセスカートリッジによれば、感光体カートリッジに対して現像カートリッジが装着された状態で、感光ドラムの回転軸と現像ローラ軸とを結ぶ直線上に押圧部を配置する。更に当該直線と第一案内部を平行にする。感光ドラムに対する現像ローラの押圧方向上に押圧部を配置することで、押圧部の力を有効に利用して、現像ローラを感光ドラムに圧接できる。
【0026】
請求項5に記載のプロセスカートリッジによれば、支持側壁は第一案内部と連続して設けられ、第一案内部に対して感光ドラムとは反対側に位置し、感光ドラムから離れるにつれ底壁から幅を有するように階段部が形成されている。現像カートリッジを感光体カートリッジに装着する際に、現像ローラ軸の両端部を第一案内部に位置させずに、支持側壁の上側端面に沿わせて現像カートリッジを装着する。このとき、現像ローラ軸の両端部は感光ドラムに対して第一案内部より離れた位置にある。このような場合であっても、側壁を階段状としたことから、段階的に案内することで現像カートリッジに係る負担を抑え、現像ローラ軸の両端部を第一案内部に導くことが出来る。
【0027】
請求項6に記載のプロセスカートリッジによれば、階段部を形成することにより支持側壁の面積を広くする。感光体カートリッジに必要な強度を保ちつつ、支持側壁に貫通孔を設けることが出来る。
【0028】
請求項7に記載のプロセスカートリッジによれば、軸受体を第二案内部とした。これにより、新たに第二案内部を設ける必要がなく、感光体カートリッジの構造が簡易になる。
【0029】
請求項8に記載のプロセスカートリッジによれば、軸受体の被覆部材との当接面が、前記感光体カートリッジに対する前記現像カートリッジの装着方向下流側ほど前記底壁に向かうように、前記傾斜面が形成されている。これにより、現像ローラが感光体に向かって案内されやすくなるので、円滑に現像カートリッジを装着することが出来る。
【0030】
請求項9に記載のプロセスカートリッジによれば、感光体カートリッジに設けられた搬送ローラ(カートリッジ側搬送ローラ)を軸支する軸受体が感光体カートリッジに対して移動可能に取り付けられている。これにより、装置本体側に設けられた位置決め手段により、カートリッジ側搬送ローラを、画像形成装置本体側に設けられた搬送ローラ(装置本体側搬送ローラ)を押圧できる。即ち、感光体カートリッジへのカートリッジ側搬送ローラの取り付け精度によらず、一定の押圧力でカートリッジ側搬送ローラを装置本体側搬送ローラに押圧できる。
【0031】
更に、軸受体の下部が、底壁に接する接地面と接する位置にあるときに、軸受体と被覆部材が当接する。よって、カートリッジ側搬送ローラの軸受体を感光体カートリッジに対して移動可能に取り付けても、感光体カートリッジを机等の上に置くことで、第二案内部の作用により、感光ドラムに負担の少ない現像カートリッジの装着を行える。
【0032】
請求項10に記載のプロセスカートリッジは、現像ローラ軸の両端部が保護部材で覆われている。したがって、現像ローラ軸の両端部が第一案内部に案内されるとき、現像ローラ軸の損傷を抑えることができる。またこのように構成することで、感光体カートリッジに対する現像カートリッジの装着完了時に、現像ローラ軸が、感光体カートリッジと直接接触しない。即ち、現像ローラ軸と感光体カートリッジとの接点での、現像ローラ軸の回転による感光体カートリッジの磨耗を抑制することができる。
【0033】
請求項11に記載の画像形成装置は、請求項1から請求項10のいずれかに記載のプロセスカートリッジを備えている。薄型化されたプロセスカートリッジ備えることで、装置本体の薄型化を図ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】レーザプリンタの左方断面図である。
【図2】感光体カートリッジの左前方からの斜視図である。
【図3】感光体カートリッジの左側面図である。
【図4】軸受体と上側搬送ローラの斜視図である。
【図5】現像カートリッジの左前方からの斜視図である。
【図6】現像カートリッジの左側面図である。
【図7】感光体カートリッジに対する現像カートリッジの装着過程を表す、本願第一の案内部付近で切断した断面図である(装着初期時)。
【図8】感光体カートリッジに対する現像カートリッジの装着過程を表す、本願第一案内部付近で切断した断面図である(装着途中時)。
【図9】感光体カートリッジに対する現像カートリッジの装着過程を表す、本願第一案内部付近で切断した断面図である(装着完了時)。
【発明を実施するための形態】
【0035】
<画像形成装置全体の構成>
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
【0036】
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置一例としてのレーザプリンタ1の左方断面図である。
【0037】
図1に示すように、レーザプリンタ1は、本体ケーシング2内に用紙Pを給紙するためのフィーダ部3や、給紙された用紙Pに画像を形成するための画像形成部4などを備えている。
【0038】
本体ケーシング2の後面(以下の説明において、図1における上下方向、前後方向を用いて説明する。)には、図示しない開閉可能なフロントカバーが設けられており、フロントカバーを開いたときにできる開口から、後述するプロセスカートリッジ30が着脱自在となっている。
【0039】
フィーダ部3は、本体ケーシング2に着脱自在に装着される給紙トレイ11と、給紙トレイ11から用紙Pを画像形成部4へ搬送する用紙給紙機構15とを備えている。用紙給紙機構15は、公知の給紙ローラ、分離ローラ、分離パッドなど(符号省略)を有する。
【0040】
更に、レーザプリンタ1は、用紙搬送機構15よりも用紙搬送方向下流側に、搬送ローラ対17a、17bが備えられている。搬送ローラ対17a、17bは、前記フィーダ部3から供給される用紙Pを、後述する感光ドラム33と転写ローラ35との圧接部にタイミングを取って搬送するためのローラ対である。本実施形態における、搬送ローラの一例としての上側搬送ローラ17aは、後述するプロセスカートリッジ30側に取り付けられている。
【0041】
以上のレーザプリンタ1において、用紙Pは、フィーダ部3の用紙搬送機構15により用紙給紙トレイ11内の用紙Pを一枚ずつ分離し、搬送ローラ対17a,17bを介して画像形成部4へ搬送される。
【0042】
<画像形成部の構成>
画像形成部4は、スキャナ部20、プロセスカートリッジ30、定着部80などを備えている。
【0043】
<スキャナ部の構成>
スキャナ部20は、本体ケーシング2内の上部に設けられ、図示しないレーザ発光部、回転駆動されるポリゴンミラー、レンズ、反射鏡などを備えている。レーザ発光部から発光される画像データに基づくレーザビームは、鎖線で示す経路Lを通って、プロセスカートリッジ30に支持される感光ドラム33の表面に照射される。
【0044】
<プロセスカートリッジの構成>
プロセスカートリッジ30は、スキャナ部20の下方に配設され、本体ケーシング2に対して着脱自在に装着される構造となっている。このプロセスカートリッジ30は、感光ドラム33を支持した感光体カートリッジ31と、内部に現像剤の一例としてのトナーを収容した現像剤カートリッジ60とからなる。
【0045】
感光体カートリッジ31は、外枠を構成する第二筐体の一例としての感光体ケーシング32と感光体ケーシング32内に設けられる感光ドラム33、スコロトロン型帯電器34及び転写ローラ35とを主に備えている。
【0046】
現像カートリッジ60は、現像剤を収容する現像剤収容室61を形成する第一筐体としての現像剤ケース62に、現像ローラ63、供給ローラ64、層厚規制ブレード65及びアジテータ66を備えている。このうち、現像ローラ63、供給ローラ64およびアジテータ66は、現像剤ケース62に回転可能に支持されている。そして、現像剤収容室61内に貯留されるトナーは、アジテータ66によって攪拌される。トナーは、アジテータ66の回転により供給ローラ64に搬送される。そして、アジテータ66によって供給ローラ64に搬送されたトナーは、供給ローラ64の回転により、現像ローラ63に供給され現像ローラ63上に担持される。その後、層厚規制ブレード65によってトナーの厚さが規制される。
【0047】
感光ドラム33は、現像カートリッジ60と結合する感光体ケーシング32に回転可能に支持されている。この感光ドラム33は、ドラム本体が接地されるとともに、その表面部分が正帯電性の感光層により形成されている。
【0048】
スコロトロン型帯電器34は、感光ドラム33の上方に、感光ドラム33と所定間隔を隔てて対向して配置される。このスコロトロン型帯電器34は、帯電用ワイヤからコロナ放電を発生させる正帯電用のスコロトロン型の帯電器であり、感光ドラム33の表面を一様に正極性に帯電させるように構成されている。
【0049】
転写ローラ35は、感光ドラム33の下方において、この感光ドラム33に対向して接
触するように配置され、感光体ケーシング32に回転可能に支持されている。この転写ローラ35は、金属製のローラ軸に、導電性のゴム材料が被覆されて構成されている。
【0050】
そして、感光ドラム33の表面は、スコロトロン型帯電器34により一様に正帯電され
た後、スキャナ部20からのレーザビームの走査により露光される。これにより、露光された部分の電位が下がって、画像データに基づく静電潜像が形成される。次いで、現像ローラ63の回転により、現像ローラ63上に担持されている現像剤が、感光ドラム33に対向して接触するときに、感光ドラム33の表面上に形成される静電潜像に供給され、可視像が形成される。
【0051】
その後、感光ドラム33と転写ローラ35とは、用紙Pを挟持して搬送するように回転駆動され、感光ドラム33と転写ローラ35との間を用紙Pが搬送されることにより、感光ドラム33の表面に担持されているトナー像が用紙P上に転写される。
【0052】
<定着部の構成>
定着部80はプロセスカートリッジ30の用紙搬送方向下流側に配置され、加熱ローラ81と、この加熱ローラ81に対向して配置され加熱ローラ81との間で用紙Pを挟持する加圧ローラ82を備えている。そして、このように構成される定着部80では、用紙P上に転写された現像剤を、用紙Pが加熱ローラ81と加圧ローラ82との間を通過する間に熱定着さる。その後、定着部80を通過した用紙Pは、定着部80の用紙搬送方向下流側に配設された排紙ローラ85によって排紙トレイ86上に排紙される。
【0053】
<プロセスカートリッジの構造の詳細>
以下、図中に定義される方向(前後方向、左右方向、上下方向)を用いて実施例の説明をする。
【0054】
(1)感光体カートリッジ
まず、適宜図を用いて、感光体カートリッジ31の構造の詳細な説明をする。
【0055】
図2は、感光体カートリッジ31の左前方向からの斜視図である。図3は、感光体カートリッジ31の左側面図である。
【0056】
図2に示すように、感光体カートリッジ31は感光体ケーシング32を備えている。感光体ケーシング31は、前方に感光ドラム33を支持するドラム支持部40と、ドラム支持部40の後方に現像カートリッジ60を着脱可能に収容するカートリッジ収容部41を有する。
【0057】
感光体ケーシング32は、感光体ケーシング32の底面に位置する底壁42と、底壁42の感光体軸方向両端から立設する一対の支持側壁43を一体に有している。一対の支持側壁43の前方側の上端は感光ドラムの33の軸方向に延びる上壁44で連結される。
【0058】
支持側壁43と上壁44と底壁42で囲まれるドラム支持部40には、感光ドラム33が収容され、感光ドラム33の軸Aは左右両支持側壁43に回転可能に軸支されている。そして、前記左右両支持側壁43と底壁42とは、感光ドラム33の配置箇所より後方に延設されている。また、感光ドラム33の下方に配置された転写ローラ35の下方は、感光体ケーシング32の底壁42で覆われている。
【0059】
感光体ケーシング32における感光ドラム33の上方を覆い左右両支持側壁43を連結する上壁44には、感光ドラム33の軸方向に沿ってスコロトロン帯電器34が取り付けられている。
また、ドラム支持部40後方は、底壁42と左右両支持側壁43に囲まれ上方が開放されており、現像カートリッジ50を斜め上方から着脱できて収容できるようにカートリッジ収容部41が形成されている。カートリッジ収容部41はドラム支持部40と前後方向に隣り合って配置されている。
【0060】
図3に示すように、感光体ケーシング32の左右両支持側壁43の上端面には、現像カートリッジの60の着脱時に、後述する現像ローラ軸Bの軸端部を案内する第一案内部の一例としてのローラ軸案内部45が設けられている。ローラ軸案内部45の前方には、ローラ軸案内部45の前方に連続して設けられるローラ軸受入部54が形成されている。ローラ軸受入部54は、ローラ軸案内部45に案内される現像ローラ軸Bの両端部を受け入れる。
【0061】
ローラ軸案内部45は、感光ドラム33の軸Aと後方に隣接する位置から、ドラム支持部40とカートリッジ収容部41が隣り合う向きに沿って直線状に形成されている。具体的には、ローラ軸案内部45は、感光ドラム33の軸Aよりも後側で、かつ上下方向において感光ドラム33の軸Aより下側に位置する。ローラ軸案内部45は、上下方向において、底壁42とほぼ一定の間隔を保ちながら前後方向に延びる。ローラ軸案内部45の後側端部は、前後方向において上側搬送ローラ17aよりも、前側に位置する。
【0062】
ローラ軸受入部54は、ローラ軸案内部45の前側端部から上方に延びる第一延設部54aと、第一延設部54aの上側端部から後方に向かって延びる第二延設部54bとが設けられる。ローラ軸受入部54は、ローラ軸案内部45の前方側と第一延設部54aと第二延設部54bとで、側面視略矩形状に形成される。
【0063】
このように、感光体カートリッジ31のドラム支持部40とカートリッジ収容部41が、前後方向に隣り合い、その向きに沿ってローラ軸案内部45を設ける。更に、ローラ軸案内部45を、上下方向において、感光ドラム33の軸Aよりも下側に設ける。このように構成することで、ローラ軸案内部45が設けられる部分に対応する支持側壁43の高さ方向(図中の上下方向)の寸法を抑えることができ、プロセスカートリッジの薄型化が可能となる。
【0064】
ローラ軸案内部45をドラム支持部40とカートリッジ収容部41が隣り合う向きに沿って直線状に形成することで、プロセスカートリッジ30の高さ方向(図中の上方向)の寸法を抑えることができ、プロセスカートリッジの薄型化が可能となる。
【0065】
そして、ローラ軸案内部45の感光ドラム33から離れた方の端部から後方に繋がる左右両支持側壁43の上端面は、後方に向かうにつれ、底壁43からの幅が大きくなるように階段部46が形成されている。本実施例において階段部46は、階段部46の段差を形成する第一段差面46a、第二段差面46b、第三段差面46cを有する。また、第一段差面46aの上方の端部と第二段差面46bの下方の端部は、第一接続部46dで接続され、第二段差面46bの上方の端部と第三段差面46cの下方の端部は、第二接続部46eで接続される。そして、第三段差面46cの上端部からは、第三接続部46fが後方に向かって延びる。第一接続部46dと第二接続部46eは、後方ほど底壁42との幅が大きくなるよう直線状に形成される。
【0066】
支持側壁43の上端面に階段部46が形成されることにより、前述した段差面と接続部により形成される階段部46と底壁42の間には幅広部49が形成される。幅広部49のうちの第二接続部46eの下方には、レーザプリンタ1からのセンサ光が通過可能な円形の貫通孔50が、感光ドラム33の回転軸方向に幅広部49を貫通して設けられている。支持側壁43を階段状として側壁の面積を大きくしたので、感光体カートリッジ31の必要な強度を保ちつつ、幅広部49に貫通孔50を設けることが出来る。
【0067】
感光体ケーシング32における底壁42の後側でかつ左右方向の両端部には、後述する現像カートリッジ60に設けられた被押圧部72と接触して、現像カートリッジ60を感光ドラム33側に押圧する一対の押圧部51が備えられている。押圧部51は、現像カートリッジ60の被押圧部72と当接する第一当接面51aと第二当接面51bを有する(図7参照)。
【0068】
押圧部51は、感光体ケーシング32に対し回動可能に軸支されている。更に。押圧部51は、図示しないバネによって感光体カートリッジ31の後方から前方に向かって付勢されている。第一当接面51aと第二当接面51bは上下方向に連続し、第一当接面51Aは後方に傾斜して形成される。第二当接面51bは、感光ドラム33に向けて形成されている。
【0069】
また、支持側壁43と底壁42が連結する部分で、後述する上側搬送ローラ17aが位置する左右両支持側壁43には、上側搬送ローラ17aが上下動可能なように上向き略円弧状の切欠部53が設けられる。
【0070】
次に、上側搬送ローラ17aを軸支する第二案内部の一例としての、軸受体52について図4を参照しつつ説明する。図4は、軸受体52に上側搬送ローラ17aが、保持された状態の斜視図を表す。
【0071】
軸受体52は図4に示すように、上側搬送ローラ17aの端部を挿入するための挿入孔が形成された円筒部52bと、突起部52aが形成された支持部52dと、突起部52aの間に設けられる中央突起部52fが一体に形成された部材である。
【0072】
軸受体52の支持部52dには隙間部52eが形成されており、支持部52dが中央突起部52fに向かって撓みやすくなっている。
【0073】
また、図4に示すように支持部52dの突起部52aには、傾斜面52gが形成されている。感光体カートリッジ31に搬送ローラ48が取り付けられた状態において、感光ドラム33側に位置する傾斜面52gは、感光ドラム33に向かい、かつ底壁42に向かう向きに傾斜している(図7参照)。
【0074】
また、感光体ケーシング32の底壁42には、感光ドラム33の回転軸方向に沿って延びる開口部55が設けられている(図7参照)。開口部55には上側搬送ローラ17aが取り付けられている。軸受体52を感光体ケーシング32に取り付ける際に、この支持部52dを感光体カートリッジ31の底壁42に、感光ドラム33の回転軸方向に沿って設けられた開口部55(図7参照)に挿入する。このとき、支持部52dは撓みやすくなっていくために開口部55に容易に取り付けることが出来る。支持部52dは、感光体ケーシング32に装着された状態において開口部55から突起部52aを突出させている。傾斜面52gは、ローラ軸案内部45側へ臨んでいる。
【0075】
また、上側搬送ローラ17aは上側搬送ローラ17aの両端部に取り付けられた軸受体52の突起部52aと、感光体カートリッジ31の感光体ケーシング32と一体に形成された軸受体支持部56とが当接するように構成し、上側搬送ローラ17aが上下動可能に取り付けられている。
【0076】
即ち、上側搬送ローラ17Aは、支持部52dが感光体ケーシング32の開口部55の周縁に当接することによって、感光体ケーシング32に吊支されている。これによって、
軸受体52は、軸受体支持部56と後述する軸受体52の突起部52aが当接する第一の位置に配置される。また、軸受体52は、下方からの力を受けることによって、円筒部52aと切り欠き部53とが接触する位置Cに配置される(図3参照)。即ち、軸受体52は第一の位置と第二の位置Cとの間を移動可能である。
【0077】
このように上側搬送ローラ17aを上下動可能にすることで、上側搬送ローラ17aが画像形成装置本体側の下側搬送ローラ17bに対して位置決めされていない。従って、新しいプロセスカートリッジに交換した場合等においても、上側搬送ローラ17aは、画像形成装置本体側に設けられた位置決め手段の位置決めの条件のみにより位置決めされる。従って、図1に示すように、上側搬送ローラ17aは、下側搬送ローラ17bに対して一定の押圧力により押圧される。
【0078】
(2)現像カートリッジ
次に、適宜図を用いて現像カートリッジの構造を詳細に説明する。
【0079】
図5は、現像カートリッジ60の左前方からの斜視図である。図6は、現像カートリッジ60の左側面図である。
【0080】
図5に示すように、現像カートリッジ60は、現像ケース62を有する。現像ケース62は前側が開放されるボックス状に形成されている。
【0081】
現像ローラ63は、現像ケース62から前方へ露出するように配置され、現像ケース62の右側壁67と後述する被覆部材としてのギアホルダ68に回転自在に支持されている。具体的には、現像ローラ63は、回転軸中心に現像ローラ軸Bを有している。現像ローラ軸Bは、軸の両端部が現像ケース62の外方に突出している。現像ケース62の右側壁67とギアホルダ68の前端部に、それぞれ外側に突出する円筒状の軸受部材で保護部材の一例としての現像軸受部材69が設けられている。現像軸受部材69は、現像ローラ軸Bの周面を被覆している。現像軸受部材に現像ローラ63の現像ローラ軸Bが回転可能に支持されている。このように、現像ローラ軸Bの周面を被覆することで、現像ローラ軸Bが、ローラ軸受入部54と直接接触しない。即ち、現像ローラ軸Bと現像軸受入部54との接点での、現像ローラ軸Bの回転による現像軸受入部54の磨耗を抑制することができる。
【0082】
また、図5に示すように、現像ケース62の左側壁70には、現像軸受部材69の前方に、現像ローラ63などの駆動力が入力される駆動入力部71が設けられている。駆動入力部71は、左側壁70に設けられたギア機構部に画像形成装置本体の動力源からの回転駆動力を伝達し、現像ローラ63、供給路ローラ64、アジテータ66を回転させる。図5においては、ギア機構部のうちの駆動力伝達手段としての現像駆動ギア74のみ示す。
【0083】
ギア機構部は、図5に示すギアホルダ68で覆われている。ギアホルダ68は、略箱形状であり、ギア機構部の上側、下側、左側、後側を覆う。
【0084】
図6に示すように、特に、ギアホルダ68は、現像駆動ギア74の下側を覆うホルダ底面68aを有する。ホルダ底面68aは、現像カートリッジ60が感光体カートリッジ31に装着された状態において、底壁42と対向する位置に設けられる。ホルダ底面68aは、現像カートリッジ60が感光体カートリッジ31に装着された状態において、底壁42のホルダ底面68a対向する部分と略平行な面である。更に、ホルダ底面68aの後方の端部からは、後側に向かい、かつ斜め上方に延びるホルダ傾斜面68bを有する。
【0085】
図6に示すように、現像ケース62の左右両側壁における後方部には、感光体カートリッジ31に現像カートリッジ60が装着された状態で、押圧部51により押圧されることで現像カートリッジ60が感光ドラム33方向に押圧される円筒形状の被押圧部材72が設けられる。被押圧部72は、現像ローラ軸B方向に突出し、現像ケース62と一体に形成されている。
【0086】
現像ケース62の左右両側壁には、レーザプリンタ1から出射されるトナー残量検知のためのレーザ光を透過する窓部73が設けられる。感光体カートリッジ31に対して現像カートリッジ60が装着された状態で、窓部73は感光体カートリッジ31の貫通孔50と、現像ローラ63の軸方向において対向する。
【0087】
(3)感光体カートリッジに対する現像カートリッジの装着
次に図7から図9を参照しながら、感光体カートリッジ31に対する現像カートリッジ60の装着について説明する。図7から図9は、感光体カートリッジ31に対する現像カートリッジ60の装着過程を表す、第一案内部付近で切断した断面図である。図7から図9における感光体カートリッジ31は、机等の上に置いた場合の状態であり、そのときの感光体カートリッジ31の底壁40に接地する接地面を表す仮想線Fを記載する。この状態において、軸受体52の下部は仮想線Fと接しており、上側搬送ローラ17aは、支持部56と突起部52aが接触する第一の位置よりも上側に位置している。
【0088】
現像カートリッジ60は、感光体カートリッジ31に対して、感光ドラム33の上方から装着する。この装着に際しては、まず、現像ケース62の右側側壁67とギアホルダ68から突出する現像軸受部材69が、それぞれローラ軸案内部45に嵌められる。
【0089】
そして、現像カートリッジ60が前方へ押されることにより、現像カートリッジ60は、現像軸受部材69がそれぞれローラ軸案内部45に案内されつつ前方へ移動する。この移動中に、現像カートリッジ60の後端が感光体カートリッジ30の底壁42に向けて押し下げられると、現像カートリッジ60のギアホルダ68のホルダ傾斜面68bと軸受体52の先端部52aが当接する。このときの、感光体カートリッジ31と現像カートリッジ60の位置関係を図7に示す。軸受体52とホルダ傾斜面68bが当接すると、軸受体52は、現像カートリッジ60の自重及び現像カートリッジ60が押し下げられる力によって後方に撓む。そして、ギアホルダ68には、軸受体52の撓みによって生じる復元力(反発力)によって感光ドラム33に向かう方向の力Dが作用する。ホルダ傾斜面68bと軸受体52が当接すると、現像カートリッジ60に働く重力Gの分力により、現像カートリッジ60が、感光ドラム33に向かう方向に案内される。すなわち、現像カートリッジ60は、押し下げられる力及び軸受体52から受ける力によって、感光ドラム33に向かって案内される。
【0090】
その後、図8に示すように、現像ケース62に設けられた被押圧部材72と押圧部材51の第一当接面51aが当接する。この状態では、軸受体52によって現像カートリッジ60が感光ドラム33に向けて案内され、現像ローラ63は感光ドラム33と十分に近づいた位置にある。より詳しくは、被押圧部材72が第一当接面51aに当接した状態においては、現像ローラ63は感光ドラム33に略対向しかつ接触していない状態(離間した状態)である。
【0091】
そして、押圧部材51の押圧力に抗して、現像カートリッジ60の後端部が下方へ押し下げられることにより、押圧部51は時計回り方向に回動する。被押圧部材72は、押圧部51、第一当接面51aに沿って下方へ移動し、第二当接面51bと当接する。この状態で、現像ローラ63は感光ドラム33と対向し、押圧部材51の押圧力により感光ドラム33に圧接されることで、感光体カートリッジ31に対する現像カートリッジ60の装着は完了する。
【0092】
図9に示すように、装着が完了した状態において、感光ドラム軸Aの軸中心と、現像ローラ軸Bの軸中心とを結んだ破線P上に押圧部51を配置し、破線Pとローラ軸案内部45が略平行となっている。また、装着完了状態においては、軸受体52の突起部52aは、ギアホルダのホルダ傾斜面68bと離れた状態にある。
【0093】
このように、感光体カートリッジ30に対する現像カートリッジ60の装着時において、現像軸受部69がローラ軸案内部45により案内されているとき、押圧部51により被押圧部72が押圧される前に、上側搬送ローラ17aの軸受体52とギアホルダ68が当接するようにプロセスカートリッジ30を構成する。すると、軸受体52とギアホルダ68が当接することで、重力によって現像カートリッジ30に感光ドラム方向への力が作用し、現像ローラ63を感光ドラム33に近づけることが出来る。従って、現像ローラ63が感光ドラム33に十分に近づいた状態で、現像ローラ63を感光ドラム33に圧接することができるので、感光ドラム33への負担の少ない現像カートリッジ60の装着が可能となる。
【0094】
また、感光ドラム33の軸方向と直行する方向において、軸受体52をローラ軸案内部45と押圧部51との間に配置することにより、感光体カートリッジ31内部に第二案内部を設けることが出来るので、プロセスカートリッジ30の小型化が可能である。
【0095】
また、本実施例においてはギアホルダ68と軸受体52が当接することにより、現像カートリッジ60が感光ドラム33に向かって案内される構成とした。従って、現像カートリッジ60に、新たに軸受体52と当接させるための部材を設ける必要が無く、現像カートリッジ60の構成を簡易なものにすることができる。また、ギア機構部をギアホルダ68で覆うことで、感光体カートリッジ31に対する現像カートリッジ60の装着時などに、ギア機構部と感光体カートリッジ31が接触することによるギア機構部の損傷を抑えることができる。
【0096】
また、現像カートリッジ60が感光体カートリッジ31に装着された状態において、押圧部51を現像ローラ63の軸中心と感光ドラム33の軸中心を結ぶ破線P上に配置し、破線Pとローラ軸案内部45の延びる向きとを平行に構成する。感光ドラム33に対する現像ローラ63の押圧方向上に押圧部51を配置し、破線Pとローラ軸案内部45の向きを平行にすることで、現像ローラ63を感光ドラム33に対して確実に押圧することが出来る。
【0097】
また、支持側壁43はローラ軸案内部45と連続して設けられ、ローラ軸案内部45に対して感光ドラム33とは反対側に位置し、感光ドラム33から離れるにつれ底壁42から幅を有するように階段部46が形成されている。現像カートリッジ60を感光体カートリッジ31に装着する際に、現像ローラ軸Bの両端部をローラ軸案内部45に位置させずに、支持側壁43の上側端面に沿わせて現像カートリッジ60を装着する。このとき、現像ローラ軸Bの両端部は感光ドラム33に対してローラ軸案内部45より離れた位置にある。このような場合であっても、支持側壁43をを階段状としたことから、段階的に案内することで現像カートリッジ60に係る負担を抑え、現像ローラ軸Bの両端部をローラ軸案内部45に導くことが出来る。
【0098】
また、軸受体52を第二案内部として利用することで、新たに第二案内部としての部材を感光体カートリッジ31に設ける必要が無く、感光体カートリッジ31の構成を簡易なものにすることができる。
【0099】
また、軸受体52の先端部52aに傾斜面52gを設けた。傾斜面52gは、感光体カートリッジ31に上側搬送ローラ17aが装着された状態において、感光ドラムへ向かい、かつ底壁42に向かう方向に傾斜している。従って、ギアホルダ68と軸受体52は、滑らかに接触するので現像カートリッジの60の装着を円滑に行うことが出来る。
【0100】
更に、前述の通り、軸受体52は感光体カートリッジ31に対して上下動可能に取り付けられている。現像カートリッジ60の装着時において、軸受体52が、図7から図9に示す仮想線Fと接する位置にある状態で、軸受体52とギアホルダ68が当接する構成とした。従って、軸受体52が、感光体カートリッジ31に上下動可能に取り付けられたものであっても、感光体カートリッジ31を机等の上において、感光ドラム33に負担の少ない現像カートリッジ60の装着を行うことが出来る。
【0101】
また、現像ローラ軸Bの両端部が現像軸受部材69で覆われている。したがって、現像ローラ軸Bの両端部がローラ軸案内部45に案内されるとき、現像ローラ軸Bの損傷を抑えることができる。また、現像ローラ軸Bの周面を被覆することで、現像ローラ軸Bが、ローラ軸受入部54と直接接触しない。即ち、現像ローラ軸Bと現像軸受入部54との接点での、現像ローラ軸Bの回転による現像軸受入部54の磨耗を抑制することができる。
【0102】
また、上記の薄型化されたプロセスカートリッジ30をレーザプリンタ1に用いることで、装置本体の薄型化が可能になる。
【0103】
また、本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も含まれる。
【0104】
また、本実施例においては、第二案内部の一例として軸受体52を用いたが、底壁42と一体に第二案内部を設けても良い。
【0105】
また、本実施例では、感光体カートリッジ31に対する現像カートリッジ60の装着時に、軸受体52とギアホルダ68が当接する構成としたが、現像カートリッジ60の底面部と当接するように構成してもよい。
【0106】
本実施例では上側搬送ローラ17aを上下動可能としたが、上側搬送ローラ17aは感光体カートリッジ31に固定されていてもよい。
【符号の説明】
【0107】
1 レーザプリンタ
2 本体ケーシング
17a 上側レジストローラ(カートリッジ側搬送ローラ)
30 プロセスカートリッジ
31 感光体カートリッジ
32 感光体ケーシング
33 感光ドラム
40 ドラム支持部
41 カートリッジ収納部
45 ローラ軸案内部
46 階段部
49 幅広部
50 貫通孔
51 押圧部
52 軸受体
60 現像カートリッジ
63 現像ローラ
68 ギアホルダ
69 現像軸受部材
71 現像駆動ギア
72 被押圧部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像ローラ軸を有し、現像剤を担持する現像ローラと、前記現像ローラを支持する第一筐体と、を有し、前記現像ローラ軸の両端部が前記第一筐体から外方に突出するように延出された現像カートリッジと、
静電潜像が形成される感光ドラムと、前記感光ドラムを支持し、前記現像カートリッジを着脱可能に収容する第二筐体と、を有する感光体カートリッジとを備え、
前記第二筐体は、前記感光ドラムを支持するドラム支持部と、前記ドラム支持部と隣り合って設けられ、前記現像カートリッジを着脱可能に収容するカートリッジ収容部と、が形成されており、
前記第二筐体は、前記感光ドラムの両端部を支持し、前記ドラム支持部及び前記カートリッジ収容部を形成する支持側壁と、前記カートリッジ収容部に設けられ、前記現像カートリッジを前記感光ドラムに向けて押圧する押圧部と、を有し、
前記支持側壁は、前記現像カートリッジが前記カートリッジ収容部に収容されるとき、前記現像ローラを前記感光ドラムと対向する位置に案内するように、前記現像ローラ軸の両端部を案内する第一案内部を形成し、
前記第一案内部は、前記ドラム支持部と前記カートリッジ収容部とが隣り合う向きに沿って延びる直線状に形成され、
前記第一筐体は、前記押圧部によって押圧される被押圧部を有し、
前記第二筐体は、前記現像ローラ軸の両端部が前記第一案内部に案内されるとき、前記被押圧部が前記押圧部によって押圧される前に、前記現像カートリッジを前記感光ドラムに向かって案内する第二案内部を有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項2】
前記第二案内部は、前記感光ドラムの軸方向と直交する方向において前記第一案内部と前記押圧部との間に配置されることを特徴とする請求項1に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項3】
前記第一筐体は、前記現像ローラに駆動力を伝達する駆動力伝達手段を前記現像ローラ軸方向の一端に備え、
前記駆動伝達手段は、前記駆動伝達手段を覆う被覆部材で覆われており、
前記第二案内部は前記被覆部材と当接することで前記現像カートリッジを案内することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項4】
前記感光体カートリッジに対して現像カートリッジが装着された状態において、
前記押圧部は、前記感光ドラムの回転軸と前記現像ローラ軸とを結ぶ直線上に配置され、その直線と前記第一案内部とが平行であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
【請求項5】
前記カートリッジ収容部は、前記カートリッジ収容部の底面に位置する底壁を有し、
前記支持側壁は、前記第一案内部と連続して設けられ、前記第一案内部に対して、前記感光ドラムとは反対側に位置する階段部を有し、
前記階段部は、前記感光ドラムから離れるにつれ前記底壁から幅を有するように形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
【請求項6】
前記支持側壁に形成される階段部と前記底壁との間の幅広部には、前記感光ドラムの軸方向に貫通する貫通孔が設けられていることを特徴とする請求項5に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項7】
前記感光体カートリッジは、記録媒体を前記感光ドラムに向かって搬送するための搬送ローラを有し、
前記第二案内部は、前記搬送ローラを軸支する軸受体であることを特徴とする請求項1から請求項6に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項8】
前記軸受体の前記被覆部材との当接面は傾斜面であり、前記感光体カートリッジに対する前記現像カートリッジの装着方向下流側ほど前記底壁かつ前記感光ドラムに向かうように、前記傾斜面が形成されていることを特徴とする請求項7に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項9】
画像形成装置本体に対して着脱可能な前記プロセスカートリッジにおいて、
前記プロセスカートリッジが画像形成装置本体に非装着時は、前記軸受体は前記感光体カートリッジに対して移動可能に取り付けられ、
前記軸受体の下部が、前記底壁に接する接地面と接する位置にあるときであって、前記感光体カートリッジに対する現像カートリッジの装着時に、前記当接面と前記被覆部材が当接することを特徴とする請求項7又は請求項8のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
【請求項10】
前記現像ローラ軸の両端部で、前記第一案内部と接触する部分は、前記両端部を保護する保護部材で覆われていることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれかに記載のプロセスカートリッジを備えていることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−197197(P2011−197197A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−62010(P2010−62010)
【出願日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】