説明

ベンゼンスルホニルアミノ化合物およびそれらを含む医薬組成物

式(I)
【化1】


の化合物は、ペルオキソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)と結合する薬剤を提供する。従って、本発明の化合物は、哺乳動物におけるPPAR受容体活性が介在する状態の処置に有用である。このような状態は異常脂質血症、高脂血症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、高グリセリド血症、心不全、心筋梗塞、血管疾患、心臓血管疾患、高血圧、肥満症、炎症、関節炎、癌、アルツハイマー病、皮膚障害、呼吸器疾患、眼障害、炎症性腸疾患(IBD)、潰瘍性大腸炎およびクローン病、および耐糖能異常、高血糖症およびインスリン抵抗性が関連している状態、例えば1型および2型糖尿病、およびシンドロームXを含む。


【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、式
【化1】

〔式中、
およびRは、独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシ、所望により置換されているアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アラルキルまたはヘテロアラルキルであるか;または
およびRは、それらが結合している炭素原子と一体となって、所望により置換されている縮合5−から6−員芳香族性またはヘテロ芳香環を形成する。ただし、RおよびRは、互いに隣接した炭素原子と結合している;または
およびRは、一緒になってアルキレンであり、それはそれらが結合している炭素原子と一体となって縮合5−から7−員環を形成する。ただし、RおよびRは、互いに隣接した炭素原子と結合している;または
−CおよびR−Cは、独立して窒素で置換されていてよく;
は水素または所望により置換されている低級アルキルであり;
Xは−Z−(CH)−Q−Wであり、ここで、
Zは結合、O、S、S(O)、S(O)または−C(O)−であるか;または
Zは−C(O)NR−であり、ここで、
は水素、アルキルまたはアラルキルであり;
pは1から8の整数であり;
Qは結合であるか;または
Qは−O(CH)−または−S(CH)−であり、ここで、
rは0もしくは1から8の整数であるか;または
Qは−C(O)−または−C(O)NR−であり、ここで、
は水素、所望により置換されているアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルまたはヘテロアラルキルであるか;または
Qは−NR−、−NRC(O)−、−NRC(O)NR−または−NRC(O)O−であり、ここで、
は水素、所望により置換されているアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルまたはヘテロアラルキルであり;
は水素、アルキルまたはアラルキルであり;
Wはシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アラルキルまたはヘテロアラルキルであるか;または
WおよびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、3−から7−員単環式または8−から12−員二環式環を形成し、それは所望により置換されていてよく、または、酸素、窒素および硫黄から選択されるさらなるヘテロ原子を含んでいてよい;または
WおよびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、3−から7−員単環式または8−から12−員二環式環を形成し、それは所望により置換されていてよく、または、酸素、窒素および硫黄から選択されるさらなるヘテロ原子を含んでいてよく;
Lは炭素原子を介して結合している5−員芳香族性ヘテロ環である。〕
の化合物、またはその薬学的に許容される塩;またはそれらのプロドラッグ誘導体を提供する。
【0002】
本発明の化合物は、ペルオキソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)と結合する薬剤を提供する。従って、本発明の化合物は哺乳動物における、PPAR受容体活性が介在する状態の処置に有用である。このような状態は、異常脂質血症、高脂血症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、高グリセリド血症、心不全、心筋梗塞、血管疾患、心臓血管疾患、高血圧、肥満症、炎症、関節炎、癌、アルツハイマー病、皮膚障害、呼吸器疾患、眼障害、炎症性腸疾患(IBD)、潰瘍性大腸炎およびクローン病を含む。本発明の化合物は、哺乳動物において血糖低下剤として、耐糖能異常、高血糖症およびインスリン抵抗性が関連している状態、例えば1型および2型糖尿病、およびシンドロームXの処置および予防のために特に有用である。
【0003】
下記は、本発明の化合物の記載に使用する様々な用語の定義である。これらの定義は、それらが明細書を通して使用されているとき、例えば、ある基の結合点が基内の特定の原子に限定され、該結合点が特定の原子での矢印により定義されるもののような、独立して、またはより大きな基の一部として他の限定がない限り、適用される。
【0004】
“所望により置換されているアルキル”なる用語は、1個から20個の炭素原子、好ましくは1個から7個の炭素原子を有する、非置換または置換直鎖または分枝鎖炭化水素基を意味する。非置換アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、4,4−ジメチルペンチル、オクチルなどを含む。置換アルキル基は、1個またはそれ以上の下記基で置換されているアルキル基を含むが、これらに限定されない:ハロ、ヒドロキシ、シクロアルキル、アルカノイル、アルコキシ、アルキルオキシアルコキシ、アルカノイルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルカノイルアミノ、チオール、アルキルチオ、アルキルチオノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、スルホンアミド、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリール、アルケニル、アルキニル、アラルコキシ、グアニジノ、ヘテロシクリル(インドリル、イミダゾリル、フリル、チエニル、チアゾリル、ピロリジル、ピリジル、ピリミジル、ピペリジル、モルホリニルを含む)など。
【0005】
“低級アルキル”なる用語は、1個から4個の炭素原子を有する、上記のアルキル基を意味する。
【0006】
“ハロゲン”、“ハライド”または“ハロ”なる用語は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を意味する。
【0007】
“アルケニル”は、少なくとも2個の炭素原子を有し、かつ、さらに炭素と炭素二重結合を結合点に含む、上記のすべてのアルキル基を意味する。2個から4個の炭素原子を有する基が好ましい。
【0008】
“アルキニル”なる用語は、少なくとも2個の炭素原子を有し、かつ、さらに炭素と炭素三重結合を結合点に含む、上記のすべてのアルキル基を意味する。2個から4個の炭素原子を有する基が好ましい。
【0009】
“アルキレン”なる用語は、一重結合により結合した1個から6個の炭素原子の直鎖架橋(例えば、(CH)xであって、ここでxは1から6である)を意味し、それは酸素、硫黄および窒素から選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子で中断されていてよく、そしてアルキル、アルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、シクロアルキル、アルカノイル、アルキルオキシアルコキシ、アルカノイルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アシルアミノ、カルバモイル、チオール、アルキルチオ、アルキルチオノ、スルホニル、スルホンアミド、スルファモイル、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリール、アラルコキシ、グアニジノ、ヘテロシクリル(インドリル、イミダゾリル、フリル、チエニル、チアゾリル、ピロリジル、ピリジル、ピリミジル、ピペリジル、モルホリニルを含む)などのような1個から3個の置換基で置換されていてよい。
【0010】
“シクロアルキル”は、所望により置換されている3個から12個の炭素原子の単環式、二環式または三環式炭化水素基を意味し、その各々は、アルキル、ハロ、オキソ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルカノイル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、チオール、アルキルチオ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルボキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルキル−およびアリールスルホニル、スルホンアミド、ヘテロシクリルなどのような1個またはそれ以上の置換基で置換されていてよい。
【0011】
単環式炭化水素基の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシルおよびシクロヘキセニルなどを含むが、これらに限定されない。
【0012】
二環式炭化水素基の例は、ボルニル、インジル(indyl)、ヘキサヒドロインジル、テトラヒドロナフチル、デカヒドロナフチル、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプテニル、6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプチル、2,6,6−トリメチルビシクロ[3.1.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチルなどを含む。
【0013】
三環式炭化水素基の例は、アダマンチルなどを含む。
“アルコキシ”なる用語は、アルキル−O−を意味する。
“アシル”なる用語は、アルカノイル、アロイル、ヘテロアロイル、アリールアルカノイルまたはヘテロアリールアルカノイルを意味する。
“アルカノイル”なる用語は、アルキル−C(O)−を意味する。
【0014】
“アルカノイルオキシ”なる用語は、アルキル−C(O)−O−を意味する。
“アルキルアミノ”および“ジアルキルアミノ”なる用語は、各々アルキル−NH−および(アルキル)N−を意味する。
“アルカノイルアミノ”なる用語は、アルキル−C(O)−NH−を意味する。
“アルキルチオ”なる用語は、アルキル−S−を意味する。
【0015】
“アルキルアミノチオカルボニル”なる用語は、アルキル−NHC(S)−を意味する。
“トリアルキルシリル”なる用語は、(アルキル)Si−を意味する。
“トリアルキルシリルオキシ”なる用語は、(アルキル)SiO−を意味する。
“アルキルチオノ”なる用語は、アルキル−S(O)−を意味する。
【0016】
“アルキルスルホニル”なる用語は、アルキル−S(O)−を意味する。
“アルコキシカルボニル”なる用語は、アルキル−O−C(O)−を意味する。
“アルコキシカルボニルオキシ”なる用語は、アルキル−O−C(O)O−を意味する。
【0017】
“カルバモイル”なる用語は、アルキル−NHC(O)−、(アルキル)NC(O)−、アリール−NHC(O)−、アルキル(アリール)−NC(O)−、ヘテロアリール−NHC(O)−、アルキル(ヘテロアリール)−NC(O)−、アラルキル−NHC(O)−、アルキル(アラルキル)−NC(O)−などを意味する。
【0018】
“アリール”なる用語は、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、ビフェニルおよびジフェニル基のような、6個から12個の炭素原子を環部分に有する単環式または二環式芳香族性炭化水素基を意味し、これらの各々は、所望により、アルキル、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルカノイル、アルカノイルオキシ、所望により置換されているアミノ、チオール、アルキルチオ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルボキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルキルチオノ、アルキル−およびアリールスルホニル、スルホンアミド、ヘテロシクロイルなどのような1個から4個の置換基で置換されていてよい。
【0019】
“単環式アリール”なる用語は、所望により置換されている、アリールの下に定義した通りのフェニルである。
“アラルキル”なる用語は、ベンジルのような直接アルキル基を介して結合しているアリール基を意味する。
“アラルキルチオ”なる用語は、アラルキル−S−を意味する。
【0020】
“アラルコキシ”なる用語は、アルコキシ基を介して直接結合しているアリール基を意味する。
“アリールスルホニル”なる用語は、アリール−S(O)−を意味する。
“アリールチオ”なる用語は、アリール−S−を意味する。
【0021】
“アロイル”なる用語は、アリール−C(O)−を意味する。
“アロイルアミノ”なる用語は、アリール−C(O)−NH−を意味する。
“アリールオキシカルボニル”なる用語は、アリール−O−C(O)−を意味する。
【0022】
“ヘテロシクリル”または“ヘテロシクロ”なる用語は、例えば、3−から7−員単環式、7−から12−員二環式または10−から15−員三環式環系であり、少なくとも1個のヘテロ原子を少なくとも1個の炭素原子含有環に有する、所望により置換されている、完全に飽和または不飽和、芳香族性または非芳香族性環状基を意味する。ヘテロ原子を含むヘテロ環式基の各環は、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選択される1個、2個または3個のヘテロ原子を有し、ここで、窒素および硫黄ヘテロ原子はまた所望により酸化されていてもよい。該ヘテロ環式基は、ヘテロ原子または炭素原子で結合している。
【0023】
単環式ヘテロ環式基の例は、ピロリジニル、ピロリル、ピラゾリル、オキセタニル、ピラゾリニル、イミダゾリル、トリアゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、イソキサゾリニル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、イソチアゾリジニル、フリル、テトラヒドロフリル、チエニル、オキサジアゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロロジニル、2−オキソアゼピニル、アゼピニル、4−ピペリドニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、1,3−ジオキソランおよびテトラヒドロ−1,1−ジオキソチエニルなどを含む。
【0024】
二環式ヘテロ環式基の例は、インドリル、ジヒドロインドリル(dihydroidolyl)、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサジニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾチアジニル、キヌクリジニル、キノリニル、テトラヒドロキノリニル、デカヒドロキノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロイソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾピラニル、インドリジニル、ベンゾフリル、クロモニル、クマリニル、ベンゾピラニル、シノリニル、キノキサリニル、インダゾリル、ピロロピリジル、フロピリジニル(例えば、フロ[2,3−c]ピリジニル、フロ[3,2−b]−ピリジニル]またはフロ[2,3−b]ピリジニル)、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロキナゾリニル(例えば、3,4−ジヒドロ−4−オキソ−キナゾリニル)、フタラジニルなどを含む。
【0025】
三環式ヘテロ環式基の例は、カルバゾリル、ジベンゾアゼピニル、ジチエノアゼピニル、ベンズインドリル、フェナンスロリニル、アクリジニル、フェナンスリジニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、キサンテニル、カルボリニルなどを含む。
【0026】
“ヘテロシクリル”なる用語は、置換ヘテロ環式基を含む。置換ヘテロ環式基は、下記からなる群から選択される1個、2個または3個の置換基で置換されているヘテロ環式基を意味する:
(a)アルキル;
(b)ヒドロキシ(または保護ヒドロキシ);
(c)ハロ;
(d)オキソ(すなわち=O);
(e)所望により置換されているアミノ、アルキルアミノまたはジアルキルアミノ;
(f)アルコキシ;
(g)シクロアルキル;
(h)カルボキシ;
(i)ヘテロシクロオキシ;
(j)アルコキシカルボニル、例えば非置換低級アルコキシカルボニル;
(k)ニトロ;
(l)シアノ;
(m)スルホンアミド、スルホンアミドアルキル、スルホンアミドアリールまたはスルホンアミドジアルキル;
(n)アルキルカルボニルオキシ;
(o)アリールカルボニルオキシ;
(p)アリールチオ;
(q)アリールオキシ;
(r)アルキルチオ;
(s)カルバモイル;および
(t)所望によりアルキル、シクロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノまたはハロで置換されているアリール。
【0027】
“ヘテロシクロオキシ”なる用語は、酸素架橋を介して結合しているヘテロ環式基を意味する。
【0028】
“ヘテロアリール”なる用語は、芳香族性ヘテロ環、例えば単環式または二環式アリール、例えば、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、フリル、チエニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、インドリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチエニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフリルなどを意味し;所望により、例えば、低級アルキル、低級アルコキシまたはハロで置換されている。
【0029】
“ヘテロアリールスルホニル”なる用語は、ヘテロアリール−S(O)−を意味する。
“ヘテロアロイル”なる用語は、ヘテロアロイル−C(O)−を意味する。
“ヘテロアラルキル”なる用語は、アルキル基を介して結合しているヘテロアリール基を意味する。
【0030】
本発明の化合物の薬学的に許容される塩は、例えば、ピラゾリル、イミダゾリルまたはトリアゾリル部分が構造の一部を構成するとき、特に、酸と形成される塩、すなわち、酸付加塩を意味する。本酸付加塩は、鉱酸、有機カルボン酸または有機スルホン酸と、例えば、それぞれ塩酸、マレイン酸およびメタンスルホン酸と形成し得る。
【0031】
同様に、塩基と形成された塩、例えば、カチオン塩、例えば、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムのようなアルカリおよびアルカリ土類金属塩、ならびにアンモニウム、トリメチルアンモニウム、ジエチルアンモニウムおよびトリス(ヒドロキシメチル)−メチルアンモニウム塩のようなアンモニウム塩、ならびにアミノ酸との塩が、酸性基が構造の一部を構成するとき、可能である。
【0032】
本発明のすべての化合物のプロドラッグ誘導体は、投与後に親化合物をインビボである化学的または生理学的過程を介して放出する、例えば、プロドラッグが生理学的pHにされたときまたは酵素反応を介して親化合物に変換する、該化合物の誘導体である。プロドラッグ誘導体の例は、例えば、遊離カルボン酸のエステルならびにチオール、アルコールまたはフェノールのS−アシルおよびO−アシル誘導体である(ここで、アシルは本明細書で定義の意味を有する)。好ましいのは、生理学的条件下の加溶媒分解により、親カルボン酸に変換できる薬学的に許容されるエステル誘導体、例えば、低級アルキルエステル、シクロアルキルエステル、低級アルケニルエステル、ベンジルエステル、モノまたはジ置換低級アルキルエステル、例えばω−(アミノ、モノ−またはジ−低級アルキルアミノ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル)−低級アルキルエステル、α−(低級アルカノイルオキシ、低級アルコキシカルボニルまたはジ−低級アルキルアミノカルボニル)−低級アルキルエステル、例えばピバロイルオキシメチルエステル、および、当分野で慣用の類似のものである。
【0033】
本発明の化合物は、置換基の性質に依存して、1個またはそれ以上の不斉中心を有し得る。得られるジアステレオ異性体、光学異性体、すなわち、エナンチオマー、および幾何異性体は、本発明に包含される。
【0034】
本発明は、式(I)のヘテロ環式化合物、それらを含む医薬組成物、このような化合物の製造法ならびに、治療的有効量の本発明の化合物またはその医薬組成物を投与することによるRXRおよびPPAR活性が介在する状態を処置する方法を提供する。
【0035】
好ましいのは、Lが:
【化2】

〔式中、
は所望により置換されているアルキル、アラルキル、アルコキシ、アルキルチオ、−C(O)R10、−C(O)OR11または−C(O)NR1213であり、ここで、
10は所望により置換されている低級アルキルであり;
11、R12およびR13は、独立して水素または所望により置換されている低級アルキルであり;
は水素、所望により置換されているアルキル、アリールまたはアラルキルである。〕
から選択される5−員芳香族性ヘテロ環である、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩;またはそれらのプロドラッグ誘導体である。
【0036】
さらに好ましいのは式
【化3】

〔式中、
およびRは、独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシ、所望により置換されているアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アラルキルまたはヘテロアラルキルであるか;または
およびRは、それらが結合している炭素原子と一体となって、所望により置換されている縮合5−から6−員芳香族性またはヘテロ芳香環を形成する。ただし、RおよびRは、互いに隣接した炭素原子と結合している;または
およびRは、一緒になってアルキレンであり、それはそれらが結合している炭素原子と一体となって縮合5−から7−員環を形成する。ただし、RおよびRは、互いに隣接した炭素原子と結合している;または
−CおよびR−Cは、独立して窒素で置換されていてよく;
は水素または所望により置換されている低級アルキルであり;
Zは結合、O、S、S(O)、S(O)または−C(O)−であるか;または
Zは−C(O)NR−であり、ここで、
は水素、アルキルまたはアラルキルであり;
pは1から8の整数であり;
Qは結合であるか;または
Qは−O(CH)−または−S(CH)−であり、ここで、
rは0もしくは1から8の整数であるか;または
Qは−C(O)−または−C(O)NR−であり、ここで、
は水素、所望により置換されているアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルまたはヘテロアラルキルであるか;または
Qは−NR−、−NRC(O)−、−NRC(O)NR−または−NRC(O)O−であり、ここで、
は水素、所望により置換されているアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルまたはヘテロアラルキルであり;
は水素、アルキルまたはアラルキルであり;
Wはシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アラルキルまたはヘテロアラルキルであるか;または
WおよびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、3−から7−員単環式または8−から12−員二環式環を形成し、それは所望により置換されていてよく、または、酸素、窒素および硫黄から選択されるさらなるヘテロ原子を含んでいてよい;または
WおよびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、3−から7−員単環式または8−から12−員二環式環を形成し、それは所望により置換されていてよく、または、酸素、窒素および硫黄から選択されるさらなるヘテロ原子を含んでいてよく;
は所望により置換されているアルキル、アラルキル、アルコキシ、アルキルチオ、−C(O)R10、−C(O)OR11または−C(O)NR1213であり、ここで、
10は所望により置換されている低級アルキルであり;
11、R12およびR13は、独立して水素または所望により置換されている低級アルキルであり;
は水素、所望により置換されているアルキル、アリールまたはアラルキルである。〕
の化合物、またはその薬学的に許容される塩;またはそれらのプロドラッグ誘導体である。
【0037】
好ましいのは、式
【化4】

〔式中、
およびRは、独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシ、所望により置換されているアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アラルキルまたはヘテロアラルキルであり;
は水素であり;
Zは結合、O、S、S(O)、S(O)または−C(O)−であるか;または
Zは−C(O)NR−であり、ここで、
は水素、アルキルまたはアラルキルであり;
pは1から5の整数であり;
Qは結合であるか;または
Qは−O(CH)−または−S(CH)−であり、ここで、
rは0であるか;または
Qは−C(O)−または−C(O)NR−であり、ここで、
は水素、所望により置換されているアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルまたはヘテロアラルキルであるか;または
Qは−NR−、−NRC(O)−、−NRC(O)NR−または−NRC(O)O−であり、ここで、
は水素、所望により置換されているアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルまたはヘテロアラルキルであり;
は水素、アルキルまたはアラルキルであり;
Wはシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アラルキルまたはヘテロアラルキルであり;
は所望により置換されているアルキル、アラルキル、アルコキシ、アルキルチオ、−C(O)R10、−C(O)OR11または−C(O)NR1213であり、ここで、
10は所望により置換されている低級アルキルであり;
11、R12およびR13は、独立して水素または所望により置換されている低級アルキルであり;
は水素、所望により置換されているアルキル、アリールまたはアラルキルである。〕
を有する、式(IA)の化合物、またはその薬学的に許容される塩;またはそれらのプロドラッグ誘導体である。
【0038】
好ましいのは、
およびRが水素である;
式(IB)の化合物、またはその薬学的に許容される塩;またはそれらのプロドラッグ誘導体である。
【0039】
さらに好ましいのは、式
【化5】

〔式中、
Zは結合、OまたはSであり;
pは1から5の整数であり;
Qは結合であるか;または
QはOまたはSであるか;または
Qは−C(O)NR−であり、ここで、
は水素、所望により置換されているアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルまたはヘテロアラルキルであるか;または
Qは−NR−、−NRC(O)−、−NRC(O)NR−または−NRC(O)O−であり、ここで、
は水素、所望により置換されているアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルまたはヘテロアラルキルであり;
は水素、アルキルまたはアラルキルであり;
Wはシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アラルキルまたはヘテロアラルキルであり;
は所望により置換されているアルキル、アラルキル、アルコキシ、アルキルチオ、−C(O)R10、−C(O)OR11または−C(O)NR1213であり、ここで、
10は所望により置換されている低級アルキルであり;
11、R12およびR13は、独立して水素または所望により置換されている低級アルキルであり;
は水素、所望により置換されているアルキル、アリールまたはアラルキルである。〕
を有する、式(IB)の化合物、またはその薬学的に許容される塩;またはそれらのプロドラッグ誘導体である。
【0040】
好ましいのは、
が−C(O)OR11であり、ここで、R11が水素または低級アルキルであり;
が低級アルキルである;
式(IC)の化合物、またはその薬学的に許容される塩;またはそれらのプロドラッグ誘導体である。
【0041】
さらに好ましいのは、
が−C(O)OR11であり、ここでR11がエチルであり;
がエチルである;
式(IC)の化合物、またはその薬学的に許容される塩;またはそれらのプロドラッグ誘導体である。
【0042】
さらに好ましいのはまた
Zが結合、OまたはSであり;
pが2または3の整数であり;
QがOまたはSであり;
Wがアリールまたはヘテロシクリルである;
式(IC)の化合物(Aグループと命名する)、またはその薬学的に許容される塩;またはそれらのプロドラッグ誘導体である。
【0043】
好ましいのは、
Wが:
【化6】

からなる群から選択されるAグループの化合物、またはその薬学的に許容される塩;またはそれらのプロドラッグ誘導体である。
【0044】
さらに好ましいのはまた、
ZがOまたはSであり;
pが1または2の整数であり;
Qが結合であり;
Wがアリールまたはヘテロシクリルである;
式(IC)の化合物(Bグループと命名する)、またはその薬学的に許容される塩;またはそれらのプロドラッグ誘導体である。
【0045】
好ましいのは、
Wが:
【化7】

からなる群から選択されるBグループの化合物、またはその薬学的に許容される塩;またはそれらのプロドラッグ誘導体である。
【0046】
さらに好ましいのは、
Wが:
【化8】

からなる群から選択されるBグループの化合物、またはその薬学的に許容される塩;またはそれらのプロドラッグ誘導体である。
【0047】
好ましいのはまた、
pが2であり;
Wが:
【化9】

からなる群から選択されるBグループの化合物、またはその薬学的に許容される塩;またはそれらのプロドラッグ誘導体である。
【0048】
本発明の特定の態様は:
3−[4−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸;
1−ベンジル−3−[4−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸エチルエステル;
1−ベンジル−3−[4−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸;
1−メチル−3−[4−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸エチルエステル;
1−メチル−3−[4−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸;
1−エチル−3−[4−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸エチルエステル;
1−エチル−3−[4−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸;
1−アリル−3−[4−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸エチルエステル;
1−アリル−3−[4−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸;
3−{4−[5−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−ベンゼン−スルホニルアミノ}−1−フェニル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸エチルエステル;
【0049】
3−[4−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−1−プロピル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸エチルエステル;
1−エチル−3−{4−[5−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−ベンゼン−スルホニルアミノ}−1H−ピラゾール−4−カルボン酸エチルエステル;
1−エチル−3−[4−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸メチルアミド;
1−エチル−3−[4−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸ジメチルアミド;
1−エチル−3−[4−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸シクロプロピルメチル−アミド;
1−エチル−3−[4−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド;
1−エチル−3−[4−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸エチルアミド;
1−エチル−3−[4−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸ベンジルアミド;
N−[1−エチル−4−(ピペリジン−1−カルボニル)−1H−ピラゾール−3−イル]−4−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−ベンゼンスルホンアミド;
N−(4−ベンゾイル−1−エチル−1H−ピラゾール−3−イル)−4−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−ベンゼンスルホンアミド;および
1−エチル−3−{メチル−[4−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−ベンゼンスルホニル]−アミノ}−1H−ピラゾール−4−カルボン酸エチルエステル;
またはそれらの薬学的に許容される塩である。
【0050】
式(I)の化合物は、式
【化10】

〔式中、RおよびRは本明細書で定義の意味を有し;X'は本明細書で定義の通りのXであるか;またはX'は、Xに変換可能な基である。〕
のスルホン酸類似体から出発して、本明細書の実施例に記載の反応条件を使用して、または、当分野で既知の条件を使用して、塩化チオニルまたは塩化オキサリルのような塩素化剤で処理して、式
【化11】

〔式中、R、RおよびX'は式(II)に関して定義の意味を有する。〕
の塩化スルホニルを形成する。
【0051】
、RおよびX'が上記で定義の意味を有する式(III)の塩化スルホニルを、次いで、式
【化12】

〔式中、R'およびL'は本明細書で定義のRおよびLを意味するか;またはR'およびL'は、各々RおよびLに変換可能な基である。〕
のアミンまたはその酸付加塩と、トリエチルアミン(TEA)、ジイソプロピルエチルアミン(DIA)、N−メチルモルホリン(NMM)またはピリジンのような塩基の存在下で反応させて、式
【化13】

〔式中、RおよびRは上記で定義の意味を有し;R'およびL'は式(IV)に関して定義の意味を有し;そしてX'は本明細書で定義のXを意味するか;またはX'は、Xに変換可能な基である。〕の化合物を得ることができる。本反応は、ジクロロメタン(DCM)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)またはテトラヒドロフラン(THF)のような不活性溶媒の存在下で行い得る。
【0052】
式(IV)のアミンまたはその酸付加塩は、既知であるか、当分野で既知の方法に従って製造できる。好ましいのは、L'が
【化14】

から選択される5−員芳香族性ヘテロ環であり;ここでRおよびRが本明細書で定義の意味を有する、式(IV)のアミンである。
【0053】
X'が本明細書で定義のXである式(I')の化合物は、X'がXに変換可能な基である式(I')から、本明細書に記載の方法もしくはその変法を使用して、または当分野で既知の方法を使用して、得ることができる。例えば、X'がベンジルオキシである式(I')の化合物は、最初に、式
【化15】

〔式中、RおよびRは上記で定義の意味を有し;そしてR'およびL'は、式(IV)に関して定義の意味を有する。〕
の化合物に、例えば、パラジウム炭素のような触媒の存在下、酢酸エチル(EtOAc)またはエタノール(EtOH)のような極性有機溶媒中の水素での還元により変換し得る。得られた式(V)のフェノールを、次いで、式
【化16】

〔式中、p、QおよびWは本明細書で定義の意味を有し;そしてLgはアイオダイド、ブロマイド、クロライドまたはトリフルオロメタンスルホネートのような脱離基である。〕
のアルキル化剤で、炭酸カリウムもしくは炭酸セシウムまたは水素化ナトリウムのような塩基およびDMFまたはTHFのような不活性溶媒の存在下で処理し、X'が−O−(CH)−Q−Wであり、ここで、p、QおよびWが上記で定義の意味を有する式(I')の化合物を得ることができる。
【0054】
あるいは、X'が−O−(CH)−Q−Wであり、ここで、p、QおよびWが本明細書で定義の意味を有する式(I')の化合物を、X'がヒドロキシであり、そしてRおよびRが本明細書で定義の意味を有する式(II)のスルホン酸類似体から、式(II)の化合物を、その二アルカリ金属塩、例えば、二ナトリウム塩に、1,4−ジオキサンまたはTHFのような極性溶媒中の、水性塩基、例えば、水性水酸化ナトリウムを、続いて、p、Q、WおよびLgが上記で定義の意味を有する式(VIa)のアルキル化剤を使用して変換し、式
【化17】

〔式中、R、R、p、QおよびWが本明細書で定義の意味を有する。〕
の化合物を得ることにより、得ることができる。
【0055】
、R、p、QおよびWが本明細書で定義の意味を有する式(VII)の化合物を、次いで、塩化チオニルまたは塩化オキサリルのような塩素化剤で処理し、式
【化18】

〔式中、R、R、p、QおよびWは本明細書で定義の意味を有する。〕
の塩化スルホニルを得ることができる。式(VIII)の塩化スルホニルを、次いでR'およびL'が本明細書で定義の意味を有する式(IV)のアミンまたはその酸付加塩と、TEA、DIA、NMMまたはピリジンのような塩基、およびDCMまたはTHFのような有機溶媒の存在下反応させて、R、R、R'およびL'が本明細書で定義の意味を有し、そしてX'が−O−(CH)−Q−Wであって、ここで、p、QおよびWは本明細書で定義の意味を有する、式(I')の化合物を得ることができる。
【0056】
同様に、R、R、R'およびL'が上記で定義の意味を有し;そしてX'がチオールである式(I')の化合物を、X'が−S−(CH)−Q−Wである式(I')の化合物に変換できる。例えば、式
【化19】

〔式中、RおよびRは本明細書で定義の意味を有する。〕
のチオフェノールを当業者に既知の方法で二量体化し、式
【化20】

〔式中、RおよびRは本明細書で定義の意味を有する。〕
のジスルフィドを形成する。
【0057】
およびRが本明細書で定義の意味を有する式(X)の化合物を、式
【化21】

〔式中、RおよびRは本明細書で定義の意味を有する。〕
のビススルホニルクロライドに、DCMのような不活性溶媒中のクロロスルホン酸で処理し、続いて例えば、水性水酸化ナトリウムを使用した塩基性加水分解することにより変換できる。得られたビスナトリウム塩を、次いで塩化チオニルまたは塩化オキサリルのような塩素化剤で処理し、式(XI)のビススルホニルクロライドを形成する。
【0058】
およびRが本明細書で定義の意味を有する式(XI)の塩化スルホニルを、式
【化22】

〔式中、R'およびL'は、本明細書で定義のRおよびLを意味するか;またはR'およびL'は、各々RおよびLに変換可能な基である。〕
のアミンまたはその酸付加塩と、TEA、DIEA、NMMまたはピリジン、およびDCM、DMFまたはTHFのような不活性溶媒の存在下で反応させて、式
【化23】

〔式中、R、R、R'およびL'は上記で定義の意味を有する。〕
のジスルフィドを得ることができる。
【0059】
およびRが本明細書で定義の意味を有し;そしてR'およびL'が本明細書で定義のRおよびLを意味するか;またはR'およびL'が各々RおよびLに変換可能な基である式(XII)のジスルフィドを、式
【化24】

〔式中、R、R、R'およびL'は上記で定義の意味を有する。〕
のチオールに、水素化ホウ素ナトリウムまたはトリフェニルホスフィンのような還元剤で、各々EtOHまたはTHFのような極性溶媒中、処理することにより還元できる。
【0060】
式(XIII)のチオールを、次いで、式
【化25】

〔式中、p、QおよびWは本明細書で定義の意味を有し;そしてLgは上記で定義の脱離基を意味する。〕
のアルキル化剤で、炭酸カリウムもしくは炭酸セシウムまたは水素化ナトリウムのような塩基の存在下、DMFまたはTHFのような不活性溶媒中で処理し、R、R、R'およびL'が本明細書で定義の意味を有し;そしてX'が−S−(CH)−Q−Wであり、ここで、p、QおよびWが本明細書で定義の意味を有する式(I')の化合物を形成することができる。
【0061】
好ましくは、式(VI)のアルキル化剤は、pが2または3の整数であり;QがOであり;Lgがクロライドまたはブロマイドであり;そしてWが
【化26】

である群から選択するか、または
【0062】
式(VI)のアルキル化剤は、pが1または2の整数であり;Qが結合であり;Lgがクロライドまたはブロマイドであり;そしてWが
【化27】

である群から選択するか、または
【0063】
式(VI)のアルキル化剤は、pが2であり;Qが結合であり;Lgがクロライドまたはブロマイドであり;そしてWが
【化28】

である群から選択する。
【0064】
式(VI)のアルキル化剤は、本明細書に記載の方法もしくはその変法を使用して、または、当分野で既知の方法を使用して製造でき、例えば、4−クロロメチル−5−メチル−2−フェニルオキサゾールおよび4−クロロメチル−5−メチル−2−[4−(トリフルオロメチル)−フェニル]−オキサゾールは、国際PCT特許出願WO00/64888に記載の方法を使用して、またはJ. Med. Chem., Vol. 43, pp. 995-1010 (2000)に従って製造できる。1−(3−ブロモプロポキシ)−4−フェノキシ−2−プロピル−ベンゼンは、国際PCT特許出願WO00/78312に記載の通りに製造できる。
【0065】
好ましくは、式
【化29】

〔式中、RおよびRは、独立して水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、トリフルオロメチルまたはアリールである。〕
を有する式(VI)のアルキル化剤は、式
【化30】

〔式中、RおよびRは、式(VIa)に関して定義の意味を有する。〕
の化合物を、オキシ塩化リン(POCl)のような塩素化剤で、アセトニトリル中、処理することにより製造できる。本反応を、式(VIa)のアルキル化剤を高い化学的収率および純度で得るためにアセトニトリル中で行うことが必須であり、すなわち、式(VIa)のアルキル化剤を、本発明の方法にしたがい高い立体選択性で、好ましくは99%より高い選択性で得る。塩素化は、好ましくは環境温度で、より好ましくは室温で行う。
【0066】
式(VIb)の化合物を、式
【化31】

〔式中、RおよびRは、式(VIb)に関して定義の意味を有する。〕
のアルデヒドと、式
【化32】

の2,3−ブタジオンモノオキシムを、塩酸ガスのような酸性触媒および酢酸エチルまたは酢酸、好ましくは氷酢酸のような有機溶媒の存在下で縮合させ、RおよびRが上記で定義の意味を有する式(VIb)の化合物を得ることにより製造できる。
【0067】
好ましい態様において、式(VIa)のアルキル化剤は4−クロロメチル−5−メチル−2−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−オキサゾールである。
【0068】
あるいは、式(V)のフェノールおよび式(XIII)のチオフェノールを、式
【化33】

〔式中、p、QおよびWは本明細書で定義の意味を有する。〕
のアルコールと、光延条件下、例えば、トリフェニルホスフィンおよびジエチルアゾジカルボキシレートの存在下、THFのような有機溶媒中で反応させて、X'が各々−O−(CH)−Q−Wまたは−S−(CH)−Q−Wであり、そしてp、QおよびWが本明細書で定義の意味を有する式(I')の化合物を得ることができる。式(VI')のアルコールを、本明細書に記載の方法もしくはその変法を使用して、または当分野で既知の方法を使用して製造できる。
【0069】
、R、R'およびL'が本明細書で定義の意味を有し;そしてX'が−(CH)−Q−Wであり、ここで、pおよびWが本明細書で定義の意味を有し;そしてQがOまたはSである式(I')の化合物を、式
【化34】

〔式中、R、Rおよびpは上記で定義の意味を有し;そしてPgはアシルまたはアルコキシカルボニル、例えば、アセチルのような保護基を意味する。〕
の化合物を、クロロスルホン酸と、DCMのような不活性溶媒で反応させ、続いて塩化チオニルまたは塩化オキサリルのような塩素化剤で連続して処置して、式
【化35】

〔式中、R、R、pおよびPgは、式(XIV)に関して定義した意味を有する。〕
の塩化スルホニルを得ることができる。
【0070】
式(XV)の塩化スルホニルを、次いで上記の通りに式(IV)のアミンと反応させ、式
【化36】

〔式中、R、R、p、Pg、R'およびL'は本明細書で定義の意味を有する。〕
の化合物を形成させる。続いて、保護基の除去を行い、例えばPgがアセチルであるとき、保護基は、塩基、例えば、水性水酸化ナトリウム、およびメタノール(MeOH)、THFまたは1,4−ジオキサンのような極性溶媒の存在下で除去でき、式
【化37】

〔式中、R、R、p、R'およびL'は本明細書で定義の意味を有する。〕
のアルコールを得る。
【0071】
式(XVII)のアルコールを、次いで式W−OHまたはW−SH(式中、Wはアリールまたはヘテロアリールを意味する)の化合物と、例えば、光延条件下で縮合させ、R、R、R'およびL'が本明細書で定義の意味を有し;そしてX'が−(CH)−Q−Wであり、ここで、pが本明細書で定義の意味を有し、;Wがアリールまたはヘテロアリールであり;そしてQが各々OまたはSである、式(I')の化合物を形成できる。
【0072】
あるいは、式(XVII)のアルコールもまた式
【化38】

〔式中、R、R、p、R'およびL'は本明細書で定義の意味を有し;そしてLgは上記で定義の脱離基である。〕
の化合物に、本明細書に記載の方法もしくはその変法を使用して、または当分野で既知の方法を使用して変換できる。続く式W−OHのアルコールまたは式W−SHのチオールとの、炭酸カリウムもしくは炭酸セシウムまたは水素化ナトリウムのような塩基の存在下、DMFまたはTHFのような不活性溶媒中での反応により、R、R、R'およびL'が本明細書で定義の意味を有し;そしてX'が−(CH)−Q−Wであり、ここで、pおよびWは本明細書で定義の意味を有し;そしてQが各々OまたはSである、式(I')の化合物を得る。
【0073】
、R、R'およびL'が本明細書で定義の意味を有し;そしてX'が−C(O)NR−(CH)−Q−Wであり、ここで、R、p、QおよびWが本明細書で定義の意味を有する、式(I')の化合物を、式
【化39】

〔式中、R、R、R'およびL'は本明細書で定義の意味を有する。〕
カルボン酸の活性化誘導体と、式
【化40】

〔式中、R、p、QおよびWは本明細書で定義の意味を有する。〕
のアミンまたはその酸付加塩との反応により、製造できる。式(XIX)のカルボン酸および式(XX)のアミンは、本明細書に記載の方法またはその変法を使用して、もしくは当分野で既知の方法を使用して製造できる。
【0074】
同様に、R、R、R'およびL'が本明細書で定義の意味を有し;そしてX'が−Z−(CH)−C(O)NR−Wであり、ここで、Z、p、RおよびWが本明細書で定義の意味を有する式(I')の化合物は、式
【化41】

〔式中、R、R、R'、L'、Zおよびpは本明細書で定義の意味を有する。〕
のカルボン酸の活性化誘導体と、式
【化42】

〔式中、RおよびWは本明細書で定義の意味を有する。〕
またはその酸付加塩の反応により、製造できる。式(XXI)のカルボン酸および式(XXII)のアミンは、本明細書に記載の方法またはその変法を使用して、もしくは当分野で既知の方法を使用して製造できる。
【0075】
上記の方法において、カルボン酸の活性化誘導体、例えば、式(XIX)および(XXI)に対応するものは、酸クロライド、酸ブロマイドおよび酸フルオライド、混合無水物、低級アルキルエステルおよびその活性化エステル、および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドヒドロクロライド(EDCI)、O−(1,2−ジヒドロ−2−オキソ−1−ピリジル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレートなどのようなカップリング剤と形成された付加物を含む。混合無水物は、好ましくはピバリン酸に由来もの、または炭酸の低級アルキルヘミエステル、例えばエチルもしくはイソブチル類似体である。活性化エステルは、例えば、スクシンイミド、フタルイミドまたは4−ニトロフェニルエステルを含む。カルボン酸の活性化誘導体、例えば、式(XIX)または(XXI)に対応するものと、アミン、例えば、各々式(XX)または(XXII)のものとの反応は、TEA、DIAまたはNMMのような塩基の存在下、DCM、DMFまたはTHFのような不活性溶媒、またはそれらの混合溶媒中で行い得る。式(XIX)および(XXI)のカルボン酸は、それらの活性化誘導体に、本明細書に記載のまたは当分野で記載の方法を使用して変換できる。
【0076】
、R、R'およびL'が本明細書で定義の通りであり;そしてX'が−Z−(CH)−NR−W、−Z−(CH)−NRC(O)−W、−Z−(CH)−NRC(O)NR−Wまたは−Z−(CH)−NRC(O)O−Wであり、ここで、Z、p、R、RおよびWが本明細書で定義の意味を有する式(I')の化合物は、式
【化43】

〔式中、R、R、R'、L'、Z、pおよびRは本明細書で定義の意味を有する。〕
のアミンと、カルボン酸、イソシアネート、カルバモイルクロライドまたはクロロホルメートの活性化誘導体のようなN−誘導体化剤との、TEA、DIAまたはNMMのような塩基の存在下、DCM、DMFまたはTHFのような不活性溶媒中での反応により得ることができる;または式(XXIII)のアミンとアルデヒドを、還元的アミノ化に適した条件下で反応させ得る。式(XXIII)のアミンは、本明細書に記載の方法またはその変法を使用して、もしくは当分野で既知の方法を使用して製造できる。
【0077】
本発明の化合物に本明細書に記載の方法で変換する出発化合物および中間体において、アミノ、チオール、カルボキシルおよびヒドロキシ基のような存在する官能基は、所望により、製造有機化学で一般的な保護基により保護する。保護されたアミノ、チオール、カルボキシルおよびヒドロキシ基は、穏やかな条件下で、遊離のアミノ、チオール、カルボキシルおよびヒドロキシ基に、分子骨格が破壊されることなく、または他の望ましい副反応が起こることなく変換できるものである。
【0078】
保護基を挿入する目的は、官能基を、所望の化学的変換を行うために使用する条件下で、反応成分との望ましくない反応から守るためである。特定の反応のための保護基の必要性および選択は、当業者に既知であり、保護すべき官能基の性質(ヒドロキシ基、アミノ基など)、置換基が一部である分子の構造および安定性、ならびに反応条件に依存する。
【0079】
これらの条件に合う既知の保護基、ならびにその挿入および除去は、例えば、McOmie, “Protective Groups in Organic Chemistry”, Plenum Press, London, NY (1973);およびGreene and Wuts, “Protective Groups in Organic Synthesis”, John Wiley and Sons, Inc., NY (1999)に記載されている。
【0080】
上記の反応は、標準法にしたがい、希釈剤(好ましくは、例えば、試薬に不活性であり、その溶媒である)、触媒、縮合剤または上記の他の試薬それぞれおよび/または不活性雰囲気の存在下または非存在下、低温、室温または高温(好ましくは使用する溶媒の沸点または沸点付近)で、および大気圧または超大気圧で行う。好ましい溶媒、触媒および反応条件は、添付の説明的実施例に明示のものである。
【0081】
本発明は、任意の段階で得られる中間生成物を出発物質として使用して残りの段階を行うか、出発物質を反応条件下インサイチュで形成させるか、反応成分をその塩または光学的に純粋なアンチポードの形で使用する、本工程の任意の改変を含む。
【0082】
本発明の化合物および中間体は、また、それ自体一般的に既知の方法にしたがい互いに変換できる。
【0083】
本発明はまた新規出発物質およびその製造のための方法にも関する。
【0084】
出発物質および方法の選択に依存して、本化合物はまた可能な異性体またはそれらの混合物の一つの形、例えば、実質的に純粋な幾何(cisまたはtrans)異性体、光学異性体(アンチポード)、ラセミ体またはそれらの混合物であり得る。上記の可能な異性体またはそれらの混合物は、本発明の範囲内である。
【0085】
異性体の任意の得られた混合物を、成分の物理化学的差異に基づき、純粋な幾何または光学異性体、ジアステレオ異性体、ラセミ体に、例えば、クロマトグラフィーおよび/または分別結晶により分割できる。
【0086】
最終生成物または中間体の任意の得られたラセミ体を、光学アンチポードに、既知の方法で、例えば、光学的に活性な酸または塩基により得たジアステレオ異性体塩の分離、および続く光学的に活性な酸性または塩基性化合物の遊離により、分割できる。従って、カルボン酸中間体は、それらの光学アンチポードに、例えば、D−またはL−(アルファ−メチルベンジルアミン、シンコニジン、シンコニン、キニン、キニジン、エフェドリン、デヒドロアビエチルアミン、ブルシンまたはストリキニーネ)塩の分別結晶により分割できる。ラセミ体生成物は、また、キラルクロマトグラフィーにより、例えば、キラル吸着剤を使用した高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により分割できる。
【0087】
最後に、本発明の化合物は遊離形で、または塩形成基が存在するとき、その塩のいずれかで得られる。
【0088】
酸性の本発明の化合物は、有利にはエーテル含有溶媒または低級アルカノールのようなアルコール性溶媒中、薬学的に許容される塩基、例えば、水性アルカリ金属水酸化物との塩に変換できる。後者の溶液から、塩はエーテル、例えば、ジエチルエーテルで置換させ得る。得られた塩を、酸との処理により遊離化合物に変換し得る。これらのまたは他の塩もまた得られた化合物の精製のために使用できる。
【0089】
塩基性基を有する本発明の化合物は、酸付加塩、とりわけ薬学的に許容される塩に変換できる。これらは、例えば、鉱酸、例えば、硫酸、リン酸または水素化ハロゲン酸のような無機酸と;または(C−C)−アルカンカルボン酸(例えば、非置換またはハロゲンで置換されている)、例えば、酢酸のような、飽和または不飽和ジカルボン酸、例えば、シュウ酸、コハク酸、マレイン酸たはフマル酸のような、ヒドロキシ−カルボン酸、例えば、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸またはクエン酸のような、アミノ酸、例えば、アスパラギン酸またはグルタミン酸のような有機カルボン酸と;または(C−C)−アルキル−スルホン酸、例えば、メタンスルホン酸のような有機スルホン酸と;またはアリールスルホン酸(非置換または、例えば、ハロゲンで置換されている)と形成される。好ましいのは、塩酸、メタンスルホン酸およびマレイン酸と形成された塩である。
【0090】
遊離化合物と、それらの塩の形の化合物の間の密接な関係から、本明細書内で化合物を言及するときは、対応する塩も、これらがその状況下で可能であるかまたは適当であるとき、意図される。
【0091】
それらの塩も含む本化合物は、また、水和物の形で得ることができ、または、それらの結晶化に使用した他の溶媒を含み得る。
【0092】
上記の通り、本発明の化合物はPPARに結合し、従って、PPARが介在する状態の処置に用い得る。このような化合物は、従って、異常脂質血症、高脂血症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、高グリセリド血症、心不全、心筋梗塞、血管疾患、心臓血管疾患、高血圧、肥満症、炎症、関節炎、癌、アルツハイマー病、皮膚障害、呼吸器疾患、眼障害、IBD、潰瘍性大腸炎、クローン病、および耐糖能異常、高血糖症およびインスリン抵抗性が関連している状態、例えば1型および2型糖尿病、およびシンドロームXの処置のために治療的に用い得る。
【0093】
本発明は、さらに、治療的有効量の本発明の薬理学的に活性な化合物を、単独で、または1個またはそれ以上の薬学的に許容される担体と組み合わせて含む、医薬組成物を提供する。
【0094】
本発明の医薬組成物は、PPAR受容体、特に、PPARαおよびPPARγが介在する状態の処置のために、ヒトを含む哺乳動物への、非経腸、例えば経口または直腸;経皮および非経腸投与に適しているものである。このような状態は、異常脂質血症、高脂血症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、高グリセリド血症、心不全、心筋梗塞、血管疾患、心臓血管疾患、高血圧、肥満症、炎症、関節炎、癌、アルツハイマー病、皮膚障害、呼吸器疾患、眼障害、IBD、潰瘍性大腸炎およびクローン病、および耐糖能異常、高血糖症およびインスリン抵抗性が関連している状態、例えば1型および2型糖尿病、およびシンドロームXを含む。
【0095】
故に、薬理学的に活性な本発明の化合物は、その有効量を、経腸または非経腸投与に適した賦形剤または担体と共にまたは混合して含む、医薬組成物の製造に用い得る。好ましいのは、活性成分を:a)希釈剤、例えば、ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロースおよび/またはグリシン;b)滑剤、例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸、そのマグネシウムもしくはカルシウム塩および/またはポリエチレングリコール;錠剤のためにまたc)結合剤、例えば、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、デンプン・ペースト、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースおよび/またはポリビニルピロリドン;望ましいならばd)崩壊剤、例えば、デンプン、寒天、アルギン酸またはそのナトリウム塩、または発泡混合物;および/またはe)吸収剤(absorbant)、色素、香味剤および甘味剤と共に含む錠剤およびゼラチンカプセルである。注射可能組成物は好ましくは水性等張溶液または懸濁液であり、そして坐薬は有利には脂肪エマルジョンまたは懸濁剤から製造する。害組成物は滅菌し得および/または防腐剤、安定化剤、湿潤剤または乳化剤、溶解促進剤、浸透圧調整用塩および/または緩衝剤のようなアジュバントを含み得る。加えて、それらは他の治療的に価値のある物質も含み得る。該組成物は各々慣用の混合、造粒または被覆法で製造し、そして約0.1−75%、好ましくは約1−50%の活性成分を含む。
【0096】
経皮投与のための適当な製剤は、治療的有効量の本発明の化合物と担体を含む。有利な担体は、宿主の皮膚の通過を助けるための吸収可能な薬理学的に許容される溶媒を含む。特徴的には、経皮デバイスは、裏打ち部材、本化合物と所望により担体を含む貯蔵部、所望により本化合物を宿主の皮膚に制御されかつ予定された速度で長時間にわたり送達させるための速度制御バリア、および、デバイスを皮膚に固定するための手段を含む、バンデージの形である。
【0097】
従って、本発明は、PPARが介在する状態、好ましくは、異常脂質血症、高脂血症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、高グリセリド血症、心不全、心筋梗塞、血管疾患、心臓血管疾患、高血圧、肥満症、炎症、関節炎、癌、アルツハイマー病、皮膚障害、呼吸器疾患、眼障害、IBD、潰瘍性大腸炎、クローン病、および耐糖能異常、高血糖症およびインスリン抵抗性が関連している状態、例えば1型および2型糖尿病、およびシンドロームXを処置するための、上記の医薬組成物を提供する。
【0098】
本医薬組成物は、治療的有効量の上記で定義の本発明の化合物を単独で、または他の治療剤と、例えば、各々当分野で報告されている有効治療用量で組み合わせて含み得る。このような治療剤は、インスリン、インスリン誘導体および模倣体;スルホニルウレアのようなインスリン分泌促進剤、例えば、Glipizide、グリブリドおよびアマリール;メグリチナイドのようなインスリン分泌性スルホニルウレア受容体リガンド、例えば、ナテグリナイドおよびレパグリナイド;PTP−112のようなタンパク質チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害剤のようなインスリン感受性改善剤;SB−517955、SB−4195052、SB−216763、NN−57−05441、NN−57−05445またはGW−0791、AGN−194204のようなRXRリガンドのようなGSK3(グリコーゲン・シンターゼ・キナーゼ−3)阻害剤;T−1095のようなナトリウム−依存性グルコース共輸送体阻害剤;BAYR3401のようなグリコーゲン・ホスホリラーゼA阻害剤;メトフォルミンのようなビグアナイド;アカルボースのようなアルファ−グルコシダーゼ阻害剤;GLP−1(グルカゴン様ペプチド−1)、Exendin-4のようなGLP−1類似体、およびGLP−1模倣体;LAF237のようなDPPIV(ジペプチジル・ペプチダーゼIV)阻害剤;3−ヒドロキシ−3−メチル−グルタリール補酵素A(HMG−CoA)レダクターゼ阻害剤のような脂質低下剤、例えば、ロバスタチン、ピタバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、セリバスタチン、メバスタチン、ベロスタチン、フルバスタチン、ダルバスタチン、アトロバスタチン、ロスバスタチンおよびリバスタチン、スクアレン・シンターゼ阻害剤またはFXR(ファルネソイドX受容体)およびLXR(肝臓X受容体)リガンド、コレスチラミン、フィブラート、ニコチン酸およびアスピリン;オーリスタットのような抗肥満剤;抗高血圧剤、例えば、エタクリン酸、フロセミドおよびトルセミドのようなループ利尿剤;ベナゼプリル、カプトプリル、エナラプリル、フォシノプリル、リシノプリル、モエキシプリル、ペリンドプリル、キナプリル、ラミプリルおよびトランドラプリルのようなアンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤;ジゴキシンのようなNa−K−ATPase膜ポンプの阻害剤;中性エンドペプチダーゼ(NEP)阻害剤;オマパトリラート、サムパトリラートおよびファシドトリルのようなACE/NEP阻害剤;カンデサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、テルミサルタンおよびバルサルタンのようなアンギオテンシンIIアンタゴニスト、特にバルサルタン;アセブトロール、アテノロール、ベタキソロール、ビソプロロール、メトプロロール、ナドロール、プロプラノロール、ソタロールおよびチモロールのようなβ−アドレナリン受容体遮断剤;ジゴキシン、ドブタミンおよびミルリノンのような変力剤;アムロジピン、ベプリジル、ジルチアゼム、フェロジピン、ニカルジピン、ニモジピン、ニフェジピン、ニソルジピンおよびベラパミルのようなカルシウムチャネル遮断剤;アルドステロン受容体アンタゴニストおよびアルドステロン・シンターゼ阻害剤を含む。他の特異的抗糖尿病化合物は、引用により本明細書に包含するPatel Mona in Expert Opin Investig Drugs, 2003, 12(4), 623-633、図1から7に記載されている。本発明の化合物は、他の活性成分と同時に、前にまたは後に、同じまたは異なる投与経路のいずれかにより別々に、または、同じ医薬製剤中に一緒に投与できる。
【0099】
コード番号、一般名または商品名により同定された治療剤の構造は、標準概論“The Merck Index”の現版またはデータベース、例えば、Patents International(例えばIMS World Publications)から取り得る。それらの対応する内容は引用により本明細書に包含する。
【0100】
従って、本発明は、治療的有効量の本発明の化合物を、治療的有効量の他の治療剤、好ましくは抗糖尿病剤、脂質低下剤、抗肥満剤、抗高血圧剤または変力剤、最も好ましくは上記の抗糖尿病剤または脂質低下剤と共に含む、医薬組成物を提供する。
【0101】
本発明は、さらに、医薬として使用するための上記の医薬組成物を提供する。
【0102】
本発明は、さらに、PARが介在する状態、好ましくは、異常脂質血症、高脂血症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、高グリセリド血症、心不全、心筋梗塞、血管疾患、心臓血管疾患、高血圧、肥満症、炎症、関節炎、癌、アルツハイマー病、皮膚障害、呼吸器疾患、眼障害、IBD、潰瘍性大腸炎、クローン病、および耐糖能異常、高血糖症およびインスリン抵抗性が関連している状態、例えば1型および2型糖尿病、およびシンドロームXを処置するための医薬の製造のための、上記の医薬組成物または組み合わせの使用に関する。
【0103】
故に、本発明はまた医薬として使用するための式(I)の化合物;式(I)の化合物の、PPARが介在する状態の予防および/または処置のための医薬組成物の製造における使用、ならびに式(I)の化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩を、薬学的に許容される希釈剤または担体と共に含む、PPARが介在する状態に使用するための医薬組成物に関する。
【0104】
本発明は、さらに、治療的有効量の本発明の化合物を投与することを含む、PPARが介在する状態を予防および/または処置する方法を提供する。
【0105】
約50−70kgの哺乳動物のための単位投与量は、約1mgから1000mg、有利には約5−500mgの間の活性成分を含み得る。活性化合物の治療的有効量は、温血動物(哺乳動物)の種、体重、年齢および個々の状態、投与の形ならびに包含される化合物に依存する。
【0106】
前記によって、本発明はまた、式(I)の化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩と、それと同時にまたは連続して使用すべき、好ましくは、抗糖尿病剤、脂質低下剤、抗肥満剤、抗高血圧剤または変力剤から選択される、少なくとも1個の他の治療剤を含む少なくとも1個の医薬組成物と共に含む、例えば、上記で定義の任意の方法に使用するための、治療的組み合わせ、例えば、キット、複数部分のキットも提供する。キットはその投与の指示書を含んでいてよい。
【0107】
同様に、本発明は:(i)本発明の医薬組成物;および(ii)抗糖尿病剤、抗肥満剤、抗高血圧剤、変力剤または脂質低下剤、またはそれらの薬学的に許容される塩から選択される医薬組成物を、成分(i)から(ii)の2個の別々の単位の形で含む、複数部分のキットを提供する。
【0108】
同様に、本発明は、治療的有効量の式(I)の化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩、および第二医薬物質を、例えば、同時にまたは連続して併用投与することを含み、該第二医薬物質が、例えば上記に示す通りの抗糖尿病剤、抗肥満剤、抗高血圧剤、変力剤または脂質低下剤である、上記で定義の方法を提供する。
【0109】
好ましくは、本発明の化合物は、それを必要とする哺乳動物に投与する。
【0110】
好ましくは、本発明の化合物は、PPAR活性、特に、PPARαおよびPPARγ活性の調節に応答する疾患の処置に使用する。
【0111】
好ましくは、PPAR活性と関連する状態は、異常脂質血症、高脂血症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、高グリセリド血症、心不全、心筋梗塞、血管疾患、心臓血管疾患、高血圧、肥満症、炎症、関節炎、癌、アルツハイマー病、皮膚障害、呼吸器疾患、眼障害、IBD、潰瘍性大腸炎、クローン病、および耐糖能異常、高血糖症およびインスリン抵抗性が関連している状態、例えば1型および2型糖尿病、およびシンドロームXから選択する。
【0112】
最後に、本発明は、式(I)の化合物を、治療的有効量の抗糖尿病剤、抗肥満剤、抗高血圧剤、変力剤または脂質低下剤と組み合わせて投与することを含む、方法または使用を提供する。
【0113】
最終的に、本発明は、本明細書に記載の医薬組成物の形で、式(I)の化合物を投与することを含む、方法または使用を提供する。
【0114】
明細書および特許請求の範囲を通して、“処置”なる用語は関連する分野の当業者に既知のすべての異なる形または形態の処置を含み、そして特に予防、治療、進行の遅延ならびに軽減処置を含む。
【0115】
上記の特性は、インビトロおよびインビボ試験で、有利には哺乳動物、例えば、マウス、ラット、イヌ、サルまたは単離臓器、組織およびそれらの調製物を使用して証明できる。該化合物を、インビトロで溶液、例えば、好ましくは水溶液の形で適用でき、そしてインビボで経腸的、非経腸的のいずれかで、有利には静脈内に、例えば、懸濁液または水溶液として適用できる。インビトロでの投与量は、約10−5モル濃度から10−10モル濃度の間である。インビボの治療的有効量は、投与経路に依存し、約1から500mg/kg、好ましくは約5から100mg/kgの間の範囲であり得る。
【0116】
本発明の化合物はPPARαおよびPPARγ受容体に結合し、故に、哺乳動物におけるPPARαおよびPPARγ受容体のアゴニストおよび/またはアンタゴニストとして用い得る。
【0117】
本発明の化合物の活性は、下記の方法または当分野で十分に記載されている方法により評価できる:
【0118】
PPARα、PPARδおよびPPARγ受容体へのインビトロの機能的結合は、下記の通り測定する:
PPARα、PPARδおよびPPARγ受容体に関する機能的結合アッセイは、コアクティベーター−依存性受容体リガンドアッセイ(CARLA)の変法である(Krey et al., “Fatty Acids, Eicosanoids, and Hypolipidemic Agents Identified as Ligands of Peroxisome Proliferator-Activated Receptors by Coactivator-Dependent Receptor Ligand Assay”, Molecular Endocrinology, Vol. 11, pp. 779-791 (1997)参照)。TR−FRET検出法を使用する現在のCARLAアッセイは、以前にレビューされた(Hemmila, “LANCE:Homogeneous Assay Platform for HTS”, J. Biomol. Screening, Vol. 4, pp. 303-307 (1999);Mathis, “HTRF Technology”, J. Biomol. Screening, Vol. 4, pp. 309-313 (1999))参照。すべてのアッセイは、3nMのhPPARαリガンド結合ドメイン(LBD)(アミノ酸167−468)(GST−hPPARαLBD)、GST−hPPARδLBD(アミノ酸139−442)またはGST−hPPARγLBD(アミノ酸175−476)のいずれかのグルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)融合タンパク質;3nM Eu−標識抗−GST抗体(Wallac);30nM ビオチニル化ステロイド受容体コアクティベーター−1(SRC−1)ペプチド(N−末端ビオチニル化ペプチド、SRC−1のアミノ酸676−700由来のCPSSHSSLTERHKILHRLLQEGSPS);および10nM ストレプトアビジン−標識アロフィコシアニン(APC;Prozyme)を含む。リガンドのPPAR LBDへの結合は、LBDの立体配置を変更させ、ビオチニル化SRC−1ペプチドが結合することを可能にする。これにより、Eu−標識抗−GST抗体およびストレプトアビジン−標識APCを接近させ、従って、蛍光エネルギー伝達を促進する。ビオチニル化SRC−1ペプチドを、標準固相ペプチド合成法により製造する。GST−PPAR LBDを大腸菌株BL21(DE3)において、pGEXベクター(Amersham Pharmacia)中で、18℃での標準発現条件を使用して発現させる。いくつかの例では、GST−PPAR LBDをgroESLと共発現させる。GST融合タンパク質を、グルタチオンセファロース親和性カラム(Amersham Pharmacia)で、製造者により記載の方法を使用して精製する。アッセイ緩衝液は、50mM Tris pH7.4、50mM KCl、0.1%BSAおよび1mM DTT(ジチオスレイトール)を含む。本アッセイを、黒色半容量(half area)96ウェルプレートで、最終容量25μLで行う。すべての成分を混合した後、反応混合物を3時間、室温に放置し、その後TR−FRET(時間分解蛍光共鳴エネルギー移動)シグナルを、Wallac Victor 2プレートリーダーで読み取る(665nMおよび620nMのシグナルの比率を測定する)。EC50値を、Excel拡張プログラムXLFit(ID Business Solutions, Guildford, Surrey, UK)を使用して、4パラメーター・ロジスティック方程式を使用して概算する。
【0119】
インビボのグルコースおよびインスリン低下活性を、下記の通り評価できる:
11週齢の成熟雄C57BL ob/obマウス(Jackson Lab, Bar Harbor, ME)を、ケージあたり6匹で、逆光サイクル(6:00p.m.から6:00a.m.点灯)で飼育し、Purina齧歯類用餌および水は自由に摂取できる。1日目に、8:00a.m.に尾血液サンプルを採取し、血漿グルコース濃度を測定する。動物を無作為にコントロールおよび化合物群に振り分ける。グループの血漿グルコース値を合わせた。動物に、次いで媒体(0.5%カルボキシメチル−セルロースと0.2%Tween−80)または媒体中の化合物(30mg/kg)を経口投与する。マウスに、毎日、合計3日間投与する。4日目に、基底血液サンプルを採る。血漿サンプルを、グルコース濃度に関して、YSI2700 Dual Channel Biochemistry Analyzer(Yellow Springs Instrument Co., Yellow Springs, OH)を使用しておよびインスリン濃度をELISAアッセイを使用して分析する。
【0120】
本発明の説明として、実施例1の化合物は、PPARα受容体結合アッセイにおいて約5nMのEC50を、およびPPARγ受容体結合アッセイにおいて約3nMのEC50を示す。
【0121】
下記実施例は本発明を説明することを意図し、それに限定するものと解釈してはならない。温度は摂氏で示す。特記しない限り、すべての蒸発は減圧下で、好ましくは約5から50mmHg(=20−133mbar)で行う。最終生成物、中間体および出発物質の構造を、標準分析法、例えば、微量分析および分光学的特性、例えば、MS、IRおよびNMRにより確認する。一般に、使用する略語は当分野で慣用のものである。
【0122】
実施例1
1−エチル−3−{4−[5−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−ベンゼン−スルホニルアミノ}−1H−ピラゾール−4−カルボン酸エチルエステル
【化44】

A. 4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸二ナトリウム塩
4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸ナトリウム塩二水和物(20g、86mmol)の1N 水性水酸化ナトリウム(86mL、86mmol)溶液を撹拌し、50−60℃で1時間加熱する。溶液を真空で、50℃で濃縮し、固体を得る。固体を無水トルエンに懸濁し、真空で濃縮する。この方法を2回繰り返す。固体を50℃で高真空で18時間乾燥させ、4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸二ナトリウム塩を得る。
【0123】
B. 4−[5−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−ベンゼンスルホン酸ナトリウム塩
表題A化合物、4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸二ナトリウム塩(0.72g、3.3mmol)および4−クロロメチル−5−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール(1.0g、3.63mmol)の5mLのDMF溶液を撹拌し、窒素下、110℃で16時間加熱する。冷却した反応混合物を濾過し、得られた固体をDCMで激しく洗浄する。固体を一晩乾燥させて、4−(5−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ)−ベンゼンスルホン酸ナトリウム塩を得る:MS [m/z] 412.79 [M-1]-
【0124】
C. 4−[5−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−ベンゼンスルホン酸クロライド
塩化チオニル(3.0mL)および2滴のDMFの溶液に、窒素下、0℃で撹拌しながら、表題B化合物、4−(5−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ)−ベンゼンスルホン酸ナトリウム塩(1.1g、2.53mmol)を一度に添加する。得られた懸濁液を0℃で10分撹拌する。氷浴を除き、懸濁液をRTで3時間撹拌する。溶液を濃縮し、得られた残渣をトルエンと2回共沸させる。残渣をDCMに取り、濾過し、減圧下で濃縮させて、4−[5−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−ベンゼンスルホン酸クロライドを油状物として得る。それを、そのままさらに精製することなく使用する。
【0125】
D. 3−アミノ−1−エチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸エチルエステル
3−アミノ−1H−ピラゾール−4−カルボン酸エチルエステル(5.0g、32mmol)のアセトニトリル溶液に、水素化ナトリウム(1.28g、32mmol)をRTで添加する。30分の撹拌後、エチルアイオダイド(2.57ml、32mmol)のアセトニトリル(acetonitriloe)溶液を滴下する。反応混合物をRTで16時間撹拌する。水、続いて無水硫酸ナトリウムを添加する。混合物を濾過し、減圧下で濃縮する。粗生成物を30%酢酸エチルのヘキサン溶液をを使用してシリカゲルクロマトグラフィーし、N−エチル化3−アミノ−1H−ピラゾール−4−カルボン酸エチルエステルの位置異性体混合物を得る。この混合物を以下の反応段階にさらに精製することなく使用する。
【0126】
E. 1−エチル−3−{4−[5−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−ベンゼンスルホニルアミノ}−1H−ピラゾール−4−カルボン酸エチルエステル
表題D化合物、N−エチル化3−アミノ−1H−ピラゾール−4−カルボン酸エチルエステルの位置異性体混合物(0.38g、2.1mmol)およびTEA(0.42g、4.2mmol)のDCM溶液に、RTで、表題C化合物、4−[5−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−ベンゼンスルホン酸クロライド(0.9g、2.1mmol)のDCM溶液を滴下する。溶液をRTで16時間撹拌する。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和重炭酸ナトリウムおよび塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。粗生成物を、40%酢酸エチルのヘキサンを使用してシリカゲルクロマトグラフィーし、1−エチル−3−{4−[5−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−ベンゼンスルホニルアミノ}−1H−ピラゾール−4−カルボン酸エチルエステルを白色固体として得る:MS [m/z] 577.3 [M-1]-
【0127】
実施例2
1−エチル−3−[4−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸エチルエステル
【化45】

表題化合物を、実施例1に準じて製造する:MS [m/z] 509.3 [M-1]-
【0128】
実施例3
1−エチル−3−[4−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸
【化46】

実施例2の表題化合物、1−エチル−3−{4−[5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ]−ベンゼンスルホニルアミノ}−1H−ピラゾール−4−カルボン酸エチルエステル(0.09g、0.18mmol)のジオキサン(4mL)溶液に、2N 水酸化ナトリウム(4mL)をRTで添加する。反応混合物を4日間撹拌する。反応混合物を氷冷2N 塩酸(HCl)で酸性化し、1時間氷浴に置く。形成した固体を分離し、水で洗浄し、真空下で乾燥させる。生成物、1−エチル−3−{4−[5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ]−ベンゼンスルホニルアミノ}−1H−ピラゾール−4−カルボン酸を白色固体として得る:MS [m/z] 481.1 [M-1]-
【0129】
実施例4
1−エチル−3−[4−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド
【化47】

A. 1−エチル−3−{4−[5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ]−ベンゼンスルホニルアミノ}−1H−ピラゾール−4−カルボニルクロライド
塩化チオニル(2.0mL)および2滴のDMFのDCM溶液に、窒素下、RTで撹拌しながら、実施例3の表題化合物、1−エチル−3−{4−[5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ]−ベンゼンスルホニルアミノ}−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(0.8g、1.65mmol)を一度に添加する。得られた懸濁液を16時間撹拌する。溶液を濃縮し、得られた残渣をトルエンと2回共沸させる。それを、そのままさらに精製することなく使用する。
【0130】
B. 1−エチル−3−{4−[5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ]−ベンゼンスルホニルアミノ}−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド
表題A化合物、1−エチル−3−{4−[5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ]−ベンゼンスルホニルアミノ}−1H−ピラゾール−4−カルボニルクロライド(0.15g、0.3mmol)のDCM溶液に、アンモニア(3mL)の飽和DCM溶液を、RTで添加する。反応混合物を16時間撹拌する。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄し、乾燥させ、蒸発させて1−エチル−3−{4−[5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ]−ベンゼン−スルホニルアミノ}−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミドを固体として得る:MS [m/z] 481.5 [M-1]-
【0131】
実施例5
1−エチル−3−{4−[5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ]−ベンゼンスルホニルアミノ}−1H−ピラゾール−4−カルボン酸エチルアミド
【化48】

実施例3の表題化合物(0.15g、0.31mmol)、EDCI(0.12g、0.62mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.42g、0.31mmol)およびTEA(0.2g、1.5mmol)のDCM溶液に、エチルアミンヒドロクロライド(0.5g、0.62mmol)をRTで添加する。反応混合物を16時間撹拌する。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、1N 塩酸、水および塩水で洗浄する。有機濾液を濃縮し、粗物質を25%酢酸エチルのヘキサン溶液を使用してクロマトグラフィーし、1−エチル−3−{4−[5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ]−ベンゼンスルホニルアミノ}−1H−ピラゾール−4−カルボン酸エチルアミドを結晶性固体として得る:MS [m/z] 508.1 [M-1]-
【0132】
実施例6
N−(4−ベンゾイル−1−エチル−1H−ピラゾール−3−イル)−4−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−ベンゼンスルホンアミド
【化49】

A. (3−アミノ−1−エチル−1H−ピラゾール−4−イル)−フェニル−メタノン
激しく撹拌している(3−アミノ−1H−ピラゾール−4−イル)−フェニル−メタノン(0.1g、0.53mmol)の乾燥DMF溶液に、RTで、水素化ナトリウム(0.023g、0.57mmol)を添加する。1時間後、エチルアイオダイド(0.042mL、0.53mmol)を添加し、撹拌を4時間続ける。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水、塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させる。有機濾液を濃縮し、粗物質を50%酢酸エチルのヘキサン溶液を使用してシリカゲルクロマトグラフィーし、(3−アミノ−1−エチル−1H−ピラゾール−4−イル)−フェニル−メタノンを得る。
【0133】
B. N−(4−ベンゾイル−1−エチル−1H−ピラゾール−3−イル)−4−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−ベンゼンスルホンアミド
表題A化合物、(3−アミノ−1−エチル−1H−ピラゾール−4−イル)−フェニル−メタノン(0.035g、0.16mmol)のピリジン溶液に、RTで、4−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−ベンゼンスルホニルクロライド(0.06g、0.16mmol)のピリジン溶液を添加する。溶液をRTで16時間撹拌する。反応混合物を濃縮し、残渣を酢酸エチルに取り込み、1N HCl、水、飽和重炭酸ナトリウムおよび塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。粗生成物を、50%酢酸エチルのヘキサン溶液を使用してシリカゲルクロマトグラフィーし、N−(4−ベンゾイル−1−エチル−1H−ピラゾール−3−イル)−4−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−ベンゼンスルホンアミドを固体として得る:MS [m/z] 541.1 [M-1]-
【0134】
実施例7
下記化合物は、上記の実施例に準じて製造する。
【表1】

c−Prはシクロプロピル基を意味する


【特許請求の範囲】
【請求項1】

【化1】

〔式中、
およびRは、独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシ、所望により置換されているアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アラルキルまたはヘテロアラルキルであるか;または
およびRは、それらが結合している炭素原子と一体となって、所望により置換されている縮合5−から6−員芳香族性またはヘテロ芳香環を形成する。ただし、RおよびRは、互いに隣接した炭素原子と結合している;または
およびRは、一緒になってアルキレンであり、それはそれらが結合している炭素原子と一体となって、縮合5−から7−員環を形成する。ただし、RおよびRは、互いに隣接した炭素原子と結合している;または
−CおよびR−Cは、独立して窒素で置換されていてよく;
は水素または所望により置換されている低級アルキルであり;
Xは−Z−(CH)−Q−Wであり、ここで、
Zは結合、O、S、S(O)、S(O)または−C(O)−であるか;または
Zは−C(O)NR−であり、ここで、
は水素、アルキルまたはアラルキルであり;
pは1から8の整数であり;
Qは結合であるか;または
Qは−O(CH)−または−S(CH)−であり、ここで、
rは0もしくは1から8の整数であるか;または
Qは−C(O)−または−C(O)NR−であり、ここで、
は水素、所望により置換されているアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルまたはヘテロアラルキルであるか;または
Qは−NR−、−NRC(O)−、−NRC(O)NR−または−NRC(O)O−であり、ここで、
は水素、所望により置換されているアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルまたはヘテロアラルキルであり;
は水素、アルキルまたはアラルキルであり;
Wはシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アラルキルまたはヘテロアラルキルであるか;または
WおよびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、3−から7−員単環式または8−から12−員二環式環を形成し、それは所望により置換されていてよく、または、酸素、窒素および硫黄から選択されるさらなるヘテロ原子を含んでいてよい;または
WおよびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、3−から7−員単環式または8−から12−員二環式環を形成し、それは所望により置換されていてよく、または、酸素、窒素および硫黄から選択されるさらなるヘテロ原子を含んでいてよく;
Lは5−員芳香族性ヘテロ環である。〕
の化合物、またはその薬学的に許容される塩;またはそれらのプロドラッグ誘導体。
【請求項2】
Lが:
【化2】

〔式中、
は所望により置換されているアルキル、アラルキル、アルコキシ、アルキルチオ、−C(O)R10、−C(O)OR11または−C(O)NR1213であり、ここで、
10は所望により置換されている低級アルキルであり;
11、R12およびR13は、独立して水素または所望により置換されている低級アルキルであり;
は水素、所望により置換されているアルキル、アリールまたはアラルキルである。〕
から選択される5−員芳香族性ヘテロ環である、請求項1記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩;またはそれらのプロドラッグ誘導体。
【請求項3】

【化3】

〔式中、
およびRは、独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシ、所望により置換されているアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アラルキルまたはヘテロアラルキルであるか;または
およびRは、それらが結合している炭素原子と一体となって、所望により置換されている縮合5−から6−員芳香族性またはヘテロ芳香環を形成する。ただし、RおよびRは、互いに隣接した炭素原子と結合している;または
およびRは、一緒になってアルキレンであり、それはそれらが結合している炭素原子と一体となって縮合5−から7−員環を形成する。ただし、RおよびRは、互いに隣接した炭素原子と結合している;または
−CおよびR−Cは、独立して窒素で置換されていてよく;
は水素または所望により置換されている低級アルキルであり;
Zは結合、O、S、S(O)、S(O)または−C(O)−であるか;または
Zは−C(O)NR−であり、ここで、
は水素、アルキルまたはアラルキルであり;
pは1から8の整数であり;
Qは結合であるか;または
Qは−O(CH)−または−S(CH)−であり、ここで、
rは0もしくは1から8の整数であるか;または
Qは−C(O)−または−C(O)NR−であり、ここで、
は水素、所望により置換されているアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルまたはヘテロアラルキルであるか;または
Qは−NR−、−NRC(O)−、−NRC(O)NR−または−NRC(O)O−であり、ここで、
は水素、所望により置換されているアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルまたはヘテロアラルキルであり;
は水素、アルキルまたはアラルキルであり;
Wはシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アラルキルまたはヘテロアラルキルであるか;または
WおよびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、3−から7−員単環式または8−から12−員二環式環を形成し、それは所望により置換されていてよく、または、酸素、窒素および硫黄から選択されるさらなるヘテロ原子を含んでいてよい;または
WおよびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、3−から7−員単環式または8−から12−員二環式環を形成し、それは所望により置換されていてよく、または、酸素、窒素および硫黄から選択されるさらなるヘテロ原子を含んでいてよく;
は所望により置換されているアルキル、アラルキル、アルコキシ、アルキルチオ、−C(O)R10、−C(O)OR11または−C(O)NR1213であり、ここで、
10は所望により置換されている低級アルキルであり;
11、R12およびR13は、独立して水素または所望により置換されている低級アルキルであり;
は水素、所望により置換されているアルキル、アリールまたはアラルキルである。〕
である、請求項2記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩;またはそれらのプロドラッグ誘導体。
【請求項4】

【化4】

〔式中、
およびRは、独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシ、所望により置換されているアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アラルキルまたはヘテロアラルキルであり;
は水素であり;
Zは結合、O、S、S(O)、S(O)または−C(O)−であるか;または
Zは−C(O)NR−であり、ここで、
は水素、アルキルまたはアラルキルであり;
pは1から5の整数であり;
Qは結合であるか;または
Qは−O(CH)−または−S(CH)−であり、ここで、
rは0であるか;または
Qは−C(O)−または−C(O)NR−であり、ここで、
は水素、所望により置換されているアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルまたはヘテロアラルキルであるか;または
Qは−NR−、−NRC(O)−、−NRC(O)NR−または−NRC(O)O−であり、ここで、
は水素、所望により置換されているアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルまたはヘテロアラルキルであり;
は水素、アルキルまたはアラルキルであり;
Wはシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アラルキルまたはヘテロアラルキルであり;
は所望により置換されているアルキル、アラルキル、アルコキシ、アルキルチオ、−C(O)R10、−C(O)OR11または−C(O)NR1213であり、ここで、
10は所望により置換されている低級アルキルであり;
11、R12およびR13は、独立して水素または所望により置換されている低級アルキルであり;
は水素、所望により置換されているアルキル、アリールまたはアラルキルである。〕
である、請求項3記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩;またはそれらのプロドラッグ誘導体。
【請求項5】
およびRが水素である;
請求項4記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩;またはそれらのプロドラッグ誘導体。
【請求項6】

【化5】

〔式中、
Zは結合、OまたはSであり;
pは1から5の整数であり;
Qは結合であるか;または
QはOまたはSであるか;または
Qは−C(O)NR−であり、ここで、
は水素、所望により置換されているアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルまたはヘテロアラルキルであるか;または
Qは−NR−、−NRC(O)−、−NRC(O)NR−または−NRC(O)O−であり、ここで、
は水素、所望により置換されているアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルまたはヘテロアラルキルであり;
は水素、アルキルまたはアラルキルであり;
Wはシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アラルキルまたはヘテロアラルキルであり;
は所望により置換されているアルキル、アラルキル、アルコキシ、アルキルチオ、−C(O)R10、−C(O)OR11または−C(O)NR1213であり、ここで、
10は所望により置換されている低級アルキルであり;
11、R12およびR13は、独立して水素または所望により置換されている低級アルキルであり;
は水素、所望により置換されているアルキル、アリールまたはアラルキルである。〕
である、請求項5記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩;またはそれらのプロドラッグ誘導体。
【請求項7】
が−C(O)OR11であり、ここで、R11が水素または低級アルキルであり;
が低級アルキルである;
請求項6記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩;またはそれらのプロドラッグ誘導体。
【請求項8】
が−C(O)OR11であり、ここで、R11がエチルであり;
がエチルである;
請求項7記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩;またはそれらのプロドラッグ誘導体。
【請求項9】
Zが結合、OまたはSであり;
pが2または3の整数であり;
QがOまたはSであり;
Wがアリールまたはヘテロシクリルである;
請求項7記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩;またはそれらのプロドラッグ誘導体。
【請求項10】
Wが:
【化6】

からなる群から選択される、請求項9記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩;またはそれらのプロドラッグ誘導体。
【請求項11】
ZがOまたはSであり;
pが1または2の整数であり;
Qが結合であり;
Wがアリールまたはヘテロシクリルである;
請求項7記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩;またはそれらのプロドラッグ誘導体。
【請求項12】
Wが:
【化7】

からなる群から選択される、請求項11記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩;またはそれらのプロドラッグ誘導体。
【請求項13】
Wが:
【化8】

からなる群から選択される、請求項12記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩;またはそれらのプロドラッグ誘導体。
【請求項14】
pが2であり;
Wが:
【化9】

からなる群から選択される、請求項11記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩;またはそれらのプロドラッグ誘導体。
【請求項15】
3−[4−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸;
1−ベンジル−3−[4−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸エチルエステル;
1−ベンジル−3−[4−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸;
1−メチル−3−[4−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸エチルエステル;
1−メチル−3−[4−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸;
1−エチル−3−[4−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸エチルエステル;
1−エチル−3−[4−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸;
1−アリル−3−[4−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸エチルエステル;
1−アリル−3−[4−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸;
3−{4−[5−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−ベンゼン−スルホニルアミノ}−1−フェニル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸エチルエステル;
3−[4−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−1−プロピル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸エチルエステル;
1−エチル−3−{4−[5−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−ベンゼン−スルホニルアミノ}−1H−ピラゾール−4−カルボン酸エチルエステル;
1−エチル−3−[4−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸メチルアミド;
1−エチル−3−[4−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸ジメチルアミド;
1−エチル−3−[4−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸シクロプロピルメチル−アミド;
1−エチル−3−[4−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸アミド;
1−エチル−3−[4−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸エチルアミド;
1−エチル−3−[4−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボン酸ベンジルアミド;
N−[1−エチル−4−(ピペリジン−1−カルボニル)−1H−ピラゾール−3−イル]−4−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−ベンゼンスルホンアミド;
N−(4−ベンゾイル−1−エチル−1H−ピラゾール−3−イル)−4−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−ベンゼンスルホンアミド;および
1−エチル−3−{メチル−[4−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イルメトキシ)−ベンゼンスルホニル]−アミノ}−1H−ピラゾール−4−カルボン酸エチルエステル;
またはそれらの薬学的に許容される塩からなる群から選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項16】
その投与を必要としている哺乳動物に、治療的有効量の請求項1記載の化合物を投与することを含む、ペルオキソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)を活性化する方法。
【請求項17】
その投与を必要としている哺乳動物に、治療的有効量の請求項1記載の化合物を投与することを含む、PPARが介在する状態を処置する方法。
【請求項18】
該化合物を、治療的有効量のインスリン、インスリン誘導体もしくは模倣体;インスリン分泌促進剤;インスリン分泌性スルホニルウレア受容体リガンド;インスリン感受性改善剤;ビグアナイド;アルファ−グルコシダーゼ阻害剤;GLP−1、GLP−1類似体もしくは模倣体;DPPIV阻害剤;HMG−CoAレダクターゼ阻害剤;スクアレン・シンターゼ阻害剤;FXRもしくはLXRリガンド;コレスチラミン;フィブラート;ニコチン酸またはアスピリンと組み合わせて投与することを含む、請求項17記載の方法。
【請求項19】
その投与を必要としている哺乳動物に、治療的有効量の請求項1記載の化合物を投与することを含む、異常脂質血症、高脂血症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、高グリセリド血症、心不全、心筋梗塞、血管疾患、心臓血管疾患、高血圧、肥満症、炎症、関節炎、癌、アルツハイマー病、皮膚障害、呼吸器疾患、眼障害、IBD、潰瘍性大腸炎、クローン病、1型および2型糖尿病、およびシンドロームXを処置する方法。
【請求項20】
治療的有効量の請求項1記載の化合物を、1個またはそれ以上の薬学的に許容される担体と組み合わせて含む、医薬組成物。
【請求項21】
治療的有効量の請求項1記載の化合物を、治療的有効量のインスリン、インスリン誘導体または模倣体;インスリン分泌促進剤;インスリン分泌性スルホニルウレア受容体リガンド;インスリン感受性改善剤;ビグアナイド;アルファ−グルコシダーゼ阻害剤;GLP−1、GLP−1類似体または模倣体;DPPIV阻害剤;HMG−CoAレダクターゼ阻害剤;スクアレン・シンターゼ阻害剤;FXRまたはLXRリガンド;コレスチラミン;フィブラート;ニコチン酸;またはアスピリンと組み合わせて含む、医薬組成物。
【請求項22】
異常脂質血症、高脂血症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、高グリセリド血症、心不全、心筋梗塞、血管疾患、心臓血管疾患、高血圧、肥満症、炎症、関節炎、癌、アルツハイマー病、皮膚障害、呼吸器疾患、眼障害、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、1型および2型糖尿病、およびシンドロームXの処置のための、請求項20または21に記載の医薬組成物。
【請求項23】
医薬として使用するための、請求項20または21に記載の医薬組成物。
【請求項24】
PPAR活性と関連する状態の処置用医薬の製造のための、請求項20または21に記載の医薬組成物の使用。
【請求項25】
PPAR活性と関連する状態を処置するための医薬組成物の製造のための、請求項1記載の化合物の使用。
【請求項26】
PPAR活性と関連する状態が、異常脂質血症、高脂血症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、高グリセリド血症、心不全、心筋梗塞、血管疾患、心臓血管疾患、高血圧、肥満症、炎症、関節炎、癌、アルツハイマー病、皮膚障害、呼吸器疾患、眼障害、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、1型および2型糖尿病、およびシンドロームXから選択される、請求項24または25に記載の使用。
【請求項27】
医薬として使用するための、請求項1記載の化合物。


【公表番号】特表2009−513523(P2009−513523A)
【公表日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−518134(P2006−518134)
【出願日】平成16年7月7日(2004.7.7)
【国際出願番号】PCT/EP2004/007442
【国際公開番号】WO2005/005421
【国際公開日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】