説明

プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置

【課題】 装置本体内にプロセスカートリッジが装着された状態で、帯電ローラ及び現像ローラのそれぞれが感光体ドラムから離隔する動作を独立に安定して且つ短い時間で制御を行うことを可能とする。
【解決手段】 装置本体に着脱可能であって、少なくとも感光体ドラム1と、帯電ローラ2と、現像ローラ25とを有するプロセスカートリッジにおいて、感光体ドラム1から現像ローラ25と帯電ローラ2が離間した第2離間状態と、感光体ドラム1から現像ローラ25が離間した第1離間状態と、をとることが可能であり、第2離間状態になるために装置本体から力を受ける第二力受け部32cと、第1離間状態になるために装置本体から力を受ける第一力受け部32aとを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプロセスカートリッジ及びこれを用いた電子写真画像形成装置に関する。
【0002】
ここで、電子写真画像形成装置とは、電子写真画像形成方式を用いて記録媒体に画像を形成するものである。そして、電子写真画像形成装置の例としては、例えば、電子写真複写機、電子写真プリンタ(例えば、レーザービームプリンタ、LEDプリンタ等)、ファクシミリ装置及びワードプロセッサ等が含まれる。
【0003】
また、プロセスカートリッジとは、電子写真感光体ドラムとこれに作用するプロセス手段として少なくとも帯電手段及び現像手段とを一体的にカートリッジ化して電子写真画像形成装置本体に着脱可能とするものをいう。
【背景技術】
【0004】
従来、電子写真画像形成プロセスを用いた電子写真画像形成装置においては、電子写真感光体及び前記電子写真感光体に作用するプロセス手段を一体的にユニット化して、このユニットを画像形成装置本体に着脱可能とする方式が採用されている。
【0005】
画像形成装置本体及びユニットの物流形態としては、従来、画像形成装置本体とユニットをそれぞれ別の箱に梱包するか、或いは、画像形成装置本体とユニットを一つの箱に梱包するものが知られている。そして、ユニットは、使用時に画像形成装置本体に装着され、画像形成可能位置に位置決めされていた。その中で、画像形成装置本体とユニットを一つの箱に梱包する場合の箱の容積を減らし、物流効率を上げる目的で、ユニットを画像形成装置本体内に装着した状態で梱包することが提案されている。例えば、ユニットを画像形成可能位置に装着保持する第1の装着手段と、前記画像形成可能位置とは異なる位置に前記ユニットを装着保持するための第2の装着手段を有した画像形成装置を記載している(特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】特開平7−104637号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来、ユニットを画像形成装置本体に装着した状態で梱包して運搬する場合、本体からユニットへの駆動伝達部や、電子写真感光体としての感光体ドラムと転写ローラとの当接部が運搬時に受ける振動や衝撃に対する対策が望まれていた。
【0008】
本発明の目的は、電子写真画像形成装置本体内にプロセスカートリッジを装着した状態で電子写真画像形成装置を運搬する際に、電子写真感光体ドラムと現像ローラとを保護することのできる電子写真画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することである。
【0009】
本発明の他の目的は、電子写真画像形成装置本体内にプロセスカートリッジを装着した状態で電子写真画像形成装置を運搬する際に、電子写真感光体ドラムと現像ローラとを離間する為の第一力受け部、及び、第一カム部材を保護することのできる電子写真画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することである。
【0010】
また、本発明の他の目的は、電子写真画像形成装置本体を大きくすることなく、電子写真画像形成装置本体内にプロセスカートリッジを装着したままでの運搬することが可能となり、運搬用梱包材料の削減、及び、運搬効率を向上させることができる電子写真画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することである。
【0011】
また、本発明の他の目的は、電子写真画像形成装置本体にプロセスカートリッジが装着された状態で、帯電ローラ及び現像ローラのそれぞれが感光体ドラムから離隔する動作を独立に安定して且つ短い時間で行うことのできるプロセスカートリッジ、電子写真画像形成装置を提供することにある。
【0012】
本発明の他の目的は、プロセスカートリッジを電子写真画像形成装置本体に装着した状態でも帯電部材を感光体ドラムから離間させることが可能なプロセスカートリッジ及びこれを用いる電子写真画像形成装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するための本発明における代表的な手段は、第一の位置と前記第一の位置から退避した第二の位置を取り得る第一カム部材と、第三の位置と前記第三の位置から退避した第四の位置を取り得る第二カム部材と、を有する電子写真画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、前記電子写真画像形成装置本体に装着した状態で運搬可能なプロセスカートリッジにおいて、電子写真感光体ドラムと、前記電子写真感光体ドラムに形成された静電潜像を現像するための現像ローラと、前記電子写真感光体ドラムを支持する第一枠体と、前記現像ローラを支持する第二枠体であって、前記第一枠体に対して回動可能に結合している第二枠体と、前記プロセスカートリッジが前記電子写真画像形成装置本体に装着されて、前記第一カム部材が前記第一の位置に位置する場合に、前記第一カム部材と当接することによって、前記電子写真感光体ドラムと前記現像ローラとを離間する力を前記第一カム部材から受ける第一力受け部と、前記プロセスカートリッジが前記電子写真画像形成装置本体に装着されて、前記第二カム部材が前記第三の位置に位置する場合に、前記第二カム部材と当接することによって、前記電子写真感光体ドラムと前記現像ローラとを離間した状態にし、更に、前記第一カム部材と前記第一力受け部とを離間する力を前記第二カム部材から受ける第二力受け部と、を有することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の他の手段は、プロセスカートリッジを着脱可能な、記録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置であって、前記プロセスカートリッジを装着した状態で運搬可能な電子写真画像形成装置において、前記プロセスカートリッジを電子写真画像形成装置の本体に装着した状態で運搬する際は、前記第二カム部材が前記第三の位置にあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、電子写真画像形成装置本体内にプロセスカートリッジを装着した状態で電子写真画像形成装置を運搬する際に、電子写真感光体ドラム、現像ローラ、前記電子写真感光体ドラムと前記現像ローラとを離間する為の第一力受け部、及び、第一カム部材を保護することのできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
〔第1実施形態〕
次に本発明の一実施形態に係るプロセスカートリッジ及び該プロセスカートリッジを着脱可能な電子写真画像形成装置について図面を参照して説明する。
【0017】
なお、本実施形態において、電子写真方式の画像形成プロセスを用いて電子写真感光体に画像を形成する電子写真画像形成装置(以下、単に「画像形成装置」という)及びこれに取り外し可能に装着されるプロセスカートリッジ(以下、単に「カートリッジ」という)を例示している。
【0018】
また、以下の説明において、カートリッジの長手方向とはカートリッジを電子写真画像形成装置本体(以下、単に「装置本体」という)に着脱する方向と交差する方向(略直交する方向)であり、記録媒体の搬送方向とは交差(略直交)している。
【0019】
(画像形成装置の全体構成)
まず、図1を参照して画像形成装置の全体構成について、画像形成動作とともに説明する。尚、図1は本実施形態を適用可能なカートリッジを画像形成装置に装着した状態を示す概略図である。
【0020】
図1、図9に示すように、本実施形態における画像形成装置は、鉛直方向に並設した4個のカートリッジ7(7a,7b,7c,7d)を装着するための装着部(70Ra〜70Rd,70La〜70Ld,71Ra〜71Rd,71La〜71Ld,134a〜134h)を有し、下から順にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色トナー像を形成する画像形成部が構成されている。なお、各画像形成部は形成されるトナー像の色が異なるが構成は同一である。
【0021】
各画像形成部において、光学系3(3a,3b,3c,3d)から画像情報に基づいたレーザー光像が照射されてドラム形状の電子写真感光体である感光体ドラム1(1a,1b,1c,1d)にトナー像が形成される。このトナー像形成と同期して記録紙、OHPシート等の記録媒体Sがカセット17から分離給送ローラ18、搬送ローラ19及び、搬送ベルト11等からなる搬送手段で搬送される。
【0022】
前記搬送ベルト11は全ての感光体ドラム1に対向し、接するように循環移動するフィルム状部材であり、駆動ローラ13、従動ローラ14a,14b、テンションローラ15の4本のローラに掛け渡されて図1の矢印A方向に回転する。記録媒体Sは前記搬送ベルト11により転写位置まで搬送される。そして、前記感光体ドラム1に形成されたトナー像が転写手段としての転写ローラ12(12a,12b,12c,12d)にバイアス印加することにより記録媒体Sに転写され、その記録媒体Sが定着手段20へと搬送される。この定着手段20は駆動ローラ21a及びヒータを内蔵する定着ローラ21bを有し、定着手段20を搬送されるSが熱及び圧力を印加されてトナー像が定着される。そして、この記録媒体Sが排出ローラ対23によって排出部24へと排出されるように構成されている。
【0023】
カートリッジ7が装置本体100に装着されていない状態では、現像ローラ40が常に感光体ドラム1に接触した状態になっている(図2参照)。カートリッジ7の装置本体100への装着は、感光体ドラム1を支持する軸受131a、131bを、ガイド溝134a〜134hに沿って挿入することによって行う(図9参照、矢印X方向がカートリッジ7の装着方向)。装置本体100に装着されたカートリッジ7は、後述するカム部材である離間部材8R(8Ra〜8Rd)、8L(8La〜8Ld)により感光体ドラム1と現像ローラ40との離間動作が行われる。
【0024】
(カートリッジの全体構成)
一方、カートリッジ7は、画像形成装置本体100に着脱可能であって、少なくとも電子写真感光体ドラムと、前記電子写真感光体ドラムを帯電させるための帯電手段と、前記電子写真感光体ドラムに形成された潜像を現像するための現像手段とを有するものである。
【0025】
本実施形態のカートリッジ7は、図2に示すように、感光層を有する感光体ドラム1を回転してその表面を帯電手段としての帯電ローラ2によって一様に帯電する。そして、画像形成装置の光学系3からの光像を感光体ドラム1に露光して静電潜像を形成する。次に、現像手段の現像ブレード35により現像ローラ25上に均一なトナー層を形成する。その後、そのトナーを前記潜像に応じて感光体ドラム1に転移させることによって前記潜像に応じたトナー像を形成して可視像化する。さらに転写ローラ12でそのトナー像を記録媒体Sに転写した後は、クリーニング手段のクリーニングブレード6(6a,6b,6c,6d)によって感光体ドラム1に残留したトナーを除去するように構成されている。
【0026】
前記カートリッジ7は、感光体ドラム1と、帯電ローラ2、及びクリーニングブレード6を備えた感光体ユニット26(26a〜26d)、及び現像手段を有する現像ユニット4(4a〜4d)に分かれている。
【0027】
前記感光体ユニット26の第一枠体であるクリーニング枠体27には、感光体ドラム1が軸受(不図示)を介して回転自在に取り付けられている。感光体ドラム1の周面には、前述した通り帯電ローラ2、クリーニングブレード6が接触している。さらに、クリーニングブレード6によって感光体ドラム1周面から除去された残留トナーは、トナー送り機構29によってクリーニング枠体27後方に設けられた除去トナー室27aに送られる。
【0028】
クリーニング枠体27には帯電ローラ軸受28が、帯電ローラ2の回転中心と感光体ドラム1の回転中心を結んだ線D方向に移動可能に取り付けられている。帯電ローラ2の回転軸2jは帯電ローラ軸受28に回転可能に取り付けられている。そして帯電ローラ軸受28は帯電ローラ加圧部材46により感光体ドラム1に向かって加圧されている。そのため、帯電ローラ2は感光体ドラム1に加圧された状態になっている。
【0029】
現像ユニット4は、感光体ドラム1と接触して図2の矢印B方向に回転する現像ローラ25、および、第二枠体(30、31、32R、32L)を有する。また、第二枠体はトナーが収容されたトナー容器30、現像枠体31、及び、サイドカバー32R,32Lとから構成される。現像ローラ25は現像枠体31の長手方向両端側(一端側と他端側)において回転自在に支持されている。また現像ローラ25の周面には、現像ローラ25に接触して図2の矢印C方向に回転するトナー供給ローラ34と、現像ローラ25上のトナー層を規制するための現像ブレード35がそれぞれ接触している。さらにトナー容器30内には、収容されたトナーを撹拌するとともに前記トナー供給ローラ34へトナーを搬送するためのトナー搬送機構36が設けられている。
【0030】
前記現像ユニット4は、現像ユニット4全体が感光体ユニット26に対して揺動(回転)自在に支持された吊り構造となっている。即ち、現像ユニット4は軸受部材32R,32Lに設けられた、回動中心となる穴32bR,32bLに嵌合する軸37R,37Lを中心にして感光体ユニット26に回動自在に結合されている。
【0031】
カートリッジ7の画像形成時においては、軸37R,37Lを中心にして、回転モーメントにより現像ローラ25が感光体ドラム1に接触するよう、押圧部材である加圧バネ38によって現像ユニット4が常に付勢されている。
【0032】
そして、本実施形態のカートリッジ7は前記感光体ユニット26に対して現像ユニット4を揺動させることで、第1離間状態と第2離間状態とをとることができる。第1離間状態は、感光体ドラム1から現像ローラ25が離間した状態である。尚、第1離間状態にする必要性は、画像形成に関与しない時は、感光体ドラム1から現像ローラ25を離間させることでそれぞれの寿命を延ばすためである。
【0033】
そして、第2離間状態は、感光体ドラム1から現像ローラ25と帯電ローラ2が離間し、さらに、後で述べる離間部材8R,8Lと第一力受け部32aR、32aLとが離間した状態である。第2離間状態にする必要性は、カートリッジ7を装置本体100に装着した状態で運搬する際に、接触している個所をなくすことで、カートリッジ7及び装置本体100がダメージを受けたり、破損することを防止する為である。
【0034】
そして、図3に示すように、現像ユニット4のサイドカバー32R,32Lにはカートリッジ7を前記第2離間状態にするために装置本体から力を受ける第二力受け部32cR,32cLと、カートリッジを前記第1離間状態にするために装置本体から力を受ける第一力受け部32aR,32aLが設けられている。
【0035】
尚、感光体ドラム1と現像ローラ25が接触して現像を行う接触現像方式においては、感光体ドラム1は剛体とし、現像ローラ25は弾性体を有するローラとすることが好ましい。この弾性体としては、ソリッドゴム単層やトナーへの帯電付与性を考慮してソリッドゴム層上に樹脂コーティングを施したもの等が用いられる。
【0036】
(感光体ドラムと現像部材及び帯電部材の離間手段)
次に本実施形態に係るカートリッジ7における感光体ドラム1から現像ローラ25及び帯電ローラ2を離間させるための離間手段について、図3及び図4を用いて説明する。
【0037】
前述したように本実施形態のカートリッジ7は感光体ドラム1から現像ローラ25と帯電ローラ2が離間した第2離間状態と、感光体ドラム1から現像ローラ25が離間した第1離間状態とを取り得るように構成されている。そして、図3において、第一カム部材としての離間部材8R、8Lは、第一力受け部32aR,32aLに作用して、カートリッジ7を第1離間状態にするものである。また、第二カム部材としての補助離間部材42R,42Lは、第二力受け部32cR,32cLに作用して、カートリッジ7を第2離間状態にするものである。
【0038】
図3(a)において、感光体ドラム1から現像ローラ25を離間させるために、偏心カム形状の2個の離間部材8R,8Lが離間部材駆動軸43によって一体的に回転可能に装置本体に設けられている。離間部材8R,8Lは、図4(b)に示す第一の位置と、図4(c)に示す前記第一の位置から退避した第二の位置とをとり得る。前記第一の位置は、前記電子写真感光体ドラムと前記現像ローラとを離間させるための位置であり、第二の位置は、前記電子写真感光体ドラムと前記現像ローラとを接触させるための位置である。
【0039】
そして、それぞれの離間部材8R,8Lに感光体ドラム1から帯電ローラ2を離間させるための補助離間部材42R,42Lが回動可能に取り付けられている。
【0040】
前記補助離間部材42R,42Lは回動することによって、離間部材8R,8Lの最大外形よりも外側に突出した第三の位置と、離間部材8R,8Lの最大外形から突出しない状態である第四の位置とを取り得るように構成されている。即ち、第四の位置においては、補助離間部材42R,42Lは離間部材8R,8Lの最大外形よりも内側であって、第三の位置から退避した位置に固定される。
【0041】
図3(c)に示すように、補助離間部材42Rは離間部材8Rに設けられた取付穴8eRに補助離間部材42Rと一体の軸42aRを挿入し、軸42aRに一体に設けられた爪42bRを離間部材8Rに引っ掛けることで離間部材8Rから抜けないよう取り付けられている。
【0042】
また、離間部材駆動軸43は離間部材8Rに設けられた駆動軸取付穴8fRに挿入され、ピン45によって、離間部材8Rと離間部材駆動軸43は固定される。
【0043】
前記離間部材駆動軸43の長手方向反対側の離間部材8L及び補助離間部材42Lについても同様に取り付けられている。
【0044】
(現像ローラ、帯電ローラの離間動作)
図3(a)において、離間部材8R,8Lが駆動軸43を中心に矢印E方向に回転することで、現像ユニット4の軸受部材32R,32Lに設けられた第一力受け部32aR,32aLの位置が変わる。そして、現像ユニット4は揺動中心である軸37R(37L)を中心に揺動するため、図4(b)のように、現像ローラ25は感光体ドラム1から接離する。
【0045】
離間構成の位置関係について更に詳しく説明すると、図3(b)において、第一力受け部32aRは離間部材8Rと対向した位置にある。また、第二力受け部32cRは補助離間部材42Rに対向した位置にある。このように、第二力受け部32cRと第一力受け部32aRは駆動軸43の長手方向にずれた位置に配置されている。即ち、第一力受け部32aRと第二力受け部32cRは、軸受部材32Rから長手方向に突出した突起に設けられている。なお、カートリッジ7の長手方向反対側の第二力受け部32cLと第一力受け部32aRの配置についても同様に長手方向にずれた位置にそれぞれが同様に配置されている。
【0046】
次に帯電ローラ2の離間について説明する。図3(a)に示すように、現像ユニット4に設けられた第二力受け部32cR,32cLが離間部材8R,8Lの最大外形よりも外側に突出した第三の位置にある状態の補助離間部材42R,42Lと当接すると、現像ローラ25のみが感光体ドラム1から離間された状態より更に離間された状態になる。このとき帯電ローラ2が感光体ドラム1から離間された状態になる。また、補助離間部材42R,42Lが第三の位置にあるときは、離間部材8R,8Lと第一力受け部32aR、32aLとは、離間している。よって、この状態でカートリッジ7が装置本体100装着された状態で運搬されても、離間部材8R,8Lと第一力受け部32aR、32aLは衝撃等によって、破損したり、ダメージを受けることはない。尚、補助離間部材42R,42Lと第二力受け部32cR,32cLは接触している。しかし、補助離間部材42R,42Lと第二力受け部32cR,32cLは、カートリッジ7が装置本体100装着された状態で運搬される際にのみ使用されるものであるので問題は無い。
【0047】
これを具体的に説明すると、図4(a)に示すように、作動部材40Rの穴40aRに感光体ユニット26のクリーニング枠体27に一体に設けられた軸27bRが挿入された状態で作動部材40Rが感光体ユニット26に取り付けられている。そして、作動部材40Rは軸27bRを中心として回動可能となっている。
【0048】
作動部材40Rに設けられた離間部材取付穴40bRに帯電ローラ離間部材39Rと一体に設けられた軸39aRが挿入された状態で回動可能に取り付けられている。帯電ローラ離間部材39Rに設けられた帯電ローラ取付穴39bRには帯電ローラ2の軸2jが挿入されて取り付けられている。
【0049】
なお、図4では長手方向一端側のみ示しているが、他端側にも同様の作動部材及び帯電ローラ離間部材等が取り付けられている。
【0050】
図4(a)では離間部材8Rに設けられた補助離間部材42Rが、現像ユニット4の軸受部材32Rに設けられた第二力受け部32cRに当接した状態になっている。この状態では、現像ユニット4が穴32bRを通る軸37Rを中心として感光体ユニット26に対して回動する。そして、現像ユニット4の軸受部材32Rに一体に設けられた付勢部32dRが、帯電ローラ離間部材39Rと係合している離間部材としての作動部材40Rを押し上げる。これにより、作動部材40Rが軸27bRを中心に矢印J方向に回転している。その結果、帯電ローラ離間部材39Rが矢印G方向に引っ張られて、帯電ローラ2が感光体ドラム1から離間した状態となる。
【0051】
上記のように補助離間部材42Rが第二力受け部32cRを押し上げて感光体ドラム1から帯電ローラ2が離間するときの現像ユニット4の揺動量(第1揺動量)は、離間部材8Rが第一力受け部32aRを押し上げて感光体ドラム1から現像ローラ25が離間するときの揺動量(第2揺動量)よりも大きい。このため、帯電ローラ2が感光体ドラム1から離間するときは現像ローラ25も感光体ドラム1から離間した状態(第2離間状態)となる。
【0052】
装置本体100の出荷状態では、カートリッジ7は装置本体100に装着された状態で、且つ図4(a)に示した帯電ローラ2及び現像ローラ25が感光体ドラム1から離間された第2離間状態を保持したまま運搬される。このようにカートリッジ7を装置本体100に装着した状態で運搬(同梱)して出荷することで梱包材や梱包スペースを少なくてすむ。また、出荷前の保管期間が長くても感光体ドラム1に対して現像ローラ25のみならず帯電ローラ2も圧接していないため、これらローラに変形等を生じない。さらに前述したように、離間部材8R,8Lと第一力受け部32aR、32aLは衝撃等によって、破損したり、ダメージを受けることはない。
【0053】
そして、装置本体100の使用開始時には、前記離間手段が動作して離間部材8Rが駆動軸43を中心に矢印E方向に回転する。その結果、補助離間部材42Rは軸42aRを中心に矢印F方向に回転して第二力受け部32cRとの係合が解除される。
【0054】
そして、図4(b)に示すように、補助離間部材42Rは離間部材8Rの外形8gよりも内側の領域に収納される。これにより、現像ユニット4が、穴32bRを通る軸37Rを中心として感光体ユニット26に対して回動し、軸受部材32Rに設けられた第一力受け部32aRが離間部材8Rの外形8gに当接した状態となる。
【0055】
その際、付勢部32dRが作動部材40Rと離れた状態になり、矢印G方向に帯電ローラ離間部材39Rを引っ張っている力が開放される。このため、帯電ローラ離間部材39Rは帯電ローラ2を感光体ドラム1に加圧するための帯電ローラ加圧部材46(図2参照)の力によって矢印H方向に引っ張られる。そして、帯電ローラ2が感光体ドラム1に当接された状態になる。従って、使用を開始した装置本体100内部では現像ローラ25のみが感光体ドラム1から離間した第1離間状態となっている。
【0056】
そして、その後は離間部材8Rを回転させることで現像ローラ25を感光体ドラム1に当接又は離間させることができる。このとき第2離間状態が解除された後では、離間部材8Rが回転しても補助離間部材42Rは第三の位置には復帰せず第二力受け部32cRに作用しないように構成されている。これは補助離間部材42Rを一方向(図4(a)の矢印F方向)へ付勢するバネ等を設けることで可能である。
【0057】
装置本体100を使用(画像形成)開始した後は、帯電ローラ2は感光体ドラム1に当接した状態を維持するが、現像ローラ25は必要に応じて感光体ドラム1から離間させておくことが可能である。即ち、画像形成に関与しない場合は、現像ローラ25は感光体ドラム1から離間っせることによって、現像ローラ25の寿命を長くすることができる。この感光体ドラム1に対する現像ローラ25の離間、当接を行うための感光体ユニット26に対する現像ユニット4の揺動量(第2揺動量)が前記感光体ドラム1から帯電ローラ2を離間させるときの揺動量(第1揺動量)よりも小さい。即ち、図4(a)、(b)に示すように、回転中心である軸37Rの中心と感光体ユニット26の中心を結ぶ線L1と、軸37Rの中心と現像ローラ25の中心を結ぶ線L2とのなす角度αは、第2離間状態よりも第1離間状態の方が小さい。このため、感光体ドラム1に対する現像ローラ25の当接、離間がスムーズに行われる。
【0058】
なお、帯電ローラ2を長手全域に渡って確実に感光体ドラム1から離間させるために前記説明した動作は長手方向反対側に設けられている作動部材、帯電ローラ離間部材等も同様に動作する。
【0059】
上記のように補助離間部材42Rが第二力受け部32cRを押し上げて感光体ドラム1から帯電ローラ2が離間するときの現像ユニット4の揺動量(第1揺動量)は、離間部材8Rが第一力受け部32aRを押し上げて感光体ドラム1から現像ローラ25が離間するときの揺動量(第2揺動量)よりも大きい。このため、帯電ローラ2が感光体ドラム1から離間することができる。
【0060】
以上説明したように、補助離間部材42R,42Lが第三の位置にあるときは、離間部材8R,8Lと第一力受け部32aR、32aLとは、離間している。よって、この状態でカートリッジ7が装置本体100装着された状態で運搬されても、感光体ドラム1と現像ローラ25とを運搬時の衝撃等から保護できるのと同時に、離間部材8R,8Lと第一力受け部32aR、32aLも運搬時の衝撃等から保護できる。
【0061】
また、装置本体100に、帯電ローラ2を感光体ドラム1から離間させるための補助離間部材42R,42Lと、現像ローラ25を感光体ドラム1から離間させるための離間部材8R,8Lを設け、カートリッジ7の現像ユニット4の、離間部材8R,8L及び補助離間部材42R,42Lのそれぞれの位置に対向した位置に別々に力受け部を設け、これらに個別に力を付与するように構成することで、帯電ローラ2及び現像ローラ25の離間を独立で制御することが可能になり、帯電ローラ2及び現像ローラ25の感光体ドラム1からの離間動作を安定して行うことが可能になる。
【0062】
また装置本体100の出荷時にあらかじめカートリッジ7を装着して出荷、運搬する際にも、現像ローラ25だけでなく、帯電ローラ2も感光体ドラム1から離間させることが可能となる。
【0063】
そして、カートリッジを装置本体に装着同梱して出荷、運搬しても上記部品を変形させることがなく、またユーザが装置本体の電源を入れるだけで使用可能なプラグインプレイを実現する画像形成装置を複雑な構成をとることなしに提供することができる。
【0064】
〔第2実施形態〕
次に第2実施形態に係る装置について図5及び図6を参照して説明する。なお、本実施形態の装置の基本構成は前述した実施形態と同一であるため重複する説明は省略し、ここでは本実施形態の特徴となる構成について説明する。また、前述した実施形態と同一機能を有する部材には同一符号を付す。
【0065】
本実施形態が前述した第1実施形態と異なるところは、補助離間部材が第四の位置に変位したとき、その位置で固定する固定手段を設けたことである。
【0066】
これを具体的に説明すると、本実施形態の補助離間部材42(42R,42L)も離間部材8(8R,8L)に回動可能に取り付けられている。そして、この前記補助離間部材42は回動することによって、離間部材8の最大外形よりも外側に突出した第三の位置と、離間部材8の最大外形から突出しない第四の位置とを取り得るように構成されている。
【0067】
前記補助離間部材42は離間部材8に設けられた回転規制リブ8hRによって、図5の時計回り方向には回転できないようになっている。即ち、補助離間部材42が回転を規制されるのは、カートリッジ7を装置本体100に装着する方向と同じである。よって、カートリッジ7を装置本体100に装着した状態で運搬するために、カートリッジ7を装置本体10装着することができる。そして、補助離間部材42が第三の位置にあるときはカートリッジ7の現像ユニット4は従来の位置よりも押し上げられ、これに伴って現像ローラ25、帯電ローラ2が共に感光体ドラム1より離間する。
【0068】
次に、最初の電源投入時(イニシャル時)から最初のプリント開始時の間において、本体メインモータ(不図示)からの駆動力が、駆動軸43に伝達されて離間部材8が図5(b)の矢印E方向に回転する。すると、図5(b)に示すように補助離間部材42は装置本体に配置されている別の規制部材50に接触して矢印F方向に回転する。そして、補助離間部材42に設けられた弾性変形が可能な係止部51が離間部材8上に配置された爪形状の突起52と軽嵌合(スナップフック)して姿勢が固定される。
【0069】
このように、補助離間部材42が第四の位置に移動したときに、補助離間部材42が固定手段である突起52によって固定される。これにより、イニシャル時の離間手段の動作によって帯電ローラ2が感光体ドラム1に当接した後は、離間部材8が回転しても補助離間部材42が第三の位置に移動することはなく、補助離間部材42がカートリッジ7の第二力受け部32(32cR,32cL)に作用することはない。
【0070】
従って、図5及び図6に示すように、その後は離間部材8を回転することで感光体ドラム1と現像ローラ25を当接、離間させたとき、帯電ローラ2が感光体ドラム1から離間することはない。
【0071】
なお、前記補助離間部材42の係止部51は、離間部材8の爪形状の突起52と軽嵌合して姿勢を保持している状態であるので、補助離間部材42を手動によって第三の位置へ戻すことは容易である。よって、画像形成装置が長期間使用されない場合等には、補助離間部材42を手動で第三の位置へ戻して第2離間状態にすることで、カートリッジ7内の現像ローラ25と帯電ローラ2の弾性体層の塑性変形を防ぐことも可能である。もちろん、補助離間部材42を手動で第三の位置に変更した後、装置を再度使用する際に離間部材8を回転させることで自動的に帯電ローラ2を感光体ドラム1に当接させることができる。
【0072】
また、第1実施形態と同様に、補助離間部材42R,42Lが第三の位置にあるときは、離間部材8R,8Lと第一力受け部32aR、32aLとは、離間している。よって、この状態でカートリッジ7が装置本体100装着された状態で運搬されても、感光体ドラム1と現像ローラ25とを運搬時の衝撃等から保護できるのと同時に、離間部材8R,8Lと第一力受け部32aR、32aLも運搬時の衝撃等から保護できる。
【0073】
〔第3実施形態〕
次に第3実施形態に係る装置について図7及び図8を参照して説明する。なお、本実施形態の装置の基本構成も前述した実施形態と同一であるため重複する説明は省略し、ここでは本実施形態の特徴となる構成について説明する。また、前述した実施形態と同一機能を有する部材には同一符号を付す。
【0074】
前述した第1実施形態では補助離間部材42R,42Lは離間部材8R,8Lに回動可能に取り付けられていたが、本実施形態ではそれぞれ独立して設けられている。具体的には、図7(a)において、感光体ドラムから現像ローラを離間させるためのL字形状の離間部材8R,8Lと、感光体ドラムから帯電ローラを離間させるためのL字形状の補助離間部材42R,42Lが装置本体100に設けられている。離間部材8R,8Lが矢印L方向に動作することで、現像ユニット4の軸受部材32R,32Lに設けられた第一力受け部32aR及び32aLと離間部材8R,8Lが当接して位置が変わる。これにより、現像ユニット4は揺動中心である軸37を中心に感光体ユニット26に対して回動し、現像ローラ25は感光体ドラム1から接離する構成となっている。
【0075】
図7(a)では現像ユニット4に設けられた第二力受け部32cR,32cLが補助離間部材42R,42Lと当接し、現像ローラ25のみが感光体ドラム1から離間された状態より更に離間された状態になっている。その結果、現像ローラ25と帯電ローラ2が感光体ドラム1から離間された第2離間状態になっている。
【0076】
離間構成の位置関係について更に詳しく説明すると、図7(b)において、カートリッジ7の長手方向一端側の第一力受け部32aRは離間部材8Rに対向した位置、第二力受け部32cRは補助離間部材42Rに対向した位置と、感光体ドラムの軸線長手方向にずれた位置に配置されている。カートリッジ7の長手方向他端側の構成についても同様に長手方向にずれた位置にそれぞれが配置されている。
【0077】
帯電ローラの離間動作について説明すると、図8(a)において、補助離間部材42Rがカートリッジ7の現像ユニット4の軸受部材32Rに設けられた第二力受け部32cRに当接した状態になっている。このとき、現像ユニット4が穴32bRを通る軸37Rを中心として感光体ユニット26に対して回動し、現像ユニット4の軸受部材32Rに一体に設けられた付勢部32dRが帯電ローラ離間部材39Rと係合している作動部材40Rを押し上げる。このため、作動部材40Rは穴40aRを通る軸27bRを中心に矢印J方向に回転する。その結果、帯電ローラ離間部材39Rが矢印G方向に引っ張られて、帯電ローラ2が感光体ドラム1から離間した第2離間状態となる。このとき、現像ローラ25も感光体ドラム1から離間した第2離間状態となっている。
【0078】
装置本体100の出荷状態では、カートリッジ7は装置本体100に装着された状態で、図7(a)で説明した帯電ローラ2が感光体ドラム1から離間された状態を保持したまま出荷される。
【0079】
装置本体100の使用開始時には、補助離間部材42Rが図8の矢印M方向に移動し、第二力受け部32cRより補助離間部材42Rが離れる。それにより現像ユニット4が穴32bRを通る軸37Rを中心として感光体ユニット26に対して回動し、軸受部材32Rに設けられた第一力受け部32aRが離間部材8Rに当接した状態となる。その際、付勢部32dRが作動部材40Rと離れた状態になり、矢印G方向に帯電ローラ離間部材を引っ張っている力が開放される。このため、帯電ローラ2を感光体ドラム1に加圧するための不図示の帯電部材加圧バネの力によって矢印H方向に帯電ローラ離間部材39Rが引っ張られる。その結果、帯電ローラ2が感光体ドラム1に加圧された状態になる。従って、使用を開始した装置本体100内部では、図8(b)に示すように、現像ローラ25のみが感光体ドラム1から離間した第1離間状態となっている。
【0080】
以上説明したように、補助離間部材42R,42Lが第三の位置にあるときは、離間部材8R,8Lと第一力受け部32aR、32aLとは、離間している。よって、この状態でカートリッジ7が装置本体100装着された状態で運搬されても、感光体ドラム1と現像ローラ25とを運搬時の衝撃等から保護できるのと同時に、離間部材8R,8Lと第一力受け部32aR、32aLも運搬時の衝撃等から保護できる。
【0081】
また、装置本体100に帯電ローラ2を感光体ドラム1から離間させるための補助離間部材42R,42Lと、現像ローラ25を感光体ドラム1から離間させるための離間部材8R,8Lを設ける。そして、カートリッジ7の現像ユニット4の補助離間部材42R,42L及び補助離間部材8R,8Lのそれぞれの位置に対向した位置に別々に第二力受け部32cR,32cL及び第一力受け部32aR,32aLを設け、これらに個別に力を付与するように構成することで、帯電ローラ2及び現像ローラ25の離間を独立で制御することが可能となる。そして、帯電ローラ2及び現像ローラ25の感光体ドラム1からの離間動作を安定して行うことが可能になる。また装置本体100の出荷時にあらかじめカートリッジ7を装着して出荷する際にも、現像ローラ25だけでなく、帯電ローラ2も感光体ドラム1から離間させることが可能となる。
【0082】
そして、カートリッジを装置本体に装着同梱して出荷、運搬しても上記部品を変形させることがなく、またユーザが装置本体の電源を入れるだけで使用可能なプラグインプレイを実現する画像形成装置を複雑な構成をとることなしに提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】第1実施形態に係るカラー電子写真画像形成装置の全体構成図である。
【図2】第1実施形態に係るカートリッジの断面説明図である。
【図3】第1実施形態に係る現像部材及び帯電部材の離間機構の説明図である。
【図4】第1実施形態に係る現像部材及び帯電部材の離間動作を説明する図である。
【図5】第2実施形態に係る現像部材及び帯電部材の離間動作を説明する図である。
【図6】第2実施形態に係る現像部材の離間動作を説明する図である。
【図7】第3実施形態に係る現像部材及び帯電部材の離間機構の説明図である。
【図8】第3実施形態に係る現像部材及び帯電部材の離間動作を説明する図である。
【図9】第1実施形態に係るカラー電子写真画像形成装置本体の構成図である。
【符号の説明】
【0084】
1 …感光体ドラム
2 …帯電ローラ
4 …現像ユニット
7 …カートリッジ
8R,8L …離間部材
8eR …取付穴
8fR …駆動軸取付穴
11 …搬送ベルト
25 …現像ローラ
26 …感光体ユニット
27 …クリーニング枠体
30 …トナー容器
31 …現像枠体
32R,32L …軸受部材
32aR,32aL …第一力受け部
32bR,32bL …穴
32cR,32cL …第二力受け部
32dR …付勢部
37R,37L …軸
38 …加圧バネ
39R …帯電ローラ離間部材
39aR …軸
39bR …帯電ローラ取付穴
40bR …離間部材取付穴
42R,42L …補助離間部材
42aR …軸
42bR …爪
43 …離間部材駆動軸
45 …ピン
46 …帯電ローラ加圧部材
50 …規制部材
51 …係止部
52 …爪形状
100 …装置本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の位置と前記第一の位置から退避した第二の位置を取り得る第一カム部材と、第三の位置と前記第三の位置から退避した第四の位置を取り得る第二カム部材と、を有する電子写真画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、前記電子写真画像形成装置本体に装着した状態で運搬可能なプロセスカートリッジにおいて、
電子写真感光体ドラムと、
前記電子写真感光体ドラムに形成された静電潜像を現像するための現像ローラと、
前記電子写真感光体ドラムを支持する第一枠体と、
前記現像ローラを支持する第二枠体であって、前記第一枠体に対して回動可能に結合している第二枠体と、
前記プロセスカートリッジが前記電子写真画像形成装置本体に装着されて、前記第一カム部材が前記第一の位置に位置する場合に、前記第一カム部材と当接することによって、前記電子写真感光体ドラムと前記現像ローラとを離間する力を前記第一カム部材から受ける第一力受け部と、
前記プロセスカートリッジが前記電子写真画像形成装置本体に装着されて、前記第二カム部材が前記第三の位置に位置する場合に、前記第二カム部材と当接することによって、前記電子写真感光体ドラムと前記現像ローラとを離間した状態にし、更に、前記第一カム部材と前記第一力受け部とを離間する力を前記第二カム部材から受ける第二力受け部と、
を有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項2】
更に、前記プロセスカートリッジは、
前記電子写真感光体ドラムに帯電させるための帯電ローラと、
前記プロセスカートリッジが前記電子写真画像形成装置本体に装着されて、前記第二カム部材が前記第三の位置に位置する場合に、前記電子写真感光体ドラムと前記帯電ローラとを離間する離間部材と、
を有することを特徴とする請求項1に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項3】
前記帯電ローラ及び前記離間部材は、前記第一枠体に設けられ、
前記第二カム部材と前記第二力受け部とが当接することによって、前記第二枠体に設けられた付勢部が前記離間部材と当接して、前記電子写真感光体ドラムから前記帯電ローラを離間させることを特徴とする請求項2に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項4】
前記第一力受け部と前記第二力受け部は、前記プロセスカートリッジの長手方向において、前記第二枠体の一端側と他端側とに設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
【請求項5】
前記第一力受け部と前記第二力受け部は、前記プロセスカートリッジの長手方向に、前記第二枠体から突出して設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
【請求項6】
プロセスカートリッジを着脱可能な、記録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置であって、前記プロセスカートリッジを装着した状態で運搬可能な電子写真画像形成装置において
(1)第一の位置と前記第一の位置から退避した第二の位置を取り得る第一カム部材と、
(2)第三の位置と前記第三の位置から退避した第四の位置を取り得る第二カム部材と、
(3)前記プロセスカートリッジを取り外し可能に装着する為の装着部材と、
(4)前記装着部材に装着された前記プロセスカートリッジであって、電子写真感光体ドラムと、前記電子写真感光体ドラムに形成された静電潜像を現像するための現像ローラと、前記電子写真感光体ドラムを支持する第一枠体と、前記現像ローラを支持する第二枠体であって、前記第一枠体に対して回動可能に結合している第二枠体と、前記プロセスカートリッジが前記電子写真画像形成装置の本体に装着されて、前記第一カム部材が前記第一の位置に位置する場合に、前記第一カム部材と当接することによって、前記電子写真感光体ドラムと前記現像ローラとを離間する力を前記第一カム部材から受ける第一力受け部と、前記プロセスカートリッジが前記電子写真画像形成装置の本体に装着されて、前記第二カム部材が前記第三の位置に位置する場合に、前記第二カム部材と当接することによって、前記電子写真感光体ドラムと前記現像ローラとを離間し、更に、前記第一カム部材と前記第一力受け部とを離間する力を前記第二カム部材から受ける第二力受け部と、を有する前記プロセスカートリッジと、
前記プロセスカートリッジを前記電子写真画像形成装置の本体に装着した状態で運搬する際は、前記第二カム部材が前記第三の位置にあることを特徴とする電子写真画像形成装置。
【請求項7】
前記第二カム部材は、前記第一カム部材に回転可能に設けられていることを特徴とする請求項6に記載の電子写真画像形成装置。
【請求項8】
前記第二カム部材は、前記第三の位置に位置する際は、第一カム部材の外形よりも突出する状態になり、前記第四の位置に位置する際は、第一カム部材の外形の内側に位置する状態になることを特徴とする請求項6または7に記載の電子写真画像形成装置。
【請求項9】
前記第二カム部材は、前記第一カム部材が前記一の位置に位置する際に、前記三の位置をとることができ、前記第一カム部材が、前記第一の位置から前記第二の位置に移動するにともなって、前記第二カム部材は、前記前記三の位置から前記第四の位置に移動することを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載の電子写真画像形成装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の位置と前記第一の位置から退避した第二の位置を取り得る第一係合部材と、第三の位置と前記第三の位置から退避した第四の位置を取り得る第二係合部材と、を有する電子写真画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、前記電子写真画像形成装置本体に装着した状態で運搬可能なプロセスカートリッジにおいて、
電子写真感光体ドラムと、
前記電子写真感光体ドラムに形成された静電潜像を現像するための現像ローラと、
前記電子写真感光体ドラムを支持する第一枠体と、
前記現像ローラを支持する第二枠体であって、前記第一枠体に対して移動可能に結合している第二枠体と、
前記プロセスカートリッジが前記電子写真画像形成装置本体に装着されて、前記第一係合部材が前記第一の位置に位置する場合に、前記第一係合部材と当接することによって、前記電子写真感光体ドラムと前記現像ローラとを離間する力を前記第一係合部材から受ける第一力受け部と、
前記プロセスカートリッジが前記電子写真画像形成装置本体に装着されて、前記第二係合部材が前記第三の位置に位置する場合に、前記第二係合部材と当接することによって、前記電子写真感光体ドラムと前記現像ローラとを離間した状態にし、更に、前記第一係合部材と前記第一力受け部とを離間する力を前記第二係合部材から受ける第二力受け部と、
を有し、
前記プロセスカートリッジは前記電子写真画像形成装置本体に装着された状態で運搬される際は、前記第二力受け部が前記第二係合部材から、前記第一係合部材と前記第一力受け部とを離間する力を受けることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項2】
更に、前記プロセスカートリッジは、
前記電子写真感光体ドラムに帯電させるための帯電ローラと、
前記プロセスカートリッジが前記電子写真画像形成装置本体に装着されて、前記第二係合部材が前記第三の位置に位置する場合に、前記電子写真感光体ドラムと前記帯電ローラとを離間する離間部材と、
を有することを特徴とする請求項1記載のプロセスカートリッジ。
【請求項3】
前記帯電ローラ及び前記離間部材は、前記第一枠体に設けられ、
前記第二係合部材と前記第二力受け部とが当接することによって、前記第二枠体に設けられた付勢部が前記離間部材と当接して、前記電子写真感光体ドラムから前記帯電ローラを離間させることを特徴とする請求項2記載のプロセスカートリッジ。
【請求項4】
前記第一力受け部と前記第二力受け部は、前記プロセスカートリッジの長手方向において、前記第二枠体の一端側と他端側とに設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
【請求項5】
前記第一力受け部と前記第二力受け部は、前記プロセスカートリッジの長手方向に、前記第二枠体から突出した突起に設けられていることを特徴とする請求項4記載のプロセスカートリッジ。
【請求項6】
プロセスカートリッジを着脱可能な、記録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置であって、前記プロセスカートリッジを装着した状態で運搬可能な電子写真画像形成装置において
(1)第一の位置と前記第一の位置から退避した第二の位置を取り得る第一係合部材と、
(2)第三の位置と前記第三の位置から退避した第四の位置を取り得る第二係合部材と、
(3)前記プロセスカートリッジを取り外し可能に装着する為の装着部材と、
(4)前記装着部材に装着された前記プロセスカートリッジであって、
電子写真感光体ドラムと、
前記電子写真感光体ドラムに形成された静電潜像を現像するための現像ローラと、
前記電子写真感光体ドラムを支持する第一枠体と、
前記現像ローラを支持する第二枠体であって、前記第一枠体に対して移動可能に結合している第二枠体と、
前記プロセスカートリッジが前記電子写真画像形成装置の本体に装着されて、前記第一係合部材が前記第一の位置に位置する場合に、前記第一係合部材と当接することによって、前記電子写真感光体ドラムと前記現像ローラとを離間する力を前記第一係合部材から受ける第一力受け部と、
前記プロセスカートリッジが前記電子写真画像形成装置の本体に装着されて、前記第二係合部材が前記第三の位置に位置する場合に、前記第二係合部材と当接することによって、前記電子写真感光体ドラムと前記現像ローラとを離間し、更に、前記第一係合部材と前記第一力受け部とを離間する力を前記第二係合部材から受ける第二力受け部と、
を有する前記プロセスカートリッジと、
を有し、
前記プロセスカートリッジを前記電子写真画像形成装置の本体に装着した状態で運搬する際は、前記第二係合部材が前記第三の位置に位置することを特徴とする電子写真画像形成装置。
【請求項7】
更に、前記プロセスカートリッジは、
前記電子写真感光体ドラムに帯電させるための帯電ローラと、
前記プロセスカートリッジが前記電子写真画像形成装置本体に装着されて、前記第二係合部材が前記第三の位置に位置する場合に、前記電子写真感光体ドラムと前記帯電ローラとを離間する離間部材と、
を有することを特徴とする請求項6記載の電子写真画像形成装置。
【請求項8】
前記帯電ローラ及び前記離間部材は、前記第一枠体に設けられ、
前記第二係合部材と前記第二力受け部とが当接することによって、前記第二枠体に設けられた付勢部が前記離間部材と当接して、前記電子写真感光体ドラムから前記帯電ローラを離間させることを特徴とする請求項7記載の電子写真画像形成装置。
【請求項9】
前記第一力受け部と前記第二力受け部は、前記プロセスカートリッジの長手方向において、前記第二枠体の一端側と他端側とに設けられていることを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載の電子写真画像形成装置。
【請求項10】
前記第一力受け部と前記第二力受け部は、前記プロセスカートリッジの長手方向に、前記第二枠体から突出した突起に設けられていることを特徴とする請求項9記載の電子写真画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2006−259448(P2006−259448A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−78770(P2005−78770)
【出願日】平成17年3月18日(2005.3.18)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】