説明

ペースト塗布装置及びペースト塗布方法

【課題】支持部材毎の塗布ヘッド間で、異なる塗布パターンを描画することができるペースト塗布装置を提供する。
【解決手段】ペースト塗布装置1において、第1軸方向に移動可能に第1塗布ヘッド3Aを支持し、第2軸方向に移動可能に設けられた第1支持部材5Aと、第1軸方向に移動可能に第2塗布ヘッド3Bを支持し、第2軸方向に移動可能に設けられた第2支持部材5Bと、第1塗布条件に基づいて、第1塗布ヘッド3Aによるペーストの塗布、第1塗布ヘッド3Aの移動及び第1支持部材5Aの移動を制御し、第1塗布条件と異なる第2塗布条件に基づいて、第2塗布ヘッド3Bによるペーストの塗布、第2塗布ヘッド3Bの移動及び第2支持部材5Bの移動を制御し、第1塗布ヘッド3Aによるペーストの塗布パターンと、第2塗布ヘッド3Bによるペーストの塗布パターンとを異ならせて塗布面Ka上に描画する手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布対象物にペーストを塗布するペースト塗布装置及びペースト塗布方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ペースト塗布装置は、液晶表示パネル等の様々な装置を製造するために用いられている。このペースト塗布装置は、塗布対象物に対してペーストを塗布する塗布ヘッドを移動させながら、塗布対象物にペーストを塗布し、塗布対象物上に所定の塗布パターンを形成する(例えば、特許文献1参照)。特に、液晶表示パネルの製造では、2枚の基板を貼り合わせるため、ペースト塗布装置は、塗布対象物である基板に対して液晶表示パネルの表示領域を囲むように、シール剤等のシール性及び接着性を有するペーストを塗布する。
【0003】
このペースト塗布装置の中には、複数の塗布ヘッドと、それらの塗布ヘッドをX軸方向に移動可能に支持するコラム等の2つの支持部材と、それらの支持部材に沿って各塗布ヘッドを移動させるX軸移動機構と、2つの支持部材をY軸方向に移動させる一対のY軸移動機構とを備えるペースト塗布装置が提案されている。
【0004】
このようなペースト塗布装置では、製造効率を高めるために、複数の表示領域をマトリクス状に配列させた多面取りの基板が採用されている。通常、ペースト塗布に関する塗布条件に基づいて、1枚の基板に対して、同一サイズで同一形状の塗布パターンが複数描画されるが、近年、表示パネルサイズの多様化により、1枚の基板に対して、異なる塗布パターンを複数描画することが必要になってきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−323056号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述のペースト塗布装置では、各塗布ヘッドは同じ塗布条件に基づいて同じように制御されるため、同一の塗布パターンだけしか描画することができず、2つの支持部材にそれぞれ設けられた2つの塗布ヘッド間、すなわち支持部材毎の塗布ヘッド間で、異なる塗布パターンを描画することができない。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、その目的は、支持部材毎の塗布ヘッド間で、異なる塗布パターンを描画することができるペースト塗布装置及びペースト塗布方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施の形態に係る第1の特徴は、ペースト塗布装置において、塗布対象物の塗布面にペーストをそれぞれ塗布する第1塗布ヘッド及び第2塗布ヘッドと、塗布面に沿う第1軸方向に移動可能に第1塗布ヘッドを支持し、塗布面に沿う第2軸方向に移動可能に設けられた第1支持部材と、第1軸方向に移動可能に第2塗布ヘッドを支持し、第2軸方向に移動可能に設けられた第2支持部材と、ペーストの塗布に関する第1塗布条件に基づいて、第1塗布ヘッドによるペーストの塗布、第1塗布ヘッドの移動及び第1支持部材の移動を制御し、第1塗布条件と異なる第2塗布条件に基づいて、第2塗布ヘッドによるペーストの塗布、第2塗布ヘッドの移動及び第2支持部材の移動を制御し、第1塗布ヘッドによるペーストの塗布パターンと、第2塗布ヘッドによるペーストの塗布パターンとを異ならせて塗布面上に描画する手段とを備えることである。
【0009】
本発明の実施の形態に係る第2の特徴は、ペースト塗布方法において、ペーストの塗布に関する第1塗布条件に基づいて、塗布対象物の塗布面にペーストを塗布する第1塗布ヘッドによるペーストの塗布、第1塗布ヘッドの移動、及び塗布面に沿う第1軸方向に移動可能に第1塗布ヘッドを支持し塗布面に沿う第2軸方向に移動可能に設けられた第1支持部材の移動を制御し、第1塗布条件と異なる第2塗布条件に基づいて、塗布面にペーストを塗布する第2塗布ヘッドによるペーストの塗布、第2塗布ヘッドの移動、及び第1軸方向に移動可能に第2塗布ヘッドを支持し第2軸方向に移動可能に設けられた第2支持部材の移動を制御し、第1塗布ヘッドによるペーストの塗布パターンと、第2塗布ヘッドによるペーストの塗布パターンとを異ならせて塗布面上に描画することである。
【0010】
本発明の実施の形態に係る第3の特徴は、ペースト塗布装置において、塗布対象物の塗布面にペーストをそれぞれ塗布する第1塗布ヘッド及び第2塗布ヘッドと、塗布面に沿う第1軸方向に移動可能に第1塗布ヘッドを支持し、塗布面に沿う第2軸方向に移動可能に設けられた第1支持部材と、第1軸方向に移動可能に第2塗布ヘッドを支持し、第2軸方向に移動可能に設けられた第2支持部材と、塗布対象物を第2軸方向に移動させる移動機構と、ペーストの塗布に関する条件であって第1塗布ヘッド及び第2塗布ヘッド毎に異なる塗布条件に基づいて、移動機構を制御し、第1塗布ヘッドによるペーストの塗布、第1塗布ヘッドの移動及び第1支持部材の移動を制御し、第2塗布ヘッドによるペーストの塗布、第2塗布ヘッドの移動及び第2支持部材の移動を制御し、第1塗布ヘッドによるペーストの塗布パターンと、第2塗布ヘッドによるペーストの塗布パターンとをそれらの塗布形状を異ならせて塗布面上に描画する手段とを備えることである。
【0011】
本発明の実施の形態に係る第4の特徴は、ペースト塗布方法において、ペーストの塗布に関する条件であって、塗布対象物の塗布面にペーストをそれぞれ塗布する第1塗布ヘッド及び第2塗布ヘッド毎に異なる塗布条件に基づいて、塗布対象物を塗布面に沿う第2軸方向に移動させる移動機構を制御し、第1塗布ヘッドによるペーストの塗布、第1塗布ヘッドの移動、及び塗布面に沿う第1軸方向に移動可能に第1塗布ヘッドを支持し第2軸方向に移動可能に設けられた第1支持部材の移動を制御し、第2塗布ヘッドによるペーストの塗布、第2塗布ヘッドの移動、及び第1軸方向に移動可能に第2塗布ヘッドを支持し第2軸方向に移動可能に設けられた第2支持部材の移動を制御し、第1塗布ヘッドによるペーストの塗布パターンと、第2塗布ヘッドによるペーストの塗布パターンとをそれらの塗布形状を異ならせて塗布面上に描画することである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、支持部材毎の塗布ヘッド間で、異なる塗布パターンを描画することができるペースト塗布装置及びペースト塗布方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るペースト塗布装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示すペースト塗布装置を示す平面図である。
【図3】図1及び図2に示すペースト塗布装置が備える各部の電気的接続を概略的に示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る描画サイズが異なる第1塗布パターン及び第2塗布パターンを示す平面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る塗布形状が異なる第1塗布パターン及び第2塗布パターンを示す平面図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る塗布量が異なる第1塗布パターン及び第2塗布パターンを示す平面図である。
【図7】図1及び図2に示すペースト塗布装置が行う塗布動作の流れを示すフローチャートである。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る塗布形状が異なる第1塗布パターン及び第2塗布パターンを示す平面図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る塗布形状が異なる第3塗布パターン及び第4塗布パターンを示す平面図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係るペースト塗布装置が行う塗布動作の流れを示すフローチャートである。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係るペースト塗布装置が行う塗布動作の流れを示すフローチャートである。
【図12】図10及び図11に示す塗布動作を説明するための説明図であって、ペースト塗布装置を示す平面図である。
【図13】図10及び図11に示す塗布動作を説明するための説明図であって、ペースト塗布装置を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1の実施の形態)
本発明の実施の一形態について図面を参照して説明する。
【0015】
図1及び図2に示すように、本発明の実施の形態に係るペースト塗布装置1は、塗布対象物としての基板Kが水平状態(図1中、第1軸方向であるX軸方向とそれに直交する第2軸方向であるY軸方向に沿う状態)で載置される基板ステージ2と、その基板ステージ2上の基板Kにシール剤等のペーストをそれぞれ塗布する複数の塗布ヘッド3A、3Bと、それらの塗布ヘッド3A、3BをX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向(図1中、X軸方向とY軸方向との両方向に直交する方向)にそれぞれ移動させる第1ヘッド移動機構4A及び第2ヘッド移動機構4Bと、第1ヘッド移動機構4Aを介して各塗布ヘッド3Aを支持する第1支持部材5Aと、第2ヘッド移動機構4Bを介して各塗布ヘッド3Bを支持する第2支持部材5Bと、第1支持部材5A及び第2支持部材5BをそれぞれY軸方向に移動させる一対のY軸移動機構6A、6Bと、基板ステージ2及び一対のY軸移動機構6A、6Bを支持する架台7と、各部を制御する制御部8とを備えている。
【0016】
基板ステージ2は、ガラス基板等の基板Kが載置されるテーブル2aと、そのテーブル2aをY軸方向に移動させるY軸移動機構2bとにより構成されている。この基板ステージ2は、架台7の上面に設けられている。基板ステージ2は、基板Kを吸着する吸着機構等を備えており、その吸着機構によりテーブル2aの載置面に基板Kを固定して保持する。なお、吸着機構としては、例えばエアー吸着機構等を用いる。
【0017】
各塗布ヘッド3A、3Bは、ペーストを収容するシリンジ等の収容筒3aと、その収容筒3aに連通してペーストを吐出するノズル3bとをそれぞれ有している。収容筒3aはクランプ31により保持され、このクランプ31はホルダ32に固定されている。これらの塗布ヘッド3A、3Bは、気体供給チューブ等を介して気体供給部にそれぞれ接続されている。塗布ヘッド3A、3Bは、収容筒3a内に供給される気体により、その内部のペーストをノズル3bからそれぞれ吐出する。なお、気体としては、例えば、圧縮空気や圧縮窒素等を用いる。また、ペーストとしては、例えば、シール性及び接着性を有するペーストを用いる。
【0018】
第1ヘッド移動機構4A及び第2ヘッド移動機構4Bは、各塗布ヘッド3A、3BをX軸方向に移動させるX軸移動機構4aと、各塗布ヘッド3A、3BをY軸方向にそれぞれ移動させる複数のY軸移動機構4bと、各塗布ヘッド3A、3BをZ軸方向にそれぞれ移動させる複数のZ軸移動機構4cとによりそれぞれ構成されている。ここで、X軸移動機構4a、Y軸移動機構4b及びZ軸移動機構4cとしては、例えば、サーボモータを駆動源とする送りねじ機構やリニアモータを駆動源とする移動機構等を用いる。
【0019】
X軸移動機構4aは、第1支持部材5A及び第2支持部材5Bにそれぞれ設けられている。このX軸移動機構4aは、各Y軸移動機構4bをそれぞれ支持してX軸方向に移動可能に形成された複数の移動テーブル41と、それらの移動テーブル41をX軸方向に案内するガイド部材42とにより構成されている。
【0020】
Y軸移動機構4bは、X軸移動機構4aとZ軸移動機構4cとを連結し、そのZ軸移動機構4cをY軸方向、すなわち基板Kの塗布面Kaに沿ってX軸方向に直交する方向に移動させる機構である。
【0021】
Z軸移動機構4cは、ホルダ32を支持し、水平面(基板Kの塗布面Ka)に直交するZ軸方向、すなわち基板ステージ2に対して塗布ヘッド3A、3Bを接離させる接離方向に移動させる機構である。また、各Z軸移動機構4cには、基板ステージ2上の基板Kのアライメントマークやペーストの塗布状態等を撮像する撮像部がブラケットを介してそれぞれ取り付けられている。なお、撮像部としては、例えば、CCDカメラ等を用いる。
【0022】
第1支持部材5A及び第2支持部材5Bは、各塗布ヘッド3A、3B、すなわちヘッド移動機構4A、4Bを支持するコラム等の部材である。これらの第1支持部材5A及び第2支持部材5Bは、X軸方向に長尺な形状に形成されている。例えば、第1支持部材5A及び第2支持部材5Bは、門型の形状にそれぞれ形成されている。これらの第1支持部材5A及び第2支持部材5Bは基板ステージ2を跨ぐようにそれぞれ設けられている。このとき、第1支持部材5Aの梁部はX軸方向に平行に基板ステージ2の載置面に対して水平に位置付けられ、第1支持部材5Aの脚部は一対のY軸移動機構6A、6Bに連結されている。同様に、第2支持部材5Bの梁部もX軸方向に平行に基板ステージ2の載置面に対して水平に位置付けられ、第2支持部材5Bの脚部も一対のY軸移動機構6A、6Bに連結されている。このような第1支持部材5A及び第2支持部材5Bは、一対のY軸移動機構6A、6BによりY軸方向にそれぞれ個別に移動する。
【0023】
一対のY軸移動機構6A、6Bは、基板ステージ2をX軸方向の両側から挟むように架台7の上面にそれぞれ設けられている。これらのY軸移動機構6A、6Bは、第1支持部材5A及び第2支持部材5BをY軸方向に移動可能に支持しており、それらの第1支持部材5A及び第2支持部材5BをそれぞれY軸方向に沿って移動させる機構である。なお、一対のY軸移動機構6A、6Bとしては、例えば、サーボモータを駆動源とする送りねじ機構やリニアモータを駆動源とする移動機構等を用いる。
【0024】
架台7は、床面上に設置され、基板ステージ2及び一対のY軸移動機構6A、6Bを床面から所定の高さ位置に支持する台である。架台7の上面は、平面状に形成されており、この架台7の上面には、基板ステージ2及び一対のY軸移動機構6A、6Bが載置されている。
【0025】
次いで、ペースト塗布装置1が備える各部の電気的接続について説明する。
【0026】
図3に示すように、制御部8は、メインコンピュータ81と、シーケンス制御を行う補助制御機器82と、制御プログラムや各種データ等を記憶する記憶部83と、操作者からの入力操作を受け付ける操作部84と、ペースト塗布に関する塗布条件を設定する各種データを作成するデータ作成部85と、主に第1支持部材5Aに支持されている機構を制御するモータコントローラ86と、主に第2支持部材5Bに支持されている機構を制御するモータコントローラ87とを備えている。これらのモータコントローラ86、87は、基板ステージ2のY軸移動機構2b、各塗布ヘッド3A、3B、第1ヘッド移動機構4A、第2ヘッド移動機構4B及び一対のY軸移動機構6A、6B等の各部の駆動を制御する。
【0027】
メインコンピュータ81は、記憶部83に格納された制御プログラムや各種データ等に基づいて各部全体を制御する装置である。また、補助制御機器82は、各部に対するメインコンピュータ81の制御を補助する装置である。記憶部83は、例えば、ハードディスクドライブや各種のメモリ等により構成されている。操作部84は、例えば、各種の操作キーを有するキーボードやマウス等により構成されている。
【0028】
データ作成部85は、操作部84に対する入力操作等に応じて、塗布条件を設定する各種データを作成する。このデータとしては、例えば、NCデータ(数値制御データ)やパターンデータ等が挙げられる。すなわち、塗布条件は、NCデータやパターンデータ等により構成されている。NCデータは、描画開始座標(例えば、X軸描画開始座標やY軸描画開始座標等)や描画順序等を含んでいる。パターンデータは、描画形状(例えば、描画サイズを決定する距離、コーナR及び描画方向等)や描画条件データ(例えば、ギャップ、移動速度及び吐出圧力等)等を含んでいる。例えば、描画形状としては、長方形、正方形、楕円形及び円形等が挙げられる。また、吐出圧力を変えることにより、塗布量(塗布面Ka上のペーストの高さ又は塗布幅等)が変化する。このような塗布条件は、その各種データを変えて記憶部83に複数格納されている。例えば、第1支持部材5A側の各塗布ヘッド3Aによる描画用の第1塗布条件と、第2支持部材5B側の各塗布ヘッド3Bによる描画用の第2塗布条件とが記憶部83に格納されている。
【0029】
モータコントローラ86には、第1支持部材5Aに支持された各塗布ヘッド3A(以下、第1支持部材5A側の各塗布ヘッド3Aとする)の移動及び第1支持部材5Aの移動を行うための第1コラム軌跡制御系の駆動部88と、各塗布ヘッド3Aのノズル3bの位置補正を行うためのノズル補正制御系の駆動部89と、各塗布ヘッド3AのZ軸方向への移動を行うためのギャップ制御系の駆動部90と、各塗布ヘッド3Aからのペースト吐出を行うためのディスペンサ制御系の駆動部91と、基板ステージ2のテーブル2aのY軸方向への移動を行うための基板ステージ制御系の駆動部92とが接続されている。このモータコントローラ86は各駆動部88〜92に対応しており、それらの駆動部88〜92を制御する。
【0030】
モータコントローラ87には、第2支持部材5Bに支持された各塗布ヘッド3B(以下、第2支持部材5B側の各塗布ヘッド3Bとする)の移動及び第2支持部材5Bの移動を行うための第2コラム軌跡制御系の駆動部93と、各塗布ヘッド3Bのノズル3bの位置補正を行うためのノズル補正制御系の駆動部94と、各塗布ヘッド3BのZ軸方向への移動を行うためのギャップ制御系の駆動部95と、各塗布ヘッド3Bからのペースト吐出を行うためのディスペンサ制御系の駆動部96とが接続されている。このモータコントローラ87は各駆動部93〜96に対応しており、それらの駆動部93〜96を制御する。
【0031】
第1コラム軌跡制御系の駆動部88は、第1支持部材5A側の各塗布ヘッド3AのX軸方向への移動の駆動源となるモータ88aと、それらの塗布ヘッド3Aの位置決め用のエンコーダ88bと、モータ88aを駆動するドライバ88cと、第1支持部材5AのY軸方向への移動の駆動源となるモータ88dと、第1支持部材5Aの位置決め用のエンコーダ88eと、モータ88dを駆動するドライバ88fとにより構成されている。なお、モータ88aは第1ヘッド移動機構4Aが有するX軸移動機構4aの駆動源として機能し、モータ88dは一対のY軸移動機構6A、6Bの第1駆動源として機能する。
【0032】
ノズル補正制御系の駆動部89は、各塗布ヘッド3AのY軸方向への移動の駆動源となるモータ89aと、各塗布ヘッド3AのY軸方向の位置決め用のエンコーダ89bと、モータ89aを駆動するドライバ89cとにより構成されている。この駆動部89は、塗布ヘッド3Aごとに設けられ、Y軸方向の位置を補正している。なお、このモータ89aは、ヘッド移動機構4Aが有する各Y軸移動機構4bの駆動源として機能する。
【0033】
ギャップ制御系の駆動部90は、各塗布ヘッド3AのZ軸方向への移動の駆動源となるモータ90aと、それらの塗布ヘッド3AのZ軸方向の位置決め用のエンコーダ90b及びレーザ変位計90cと、モータ90aを駆動するドライバ90dとにより構成されている。レーザ変位計90cは、塗布ヘッド3Aと基板Kの塗布面Kaとの間の離間距離を計測する計測器である。この駆動部90は、塗布ヘッド3Aごとに設けられ、塗布ヘッド3Aと基板Kの塗布面Kaとの間の離間距離を一定に保つように制御している。なお、モータ90aは、ヘッド移動機構4Aが有する各Z軸移動機構4cの駆動源として機能する。
【0034】
ディスペンサ制御系の駆動部91は、各塗布ヘッド3Aからペースト等の流体を定量的に吐出するためのディスペンサ駆動用のモータ91aと、モータ91aの回転をフィードバックするエンコーダ91bと、モータ91aを駆動するドライバ91cとにより構成されている。この駆動部91は、塗布ヘッド3Aごとに設けられ、気体供給チューブ等を介して接続されており、各塗布ヘッド3Aから流体が定量的に吐出するように制御している。
【0035】
基板ステージ制御系の駆動部92は、テーブル2aのY軸方向への移動の駆動源となるモータ92aと、そのテーブル2aの位置決め用のエンコーダ92bと、モータ92aを駆動するドライバ92cとにより構成されている。なお、モータ92aは、基板ステージ2のY軸移動機構2bの駆動源として機能する。
【0036】
第2コラム軌跡制御系の駆動部93は、第2支持部材5B側の各塗布ヘッド3BのX軸方向への移動の駆動源となるモータ93aと、それらの塗布ヘッド3Bの位置決め用のエンコーダ93bと、モータ93aを駆動するドライバ93cと、第2支持部材5BのY軸方向への移動の駆動源となるモータ93dと、第2支持部材5Bの位置決め用のエンコーダ93eと、モータ93dを駆動するドライバ93fとにより構成されている。なお、モータ93aは第2ヘッド移動機構4Bが有するX軸移動機構4aの駆動源として機能し、モータ93dは一対のY軸移動機構6A、6Bの第2駆動源として機能する。
【0037】
ノズル補正制御系の駆動部94は、各塗布ヘッド3BのY軸方向への移動の駆動源となるモータ94aと、各塗布ヘッド3BのY軸方向の位置決め用のエンコーダ94bと、モータ94aを駆動するドライバ94cとにより構成されている。この駆動部94は、塗布ヘッド3Bごとに設けられ、Y軸方向の位置を補正している。なお、このモータ94aは、ヘッド移動機構4Bが有する各Y軸移動機構4bの駆動源として機能する。
【0038】
ギャップ制御系の駆動部95は、各塗布ヘッド3BのZ軸方向への移動の駆動源となるモータ95aと、それらの塗布ヘッド3BのZ軸方向の位置決め用のエンコーダ95b及びレーザ変位計95cと、モータ95aを駆動するドライバ95dとにより構成されている。レーザ変位計95cは、塗布ヘッド3Bと基板Kの塗布面Kaとの間の離間距離を計測する計測器である。この駆動部95は、塗布ヘッド3Bごとに設けられ、塗布ヘッド3Bと基板Kの塗布面Kaとの間の離間距離を一定に保つように制御している。なお、モータ95aは、ヘッド移動機構4Bが有する各Z軸移動機構4cの駆動源として機能する。
【0039】
ディスペンサ制御系の駆動部96は、各塗布ヘッド3Bからペースト等の流体を定量的に吐出するためのディスペンサ駆動用のモータ96aと、モータ96aの回転をフィードバックするエンコーダ96bと、モータ96aを駆動するドライバ96cとにより構成されている。この駆動部96は、塗布ヘッド3Bごとに設けられ、気体供給チューブ等を介して接続されており、各塗布ヘッド3Bから流体が定量的に吐出するように制御している。
【0040】
このような制御部8は、異なる複数の処理を同時並行して行うことが可能であり、第1支持部材5A側の各塗布ヘッド3Aによるペースト塗布、第1支持部材5A側の各塗布ヘッド3Aの移動及び第1支持部材5Aの移動と、第2支持部材5B側の各塗布ヘッド3Bによるペースト塗布、第2支持部材5B側の各塗布ヘッド3Bの移動及び第2支持部材5Bの移動とを同時に並行して制御することができる。制御部8は、モータコントローラ86を介して各駆動部88〜92を制御し、モータコントローラ87を介して各駆動部93〜96を制御し、異なる第1塗布パターンP1及び第2塗布パターンP2を描画する(図4、図5及び図6参照)。
【0041】
ここで、例えば、第1塗布条件及び第2塗布条件における各々の描画サイズが異なっている場合には、図4に示すように、描画サイズが異なる第1塗布パターンP1及び第2塗布パターンP2が基板Kの塗布面Kaに複数描画される。また、第1塗布条件及び第2塗布条件における各々の塗布形状が異なっている場合には、図5に示すように、塗布形状が異なる第1塗布パターンP1及び第2塗布パターンP2が基板Kの塗布面Kaに複数描画される。加えて、第1塗布条件及び第2塗布条件における各々の塗布量が異なっている場合には、図6に示すように、塗布量(塗布面Ka上のペーストの高さ又は塗布幅等)が異なる第1塗布パターンP1及び第2塗布パターンP2が基板Kの塗布面Kaに複数描画される。
【0042】
次に、ペースト塗布装置1の塗布動作について説明する。ペースト塗布装置1の制御部8が、記憶部83に格納された制御プログラムに基づいて塗布処理を実行する。
【0043】
図7に示すように、まず、制御部8は、基板Kが基板ステージ2のテーブル2a上に載置されると、基板ステージ2の基板吸着機構によりテーブル2a上に基板Kを吸着して固定する(ステップS1)。
【0044】
次いで、制御部8は、一対のY軸移動機構6A、6Bを制御してモータ88dを駆動させ、第1支持部材5AをY軸方向にY軸描画開始位置まで移動させ(ステップS2)、第1支持部材5A側のX軸移動機構4aを制御し、第1支持部材5A側の各塗布ヘッド3AをX軸方向にX軸描画開始位置まで移動させ(ステップS3)、さらに、各Z軸移動機構4cを制御し、第1支持部材5A側の各塗布ヘッド3AをZ軸方向にZ軸描画開始位置まで移動させる(ステップS4)。
【0045】
また、制御部8は、ステップS2〜S4と並行して、一対のY軸移動機構6A、6Bを制御してモータ93dを駆動させ、第2支持部材5BをY軸方向にY軸描画開始位置まで移動させ(ステップS5)、第2支持部材5B側のX軸移動機構4aを制御し、第2支持部材5B側の各塗布ヘッド3BをX軸方向にX軸描画開始位置まで移動させ(ステップS6)、さらに、各Z軸移動機構4cを制御し、第2支持部材5B側の各塗布ヘッド3BをZ軸方向にZ軸描画開始位置まで移動させる(ステップS7)。
【0046】
ステップS4の後、制御部8は、第1塗布条件に基づいて、第1支持部材5A側の各塗布ヘッド3Aによるペーストの塗布、第1支持部材5A側の各塗布ヘッド3Aの移動及び第1支持部材5Aの移動を制御し、第1塗布パターンP1を複数描画する(ステップS8)。これにより、基板Kの塗布面Kaには、第1塗布パターンP1が描画される(図4、図5及び図6参照)。このとき、基板ステージ2のテーブル2aは移動せずに固定されている。なお、ここでは、第1支持部材5A側の全ての塗布ヘッド3Aによる描画を行っているが、これに限るものではなく、例えば、それらの中の1つ又は2つの塗布ヘッド3Aだけによる描画を行うようにしてもよい。
【0047】
ステップS7の後、制御部8は、第2塗布条件に基づいて、第2支持部材5B側の各塗布ヘッド3Bによるペーストの塗布、第2支持部材5B側の各塗布ヘッド3Bの移動及び第2支持部材5Bの移動を制御し、第2塗布パターンP2を複数描画する(ステップS9)。これにより、基板Kの塗布面Kaには、第1塗布パターンP1と異なる第2塗布パターンP2が描画される(図4、図5及び図6参照)。このとき、前述と同様に、基板ステージ2のテーブル2aは移動せずに固定されている。なお、ここでは、第2支持部材5B側の全ての塗布ヘッド3Bによる描画を行っているが、これに限るものではなく、例えば、それらの中の1つ又は2つの塗布ヘッド3Bだけによる描画を行うようにしてもよい。
このような描画を行うとき、制御部8は、第1支持部材5Aの移動と第2支持部材5Bの移動とを相反する方向に行うこともできる。これにより、第1支持部材5A及び第2支持部材5Bが同時に同じ方向に移動することがなくなるので、第1支持部材5A及び第2支持部材5Bが同一方向に移動することによる揺れの発生を防止することができる。
【0048】
ステップS8の後、制御部8は、各Z軸移動機構4cを制御し、第1支持部材5A側の各塗布ヘッド3AをZ軸方向にZ軸退避位置まで移動させ(ステップS10)、一対のY軸移動機構6A、6Bを制御し、第1支持部材5AをY軸方向にY軸退避位置まで移動させ(ステップS11)、さらに、第1支持部材5A側のX軸移動機構4aを制御し、第1支持部材5A側の各塗布ヘッド3AをX軸方向にX軸退避位置まで移動させる(ステップS12)。
【0049】
ステップS9の後、制御部8は、各Z軸移動機構4cを制御し、第2支持部材5B側の各塗布ヘッド3BをZ軸方向にZ軸退避位置まで移動させ(ステップS13)、一対のY軸移動機構6A、6Bを制御し、第2支持部材5BをY軸方向にY軸退避位置まで移動させ(ステップS14)、さらに、第2支持部材5B側のX軸移動機構4aを制御し、第2支持部材5B側の各塗布ヘッド3BをX軸方向にX軸退避位置まで移動させる(ステップS15)。
【0050】
最後に、制御部8は、基板Kの取り外しのため、基板ステージ2の基板吸着機構によるテーブル2a上への基板Kの吸着を開放する(ステップS16)。このようにして、第1支持部材5A側の各塗布ヘッド3Aと第2支持部材5B側の各塗布ヘッド3Bとによって、異なる塗布パターンP1、P2が基板Kの塗布面Ka上に同時に描画される。これにより、第1支持部材5A側の各塗布ヘッド3Aと第2支持部材5B側の各塗布ヘッド3Bとの間で、1枚の基板Kに対して異なる塗布パターンP1、P2が描画される。
【0051】
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態によれば、第1塗布条件に基づいて、第1支持部材5A側の各塗布ヘッド3Aによるペーストの塗布、それらの塗布ヘッド3Aの移動及び第1支持部材5Aの移動を制御し、第1塗布条件と異なる第2塗布条件に基づいて、第2支持部材5B側の各塗布ヘッド3Bによるペーストの塗布、それらの塗布ヘッド3Bの移動及び第2支持部材5Bの移動を制御し、第1支持部材5A側の各塗布ヘッド3Aによるペーストの塗布パターンと、第2支持部材5B側の各塗布ヘッド3Bによるペーストの塗布パターンとを異ならせて基板Kの塗布面Ka上に描画することによって、2つの支持部材5A、5Bにそれぞれ設けられた2つの塗布ヘッド3A、3B間、すなわち支持部材5A、5B毎の塗布ヘッド3A、3B間で、1枚の基板Kに対して異なる塗布パターンP1、P2を描画することができる。その結果、1枚の基板Kから異なる数種類の表示パネルを製造することができる。また、異なる塗布パターンP1、P2を同時並行に描画することによって、基板1枚あたりのタクトタイムを短縮し、生産性を向上させることができる。
【0052】
また、例えば、塗布パターンの描画サイズがそれぞれ異なる第1塗布条件及び第2塗布条件に基づいて、第1支持部材5A側の各塗布ヘッド3Aによるペーストの塗布パターンと、第2支持部材5B側の各塗布ヘッド3Bによるペーストの塗布パターンとを異ならせて描画することによって、図4に示すように、描画サイズが異なる第1塗布パターンP1及び第2塗布パターンP2を基板Kの塗布面Kaに描画することが可能になるので、1枚の基板Kから、サイズが異なる数種類の表示パネルを製造することができる。
【0053】
さらに、例えば、塗布パターンの塗布形状がそれぞれ異なる第1塗布条件及び第2塗布条件に基づいて、第1支持部材5A側の各塗布ヘッド3Aによるペーストの塗布パターンと、第2支持部材5B側の各塗布ヘッド3Bによるペーストの塗布パターンとを異ならせて描画することによって、図5に示すように、塗布形状が異なる第1塗布パターンP1及び第2塗布パターンP2を基板Kの塗布面Kaに描画することが可能になるので、1枚の基板Kから、形状が異なる数種類の表示パネルを製造することができる。
【0054】
加えて、例えば、ペーストの塗布量がそれぞれ異なる第1塗布条件及び第2塗布条件に基づいて、第1支持部材5A側の各塗布ヘッド3Aによるペーストの塗布パターンと、第2支持部材5B側の各塗布ヘッド3Bによるペーストの塗布パターンとを異ならせて描画することによって、塗布量(塗布面Ka上のペーストの高さ又は塗布幅等)が異なる第1塗布パターンP1及び第2塗布パターンP2を基板Kの塗布面Kaに描画することが可能になるので、仕様に応じて塗布量を変化させ、異なる種類の表示パネルを製造することができる。
【0055】
また、第1支持部材5Aの移動と第2支持部材5Bの移動とを相反する方向に行うことによって、第1支持部材5A及び第2支持部材5Bが同時に同じ方向に移動することがなくなり、第1支持部材5A及び第2支持部材5Bが同一方向に移動することによる揺れの発生を防止することが可能になるので、精度良く、異なる塗布パターンP1、P2を基板Kの塗布面Kaに描画することができる。
(第2の実施の形態)
本発明の実施の一形態について図面を参照して説明する。本発明の第2の実施の形態では、第1の実施の形態と異なる部分について説明する。第2の実施の形態では、第1の実施の形態に比べ架台7(その大きさ)をY軸方向に小さく形成し、ペースト塗布装置1の小型化を実現している。なお、第2の実施の形態においては、第1の実施の形態で説明した部分と同一部分は同一符号で示し、その説明は省略する。
【0056】
まず、第2の実施の形態では、塗布条件は、その各種データを変えて記憶部83に複数格納されている。例えば、第1支持部材5A側の各塗布ヘッド3Aによる1回目の描画用の第1塗布条件と、第2支持部材5B側の各塗布ヘッド3Bによる1回目の描画用の第2塗布条件と、第1支持部材5A側の各塗布ヘッド3Aによる2回目の描画用の第3塗布条件と、第2支持部材5B側の各塗布ヘッド3Bによる2回目の描画用の第4塗布条件とが記憶部83に格納されている。
【0057】
また、第2の実施の形態では、制御部8は、異なる複数の処理を同時並行して行うことが可能であり、第1支持部材5A側の各塗布ヘッド3Aによるペースト塗布、第1支持部材5A側の各塗布ヘッド3Aの移動及び第1支持部材5Aの移動と、第2支持部材5B側の各塗布ヘッド3Bによるペースト塗布、第2支持部材5B側の各塗布ヘッド3Bの移動及び第2支持部材5Bの移動とを同時に並行して制御することができる。制御部8は、異なる複数の塗布条件(例えば、第1塗布条件、第2塗布条件、第3塗布条件及び第4塗布条件)に基づいてモータコントローラ86を介して各駆動部88〜92を制御し、モータコントローラ87を介して各駆動部93〜96を制御し、例えば、図8に示すように、支持部材5A側の各塗布ヘッド3Aにより第1塗布パターンP1を描画し、支持部材5B側の各塗布ヘッド3Bにより第2塗布パターンP2を描画することによって、異なる第1塗布パターンP1及び第2塗布パターンP2を描画し、その後、図9に示すように、支持部材5A側の各塗布ヘッド3Aにより第3塗布パターンP3を描画し、支持部材5B側の各塗布ヘッド3Bにより第4塗布パターンP4を描画することによって、異なる第3塗布パターンP3及び第4塗布パターンP4を描画し、目標とする塗布パターンM1を形成する。
【0058】
ここで、各塗布条件では、各々の塗布形状が異なっている。第1塗布条件の塗布形状は、互いに平行な2直線であり(図8に示す塗布パターンP1)、第2塗布条件の塗布形状は、コの字形状の線であり(図8に示す塗布パターンP2)、第3塗布条件の塗布形状は、逆コの字形状の線であり(図9に示す塗布パターンP3)、第4塗布条件の塗布形状は、互いに平行な2直線である(図9に示す塗布パターンP4)。したがって、図8に示すように、塗布形状が異なる第1塗布パターンP1及び第2塗布パターンP2が並行して基板Kの塗布面Kaに描画され、その描画後の塗布面Kaに、図9に示すように、塗布形状が異なる第3塗布パターンP3及び第4塗布パターンP4が並行して描画される。これにより、目標とする塗布パターンM1は、基板Kの塗布面Ka上に完成する。
【0059】
次に、ペースト塗布装置1の塗布動作について説明する。ペースト塗布装置1の制御部8が、記憶部83に格納された制御プログラムに基づいて塗布処理を実行する。
【0060】
図10に示すように、まず、制御部8は、基板Kが基板ステージ2のテーブル2a上に載置されると、基板ステージ2の基板吸着機構によりテーブル2a上に基板Kを吸着して固定する(ステップS1)。
【0061】
次いで、制御部8は、一対のY軸移動機構6A、6Bを制御し、第1支持部材5AをY軸方向にY軸描画開始位置まで移動させ(ステップS2)、第1支持部材5A側のX軸移動機構4aを制御し、第1支持部材5A側の2つの塗布ヘッド3AをX軸方向にX軸描画開始位置まで移動させ(ステップS3)、さらに、一対のY軸移動機構6A、6Bを制御し、第2支持部材5BをY軸方向にY軸描画開始位置まで移動させ(ステップS4)、第2支持部材5B側のX軸移動機構4aを制御し、第2支持部材5B側の1つの塗布ヘッド3BをX軸方向にX軸描画開始位置まで移動させ(ステップS5)、基板ステージ2のY軸移動機構2bを制御し、テーブル2aをY軸描画開始位置まで移動させる(ステップS6)。これにより、第1支持部材5A、第2支持部材5B、塗布ヘッド3A、3B及びテーブル2aの各部は、例えば図12に示すような位置に待機する。
【0062】
その後、制御部8は、各Z軸移動機構4cを制御し、第1支持部材5A側の2つの塗布ヘッド3AをZ軸方向にZ軸描画開始位置まで移動させ(ステップS7)、Z軸移動機構4cを制御し、第2支持部材5B側の1つの塗布ヘッド3BをZ軸方向にZ軸描画開始位置まで移動させる(ステップS8)。
【0063】
次に、制御部8は、例えば図12に示すように第1塗布条件に基づいて、第1支持部材5A側の2つの塗布ヘッド3Aによるペーストの塗布、それらの塗布ヘッド3Aの移動及び第1支持部材5Aの移動を制御し、第1塗布パターンP1(図中の点線)を描画し、さらに、第2塗布条件に基づいて、第2支持部材5B側の1つの塗布ヘッド3Bによるペーストの塗布、その塗布ヘッド3Bの移動及び第2支持部材5Bの移動を制御し、第2塗布パターンP2(図中の点線)を描画する(ステップS9)。これにより、基板Kの塗布面Kaには、塗布形状が異なる第1塗布パターンP1及び第2塗布パターンP2が描画される(図8参照)。このとき、基板ステージ2のテーブル2aは移動せずに固定されている。
【0064】
このような描画を行うとき、制御部8は、第1支持部材5Aの移動と第2支持部材5Bの移動とを相反する方向に行うこともできる。これにより、第1支持部材5A及び第2支持部材5Bが同時に同じ方向に移動することがなくなるので、第1支持部材5A及び第2支持部材5Bが同一方向に移動することによる揺れの発生を防止することができる。
【0065】
その後、制御部8は、各Z軸移動機構4cを制御し、第1支持部材5A側の2つの塗布ヘッド3AをZ軸方向にZ軸退避位置まで移動させ(ステップS10)、Z軸移動機構4cを制御し、第2支持部材5B側の1つの塗布ヘッド3BをZ軸方向にZ軸退避位置まで移動させる(ステップS11)。
【0066】
次いで、制御部8は、一対のY軸移動機構6A、6Bを制御し、第1支持部材5AをY軸方向にY軸描画開始位置まで移動させ(ステップS12)、第1支持部材5A側のX軸移動機構4aを制御し、第1支持部材5A側の1つの塗布ヘッド3AをX軸方向にX軸描画開始位置まで移動させ(ステップS13)、さらに、一対のY軸移動機構6A、6Bを制御し、第2支持部材5BをY軸方向にY軸描画開始位置まで移動させ(ステップS14)、第2支持部材5B側のX軸移動機構4aを制御し、第2支持部材5B側の2つの塗布ヘッド3BをX軸方向にX軸描画開始位置まで移動させ(ステップS15)、基板ステージ2のY軸移動機構2bを制御し、テーブル2aをY軸描画開始位置まで移動させる(ステップS16)。これにより、第1支持部材5A、第2支持部材5B、塗布ヘッド3A、3B及びテーブル2aの各部は図13に示すような位置に待機する。
【0067】
その後、制御部8は、Z軸移動機構4cを制御し、第1支持部材5A側の1つの塗布ヘッド3AをZ軸方向にZ軸描画開始位置まで移動させ(ステップS17)、各Z軸移動機構4cを制御し、第2支持部材5B側の2つの塗布ヘッド3BをZ軸方向にZ軸描画開始位置まで移動させる(ステップS18)。
【0068】
次に、図11に示すように、制御部8は、例えば第3塗布条件に基づいて、第1支持部材5A側の1つの塗布ヘッド3Aによるペーストの塗布、その塗布ヘッド3Aの移動及び第1支持部材5Aの移動を制御し、図13に示すように、第3塗布パターンP3(図中の点線)を描画し、さらに、第4塗布条件に基づいて、第2支持部材5B側の2つの塗布ヘッド3Bによるペーストの塗布、それらの塗布ヘッド3Bの移動及び第2支持部材5Bの移動を制御し、図13に示すように、第4塗布パターンP4(図中の点線)を描画する(ステップS19)。これにより、基板Kの塗布面Kaには、第1塗布パターンP1及び第2塗布パターンP2に加え、塗布形状が異なる第3塗布パターンP3及び第4塗布パターンP4が描画される(図9参照)。このとき、基板ステージ2のテーブル2aは移動せずに固定されている。
【0069】
その後、制御部8は、各Z軸移動機構4cを制御し、第1支持部材5A側の1つの塗布ヘッド3AをZ軸方向にZ軸退避位置まで移動させ(ステップS20)、各Z軸移動機構4cを制御し、第2支持部材5B側の2つの塗布ヘッド3BをZ軸方向にZ軸退避位置まで移動させる(ステップS21)。
【0070】
次いで、制御部8は、一対のY軸移動機構6A、6Bを制御し、第1支持部材5AをY軸方向にY軸退避位置まで移動させ(ステップS22)、第1支持部材5A側のX軸移動機構4aを制御し、第1支持部材5A側の1つの塗布ヘッド3AをX軸方向にX軸退避位置まで移動させ(ステップS23)、さらに、一対のY軸移動機構6A、6Bを制御し、第2支持部材5BをY軸方向にY軸退避位置まで移動させ(ステップS24)、第2支持部材5B側のX軸移動機構4aを制御し、第2支持部材5B側の2つの各塗布ヘッド3BをX軸方向にX軸退避位置まで移動させ(ステップS25)、基板ステージ2のY軸移動機構2bを制御し、テーブル2aを基板搬出位置まで移動させる(ステップS26)。
【0071】
最後に、制御部8は、基板Kの取り外しのため、基板ステージ2の基板吸着機構によるテーブル2a上への基板Kの吸着を開放する(ステップS27)。このようにして、第1支持部材5A側の各塗布ヘッド3Aと第2支持部材5B側の各塗布ヘッド3Bとによって、異なる塗布パターンP1、P2が基板Kの塗布面Ka上に同時に描画され、基板KがY軸方向に移動し、さらに、異なる塗布パターンP3、P4が基板Kの塗布面Ka上に同時に描画される。これにより、目標とする塗布パターンM1が基板Kの塗布面Ka上に形成される。
【0072】
以上説明したように、本発明の第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、異なる塗布パターンP1、P2(異なる塗布パターンP3、P4)を同時並行に描画することによって、基板1枚あたりのタクトタイムを短縮し、生産性を向上させることができる。
【0073】
また、このような塗布動作では、基板ステージ2のテーブル2aがY軸方向に移動し、図12に示すように、テーブル2aの端部が架台7の左端部(図中)に達すると、架台7の右端部側には、第2支持部材5Bのための描画用のスペースSP1が形成される。また、基板ステージ2のテーブル2aがY軸方向に移動し、図13に示すように、テーブル2aの端部が架台7の右端部(図中)に達すると、架台7の左端部側には、第1支持部材5Aのための描画用のスペースSP1が形成される。これにより、基板ステージ2のY軸方向のどちらか一方の端部側に描画用のスペースSP1が形成されるので、基板ステージ2のY軸方向の両側に描画用のスペースSP1を設ける必要はなくなる。さらに、基板KのY軸方向の移動に応じて、異なる塗布パターンP1、P2、P3、P4が描画され、目標とする塗布パターンM1が形成されるので、第1支持部材5Aの移動範囲H1及び第2支持部材5Bの移動範囲H2(図12及び図13参照)は、基板Kが固定されている場合に比べて小さくなる。
【0074】
このようなことから本発明の第2の実施の形態によれば、第1支持部材5A側の塗布ヘッド3A及び第2支持部材5B側の塗布ヘッド3B毎に異なる塗布条件に基づいて、基板ステージ2のY軸移動機構2bを制御し、第1支持部材5A側の各塗布ヘッド3Aによるペーストの塗布、それらの塗布ヘッド3Aの移動及び第1支持部材5Aの移動を制御し、第2支持部材5B側の各塗布ヘッド3Bによるペーストの塗布、それらの塗布ヘッド3Bの移動及び第2支持部材5Bの移動を制御し、第1支持部材5A側の各塗布ヘッド3Aによるペーストの塗布パターンと、第2支持部材5B側の各塗布ヘッド3Bによるペーストの塗布パターンとをそれらの塗布形状を異ならせて基板Kの塗布面Ka上に描画することによって、基板KのY軸方向に移動に応じて、基板KのY軸方向のどちらか一端側に描画用のスペースSP1が形成され、さらに、基板KのY軸方向の移動に応じて、塗布形状が異なる塗布パターンP1、P2、P3、P4が描画され、目標とする塗布パターンM1が形成される。
【0075】
これにより、2つの支持部材5A、5Bの各々の移動範囲H1、H2が従来の装置に比べ小さくなり、基板KのY軸方向の両側に描画用のスペースSP1を設ける必要がなくなるので、ペースト塗布装置1の小型化を実現することができる。
【0076】
さらに、第1支持部材5A側の塗布ヘッド3Aによる塗布パターンと、第2支持部材5B側の塗布ヘッド3Bによる塗布パターンとを異ならせて描画することを基板Kの移動に応じて繰り返し、目標とする塗布パターンM1を基板Kの塗布面Ka上に形成することによって、塗布形状が異なる様々な塗布パターンP1、P2、P3、P4が組み合わされ、目標とする塗布パターンM1が形成されるので、様々な塗布形状を有する目標とする塗布パターンM1を描画することができる。
【0077】
また、第1支持部材5Aの移動と第2支持部材5Bの移動とを相反する方向に行うことによって、第1支持部材5A及び第2支持部材5Bが同時に同じ方向に移動することがなくなり、第1支持部材5A及び第2支持部材5Bが同一方向に移動することによる揺れの発生を防止することが可能になるので、精度良く、異なる塗布パターンP1、P2を基板Kの塗布面Kaに描画することができる。
(他の実施の形態)
なお、本発明は、前述の実施の形態に限るものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
【0078】
例えば、前述の実施の形態においては、第1支持部材5A及び第2支持部材5Bとして支持部材を2つだけ設けているが、これに限るものではなく、例えば、3つ以上設けるようにしても良い。例えば、第1支持部材5A及び第2支持部材5Bに加え、第3支持部材を設けた場合には、第1塗布条件及び第2塗布条件による制御に加え、第3塗布条件に基づいて、第3支持部材により支持された各塗布ヘッドによるペーストの塗布、それらの塗布ヘッドの移動及び第3支持部材の移動を制御し、塗布パターンを異ならせて描画することによって、支持部材毎の塗布ヘッド間で、1枚の基板Kに対して異なる3つの塗布パターンを描画することができる。
【0079】
さらに、前述の実施の形態においては、塗布ヘッド3A、3Bを、1つの支持部材5A、5Bに対して3つ設けているが、これに限るものではなく、例えば、1つ又は2つ、あるいは4つ以上設けるようにしても良い。
【0080】
また、前述の実施の形態においては、圧縮空気や圧縮窒素等の気体によりノズル3bからペーストを吐出する塗布ヘッド3A、3Bを用いているが、これに限るものではなく、例えば、スクリュー式の塗布ヘッド3A、3Bを用いるようにしてもよい。
【0081】
なお、前述の実施の形態において、制御部8(メインコンピュータ81)は、記憶部83に格納された制御プログラムや各種データ等に基づいて各駆動部88〜96を制御するものとして説明したが、メインコンピュータ81が制御プログラムや各種データ等を修正して各駆動部88〜96の制御を行うことも可能である。
【0082】
例えば、第1の実施の形態において、基板Kの塗布面Kaに第1塗布条件で第1塗布パターンP1を必要数描画するに要する時間と第2塗布条件で第2塗布パターンP2を必要数描画するに要する時間とに差が生じる場合、同じタイミングで描画が完了するようにいずれかの塗布条件における移動速度(塗布ヘッドと基板との相対移動速度)と吐出圧力(単位時間当たりのペーストの吐出量)を修正して用いるようにしてもよい。
【0083】
仮に、いずれの塗布条件においても移動速度が許容される最大速度に設定されている場合は、描画が早く完了する方の塗布条件における移動速度を低減させるとともに移動速度の低減に合せて吐出圧力を低下させ、描画が遅く完了する方の塗布条件に描画に要する時間を合せればよい。なお、移動速度を低減に合せて吐出圧力を低下させるのは、塗布条件の修正前後でペーストの単位長さ当たりの吐出量を一定に保つためである。
【0084】
もちろん、記憶部83に、基板Kの塗布面Kaに対する2つの塗布パターンP1、P2の描画が完了するタイミングが同じになるような塗布条件で第1塗布条件と第2塗布条件を設定するようにしても良い。
【0085】
また、記憶部83に格納された塗布条件で塗布パターンの描画を行った場合に、塗布ヘッド3A、3B同士(同じ支持部材5A、5B上の塗布ヘッド3A、3B同士、或いは異なる支持部材5A、5B上の塗布ヘッド3A、3B同士)で干渉が生じるか否かを、メインコンピュータ81にて描画前に判定し、干渉する場合には塗布条件の修正を促す警報をモニタ表示や音声にて報知するようにしても良い。
【0086】
例えば、第1の実施の形態において、記憶部83に格納された第1塗布条件と第2塗布条件で複数の塗布ヘッド3A、3Bを用いて塗布した場合における隣接或いは対向する塗布ヘッド3A、3B同士の相対距離を第1、第2の塗布条件に基づいて経過時間毎に算出する。算出した相対距離がいずれも、記憶部83に予め設定された許容値(例えば、塗布ヘッド同士が干渉することのない最小の相対距離)よりも大きい値であれば、格納された第1塗布条件と第2塗布条件で塗布ヘッド3A、3B同士の干渉は生じないと判定する。また、算出した相対距離のうちいずれか一つでも許容値以下であった場合には、格納された第1塗布条件と第2塗布条件での塗布パターンP1、P2の描画中に塗布ヘッド3A、3B同士の干渉が生じるものと判定する。
【0087】
このようにすることで、塗布パターンの描画中に塗布ヘッド同士の干渉が生じることを未然に回避することができるので、塗布ヘッド同士の干渉による塗布不良や塗布ヘッドの損傷を防止できるので、塗布作業を効率良く行うことが可能となる。
【符号の説明】
【0088】
1 ペースト塗布装置
3A 第1塗布ヘッド
3B 第2塗布ヘッド
5A 第1支持部材
5B 第2支持部材
K 塗布対象物(基板)
Ka 塗布面
P1 塗布パターン
P2 塗布パターン
P3 塗布パターン
P4 塗布パターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗布対象物の塗布面にペーストをそれぞれ塗布する第1塗布ヘッド及び第2塗布ヘッドと、
前記塗布面に沿う第1軸方向に移動可能に前記第1塗布ヘッドを支持し、前記塗布面に沿う第2軸方向に移動可能に設けられた第1支持部材と、
前記第1軸方向に移動可能に前記第2塗布ヘッドを支持し、前記第2軸方向に移動可能に設けられた第2支持部材と、
前記ペーストの塗布に関する第1塗布条件に基づいて、前記第1塗布ヘッドによる前記ペーストの塗布、前記第1塗布ヘッドの移動及び前記第1支持部材の移動を制御し、前記第1塗布条件と異なる第2塗布条件に基づいて、前記第2塗布ヘッドによる前記ペーストの塗布、前記第2塗布ヘッドの移動及び前記第2支持部材の移動を制御し、前記第1塗布ヘッドによる前記ペーストの塗布パターンと、前記第2塗布ヘッドによる前記ペーストの塗布パターンとを異ならせて前記塗布面上に描画する手段と、
を備えることを特徴とするペースト塗布装置。
【請求項2】
前記描画する手段は、前記塗布パターンの描画サイズがそれぞれ異なる前記第1塗布条件及び前記第2塗布条件に基づいて、前記第1塗布ヘッドによる前記ペーストの塗布パターンと、前記第2塗布ヘッドによる前記ペーストの塗布パターンとを異ならせて描画することを特徴とする請求項1記載のペースト塗布装置。
【請求項3】
前記描画する手段は、前記塗布パターンの塗布形状がそれぞれ異なる前記第1塗布条件及び前記第2塗布条件に基づいて、前記第1塗布ヘッドによる前記ペーストの塗布パターンと、前記第2塗布ヘッドによる前記ペーストの塗布パターンとを異ならせて描画することを特徴とする請求項1又は2記載のペースト塗布装置。
【請求項4】
前記描画する手段は、前記ペーストの塗布量がそれぞれ異なる前記第1塗布条件及び前記第2塗布条件に基づいて、前記第1塗布ヘッドによる前記ペーストの塗布パターンと、前記第2塗布ヘッドによる前記ペーストの塗布パターンとを異ならせて描画することを特徴とする請求項1、2又は3記載のペースト塗布装置。
【請求項5】
前記描画する手段は、前記第1支持部材の移動と前記第2支持部材の移動とを相反する方向に行うことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のペースト塗布装置。
【請求項6】
ペーストの塗布に関する第1塗布条件に基づいて、塗布対象物の塗布面にペーストを塗布する第1塗布ヘッドによる前記ペーストの塗布、前記第1塗布ヘッドの移動、及び前記塗布面に沿う第1軸方向に移動可能に前記第1塗布ヘッドを支持し前記塗布面に沿う第2軸方向に移動可能に設けられた第1支持部材の移動を制御し、前記第1塗布条件と異なる第2塗布条件に基づいて、前記塗布面にペーストを塗布する第2塗布ヘッドによる前記ペーストの塗布、前記第2塗布ヘッドの移動、及び前記第1軸方向に移動可能に前記第2塗布ヘッドを支持し前記第2軸方向に移動可能に設けられた前記第2支持部材の移動を制御し、前記第1塗布ヘッドによる前記ペーストの塗布パターンと、前記第2塗布ヘッドによる前記ペーストの塗布パターンとを異ならせて前記塗布面上に描画することを特徴とするペースト塗布方法。
【請求項7】
前記塗布パターンの描画サイズがそれぞれ異なる前記第1塗布条件及び前記第2塗布条件に基づいて、前記第1塗布ヘッドによる前記ペーストの塗布パターンと、前記第2塗布ヘッドによる前記ペーストの塗布パターンとを異ならせて描画することを特徴とする請求項6記載のペースト塗布方法。
【請求項8】
前記塗布パターンの塗布形状がそれぞれ異なる前記第1塗布条件及び前記第2塗布条件に基づいて、前記第1塗布ヘッドによる前記ペーストの塗布パターンと、前記第2塗布ヘッドによる前記ペーストの塗布パターンとを異ならせて描画することを特徴とする請求項6又は7記載のペースト塗布方法。
【請求項9】
前記ペーストの塗布量がそれぞれ異なる前記第1塗布条件及び前記第2塗布条件に基づいて、前記第1塗布ヘッドによる前記ペーストの塗布パターンと、前記第2塗布ヘッドによる前記ペーストの塗布パターンとを異ならせて描画することを特徴とする請求項6、7又は8記載のペースト塗布方法。
【請求項10】
前記第1支持部材の移動と前記第2支持部材の移動とを相反する方向に行うことを特徴とする請求項6、7、8又は9記載のペースト塗布方法。
【請求項11】
塗布対象物の塗布面にペーストをそれぞれ塗布する第1塗布ヘッド及び第2塗布ヘッドと、
前記塗布面に沿う第1軸方向に移動可能に前記第1塗布ヘッドを支持し、前記塗布面に沿う第2軸方向に移動可能に設けられた第1支持部材と、
前記第1軸方向に移動可能に前記第2塗布ヘッドを支持し、前記第2軸方向に移動可能に設けられた第2支持部材と、
前記塗布対象物を前記第2軸方向に移動させる移動機構と、
前記ペーストの塗布に関する条件であって前記第1塗布ヘッド及び前記第2塗布ヘッド毎に異なる塗布条件に基づいて、前記移動機構を制御し、前記第1塗布ヘッドによる前記ペーストの塗布、前記第1塗布ヘッドの移動及び前記第1支持部材の移動を制御し、前記第2塗布ヘッドによる前記ペーストの塗布、前記第2塗布ヘッドの移動及び前記第2支持部材の移動を制御し、前記第1塗布ヘッドによる前記ペーストの塗布パターンと、前記第2塗布ヘッドによる前記ペーストの塗布パターンとをそれらの塗布形状を異ならせて前記塗布面上に描画する手段と、
を備えることを特徴とするペースト塗布装置。
【請求項12】
前記描画する手段は、前記第1塗布ヘッドによる前記塗布パターンと、前記第2塗布ヘッドによる前記塗布パターンとを異ならせて描画することを前記塗布対象物の移動に応じて繰り返し、目標とする塗布パターンを前記塗布面上に形成することを特徴とする請求項11記載のペースト塗布装置。
【請求項13】
前記描画する手段は、前記第1支持部材の移動と前記第2支持部材の移動とを相反する方向に行うことを特徴とする請求項11又は12記載のペースト塗布装置。
【請求項14】
ペーストの塗布に関する条件であって、塗布対象物の塗布面にペーストをそれぞれ塗布する第1塗布ヘッド及び前記第2塗布ヘッド毎に異なる塗布条件に基づいて、前記塗布対象物を前記塗布面に沿う第2軸方向に移動させる移動機構を制御し、前記第1塗布ヘッドによる前記ペーストの塗布、前記第1塗布ヘッドの移動、及び前記塗布面に沿う第1軸方向に移動可能に前記第1塗布ヘッドを支持し前記第2軸方向に移動可能に設けられた第1支持部材の移動を制御し、前記第2塗布ヘッドによる前記ペーストの塗布、前記第2塗布ヘッドの移動、及び前記第1軸方向に移動可能に前記第2塗布ヘッドを支持し前記第2軸方向に移動可能に設けられた第2支持部材の移動を制御し、前記第1塗布ヘッドによる前記ペーストの塗布パターンと、前記第2塗布ヘッドによる前記ペーストの塗布パターンとをそれらの塗布形状を異ならせて前記塗布面上に描画することを特徴とするペースト塗布方法。
【請求項15】
前記第1塗布ヘッドによる前記塗布パターンと、前記第2塗布ヘッドによる前記塗布パターンとを異ならせて描画することを前記塗布対象物の移動に応じて繰り返し、目標とする塗布パターンを前記塗布面上に形成することを特徴とする請求項14記載のペースト塗布方法。
【請求項16】
前記第1支持部材の移動と前記第2支持部材の移動とを相反する方向に行うことを特徴とする請求項14又は15記載のペースト塗布方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−220110(P2009−220110A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−161037(P2009−161037)
【出願日】平成21年7月7日(2009.7.7)
【分割の表示】特願2008−24261(P2008−24261)の分割
【原出願日】平成20年2月4日(2008.2.4)
【出願人】(000002428)芝浦メカトロニクス株式会社 (907)
【Fターム(参考)】