説明

ヘルドシャフト駆動用歯車機構

【課題】本発明の課題はヘルドシャフトの駆動に対して改善された歯車機構を形成することである。
【解決手段】本発明はヘルドシャフト(1)の駆動系のための歯車機構において、該歯車機構(6、6a、6b、6c)が入力軸(7、7b、7c)および出力軸(5、5b、5c)を有する歯車機構に関する。歯車機構(6、6a、6b、6c)は入力軸(7、7b、7c)と出力軸(5、5b、5c)との間で回転角度に応じて振動変化を生じる回転角度に重ね合わされた差分角度を発生する。この振動変化は歯車機構(6a、6b、6c)の遊星歯車(11a、12a、13a)の非円形の形成によって調和振動から区別することができる。それによってヘルドシャフト(1)の運動に対して小さい歯車機構負荷および軸受負荷により簡単な製造可能性およびコンパクトな構造方式でほぼ任意の運動を達成できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はヘルドシャフトの駆動用の歯車機構に関する。
【背景技術】
【0002】
織機は多数のヘルドを担持する本質的に四角形のフレームによって形成された、いわゆるヘルドシャフトを有する。ヘルドは縦糸を杼口の形成のために該縦糸を縦糸面から移動し案内する。そのためにヘルドシャフトは一定の基準値に従って上下に進行しながら移動させなければならない。駆動装置としてそのためにいわゆるシャフト駆動装置が利用され、該シャフト駆動装置がその駆動装置に振動(揺動)往復進行運動を発生する。これはロッドを介してヘルドシャフトに伝達される。この駆動装置の振動往復進行運動は、通常、駆動軸の一定の回転運動から導出される。そのために例えば偏心歯車機構が利用されるとき、入力軸の回転運動と駆動装置の振動(揺動)運動との間にある一定の規定された関係が生じる。該偏心歯車機構の運動はそこで広範囲に正弦振動に相当する。
【0003】
特許文献1から、シャフト駆動装置の入力部での一定の回転運動に周期的な加速と減速とを重ね合わせるための種々の方法が知られている。例えば、そのために1つの中空歯車と、2つの公転する遊星歯車と、リンク機構とから構成される歯車機構が利用される。公転する遊星歯車はクランクおよび連接棒を介して出力軸を回転するために出力軸にあるレバーアームに連結されている。
【0004】
この歯車機構の場合、両方の遊星歯車に様々な負荷が生じ得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】ドイツ特許第69109899号公報(DE69109899T2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、本発明の課題はヘルドシャフトの駆動に対して改善された歯車機構を形成することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は請求項1に記載の歯車機構によって解決される。
【0008】
本発明に係る歯車機構は中空歯車を有する遊星歯車機構と、少なくとも1つの遊星歯車および太陽歯車を有する遊星歯車キャリアとを含む。さらに、歯車機構は出力軸と少なくとも1つの遊星歯車の連結のためのリンク機構を有する。
【0009】
駆動装置は遊星歯車機構の少なくとも1つの要素すなわち中空歯車、遊星歯車キャリアまたは太陽歯車に作用する。この場合、遊星歯車機構の少なくとも1つの別の要素、例えば中空歯車または太陽歯車をブロックしている。しかしながら好ましい一実施形態において遊星歯車機構の2つの要素、例えば中空歯車および遊星歯車キャリアが駆動され、他方、遊星歯車機構の第3の要素、この場合は太陽歯車が制動されずに自由に回動可能である。この場合、単に遊星歯車相互の耐回動性の結合と、内方への遊星歯車の支持とを生ぜしめる。そして、駆動装置は中空歯車および遊星歯車キャリアを異なる速度で駆動する。
【0010】
好ましい一実施形態において遊星歯車と共に中空歯車および太陽歯車が非円形に形成されている。それによって遊星歯車は遊星歯車キャリアの均一な回転時にその非円形性に応じて加速および減速された固有回転運動が得られる。これはリンク機構によって生じた運動変調に加えて別の変調として出力軸の運動に現れる。この方法により遊星歯車ならびに中空歯車および太陽歯車の非円形性の形成に応じてけた送り機構の駆動の運動に対してほぼあらゆる所望の運動法則を実現することができる。これは所定の運動経過をカム板およびカムホロワを使用せずに達成する可能性が開かれる。
【0011】
少なくとも1つの遊星歯車および中空歯車である太陽歯車は、これらが非円形に形成されている場合でも、すなわち円形と異なっていても、これらが常時相互に噛み合うように互いに調整されている。
【0012】
少なくとも1つの遊星歯車の半径が一定ではない遊星歯車と、対応してそれに適合して形成された中空歯車とを有する非円形歯車としての遊星歯車機構の形成において、個別の場合で太陽歯車を省くことができる。この場合、歯車機構は内部噛合機構を有する中空歯車と、前記中空歯車の内部噛合機構と常時噛み合う外部噛合機構を有する少なくとも1つの遊星歯車と、少なくとも1つの遊星歯車が回動可能に軸支された遊星歯車キャリアと、遊星歯車キャリアの駆動用の駆動装置と、リンク機構を介して少なくとも1つの遊星歯車に連結された出力軸とから構成され、遊星歯車はその円周に沿って可変する半径を有する。従って遊星歯車は少なくとも1つの最大直径と、少なくとも1つの最小直径とを有する。またこのような配列によって入力軸と出力軸との間の捩り角の非正弦状の時間的経過を示す運動関係を構築することができる。
【0013】
太陽歯車が実際に有るかどうかまたは廃止されているかどうかには関係なく、遊星歯車の間に適合する太陽歯車の円周と、少なくとも1つの遊星歯車の円周との間の比は好ましくは整数で規定されている。この場合、太陽歯車および遊星歯車は円形または非円形に形成することができる。
【0014】
用語「円形」もしくは「非円形」は歯車が引き合いに出されるとき、該当する歯車によって規定されたピッチ円の形状に関係する。
【0015】
好ましい歯車機構は少なくとも3つの遊星歯車を有する。それによって駆動トルクが3つの位置に伝達され、かつ発生する軸受負荷が適切に低減される。高い出力伝達は好適な動力の分岐および走行静謐性によって可能である。高い効率が達成される。非円形の歯車を備える遊星歯車機構のコンセプトによって様々な所望の運動法則を実現することができる。この関連性において用語「運動法則」のもとに入力軸と出力軸との間の捩り角の時間経過が表されている。遊星歯車機構は外方へ密閉して形成することができ、それによって噛合機構の連続潤滑が可能になる。さらに簡単な組立を実現することができる。
【0016】
本発明のその他の好ましい実施形態の詳細は図面または本明細書の請求項の目的である。
【0017】
図面に本発明の実施例が具体的に示されている。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】シャフト駆動部を有するヘルドシャフトの模式図である。
【図2】図1に記載のシャフト駆動部用の減速歯車の模式図であるが、一部は立体透視図、一部は断面図である。
【図3】図2記載の減速歯車の模式図である。
【図4】減速歯車の変形された実施形態の模式原理図である。
【図5】様々な運動変調を適用したヘルドシャフトの振動運動の模式図である。
【図6】減速歯車のその他の実施形態の模式的な一部は立体透視図および一部は断面透視図である。
【図7】減速歯車のその他の実施形態の模式的な一部は立体透視図および一部は断面透視図である。
【図8】減速歯車の変形された実施形態の模式原理図である。
【図9】もう1つの減速歯車の変形された実施形態の模式原理図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1に、ロッド3を介して2つの矢印で示したヘルドシャフト1の上方運動および下方運動を生ぜしめる付属のシャフト駆動装置2を有するヘルドシャフト1が具示されている。シャフト駆動装置2は往復振動(揺動)運動を実行するロッカー4を有する。該ロッカーは、例えば偏心歯車機構を介して軸5の回転によって導出される。この回転が加速も減速もされない一定の回転運動である場合、ヘルドシャフト1の運動は本質的に正弦振動に相当する。ここで正弦形状の偏差を度外視するとロッド3および連接棒によってロッカー4のパワーテークオフが生ぜしめられる。しかしながら本発明に係るシャフト駆動装置の場合、軸5の運動は一定の回転運動ではない。むしろ減速歯車として用いられる図2記載の歯車機構6を利用して軸5の出力軸で入力軸7に対して変調された運動を実行する回転運動が発生される。従って入力軸7の現在の回転角度と軸5の現在の回転角度との間で所定の法則に従って振動する差分角度φが生じる。これは歯車機構6によって、入力軸7の回転運動が軸5に伝達され、その際に該軸に付加運動を重ね合わせることを生じさせる。
【0020】
歯車機構6は遊星歯車機構8とリンク機構9とから構成される。遊星歯車機構8には1つの中空歯車10と、少なくとも1つの、好ましくは複数の遊星歯車11、12、13(補足的に図3参照)と、オプションで少なくとも1つの太陽歯車14とが含まれる。中空歯車は内部噛合機構を有する。遊星歯車11、12、13は外部噛合機構を具備している。同様に太陽歯車14は外部噛合機構を具備している。太陽歯車14および遊星歯車11、12、13は常時噛み合っている。遊星歯車11、12、13および中空歯車10は同様に互いに常時噛み合っている。遊星歯車11、12、13は遊星歯車キャリア15に回動可能に軸支されており、遊星歯車キャリアは該キャリア側で太陽歯車14の軸周りに回動可能に軸支されている。遊星歯車11〜13は遊星歯車キャリア15と、必要に応じて設けた別の遊星歯車キャリア16との間に保持されている。
【0021】
図2に遊星歯車11を利用して具示しており、全体的に図3から明らかなように、遊星歯車11、12、13はそれぞれ回動不能(耐回動性)にリンク機構9の入力部を形成するクランク17、18、19と連結されている。クランク17、18、19は牽引棒または連接棒20、21、22を介して駆動板23と連結されており、該駆動板は各連接棒20、21、22に対して1つの連結点を有する。駆動板23はプレートまたはスターとして形成することができる。該駆動板は軸5と回動不能(耐回動性)に連結されている。軸5の回転軸と連接棒20、21、22の各連結点の間隔はそれぞれ1つのレバーアーム24、25、26を形成する。遊星歯車11、12、13と連結されたクランク17、18、19の長さrは互いに同じである。さらにクランク17、18、19は遊星歯車11、12、13で同じ方位に向けられている。
【0022】
連接棒20、21、22の長さSは同様に互いに同じである。さらにレバーアーム24、25、26の長さTは互いに同じである。長さr、TおよびSは互いに例えば次式の関係にあるように構成しても良い。これによって後述するように、歯車機構6の軸5に図5の曲線III又は曲線Vで示す回転運動が生じる。


式中、Rは各遊星歯車11、12、13の回転軸と太陽歯車14の回転軸との間の間隔である。
【0023】
遊星歯車機構8は二重に駆動されている。図2に示すように、遊星歯車キャリア15も中空歯車10も対応するハイポイド−または円錐噛合機構を具備しており、または対応する歯車と連結されている。遊星歯車キャリア15および中空歯車10の前記噛合機構は対応するハイポイド歯車またはベベルギヤ27、28と噛み合う。ベベルギヤ27、28は回動不能(耐回動性)に入力軸7と連結されている。太陽歯車14は自由に回動可能に軸支されている。該太陽歯車は遊星歯車11、12、13の間に浮動して保持することもできる。遊星歯車11、12、13は、図3に具示したように、円形の歯車として形成することができる。対応して太陽歯車14および中空歯車10も同様に円形である。すなわち全ての歯車は一定の半径を有する。しかしながら好ましい一実施形態において非円形の遊星歯車11a、12a、13aが使用される。図4に、それぞれ点線で示した円形からの偏差が大幅に突出して実施されている。非円形に形成された太陽歯車14aおよび非円形に形成された中空歯車10aも対応して相補的に設けられており、太陽歯車14aはオプションであり−これは廃止することもできる。遊星歯車11a、12a、13a内の半径はそれぞれ少なくとも1つの極大および極小、好ましくは2つの極大および2つの極小を有する。太陽歯車14aおよび中空歯車10aはそれらの各半径の極大および極小を有し、それらの数は遊星歯車に相当する。遊星歯車11a、12a、13aおよび太陽歯車14aならびに中空歯車10aの円周は、遊星歯車12aが(耐回動的に)太陽歯車14aに座る観察者に対して正確にその先行者または後続者の位置を占めるまで半回転を遂行するように、互いに調整されている。
【0024】
この限りにおいて前記シャフト駆動装置2は以下のように作動する。
【0025】
軸7は遊星歯車キャリア15および中空歯車10もしくは10aを一定の異なる回転数で回転する。中空歯車10もしくは10aと遊星歯車キャリア15との間の回転数差によって遊星歯車11、12、13もしくは11a、12a、13aの転動運動が中空歯車10または10aの内部噛合機構に発生する。この回転運動はクランク17、18、19を介して連接棒20、21、22の往復運動に変換される。それによって該往復運動は付加的に重ね合わされた振動運動を有する遊星歯車キャリア15の一様な回転運動(すなわち周期的な加速および減速)を駆動板23に伝達する。図5はそれに対して第1の曲線Iでヘルドシャフトが従来のように一様に回転する偏心板によって駆動される場合にヘルドシャフト1によって遂行されるような制限振動運動を具示する。この連接棒20、21、22の振動運動によって生じた時間依存性の差分角度の変化は図5に曲線IIとして記載されている。図3記載の歯車機構6は軸5の該歯車機構の出力部で曲線IIによる振動が重ね合わされた回転運動を発生する。接続された偏心板を介して駆動されるヘルドシャフトは次に点線の曲線IIIに従って運動を遂行する。
【0026】
図4記載の模式的に具示した歯車機構6aはその出力軸5に遊星歯車11a、12a、13aの回転がその意図した非円形性の結果不均一であるため付加的に変調された運動を発生する。例として曲線IVは入力軸と歯車機構6aの軸5との間に差分角度φを具示する。このように駆動された軸5がシャフト駆動装置2の駆動装置として使用され、それによって偏心板を介してヘルドシャフト1を駆動するとき、該ヘルドシャフトは例えば曲線Vに従って運動を遂行する。
【0027】
歯車機構6aは回転運動に重ね合わされた周期的な加速および減速の発生のための2つの手段を含む(1つの非円形歯車および1つのリンク機構)。非円形歯車は例えば遊星歯車機構として形成されている。非円形歯車とリンク機構の組み合わせによって非円形歯車によってのみまたはリンク機構によってのみでは達成されない運動法則を達成することができる。
【0028】
遊星歯車キャリア11a、12a、13aおよび付属の中空歯車10aならびにオプションの太陽歯車14aの対応する非円形の形成によってヘルドシャフト1の運動に対しほぼ任意の曲線を達成することができる。それによってヘルドシャフト1で発生する加速度が最小になることを達成でき、杼口開放時間すなわちヘルドシャフト1がその上部または下部位置に留まる時間が可能な限り長い。さらにロッド3ならびにヘルドシャフト1の機械負荷はシャフト駆動装置2と同様に最小寸法に低減することができ、それによって織機の回転数の上昇が可能になる。
【0029】
図6は本発明に係る歯車機構の変形された実施形態を歯車機構6bとして具示している。この歯車機構において遊星歯車キャリア15bが自由に回動可能であり、他方、太陽歯車14bが駆動される。中空歯車10bは好適な手段によって回動不能(耐回動性)に配置されている。遊星歯車11b、12bは図3に従ってまたは図4に従って円形または非円形に形成することができる。これに関してはその他の機能説明と同様に前記説明を準用し、参照符号には単に文字記号「b」を追加する。
【0030】
本発明に係る歯車機構のもう1つの変形実施形態は図7に歯車機構6cの形態で具示する。この歯車機構の場合、単に遊星歯車キャリア15cが回転して駆動されている。中空歯車10cは好適な手段によって回動不能(耐回動性)に固定されている。太陽歯車14cは自由に回動可能に軸支されており、遊星歯車11c、12cと必要に応じてそれ以上図示しない遊星歯車との間の力補償に用いられ、太陽歯車14cは廃止できる。
【0031】
択一的に太陽歯車14cは中心に回動不能に配置することもでき、他方、中空歯車10cは自由に回動可能に軸支されており、または廃止することもできる。さらに太陽歯車14cはそれぞれ図3記載の遊星歯車11c、12c、13cが円形かまたは図4に従って非円形に形成されているかに応じて円形または非円形に形成することができる。その他の点で本明細書を準用し、その際に図1〜3の本明細書の参照符号に文字記号「c」を付加し、その限りで図4に該当し、文字記号「a」が「c」に置き換えられる。
【0032】
その他の別法として図8に従って遊星歯車機構6dに駆動軸30の一様な回転を軸7dで加速および減速された回転運動に変換する非円形歯車29を前置することを考慮することができる。遊星歯車機構6dが例えば図3に従って円形の歯車によって構成されている場合、必要な非円形の歯車の数は2に減少される。非円形歯車32、33の交換によって様々な運動法則を発生させることができる。遊星歯車機構は、しかしまた図2〜7のいずれか1つに従って付加的な非円形歯車としても構成することができる。その他の点で前記説明を準用し、図1〜3の説明の参照符号に文字記号「d」を追加し、その限りで図4に該当し、文字記号「a」は「d」に置き換えられる。
【0033】
最後に図9に従って、遊星歯車機構6eに、遊星歯車機構6eの「入力部」の駆動にのみ用いられる駆動軸30eの一様な回転を軸7eで加速および減速された回転運動に変換する非円形歯車29eを前置することを考慮することができる。軸30eは遊星歯車機構6eの他の「入力部」を直接一様な回転で駆動する。この「入力部」はその際にそれぞれ遊星歯車キャリア15e、中空歯車10eまたは太陽歯車14eとすることができる。遊星歯車機構6eは、例えば図3に従って円形の歯車で形成されている場合、必要な非円形歯車の数は2に減少される。非円形歯車32e、33eの交換によって様々な運動法則を発生させることができる。出力の分岐によって非円形歯車29eは駆動エネルギーの一部のみを伝達しなければならない。
【0034】
しかしまた遊星歯車機構6eは図2〜7のいずれか1つに従って付加的な非円形歯車としても形成することができる。その他の点で前記説明を準用し、図1〜3の説明の参照符号に文字記号「e」を追加し、その限りで図4に該当し、文字記号「a」は「e」に置き換えられる。
【0035】
本発明はヘルドシャフト1の駆動系のための歯車機構において、歯車機構6、6a、6b、6cが入力軸7、7b、7cおよび出力軸5、5b、5cを有する歯車機構に関する。この歯車機構6、6a、6b、6cは入力軸7、7b、7cと出力軸5、5b、5cとの間で回転角度に応じて振動変化を生じる回転角度に重ね合わされた差分角度を発生する。この振動変化は歯車機構6a、6b、6cの遊星歯車11a、12a、13aの非円形の形成によって調和振動から区別することができる。それによってヘルドシャフト1の運動に対して小さい歯車機構負荷および軸受負荷により簡単な製造可能性およびコンパクトな構造方式でほぼ任意の運動を達成できる。
【符号の説明】
【0036】
1 ヘルドシャフト
2 シャフト駆動装置
3 ロッド
4 ロッカー
5 軸
6 歯車機構
7 入力軸
8 遊星歯車機構
9 リンク機構
10 中空歯車
11 遊星歯車
12 遊星歯車
13 遊星歯車
14 太陽歯車
15 遊星歯車キャリア
16 遊星歯車キャリア
17 クランク
18 クランク
19 クランク
20 連接棒
21 連接棒
22 連接棒
23 駆動板
24 レバーアーム
25 レバーアーム
26 レバーアーム
27 ベベルギヤ
28 ベベルギヤ
29 非円形歯車
30 駆動軸
32 非円形歯車
33 非円形歯車

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘルドシャフト(1)駆動用のシャフト駆動装置(2)の歯車機構(6、6a)であって、
前記歯車機構は、内部噛合機構を有する中空歯車(10、10a、10b、10c)と、
前記中空歯車(10、10a、10b、10c)の内部噛合機構と常時噛み合う外部噛合機構を有する少なくとも1つの遊星歯車(11、11a、11b、11c)と、
少なくとも1つの遊星歯車(11、11a、11b、11c)が回動可能に軸支された遊星歯車キャリア(15、15a、15b、15c)と、
外部噛合機構を有し、かつ少なくとも1つの遊星歯車(11、11a)が常時噛み合う太陽歯車(14、14a、14b、14c)と、
中空歯車(10、10a、10b、10c)、遊星歯車キャリア(15、15a、15b、15c)、太陽歯車(14、14a、14b、14c)の少なくとも1に連結される駆動装置(7、7b、7c)と、
リンク機構(9)を介して少なくとも1つの遊星歯車(11、11a、11b、11c)に連結された出力軸(5)と、
を備え、
前記シャフト駆動装置はロッド(3)によって前記ヘルドシャフトに接続される、シャフト駆動装置であり、
前記駆動装置(7、7b、7c)は、前記遊星歯車キャリア(15、15a、15b、15c)と、前記中空歯車(10、10a、10b、10c)とを異なる速度で駆動し、 前記太陽歯車は自由に回転可能であり、
異なる速度で駆動されることによって、前記遊星歯車キャリア(15、15a、15b、15c)と、前記中空歯車(10、10a、10b、10c)とが異なる速度で回転し、
前記遊星歯車(11、11a、11b、11c)が、前記中空歯車(10、10a、10b、10c)の内部噛合機構と噛み合いつつ回転し、
前記遊星歯車キャリア(15、15a、15b、15c)と、前記中空歯車(10、10a、10b、10c)とが異なる速度で回転することによって、前記遊星歯車(11、11a、11b、11c)の回転動作に追加の動作が生じ、
前記遊星歯車(11、11a、11b、11c)の回転動作に、前記追加の動作が加えられて、前記リンク機構(9)を介して前記出力軸(5)へ伝えられる、歯車機構。
【請求項2】
駆動装置(7、7b、7c)が次に挙げる要素、遊星歯車キャリア(15、15a、15b、15c)、太陽歯車(14、14a、14b、14c)および中空歯車(10、10a、10b、10c)のうち2つの要素と連結されていることを特徴とする、請求項1に記載の歯車機構。
【請求項3】
少なくとも1つの遊星歯車(11a、11b、11c)が前記遊星歯車の円周に沿って可変する半径(r)を有することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の歯車機構。
【請求項4】
太陽歯車(14a、14b、14c)が前記太陽歯車の円周に沿って可変する半径を有することを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の歯車機構。
【請求項5】
中空歯車(10a、10b、10c)が前記中空歯車の円周に沿って可変する半径を有することを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の歯車機構。
【請求項6】
遊星歯車(11a、11b、11c)が少なくとも1つの最大直径と、少なくとも1つの最小直径とを有することを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の歯車機構。
【請求項7】
遊星歯車キャリア(15、15a、15b、15c)に、それぞれ太陽歯車(14、14a)および中空歯車(10、10a)と常時噛み合う少なくとも3つの遊星歯車(11、12、13、11a、12a、13a)が軸支されていることを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の歯車機構。
【請求項8】
遊星歯車の間に適合する太陽歯車の円周と、少なくとも1つの遊星歯車の円周との間の比は好ましくは整数で規定されていることを特徴とする、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の歯車機構。
【請求項9】
リンク機構(9)に遊星歯車(11、11)と回動不能に連結された長さrを有するクランク(17)と、出力軸(5)と回動不能に連結された長さTを有するレバーアーム(24)と、クランク(17)をレバーアーム(24)と連結する長さSを有する連接棒(20)とが付属しており、次式


(式中、Rは遊星歯車(11)の回転軸と太陽歯車(14)の回転軸との間の間隔である)が適用されることを特徴とする、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の歯車機構。
【請求項10】
歯車機構(6d、6e)に非円形歯車(29d、29e)が前置されることを特徴とする、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の歯車機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−7739(P2012−7739A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−222789(P2011−222789)
【出願日】平成23年10月7日(2011.10.7)
【分割の表示】特願2007−296499(P2007−296499)の分割
【原出願日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【出願人】(304012943)グローツ−ベッカート コマンディトゲゼルシャフト (46)
【Fターム(参考)】