説明

プロセスカートリッジ

【課題】現像カートリッジを像担持体に向けて押圧する押圧部材の押圧力の設定が容易になるプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
【解決手段】像担持体カートリッジ(ドラムカートリッジ8)および現像カートリッジ9には、現像カートリッジ9を像担持体カートリッジで支持するための3つの支持部(支持点SP1〜SP3)が設けられ、3つの支持部のうち第1の支持部(支持点SP1)は、上から見て駆動入力部(入力部材95)の回転軸線L1上に配置され、第2の支持部(支持点SP2)は、駆動入力部の回転軸線L1よりも像担持体(感光ドラム81)側に配置され、第3の支持部(支持点SP3)は、駆動入力部の回転軸線L1を挟んで第2の支持部とは反対側に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電潜像が形成される像担持体を有する像担持体カートリッジと、像担持体上の静電潜像に現像剤を供給するために回転駆動される現像剤担持体を有する現像カートリッジとを備えたプロセスカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、感光ドラム(像担持体)を有する像担持体カートリッジと、現像ローラ(現像剤担持体)を有する現像カートリッジと、像担持体カートリッジと現像カートリッジが着脱可能となる作像ユニットケースとを備えたプロセスカートリッジが知られている(特許文献1参照)。この技術では、作像ユニットケース内に、現像カートリッジを支持する3つのコロと、現像ローラを感光ドラムに押し付けるために現像カートリッジを押圧する押圧部材とが設けられている。
【0003】
また、現像カートリッジには、現像ローラを回転駆動させるための外部動力が入力される駆動入力部が設けられている。そして、前述した3つのコロのうち2つのコロが、駆動入力部の回転軸線よりも感光ドラム側に配置され、残りの1つが回転軸線を挟んで2つのコロとは反対側に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭62−137440号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、駆動入力部に外部動力が加えられた場合には、現像カートリッジに対して駆動入力部の回転軸線を中心にしたモーメントが加わるため、このモーメントを良好に受けるべく、現像カートリッジを支持する必要がある。しかしながら、モーメントを受ける支持部を、前述した3つのコロと同じ位置に設定した場合には、モーメントを受ける支持部の数が回転軸線を挟んで異なるので、各支持部に加わる力を予想しにくいといった問題があった。
【0006】
そして、このように各支持部に加わる力が予想しにくい場合には、各支持部で発生する摩擦力が分からないので、現像カートリッジを感光ドラムに向けて押圧する押圧部材の押圧力の設定がしにくいといった問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、現像カートリッジを感光ドラム(像担持体)に向けて押圧する押圧部材の押圧力の設定が容易になるプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決する本発明は、静電潜像が形成される像担持体を有する像担持体カートリッジと、前記像担持体上の静電潜像に現像剤を供給するために回転駆動される現像剤担持体を有する現像カートリッジと、前記現像剤担持体を前記像担持体に押し付けるために、前記現像カートリッジを前記像担持体に向けて押圧する押圧部材とを備えたプロセスカートリッジであって、前記現像カートリッジのうち前記現像剤担持体の軸方向の一端側には、前記現像剤担持体を回転駆動させるための外部動力が入力される駆動入力部が設けられ、前記像担持体カートリッジおよび前記現像カートリッジには、前記現像カートリッジを前記像担持体カートリッジで支持するための3つの支持部が設けられ、前記3つの支持部のうち第1の支持部は、上から見て前記駆動入力部の回転軸線上に配置され、第2の支持部は、前記駆動入力部の回転軸線よりも前記像担持体側に配置され、第3の支持部は、前記駆動入力部の回転軸線を挟んで前記第2の支持部とは反対側に配置されていることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、3つの支持部のうち第1の支持部はモーメントの影響をほとんど受けない。また、その他の2つの支持部は回転軸線を挟んで1つずつ配置されるので、これら2つの支持部にかかる力が求め易くなる。したがって、各支持部の力を容易に求めることができるので、押圧部材の押圧力の設定を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、現像カートリッジを像担持体に向けて押圧する押圧部材の押圧力の設定を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係るプロセスカートリッジが装着されるレーザプリンタを示す説明図である。
【図2】プロセスカートリッジを斜め上方から見た斜視図である。
【図3】現像カートリッジを感光ドラム等とともに右斜め下側から見た斜視図である。
【図4】現像カートリッジを感光ドラム等とともに左斜め下側から見た斜視図である。
【図5】プロセスカートリッジを上方から見た平面図である。
【図6】ドラムカートリッジを上方から見た斜視図である。
【図7】プロセスカートリッジを左側から見た側面図である。
【図8】プロセスカートリッジを右側から見た側面図である。
【図9】プロセスカートリッジをコロを含む断面で切った断面図である。
【図10】各支持部の配置の変形例を示す平面図である。
【図11】図10のプロセスカートリッジを左側から見た側面図である。
【図12】図10のプロセスカートリッジを右側から見た側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<レーザプリンタの全体構成>
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明においては、まず、画像形成装置の一例としてのレーザプリンタの全体構成を説明した後、本発明の特徴部分を詳細に説明することとする。
【0013】
以下の説明において、方向は、レーザプリンタ使用時のユーザを基準にした方向で説明する。すなわち、図1において、紙面に向かって左側を「前側(手前側)」、紙面に向かって右側を「後側(奥側)」とし、紙面に向かって奥側を「左側」、紙面に向かって手前側を「右側」とする。また、紙面に向かって上下方向を「上下方向」とする。
【0014】
図1に示すように、レーザプリンタ1は、主に、用紙Pを装置本体2内に給紙するためのフィーダ部3と、用紙Pに画像を形成するための画像形成部4とを備えている。
【0015】
フィーダ部3は、装置本体2の下部に着脱可能に装着される給紙トレイ31と、給紙トレイ31内の用紙Pを画像形成部4に向けて給紙する給紙機構32を主に備えている。
【0016】
画像形成部4は、スキャナユニット5、プロセスカートリッジ6、転写ローラCRおよび定着装置7などを備えている。
【0017】
スキャナユニット5は、装置本体2内の上部に設けられ、図示しないレーザ発光部、ポリゴンミラー、レンズおよび反射鏡などを備えている。このスキャナユニット5では、レーザビームを、後述する像担持体の一例としての感光ドラム81の表面上に高速走査にて照射する。
【0018】
プロセスカートリッジ6は、装置本体2に着脱可能であり、感光ドラム81を有する像担持体カートリッジの一例としてのドラムカートリッジ8と、現像剤担持体の一例としての現像ローラ91や現像剤の一例としてのトナーを有する現像カートリッジ9とを備えている。なお、ドラムカートリッジ8および現像カートリッジ9の構造については、後で詳述する。
【0019】
このプロセスカートリッジ6では、回転する感光ドラム81の表面が、図示せぬ帯電器により一様に帯電された後、スキャナユニット5からのレーザビームの高速走査により露光される。これにより、露光された部分の電位が下がって、感光ドラム81の表面に画像データに基づく静電潜像が形成される。
【0020】
次いで、回転駆動される現像ローラ91によって現像カートリッジ9内のトナーが感光ドラム81の静電潜像に供給されて、感光ドラム81の表面上にトナー像が形成される。その後、感光ドラム81と転写ローラCRの間で用紙Pが搬送されることで、感光ドラム81の表面に担持されているトナー像が用紙P上に転写される。
【0021】
定着装置7は、加熱ローラ71と、加熱ローラ71と対向して配置され加熱ローラ71を押圧する加圧ローラ72とを備えている。そして、このように構成される定着装置7では、用紙P上に転写されたトナーを、用紙Pが加熱ローラ71と加圧ローラ72との間を通過する間に熱定着している。
【0022】
なお、定着装置7で熱定着された用紙Pは、定着装置7の下流側に配設される排紙ローラRに搬送され、この排紙ローラRから排紙トレイ21上に送り出される。
【0023】
<ドラムカートリッジ8および現像カートリッジ9の詳細構造>
図2に示すように、現像カートリッジ9は、ドラムカートリッジ8に対して着脱可能な構造となっており、前述した現像ローラ91を備える他、公知のアジテータ、供給ローラ、層厚規制ブレードなどを備えている。現像ローラ91の回転軸91Aは、図3および図4に示すように、その両端部A1,A2が現像カートリッジ9の左右の側面92L,92R(現像ローラ91の軸方向両側の面)から突出するように設けられている。そして、この両端部A1,A2は、後述する入力部材95の回転軸線L1(図5参照)よりも後側(感光ドラム81側)の位置に配置されている。
【0024】
なお、図3および図4においては、説明の便宜上、ドラムカートリッジ8から取り外した現像カートリッジ9の他、ドラムカートリッジ8に設けられる感光ドラム81等の各部材も適宜図示している。
【0025】
回転軸91Aの両端部A1,A2は、各側面92L,92Rから突出するように設けられる軸受93に回転可能に支持されている。そして、本実施形態では、回転軸91Aの左側の端部A1と左側の軸受93とで第2の支持部が構成され、この第2の支持部が後述するドラムカートリッジ8の支持溝84(図7参照)に支持されるようになっている。
【0026】
図4に示すように、現像カートリッジ9の左側面92Lには左右方向外側に突出する円筒状の軸受部94が形成されており、この軸受部94内に、現像ローラ91を回転駆動させるための外部動力が入力される駆動入力部の一例としての入力部材95が回転可能に設けられている。なお、外部動力は、図1に示す装置本体2に設けられたモータ等の駆動源24からギヤ等を介して駆動伝達部(図示せず)に伝達された後、この駆動伝達部から入力部材95に伝達される。駆動伝達部と入力部材95との連結は、ユニバーサルジョイント、オルダムジョイント等、現像カートリッジ9が前後方向に微動しても駆動力が伝達される構成となっている。
【0027】
また、図3に示すように、現像カートリッジ9の右側面92Rには、第1の支持部の一例としてのボス部96が左右方向外側に突出するように設けられている。ボス部96は、図5に示すように、装置本体2に設けられる外部電極EPと接触して当該外部電極EPから現像ローラ91にバイアスを印加するための導電部となっている。
【0028】
ボス部96は、プロセスカートリッジ6が装置本体2に装着された状態において、上(鉛直方向上方)から見て入力部材95の回転軸線L1上に(回転軸線L1と重なるように)配置されている。そして、このボス部96は、後述するドラムカートリッジ8の支持台部83に支持されるようになっている。
【0029】
また、図3に示すように、現像カートリッジ9の下面の左側前部には、第3の支持部の一例としてのリブ97が設けられ、このリブ97が後述するコロ85によって支持されるようになっている。詳しくは、リブ97は、図5に示すように、入力部材95の回転軸線L1を挟んで回転軸91Aの左側の端部A1とは反対側であって、左右方向において端部A1と同じ側(すなわち左側であり、ボス部96とは左右方向で反対側)に配置されている。
【0030】
図6に示すように、ドラムカートリッジ8は、前述した感光ドラム81や公知の帯電器(図示せず)などを備える他、上方に向けて開口した箱状の筐体82を備えている。筐体82には、第1の支持部の一例としての支持台部83、第2の支持部の一例としての支持溝84および第3の支持部の一例としてのコロ85が設けられ、これらによって現像カートリッジ9が3点支持されている。
【0031】
支持台部83は、図2に示すように、現像カートリッジ9のボス部96を支持する部位であり、筐体82の右側壁82Rから左右方向外側に突出するように形成されている。この支持台部83は、ボス部96と同様に、図5に示すように、上から見て入力部材95の回転軸線L1上に配置されている。
【0032】
図7に示すように、支持溝84は、前方に開口するように筐体82の左側壁82Lに形成されるU字状の溝であり、左側の軸受93を介して現像ローラ91の回転軸91Aの左側の端部A1を支持している。詳しくは、後で詳述するように入力部材95に駆動力が入力されることで現像カートリッジ9にモーメントが加わった場合には、図に示すように、支持溝84の上側の内面によって回転軸91Aの端部A1が上方に移動するのを抑えている。また、駆動力が入力部材65に入力されていない状態においては、重力によって下に下がろうとする端部A1を、左側の軸受93を介して支持溝84の下側の内面で下から支持するようになっている。
【0033】
特に、支持溝84の上部には、支持溝84の上側の内面に沿うように、支持リブ84Aが左右方向外側に突出するように形成されている。これにより、支持溝84の上側の内面と支持リブ84Aの下面とで広い面が形成され、この広い面で、前述したように現像カートリッジ9にモーメントが加わった際において回転軸91Aの端部A1を受けることが可能となっている。
【0034】
また、図6に示すように、支持溝84の前側には、現像カートリッジ9の回転軸91Aの左側の端部A1(詳しくは軸受93)を装着位置(図7の位置)に案内するガイド部の一例としての左側案内溝87Lが設けられている。この左側案内溝87Lは、ドラムカートリッジ8に対する現像カートリッジ9の装着方向の下流側(後斜め下方)に向かうにつれて徐々に幅狭となっており、支持溝84に連続するように形成されている。また、この左側案内溝87Lは、現像カートリッジ9をドラムカートリッジ8に装着したときにおいて、図7に示すように、入力部材95(詳しくは軸受部94)と隙間を空けた状態で配置されるようになっている。
【0035】
さらに、筐体82の右側壁82Rには、現像カートリッジ9の回転軸91Aの右側の端部A2(詳しくは軸受93)を装着位置に案内するガイド部の一例としての右側案内溝87Rが形成されている。右側案内溝87Rは、前述した左側案内溝87Lおよび支持溝84を合わせたような形状となっており、そのうち支持溝84に対応する部分R1は、支持溝84よりも幅広に(上下長さが長くなるように)形成されている。そのため、部分R1は、図8に示すように、現像カートリッジ9をドラムカートリッジ8に装着したときにおいて、回転軸91Aの右側の端部A2(詳しくは軸受93)と上下に隙間を空けて配置されるようになっている。
【0036】
そして、図6に示すように、前述した支持台部83は、その上面が、右側案内溝87Rの一部の案内面に沿うように形成されている。そのため、図2に示すように、現像カートリッジ9をドラムカートリッジ8に装着したときにおいて、右側案内溝87Rの内面の一部と支持台部83の上面とで形成される広い面で、現像カートリッジ9の回転軸91Aの右側の端部A2を下から支えることが可能となっている。
【0037】
図6および図9に示すように、コロ85は、筐体82の底面82Aの左前側の位置に前後方向に回転可能に設けられ、現像カートリッジ9を前後に移動可能に支持している。コロ85で現像カートリッジ9を前後方向移動可能に支持していることで、入力部材95に駆動力が入力されたとき、感光ドラム81および現像ローラ91に振れが生じても、現像ローラ91と感光ドラム81とが一定の荷重で接触している状態を保つことができる。詳しくは、コロ85は、図5に示すように、ドラムカートリッジ8に装着された現像カートリッジ9の入力部材95の回転軸線L1よりも前方(回転軸線L1を挟んで支持溝84とは反対側)に配置されている。
【0038】
そして、ドラムカートリッジ8で3点支持される現像カートリッジ9の重心Gは、入力部材95の回転軸線L1上(上から見て回転軸線L1に重なる位置)に位置している。これにより、ドラムカートリッジ8の3つの支持点SP1〜SP3(支持台部83、支持溝84およびコロ85)で現像カートリッジ9をバランスよく支持することが可能となっている。
【0039】
なお、重心の位置は、現像カートリッジ9内のトナーが消費されることで変化するが、現像カートリッジ9の重量に対するトナーの重量の割合は大きくないため、トナーの重量が変化しても重心の位置にそれほど大きな変化はない。また、重心の位置は、前述した位置に限らず、ドラムカートリッジ8の3つの支持点SP1〜SP3で形成される三角形状の領域内に配置されていればよい。
【0040】
また、図6に示すように、筐体82の後部には、感光ドラム81が回転可能に支持され、前部には、現像ローラ91を感光ドラム81に押し付けるために現像カートリッジ9を感光ドラム81に向けて押圧する押圧部材86が設けられている。押圧部材86は、現像カートリッジ9の左右方向の両端側に1つずつ設けられている。
【0041】
具体的には、図9に示すように、押圧部材86は、筐体82に揺動可能に設けられており、筐体82の後壁82Bに固定されたコイルバネ88によって常時後方に付勢されている。そして、この押圧部材86は、現像カートリッジ9の左右の側壁の前部に設けられた突起98を押すことで、現像カートリッジ9を感光ドラム81に向けて押圧している。
【0042】
次に、入力部材95に駆動力が入力されたときの各支持点SP1〜SP3にかかる力について説明する。
図7に示すように、入力部材95に図示時計回り方向に駆動力(モーメント)が入力されると、回転軸線L1よりも後方にある支持溝84には上方に向かう力が加わり、図9に示すように回転軸線L1よりも前方にあるコロ85には下方に向かう力が加わる。
【0043】
この際、図5に示すように、回転軸線L1上にある支持台部83には、入力部材95に加えられたモーメントはほとんど加わらない。そのため、支持台部83に加わる力を考慮する必要がないので、支持溝84およびコロ85の2点に加わる力を簡単に求めることができる。
【0044】
以上によれば、本実施形態において以下のような効果を得ることができる。
支持溝84およびコロ85の2点に加わる力を簡単に求めることができるので、押圧部材86(コイルバネ88)の押圧力の設定を容易に行うことができる。
【0045】
左右方向において支持溝84およびコロ85を入力部材95と同じ側に設けたので、入力部材95に加わるモーメントを入力部材95と同じ側(つまり左右方向で入力部材95と近い位置)にある支持溝84とコロ85で受けることができ、現像カートリッジ9がねじれるのを抑制することができる。
【0046】
第1の支持部としてのボス部96を外部電極EPと接触する導電部として利用したので、ボス部(第1の支持部)とは別に導電部を設ける構造に比べ、部品の共通化を図ってコストを削減することができる。
【0047】
回転軸91Aの両端部A1,A2のうちドラムカートリッジ8で支持されない右側の端部A2を、支持される左側の端部A1とともに案内溝87R,87Lで装着位置まで案内するように構成したので、左側の端部A1のみを案内する構造に比べ、操作性を向上させることができる。
【0048】
現像カートリッジ9の重心が入力部材95の回転軸線L1上に位置しているので、現像カートリッジ9をドラムカートリッジ8でバランスよく支持することができる。
【0049】
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。
前記実施形態では、第1の支持部(ボス部96、支持台部83)を入力部材95とは左右方向における反対側に設け、第2の支持部(端部A1、軸受93および支持溝84)および第3の支持部(リブ97、コロ85)を入力部材95と左右方向で同じ側に設けたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図10〜図12に示すように、前記実施形態とは逆に、第1の支持部(支持点SP1)を入力部材95と左右方向で同じ側に設け、第2の支持部および第3の支持部(支持点SP2,SP3)を入力部材95とは左右方向における反対側に設けてもよい。なお、図10〜12では、前記実施形態と略同様の構造については同一符号を付し、その説明を省略している。
【0050】
この場合、図11に示すように、現像カートリッジ9における第1の支持部は軸受部94となり、この軸受部94を支持する支持台部83が第1の支持部としてドラムカートリッジ8の左側壁82Lに設けられる。また、図12に示すように、現像カートリッジ9における第2の支持部は、現像ローラ91の回転軸91Aの右側の端部A2(軸受93)となり、この右側の端部A2を支持する支持溝84や支持リブ84Aが第2の支持部としてドラムカートリッジ8の右側壁82Rに設けられる。
【0051】
また、図10に示すように、第3の支持部としてのリブ97およびコロ85は、現像カートリッジ9およびドラムカートリッジ8の右前側に配置される。このような構造であっても、前記実施形態と同様に、支持点SP2,SP3の2点に加わる力を簡単に求めることができるので、押圧部材86(コイルバネ88)の押圧力の設定を容易に行うことができる。
【0052】
前記実施形態では、像担持体として感光ドラム81を採用したが、本発明はこれに限定されず、例えばベルト状の感光体を採用してもよい。また、押圧部材を、板バネやトーションバネのみで構成してもよい。さらに、各支持部やガイド部の形状や構造は適宜変更可能であり、例えばコロ85を回転しない部材に変更してもよい。
【0053】
前記実施形態では、トナーを収容するトナー収容部を一体に有する現像カートリッジ9を採用したが、本発明はこれに限定されず、トナーを収容するトナー収容部が着脱可能となる現像カートリッジに本発明を適用してもよい。
【0054】
前記実施形態では、画像形成装置として、レーザプリンタ1を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、LEDによって露光を行うLEDプリンタであってもよいし、プリンタ以外の複写機や複合機などであってもよい。また、前記実施形態では、モノクロ画像を形成する画像形成装置を例示したが、これに限定されず、カラー画像を形成する画像形成装置であってもよい。
【符号の説明】
【0055】
6 プロセスカートリッジ
8 ドラムカートリッジ
9 現像カートリッジ
24 駆動源
81 感光ドラム
83 支持台部
84 支持溝
84A 支持リブ
85 コロ
86 押圧部材
87L 左側案内溝
87R 右側案内溝
88 コイルバネ
91 現像ローラ
91A 回転軸
93 軸受
95 入力部材
96 ボス部
97 リブ
A1 端部
A2 端部
EP 外部電極
G 重心
L1 回転軸線
SP1〜SP3 支持点


【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置の装置本体に装着されるプロセスカートリッジであって、
静電潜像が形成される像担持体を有する像担持体カートリッジと、
前記像担持体上の静電潜像に現像剤を供給するために回転駆動される現像剤担持体を有する現像カートリッジと、
前記現像剤担持体を前記像担持体に押し付けるために、前記現像カートリッジを前記像担持体に向けて押圧する押圧部材とを備え、
前記現像カートリッジのうち前記現像剤担持体の軸方向の一端側には、前記現像剤担持体を回転駆動させるための外部動力が入力される駆動入力部が設けられ、
前記像担持体カートリッジおよび前記現像カートリッジには、前記現像カートリッジを前記像担持体カートリッジで支持するための3つの支持部が設けられ、
前記3つの支持部のうち第1の支持部は、前記装置本体に装着された状態において、上から見て前記駆動入力部の回転軸線上に配置され、第2の支持部は、前記駆動入力部の回転軸線よりも前記像担持体側に配置され、第3の支持部は、前記駆動入力部の回転軸線を挟んで前記第2の支持部とは反対側に配置されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項2】
前記第1の支持部は、前記軸方向の他端側に配置され、
前記第2の支持部および前記第3の支持部は、ともに前記軸方向の一端側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項3】
前記現像カートリッジの第1の支持部は、前記現像カートリッジの軸方向の他端側の面から突出するボス部であり、
当該ボス部は、外部電極と接触して当該外部電極から前記現像剤担持体にバイアスを印加するための導電部であることを特徴とする請求項2に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項4】
前記現像カートリッジは、前記像担持体カートリッジに対して着脱可能に構成され、
前記現像剤担持体の回転軸は、前記現像カートリッジの軸方向両側の面から突出するように設けられ、突出した両端部のうちの一端部が前記第2の支持部を構成し、
前記像担持体カートリッジには、前記回転軸の両端部を装着位置に案内するためのガイド部が設けられ、
前記回転軸の他端部を案内するガイド部は、現像カートリッジが像担持体カートリッジに装着されたときに、前記他端部と隙間を空けて配置されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項5】
前記現像カートリッジの重心が前記駆動入力部の回転軸線上に位置していることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項6】
前記押圧部材は、前記現像カートリッジの軸方向の両端側に1つずつ設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項7】
前記第1の支持部は、前記軸方向の一端側に配置され、
前記第2の支持部および前記第3の支持部は、ともに前記軸方向の他端側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のプロセスカートリッジ。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2011−170130(P2011−170130A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−34350(P2010−34350)
【出願日】平成22年2月19日(2010.2.19)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】