説明

ベルト駆動装置およびこれを備えた画像形成装置

【課題】ベルト部材の自由端と摩擦部との接触安定性を高めて、ベルト部材の寄りに対する応答性を高めること。
【解決手段】ベルト部材606と摺擦する摩擦部とを有するステアリング部材82と、ステアリング部材を支持する支持手段1と、支持手段を回動可能に支持する回転軸89と、を有し、ベルト部材を張架し、ベルト部材と摩擦部との摺擦部との摺擦により生ずる力によりステアリング部材が傾斜することによりベルト部材を中央側にステアリング可能とするステアリング装置とを備えたベルト駆動装置において、ベルト部材の外面と接触し、回転軸線方向における少なくともベルト部材の端部を含むベルト部材の領域を摩擦部に押圧する押え部材2が両端に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成に関わるベルト部材を駆動するベルト駆動装置に関する発明である。具体的には、中間転写ベルト、転写ベルト、感光体ベルトなどを搬送するベルトユニット、およびこれらのベルトユニットを備えた複写機、プリンタ、印刷機などの画像形成装置に関する発明である。また、直接画像形成に関わらないベルト部材(例えば、記録材の搬送ベルト、定着装置の定着ベルト)に関しても有効な発明である。
【背景技術】
【0002】
近年、画像形成装置の高速化に伴い、ベルト部材に対応して複数の画像形成部を並べて配置し、各色の作像プロセスを並行処理する構成が主流となっている。例えば、電子写真方式のフルカラー画像形成装置におけるベルト部材としての中間転写ベルトがその代表的なものとして挙げられる。中間転写ベルトは各色のトナー像が順次ベルト表面に重ねあわされて転写され、記録材に対してカラートナー像を一括的に転写するというものである。この中間転写ベルトは、駆動ローラをはじめとする複数の張架部材である張架ローラによって張架され、回転可能とされている。このような、複数の張架ローラに張架されたベルト部材は、ローラの外径精度や各ローラ間のアライメント精度などによって、走行駆動時にいずれかの端部方向に寄ってしまうという課題が一般的に知られている。
【0003】
この課題は中間転写ベルトに限らず、ベルトを複数の張架部材で張架し、ベルトを搬送するベルト駆動装置においても生ずるものである。
【0004】
この課題の対策として、部品点数が少なく、簡易で低コストな方法として、摩擦力のバランスによりステアリング部材であるステアリングローラが自動的にベルト調芯を行う方式(以下、ベルト自動調芯と呼ぶ)が提案されている(特許文献1)。
【0005】
具体的には、ステアリングローラの両端部に摺動部を設ける構成とするものである。そして、ベルト部材が一端側に寄ると、一端側の摩擦部とベルト部材との間の摩擦力が大きくなることで、一端側に生ずる力と他端側に生ずる力の差分を用いることで、ステアリングローラの旋回トルクを得るものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2001−520611号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、摩擦部と接触するベルト部材の端部は自由端となっている。自由端となっているため、ベルト部材の端部の形状によっては、ベルト部材端部と摩擦部との接触が不安定になりやすい。
【0008】
ベルト部材と摩擦部との接触が不安定になると、両者の接触量が小さくなる。その結果、単位幅あたりのベルトから発生する摩擦力が低下してしまう。そして、ステアリングローラを操舵するのに必要な旋回トルクを得ようとすると、接触量を大きくするために摺動部材との掛かり幅をより大きくしなければならない。その結果、搬送されるベルト部材の挙動は蛇行幅が大きく、調芯時の応答性も低下してしまう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、本発明は、回転可能なベルト部材と、前記ベルト部材を張架する張架部材と、を備え、前記ベルト部材の回転に伴い回転する回転部と、前記回転部の回転軸線方向において前記回転部の両側の外側にそれぞれ設けられ、前記ベルト部材と摺擦する摩擦部と、を有するステアリング部材と、前記ステアリング部材を支持する支持手段と、前記支持手段を回動可能に支持する回転軸と、を有し、前記ベルト部材を張架し、前記ベルト部材と前記摩擦部との摺擦により生ずる力により前記ステアリング部材が傾斜することにより前記ベルト部材を中央側にステアリング可能とするステアリング装置と、を備えたベルト駆動装置において、前記ベルト部材の外面と接触し、前記回転軸線方向における少なくとも前記ベルト部材の端部を含む前記ベルト部材の端部の領域を前記摩擦部に押圧する押え部材が両端に設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ベルト部材の自由端と摩擦部との接触安定性を高めて、ベルト部材の寄りに対する応答性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】中間転写方式の画像形成装置について説明する断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1について説明する斜視図である。
【図3】本発明の押え部材の幅に関して説明する斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態2について説明する斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態3について説明する斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態3における転写クリーナ装置の装着図である。
【図7】中間転写ベルトユニットの説明をする斜視図である。
【図8】自動調芯機構について説明する斜視図である。
【図9】ベルトの掛かり幅について説明する図である。
【図10】摺動リング部に巻き付いた中間転写ベルトの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施例1)
<画像形成装置について>
本発明に係る画像形成装置について説明する。
【0013】
まず、図1を用いて画像形成装置の動作について説明する。画像形成装置には電子写真方式、オフセット印刷方式、インクジェット方式等複数の方式が挙げられるが、図1に示した画像形成装置60は電子写真方式を用いたカラーの画像形成装置である。画像形成装置60は、4色の画像形成部を中間転写ベルト上に並べて配置した、所謂中間転写タンデム方式の画像形成装置の断面図であり、厚紙対応力や生産性に優れる点から近年主流になっている。
【0014】
<転写材の搬送プロセス>
記録材Sは記録材収納部61内のリフトアップ装置62上に積載される形で収納されており、給紙装置63により画像形成タイミングに合わせて給紙される。エアによる分離吸着を利用する方式が挙げられるが、図1ではこのうちエアによる分離吸着を利用する方式を用いるものとする。もちろん、他の給紙方式であってもいい。給紙装置63により送り出された記録材Sは搬送ユニット64が有する搬送パス64aを通過し、レジストレーション装置65へと搬送される。レジストレーション装置65において斜行補正やタイミング補正を行った後、記録材Sは二次転写部へと送られる。二次転写部は、対向する第一の二次転写部材である二次転写内ローラ603および第二の二次転写部材である二次転写外ローラ66により形成される転写ニップ部である。そして、所定の加圧力と静電的負荷バイアスが与えられることで、中間転写ベルト上のトナー像が記録材S上に転写される。
【0015】
<画像の作像プロセス>
以上説明した二次転写部までの記録材Sの搬送プロセスに対して、同様のタイミングで二次転写部までの画像形成プロセスについて説明する。
【0016】
本実施例では、イエロー(Y)のトナーにより画像を形成する画像形成部613Yと、マゼンタ(M)のトナーで画像形成する画像形成部Mと、シアン(C)のトナーで画像形成する画像形成部613Cと、ブラック(BK)のトナーで画像形成する画像形成部613BKを有する。画像形成部613Yと画像形成部613Mと画像形成部613Cと画像形成部613BKとは、トナーの色が異なる以外は、同様の構成であるため、代表して画像形成部613Yを用いて説明する。
【0017】
トナー像形成手段である画像形成部613Yは、像担持体である感光体608、感光体608を帯電する帯電器612、露光装置611a、現像装置610、一次転写装置607、および感光体クリーナ609から構成される。図中矢印mの方向に回転する感光体608は、帯電器612により表面を一様に帯電される。入力された画像情報の信号に基づいて露光装置611aが駆動し、回折部材611bを経由して、帯電された感光体608を露光することで、静電潜像が形成される。感光体608上に形成された静電潜像は、現像装置610により現像され、感光体上にトナー像が形成される。その後、一次転写部材607により所定の加圧力および静電的負荷バイアスにより、ベルト部材である中間転写ベルト606上にイエローのトナー像が転写される。その後、感光体608上に残った転写残トナーは感光体クリーナ609により回収され、再び次の画像形成に備える。
【0018】
以上説明した画像形成部613は図1の場合、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(Bk)の4セット存在する。そのため、中間転写ベルト606に形成されたイエローのトナー像に対して、画像形成部Mで形成されたマゼンタのトナー像が中間転写ベルト606に転写される。さらに、形成されたマゼンタのトナー像に対して、画像形成部Cで形成されたシアンのトナー像が中間転写ベルト606に転写される。さらに、シアンのトナー像に対して、画像形成部BKで形成されたブラックのトナー像が中間転写ベルト606に転写される。このように、異なる色のトナー像が中間転写ベルト606上に重ねられて形成されることで、フルカラー画像が中間転写ベルト606上に形成される。なお、本実施例の色数は4色であったが、色数は4色に限定されるものではなく、また色の並び順もこの限りではない。
【0019】
次に、中間転写ベルト606について説明する。中間転写ベルト606は駆動部材である駆動ローラ604、ステアリング部材であるステアリングローラ80、張架部材である張架ローラ617および二次転写内部材(張架部材)である二次転写内ローラ603によって張架されている。そして、中間転写ベルト606は図中矢印Vの方向へと搬送駆動されるベルト部材である。
【0020】
また、中間転写ベルト606に所定の張力を付与するテンションローラの機能はステアリングローラ1が兼ね備えているものとする。先述の各画像形成部613Y,613M,613C,613BKにより並列処理される各色の画像形成プロセスは、中間転写ベルト606上に一次転写された上流色のトナー像上に重ね合わせるタイミングで行われる。その結果、最終的にはフルカラーのトナー像が中間転写ベルト606上に形成され、二次転写部へと搬送される。なお、中間転写ベルト606を張架するローラの本数は図1の構成に限定されるものではない。
【0021】
<二次転写以降のプロセス>
以上、それぞれ説明した記録材Sの搬送プロセスおよび画像形成プロセスを以って、二次転写部において中間転写ベルト606に形成されたフルカラーのトナー像が記録材S上に二次転写される。その後、記録材Sは定着前搬送部67により定着装置68へと搬送される。定着装置68には様々な構成および方式があるが、図1では対向する定着ローラ615および加圧ベルト614が形成する定着ニップ内で所定の加圧力と熱量を与えて記録材S上にトナー像を溶融固着させるものである。ここで、定着ローラ615は内部に熱源となるヒータを備え、加圧ベルト614は複数の張架ローラとベルト内周面から付勢される加圧パッド616を備えている。定着装置を通過した記録材Sは分岐搬送装置69により、そのまま排紙トレイ600上に排出されるか、もしくは両面画像形成を要する場合には反転搬送装置601へと搬送されるかの経路選択が行われる。両面画像形成を要する場合、反転搬送装置601へと送られた記録材Sはスイッチバック動作を行うことで先後端を入れ替え、両面搬送装置602へと搬送される。その後、給紙装置61より搬送されてくる後続ジョブの記録材とのタイミングを合わせて、搬送ユニット64が有する再給紙パス64bから合流し、同様に二次転写部へと送られる。裏面(2面目)の画像形成プロセスに関しては、先述の表面(1面目)の場合と同様なので説明は省略する。
【0022】
なお、二次転写後に中間転写ベルト606に残留したトナー等の付着物はクリーニングブレード618を有するクリーニングユニットによって中間転写ベルト606から除去される。そして、次の作像に備えられる。中間転写ベルト606上から除去されたトナーは、搬送スクリュー619によって最終的には不図示の回収容器などに集められる。
【0023】
<中間転写ベルトのステアリング構成について>
図7は、図1に示した画像形成装置60が有する中間転写ベルトユニット700の斜視図であり、図7(a)は中間転写ベルト606を張架した状態、図7(b)は中間転写ベルト606を外した状態をそれぞれ示す。
【0024】
駆動ギア702から駆動が入力された駆動ローラ604の搬送力によって矢印V方向に搬送される中間転写ベルト606に対して、本実施例ではステアリングローラ80が摩擦力のバランスを利用したベルト自動調芯の機構を備えている。
【0025】
図8(a)は、本発明におけるステアリング装置であるベルト自動調芯機構装置を抜粋した斜視図である。ステアリング部材であるステアリングローラ80は中央部を構成する回転部である従動ローラ部81と回転部の回転軸線方向においてその両側(両端部)に設けられた摩擦部である摺動リング部82が同軸上に連結される形で構成されている。本実施例では、従動ローラ部81はストレート形状である。また、サイド支持部材85とスライド溝部(不図示)で嵌合するスライド軸受け83は弾性部材であるテンションバネ(圧縮バネ)84によって図中矢印P方向にスライド付勢される。従って、ステアリングローラ80は中間転写ベルト606の内周面に対して矢印K’方向にテンションを付与するテンションローラでもある。さらに、サイド支持部材85は回動プレート86とともに従動ローラ部81と摺動リング部82を支持する支持台(支持手段)を構成し、中央のステアリング軸線Jに関して図中矢印S方向に回動可能に回転軸であるステアリング軸で支持されている。ここで、フレームステー8は中間転写ベルトユニット500の筐体を構成する部材であり、ユニット前側板701Fおよびユニット後側板701Rの間に掛け渡されている。フレームステー87は両端側面部にスライドコロ88を備えており、回動プレート86の回動抵抗を低減する役割を果たしている。
【0026】
<自動調芯部の詳細構成>
本発明におけるベルト自動調芯機構部の端部付近の詳細図を図8(b)に示す。本実施例の摺動リング部82はローラ軸89の長手方向(回転軸線方向)の外側に向かって連続的に大径化するテーパー形状となっている。本実施例ではテーパー角φ=8°(図9(b)参照)に設定している。なお、本実施例では、テーパー形状としているが、ストレート形状であってもいい。
【0027】
ローラ軸89に対して、従動ローラ部81は内蔵される軸受け等により従動回転可能に支持され、両端の前記摺動リング部82は平行ピンなどを用いて従動回転不可能に支持されている。なお、本実施例では、摺動リング部82は、従動ローラ部81の回転方向において回転しないように固定されている構成であるが、この構成に限定されるものではない。摺動リング部が回転可能とする構成であってもいい。ただし、この場合には中間転写ベルト606の回転方向における摺動リング部を回転させるために必要なトルクが従動ローラ部の同方向に回転させるために必要なトルクよりも大きい構成であれば、ステアリング可能となる。
【0028】
ここで、ローラ軸89の端部はDカット形状等を有することで前記スライド軸受け83に対して回転不可能に支持される。従って、張架される中間転写ベルト606が搬送されたとき、ステアリングローラ80のうち従動ローラ部81はベルト内周面に対して摺擦しないが、両端部の摺動リング部82はベルトに対して摺動する関係になる。このような構成によってベルト自動調芯が可能となる原理について、以下詳細に説明する。
【0029】
<自動調芯の作動原理>
図10は摺動リング部82に巻き付いた中間転写ベルト606の断面を模式的に表した図である。既に説明したように、両端の摺動リング部82は従動不可能に支持されているため、ベルト搬送中は常にベルト内周面から摩擦抵抗を受けることになる。図10では、矢印V方向に搬送駆動される中間転写ベルト606が、巻き付き角θで摺動リング部82に巻き付いている。ここで、幅(ステアリングローラの軸線方向)については単位幅であるものとして考える。ある巻き付き角θにおける微小巻き付き角dθ分に相当するベルト長について考えると、上流側は緩み側なので張力T、下流側は張り側なので張力T+dTがそれぞれ接線方向に作用する。従って、該微小ベルト長において、ベルトが前記摺動リング部82の向心方向に与える力はTdθと近似され、摩擦力dFは摺動リング部82が摩擦係数μを有するものとすると、
dF=μTdθ ・・・(1)
で表される。ここで、張力Tは不図示の駆動ローラに支配されるものであり、駆動ローラが摩擦係数μを有するものとすると、
dT=−μTdθ ・・・(2)
【0030】
つまり、
【0031】
【数1】

【0032】
で表される。(2’)式を前記巻き付き角θにわたって積分すると張力Tは、
【0033】
【数2】

【0034】
のように得られる。なお、ここでTはθ=0における張力である。
【0035】
前記(1)式および(3)式から、
【0036】
【数3】

【0037】
となる。図10に示すように、前記ステアリング軸に関する支持台の回動方向が矢印S方向である場合、巻き付き始め(θ=0)の位置は該回動方向に対して偏角αを有することになる。従って、前記(4)式で示される力のうちS方向下向きの成分は、
【0038】
【数4】

【0039】
さらに、(5)式を前記巻き付き角θにわたって積分すると、
【0040】
【数5】

【0041】
のように、ベルト搬送中において前記摺動リング部82が中間転写ベルトから受ける矢印S方向下向きの力(単位幅あたり)が得られる。
【0042】
図9は図10を矢印TV方向から見た上視図に相当するものであり、図9(a)は自動調芯によって釣り合った定常状態で、ベルトの掛かり位置は称呼(中央)の位置にある場合を示す。一方、図9(b)はベルトが矢印V方向に搬送されたとき、向かって左側にベルト寄りを生じた場合を示す。
【0043】
図9(a)に示すように、本実施例では、中間転写ベルト606の幅Lは従動ローラ部81の長さLよりも長く、ステアリングローラの全長L+2L(従動ローラ部+摺動リング部両端分)よりも短い関係にある。そして、称呼の状態では常にベルトが摺動リング部に対して掛かり幅を有して摺擦している。即ち、正常にステアリング動作を行える状態時には、ベルトが摺動リング部に対して掛かり幅を有して摺擦している。そのため、本実施例では、ベルトが一方の摺動リング部のみにしか接触していない場合には、異常時と判断するものとする。
【0044】
これに対し、ベルト寄りが発生した図9(b)では、中間転写ベルト606と摺動リング部82の掛かり幅の関係が、向かって左側だけが掛かり幅wを有する偏った状態になったと仮定する。即ち、摺動リング部82は左側がFw、右側が0の力をS方向下向きにそれぞれ受けている。そして、このような両端部での摩擦力差が前記ステアリング軸まわりのモーメントFwL(図9(b)の仮定では寄った側である左側が下がる方向)を生じさせる原動力であることが説明できる。以下、前記ステアリング軸回りのモーメントのことをステアリングトルクと呼ぶものとする。
【0045】
以上の原理によって生じたステアリングローラは、中間転写ベルト606の寄りを元に戻す方向(中央側)に移動するように傾斜することで、自動調芯を行うことが可能になる。なお、本実施例では、摺動リング部82にテーパー角を設けることで、摩擦係数μだけに依存しない系としている。比較的低い摩擦係数μに設定するで、耐久による経時的は変動に強く、また急激なステアリング動作を回避することができる。特に中間転写ベルト606のように作像に関わるベルト部材の場合には、急激なステアリング動作がもたらすベルト搬送方向の変化が主走査色ズレを招くことから、摩擦係数μの設定は非常に重要な要素である。具体的には、本実施例で用いる摺動リング部82の材質は、摺動性を有するPOM(ポリアセタール)などの樹脂材料を使用し、μ=0.3、テーパー角φ=8°程度に設定している。さらには中間転写ベルト606との摩擦帯電による静電的な弊害を考慮して、摺動リング部82には導電性も付与してある。また、図9(a)を用いて既に説明した中間転写ベルト606と摺動リング部82の幅方向の寸法関係も、主走査色ズレの要因となる急激なステアリング動作の回避を意図したものである。なぜならば、図9(a)の寸法関係は常時摩擦力のバランス差を検知できるため、こまめな調芯動作が可能となるからである。
【0046】
<押え部材の構成>
図2は本実施例における中間転写ベルトが有するステアリングローラの端部拡大図である。具体的には、図8で説明した自動調芯機構と同様の構成からなるステアリングローラであり、基本的に異なる部分は本発明の特徴である押え部材2が設けられている部分である。
【0047】
ステアリングローラは、ローラ軸89に対して従動可能に軸支される従動ローラ部81とその両端(図2では一端のみ図示)に設けられた従動不可能な摺動リング部82からなる。本実施例では、摺動リング部82は、外側に向かって外径が徐々に大径化するテーパー形状を有している。ローラ軸89は端部がDカット形状等の回転止め形状を有し、スライド軸受け1に対して回転不可能に支持される。本実施例におけるスライド軸受け1はボス部1a、ホルダー部1b、スライド溝1cを有している。ボス部1aにはテンションバネ84の内径が嵌り、ステアリングローラ全体が所定のテンションで中間転写ベルト606の内周に付勢される。すなわち、ステアリングローラがベルトテンションを付与するテンションローラを兼ねる構成となっている。ホルダー部1bは、内側に弾性体で形成された押え部材2が貼り付けられており、押え部材2は摺動部材82のテーパー形状に倣って潰し量を有する。スライド溝1cは、図8に示すサイド支持部材85に嵌ることで、前記テンションバネの付勢方向にスライド軸受け1が移動できるように案内するものである。
【0048】
ホルダー部1bおよび押え部材2について、図3を用いてさらに詳細に説明する。図3は、図2に示す面Pc(押え部材2の内側端面を含む面)においてカットした時の断面図を示し、さらに中間転写ベルト606が張架された状態を表す。図3から分かるように、押え部材2は、中間転写ベルト606の外面と接触し、摺動部材82に向かって、中間転写ベルト606を押さえつけている。ホルダー部1bはベルト巻き付き角θsを覆うような円弧形状を有しており、その内周面の押え部材2は、摺動リング部82全幅と従動ローラ部81の一部にかかる幅Wbを有し、摺動リング部82のテーパー形状の大径側を基準に設けられている。
【0049】
ここで幅Wbについては、図10で説明した各部の長さとの間にWb≧L+2LーLの関係が成り立つようにしている。すなわち、押え部材2の幅Wbは、中間転写ベルト606が物理的に蛇行できる量以上の幅に設定されており、これによって押え部材2が常にベルト端部を踏みつけた状態、即ち、ベルト端部を覆っている状態とすることができる。その結果、ベルトエッジが押え部材2に侵入する際に捲れたりする懸念がなく、自動調芯動作中に中間転写ベルト606がスラスト方向によりスムーズに移動できるようになる。また、本実施例では押え部材2を一様な厚さの発砲材などの弾性層を有する構成であり、摺動リング部82の大径側に向かうほど潰し量が大きくなるようにしてある。これによって、ベルト寄り量が大きくなるほど押え部材2による付勢力を大きくすることができ、ベルト端部の伸びによる波打ちが発生してもより確実かつ効率的に摩擦力を発生させることが可能となる。即ち、摺動リング部82の幅方向における摺動リング部82の端部側の領域(外側の第一領域)を押え部材が付勢する付勢力は、摺動リング部82の幅方向における従動ローラ部81側の領域(内側の第二領域)を押え部材が付勢する付勢力よりも大きくする。この構成により、摺動リング部82の外側に向かうほど、ベルトと摺動リング部82との当接圧を高くすることで、ベルト端部が摺動リング部82からはみ出して、寄り切ってしまうことを未然に低減することができる。
【0050】
ここで、本実施例における中間転写ベルト606は、ポリイミドを基層とする樹脂ベルトとし、引張り弾性係数E=18000N/cm程度としている。このように、中間転写ベルト606は実用範囲内ではほとんど伸びを生じない特性を有しているため、自動調芯の動作に伴う周長変化要因は前記テンションバネ84が伸縮することで吸収する。すなわち、ステアリングローラの軸線は自動調芯に伴い、その傾きを変化させている。これに対して、本実施例の構成では押え部材2が前記スライド軸受け1と一体的に保持されているため、その傾き変化に追従することが可能となっている。その結果、自動調芯を行っても押え部材2の潰れ量は安定した状態を維持できる。
【0051】
このように本実施例によれば、自由端であるベルト端部の状態が好ましくないとき、即ち、波打ち等が発生した場合であっても、ベルト部材と摩擦部の間において所望の摩擦力を得ることが可能となる。その結果、ベルト部材の自由端と摩擦部との接触安定性を高めて、ベルト部材の寄りに対する応答性を高めることができる。
【0052】
なお、本実施例では中間転写ベルトを有するカラー画像形成装置を例に説明したが、その他のベルト駆動装置およびこれを有する画像形成装置であっても構わない。具体的には、ベルト部材としての転写ベルトに転写材を吸着させて、転写材上に各色の画像を順次重ね合わせる直接転写ベルトユニットおよびこれを備えた画像形成装置であってもいい。また、ベルト部材として感光体ベルトに直接帯電、露光、現像のプロセスを行い、これを各色順次重ね合わせる感光体ベルトユニットおよびこれを備えた画像形成装置に対しても適用できる。なお、本実施例に示した摺動リング部82のパラメータ設定はあくまでも一例であり、摩擦係数μおよびテーパー角φの値は一意的に限定されるものではない。
【0053】
(実施例2)
本実施例は、基本的には実施例1で説明した中間転写ベルトユニット700およびこれを備えた画像形成装置60と同様の構成を有する。従って、画像形成装置60の構成および動作原理についての説明は省略し、異なる部分を中心に説明をする。また、以下同一部分については同じ符号を用いて説明をする。
【0054】
<押え部材の構成>
図4は本発明の実施例2における中間転写ベルトが有するステアリングローラの端部拡大図である。具体的には、図8で説明した自動調芯機構と同様の構成からなるステアリングローラであり、基本的に異なる部分は本発明の特徴である押え部材2を支持する支持構成である。
【0055】
ステアリングローラは、ローラ軸89に対して従動可能に軸支される従動ローラ部81とその両端(図4では一端のみ図示)に設けられた従動不可能な摺動リング部82からなる。摺動リング部82は、外側に向かって外径が徐々に大径化するテーパー形状を有している。ローラ軸89は端部がDカット形状等の回転止め形状を有し、スライド軸受け83に対して回転不可能に支持される。本実施例におけるスライド軸受け83はボス部とスライド溝(いずれも不図示)を有しており、ボス部にはテンションバネ84の内径が嵌り、ステアリングローラ全体が所定のテンションで中間転写ベルト606の内周に付勢される。すなわち、ステアリングローラがベルトテンションを付与するテンションローラを兼ねる構成となっている。また、スライド溝はサイド支持部材85に嵌り、テンションバネ84の伸縮動作に応じてスライド軸受け83が移動できるように案内される。
【0056】
ここで、本実施例では、摺動リング82の側面からホルダー部材3がビス35によって締結されている。ホルダー部材3は、内側に弾性体で形成された押え部材2が貼り付けられており、該押え部材2は前記摺動部材82のテーパー形状に倣って潰し量を有する。
【0057】
ホルダー部材3および押え部材2は、基本的に実施の形態1において説明した図3と同様の構成を有し、ベルト巻き付き角θsを覆うような円弧形状となっている。また、その内周面の押え部材2は、摺動リング部82全幅と従動ローラ部81の一部にかかる幅Wbを有し、摺動リング部82のテーパー形状の大径側を基準に設けられている。幅Wbについても、実施の形態1と同様に、Wb≧L+2LーLの関係が成り立つようになっており、押え部材2が常にベルトエッジを踏みつけた状態となる。その結果、ベルトエッジが押え部材2に侵入する際に捲れたりする懸念がなく、自動調芯動作中に中間転写ベルト606がスラスト方向によりスムーズに移動できるようになっている。また、押え部材2は一様な厚さの発砲材などで形成しており、摺動リング部82の大径側に向かうほど潰し量が大きくなるようにしてある。これによって、ベルト寄り量が大きくなるほど押え部材2による付勢力を大きくすることができ、ベルト端部の伸びによる波打ちが発生してもより確実かつ効率的に摩擦力を発生させることが可能となる。
【0058】
以上のように、実施の形態2では、ホルダ部材3および押え部材2を摺動リング部82と一体的に構成することによって、自動調芯動作に伴うステアリングローラの傾き変化に追従させ、押え部材2の潰れ量が安定した状態を維持できるようになっている。
【0059】
このように本実施例によれば、自由端であるベルト端部の状態が好ましくないとき、即ち、波打ち等が発生した場合であっても、ベルト部材と摩擦部の間において所望の摩擦力を得ることが可能となる。その結果、ベルト部材の自由端と摩擦部との接触安定性を高めて、ベルト部材の寄りに対する応答性を高めることができる。
【0060】
なお、実施例2についても、実施例1と同様に、中間転写ベルトを有するカラー画像形成装置のみならず、その他のベルト駆動装置およびこれを有する画像形成装置に適用が可能である。
【0061】
(実施例3)
本発明の実施例3は、実施例1で説明した中間転写ベルトユニット700及び備えた画像形成装置60において、ステアリング装置の配置を実施例1と異ならせたものである。実施例1における駆動ローラ604とステアリングローラ80の配置を、本実施例では入れ替えた構成である。即ち、クリーニングブレード618が中間転写ベルトを介して押圧するローラをステアリングローラ80であり、張架ローラ617と転写内ローラ603の間に駆動ローラ604が配置される。従って、画像形成装置60の構成および動作原理についての説明は省略し、異なる部分を中心に説明をする。また、以下同一部分については同じ符号を用いて説明をする。
【0062】
<押え部材の構成>
図5は本実施例におけるステアリングローラ80を有するステアリング装置800と、それに装着されるクリーニングユニットの関係について説明する斜視図である。クリーニングユニット43は、図1において説明した転写クリーナ装置620に設けられた中間転写ベルト606上の転写残トナーを掻き取るクリーニングブレード618及びクリーニングブレードを支持するクリーニングブレード支持部とを有するものである。
【0063】
ステアリングローラ80は、中間転写ベルトユニットの筐体の一部であるフレームステー87に設けられ、軸線Jを回動中心とする矢印S方向の旋回動作が可能となっている。ステアリングローラは、従動ローラ部81とその両端の摺動部82とから構成され、ローラ軸(不図示)が2つのスライド軸受け40によって回転不可能に支持される。スライド軸受け40は、サイド支持部材85に対してスライド動作が可能なように嵌合し、テンションバネ84によって不勢力を受ける。すなわち、ステアリングローラがベルトテンションを付与するテンションローラを兼ねる構成となっている。ここで、前記スライド軸受け40およびサイド支持部材85は、それぞれクリーニングユニット43の位置決めおよび固定を行う、固定ボス40a、位置決めピン40bおよび42、タップ41を備えている。
【0064】
次に、クリーニングユニット43の構成について説明する。ブレード支持板45が、ゴムなどの弾性体で構成されたクリーニングブレード618とその両端の端部シールホルダ46とを一体的に保持し、端部シールホルダ46には押え部材47が貼り付けられている。ブレード支持板45は、さらにブレード加圧板48に取り付けられ、ブレード加圧板48は揺動中心軸401によってクリーニングユニットステー49に対して揺動可能に支持される。このとき、ブレード加圧板48とクリーニングユニットステー49は互いにブレードバネ400で連結され、クリーニングブレード618の先端が従動ローラ部81に対して所定の角度および圧にて当接する。ここで、クリーニングユニットステー49の前側板部分49Fおよび後側板部分49Rは、前記ステアリングローラへ装着する際の位置決め穴および長丸穴をそれぞれ有する。具体的には、後側板部分49Rの位置決め穴にスライド軸受け40が有する位置決めピン40b、長丸穴にサイド支持部材85が有する位置決めピン42がそれぞれ嵌合する。前側板部分49Fの位置決め穴にはスライド軸受け40が有する固定ボス40a、長丸穴にはサイド支持部材が有するタップ41がそれぞれ対応するが、固定ボス40aは先端が段付きかつ端面にタップを有しているため、嵌合した後に固定される。タップ41に対しては固定用段ビス50(図6参照)が用いられ、段ビスの軸径が前記前側板部分49Fの長丸穴に嵌合するようになっている。以上を分かりやすく示したものが図5における軸線K1およびK2であり、各々の軸線でステアリングローラ80とクリーニングユニット43が互いに位置決めおよび連結すると、図6に示すような装着状態となる。なお、図6では分かりやすいように張架される中間転写ベルト606を仮想的に示してある。なお、クリーニングユニット43は搬送スクリューを有するクリーナケースで覆われた形で転写クリーナ装置となる。
【0065】
図6からも分かるように、実施の形態3におけるクリーニングブレード618の幅は従動ローラ部81よりも狭く、必ず従動ローラ部に対してのみ当接するようになっている。その分、端部シールホルダ46および押え部材47は、摺動リング部82の大径側端面を基準に、摺動リング部全幅および従動ローラ部81の一部にまたがる幅Wbで当接するようになっている。ここで幅Wbについては、実施の形態1と同様にWb≧L+2LーLの関係が成り立つようにしており、押え部材47が常にベルトエッジを踏みつけた状態を維持するようになっている。その結果、ベルトエッジが押え部材47に侵入する際に捲れたりする懸念がなく、自動調芯動作中に中間転写ベルト606がスラスト方向によりスムーズに移動できるようになる。また、端部シールホルダ46はベルト巻き付き角θsを覆うような円弧形状を有し、その内周面の押え部材47は一様な厚さの発砲材などで形成しており、摺動リング部82の大径側に向かうほど潰し量が大きくなるようにしてある。これによって、ベルト寄り量が大きくなるほど押え部材47による付勢力を大きくすることができ、ベルト端部の伸びによる波打ちが発生してもより確実かつ効率的に摩擦力を発生させることが可能となる。
【0066】
以上のように、実施の形態3では、クリーニングユニット43が前記スライド軸受け40に対して位置決めされる構成であるため、自動調芯動作に伴うステアリングローラの傾き変化にクリーニングブレード618および端部シールホルダ46が追従可能であり、ブレード当接圧および押え部材47の潰れ量がともに安定した状態を維持できる。
【0067】
このように本実施例によれば、ステアリング部材とクリーニングブレードとをベルト部材を介して対向する構成であった。しかし、このような構成であっても、自由端であるベルト端部の状態が好ましくないとき、即ち、波打ち等が発生した場合であっても、ベルト部材と摩擦部の間において所望の摩擦力を得ることが可能となる。その結果、ベルト部材の自由端と摩擦部との接触安定性を高めて、ベルト部材の寄りに対する応答性を高めることができる。
【0068】
なお、本実施例では、中間転写ベルトを有し、中間転写ベルトをクリーニングするクリーニングブレードを有するカラー画像形成装置を説明した。しかし、中間転写ベルトに限らず、ベルト部材をクリーニングするクリーニングブレードを有し、クリーニングブレードとステアリング部材とがベルト部材を介して対向する構成を有する装置に対して適用可能である。具体的には、ベルト部材としての転写ベルトに転写材を吸着させて、転写材上に各色の画像を順次重ね合わせる直接転写ベルトユニットおよびこれを備えた画像形成装置であってもいい。また、ベルト部材として感光体ベルトに直接帯電、露光、現像のプロセスを行い、これを各色順次重ね合わせる感光体ベルトユニットおよびこれを備えた画像形成装置に対しても適用できる。
【0069】
以上本発明の実施例について説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術思想内であらゆる変形が可能である。
【符号の説明】
【0070】
1、40、83 スライド軸受け
2、47 押え部材
80 ステアリングローラ
81 従動ローラ部
82 摺動リング部
84 テンションバネ
85 サイド支持部材
86 回転プレート
87 フレームステー
88 スライドコロ
89 ステアリング軸
401 揺動中心軸
606 中間転写ベルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能なベルト部材と、前記ベルト部材を張架する張架部材と、を備え、前記ベルト部材の回転に伴い回転する回転部と、前記回転部の回転軸線方向において前記回転部の両側の外側にそれぞれ設けられ、前記ベルト部材と摺擦する摩擦部と、を有するステアリング部材と、前記ステアリング部材を支持する支持手段と、前記支持手段を回動可能に支持する回転軸と、を有し、前記ベルト部材を張架し、前記ベルト部材と前記摩擦部との摺擦により生ずる力により前記ステアリング部材が傾斜することにより前記ベルト部材を中央側にステアリング可能とするステアリング装置と、を備えたベルト駆動装置において、
前記ベルト部材の外面と接触し、前記回転軸線方向における少なくとも前記ベルト部材の端部を含む前記ベルト部材の端部の領域を前記摩擦部に押圧する押え部材が両端に設けられていることを特徴とするベルト駆動装置。
【請求項2】
前記押え部材の前記回転軸線方向の長さは、前記摩擦部の前記回転軸線方向の長さよりも長いことを特徴とする請求項1に記載のベルト駆動装置。
【請求項3】
前記ベルト部材の前記回転軸線方向における長さは、前記回転部の前記回転軸線方向の長さよりも長いことを特徴とする請求項2に記載のベルト駆動装置。
【請求項4】
前記押え部材が前記ベルト部材を介して摩擦部の前記回転軸線方向における外側の第一領域を付勢する付勢力は、前記ベルト部材を介して摩擦部の前記回転軸線方向における内側の第二領域を付勢する付勢力よりも大きいことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のベルト駆動装置。
【請求項5】
前記摩擦部は、前記回転軸線方向において外側に向かうに従い外径が大きくなるテーパー形状であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のベルト駆動装置。
【請求項6】
前記押え部材は、前記ステアリング部材を支持する軸受け部材に設けられることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のベルト駆動装置。
【請求項7】
回転可能なベルト部材と、前記ベルト部材にトナー像を形成するトナー像形成手段と、前記ベルト部材に形成されたトナー像を記録材に転写する転写手段と、前記ベルト部材を張架する張架部材と、を備え、前記ベルト部材の回転に伴い回転する回転部と、前記回転部の回転軸線方向において前記回転部の両側の外側にそれぞれ設けられ、前記ベルト部材と摺擦する摩擦部と、を有するステアリング部材と、前記ステアリング部材を支持する支持手段と、前記支持手段を回動可能に支持する回転軸と、を有し、前記ベルト部材を張架し、前記ベルト部材と前記摩擦部との摺擦により生ずる力により前記ステアリング部材が傾斜することにより前記ベルト部材を中央側にステアリング可能とするステアリング装置と、を備えた画像形成装置において、
前記ベルト部材の外面と接触し、前記回転軸線方向における少なくとも前記ベルト部材の端部を含む前記ベルト部材の端部の領域を前記摩擦部に押圧する押え部材が両端に設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
前記ベルト部材の付着物を除去するクリーニングブレードを有するクリーニングユニットを備え、前記クリーニングブレードの前記回転軸線方向における幅が前記回転部の前記回転軸線方向における幅よりも小さく、前記クリーニングブレードの両端に前記押え部材が設けられていることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−12136(P2012−12136A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−148201(P2010−148201)
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】