説明

プロリン誘導体

式(I)


式中、
X、Y、R、R、R、Rおよびnは、請求項1に示した意味を有する、
で表される新規化合物は、凝固因子Xaを阻害し、血栓塞栓症の予防および/または治療ならびに腫瘍の処置のために用い得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式I
【化1】

【0002】
式中、
は、H、=O、Hal、A、OH、OA、−O−(CH−OA、A−COO−、Ph−(CH−COO−、cycloalkyl−(CH−COO−、A−CONH−、A−CONA−、Ph−CONA−、N、NH、NO、CN、COOH、COOA、CONH、CONHA、CON(A)、O−アリル(allyl)、O−プロパルギル(propargyl)、O−ベンジル(benzyl)、=N−OH、=N−OAまたは=CFを示し、
は、HまたはAを示し、
Phは、無置換または、A、OA、OHおよび/またはHalによってモノ−、ジ−もしくはトリ−置換されたフェニルを示し、
は、H、HalまたはAを示し、
【0003】
は、2−オキソピペリジン−1−イル、2−オキソピロリジン−1−イル、2−オキソ−1H−ピリジン−1−イル、3−オキソモルホリン−4−イル、4−オキソ−1H−ピリジン−1−イル、2−オキソ−1H−ピラジン−1−イル、2−オキソイミダゾリジン−1−イル、2−イミノピペリジン−1−イル、2−イミノピロリジン−1−イル、3−イミノモルホリン−4−イル、2−イミノイミダゾリジン−1−イル、2−イミノ−1H−ピラジン−1−イル、2,6−ジオキソピペリジン−1−イル、2−オキソピペラジン−1−イル、2,6−ジオキソピペラジン−1−イル、2,5−ジオキソピロリジン−1−イル、2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル、3−オキソ−2H−ピリダジン−2−イル、2−カプロラクタム−1−イル(=2−オキサアゼパン−1−イル)、2−アザビシクロ[2.2.2]−オクタン−3−オン−2−イル、5,6−ジヒドロ−1H−ピリミジン−2−オキソ−1−イル、2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イルまたは4H−1,4−オキサジン−4−イルを示し、任意に、A、OA、OHおよび/またはCNによって、モノ−またはジ置換されており、
Xは、単結合、CONHまたはNHCOを示し、
Yは、フェニル、ピリジル、チエニル、ピリミジル、ベンゾ[b]チオフェニルを示し、これらの夫々は、無置換またはHalもしくはZによって、モノ−、ジ−、トリ−、テトラ−もしくはペンタ置換されており、
【0004】
Zは、
【化2】

を示し、
【0005】
Aは、1〜7個のH原子がFおよび/または塩素で置換されてもよい、1〜10個のC原子を有する非分枝状、分枝状または環状のアルキルであり、
Halは、F、Cl、BrまたはIを示し、
nは、1または2を示す、
で表される化合物ならびにそれらの薬学的に用い得る誘導体、溶媒和物、塩および立体異性体、さらにそれらのすべての比率における混合物に関する。
【発明の開示】
【0006】
本発明は、価値ある特性を有する新規化合物、とくに医薬の製造に用いることができるものを見出すことを課題とした。
式Iの化合物、およびその塩は、非常に有益な薬理学的性質を有し、非常に耐性があることが見出された。とくに、それらは、因子Xa阻害特性を示し、したがって、血栓症、心筋梗塞、動脈硬化症、炎症、卒中、狭心症、血管形成術後の再狭窄、および間歇性跛行(claudicatio intermittens)などの血栓塞栓性疾患に対抗するため、およびそれらを予防するために用いることができる。
【0007】
本発明による式Iの化合物は、さらに凝固因子である因子VIIa、因子IXa、および血液凝固カスケードのトロンビンの阻害剤になり得る。
他のカルボキサミド誘導体は、WO02/48099およびWO02/57236に記載され、他のピロリジン誘導体は、WO02/100830に記載されている。
さらに、複素環式誘導体は、WO03/045912、WO2004/056815およびM. Nazare et al Bioorg. Med. Chem. Lett. 2004, 14, 4192およびM. Nazare et al. Bioorg. Med. Chem. Lett. 2004, 14, 4197に記載されている。
【0008】
本発明の化合物の抗血栓効果および抗凝固活性は、因子Xaの名称で知られる活性化凝固プロテアーゼに対する阻害活性、または他の活性化血清プロテアーゼである因子VIIa、因子IXaもしくはトロンビン等に対する阻害活性によるものである。
【0009】
因子Xaは、血液凝固の複雑な過程に含まれるプロテアーゼの1つである。因子Xaは、プロトンビンからトロンビンへの変換を触媒する。トロンビンは、フィブリノゲンをフィブリンモノマーに開裂し、架橋後、塞栓形成に基本的な貢献をする。トロンビンの活性は、血栓塞栓性疾患の発症をもたらす。しかし、トロンビンの阻害は、塞栓形成に含まれるフィブリン形成を阻害することができる。
【0010】
トロンビンの阻害は、例えば、Circulation 1996, 94, 1705-1712のG.F. Cousinsらの方法により測定することができる。
したがって、因子Xaの阻害は、トロンビンの形成を予防することができる。本発明の式Iの化合物およびそれらの塩は、因子Xaを阻害することによって血液凝固過程に関与し、それによって塞栓形成を阻害する。
【0011】
本発明の化合物による因子Xa阻害および抗血栓剤活性ならびに抗凝固剤活性の測定は、通常のインビトロ、またはインビボによる方法によって決定することができる。好適な方法は、例えば、J. HauptmannらによるThrombosis and Haemostasis 1990, 63, 220-223に記載されている。
因子Xaの阻害は、例えば、Thromb. Haemostas. 1994, 71, 314-319のT. Haraらの方法により測定することができる。
【0012】
凝固因子VIIaは、組織因子に結合した後、凝固カスケードの外側の部分を開始せしめ、因子Xaを与える因子Xの活性に寄与する。したがって、因子VIIaの阻害は、因子Xaの形成、その後のトロンビン形成を予防する。
本発明の化合物による因子VIIaの阻害、ならびに抗血栓剤および抗凝固剤活性の測定は、通常のインビトロ、またはインビボによる方法によって決定することができる。因子VIIa阻害の測定のための通常の方法は、例えば、H. F. RonningらによるThrombosis Research 1996, 84, 73-81に記載されている。
【0013】
凝固因子IXaは、内部の凝固カスケードで発生し、因子Xaを与える因子Xの活性に同様に関連する。したがって、因子IXaの阻害は、種々の方法で因子Xaの形成を予防することができる。
本発明の化合物による因子IXa阻害および抗血栓ならびに抗凝固活性の測定は、通常のインビトロ、またはインビボによる方法によって決定することができる。好適な方法は、例えば、J. ChangらによるJournal of Biological Chemistry 1998, 273, 12089-12094に記載されている。
【0014】
本発明の化合物は、さらに、腫瘍、腫瘍疾患、および/または腫瘍転移の処置のために用いることができる。組織因子TF/因子VIIaと、種々のタイプの癌の進行との相関関係は、Biomed. Health Res. (2000), 41(Molecular Pathogenesis of Pancreatic Cancer), 57-59において、T.TaniguchiおよびN.R. Lemoineにより示唆されている。
下掲の刊行物は、種々のタイプの腫瘍に対するTF−VII、および因子Xa阻害剤の抗腫瘍作用について開示している:
K.M. Donnelly et al. in Thromb. Haemost. 1998; 79: 1041-1047;
E.G. Fischer et al. in J. Clin. Invest. 104: 1213-1221(1999);
B.M. Mueller et al. in J. Clin. Invest. 101: 1372-1378(1998);
M.E. Bromberg et al. in Thromb. Haemost. 1999; 82: 88-92
【0015】
式Iの化合物は、ヒトおよび獣医薬、とくに、血栓症、心筋梗塞、動脈硬化症、炎症、卒中、狭心症、血管形成術後の再狭窄、間歇性跛行、静脈血栓症、肺塞栓、動脈血栓症、心筋虚血(myocardial ischaemia)、不安定狭心症、および血栓症に基づくストロークなどの血栓塞栓性疾患の処置、および予防のための医薬活性成分として用いることができる。
本発明の化合物は、冠状動脈疾病、大脳動脈疾病、または末梢動脈疾病などのアテローム動脈硬化症性疾病の処置、または予防にも用いられる。
【0016】
該化合物は、他の血栓溶解剤と組み合わせて、心筋梗塞に対して、さらに血栓崩壊、経皮経管的血管形成(PTCA)、および冠状動脈バイパス手術の後の再閉塞(reocclusion)に対する予防にも用いられる。
本発明の化合物は、さらに、マイクロサージェリーの再血栓症(rethrombosis)の予防のため、さらには、抗凝固剤として、人工臓器、または人工透析と組み合わせて用いられる。
該化合物は、さらに、インビボでの患者のカテーテル、および医療用補助器具の洗浄、または血液、血漿、およびインビトロでの他の血液製剤の保存のための抗凝固剤として用いられる。本発明の化合物は、血液凝固剤が疾病の進行に決定的な寄与をなし、または、例えば転移を含む癌、関節炎を含む炎症疾患、および糖尿病などの第2の疾病の原因となる疾病のために、さらに用いられる。
【0017】
本発明の化合物は、さらに、偏頭痛の処置のために用いられる(F.Morales-Asin et al., Headache, 40, 2000, 45-47)。
本発明はまた、式Iの化合物および医薬として用い得るそれらの誘導体、溶媒和物、塩類ならびに全ての比率でのそれらの混合物の、下記の予防または処置のための医薬製剤のための使用に関する:外科的介入の結果である血栓塞栓症および/または血栓、遺伝的に誘導された血栓適合性の増大、動脈血管系および静脈血管系の疾患、心不全、動脈細動、遺伝性血栓性素因、耳鳴りおよび/または敗血症。
好ましい使用は、外科的介入が下記群から選択されるものである:
胸部手術、腹部の手術、整形外科的介入、股関節および膝関節の置換、CABG(coronary artery bypass grafting、冠動脈バイパス術)、人工心臓弁置換、人工心肺の使用を伴う手術、血管手術、臓器移植および中心静脈カテーテル。
【0018】
抗凝固剤の耳鳴りの処置における使用は、R. Mora et al. in International Tinnitus Journal (2003), 9(2), 109-111に記載されている。
本発明はまた、式Iの化合物の血栓塞栓症および/または血栓の予防または処置を大人および子供に行うための医薬製剤のための使用に関する。
【0019】
本明細書に記載した疾患の処置のために、本発明の化合物はまた、例えば、組織プラスミノゲン活性因子t−PA、修正t−PA、ストレプトキナーゼ、ウロキナーゼなどの他の血栓崩壊性活性化合物と組み合わせて用いられる。本発明の化合物は、上記の他の物質と同時かもしくは前に、またはその後に投与される。
血栓形成の再発を防ぐために、アスピリンを同時に投与するのがとくに好ましい。
本発明の化合物はまた、血小板凝固を阻害する血小板糖タンパクレセプター(IIb/IIIa)拮抗薬と組み合わせて用いられる。
【0020】
本発明は、式Iの化合物およびそれらの塩に関し、また、請求項1〜4のいずれかに記載の式Iの化合物ならびにそれらの薬学的に用い得る誘導体、溶媒和物、塩および立体異性体の製造方法であって、
式II
【化3】

【0021】
式中、
、R、RおよびRは、請求項1に示した意味を有する、
で表される化合物を、
式III
Y−X−(CH−L III
式中、
Lは、Cl、Br、Iまたは遊離もしくは反応性の官能基により修飾されたOH基を示し、および、
X、Yおよびnは、請求項1に示した意味を有する、
で表される化合物
と反応させること、
および/または
式Iの塩基または酸をその塩の一つに転化することを特徴とする、前記製造方法に関する。
【0022】
本発明はまた、光学的活性形態(立体異性体)、鏡像異性体、ラセミ体、ジアステレオマー、およびこれらの化合物の水和物ならびに溶媒和物に関する。「化合物の溶媒和物」の用語は、互いの引力により形成する、不活性溶媒分子の化合物への付加物を意味する。溶媒和物は、例えば、一水和物または二水和物、もしくはアルコラートである。
【0023】
「医薬として使用可能な誘導体」の用語は、例えば、本発明の化合物の塩、およびいわゆるプロドラッグ化合物を意味する。
「プロドラッグ誘導体」の用語は、例えば、アルキルまたはアシル基、糖またはオリゴペプチドで修飾された式Iの化合物を意味し、それは有機体で速やかに開裂して本発明の活性化合物を形成する。
これらは、例えば、Int. J. Pharm. 115, 61-67(1995)に記載されるように、本発明化合物の生分解性ポリマー誘導体をも含む。.
【0024】
本発明は、本発明の式Iの化合物の混合物、例えば、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:10、1:100、または1:1000の比率での2つのジアステレオマー混合物にも関する。これらは、特に好ましくは立体異性化合物の混合物である。
例えばAなどの、2回以上現れる全ての基について、それらの意味は、それぞれ独立している。
本明細書中、基またはパラメーターR、R、R、R、X、Yおよびnは、他にとくに明記しない限り、式Iにおいて定義したとおりである。
【0025】
Aはアルキルを示し、非分枝状(直鎖状)または分枝状であり、および1、2、3、4、5,6、7、8、9、または10個のC原子を有する。Aは、好ましくは、メチル、さらには、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、またはtert−ブチル、さらにはペンチル、1-、2-または3-メチルブチル、1,1−、1,2−または2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、ヘキシル、1-、2-、3-または4-メチルペンチル、1,1−、1,2−、1,3−、2,2−、2,3−または3,3−ジメチルブチル、1-または2-エチルブチル、1-エチル−1−メチルプロピル、1-エチル−2−メチルプロピル、1,1,2−または1,2,2−トリメチルプロピルであり、さらに好ましくは、例えばトリフルオロメチルである。
したがって、Aは、好ましくは、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチルであり、Aは極めて好ましくは、1、2、3、4、5、または6個のC原子を有するアルキルを表し、好ましくは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルまたは1,1,1−トリフルオロエチルである。
シクロアルキルは、好ましくは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチルを示す。
【0026】
は、好ましくはH、=O、Hal、A、OH、OAまたは−O−(CH−OAを示し、とくに好ましくは、OH、例えば、メトキシなどのOA、または、例えば、メトキシエトキシなどの−O−(CH−OA、極めてとくに好ましくはHを示す。
は、好ましくは、Hを示す。
は、好ましくは、H、メチル、FまたはClを示し、極めてとくに好ましくは、Hを示す。
は、好ましくは、2−オキソピペリジン−1−イル、2−オキソピロリジン−1−イル、2−オキソ−1H−ピリジン−1−イル、3−オキソモルホリン−4−イル、4−オキソ−1H−ピリジン−1−イル、2−オキソ−1H−ピラジン−1−イル、2−オキソイミダゾリジン−1−イル、2−イミノピペリジン−1−イル、2−イミノピロリジン−1−イル、3−イミノモルホリン−4−イル、2−イミノイミダゾリジン−1−イル、2−イミノ−1H−ピラジン−1−イル、2−オキソピペラジン−1−イルまたは3−オキソ−2H−ピリダジン−2−イルを示し、とくに好ましくは、2−オキソピペリジン−1−イル、2−オキソピロリジン−1−イル、2−オキソ−1H−ピリジン−1−イルまたは3−オキソモルホリン−4−イルを示し、極めてとくに好ましくは、3−オキソモルホリン−4−イルが挙げられる。
【0027】
式Iの化合物は、1または2以上のキラル中心を有することができ、したがって、様々の立体異性体形態を生じ得る。式Iは、これらの全ての形態を包含する。
【0028】
したがって、本発明は、とくに、少なくとも1つの前記基が上記した好ましい意味の1つを有する式Iの化合物に関する。化合物のいくつかの好ましい群は、式Iに対応する以下の付属式Ia〜Ibで表現することができるものであり、各式中、詳細に記載していない基は、式Iで定義したとおりであるが、
Iaにおいて、Rは、3−オキソモルホリン−4−イルである;
Ibにおいて、Rは、Hを示し、
は、Hを示し、
は、Hを示し、
は、3−オキソモルホリン−4−イルを示す;
ならびにそれらの薬学的に用い得る誘導体、溶媒和物、塩および立体異性体、さらにそれらのすべての比率における混合物である。
【0029】
式Iの化合物、さらにその製造のための出発物質も、自体公知の方法として文献(例えば、Houben-Weyl, Methoden der organischen Chemie[有機化学の方法], Georg-Thieme-Verlag, Stuttgartなどの標準的な本)に記載の方法によって、正確には、該反応に好適で公知の反応条件下で正確に製造される。ここでは詳細に述べない変法も用いることができる。
【0030】
所望により、出発材料はまた、その場(in situ)で形成することができ、それらは反応混合物から単離されず、代わりに、すぐに式Iの化合物にさらに転化される。
式IIおよび式IIIの出発化合物は普通は知られている。それらが新規な場合でも、それ自体が知られた方法によって製造される。
式Iの化合物は、好ましくは式IIの化合物と式IIIの化合物との反応によって得ることができる。
【0031】
反応は一般に不活性溶媒中、酸結合剤、好ましくはアルカリまたはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩または重炭酸塩、あるいはアルカリまたはアルカリ土類金属の、好ましくはカリウム、ナトリウム、カルシウムまたはセシウムの他の弱酸塩の存在下で行う。トリエチルアミン、ジメチルアニリン、ピリジン、キノリン等の有機塩基、または式IIで表されるフェノール成分または式IIIのアルキル化誘導体の過剰の添加も好ましい。使用する条件により、反応時間は数分から14日の間であり、反応温度は約0℃から150℃の間であり、通常20℃から130℃の間である。適切な不活性溶媒は上記のとおりである。
【0032】
適切な不活性溶媒の例としては、炭化水素、例えばヘキサン、石油エーテル、ベンゼン、トルエンまたはキシレン;塩素化炭化水素、例えばトリクロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、テトラクロロメタン、クロロホルムまたはジクロロメタン;アルコール、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノールまたはtert−ブタノール;エーテル、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)またはジオキサン;グリコールエーテル、例えばエチレングリコールモノメチルまたはモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム);ケトン、例えばアセトンまたはブタノン;アミド、例えばアセトアミド、ジメチルアセトアミドまたはジメチルホルムアミド(DMF);ニトリル、例えばアセトニトリル;スルホキシド、例えばジメチルスルホキシド(DMSO);ニトロ化合物、例えばアセトニトリル;スルホキシド、例えばジメチルスルホキシド(DMSO);二硫化炭素;カルボン酸、例えばギ酸または酢酸;ニトロ化合物、例えばニトロメタンまたはニトロベンゼン;エステル、例えば酢酸エチル、あるいは上記の溶媒の混合物が挙げられる。
【0033】
式IIIで表される化合物において、Lは好ましくはCl、Br、Iまたは遊離もしくは反応性により修飾されたOH基、例えば活性化エステル、イミダゾリドまたは炭素原子数1〜6のアルキルスルホニルオキシ(好ましくはメチルスルホニルオキシまたはトリフルオロメチルスルホニルオキシ)または炭素原子数6〜10のアリールスルホニルオキシ(好ましくはフェニル−またはp−トルイルスルホニルオキシ)を表す。典型的なアシル化反応におけるカルボキシル基の活性化についてのこの型の基は、文献(例えばHouben-Weyl, Methoden der organischen Chemie [Methods of Organic Chemistry], Georg-Thieme-Verlag, Stuttgartの標準的な研究所において)に記載されている。活性化エステルは、例えばHOBtまたはN−ヒドロキシスクシンイミドの添加により、その場(in situ)で有利に形成される。
【0034】
医薬としての塩類および他の形態
本発明の前記化合物は、それらの最終非塩形態において用いることができる。一方、本発明には、他の形態におけるこれらの化合物の薬学的に許容し得る塩類の使用も包含され、該塩類は種々の有機および無機の酸および塩基から得られ、本技術分野において自体公知の手法によって製造される。薬学的に許容し得る塩類の形態の式Iの化合物は、その大部分が通常の方法によって調製される。式Iの化合物がカルボキシル基を有する場合、その好適な塩の1つは該化合物を好適な塩と反応せしめ、対応する塩基付加塩として得る。そのような塩基は、例えば以下のようなものである:アルカリ金属水酸化物であり、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化リチウムを包含する;アルカリ土類金属水酸化物である、水酸化バリウムおよび水酸化カルシウム等;アルカリ金属アルコキシドであり、例えばカリウムエトキシドおよびナトリウムプロポキシド;および種々の有機塩基であり、ピペリジン、ジエタノールアミンおよびN−メチルグルタミン等。式Iの化合物のアルミニウム塩類も包含される。
【0035】
式Iのある化合物においては、酸付加塩類が、これらの化合物を薬学的に許容し得る有機および無機の酸と処理することによって得られる。かかる酸の例は、以下のようなものである:ハロゲン化水素である塩化水素、塩化臭素または塩化ヨウ素等、他の鉱酸およびそれらの対応する塩類である硫酸塩、硝酸塩またはリン酸塩など、アルキル−およびモノアリールスルホナート類である、エタンスルホナート、トルエンスルホナートおよびベンゼンスルホナート等、ならびに他の有機酸類およびそれらの対応する塩類である、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、アスコルビン酸塩など。
【0036】
したがって、式Iの化合物の薬学的に許容し得る酸付加塩類は以下を包含する:酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩(alginate)、アルギナート(arginate)、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホナート(ベシル酸塩)、ビスルファート、ビスルファイト、臭化物、ブチラート、カンファー酸塩、カンファースルホナート、カプリル酸塩、塩化物、クロロ安息香酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、リン酸二水素、ジニトロベンゾアート、ドデシルスルファート、エタンスルホナート、フマル酸塩、ガラクチュロアート(粘液酸から)、ガラクチュロン酸塩、グルコヘプタン酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミコハク酸塩、ヘミスルファート、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、馬尿酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホナート、ヨウ化物、イセチオン酸塩、イゾブチル酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタリン酸塩、メタンスルホナート、メチル安息香酸塩、モノリン酸水素酸塩、2−ナフタレンスルホナート、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、オレイン酸塩、パルモアート(palmoate)、ペクチン酸塩、パースルファート、フェニル酢酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ホスホン酸塩、フタル酸塩。しかし、これは限定を構成するものではない。
【0037】
さらに、本発明の化合物の塩基性塩類に包含されるのは、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、鉄(III)、鉄(II)、リチウム、マグネシウム、マンガン(III)、マンガン(II)、カリウム、ナトリウムおよび亜鉛の塩類であるが、これは限定を意図するものではない。上記塩類中、好ましいのは以下のとおりである:アンモニウム;ナトリウムおよびカリウムのアルカリ金属塩、およびカルシウムおよびマグネシウムのアルカリ土類金属塩。式Iの化合物の塩類であって薬学的に許容し得る無毒な有機塩基から得られるものに包含されるのは、一級、二級および三級アミン類の塩類、置換アミン類、また天然由来の置換アミン類、環状アミン類、および塩基性イオン交換樹脂であり、例えばアルギニン、ベタイン、カフェイン、クロロプロカイン、コリン、N、N’−ジベンジルエチレンアミン(ベンザチン)、ジシクロヘキシルアミン、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リドカイン、リジン、メグルミン、N−メチル−D−グルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂類、プロカイン、プリン類、セオブロミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミンおよびトリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン(トロメタミン(tromethamine))であるが、これは限定を意図するものではない。
【0038】
本発明の化合物のうち窒素含有塩基性基を含むものは、四級化を以下のような剤を用いて行うことができる。(C−C)ハロゲン化アルキル、例えばメチル、エチル、イソプロピルおよびtert−ブチルクロリド、ブロミドおよびヨージド;ジ(C−C)アルキルスルファート、例えばジメチル、ジエチルおよびジアミルスルファート;(C10−C18)ハロゲン化アルキル、例えばデシル、ドデシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリルクロリド、ブロミドおよびヨージド;ならびにアリール(C−C)ハロゲン化アルキル、例えばベンジルクロリドおよびフェネチルブロミド。本発明の水溶性化合物および脂溶性化合物は、いずれもこれらの塩類を用いて調製することができる。
【0039】
上記薬学的に許容し得る塩類のうち好ましいものには酢酸塩、トリフルオロ酢酸、ベシル酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、ヘミコハク酸塩、馬尿酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、イセチオン酸塩、マンデル酸塩、メグルミン、硝酸塩、オレイン酸塩、リン酸塩、ピバル酸塩、リン酸ナトリウム、ステアラート、スルファート、スルホサリチル酸塩、酒石酸塩、チオリンゴ酸塩、トシラートおよびトロメタミンが包含されるが、これは限定を意図するものではない。
【0040】
式Iの化合物の酸付加塩類の調製は、遊離塩基形態のものを十分量の所望の酸と接触せしめ、塩の形成を通常の方法を用いて行われる。前記遊離塩基の再生成を、塩形態のものを塩基と接触せしめ遊離塩基を通常の方法によって単離することによって行うことができる。前記遊離塩基形態のものは、ある点において対応するその塩形態のものと異なり、ある物性として、例えば極性溶媒中における溶解度において異なる;しかし、本発明の目的において、前記塩はその遊離塩基形態のものそれぞれと、それら以外においては共通する。
【0041】
これまでに述べたとおり、式Iの化合物の薬学的に許容し得る塩基付加塩類の形成は、金属類やアミン類によって行うことができ、例えば、アルカリ金属およびアルカリ土類金属または有機アミン類である。好ましい金属は、ナトリウム、カリウム、マグネシウムおよびカルシウムである。好ましい有機アミンは、N、N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、N−メチル−D−グルカアミンおよびプロカインである。
【0042】
式Iの酸性化合物の塩基付加塩類の調製は、遊離酸形態のものを十分量の所望の塩基と接触せしめ、塩の形成を通常の方法を用いて行われる。前記遊離酸の再生成を、塩形態のものを酸と接触せしめ遊離酸を通常の方法によって単離することによって行うことができる。前記遊離酸形態のものは、ある点において対応するその塩形態のものと異なり、ある物性として、例えば極性溶媒中における溶解度において異なる;しかし、本発明の目的において、前記塩はその各遊離酸形態のものそれぞれと、それら以外においては共通する。
【0043】
式Iの化合物が1つまたは2つ以上の基としてこのような薬学的に許容し得る塩類を形成することができるものを有する場合、式Iは、複数の塩類を包含する。典型的な複数の塩類に包含されるのは、例えば、二酒石酸塩、二酢酸塩、二フマル酸塩、ジメグルミン、二リン酸塩、二ナトリウムクロリドおよび三塩酸塩であがるが、これは限定を意図するものではない。
【0044】
上記において述べたことに関連して、「薬学的に許容し得る塩」の用語は、本明細書との関係においては、式Iの化合物をその一つの塩の形態で含む活性成分を意味すると解され、とくにこの塩が、前記活性成分の遊離形態の活性成分またはこれまで用いられていた他のあらゆる塩形態の活性成分と比較して、より改善された薬物動態特性を有する場合を意味すると解される。前記活性成分の薬学的に許容し得る塩形態によって、この活性成分について初めて、所望の薬物動態特性としてそれが以前は有していなかったものを付与することが可能となり、また、この活性成分の薬物力学について肯定的な影響を、体内における治療効果の面において与えることができる。
【0045】
その分子構造のために、本発明の式Iの化合物は、キラルであってよく、また、種々のエナンチオーマーの形態で生じてもよい。したがって、該化合物は、ラセミ体または光学活性体として存在し得る。
本発明の化合物のラセミ体または立体異性体の医薬活性は異なることがあるため、エナンチオマーを用いることが望ましい。これらの場合、最終物は勿論中間体も、エナンチオマー化合物として分離することができる。これは化学的な操作または物理的な操作として当業者に公知のものや、その合成において用いられるものによって行う。
【0046】
ラセミ体アミンの場合、混合物から、光学的に活性な分割剤との反応により、ジアステレオマーが生成される。好適な分割剤の例は、光学的に活性な酸、例えば酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸、乳酸などのRおよびS形態、好適なN保護アミノ酸(例えばN−ベンゾイルプロリンもしくはN−ベンゼンスルホニルプロリン)、または種々の光学的に活性なカンファースルホン酸である。また有利なのは、光学的に活性な分割剤(例えばジニトロベンゾイルフェニルグリシン、三酢酸セルロース、または炭水化物の他の誘導体またはシリカゲル上に固定されキラル的に誘導体化されたメタクリレートポリマー)を補助的に用いた、クロマトグラフィー鏡像体分割である。この目的に適する溶離剤は、例えば82:15:3の比率での、例えばヘキサン/イソプロパノール/アセトニトリルなどの、水性またはアルコール性溶媒混合物である。
【0047】
本発明はさらに、式Iの化合物、および/またはそれらの生理学的に許容し得る塩の、医薬(医薬組成物)の製造、とくに化学的でない方法による製造のための使用に関する。この場合、それらは、少なくとも1種の固体、液体および/または半液体の賦形剤または補助剤と共に、任意に、1種または2種以上のさらなる活性成分との併用で適当な投与形態にすることができる。
【0048】
本発明はさらに、少なくとも1種の式Iの化合物、および/または医薬として使用できるそれらの誘導体、溶媒和物、塩および立体異性体、ならびに全ての比率でのそれらの混合物、および任意に賦形剤および/または補助剤を含む医薬に関する。
これらの組成物は、ヒトの医薬または獣医用医薬として用いることができる。
【0049】
医薬製剤は、投与量単位あたり予め決められた量の活性成分を含む投与量単位の形態で投与することができる。かかる単位は、例えば、0.5mg〜1g、好ましくは1mg〜700mg、とくに好ましくは5mg〜100mgの本発明の化合物を含むことができ、処置する疾患の病状、投与方法および患者の年齢、体重および状態に依存する。もしくは、医薬製剤は、投与量単位あたり予め決められた量の活性成分を含む投与量単位の形態で投与してもよい。好ましい投与量単位製剤は、活性成分の、上記のように1日量または部分用量(part-dose)、あるいはその対応する一部を含むものである。さらに、このタイプの医薬製剤は、医薬分野で一般的に知られている方法を使用して製造することができる。
【0050】
医薬製剤を投与に適したものにすることは、あらゆる所望の好適な方法によって可能であり、例えば、経口(口腔または舌下を含む)、経腸、経鼻、局所(口腔、舌下または経皮を含む)、膣内または非経口(皮下、筋肉内、静脈内または皮内を含む)による方法が挙げられる。かかる製剤は、医薬分野で公知のすべての方法を使用して、例えば活性成分を賦形剤または補助剤と組み合わせることにより、調製することができる。
【0051】
経口投与に適した医薬製剤の投与は、分離した単位、例えば、カプセルまたは錠剤;粉剤または顆粒;水溶性または非水溶性の液体中の溶液または懸濁液;可食泡または泡状フード(foam food);または水中油滴乳濁液または油中水滴乳濁液などとして行うことができる。
【0052】
したがって、例えば、錠剤またはカプセルの形態での経口投与の場合、活性成分を賦形剤と組み合わせることが可能であるところ、かかる賦形剤は、経口用の、無毒でありかつ薬学的に許容し得る不活性な賦形剤であり、例えば、エタノール、グリセロール、水などである。散剤は、化合物を好適な微細なサイズに粉砕し、同じように粉砕した、例えば、デンプンまたはマンニトールなどの食用の炭水化物などの医薬賦形剤と混合することにより、調製される。嬌味剤、保存剤、分散剤および染料も、同様に存在してもよい。
【0053】
カプセルの製造は、上記の粉末混合物を調製し、成形したゼラチン殻をそれによって充填することによって行われる。流動促進剤および潤滑剤、例えば、高分散性ケイ酸、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたは固形のポリエチレングリコールなどを、充填作業前に粉末混合物に添加することができる。崩壊剤または可溶化剤、例えば、寒天、炭酸カルシウムまたは炭酸ナトリウムなどを同様に添加してもよく、これらによって該カプセルを摂取した後の前記医薬の利用効率が向上する。
【0054】
また、所望の場合または必要な場合には、好適な結合剤、潤滑剤および崩壊剤のほかに、染料も同様に混合物に導入することができる。好適な結合剤は、デンプン、ゼラチン、天然糖類、例えば、グルコースまたはβラクトース、トウモロコシ由来の甘味料など、天然および合成ゴム、例えば、アカシア、トラガカントなど、またはアルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックスなどを含む。これらの剤形において使用される潤滑剤は、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどを含む。崩壊剤は、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガムなどを含むが、これらに制限されない。
【0055】
錠剤の製剤は、例えば、粉末混合物を調製し、混合物を造粒または乾燥圧縮し、潤滑剤および錠剤分解物質を添加し、混合物全体を圧縮し、錠剤を得ることにより行われる。粉末混合物の調製は、好適な方法で粉砕した化合物を、上記のように希釈剤または基剤と、および任意に結合剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチンまたはポリビニルピロリドンなど、溶解遅延剤、例えば、パラフィン、吸収促進剤、例えば、四級塩など、および/または吸収剤、例えばベントナイト、カオリンまたは第二リン酸カルシウムなどと混合することにより行われる。粉末混合物の造粒は、結合剤、例えば、シロップ、デンプンペースト、アカディア(acadia)の粘液またはセルロースまたはポリマー材料の溶液などにより湿潤させ、ふるいを通して圧縮することにより行うことができる。
【0056】
造粒に代わる方法として、粉末混合物を錠剤製造機に通し、壊れた不均一な形の塊を得て、顆粒を形成せしめることができる。該顆粒は、潤滑化をステアリン酸、ステアリン酸塩、タルクまたは鉱物油を添加して行うことによって、錠剤の鋳型に付着するのを防止することができる。そして、潤滑化した混合物を圧縮し、錠剤を得る。また、活性成分は、自由流動性(free-flowing)の不活性賦形剤と組み合わせ、そして造粒または乾燥圧縮段階を行わずに直接圧縮し、錠剤を得ることができる。透明または不透明の保護層として、シェラック密封層、糖またはポリマー材料の層およびワックスの光沢層からなるものがあってもよい。染料の添加をこれらのコーティング剤に行って、異なる投与量単位を識別できるようにすることができる。
【0057】
経口液体、例えば、溶液、シロップおよびエリキシル剤などを、ある量が予め特定した量の化合物を含むよう、投与量単位の形態で調製することができる。シロップの調製は、好適なフレーバーを有する水溶液に化合物を溶解することにより行うことができ、エリキシル剤の調製は、無毒性のアルコール性ビヒクルを使用して行う。懸濁液の製剤化は、無毒性のビヒクルに化合物を分散させることにより行うことができる。可溶化剤および乳化剤、例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール類およびポリオキシエチレンソルビトールエーテル類など、保存剤、フレーバー添加剤、例えば、ペパーミントオイルなど、あるいは天然甘味料またはサッカリン、または他の人工甘味料などを同様に、添加することができる。
【0058】
経口投与用の投与単位製剤は、所望の場合、マイクロカプセル内に封入することができる。かかる製剤の調製は、放出を延長または遅延させるように、例えば、ポリマー、ワックスなどにおける粒子材料のコーティングまたは埋め込みなどを行うことができる。
【0059】
式Iの化合物ならびにそれらの塩、溶媒和物および生理学的に機能的な誘導体ならびに他の活性成分は、リポソーム送達系、例えば、小単ラメラ小胞、大単ラメラ小胞および多重ラメラ小胞などの形態で投与することもできる。リポソーム類は、様々なリン脂質類、例えば、コレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリンなどから生成することができる。
【0060】
式Iの化合物およびそれらの塩、溶媒和物および生理学的に機能的な誘導体ならびに他の活性成分の送達を、モノクローナル抗体を、化合物分子が結合する個々の担体として用いて行うこともできる。本化合物は、可溶性ポリマーに標的医薬担体としての結合せしめることもできる。かかるポリマーが包含するのは、パルミトイル基により置換された、ポリビニルピロリドン、ピラン共重合体、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミドフェノール、ポリヒドロキシエチルアスパルタミドフェノールまたはポリエチレンオキシドポリリシンであり得る。さらに、本化合物は、好適な生分解性ポリマーの分類群に結合せしめて、医薬の放出の制御を達成するようにしてもよい。かかるポリマーの分類群、例えば、ポリ乳酸、ポリ−イプシロン−カプロラクトン、ポリヒドロキシブチル酸、ポリオルトエステル類、ポリアセタール類、ポリジヒドロキシピラン類、ポリシアノアクリレート類およびヒドロゲルの架橋または両親媒性ブロックコポリマーである。
【0061】
経皮投与に適した医薬製剤は、受容体の表皮と広範囲に密に接するように独立した膏薬として投与することができる。したがって、例えば、前記活性成分は、イオントフォレシスにより膏薬から送達することができる。これは、Pharmaceutical Research, 3(6), 318(1986)に一般的な意味として記載されている。
局所投与に適した医薬化合物の製剤は、軟膏、クリーム、懸濁液、ローション、粉剤、溶液、ペースト、ゲル、スプレー、エアロゾルまたはオイルとすることができる。
【0062】
目または他の外部組織、例えば、口および皮膚の処置に対しては、製剤は、局所軟膏またはクリームとして適用すると好ましい。軟膏を得るための製剤の場合、活性成分を、パラフィン系または水混和性いずれかのクリーム基剤とともに用いることができる。または、活性成分のクリームへの製剤化を、水中油滴クリーム基剤または油中水滴基剤を用いて行うことができる
【0063】
目への局所適用に適した医薬製剤は、点眼液であり、活性成分は、好適な担体、とくに水性溶媒に溶解または懸濁されている。
口内で局所適用に適した医薬製剤には、ローゼンジ、トローチおよびマウスウォッシュが包含される。
経腸投与に適した医薬製剤の投与は、坐薬またはかん腸剤の形態によって行うことができる。
【0064】
経鼻投与に適した医薬製剤は、担体物質は粗い粉末を含む固体であり、粒子サイズとして、例えば、20〜500ミクロンの範囲を有する。かかる製剤は、鼻から吸入して、すなわち、鼻の近くに保持された粉末を含有する容器から、鼻道経由による急速な吸入により投与する。製剤のうち、経鼻スプレーまたは点鼻薬としての投与に好適であり、担体物質として液体を含むものには、活性成分溶液であって水中または油中のものが包含される。
【0065】
吸入による投与に適した医薬製剤には、微細な粒子状の粉末またはミストが包含されるところ、これらはエアロゾル、噴霧器または吸入器を備えた、種々のタイプの加圧型のディスペンサにより生じさせることができる。
膣内投与に適した医薬製剤の投与は、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、泡またはスプレー製剤として行うことができる。
【0066】
非経口投与に適した医薬製剤には、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤および製剤を処置する受容体の血液と等張にするために用いられる溶質を含む水溶性および非水溶性の無菌注射溶液;ならびに懸濁媒体および増粘剤を含んでもよい水溶性および非水溶性の無菌懸濁液が包含される。該製剤の投与は、単回用量または複数用量の容器、例えば、密封アンプルおよびバイアルを用いて行うことができる。該製剤は、フリーズドライ(凍結乾燥)状態で保存して、使用直前の無菌の液体担体、例えば、注射のための水の添加のみが必要であるようにする。
上記処方に従って調製される注射溶液および懸濁液の調製は、無菌粉剤、顆粒および錠剤から行うことができる。
【0067】
上記のとくに言及された構成に加えて、製剤は、個々のタイプの製剤について当該技術分野では通常用いられる他の剤を含んでもよいことはいうまでもない。したがって、例えば、経口投与に好適な製剤には、嬌味剤を含んでもよい。
【0068】
本発明の化合物Iの、および他の活性成分の治療有効量は、例えば、動物の年齢および体重、治療を必要とする正確な疾患の病状およびその重症度、製剤の性質および投与の方法を含む多数の要因に依存する。最終的には、処置を行う医師および獣医師が決定する。しかしながら、化合物の有効量は、一般的に、1日あたり摂取体(哺乳動物)に対して0.1〜100mg/体重kgの範囲であり、とくに典型的には1日あたり1〜10mg/体重kgの範囲である。したがって、体重70kgの成熟した哺乳動物に対する実際の1日あたりの量は、通常70〜700mgの範囲である。この量は、1日あたりの個別の用量として、または多くの場合には、1日あたりの一連の部分用量(例えば、2、3、4、5または6個など)として、1日量の合計が同じであるものを投与することができる。塩または溶媒和物またはそれらの生理学的機能性誘導体の有効量の決定は、化合物自体の有効量の部分として行うことができる。
【0069】
式Iの化合物および生理学的に許容し得るそれらの塩は、以下のような血栓塞栓性疾患に対する対処および予防のために用いることができる:血栓症、心筋梗塞、動脈硬化症、炎症、脳卒中、狭心症、血管形成術後再狭窄、間歇性跛行、偏頭痛、腫瘍、腫瘍症および/または腫瘍転移。
【0070】
本発明はさらにまた、請求項1〜4のいずれかに記載の化合物の、少なくとも1つのさらなる医薬活性成分との組み合わせによる使用に関する。
さらなる医薬活性成分は、好ましくは、抗血栓剤、抗不整脈剤、避妊薬、ホスホジエステラーゼV阻害剤の群から選択される。
抗血栓剤は、好ましくは、ビタミンK拮抗薬、ヘパリン化合物、血小板凝固阻害剤(thrombocyte aggregation inhibitors)、酵素、その他の抗血栓剤、血小板糖タンパクレセプター(IIb/IIIa)拮抗薬、トロンボキサン拮抗薬、血小板凝着阻害剤の群から選択される。
【0071】
ビタミンK拮抗薬は、好ましくは、ジクマロール、フェニンジオン、ワルファリン、フェンプロクモン、アセノクマロール、ビスクマ酢酸エチル、クロリンジオン、ジフェナジオン、チオクロマロールの群から選択される。
ヘパリン化合物は、好ましくは、ヘパリン、抗トロンビンIII、ダルテパリン、エノキサパリン、ナドロパリン、パルナパリン、レビパリン、ダナパロイド、チンザパリン、スロデキシドの群から選択される。
血小板凝固阻害剤は、好ましくは、ジタゾール、クロリクロメン、ピコタミド、クロピドグレル、チクロピジン、アセチルサリチル酸、ジピリダモール、カルシウムカルバサラート、エポプロステノール、インドブフェン、イロプロスト、アブシキシマブ、チロフィバン、アロキシプリン、イントリフィバン(intrifiban)の群から選択される。
【0072】
酵素は、好ましくは、ストレプトキナーゼ、アルテプラーゼ、アニストレプラーゼ、ウロキナーゼ、フィブリノリジン、ブリナーゼ、レテプラーゼ、サルプラーゼの群から選択される。
その他の抗血栓剤は、好ましくは、デフィブロチド、デシルジン、レピルジンの群から選択される。
トロンボキサン拮抗薬は、好ましくは、ラマトロバン、エクアレンナトリウム(equalen sodium)、セラトロダストの群から選択される。
【0073】
抗不整脈剤は、好ましくは、
a)キニジン、ジソピラミド、アジュマリン、デタジミウム(detajmium)、
b)リドカイン、メキシレチン、フェニトイン、トカイニド、
c)プロパフェノン、フレカイニド、
d)メトプロロール、エスモロール、プロプラノロール、アテノロール、オクスプレノロール、
e)アミオダロン、ソタロール、
f)ジルチアゼム、ベラパミル、ガロパミル、
g)アデノシン、オルシプレナリン、イプラトロピウム、
h)強心配糖体
の群から選択される。
避妊薬は、好ましくは、デソゲストレル、酢酸メドロキシプロゲステロン、レボノルゲストレル、エトノゲストレル、エナント酸ノルエチステロン(norethisterone enantate)の群から選択される。
【0074】
PDE V阻害剤は、好ましくは、
a)シルデナフィル(Viagra(登録商標))、タダラフィル(Cialis(登録商標))、バルデナフィル(Levitra(登録商標)),
b)WO99/55708に記載の式I
【化4】

【0075】
式中、
、Rは、夫々互いに独立して、H、A、OA、OHまたはHalを示し、
およびRは、ともに3〜5個のC原子を有するアルキレン、−O−CH−CH−、−CH−O−CH−、−O−CH−O−または−O−CH−CH−O−をも示し、
Xは、Rでモノ置換されたR、RまたはRを示し、
は、直鎖状または分枝状の1〜10個のC原子を有し、1または2つのCH基が−CH=CH−基で置換されてもよいアルキレンを示し、
は、5〜12個のC原子を有するシクロアルキルまたはシクロアルキルアルキレンを示し、
は、フェニルまたはフェニルメチルを示し、
は、COOH、COOA、CONH、CONHA、CON(A)またはCNを示し、
Aは、1〜6個のC原子を有するアルキルを示し、および
Halは、F、Cl、BrまたはIを示す、
で表される化合物および/または生理学的に許容し得る塩および/またはそれらの溶媒和物、
【0076】
c)WO99/28325に記載の式I
【化5】

【0077】
式中、
、Rは、夫々互いに独立して、H、AまたはHalを示し、ここで基RまたはRの1つは常に≠Hであり、
およびRは、ともに3〜5個のC原子を有するアルキレンをも示し、
、Rは、夫々互いに独立して、H、A、OH、OAまたはHalを示し、
およびRは、ともに3〜5個のC原子を有するアルキレン、−O−CH−CH−、−O−CH−O−または−O−CH−CH−O−をも示し、
Xは、Rでモノ置換されたRまたはRを示し、
は、直鎖状または分枝状の1〜10個のC原子を有し、1または2つのCH基が−CH=CH−基または−C−(CH−で置換されてもよいアルキレンを示し、
は、6〜12個のC原子を有するシクロアルキルアルキレンを示し、
は、COOH、COOA、CONH、CONHA、CON(A)またはCNを示し、
Aは、1〜6個のC原子を有するアルキルを示し、
Halは、F、Cl、BrまたはIを示し、
mは、1または2を示し、および
nは、0、1、2または3を示す、
で表される化合物および/または生理学的に許容し得る塩および/またはそれらの溶媒和物
の群から選択される。
【0078】
さらに、好ましい抗血栓剤として、血小板凝固を阻害する血小板糖タンパクレセプター(IIb/IIIa)拮抗薬が挙げられる。
好ましい化合物は、例えば、EP 0 623 615 B1の2頁またはEP 0 741 133 A2の2頁2行から4頁56行に記載されている。
さらなる医薬活性成分は、好ましくはアスピリンでもある。
【0079】
本発明はまた、
(a)有効量の式Iの化合物および/またはそれらの薬学的に用い得る誘導体、溶媒和物、塩および立体異性体、さらにそれらのすべての比率における混合物、および
(b)有効量のさらなる医薬活性成分
の別個のパックからなるセット(キット)に関する。
セットは、箱またはカートンなどの適切な容器、個別のボトル、バッグまたはアンプルを含む。セットは、例えば、夫々、有効量の式Iの化合物および/またはそれらの薬学的に用い得る誘導体、溶媒和物および立体異性体、さらにそれらのすべての比率における混合物、ならびに溶解されたまたは凍結乾燥された形態の有効量のさらなる医薬活性成分を含む個別のアンプルを含んでいてもよい。
【0080】
本発明はさらにまた、式Iの化合物および/またはその生理学的に許容し得る塩および溶媒和物の、少なくとも1つのさらなる医薬活性成分を組み合わせて、
血栓症、心筋梗塞、動脈硬化症、炎症、卒中、狭心症、血管形成術後の動脈再狭窄、間歇性跛行、片頭痛、腫瘍、腫瘍疾患および/または腫瘍転移の処置に用いる医薬、
外科的介入の結果としての血栓塞栓症および/または血栓症、遺伝的に因る血栓適合性(thrombosis suitability)の増大を伴なう疾患、動脈および静脈血管系の疾患、心不全、心房細動、血栓性素因(thrombophilia)、耳鳴および/または敗血症の予防および処置に用いる医薬
を製造するための使用に関する。
【0081】
本発明はさらにまた、式Iの化合物ならびにそれらの薬学的に用い得る誘導体、溶媒和物、塩および立体異性体、さらにそれらのすべての比率における混合物、ならびにアスピリンを含む医薬に関する。
【0082】
本発明はさらにまた、式Iの化合物および/またはその生理学的に許容し得る塩および溶媒和物の、アスピリンを組み合わせて、
血栓症、心筋梗塞、動脈硬化症、炎症、卒中、狭心症、血管形成術後の動脈再狭窄、間歇性跛行、片頭痛、腫瘍、腫瘍疾患および/または腫瘍転移の処置に用いる医薬、
外科的介入の結果としての血栓塞栓症および/または血栓症、遺伝的に因る血栓適合性(thrombosis suitability)の増大を伴なう疾患、動脈および静脈血管系の疾患、心不全、心房細動、血栓性素因(thrombophilia)、耳鳴および/または敗血症の予防および処置に用いる医薬
を製造するための使用に関する。
【0083】
本明細書中、すべての温度は、℃で表す。以下の例において、「従来の作業」とは、必要に応じて水を加え、必要に応じて、最終生成物の構成に依存してpHを2〜10に調整し、混合物を、酢酸エチルまたはジクロロメタンで抽出し、相を分離し、有機相を、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、生成物をシリカゲル上のクロマトグラフィーおよび/または結晶化により精製されることを意味する。シリカゲル上のRf値;溶離剤:酢酸エチル/メタノール、9:1。
定量分析(MS):EI(電子衝撃イオン化)M
FAB(高速原子衝撃)(M+H)
ESI(エレクトロスプレーイオン化)(M+H)(特に明記しない限り)
【0084】
例1
1−N−[(5−クロロチオフェン−2−イル)アミノカルボニルメチル]−2−N−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−(R)−ピロリジン−2−カルボキサミド(「A1」)の製造
1.1 0.8g(5.2mmol)の1−ヒドロキシベンゾトリアゾールヒドレート水和物、1.12g(5.2mmol)のD−Boc−プロリン、2g(10.4mmol)のN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(DAPECI)および1.26mlのN−メチルモルホリンを、25mlのジメチルホルムアミド中、1.0g(5.2mmol)の4−(4−アミノフェニル)モルホリン−3−オンの溶液に続けて添加し、得られた溶液を室温で12時間撹拌した。該反応液を続いて減圧し、真空中で乾燥し、残渣を10mlの5%炭酸水素ナトリウム溶液に取り、該炭酸水素ナトリウム溶液を各回10mlのエチルアセテートで2回抽出した。一緒にした有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を除いた後、固形の残渣を、20mlのジエチルエーテルで粉砕し、白い粉末の1.4gのtert−ブチル−2−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニルカルバモイル]ピロリジン−1−カルボキシレートを得た;ESI 390。
【0085】
1.2 40mlの4N塩酸/ジオキサンを、20mlのジオキサン中、1.4g(3.60mmol)のtert−ブチル−2−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニルカルバモイル]ピロリジン−1−カルボキシレートの溶液に添加し、該混合物を室温で12時間撹拌した。堆積した沈殿物を続いて吸引濾過し、続いて夫々10mlのジオキサンおよびジエチルエーテルで洗浄し、真空乾燥し、白い粉末の1.1gのN−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2−カルボキサミド塩酸塩を得た;ESI 290。
【0086】
1.3 0.61mmolの2−クロロ−N−(5−クロロチオフェン−2−イル)アセとアミドを、5mlの塩酸メチレン中、200mg(0.61mmol)のN−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2−カルボキサミド塩酸塩および1mlのトリエチルアミンの溶液に添加し、該反応溶液を室温で2時間撹拌した。続いて該反応溶液を、夫々5mlの1N塩酸および水で洗浄し、塩酸メチレン溶液を硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を真空中で除いた後、粗生成物をエタノール/ジエチルエーテルから再結晶化し、120mgの標記の化合物(「A1」)を得た。
【0087】
次の化合物は、同じように得られる:
1−N−[(5−クロロチオフェン−2−イル)アミノカルボニルメチル]−2−N−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−(S)−ピロリジン−2−カルボキサミド、
1−N−[(4−クロロフェニル)アミノカルボニルメチル]−2−N−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−(R)−ピロリジン−2−カルボキサミド、
1−N−[(3−クロロピリジン−6−イル)アミノカルボニルメチル]−2−N−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−(R)−ピロリジン−2−カルボキサミド、
1−N−[2−(4−クロロフェニル)エチル]−2−N−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−(R)−ピロリジン−2−カルボキサミド、
1−N−[(6−クロロベンゾ[b]チオフェン−2−イル)メチル]−2−N−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−(R)−ピロリジン−2−カルボキサミド、
【0088】
1−N−[(3−(4−クロロフェニル)イソオキサゾール−5−イル)メチル]−2−N−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−(R)−ピロリジン−2−カルボキサミド、
1−N−[(5−(4−クロロフェニル)イソオキサゾール−3−イル)メチル]−2−N−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−(R)−ピロリジン−2−カルボキサミド、
1−N−[(3−(4−クロロフェニル)−1,2,4−オキシジアゾール−5−イル)メチル]−2−N−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−(R)−ピロリジン−2−カルボキサミド、
1−N−[(2−(4−クロロフェニル)チアゾール−5−イル)メチル]−2−N−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−(R)−ピロリジン−2−カルボキサミド、
1−N−[(3−(2−クロロチオフェン−5−イル)イソオキサゾール−5−イル)メチル]−2−N−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−(R)−ピロリジン−2−カルボキサミド、
1−N−[(5−(2−クロロチオフェン−5−イル)イソオキサゾール−3−イル)メチル]−2−N−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−(R)−ピロリジン−2−カルボキサミド、
1−N−[(2−(2−クロロチオフェン−5−イル)−1,3,4−チアジアゾール−5−イル)メチル]−2−N−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−(R)−ピロリジン−2−カルボキサミド、
1−N−[(2−(2−クロロチオフェン−5−イル)チアゾール−5−イル)メチル]−2−N−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−(R)−ピロリジン−2−カルボキサミド。
【0089】
14. 中間体化合物の製造例
14.1 以下の式VI(式中、R=Hまたはメチル;n=3、4または5)の全ての化合物は、以下のスキームにしたがって合成できる。
【化6】

【0090】
例えば、1-(4−アミノ−2−メチルフェニル)ピペリジン−2−オンの合成:
【化7】

【0091】
14.2 メチル基を伴なわないフェニルピペリドン単位の合成:
【化8】

【0092】
1-(4−アミノ−2−メチルフェニル)ピペリジン−2−オンは、例えば、下記に示すように製造される:
【化9】

【0093】
14.3 1−(4−アミノフェニル)−1H−ピラジン−2−オン
【化10】

【0094】
14.4 1−(4−アミノ−2,5−ジメチルフェニル)ピペリジン−2−オン
【化11】

【0095】
14.5 1−(4−アミノ−3−メチルフェニル)ピペリジン−2−オン
【化12】

【0096】
14.6 1−(5−アミノピリジン−2−イル)ピペリジン−2−オン
【化13】

【0097】
14.7 1−(4−アミノメチルフェニル)ピペリジン−2−オン
【化14】

【0098】
14.8 2−(4−アミノフェニル)−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オン
【化15】

【0099】
14.9 1−(3−アミノ−6−エチルフェニル)ピロリジン−2−オン
【化16】

【0100】
14.10 2−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェニル)−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オン
【化17】

【0101】
14.11 1−(4−アミノ−3−クロロフェニル)ピロリジン−2−オン
【化18】

【0102】
14.12 1−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェニル)ピペリジン−2−オン
【化19】

【0103】
14.13 3−(4−アミノ−2−メチルフェニル)−1,3−オキサジナン−2−オン
【化20】

【0104】
14.14 4−(4−アミノフェニル)モルホリン−3−オン
【化21】

【0105】
14.15 1−(4−アミノフェニル)ピリジン−2−オン
【化22】

【0106】
14.16 1−(4−アミノ−2−メチルフェニル)ピペリジン−2−オン
【化23】

【0107】
14.17 1−(4−アミノフェニル)−1H−ピペリジン−4−オン
【化24】

【0108】
14.18 1−(4−アミノフェニル)−4−tert−ブチルオキシカルボニルピペラジン−2−オン
【化25】

【0109】
14.19 1−(3−アミノフェニル)ピペリジン−2−オン
【化26】

【0110】
14.20 1−(4−アミノフェニル)−2−カプロラクタム
【化27】

【0111】
14.21 1−(4−アミノ−3−フルオロフェニル)ピペリジン−2−オン
【化28】

【0112】
14.22 1−(4−アミノ−2−フルオロフェニル)ピペリジン−2−オン
【化29】

【0113】
14.23 1−(4−アミノ−2−フルオロフェニル)−2−カプロラクタム
【化30】

【0114】
14.24 4−(4−アミノ−2−フルオロフェニル)−1,4−オキサゼパン−5−オン
【化31】

【0115】
14.25 4−(4−アミノ−3−フェノキシフェニル)モルホリン−3−オン
【化32】

【0116】
14.26 2−[3−(4−クロロフェニル)ウレイド]シクロペンタンカルボン酸
【化33】

【0117】
14.27 1−(4−クロロフェニルカルバモイル)ピペリジン−3−カルボン酸
【化34】

【0118】
14.28 4−(4−アミノフェニル)−1,4−オキサゼパン−3−オン
【化35】

【0119】
TEMPO酸化は、次の文献にしたがって行なう:
L. DeLuca et al., J. Org. Chem. 68, 4999-5001 (2003).
【0120】
以下の例は、医薬組成物に関する:
例A:注射バイアル
式Iの活性成分100gとリン酸水素二ナトリウム5gとの二回蒸留水3lに溶解した溶液を2Nの塩酸を使ってpHを6.5に調節し、無菌濾過し、注射用バイアルに移し、無菌条件で凍結乾燥し、無菌条件で封じる。各注射用バイアルは活性成分5mgを含む。
【0121】
例B:座薬
式Iの活性成分20gと大豆レシチン100gとココアバター1400gの混合物を溶融し、鋳型に注ぎ、冷却する。各座薬は活性成分20mgを含有する。
【0122】
例C:溶液
二回蒸留水940ml中、の式Iの活性成分1gとNaHPO・2HO 9.38g、NaHPO・12HO 28.48g、塩化ベンザルコニウム0.1gから溶液を調製する。そのpHを6.8に調節し、その溶液を1lにし、照射によって無菌にする。この溶液を点眼剤の形で使用できる。
【0123】
例D:軟膏
式Iの活性成分500mgをワセリン99.5gとを無菌条件で混合する。
【0124】
例E:錠剤
式Iの活性成分1kg、乳糖4kg、馬鈴薯澱粉1.2kg、タルク0.2kgおよびステアリン酸マグネシウム0.1kgの混合物を、各錠剤が活性成分を10mg含むように通常の方法で打錠する。
【0125】
例F:被覆錠
例Eと同様に錠剤を打錠し、続いてスクロース、馬鈴薯澱粉、タルク、トラガカントおよび着色剤で通常の方法で糖衣錠を作製する。
【0126】
例G:カプセル
式Iの活性成分2kgを、硬ゼラチンカプセルに、活性成分を20mg含むように、通常の方法で導入する。
【0127】
例H:アンプル
式Iの活性成分1kgを二回蒸留水60lに溶解した溶液を無菌状態で濾過し、アンプルに移し、無菌条件下で凍結乾燥し、無菌条件で封じる。各アンプルは活性成分を10mg含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】

式中、
は、H、=O、Hal、A、OH、OA、−O−(CH−OA、A−COO−、Ph−(CH−COO−、シクロアルキル−(CH−COO−、A−CONH−、A−CONA−、Ph−CONA−、N、NH、NO、CN、COOH、COOA、CONH、CONHA、CON(A)、O−アリル、O−プロパルギル、O−ベンジル、=N−OH、=N−OAまたは=CFを示し、
は、HまたはAを示し、
Phは、無置換または、A、OA、OHおよび/またはHalによってモノ−、ジ−もしくはトリ−置換されたフェニルを示し、
は、H、HalまたはAを示し、
は、2−オキソピペリジン−1−イル、2−オキソピロリジン−1−イル、2−オキソ−1H−ピリジン−1−イル、3−オキソモルホリン−4−イル、4−オキソ−1H−ピリジン−1−イル、2−オキソ−1H−ピラジン−1−イル、2−オキソイミダゾリジン−1−イル、2−イミノピペリジン−1−イル、2−イミノピロリジン−1−イル、3−イミノモルホリン−4−イル、2−イミノイミダゾリジン−1−イル、2−イミノ−1H−ピラジン−1−イル、2,6−ジオキソピペリジン−1−イル、2−オキソピペラジン−1−イル、2,6−ジオキソピペラジン−1−イル、2,5−ジオキソピロリジン−1−イル、2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル、3−オキソ−2H−ピリダジン−2−イル、2−カプロラクタム−1−イル(=2−オキサアゼパン−1−イル)、2−アザビシクロ[2.2.2]−オクタン−3−オン−2−イル、5,6−ジヒドロ−1H−ピリミジン−2−オキソ−1−イル、2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イルまたは4H−1,4−オキサジン−4−イルを示し、任意に、A、OA、OHおよび/またはCNによって、モノ−またはジ置換されており、
Xは、単結合、CONHまたはNHCOを示し、
Yは、フェニル、ピリジル、チエニル、ピリミジル、ベンゾ[b]チオフェニルを示し、これらの夫々は、無置換またはHalもしくはZによって、モノ−、ジ−、トリ−、テトラ−もしくはペンタ置換されており、
Zは、
【化2】

を示し、
Aは、1〜7個のH原子がFおよび/または塩素で置換されてもよい、1〜10個のC原子を有する非分枝状、分枝状または環状のアルキルであり、
Halは、F、Cl、BrまたはIを示し、
nは、1または2を示す、
で表される化合物ならびにそれらの薬学的に用い得る誘導体、溶媒和物、塩および立体異性体、さらにそれらのすべての比率における混合物。
【請求項2】
が、3−オキソモルホリン−4−イルを示す、請求項1に記載の化合物ならびにそれらの薬学的に用い得る誘導体、溶媒和物、塩および立体異性体、さらにそれらのすべての比率における混合物。
【請求項3】
が、Hを示し、
が、Hを示し、
が、Hを示し、
が、3−オキソモルホリン−4−イルを示す、
請求項1または2に記載の化合物ならびにそれらの薬学的に用い得る誘導体、溶媒和物、塩および立体異性体、さらにそれらのすべての比率における混合物。
【請求項4】
1−N−[(5−クロロチオフェン−2−イル)アミノカルボニルメチル]−2−N−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−(R)−ピロリジン−2−カルボキサミド、
1−N−[(5−クロロチオフェン−2−イル)アミノカルボニルメチル]−2−N−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−(S)−ピロリジン−2−カルボキサミド、
1−N−[(4−クロロフェニル)アミノカルボニルメチル]−2−N−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−(R)−ピロリジン−2−カルボキサミド、
1−N−[(3−クロロピリジン−6−イル)アミノカルボニルメチル]−2−N−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−(R)−ピロリジン−2−カルボキサミド、
1−N−[2−(4−クロロフェニル)エチル]−2−N−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−(R)−ピロリジン−2−カルボキサミド、
1−N−[(6−クロロベンゾ[b]チオフェン−2−イル)メチル]−2−N−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−(R)−ピロリジン−2−カルボキサミド、
1−N−[(3−(4−クロロフェニル)イソオキサゾール−5−イル)メチル]−2−N−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−(R)−ピロリジン−2−カルボキサミド、
1−N−[(5−(4−クロロフェニル)イソオキサゾール−3−イル)メチル]−2−N−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−(R)−ピロリジン−2−カルボキサミド、
1−N−[(3−(4−クロロフェニル)−1,2,4−オキシジアゾール−5−イル)メチル]−2−N−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−(R)−ピロリジン−2−カルボキサミド、
1−N−[(2−(4−クロロフェニル)チアゾール−5−イル)メチル]−2−N−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−(R)−ピロリジン−2−カルボキサミド、
1−N−[(3−(2−クロロチオフェン−5−イル)イソオキサゾール−5−イル)メチル]−2−N−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−(R)−ピロリジン−2−カルボキサミド、
1−N−[(5−(2−クロロチオフェン−5−イル)イソオキサゾール−3−イル)メチル]−2−N−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−(R)−ピロリジン−2−カルボキサミド、
1−N−[(2−(2−クロロチオフェン−5−イル)−1,3,4−チアジアゾール−5−イル)メチル]−2−N−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−(R)−ピロリジン−2−カルボキサミド、
1−N−[(2−(2−クロロチオフェン−5−イル)チアゾール−5−イル)メチル]−2−N−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−(R)−ピロリジン−2−カルボキサミド、の群から選択される、請求項1に記載の化合物ならびにそれらの薬学的に用い得る誘導体、溶媒和物、塩および立体異性体、さらにそれらのすべての比率における混合物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の式Iの化合物ならびにそれらの薬学的に用い得る誘導体、溶媒和物、塩および立体異性体の製造方法であって、
式II
【化3】

式中、
、R、RおよびRは、請求項1に示した意味を有する、
で表される化合物を、
式III
Y−X−(CH−L III
式中、
Lは、Cl、Br、Iまたは遊離もしくは反応性の官能基により修飾されたOH基を示し、および、
X、Yおよびnは、請求項1に示した意味を有する、
で表される化合物
と反応させること、
および/または
式Iの塩基または酸をその塩の一つに転化することを特徴とする、前記製造方法。
【請求項6】
凝固因子Xaの阻害剤としての、請求項1〜4のいずれかに記載の式Iで表される化合物。
【請求項7】
凝固因子VIIaの阻害剤としての、請求項1〜4のいずれかに記載の式Iで表される化合物。
【請求項8】
請求項1〜4のいずれかに記載の式Iで表される少なくとも1つの化合物および/またはそれらの薬学的に用い得る誘導体、溶媒和物、塩および立体異性体、さらにそれらのすべての比率における混合物と、任意に、賦形剤および/または補助薬とを含有する医薬。
【請求項9】
請求項1〜4のいずれかに記載の式Iで表される少なくとも1つの化合物および/またはそれらの薬学的に用い得る誘導体、溶媒和物、塩および立体異性体、さらにそれらのすべての比率における混合物と、少なくとも1つのさらなる医薬活性成分とを含有する医薬。
【請求項10】
請求項1〜4のいずれかに記載の化合物および/またはその生理学的に許容し得る塩および溶媒和物の、血栓症、心筋梗塞、動脈硬化症、炎症、卒中、狭心症、血管形成術後の動脈再狭窄、間歇性跛行、片頭痛、腫瘍、腫瘍疾患および/または腫瘍転移の処置に用いる医薬を製造するための使用。
【請求項11】
請求項1〜4のいずれかに記載の化合物および/またはその生理学的に許容し得る塩および溶媒和物の、外科的介入の結果としての血栓塞栓症および/または血栓症、遺伝的に因る血栓適合性の増大を伴なう疾患、動脈および静脈血管系の疾患、心不全、心房細動、血栓性素因、耳鳴および/または敗血症の予防および処置に用いる医薬を製造するための使用。
【請求項12】
外科的介入が、
胸部手術、腹部の手術、整形外科的介入、股関節および膝関節置換術、CABG(冠動脈バイパス術)、人工心臓弁置換、人工心肺の使用を伴う手術、血管手術、臓器移植および中心静脈カテーテルの使用
の群から選択される、請求項11に記載の使用。
【請求項13】
(a)有効量の請求項1〜4のいずれかに記載の式Iの化合物および/またはそれらの薬学的に用い得る誘導体、溶媒和物、塩および立体異性体、さらにそれらのすべての比率における混合物、および
(b)有効量のさらなる医薬活性成分
の別個のパックからなるセット(キット)。
【請求項14】
請求項1〜4のいずれかに記載の化合物および/またはその生理学的に許容し得る塩および溶媒和物の、少なくとも1つのさらなる医薬活性成分との組み合わせによる、
血栓症、心筋梗塞、動脈硬化症、炎症、卒中、狭心症、血管形成術後の動脈再狭窄、間歇性跛行、片頭痛、腫瘍、腫瘍疾患および/または腫瘍転移の処置に用いる医薬、
外科的介入の結果としての血栓塞栓症および/または血栓症、遺伝的に因る血栓適合性の増大を伴なう疾患、動脈および静脈血管系の疾患、心不全、心房細動、血栓性素因、耳鳴および/または敗血症の予防および処置に用いる医薬
を製造するための使用。

【公表番号】特表2008−514656(P2008−514656A)
【公表日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−533902(P2007−533902)
【出願日】平成17年9月16日(2005.9.16)
【国際出願番号】PCT/EP2005/010025
【国際公開番号】WO2006/034789
【国際公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】