説明

ベンゾ−融合ダイオキシン誘導体の調製プロセス

本発明は、癲癇及び関連疾患の治療に有用なベンゾ−融合へテロアリール誘導体の調製プロセスを目的とする。本発明は、更に、ベンゾ−融合へテロアリール誘導体の合成における中間体の調製プロセスを目的とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、癲癇及び関連疾患の治療に有用なベンゾ融合へテロアリール誘導体の調製プロセスを目的とする。本発明は、更に、ベンゾ−融合へテロアリール誘導体の合成における中間体の調製プロセスを目的とする。
【背景技術】
【0002】
癲癇とは、人間が慢性的な根源的プロセスにより再発性の発作を有する症状を説明する。癲癇には多くの型及び原因が存在するため、癲癇は、1つの独立した疾患というよりはむしろ臨床的な現象を称する。2回以上の非挑発性発作という癲癇の定義を使用すると、癲癇の発生率は世界中の様々な集団で約0.3〜0.5パーセントと推定され、癲癇の罹患率は1000人あたり5〜10人と推定される。
【0003】
発作患者の評価及び管理の本質的な工程は、生じた発作の型を決定することである。様々なカテゴリの発作を区別する主な特徴は、発作活性が部分的(限局性と同義語)なものか全身的なものかどうかである。
【0004】
部分的発作は、発作の活動が大脳皮質の分離した領域に限定されているものである。発作中意識が完全に保たれている場合、臨床症状は比較的単純であると考えられ、その発作は単純部分発作と呼ばれる。意識が損なわれる場合、発作は複雑部分発作と呼ばれる。重要な追加のサブグループは、部分発作として始まり、次いで皮質全体に拡散的に広がるものを含み、二次的全身化を伴う部分発作として知られている。
【0005】
全身化発作は、両側的に対称な様式で同時に脳の領域に拡散することを伴う。欠神発作又は小発作は、姿勢制御を失うことなく、意識が突然一時的に失われることを特徴とする。非定型欠神発作は、典型的には、意識が失われている期間がより長く、それほど突然発症及び休止せず、限局性又は側性化特性を含む場合がある運動徴候がより明らかであることを含む。全身化発作の主な型である、全身性強直間代性発作又は大発作は、警告なく突然発症することを特徴とする。発作の初期相は、通常、筋肉の強直性収縮、呼吸器障害、心拍数、血圧、及び瞳孔の大きさの増加を導く交感神経系の緊張の著しい高まりである。10〜20秒後、発作の強直相は、典型的には、強直性筋肉収縮に筋肉弛緩期が重なることにより生まれる慢性相に発展する。弛緩の期間は、通常1分以下持続する発作期の終了まで徐々に増す。発作期は、無反応、筋肉弛緩、及び唾液分泌過剰を特徴とし、喘鳴及び部分的な気道閉塞を引き起こす場合がある。無緊張発作は、1〜2秒続く起立性筋緊張が突然失われることを特徴とする。意識は一時的に損なわれているが、通常発作後錯乱は起こらない。ミオクローヌス発作は、身体の一部又は全身が関与する突発的な短い筋収縮を特徴とする。(harrisonsonline.com、2001年3月29日)。
【0006】
米国特許公報第2006/0041008 A1号(McComsey,D.ら、2006年2月23日付)及び米国特許公報第2005/0282887 A1号(McComsey,D.ら、2005年12月22日付)は、癲癇及び関連疾患の治療における式(I)の化合物及びそれらの使用を開示している。米国特許公報第2006/0041008 A1号(McComsey,D.ら、及び米国特許公報第2005/0282887 A1号(McComsey,D.ら)は、更に、好適な置換アミンをスルファミドと反応する工程を含む、式(I)の化合物の調製プロセスも開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
McComsey,D.らによって開示されたこのプロセスでは、式(I)の化合物でR1及びR2はそれぞれ水素であり、試薬として塩化スルファモイル(Cl−SO2−NH2)を使用しており、この試薬が大規模又は商業規模の調製に不適であることが説明されている。しかし、式(I)の化合物の大規模な材料の調製及び/又は商業用調製に好適なプロセスの必要が依然ある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、式(I)の化合物の調製プロセスを目的とし、
【0009】
【化1】

式中、
【0010】
【化2】

からなる群から選択され、
bは0〜4の整数であり、cは0〜2の整数であり、
各R5はハロゲン、低級アルキル、及びニトロからなる群から独立して選択され、
4は水素及び低級アルキルからなる群から選択され、
1及びR2は、水素及び低級アルキル、
又は製薬上許容できるそれらの塩からなる群からそれぞれ独立して選択されるものであり、
【0011】
【化3】

【0012】
式(XI)に対応する化合物を得るために、式(X)の化合物を保護する工程であり、
【0013】
【化4】

からなる群から選択され、式中Pg1はアルコール保護基である、保護する工程と、
【0014】
【化5】

【0015】
式(XII)に対応する化合物を得るために、式(XI)の化合物を有機溶媒中で酸化剤と反応させる工程と、
【0016】
【化6】

【0017】
式(XIII)に対応する化合物を得るために、式(XII)の化合物を有機溶媒中、又は有機溶媒混合物中、又は1つ以上の有機溶媒と水との混合物中で有機又は無機塩基と反応させる工程と、
【0018】
【化7】

【0019】
式(XIV)に対応する化合物を得るために、ほぼ室温より高い温度で有機溶媒中で式(XIII)の化合物を無機塩基の存在下でエポキシ−メチレン源と反応させる工程と、
【0020】
【化8】

【0021】
式(XV)に対応する化合物を得るために、式(XIV)の化合物を脱保護する工程と、
【0022】
【化9】

【0023】
式(V)に対応する化合物を得るために、式(XV)の化合物を有機溶媒中で有機又は無機塩基と反応させる工程と、
【0024】
【化10】

【0025】
式(I)に対応する化合物を得るために、式(V)の化合物を反応させる工程と、を含む。
【0026】
本発明は、式(V)の化合物の調製プロセスを更に目的とし、
【0027】
【化11】

式中、
【0028】
【化12】

からなる群から選択され、
bは0〜4の整数であり、cは0〜2の整数であり、
各R5はハロゲン、低級アルキル、及びニトロからなる群から独立して選択され、
【0029】
【化13】

【0030】
式(XI)に対応する化合物を得るために、式(X)の化合物を保護する工程であり、式中Pg1はアルコール保護基である、保護する工程と、
【0031】
【化14】

【0032】
式(XII)に対応する化合物を得るために、式(XI)の化合物を有機溶媒中で酸化剤と反応させる工程と、
【0033】
【化15】

【0034】
式(XIII)に対応する化合物を得るために、式(XII)の化合物を有機溶媒中、有機溶媒の混合物中、又は1つ以上の有機溶媒と水との混合物中で有機又は無機塩基と反応させる工程と、
【0035】
【化16】

【0036】
式(XIV)に対応する化合物を得るために、ほぼ室温より高い温度で有機溶媒中で式(XIII)の化合物を無機塩基の存在下でエポキシ−メチレン源と反応させる工程と、
【0037】
【化17】

【0038】
式(XV)に対応する化合物を得るために、式(XIV)の化合物を脱保護する工程と、
【0039】
【化18】

【0040】
式(V)に対応する化合物を得るために、式(XV)の化合物を有機溶媒中で有機又は無機塩基と反応させる工程と、を含む。
【0041】
一実施形態において、本発明は、式(I−S)の化合物
【0042】
【化19】

又は製薬上許容できるその塩(式(I−S)の化合物は、N−[[(2S)−6−クロロ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾダイオキシン−2−イル]メチル]−スルファミドとしても既知である)の調製プロセスを目的とし、
【0043】
【化20】

【0044】
式(XI−S)に対応する化合物を得るために、式(X−S)の化合物を保護する工程であり、式中Pg1はアルコール保護基である、保護する工程と、
【0045】
【化21】

【0046】
式(XII−S)に対応する化合物を得るために、式(XI−S)の化合物を有機溶媒中で酸化剤と反応させる工程と、
【0047】
【化22】

【0048】
式(XIII−S)に対応する化合物を得るために、式(XII−S)の化合物を有機溶媒中、有機溶媒の混合物中、又は1つ以上の有機溶媒と水との混合物中で有機又は無機塩基と反応させる工程と、
【0049】
【化23】

【0050】
式(XIV−S)に対応する化合物を得るために、ほぼ室温より高い温度で有機溶媒中で式(XIII−S)の化合物を無機塩基の存在下で(R)−エポキシ−メチレン源と反応させる工程と、
【0051】
【化24】

【0052】
式(XV−S)に対応する化合物を得るために、式(XIV−S)の化合物を脱保護する工程と、
【0053】
【化25】

【0054】
式(V−S)に対応する化合物を得るために、式(XV−S)の化合物を有機溶媒中で有機又は無機塩基と反応させる工程と、
【0055】
【化26】

【0056】
式(I−S)に対応する化合物を得るために、式(V−S)の化合物を反応させる工程と、を含む。
【0057】
別の実施形態において、本発明は、式(V−S)の化合物の調製プロセスを目的とし、
【0058】
【化27】

【0059】
この化合物は(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ダイオキシン−2−イル)−(S)−メタノールとしても既知であり、
【0060】
【化28】

【0061】
式(XI−S)に対応する化合物を得るために、式(X−S)の化合物を保護する工程であり、式中Pg1はアルコール保護基である、保護する工程と、
【0062】
【化29】

【0063】
式(XII−S)に対応する化合物を得るために、式(XI−S)の化合物を有機溶媒中で酸化剤と反応させる工程と、
【0064】
【化30】

【0065】
式(XIII−S)に対応する化合物を得るために、式(XII−S)の化合物を有機溶媒中、有機溶媒の混合物中、又は1つ以上の有機溶媒と水との混合物中で有機又は無機塩基と反応させる工程と、
【0066】
【化31】

【0067】
式(XIV−S)に対応する化合物を得るために、ほぼ室温より高い温度で有機溶媒中で式(XIII−S)の化合物を無機塩基の存在下で(R)−エポキシ−メチレン源と反応させる工程と、
【0068】
【化32】

【0069】
式(XV−S)に対応する化合物を得るために、式(XIV−S)の化合物を脱保護する工程と、
【0070】
【化33】

【0071】
式(V−S)に対応する化合物を得るために、式(XV−S)の化合物を有機溶媒中で有機又は無機塩基と反応させる工程と、を含む。
【0072】
本発明は、式(I)の化合物の調製プロセスを更に目的とし、
【0073】
【化34】

式中、
【0074】
【化35】

からなる群から選択され、
bは0〜4の整数であり、cは0〜2の整数であり、
各R5はハロゲン、低級アルキル、及びニトロからなる群から独立して選択され、
4は水素及び低級アルキルからなる群から選択され、
1及びR2は、水素及び低級アルキル、
又は製薬上許容できるそれらの塩からなる群からそれぞれ独立して選択されるものであり、
【0075】
【化36】

【0076】
式(XVII)に対応する化合物を得るために、ほぼ室温より高い温度で有機溶媒中で、式(XVI)の化合物を(式中、
【0077】
【化37】

からなる群から選択され、Qは−C(O)−(C1〜4アルキル)からなる群から選択される)、無機塩基の存在下でエポキシ−メチレン源と反応させる工程と、
【0078】
【化38】

【0079】
式(XVIII)に対応する化合物を得るために、式(XVII)の化合物を有機溶媒中で酸化剤と反応させる工程と、
【0080】
【化39】

【0081】
式(V)に対応する化合物を得るために、式(XVIII)の化合物を有機溶媒中で有機又は無機塩基と反応させる工程と、
【0082】
【化40】

【0083】
式(I)に対応する化合物を得るために、式(V)の化合物を反応させる工程と、を含む。
【0084】
本発明は、式(V)の化合物の調製プロセスを更に目的とし、
【0085】
【化41】

式中、
【0086】
【化42】

からなる群から選択され、
bは0〜4の整数であり、cは0〜2の整数であり、
各R5はハロゲン、低級アルキル、及びニトロからなる群から独立して選択され、
【0087】
【化43】

【0088】
式(XVII)に対応する化合物を得るために、ほぼ室温より高い温度で有機溶媒中で式(XVI)の化合物(式中、Qは−C(O)−(C1〜4アルキル)からなる群から選択される)を無機塩基の存在下でエポキシ−メチレン源と反応させる工程と、
【0089】
【化44】

【0090】
式(XVIII)に対応する化合物を得るために、式(XVII)の化合物を有機溶媒中で酸化剤と反応させる工程と、
【0091】
【化45】

【0092】
式(V)に対応する化合物を得るために、式(XVIII)の化合物を有機溶媒中で有機又は無機塩基と反応させる工程と、を含む。
【0093】
一実施形態において、本発明の目的は、式
【0094】
【化46】

又は製薬上許容できるその塩(式(I−S)の化合物は、N−[[(2S)−6−クロロ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾダイオキシン−2−イル]メチル]−スルファミドとしても既知である)の化合物の調製プロセスを目的とし、
【0095】
【化47】

【0096】
式(XVII−S)に対応する化合物を得るために、ほぼ室温より高い温度で有機溶媒中で式(XVI−S)の化合物(式中、Qは−C(O)−(C1〜4アルキル)からなる群から選択される)を無機塩基の存在下で(R)−エポキシ−メチレン源と反応させる工程と、
【0097】
【化48】

【0098】
式(XVIII−S)に対応する化合物を得るために、式(XVII−S)の化合物を有機溶媒中で酸化剤と反応させる工程と、
【0099】
【化49】

【0100】
式(V−S)に対応する化合物を得るために、式(XVIII−S)の化合物を有機溶媒中で有機又は無機塩基と反応させる工程と、
【0101】
【化50】

【0102】
式(I−S)に対応する化合物を得るために、式(V−S)の化合物を反応させる工程と、を含む。
【0103】
別の実施形態において、本発明は、式(V−S)の化合物の調製プロセスを目的とし、
【0104】
【化51】

【0105】
この化合物は(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ダイオキシン−2−イル)−(S)−メタノールとしても既知であり、
【0106】
【化52】

【0107】
式(XVII−S)に対応する化合物を得るために、ほぼ室温より高い温度で有機溶媒中で式(XVI−S)の化合物(式中、Qは−C(O)−(C1〜4アルキル)からなる群から選択される)を無機塩基の存在下で(R)−エポキシ−メチレン源と反応させる工程と、
【0108】
【化53】

【0109】
式(XVIII−S)に対応する化合物を得るために、式(XVII−S)の化合物を有機溶媒中で酸化剤と反応させる工程と、
【0110】
【化54】

【0111】
式(V−S)に対応する化合物を得るために、式(XVIII−S)の化合物を有機溶媒中で有機又は無機塩基と反応させる工程と、を含む。
【0112】
本発明は、更に式(I−S)の化合物の結晶形態を目的とする。
【0113】
【化55】

【0114】
一実施形態では、本発明の目的は、以下の定義による結晶形態(I−SA)を目的とする。別の実施形態では、本発明は、以下の定義による結晶形態(I−SB)を目的とする。
【0115】
本発明は、本明細書に記載の方法のいずれかに従って製造される製品を更に目的とする。
【0116】
本発明の実例は、製薬上許容できる担体及び本明細書に記載されている任意の結晶形態又は本明細書に記載されている任意のプロセスによって調製された製品を含む医薬組成物である。本発明の実例は、本明細書に記載されている任意の結晶形態又は本明細書に記載されている任意のプロセスによって調製された製品と、製薬上許容できる担体とを混合して作製される医薬組成物である。本発明の代表的プロセスは、本明細書に記載されている任意の結晶形態又は本明細書に記載されている任意のプロセスによって調製された製品と、製薬上許容できる担体と、を混合する工程を含む、医薬組成物の製造プロセスである。
【0117】
本発明の代表例は、癲癇又は関連疾患の治療方法であって、治療上の有効量の上述した任意の化合物又は医薬組成物を、それを必要とする患者に投与することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】結晶形態(I−SA)(b及びcとラベル付けされている)並びに結晶形態(I−SB)(aとラベル付けされている)の代表的試料の代表的XRDスペクトルを図示する図。
【発明を実施するための形態】
【0119】
本発明は、次の式(I)の化合物の調製プロセスを目的とし、
【0120】
【化56】

式中R1、R2、R4及び
【0121】
【化57】

は、本明細書で定義されたとおりである。本発明の化合物は、癲癇及び関連疾患の治療に有用である。
【0122】
本発明は、更に、式(V)の化合物の調製プロセスを目的とし、以下の式のいずれかによって本明細書で表すことができる。
【0123】
【化58】

【0124】
式(V)の化合物は、式(I)の化合物の合成における中間体として有用である。
【0125】
一実施形態において、本発明は、式
【0126】
【化59】

又は製薬上許容できるこれらの塩の化合物の調製プロセスを目的とする。別の実施形態において、本発明は、式(V−S)の化合物の調製プロセスを目的とする。
【0127】
【化60】

【0128】
一実施形態では、本発明は、式
【0129】
【化61】

及び製薬上許容できるこれらの塩の合成プロセスを目的とし、式中b及びR5は本明細書に定義したとおりである。好ましくは、bは0〜2の整数であり、より好ましくは、bは0〜1の整数である。好ましくは、R5はハロゲンであり、より好ましくは、R5はクロロである。
【0130】
本発明の一実施形態において、R1は水素及びメチルからなる群から選択される。本発明の別の実施形態において、R2は水素及びメチルからなる群から選択される。本発明の更に別の実施形態において、R1及びR2はそれぞれ水素、又はR1及びR2はそれぞれメチルである。
【0131】
本発明の一実施形態において、R4は水素及びメチルからなる群から選択され、好ましくは、R4は水素である。
【0132】
本発明の一実施形態において、bは0〜2の整数である。本発明の別の実施形態において、cは0〜2の整数である。本発明の別の実施形態において、bは0〜1の整数である。本発明の別の実施形態において、cは0〜1の整数である。本発明の更に別の実施形態において、bとcの和は0〜2の整数であり、好ましくは0〜1の整数である。本発明の更に別の実施形態において、bは0〜2の整数であり、cは0である。
【0133】
本発明の一実施形態において、R5は水素及び低級アルキルからなる群から選択される。本発明の別の実施形態において、R5はクロロ、フルオロ、ブロモ、及びメチルから選択される。
【0134】
本発明の一実施形態において、
【0135】
【化62】

からなる群から選択される環状構造である。本発明の別の実施形態において、
【0136】
【化63】

からなる群から選択される。
【0137】
本発明の一実施形態において、
【0138】
【化64】

は、2−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、2−(5−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、2−(7−ニトロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、2−(6,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、及び2−(2,3−ジヒドロ−ナフト[2,3−b][1,4]ジオキシニル)からなる群から選択される環状構造である。本発明の別の実施形態において、
【0139】
【化65】

は、2−(5−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、2−(7−ニトロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、2−(6,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、及び2−(2,3−ジヒドロ−ナフト[2,3−b][1,4]ジオキシニル)からなる群から選択される環状構造である。
【0140】
本発明の一実施形態において、
【0141】
【化66】

は、2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、2−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、2−(6−フルオロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、2−(5−フルオロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、2−(7−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、2−(7−ニトロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、2−(7−メチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、2−(5−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、2−(6−ブロモ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、2−(6,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、2−(8−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、及び2−(2,3−ジヒドロ−ナフト[2,3−b][1,4]ジオキシニル)からなる群から選択される。
【0142】
本発明の別の実施形態において、
【0143】
【化67】

は、2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、2−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、2−(7−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、2−(7−メチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、2−(6−ブロモ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、及び2−(6,7−ジクロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)からなる群から選択される。本発明の別の実施形態において、
【0144】
【化68】

は、2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、2−(7−メチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)、及び2−(6−ブロモ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)からなる群から選択される。
【0145】
本発明の一実施形態において、式(I)の化合物の立体中心はS構成にある。本発明の別の実施形態において、式(I)の化合物の立体中心はR構成にある。
【0146】
本発明の一実施形態において、式(I)の化合物は鏡像異性的に濃縮な混合物として存在し、鏡像異性的濃縮率(%ee)は、約75%超であり、好ましくは約85%超であり、より好ましくは約90%超であり、より好ましくは約95%超であり、より好ましくは約98%超であり、最も好ましくは99%超である。
【0147】
本発明の代表的な化合物は以下の表1及び2に列挙されるようなものである。下表1及び2において、「立体」という見出しの列は、星印の付された結合に付着した複素環の炭素原子における立体構成を示す。表中、指定がされていない化合物は、立体構成の混合物として調製されたものである。「R」又は「S」の指定がなされている場合、その立体構成は鏡像異性的に濃縮な出発物質に基づく。
【0148】
【表1】

【0149】
本発明の追加的な実施形態は、本明細書に明記した1つ以上の変数のために選択される置換基(例えば、R1、R2、R4、b、及びR5など)が本明細書に明記した全一覧から選択される任意の個々の置換基又は置換基の任意のサブセットとして独立して選択されるものを含む。
【0150】
本明細書で使用するとき、特に断りがない限り、用語「ハロゲン」は塩素、臭素、フッ素、及びヨウ素を意味する。
【0151】
本明細書で使用するとき、特に断りがない限り、用語「アルキル」は、単独で又は置換基の一部として使用されるいずれの際にも、直鎖及び分枝鎖を含む。例えば、アルキル基は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、及び同様物を含む。特に断りがない限り、「低級」は、アルキルと共に使用される場合、1〜4個の炭素原子の炭素鎖構成を意味する。
【0152】
本明細書で使用するとき、特に断りがない限り、「アルコキシ」は、上記の直鎖又は分枝鎖アルキル基の酸素エーテル基を示すものとする。例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、sec−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ヘキシルオキシなど。
【0153】
本明細書で使用するとき、表記「*」は、立体中心の存在を示すものとする。
【0154】
本明細書で使用するとき、特に断りがない限り、用語「鏡像異性的に濃縮」は、1つの立体中心を有する化合物の説明として用いられるとき、化合物の1つの立体構成が、化合物の対向する立体構成より多くの量で存在することを意味する。好ましくは、化合物が鏡像異性的に濃縮と称されるとき、化合物の望ましい鏡像異性体は、少なくとも約75% ee、より好ましくは少なくとも85% ee、より好ましくは少なくとも90% ee、より好ましくは少なくとも95% ee、より好ましくは少なくとも98% ee、最も好ましくは少なくとも99% eeの鏡像異性体過剰率で存在する。
【0155】
明細書、特にスキーム及び実施例で使用される略語は、以下の通りである。
【0156】
【表2】

【0157】
本明細書で使用するとき、特に断りのない限り、用語「癲癇及び関連傷害」は、被験体(好ましくはヒトの成人、小児、又は乳児)が1回以上の発作及び/又は振戦を経験する任意の障害を意味する。好適な例としては、癲癇(局所関連癲癇、全身癲癇、全身化及び局所的発作の両方が起こる癲癇などが挙げられるが、これらに限定されない)、疾患又は状態の合併としての発作(脳障害、フェニルケトン尿、若年性ゴーシェ病、ルントボルク進行性間代性筋痙攣癲癇、脳卒中、頭部外傷、ストレス、ホルモン変化、薬物使用又は離脱、アルコール使用又は離脱、睡眠遮断などに伴う発作など)、本態性振戦、むずむず足症候群などが挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、障害は、癲癇(型、根本にある原因、又は起源にかかわらず)、本態性振戦、又はむずむず足症候群から選択され、より好ましくは、障害は癲癇(型、根本にある原因又は起源にかかわらず)又は本態性振戦である。
【0158】
本明細書で使用するとき、用語「患者」は、治療、観察、若しくは実験の対象であるか又はこれらの対象であった、動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトを指す。
【0159】
本明細書で使用するとき、用語「治療上の有効量」は、研究者、獣医、医師、又は他の臨床医により求められている、処置されている疾病又は疾患の症状の緩和を含む、組織系、動物、又はヒト内で生体学的反応又は医薬反応を引き出す活性化合物又は薬学的薬剤の量を意味する。
【0160】
本明細書で使用するとき、用語「組成物」は、特定の成分を特定の量で含む製品、並びに特定の量の特定の成分の組み合わせから直接的又は間接的に得られる任意の製品を包含することを意図する。
【0161】
特に断りのない限り、当業者であれば、本明細書及び請求項に記載されている反応工程が、所望の生成物を提供するために既知の方法により好適な条件(例えば、適切な溶媒及び/又は反応物質を伴い、温度、圧力)の下で実行されることを理解するであろう。用語「好適な条件」は、反応工程が所望の生成物を提供するために既知の方法により適切な条件(例えば、適切な溶媒及び/又は反応物質を伴い、温度、圧力の)の下で実行されることを意味する。
【0162】
また、当業者であれば、本開示に記載されている明細書及び請求項において、1つの試薬又は試薬クラス/タイプ/(例えば、塩基、溶媒など)がプロセスの複数の工程で言及されている場合、個々の試薬はそれぞれの反応工程のために独立して選択され、互いに同じである場合も異なる場合もあることを理解するであろう。例えば、プロセスの2つの工程が、試薬として有機又は無機塩基を挙げている場合、第1工程に関して選択される有機又は無機塩基は、第2工程の有機又は無機塩基と同一でも異なっていてもよい。
【0163】
より簡潔な説明を提供するために、本明細書に記載する量的表現の一部は、用語「約」で修飾しない。用語「約」が明確に用いられていようといまいと、本明細書に記載する全ての量はその実際値を指すことを意味し、またこのような値の実験及び/又は測定条件による近似値を含む、当該技術分野における通常の技量に基づいて合理的に推測されるようなこのような値の近似値を指すことも意味する。
【0164】
本明細書で使用するとき、特に断りがない限り、用語「非プロトン性溶媒」は、プロトンを生成しない任意の溶媒を意味するものとする。好適な例にはDMF、ジオキサン、THF、アセトニトリル、ピリジン、ジクロロエタン、ジクロロメタン、MTBE、トルエンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0165】
本明細書で使用されるように、特に指摘がない限り、用語「脱離基」は、置換又は変位反応中に離脱する帯電又は非帯電の原子又は基を意味するものとする。好適な例には、Br、Cl、I、メシラート、トシレートなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0166】
本明細書で使用するとき、特に指摘がない限り、用語「窒素保護基」は、窒素原子に結合してその窒素原子が反応に参加することから保護することができ、また反応後に容易に除去できる基を意味するものとする。好適な窒素保護基としては、カルバメート−式−C(O)OR[式中、Rは、例えばメチル、エチル、t−ブチル、ベンジル、フェニルエチル、CH2=CH−CH2−などである]の基、アミド−式−C(O)−R’[式中、R’は、例えばメチル、フェニル、トリフルオロメチルなど]の基、N−スルホニル誘導体−式−SO2−R”[式中、R”は、例えばトリル、フェニル、トリフルオロメチル、2,2,5,7,8−ペンタミチルクロマン−6−イル−、2,3,6−トリメチル−4−メトキシベンゼンなど]の基が挙げられるが、これらに限定されない。他の好適な窒素保護基は、T.W.Greene & P.G.M.Wutsの「Protective Groups in Organic Synthesis」(John Wiley & Sons、1991年)に記載されている場合がある。
【0167】
本明細書で用いられるとき、特に断りのない限り、用語「アルコール保護基」とは、ヒドロキシ基(OH)の酸素と結合してヒドロキシ基を保護し、ヒドロキシ基が反応に加わらないようにすることができ、かつ反応後に容易に除去できる基を意味する。好適なアルコール保護基としては、t−ブチル−ジメチルシリル、トリメチルシリル(TMS)、MOM、エトキシエチル、THP、SEM、ベンジル、4−ニトロベンジル、4−メトキシベンジル、アリルなどが挙げられるが、これらに限定されない。他の好適なアルコール保護基は、T.W.Greene & P.G.M.Wutsの「Protective Groups in Organic Synthesis」(John Wiley & Sons、1991年)に記載されている場合がある。
【0168】
本発明による化合物が少なくとも1つのキラル中心を有する場合、結果としてそれらはエナンチオマーとして存在し得る。化合物が2つ以上のキラル中心を有する場合、それらは更にジアステレオマーとして存在し得る。すべてのそのような異性体及びその混合物が本発明の範囲に包含される。好ましくは、化合物が鏡像異性体として存在する場合、鏡像異性体は約75%以上の鏡像異性体過剰率で、より好ましくは約85%以上の鏡像異性体過剰率で、更により好ましくは約90%以上の鏡像異性体過剰率で、更により好ましくは約95%以上の鏡像異性体過剰率で、更により好ましくは約98%以上の鏡像異性体過剰率で、最も好ましくは約99%以上の鏡像異性体過剰率で、存在する。同様に、化合物がジアステレオマーとして存在する場合、ジアステレオマーは約75%以上のジアステレオマー過剰率で、より好ましくは約85%以上のジアステレオマー過剰率で、より好ましくは約90%以上のジアステレオマー過剰率で、更により好ましくは約95%以上のジアステレオマー過剰率で、更により好ましくは約98%以上のジアステレオマー過剰率で、最も好ましくは約99%以上のジアステレオマー過剰率で、存在する。
【0169】
更に、本発明の化合物のいくつかの結晶形態は多形体として存在することができ、そのようなものは、本発明に含まれることが意図される。加えて、本発明のいくつかの化合物は、水との溶媒和物(すなわち、水和物)又は通常の有機溶媒との溶媒和物を形成することができ、そのような溶媒和物も、本発明の範囲内に包含されることが意図される。
【0170】
当業者は、本発明の反応工程を、様々な溶媒又は溶媒系中で行うことができ、この反応工程はまた、適切な溶媒又は溶媒系の混合物中でも行うことができることを認識するであろう。
【0171】
本発明による化合物を製造する方法により立体異性体の混合物が生じる場合、これらの異性体は、分取クロマトグラフィーのような従来の技術により分離することができる。化合物はラセミ体で調製されてもよく、又は個々のエナンチオマーがエナンチオ選択的合成若しくは分解のいずれかにより調製されてもよい。化合物は、例えば標準的な技術、例えば(−)−ジ−p−トルオイル−D−酒石酸及び/又は(+)−ジ−p−トルオイル−L−酒石酸などの光学的に活性な酸と共に塩を形成することによりジアステレオマー対を形成した後、分別結晶化及び遊離塩基の再生を行ってそれらの成分であるエナンチオマーに分解することができる。化合物は、ジアステレオマーエステル又はアミドの形成、及びその後のクロマトグラフ分離及びキラル補助基の除去により分解することもできる。代替的に、化合物は、キラルHPLCカラムを使用して分解されてもよい。
【0172】
本発明の化合物の任意の調製プロセス中、関与する任意の分子の感応性基又は反応性基を保護することが必要かつ/又は望ましい場合がある。これは、「Protective Groups in Organic Chemistry」、J.F.W.McOmie著、Plenum Press、1973年、及びT.W.Greene & P.G.M.Wutsの「Protective Groups in Organic Synthesis」(John Wiley & Sons、1991年)に記載されているような従来の保護基によって達成できる。保護基は、当該技術分野において既知の方法を用いて、都合のよいその後の段階で除去してよい。
【0173】
医薬として用いる場合、本発明の化合物の塩は非毒性の「製薬上許容できる塩」を指す。しかし、本発明による化合物又は製薬上許容できるこれらの塩の調製に、他の塩が有用である場合がある。好適な、製薬上許容できるこれらの化合物の塩は酸添加塩を含み、これらは例えば、化合物の溶液を、NaOH、KOH、NaH、水酸化塩素(chloline hydroxide)のような、製薬上許容できる塩基(好ましくは強塩基)の溶液と混合することによって形成することができる。
【0174】
本発明は、下記スキーム1に詳述される式(V)の化合物の調製プロセスを目的とする。
【0175】
【化69】

【0176】
したがって、
【0177】
【化70】

からなる群から選択される、好適に置換された式(X)の化合物、既知の化合物、又は既知の方法によって調製される化合物は、好適な保護剤(すなわち、例えば加水分解及び酸化のような後の反応条件下で安定な保護剤)、例えば、ベンジルブロミド、アリルブロミド、2−(トリメチルシリル)エトキシメチルクロライド(SEM−Cl)、t−ブチル−ジフェニルシリルクロライド、メトキシ又はニトロで置換されたベンジルブロミド(例えば、4−ニトロ−ベンジルブロミド、4−メトキシベンジルブロミドなど)、1−(C1〜4アルコキシ)メチルハロゲン化物又は1−(C1〜4アルコキシ)エチルハロゲン化物(このハロゲン化物はCl、Br、又はI(例えば、MOM−Cl、エトキシエチルクロライドなど)である)などと、K2CO3、Na2CO3、Cs2CO3、テトラメチルグアニジン、TEAなどであり好ましくはK2CO3である有機又は無機塩基の存在下で(この塩基は好ましくは約1モル当量以上で、より好ましくは過剰量で存在する)、ほぼ室温より高い、好ましくは約40℃〜約100℃の範囲の温度で、より好ましくは、約60℃〜約80℃の範囲の温度で、最も好ましくは約60℃の温度で、DMF、THF、N−メチルピロリジノンなどのような有機溶媒中で、反応され保護されて、Pg1が対応するアルコール保護基である式(XI)の化合物に対応する化合物をもたらす。例えば、保護剤がベンジルブロミドである場合、Pg1は保護剤がアリルブロミドであるベンジルであり、Pg1は保護剤がMOM−Clであるアリルであり、Pg1はメトキシメチルエーテル(MOM)である。当業者であれば、例えばT.W.Greene & P.G.M.Wutsの「Protective Groups in Organic Synthesis」(John Wiley & Sons、1991年)(その全文は参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているようなその他の保護基及びこれらの保護基を組み込むための方法が当該技術分野において既知であることを理解するであろう。
【0178】
式(XI)の化合物は、m−CPBA、過安息香酸、過酢酸、モノマグネシウムペルオキシフタレートなどであり、好ましくはm−CPBAのような適切に選択された酸化剤(酸化剤は少なくとも約1モル当量、好ましくは約1〜2モル当量の量で存在する)と、DCE、DCM、クロロホルム、アセトニトリル、NMPなどであり、好ましくはDCMのような有機溶媒中で、好ましくはほぼ室温で反応されて、式(XII)に対応する化合物をもたらす。
【0179】
式(XII)の化合物は、NaOCH3、K−t−ブトキシド、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウムなどであり、好ましくはNaOCH3のような有機又は無機塩基(この塩基は、好ましくは約1〜約5モル当量の範囲の量で、より好ましくは約2〜約3モル当量の範囲の量で存在する)と、メタノール、エタノール、プロパノール、THFとアルコールとの混合物などのような無機溶媒又はその混合物中で、又は1つ以上の有機溶媒と水との混合物中で、好ましくはアルコール中で、より好ましくはメタノール中で、好ましくはほぼ室温からほぼ還流温度の範囲の温度で、より好ましくはほぼ室温で反応されて、式(XIII)に対応する化合物をもたらす。
【0180】
式(XIII)の化合物は、グリシジル−m−ノシレート、グリシジル−トシレート、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリンなどであり好ましくはグリシジル−m−ノシレート又はグリシジル−トシレート、好ましくは鏡像異性的に濃縮なエポキシ−メチレン源、より好ましくは(R)−グリシジル−m−ノシレート又は(R)−グリシジル−トシレートのようなエポキシ−メチレン源(すなわち、
【0181】
【化71】

)(エポキシ−メチレン源は好ましくは約1〜約5モル当量の範囲の量、より好ましくは約1〜約2モル当量の範囲の量、より好ましくは約1.1〜約1.5モル当量の範囲の量で存在する)と、K2CO3、Na2CO3、Cs2CO3、NaH、KHなどであり好ましくはK2CO3のような無機塩基(この無機塩基は、好ましくは約1モル当量以上の量で、より好ましくは過剰量で存在する)の存在下で、ほぼ室温より高い温度で、好ましくはほぼ室温〜約100℃の範囲の温度で、より好ましくは約40℃〜約60℃の範囲の温度で、最も好ましくは40℃の温度で、DMF、THF、N−メチルピロリジノンなどであり、好ましくはDMFのような有機溶媒中で反応されて、式(XIV)に対応する化合物をもたらす。
【0182】
式(XIV)の化合物を既知の方法に従って脱保護して、式(XV)に対応する化合物をもたらす。例えば、式(XIV)の化合物においてPg1はベンジル、アリルなどであり、式(XIV)の化合物は、水素又は水素源、好ましくは水素ガス(この水素ガスは約69kPa(10psi)〜約103kPa(15psi)の範囲の圧力で導入される)と、Pd/C、Pt、Pd(スルフィド)/Cなどのような触媒の存在下で、酢酸エチル、THF、イソプロピルアセテート、2−メチル−THF、メチル−t−ブチルエーテル、エタノールなどのような有機溶媒中で反応させて脱保護することができる。これにおいてPg1はSEM又はシリル保護基であるが、式(XIV)は、テトラブチルアンモニウムフッ化物などのようなフッ化物源と、THFなどのような有機溶媒中で反応させることによって脱保護することができる。当業者であれば、例えばT.W.Greene & P.G.M.Wutsの「Protective Groups in Organic Synthesis」(John Wiley & Sons、1991年)に記載されているような、保護基を除去するためのその他の方法が当該技術分野において既知であることを理解するであろう。
【0183】
当業者であれば、式(XIV)の化合物の脱保護のために選択される試薬として、式(XIV)の化合物のエポキシ基に対して実質的に非反応性のものが選択されることを理解するであろう。
【0184】
式(XV)の化合物は、NaOCH3、K−t−ブトキシド、炭酸ナトリウムなどであり好ましくはNaOCH3のような有機又は無機塩基と(この塩基は、好ましくは約1モル当量以上の量で、より好ましくは過剰量で存在する)、メタノール、エタノール、THF、アセトニトリルなどであり好ましくはメタノールのような有機溶媒中で、好ましくはほぼ室温で反応されて、式(V)に対応する化合物をもたらす。
【0185】
当業者であれば、エポキシ−メチレン源が鏡像異性体の1つで鏡像異性的に濃縮にされると、エポキシドを開く際に、式(V)の化合物はその対応する鏡像異性的に濃縮な化合物として調製されることを理解するであろう。例えば、鏡像異性的に濃縮な(R)−グリシジル−m−ノシレート又は(R)−グリシジルトシレートが式(XIII)の化合物と反応すると、上記スキーム1に記載したプロセスは、式(V)、
【0186】
【化72】

に対応する化合物を、星印(「*」)の付された位置で鏡像異性的に濃縮な(S)鏡像異性体としてもたらす。
【0187】
好ましくは、上記スキーム1に記載したプロセスは、各R5がニトロ以外のものである式(V)の化合物の調製に適用される。当業者であれば、1つ以上のR5基がニトロである場合、式(V)の化合物は、1つ以上のニトロ基が望まれる位置にある置換基が水素である式(V)に対応する化合物から、既知の方法で、この水素を対応するニトロ基に変換することによって、例えば、硝酸と硫酸の混合物又は硝酸と酢酸の混合物を反応させることによって、あるいは硝酸カリウムと硫酸を反応させることによって、調製できることを理解するであろう。
【0188】
本発明は、更に、下記スキーム2に詳述される式(V)の化合物の調製プロセスを目的とする。
【0189】
【化73】

【0190】
したがって、C1〜4アルキルが一級C1〜4アルキルである−C(O)−(C1〜4アルキル)、より好ましくは−C(O)−CH3などからなる群からQが選択される、好適に置換された式(XVI)の化合物、既知の化合物、又は既知の方法によって調製された化合物は、グリシジル−m−ノシレート、グリシジル−トシレート、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリンなどであり好ましくはグリシジル−m−ノシレート又はグリシジル−トシレート、好ましくは鏡像異性的に濃縮なエポキシ−メチレン源、より好ましくは(R)−グリシジル−m−ノシレート又は(R)−グリシジル−トシレートのようなエポキシ−メチレン源(すなわち
【0191】
【化74】

)(このエポキシ−メチレン源は、好ましくは約1〜約5モル当量の範囲の量で、より好ましくは約1〜約2モル当量の範囲の量で、より好ましくは約1.1〜約1.5モル当量の範囲の量で存在する)と、K2CO3、Na2CO3、Cs2CO3、NaH、KHなどであり好ましくはK2CO3のような無機塩基の存在下で(この無機塩基は、好ましくは約1モル当量以上の量で、より好ましくは過剰量で存在する)、ほぼ室温以上の温度、好ましくはほぼ室温〜約100℃の範囲の温度、より好ましくは約40℃〜約60℃の範囲の温度、最も好ましくは約40℃の温度で、DMF、THF、N−メチルピロリジノンなどであり好ましくはDMFのような有機溶媒中で、反応されて、式(XVII)に対応する化合物をもたらす。
【0192】
式(XVII)の化合物は、m−CPBA、過安息香酸、過酢酸、モノマグネシウムペルオキシフタレートなどであり好ましくはm−CPBAのような適切に選択された酸化剤(酸化剤は少なくとも約1モル当量、好ましくは約1〜2モル当量の量で存在する)と、DCE、DCM、クロロホルム、アセトニトリル、NMPなどであり好ましくはDCMのような有機溶媒中で、好ましくはほぼ室温で反応されて、式(XVIII)に対応する化合物をもたらす。Qが−C(O)−(CH3)である場合、式(XVII)の化合物はモノマグネシウムペルオシキフタレートと以外の条件下でDMF中で反応される。
【0193】
式(XVIII)の化合物は、NaOCH3、K−t−ブトキシド、炭酸ナトリウムなどであり好ましくはNaOCH3のような有機又は無機塩基と(この塩基は、好ましくは約1モル当量以上の量で、より好ましくは過剰量で存在する)、メタノール、エタノール、THF、アセトニトリルなどであり好ましくはメタノールのような有機溶媒中で、好ましくはほぼ室温で反応されて、式(V)に対応する化合物をもたらす。
【0194】
当業者であれば、エポキシ−メチレン源が鏡像異性体の1つで鏡像異性的に濃縮にされると、エポキシドを開く際に、式(V)の化合物はその対応する鏡像異性的に濃縮な化合物として調製されることを理解するであろう。例えば、鏡像異性的に濃縮な(R)−グリシジル−m−ノシレート又は(R)−グリシジルトシレートが式(XIII)の化合物と反応すると、上記スキーム2に記載したプロセスは、式(Va)
【0195】
【化75】

に対応する化合物を、星印(「*」)の付された位置で鏡像異性的に濃縮な(S)鏡像異性体としてもたらす。
【0196】
式(V)の化合物を、更に、既知の方法(例えば、米国特許公報第2006/0041008 A1号(McComsey,D.ら、2006年2月23日付)及び米国特許公報第2005/0282887 A1号(McComsey,D.ら、2005年12月22日付)に開示されている)により反応させて、式(I)に対応する化合物をもたらすことができる。
【0197】
例えば、R4が水素である式(I)の化合物は、スキーム3に概説されるプロセスに従って調製することができる。
【0198】
【化76】

【0199】
したがって、例えば上記スキーム1又は2に概説したように調製された、好適に置換された式(V)の化合物は、既知の方法によって活性化されて、JがCl、Br、I、メシレート、トリフレートなどのような好適な脱離基である式(XIX)に対応する化合物をもたらす。
【0200】
式(XIX)の化合物は、フタルイミドカリウム、フタルイミドナトリウムなどのようなフタルイミド塩と、DMF、DMSO、アセトニトリルなどのような有機溶媒中で、好ましくは50℃〜約200℃の範囲の高温で、より好ましくは、有機溶媒がDMF、DMSOなどの場合は約50℃〜約150℃の温度で、有機溶媒がアセトニトリルなどの場合はほぼ還流温度で、反応されて、式(XX)に対応する化合物をもたらす。
【0201】
式(XX)の化合物は、既知の化合物であるN24と、エタノール、メタノールなどのような有機溶媒中で、約50℃〜約100℃、より好ましくはほぼ還流温度などで反応されて、式(XXI)に対応する化合物をもたらす。
【0202】
式(XXI)の化合物は、既知の化合物であるスルファミド(NH2−SO2−NH2)(好ましくはこのスルファミドは約2〜約5当量の範囲の量で存在する)と、THF、ジオキサンなどのような有機溶媒中で、好ましくは約50℃〜約100℃の範囲の高温で、より好ましくはほぼ還流温度で、反応されて、式(Ia)に対応する化合物、すなわちR1及びR2がそれぞれ水素である式(I)の化合物をもたらす。
【0203】
あるいは、式(XXI)の化合物を、既知の化合物又は既知の方法で調製された化合物である好適に置換された式(XXII)の化合物と、TEA、DIPEA、ピリジンなどのような塩基の存在下で、DMF、DMSOなどのような有機溶媒中で、反応させることで、式(Ib)に対応する化合物をもたらす。
【0204】
一実施形態において、本発明は、以下のスキーム4に概要を述べるような、式(V−S)の化合物の調製プロセスを目的とする。
【0205】
【化77】

【0206】
したがって、好適に置換された式(X−S)の化合物、既知の化合物、又は既知の方法によって調製される化合物は、好適な保護剤(すなわち、例えば加水分解及び酸化のような後の反応条件下で安定な保護剤)、例えば、ベンジルブロミド、アリルブロミド、2−(トリメチルシリル)エトキシメチルクロライド(SEM−Cl)、t−ブチル−ジフェニルシリルクロライド、メトキシ、又はニトロで置換されたベンジルブロミド(例えば、4−ニトロ−ベンジルブロミド、4−メトキシベンジルブロミドなど)、1−(C1〜4アルコキシ)メチルハロゲン化物又は1−(C1〜4アルコキシ)エチルハロゲン化物(このハロゲン化物はCl、Br、又はI(例えば、MOM−Cl、エトキシエチルクロライドなど)である)などと、K2CO3、Na2CO3、Cs2CO3、テトラメチルグアニジン、TEAなどのような、好ましくはK2CO3である有機又は無機塩基の存在下で(この塩基は好ましくは約1モル当量以上で、より好ましくは過剰量で存在する)、ほぼ室温より高い温度で、好ましくは約40℃〜約100℃の温度で、より好ましくは、約60℃〜約80℃の温度で、最も好ましくは約60℃の温度で、DMF、THF、N−メチルピロリジノンなどのような有機溶媒中で、反応されて保護されて、Pg1が対応するアルコール保護基である式(XIーS)の化合物に対応する化合物をもたらす。例えば、保護剤がベンジルブロミドである場合、Pg1は保護剤がアリルブロミドであるベンジルであり、Pg1は保護剤がMOM−Clであるアリルであり、Pg1はメトキシメチルエーテルである。当業者であれば、例えばT.W.Greene & P.G.M.Wutsの「Protective Groups in Organic Synthesis」(John Wiley & Sons、1991年)(その全文は参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているようなその他の保護基及びこれらの保護基を組み込むための方法が当該技術分野において既知であることを理解するであろう。
【0207】
式(XI−S)の化合物は、m−CPBA、過安息香酸、過酢酸、モノマグネシウムペルオキシフタレートなどであり好ましくはm−CPBAのような適切に選択された酸化剤(酸化剤は少なくとも約1モル当量、好ましくは約1〜2モル当量の量で存在する)と、DCE、DCM、クロロホルム、アセトニトリル、NMPなどであり好ましくはDCMのような有機溶媒中で、好ましくはほぼ室温で反応されて、式(XII−S)に対応する化合物をもたらす。
【0208】
式(XII−S)の化合物は、NaOCH3、K−t−ブトキシド、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウムなどであり好ましくはNaOCH3のような有機又は無機塩基(この塩基は、好ましくは約1〜約5モル当量の範囲の量で、より好ましくは約2〜約3モル当量の範囲の量で存在する)と、メタノール、エタノール、プロパノール、THFとアルコールの混合物などのような無機溶媒、又はその混合物中で、又は1つ以上の有機溶媒と水との混合物中で、好ましくはアルコール中で、より好ましくはメタノール中で、好ましくはほぼ室温からほぼ還流温度の範囲の温度で、より好ましくはほぼ室温で反応されて、式(XIII−S)に対応する化合物をもたらす。
【0209】
式(XIII)の化合物は、(R)−グリシジル−m−ノシレート、(R)−グリシジル−トシレート、(R)−エピクロロヒドリン、(R)−エピブロモヒドリンなどであり好ましくは(R)−グリシジル−m−ノシレート又は(R)−グリシジル−トシレートのような(R)−エポキシ−メチレン源(すなわち、
【0210】
【化78】

)(エポキシ−メチレン源は好ましくは約1〜約5モル当量の範囲の量、より好ましくは約1〜約2モル当量の範囲の量、より好ましくは約1.1〜約1.5モル当量の範囲の量で存在する)と、K2CO3、Na2CO3、Cs2CO3、NaH、KHなどであり好ましくはK2CO3のような無機塩基(この無機塩基は、好ましくは約1モル当量以上の量で、より好ましくは過剰量で存在する)の存在下で、ほぼ室温より高い温度で、好ましくはほぼ室温〜約100℃の範囲の温度で、より好ましくは約40℃〜約60℃の範囲の温度で、最も好ましくは40℃の温度で、DMF、THF、N−メチルピロリジノンなどであり好ましくはDMFであるような有機溶媒中で反応されて、式(XIV−S)に対応する化合物をもたらす。
【0211】
式(XIV−S)の化合物を既知の方法に従って脱保護して、式(XV−S)に対応する化合物をもたらす。例えば、式(XIV−S)の化合物においてPg1はベンジル、アリルなどであり、式(XIV−S)の化合物は、水素又は水素源、好ましくは水素ガス(この水素ガスは約69kPa(10psi)〜約103kPa(15psi)の範囲の圧力で導入される)と、Pd/C、Pt、Pd(スルフィド)/Cなどのような触媒の存在下で、酢酸エチル、THF、イソプロピルアセテート、2−メチル−THF、メチル−t−ブチルエーテル、エタノールなどのような有機溶媒中で反応させて脱保護することができる。これにおいてPg1はSEM又はシリル保護基であるが、式(XIV−S)は、テトラブチルアンモニウムフッ化物などのようなフッ化物源と、THFなどのような有機溶媒中で反応させることによって脱保護することができる。当業者であれば、例えばT.W.Greene & P.G.M.Wutsの「Protective Groups in Organic Synthesis」(John Wiley & Sons、1991年)に記載されているような、保護基を取り除くためのその他の方法が当該技術分野において既知であることを理解するであろう。
【0212】
当業者であれば、式(XIV−S)の化合物の脱保護のために選択される試薬として、式(XIV−S)の化合物のエポキシ基に対して実質的に非反応性のものが選択されることを理解するであろう。
【0213】
式(XV−S)の化合物は、NaOCH3、K−t−ブトキシド、炭酸ナトリウムなどであり好ましくはNaOCH3のような有機又は無機塩基と(この塩基は、好ましくは約1モル当量以上の量で、より好ましくは過剰量で存在する)、メタノール、エタノール、THF、アセトニトリルなどであり好ましくはメタノールのような有機溶媒中で、好ましくはほぼ室温で反応されて、式(V−S)に対応する化合物をもたらす。
【0214】
別の実施形態において、本発明は、以下のスキーム5に概要を述べるような、式(V−S)の化合物の調製プロセスを目的とする。
【0215】
【化79】

【0216】
したがって、Qが、C1〜4アルキルが好ましくは一級C1〜4アルキル、より好ましくは−C(O)−CH3などである−C(O)−(C1〜4アルキル)から選択される、好適に置換された式(XVI−S)の化合物、既知の化合物、又は既知の方法によって調製された化合物は、(R)−グリシジル−m−ノシレート、(R)−グリシジル−トシレート、(R)−エピクロロヒドリン、(R)−エピブロモヒドリンなどであり好ましくは(R)−グリシジル−m−ノシレート又は(R)−グリシジル−トシレートのような(R)−エポキシ−メチレン源(すなわち、
【0217】
【化80】

)(このエポキシ−メチレン源は、好ましくは、約1〜約5モル当量の範囲の量で、より好ましくは約1〜約2モル当量の範囲の量で、より好ましくは約1.1〜約1.5モル当量の範囲の量で存在する)と、K2CO3、Na2CO3、Cs2CO3、NaH、KHなどであり好ましくはK2CO3のような無機塩基の存在下で(この無機塩基は、好ましくは、約1モル当量で、より好ましくは過剰量で存在する)、ほぼ室温の温度、より好ましくはほぼ室温〜約100℃の範囲の温度、より好ましくは約40℃〜約60℃の範囲の温度、最も好ましくは約40℃の温度で、DMF、THF、N−メチルピロリジノンなどであり好ましくはDMFのような有機溶媒中で、反応されて、式(XVII−S)に対応する化合物をもたらす。
【0218】
式(XIII−S)の化合物は、m−CPBA、過安息香酸、過酢酸、モノマグネシウムペルオキシフタレートなどであり好ましくはm−CPBAのような適切に選択された酸化剤(酸化剤は少なくとも約1モル当量、好ましくは約1〜2モル当量の量で存在する)と、DCE、DCM、クロロホルム、アセトニトリル、NMPなどであり好ましくはDCMのような有機溶媒中で、好ましくはほぼ室温で反応されて、式(XIII−S)に対応する化合物をもたらす。Qが−C(O)−(CH3)である場合、式(XVII−S)の化合物はモノマグネシウムペルオシキフタレートと以外の条件下でDMF中で反応される。
【0219】
式(XVIII−S)の化合物は、NaOCH3、K−t−ブトキシド、炭酸ナトリウムなどであり好ましくはNaOCH3のような有機又は無機塩基と(この塩基は、好ましくは約1モル当量以上の量で、より好ましくは過剰量で存在する)、メタノール、エタノール、THF、アセトニトリルなどであり好ましくはメタノールのような有機溶媒中で、好ましくはほぼ室温で反応されて、式(V−S)に対応する化合物をもたらす。
【0220】
式(V−S)の化合物を、更に、既知の方法(例えば、米国特許公報第2006/0041008 A1号(McComsey,D.ら、2006年2月23日付)及び米国特許公報第2005/0282887 A1号(McComsey,D.ら、2005年12月22日付)に開示されている)により反応させて、式(I−S)に対応する化合物をもたらすことができる。
【0221】
例えば、式(I−S)の化合物は、以下のスキーム6に概説されたプロセスに従って調製することができる。
【0222】
【化81】

【0223】
したがって、例えば上記スキーム1、2、4、又は5に概説したように調製された、好適に置換された式(V−S)の化合物は、既知の方法によって活性化されて、Jがトシレート、Cl、Br、I、メシレート、トリフレートなどのような好適な脱離基である式(XIX−S)に対応する化合物をもたらす。
【0224】
式(XIX−S)の化合物は、フタルイミドカリウム、フタルイミドナトリウムなどのようなフタルイミド塩と、DMF、DMSO、アセトニトリルなどのような有機溶媒中で、好ましくは50℃〜約200℃の範囲の高温で、より好ましくは、有機溶媒がDMF、DMSOなどの場合は約50℃〜約150℃の温度で、有機溶媒がアセトニトリルなどの場合はほぼ還流温度で、反応されて、式(XX−S)に対応する化合物をもたらす。
【0225】
式(XX−S)の化合物は、既知の化合物であるN24と、エタノール、メタノールなどのような有機溶媒中で、約50℃〜約100℃、より好ましくはほぼ還流温度などで反応されて、式(XXI−S)に対応する化合物をもたらす。
【0226】
式(XXI−S)の化合物は、既知の化合物であるスルファミド(NH2−SO2−NH2)(好ましくはこのスルファミドは約2〜約5当量の範囲の量で存在する)と、THF、ジオキサンなどのような有機溶媒中で、好ましくは約50℃〜約100℃の範囲の高温で、より好ましくはほぼ還流温度で、反応されて、式(I−S)に対応する化合物をもたらす。
【0227】
あるいは、式(XXI−S)の化合物を、スルファモイルクロライドとしても知られる既知の化合物である好適に置換された式(XXII−S)の化合物と、TEA、DIPEA、ピリジンなどのような塩基の存在下で、DMF、DMSOなどのような有機溶媒中で、反応させることで、対応する式(I−S)に対応する化合物をもたらす。
【0228】
本発明は、更に、式(I−S)の化合物の結晶形態(以下、結晶形態(I−SA)及び(I−SB)と呼ぶ)を目的とする。式(I−S)の化合物の結晶形態は、それらの粉末X線回折(PXRD)スペクトルを特徴とすることができる。
【0229】
一実施形態では、式(I−S)の化合物の結晶形態は、それらに対応するPXRDピークを特徴とすることができ、これらのピークは、約10%の相対強度以上の相対強度を有し、好ましくは、これらのピークは約25%以上の相対強度を有する。一実施形態では、式(I−S)の化合物の結晶形態は、それに対応するPXRDピークを特徴とすることができ、これらのピークは位置(°2θ)、d−間隔(Å)及び相対強度(%)によって画定される。別の実施形態では、式(I−S)の化合物の結晶形態は、それに対応するPXRDピークを特徴とすることができ、これらのピークは位置(°2θ)及びd−間隔(Å)によって画定される。
【0230】
粉末XRDスペクトルは、下表2及び3に記載されているピークを有する式(I−S)の化合物の結晶形態の代表的試料で測定した。PXRDスペクトルは、X−Celerator検出器、スキャンフォーム3〜35°2θ、ステップサイズ0.0165°2θ、10.16秒/ステップ、有効スキャン速度0.2067°/秒、機器電圧45kV及び電流設定40mAを使用して測定した。
【0231】
結晶形態(I−SA)は、例えば下記実施例13に記載されているように調製することができる。結晶形態(I−SA)の融点を代表的試料で測定したところ、98.6℃〜100.8℃の融点開始が示された。結晶形態(I−SA)は、下表XRD−1に記載するような粉末XRDピークを特徴とすることができる。
【0232】
【表3】

【0233】
結晶形態(I−SB)は、例えば下記実施例14に記載されているように、既知の方法に従って式(I−S)の化合物を水から再結晶化することによって調製できる。結晶形態(I−SA)の融点を代表的試料で測定したところ、100.7℃及び102.8℃の融点開始が示された。結晶形態(I−SB)は、下表3に記載されているような粉末XRDピークを特徴とすることができる。
【0234】
【表4】

【0235】
図1は、以下の試料に対応する代表的な粉末X線回折パターンを図示する。(a)一番上のスキャンは結晶形態(I−SB)の代表的試料に対応し、(b)真ん中及び一番下のスキャンは2つの別々に調製された結晶形(I−SA)の試料に対応する。
【0236】
本発明は、更に、製薬学的に許容され得る担体とともに、本明細書に記載の任意の方法に従って調製する1つ以上の化合物を含有する医薬組成物を含む。活性成分として本明細書に記載した本発明の化合物の1つ以上を含有する医薬組成物は、従来の医薬品配合技術に従って、化合物(単数又は複数)を医薬担体とよく混合することによって製造できる。担体は、所望の投与経路(例えば、経口、非経口)に応じて様々な形態をとってよい。したがって、懸濁剤、エリキシル剤及び液剤のような液体経口製剤では、好適な担体及び添加剤としては、水、グリコール、油、アルコール、香味剤、保存剤、安定剤、着色剤などが挙げられ、散剤、カプセル剤及び錠剤のような固体経口製剤では、好適な担体及び添加剤としては、デンプン、糖、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などが挙げられる。固体経口製剤は、糖のような物質でコーティングされてもよく、又は主要な吸収部位を調節するために腸溶コーティングされていてもよい。非経口投与では、担体は通常、滅菌水からなり、溶解度の上昇又は保存のために他の成分を添加してもよい。注入用の懸濁液又は溶液も、水性担体を適切な添加剤と共に用いて製造することができる。
【0237】
本発明の医薬組成物を製造するために、活性成分としての1つ以上の本発明の化合物を、従来の医薬品配合技術に従って、医薬担体と共にしっかりと混合するが、この担体は、例えば経口又は筋内内のような非経口投与に望ましい製剤の形態に応じて様々な形態をとることができる。経口剤形における組成物の製造には、任意の通常の医薬媒体を用いることができる。したがって、例えば、懸濁剤、エリキシル剤及び液剤のような液体経口製剤では、好適な担体及び添加剤としては、水、グリコール、油、アルコール、香味剤、保存剤、着色剤などが挙げられ、散剤、カプセル剤、カプレット剤、ジェルキャップ、及び錠剤のような固体経口製剤では、好適な担体及び添加剤としては、デンプン、糖、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などが挙げられる。投与が容易であるため、錠剤及びカプセル剤は最も有利な経口投薬量単位形態であり、その場合、固体医薬担体が明らかに使用される。場合により、錠剤は、標準的な技術により、糖コーティング又は腸溶コーティングされてよい。非経口の場合、担体は、通常、滅菌水を含むが、例えば、溶解性を助けるなどの目的のため又は保存のために、他の成分を含んでよい。注入用の懸濁液も調製することができ、その場合、適切な液体担体、懸濁化剤などを使用することができる。本明細書の医薬組成物には、投与量単位、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、注射液、茶さじ一杯などにつき、上述した有効投薬量を送達するのに必要な活性成分の量が含まれる。本明細書の医薬組成物は、投薬量単位、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、注射液、坐薬、茶さじ一杯などを、約1〜1000mg/kg/日、又は約0.01〜300mg/kg/日、又はその中の任意の範囲、好ましくは約0.5〜100mg/kg/日、又はその中の任意の範囲、より好ましくは約1.0〜25.0mg/kg/日、又はその中の任意の範囲の投薬量で与えることができる。しかしながら、投薬量は患者の要求量、治療される状態の重症度及び採用される化合物に応じて変化してもよい。連日投与又は周期後投与のいずれを用いてもよい。
【0238】
好ましくは、これらの組成物は、経口、非経口、鼻腔内、舌下若しくは直腸投与、又は吸入若しくは吹送による投与のための、例えば錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒、無菌非経口溶液又は懸濁液、定量エアゾール又は液体噴霧剤、ドロップ、アンプル、自動注入装置又は坐薬のような単位剤形である。あるいは、組成物は、週1回又は月1回投与に好適な形態で存在することができ、例えば、デカン酸塩のような活性化合物の不溶性塩は、筋肉内注入のためのデポー製剤を提供するよう適合され得る。錠剤のような固体組成物の調製に関しては、主要活性成分を、医薬担体、例えば、トウモロコシデンプン、乳糖、ショ糖、ソルビトール、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウム、又はゴムのような従来の錠剤化成分、及び他の医薬希釈剤、例えば水と混合して、本発明の化合物又はその製薬上許容できる塩の均質混合物を含む固体予備処方組成物を形成する。これらの予備処方組成物を均質と称するとき、これは、活性成分が組成物全体にむらなく分散し、その結果、組成物は同等に効果的な、錠剤、丸剤及びカプセル剤のような剤形に容易に分割できることを意味する。この固体予備配合組成物は、次に0.1〜約500mgの本発明の活性成分を含む、上述した種類の単位剤形に分割される。新規な組成物の錠剤又は丸剤は、長期間作用するという利点を付与する剤形を提供するためにコーティングすることができる、又は別の方法で配合することができる。例えば、錠剤又は丸剤は、内側投与成分及び外側投与成分を含むことができ、後者は前者の外被の形態である。2つの成分は、胃での崩壊を阻止し、また内側成分を無傷で十二指腸内まで通過させる、又は放出を遅延させることができる腸溶性の層によって分離されることができる。このような腸溶性層又はコーティングには様々な材料を使用することができ、そのような材料としては、セラック、セチルアルコール及び酢酸セルロースのような材料を伴う多数のポリマー酸が挙げられる。
【0239】
経口投与又は注入投与用に本発明の新規組成物を組み込み得る液体形態としては、水性液剤、好適に香味付けされたシロップ剤、水性又は油性懸濁剤、及び綿実油、ゴマ油、ヤシ油又はピーナッツ油のような食用油を含む香味付けされたエマルション、並びにエリキシル剤及び同様の医薬賦形剤が挙げられる。水性懸濁剤のための好適な分散剤又は懸濁化剤としては、合成及び天然ゴム、例えばトラガカント、アカシア、アルギン酸塩、デキストラン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ポリビニル−ピロリドン又はゼラチンが挙げられる。
【0240】
本発明で記載する癲癇又は関連障害の処置法は、本明細書で定義する任意の化合物及び製薬上許容され得る担体を含む製薬学的組成物を使用して行うこともできる。医薬組成物は、約0.1mg〜1000mgの化合物、好ましくは約50〜500mg又はその任意の範囲の化合物を含んでもよく、選択される投与形態に好適な任意の形態に構成することができる。担体は、結合剤、懸濁化剤、滑沢剤、着香剤、甘味剤、保存剤、染料、及びコーティングが挙げられるがこれらに限定されない必要かつ不活性な医薬賦形剤を含む。経口投与用に好適な組成物としては、丸剤、錠剤、カプレット剤、カプセル剤(それぞれ、迅速放出、時限放出及び持続放出製剤を含む)、顆粒、及び散剤のような固体形、並びに液剤、シロップ剤、エリキシル剤、及び縣濁剤のような液体形が挙げられる。非経口投与用に有用な形態としては、滅菌液剤、エマルション及び懸濁液が挙げられる。
【0241】
有利なことに、本発明の化合物は、1回に1日量を投与してもよく、又は全1日量を1日2回、3回又は4回に分割して投与してもよい。更に、本発明のための化合物は、当業者に周知の、好適な鼻腔内賦形剤の局所使用による経鼻投与形態で、又は経皮皮膚貼付剤を介して投与してもよい。経皮送達系の形態で投与するために、投薬量の投与は、勿論、投薬レジメン全体にわたって断続的ではなく連続的となるであろう。
【0242】
例えば、錠剤又はカプセル剤の形態での経口投与のために、活性薬物成分をエタノール、グリセロール、水などのような、経口、非毒性、製薬学的に許容され得る不活性担体と組み合わせることができる。更に、場合によって又は必要であれば、好適な結合剤、滑沢剤、崩壊剤及び着色剤を混合物中に組み込むこともできる。好適な結合剤としては、デンプン、ゼラチン、ブドウ糖若しくはβ−乳糖などの天然糖、トウモロコシ甘味剤、アカシア、トラガカントのような天然及び合成ゴム、又はオレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが挙げられるが、これらに限定されない。崩壊剤としては、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガムなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0243】
液体は、合成及び天然ゴム、例えば、トラガカント、アカシア、メチル−セルロースなどのような好適に香味付けされた懸濁化剤又は分散剤の形態をとる。非経口投与のためには、滅菌懸濁液及び溶液が望ましい。静脈内投与が望ましいとき、好適な保存剤を一般に含有する等張製剤を用いる。
【0244】
本発明の薬学的組成物を調製するには、活性成分としての式(I)の化合物を、従来の薬学的配合技術に従って、薬学的担体と共に緊密に混合するのだが、その担体は、投与(例えば、経口又は非経口)に所望される製剤の形態に応じて、非常に様々な形態をとることができる。製薬学的に許容され得る好適な担体は、当技術分野にて周知である。これらの製薬学的に許容され得る担体のいくつかの説明は、American Pharmaceutical Association及びPharmaceutical Society of Great Britain出版の「Handbook of Pharmaceutical Excipients」に見出すことができる。
【0245】
医薬組成物を配合する方法は、例えば、Marcel Dekker,Inc出版の、Liebermanら編、「Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets」、第2版、改訂及びExpanded、第1〜3巻、Avisら編、「Pharmaceutical Dosage Forms:Parenteral Medications」、第1〜2巻、及びLiebermanら編、「Pharmaceutical Dosage Forms:Disperse Systems」、第1〜2巻のような多数の刊行物に記載されている。
【0246】
本発明の化合物は、癲癇又は関連する障害疾患の治療が必要なときにはいつでも、任意の前述の組成物で、当技術分野にて確立された投薬レジメンに従って投与することができる。
【0247】
製品の1日用量は、ヒト成人につき1日当たり0.01〜10,000mg、又はその中の任意の範囲の幅広い範囲で変動し得る。経口投与用に、組成物は、処置されるべき患者への用量の対症的調整のために、好ましくは0.01、0.05、0.1、0.5、1.0、2.5、5.0、10.0、15.0、25.0、50.0、100、150、200、250、500及び1000ミリグラムの活性成分を含有する錠剤形態で好ましく提供される。薬物の有効量は、通常、1日当たり約0.01mg/kg体重〜約500mg/kg体重、又はその中の任意の範囲の用量レベルで供給される。より好ましくは、範囲は、約0.05〜約100.0mg/kg体重/日又はその中の任意の範囲であり、更により好ましくは約1.0〜約50.0mg/kg体重/日又はその中の任意の範囲である。化合物は、1日当たり1〜4回のレジメンで投与され得る。
【0248】
投与すべき最適用量は、当業者により容易に決定することができ、また使用される特定の化合物、投与モード、製剤の強度、投与モード、及び疾病症状の進行により変動するであろう。更に、患者の年齢、体重、食事、及び投与時間を含む、治療する具体的な患者と関連する因子が、投薬量を調整する必要性をもたらす。
【0249】
当業者は、好適な、既知の及び一般に認められた細胞及び/又は動物モデルを使用したインビボ及びインビトロの両方での試験により、試験化合物の所定の疾患を処置又は予防する能力を予測できることを認識するであろう。
【0250】
当業者は、健康な患者及び/又は所定の疾患に罹患している患者におけるファースト・イン・ヒューマン(first-in-human)試験、投与量決定試験、及び有効性試験を含むヒト臨床試験が、臨床及び医療分野で周知の方法に従って完了し得ることを更に認識するであろう。
【0251】
以下の実施例は、本発明の理解を補助するために記載され、以下の特許請求の範囲に記載される本発明を如何様にも限定することを意図するものではなく、また解釈されるべきではない。
【0252】
以下の実施例において、いくつかの合成生成物は、残留物として単離されたものとして列挙されている。当業者は、用語「残留物」が、生成物が単離された物理的状態を限定するものではなく、例えば、固体、油、発泡体、ゴム、シロップなどを含み得ることを理解するであろう。
【実施例】
【0253】
(実施例1)
2−ベンジロキシ−5−クロロ−ベンズアルデヒド
【0254】
【化82】

【0255】
A2L三口フラスコ(機械的攪拌器、窒素入口、及び熱電対を備えるもの)に、5−クロロサリシルアルデヒド(7.23g、0.147モル)、臭化ベンジル(25.1g、0.147モル)、炭酸カリウム(20.3g、0.147モル)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(650mL)を充填した。反応混合物を18時間(一晩)、60℃に加熱した。反応混合物を水(700mL)に注ぎ込み、次いで、エチルエーテルで抽出した(3×300mL)。この組み合わされた有機物を食塩水(2×200mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)及び濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物を1:1のヘプタン−ジクロロメタンに溶解し、Biotage 75S(200gシリカゲル)に乗せ、ヘプタン(1L)、次いで1:9(3L)、及び3:7(2L)の酢酸エチル−ヘプタンで溶出して、表題の化合物を固形物として得た。
【0256】
1H NMR(CDCl3)δppm:10.48(s、1H)、7.81(d、J=3.1Hz、1H)、7.42(m、6H)、7.01(d、J=8.9Hz、1H)、5.19(s、2H)。
【0257】
(実施例2)
ギ酸、2−ベンジロキシ−5−クロロ−フェニルエステル
【0258】
【化83】

【0259】
1Lの一口フラスコ(電磁攪拌器及び窒素入口を備えるもの)に、2−ベンシロキシー5−クロロ−ベンズアルデヒド(8、28.1g、0.114モル)及びジクロロメタン(360mL)を充填した。この溶液に、m−CPBA(〜75%、31.4g、0.137モル)を添加した。反応混合物を室温で17時間(一晩)攪拌して、白色のスラリーを得た。この白色の固形物をろ過して取り除き、次いで、10%(w/w)ろ液を重亜硫酸ナトリウム(200mL)で洗浄し、残留オキシダントの有無を見るためにそれぞれの相をヨウ素澱粉紙で試験した。試験は陰性であり、有機相を飽和重炭酸ナトリウム(2×150mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)及び濃縮して、固形物として粗生成物を得た。更なる精製をせずに粗生成物をその後の工程で使用した。
【0260】
1H NMR(CDCl3)δppm:8.25(s,1H)、7.37(m,5H)、7.15(m,2H)、6.95(d,J=8.7Hz,1H)、5.09(s,2H)。
【0261】
(実施例3)
2−ベンジロキシ−5−クロロ−フェノール
【0262】
【化84】

【0263】
一口フラスコ(電磁攪拌器及び窒素入口を備えるもの)に、粗ギ酸、2−ベンジロキシ−5−クロロ−フェニルエステル(9.28g、0.107モル)、メトキシドナトリウム(メタノール中25%(w/w)26.5mL、0.123モル)、及びメタノール(175mL)を充填した。反応混合物を18時間(一晩)撹拌した。反応混合物を濃縮して赤色の油にしたものを、飽和塩化アンモニウム(200mL)及びエチルエーテル(200mL)に分配した。水溶液をエチルエーテル(100mL)で抽出し、組み合わされた有機物を食塩水で洗浄し、乾燥(MgSO4)及び濃縮して、表題の化合物を油として得た。更なる精製をせずに生成物をその後の工程で使用した。
【0264】
1H NMR(CDCl3)δppm:7.41(m,5H)、6.95(d,J=1.8Hz,1H)、6.82(m,2H)、5.71(s,1H)、5.09(s,2H)。
【0265】
(実施例4)
(R)−2−(2−ベンジロキシ−5−クロロ−フェノキシメチル)−オキシラン
【0266】
【化85】

【0267】
500mLの三口フラスコ(磁気攪拌棒、熱電対、及び窒素入口を備えるもの)に、2−ベンジロキシ−5−クロロ−フェノール(10、11.3g、48.2ミリモル)、(R)−グリシジルm−ニトロフェニルスルホネート(11.3g、43.8ミリモル)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(200mL)を充填した。反応混合物を12時間、40℃に加熱し、次いで室温に冷却して、水(300mL)に注いだ。エチルエーテル(3×200mL)を用いて、水相を抽出した。この組み合わされた有機相を1Mの水酸化ナトリウム(aq)、食塩水(3×100mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)及び減圧下で濃縮して、油として粗生成物を得た。油をヘプタン−ジクロロメタン1:1に溶解し、Iscoカートリッジ(120gシリカゲル)に乗せて溶出して、表題の化合物を油として得た。
【0268】
1H NMR(CDCl3)δppm:7.38(m,5H)、6.94(d,J=2.5Hz,1H)、6.85(m,2H)、5.11(s,2H)、4.28(dd,J=11.4,3.3Hz,1H)、4.01(dd,J=11.3、5.5Hz,1H)、3.38(m,1H)、2.89(dd,J=5.1,4.9Hz,1H)、2.77(dd,J=5.0,2.6Hz,1H)。
【0269】
(実施例5)
(R)−4−クロロ−2−オキシラニルメトキシ−フェノール
【0270】
【化86】

【0271】
Parr反応容器に、炭素上の5%パラジウム(乾燥、1.0g)、(R)−2−(2−ベンジルオキシ−5−クロロ−フェノキシメチル)−オキシラン(11、11.7g、40.2ミリモル)及び酢酸エチル(250mL)を充填した。反応混合物を、Parrシェーカーで室温にて、34〜48kPa(5〜7psi)の水素ガス下で2.5時間攪拌した。触媒をろ過して取り除き、減圧下で酢酸エチルを取り除いて、静置固化した油として表題の化合物を得た。更なる精製をせずに生成物をその後の工程で使用した。
【0272】
1H NMR(CDCl3)δppm:6.87(m,3H)、6.09(bs,1H)、4.25(dd,J=11.4,2.6Hz,1H)、3.98(dd,J=11.3,5.7Hz,1H)、3.39(m,1H)、2.96(t,J=4.6Hz,1H)、2.85(dd,J=5.2,2.7Hz,1H)。
【0273】
(実施例6)
(S)−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ダイオキシン−2−イル)−メタノール
【0274】
【化87】

【0275】
一口フラスコ(電磁攪拌器及び窒素入口を備えるもの)に、(R)−4−クロロ−2−オキシラニルメトキシ−フェノール(12、8.1g、40.4ミリモル)、メトキシドナトリウム(メタノール中25%(w/w)、10.5mL、48.4ミリモル)、及びメタノール(90mL)を充填した。反応混合物を18時間(一晩)撹拌した。反応混合物を濃縮して赤色の油にしたものを、水(250mL)及びエチルエーテル(200mL)に分配した。水性層をエチルエーテル(2×100mL)で抽出し、組み合わされた有機物を1Mの水酸化ナトリウム水溶液(150mL)、食塩水(2×100mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)及び濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物をジクロロメタン中に溶解し、バイオタージ40M(シリカゲル90g)に乗せ、ジクロロメタン(250mL)及び酢酸エチル−ジクロロメタン(1L)1:19で溶出して、白色固形物として表題の化合物を得た(19415−132A)。
【0276】
融点:73〜75℃。
【0277】
光圧回転:[α]D=−58.0°(c1.99,MeOH,23℃)
1H NMR(CDCl3)δppm:6.82(m,3H)、4.30(dd,J=11.1,2.2Hz,1H)、4.24(m,1H)、4.10(dd,J=11.2,7.4Hz,1H)、3.87(m,2H)、1.95(t,J=6.6Hz,1H)。
【0278】
(実施例7)
(R)−1−(4−クロロ−2−オキシラニルメトキシ−フェニル)−エタノン
【0279】
【化88】

【0280】
22Lの四口フラスコ(機械的攪拌器、熱電対、テフロンストッパー、及びアルゴン入口を備えるもの)に、4−クロロ−2−ヒドロキシ−アセトフェノン(13、687.2g、4.03モル)及びN,N−ジメチルホルムアミド(14.0L)を充填した。この溶液に、炭酸カリウム(613g、4.43モル)及び(R)−グリシジルm−ニトロフェニルスルホネート(1.045kg、4.03モル)を添加した。反応混合物を20時間(一晩)かけて40℃に加熱し、次いで、室温に冷却し、2つの部分に分割した。それぞれの部分を水(9L)に注ぎ入れ、メチルタート−ブチルエーテル(3×2L)で抽出した。2つの有機相をそれぞれ食塩水(2×4L)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、減圧下で濃縮して得た粗生成物を、その後の工程で、更なる精製をせずに使用した。
【0281】
1H NMR(CDCl3)δppm:7.71(d,J=8.5Hz,1H)、7.02(dd,J=8.8,1.7Hz,1H)、6.95(d,J=1.8Hz,1H)、4.39(dd,J=11.0,2.8Hz,1H)、3.98(dd,J=10.8,6.1Hz,1H)、3.41(m,1H)、2.96(t,J=4.4Hz,1H),2.78(dd,J=5.1,2.7Hz,1H)、2.64(s,3H)。
【0282】
上記のように調製した生成物の少量をクロマトグラフし(Iscoシリカ−40g)、白色の粉末を得た。
MP:79〜80℃。
光圧回転:[a]D=−19.4°(c2.02,MeOH,23℃)。
高解像度MS:(C11123Cl,M+Hとして):計算値:227.48、測定値:227.05
【0283】
(実施例8)
(R)−酢酸、4−クロロ−2−オキシラニルメトキシ−フェニルエステル
【0284】
【化89】

【0285】
22Lの四口フラスコ(機械的攪拌器、2つのストッパー、及びアルゴン入口付き凝縮器を備えるもの)に、(R)−1−(4−クロロ−2−オキシラニルメトキシ−フェニル)−エタノン(14,815g、3.60モル)及びジクロロメタン(8.8L)を充填した。この溶液に、m−CPBA(〜75% Lancaster、993g、オキシダント4.31モル)を添加した。反応混合物を温暖な還流で3日間かけて22時間温めた(監視の下でのみ加熱した)。次いで、追加的なm−CPBA(100g、〜0.36モル)を添加し、更に8時間還流を続けた。次いで、反応混合物を一晩冷却して、冷却の際に白色スラリーを得た。この白色固形物をろ過により取り除き、ろ液を4つの部分に分配した。それぞれの部分を10%(w/w)重亜硫酸ナトリウム(1L)で洗浄し、残留オキシダントの有無を見るために両方の相をヨウ素澱粉紙で試験した。この試験結果は陰性であり、水相をジクロロメタン(2×250mL)で逆抽出し、組み合わされた有機相(4つの部分)を飽和重炭酸ナトリウム(3×500mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)及び濃縮して得た粗生成物を、その後の工程で、更なる精製をせずに使用した。
【0286】
1H NMR(CDCl3)δppm:6.96(m,3H)、4.25(dd,J=10.9,2.4Hz,1H)、3.94(dd,J=11.5,5.6Hz,1H)、3.30(m,1H)、2.88(t,J=4.8Hz,1H),2.71(dd,J=4.8,2.6Hz,1H)、2.31(s,3H)。
【0287】
上記のように調製した粗生成物の少量をクロマトグラフし(Iscoシリカ−12g)、透明の油を得た。
光圧回転:[α]D=−8.29°(c2.05,MeOH,23℃)。
高解像度MS:(C11113Cl,M+として):計算値:242.03、測定値:242.03
【0288】
(実施例9)
(S)−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ダイオキシン−2−イル)−メタノール
【0289】
【化90】

【0290】
12Lの四口フラスコ(機械的攪拌器、2つのストッパー、及び窒素入口を備えるもの)に、(R)−酢酸、4−クロロ−2−オキシラニルメトキシ−フェニルエステル(15、1.019kg(不純)、仮定874g、3.60モル)、メトキシドナトリウム(メタノール中25%(w/w)、972mL、4.50モル)及びメタノール(6.0L)を充填した。反応混合物を20時間(一晩)攪拌し、次いで、3M水酸化ナトリウム水溶液(500mL)で処理し、更に6日、攪拌した。反応混合物を濃縮して得た赤色の油を水で希釈して、4.0Lの容積にした。この材料を2つの部分に分配し、それぞれの水相をメチルタート−ブチルエーテ(2×1.0)及びエチルエーテル(1L)で抽出した。これらの有機相を10%重亜硫酸ナトリウム水溶液(500mL)、飽和重炭酸ナトリウム(500mL)、食塩水(2×500mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)及び濃縮して、粗生成物を得た。更なる精製をせずに粗生成物をその後の工程で使用した。
【0291】
1H NMR(CDCl3)δppm:6.89(m,1H)、6.2(m,2H)、4.30(dd,J=11.3,2.2Hz,1H)、4.23(m,1H)、4.10(dd,J=10.9,7.6Hz,1H)、3.91(dd,J=12.0,4.2Hz,1H)、3.83(dd,J=12.1,5.4Hz,1H)。
【0292】
上記のように調製した粗生成物の少量をクロマトグラフし(Iscoシリカ−12g)、白色の固形物を得た。
融点:79〜81℃。
光圧回転:[α]D=−58.2°(c 2.05,MeOH,23℃)、
キラルHPLC:Chiralpak AS−H、ヘキサン/IPA(97:3)、Rt=16.095分、>99%ee。
高解像度MS:(C993Cl,M+として):計算値:200.02:測定値:200.02
【0293】
(実施例10)
(R)−トルエン−4−スルホン酸、6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ダイオキシン−2−イル−メチルエステル
【0294】
【化91】

【0295】
12Lの四口フラスコ(機械的攪拌器、窒素入口、及び2つのストッパーを備えるもの)に、(S)−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ダイオキシン−2−イル)−メタノール(2,300g、1.50モル)及び4.5Lのテトラヒドロフラン/ジクロロメタン(9:1)を充填した。この溶液をN−メチルモルホリン(362mL、3.29モル)、N,N−ジメチルアミノピリジン(36.4g、0.298モル)、及びパラ塩化トルエンスルホニル(341g、1.79モル)で処理した。反応混合物を室温にて窒素下で10日間攪拌した(〜4日後、見たところ反応は完了していた)。反応混合物をろ過してアミン塩酸塩を除去し、2つの部分に分配した。それぞれの部分を20%重炭酸カリウム水溶液(3L)で2.5時間、攪拌した。次いで、それぞれの部分をイソプロピル酢酸(2×1.5L)で抽出し、有機物を2M塩酸(2×1L)、飽和重炭酸ナトリウム(2×1L)、食塩水(500mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)した。その結果得られた混合物を濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をジクロロメタン/ヘプタン(1:3)中に溶解し、Biotage 150L(シリカゲル5kg)に乗せ、ヘプタン(8L)、1:9酢酸エチル−ヘプタン(24L)、15:85酢酸エチル−ヘプタン(48L)、及び1:2酢酸エチル−ヘプタン(18L)で溶出(207kPa(30psi))して、表題の化合物を黄白色(オフホワイト)の固形物として得た。
【0296】
1H NMR(DMSO−d6)δppm:7.79(d,J=7.9Hz,2H)、7.47(d,J=8.0Hz,2H)、6.94(d,J=2.5Hz,1H)、6.87(dd,J=8.8,2.5Hz,1H),6.8(d,J=8.8Hz,1H)、4.46(m,1H)、4.35(dd,J=11.7,3.1Hz,1H)、4.29(dd,J=11.7,2.5Hz,1H)、4.20(dd,J=11.3,6.4Hz,1H)、3.99(dd,J=11.5,6.2Hz,1H)、2.42(s,1H)。
【0297】
光圧回転:[α]D=−34.73°(c2.02,MeOH,23℃)。
【0298】
(実施例11)
(S)−2−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ダイオキシン−2−イルメチル)−イソインドリ−1,3−ジオン
【0299】
【化92】

【0300】
12Lの四口フラスコ(機械的攪拌器、窒素入口が上部にあるエアコンデンサー、及び2つのストッパーを備えるもの)に、(R)−トルエン−4−スルホン酸、6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ダイオキシン−2−イル−メチルエステル(3,443g、1.25モル)、フタルイミドカリウム(301g、1.62モル)及びN,N−ジメチルホルムアミド(5L)を充填した。反応混合物を2時間かけて100℃に加熱し、次いで、16時間(一晩)かけて室温に冷却した。反応混合物を水(6L)で希釈し、2.5時間、攪拌した。その結果得られた白色の固形物を真空ろ過によって回収し、55℃の真空炉内で乾燥して、表題の化合物を黄白色(オフホワイト)の固形物として得た。
【0301】
1H NMR(DMSO−d6)δppm:7.84(m,4H)、6.98(d,J=2.9Hz,1H)、6.87(dd,J=8.4,2.8Hz,1H)、6.83(d,J=8.3Hz,1H),4.49(qd,J=6.1,2.2,1H)、4.36(dd,J=11.4,2.7Hz,1H)、4.13(dd,J=11.9,2.5Hz,1H)、3.88(m,2H)。
【0302】
融点:126〜127℃。
【0303】
(実施例12)
(S)−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ダイオキシン−2−イル)−メチルアミド
【0304】
【化93】

【0305】
12Lの四口フラスコ(機械的攪拌器、上部に窒素入口のある水凝縮器、及び2つのストッパーを備えるもの)に、(S)−2−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ダイオキシン−2−イルメチル)−イソインドリ−1,3−ジオン(4,370g、1.12モル)、ヒドラジン(65.2mL、2.08モル)、及びエタノール(4L)を充填した。反応混合物を1.5時間、還流にて加熱し、次いで、室温に冷却した。反応混合物を1M塩酸(2L)で酸性化し、ろ過した。ろ液を濃縮してエタノールを除去し、次いで3M水酸化ナトリウム(1L)で塩基性化し、エチルエーテル(2L、次いで2×1L)で抽出した。組み合わされた有機物を食塩水(2×600mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)及び濃縮して、白色の固形物として得た表題の化合物を、その後の工程で更なる精製をせずに使用した。
【0306】
1H NMR(DMSO−d6)δppm:6.95(d,J=1.9Hz,1H)、6.87(m,2H)、4.37(dd,J=11.5,2.6,1H)、4.07(m,1H),3.98(dd,J=10.9,7.7Hz,1H)、2.83(dd,J=12.7,5.4,1H)、2.77(dd,J=12.7,6.1,1H)。
【0307】
融点:70〜71℃。
光圧回転:[α]D=−81.0°(c2.00,MeOH,23℃)。
【0308】
(実施例13)
(S)−N−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ダイオキシン−2−イルメチル)−スルファミド
【0309】
【化94】

【0310】
12Lの四口フラスコ(機械的攪拌器、上部に窒素入口のある水凝縮器、及び2つのストッパーを備えるもの)に、(S)−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ダイオキシン−2−イル)−メチルアミン(5,214g、1.07モル)、スルファミド(412g、4.29モル)、及びイソプロピルアセテート(4L)を充填した。次いで、反応混合物を3日間かけて合計15時間、還流するまで加熱した後、室温に冷却した。反応混合物を氷浴して冷やし、残留物をろ過により回収し、イソプロピルアセテートで洗浄した。ろ液を1M塩酸(3L)で洗浄し、乾燥(MgSO4)及び濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物の全部を酢酸エチルに溶解し、シリカゲル(600g)に吸収させ、Biotage試料誘導モジュールに乗せ、次いで、ヘプタン(2L)、1:9酢酸エチル−ヘプタン(4L)、3:7酢酸エチル−ヘプタン(12L)、1:1酢酸エチル−ヘプタン(16L)を用いてBiotage 150M(シリカゲル2.5g)に溶出して、混合分画物と共に生成物を得た。混合分画物を、ヘプタン(1L)、1:9酢酸エチル−ヘプタン(4L)、3:7酢酸エチル−ヘプタン(6L)、1:1酢酸エチル−ヘプタン(8L)を用いて、Biotage 75L(800gシリカ)で再びクロマトグラフし、追加的生成物を得た。これら2つの生成物ロットを組み合わせて、表題の化合物を黄白色(オフホワイト)の固形物として得た。
【0311】
この実施例でに記載されている手順により調製した表題の化合物は、式(I−SA)のものである。
【0312】
1H NMR(DMSO−d6)δppm:6.98(d,J=1.9Hz,1H)、6.89(m,3H)、6.67(bs,2H)、4.36(dd,J=11.7,1.6,1H)、4.28(m,1H)、4.00(dd,J=11.5,6.8Hz,1H)、3.19(m,1H)、3.11(m,1H)。
【0313】
融点:99〜100℃。
光圧回転:[α]D=−57.6°(c2.14,MeOH,23℃)。
キラルHPLC:Chiralpak AD−H,ヘキサン(0.1%TEA)/IPA(80:20)、Rt=11.407分、>99%ee。
【0314】
911ClN24Sの元素分析。
計算値:%C 38.78,%H 3.98,%Cl 12.72,%N 10.05,%S 11.51。
測定値:%C 38.81,%H 3.74,%Cl 12.83,%N 9.93,%S 11.53。
【0315】
(実施例14)
(S)−N−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ダイオキシン−2−イルメチル)−スルファミドの水再結晶(Water Recrystallization)
試験管で(S)−N−(6−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ダイオキシン−2−イルメチル)−スルファミド(0.050g)に蒸留水(5mL)を添加して得られた混合物を加熱した。水が沸騰する前に白色の固形物が水中に溶解するのが観察された。水が冷却するにつれて材料は懸濁液として析出され、2時間にかけて白色の針状結晶が形成された。この結晶をろ過により取り去り、水ですすぎ、空気乾燥して回収し、本明細書に定義した結晶形態(I−SB)を得た。
【0316】
(実施例15)
(R)−トルエン−4−スルホン酸、(7−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ダイオキシン−2−イル)−メチルエステル
【0317】
【化95】

【0318】
(S)−(7−クロロ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾダイオキシン−2−イル)メタノール{[α]D=−35.6°(c=1.45,EtOH),7.12g,35.4ミリモル}(A.M.Birchら、Journal of Medicinal Chemistry1999年、42、3342−3355に開示されている方法により調製)をピリジン(50mL)に溶解し、0℃に冷却した。その結果得られた混合物にパラ塩化トルエンスルホニル(6.68g、35.5ミリモル)を添加し、反応混合物を20時間、室温で攪拌した。次いで、反応混合物を氷浴で冷却し、1N HCl(750mL)を添加した。反応混合物をジエチルエーテル(3x、200mL)で抽出した。組み合わされたジエチルエーテルを1N HCl(2x、250mL)、水、食塩水(2x)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、減圧下で蒸発して、表題の化合物を白色の固形物として得た。
【0319】
1H NMR(CDCl3)δ7.79(d,J=8.4Hz,2H)、7.37(d,J=8.5Hz,2H)、6.76(m,3H)、4.40(m,1H)、4.21(m,3H)、4.03(dd,J=6.2,11.6Hz,1H)、2.61(s,3H)。
【0320】
(実施例16)
(S)−2−(7−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ダイオキシン−2−イルメチル)−イソインドリ−1,3−ジオン
【0321】
【化96】

【0322】
(R)−トルエン−4−スルホン酸、(7−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ダイオキシン−2−yl)−メチルエステル(10.65g)(上記実施例15のように調製した)をフタルイミドカリウム(8.90g、48ミリモル)とDMF(100mL)中で組み合わせ、得られた混合物を1時間、還流するまで加熱してから室温に冷却し、激しく攪拌されている氷水(750mL)中に注ぎ込み、30分間、攪拌した。その結果得られた白色の固形物をろ過し、水で数回洗浄し、次いで減圧下で(16時間)乾燥して、表題の化合物を白色の粉末状固形物として得た。
【0323】
1H NMR(CDCl3)δ7.89(m,2H)、7.75(m,2H)、6.82(m,3H)、4.50(m,1H)、4.29(dd,J=2.3,11.6Hz,1H)、4.05(m,2H)、3.89(dd,J=5.4,14.2Hz,1H)。
【0324】
(実施例17)
(S)−(7−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ダイオキシン−2−イル)−メチルアミン
【0325】
【化97】

【0326】
(S)−2−(7−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ダイオキシン−2−イルメチル)−イソインドリ−1,3−ジオン(8.1g、24.6ミリモル、上記実施例16のように調製された)をEtOH(120mL)中でヒドラジン(1.57g、49ミリモル)と組み合わせ、還流で2時間加熱してから室温に冷却した。次いで、反応混合物にpHが2.0になるまで1N HClを添加し、得られた混合物を45分間、攪拌した。その結果得られた白色の固形物をろ過し、新しいEtOHで数回洗浄し、固形物を廃棄した。ろ液を減圧下で蒸発させて得た固形物を、ジエチルエーテルとNaOH希釈水溶液に分配した。ジエチルエーテル溶液を食塩水で一度洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、減圧下で蒸発させて、表題の化合物を透明の粘稠な油として得た。
【0327】
MS200(MH+
1H NMR(CDCl3)δ6.90(dd,J=1.54,1.1Hz,1H)、6.79(m,2H)、4.26(dd,J=11.2,2.2Hz,1H)、4.13(m,1H)、3.98(dd,J=11.3,7.5Hz,1H)、2.98(m,2H)、1.25(bd s,NH2
【0328】
光圧回転[α]D=−54.2°(c=1.55,CHCl3
【0329】
(実施例18)
(S)−N−(7−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ダイオキシン−2−イルメチル)−スルファミド(式(I−S)の化合物)
【0330】
【化98】

【0331】
(S)−(7−クロロ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ダイオキシン−2−イル)−メチルアミン(4.7g、23.5ミリモル)及びスルファミド(4.51g、47ミリモル)をジオキサン(125mL)中で3時間、還流し、次いで室温に冷却し、ろ過し、減圧下で蒸発させて、固形物を得た。固形物(粗生成物)をフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH 20:1)により精製して得られた白色の固形物を酢酸エチル/ヘキサンから再結晶化して、表題の化合物を白色の結晶性固形物として得た。
【0332】
mp118〜119℃
MS 277(M−1)
光圧回転[α]D=−40.0°(c=1.20,MeOH)
【0333】
1H NMR(DMSOd6)δ6.97(d,J=2.2Hz,1H)、6.90(m,3H)、6.67(s,2H,NH2)、4.35(m,2H)、4.01(m,1H)、3.15(m,2H)
【0334】
化学分析:
計算値:C,38.78、H,3.98、N,10.05、S,11.51
測定値:C,38.83、H,3.88、N,10.08、S,11.31
【0335】
(実施例19)
液体製剤
例えば上記のように調製された式(I−S)の化合物を既知の方法により処方して、下表4に記載されている成分で、それぞれ25mg及び100mgの液体製剤にした。
【0336】
【表5】

【0337】
実施例20−机上実施例
経口組成物の特定の実施形態として、実施例18で調製した化合物100mgを、十分な微粉乳糖と共に配合し、580〜590mgの合計量を得て、サイズOの硬質ゲルカプセル剤を満たした。
【0338】
上記の明細書は説明を目的として与えられる実施例と共に本発明の原理を教示するものであるが、本発明の実施には、以下の特許請求の範囲及びその同等物に含まれるすべての通常の変形、改作及び/又は修正が包含される点が理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(V)の化合物の調製プロセスであって、
【化1】

式中
【化2】

からなる群から選択され、
bは0〜4の整数であり、cは0〜2の整数であり、
各R5はハロゲン、低級アルキル、及びニトロからなる群から独立して選択され、
【化3】

式(XI)に対応する化合物を得るために、式(X)の化合物を保護する工程であり、式中Pg1はアルコール保護基である、保護する工程と、
【化4】

式(XII)に対応する化合物を得るために、式(XI)の化合物を有機溶媒中で酸化剤と反応させる工程と、
【化5】

式(XIII)に対応する化合物を得るために、式(XII)の化合物を有機溶媒中、又は有機溶媒混合物中、又は1つ以上の有機溶媒と水との混合物中で、有機又は無機塩基と反応させる工程と、
【化6】

式(XIV)に対応する化合物を得るために、ほぼ室温より高い温度で有機溶媒中で式(XIII)の化合物を無機塩基の存在下でエポキシ−メチレン源と反応させる工程と、
【化7】

式(XV)に対応する化合物を得るために、式(XIV)の化合物を脱保護する工程と、
【化8】

式(V)に対応する化合物を得るために、式(XV)の化合物を有機溶媒中で有機又は無機塩基と反応させる工程と、を含む、プロセス。
【請求項2】
Pg1が、ベンジル、アリル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル、t−ブチル−ジフェニルシリル、4−ニトロ−ベンジル、4−メトキシベンジル、メトキシメチル、及びエトキシエチルからなる群から選択される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
Pg1が、ベンジル及びアリルからなる群から選択される、請求項2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記酸化剤がm−CPBAである、請求項1に記載のプロセス。
【請求項5】
式(XII)の化合物と反応される前記有機又は無機塩基がNaOCH3である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項6】
前記エポキシ−メチレン源が、グリシジル−m−ノシレート及びグリシジル−トシレートからなる群から選択される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項7】
前記エポキシ−メチレン源が、(R)−グリシジル−m−ノシレート及び(R)−グリシジルトシレートからなる群から選択される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項8】
前記式(XIV)の化合物が、前記式(XIV)の化合物を水素又は水素源と反応させることによって脱保護される、請求項3に記載のプロセス。
【請求項9】
前記式(V)の化合物と反応される前記有機又は無機塩基がNaOCH3である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項10】
【化9】

である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項11】
式(I)の化合物の調製プロセスであって、
【化10】

式中、
【化11】

からなる群から選択され、
bは0〜4の整数であり、cは0〜2の整数であり、
各R5はハロゲン、低級アルキル、及びニトロからなる群から独立して選択され、
4は水素及び低級アルキルからなる群から選択され、
1及びR2は、それぞれ独立して、水素及び低級アルキル、
又は製薬上許容できるこれらの塩からなる群から選択され、
【化12】

式(XI)に対応する化合物を得るために、式(X)の化合物を保護する工程であり、
【化13】

からなる群から選択され、式中Pg1はアルコール保護基である、保護する工程と、
【化14】

式(XII)に対応する化合物を得るために、式(XI)の化合物を有機溶媒中で酸化剤と反応させる工程と、
【化15】

式(XIII)に対応する化合物を得るために、式(XII)の化合物を有機溶媒中、又は有機溶媒混合物中、又は1つ以上の有機溶媒と水との混合物中で有機又は無機塩基と反応させる工程と、
【化16】

式(XIV)に対応する化合物を得るために、ほぼ室温より高い温度で有機溶媒中で式(XIII)の化合物を無機塩基の存在下でエポキシ−メチレン源と反応させる工程と、
【化17】

式(XV)に対応する化合物を得るために、式(XIV)の化合物を脱保護する工程と、
【化18】

式(V)に対応する化合物を得るために、式(XV)の化合物を有機溶媒中で有機又は無機塩基と反応させる工程と、
【化19】

式(I)に対応する化合物を得るために、式(V)の化合物を反応させる工程と、を含む、プロセス。
【請求項12】
PG1が、ベンジル、アリル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル、t−ブチル−ジフェニルシリル、4−ニトロ−ベンジル、4−メトキシベンジル、メトキシメチル、及びエトキシエチルからなる群から選択される、請求項11に記載のプロセス。
【請求項13】
Pg1が、ベンジル及びアリルからなる群から選択される、請求項12に記載のプロセス。
【請求項14】
前記酸化剤がm−CPBAである、請求項11に記載のプロセス。
【請求項15】
式(XII)の化合物と反応される前記有機又は無機塩基がNaOCH3である、請求項11に記載のプロセス。
【請求項16】
前記エポキシ−メチレン源が、グリシジル−m−ノシレート及びグリシジル−トシレートからなる群から選択される、請求項11に記載のプロセス。
【請求項17】
前記エポキシ−メチレン源が、(R)−グリシジル−m−ノシレート及び(R)−グリシジルトシレートからなる群から選択される、請求項11に記載のプロセス。
【請求項18】
前記式(XIV)の化合物が、前記式(XIV)の化合物を水素又は水素源と反応させることによって脱保護される、請求項13に記載のプロセス。
【請求項19】
前記式(V)の化合物と反応される前記有機又は無機塩基がNaOCH3である、請求項11に記載のプロセス。
【請求項20】
【化20】

であり、
1が水素であり、R2が水素であり、R4が水素である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項21】
式(V−S)の化合物の調製プロセスであって、
【化21】

式(XI−S)に対応する化合物を得るために、式(X−S)の化合物を保護する工程であり、式中Pg1はアルコール保護基である、保護する工程と、
【化22】

式(XII−S)に対応する化合物を得るために、式(XI−S)の化合物を有機溶媒中で酸化剤と反応させる工程と、
【化23】

式(XIII−S)に対応する化合物を得るために、式(XII−S)の化合物を有機溶媒中、又は有機溶媒混合物中、又は1つ以上の有機溶媒と水との混合物中で有機又は無機塩基と反応させる工程と、
【化24】

式(XIV−S)に対応する化合物を得るために、ほぼ室温より高い温度で有機溶媒中で式(XIII−S)の化合物を無機塩基の存在下で(R)−エポキシ−メチレン源と反応させる工程と、
【化25】

式(XV−S)に対応する化合物を得るために、式(XIV−S)の化合物を脱保護する工程と、
【化26】

式(V−S)に対応する化合物を得るために、式(XV−S)の化合物を有機溶媒中で有機又は無機塩基と反応させる工程と、を含む、プロセス。
【請求項22】
Pg1が、ベンジル、アリル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル、t−ブチル−ジフェニルシリル、4−ニトロ−ベンジル、4−メトキシベンジル、メトキシメチル、及びエトキシエチルからなる群から選択される、請求項21に記載のプロセス。
【請求項23】
Pg1が、ベンジル及びアリルからなる群から選択される、請求項22に記載のプロセス。
【請求項24】
酸化剤がm−CPBAである、請求項21に記載のプロセス。
【請求項25】
式(XII−S)の化合物と反応される前記有機又は無機塩基がNaOCH3である、請求項21に記載のプロセス。
【請求項26】
前記(R)−エポキシ−メチレン源が、(R)−グリシジル−m−ノシレート及び(R)−グリシジルトシレートからなる群から選択される、請求項21に記載のプロセス。
【請求項27】
前記式(XIV−S)の化合物が、式(XIV)の化合物を水素又は水素源と反応させることによって脱保護される、請求項23に記載のプロセス。
【請求項28】
前記式(V−S)の化合物と反応される前記有機又は無機塩基がNaOCH3である、請求項21に記載のプロセス。
【請求項29】
請求項21のプロセスを含む、式(I−S)の化合物の調製プロセスであって、
【化27】

式(I−S)に対応する化合物を得るために、式(V−S)の化合物を反応させる工程を更に含む、プロセス。
【請求項30】
式(I−S)の化合物
【化28】

又は製薬上許容できるその塩の調製プロセスであって、
【化29】

式(XI−S)に対応する化合物を得るために、式(X−S)の化合物を保護する工程であり、式中Pg1はアルコール保護基である、保護する工程と、
【化30】

式(XII−S)に対応する化合物を得るために、式(XI−S)の化合物を有機溶媒中で酸化剤と反応させる工程と、
【化31】

式(XIII−S)に対応する化合物を得るために、式(XII−S)の化合物を有機溶媒中、又は有機溶媒混合物中、又は1つ以上の有機溶媒と水との混合物中で有機又は無機塩基と反応させる工程と、
【化32】

式(XIV−S)に対応する化合物を得るために、ほぼ室温より高い温度で有機溶媒中で式(XIII−S)の化合物を無機塩基の存在下で(R)−エポキシ−メチレン源と反応させる工程と、
【化33】

式(XV−S)に対応する化合物を得るために、式(XIV−S)の化合物を脱保護する工程と、
【化34】

式(V−S)に対応する化合物を得るために、式(XV−S)の化合物を有機溶媒中で有機又は無機塩基と反応させる工程と、
【化35】

式(I−S)に対応する化合物を得るために、式(V−S)の化合物を反応させる工程と、を含む、プロセス。
【請求項31】
Pg1が、ベンジル、アリル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル、t−ブチル−ジフェニルシリル、4−ニトロ−ベンジル、4−メトキシベンジル、メトキシメチル、及びエトキシエチルからなる群から選択される、請求項30に記載のプロセス。
【請求項32】
Pg1が、ベンジル及びアリルからなる群から選択される、請求項31に記載のプロセス。
【請求項33】
前記酸化剤がm−CPBAである、請求項30に記載のプロセス。
【請求項34】
式(XII−S)の化合物と反応される前記有機又は無機塩基がNaOCH3である、請求項30に記載のプロセス。
【請求項35】
前記(R)−エポキシ−メチレン源が、(R)−グリシジル−m−ノシレート及び(R)−グリシジルトシレートからなる群から選択される、請求項30に記載のプロセス。
【請求項36】
前記式(XIV−S)の化合物が、式(XIV)の化合物を水素又は水素源と反応させることによって脱保護される、請求項32に記載のプロセス。
【請求項37】
前記式(V−S)の化合物と反応される前記有機又は無機塩基がNaOCH3である、請求項30に記載のプロセス。
【請求項38】
請求項11のプロセスによって調製される生成物。
【請求項39】
請求項30のプロセスによって調製される生成物。
【請求項40】
製薬上許容できる担体及び請求項39に記載の生成物を含む医薬組成物。
【請求項41】
請求項39に記載の生成物と製薬上許容できる担体とを混合することにより製造される医薬組成物。
【請求項42】
請求項39に記載の生成物と製薬上許容できる担体とを混合することを含む、医薬組成物を製造するプロセス。
【請求項43】
癲癇又は関連する障害を治療する方法であって、それを必要とする被験体に、治療的に有効な量の請求項39に記載の生成物を投与することを含む、方法。
【請求項44】
前記障害が、癲癇である、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
式(V)の化合物の調製プロセスであって、
【化36】

式中、
【化37】

からなる群から選択され、
bは0〜4の整数であり、cは0〜2の整数であり、
各R5はハロゲン、低級アルキル、及びニトロからなる群から独立して選択され、
【化38】

式(XVI)の化合物を(式中、Qは−C(O)−(C1〜4アルキル)からなる群から選択される)、エポキシ−メチレン源と、無機塩基の存在下でほぼ室温より高い温度で有機溶媒中で反応させて、式(XVII)に対応する化合物を得る、反応工程と、
【化39】

式(XVIII)に対応する化合物を得るために、式(XVII)の化合物を有機溶媒中で酸化剤と反応させる工程と、
【化40】

式(V)に対応する化合物を得るために、式(XVIII)の化合物を有機溶媒中で有機又は無機塩基と反応させる工程と、を含む、プロセス。
【請求項46】
Qが−C(O)−CH3である、請求項45に記載のプロセス。
【請求項47】
前記エポキシ−メチレン源が、グリシジル−m−ノシレート及びグリシジル−トシレートからなる群から選択される、請求項45に記載のプロセス。
【請求項48】
前記エポキシ−メチレン源が、(R)−グリシジル−m−ノシレート及び(R)−グリシジルトシレートからなる群から選択される、請求項47に記載のプロセス。
【請求項49】
前記酸化剤がm−CPBAである、請求項45に記載のプロセス。
【請求項50】
前記式(XVIII)の化合物と反応される前記有機又は無機酸がNaOCH3である、請求項45に記載のプロセス。
【請求項51】
【化41】

である、請求項45に記載のプロセス。
【請求項52】
式(I)の化合物の調製プロセスであって、
【化42】

式中、
【化43】

からなる群から選択され、
bは0〜4の整数であり、cは0〜2の整数であり、
各R5はハロゲン、低級アルキル、及びニトロからなる群から独立して選択され、
4は水素及び低級アルキルからなる群から選択され、
1及びR2は、
水素及び低級アルキル、又は製薬上許容できるそれらの塩からなる群からそれぞれ独立して選択されるものであり、
【化44】

式(XVI)の化合物(式中、
【化45】

からなる群から選択され、Qは−C(O)−(C1〜4アルキル)からなる群から選択される)を、エポキシ−メチレン源と、無機塩基の存在下でほぼ室温より高い温度で有機溶媒中で反応させて式(XVII)に対応する化合物を得る、反応工程と、
【化46】

式(XIII)に対応する化合物を得るために、式(XII)の化合物を有機溶媒中で酸化剤と反応させる工程と、
【化47】

式(V)に対応する化合物を得るために、式(XVIII)の化合物を有機溶媒中で有機又は無機塩基と反応させる工程と、
【化48】

式(I)に対応する化合物を得るために、式(V)の化合物を反応させる工程と、を含む、プロセス。
【請求項53】
Qが−C(O)−CH3である、請求項52に記載のプロセス。
【請求項54】
前記エポキシ−メチレン源が、グリシジル−m−ノシレート及びグリシジル−トシレートからなる群から選択される、請求項52に記載のプロセス。
【請求項55】
前記エポキシ−メチレン源が、(R)−グリシジル−m−ノシレート及び(R)−グリシジルトシレートからなる群から選択される、請求項54に記載のプロセス。
【請求項56】
前記酸化剤がm−CPBAである、請求項52に記載のプロセス。
【請求項57】
前記式(XVIII)の化合物と反応される前記有機又は無機酸がNaOCH3である、請求項52に記載のプロセス。
【請求項58】
【化49】

であり、R1が水素であり、R2が水素であり、R4が水素である、請求項52に記載のプロセス。
【請求項59】
式(V−S)の化合物の調製プロセスであって、
【化50】

式(XVI−S)の化合物(式中、Qは−C(O)−(C1〜4アルキル)からなる群から選択される)を、(R)−エポキシーメチレン源と、無機塩基の存在下でほぼ室温より高い温度で有機溶媒中で反応させて、式(XVII−S)に対応する化合物を得る、反応工程と、
【化51】

式(XIII−S)に対応する化合物を得るために、式(XII−S)の化合物を有機溶媒中で酸化剤と反応させる工程と、
【化52】

式(V−S)に対応する化合物を得るために、式(XVIII−S)の化合物を有機溶媒中で有機又は無機塩基と反応させる工程と、を含む、プロセス。
【請求項60】
Qが−C(O)−CH3である、請求項15に記載のプロセス。
【請求項61】
前記(R)−エポキシ−メチレン源が、(R)−グリシジル−m−ノシレート及び(R)−グリシジルトシレートからなる群から選択される、請求項15に記載のプロセス。
【請求項62】
前記酸化剤がm−CPBAである、請求項15に記載のプロセス。
【請求項63】
前記式(XVIII−S)の化合物と反応される前記有機又は無機酸がNaOCH3である、請求項15に記載のプロセス。
【請求項64】
式(I−S)の化合物
【化53】

又は製薬上許容できるその塩の調製プロセスであって、
【化54】

式(XVI−S)の化合物(式中、Qは−C(O)−(C1〜4アルキル)からなる群から選択される)を、(R)−エポキシーメチレン源と、無機塩基の存在下でほぼ室温より高い温度で有機溶媒中で反応させて、式(XVII−S)に対応する化合物を得る、反応工程と、
【化55】

式(XIII−S)に対応する化合物を得るために、式(XII−S)の化合物を有機溶媒中で酸化剤と反応させる工程と、
【化56】

式(V−S)に対応する化合物を得るために、式(XVIII−S)の化合物を有機溶媒中で有機又は無機塩基と反応させる工程と、
【化57】

式(I−S)に対応する化合物を得るために、式(V−S)の化合物を反応させる工程と、を含む。
【請求項65】
Qが−C(O)−CH3である、請求項64に記載のプロセス。
【請求項66】
前記(R)−エポキシ−メチレン源が、(R)−グリシジル−m−ノシレート及び(R)−グリシジルトシレートからなる群から選択される、請求項64に記載のプロセス。
【請求項67】
前記酸化剤がm−CPBAである、請求項64に記載のプロセス。
【請求項68】
前記式(XVIII−S)の化合物と反応される前記有機又は無機酸がNaOCH3である、請求項64に記載のプロセス。
【請求項69】
請求項52のプロセスによって調製される生成物。
【請求項70】
請求項64のプロセスによって調製される生成物。
【請求項71】
製薬上許容できる担体及び請求項70に記載の生成物を含む医薬組成物。
【請求項72】
請求項70に記載の生成物と製薬上許容できる担体とを混合することにより製造される医薬組成物。
【請求項73】
請求項70に記載の生成物と製薬上許容できる担体とを混合することを含む、医薬組成物を製造するプロセス。
【請求項74】
癲癇又は関連する障害を治療する方法であって、それを必要とする被験体に、治療的に有効な量の請求項70に記載の生成物を投与することを含む、方法。
【請求項75】
前記障害が、癲癇である、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
式(I−S)の化合物の結晶形態I−SA。
【化58】

【請求項77】
以下の粉末X線回折ピークを有する、結晶形態I−SA。
【表1】

【請求項78】
式(I−S)の化合物の結晶形態I−SB。
【化59】

【請求項79】
結晶形態I−SAが以下の粉末X線回折ピークを有する、請求項78に記載の結晶形態I−SB。
【表2】

【請求項80】
製薬上許容できる担体及び請求項76に記載の生成物を含む医薬組成物。
【請求項81】
請求項76に記載の生成物と製薬上許容できる担体とを混合することにより製造される医薬組成物。
【請求項82】
請求項76に記載の生成物と製薬上許容できる担体とを混合することを含む、医薬組成物を製造するプロセス。
【請求項83】
癲癇又は関連する障害を治療する方法であって、それを必要とする被験体に、治療的に有効な量の請求項76に記載の生成物を投与することを含む、方法。
【請求項84】
前記障害が、癲癇である、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
製薬上許容できる担体及び請求項78に記載の生成物を含む医薬組成物。
【請求項86】
請求項78に記載の生成物と製薬上許容できる担体とを混合することにより製造される医薬組成物。
【請求項87】
請求項78に記載の生成物と製薬上許容できる担体とを混合することを含む、医薬組成物を製造するプロセス。
【請求項88】
癲癇又は関連する障害を治療する方法であって、それを必要とする被験体に、治療的に有効な量の請求項78に記載の生成物を投与することを含む、方法。
【請求項89】
前記障害が、癲癇である、請求項88に記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2011−517448(P2011−517448A)
【公表日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−501762(P2011−501762)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【国際出願番号】PCT/US2008/058247
【国際公開番号】WO2009/120192
【国際公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(390033008)ジヤンセン・フアーマシユーチカ・ナームローゼ・フエンノートシヤツプ (616)
【氏名又は名称原語表記】JANSSEN PHARMACEUTICA NAAMLOZE VENNOOTSCHAP
【Fターム(参考)】