説明

ペル酸アニオン由来のイオン液体

新しい種類のイオン液体及びその調製方法を開示する。特に、前記の新種のイオン液体はペル酸アニオン由来にすることができる。本発明はまた、これらの新種のイオン液体を含んでなる組成物及びその組成物の使用方法に関するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新しい種類のイオン液体、及びその調製方法に関するものである。特に、この新種のイオン液体はペル酸アニオン由来にすることができる。本発明はまた、これらの新種のイオン液体を含んでなる組成物及びこの組成物の使用方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、イオン液体とは、100℃以下の温度で液体である融解塩の特定の種類を指す。イオン液体の蒸気圧は非常に低く、イオン液体は実質上、有害な蒸気を発生させない。イオン性流体を含む帯電種が原因で、イオン液体は高極性媒質をもたらす。
【0003】
近年、この新規物質の種類に多大な感心がよせられている。イオン液体は、環境に優しい、即ち「地球に優しい」広範な有機合成用途のための従来の有機溶媒に代わる代替品として広く評価されてきた。さらに、イオン液体は、有機合成用途で触媒としても使用されてきた。広範な化学プロセスへのイオン液体の従来の応用は、J.D.ホルブレイ(J.D.Holbrey)及びK.R.セドン(K.R.Seddon)著、「イオン液体(Ionic Liquid)」、並びに清浄製品及びプロセス(Clean Products and Processes)、第一巻、223〜236頁(1999年)に記載されている。イオン液体の他の例は、米国特許第6,048,388号及びPCT国際特許公開WO02/26701号に記載されている。
【0004】
さらにイオン液体は、例えばWO02/074718号に記載されているように、化学的分離及び抽出において有用であることも分かっている。
【0005】
イオン液体は、電気化学、例えば燃料電池、電着プロセス及びその他の電気化学用途にも応用されている。
【0006】
さらに、イオン液体は、水性化学が問題となりうる用途(例えば、プロトン移動又は求核性が関与する用途)、又は特定の配位化学が基材に悪影響を及ぼす可能性のある用途において有効であることが明らかになっている。
【0007】
さらに、WO04/003120号に記載されているように、表面処理、空気処理、洗浄及び他の利益に関して、消費者製品処方及び工業製品処方において、実用性をがあることが分かっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
消費者製品処方又は工業製品処方に使用される特定の従来の固体又は半固体の活性剤をイオン液体に変換することにより、新しい種類のイオン液体を開発することが望ましい。従って、このイオン液体は、界面活性剤、柔軟仕上げ剤及び漂白剤等の典型的な活性剤の代替物として使用してよい。さらに、これらの新種のイオン液体のイオン特性及び/又は流動性によって、付加的な利点、例えば、処方への混合の容易性、高濃度において活性化機能性を処方に混合する能力、得られた処方の低粘度性、及び/又は得られた処方の汚れ除去能力の向上がもたらされる場合がある。
【0009】
また、付加的な利点の特性を備えた新しい種類のイオン液体の開発が望まれている。例えば、漂白機能を備えた新しい種類の水不混和イオン液体は、処理された表面上の特定の汚れに対する相互作用の向上をもたらし、及び水性洗浄媒体から分離した汚れを抽出する従来の水性処方に使用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、カチオン及び以下の一般式を有するペル酸アニオンが含まれてなるイオン化合物に関するものである。
【化1】

式中、Gは−C(O)−、−S(O)−、−S(O)、−Se(O)−、−Se(O)、−OC(O)−、OS(O)−、OS(O)−、−OSe(O)−、−OSe(O)−、−NHC(O)−、−NHS(O)−、NHS(O)、−NHSe(O)−、−NHSe(O)−、−NRC(O)−、−NRS(O)−、−NRS(O)−、NRSe(O)−、又は−NRSe(O)−から成る群から選択した基を含む酸素含有部分であり、R及びRは独立してC〜C16の直鎖又は分枝鎖、非置換又は置換のアルキル、アルカリール、アラールキル及びアリール部分から成る群から選択されており、前記イオン化合物の融解温度は約100℃以下であり、約100℃以下の温度で流動性であるイオン化合物。
【0011】
好適なペル酸アニオンの例としては、過酢酸アニオン、ペルノナン酸アニオン、6−(フタルイミドペルオキシ)ヘキサン酸アニオン、及びN−ノナノイル−6−アミノペルオキシカプロン酸アニオンが挙げられるが、これらに限らない。ペル酸アニオンは、本明細書に記載したような好適なカチオンと組み合わせる場合、約100℃以下において溶解又は流動性である等の液状特性を示すイオン化合物とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本明細書で使用する時、「消費者製品」は、エンドユーザー(即ち、消費者)が、その個人、家(例えば、台所表面、浴室表面、カーペット、床、窓、鏡及びカウンタートップ)、自動車(例えば、自動車内装、自動車外装、食器、調理器具、道具、食卓用食器、ガラス食器)の中、上又は周囲に使用する物質を表す。「消費者製品組成物」には、施設ユーザー(例えば、ホテル、レストラン、事務所)又はサービス提供業者(例えば、商業用ドライクリーニング業及びビル清掃業者)が使用する物質を含めてもよい。
【0013】
本明細書で使用する時、「工業用製品」は、物品製造の商業プロセスで使用する物質を表す。非限定的な例としては、物品を脱脂するための脱脂組成物、例えば、金属、プラスチック及び木製品、並びに、織物を布地物品、例えば、衣類、カーテン等に加工/仕上加工するための織物処理組成物が挙げられる。
【0014】
本明細書で使用する時、「処理」は、対象表面又は空気の清浄化、回復又は維持のための組成物又は方法を表す。例えば、「回復」には、布地物品、空気、又は硬質面に心地よい香りを付与するプロセス、又は布地物品から、しわが寄った又は摩耗した外観を除去するプロセスが含まれる。
【0015】
本明細書で使用する時、「表面」、「対象表面」又は「処理表面」は、無生物であって、非生物学的な表面を表す。前記表面の非制限的な例は、布地、織物、繊維のような軟質表面、及び食器類、調理器具、道具、ガラス製品、カウンタートップ、台所表面、浴室表面、床、窓、自動車内装及び外装、金属及びこれらの組み合わせのような硬質表面に見られる。これらの用語にはまた、毛髪、皮膚又は歯のような生物学的表面も含まれる。
【0016】
本明細書で使用する時、「由来する」は、元の物質から混合又は生成させたイオン化合物を意味し、このイオン化合物は元の物質の混合物、又は反応もしくは分解生成物の混合物、又は上述の全ての混合物の形態であってよい。
【0017】
本明細書で使用する時、「親水性イオン化合物」又は「水混和性イオン化合物」は、部分的又は全体的に水に対して混和性である、つまり、本明細書に記載の水混和性試験(Water Miscibility Test)によって、視覚的に水と均質又は透明な混合物を形成することができるイオン化合物を表す。
【0018】
本明細書で使用する時、「疎水性イオン化合物」又は「水不混和性化合物」は、比較的水に不混和性であるイオン化合物を表す。
【0019】
本明細書で使用する時、「置換された」は、以下の有機化合物又は有機基を意味する。
(a)少なくとも1つの要素又は基の脱離によって不飽和化させた有機化合物又は有機基、若しくは
(b)化合物中又は基中に、1つ以上の炭素、酸素、イオウ、窒素又はハロゲン原子が含まれてなる部分に変わる少なくとも1つの水素を有する有機化合物又は有機基、又は
(c)(a)と(b)の双方を備えた有機化合物又は有機基である。
【0020】
すぐ前の(b)に記載したように、水素と置き換え得る炭素及び水素原子のみが含まれてなる部分は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキルジエニル基、シクロアルキル基、フェニル基、アルキルフェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、フルオリル基、ステロイド基、及びこれらの基の互いの組み合わせ並びにアルキレン基、アルキリデン基及びアルキリジン基のような多価炭化水素基との組み合わせを含むがこれらに限定されない炭化水素部分である。すぐ前の(b)に記載したように、水素と置き換え得る酸素原子が含まれてなる部分は、ヒドロキシ、アシル、ケト、エーテル、エポキシ、カルボキシ及びエステルを含む基を含むが、これらに限定されない。すぐ前の(b)で記載したように、水素と置き換えてもよいイオウ原子が含まれてなる部分としては、イオウ含有酸及び酸エステル基、チオエーテル基、メルカプト基及びチオケト基が挙げられるが、これらに限らない。すぐ前の(b)に記載したように、水素と置き換えてもよい窒素原子が含まれてなる部分としては、アミノ基、ニトロ基、アゾ基、アンモニウム基、アミド基、アジド基、イソシアネート基、シアノ基及びニトリル基が挙げられるが、これらに限らない。すぐ前の(b)に記載したように、水素と置き換えてもよいハロゲン原子が含まれてなる部分としては、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード基、及び水素又はペンダントアルキル基が安定な置換部分を形成するようにハロ基で置換されている、前述したいずれかの部分が挙げられる。
【0021】
上述の炭素、酸素、イオウ、窒素又はハロゲンのいずれかが含まれてなる部分は、一価の置換又は多価の置換における水素の欠落のいずれかによって互いに置換させることができ、有機化合物又はラジカルにおいて水素を置換することのできる別の一価部分を形成することは明らかである。
【0022】
用語「イオン液体」、「イオン化合物」及び「IL」は、本明細書においては同様の意味で使われることも明らかである。
【0023】
本発明は、ペルオキシ部分を有する化合物に由来する新種のイオン液体に関するものであり、このようなペル酸アニオンは、洗濯、食器洗浄及び硬質表面洗浄用の洗剤処方に用いると、漂白機能を発揮する。一般的に洗剤処方に使用される様々なペル酸アニオンを適切に選択した対イオンと反応又は混合させることによって、これらのペル酸アニオンは顕著な特徴を備えたオン化合物を形成させることができる。例えば、いくつかのペル酸由来のイオン化合物は疎水性又は水不混和性である。他の例において、ペル酸由来のイオン化合物は水混和性である。
【0024】
いくつかの実施形態において、ペル酸由来のイオン化合物は100℃以下の温度で液体である。つまり、これらのイオン化合物は、示差走査熱量計(DSC)によって計測した場合、約100℃以下の一次遷移又は融点を示す。他の実施形態において、ペル酸由来のイオン化合物は、約100℃以下の融点を示さないが、「流動性」である。本明細書で使用する時、用語「流動性」は約100℃、好ましくは約20℃〜約80℃の範囲、より好ましくは約20℃〜約60℃の範囲の温度において約10Pa・s(10,000cps)未満の粘度を示す。
【0025】
洗濯、食器洗浄又は硬質表面洗浄のような特定の用途において、約20〜約80℃の範囲、つまりこれらの用途における典型的な作業温度で液体又は「流動性」であるイオン化合物を得ることが望ましい。
【0026】
ペル酸由来のイオン化合物
本発明のペル酸由来のイオン化合物の非限定的な例には、以下の一般式を有するペル酸アニオンが含まれている。
【化2】

式中、Gは−C(O)−、−S(O)−、−S(O)、−Se(O)−、−Se(O)、−OC(O)−、OS(O)−、OS(O)−、−OSe(O)−、−OSe(O)−、−NHC(O)−、−NHS(O)−、NHS(O)、−NHSe(O)−、−NHSe(O)−、−NRC(O)−、−NRS(O)−、−NRS(O)−、NRSe(O)−、又は−NRSe(O)−から成る群から選択した基を含む酸素含有部分であり、R及びRは独立してC〜C16の直鎖又は分枝鎖、非置換又は置換のアルキル、アルカリール、アラールキル及びアリール部分から成る群から選択される。
【0027】
本発明のイオン化合物の代表的な実施形態には、過酢酸アニオン、ペルノナン酸アニオン、6−(フタルイミドペルオキシ)ヘキサン酸アニオン、及びN−ノナノイル−6−アミノペルオキシカプロン酸アニオンなどのペル酸由来のアニオンが含まれている。
【0028】
上述のペル酸由来のアニオンは、以下の1つ以上のカチオンと対にしてよい:
(a)以下の一般式を有するアルキレン四級アンモニウムカチオン
−R
式中、RはC〜C24アルキルであり、R、R及びRはC〜C20アルキル又はC〜C20ヒドロキシアルキルであり、いくつかの実施形態では、RはC12〜C20アルキルであり、いくつかの実施形態では、R、R及びRはC1〜C6アルキル又はC1〜C6ヒドロキシアルキルであり、他の実施形態では、RはC〜C20アルキル基であり、及びR、R及びRはメチル又はヒドロキシエチル基であり、イオン液体において、出発原料として本明細書で使用するのに好適な商業的に入手可能な四級アンモニウムカチオンの非限定的な例としては、C8〜22四級アンモニウム、例えば、シェア・ケミカルズ社(Scher Chemicals, Inc.)よりシェアコクワットIIS(Schercoquat IIS)(登録商標)として入手可能なイソステアリルエチルイミドニウムエトスルフェート、コグニス・コーポレーション(Cognis Corporation)よりデヒクオートSP(Dehyquart SP)(登録商標)として入手可能なクオタニウム−52、及びアクゾノーベル・サーフェス・ケミストリー社(Akzo Nobel Surface Chemistry LLC)よりアーカード(Arquad)2C−75(登録商標)として入手可能なジココジメチルアンモニウムクロライドなどが挙げられる、
(b)以下の一般式を有するジエステル四級アンモニウム(DEQA)カチオン
4−m−N−[(CH−Q−R
式中、mは2又は3であり、nは1〜4であり、Qは−O−(C)O−、−C(O)−O−、−NR−C(O)−、又は−C(O)−NR−であり、各RはC〜Cアルキル又はヒドロキシアルキル、好ましくはメチル、エチル、プロピル、又はヒドロキシエチル、より好ましくはメチル;ポリ(C〜Cアルコキシ)、好ましくはポリエトキシ、ベンジル、又はこれらの混合物であり、各Rは独立して非置換又は置換C11〜C21、好ましくはC13〜C19のヒドロカルビル基であり、例えば、直鎖又は分枝状アルキル、アルケニル又はアルコキシ基であり、1つの実施形態では、DEQAカチオンは、米国特許第6,004,922号で論じられているようにアルキルジメチルヒドロキシエチル四級アンモニウム(K1)であり、別の実施形態では、前記DEQAカチオンは、次の一般式を有する、
CHCH(YR)(CHYR
式中、各Y、R、Rは、上記と同じ意味であり、更に他の実施例では、前記DEQAカチオンは、[CH(+)[CHCH(CHO(O)CR)O(O)CR]であり、式中、各Rは、C15〜C19の範囲内にある、
(c)以下の式を有するアルキレン四級アンモニウムカチオン
4−m−N−R
式中、mは2又は3であり、各Rは独立してアルキル又はヒドロキシアルキルC〜C部分、好ましくはメチル、エチル、プロピル又はヒドロキシエチル、より好ましくはメチルであり、各Rは独立して、直鎖又は分枝状、置換又は非置換、飽和又は不飽和のC〜C22アルキル又はアルコキシ部分、好ましくはC14〜C20部分であり、ここで、1つ以下のRがC12未満であり、及び残りのRの1つ以上は少なくとも約C16であり、1つの実施形態において、カチオンは、ジアルキレンジメチルアンモニウム、例えば、ウィトココーポレーション(Witco Corporation)より商標名アドゲン(Adogen)(登録商標)472として入手できるオレイルジメチルアンモニウムであり、他の実施形態において、カチオンはモノアルケニルトリメチルアンモニウム、例えば、モノオレイルトリメチルアンモニウム、モノカノーラトリメチルアンモニウム、及びソヤトリメチルアンモニウムである、
(d)以下のような式を有するジ脂肪酸アミド四級アンモニウムカチオン
[R−C(O)NR−N(R)−R−NR−C(O)−R
式中、各Rは独立して、アルキル又はヒドロキシアルキルのC〜C部分、好ましくはメチル、エチル、プロピル又はヒドロキシエチルであって、及びより好ましくはメチルであり、各Rは独立して、直鎖又は分枝状、置換又は非置換、飽和又は不飽和のC〜C22アルキル又はアルコキシ部分、好ましくはC14〜C20部分であり、R及びRはC〜Cアルキレン部分であり、非限定的な例は、ウィトコ(Witco)より商標名バリソフト(Varisoft)(登録商標)として商業的に入手可能なものである、
(e)C8〜22四級界面活性剤、例えば、そのエトサルフェート塩の形態で、シェア・ケミカルズ社(Scher Chemicals, Inc.)よりシェアコクアットIIS(Schercoquat IIS)(登録商標)としてて入手可能なイソステアリルエチルイミドニウム、コグニス社(Cognis Corporation)よりデヒコートSP(登録商標)として入手可能なクオタニウム−52、及びその塩化物の形態で、アクゾノーベルサーフェスケミストリー社(Akzo Nobel Surface Chemistry LLC)からアークワッド(Arquad)2C−75(登録商標)として入手可能なジココジメチルアンモニウム、
(f)米国特許第4,228,042号、米国特許第第4,239,660号、米国特許第第4,260,529号、及び米国特許第6,022,844号で論じられているようなカチオン性エステル界面活性剤
(g)ローム&ハース社(Rohm & Haas)よりカトン(Kathon)(登録商標)として入手可能な4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−3−イソチアゾロン
(h)コリン及びコリン誘導体のような四級アミノポリアルキレン誘導体
(i)アルキルオキシアルキレンカチオン
(j)米国特許第6,136,769号で論じられているような四級アンモニウムアルコキシラート(AQA)
(k)置換及び非置換のピロリジニウム、イミダゾリウム、ベンズイミダゾリウム、ピラゾリウム、ベンズピラゾリウム、チアゾリウム、ベンズチアゾリウム、オキサゾリウム、ベンズオキサゾリウム、イソオキサゾリウム、イソチアゾリウム、イミダゾリデニウム、グアニジニウム、インダゾリウム、キヌクリジニウム、トリアゾリウム、イソキヌクリジニウム、ピペリジニウム、モルホリニウム、ピリダジニウム、ピラジニウム、トリアジニウム、アゼピニウム、ジアゼピニウム、ピリジニウム、ピペリドニウム、ピリミジニウム、チオフェニウム、ホスホニウム(1つの実施形態では、前記カチオンは次式を有する置換イミダゾリウムカチオンである。)
【化3】

式中、各R及びRは上述のカチオン(c)において定義したものであり、各RはC〜Cアルキレン基、好ましくはエチレン基であり、Gは酸素原子又は−NR−基、RはC〜C20アルキル、C〜C20アルコキシ又はC〜C20アルケニルであり、例えば、カチオン1メチル−1−オレイルアミドエチル−2−オレイルイミダゾリウムは、ウィトコ社(Witco Corporation)より商標名バリソフト(Varisoft)3690(登録商標)としてて商業的に入手可能であり、他の実施形態において、カチオンは以下の式を有するアルキルピリジニウムカチオンである、
【化4】

式中、Rは、非環式脂肪族C〜C22炭化水素基であり、別の実施形態では、カチオンは次式を有するアルカンアミドアルキレンピリジニウムカチオンである、
【化5】

式中、Rは、直鎖又は分岐鎖、飽和又は不飽和C〜C22アルキル又はアルコキシ部分、又はヒドロカルビル又は置換ヒドロカルビル部分であり、及び、Rは、C〜Cアルキレン部分である、
(l)四級アンモニウム部分を有するカチオン性漂白活性化剤
【化6】

が挙げられるが、これらに限定されない、
これら及びイオン液体のカチオンとして本明細書で使用するのに好適な他のカチオン性漂白活性化剤は、米国特許第5,599,781号、同第5,686,015号、同第5,686,015号、PCT国際公開特許95/29160、米国特許第5,599,781号、同第5,534,179号、欧州特許第1 253 190A1号、米国特許第6,183,665号、同第5,106,528号、同第5,281,361号、及びフランス化学学会雑誌(Bulletin de la Societe Chimique de France)(1973年刊)(第3巻、第2分冊、1021〜7頁)に開示されている、
(m)カチオン性抗菌剤、例えばセチルピリジニウム、クロロヘキシジン及びドミフェン
(n)以下のようなアルキル化カフェインカチオン
【化7】

式中、R及びRはC〜C12アルキル又はアルキレン基である、
(o)以下のようなアルキルポリアミノカルボキシレート
【化8】

式中、R=C〜C22はココ、タロー又はオレイルであり、非限定的な例としては、アクゾ・ノーベル社(Akzo Nobel)からの、アムフォラーク(Ampholak)(登録商標)7CX/C、アムフォラーク(Ampholak)(登録商標)7TX/C、アムフォラーク(Ampholak)(登録商標)XO7/Cが挙げられる、
(p)これらの混合物。
【0029】
カチオンの幅広い選択肢は、特定の用途又は所望の利益のために本発明のイオン液体をカスタマイズする利点をもたらす。これらのアニオンは、本発明に記載のカチオンに由来する界面活性剤とともに選択及び混合して、結果として得られるイオン液体の特性をカスタマイズすることができる。例えば、水不混和イオン液体は、処理された表面から特定の汚れを除去し、及び水性媒質から汚れを抽出/分離するのに特に有用であり得る。
【0030】
いくつかの実施形態では、水不混和性イオン液体には、次式を有するカチオンが含まれている。
【化9】

式中、R〜Rは、直鎖又は分枝鎖、置換又は非置換の、アルキル、アリール、アルコキシアルキル、アルキレンアリールヒドロキシアルキル、又はハロアルキル、及びこれらの混合物から成る群から選択し、Xは本明細書で上述したようなペル酸由来のアニオンであり、m及びnは電気的に中性となるように選択し、さらに、式中、R〜Rのうち少なくとも1つがC12以上、又はR〜Rのうち少なくとも2つがC10以上、又はR〜Rの全3つがC以上である時、イオン液体は水不混和性であり、及びXは少なくとも1つのC〜C22アルキル基を含むペル酸由来のアニオンである。
【0031】
いくつかの実施形態において、水不混和性イオン液体には、トリメチルオクチルアンモニウムカチオン、トリイソオクチルメチルアンモニウムカチオン、テトラヘキシルアンモニウムカチオン、テトラオクチルアンモニウムカチオン、及びこれらの混合物から成る群から選択してなるカチオンが含まれている。
【0032】
イオン液体の用途
本発明のイオン液体は、洗濯洗剤、食器洗浄用洗剤、硬質表面洗浄組成物、ドライクリーニング組成物、空気ケア組成物、カーケア組成物、織物処理組成物、又は工業用脱脂組成物など、様々な消費者、施設、工業用製品の中で使用してよい。
【0033】
理論に束縛されるものではないが、イオン液体の基本的な化学及び/又は物理的性質は、表面又は空気処理組成物に有利に使用することができると考えられる。一つの態様において、イオン液体は、その高い極性及び電荷密度による高い溶解能力を有し、それ故イオン液体は汚れに対する有効な溶媒となりうる。したがって、イオン液体含有組成物は、イオン液体を含まない類似の組成物と比較して、高度な汚れ除去能力を示す。別の態様においては、得られるイオン液体が対象の汚れ又は表面の特性に「適合する」ようにイオン液体の官能基及び対イオンを変えることができる。例えば、得られるイオン液体が対象の汚れ又は表面とより強く又は優先的に相互作用するために所望の程度の親水性又は疎水性を有するように官能基を選択することができる。イオン液体が汚れ又は基材と有効に相互作用できる機構としては、電荷移動、イオン交換、ファンデルワールス力、及び水素結合が挙げられるがこれらに限らない。更に別の態様では、イオン液体はその有効な溶媒特性により、可溶性の溶媒媒体がたとえあるとしてもごくわずかな特定の高分子物質を溶解することができる。このような難溶性ポリマーとしては、生体膜、焦げ付き又はこびりついた調理汚れ、重合した汚れ等が挙げられるが、これらに限らない。
【0034】
布地洗浄及び/又は処理用途において、イオン液体は水の悪影響なく高い極性をもたらす。例えば、水は特定の布地に、縮み、色素損失、形状損失、しわなどの損傷を引き起こす可能性がある。
【0035】
さらに、水の求核性及びプロトン性は、布地又は類似の軟質面の処理を意図する組成物の配合時に望ましくない影響を引き起こしうる。例えば、水の膨張及び/又はセルロースとの水素結合形成能力によって、セルロース性布地の磨耗及び縮みが増大しかねない。イオン液体は、セルロース性の繊維又は布地にこれらの悪影響を及ぼさないように、非求核性及び/又は非プロトン性となるように調整又は選択することができる。
【0036】
さらに別の態様において、イオン液体は不揮発性及び不燃性であり、高い熱安定性を有し、そのため安全及び美観の両方の理由で表面又は空気処理組成物への使用に特に好適である。消費者、工業又は施設環境で使用される組成物に関連させた化学蒸気又は低引火点を有することが望ましくないこともある。処理された表面に見苦しい条痕を残す組成物も望ましくない。一般的に用いられている有機洗浄溶媒は、毒性、可燃性、又は悪臭性の化学蒸気を発生させる傾向がある。その他の一般的に用いられている組成物は、処理表面に見苦しい又はすじ状の残留物を残す場合があり、そのため適用後に表面から除去する(例えば、拭取り、すすぎ等によって)必要がある。対照的に、イオン液体は本質的に蒸気圧がなく(即ち、室温で又は室温付近で検出可能な蒸気圧が存在しない)、イオン液体を活性成分又は溶媒として使用した組成物は化学蒸気に関連させた問題を削減又は排除し、従って非常に有利である。さらに、このような組成物はリーブオン製品として使用でき、処理表面に見た目に美しい結果を生じる。
【0037】
このように、特異的な及び個別化可能な物理及び化学的特性により、イオン液体によって、軟質若しくは硬質表面又は空気を処理するための先行技術組成物に残る数点の問題を克服することができる。
【0038】
従って、本発明はまたペル酸由来のイオン液体が含まれてなる組成物、消費者製品、及び工業用製品、並びに、それらを食器/食物洗浄、ホームケア(台所/風呂)、バイオフィルム除去、ドライクリーニング(自宅及び市販)、洗濯(前処理、クリーニング及び布地ケア)、織物加工及び仕上げ、カーケア(内装及び外装)、工業用脱脂、及び空気ケアの用途に用いる方法に関するものである。
【0039】
イオン液体は、これらの用途又は製品に純溶媒として(即ち、純粋な、未希釈のイオン液体又はイオン液体複合物として)、水又はその他の有機溶媒と共に共溶媒として、又は連続相が水又は別の溶媒(例えば、直鎖又は環状シロキサン、ハロゲン化炭素)である場合に活性剤として使用してもよい。当該技術分野において既知の様々な補助成分を前記組成物中に組み込んでもよい。特定の実施形態において、水及び/又は溶媒は、組成物中に組成物の重量に対して少なくとも約0.01重量%又は少なくとも約1重量%又は少なくとも約10重量%、かつ、約50重量%未満又は約30重量%未満又は約20重量%未満で存在させてよい。
【0040】
イオン液体は、液体、ゲル、ペースト、フォーム、又は固体の形態で配合してもよい。組成物は、固体の形態の時、更に顆粒、粉末、錠剤又はバーに加工することができる。
【0041】
イオン液体組成物には、空気又は表面処理組成物に一般的に使用される補助剤成分も含めてもよい。存在する場合、補助剤成分は組成物の約0.01〜約10重量%、好ましくは約0.1〜約5重量%含めてもよい。
【0042】
好適な補助剤成分は、酵素、漂白剤、界面活性剤、香料、共溶媒、洗浄剤、抗菌剤、静電気防止剤、光沢剤、染料固定剤、染料磨耗防止剤、クロッキング防止剤、柔軟仕上げ剤、皺取り剤、防皺剤、汚れ放出ポリマー、日焼け止め剤、退色防止剤、ビルダー、発泡剤、組成物悪臭防止剤、染料、着色剤、スペックル剤(speckles)、pH緩衝剤、防水剤、防汚剤、及びこれらの混合物から成る群から選択してよい。
【0043】
好適な補助成分の例は、米国特許第6,488,943号(ビールス(Beerse)ら)、米国特許第6,514,932号(ヒューベッシュ(Hubesch)ら)、米国特許第6,548,470号(ブッツァカリーニ(Buzzaccarini)ら)、米国特許第6,482,793号(ゴードン(Gordon)ら)、米国特許第5,545,350号(ベーカー(Baker)ら)、同第6,083,899号(ベーカー(Baker)ら)、同第6,156,722号(パナンディカー(Panandiker)ら)、米国特許第6,573,234号(シビック(Sivik)ら)、米国特許第6,525,012号(プリンス(Price)ら)、米国特許第6,551,986号(リティヒ(Littig)ら)、米国特許第6,566,323号(リティヒ(Littig)ら)、米国特許第6,090,767号(ジャクソン(Jackson)ら)、及び/又は、米国特許第6,420,326号(マイリ(Maile)ら)に開示されている。
【0044】
いくつかの実施形態において、洗濯又は食器洗浄においてイオン液体組成物は、布地又は食器に直接適用するか、又は水で希釈して布地又は食器に接触する洗浄溶液を形成させてよい。他の実施形態において、イオン液体組成物は液体の形態であってもよく、液体スプレーとして、エアゾールスプレーとして、又は注出(pour-on)液体として対象表面に適用でき、これは繊維性ウェブ基材(織布、不織布又は編物技術によって作製される)、パルプ系基材(ペーパータオル及びティッシュ等の、エアフェルト又はウエットレイド技術で作製される)、スポンジ又はフォーム基材のような基材を介して対象表面に直接又は間接的に注ぐことができる。別の使用方式は、イオン液体組成物をこれらの基材の中又は上に組み込む(例えば、拭取り布又はミトンに含浸する)ことであり、これは完全な乾燥が必要な用途での残留物問題を緩和する。
【0045】
ペル酸イオン液体中の有効酸素(Avo)の存在の測定
ペル酸イオン液体溶液(1mLのメタノール中に25mg)を酢酸(2mL)及びヨウ化カリウム(1mL、10重量%水溶液)の溶液に加えた。添加から10秒以内に、白色の背景(例えば、白色紙)に対して黄色を目視で観測できた場合は、AvOにおいて陽性となる。添加10秒以内に発色がなければ、AvOにおいて陰性となる。
【0046】
イオン液体の特性化
本発明のイオン液体の構造は、NMR(核磁気共鳴)によって特性化した。イオン液体の融解温度は、10℃/分の熱サイクル及び5℃/分の冷却サイクルの走査周波数におけるDSC(示差走査熱量計)によって特性化した。
【0047】
実施例1 テトラオクチルアミンペルノナン酸
室温において、ペルノナン酸(90%濃度を3g、15.4ミリモル)を50mLのHPLC等級メタノール(100ppmのジエチレントリアミンペンタ(メチルホスホン酸)含有)に溶解した。この混合物に、水酸化ナトリウム(25重量%水溶液を2.5g、15.4ミリモル)及びジ−(テトラオクチルアンモニウム)スルフェート(メタノール中に20重量%を39.5g、7.9ミリモル)を加えた。得られた溶液を室温で5分間攪拌し、続いて30℃で20分間、ロータリーエバポレーターにて濃縮(つまり溶媒の除去)した。得られた混合物を室温で30分間0.13kPa(1mmHg)にて攪拌し、粘稠な油状の4.5gの生成物を得た。生成物はAvOにおいて陽性であった。
【0048】
実施例2 ジメチルヒドロキシエチルドデシルアミン6−(フタルイミドペルオキシ)ヘキサン酸の調製
出発物質として、6−(フタルイミドペルオキシ)ヘキサン酸(70%濃度を3g、7.6ミリモル)を室温で50mLのHPLC等級メタノール(100ppmのジエチレントリアミンペンタ(メチルホスホン酸))に溶解した。この混合物に、水酸化ナトリウム(25重量%水溶液を1.2g、7.6ミリモル)及びジ−(ジメチルヒドロキシドデシルアンモニウム)スルフェート(メタノール中に25重量%を9.33g、3.8ミリモル)を加えた。得られた溶液を室温で5分間攪拌し、続いて30℃で20分間、ロータリーエバポレーターにて濃縮(つまり溶媒の除去)した。得られた混合物を室温で30分間0.13kPa(1mmHg)にて攪拌し、粘稠な油状の4.5gの生成物を得た。生成物はAvOにおいて陽性であった。
【0049】
以下は、本発明のイオン液体を含有させた消費者製品組成物の非限定的な例である。
【表1】

1.美観剤は、染料、着色剤、スペックル剤(speckle)、香料及びこれらの混合物から選択してよい。
2.酵素は、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、及びこれらの混合物から成る群から選択してよい。
3.補助剤は、界面活性剤、酵素、柔軟仕上げ剤、非酸素含有漂白剤、防腐剤、pH緩衝剤、及びこれらの混合物から成る群から選択してよい。
4.共溶媒は、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール及びこれらの混合物から成る群から選択してよい。
【0050】
「発明を実施するための最良の形態」において引用されるすべての文献は、その関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを認めるものと解釈すべきではない。
【0051】
本発明の特定の実施形態を例示し、記載してきたが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を実施できることが当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の一般式を有する、カチオン及びペル酸アニオンを含むイオン化合物であって、
【化1】

式中、Gが−C(O)−、−S(O)−、−S(O)、−Se(O)−、−Se(O)、−OC(O)−、OS(O)−、OS(O)−、−OSe(O)−、−OSe(O)−、−NHC(O)−、−NHS(O)−、NHS(O)、−NHSe(O)−、−NHSe(O)−、−NRC(O)−、−NRS(O)−、−NRS(O)−、NRSe(O)−、又は−NRSe(O)−から成る群から選択した基を含む酸素含有部分であり、R及びRが独立してC〜C16の直鎖又は分枝鎖、非置換又は置換のアルキル、アルカリール、アラールキル及びアリール部分から成る群から選択されており、前記イオン化合物の融解温度が約100℃以下であり、約100℃以下の温度で流動性であるイオン化合物。
【請求項2】
請求項1に記載のイオン化合物であって、前記カチオンを、
(a)以下の式を有する四級アンモニウムカチオン
(+)−R
式中、RはC〜C24アルキルであって、R、R及びRは独立してC〜C20アルキル又はC〜C20ヒドロキシアルキルから選択する、
(b)以下の式を有するジエステル四級アンモニウム(DEQA)カチオン
4−m−N−[(CH−Q−R
式中、mは2又は3であり、nは1〜約4であり、Qは−O−C(O)−、−C(O)−O−、−NR−C(O)−、又は−C(O)−NR−であり、各Rは独立して水素、C〜Cアルキル若しくはヒドロキシアルキル、ポリ(C〜Cアルコキシ)、ベンジル、又はこれらの混合物から選択し、各Rは独立して、非置換又は置換のC11〜C21ヒドロカルビル基から選択する、
(c)以下の式を有するアルキレン四級アンモニウムカチオン
4−m−N−R
式中、mは2又は3であり、各Rは独立してアルキル又はヒドロキシアルキルC〜C部分であり、Rは独立して直鎖又は分枝鎖、飽和又は不飽和のC〜C22アルキル又はアルコキシ部分であり、但し、約C12未満のRは1つ以下であり、残りのRの1つ以上は少なくとも約C16である、
(d)以下の式を有するジ脂肪酸アミド四級アンモニウムカチオン
[R−C(O)−NR−R−N(R)−R−NR−C(O)−R
式中、各Rは独立して、アルキル又はヒドロキシアルキルC〜C部分であり、各Rは独立して直鎖又は分子鎖、置換又は非置換、飽和又は不飽和のC〜C22アルキル又はアルコキシ部分であり、R及びRはC〜Cアルキレン部分である、
(e)C8〜22四級界面活性剤
(f)カチオン性エステル界面活性剤
(g)4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−3−イソチアゾロン
(h)コリン及びコリン誘導体
(i)アルキルオキシアルキレンカチオン
(j)四級アンモニウムアルコキシラート(AQA)
(k)置換及び非置換のピロリジニウム、イミダゾリウム、ベンズイミダゾリウム、ピラゾリウム、ベンズピラゾリウム、チアゾリウム、ベンズチアゾリウム、オキサゾリウム、ベンズオキサゾリウム、イソオキサゾリウム、イソチアゾリウム、イミダゾリデニウム、グアニジニウム、インダゾリウム、キヌクリジニウム、トリアゾリウム、イソキヌクリジニウム、ピペリジニウム、モルホリニウム、ピリダジニウム、ピラジニウム、トリアジニウム、アゼピニウム、ジアゼピニウム、ピリジニウム、ピペリドニウム、ピリミジニウム、チオフェニウム;ホスホニウム
(l)四級アンモニウム部分を有するカチオン性漂白活性化剤
(m)カチオン性抗菌剤、例えばセチルピリジニウム、クロロヘキシジン及びドミフェン
(n)アルキル化カフェインカチオン
(o)アルキルポリアミノカルボキシレート、及び
(p)これらの混合物
から成る群から選択したイオン化合物。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のイオン化合物を含んでなる、組成物。
【請求項4】
洗濯洗剤、食器洗浄用洗剤、硬質表面洗浄組成物、ドライクリーニング組成物、空気ケア組成物、カーケア組成物、織物処理組成物、又は工業用脱脂組成物である、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記洗濯洗剤を重質洗濯洗剤、前処理組成物、及びこれらの組み合わせから成る群から選択してなる、請求項3又は4に記載の組成物。
【請求項6】
洗浄剤、香料、酵素、漂白剤、界面活性剤、美観剤、柔軟仕上げ剤、水、共溶媒及びこれらの混合物から成る群から選択された補助剤成分が更に含まれてなる、請求項3〜5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
対象表面と請求項1又2に記載のイオン化合物とを接触させる工程を含む対象表面を処理する方法。
【請求項8】
前記対象表面を軟質表面、硬質表面、及びこれらの組み合わせから成る群から選択した、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記軟質表面が布地物品、織物、繊維及びこれらの組み合わせから成る群から選択され、前記硬質表面が食器、調理器具、道具、ガラス食器、カウンタートップ、浴室表面、台所表面、床、窓、自動車内装、自動車外装、金属及びこれらの混合物から成る群から選択された、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
請求項7〜9のいずれか1項に記載の方法によって処理された、表面。
【請求項11】
基材、及び前記基材に関連させた請求項1又は2に記載のイオン化合物、が含まれてなる、物品。
【請求項12】
前記基材を織布繊維性基材、不織布繊維性基材、編物繊維性基材、パルプベースのエアフェルト基材、パルプベースのウエットレイド基材、フォーム、スポンジ及びこれらの組み合わせから成る群から選択した、請求項11に記載の物品。
【請求項13】
洗浄剤、香料、酵素、漂白剤、界面活性剤、美観剤、柔軟仕上げ剤、水、共溶媒及びこれらの混合物から成る群から選択した補助剤成分が更に含まれてなる、請求項11又は12に記載の物品。

【公表番号】特表2008−531499(P2008−531499A)
【公表日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−556265(P2007−556265)
【出願日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際出願番号】PCT/US2006/005372
【国際公開番号】WO2006/091457
【国際公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】